JP2004151269A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】記録媒体上に有色トナー像を下層に、透明トナー像を上層にして形成し、前記有色トナー像及び透明トナー像が形成された記録媒体を、ベルト定着装置により定着して画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定して課題を解決した。
【選択図】 図1
【解決手段】記録媒体上に有色トナー像を下層に、透明トナー像を上層にして形成し、前記有色トナー像及び透明トナー像が形成された記録媒体を、ベルト定着装置により定着して画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定して課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やファクシミリ、あるいはプリンターなどの画像形成装置に関し、特に高品位なカラー画像を形成することが可能な画像形成装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特開平3−130791号公報
【特許文献2】特開平4−278967号公報
【0003】
【従来の技術】
近年、上記複写機やファクシミリ、あるいはプリンターなどの画像形成装置においては、デジタル式の電子写真方式を採用してカラー画像を作成する方法が広く利用されている。一般的に、この電子写真方式を採用したカラー画像形成装置は、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線を像担持体上に照射して所定の色に対応した静電潜像を形成し、当該像担持体上に形成された静電潜像に、熱可塑性のバインダーに顔料を混合したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを付着させて現像することでトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体上に順次転写させた後、加熱ロール等で溶融固着させて定着させることによって、カラー画像を形成するように構成されている。
【0004】
上記記録媒体上にトナー像を定着する定着装置としては、加熱ロール方式が広く採用されている。この加熱ロール方式の定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱源を備え、その円筒状芯金の外周に耐熱性ゴム層や耐熱性保護層を被覆した定着ロールと、当該定着ロールに圧接され、定着ロールとほぼ同様に構成される加圧ロールとの間に、未定着のトナー像を表面に担持した記録媒体を挟持搬送させることにより、未定着トナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させるように構成されている。
【0005】
かかる定着装置において、定着後の画像の光沢を高くし、カラー画像の見栄えを良くするためには、トナー中の熱可塑性バインダーの分子量を低くし、加熱溶融時のトナー粘度が低くなるように材料設計することで、定着後の画像の平滑性を向上させ、光沢度を高くする方法が採用される。
【0006】
一方、上記電子写真方式を採用したフルカラーのプリンターは、近年市場導入が盛んに行われているデジタルスチルカメラの画像出力用として、使用される例が増加しつつあるが、上述した加熱ロール方式の定着装置で得られる高光沢画像であっても、銀塩写真方式の印画紙画像と比較すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナーのうち、1色のトナーから3色のトナーまでを重ね合わせたトナー像とで、トナー層の厚みに起因する凹凸が残り、違和感のある画像となるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、かかる問題点を解決し得る技術として、特開平4−278967号公報には、像担持体上に有色トナー像の他に透明トナー粒子層を形成し、有色トナーと透明トナー粒子層を記録媒体に転写した後、上述した加熱ロール定着器で定着することで、色調に優れた画像を出力する方法が開示されている。さらに、上記特開平4−278967号公報に開示の方式で形成された画像は、図29に示すように、有色トナー像の上面が全面透明トナーで覆われており、画像光沢も記録媒体全面で均一となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平4−278967号公報に開示された技術でプリントした場合には、図29に示すように、全面が透明トナーで覆われるものの、トナーの重ね合わせによる嵩高さがそのまま残ってしまうという問題点を有していた。特に、2色や3色のトナーを重ね合わせて発色させる2次色や3次色のベタ画像部などのように、トナーの重なりが多い部分と、記録媒体の白地部の間では、いわゆる画像の輪郭が浮き出るレリーフ感が目立ち、銀塩写真とは異なり違和感のある画像となるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この画像のレリーフ感を防止するために、特開平3−130791号公報には、PETなどの絶縁性の高い剥離性の優れたシートに、透明トナーを静電的に均一に吸着させた後、画像の形成された記録媒体上に透明トナーを転写定着し、シートを剥離することで均一に透明樹脂層を形成する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、上記特開平3−130791号公報に開示された技術の場合でも、通常の定着条件では不十分であって、図30に示すように、前述の画像のレリーフ感を減少させるに至らず、しかも有色トナー像近傍の気泡発生という課題も誘発するという問題点があることが、本発明者らの研究によって明らかとなった。この気泡が生ずる原因は、定着ニップにおいてトナー粒子自体が持つ気泡や、トナー間に存在する空気などが、有色トナーのトナー高さが障壁となり、有色トナーのトナー層厚が厚くなると、気泡が抜けきれないまま定着ニップを通過し溶融固化するために発生すると考えられる。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とすることろは、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するために、請求項1 の発明では、記録媒体上に有色トナー像を下層に、透明トナー像を上層にして形成し、前記有色トナー像及び透明トナー像が形成された記録媒体を、ベルト定着装置により定着して画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また、請求項2の発明では、有色トナー像が形成された記録媒体に、ベルト定着装置の定着ニップの上流側で定着ベルト上に形成された透明トナー像を、前記定着ニップで転写定着することにより画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
これらのように、定着ニップにかかる圧力と、定着ニップでの透明トナーの溶融粘度を規定することにより、該透明トナーは記録媒体上の有色トナーの上層を必要にして十分に包み込むことができ、ベルト定着装置から加わる熱により透明トナーは十分に溶融した状態となり、記録媒体上の有色トナー像と非画像部の画像のレリーフ部に流動することによってレリーフ感を軽減することが可能となるとともに、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減することができる。
【0015】
また、請求項3の発明では、請求項1又は2に記載の画像形成装置に係るベルト定着器の構成を規定している。このベルト定着装置は、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する定着ベルトと該定着ベルトを介して該加熱ロールを加圧する加圧ロールとを有し、記録媒体を該定着ベルトと該加圧ロールの間で挟持搬送しつつ該加熱ロールと加圧ロールからの熱によってトナー像を溶融し、その後トナー像が冷却固化した後に該定着ベルトから該記録媒体を剥離することを特徴としている。
【0016】
このように、定着ニップを通過した記録媒体を冷却固化して得られる記録媒体は、前述のように画像のレリーフ感を低減し、前述した有色トナー像近傍に発生する気泡の画質欠陥を低減することができる上、記録媒体上の透明トナー像は冷却固化されることで均一な面質となり銀塩写真で得られる光沢感に近い光沢度を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る電子写真方式によってカラートナー像と共に透明トナー像を形成する画像形成装置を示す構成図である。
【0019】
図1において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部には、原稿の画像を読み取る画像読取装置2が配設されている。また、上記画像形成装置本体1の内部には、像担持体としての感光体ドラム3が、図示しない駆動装置により矢印a方向に沿って所定の速度で回転可能に設けられている。感光体ドラム3の表面は、スコロトロン等からなる帯電装置4によって、所定の電位に均一帯電された後、ROS等からなる露光装置5によって画像露光が施され、透明トナーを形成する画像情報に応じた静電潜像が形成される。また、上記感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び透明の各色に対応した現像器6Y、6M、6C、6K、6Tを、周方向に沿って配設した回転可能な現像装置6のうち、透明トナーの現像器6Tによって現像され、透明トナー像が形成される。
【0020】
上記感光体ドラム3上に形成された透明トナー像は、中間転写体としての中間転写体ベルト7上に、第1次転写手段としての第1次転写ロール8によって転写される。
【0021】
その際、上記透明トナー現像器6Tによる透明トナー像の形成方法としては、透明トナーを記録媒体の非画像部にのみ選択的に付着させる方法や、カラートナーと透明トナーの総量が記録媒体9上の領域で一定範囲内となるように制御して形成する方法や、有色トナー像の量に関係なく、記録媒体9の表面に均一に形成する方法などが挙げられ、何れの方法を採用しても良い。なお、この実施の形態では、図16に示すように、有色トナー像51の量に関係なく、記録媒体9の表面に均一に透明トナー像50を形成する方法を採用している。
【0022】
その後、上記感光体ドラム3上に形成された透明トナー像50は、当該感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって挟持搬送される中間転写体ベルト7上に、感光体ドラム3と中間転写体ベルト7によって形成される第1次転写ニップにて必要な電界と圧力を印加した状態で転写される。
【0023】
次に、透明トナー像の転写工程が終了した感光体ドラム3は、クリーニング装置12による残留トナーのクリーニング工程や、除電装置13による除電工程を経て、再び帯電装置4によって均一帯電された後、当該感光体ドラム3上には、露光装置5によってイエロー色の画像に対応した静電潜像が形成され、イエロートナー現像器6Yによって顕像化されたイエロートナー像が形成される。その後、上記感光体ドラム3上に形成されたイエロートナー像は、既に透明トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に、当該感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって形成される第1次転写ニップにて転写される。以降、同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックの他の有色トナーについても、同様に画像形成工程を繰り返し、透明トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に次々と多重に転写される。
【0024】
図1に示した実施の形態では、トナー現像器の個数が、透明トナー現像器6Tが1つに、有色トナー現像器6Y、6M、6C、6Kが4個の構成であるが、該透明トナー現像器および有色トナー現像器の個数はこの限りではない。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色の刷り順もこれに限定されるものではない。
【0025】
また、図1に説明した例では、1 つの像担持体を使用してカラー画像を得る画像形成装置であるが、各色ごとに像担持体を備える所謂タンデム型の画像形成装置、又、中間転写体を使用せずに像担持体から記録媒体に直接トナー像を転写させる方式の画像形成装置であっても良いことは勿論である。
【0026】
上記画像形成装置に使用される有色トナーとしては、特に限定されないが、画質向上のために5〜7μm程度の平均粒径であることが望ましく、画像濃度を向上させるため、記録媒体9上の単色最大トナー量が3〜6g/m2 となるように現像条件及び転写条件をコントロールさせることが必要である。
【0027】
また、上記画像形成装置に使用される透明トナーとしては、前述した有色トナーの着色成分を除いたものでも良いし、異なる種類の樹脂を用いてもよい。また、現像質量を大きくする際、有色トナー像と同径の粒子を用いて現像させることが困難である場合には、透明トナーの平均粒径を有色トナーの粒径より大きく設定して、現像質量を大きくしても構わない。
【0028】
中間転写体ベルト7上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、第2次転写ニップにおいて、記録媒体9上に第2次転写される。上記中間転写体ベルト7は、4つの中間転写体張架ロール14〜17によって張架されており、これらの4つの中間転写体張架ロール14〜17のうち、中間転写体張架ロール16は、第2次転写ニップにおいて、バックアップロールとして機能しており、当該中間転写体張架ロール16には、中間転写体ベルト7を介して、第2次転写装置としての2次転写ロール18が圧接されている。そして、中間転写体ベルト7上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、第2次転写ニップにおいて、第2次転写ロール18によって必要な電界と圧力が印加された状態で記録媒体9上に一括して転写される。この記録媒体9は、画像形成装置本体1の下部に配設された複数の用紙格納トレイ19、20、21のうち、所定のサイズの記録媒体9が収容された用紙格納トレイから給紙され、用紙搬送経路22を介して第2次転写ニップへと搬送される。
【0029】
ここで、記録媒体9としては、印刷用コート紙やアート紙のような表面平滑性の高い紙、又は写真で用いられる印画紙の如く、記録媒体9の表層に熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体を用いても良い。第2次転写ニップを通過した記録媒体9上には、中間転写体ベルト7上とは逆に、下層に有色トナー像が形成されて、最上層に透明トナー像が形成される。
【0030】
これらのトナー像が形成された記録媒体9は、搬送ベルト31によって、ベルト定着装置25へ搬送され、当該ベルト定着装置25による定着工程を経て、最終的に高光沢なカラー画像が得られ、排出ロール23によって排出トレイ24上に排出されて、カラー画像の形成工程が終了する。図2に示す定着装置25は、定着ベルト26を用いたベルト方式の定着装置であり、冷却固化工程を含んだ構成となっている。
【0031】
図2は上記ベルト定着装置を示す構成図である。
【0032】
このベルト定着装置25は、図2に示すように、加熱ロール27と、該加熱ロール27と剥離ロール30と操舵ロール32との間に所定のテンションで掛け回された定着ベルト26と、該定着ベルト26を介して加熱ロール27に圧接する加圧ロール28とを備えている。そして、上記ベルト定着装置25では、加熱ロール27と、定着ベルト26と、加圧ロール28とによって定着ニップAが形成されている。
【0033】
上記加熱ロール27は、図3に示すように、内部にハロゲンランプ等の熱源33を有し、該加熱ロール27と加圧ロール28との間にかかる荷重によって撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加熱ロール27の金属コア27aとしては、アルミニウムやSUSなどが用いられ、ある程度の肉厚を持たせることが必要である。また、加熱ロール27は、定着ニップの形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを接着層27bを介して被覆し、弾性層27cを設けた構成としても良い。さらに、加熱ロール27の表面には、必要に応じて表面保護層27dが設けられる。なお、上記加熱ロール27としては、図4に示すように、弾性層27cを有しないものを用いても良い。
【0034】
同様に、加圧ロール28は、図5に示すように、内部にハロゲンランプ等の熱源34を有し、該加熱ロール27と加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加圧ロール28の金属コア28aとしては、アルミニウムやSUSなどが用いられ、ある程度の肉厚を持たせることが必要である。また、加圧ロール28は、必要に応じて、定着ニップの形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを接着層28bを介して被覆し、弾性層28cを設けた構成としても良い。なお、上記加圧ロール28としては、図6に示すように、弾性層28cを有しないものを用いても良い。
【0035】
加熱ロール27及び加圧ロール28の層構成は、図3乃至図6に示すように、必ずしも同一である必要はなく、定着ニップの設計によって、加熱ロール27及び加圧ロール28の層構成を異にすることもできる。
【0036】
上記定着ベルト26は、図7に示すように、ベース層26aと表面層26bとから構成されている。また、ベース層26aと表面層26bの接着強度を上げるために、図8に示すように、接着層26cを設けてもよい。ベース層26aには、耐熱性と機械的強度が要求され、ニッケル、アルミニウム、ステンレス製の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の耐熱樹脂からなるベルトを用いてもよい。ベース層26aには、カーボンブラックや酸化チタン等を添加、分散することによって体積抵抗率を制御しても良い。また、ベース層26aの厚みについては、機械的強度や熱膨張などを考慮に入れた厚みでなければならず、20〜300μmの範囲が望ましい。また、表面層7bとしては、耐久性、耐熱性、トナーや記録媒体との剥離容易性が求められ、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素系樹脂などが考えられる。表面層の厚みとしては、機械的強度、画質安定性、熱膨張の観点からある程度の厚みがあることが望ましく、10〜300μmの範囲であることが望ましい。
【0037】
上記の如く構成されるベルト定着装置25では、透明トナー像及び有色トナー像を転写した記録媒体9が、加熱ロール27が定着ベルト26を介して加圧ロール28に圧接する定着ニップA に送り込まれると、この記録媒体9は、定着ベルト26と加圧ロール28との間で挟持されつつ搬送され、加熱ロール27と加圧ロール28からの熱及び圧力によって、トナーが溶融されるとともに、記録媒体9上に透明トナー像50及び有色トナー像51が定着される。
【0038】
ところで、本発明者らは、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするため、透明トナー像及び有色トナー像が転写された記録媒体を定着する際の定着条件について、種々研究を行なってきた。
【0039】
その結果、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着装置25の定着ニップA における圧力、定着ニップA における透明トナーの溶融粘度、及び有色トナー像単層の単位面積あたりの最大質量に対する透明トナー像の単位面積あたりの質量の割合が重要であることを見出した。
【0040】
具体的には、上記の如く構成されるベルト定着装置25では、加熱ロール27と、定着ベルト26と、加圧ロール28の構成、及び加圧ロール28の押し付け荷重によって、図9に示すように、記録媒体9表面と定着ベルト25表面が接触する定着ニップAの形状が定まる。尚、定着ニップAの形状は、図9に示すものに限らず、矩形状になる場合もある。また、定着ニップA での記録媒体9と定着ベルト25の接触面積Sと、加圧ロール28に印加する押し付け荷重Pから定着ニップA内の圧力が求められる。これにより、加熱ロール27と加圧ロール28の弾性層27c、28cの構成によって、加圧ロール28に同量の荷重Pをかけても定着ニップ形状が変化し、圧力が変化するのは自明である。目的とする圧力を得るには、加熱ロール27、加圧ロール28、定着ベルト26の層構成に応じて、加圧ロール28に印加する押し付け荷重Pを変更しなければならないのもまた自明である。このとき、定着ニップAにかかる圧力は、0.5MPa以上であることが求められる。ここで、定着ニップAにかかる圧力は、加圧ロール28を加熱ロール27に圧接する荷重Pを、定着ニップAの面積Sで除算して求められるが、荷重Pの単位系はkgfであり、面積Sの単位系はm2 であるので、圧力の単位系は、kgf/m2 となる。また、1kgf/m2 =9.80665Paより換算して、定着ニップAにかかる圧力が求められる。尚、1MPaは、106 Paである。
【0041】
なお、従来の定着装置において、定着ニップA にかかる圧力は、一般的に、0.1〜0.4MPa程度である。
【0042】
上記定着ニップAにかかる圧力を変化させた場合には、図10に示すように、透明トナー像50及び有色トナー像51を記録媒体9上に定着させる際に、当該透明トナー像50及び有色トナー像51の溶融状態及び加圧状態が変化する。定着ニップAにかかる圧力が所定の値よりも低いと、特に、2層から3層の複数層の有色トナー像51からなる画像部と、透明トナー像50のみからなる背景部との境界において、複数層の有色トナー像51に含まれる空気が、透明トナー像50及び有色トナー像51の溶融時及び加圧時に逃げ出すことができず、図11に示すように、有色トナー像51のエッジ部に閉じ込められてしまい、微細な気泡が発生し、画質が劣化する。また、定着ニップAにかかる圧力が所定の値よりも低いと、特に、2層から3層の複数層の有色トナー像51からなる画像部と、透明トナー像50のみからなる背景部との境界において、段差が発生してレリーフ感が生じる。
【0043】
これに対して、本発明者らの研究によれば、後述するように、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着ニップAにかかる圧力が、0.5MPa以上であることが必要となることがわかった。これにより記録媒体9上の透明トナーが流動し、有色トナーによって形成された凹凸を低減させ、画像のレリーフ感の少ない画像を得ることができる。
【0044】
また、定着ニップA において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着ニップにおける透明トナーの溶融粘度が、所定の条件を満たす必要がある。
【0045】
記録媒体上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、ベルト定着装置の定着ニップにおいて、加熱加圧されて溶融され、記録媒体上に定着される。その際、上記透明トナー像及び有色トナー像、特に透明トナー像が溶融した状態での粘度は、流動性の向上に伴う画像のレリーフ感を低減させたり、有色トナー像の近傍に空気が微細な気泡として残留するか、流動性の向上によって空気の排除を可能とするかの条件を決定するパラメータである。
【0046】
ここで、定着ニップにおける透明トナー像の粘度は、図12及び図13に示すように、当該定着ニップAの温度に依存し、透明トナー像50が転写された記録媒体9が、定着ニップAに進入して、加熱ロール27及び加圧ロール28によって加熱されて、室温から急激に温度が上昇し、定着ニップの出口において最高温度に達して最低溶融粘度となる。そこで、本発明では、透明トナー像50の粘度として、定着ニップAの出口における最低溶融粘度を使用している。上記透明トナー像の粘度は、図13に示すように、透明トナーの材質によって異なるが、定着ニップの圧力には、ほとんど依存しない。
【0047】
本発明者らの研究によれば、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、透明トナー像の最低溶融粘度を103 Pa・s以下にすることが求められる。これは、透明トナー溶融粘度がこれ以上高いと透明トナーが十分に流動せず、有色トナー像によってできた画像レリーフ感を十分低減させることができない。
【0048】
第2次転写ニップを通過した後の記録媒体9および有色トナー像および透明トナー像は、該両トナー像が記録媒体9上に溶融固着するために定着ニップA で必要な熱をかけることが要求される。定着ニップAで与えられる熱量は、加熱ロール27および加圧ロール28の表面設定温度、定着ベルト26の熱伝達率、定着ニップAを通過する時間(定着スピード)、トナーおよび記録媒体9の熱伝達率などによって決まる。これら定着条件を掛け合わせたとき、該トナーおよび該記録媒体9にかかる熱量が決定される。定着ニップAを通過する記録媒体9上の有色トナー像は、加熱溶融され発色する。また定着ニップAを通過する記録媒体9上の透明トナーは、加熱溶融されトナーの溶融粘度が低下する。定着ニップAを通過するときに透明トナーの最小溶融粘度が一定条件以下となる定着条件にすることによって、有色トナー像によってできた凹凸部を包み込むように流動し、画像のレリーフ感を軽減することができる。
【0049】
定着ニップAを通過した記録媒体9は、定着ベルト26に密着したまま、冷却装置29もしくはそれに準ずる冷却工程を経て冷却設定温度まで冷却したのち、剥離ロール30近傍で定着ベルト26と記録媒体9が剥離され、トナー記録画像を得ることができる。冷却装置29としては、該定着ベルト26に密着接触するヒートシンクや送風ファンなどが用いられる。また、記録媒体9側からのファンによる送風による冷却でもよい。また剥離する際の記録媒体9と定着ベルト26界面の温度は、定着ベルト26の付着力が最も小さくなる温度域で剥離するのが望ましい。尚、記録媒体9は、補助的に剥離爪35によって剥離される。
【0050】
こうして得られた画像は、有色トナーによる凹凸感が少ない画像となる。またこのことから、有色トナー近傍で発生していた気泡状の画質欠陥も少なくなる。また画像面が平面になり、かつ表面が同じ材質のトナーによって覆われていることから、銀塩写真同等の表面性を得ることが可能となる。
【0051】
さらに、本発明者らの研究によれば、定着ニップAにおける圧力、及び定着ニップAにおける透明トナーの最低溶融粘度が、上記の条件を満たしたとしても、有色トナー像単層の単位面積あたりの最大質量に対する透明トナー像の単位面積あたりの質量の割合が低いと、定着ニップにおける透明トナー像の流動性などを向上させたとしても、物理的に2層から3層の複数層からなる有色トナー像と、1層の透明トナー像との段差を均すことができず、結果的に、レリーフ感や気泡が残留してしまうことがわかった。
【0052】
図14、図15、図16では本発明に係る透明トナー像の単位面積あたり重量について示したものである。
【0053】
図14、図15では、有色トナー51のトナー量に応じた透明トナー50作像の例について示している。透明トナーは、有色トナー量の多いところでは少なく、有色トナーがない非画像部などにおいては多く形成されるように作像する。透明トナーの量は、画像のレリーフ感の低減や、有色トナー近傍で発生する気泡状の画質欠陥を低減する意味で、後述するように、該有色トナー像単色の単位面積あたり最大質量の2〜10倍の範囲であることが望ましい。
【0054】
図16では、有色トナー51のトナー量に依らず、一定量の透明トナー50作像の例について示している。このときも、透明トナーの量は、画像のレリーフ感の低減や、有色トナー近傍で発生する気泡状の画質欠陥を低減する意味で、該有色トナー像単色の単位面積あたり最大質量の2 〜10倍の範囲であることが望ましい。
【0055】
実施の形態2
図17はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部材には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、透明トナー像を有色トナー像と同時に形成するのではなく、有色トナー像が転写された記録媒体9上に、当該有色トナー像を定着する際に、同時に、透明トナー像を有色トナー像が転写された記録媒体9上に転写定着するように構成されている。
【0056】
図17はこの発明の実施の形態2に係る電子写真方式によってカラートナー像と透明トナー像を形成する画像形成装置を示す構成図である。
【0057】
図17において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部には、原稿の画像を読み取る画像読取装置2が配設されている。また、上記画像形成装置本体1の内部には、像担持体としての感光体ドラム3が、図示しない駆動装置により矢印a方向に沿って所定の速度で回転可能に設けられている。感光体ドラム3の表面は、スコロトロン等からなる帯電装置4によって、所定の電位に均一帯電された後、ROS等からなる露光装置5によって画像露光が施され、イエロー色の画像に対応した静電潜像が形成され、イエロートナー現像器6Yによって顕像化したイエロートナー像が形成される。その後、イエロートナー像は、感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって挟持搬送される中間転写体ベルト7上に、該感光体ドラム3と中間転写体ベルト7によって形成される第1次転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で転写される。そして、次に、感光体ドラム3のクリーニング装置12による残留トナーのクリーニング工程、及び除電装置13による除電工程を経て、再び帯電装置4によって均一帯電された感光体ドラム3上に露光装置5によって静電潜像を記録し、マゼンタトナー現像器6Mによって顕像化されたマゼンタトナー像が形成される。その後、既にイエロートナー像が転写された中間転写体ベルト7上に、感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって形成される第1次転写ニップで該マゼンタートナー像が転写される。以降、同様にしてシアン及びブラックの他の色トナーについても同様に画像が形成され、トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に次々と多重に転写される。
【0058】
図17に示した実施の形態2では、トナー現像器の個数は有色トナー現像器6Y、6M、6C、6Kが4個の構成であるが、該有色トナー現像器の個数はこの限りではない。また、色の刷り順もこの限りではない。
【0059】
図17に説明した実施の形態2では、1 つの像担持体を使用してカラー画像を得る画像形成装置であるが、各色ごとに像担持体を備える画像形成装置、中間転写体を使用せずに像担持体から直接トナー像を記録媒体に転写させる方式であっても可能である。
【0060】
ここで、図17に記載した画像形成装置に使用される有色トナーであるが、特に限定されないが画質向上のために5〜7μm程度の平均粒径であることが望ましく、画像濃度を向上させるため、記録媒体9上の単色最大トナー量が3〜6g/m2 となるように現像条件、転写条件をコントロールさせることが必要である。
【0061】
中間転写体ベルト7に転写された有色トナー像は、中間転写体ベルト7が張架される張架ロール16と中間転写体ベルト7を介して対向位置にある第2次転写ロール18によって形成される第2次転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で記録媒体9上へ一括転写される。記録媒体9は、用紙格納トレイ19、20、21から必要な大きさの記録媒体9が選択され、用紙搬送経路22を経て第2次転写ニップヘ搬送される。ここで、記録媒体9としては、印刷用コート紙、アート紙のような表面平滑性の高い紙、また写真で用いられる印画紙の如く、記録媒体表層に熱可塑性樹脂を設けた記録媒体を用いても構わない。第2次転写ニップを通過した記録媒体9上には、記録媒体9表面側に有色トナー像が形成される。
【0062】
有色トナー像が形成された記録媒体9は、第2次転写ニップの近傍に配設された定着装置25による定着工程で、定着ベルト26上に形成された透明トナー像を転写定着して高光沢の画像が得られる。図18に示す定着装置25は、ベルト定着装置あり、透明トナー像形成装置40、及び冷却固化手段29を含んだ構成となっている。ここで、記録媒体上の有色トナー像は、図示しない2次転写ニップの上流に設けられた2ロール定着器を通過した後、定着装置25によって定着するように構成しても良い。
【0063】
図18は上記ベルト定着装置を示す構成図である。
【0064】
図18に示すベルト定着装置25は、加熱ロール27と、該加熱ロール27に接する定着ベルト26と、該定着ベルト26を介して上記加熱ロール27を加圧する加圧ロール28と、透明トナー像形成装置40とを備えている。また、透明トナー像形成装置40は、透明トナー像を形成する透明トナー像担持体41と、帯電装置42と、画像露光43と、透明トナー現像器44と、クリーニングブレード45と、除電器46と、転写ロール47とより成る。
【0065】
コロトロンやスコロトロン等からなる帯電装置42によって均一帯電された像担持体としての感光体ドラム41上には、露光装置( 図示しない) からの画像露光43によって透明トナー像に対応した静電潜像が形成され、透明トナー現像器44によって顕像化され、透明トナー像が形成される。
【0066】
ここで、透明トナー像の形成方法であるが、透明トナーを非画像部のみ選択的に付着させる方法や、カラートナーと透明トナーの総量が記録媒体領域で一定範囲内になるように制御して形成する方法や、有色トナー像の量に関係なく、均一に形成する方法などが挙げられ、いずれを採用しても良い。
【0067】
また、上記画像形成装置に使用される透明トナーとしては、前述した有色トナーの着色成分を除いたものでもよいし、異なる種類の樹脂を用いてもよい。また、現像質量を大きくする際、有色トナー像と同径の粒子を用いて現像させることは困難なので、透明トナー平均粒径を有色トナー粒径より大きくして、現像質量を大きくしても構わない。
【0068】
その後、透明トナー像は、定着ベルト26を介して対向する感光体ドラム41と転写ロール47によって形成される転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で定着ベルト26上へ転写される。そして、感光体ドラム41上のブレード41による残トナーのクリーニング工程、除電器46による除電工程を経て、次工程の透明トナー像の作像へと進む。
【0069】
加熱ロール27は、図3に示すように、ハロゲンランプ等の熱源33を有し、該加熱ロール27と該加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加熱ロール27の金属コアとしては、アルミニウム、SUSなどを用い、ある程度の厚みを持たせることが必要である。また、定着ニップ形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを被覆し、弾性層27cを設けた構成であることも考えられる。
【0070】
同様に、加圧ロール28は、図4に示すように、ハロゲンランプ等の熱源34を有し、該加熱ロール27と該加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加圧ロール28の金属コア28aとしてアルミニウム、SUSなどを用い、ある程度の厚みを持たせることが必要である。また、定着ニップ形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを被覆し、弾性層28bを設けた構成であることも考えられる。
【0071】
定着ベルト26は、図7に示すように、べース層26aと表面層26bから成る。また、ベース層26aと表面層26bの接着強度を上げるための接着層26cを設けてもよい。該ベース層26aは、耐熱性および機械的強度が要求され、ニッケル、アルミニウム、ステンレス製の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂ベルトを用いてもよい。これらベース層26aに対し、カーボンブラックや酸化チタンを添加、分散することによって体積抵抗率を制御しても良い。また厚みについては、機械的強度や熱膨張などを考慮に入れた厚みでなければならず、20〜300μmの範囲が望ましい。また表面層は、耐久性、耐熱性、トナーや記録媒体との剥離容易性が求められ、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素系樹脂などが考えられる。表面層の厚みとしては、機械的強度、画質安定性、熱膨張の観点からある程度の厚みがあることが望ましく、20〜300μmの範囲であることが望ましい。
【0072】
記録媒体9を該定着ベルト26と該加圧ロール28の間で挟持搬送し、かつ定着ニップ上流側で該定着ベルト26上に形成された透明トナー像を、該記録媒体9上に同時転写定着させる。加熱ロール27と加圧ロール28からの熱で定着ニップを通過することで記録媒体9上の有色トナー像と、定着ベルト26上の透明トナー像を記録媒体9上に溶融転写しつつ同時熱定着する。
【0073】
上述した加熱ロール27、定着ベルト26、加圧ロール28の構成、また加圧ロール28が加熱ロール27に押圧する荷重によって定着ニップAの形状が定まる。定着ニップAでの記録媒体9と定着ベルト26表面の接触面積と、加圧ロール27に印加する荷重から定着ニップ内の圧力が求められる。これにより、加熱ロール27、加圧ロール28の弾性層の構成によって加圧ロール28に同量の印加荷重をかけても定着ニップ形状が変化し、圧力が変化するのは自明である。目的とする圧力を得るには、加熱ロール27、加圧ロール28、定着ベルト26の構成に応じて加圧ロール28に印加する荷重を変更せねばならないのも自明である。
【0074】
このとき、定着ニップA内にかかる圧力は、0.5MPa以上であることが求められる。これにより記録媒体9上の透明トナーが有色トナーによって形成された凹凸部に流動し、画像のレリーフ感の少ない画像を得ることができる。
【0075】
また、定着ニップAにおいて、透明トナー像の最低溶融粘度を103 Pa・s以下にすることが求められる。これは透明トナーが前述の有色トナー像の凹凸部への流動を更に促進するためである。第2次転写ニップを通過した後の記録媒体9および有色トナー像、および定着ベルト26上に形成した透明トナー像は、両トナー像が記録媒体9上に溶融固着するために定着ニップで必要な熱をかけることが要求される。定着ニップAで与えられる熱量は、加熱ロール27および加圧ロール28の表面設定温度、定着ベルト26の熱伝達率、定着ニップAを通過する時間、トナーおよび記録媒体9の熱伝達率などによって決まる。これら定着条件を掛け合わせたとき、該トナーおよび記録媒体9にかかる熱量が決定される。定着ニップAを通過する記録媒体9上の有色トナー像は、加熱溶融され発色する。また、定着ニップAを通過する定着ベルト26上で形成され、記録媒体A上に同時転写定着された透明トナー像は、加熱溶融されトナーの溶融粘度が低下する。定着ニップを通過するときに透明トナーの最小溶融粘度を一定条件以下となる定着条件にすることによって、有色トナー像によってできた凹凸部を包み込むように流動し、画像のレリーフ感を軽減することができる。
【0076】
定着ニップAを通過した記録媒体9は、定着ベルト26に密着したまま、冷却装置29もしくはそれに準ずる冷却工程を経て冷却設定温度まで冷却した後、剥離ロール30近傍で定着ベルト26と記録媒体9が剥離され、トナー記録画像を得ることができる。また剥離する際の記録媒体9と定着ベルト26界面の温度は、定着ベルト26の表面エネルギーが最も小さくなる温度域で剥離するのが望ましい。
【0077】
ここで冷却装置29としては、該定着ベルト26に密着接触するヒートシンクや送風ファンなどが用いられる。また、記録媒体9側からのファンによる送風による冷却でもよい。こうして得られた画像は、有色トナーによる凹凸感が少ない画像となる。またこのことにより、有色トナー近傍で発生していた気泡状の画質欠陥も少なくなる。また画像面が平面になり、かつ表面が同じ材質のトナーによって覆われていることから、銀塩写真同等の表面性を得ることが可能となる。
【0078】
【実施例】
以下に、この発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。
【0079】
実施例1
図1はこの発明の実施例1に係る電子写真方式によって有色トナー像と共に透明トナー像を形成する画像形成装置をも示す構成図である。
【0080】
この実施例では、有色トナーとして、縣濁重合法により得られたスチレン−アクリルトナーを用いている。この有色トナーの平均粒径は5. 7μmであった。また、有色トナー単色の最大形成質量は4g/m2 とし、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色とも同量とした。
【0081】
また、透明トナーとしては、粉砕法により得られたポリエステルトナーを用いた。この透明トナーの平均粒径は14μmであった。透明トナー像の形成量は、有色トナー単色の最大形成質量の5倍である20g/m2 とし、有色トナー像のトナー量によらず均一面となるように形成した。
【0082】
透明トナーの粘弾性測定は、レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製の回転平板型レオメーター(RDA2RHIOSシステムVer.4.3.2)を用いて行った。測定は、試料をサンプルホルダーにセットし、昇温温度1℃/min、周波数1rad/sec、歪み20%以下、検出トルクを測定保証値の範囲内で行った。この結果から、必要な熱量を算出し、必要な加熱ロール27及び加圧ロール28の表面温度を割り当てた。
【0083】
定着ベルト26の基材層26aはポリイミドで、表面層26bはシリコンゴムからなるものを用いた。全ての実験について同一の定着ベルトを用いている。定着ニップAにかかる圧力は、図3乃至図6に示すように、加熱ロール27と加圧ロール28の弾性層の厚みを0〜3mmの間で変化させ、それぞれについて所望の圧力となるように加圧ロール28にかける押し付け荷重Pを変化させて行った。定着ニップAを通過した記録媒体9は、冷却固化させた後、剥離させた。なお、剥離地点での記録媒体9の裏面側温度が常に70℃近傍となるような冷却条件を用いた。また、ベルト定着器25以外の構成要素は条件を固定して行った。
【0084】
記録媒体9としては、用紙坪量209gsmの片面コート紙を用い、コート面に対して画像形成を行った。
【0085】
また、画像評価については以下の2つの観点で行った。
【0086】
1つ目は、画像のレリーフ感である。評価画像は、図19に示すように、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色のトナーを混色して得られる3次色プロセスブラックの20mm×20mmのサイズより成るパッチ画像の上に、透明トナー像を全面に均一に形成したものを用いた。このパッチ画像のエッジ部の画像レリーフ感を官能評価によるグレード付けを行い、分類分けを行った。グレード付けは5段階で、画像のレリーフ感が全くわからないものをG1、画像のレリーフ感が僅かにわかるが、全く気にならないものをG2、画像のレリーフ感がわかるが、気にならないレベルをG3、画像のレリーフ感がやや目に付き、気になるレベルをG4、画像のレリーフ感が明らかであり、気になるレベルをG5として評価した。画像のレリーフ感を観察する条件はすべて同一の照明環境で行うこととした。また、画像のレリーフ感を官能的に許容できるグレードをG3として評価を行った。
【0087】
2 つ目は、有色トナー近傍にある気泡状画質欠陥である。評価画像は、図19に示すように、ライン幅0.5mmで縦18mm、横2mmの仮想矩形内に設けたX(エックス)マークとし、記録媒体9上に用紙の搬送方向と直交する方向に沿って、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色のトナーを混色して得らる3次色プロセスブラックの画像と、2次色のレッドの画像と、ブラックの単色の画像とを交互に連続して複数個設けた。
【0088】
そして、図20に示すように、各色のXマークの谷間に存在する気泡状の画質欠陥の累積高さhに応じ、谷間の0以上1/4未満の高さで気泡に覆われているものをG1、以下1/4以上1/2未満の高さで覆われているものをG2、1/2以上3/4未満の高さで覆われているものをG3、3/4以上1/1未満の高さで覆われているものをG4、気泡状画質欠陥が谷間全体に充填しているものをG5として、G1からG5までの5段階のグレードとした。記録媒体9上の各色のXマーク上にある気泡状画質欠陥それぞれについて、最も程度の良いもの、最も程度の悪いもののグレード付けを行い、その平均値をその記録媒体9の有色トナー像近傍の気泡画質欠陥グレードとした。また、気泡状の画質欠陥を官能的に許容できるグレードをG3として評価を行った。
【0089】
【実施例1】
この実施例1では、図18に示すように冷却固化機構を備えたベルト定着器を、ベルト定着装置として用い、記録媒体9上に有色トナー像を形成し、図18に示すように定着ベルト26上に透明トナー像を形成して、透明トナー像を定着ニップAにおいて同時転写定着した画像形成装置から出力されたトナー画像において、透明トナー画像の形成量による画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図21、図22に示す。なお、この実験において、透明トナー像は有色トナー像の量に関係なく、均一に形成することとした。また、このときの定着ニップA内圧力は1.5MPaで一定であり、該ベルト定着器による定着速度を30mm/secとして実験を行った。
【0090】
図21は、画像レリーフ感グレードとトナー重量比の関係を表す。図21において横軸のTt/Tcは有色トナー単色最大トナー量4g/m2 に対する透明トナー量の比を示しており、縦軸は画像レリーフ感グレードを示している。
【0091】
この図21から明らかなように、透明トナー量Ttが多くなるに従って、Tt/Tcが2のとき、画像レリーフ感のグレードがG4と悪かったのに対し、Tt/Tcが2になると、画像レリーフ感のグレードがG2と良くなることがわかる。これは、図10に示すように、形成された透明トナー量が多いほうが、有色トナーによってできた凹凸によるレリーフ感を透明トナー像の流動によって低くすることができるからである。
【0092】
図22は、有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードとトナー重量比の関係を表すグラフである。図22において、横軸のTt/Tcは有色トナー単色最大トナー量4g/m2 に対する透明トナー量の比を示しており、縦軸は有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードを示している。
【0093】
図22から明らかなように、透明トナー量が多くなるに従って気泡欠陥グレードが良くなることがわかる。これは図15で説明したように、画像の凹凸量が少なくなることからトナーが持つ気泡およびトナー粒子間に存在する空気の逃げが促進されたためである。
【0094】
これらのことから、画像レリーフ感および有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥の許容値の両方を満たすためには、最大有色トナー量の2倍以上の透明トナー量が必要であることが本発明によりわかった。だが、記録媒体9に形成される透明トナー量が多くなればコスト的に負担がかかり、また透明トナー樹脂が冷却した後、ヒビ割れなどの2次障害を起こすことが考えられ、透明トナー量は、最大有色トナー単色の量の2〜10倍とするのが望ましい。
【0095】
【実施例2】
次に、この実施例2では、図18に示すように冷却固化機構を備えたベルト定着器を、ベルト定着装置として用い、記録媒体9上に有色トナー像と透明トナー像を形成し、該ベルト定着器によって定着した、図17に示す画像形成装置から出力されたトナー画像と、同じく冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト26上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像を、画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図23、図24に示す。またこのときの定着ニップ内圧力は1.5MPaで一定であり、該ベルト定着器による定着速度を30mm/secとして実験を行った。
【0096】
図23、図24に記載の第一条件とは、図1に示す画像形成装置において記録媒体上に有色トナー像と透明トナー像を形成した場合の結果であり、第二条件とは、図17に示す画像形成装置において記録媒体上に有色トナーを形成した後、定着ベルト上に透明トナーを形成した場合の結果である。
【0097】
図23より、透明トナー像の作像位置が異なるサンプルであっても、透明トナーの最低溶融粘度が低いほうが、画像のレリーフ感グレードが略同様に良くなるという同一の傾向をもつことがわかり、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下で官能的にほとんど気にならないグレードG2以下になることが本発明により明らかになった。
【0098】
また、図24より、透明トナー像の作像位置が異なるサンプルであっても、透明トナーの溶融粘度が低いほうが有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが良くなるという同一の傾向をもつことがわかり、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下で官能的にほとんど気にならない程度になることが本発明により明らかになった。
【0099】
【実施例3】
次に、冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて記録媒体上に同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像において、透明トナー溶融粘度と定着ニップ圧力をいくつかの水準で出力し、画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図25、図26に示す。
【0100】
図25、図26により、0.5MPa以下の定着ニップ内圧力域では、官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在しない。また103 Pa・s以下の透明トナーの最小溶融粘度では、官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在しない。これらを掛け合わせた、定着ニップ内圧力が0.5MPa以上、かつ透明トナーの最小溶融粘度が103 Pa・sの領域で官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在することがわかった。
【0101】
また、定着速度を30mm/secから60mm/secにして透明トナーの最小溶融粘度とニップ内圧力の関係について実験したところ、60mm/secの定着速度であっても同じ定着ニップ内の透明トナーの最小溶融粘度かつ定着ニップ内圧力にすることで、画像のレリーフ感および有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を低減させることができることから、速度を変えてもニップ内透明トナー最小溶融粘度および定着ニップ内圧力を本発明の通り低減させることができる。
【0102】
【実施例4】
次に、冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて記録媒体上に同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像において、定着ベルトの移動速度を変化させ、定着ニップの通過時間を、0.09secと、0.19secと、0.37secと変えた場合に、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度によって、有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を確認する実験を行なった。
【0103】
図27及び図28は上記実験の結果を示すものである。
【0104】
これらの図27及び図28から明らかなように、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下であれば、有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を低減させることができることがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置のベルト定着装置を示す構成図である。
【図3】図3は加熱ロールの一例を示す断面構成図である。
【図4】図4は加熱ロールの他の例を示す断面構成図である。
【図5】図5は加圧ロールの一例を示す断面構成図である。
【図6】図6は加圧ロールの他の例を示す断面構成図である。
【図7】図7は定着ベルトの一例を示す断面構成図である。
【図8】図8は定着ベルトの他の例を示す断面構成図である。
【図9】図9は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップを示す説明図である。
【図10】図10は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける記録媒体の定着状態を示す説明図である。
【図11】図11は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける記録媒体の定着状態を示す説明図である。
【図12】図12は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける温度変化を示すグラフである。
【図13】図13は透明トナーの粘度変化を示すグラフである。
【図14】図14は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図15】図15は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図16】図16は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図18】図18はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置のベルト定着装置を示す構成図である。
【図19】図19はテストチャートを示す平面図である。
【図20】図20はテストチャートの評価方法を示す説明図である。
【図21】図21は画像レリーフ感グレードとトナー重量比の関係を示すグラフである。
【図22】図22は有色トナー近傍の気泡グレードとトナー重量比の関係を示すグラフである。
【図23】図23は画像レリーフ感グレードとトナー粘度の関係を示すグラフである。
【図24】図24は有色トナー近傍の気泡グレードとトナー粘度の関係を示すグラフである。
【図25】図25は画像レリーフ感グレードと圧力・粘度の関係を示すグラフである。
【図26】図26は有色トナー近傍の気泡グレードと圧力・粘度の関係を示すグラフである。
【図27】図27は有色トナー近傍の気泡グレードと定着速度の関係を示すグラフである。
【図28】図28は有色トナー近傍の気泡グレードと定着速度の関係を示すグラフである。
【図29】図29は従来技術における記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図30】図30は従来技術における記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1.画像形成装置本体
2.画像読取装置
3.感光体ドラム
4.帯電装置
5.露光装置
6.回転可能な現像装置
6T.透明トナーの現像器
7.中間転写体ベルト
8.第1次転写ロール
9.記録媒体
12.クリーニング装置
13.除電装置
14〜17.中間転写体張架ロール
18.第2次転写ロール
19.用紙格納トレイ
20.用紙格納トレイ
21.用紙格納トレイ
23.排出ロール
24.排出トレイ
25.ベルト定着装置
26.定着ベルト
27.加熱ロール
28.加圧ロール
30.剥離ロール
32.操舵ロール
31.搬送ベルト
A.定着ニップ
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式や静電記録方式等を採用した複写機やファクシミリ、あるいはプリンターなどの画像形成装置に関し、特に高品位なカラー画像を形成することが可能な画像形成装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特開平3−130791号公報
【特許文献2】特開平4−278967号公報
【0003】
【従来の技術】
近年、上記複写機やファクシミリ、あるいはプリンターなどの画像形成装置においては、デジタル式の電子写真方式を採用してカラー画像を作成する方法が広く利用されている。一般的に、この電子写真方式を採用したカラー画像形成装置は、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線を像担持体上に照射して所定の色に対応した静電潜像を形成し、当該像担持体上に形成された静電潜像に、熱可塑性のバインダーに顔料を混合したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを付着させて現像することでトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体上に順次転写させた後、加熱ロール等で溶融固着させて定着させることによって、カラー画像を形成するように構成されている。
【0004】
上記記録媒体上にトナー像を定着する定着装置としては、加熱ロール方式が広く採用されている。この加熱ロール方式の定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱源を備え、その円筒状芯金の外周に耐熱性ゴム層や耐熱性保護層を被覆した定着ロールと、当該定着ロールに圧接され、定着ロールとほぼ同様に構成される加圧ロールとの間に、未定着のトナー像を表面に担持した記録媒体を挟持搬送させることにより、未定着トナー像を加熱加圧して記録媒体上に定着させるように構成されている。
【0005】
かかる定着装置において、定着後の画像の光沢を高くし、カラー画像の見栄えを良くするためには、トナー中の熱可塑性バインダーの分子量を低くし、加熱溶融時のトナー粘度が低くなるように材料設計することで、定着後の画像の平滑性を向上させ、光沢度を高くする方法が採用される。
【0006】
一方、上記電子写真方式を採用したフルカラーのプリンターは、近年市場導入が盛んに行われているデジタルスチルカメラの画像出力用として、使用される例が増加しつつあるが、上述した加熱ロール方式の定着装置で得られる高光沢画像であっても、銀塩写真方式の印画紙画像と比較すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色トナーのうち、1色のトナーから3色のトナーまでを重ね合わせたトナー像とで、トナー層の厚みに起因する凹凸が残り、違和感のある画像となるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、かかる問題点を解決し得る技術として、特開平4−278967号公報には、像担持体上に有色トナー像の他に透明トナー粒子層を形成し、有色トナーと透明トナー粒子層を記録媒体に転写した後、上述した加熱ロール定着器で定着することで、色調に優れた画像を出力する方法が開示されている。さらに、上記特開平4−278967号公報に開示の方式で形成された画像は、図29に示すように、有色トナー像の上面が全面透明トナーで覆われており、画像光沢も記録媒体全面で均一となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平4−278967号公報に開示された技術でプリントした場合には、図29に示すように、全面が透明トナーで覆われるものの、トナーの重ね合わせによる嵩高さがそのまま残ってしまうという問題点を有していた。特に、2色や3色のトナーを重ね合わせて発色させる2次色や3次色のベタ画像部などのように、トナーの重なりが多い部分と、記録媒体の白地部の間では、いわゆる画像の輪郭が浮き出るレリーフ感が目立ち、銀塩写真とは異なり違和感のある画像となるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この画像のレリーフ感を防止するために、特開平3−130791号公報には、PETなどの絶縁性の高い剥離性の優れたシートに、透明トナーを静電的に均一に吸着させた後、画像の形成された記録媒体上に透明トナーを転写定着し、シートを剥離することで均一に透明樹脂層を形成する方法が開示されている。
【0010】
しかしながら、上記特開平3−130791号公報に開示された技術の場合でも、通常の定着条件では不十分であって、図30に示すように、前述の画像のレリーフ感を減少させるに至らず、しかも有色トナー像近傍の気泡発生という課題も誘発するという問題点があることが、本発明者らの研究によって明らかとなった。この気泡が生ずる原因は、定着ニップにおいてトナー粒子自体が持つ気泡や、トナー間に存在する空気などが、有色トナーのトナー高さが障壁となり、有色トナーのトナー層厚が厚くなると、気泡が抜けきれないまま定着ニップを通過し溶融固化するために発生すると考えられる。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とすることろは、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
上記の目的を達成するために、請求項1 の発明では、記録媒体上に有色トナー像を下層に、透明トナー像を上層にして形成し、前記有色トナー像及び透明トナー像が形成された記録媒体を、ベルト定着装置により定着して画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
また、請求項2の発明では、有色トナー像が形成された記録媒体に、ベルト定着装置の定着ニップの上流側で定着ベルト上に形成された透明トナー像を、前記定着ニップで転写定着することにより画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
これらのように、定着ニップにかかる圧力と、定着ニップでの透明トナーの溶融粘度を規定することにより、該透明トナーは記録媒体上の有色トナーの上層を必要にして十分に包み込むことができ、ベルト定着装置から加わる熱により透明トナーは十分に溶融した状態となり、記録媒体上の有色トナー像と非画像部の画像のレリーフ部に流動することによってレリーフ感を軽減することが可能となるとともに、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減することができる。
【0015】
また、請求項3の発明では、請求項1又は2に記載の画像形成装置に係るベルト定着器の構成を規定している。このベルト定着装置は、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する定着ベルトと該定着ベルトを介して該加熱ロールを加圧する加圧ロールとを有し、記録媒体を該定着ベルトと該加圧ロールの間で挟持搬送しつつ該加熱ロールと加圧ロールからの熱によってトナー像を溶融し、その後トナー像が冷却固化した後に該定着ベルトから該記録媒体を剥離することを特徴としている。
【0016】
このように、定着ニップを通過した記録媒体を冷却固化して得られる記録媒体は、前述のように画像のレリーフ感を低減し、前述した有色トナー像近傍に発生する気泡の画質欠陥を低減することができる上、記録媒体上の透明トナー像は冷却固化されることで均一な面質となり銀塩写真で得られる光沢感に近い光沢度を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態1に係る電子写真方式によってカラートナー像と共に透明トナー像を形成する画像形成装置を示す構成図である。
【0019】
図1において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部には、原稿の画像を読み取る画像読取装置2が配設されている。また、上記画像形成装置本体1の内部には、像担持体としての感光体ドラム3が、図示しない駆動装置により矢印a方向に沿って所定の速度で回転可能に設けられている。感光体ドラム3の表面は、スコロトロン等からなる帯電装置4によって、所定の電位に均一帯電された後、ROS等からなる露光装置5によって画像露光が施され、透明トナーを形成する画像情報に応じた静電潜像が形成される。また、上記感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、及び透明の各色に対応した現像器6Y、6M、6C、6K、6Tを、周方向に沿って配設した回転可能な現像装置6のうち、透明トナーの現像器6Tによって現像され、透明トナー像が形成される。
【0020】
上記感光体ドラム3上に形成された透明トナー像は、中間転写体としての中間転写体ベルト7上に、第1次転写手段としての第1次転写ロール8によって転写される。
【0021】
その際、上記透明トナー現像器6Tによる透明トナー像の形成方法としては、透明トナーを記録媒体の非画像部にのみ選択的に付着させる方法や、カラートナーと透明トナーの総量が記録媒体9上の領域で一定範囲内となるように制御して形成する方法や、有色トナー像の量に関係なく、記録媒体9の表面に均一に形成する方法などが挙げられ、何れの方法を採用しても良い。なお、この実施の形態では、図16に示すように、有色トナー像51の量に関係なく、記録媒体9の表面に均一に透明トナー像50を形成する方法を採用している。
【0022】
その後、上記感光体ドラム3上に形成された透明トナー像50は、当該感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって挟持搬送される中間転写体ベルト7上に、感光体ドラム3と中間転写体ベルト7によって形成される第1次転写ニップにて必要な電界と圧力を印加した状態で転写される。
【0023】
次に、透明トナー像の転写工程が終了した感光体ドラム3は、クリーニング装置12による残留トナーのクリーニング工程や、除電装置13による除電工程を経て、再び帯電装置4によって均一帯電された後、当該感光体ドラム3上には、露光装置5によってイエロー色の画像に対応した静電潜像が形成され、イエロートナー現像器6Yによって顕像化されたイエロートナー像が形成される。その後、上記感光体ドラム3上に形成されたイエロートナー像は、既に透明トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に、当該感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって形成される第1次転写ニップにて転写される。以降、同様にしてマゼンタ、シアン、ブラックの他の有色トナーについても、同様に画像形成工程を繰り返し、透明トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に次々と多重に転写される。
【0024】
図1に示した実施の形態では、トナー現像器の個数が、透明トナー現像器6Tが1つに、有色トナー現像器6Y、6M、6C、6Kが4個の構成であるが、該透明トナー現像器および有色トナー現像器の個数はこの限りではない。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色の刷り順もこれに限定されるものではない。
【0025】
また、図1に説明した例では、1 つの像担持体を使用してカラー画像を得る画像形成装置であるが、各色ごとに像担持体を備える所謂タンデム型の画像形成装置、又、中間転写体を使用せずに像担持体から記録媒体に直接トナー像を転写させる方式の画像形成装置であっても良いことは勿論である。
【0026】
上記画像形成装置に使用される有色トナーとしては、特に限定されないが、画質向上のために5〜7μm程度の平均粒径であることが望ましく、画像濃度を向上させるため、記録媒体9上の単色最大トナー量が3〜6g/m2 となるように現像条件及び転写条件をコントロールさせることが必要である。
【0027】
また、上記画像形成装置に使用される透明トナーとしては、前述した有色トナーの着色成分を除いたものでも良いし、異なる種類の樹脂を用いてもよい。また、現像質量を大きくする際、有色トナー像と同径の粒子を用いて現像させることが困難である場合には、透明トナーの平均粒径を有色トナーの粒径より大きく設定して、現像質量を大きくしても構わない。
【0028】
中間転写体ベルト7上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、第2次転写ニップにおいて、記録媒体9上に第2次転写される。上記中間転写体ベルト7は、4つの中間転写体張架ロール14〜17によって張架されており、これらの4つの中間転写体張架ロール14〜17のうち、中間転写体張架ロール16は、第2次転写ニップにおいて、バックアップロールとして機能しており、当該中間転写体張架ロール16には、中間転写体ベルト7を介して、第2次転写装置としての2次転写ロール18が圧接されている。そして、中間転写体ベルト7上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、第2次転写ニップにおいて、第2次転写ロール18によって必要な電界と圧力が印加された状態で記録媒体9上に一括して転写される。この記録媒体9は、画像形成装置本体1の下部に配設された複数の用紙格納トレイ19、20、21のうち、所定のサイズの記録媒体9が収容された用紙格納トレイから給紙され、用紙搬送経路22を介して第2次転写ニップへと搬送される。
【0029】
ここで、記録媒体9としては、印刷用コート紙やアート紙のような表面平滑性の高い紙、又は写真で用いられる印画紙の如く、記録媒体9の表層に熱可塑性樹脂層を設けた記録媒体を用いても良い。第2次転写ニップを通過した記録媒体9上には、中間転写体ベルト7上とは逆に、下層に有色トナー像が形成されて、最上層に透明トナー像が形成される。
【0030】
これらのトナー像が形成された記録媒体9は、搬送ベルト31によって、ベルト定着装置25へ搬送され、当該ベルト定着装置25による定着工程を経て、最終的に高光沢なカラー画像が得られ、排出ロール23によって排出トレイ24上に排出されて、カラー画像の形成工程が終了する。図2に示す定着装置25は、定着ベルト26を用いたベルト方式の定着装置であり、冷却固化工程を含んだ構成となっている。
【0031】
図2は上記ベルト定着装置を示す構成図である。
【0032】
このベルト定着装置25は、図2に示すように、加熱ロール27と、該加熱ロール27と剥離ロール30と操舵ロール32との間に所定のテンションで掛け回された定着ベルト26と、該定着ベルト26を介して加熱ロール27に圧接する加圧ロール28とを備えている。そして、上記ベルト定着装置25では、加熱ロール27と、定着ベルト26と、加圧ロール28とによって定着ニップAが形成されている。
【0033】
上記加熱ロール27は、図3に示すように、内部にハロゲンランプ等の熱源33を有し、該加熱ロール27と加圧ロール28との間にかかる荷重によって撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加熱ロール27の金属コア27aとしては、アルミニウムやSUSなどが用いられ、ある程度の肉厚を持たせることが必要である。また、加熱ロール27は、定着ニップの形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを接着層27bを介して被覆し、弾性層27cを設けた構成としても良い。さらに、加熱ロール27の表面には、必要に応じて表面保護層27dが設けられる。なお、上記加熱ロール27としては、図4に示すように、弾性層27cを有しないものを用いても良い。
【0034】
同様に、加圧ロール28は、図5に示すように、内部にハロゲンランプ等の熱源34を有し、該加熱ロール27と加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加圧ロール28の金属コア28aとしては、アルミニウムやSUSなどが用いられ、ある程度の肉厚を持たせることが必要である。また、加圧ロール28は、必要に応じて、定着ニップの形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを接着層28bを介して被覆し、弾性層28cを設けた構成としても良い。なお、上記加圧ロール28としては、図6に示すように、弾性層28cを有しないものを用いても良い。
【0035】
加熱ロール27及び加圧ロール28の層構成は、図3乃至図6に示すように、必ずしも同一である必要はなく、定着ニップの設計によって、加熱ロール27及び加圧ロール28の層構成を異にすることもできる。
【0036】
上記定着ベルト26は、図7に示すように、ベース層26aと表面層26bとから構成されている。また、ベース層26aと表面層26bの接着強度を上げるために、図8に示すように、接着層26cを設けてもよい。ベース層26aには、耐熱性と機械的強度が要求され、ニッケル、アルミニウム、ステンレス製の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の耐熱樹脂からなるベルトを用いてもよい。ベース層26aには、カーボンブラックや酸化チタン等を添加、分散することによって体積抵抗率を制御しても良い。また、ベース層26aの厚みについては、機械的強度や熱膨張などを考慮に入れた厚みでなければならず、20〜300μmの範囲が望ましい。また、表面層7bとしては、耐久性、耐熱性、トナーや記録媒体との剥離容易性が求められ、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素系樹脂などが考えられる。表面層の厚みとしては、機械的強度、画質安定性、熱膨張の観点からある程度の厚みがあることが望ましく、10〜300μmの範囲であることが望ましい。
【0037】
上記の如く構成されるベルト定着装置25では、透明トナー像及び有色トナー像を転写した記録媒体9が、加熱ロール27が定着ベルト26を介して加圧ロール28に圧接する定着ニップA に送り込まれると、この記録媒体9は、定着ベルト26と加圧ロール28との間で挟持されつつ搬送され、加熱ロール27と加圧ロール28からの熱及び圧力によって、トナーが溶融されるとともに、記録媒体9上に透明トナー像50及び有色トナー像51が定着される。
【0038】
ところで、本発明者らは、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするため、透明トナー像及び有色トナー像が転写された記録媒体を定着する際の定着条件について、種々研究を行なってきた。
【0039】
その結果、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着装置25の定着ニップA における圧力、定着ニップA における透明トナーの溶融粘度、及び有色トナー像単層の単位面積あたりの最大質量に対する透明トナー像の単位面積あたりの質量の割合が重要であることを見出した。
【0040】
具体的には、上記の如く構成されるベルト定着装置25では、加熱ロール27と、定着ベルト26と、加圧ロール28の構成、及び加圧ロール28の押し付け荷重によって、図9に示すように、記録媒体9表面と定着ベルト25表面が接触する定着ニップAの形状が定まる。尚、定着ニップAの形状は、図9に示すものに限らず、矩形状になる場合もある。また、定着ニップA での記録媒体9と定着ベルト25の接触面積Sと、加圧ロール28に印加する押し付け荷重Pから定着ニップA内の圧力が求められる。これにより、加熱ロール27と加圧ロール28の弾性層27c、28cの構成によって、加圧ロール28に同量の荷重Pをかけても定着ニップ形状が変化し、圧力が変化するのは自明である。目的とする圧力を得るには、加熱ロール27、加圧ロール28、定着ベルト26の層構成に応じて、加圧ロール28に印加する押し付け荷重Pを変更しなければならないのもまた自明である。このとき、定着ニップAにかかる圧力は、0.5MPa以上であることが求められる。ここで、定着ニップAにかかる圧力は、加圧ロール28を加熱ロール27に圧接する荷重Pを、定着ニップAの面積Sで除算して求められるが、荷重Pの単位系はkgfであり、面積Sの単位系はm2 であるので、圧力の単位系は、kgf/m2 となる。また、1kgf/m2 =9.80665Paより換算して、定着ニップAにかかる圧力が求められる。尚、1MPaは、106 Paである。
【0041】
なお、従来の定着装置において、定着ニップA にかかる圧力は、一般的に、0.1〜0.4MPa程度である。
【0042】
上記定着ニップAにかかる圧力を変化させた場合には、図10に示すように、透明トナー像50及び有色トナー像51を記録媒体9上に定着させる際に、当該透明トナー像50及び有色トナー像51の溶融状態及び加圧状態が変化する。定着ニップAにかかる圧力が所定の値よりも低いと、特に、2層から3層の複数層の有色トナー像51からなる画像部と、透明トナー像50のみからなる背景部との境界において、複数層の有色トナー像51に含まれる空気が、透明トナー像50及び有色トナー像51の溶融時及び加圧時に逃げ出すことができず、図11に示すように、有色トナー像51のエッジ部に閉じ込められてしまい、微細な気泡が発生し、画質が劣化する。また、定着ニップAにかかる圧力が所定の値よりも低いと、特に、2層から3層の複数層の有色トナー像51からなる画像部と、透明トナー像50のみからなる背景部との境界において、段差が発生してレリーフ感が生じる。
【0043】
これに対して、本発明者らの研究によれば、後述するように、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着ニップAにかかる圧力が、0.5MPa以上であることが必要となることがわかった。これにより記録媒体9上の透明トナーが流動し、有色トナーによって形成された凹凸を低減させ、画像のレリーフ感の少ない画像を得ることができる。
【0044】
また、定着ニップA において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、定着ニップにおける透明トナーの溶融粘度が、所定の条件を満たす必要がある。
【0045】
記録媒体上に転写された透明トナー像及び有色トナー像は、ベルト定着装置の定着ニップにおいて、加熱加圧されて溶融され、記録媒体上に定着される。その際、上記透明トナー像及び有色トナー像、特に透明トナー像が溶融した状態での粘度は、流動性の向上に伴う画像のレリーフ感を低減させたり、有色トナー像の近傍に空気が微細な気泡として残留するか、流動性の向上によって空気の排除を可能とするかの条件を決定するパラメータである。
【0046】
ここで、定着ニップにおける透明トナー像の粘度は、図12及び図13に示すように、当該定着ニップAの温度に依存し、透明トナー像50が転写された記録媒体9が、定着ニップAに進入して、加熱ロール27及び加圧ロール28によって加熱されて、室温から急激に温度が上昇し、定着ニップの出口において最高温度に達して最低溶融粘度となる。そこで、本発明では、透明トナー像50の粘度として、定着ニップAの出口における最低溶融粘度を使用している。上記透明トナー像の粘度は、図13に示すように、透明トナーの材質によって異なるが、定着ニップの圧力には、ほとんど依存しない。
【0047】
本発明者らの研究によれば、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することを可能とするためには、透明トナー像の最低溶融粘度を103 Pa・s以下にすることが求められる。これは、透明トナー溶融粘度がこれ以上高いと透明トナーが十分に流動せず、有色トナー像によってできた画像レリーフ感を十分低減させることができない。
【0048】
第2次転写ニップを通過した後の記録媒体9および有色トナー像および透明トナー像は、該両トナー像が記録媒体9上に溶融固着するために定着ニップA で必要な熱をかけることが要求される。定着ニップAで与えられる熱量は、加熱ロール27および加圧ロール28の表面設定温度、定着ベルト26の熱伝達率、定着ニップAを通過する時間(定着スピード)、トナーおよび記録媒体9の熱伝達率などによって決まる。これら定着条件を掛け合わせたとき、該トナーおよび該記録媒体9にかかる熱量が決定される。定着ニップAを通過する記録媒体9上の有色トナー像は、加熱溶融され発色する。また定着ニップAを通過する記録媒体9上の透明トナーは、加熱溶融されトナーの溶融粘度が低下する。定着ニップAを通過するときに透明トナーの最小溶融粘度が一定条件以下となる定着条件にすることによって、有色トナー像によってできた凹凸部を包み込むように流動し、画像のレリーフ感を軽減することができる。
【0049】
定着ニップAを通過した記録媒体9は、定着ベルト26に密着したまま、冷却装置29もしくはそれに準ずる冷却工程を経て冷却設定温度まで冷却したのち、剥離ロール30近傍で定着ベルト26と記録媒体9が剥離され、トナー記録画像を得ることができる。冷却装置29としては、該定着ベルト26に密着接触するヒートシンクや送風ファンなどが用いられる。また、記録媒体9側からのファンによる送風による冷却でもよい。また剥離する際の記録媒体9と定着ベルト26界面の温度は、定着ベルト26の付着力が最も小さくなる温度域で剥離するのが望ましい。尚、記録媒体9は、補助的に剥離爪35によって剥離される。
【0050】
こうして得られた画像は、有色トナーによる凹凸感が少ない画像となる。またこのことから、有色トナー近傍で発生していた気泡状の画質欠陥も少なくなる。また画像面が平面になり、かつ表面が同じ材質のトナーによって覆われていることから、銀塩写真同等の表面性を得ることが可能となる。
【0051】
さらに、本発明者らの研究によれば、定着ニップAにおける圧力、及び定着ニップAにおける透明トナーの最低溶融粘度が、上記の条件を満たしたとしても、有色トナー像単層の単位面積あたりの最大質量に対する透明トナー像の単位面積あたりの質量の割合が低いと、定着ニップにおける透明トナー像の流動性などを向上させたとしても、物理的に2層から3層の複数層からなる有色トナー像と、1層の透明トナー像との段差を均すことができず、結果的に、レリーフ感や気泡が残留してしまうことがわかった。
【0052】
図14、図15、図16では本発明に係る透明トナー像の単位面積あたり重量について示したものである。
【0053】
図14、図15では、有色トナー51のトナー量に応じた透明トナー50作像の例について示している。透明トナーは、有色トナー量の多いところでは少なく、有色トナーがない非画像部などにおいては多く形成されるように作像する。透明トナーの量は、画像のレリーフ感の低減や、有色トナー近傍で発生する気泡状の画質欠陥を低減する意味で、後述するように、該有色トナー像単色の単位面積あたり最大質量の2〜10倍の範囲であることが望ましい。
【0054】
図16では、有色トナー51のトナー量に依らず、一定量の透明トナー50作像の例について示している。このときも、透明トナーの量は、画像のレリーフ感の低減や、有色トナー近傍で発生する気泡状の画質欠陥を低減する意味で、該有色トナー像単色の単位面積あたり最大質量の2 〜10倍の範囲であることが望ましい。
【0055】
実施の形態2
図17はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部材には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、透明トナー像を有色トナー像と同時に形成するのではなく、有色トナー像が転写された記録媒体9上に、当該有色トナー像を定着する際に、同時に、透明トナー像を有色トナー像が転写された記録媒体9上に転写定着するように構成されている。
【0056】
図17はこの発明の実施の形態2に係る電子写真方式によってカラートナー像と透明トナー像を形成する画像形成装置を示す構成図である。
【0057】
図17において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部には、原稿の画像を読み取る画像読取装置2が配設されている。また、上記画像形成装置本体1の内部には、像担持体としての感光体ドラム3が、図示しない駆動装置により矢印a方向に沿って所定の速度で回転可能に設けられている。感光体ドラム3の表面は、スコロトロン等からなる帯電装置4によって、所定の電位に均一帯電された後、ROS等からなる露光装置5によって画像露光が施され、イエロー色の画像に対応した静電潜像が形成され、イエロートナー現像器6Yによって顕像化したイエロートナー像が形成される。その後、イエロートナー像は、感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって挟持搬送される中間転写体ベルト7上に、該感光体ドラム3と中間転写体ベルト7によって形成される第1次転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で転写される。そして、次に、感光体ドラム3のクリーニング装置12による残留トナーのクリーニング工程、及び除電装置13による除電工程を経て、再び帯電装置4によって均一帯電された感光体ドラム3上に露光装置5によって静電潜像を記録し、マゼンタトナー現像器6Mによって顕像化されたマゼンタトナー像が形成される。その後、既にイエロートナー像が転写された中間転写体ベルト7上に、感光体ドラム3と第1次転写ロール8によって形成される第1次転写ニップで該マゼンタートナー像が転写される。以降、同様にしてシアン及びブラックの他の色トナーについても同様に画像が形成され、トナー像が転写された中間転写体ベルト7上に次々と多重に転写される。
【0058】
図17に示した実施の形態2では、トナー現像器の個数は有色トナー現像器6Y、6M、6C、6Kが4個の構成であるが、該有色トナー現像器の個数はこの限りではない。また、色の刷り順もこの限りではない。
【0059】
図17に説明した実施の形態2では、1 つの像担持体を使用してカラー画像を得る画像形成装置であるが、各色ごとに像担持体を備える画像形成装置、中間転写体を使用せずに像担持体から直接トナー像を記録媒体に転写させる方式であっても可能である。
【0060】
ここで、図17に記載した画像形成装置に使用される有色トナーであるが、特に限定されないが画質向上のために5〜7μm程度の平均粒径であることが望ましく、画像濃度を向上させるため、記録媒体9上の単色最大トナー量が3〜6g/m2 となるように現像条件、転写条件をコントロールさせることが必要である。
【0061】
中間転写体ベルト7に転写された有色トナー像は、中間転写体ベルト7が張架される張架ロール16と中間転写体ベルト7を介して対向位置にある第2次転写ロール18によって形成される第2次転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で記録媒体9上へ一括転写される。記録媒体9は、用紙格納トレイ19、20、21から必要な大きさの記録媒体9が選択され、用紙搬送経路22を経て第2次転写ニップヘ搬送される。ここで、記録媒体9としては、印刷用コート紙、アート紙のような表面平滑性の高い紙、また写真で用いられる印画紙の如く、記録媒体表層に熱可塑性樹脂を設けた記録媒体を用いても構わない。第2次転写ニップを通過した記録媒体9上には、記録媒体9表面側に有色トナー像が形成される。
【0062】
有色トナー像が形成された記録媒体9は、第2次転写ニップの近傍に配設された定着装置25による定着工程で、定着ベルト26上に形成された透明トナー像を転写定着して高光沢の画像が得られる。図18に示す定着装置25は、ベルト定着装置あり、透明トナー像形成装置40、及び冷却固化手段29を含んだ構成となっている。ここで、記録媒体上の有色トナー像は、図示しない2次転写ニップの上流に設けられた2ロール定着器を通過した後、定着装置25によって定着するように構成しても良い。
【0063】
図18は上記ベルト定着装置を示す構成図である。
【0064】
図18に示すベルト定着装置25は、加熱ロール27と、該加熱ロール27に接する定着ベルト26と、該定着ベルト26を介して上記加熱ロール27を加圧する加圧ロール28と、透明トナー像形成装置40とを備えている。また、透明トナー像形成装置40は、透明トナー像を形成する透明トナー像担持体41と、帯電装置42と、画像露光43と、透明トナー現像器44と、クリーニングブレード45と、除電器46と、転写ロール47とより成る。
【0065】
コロトロンやスコロトロン等からなる帯電装置42によって均一帯電された像担持体としての感光体ドラム41上には、露光装置( 図示しない) からの画像露光43によって透明トナー像に対応した静電潜像が形成され、透明トナー現像器44によって顕像化され、透明トナー像が形成される。
【0066】
ここで、透明トナー像の形成方法であるが、透明トナーを非画像部のみ選択的に付着させる方法や、カラートナーと透明トナーの総量が記録媒体領域で一定範囲内になるように制御して形成する方法や、有色トナー像の量に関係なく、均一に形成する方法などが挙げられ、いずれを採用しても良い。
【0067】
また、上記画像形成装置に使用される透明トナーとしては、前述した有色トナーの着色成分を除いたものでもよいし、異なる種類の樹脂を用いてもよい。また、現像質量を大きくする際、有色トナー像と同径の粒子を用いて現像させることは困難なので、透明トナー平均粒径を有色トナー粒径より大きくして、現像質量を大きくしても構わない。
【0068】
その後、透明トナー像は、定着ベルト26を介して対向する感光体ドラム41と転写ロール47によって形成される転写ニップにて必要な電界と圧力をかけた上で定着ベルト26上へ転写される。そして、感光体ドラム41上のブレード41による残トナーのクリーニング工程、除電器46による除電工程を経て、次工程の透明トナー像の作像へと進む。
【0069】
加熱ロール27は、図3に示すように、ハロゲンランプ等の熱源33を有し、該加熱ロール27と該加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加熱ロール27の金属コアとしては、アルミニウム、SUSなどを用い、ある程度の厚みを持たせることが必要である。また、定着ニップ形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを被覆し、弾性層27cを設けた構成であることも考えられる。
【0070】
同様に、加圧ロール28は、図4に示すように、ハロゲンランプ等の熱源34を有し、該加熱ロール27と該加圧ロール28との間にかかる荷重による撓みや潰れを少なくした中空構成であることが望ましい。加圧ロール28の金属コア28aとしてアルミニウム、SUSなどを用い、ある程度の厚みを持たせることが必要である。また、定着ニップ形状を設計する上で、耐熱性シリコンゴムなどの耐熱性ゴムを被覆し、弾性層28bを設けた構成であることも考えられる。
【0071】
定着ベルト26は、図7に示すように、べース層26aと表面層26bから成る。また、ベース層26aと表面層26bの接着強度を上げるための接着層26cを設けてもよい。該ベース層26aは、耐熱性および機械的強度が要求され、ニッケル、アルミニウム、ステンレス製の金属シートや、PET、PBT、ポリエステル、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂ベルトを用いてもよい。これらベース層26aに対し、カーボンブラックや酸化チタンを添加、分散することによって体積抵抗率を制御しても良い。また厚みについては、機械的強度や熱膨張などを考慮に入れた厚みでなければならず、20〜300μmの範囲が望ましい。また表面層は、耐久性、耐熱性、トナーや記録媒体との剥離容易性が求められ、シリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素系樹脂などが考えられる。表面層の厚みとしては、機械的強度、画質安定性、熱膨張の観点からある程度の厚みがあることが望ましく、20〜300μmの範囲であることが望ましい。
【0072】
記録媒体9を該定着ベルト26と該加圧ロール28の間で挟持搬送し、かつ定着ニップ上流側で該定着ベルト26上に形成された透明トナー像を、該記録媒体9上に同時転写定着させる。加熱ロール27と加圧ロール28からの熱で定着ニップを通過することで記録媒体9上の有色トナー像と、定着ベルト26上の透明トナー像を記録媒体9上に溶融転写しつつ同時熱定着する。
【0073】
上述した加熱ロール27、定着ベルト26、加圧ロール28の構成、また加圧ロール28が加熱ロール27に押圧する荷重によって定着ニップAの形状が定まる。定着ニップAでの記録媒体9と定着ベルト26表面の接触面積と、加圧ロール27に印加する荷重から定着ニップ内の圧力が求められる。これにより、加熱ロール27、加圧ロール28の弾性層の構成によって加圧ロール28に同量の印加荷重をかけても定着ニップ形状が変化し、圧力が変化するのは自明である。目的とする圧力を得るには、加熱ロール27、加圧ロール28、定着ベルト26の構成に応じて加圧ロール28に印加する荷重を変更せねばならないのも自明である。
【0074】
このとき、定着ニップA内にかかる圧力は、0.5MPa以上であることが求められる。これにより記録媒体9上の透明トナーが有色トナーによって形成された凹凸部に流動し、画像のレリーフ感の少ない画像を得ることができる。
【0075】
また、定着ニップAにおいて、透明トナー像の最低溶融粘度を103 Pa・s以下にすることが求められる。これは透明トナーが前述の有色トナー像の凹凸部への流動を更に促進するためである。第2次転写ニップを通過した後の記録媒体9および有色トナー像、および定着ベルト26上に形成した透明トナー像は、両トナー像が記録媒体9上に溶融固着するために定着ニップで必要な熱をかけることが要求される。定着ニップAで与えられる熱量は、加熱ロール27および加圧ロール28の表面設定温度、定着ベルト26の熱伝達率、定着ニップAを通過する時間、トナーおよび記録媒体9の熱伝達率などによって決まる。これら定着条件を掛け合わせたとき、該トナーおよび記録媒体9にかかる熱量が決定される。定着ニップAを通過する記録媒体9上の有色トナー像は、加熱溶融され発色する。また、定着ニップAを通過する定着ベルト26上で形成され、記録媒体A上に同時転写定着された透明トナー像は、加熱溶融されトナーの溶融粘度が低下する。定着ニップを通過するときに透明トナーの最小溶融粘度を一定条件以下となる定着条件にすることによって、有色トナー像によってできた凹凸部を包み込むように流動し、画像のレリーフ感を軽減することができる。
【0076】
定着ニップAを通過した記録媒体9は、定着ベルト26に密着したまま、冷却装置29もしくはそれに準ずる冷却工程を経て冷却設定温度まで冷却した後、剥離ロール30近傍で定着ベルト26と記録媒体9が剥離され、トナー記録画像を得ることができる。また剥離する際の記録媒体9と定着ベルト26界面の温度は、定着ベルト26の表面エネルギーが最も小さくなる温度域で剥離するのが望ましい。
【0077】
ここで冷却装置29としては、該定着ベルト26に密着接触するヒートシンクや送風ファンなどが用いられる。また、記録媒体9側からのファンによる送風による冷却でもよい。こうして得られた画像は、有色トナーによる凹凸感が少ない画像となる。またこのことにより、有色トナー近傍で発生していた気泡状の画質欠陥も少なくなる。また画像面が平面になり、かつ表面が同じ材質のトナーによって覆われていることから、銀塩写真同等の表面性を得ることが可能となる。
【0078】
【実施例】
以下に、この発明の具体的な実施例について図面を参照して説明する。
【0079】
実施例1
図1はこの発明の実施例1に係る電子写真方式によって有色トナー像と共に透明トナー像を形成する画像形成装置をも示す構成図である。
【0080】
この実施例では、有色トナーとして、縣濁重合法により得られたスチレン−アクリルトナーを用いている。この有色トナーの平均粒径は5. 7μmであった。また、有色トナー単色の最大形成質量は4g/m2 とし、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色とも同量とした。
【0081】
また、透明トナーとしては、粉砕法により得られたポリエステルトナーを用いた。この透明トナーの平均粒径は14μmであった。透明トナー像の形成量は、有色トナー単色の最大形成質量の5倍である20g/m2 とし、有色トナー像のトナー量によらず均一面となるように形成した。
【0082】
透明トナーの粘弾性測定は、レオメトリックス・サイエンティフィック・エフ・イー社製の回転平板型レオメーター(RDA2RHIOSシステムVer.4.3.2)を用いて行った。測定は、試料をサンプルホルダーにセットし、昇温温度1℃/min、周波数1rad/sec、歪み20%以下、検出トルクを測定保証値の範囲内で行った。この結果から、必要な熱量を算出し、必要な加熱ロール27及び加圧ロール28の表面温度を割り当てた。
【0083】
定着ベルト26の基材層26aはポリイミドで、表面層26bはシリコンゴムからなるものを用いた。全ての実験について同一の定着ベルトを用いている。定着ニップAにかかる圧力は、図3乃至図6に示すように、加熱ロール27と加圧ロール28の弾性層の厚みを0〜3mmの間で変化させ、それぞれについて所望の圧力となるように加圧ロール28にかける押し付け荷重Pを変化させて行った。定着ニップAを通過した記録媒体9は、冷却固化させた後、剥離させた。なお、剥離地点での記録媒体9の裏面側温度が常に70℃近傍となるような冷却条件を用いた。また、ベルト定着器25以外の構成要素は条件を固定して行った。
【0084】
記録媒体9としては、用紙坪量209gsmの片面コート紙を用い、コート面に対して画像形成を行った。
【0085】
また、画像評価については以下の2つの観点で行った。
【0086】
1つ目は、画像のレリーフ感である。評価画像は、図19に示すように、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色のトナーを混色して得られる3次色プロセスブラックの20mm×20mmのサイズより成るパッチ画像の上に、透明トナー像を全面に均一に形成したものを用いた。このパッチ画像のエッジ部の画像レリーフ感を官能評価によるグレード付けを行い、分類分けを行った。グレード付けは5段階で、画像のレリーフ感が全くわからないものをG1、画像のレリーフ感が僅かにわかるが、全く気にならないものをG2、画像のレリーフ感がわかるが、気にならないレベルをG3、画像のレリーフ感がやや目に付き、気になるレベルをG4、画像のレリーフ感が明らかであり、気になるレベルをG5として評価した。画像のレリーフ感を観察する条件はすべて同一の照明環境で行うこととした。また、画像のレリーフ感を官能的に許容できるグレードをG3として評価を行った。
【0087】
2 つ目は、有色トナー近傍にある気泡状画質欠陥である。評価画像は、図19に示すように、ライン幅0.5mmで縦18mm、横2mmの仮想矩形内に設けたX(エックス)マークとし、記録媒体9上に用紙の搬送方向と直交する方向に沿って、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色のトナーを混色して得らる3次色プロセスブラックの画像と、2次色のレッドの画像と、ブラックの単色の画像とを交互に連続して複数個設けた。
【0088】
そして、図20に示すように、各色のXマークの谷間に存在する気泡状の画質欠陥の累積高さhに応じ、谷間の0以上1/4未満の高さで気泡に覆われているものをG1、以下1/4以上1/2未満の高さで覆われているものをG2、1/2以上3/4未満の高さで覆われているものをG3、3/4以上1/1未満の高さで覆われているものをG4、気泡状画質欠陥が谷間全体に充填しているものをG5として、G1からG5までの5段階のグレードとした。記録媒体9上の各色のXマーク上にある気泡状画質欠陥それぞれについて、最も程度の良いもの、最も程度の悪いもののグレード付けを行い、その平均値をその記録媒体9の有色トナー像近傍の気泡画質欠陥グレードとした。また、気泡状の画質欠陥を官能的に許容できるグレードをG3として評価を行った。
【0089】
【実施例1】
この実施例1では、図18に示すように冷却固化機構を備えたベルト定着器を、ベルト定着装置として用い、記録媒体9上に有色トナー像を形成し、図18に示すように定着ベルト26上に透明トナー像を形成して、透明トナー像を定着ニップAにおいて同時転写定着した画像形成装置から出力されたトナー画像において、透明トナー画像の形成量による画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図21、図22に示す。なお、この実験において、透明トナー像は有色トナー像の量に関係なく、均一に形成することとした。また、このときの定着ニップA内圧力は1.5MPaで一定であり、該ベルト定着器による定着速度を30mm/secとして実験を行った。
【0090】
図21は、画像レリーフ感グレードとトナー重量比の関係を表す。図21において横軸のTt/Tcは有色トナー単色最大トナー量4g/m2 に対する透明トナー量の比を示しており、縦軸は画像レリーフ感グレードを示している。
【0091】
この図21から明らかなように、透明トナー量Ttが多くなるに従って、Tt/Tcが2のとき、画像レリーフ感のグレードがG4と悪かったのに対し、Tt/Tcが2になると、画像レリーフ感のグレードがG2と良くなることがわかる。これは、図10に示すように、形成された透明トナー量が多いほうが、有色トナーによってできた凹凸によるレリーフ感を透明トナー像の流動によって低くすることができるからである。
【0092】
図22は、有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードとトナー重量比の関係を表すグラフである。図22において、横軸のTt/Tcは有色トナー単色最大トナー量4g/m2 に対する透明トナー量の比を示しており、縦軸は有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードを示している。
【0093】
図22から明らかなように、透明トナー量が多くなるに従って気泡欠陥グレードが良くなることがわかる。これは図15で説明したように、画像の凹凸量が少なくなることからトナーが持つ気泡およびトナー粒子間に存在する空気の逃げが促進されたためである。
【0094】
これらのことから、画像レリーフ感および有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥の許容値の両方を満たすためには、最大有色トナー量の2倍以上の透明トナー量が必要であることが本発明によりわかった。だが、記録媒体9に形成される透明トナー量が多くなればコスト的に負担がかかり、また透明トナー樹脂が冷却した後、ヒビ割れなどの2次障害を起こすことが考えられ、透明トナー量は、最大有色トナー単色の量の2〜10倍とするのが望ましい。
【0095】
【実施例2】
次に、この実施例2では、図18に示すように冷却固化機構を備えたベルト定着器を、ベルト定着装置として用い、記録媒体9上に有色トナー像と透明トナー像を形成し、該ベルト定着器によって定着した、図17に示す画像形成装置から出力されたトナー画像と、同じく冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト26上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像を、画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図23、図24に示す。またこのときの定着ニップ内圧力は1.5MPaで一定であり、該ベルト定着器による定着速度を30mm/secとして実験を行った。
【0096】
図23、図24に記載の第一条件とは、図1に示す画像形成装置において記録媒体上に有色トナー像と透明トナー像を形成した場合の結果であり、第二条件とは、図17に示す画像形成装置において記録媒体上に有色トナーを形成した後、定着ベルト上に透明トナーを形成した場合の結果である。
【0097】
図23より、透明トナー像の作像位置が異なるサンプルであっても、透明トナーの最低溶融粘度が低いほうが、画像のレリーフ感グレードが略同様に良くなるという同一の傾向をもつことがわかり、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下で官能的にほとんど気にならないグレードG2以下になることが本発明により明らかになった。
【0098】
また、図24より、透明トナー像の作像位置が異なるサンプルであっても、透明トナーの溶融粘度が低いほうが有色トナー近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが良くなるという同一の傾向をもつことがわかり、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下で官能的にほとんど気にならない程度になることが本発明により明らかになった。
【0099】
【実施例3】
次に、冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて記録媒体上に同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像において、透明トナー溶融粘度と定着ニップ圧力をいくつかの水準で出力し、画像のレリーフ感と有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードの比較を行った結果を図25、図26に示す。
【0100】
図25、図26により、0.5MPa以下の定着ニップ内圧力域では、官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在しない。また103 Pa・s以下の透明トナーの最小溶融粘度では、官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在しない。これらを掛け合わせた、定着ニップ内圧力が0.5MPa以上、かつ透明トナーの最小溶融粘度が103 Pa・sの領域で官能的に許容できる画像のレリーフ感グレードおよび有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥グレードが存在することがわかった。
【0101】
また、定着速度を30mm/secから60mm/secにして透明トナーの最小溶融粘度とニップ内圧力の関係について実験したところ、60mm/secの定着速度であっても同じ定着ニップ内の透明トナーの最小溶融粘度かつ定着ニップ内圧力にすることで、画像のレリーフ感および有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を低減させることができることから、速度を変えてもニップ内透明トナー最小溶融粘度および定着ニップ内圧力を本発明の通り低減させることができる。
【0102】
【実施例4】
次に、冷却固化機構を備えた請求項3に記載のベルト定着器を用い、記録媒体上に有色トナーを形成し、定着ベルト上に透明トナーを形成して、透明トナー像を定着ニップにおいて記録媒体上に同時転写定着した請求項2に記載の画像形成装置から出力されたトナー画像において、定着ベルトの移動速度を変化させ、定着ニップの通過時間を、0.09secと、0.19secと、0.37secと変えた場合に、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度によって、有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を確認する実験を行なった。
【0103】
図27及び図28は上記実験の結果を示すものである。
【0104】
これらの図27及び図28から明らかなように、透明トナーの定着ニップ内における最低溶融粘度が103 Pa・s以下であれば、有色トナー像近傍に発生する気泡状の画質欠陥を低減させることができることがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、透明トナーを用いた画像形成装置において、画像のレリーフ感を低減し、且つ、有色トナー近傍の気泡状の画質欠陥を低減し、高画質のカラー画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置のベルト定着装置を示す構成図である。
【図3】図3は加熱ロールの一例を示す断面構成図である。
【図4】図4は加熱ロールの他の例を示す断面構成図である。
【図5】図5は加圧ロールの一例を示す断面構成図である。
【図6】図6は加圧ロールの他の例を示す断面構成図である。
【図7】図7は定着ベルトの一例を示す断面構成図である。
【図8】図8は定着ベルトの他の例を示す断面構成図である。
【図9】図9は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップを示す説明図である。
【図10】図10は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける記録媒体の定着状態を示す説明図である。
【図11】図11は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける記録媒体の定着状態を示す説明図である。
【図12】図12は加熱ロールと加圧ロールの定着ニップにおける温度変化を示すグラフである。
【図13】図13は透明トナーの粘度変化を示すグラフである。
【図14】図14は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図15】図15は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図16】図16は記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示す構成図である。
【図18】図18はこの発明の実施の形態2に係る画像形成装置のベルト定着装置を示す構成図である。
【図19】図19はテストチャートを示す平面図である。
【図20】図20はテストチャートの評価方法を示す説明図である。
【図21】図21は画像レリーフ感グレードとトナー重量比の関係を示すグラフである。
【図22】図22は有色トナー近傍の気泡グレードとトナー重量比の関係を示すグラフである。
【図23】図23は画像レリーフ感グレードとトナー粘度の関係を示すグラフである。
【図24】図24は有色トナー近傍の気泡グレードとトナー粘度の関係を示すグラフである。
【図25】図25は画像レリーフ感グレードと圧力・粘度の関係を示すグラフである。
【図26】図26は有色トナー近傍の気泡グレードと圧力・粘度の関係を示すグラフである。
【図27】図27は有色トナー近傍の気泡グレードと定着速度の関係を示すグラフである。
【図28】図28は有色トナー近傍の気泡グレードと定着速度の関係を示すグラフである。
【図29】図29は従来技術における記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【図30】図30は従来技術における記録媒体上への有色トナー像と透明トナー像の形成状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1.画像形成装置本体
2.画像読取装置
3.感光体ドラム
4.帯電装置
5.露光装置
6.回転可能な現像装置
6T.透明トナーの現像器
7.中間転写体ベルト
8.第1次転写ロール
9.記録媒体
12.クリーニング装置
13.除電装置
14〜17.中間転写体張架ロール
18.第2次転写ロール
19.用紙格納トレイ
20.用紙格納トレイ
21.用紙格納トレイ
23.排出ロール
24.排出トレイ
25.ベルト定着装置
26.定着ベルト
27.加熱ロール
28.加圧ロール
30.剥離ロール
32.操舵ロール
31.搬送ベルト
A.定着ニップ
Claims (3)
- 記録媒体上に有色トナー像を下層に、透明トナー像を上層にして形成し、前記有色トナー像及び透明トナー像が形成された記録媒体を、ベルト定着装置により定着して画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置。
- 有色トナー像が形成された記録媒体に、ベルト定着装置の定着ニップの上流側で定着ベルト上に形成された透明トナー像を、前記定着ニップで転写定着することにより画像を形成する画像形成装置において、前記透明トナー像の単位面積あたりの質量を、前記有色トナー像単色の単位面積あたりの最大質量の2〜10倍に設定し、前記ベルト定着装置の定着ニップに加わる圧力を0.5MPa以上であって、かつ当該定着ニップにおける透明トナーの最小溶融粘度を103 Pa・s以下に設定したことを特徴とする画像形成装置。
- 前記ベルト定着装置は、加熱ロールと該加熱ロールに圧接する定着ベルトと該定着ベルトを介して該加熱ロールを加圧する加圧ロールとを有し、記録媒体を該定着ベルトと該加圧ロールの間で挟持搬送しつつ該加熱ロールと加圧ロールからの熱によってトナー像を溶融し、その後トナー像が冷却固化した後に該定着ベルトから該記録媒体を剥離することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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