JP3941294B2 - 再生可能な電子写真用画像記録体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真プロセスを使用した画像形成装置などに用いられ、画像形成材料による画像形成とその除去を繰り返すことのできる再生可能な画像記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に使用されている画像記録体のうち最も身近なものは紙である。近年、地球環境問題が表面化して森林資源保護の重要性が認識され、紙原料としての木材資源の利用削減が重要課題となってきている。この木材資源の利用策減対策の一環として、一度使用した古紙を焼却することなく、再生紙として利用することが進められている。しかし、回収した古紙を再生紙にするには多くの問題がある。
例えば、古紙回収においては、企業等の機密文書や機密データの漏洩、紙の種類による分別回収等の手間や運搬、回収した古紙の集積場所やその管理等の問題がある。
【0003】
また、古紙再生においては、古紙を離解して再度パルプにするために、パルプの繊維が短くなり再生紙の品質が低下したり、不要な画像部分のインキ等を除去する脱墨装置が必要になる等の問題がある。また、再生したパルプから再度紙を製造する製紙システムは大がかりで複雑、高価であることから、オフィスや家庭で容易に古紙を再生することができない問題がある。
これら分別回収、運搬、集積、再生等が効率良く行われなければ、却ってエネルギーが大量に消費されてCO2の排出量が多くなり、結果的には地球環境問題の一つである地球温暖化現象をさらに助長させることになりかねない。
このような問題を解決する方法として、一度使用した用紙上の画像を消去して再生する方法が提案されている。
【0004】
たとえば、特開平2−55195合公報には、プラスチック、金属、液透過性のない紙あるいはセラミックスを画像記録体として使用し、これら表面にシリコーンシール剤というシリコンゴムの離型剤を被膜として塗布した画像消去可能な印刷体が提案されている。その画像消去方法は、画像記録体上に熱溶融性インキで形成された画像を、熱溶融性剥離体を介在させ加熱/加圧し、冷却後画像を剥離体側に付着させ、支持体からはぎ取るものである。
しかしながら、離型剤の皮膜の移行性があり、画像形成装置内搬送の際、搬送ローラーなどの接触部分に離型剤の一部が付着していき、滑り易くなるために紙詰まりがおきたり、それを繰り返すことで、装置内で浮遊するトナーが印刷体に付着することによる画像面の汚れなどを引き起こすという問題があった。
【0005】
また、特開平5−216376号公報には、記録面にシリコーンオイル、フッ化オイル、その他の脂肪族系オイル等の離型剤を塗布した記録紙を使用し、画像消去時に記録紙をオフセットし易い材料からなる媒体に圧接して画像を構成するトナーを転移/除去する記録体が提案されている。
しかしながら、これらオイルを用いた場合、十分なトナーの離型効果を示すためには記録紙が透明化するほどの濃度を塗布しなければならず、紙のイメージを損ねた体品質な記録紙となってしまうという問題があった。また、定着性も悪く、手などで擦られるだけで容易に画像部分が剥がれてしまい記録保存性にかけるという問題もあった。さらに、特開平2−55195号公報と同様、移行性の問題もある。
【0006】
一方、石油資源の利用削減という観点からは、プラスチック等の再利用が重要となる。プラスチックを原料とする画像記録体としては、講演や会議などの発表、プレゼンテーション等に使用するOHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等がある。しかし、OHP用フィルムでは、フィルム表面に画像形成材料を強固に定着させるために薄い受像層を設けており、現状ではこの受像層を損なうことなく画像形成材料だけをOHP用フィルムから除去することは困難なため、その多くが1回の使用で廃棄処分されている。
最近では、カラー画像が容易に利用できる環境が整ってきており、特に電子写真方式ではトナーを溶融させる定着工程においては、白黒コピーとは異なり、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンなどの各種色トナーに十分な定着温度と圧力を加えて溶融させ発色させる。そのため、カラー画像用のトナー樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が比較的低いため、定着ロールへ融着する現象(ホットオフセット)、また定着温度が低すぎた場合に定着ロールに付着する現象(コールドオフセット)が発生することが知られている。これらを防ぐために、電子写真方式における定着ロールあるいは定着ベルトには、その表面にシリコーンオイル等の離型剤を含浸、塗布、添加することなどが行われている。
【0007】
定着部材へのシリコーンオイルなどの離型剤の付与はトナーの過剰の熱溶融によるホットオフセットやコールドオフセットには大きな効果が認められるが、シリコーンオイルなどの離型剤は画像記録体としての普通紙やOHPシートなどへも同時に付着することになる。特にカラー画像の場合、白黒トナーに比べて定着部材への付着性が高いため、定着部材への付着を防ぐためには、より多くのシリコーンオイルが必要となる。そのため、画像記録体としての普通紙やOHPシートなどへも多量に付着することになる。その結果、シリコーンオイルによるカラートナーの発色性の変化、支持体のべと付き感などの不快感、支持体への水性インキの印字不良、ポストイット、セロハンテープ等の粘着テープの付着阻害を起こすことが問題になっている。
以上の問題から、現在シリコーンオイルを微量使用するかあるいは全く使用しない定着装置も開発されてきているが、特に受像層を持つOHPフィルムなどはオイルのない定着部材に巻き付いてしまい、定着及び走行不良を引き起こす大きな問題を抱えている。
【0008】
上述のとおり、一度使用した記録体上の画像を消去して再生する方法として、記録体上に離型剤を塗布する方法が種々提案されている。しかし、これらの方法によっては、離型剤の剥離/移行を十分に防止して、繰り返しの再生処理に耐えうる画像記録体は得られていない。その理由はこれらの方法が、記録体に単に離型剤を付着しただけの様な方法であるため、離型剤と支持体との結びつきが弱いためであると考えられる。そのため、繰り返し処理に耐えうる画像記録体を提供すべく、離型剤を基材に密着させる技術の開発が望まれている。
また、画像形成材料の定着性と剥離性とは相反する効果であり、定着性と剥離性を両立させる技術の開発が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、離型剤が他に移行することに伴う用紙搬送性の問題を生じさせず、また、画像形成材料による良好な画像形成と定着を損なうことなく、記録体表面を傷めずに画像形成材料を剥離除去することが可能な、画像形成とその除去を繰り返すことのできる再生可能な画像記録体を提供することにあり、特にOHPフィルムをオイルレス定着装置を備えた記録装置内を通す場合でも定着ロールへの巻き付きや走行不良が発生しない再生可能な画像記録体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は再生可能な画像記録体について鋭意研究を重ねた結果、上記の目的を達成できる以下の本発明を完成した。
(1)少なくとも基材の片面に画像受像層を設けた再生可能な電子写真用画像記録体であって、該画像受像層がポリビニルアセタール樹脂と、反応性シラン化合物及び反応性シリコーンオイルとを含有し、反応性シラン化合物を用い架橋されていることを特徴とする再生使用される電子写真用画像記録体。
)前記受像層が無機填料を含有していることを特徴とする前記(1)に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
)前記反応性シラン化合物が、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤、およびSiH基を持つシラン化合物の群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前記()に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
)前記反応性シリコーンオイルが、分子中にシラノール基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基より選ばれる反応性基の1種以上を有する反応性シリコーンオイルの1種以上であることを特徴とする前記()に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の再生可能な画像記録体について詳細に説明する。
本発明者は、画像記録体に関して鋭意研究を重ねた結果、画像形成材料との親和性と定着性を確保し、受像層の定着部材への巻き付きを防止しながら、さらに画像剥離部材により再生可能とするためには、画像記録体の画像受像層をポリビニルアセタール樹脂と、反応性シラン化合物及び反応性シリコーンオイルとを含有し、反応性シラン化合物を用い架橋させた層とすることが有効な手段であることを見いだした。
まず、画像記録体の基材について説明する。本発明において使用可能な基材としては、一般的に電子写真記録で用いられる普通紙記録用紙、また、熱転写記録で利用される熱転写用紙、また高級印刷などで用いられる加工紙、微塗工紙、またOHPなどで用いられているポリエステルフィルムやスチレンアクリル樹脂などの透明樹脂などが利用できる。
【0011】
本発明で使用する基材として、紙(普通紙、コート紙)、金属、プラスチック、セラミックがあり、さらにこれらはフィルム状のものが好ましい。
本発明において、紙を基材とする場合、この基材となる用紙に使用するパルプは、化学パルプとしては例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプなどの木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経てつくられたバージンの晒ケミカルパルプが好ましく、さらに白色度の高いものが好ましい。また、古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所などにおいて発生する裁落、損紙、幅落としした古紙である上白、特白、中白、白損などの未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙などに平板、凸版、凹版、印刷など電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、及び水性、油性インキや鉛筆などで筆記した古紙、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ、比較的脱墨が容易な平板印刷された古紙パルプが好ましく、その中でもさらに白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0012】
基材として紙を使用する場合、紙は多孔性であり液体がしみ込み易いため、受像層を形成するための塗工溶液を均一な厚さで被覆するためには、紙に目止め処理を行っても良い。目止め処理は、ポリエチレン、クレーバインダー、PVA、でんぷん、カルボキシメチルセルロース等が溶解したあるいは分散した液を調製し、これを予め紙に塗布、乾燥して被膜を形成しておくことにより実施される。
【0013】
また、受像層樹脂被膜により紙が透明化し、紙の風合いや白色性を損なうことが懸念される場合には、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色の金属酸化物微粒子や有機の白色顔料等を含有する層を基材に設けることが好ましい。この層は、画像受像層であることができる。すなわち、これらの白色顔料をポリビニルアセタール樹脂および離型性材料を含む受像層用塗布液に添加して受像層を形成することにより、画像記録体としての紙の白色性を維持することができる。白色顔料は、前記受像層中、10〜30重量%程度添加することができる。
【0014】
本発明で用いられる画像記録体としての代表的なものは、プラスチックフィルムがある。この中で、OHPに使用できるような光透過性のあるフィルムにはアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等があり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性など総合的な観点から見て、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられる。
【0015】
画像記録体としてプラスチックフィルムが用いられる場合、温度や湿度などの環境による画像劣化を防止するために、その表面層の表面抵抗として1X108〜1x1014Ωの範囲(25゜C、65%RHの条件)であることが好ましく、その方法としては界面活性剤や導電性酸化物微粒子などを含有する層を画像記録体の基材上に形成することによって達成できる。導電性酸化物微粒子の材料としては、ZnO、TiO、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3をあげることができる。これらは、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物を使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素などをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので、特に好ましい。また、界面活性剤としては、エチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤などのものが用いられる。
【0016】
また、本発明においては、搬送性を向上させるため画像記録体が、マット化剤を含有する表面層とすることが好ましい。この表面層としては受像層であることができる。
上記マット化剤を構成する材料としては、潤滑性を有する樹脂としてポリエチレンなどのポリオレフィン及びポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)等のフッ素樹脂をあげることができる。また、上記樹脂のマット化剤の平均粒径は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に1〜5μmの範囲が好ましい。上記平均粒径は、大きい方が好ましいが、大きすぎるとマット化剤が受像層から離脱して粉落ち現象が生じてしまい、表面が損傷し易くなったりすることから上記範囲が好ましい。さらに上記マット化剤の含有量は、マット化剤が受像層に含まれる場合、受像層形成材料に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜5重量%である。
【0017】
その他のマット化剤としては、無機微粒子、例えばSiO2、Al2O3、タルク又はカオリン等、およびビーズ状プラスチックパウダー、例えば架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどが用いられ、またこれらのマット化剤を2種以上を併用しても良い。
【0018】
本発明の画像記録体の受像層に用いるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)をアセタール化させたものをいい、ポリビニルアセタール樹脂には、PVAにブチルアルデヒドを反応させたポリビニルブチラール樹脂、ホルムアルデヒドを反応させたポリビニルホルマール樹脂などがある。これらポリビニルアセタール樹脂は、以上のようにPVAをアセタール化させた材料であるが、完全にアセタール化させることはできず、P.J.Floryによると理論的アセタール化度は81.6mol%と言われている。また、PVAを製造する際にも少量のアセチル基が残るため、実際のアセタール化度は理論値より若干低いと推定されている。従って、ポリビニルアセタール樹脂はアセタール化度、水酸基、アセチル基の組成割合により物理的、化学的性質を異にして、重合度によって熱的、機械的性質、溶液粘度が変わるものである。
受像層にポリビニルアセタール樹脂を用いるのは、基材である紙やPETフィルムとの接着性、及び画像形成材料との接着性が良いからである。さらに各種官能基を持った反応性シラン化合物を用いることで架橋反応し、三次元的構造をとり、繰り返し画像を定着、剥離するために表面の耐熱性及び、硬度を向上させ、長期に渡って使用できるようにしたものである。
したがって、本発明において使用するポリビニルアセタール樹脂は分子中に水酸基を含むことが好ましい。水酸基の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂の他のファクター例えば分子量、液粘度、使用溶剤における溶解性、添加剤との相溶性等、およびこれと組み合わせて用いる離型性材料である反応性シラン化合物や反応性シリコーンオイルの種類などにより異なるが、一般的に0.1〜20重量%を、好ましくは0.5〜10重量%が目安となる。
【0019】
次に、本発明において使用する離型性の材料について説明する。離型性材料は、画像形成材料や画像記録体などの画像記録材料に対して離型性を有するものであれば良く、具体的にはフッ素化合物、ワックス、及び珪素化合物などがあり、これらを単独でまたは混合して使用することができる。
フッ素化合物としては、フッ素系ポリマー、フッ素オイル等が挙げられる。
フッ素系ポリマーの具体例としては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素含有モノマーから合成されたポリマー及びコポリマー、前記フッ素含有モノマーとエチレン、(パーフルオロ)アルキルビニルエーテルまたはアクリル樹脂とのコポリマー、並びにパーフルオロアルケニルビニルエーテルを環化重合させたポリマーのようなパーフルオロ脂肪族環構造を有するポリマー等がある。また、これらのポリマーをエラストマー(ゴム)化したものやフッ素系オイル等も使用できる。
フッ素系オイルとしては、X-CF2(OC2F4)p(OCH2)qOCF2-Xで示されるパーフルオロポリエーテルで、具体的にはXがOCN-C6H3(CH3)NHCO-で表されるイソシアネート変性物、-COOHで表されるカルボキシル基変性物、-CH2OH、-CF2CH2(OCH2CH2)nOH等で表されるアルコール変性物、-COOR等で表されるエステル変性物等が挙げられる。
【0020】
ワックスとしては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0021】
珪素化合物としては、有機珪素化合物、シリコーンゴム、シリコーン樹脂及びシリコーンオイル等が挙げられ、有機珪素化合物としては、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物、およびイソシアネートシラン化合物などが挙げられる。
シラン化合物としては、Si(OCH34、CH3Si(OCH33、HSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3SiH(OCH32、C6H5Si(OCH33、Si(OC2H54、CH3Si(OC2H53、(CH32Si(OC2H52、H2Si(OC2H52、C6H5Si(OC2H53、(CH32CHCH2Si(OCH33、CH3(CH211Si(OC2H53、CH3(CH215Si(OC2H53、CH3(CH217Si(OC2H53等のアルコキシシラン類ないしSiH基を持つシラン化合物、(CH3)3SiNHSi(CH3)3などのシラザン類、((CH3)SiNH)2CO、tert-C4H9(CH3)2SiCl等の特殊シリル化剤類、シランカップリング剤及びHSC3H6Si(OCH3)3などのシラン化合物並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
【0022】
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類等が例示できる。
【0023】
フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3(CH22Si(OCH33、C6F13C2H4Si(OCH33、C7F15CONH(CH23Si(OC2H53、C8F17C2H4Si(OCH33、C8F17C2H4SiCH3(OCH32、C8F17C2H4Si(ON=C(CH3)(C2H5))3、C9F19C2H4Si(OCH33、C9F19C2H4Si(NCO)3、(NCO)3SiC2H4C6F12C2H4Si(NCO)3、C9F19C2H4Si(C2H5)(OCH32、(CH3O)3SiC2H4C8F16C2H4Si(OCH33、(CH3O)2(CH3)SiC91824Si(CH3)(OCH32等のフッ素含有シラン化合物及びこれらの加水分解物またはその部分縮合物等のシラン化合物が例示できる。
【0024】
また、イソシアネートシラン化合物類としては、(CH33SiNCO、(CH32Si(NCO)2、CH3Si(NCO)3、ビニルシリルトリイソシアネート、C6H5Si(NCO)3、Si(NCO)4、C2H5OSi(NCO)3、C8H17Si(NCO)3、C18H37Si(NCO)3、(NCO)3SiC2H4(NCO)3などが例示できる。
【0025】
シリコーンゴムはミラブル型と液状とに大別できるが、ミラブル型シリコーンゴムには、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系及びメチルフルオロアルキル系等の直鎖状で高重合度のポリオルガノシロキサンを主原料とし、補強充填剤、各種添加剤を配合し、次いで加硫剤を添加して加熱硬化したものがある。液状シリコーンゴムには、室温で硬化する縮合型シリコーンゴム、白金系触媒を用いて加熱硬化させる付加型シリコーンゴム及び紫外線硬化型シリコーンゴム等がある。また、前記シラン化合物をエラストマー化したシリコーンゴムもある。
【0026】
シリコーン樹脂は分子中に2、3または4官能性単位を多く取り入れた高分子量のポリシロキサンで、シリコーンレジン及びその溶液であるシリコーンワニスをいう。シリコーンワニスには、シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエステルワニス、その他、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂等と反応させて変性したワニスが例示できる。
【0027】
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、及び分子中に反応基を導入した反応性シリコーンオイルが挙げられ、反応性シリコーンオイルとしては、分子中にシラノール基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基等の反応性基を導入した反応性シリコーンオイルが挙げられ、さらに前記反応性基を2種以上導入した異種の反応性基をもつシリコーンオイルも好適に使用される。
特に本発明においては、これらのシリコーンオイルと前記シラン化合物と混合して使用することにより飛躍的に画像剥離部材の離型性が向上するため、比較的少量で大きな離型性が得られるため、先に述べたポリビニルアセタール樹脂との相溶性が問題にならないため、これら離型剤の中で、最も好ましい材料となる。これら離型性材料は、単独で使用しても良く、また、複数混合して用いても良い。
【0028】
離型性の材料を画像記録体の受像層中に含ませる場合の離型性材料の含有量は、離型性材料の種類や離型性材料と共に使用されるポリビニルアセタール樹脂の種類にもよるが、受像層の全固形分に対し0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がさらに好ましい。受像層中における離型性材料の含有量が0.1%未満であると、画像剥離部材の表面層との接着性が強く、画像記録体が画像剥離部材に巻き付くようになる。また、離型性材料の含有量が20%を越えると逆に離型性が強くなるため、画像記録体に画像形成材料を定着できなくなる。
画像記録体の受像層に用いられるポリビニルアセタール樹脂と離型性材料が均一に混合されることが望ましく、均一混合するために、相溶化剤や可塑剤を配合することができる。
相溶化剤または可塑剤の配合比は、ポリビニルアセタール樹脂と離型性材料との親和性、相溶性、離型性など、受像層の表面特性を変化させない程度であれば、配合比に特に制限はないが、ポリビニルアセタール樹脂と離型性材料の総計に対して1重量%〜30重量%程度が好ましい。
【0030】
本発明において、ポリビニルアセタール樹脂離型性材料を含有する受像層用塗布液は、これまで述べてきた材料を溶剤に溶解または分散させるなどして調製される。前記塗布液を塗布または含浸するための方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーテイング法、スプレーコーテイング法、浸漬コーテイング法、ビードコーテイング法、エアーナイフコーテイング法、カーテンコーテイング法、ロールコーテイング法等の通常使用される方法が採用される。
塗布あるいは含浸後の乾燥は、風乾でも良いが、熱乾燥を行えば早く乾燥できる。熱乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法など公知の方法が採用される。
【0031】
本発明における画像記録体の受像層の膜厚は0.1μm以上が適切である。0.1μm未満では、画像形成材料を十分に受容しにくくなること、数μmのマット化剤を混入させた場合には、それを保持しにくくなるからである。
【0032】
以上のような本発明の再生可能な画像記録体を使用して、電子写真法によって画像が形成された支持体から画像を除去し、再生する方法を図によって説明する。図1は本発明の再生可能な画像記録体の一例を示す模式図である。図1中、10は3層構造を有する画像記録体を示し、12はプラスチックフィルムからなる基材、14は導電層、および16は剥離性材料を含む受像層をそれぞれ示す。紙が基材の場合は導電層は必要ない。また、基材としてコート紙を用いる場合には、コート層の上に受像層が形成される。
【0033】
図2は図1で示すような再生可能な画像記録体に画像形成を行った後、この画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離装置の一例を示す概略構成図である。図中、20は画像剥離装置、22は画像剥離ベルトを示す。画像剥離ベルトは表面に図示しない加熱により軟化しゴム粘性を示すような熱可塑性樹脂からなる表面層が設けられている。たとえば画像形成材料(トナー材料)と同じまたは同様の材料が用いられる。画像剥離ベルト22は、支持駆動ロール24、支持ロール26およびと画像記録体と画像剥離ベルト22を剥離するためにベルトに曲率を設けるための支持部材28により張架されている。支持駆動ロール24、支持ロール26はSUS又はアルミニウム基材のごとき材料からなっており、表面に耐熱性のシリコーンゴムの弾性層を有していても良い。支持駆動ロール24、支持ロール26の内部にはハロゲンランプ等の加熱ヒーター29、30があり、これにより画像剥離ベルトの表面層が軟化点以上融点以下になるように温度調整される。支持駆動ロール24に対向する位置に、画像剥離ベルト22を介して圧力ロール32が圧接され、ニップ部が形成されており、この部分を画像形成材料18が定着された本発明の再生可能な画像記録体10が通過する。圧力ロール32の基材はSUS又はアルミニウムのごとき材料であり、その基材上に耐熱性シリコーンゴムとさらにその表面に離型層が設けられている。離型層の具体例としては、離型性の高いフッ素ゴムやPFA・PTFEなどのフッ素樹脂が使用可能である。
【0034】
ニップ部において、画像記録体上の画像形成材料18は軟化状態にある画像剥離ベルトの表面層に圧接され、表面層に転移する。その後ニップ部を通過した画像記録体10が、画像記録体を画像剥離ベルト22から剥離するための支持部材28のところに到達すると、画像記録体10が有しているコシの強さ等に基づき支持部材28の曲率に沿えず、画像記録体10の先端が画像剥離ベルト22から離れる。部材34は画像剥離ベルト22から離れた画像記録体10を排出口へ導くための搬送補助部材であり、その後画像記録体は搬出される。このようにして、画像記録体の表面から画像形成材料が剥離され、画像記録体が再生される。
また、支持ロール26に対向する位置に画像剥離ベルトを介してセラミックヒーター36により加熱される膜厚制御ブレード38が当接され、画像剥離ベルト表面層の膜厚を10μm〜300μm内に制御している。余分な画像形成材料40は膜厚制御ブレード38を介して回収ボックス42に回収される。なお、44、46および48は温度センサーを示し、50は給紙トレイを、52は搬送ロールを、また54はピックアップロールをそれぞれ示す。
【0035】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において‘部’とあるのは‘重量部’を意味する。
実施例1
(導電性下塗り層用溶液の調製)
二酸化スズ(商品名:SN-88、石原産業社製)22.5部、エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤(商品名:EMALEX/NP8.5、日本エマルジョン社製)1.6部、水分散型アクリル樹脂(商品名:ジェイマーET-410、日本純薬社製)14.2部を純水960部に充分攪拌混合し、導電性下塗り層溶液を作製した。
(画像記録体用基材の作製)
コロナ放電処理を行った厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、上記組成の導電性下塗り層溶液をアプリケータで塗工し、110℃で5分乾燥を行い、膜厚約0.2μmの導電層を設けた画像記録体用基材を作製した。
【0036】
(画像記録体(OHPフィルム)の作製)
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:デンカブチラール#3000−K、電気化学工業社製)20部を酢酸エチル180部に攪拌溶解し、離型剤としてテトライソシアネートシランとカルボキシル変性シリコーンオイル(商品名:TSF4770、東芝シリコーン社製)を1:1の割合で酢酸エチルに2.5%濃度で混合した溶液から10部、さらにマット化剤として架橋型PMMA(商品名:MR-2G-20-5;平均粒径3μm、総研化学社製)0.5部を加えて充分攪拌混合し、画像受像層用の塗布液を作製した。この塗工液を前記作製した画像記録体用基材に、アプリケータで塗工し、風乾後、120℃、5分乾燥して、受像層1μmの再生可能な画像記録体を作製した。
【0037】
[定着性等の評価]
カラー複写機Acolor936(富士ゼロックス社製)の定着器の定着ヒートローラ上に供給されるシリコーンオイルを取り除き、オイルレス定着器として改造した電子写真装置を使用し、前記の画像記録体の上に画像を形成した。これについて画像の定着性、画像記録体の走行性、定着ロールへの巻き付きを測定し、画像記録体としての性能を確認した。先に作製した画像記録体100枚をカラーコピーして測定し、画像記録体の性能を評価したが、問題は発生しなかった。
【0038】
[画像剥離性の評価]
図2に示す画像剥離装置を用いて画像剥離評価を行った。画像剥離部材の表面層の膜厚が常に50μmになるように加熱ブレードを調整した。また、支持駆動ロール内のヒーターにより画像剥離ベルトの表面層の温度が110℃付近を維持するように温度制御を行った。加熱ブレード表面は140℃に、プロセススピードは40mm/sec.に設定した。
上記のように設定された図2の画像剥離装置に、先に画像定着された画像記録体を100枚挿入したところ、いずれも画像記録体から画像形成材料がきれいに除去されていた。さらに上記画像記録体100枚について、上記カラー複写機と画像剥離装置を用い、白黒を含む画像の画像定着と画像剥離を、1枚あたり10回繰り返して行ったが、画像剥離性の低下もなく良好に画像記録体を再生することができた。
【0039】
実施例2
(画像記録体(OHPフィルム)の作製)
ポリビニルホルマール樹脂(商品名:デンカホルマール#30、電気化学工業社製)10部をトルエン/エタノール(=6/4重量比)混合溶液190部に攪拌溶解し、離型剤としてメチルトリメトキシシランとテトライソシアネートシランとアミノ変性シリコーンオイル(商品名:TSF4700、東芝シリコーン社製)を1:1:2の割合で酢酸エチルに2.0%濃度で混合した溶液から10部、さらにマット化剤としてシリコーン微粒子(商品名:トスパール130;平均粒径3μm、東芝シリコーン社製)0.5部を加えて充分攪拌混合し、画像受像層用の塗布液を作製した。この塗工液を実施例1と同様に作製した導電層を設けた画像記録体用基材に、アプリケータで塗工し、風乾後、120℃、5分乾燥して、受像層0.7μmの再生可能な画像記録体を作製した。
[画像記録体の評価]
得られた画像記録体について、実施例1と同様に、画像の定着性、画像記録体の走行性、定着ロールへの巻き付きを測定し、画像記録体の評価を行ったが、実施例1と同様に問題は発生しなかった。
また、実施例1と同様に画像の定着及び剥離を1枚の画像記録体で10回繰り返して行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0040】
比較例1および2
実施例1と2の塗工液に離型剤を混合せずに、画像記録体を作製した。これを実施例1と同様に画像の定着、搬送性、定着器ヒートローラへの巻き付きを測定したが、いずれもヒートロールに巻き付きジャムを引き起こし、1枚も定着サンプルを得ることができず、それ以降の評価もできなかった。
【0041】
参考例1
(塗工液の調製)
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックB:BM−S、積水化学工業社製)20部を酢酸エチル180部に攪拌溶解して、塗工液1を調製した。一方、離型剤液としてテトライソシアネートシラン2.5部とアミノ基とアルコキシ基を持つ異種官能基変性シリコーンオイル2.5部(商品名:KF857、信越化学工業社製)を酢酸エチル100部に混合して攪拌混合し、塗工液2を作製した。
(画像記録用紙の作製)
前記塗工液を市販の中性紙(PPC用紙J紙:富士ゼロックス社製)にバーコーターにより片面あたりの固形分量が4.5g/m2になるように塗工し、カレンダー処理を行って風乾後、120℃、5分乾燥し、塗工層を形成した。さらにこの塗工液2を前記作製した画像記録体用基材に、ロールコーターで塗工を行って風乾後、120℃、5分乾燥、その表面に離型処理を施し、画像記録用紙を作製した。
【0042】
[定着性・走行性等の評価]
実施例1と同様カラー複写機Acolor936(富士ゼロックス社製)の定着器の定着ヒートローラ上に供給されるシリコーンオイルを取り除き、オイルレス定着器として改造した電子写真装置を使用し、上記の画像記録用紙の上に画像形成を行い、画像の定着性、画像記録用紙の走行性、定着ロールへの巻き付きを測定し、画像記録用紙としての性能を確認した。先に作製した記録用紙200枚を連続カラーコピーして走行性の確認を行った。
走行性の評価は200枚通紙したときの重送とジャム発生枚数で評価した。電子写真用記録紙としては1枚以下が許容できる枚数である。
画像の定着性評価は、上記電子写真装置にて定着された画像のうち、X-Rite938濃度計(X-Rite社製)で測定した濃度が約1.0のベタ画像部分に、市販の18mm幅の粘着テープ(セロハンテープ:ニチバン社製)を300g/cmの線圧で張り付け、10mm/sec.の速度で剥離したときの剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下OD比と略す)を指標として評価した。電子写真用記録紙としてはOD比で0.8以上の画像定着性が必要である。
定着性(OD比)=テープ剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度
【0043】
[画像剥離性の評価]
画像剥離性の評価は実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置を用いて行った。画像剥離ベルトの表面層の膜厚が常に80μmになるように膜厚制御ブレードを調整した。また支持駆動ロール内のヒーターにより画像剥離ベルトの表面層の温度が110℃付近で維持されるように温度制御を行った。膜厚制御ブレードの表面は140℃に、プロセススピードは40mm/sec.に設定した。
上記のように設定された図2の画像剥離装置に、先に画像定着された画像記録体を100枚挿入したところ、いずれも画像記録体から画像形成材料がきれいに除去されていた。
画像剥離後の再生用紙上の残存トナー評価(剥離性評価)は、画像定着性の評価と同様にOD比を指標とした。
剥離性(OD比)=画像剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度
OD比で0.07以下であれば、トナーの残存はほとんど気にならない。
さらに上記画像記録体100枚を白黒含む画像を上記カラー複写機で繰り返し画像定着と、上記手段の画像剥離を1枚あたり5回繰り返して行ったが、画像剥離性の低下も少なく画像記録体を再生することができた。
以上の結果を表1にまとめた。
【0044】
参考例2
(塗工液の調製)
酢酸エチル1000部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶解した後、填料として平均粒径8.0μmの軽質炭酸カルシウム(白石工業社製)10部と平均粒径0.3μmのカオリンクレー90部を分散した。この填料分散液に樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(Butvar:B-76、Monsanto社製)100部を加え、攪拌混合し塗工液3を調整した。一方、変性シリコーンオイルとしてシラノール変性シリコーンオイルであるα,ω−ジハイドロキシポリジメチルシロキサンオイル(25゜Cでの粘度が2000センチストークス)10部とアミノ変性シリコーンオイル(KF867:信越化学工業社製)10部を酢酸エチル960部に加え攪拌混合し、さらにシラン化合物としてシランカップリング剤であるγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン(KBM-503:信越化学工業社製)20部を加え攪拌混合して塗工液を調製した。
【0045】
(画像記録用紙の作製)
前記塗工液を市販の中性紙(PPC用紙J紙:富士ゼロックス社製)にバーコーターにより片面あたりの固形分量が6.5g/m2になるように塗工し、カレンダー処理を行って風乾後、120℃、5分乾燥し、塗工層を形成した。さらにこの塗工液4を前記作製した画像記録体用基材に、ロールコーターで塗工を行って風乾後、120℃、5分乾燥、その表面に離型処理を施し、画像記録用紙を作製した。
[性能評価]
この画像記録用紙を参考例1と同様な方法で性能を確認したが、問題はなかった。また、画像剥離性についても参考例1と同様に評価を行ったが、問題はなかった。結果をまとめて表1に示した。
【0046】
参考例3
(塗工液の調製)
酢酸エチル1000部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶解した後、填料として炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)40部と二酸化チタン(JA-1:テイカ社製)40部、シリコーン微粒子(トスパール130:東芝シリコーン社製)40部を攪拌分散した。この填料分散液に樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(エスレックB:BX-1、積水化学工業社製)100部を加え、攪拌混合し塗工液5を調整した。一方、変性シリコーンオイルとしてカルボキシル変性シリコーンオイル10部とアミノ変性シリコーンオイル(KF861:信越化学工業社製)10部を酢酸エチル960部に加え攪拌混合し、さらにシラン化合物としてシランカップリング剤であるトリメトキシビニルシラン(KBM-503:信越化学工業社製)5部、メチルトリイソシアネートシラン5部、MeHSi(OCH3)25部を加え攪拌混合して塗工液を調製した。
【0047】
(画像記録用紙の作製)
前記塗工液を市販の中性紙(PPC用紙JD紙:富士ゼロックス社製)にバーコーターにより片面あたりの固形分量が2.5g/m2になるように塗工し、カレンダー処理を行って風乾後、120℃、5分乾燥し、塗工層を形成した。さらにこの塗工液6を前記作製した画像記録体用基材に、ロールコーターで塗工を行って風乾後、120℃、5分乾燥、その表面に離型処理を施し、画像記録用紙を作製した。
[性能評価]
この画像記録用紙を参考例1と同様な方法で性能を確認したが、問題はなかった。また、画像剥離性についても参考例1と同様に評価を行ったが、問題はなかった。結果をまとめて表1に示した。
【0048】
参考例4
イソプロピルアルコール1000部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶解した後、填料として軽質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)50部とカオリンクレー(コマルコカオリン:コマルコジャパン社製)50部、を攪拌分散した。この填料分散液に樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール:#3000−2、電気化学工業社製)100部を加え、攪拌混合し塗工液7を調整した。一方、変性シリコーンオイルとしてアルコール変性シリコーンオイル(SF8427:東レダウコーニングシリコーン社製)10部とアミノ変性シリコーンオイル( TSF4708:東芝シリコーン社製)10部を酢酸エチル960部に加え攪拌混合して塗工液を調整した。
【0049】
(画像記録用紙の作製)
前記塗工液を市販の中性紙(PPC用紙JD紙:富士ゼロックス社製)にバーコーターにより片面あたりの固形分量が4.5g/m2になるように塗工し、カレンダー処理を行って風乾後、120℃、20分乾燥し、塗工層を形成した。さらにこの塗工液6を前記作製した画像記録体用基材に、ロールコーターで塗工を行って風乾後、120℃、5分乾燥、その表面に離型処理を施し、画像記録用紙を作製した。
[性能評価]
この画像記録用紙を参考例1と同様な方法で性能を確認したが、問題はなかった。また、画像剥離性についても参考例1と同様に評価を行ったが、問題はなかった。結果をまとめて表1に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0003941294
【0051】
比較例3および4
市販の中性紙(PPC用紙J紙、及びJD紙:富士ゼロックス社製)を参考例1と同様の評価を行ったが、画像定着時ヒートロールに3枚に1回の割合で巻き付き(ジャム)が起こってしまった。
【0052】
本発明は、上記の構成を採用したため、画像形成性および定着性と画像形成材料の剥離除去性を両立させることができ、画像形成と剥離除去を繰り返すことができる、再生可能な画像記録体を提供することができる。また、本発明の画像記録体は受像層に含まれる離型剤が、画像記録体に密着し他へ移行することがないため、離型剤の移行に伴う記録装置内での紙詰まり等の用紙搬送性に関わる問題を生ずることがない。さらに、OHPフィルムをオイルレス定着を採用する電子写真装置を使用して画像記録する場合においても、カラー画像の高品質性を維持しつつ、定着ロールなどへの巻き付き等の定着、走行不良を防ぐことができる。さらに、本発明の画像記録体は、オフィスや家庭で容易に再生することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像記録体の一例を示す概略断面図である。
【図2】 画像形成された画像記録体から画像形成材料を剥離するための画像剥離装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
10:画像記録体、12:プラスチック基材、14:導電層、16:受像層、18:画像形成材料、20:画像剥離装置、22:画像剥離ベルト、24:支持駆動ロール、26:支持ロール、28:支持部材、29,30:加熱ヒーター、36:セラミックヒーター、38:膜厚制御ブレード

Claims (4)

  1. 少なくとも基材の片面に画像受像層を設けた再生可能な電子写真用画像記録体であって、該画像受像層がポリビニルアセタール樹脂と、反応性シラン化合物及び反応性シリコーンオイルとを含有し、反応性シラン化合物を用い架橋されていることを特徴とする再生使用される電子写真用画像記録体。
  2. 前記受像層が無機填料を含有していることを特徴とする請求項1に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
  3. 前記反応性シラン化合物が、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤、およびSiH基を持つシラン化合物の群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
  4. 前記反応性シリコーンオイルが、分子中にシラノール基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシ基、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基より選ばれる反応性基の1種以上を有する反応性シリコーンオイルの1種以上であることを特徴とする請求項に記載の再生可能な電子写真用画像記録体。
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