JP2005148138A - 電子写真用ラベルシート及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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孝 荻野
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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂からなるトナー受容層を有する従来の転写シートと比較して、ラベル機能をもたせ、定着器への巻き付き現象、先端樹脂オフセット現象を改善し、定着時にラベル体とセパレーターとが剥離することがなく、さらに高光沢で光沢が均一な画像を得ることができる電子写真用ラベルシートの提供である。
【解決手段】 ラベル基材の表面に、離型剤と熱可塑性樹脂とを含有するトナー受容層が形成され、該トナー受容層の厚さが3〜15μmの範囲であり、前記離型剤のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との溶融接触角が40〜70°の範囲であり、かつ前記離型剤の前記熱可塑性樹脂との溶融接触角が30°を超え60°以下であることを特徴とする電子写真用ラベルシートである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、間接乾式電子写真方式の複写機及びプリンターに使用される電子写真用ラベルシート、及びこれを用いた画像形成方法に関するものである。
電子写真方式の複写機やプリンターのカラー化、デジタル化に伴い、電子写真方式の高画質化、高速化が検討されてきている。特に、電子写真方式のフルカラー複写機及びプリンターにおいては、高画質画像、高速化に対応するために、画像の入出力のデジタル化が進み、画像入力方法、入力した画像の処理方法、現像法、転写法、定着法等が大きく改善された。また、現像剤や感光体の画像形成材料もデジタル高精細、高発色カラー記録に対応して改善されてきた。
一方、フルカラー複写機及びプリンターの高画質化に伴い、写真画質に近い記録媒体用としては、上質紙のみならず、坪量の高いコート紙、キャストコート紙、プラスチック材料、シール材料等、多品種なメディアが使用されてきている。さらに、電子写真方式による画像の高画質化に伴い、これらメディアを使用した写真画質に近い画像形成方法が提案されており、中でも、写真画質に近い画像を有するシールの用途は非常に高くなっている。
しかし、従来の電子写真方式では、トナー粒子径は、数μm〜数十μmに設定されているため、記録紙(記録媒体)に定着後のカラー画像(トナー画像)表面には、トナー層の高低によって、例えば10〜100μm程度の凹凸が形成され、光沢のムラ発生の原因となる。従来使用されている電子写真用シールにおいても同様に光沢のムラが発生し、カラー画像は、入射する照明光を乱反射し、肉眼で観察すると、光沢性に劣る画像に見える。
そこで、光沢を均一にするために、熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有したラベルシートや、熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有した画像担持材料が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、近年、定着時にオイル塗布を必要としない定着システム(オイルレス定着システム)の確立が提案されてきている。しかし、上記各公知技術の熱可塑性透明樹脂層を有する転写シートでは、定着ロールにオイル等の離型剤を塗布せずに画像を加圧加熱定着すると、転写シートの熱可塑性透明樹脂層が定着ロール(定着部材)に粘着するオフセット現象が発生し易くなり、熱可塑性透明樹脂層が定着ロールに取られて、光沢均一な画像が得られ難く、また定着器(定着装置)の定着部材に巻きつき故障を生じやすいという欠点がある(以下、この現象を「定着器への巻き付き」という)
上記問題を改善するために、トナー受容層や最外層に、シリコーン系化合物、フッ素化合物及びワックス等の離型剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献3〜6参照)。
しかし、これら発明は、前記オイルレス定着システムに対し、巻き付き現象は発生し難いが、離型剤及びトナー受容層樹脂の定着器表面材料への付着性について十分検討したものではない。そのため、転写シートが定着器に突入する際に、先端のトナー受容層が定着部材に取られ、定着部材が一周し再度転写シートにトナー受容層の一部が付着する現象が発生する可能性が高い(以下、この現象を「先端樹脂オフセット」という)。
また、使用する離型剤と定着部材表面との溶融接触角を大きくし、かつ離型剤のトナー受容層樹脂との溶融接触角を小さくすることが提案されている(例えば、特許文献7参照)。
しかし、離型剤のトナー受容層樹脂との溶融接触角を小さくすると、トナー受容層の軟化温度が低下し、前記の先端樹脂オフセットが発生し易くなるといった欠点がある。
さらに、前記ラベルシートにおいて、ラベル基材やセパレーター基材に樹脂フィルムを用いた電子写真用ラベルシートでは、前記定着器への巻付きや先端樹脂オフセットが発生するような条件では、定着時にラベル体とセパレーターとが剥離層で剥がれてしまうという問題もあった。
特開平7−248636号公報 特開平8−211645号公報 特開平11−52604号公報 特開平11−52605号公報 特開平11−52606号公報 特開平11−212292号公報 特開2003―66643号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂からなるトナー受容層を有する従来の転写シートと比較して、ラベル機能をもたせ、定着器への巻き付き現象、先端樹脂オフセット現象を改善し、定着時にラベル体とセパレーターとが剥離することがなく、さらに高光沢で光沢が均一な画像を得ることができる電子写真用ラベルシートを提供しようとするものである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> ラベル基材の片面に粘着層が設けられたラベル体と、該粘着層を介して前記ラベル体と剥離可能に仮接着されたセパレーターとから構成され、前記ラベル基材及び前記セパレーター基材がいずれも耐熱性樹脂フィルムである電子写真用ラベルシートであって、
前記ラベル基材の表面に、離型剤と熱可塑性樹脂とを含有するトナー受容層が形成され、該トナー受容層の厚さが3〜15μmの範囲であり、前記離型剤のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との溶融接触角が40〜70°の範囲であり、かつ前記離型剤の前記熱可塑性樹脂との溶融接触角が30°を超え60°以下であることを特徴とする電子写真用ラベルシートである。
<2> 少なくとも、ラベル体のトナー受容層表面にトナー画像を転写する転写工程と、離型層がテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる定着部材を有する定着装置によって、トナー画像を加熱溶融して前記トナー受容層に定着する定着工程とを含む電子写真用ラベルシートを用いる画像形成方法であって、
前記電子写真用ラベルシートが、<1>に記載の電子写真用ラベルシートであることを特徴とする画像形成方法である。
<3> 前記定着工程が、トナー画像を前記定着装置により一次定着した後、さらに該トナー画像を定着ベルトと重ね合わせると共に加熱及び加圧した後、冷却して前記定着ベルトから剥離することにより二次定着する工程を含むことを特徴とする<2>に記載の画像形成方法である。
本発明によれば、ラベル体とセパレーターとが耐熱性樹脂フィルムよりなり、離型剤を含むトナー受容層の厚さが3〜15μmの範囲であり、その離型剤の定着部材表面との溶融接触角及び離型剤の熱可塑性樹脂との溶融接触角を適切な範囲内に収めることで、定着器への巻き付き、先端樹脂オフセットの発生が無く、画像光沢均一性が良好な電子写真用ラベルシート、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を電子写真用ラベルシート(以下、単に「ラベルシート」と略す場合がある)と画像形成方法とに分けて、詳細に説明する。
<電子写真用ラベルシート>
本発明の電子写真用ラベルシートは、ラベル基材の片面に粘着層が設けられたラベル体と、該粘着層を介して前記ラベル体と剥離可能に仮接着されたセパレーターとから構成され、前記ラベル基材及び前記セパレーター基材がいずれも耐熱性樹脂フィルムである電子写真用ラベルシートであって、前記ラベル基材の表面に、離型剤と熱可塑性樹脂とを含有するトナー受容層が形成され、該トナー受容層の厚さが3〜15μmの範囲であり、前記離型剤のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との溶融接触角が40〜70°の範囲、前記離型剤の前記熱可塑性樹脂との溶融接触角が30°を超え60°以下であることを特徴とする。
本発明者等は、電子写真用ラベルシートについて、定着器への巻き付き発生がなく、かつ先端樹脂オフセットの発生がない、高光沢で、光沢均一性の画像を得るために、特にトナー受容層に使用する熱可塑性樹脂樹脂、トナー受容層に添加する離型剤の選択に当り、特に離型剤と定着部材との濡れ性、前記熱可塑性樹脂と離型剤との濡れ性について鋭意検討した。
その結果、前記定着器への巻き付き及び先端樹脂オフセットは、トナー受容層に添加する離型剤の定着部材との溶融接触角を制御し、さらに、離型剤のトナー受容層に使用する熱可塑性樹脂との溶融接触角を制御することで改善されることを見出した。
前記離型剤と定着部材との濡れ性及び離型剤と前記熱可塑性樹脂との濡れ性を正しく評価するために、本発明者等は、離型剤溶融時の定着器の加熱ロール(定着部材)表面に離型層として用いられているテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」と略す)との接触角、及び前記熱可塑性樹脂との接触角を新規な評価尺度として見出した。
そして、この場合、定着器への巻き付き、先端樹脂オフセットの発生がなく、かつ高光沢で光沢均一性の画質を得るためには、一定範囲にトナー受容層の厚さを規定する必要があることも見出された。
以下、本発明の電子写真用ラベルシートを図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電子写真用ラベルシートの構成を示す模式断面図である。図1において、本発明の電子写真用ラベルシートは、ラベル基材54、該ラベル基材54の片面に設けられたアンカーコート層53、アンカーコート層53表面に設けられたトナー受容層52、前記ラベル基材54の片面に設けたトナー受容層52とは反対側の面に設けられた粘着層55からなるラベル体50、並びに、このラベル体50に粘着層55を介して剥離可能に粘着されたセパレーター60からなる。セパレーター60は、セパレーター基材64、セパレーター基材64の粘着層55と接する面に設けられた剥離層63、セパレーター基材64の剥離層63とは反対側の面に設けられた帯電防止処理層65よりなる。
本発明において、ラベル基材54は耐熱性樹脂フイルムからなり、該耐熱性樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスチレンなどのプラスチック材料が挙げられる。また、加熱時の収縮を抑え、かつ白色度を調節するために、これらの樹脂に二酸化チタンや炭酸カルシウムなどの填料を配合することが好ましい。
ラベル基材54の厚さは、25〜150μmの範囲であることが好ましく、40〜100μmの範囲であることがより好ましい。厚さが25μmより薄いと、ラベルとして取り扱いし難くなる場合があり、厚さが150μmより厚くなると、プリンター及び複写機での転写・定着性能が悪くなる場合がある。また、前記ラベル基材54としては、予め熱処理し、熱収縮させたプラスチック材料を用いることが好ましい。
前記トナー受容層52には熱可塑性樹脂が用いられるが、該熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの中では、後述する離型剤との溶融接触角の好ましい範囲を満たすものとして、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが好ましく用いられる。
また、本発明においてトナー受容層52の厚さは、3〜15μmの範囲であることが必要であり、3〜10μmの範囲が好ましく、5〜10μmの範囲がより好ましい。厚さが3μmより薄いと、光沢発現性と光沢均一性が悪くなるため好ましくない。逆に15μmより厚いと、定着器への巻き付き、先端樹脂オフセットが発生しやすくなるため好ましくない。
トナー受容層52に用いられる熱可塑性樹脂の貯蔵弾性率は、130℃において4〜250Paの範囲であることが好ましい。4Paより低くなると、加熱定着時に樹脂が軟化し過ぎ定着器に付着しやすくなり、定着器への巻き付きが発生し易くなるため好ましくない。250Paより高いと、トナー受容層52へのトナー埋め込み性が悪くなり、画像光沢均一性が劣るため好ましくない。
上記貯蔵弾性率の測定は、レオメトリックス社製ダイナミックアナライザーRDAIIを使用し、測定周波数10rad/sの条件で行った。
また、トナー受容層52に用いられる前記熱可塑性樹脂のTg(ガラス転移温度)は、50〜90℃の範囲であることが好ましい。Tgが50℃に満たないと、ラベルシートが高温にさらされた際べた付き、最悪の場合、ラベルシートが他材料と、あるいはラベルシート同士で接着してしまうことがある。一方、Tgが90℃を超えると、定着器での樹脂の溶融が不良になり、光沢均一性が劣ることがある。
本発明におけるトナー受容層52には、定着部材との離型性能をもたせるために離型剤を含有させる必要がある。離型剤添加により、定着部材への離型性が高くなることから、定着器への巻き付きが軽減される。
前述のように、定着器への巻付きを防止するためには、前記離型剤として、定着部材の表面層を形成するPFAとの溶融接触角が、40〜70°の範囲となるものを適宜選択する必要がある。該溶融接触角は50〜70°の範囲が好ましく、55〜70°の範囲がより好ましい。溶融時の傾斜角が40°に満たないと、トナー受容層52表面に形成された離型層表面が加熱ロールに粘着してしまい、剥離性能が劣り、定着器への巻き付きや先端樹脂オフセット現象が発生してしまう。また、70°を超えると、トナー受容層52表面と加熱ロールとの間に離型剤による剥離層が均一に形成されず、形成不良となった箇所でラミネートフィルム表面と加熱ロールとの接触が起こり、巻きつきが発生してしまう。
さらに、前記離型剤は、トナー受容層52に使用する熱可塑性樹脂との溶融接触角が30°を超え60°以下となるものを適宜使用する必要がある。該溶融接触角は、35〜55°の範囲が好ましく、40〜50°の範囲がより好ましい。溶融接触角が30°以下であると、離型剤と熱可塑性樹脂との相溶性が高くなるため離型効果が得られ難くなり、先端部の熱可塑性樹脂が定着器に付着する先端樹脂オフセットが発生してしまう。さらに熱可塑性樹脂との溶融接触角が小さくなると、定着器への巻き付きが発生するため好ましくない。また、溶融接触角が60°を超えると熱可塑性樹脂中での分散性が悪くなり、定着器との剥離性が悪くなったり、ワックスの定着器への付着量が増え、定着器を汚染する可能性があるため好ましくない。
なお、上記溶融接触角の測定法については後述する。
前記離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられるが、前記PFAや熱可塑性樹脂との溶融接触角の好ましい範囲を満たすためには、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックスであることが好ましい。
したがって、例えば熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂を用いる場合には、離型剤としてポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を用いることが好ましく、熱可塑性樹脂として、アクリル樹脂を用いる場合には、離型剤としてポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等を用いることが好ましい。
また、上記離型剤の融点は、50〜110℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは90℃〜110℃である。離型剤の融点が110℃を超えると、定着器での離型剤効果が発現し難くなり、結果として、定着器にラベルシートが巻きつき易くなるため好ましくない。また、離型剤の融点が、50℃に満たないと、トナー受容層52の軟化温度を低下させ、先端樹脂オフセットが発生しやすくなるため好ましくない。
上記離型剤の含有量は、トナー受容層全体の2〜10質量%の範囲であることが好ましく、2〜8質量%の範囲であることがより好ましい。含有量が10質量%を超えると、画像光沢が低下し、かつ光沢むらが発生し易くなる場合がある。また含有量が2質量%に満たないと、加熱ロール定着器への巻きつきが発生する可能性がある。
トナー受容層52の表面抵抗率は、1×109Ω〜1×1012Ω/□の範囲であることが好ましく、1×109Ω〜1×1011Ω/□の範囲であることがより好ましい。1×109Ω/□より低いと、面内でトナー転写性ムラが発生しやすいため好ましくない。また1×1012Ω/□より高いと、トナー転写量が少なくなり、トナー転写性ムラが発生しやすいため好ましくない。
トナー受容層52には、トナーの転写を良くするために、トナー受容層52の帯電接着を防止する必要があり、帯電調整剤を含有させることが好ましい。前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、前記帯電調整剤としては導電性の金属酸化物を使用しても良い。特にトナー定着性の観点からは、導電性の金属酸化物による帯電制御をした方が好ましい。導電性の金属酸化物としては、ZnO、TiO、SnO2、Al23、InO3、SiO2、BaO及びMoO3などを挙げることができる。これらは、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物を使用しても良い。また、前記金属酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有させたものが好ましい。また、Sbを含有させたSnO2をTiO2に被覆したものを使用しても良い。
また、表面抵抗率が上記の最適な範囲内に収まるようにするためには、トナー受容層52を形成する際に、導電性の金属酸化物が均一に分散した状態である必要があり、分散性を良くするために界面活性剤などの分散剤を使用すると良い。
セパレーター基材64のラベル体50と仮接着される面と反対側の面に形成される帯電防止処理層65の表面抵抗率は、1×1010〜1×1013Ω/□の範囲とすることが好ましい。トナー受容層52と帯電防止処理層65との表面抵抗率を上記の組合せとすることにより、トナー転写性を改善することができる。帯電防止処理層65の導電処理としては、前記トナー受容層52に使用した熱可塑性樹脂に導電性の金属酸化物を添加したものを塗布しても良く、各種界面活性剤を塗布するか、または熱可塑性樹脂中に界面活性剤を添加し塗布してもかまわない。
なお、前記表面抵抗率は、23℃、50%RHの環境下にて、JIS−K−6911に準拠した方法で測定したものである。測定器としては、アドバンテスト製 デジタル超高抵抗計R8340とレジスティビティ・チャンバーR1270(電極直径:50mm)とを使用し、印加電圧を100Vとしたときの1分後の電流値を測定することにより行った。また、各サンプルは、23℃、50%RHの環境下に24時間以上放置した後、測定に供した。
トナー受容層52とラベル基材54との間には、アンカーコート層53を設けたほうがよい。トナー受容層52及びラベル基材54は接着性が低い場合があり、そのような構成のときにアンカーコート層53を設けないと、トナー受容層52がラベル基材54に強く接着せず、ラベルシートが変形した際に、トナー受容層52がラベル基材54から剥離してしまう場合がある。
ラベル基材54のトナー受容層52に対して裏面に設けられる粘着層55は、アクリル系、ゴム系等の粘着剤を用いて形成することができる。粘着層55の塗工厚みは5〜30μmの範囲であることが好ましく、10〜20μmの範囲であることがより好ましい。粘着層55の厚みが上記範囲より厚いと、粘着剤がラベルシート端面からはみ出し、複写機・プリンター内部を汚染し、給紙不良等の発生の原因となることがある。また、粘着層55の厚みが上記範囲より薄いと、粘着力が不足し複写機・プリンター内部でラベルシートが擦られた際に、セパレーター60とラベル体50とが剥離し、複写機・プリンター内部の部材に張り付き、給紙不良が発生してしまう。
本発明におけるセパレーター基材64はラベル基材54と同様耐熱性樹脂フィルムであり、該耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスチレン等の高分子フィルム、またはそれら基材に充填材等を配合したフィルム等を使用することができる。なお、上記セパレーター基材64は100℃以上でも耐熱性を有するものであることが好ましい。
セパレーター基材64の厚さは、25〜150μmの範囲であることが好ましく、50〜100μmの範囲であることがより好ましい。厚さが25μmより薄いと、ラベルシートとして取り扱いし難くなる場合があり、厚さが150μmより厚くなると、プリンター及び複写機での転写・定着性能が悪くなる場合がある。
セパレーター基材64の片面に設けられる剥離層63は、紫外線硬化型シリコーン樹脂や熱硬化型シリコーン樹脂等を塗工することによって形成することができる。これらの剥離層63の厚さは、通常0.05〜1μmの範囲であるが、これに限られるものではない。
なお、前述のように、ラベルシートへのトナー定着時にトナー受容層52と定着部材との離型性が悪いと、上記剥離層63でラベル体50とセパレーター60とが剥がれてしまうが、前記本発明におけるトナー受容層52を有するラベルシートでは、定着部材との離型性がよいため、このような問題も生じない。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、上記説明した本発明の電子写真用ラベルシートを用いる画像形成方法であって、少なくとも、ラベル体のトナー受容層表面にトナー画像を転写する転写工程と、離型層がPFAからなる定着部材を有する定着装置によって、トナー画像を加熱溶融して前記トナー受容層に定着する定着工程とを含むことを特徴とする。
なお、本発明の画像形成方法は、以下に例示するカラートナーを用いたカラー画像形成方法に好適に用いられるものであるが、本発明の画像形成方法は、カラー画像形成方法に限定されず、モノクロトナーを用いた画像形成にも適用されるものである。
以下、本発明の画像形成方法に適用される画像形成装置を、図面を参照しつつ説明する。
図2は、本発明の画像形成方法に用いる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図における画像形成装置100はタンデム型カラー画像形成装置であり、この画像形成装置100には図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくるカラー画像情報や、画像データー入力装置、画像読み取り装置より読み取られたカラー原稿のカラー画像情報等が入力され、入力された画像情報に対して画像処理が行われる。
1Y、1M、1C、1Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像を形成する電子写真画像形成ユニットであり、複数の張架ロール10により張架された無端状の中間転写体9の進行方向に対して1Y、1M、1C、1Kの順で直列に配設されている。また中間転写体9は各電子写真画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの静電潜像担持体2Y、2M、2C、2Kとそれぞれに対向して配設される転写手段6Y、6M、6C、6Kとの間を挿通している。
中間転写体9への画像形成の動作をイエロートナー画像を形成する、電子写真画像形成ユニット1Yを代表して説明する。
まず、静電潜像担持体2Yは、一様帯電器3Yによりその表面を一様に帯電される。次に露光器4Yによりイエロー画像に対応する像露光がなされ、静電潜像担持体2Yの表面にはイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。このイエロー画像に対応する静電潜像は現像装置5Yによってイエロートナー画像となり、一次転写手段の一部を構成する一次転写ロール6Yの圧接力及び静電吸引によって中間転写体9上に転写される。転写後の静電潜像担持体2Y上に残留したイエロートナーは、静電潜像担持体クリーニング装置7Yよって掻き取られる。静電潜担持体2Yの表面は除電装置8Yによって除電された後、次の画像形成サイクルのために一様帯電器3Yにより再び帯電される。
多色のカラー画像形成を行なう本画像形成装置100では、各電子写真画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの相対的な位置の違いを考慮したタイミングで、上記と同様の画像形成工程が電子写真画像形成ユニット1M、1C、1Kにおいても行われ、中間転写体9上にフルカラートナー画像が形成される。中間転写体9上に形成されたフルカラートナー画像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される電子写真用ラベルシート18(記録媒体)に、中間転写体9を支持するバックアップロール13と、バックアップロール13に圧接する二次転写手段の一部を構成する二次転写ロール12の圧接力及び静電吸引によって転写される。
電子写真用ラベルシート18は、図2に示すように、画像形成装置100内の下部に配置された電子写真用記録媒体収容部としての給紙カセット17から、所定のサイズのものが給紙ロール17aによって給紙される。給紙された電子写真用ラベルシート18は、複数の搬送ロール19及びレジストロール20によって、所定のタイミングで中間転写体9の二次転写位置まで搬送される。そして、電子写真用ラベルシート18には、上述したように、二次転写手段としてのバックアップロール13と二次転写ロール12とによって、中間転写体9上からフルカラートナー画像が一括して転写されるようになっている。
また、中間転写体9上からフルカラートナー画像が転写された電子写真用ラベルシート18は、中間転写体9から分離された後、二次転写手段の下流側に配設された第一定着装置15へと搬送され、この第一定着装置15によって熱及び圧力でトナー画像が電子写真用ラベルシート18に定着される。
また、二次転写手段により電子写真用ラベルシート18上に転写できなかった中間転写体9上の残トナーは、そのまま中間転写体9上に付着した状態で中間転写体クリーニング装置14まで搬送され、クリーニング手段14により、中間転写体9上から除去され次の画像形成に備える。
第一定着装置15(定着装置)は、図3に示すような小熱容量の定着ロール30(定着部材)と、加圧ベルト31及び加圧パッド32からなる加圧ベルト式定着装置である。
定着ロール30は、アルミニウムからなる肉厚1.5mm、外径25mm、長さ380mmのコア30a表面に、ゴム硬度(JIS−A)が33°のシリコーンゴムからなる弾性体層30bを厚さ0.5mm、長さ320mmに被覆し、さらに弾性体層30bの表面に厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層30cを被覆して形成されている。定着ロール30の内部には、加熱源として650Wのハロゲンランプ33が配設されており、定着ロール30の表面温度が所定の温度(トナーの溶融温度によるが、一般には140〜190℃)となるように内部から加熱する。
加圧ベルト31は、厚さ75μm、外径30mm、長さ330mmのポリイミドベルトの表面に、厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層が形成されている。加圧ベルト31内部には、加圧ベルト31を定着ロール30に押圧しニップを形成する加圧パッド32が配置されている。加圧パッド32の押圧荷重は33kgで、ニップ幅は6.5mmである。加圧ベルト31及び加圧パッド32側には熱源を持たない。
本画像形成装置100内の電子写真用ラベルシート搬送経路11は画像形成装置100の側面に設けられており、その電子写真用ラベルシート搬送経路11は図面上略垂直となるように構成されている。
この略垂直な電子写真用ラベルシート搬送経路11により画像形成、及び定着された電子写真用ラベルシート18は、画像形成装置の上部に排出することが可能な構成となっている。
本画像形成装置100には第一のプリントモード(普通プリント)と第二のプリントモード(高光沢プリントすなわち写真モード)とが備えられており、低光沢、及び非光沢の画像を出力する普通プリントモードを選択した場合、普通紙やコート紙が収納されている給紙カセット17より選択的に給紙され、二次転写手段によりフルカラートナー画像転写され、第一定着装置15において定着された後、搬送方向切替ゲート16により搬送経路が第一電子写真用ラベルシート排出口21側に切り替えられ、排出ロール22によって普通紙モード用排紙トレイ25上に、画像形成面が上向きに排出される。
また、前記写真モードを選択した場合、給紙カセット17より選択的に給紙され、二次転写手段によりフルカラートナー画像転写され、第一定着装置15において定着された後、搬送方向切替ゲート16により搬送経路が第二電子写真用ラベルシート排出口23側に切り替えられ、排出ロール24によって排出される。この場合には、電子写真用ラベルシートは、さらに高光沢な画像とするため後述する第二定着装置による定着に供される。
本発明においては、上記第二定着装置を含む定着により画像形成を行うことが好ましく、この第二定着装置101の詳細について図4、5により以下に説明する。
第二定着装置101は、画像形成装置100と画像読み取り装置102との間に配設され、図4に示すように画像形成装置100と一体の構成となっている。第二定着装置101は、図5に示すように熱源を有する加熱定着ロール40、剥離ロール44、ステアリングロール45、加熱定着ロール40及び剥離ロール44とステアリングロール45に巻き回された定着ベルト47、定着ベルト47を介して加熱定着ロール40に押圧してニップを形成する加圧ロール42、定着ベルト47の回転方向のニップ下流側にて定着ベルト47を冷却する冷却器46を有し、トナーを担持した電子写真用ラベルシート18は、トナー画像が定着ベルト47と接するようにニップ部に搬送されて加熱加圧定着され、冷却器46で定着ベルト47及び電子写真用ラベルシート18が冷却されたのちに、定着ベルト47と電子写真用記録シート18を剥離するベルト定着器である。
加熱定着ロール40は、熱伝導性の高い金属製のコア40aの表面に、PFAチューブ等のフッ素樹脂層からなる離型層40bを形成し、コア40a中に、ハロゲンランプなどの加熱源41が備えられ、加熱定着ロール40の表面温度が所定の温度になるように加熱し、定着ベルト47とトナー画像が形成された電子写真用ラベルシート18を加熱する。
加圧ロール42は、熱伝導性の高い金属製のコア42aの周囲に、ゴム硬度(JIS−A)が40°程度のシリコーンゴム等からなる弾性体層42bを被覆し、さらにその表面PFAチューブ等のフッ素樹脂層からなる離型層42cを形成し、コア42a中に、ハロゲンランプなどの加熱源43が備えられ、加圧ロール42の表面温度が所定の温度になるように加熱し、定着時の電子写真用ラベルシート18に圧力を印加させると同時に、電子写真用ラベルシート18を裏面から加熱させる。
加熱定着ロール40と加圧ロール42の構成は上述した構成に限定される物ではなく、電子写真用ラベルシート18上に形成されたトナー画像を、定着ベルト47を介して電子写真用ラベルシート18上に定着できる構成であれば良い。
剥離ロール44は、定着ベルト47から電子写真用ラベルシート18を電子写真用ラベルシート18自身の剛性により剥離させる原理であり、その外径形状(寸法)は定着ベルト47と電子写真用ラベルシート18の付着力、及び定着ベルト47の剥離ロール44への巻き付け角度によって決定される。
ステアリングロール45は、定着ベルト47を回転させることにより発生する片寄りによるベルト端部の破損を防止するためのものであり、一方の軸が固定され、他方の軸を図示しない駆動装置により加熱定着ロール40に対して傾かせることで、定着ベルト47が片寄った場合逆方向にベルトの進行方向を変える役割を果たす。
冷却器46は、定着ベルト47と密着している電子写真用ラベルシート18を冷却するためのものであり、定着ベルト47の内周面で、且つ加熱定着ロール40の下流側、剥離ロール44の上流側に配設され、定着ベルト47の内周面に接触して定着ベルト47の熱を吸収する。冷却器46は、加熱定着ロール40と加圧ロール42により溶融させられた電子写真用ラベルシート18の表面のトナー受容層とトナー画像とを60℃付近まで冷却させ、画像表面全体を定着ベルト47表面にならった平滑な状態で固化させることで高光沢なプリントを可能にする。
定着ベルト47は、熱硬化型ポリイミド製の無端状フィルム上に、表面が平滑な厚さ35μmのシリコーンゴム層等を被覆したものが用いられる。消費電力の面からはベルトは薄いものが望ましいが、強度的な観点からポリイミド基材は75μm以上、電子写真用ラベルシート上のトナー画像に密着して定着させる観点からシリコーンゴム層は30μm以上が必要である。また定着ベルトは、画質、信頼性の観点で加熱時に伸びが小さいものが良く、線膨張係数として1×10-6/℃以下のものが良い。線膨張係数は、測定装置として真空理工(株)製、TMA7000を用い、加熱速度5℃/min、荷重1g、測定温度25℃〜200℃の温度範囲の伸びから算出する。試料サイズは幅を5mm、長さを15mmとする。さらに、定着ベルト47は加熱定着ロール40と剥離ロール44、ステアリングロール45の間に掛け渡され、加熱定着ロール40に従動回転する。
次に、第二定着装置101が設置された時の第二のプリントモードが選択された場合の画像形成から排出までの動作、搬送経路について説明する。
第二のプリントモードが選択された場合においても、通常プリントモードが選択された場合と同様に、上述した画像形成プロセスが実行され、中間転写体9上にフルカラートナー画像が形成される。ここで第二のプリントモード用の電子写真用ラベルシート18が収納されている給紙カセット17より選択的に給紙され、二次転写手段によりフルカラートナー画像転写され、第一定着装置15において定着された後、搬送方向切替ゲート16により搬送経路が第二定着装置101側に切り替えられ、搬送ロール24によって第二定着装置101側に搬送される。
そして図6に示すように、第二定着装置101の加熱定着ロール40に巻き付けれられた定着ベルト47と加圧ロール42により電子写真用ラベルシート18上のトナー49が電子写真用ラベルシート18表面のトナー受容層18a内部に埋め込まれ、定着ベルト47に密着した状態で搬送され、冷却器46により所定の温度に冷却されたのちに、剥離ロール44部で定着ベルト47から電子写真用ラベルシート18が剥離し、排出ロール48によって写真モード用排紙トレイ26上に、画像形成面が下向きに排出される。
第二定着装置101に搬送される電子写真用ラベルシート18上のトナー49は、画像形成装置100内部に配設された第一定着装置15により一旦定着が行われているため、搬送方向切替ゲート16により搬送方向切り替え動作を行なった際に、画像形成面が搬送支持部材等と接触した場合においても画像の乱れ等の画質ディフェクトが発生することはない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」は、特に断りのない限り「質量部」を表す。
(離型剤の溶融接触角の測定)
まず、下記で用いた離型剤の溶融接触角の測定を、以下の手順で実施した。
−測定シートの作製−
溶融した離型剤との接触対象となるPFAシート、熱可塑性樹脂シートを以下のように作製した。
・PFAシート
富士ゼロックス DocuPrintC2221の定着器のヒートロールに使用されているPFAを、1.5×1.5cm角に切り取り、平らにし離型剤との接触角測定用PFAシートとした。
・熱可塑性樹脂シート
図1に示される電子写真用ラベルシートを基材(ラベル基材50μm、セパレーター基材75μm)とし、熱可塑性樹脂の厚みを7±1μmとなるように塗布し、2×2cm角に切り取り、離型剤との接触角測定用熱可塑性樹脂シートとした。
−溶融接触角の測定−
対象となる離型剤を乳鉢等で練りつぶし、直径が0.5〜1mmの球形の大きさのものを10粒選択する。前記のように作製したPFAシートの表面にこの離型剤粒子を置き、シートごと155℃に加熱した乾燥機中に2時間放置する。その後冷却して、離型剤を固化させた。次いで、協和界面化学(株)製の接触角測定装置CA−X型を使用し、離型剤粒子が固化した後の離型剤粒子の裾野の角度を、1粒につき左右2回測定し、計20回の測定値の平均値を離型剤のPFAとの溶融接触角とした。
同様に、前記熱可塑性樹脂シートの表面に、前記離型剤粒子を置き、シートごと155℃に加熱した乾燥機中に5分間放置する。その後、冷却し、上記と同様の測定を実施し、計20回の測定値の平均値を離型剤の熱可塑性樹脂との溶融接触角とした。
<実施例1>
(電子写真用ラベルシートの作製)
−トナー受容層形成用塗工液−
・ポリエステル樹脂A(商品名:タフトンNE382、花王(株)製、Tg:60℃、貯蔵弾性率:4Pa) 10部
・離型剤(ポリエチレンワックス Polywax725、日本精鑞株式会社製、融点:104℃、PFAとの溶融接触角:52°、ポリエステル樹脂との溶融接触角:35°) 0.3部
・金属酸化物(SbをドープしたSnO2を被覆した針状のTiO2、商品名:FT3000、石原産業株式会社製、長軸長:5.15μm、アスペクト比:19.1) 1.1部
・分散剤(溶剤系分散剤、商品名:ホモゲノールL−1820、花王株式会社製) 0.1部
・トルエン 90部
上記各成分を混合し、分散機により高速分散することにより、トナー受容層形成用塗工液を得た。
ラベル基材として、予め熱処理することにより熱収縮を抑えたポリエチレンテレフタレートフィルム(白PETフィルムA、厚さ:50μm)を用いた。ロール状のラベル基材の表面にアンカーコート層を塗工・乾燥した後、その層の表面に、上記トナー受容層形成用塗工液を、乾燥後の膜厚が7μmになるようにコンマコーターによって塗工し、乾燥して、トナー受容層が形成されたラベル体をロール状に巻き取った。
−帯電防止処理層形成用塗工液−
・ポリエステル樹脂B(商品名:バイロナールMD−1930、東洋紡社製) 90質量部
・カチオン系界面活性剤(商品名:エレガン264−WAX、日本油脂(株)製) 1.0質量部
・水 10000質量部
セパレーター基材としては、予め熱処理することにより熱収縮を小さくした耐熱性ポリエチレンテレフタレートフィルムZ(厚さ:75μm)を用いた。該セパレーター基材の片面に、上記帯電防止処理層形成用塗工液を、乾燥後の膜厚が0.5μmになるように塗工した。帯電防止処理された面と反対側の面に、剥離層として厚さ0.5μmのシリコーン樹脂層を設けてセパレーターとした。
さらに、上記剥離層の表面に、アクリル系粘着剤溶液を乾燥厚みが15μmになるようにコンマコーターによって塗工し乾燥して粘着層を設けた。その後、前記セパレーターの粘着層が形成された面と、前記ロール状に巻き取ったラベル体のトナー受容層が形成されていない面とを、ラミネーターで粘着層に空気が混入しないよう重ね合わせて、電子写真用ラベルシート1を作製した。
(電子写真用ラベルシートの品質評価)
上記の如く作製された電子写真用用ラベルシート1を、常温常湿環境(22℃、55%RH)で、図2に示すカラープリンターDocuPrintC2220(富士ゼロックス(株)社製、オイルレス定着器装備)を用いて、以下の評価を行った。
−定着器への巻付き性評価−
評価にあたり、電子写真用ラベルシート1にトナーを転写せず、白紙の状態で定着器を通過させ、定着器(定着装置)への巻き付きを以下の基準で評価した。
○:定着器への巻き付きは無く、定着器からの剥離不良が全くない。
△:定着器への巻き付きは無いが、定着器からの剥離不良があり貝殻状の模様がある。実用上問題がある。
×:定着器への巻き付きが発生し、プリンターがストップしてしまった。実用上問題がある。
−先端樹脂オフセット評価−
前記定着器への巻付き評価と同様に、電子写真用ラベルシート1にトナーを転写せず、白紙の状態で定着器を通過させ、以下の基準により評価した。
◎:先端のトナー受容層樹脂が再度トナー受容層に付着した跡が全く確認できない。
○:先端のトナー受容層樹脂が再度トナー受容層に付着した跡が僅かに確認できる。実用状問題がない。
△:先端のトナー受容層樹脂が再度トナー受容層に付着した跡が確認できる。実用状問題がある。
×:先端のトナー受容層樹脂が再度トナー受容層に付着した跡がはっきり確認できる。実用状問題がある。
−画像光沢均一性評価−
電子写真用ラベルシート1を、常温常湿環境(22℃、55%RH)で、図2に示される画像形成装置(定着は一次定着のみ)を用いてトナーを転写、定着を行い、得られた画像の光沢均一性を目視により以下の基準により評価した。なお、プリント用画像としては、女性のポートレート画像を使用した。
◎:光沢均一性が極めて優れており、画像段差も無く非常に優れている。
○:光沢均一性に優れており良好である。画像段差はあるが、実用上問題がない。
△:光沢均一性が劣っている。実用上問題がある。
×:光沢均一性が非常に劣っている。実用上問題がある。
<実施例2>
実施例1において、トナー受容層の厚みが3μmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート2を作製し、同様の評価を行った。
<実施例3>
実施例1において、トナー受容層の厚みが15μmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート3を作製し、同様の評価を行った。
<実施例4>
実施例1において、離型剤をフィッシャートロプシュワックス(MDP−7000、日本精鑞株式会社製、PFAとの溶融接触角:47°、ポリエステル樹脂との溶融接触角:31°)に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート4を作製し、同様の評価を行った。
<実施例5>
実施例1において、離型剤をポリエチレンワックス(Polywax850、東洋ペトロライト株式会社製、融点:108℃、PFAとの溶融接触角:60°、ポリエステル樹脂との溶融接触角:40°)に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート5を作製し、同様の評価を行った。
<実施例6>
実施例1において、画像光沢均一性の評価を、図4に示す画像形成装置(定着は一次定着と二次定着を行う、加熱定着ロール40の温度:150℃、冷却温度:60℃)を用いて行った以外は実施例1と同様にして評価を行った。
<実施例7>
実施例1において、トナー受容層に使用する熱可塑性樹脂を、ポリエステル樹脂C(エチレンオキシド付加ビスフェノールA/ポリエチレンンエチレンオキシド付加ビスフェノールA/テレフタル酸/グリセリンを、5/5/10/1のモル比で配合、重量平均分子量:12300、数平均分子量:3200)を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート6を作製し、同様の評価を行った。
以上の実施例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2005148138
<比較例1>
実施例1において、離型剤をパラフィンワックス(PARAFFIN WAX130、日本精鑞株式会社製、融点:55℃、PFAとの溶融接触角:32°、ポリエステル樹脂との溶融接触角:10°)に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート7を作製し、同様の評価を行った。
<比較例2>
実施例1において、離型剤をライスワックス(米ぬかワックス、東亜化成株式会社製、融点:81℃、PFAとの溶融接触角:49°、ポリエステル樹脂との溶融接触角:12°)に変更した以外は電子写真用ラベルシート1と同様にして電子写真用ラベルシート8を作製し、同様の評価を行った。
<比較例3>
実施例1において、トナー受容層の厚みを2μmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート9を作製し、同様の評価を行った。
<比較例4>
実施例1において、トナー受容層の厚みを20μmになるように塗工した以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート10を作製し、同様の評価を行った。
<比較例5>
実施例1において、離型剤を添加しない以外は実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート11を作製し、同様の評価を行った。
<比較例6>
比較例4において、画像光沢均一性の評価を、図4に示す画像形成装置(定着は一次定着と二次定着を行う)を用いて行った以外は比較例4と同様にして評価を行った。
<比較例7>
実施例1において、トナー受容層に使用する熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂D(エチレンオキシド付加ビスフェノールA/ポリエチレンンエチレンオキシド付加ビスフェノールA/テレフタル酸をモル比で5/5/8で配合したもの、重量平均分子量:13800、数平均分子量:3600)を使用した以外は、実施例1と同様にして電子写真用ラベルシート12を作製し、同様の評価を行った。
以上の比較例の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2005148138
実施例1〜7の結果から、本発明の電子写真用ラベルシートは定着器への巻き付き、先端樹脂オフセットの発生が無く、画像とトナー受容層の光沢均一性が良好である極めて優れた電子写真用ラベルシートとして使用できるものであることがわかった。一方、比較例に示した電子写真用ラベルシートでは、定着器への巻き付き、先端樹脂オフセット、画像とトナー受容層の光沢均一性の何れかが悪い結果となっており、本発明の電子写真用ラベルシートに比べ性能的に劣るものであった。
なお、上記実施例に用いた電子写真用ラベルシートでは定着時にラベル体とセパレーターとの剥離は全く発生しなかったが、比較例に用いた電子写真用ラベルシートでは上記剥離が発生しやすく、特に比較例1、5では完全にラベル体が剥離した。
本発明の電子写真用ラベルシートの構成一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成方法に適用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成方法に適用される定着装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成方法に適用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成方法における二次定着工程の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成方法における二次定着工程の定着を示す概念図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K 電子写真形成ユニット
2Y,2M,2C,2K 静電潜像担持体
3Y,3M,3C,3K 帯電器
4Y,4M,4C,4K 露光器
5Y,5M,5C,5K 現像装置
6Y,6M,6C,6K 一次転写ロール
7Y,7M,7C,7K 静電潜像担持体クリーニング装置
8Y,8M,8C,8K 除電装置
9 中間転写体
10 張架ロール
11 電子写真用ラベルシート搬送経路
12 二次転写ロール
13 バックアップロール
14 クリーニング手段/中間転写体クリーニング装置
15 第一定着装置(定着装置)
16 搬送方向切替ゲート
17 給紙カセット
17a 給紙ロール
18 電子写真用ラベルシート
19 搬送ロール
20 レジストロール
21、23 電子写真用ラベルシート排出口
22 排出ロール
24 排出ロール
25、26 電子写真用ラベルシート排紙トレイ
30 定着ロール
30a コア
30b 弾性体層
30c 離型層
31 加圧ベルト
32 加圧パッド
40 加熱定着ロール
40a 金属製のコア
40b 離型層
41 加熱源
42 加圧ロール
42a 金属製のコア
42b 弾性体層
42c 離型層
43 加熱源
44 剥離ロール
45 ステアリングロール
46 冷却器
47 定着ベルト
48 排出ロール
49 トナー
50 ラベル体
52 トナー受像層
53 アンカーコート層
54 ラベル基材
55 粘着層
60 セパレーター
63 剥離層
64 セパレーター基材
65 帯電防止処理層
100 画像形成装置
101 第二定着装置
102 画像読み取り装置

Claims (2)

  1. ラベル基材の片面に粘着層が設けられたラベル体と、該粘着層を介して前記ラベル体と剥離可能に仮接着されたセパレーターとから構成され、前記ラベル基材及び前記セパレーター基材がいずれも耐熱性樹脂フィルムである電子写真用ラベルシートであって、
    前記ラベル基材の表面に、離型剤と熱可塑性樹脂とを含有するトナー受容層が形成され、該トナー受容層の厚さが3〜15μmの範囲であり、前記離型剤のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体との溶融接触角が40〜70°の範囲であり、かつ前記離型剤の前記熱可塑性樹脂との溶融接触角が30°を超え60°以下であることを特徴とする電子写真用ラベルシート。
  2. 少なくとも、ラベル体のトナー受容層表面にトナー画像を転写する転写工程と、離型層がテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる定着部材を有する定着装置によって、トナー画像を加熱溶融して前記トナー受容層に定着する定着工程とを含む電子写真用ラベルシートを用いる画像形成方法であって、
    前記電子写真用ラベルシートが、請求項1に記載の電子写真用ラベルシートであることを特徴とする画像形成方法。
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