JP3788059B2 - 画像剥離部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター及びファクシミリ等の電子写真装置に使用された画像記録体から画像形成材料を剥離し、画像記録体を再生する画像剥離部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に使用されている画像記録体のうち最も身近なものは紙である。近年、地球環境問題が表面化して森林資源保護の重要性が認識され、紙原料としての木材資源の利用削減が重要課題となってきている。この木材資源の利用策減対策の一環として、一度使用した古紙を焼却することなく、再生紙として利用することが進められている。しかし、回収した古紙を再生紙にするには多くの問題がある。
【0003】
例えば、古紙回収においては、企業等の機密文書や機密データの漏洩、紙の種類による分別回収等の手間や運搬、回収した古紙の集積揚所やその管理等の問題がある。
【0004】
また、古紙再生においては、古紙を離解して再度パルプにするために、パルプの繊維が短くなり再生紙の品質が低下したり、不要な画像部分のインキ等を除去する脱墨装置が必要になる等の問題がある。また、再生したパルプから再度紙を製造する製紙システムは大がかりで複雑、高価であることから、オフィスや家庭で容易に古紙を再生することができない。
【0005】
これら分別回収、運搬、集積、再生等が効率良く行われなければ、却ってエネルギーが大量に消費されてCO2 の排出量が多くなり、結果的には地球環境問題の一つである地球温暖化現象をさらに助長させることになりかねない。
【0006】
一方、石油資源の利用削滅という観点からは、プラスチック等の再利用が重要となる。プラスチックを原料とする画像記録体としては、講演や会議等の発表、プレゼンテーション等に使用するOHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等がある。しかし、OHP用フィルムでは、フィルム表面に画像形成材料を強固に定着させるために薄い受像層を設けており、現状ではこの受像層を損なうことなく画像形成材料だけをOHP用フィルムから除去することは困難なため、その多くが1回の使用で廃棄されている。
【0007】
このような問題を解決するために、一度使用した紙又はプラスチックフィルム等の画像記録体上の画像を画像剥離部材を使用して剥離し、画像記録体を再生する数々の方法や装置等としては、以下の公報に記載されているものを挙げることができる。
【0008】
特開平1−297294号、特開平2−55195号及び特開平4−64472号公報では、画像形成材料がしみ込まない材料で形成した画像記録体又は離型剤で表面処理した画像記録体上に形成された画像と、表面が熱可塑性樹脂、例えば画像形成材料と同じ樹脂で形成された画像剥離部材、又はこれら樹脂よりも低温で粘着性を示す糊等が表面に付与された画像剥離部材とを重ねて加熱し、冷却後、画像剥離部材から画像形成材料を剥離する画像剥離方法が開示されている。しかし、これらの方法では画像剥離部材から画像形成材料を剥離するために、操作の度に画像形成材料が冷却するのを待たなければならない。さらに画像剥離部材の表面の樹脂層が画像形成材料と同じ樹脂で形成されている場合は、特に冷却後は該樹脂層と画像剥離部材の基材との接着性が悪く、画像記録体へ樹脂層の樹脂が転写されることがあった。また画像剥離部材上の樹脂層が脱落しやすく、画像剥離体を長期間使用することができなかった。
【0009】
特開平5−232737号公報は、ステンレスウールのようなフェルトローラを画像剥離部材として用い、離型剤を塗布した用紙上の画像形成材料を加熱によって軟化させた後、用紙と画像剥離部材とを接触させて摩擦によって用紙から画像形成材料を除去する画像剥離方法を開示する。しかし、摩擦を利用しているため、剥離の際に画像形成材料が用紙に擦り付けられ、擦り付けられた画像形成材料が用紙の繊維等の間に残留して実用可能なレべルの再生紙を得ることができない。
【0010】
特開平6−219068号公報は、離型性のある熱変性材料で表面処理した用紙上の画像形成材料を加熱により軟化させ、画像剥離部材としてのフィルム状のアルミホイルや市販のビニルテープで圧接し、画像形成材料を用紙上から剥離する方法を開示する。しかし、アルミホイルの強度は弱く、またビニルテープは伸びてしまうため、これらを繰り返して使用することはできない。
【0011】
特開平6−289754号公報は、表面に複数の孔又は凹凸を有する画像剥離部材の前記孔や凹部に画像形成材料を取り込み、画像剥離部材上の画像形成材料のクリーニング頻度や飛散を低滅させる方法を開示する。しかし、画像剥離部材を加熱すると取り込んだ画像形成材料が表面側に溶融して出てきたり、また孔や凹凸部分のクリーニングが難しい。さらに画像剥離部材がベルトの場合、ベルトに孔を開けると駆動或いは従動ロールに画像形成材料が付着してしまうため、ベルトがスムーズに稼働できなくなる。
【0012】
特開平7−44072号公報は、表面にマット加工を施した基材上にポリエステル樹脂層を設けたロール状画像剥離部材を開示する。しかし、熱可塑性ポリエステル樹脂は熱と圧力が加えられた状態で画像形成材料と接触するために両者が混合し、基材表面との接着力が弱くなり、画像剥離部材を繰り返し使用するとポリエステル樹脂が画像記録体へ逆に転写するおそれがある。ポリエステル樹脂がポリカーボネートの場合は、表面が堅いため画像剥離部材を画像記録体と接触させたときにポリカーボネートが画像の凹凸に追従できず、画像エッジ部分が画像記録体上にはっきりと残留する。画像エッジ部分が画像記録体上に残ると、剥離前の画像を判別できるため、機密漏洩を防止できない。
【0013】
特開平7−104621号、特開平7−110590号及び特開平7−114198号公報では、画像剥離部材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、TiO2 入りPET、発泡PET、又はSiO2 入りPETを用いているが、これらの画像剥離部材の表面は上記特開平7−44072号公報と同様硬いため、カラー画像のような凹凸が20μm程ある画像には追従できない。また、画像剥離部材上の画像形成材料のクリーニング不良等を引き起こすおそれがある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、オフィスや家庭で画像記録体を容易に再生でき、長期にわたって良好な画像剥離性能を維持できる画像剥離部材を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は画像剥離部材について鋭意研究を重ねた結果、耐熱性基材と画像剥離層との間に特定の接着層を設けることによって上記目的が達成されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
即ち、本発明は、画像記録体上の画像形成材料を加熱及び加圧しながら該画像記録体から該画像形成材料を剥離する画像剥離部材において、該画像剥離部材が耐熱性基材、接着層、及び画像剥離層から構成され、該接着層が該耐熱性基材を構成する材料と熱溶融性樹脂とを含有し、該画像剥離層が該画像形成材料に対して親和性を有する材料を含有することを特徴とする画像剥離部材を提供する。
【0017】
電子写真法を例にとって説明すると、通常、帯電により電子写真用感光体表面に均一に静電荷を与えた後、原稿から得られた画像情報に基づいてその表面を露光することにより静電潜像が形成される。次に、感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料(トナー)を供給することで、静電潜像が可視画像となり、さらにこれが画像記録体へ転写され、最後に熱や圧力等により画像形成材料が画像記録体へ定着する。
【0018】
従って、画像が熱溶融性材料で形成されている場合には、画像記録体を再度加熱すれば画像形成材料が溶融し、画像記録体と画像形成材料との付着性が低下する。この状態で画像形成材料を画像記録体から何らかの力で引き離せば画像形成材料が剥離できることが容易に理解される。
【0019】
上記のように画像形成材料を溶融させた状態で、画像形成材料との親和性の高い物質で形成された画像剥離層を画像記録体上の画像形成材料と接触させると、画像形成材料が画像記録体から画像剥離部材へ移行し、画像記録体から画像記録材料を除去することができる。
【0020】
しかし、この画像剥離層と基材との接着性は必ずしもよくない。そこで、本発明では、耐熱性基材を構成する材料と熱溶融性樹脂とを含有する接着層を用いることで基材と画像剥離層との接着性を保ち、加熱時も冷却時も画像剥離部材に移行した画像形成材料の脱落を防止し、画像剥離層の厚さ及び表面の滑らかさを維持し、基材や接着層を痛めるような強力なクリーニングを行うことなく長期にわたって剥離性能を維持する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳しく説明する。
【0022】
本発明の画像剥離部材は、耐熱性基材、接着層、及び画像剥離層から構成される。本発明の画像剥離部材の基材としては、その形状、構造、大きさ等は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。稼働効率、占有体積等の点からベルト状のものが好ましい。また、ベルトに継ぎ目があると定着時にその部分で加圧力が変わり、画像剥離に影響を及ぼす。そのため、無端べルトがより好ましい。
【0023】
耐熱性基材の材質としては、耐熱性、機械的強度に優れ、熱導伝性が良好である材質ならば特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンフタレート、ポリエステル、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂材料が挙げられる。画像剥離部材の加熱温度は100℃〜150℃程になるため、耐熱性や強度(伸縮)の面からポリイミド樹脂が望ましい。また、前記樹脂中に導電性粉体等を分散して体積抵抗率を低下させることが好ましく、中でも、カーボンブラックを分散した低体積抵抗率のポリイミドが好ましい。
【0024】
耐熱性基材がベルトの場合、その厚みは30〜200μmの範囲が好ましく、40〜150μmの範囲がより好ましく、50〜130μmの範囲がさらに好ましい。基材の厚みが30μmより薄いと、加熱、冷却時の寸法安定性が悪く、また強度が弱い。反対に基材の厚みが200μmを越えると、熱が伝わりにくく、画像剥離速度の低下やサイクルタイムの長期化につながる。
【0025】
耐熱性基材上に設けられる接着層は、耐熱性基材を構成する材料と熱溶融性樹脂とを含有する。耐熱性基材に使用する材料としては前述のものが挙げられる。
【0026】
熱溶融性樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレンのポリマー及びコポリマー等のスチレン系樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルのポリマー及びコポリマー等のビニル系樹脂、エチレン、プロピレンのポリマー及びコポリマー等のオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性材料等が挙げられる。接着層に使用される熱溶融性樹脂は、後述する画像剥離層に使用される親和性材料と同じであることが好ましい。
【0027】
本発明の画像剥離部材の接着層は、上記の材料を含む塗工液(溶液又は分散液)を耐熱性基材上に塗布することによって形成される。基材上に被膜を形成する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。また、耐熱性基材がベルト状である場合は、ベルトの内周長に対応するドラム状の心基材にベルトを装着してから、これを前記塗工液に浸漬することが特に有効である。
【0028】
本発明の画像剥離部材の接着層の厚さは、画像剥離層の材料特性にもよるが、5μm〜200μmであることが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。接着層の厚さが5μm未満であると、画像剥離層が数百μmで、且つ基材がベルト状で、画像剥離部材が冷却した状態で稼働された場合に、接着層と画像剥離層との接着性が不十分となり、画像剥離層が脱落するおそれがある。また、接着層の厚さが200μmを越えると、必要以上にエネルギーを消耗させたり、サイクルタイムが長くなる。
【0029】
接着層は、風で乾燥させても良いが、熱を使用すれば早く乾燥できる。熱乾燥方法としては、耐熱性基材上に前記塗工液を塗布したものをオーブンに入れる方法、オーブンに通す方法等、公知の方法が採用される。
【0030】
本発明の画像剥離部材の画像剥離層を構成する材料は、液体材料でも固体材料でもよいが、移行性がなく安定に使用できる点で、固体材料が好ましい。また、液体材料と固体材料とを併用することもできる。
【0031】
画像剥離層は画像形成材料に対して親和性、相溶性を有する材料を含む。通常、画像形成材料がカラートナーである場合と黒トナーである場合とでは、画像形成材料に使用する材料が異なる。従って、画像剥離層に使用される材料には各画像形成材料の剥離に適した親和性が要求される。
【0032】
画像形成材料との親和性、相容性は、例えば、化学構造式の部分構造単位から導かれるSolubility Parameter(SP)値によって評価でき、SP値が近いもの、即ち化学構造式が類似しているもの程、親和性が高く、相溶性も高い。
【0033】
従って、画像剥離層に使用する親和性材料としては、そのSP値が使用される画像形成材料のSP値の±1.0のものを好適に使用することができる。具体的には、SP値が8.0〜12.0(cal/cm3 1/2 の親和性材料を好適に使用することができる。
【0034】
親和性材料としては、画像形成材料と同様に、熱溶融性を示すものが好ましく、溶融温度が画像形成材料の融点より20℃低い温度から50℃高い温度までの範囲にある熱溶融性材料が好ましい。このような性質を示す材料の中でも、画像形成材料に使用された樹脂と同一の樹脂が好ましく、さらに画像形成材料そのものを用いることが特に好ましい。具体的には、接着層に使用される熱溶融性樹脂として例示したものを挙げることができる。
【0035】
一つ又は数種の画像剥離部材で各種画像形成材料に対応するには、広い温度範囲にわたって画像形成材料との親和性を保ち続けるものが好ましく、そのようなものとして、感圧接着剤(粘着剤)が挙げられる。感圧接着剤には、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテルポリマー系粘着剤及びシリコーン粘着剤がある。これらの感圧接着剤の中では、画像形成材料を加熱溶融する温度で使用可能な良好な耐熱性を有すること、後述する離型性材料としての珪素化合物との相溶性がよいこと、及び剥離性能と離型性能を長期間の繰り返し使用にわたって維持できることから、シリコーン粘着剤が好ましい。
【0036】
画像剥離層は上記親和性材料の他、離型性材料を含むことができる。離型性材料は、画像形成材料や画像記録体に対して離型性を有するものであれば、特に制限はなく、具体的には、フッ素化合物、ワックス、及び珪素化合物等があり、これらを単独で又は混合して使用することができる。
【0037】
これらの中では、親和性材料との相溶性、安全性の点で、珪素化合物が好ましい。
【0038】
フッ素化合物としては、フッ素系ポリマー、フッ素オイル等が挙げられる。
【0039】
フッ素系ポリマーの具体例としては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素含有モノマーから合成されたポリマー及びコポリマー、前記フッ素含有モノマーとエチレン、(パーフルオロ)アルキルビニルエーテル又はアクリル樹脂とのコポリマー、並びにパーフルオロアルケニルビニルエーテルを環化重合させたポリマーのようなパーフルオロ脂肪族環構造を有するポリマー等がある。また、これらのポリマーをエラストマー(ゴム)化したもの等も使用できる。
【0040】
フッ素系オイルとしては、X−CF2 (OC2 4 p (OCH2 q OCF2 −Xで示されるパーフルオロポリエーテル、具体的にはXがOCN−C6 3 (CH3 )NHCO−で表されるイソシアネート変性物、−COOHで表されるカルボキシル基変性物、−CH2 OH、−CF2 CH2 (OCH2 CH2 n OH等で表されるアルコール変性物、−COOR等で表されるエステル変性物等が挙げられる。
【0041】
ワックスとしては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0042】
珪素化合物としては、有機珪素化合物、シリコーンゴム、シリコーン樹脂及びシリコーンオイル等が挙げられ、有機珪素化合物としては、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物がある。
【0043】
シラン化合物としては、Si(OCH3 4 、CH3 Si(OCH3 3 、HSi(OCH3 3 、(CH3 2 Si(OCH3 2 、CH3 SiH(OCH3 2 、C6 5 Si(OCH3 3 、Si(OC2 5 4 、CH3 Si(OC2 5 3 、(CH3 2 Si(OC2 5 2 、H2 Si(OC2 5 2 、C6 5 Si(OC2 5 3 、(CH3 2 CHCH2 Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 11Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 15Si(OC2 5 3 、CH3 (CH2 17Si(OC2 5 3 等のアルコキシシラン類、(CH3 3 SiNHSi(CH3 3 等のシラザン類、((CH3 )SiNH)2 CO、tert−C4 9 (CH3 2 SiCl等の特殊シリル化剤類、シランカップリング剤及びHSC8 6 Si(OCH3 3 等のシラン化合物並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類等が例示できる。
【0044】
フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3 (CH2 2 Si(OCH3 3 、C6 132 4 Si(OCH3 3 、C7 15CONH(CH2 3 Si(OC2 5 3 、C8 172 4 Si(OCH3 3 、C8 172 4 SiCH3 (OCH3 2 、C8 172 4 Si(ON=C(CH3 )(C2 5 ))3 、C9 192 4 Si(OCH3 3 、C9 192 4 Si(NCO)3 、(NCO)3 SiC2 4 6 122 4 Si(NCO)3 、C9 192 4 Si(C2 5 )(OCH3 2 、(CH3 O)3 SiC2 4 8 162 4 Si(OCH3 3 、(CH3 O)2 (CH3 )SiC9 182 4 Si(CH3 )(OCH3 2 等のフッ素含有シラン化合物並びにこれらの加水分解物及びその部分縮合物等のシラン化含物が例示できる。
【0045】
また、イソシアネートシラン化合物類としては、(CH3 3 SiNCO、(CH3 2 Si(NCO)2 、CH3 Si(NCO)3 、ビニルシリルトリイソシアネート、C6 5 Si(NCO)3 、Si(NCO)4 、C2 5 OSi(NCO)3 、C8 17Si(NCO)3 、C1837Si(NCO)3 、(NCO)3 SiC2 4 (NCO)3 等が例示できる。
【0046】
シリコーンゴムはミラブル型と液状のものとに大別できるが、ミラブル型シリコーンゴムには、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系及びメチルフルオロアルキル系等の直鎖状で高重合度のポリオルガノシロキサンを主原料とし、補強充填剤、各種添加剤を配合し、次いで加硫剤を添加して加熱硬化したものがある。液状シリコーンゴムには、室温で硬化する縮合型シリコーンゴム、白金系触媒を用いて加熱硬化させる付加型シリコーンゴム及び紫外線硬化型シリコーンゴム等がある。また、前記シラン化合物をエラストマー化したシリコーンゴムもある。
【0047】
シリコーン樹脂は、分子中に2、3又は4官能性単位を多く取り入れた高分子量のポリシロキサン、及びその溶液であるシリコーンワニスをいう。シリコーンワニスには、シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエステルワニス、これらをアクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂等と反応させて変性したワニスが例示できる。
【0048】
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、及び分子中に反応基を導入した反応性シリコーンオイルが挙げられる。反応性シリコーンオイルとしては、シラノール変性、カルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、及びフェノール変性、並びにこれら異種の反応基を導入したシリコーンオイル等が挙げられる。これらのシリコーンオイルを前記シラン化合物と混合して使用することにより飛躍的に画像剥離部材の離型性が向上する。
【0049】
画像剥離部層に含有される離型性材料の量は、離型性材料の種類や離型性材料と共に使用される親和性材料の種類にもよるが、5〜80重量%が好ましく、25〜70重量%がさらに好ましい。離型性材料の含有量が5%未満であると、親和性材料の働きが強く、画像記録体が画像剥離部材に巻き付くおそれがある。また、離型性材料の含有量が80%を越えると、逆に離型性が強くなるため、画像記録体から画像形成材料を除去できなくなる。
【0050】
これら離型性材料は、単独で使用しても良く、また、複数混合して用いても良い。
【0051】
画像剥離層に用いられる熱溶融性材料と離型性材料は均一に混合されていることが望ましく、そのために、画像剥離層に相溶化剤や可塑剤を配合することができる。
【0052】
相溶化剤又は可塑剤の配合比は、画像剥離部材と画像形成材料との親和性、相溶性、離型性等、画像剥離部材の表面特性を変化させない程度であれば、特に制限はないが、熱溶融性材料と離型性材料との総計に対して1重量%〜30重量%が好ましい。
【0053】
画像剥離層の厚さは10〜300μmの範囲が好ましく、20〜150μmの範囲がより好ましく、25〜150μm範囲がさらに好ましい。画像剥離層の厚さが10μmより薄いと、画像記録体上の画像形成材料の表面の20〜30μmある凹凸に追従できず、画像形成材料を完全に剥離できないことがある。画像剥離層の厚さが300μmを越えると、熱が伝わりにくく、その分ヒータ温度を上昇させるか、剥離速度を低下させなければならない。また、コシの弱い薄い紙等では画像剥離部材に圧接されたとき、画像剥離層中に特に紙先端が埋まり込み、紙と画像剥離部材を分離することが困難になる。
【0054】
本発明の画像剥離部材の画像剥離層は、上記の材料を含む塗工液(溶液又は分散液)を接着層上に塗布することによって形成されたものである。接着層上に被膜を形成する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0055】
また、画像剥離層は、風で乾燥させても良いが、熱を使用すれば早く乾燥できる。熱乾燥方法としては、接着層上に画像剥離層用塗工液を塗布したものをオーブンに入れる方法、オーブンに通す方法等、公知の方法が採用される。
【0056】
画像剥離層には、画像剥離を繰り返すにつれて画像形成材料が積み重なっていく。積み重ねられた画像形成材料が厚くなると前述のように熱が伝わりにくくなったり、紙を画像剥離部材から分離しにくくなる。そこで、画像形成材料を除去する手段が必要となる。ブレードやブラシやスチールウール等で画像剥離部材を擦り付ける通常のクリーニング方法は画像剥離部材の表面に膜厚ムラや細かい凹凸を発生させ、その凹凸が原因で画像の剥離性能が低下する。本発明においては、画像形成材料に含まれている熱溶融性材料に着目し、加熱部材を画像剥離部材の画像剥離層に接触させ、表面の画像形成材料を溶融させ、画像剥離層から画像形成材料を回収ボックスヘ滴下させる。これにより、画像剥離層の表面は滑らかになり、画像剥離層の厚さを所望の値に制御する。もともと画像剥離部材の表面は画像剥離時に熱溶融性材料の軟化温度に達しており、熱溶融性材料をさらに溶融させるために必要となる加熱エネルギーは、極端に大きなものにはならない。
【0057】
加熱部材としては、例えば、セラミックヒーターを備えた金属若しくはセラミックブレード、適度なギャップをもった加熱設置部材、ローラー状ヒーター等がある。
【0058】
本発明の画像剥離部材を適用できる画像記録体には、普通紙、コート紙、OHP用フィルム等のプラスチックフィルム、金属、セラミック基材上に記録層が形成されたもの等公知の画像記録体を使用することができる。
【0059】
画像記録体の基材としては、紙、金属(アルミニウム等)、プラスチック、セラミック(アルミナ等)があり、その形状は特に限定されないが、フィルム状であることが好ましい。
【0060】
紙を画像記録体の基材として用いる揚合、原料となるパルプは、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て得られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられ、白色度の高いものが好ましい。また、古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凹板、凸板印刷、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録式、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられ、その中でも白色度が高く混ざり物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0061】
前記画像記録体として、表面を構成する材料が画像形成材料に対する離型性を有する画像記録体を使用することが好ましい。例えば、上記パルプで抄紙された画像記録用紙のパルプ繊維表面又はコート紙のコート材料表面に画像形成材料に対して離型性がよい離型性材料を塗布又は含浸させて、基材表面に離型性を付与することが好ましい。
【0062】
離型性材料としては、フッ素系オイル等のフッ素系化合物、珪素化合物、ワックス等があるが、画像形成材料との離型性、基材表面から装置内の部材等への移行性、及び用紙の走行性等を考慮すると、パルプ繊維と反応してパルプ繊維と直接結合する材料が好ましく、そのような離型性材料としては珪素化合物が好ましい。
【0063】
珪素化合物としては、前述のものが使用できる。これら珪素化合物は単独で又は混合して使用することができる。また、珪素化合物としてシリカゲル等を使用しても良い。これらの中では、フッ素含有珪素化合物、イソシアネートシラン化合物、分子中に反応基を有する変性シリコーンオイル、及びこれらの混合物が好適であり、これらを画像記録体の基材に塗布したり、又は基材をこれらの珪素化合物を含む溶液に含浸し乾燥させることにより離型性を有する被膜が形成される。
【0064】
また、画像記録体の基材として紙を用いる場合には、画像形成材料との定着性を向上させるために、画像記録体にさらに微粒子を添加して画像記録体の表面に適度な凹凸を付与することが好ましい。これにより、画像形成材料は基材繊維と固着又は繊維を包み込んで固着するだけで、両者の間に十分な定着力が得られるので、画像形成材料中の樹脂の使用量を低減することができる。
【0065】
微粒子としては、例えば、タルク、クレー(カオリン)、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリカ、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等の微粒子を挙げることができる。離型性材料として、これらの微粒子との反応性が高いフッ素含有珪素化合物、イソシアネートシラン化合物、変性シリコーンオイル等を使用すると、これらの離型性材料がパルプ繊維と共に硬化し、微粒子を基材内に固定させる役目も果たす。
【0066】
離型性材料を画像記録体基材に塗布するための塗布組成物には、離型効果を損なわない量で、アルミニウム化合物、チタニウム化合物、ジルコニウム化合物を添加することができる。
【0067】
本発明において、OHP用フィルムの基材として使用できるような光透過性のあるプラスチックフィルムとしては、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等があり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的な観点からみて、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが多く用いられている。
【0068】
上記プラスチックフィルムの表面に、紙基材の場合と同様に、離型性を持たせることが好ましい。そのための離型性材料としては前述の離型性材料を用いることが好ましいが、これらに限るものではない。
【0069】
画像記録体の基材上に離型性材料等の被膜を形成する方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0070】
また、被膜は、風で乾燥させても良いが、熱を使用して乾燥させればさらに画像形成材料に対する離型性が増す。この理由は基材と反応した成分が配列又は配向するためといわれているが定かではない。熱乾燥方法としては、基材に被膜を設けたものをオーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、又は加熱ローラに接触させる等公知の方法が採用される。
【0071】
本発明の画像剥離部材を使用する画像剥離方法は、画像記録体上の画像形成材料と画像剥離部材とを加熱接触させて画像記録体から画像形成材料を剥離する剥離工程と画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を画像剥離部材から除去する工程を備える。除去する工程では、画像剥離部材表面に加熱部材を接触させて、画像剥離層の厚さを制御する。
【0072】
この方法は、画像記録体上の画像形成材料と画像剥離部材との接触前に、画像記録体と画像形成材料との付着性を低下させる付着低下工程をさらに備えることができる、付着低下工程では、画像記録体上の画像形成材料を溶融させることが好ましく、そのために、画像形成材料を加熱したり、画像形成材料に赤外線等を照射することができる。また、界面活性剤等を含む溶液に画像形成材料が保持された画像記録体を浸漬してもよい。画像剥離部材の剥離性能維持という観点からは、界面活性剤を画像剥離部材上に蓄積させないことが好ましく、加熱や赤外線照射による付着力低下方法を使用することが好ましい。
【0073】
なお、画像形成材料の加熱は、剥離工程において行うこともできる。
【0074】
図1は本発明の実施の形態に係る画像剥離部材である画像剥離ベルト1の部分構成を示す。画像剥離ベルト1は、耐熱性基材2と、耐熱性基材2の上面に形成された接着層3と、接着層3上に形成された画像剥離層4とを備えている。
【0075】
また、図2は図1の画像剥離ベルト1が使用される画像剥離装置30の概略構成を示す。画像剥離装置30はトレイ8を備え、画像形成材料6が定着した画像記録体7が画像形成材料6が定着した面が下になるようにトレイ8内に収容されている。トレイ8の近傍には画像記録体7をトレイ8から取り出すための取り出しロール9が配置されている。取り出しロール9のトレイ8とは反対側には一対の搬送ロール10が配置され、一対の搬送ロール10の取り出しロール9とは反対側には支持駆動ロール11が配置されている。また、支持駆動ロール11の一対の搬送ロール10とは反対側には、所望の曲率を有する支持部材13が配置されており、支持部材13の支持駆動ロール11側の下方に支持ロール12が設けられている。画像剥離ベルト1は、支持駆動ロール11、支持部材13及び支持ロール12に画像剥離層4が外側に配置されるように巻き掛けられている。支持駆動ロール11及び支持ロール12はSUS又はアルミニウム基材を有しており、表面に耐熱性のシリコーンゴム弾性層を有していても良い。支持駆動ロール11及び支持ロール12はそれぞれ加熱ヒーター14、15を内蔵し、これにより画像剥離ベルト1の画像剥離層の温度が画像形成材料6に含まれる熱溶融性材料の軟化点以上融点以下になるように調整される。支持駆動ロール11の真上には圧力ロール16が配置されており、これらのロールの間に形成されたニップ部を画像形成材料6が定着した画像記録体7が通過することによって画像剥離ベルト1に画像記録体7が押圧される。圧力ロール16の基材はSUS又はアルミニウムであり、その基材上に耐熱性シリコーンゴム層とさらにその表面に離型層が設けられている。離型層の具体例としては、離型性の高いフッ素ゴムやPFA・PTFE等のフッ素樹脂が挙げられる。
【0076】
支持部材13の支持駆動ロール11とは反対側にはガイド23が配置され、ガイド23の支持部材13とは反対側には図示しない集積トレイが配置されている。
【0077】
また、支持ロール12の下方にセラミックヒーター19を有したブレード17が画像剥離ベルト1と当接するように配置されている。ブレード17の下方には、ブレード17により画像剥離ベルト1から除去された画像形成材料6を集めるための回収ボックス18が配置されている。また、支持駆動ロール11、支持ロール12、セラミックヒーター19には、各々の表面温度を測定するためのセンサ21、22、20が取り付けられている。
【0078】
以上の画像形成装置30では、トレイ8から画像形成材料6が定着した画像記録体7が取り出しロール9により取り出され、一対の搬送ベルト10により、圧力ロール16と支持駆動ロール11の間のニップ部に案内され、このニップ部を通過することにより画像記録体7は画像剥離ベルト1に押圧される。画像剥離ベルト1は加熱ヒーター14、15を内蔵した支持駆動ロール11及び支持ロール12により予め加熱されており、画像記録体7は画像剥離ベルト1により加熱され、搬送される。
【0079】
支持部材13のところで画像記録体7はそのコシの強さ等のため支持部材13の曲率に沿えず、画像記録体7の先端が画像剥離ベルト1から離れる。このとき、画像記録体7上の画像形成材料6は軟化されており、画像記録体7から画像形成材料6に対して親和性を有する材料を含有する画像剥離ベルト1の画像剥離層4に移行する。次いで、画像形成材料6が除去された画像記録体7はガイド23に案内され、図示しないトレイ内に集積される。一方、画像剥離ベルト1に移行した画像形成材料6は画像剥離ベルト1の移動に伴って下方に移動し、セラミックヒーター19により予め加熱されたブレード17により画像剥離ベルト1から擦りとられ、溶融され、ブレード17をつたって回収ボックス18内に回収される。
【0080】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において「部」は「重量部」を意昧する。
(実施例1)
熱溶融性樹脂(1)の合成
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン400部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン350部と、テレフタル酸380部とを撹拌棒、コンデンサー、窒素ガス導入管、及び温度計をセットしたガラス製2リットルの四つ口フラスコに入れ、これをマントルヒーターにセットした。反応容器内を窒素ガスで置換した後、この反応容器内にジブチル錫オキシド1.0部を加え、マントルヒーターで加熱し、混合物を撹拌しながら窒素気流下で、約150℃、常圧で6時間反応させ、次いで220℃で減圧にて3時間反応させた。重合度はASTMのE28−51Tに準ずる軟化点により追跡し、軟化点が120℃に達したとき、反応を終了させ、その後反応生成物を室温まで冷却し、淡黄色の熱溶融性樹脂(1)を得た。得られた熱溶融性樹脂(1)のガラス転移温度Tgは57℃であった。
【0081】
接着層用塗工液の調製
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸(商品名:トレニース#3000、東レ社製)100部と、熱溶融性樹脂(1)100部をトルエン800部に入れて撹拌し、接着層用塗工液を調製した。
【0082】
画像剥離層用塗工液の調製
得られた熱溶融性樹脂(1)200部を酢酸エチル300部に入れて撹拌して溶解し、画像剥離層用塗工液を調製した。
【0083】
画像剥離ベルトの作製
厚み75μm、直径68mmφの無端ポリイミドベルトの内周長に対応するドラム状の心基材の周りに前記ポリイミドベルトを装着したものを、前記接着層塗工液中に浸漬した。塗膜を130℃で60分間加熱し乾燥して、ポリイミド表面に厚さが40μmの接着層を設けた。
【0084】
次いで、接着層が塗布された前記ポリイミドベルトを心基材の周りに装着したまま前記画像剥離層塗工液に浸漬した。塗膜を115℃で15分間加熱し乾燥して、50μmの画像剥離層を形成し、画像剥離ベルトを得た。
【0085】
画像剥離ベルトの評価
得られた画像剥離ベルトを図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離ベルトの画像剥離層の厚さが常に50μmになるようにブレードの位置を調整した。画像剥離ベルトを加熱することなく画像剥離装置を駆動させたが、画像剥離層は基材から脱落したり、剥がれることがなかった。
【0086】
一方、画像記録体として厚さが100μmの二軸延伸PETフィルムを、光硬化性シリコーン樹脂(商品名UVHC1105、東芝シリコーン製)を酢酸エチルで希釈した塗工液に浸漬し、得られた塗膜に光を照射することにより、PETフィルム上に2μmの受像層を形成した画縁記録体を得た。この画像記録体上にカラー複写機Acolor930(富士ゼロックス社製)を用いて文字やベタ画像を含む白黒及びカラー画像を定着させた。
【0087】
また、前記画像剥離装置の支持駆動ロール内の加熱ヒーターで画像剥離ベルトの画像剥離層の表面温度が110℃付近で持続するように調整し、またブレードの表面温度を120℃に調整し、プロセススピードを60mm/secに設定した。画像が定着された前記画像記録体を前記画像剥離装置に挿入したところ、画像記録体から画像形成材料が完全に除去された。この画像記録体及び画像剥離装置を用いて、印字及びトナー剥離を50回繰り返したが、画像剥離性が低下することなく画像記録体を再生することができた。
(比較例1)
実施例1の接着層を設けなかった画像剥離ベルトを、実施例1で用いた画像剥離装置に装着したが、画像剥離ベルトの表面温度を所定の温度に設定するまでの作業工程中にポリイミドから画像剥離層が脱落し、評価できなかった。
(実施例2)
付加反応型シリコーン粘着剤(商品名:TSR1515A、東芝シリコーン社製)50部を、その架橋剤(商品名:TSR1515B、東芝シリコーン社製)0.5部と共にトルエン100部に入れて撹拌し、さらに離型性材料として熱可塑性シリコーン樹脂(商品名:XR39−B1676、東芝シリコーン社製)50部をそれに加えて溶解し、画像剥離層用塗工液を得た。
【0088】
塗工液を上記のものに変え、画像剥離層の塗布膜を120℃で20分間乾燥して厚さが280μmの画像剥離層を得た以外は実施例1と同様の方法で画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の画像剥離層の厚さが常に300μmになるようにブレードの位置を調整した。
【0089】
実施例1と同様、画像剥離ベルトを加熱することなく画像剥離装置を駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。また、実施例1と同様に印字、及び画像剥離を50回繰り返したところ、画像剥離性が低下することなく画像記録体を再生することができた。
(実施例3)
接着層用塗工液の調製
ポリアミック酸(商品名:トレニース#3000、東レ社製)150部、及びスチレン−アクリル樹脂(商品名:PSB2733、三洋化成社製)150部をトルエン700部に入れ撹拌し、接着層用塗工液を調製した。
【0090】
画像剥離層用塗工液の調製
また、スチレン−アクリル樹脂(商品名:PSB2733、三洋化成社製)100部をトルエン400部に入れて撹拌して溶解し、画像剥離層用塗工液を調製した。
【0091】
接着層用塗工液を上記のものに変え、得られた塗膜を130℃で50分間加熱し乾燥した以外は実施例1と同様の方法で、基材表面に厚さが30μmの接着層を設けた。
【0092】
画像剥離層用塗工液を上記のものに変え、得られた塗膜を115℃で10分間加熱し乾燥した以外は実施例1と同様の方法で、50μmの画像剥離層を形成し、画像剥離ベルトを得た。
【0093】
実施例1と同様画像剥離ベルトを加熱せずに画像剥離装置を駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。また、実施例1で用いた画像記録体へ富士ゼロックス製Vivace450で画像を印字し、130℃で画像を剥離することを50回繰り返したが、画像記録体を再生することができた。
(実施例4)
スチレン−アクリル樹脂(商品名:PSB2733、三洋化成社製)40部、及び離型性材料としてパラフィンワックス(商品名:HNP−0190;日本精蝋社製)10部をトルエン100部に入れて撹拌して分散し、画像剥離層用塗工液を調製した。この画像剥離層用塗工液を使用し、得られた塗膜を120℃で20分間乾燥した以外は実施例3と同様の方法で画像剥離べルトを得た。この画像剥離べルトの画像剥離層は80μmであった。これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の画像剥離層の厚さが常に80μmになるようにブレードの位置を調整した。
【0094】
実施例1と同様画像剥離ベルトを加熱せずに画像剥離装置を駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。また、実施例1で用いた画像記録体へ富士ゼロックス製Vivace450で画像を印字し、130℃で画像を剥離することを50回繰り返したが、画像剥離性が低下することなく、画像記録体を再生することができた。
(実施例5)
富士ゼロックス製カラー複写機Acolor930用トナーに使用しているポリエステル系結着樹脂200部を塩化メチレン600部に撹拌し溶解し、画像剥離層用塗工液を得た。
【0095】
この塗工液を使用し、塗膜を120℃で10分間乾燥して厚さが125μmの画像剥離層を得た他は実施例3と同様の方法で画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の画像剥離層の厚さが常に110μmになるようにブレードの位置を調整した。
【0096】
実施例1と同様画像剥離ベルトを加熱せずに画像剥離装置を駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。また、実施例1と同様に印字と画像剥離を繰り返したが、画像剥離性が低下することなく、画像記録体を再生することができた。
(実施例6)
非晶質線状ポリエステル樹脂(商品名:バイロンBX−1001、東洋紡績社製)100部をメチルエチルケトン400部に入れ撹拌し、これにシロキサン変性ポリイミド樹脂、硬化剤及び溶剤を含む溶液(信越ポリイミドシリコーン:X−22−8917、信越化学工業社試作品)100部を入れて撹拌し、接着層用塗工液を調製した。
【0097】
接着層用塗工液を上記のものに変えた他は実施例1と同様の方法で画像剥離ベルトを得た。なお、画像剥離層の厚さは50μmであり、接着層の厚さは40μmであった。
【0098】
これを図2の画像剥離装置に装着し、画像剥離ベルトの表面温度を150℃、プロセススピードを15mm/secに維持し、Acolor930用カラートナーを画像剥離部材にふりかけブレードでその表面を平坦にしながら、画像剥離部材上に100μmの厚さのトナー層を得た。
【0099】
画像剥離部材を冷却後、実施例1と同様、画像剥離ベルトを加熱せずに駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。実施例1と同様、印字及び画像剥離を繰り返したが、画像剥離性が低下することなく、画像記録体を再生することができた。
(実施例7)
熱溶融性樹脂(1)100部を酢酸エチル200部に入れて撹拌し溶解した。また、酢酸エチル80部にアミノ変性シリコーンオイル(商品名:KF867、信越化学社製)5部を撹拌し、さらにメチルトリイソシアネートシラン5部を撹拌し、離型剤溶液を得た。これら2つの溶液を撹拌して画像剥離層用塗工液を調製した。
【0100】
この画像剥離層用塗工液を用い、得られた塗膜を100℃で10分間乾燥して厚さが100μmの画像剥離層を得た以外は実施例6と同様の方法で画像剥離ベルトを得た。
【0101】
これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離層の厚さが常に100μmになるようにブレードの位置を調整した。
【0102】
実施例1と同様、画像剥離ベルトを加熱せずに駆動させたが、画像剥離層がポリイミドから脱落したり、剥がれることはなかった。また、実施例1と同様に印字と画像剥離を繰り返したが、画像剥離性が低下することなく画像記録体を再生することができた。
【0103】
【発明の効果】
本発明は、耐熱性基材と画像剥離層との間に特定の接着層を設けたため、オフィスや家庭で容易に画像記録体を再生でき、長期にわたって良好な画像剥離性能を維持できる画像剥離部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像剥離部材の構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の画像剥離部材を用いた画像剥離装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 画像剥離ベルト
2 耐熱性基材
3 接着層
4 画像剥離層

Claims (10)

  1. 画像記録体上の画像形成材料を加熱及び加圧しながら該画像記録体から該画像形成材料を剥離する画像剥離部材において、該画像剥離部材が耐熱性基材、接着層、及び画像剥離層から構成され、該接着層が該耐熱性基材を構成する材料と熱溶融性樹脂とを含有し、該画像剥離層が該画像形成材料に対して親和性を有する材料を含有することを特徴とする画像剥離部材。
  2. 前記熱溶融性樹脂が前記親和性を有する材料であることを特徴とする請求項1に記載の画像剥離部材。
  3. 前記耐熱性基材の形状がベルト状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像剥離部材。
  4. 前記耐熱性基材がポリイミド樹脂の無端ベルトであることを特徴とする請求項3に記載の画像剥離部材。
  5. 前記親和性を有する材料が感圧接着剤及び熱溶融性材料の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の画像剥離部材。
  6. 前記画像剥離層が離型性材料をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像剥離部材。
  7. 前記離型性材料が、有機珪素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンオイル及びワックスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像剥離部材。
  8. 前記画像剥離層に含有される前記離型性材料の量が5〜80重量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像剥離部材。
  9. 前記親和性を有する材料が前記画像形成材料であることを特徴とする請求項1に記載の画像剥離部材。
  10. 前記画像剥離層の厚さが10〜300μmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像剥離部材。
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