JPH10198061A - 電子写真用画像支持体 - Google Patents

電子写真用画像支持体

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JPH10198061A
JPH10198061A JP54497A JP54497A JPH10198061A JP H10198061 A JPH10198061 A JP H10198061A JP 54497 A JP54497 A JP 54497A JP 54497 A JP54497 A JP 54497A JP H10198061 A JPH10198061 A JP H10198061A
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JP
Japan
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image
silicone resin
modified silicone
receiving layer
toner
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Application number
JP54497A
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English (en)
Inventor
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Tetsuo Kodera
哲郎 小寺
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式において、トナーが定着ロール
に付着するのを防止しながら、高画質の定着トナー像を
形成することができる電子写真用画像支持体を提供す
る。 【解決手段】 電子写真用画像支持体は、基材の片面
に、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂を
含有する画像受像層が設けられている。基材としては、
普通紙、コート紙および加工紙から選択された紙、或い
は透明プラスチックフィルムが使用される。また、画像
受像層にはマット化剤または白色顔料が含有されていて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の画
像形成装置において用いられる電子写真用画像支持体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式による画像形成装置には、
像担持体上に帯電、露光、現像によってトナー像を形成
し、トナー像が得られる度に転写材上に転写する工程を
繰り返すことにより、転写材上にトナー像を得る方法で
ある。カラー画像の場合、この工程を複数回繰り返すこ
とによりカラー画像を得ることができる。最終的には、
転写材上のトナーは画像支持体としての記録材料に、熱
および圧力を印加することにより定着し、固定化され
る。
【0003】この方法で用いられている画像支持体とし
ては、一般には普通紙やオーバーヘッドプロジェクタ
(OHP)用透明シート等が利用されている。画像支持
体に要求される性質としては、記録材料として従来から
の媒体との共通性、すなわち違和感のない媒体であるこ
と、電子写真記録工程中で印加される熱、圧力等により
変化しないこと、記録工程において画像支持体の搬送性
が良好なこと、記録媒体として長期に利用、保存できる
ようにトナー画像が画像支持体に定着、固定化されるこ
と、原稿を忠実に反映した高品質な画像が得られるこ
と、また最終的に廃棄する場合には地球環境への負荷が
少ないこと等、多くの性能が要求されている。また、記
録媒体としてプレゼンテーション用に用いられるOHP
シートの場合には、上記の他に光透過性等が要求され
る。
【0004】一方、最近ではカラー画像が容易に利用で
きる環境が整ってきており、生産性の高さ、高画質等の
利点があるため、電子写真方式によるカラー画像の作成
が行われている。プレゼンテーションに利用されている
カラー画像用OHPでは、さらなる高画質の要求のもと
に多くの検討がなされている。例えば、基材表面にトナ
ーとの親和性の高い画像受像層を着膜したり、またトナ
ー像との界面で乱反射による透過率の減少を防止するた
めに、トナーとの相溶性の高い樹脂よりなる厚膜を形成
する等が行われている。特に、カラー画像の場合、カラ
ートナー中には、シアン、マゼンタ、イエローの各種顔
料が混入されており、カラートナーの発色性を向上させ
るためトナーを充分溶融させることが必要とされる。
【0005】一般に、電子写真方式では、トナーを溶融
させる定着工程においては、トナーには十分な熱や圧力
が同時に印加される結果、トナー樹脂が完全に溶融して
画像支持体である記録用紙に定着される訳であるが、同
時にトナーは定着部材と接触するため、トナーが低粘性
であったり、定着部材との親和性が高い場合等は、定着
部材に一部移行し、オフセットとして定着部材に残留
し、定着部材の劣化をまねき、結果として定着ロール等
の定着装置の寿命を短縮してしまうことになる。特に、
高発色で溶融特性に優れたカラー画像用トナー樹脂は、
そのガラス転移温度(Tg)が比較的低いため、定着ロ
ールに融着する現象(ホットオフセット)および定着温
度が低い場合に定着ロールに付着する現象(コールドオ
フセット)が発生することが知られている。
【0006】これらの現象の発生を防ぐために、電子写
真方式では、定着ロールにシリコーンオイル等の離型剤
を含浸、塗布、添加すること等が行われている。さら
に、トナー樹脂にはオフセット防止のために、離型剤、
例えば、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワック
ス等の有機高分子ワックスやカルナバワックス等の天然
ワックスを混入させる方法(ワックス入りトナー)等が
提案されている。
【0007】これら離型剤は、画像支持体或いはトナー
表面上に析出することにより、定着ロールとの界面に離
型剤が存在し、定着ロールとトナーとの親和性を低下さ
せることにより、トナーが定着ロールに融着或いは付着
することを防止している。
【0008】しかしながら、離型剤が画像支持体または
トナー上に析出することにより、これらの離型剤がカラ
ートナーの発色性を低下させたり、画像支持体上に残っ
た離型剤のため、離型剤による不快な触感の発生、また
画像支持体への水性インクの印字不良やポストイットな
ど、粘着テープの付着を阻害するなどの問題が起こって
いる。特に、OHPシートの場合には、高画質化を意図
した画像形成材料よりなる受像層の低Tg化、厚膜化な
どにより、さらに定着ロールへの付着性が増加するだけ
でなく、前記離型剤が画像支持体またはトナーと画像支
持体の近傍に存在することにより、発色性の低下等の画
像劣化がより一層起こるばかりでなく、透過率の著しい
低下が発生する等の問題がある。また、トナー中への離
型剤の混入は、トナーの帯電性能を変化させ、またその
粉体流動性、熱安定性等を劣化させることが報告されて
おり、もし可能であれば、トナー中への離型剤の混入量
を低減或いは混入させないことが要求されている。この
ような問題点のため、電子写真方式での印字において
は、定着ロールへのシリコーンオイル等の添加をできる
だけ減少させること(オイルレス)と共に、高画質化の
ために低Tgのトナー樹脂を用いることが要求されてお
り、したがって、定着工程においては、トナーが定着部
材に融着することなく、高画質の画像を形成することが
要求されるのである。
【0009】さらに、カラー画像の場合には、発色性、
高解像度、多階調、デジタル化等により、一層の高画質
が要求され、それに伴い画像支持体に対してもより高画
質への対応が要求されるようになっているが、上記のよ
うなトナーへのワックスの混入、定着部材へのシリコー
ンオイル等の離型剤の付与では、高画質化に対応させる
ことができない。画像支持体としては、カラートナーと
のより高い親和性、低粘性の受像層材料、および高い画
像濃度への対応のため、より厚い受像層が要求されてお
り、その結果、トナー画像を定着部材から剥離すること
がさらに困難になるという状況になっている。
【0010】一方、熱転写方式での印字は、基材上に形
成されたインク層と画像支持体をインク層裏面より加熱
し、インクを溶融させ、画像支持体にインクを転移さ
せ、インクシートを画像支持体から剥離し、画像のみを
画像支持体に記録する印字方式によることが知られてい
る。特開平6−115256号公報、特開平6−234
283号公報等に開示されているように、熱転写方式で
は画像支持体にインクシートが融着するのを防止する目
的で、画像支持体上の受像層に離型剤を混入することが
報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は電子写真
用画像支持体に関して鋭意研究を重ねた結果、普通紙、
記録用紙および加工紙、さらにはOHPに用いられるポ
リエステルフィルム等の画像形成用基材に対して、画像
形成材料であるトナー像を充分に定着させ、高画質を得
るためには、トナーとの親和性が高い樹脂をその受像層
に用いるだけでなく、その定着工程における加熱溶融特
性において、トナーの構成樹脂材料より低粘性の受像層
材料(樹脂)を用いることが必要であることが判明し
た。また、その定着工程において利用される定着ロール
等の定着部材からトナーを充分剥離させ、あるいは定着
部材にトナーが溶融付着するのを防止するために、トナ
ーにあらかじめ離型剤を混入させ、また定着部材にシリ
コーンオイル等の離型剤を付与することが必要であるこ
ともわかった。
【0012】しかしながら、トナーへの離型剤の混入
は、トナーの帯電性能を変化させ、環境等による帯電性
能の変化量を増大させるだけでなく、トナーの粉体流動
性を悪化させ、トナーの凝集を発生させ、保存安定性や
現像器内での現像不良をまねく等の問題を発生すること
がわかった。また、定着部材へのシリコーンオイル等の
離型剤の付与は、トナーの過剰の熱溶融によるホットオ
フセットやコールドオフセットには大きな効果が認めら
れるが、シリコーンオイル等の離型剤は、定着部材に付
与されると共に、普通紙やOHPシート等の画像支持体
にも同時に付着することになる。特に、カラー画像の場
合、カラートナーは白黒トナーに比べて定着部材に対し
て付着性が強いため、定着部材に対する付着性を防ぐた
めには、より多量のシリコーンオイルを使用することが
必要となる。その結果、普通紙やOHPシート等の画像
支持体の上に、多量のシリコーンオイル等が付着するこ
とになり、したがって、シリコーンオイルによるカラー
トナーの発色性または光沢(グロス)の低下、シリコー
ンオイルによるベタツキ感などの不快な接触感、また画
像支持体に対する水性インクの印字不良やポストイット
等、粘着テープの付着を阻害する等の問題が起こってい
る。そこで、なるべくトナーへの離型剤の混入や定着部
材への離型剤の付与量を減らすことが要求されはじめて
いる。
【0013】そこで、本発明者等は、従来から知られて
いる離型剤として、シリコーンオイルや有機高分子ワッ
クス、天然ワックス等を電子写真方式による画像支持体
に混入することを試みたが、加熱定着工程においてシリ
コーンオイルやワックス等がトナー樹脂と相溶し難いこ
と(非相溶性)、また移行しやすい構造や低分子量であ
ること等により、それらが画像支持体上に析出してしま
い、発色性やグロス等の画質を著しく低下させるのみな
らず、離型剤の混入によるトナー樹脂の可塑化(低Tg
化)等により、画像支持体の保存、環境安定性の低下、
画像支持体の走行性、搬送性を悪化させることがわかっ
た。特に、OHPシート等では、透過率の著しい低下に
よる画質劣化と画像の定着不良等が発生することが判明
した。
【0014】本発明は、従来の技術における上記のごと
き実情に鑑み、上記の問題点を解決することを目的とし
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、電
子写真方式において、特に画像形成材料であるトナーが
定着ロール等の定着部材に付着するのを防止しながら、
高画質の定着トナー像を形成することができる電子写真
用の画像支持体を提供することにある。本発明の他の目
的は、カラー画像の高品質性を確保しながら、定着ロー
ルへの巻き付き等の定着不良を防ぐことができる画像支
持体を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、透明性を損なうことなく、高画質と充分な定着性を
確保することができるOHPシート等の画像支持体を提
供することにある。さらに、本発明の別の目的は、ボー
ルペン、水性ペン、油性ペン等の画像形成材料にも十分
に対応できる画像支持体を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、最終的に廃棄する場合にも、地球
環境に悪影響を及ぼすことがなく、環境負荷の小さい電
子写真用画像支持体を提供することにある。
【0015】本発明者等は、電子写真方式における高生
産性と高画質の画像印字を可能にするためには、画像支
持体上に画像形成材料と同種の材料からなる1μm以上
の画像受像層が形成され、また、この画像受像層中に画
像形成材料と親和性の高い、変性シリコーン樹脂または
硬化性シリコーン樹脂が含有されていることが必要であ
ることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の電子
写真用画像支持体は、少なくとも基材の片面に、離型材
料として、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン
樹脂を含有する画像受像層が設けられたことを特徴とす
る。
【0017】本発明の上記電子写真用画像支持体におい
て、画像形成材料であるトナーとの親和性、相溶性、定
着性を確保するため、画像受像層は、画像形成材料と同
種の材料を層形成成分として含む厚さ1μm〜20μm
の層であることが好ましい。また、トナーの定着部材に
対する付着性を防止するため、画像形成材料としてのト
ナーとの親和性が高い離型材料が混入されていることが
好ましい。また、本発明の上記電子写真用画像支持体に
おいては、離型材料を画像受像層中に強固に固定化する
ことにより、画像支持体表面への離型剤の移行を防止で
きる。さらに、離型材料としては、トナー樹脂との親和
性と離型性を兼ね備えており、また高分子化による画像
支持体内部から、その表面への移行性を防止するため、
ポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコ
ーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変
性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エ
ーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン
樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコー
ン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボキシ変
性シリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂、および湿
度、熱、光、電子線等により硬化する硬化性シリコーン
樹脂が、上記目的達成のために適している。変性シリコ
ーン樹脂は、画像形成材料としてのトナー樹脂との親和
性が高いため、トナーと適度に親和、相溶し、トナーと
溶融混和するため、充分な発色性が得られ、また同時
に、シリコーン樹脂による離型性のため定着部材とトナ
ーとが熱溶融時に付着するのを防止することができるも
のと考えられる。一方、硬化性シリコーン樹脂は、画像
受像層を構成する樹脂と有機溶媒中で均一混合した後、
湿度、熱(温度)、光、電子線等により硬化反応を行う
ことにより、画像受像層中に強固に固定化されるため、
画像支持体から離型性の硬化性シリコーン樹脂がその表
面に移行するのを防止することができると考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の再生可能な電子写
真用画像記録体の実施の形態について詳しく説明する。
本発明に使用できる基材としては、紙(普通紙、コート
紙)、金属、プラスチック、セラミックがあげられ、さ
らにこれらはフィルム状のものが好ましい。具体的に
は、一般的に電子写真記録において用いられる普通紙記
録用紙、熱転写記録において利用される熱転写用紙、高
級印刷等において用いられる加工紙、微塗工紙、および
OHP等において用いられるポリエステルフィルムまた
はスチレン−アクリル樹脂等の透明樹脂等が使用でき
る。
【0019】本発明において、基材として紙が使用され
る場合、具体的には、化学パルプ、古紙パルプ等が使用
できる。化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフ
トパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸
パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフト
パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材
およびその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を
経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが好ましく、
さらに白色度の高いものが好ましい。また、古紙パルプ
としては、例えば製本、印刷工場、裁断所等において発
生する裁落、損紙、幅落しした古紙である上白、特白、
中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質
紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平
板、凸版および凹版印刷等、電子写真方式、感熱方式、
熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カ
ーボン紙等により印字された古紙パルプ、および水性、
油性インクや鉛筆等で筆記した古紙パルプ、新聞古紙を
解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ、比
較的脱墨が容易な平板印刷された古紙パルプが好まし
く、その中でもさらに白色度が高く夾雑物の少ない古紙
パルプが好ましい。
【0020】基材としての紙は、多孔性であり、液体が
染み込み易いため、画像受像層を形成するための塗工溶
液を均一に薄く塗布するためには、紙に目止め処理を行
ってもよい。目止め処理は、ポリエチレン、クレー、P
VA、でんぷん、カルボキシメチルセルロース等を溶解
または分散した塗布液を、あらかじめ紙に塗布して乾燥
し、それぞれの皮膜を形成することにより実施すること
ができる。
【0021】基材として、プラスチックフィルムが用い
られる場合、具体的には、OHPに使用できるような光
透過性のあるフィルムとしては、アセテートフィルム、
三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエ
ステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチ
レンフィルム、、ポリフェニレンサルファイドフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セ
ロハン等があげられる。これらのなかでも、機械的、電
気的、物理的、化学的特性、加工性等、総合的な観点か
らみて、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられる。
【0022】上記基材の表面には、導電性の中間層(下
塗り層)を形成することができる。導電性の中間層とし
ては、例えば、界面活性剤、導電性金属酸化物等を含有
する合成樹脂塗布液を塗布することによって形成するこ
とができる。
【0023】上記基材の片面には、離型材料として、変
性シリコーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂を含有す
る画像受像層が設けられるが、変性シリコーン樹脂また
は硬化性シリコーン樹脂と共に他の樹脂を併用するのが
好ましく、特に使用する樹脂が、画像支持体の使用に際
して、画像形成材料と同種の樹脂となっているのが好ま
しい。また、変性シリコーン樹脂または硬化性シリコー
ン樹脂と共に用いられる樹脂は、定着温度において画像
形成材料と共に溶融するものであって、その溶融粘度が
画像形成材料より低いことが好ましい。本発明において
使用することができる樹脂としては、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−プロピレ
ン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−塩化ビ
ニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アク
リル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル
樹脂等があげられる。
【0024】画像受像層における変性シリコーン樹脂ま
たは硬化性シリコーン樹脂の含有量は適宜設定できる。
例えば、硬化性シリコーン樹脂の場合、硬化性シリコー
ン樹脂のみよりなる樹脂成分を用いて画像受像層を形成
してもよいが、一般には変性シリコーン樹脂または硬化
性シリコーン樹脂の含有量は、画像受像層を形成する画
像形成材料と同種の樹脂に対して1重量%〜50重量%
の範囲が好ましい。離型材料は、その分子構造や分子量
によりその離型性能が異なるため、画像受像層の構成材
料に充分な離型性能を付与するための含有量は、用いる
離型材料によって異なるが、本発明において用いる変性
シリコーン樹脂、硬化性シリコーン樹脂については、上
記の範囲の含有量で充分な離型性能が得られる。しかし
ながら、1重量%より少ないと、シリコーン樹脂の効果
(定着器への巻き付き)がなく、50重量%より多い
と、トナーの定着性、発色性、透明性に問題が生じる。
【0025】また、本発明で用いる変性シリコーン樹脂
や硬化性シリコーン樹脂は、従来から用いられているシ
リコーン樹脂や有機高分子ワックス、天然ワックス等に
比べて、画像受像層を構成する材料と親和性があり、ま
た透明性に優れているため、これらの樹脂を50重量%
程度混合しても殆どその親和性、透明性において変化が
生じない。しかしながら、50重量%を超えると、離型
性能が高すぎるため、トナーの定着性能が得られなくな
り、さらに、基材としての紙やOHPシート等に対する
接着性も悪化するため、皮膜形成能も低下してしまう場
合がある。
【0026】本発明で用いられる変性シリコーン樹脂と
しては、具体的には、ポリエステル変性シリコーン樹
脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコ
ーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹脂、オレフィン
変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、ア
ルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹
脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコ
ーン樹脂、カルボキシ変性シリコーン樹脂等の変性シリ
コーン樹脂をあげることができる。
【0027】また、硬化性シリコーン樹脂としては、湿
度、熱、光、電子線等のエネルギー線で硬化するシリコ
ーン樹脂が使用される。具体的には、例えば、3官能以
上のクロロシラン、またはこれらと1または2官能のク
ロロシランとの混合物を加水分解して得たシラノールを
縮合することによりポリシロキサンを合成し、触媒とし
て有機酸金属塩やアミン類を用いる等してさらに縮合反
応(硬化反応)を進めることにより合成したものがあげ
られる。また、末端に反応性基をもつポリジオルガノシ
ロキサンと反応させたもの、ケイ素原子に結合したビニ
ル基をもち、その反応性を利用して重付加反応によって
硬化させるもの等があげられる。また、ケイ素原子に結
合した水酸基やアルコキシ基をもつ低分子量ポリシロキ
サンと、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、
メラミン樹脂等とを反応させた硬化型変性シリコーン樹
脂も使用することができる。
【0028】これら硬化性シリコーン樹脂は、塗工形態
的には溶剤型、無溶剤型に分けられ、さらに反応のタイ
プによりそれぞれ付加型、縮合型、UV型等に分類でき
る。縮合型は、例えば、末端にシラノール基を含有する
ポリジメチルシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤
としてポリメチルハイドロジェンシロキサンを配合した
ものであって、有機スズ触媒の存在下で加熱により縮合
反応する。形態的には溶液型とエマルジョン型に分けら
れる。付加型は、例えば、ビニル基を含有するポリジメ
チルシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポ
リジメチルハイドロジェンシロキサンを配合したもので
あって、白金触媒の存在下で反応し硬化する。形態的に
は溶剤型、エマルジョン型、無溶剤型に分けられる。U
V硬化型は、光カチオン触媒を利用したものやラジカル
硬化機構を利用したものであり、UV硬化型は無溶剤型
が主として用いられるが、膜厚の制御のためには他の樹
脂と共に溶剤に希釈してコーティングし、乾燥後、UV
照射して硬化させる型のものが好ましい。
【0029】さらにまた、画像受像層には、上記硬化性
シリコーン樹脂とともに、分子中に反応基を有する変性
シリコーンオイルを含有させてもよい。変性シリコーン
オイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキ
シ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーン
オイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリ
ル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオ
イル、フェノール変性シリコーンオイル等があげられ、
また、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシ
ロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジ
ェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等
も例示できるが、これらは1種のみならず、複数を混合
して用いてもよい。また、硬化反応を制御するために重
合制御剤や可塑剤等の添加剤を混合してもよい。重合制
御剤としては、アセチレンアルコール類、環状メチルビ
ニルシクロシロキサン、シロキサン変性アセチレンアル
コール類等が使用される。
【0030】本発明で用いる硬化性シリコーン樹脂は、
硬化反応前は汎用の有機溶媒にも容易に溶解でき、また
硬化条件(反応基種類、反応基数、硬化時間、温度、照
射エネルギー等)によりその物性(分子量、硬度、接着
性等)を容易に変化させることができる。また、無溶剤
タイプの硬化性シリコーン樹脂の場合、有機溶媒を用い
ないで硬化反応を行うこともできる。
【0031】本発明において、画像形成層は、変性シリ
コーン樹脂または硬化性シリコーン樹脂を有機溶媒に溶
解し、他の成分を配合して得た塗布液を、または無溶剤
型のものの場合には溶剤を用いず樹脂組成物をそのまま
の状態で、基材の片面に塗布して被膜を形成し、乾燥ま
たは加熱させることによって形成することができる。塗
布する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤ
ーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬
コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフ
コーティング法、カーテンコーティング法、ロールコー
ティング法等の通常使用される方法が採用される。画像
受像層はその膜厚が1μm〜20μmであるのが好まし
い。膜厚が1μmより薄い場合には、トナーの発色性が
低下する。20μmよりも厚くなると、膜厚の増大によ
るトナーの発色性への影響がなくなり、また、定着温
度、プロセススピードなど、定着エネルギーがよけいに
必要となる。さらに定着器への巻き付きも顕著になる。
【0032】これらを基材上に形成する際の乾燥は風乾
でもよいが、加熱乾燥を行えば容易に乾燥でき、また、
画像形成材料に対する離型性が増す。加熱乾燥の方法と
しては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、
あるいは加熱ローラに接触させる等通常使用される方法
が採用される。熱硬化性シリコーン樹脂が使用される場
合には、塗布された被膜は、硬化させるが、硬化は乾燥
時に同時に行ってもよく、或いは乾燥後に行ってもよ
い。硬化するためには、熱、光、電子線等が利用でき
る。また、室温で硬化反応が進行するものの場合には、
そのまま硬化させることができる。光、電子線等により
硬化する場合には、硬化性シリコーン樹脂が硬化するだ
けのエネルギーを供給すればよく、例えば、光エネルギ
ーとしては、タングステンランプや高圧、低圧水銀灯等
を光源として利用することができる。また照射エネルギ
ーとしては100〜200W/cm程度の光を1分程度
照射することにより充分硬化反応を進めることができ
る。
【0033】硬化性シリコーン樹脂の硬化度を制御する
ためには、単官能や2官能のポリジメチルシロキサンの
添加、触媒量、反応温度、反応時間、UV照射強度や重
合抑制剤を添加する等の、硬化反応条件を制御する方法
が採用できる。これら硬化反応条件を制御することによ
り、硬化性シリコーン樹脂の分子量、反応基としてのシ
ラノール残存量等が変化し、シリコーン樹脂の特性とし
ての離型性、接着性、表面硬度、透明性、耐熱性、化学
的安定性等を制御することが可能になる。
【0034】基材として紙が使用される場合、画像受像
層の樹脂によって紙が透明化し、紙の風合いや白色性を
損なうことが懸念される場合には、画像受像層に酸化ケ
イ素、酸化チタン、炭酸カルシウム等の白色の無機化合
物微粒子や有機の白色顔料等を含有させることができ、
それにより紙の白色性を維持することができる。
【0035】基材としてプラスチックフィルムを用いる
場合、温度や湿度等の環境による画像劣化を防止するた
めに、画像受像層の表面は、表面抵抗率が1×108
1×1013Ωの範囲(25℃、65%RHの条件で)に
あることが好ましく、そのためには、界面活性剤や導電
性金属酸化物微粒子等を含有する画像受像層を基材の上
に形成すればよい。
【0036】導電性金属酸化物微粒子の材料としては、
ZnO、TiO、TiO2 、SnO2 、Al2 3 、I
2 3 、SiO、SiO2 、MgO、BaO及びMo
3を挙げることがきる。これらは、単独で使用しても
よく、また、それらを複合酸化物の形で使用してもよ
い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するも
のが好ましく、例えばZnOに対してAl、In等、T
iOに対してNb、Ta等、SnO2 に対しては、S
b、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させた
ものが好ましい。これらの中で、Sbをドーピングさせ
たSnO2 が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性
が高いので、特に好ましい。
【0037】また、搬送性を向上させるため画像受像層
にはマット剤が添加されることが好ましい。マット剤と
しては、潤滑性を有する樹脂が使用でき、例えば、ポリ
エチレン等のポリオレフィン及びポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)等のフッ素樹脂をあげることができる。具体的
な材料としては、低分子量ポリオレフィン系ワックス
(例、ポリエチレン系ワックス)、高密度ポリエチレン
系ワックス、パラフィン系又はマイクロクリスタリン系
のワックスを挙げることができるが、低分子量ポリオレ
フィン系ワックス(一般に分子量1000〜5000)
が好ましい。さらに、マット剤として、上記以外に無機
微粒子(例、SiO2 、Al2 3 、タルク又はカオリ
ン)及びビーズ状プラスチックパウダー(例えば、架橋
型ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレートまたはポリスチレ
ン)を併用してもよい。上記マット剤の含有量は、上記
樹脂成分に対して0.1〜10重量%が好ましく、特に
0.5〜5重量%の範囲が好ましい。
【0038】また、本発明の画像受像層は、その表面が
0.1〜200μmの凹凸をもつように形成するのが好
ましい。表面に凹凸を形成するために使用する上記マッ
ト剤の平均粒子径は、0.1〜10μmの範囲が好まし
く、特に1〜5μmの範囲が好ましい。上記平均粒子径
は、大きい方が好ましいが、大き過ぎるとマット剤が画
像受像層から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗
損傷し易くなり、さらに曇り(ヘイズ度)が増大する。
【0039】上記マット剤は扁平状であることが好まし
い。予め扁平状のマット剤を用いてもよいし、軟化温度
の比較的低いマット剤を用いて、画像受像層の形成に際
して、塗布、乾燥時の加熱下に扁平状にしてもよいし、
あるいは加熱下に押圧しながら扁平状にしてもよい。但
し、画像受像層の表面からマット剤が凸状に突き出てい
ることが好ましい。
【0040】本発明の電子写真用画像支持体を使用して
電子写真法によって画像を形成する方法を以下に述べる
電子写真方法による画像支持体への画像形成は次のよう
にして行うことができる。すなわち、電子写真用感光体
の表面に均一に静電荷を与え帯電させた後、その表面に
得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を
形成する。次に感光体表面の静電潜像に現像器からトナ
ーを供給することで静電潜像がトナーによって可視化現
像され、さらにこれを用紙等の画像記録体に転写し、最
後に熱や圧力等によりトナーが記録体に定着されて画像
が形成された画像記録体が得られる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における「部」は重量
部を意味する。
【0042】実施例1 ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサ
イド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加
物およびコハク酸誘導体からなるポリエステル樹脂(T
g=66℃、Tm(軟化点)=105℃))10部、東
芝シリコーン社製:シリコーンポリエステルワニス(変
性シリコーン樹脂)XR32−A1612(固形分比5
0重量%)8.6部、白色顔料として和光純薬社製:酸
化チタン4.5部にトルエン20部を加えてサンドミル
分散機で十分攪拌し、画像受像層形成用塗布液を作製し
た。この塗布液を電子写真用複写用紙(富士ゼロックス
社製A4紙:J紙)に滴下し、ワイヤーバーで膜厚が均
一になるように塗布した。塗布後、100℃で10分間
乾燥し、普通紙(J紙)上に画像受像層を形成した。作
製した画像支持体は殆ど普通紙の白色度と変わらないも
のであった。
【0043】上記、画像支持体の走行性、定着性、剥離
性、オフセットを測定し、画像支持体としての性能を把
握した。その結果を表1に示す。なお、表1における測
定は次のようにして行った。画像支持体について、富士
ゼロックス社製複写機Vivace550(定着器部分
はあらかじめ外してある)によってベタ画像を含む白黒
画像(またはカラー画像)を印字し、画像支持体上に未
定着状態の画像が形成されているサンプルを作製した。
その後、この未定着状態の画像が形成されている画像支
持体を、定着器部分のみのベンチ(定着器オフラインベ
ンチ)で、画像支持体の走行性、画像の定着性、カラー
画像の場合は、その発色性、定着ロールへの巻き付き
(剥離性)、定着ロールへのトナーのオフセットの程
度、OHPシートの場合は、透過率を測定した。
【0044】画像支持体に対するトナー定着性の評価
は、上記電子写真装置にて定着された画像をX−Rit
e938濃度計(X−Rite社製)で測定した濃度が
約1.8のベタ画像部に、市販の18mm幅セロハン粘
着テープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を300g
/cmの線圧で張り付け、10mm/sec.の速度で
剥離した時の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像
濃度の比(以下OD比と略す)を指標として評価した
(OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度)。な
お、電子写真用記録媒体としては、OD比で0.8以上
の画像形成材料の定着性が必要であった。
【0045】実施例2 <導電性下塗り層形成用塗布液>日本純薬社製の水分散
型アクリル樹脂:ジュイマーET−410、14.2
部、石原産業社製の二酸化スズ:SN−88、22.5
部、日本エマルジョン社製のエチレンオキサイド系非イ
オン界面活性剤:EMALEX/NP8.5、1.6
部、純水、960部を十分混合攪拌し、導電性下塗り層
形成用塗布液を作製した。
【0046】<導電性OHP基材の作製>厚さ100μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムにコロナ放電
処理を行い、上記組成の導電性下塗り層形成用塗布液を
ワイヤーバーで塗布し、120℃で1分間乾燥して、導
電処理されたOHP基材を作製した。
【0047】実施例1の画像受像層形成用塗布液の白色
顔料の代わりに、総研化学社製の架橋型PMMAマット
剤、0.5部(MR−2G−20−5;平均粒径:3μ
m)を添加したものを画像受像層形成用塗布液とし、ま
た基材として上記導電性OHP基材を用いてOHP用画
像支持体を作製した。その場合の画像受像層の膜厚は6
μmであった。また、この画像受像層の表面抵抗率は2
5℃、65%RHの条件で1.0×1010Ωであった。
また、実施例1と同様な方法により画像支持体の走行
性、定着性、剥離性、オフセット、透過率を測定し、結
果を表1にまとめた。
【0048】比較例1 実施例2のシリコーンポリエステルワニスの代わりに、
ポリエチレンワックスを添加した以外は、実施例2と同
様な方法により電子写真用画像支持体を作製した。その
画像受像層の膜厚は4.5μmであった。また、画像受
像層の表面抵抗率は25℃、65%RHの条件で2.5
×1010Ωであった。また、実施例1と同様な方法によ
り画像支持体の走行性、定着性、剥離性、オフセット、
透過率を測定し、結果を表1にまとめた。
【0049】実施例3 実施例2における画像受像層形成用塗布液のシリコーン
ポリエステルワニスに代えて、ナトコペイント社製の光
硬化性シリコーン樹脂溶液(固形分比、50重量%)8
部に実施例1のポリエステル樹脂4部を加えて、さらに
酢酸エチル20部を加えて希釈し、画像受像層形成用塗
布液を作製した。この塗布液を実施例2と同様の導電性
OHP基材上に滴下し、ワイヤーバー塗布し、80℃で
10分間乾燥した後、紫外線照射装置で照射距離約20
cm、160W/cmの照射強度で30秒間紫外線照射
した。それにより導電性OHP基材上に画像受像層を形
成した。この画像受像層の膜厚は5μmであった。画像
受像層の表面抵抗率は25℃、65%RHの条件で9.
0×109 Ωであった。
【0050】上記の画像支持体について、富士ゼロック
ス社製のAcolor935(定着器部分はあらかじめ
外してある)によってベタ画像を含むカラー画像を印字
し、画像受像層上に未定着状態の画像が形成されている
サンプルを作製した。その後、この未定着状態の画像が
形成されている画像支持体を定着器部分のみのベンチ
(Acolor定着器オフラインベンチ)で、画像支持
体の走行性、画像の定着性、発色性、定着ロールへの巻
き付き(剥離性)、定着ロールへのトナーのオフセット
程度、透過率を測定し、画像支持体としての性能を評価
した。その結果を表1にまとめて示す。
【0051】実施例4 実施例3のマット化剤の代わりに、実施例1と同様の白
色顔料2.4部をトルエン10部で希釈したものを添加
し、塗布液を作成した。これを、実施例1と同一の条件
で、基材として普通紙(J紙)上に画像受像層を形成し
た。また、画像印字は実施例1と同様な方法により行
い、画像支持体の走行性、定着性、発色性、剥離性、オ
フセットを測定した。その結果を表1に示す。
【0052】比較例2 比較例1のポリエチレンワックスの代わりに、信越化学
社製:ジメチルシリコーンオイルを添加した以外は、比
較例1と同様な方法により電子写真用画像支持体を作製
した。画像受像層の膜厚は5.5μmであった。また、
その表面抵抗率は25℃、65%RHの条件で1.2×
1010Ωであった。この画像支持体上にAcolor9
35によりベタ画像を含むカラー画像を実施例3と同様
な方法により形成した。そして、同様にして画像支持体
の走行性、定着性、発色性、剥離性、オフセット、透過
率を測定した。その結果を表1に示す。
【0053】実施例5 実施例3の画像受像層形成用塗布液に、反応性シリコン
化合物(SIC−434、松本製薬社製)1.0部を添
加した以外は、実施例3と同様の方法により画像受像層
形成用塗布液を作製した。この塗布液を実施例3と同様
の方法により導電性OHP基材上に画像支持体を作製し
た。受像層の膜厚は、7μmであり、表面抵抗は25
℃、65%RHで1.3×1010Ωであった。また、実
施例3と同様の方法により画像支持体の走行性、定着
性、発色性、剥離性、オフセット、透過率を測定し、結
果を表1にまとめた。
【0054】比較例3 実施例2の画像受像層形成用塗布液の代わりに、東洋紡
績社製の水分散ポリエステル樹脂:MD1200(Tg
=67℃)18部、日本エマルジョン社製のエチレンオ
キサイド系非イオン界面活性剤:EMALEX/NP
8.5の1.1部、総研化学社製:架橋型PMMAマッ
ト化剤0.4部、純水980部からなる画像受像層形成
用塗布液を用いる以外は、実施例2と同様な方法により
画像支持体を作製した。画像受像層の膜厚は4μmであ
り、その表面抵抗は25℃、65%RHで1.0×10
10Ωであった。また、実施例3と同様の方法により画像
支持体の走行性、定着性、発色性、剥離性、オフセッ
ト、透過率を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】 なお、表1中、走行性について、○は問題なし、△は紙
送りできない時がある、発色性について、○は十分な発
色、△は一部発色に問題あり、剥離性について、○は巻
き付きなし、△は巻き付く場合あり、×はほとんど巻き
付く、オフセットについて、○は問題なし、△は一部オ
フセットあり、×はオフセットあり、透過性について、
○は透過性良、△は透過性やや低い、×は黒ずんでい
る、を意味する。
【0056】
【発明の効果】本発明の電子写真用画像支持体は、実施
例からも明らかなように次のような優れた効果が認めら
れる。すなわち、本発明の電子写真用画像支持体は、表
面移行性が殆どない変性シリコーン樹脂または硬化性シ
リコーン樹脂等の離型材料を含有する画像受像層を設け
たことにより、過去多くの知識や工夫が集積されている
電子写真方式で用いられている条件をなんら変えること
なく、カラー画像やデジタル化などによる高画質への対
応をはかるとともに、あらたな問題として定着部材への
画像支持体の巻き付き、発色性、透明性、走行性の低下
を防止できるという効果を生じる。したがって、画像受
像層の基材との接着性、画像形成材料との親和性等によ
り画像形成材料の定着性と定着部材からのトナーの剥離
性の改善を両立させることができる。その結果、トナー
画像をその画像受像層に充分定着させると共に、定着部
材へのオフセットの発生を防止することが可能となる。
また、本発明の電子写真用画像記録体は、基材として、
普通紙やコート紙等の他に、トナー画像を定着部材から
取り除くことが難しいOHP用プラスチックフィルムを
利用することができ、OHP用プラスチックフィルムの
透明性を維持したままトナー画像の充分な定着性とオフ
セットの防止の両立をはたすことができる。さらにま
た、本発明の電子写真用画像支持体は、ボールペン、水
性ペン、油性ペン等の画像形成材料に対しても適用可能
であり、さらに最終的に画像支持体が廃棄される場合に
も、化学安定性が高く、安全性も充分確保されているシ
リコーン樹脂を離型剤に用いているため、環境負荷の小
さい材料として利用することができ、また画像支持体自
体もリサイクルが可能なものとなる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に、変性シリコーン樹脂また
    は硬化性シリコーン樹脂を含有する画像受像層が設けら
    れたことを特徴とする電子写真用画像支持体。
  2. 【請求項2】 画像受像層が画像形成材料と同種の樹脂
    を主成分とし、膜厚が1μmないし20μmであること
    を特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像支持体。
  3. 【請求項3】 画像受像層が定着温度において画像形成
    材料と共に溶融する樹脂を含有し、その溶融粘度が画像
    形成材料より低いことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の電子写真用画像支持体。
  4. 【請求項4】 変性シリコーン樹脂が、ポリエステル変
    性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アク
    リル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹
    脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリ
    コーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変
    性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカ
    プト変性シリコーン樹脂およびカルボキシ変性シリコー
    ン樹脂から選ばれた少なくとも1つであることを特徴と
    する請求項1に記載の電子写真用画像支持体。
  5. 【請求項5】 画像受像層が、湿度、熱、光または電子
    線により硬化する硬化性シリコーン樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の電子写真用画像支持体。
  6. 【請求項6】 変性シリコーン樹脂または硬化性シリコ
    ーン樹脂の含有量が画像受像層構成材料に対して1重量
    %ないし50重量%であることを特徴とする請求項1に
    記載された電子写真用画像支持体。
  7. 【請求項7】 基材が普通紙、コート紙および加工紙か
    ら選択された紙よりなることを特徴とする請求項1に記
    載の電子写真用画像支持体。
  8. 【請求項8】 基材が透明プラスチックフィルムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像支持
    体。
  9. 【請求項9】 基材と画像受像層との間に導電性の中間
    層が設けられたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載の電子写真用画像支持体。
  10. 【請求項10】 画像受像層が表面にマット化剤を含有
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の電子写真用画像支持体。
  11. 【請求項11】 画像受像層が表面に白色顔料を含有す
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の電子写真用画像支持体。
  12. 【請求項12】 画像受像層の表面が0.1〜200μ
    mの凹凸をもつことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の電子写真用画像支持体。
  13. 【請求項13】 画像受像層の25℃、65%RHにお
    ける表面抵抗率が1×108 〜1×1013Ωであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記
    載の電子写真用画像支持体。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11174717A (ja) * 1997-12-10 1999-07-02 Union Chemicar Kk 再使用可能記録体
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