JP3743175B2 - 再生可能な画像記録体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式または熱転写方式等による画像形成に使用される用紙等の画像記録体に関する。さらに詳しくは、本発明は、インク等の画像形成材料が定着した基材から画像形成材料を除去する手段を具備する画像形成装置を利用して、画像形成材料による画像の形成及び除去を繰り返し行うことができる再生可能な画像記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題が表面化するに伴って森林資源保護の重要性が認識され、紙原料としての木材資源の利用削減が重要な課題となっている。現在、木材の利用削減対策の一環として、使用済みの用紙等は、ゴミとして廃棄されることなく、古紙として再利用を計ることが推進されている。しかし、古紙の再生は、重要な資源の回収方法であるが、再生紙として利用できるようにするまでには数多くの問題を抱えている。例えば、古紙の回収過程において、特に企業では、機密文書やデータの漏洩問題、紙の種類による分別回収等の作業や運搬、回収された古紙の集積場所や管理等に数多くの問題がある。また、古紙再生には、再度パルプ化させる過程においてパルプ繊維が短くなって再生紙の品質低下を招いたり、画像部分のインキ等を脱墨するための装置を設ける必要がある。
【0003】
加えて、抄紙装置は、それ自体が巨大なものである上に、複雑かつ高価なものであるから、紙の再生は個人では到底対応することができず、ある特定企業に依存せざるを得ないのが実情である。また、これらの分別回収、運搬、集積及び巨大装置の稼働等が効率的に行われないと、エネルギーが大量に消費されてCO2 の排出量が多くなり、ひいては地球環境問題の一つとなっているCO2 の発生量増加に伴う地球温暖化現象を、さらに助長させることになりかねない。
【0004】
このような問題を解決するものとして、一度使用された用紙上の画像を消去して再生させる方法が提案されており、具体的には、次のような方法がある。まず、特開平2−55195号公報には、プラスチック、金属、液透過性のない紙或いはセラミックを画像支持体とし、その表面にシリコーンシール剤と呼ばれるシリコーンゴムの離型剤を塗布して皮膜を設けた画像消去可能な印刷体が開示されている。この画像消去方法は、支持体上に熱溶融性インキで形成された画像を、熱溶融性剥離体を介在させて加熱・加圧し、その冷却後に画像を剥離体側に付着させ、支持体から剥ぎ取るものである。
【0005】
しかし、この方法では、離型剤が皮膜に移行することがあり、画像形成装置内を搬送する際に搬送ローラー等の接触部分に離型剤の一部が付着して滑り易くなるため、紙詰まりが起きたり、それを繰り返すと装置内で浮遊するトナーが印刷体に付着して画像面を汚染させる等の原因になる。また、その離型剤の移行を減らすには、薄い皮膜にして表面平滑性の高い支持体から熱溶融性インキが剥離することが望ましく、そのため、この公報ではペット(PET)フィルムやラミネートフィルム等の平滑度の高い基材が用いられている。しかし、この方法では、上記のように移行性の離型剤が用いられていることから、繰り返し再生処理を行うと皮膜の離型剤が剥がれて再生能力が劣化する。つまり、支持体に離型剤を付着させたものでは、その結合が弱く、その移行を防止することはできない。それゆえ、この方法は、皮膜の移行防止性、画像の定着性及びその再利用性が不十分である。
【0006】
また、特開平5−216376号公報には、記録面に離型剤を塗布した記録紙を使用し、画像消去時に記録紙をオフセットし易い材料からなる媒体に圧接して画像を構成するトナーを転移・除去する記録体が開示されている。この離型剤には、シリコーンオイル、フッ化オイル、その他脂肪族系オイル等が用いられる。しかし、これらのオイルが十分なトナーの離型効果を示すようになるには、記録紙が透明性を呈するまで高濃度に塗布する必要があり、その結果、紙のイメージが損なわれた低品質の記録紙になる。また、定着性に劣ることから単に人手等で擦られるのみでも、画像部分が容易に剥がれるようになり、記録保存性が低下する。さらに、それらの離型剤は移行性があり、前記公報について述べたと同様の問題もある。
【0007】
さらに、特開平6−219068号公報には、加熱により画像形成材料との密着性が低下する熱変性材料、例えば、含フッ素アクリレート材料を記録紙に塗布または含浸させて再生させた記録紙が開示されている。また、その画像の定着は、加圧のみで行われている。この方法は、含フッ素アクリレートを塗布或いは含浸させるから十分な剥離性が得られるが、基材と記録紙との密着性が低いために移行し、複写機装置内に通紙する際に紙送りローラと記録紙が滑り易くなり、記録紙詰まりや位置ずれによる印字不良が発生する恐れがある。このような理由から、記録紙上の一部に熱変性材料を塗布または含浸させない領域を作成することが必要となるため、記録紙の製造が容易でなく、また、その製造コストが上昇する。また、現在一般に使用されている電子写真方式の複写機では、記録紙に熱と圧力を加えて画像形成材料を定着させており、圧力のみの画像定着方法を採用することは極めて汎用性が低いという難点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実情に鑑みて、それらの問題を解決することを目的としてなされたものである。
すなわち、本発明の目的は、使用済みの画像記録体の再生を、個人的にその場で容易に行うことができる再生可能な画像記録体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、低濃度の離型剤を用いて表面処理することにより画像記録体の表面を平滑にすると共に、画像形成材料の良好な画質と定着性を保持させながら、画像記録体の表面を損傷させることなく画像形成材を容易に除去できる再生可能な画像記録体を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、離型材料の実質的な移行がなく、画像記録装置内における良好な用紙搬送性を有する画像記録体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、再生可能な画像記録体について鋭意研究を重ねた結果、画像記録体表面の画像形成部に低濃度の特定材料を用いた処理を行うことにより、上記した目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の再生可能な画像記録体は、植物繊維を主成分とする材料で表面部を形成された基材の表面が、(a)式:−(CF 2 −CF 2 )−で表されるモノマー単位と下記一般式(I)で表されるモノマー単位とよりなる共重合体および(b)下記一般式( II )で表される繰り返し構造単位を有する重合体から選ばれる耐熱性を有する非晶質フッ素樹脂を含有することを特徴とする。
【0010】
【化3】
(式中、R1 及びR2 は、それぞれフッ素原子又はCF3 を示し、p=1−r(rは0または1である。)、qは1〜3の整数である。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における画像記録体は、表面に画像の形成とその形成された画像の除去とを容易に行うことができる再生可能なものである。その基材としては、従来より画像の記録体として用いられている如何なるものも使用可能であり、例えば、各種の天然繊維類、なかでも植物繊維を素材とする紙類、無機物質類、合成樹脂フィルム等の合成樹脂類、金属類、又はそれらの複合体等が挙げられるが、これらの基材の表面部は、植物繊維を主成分とする材料により形成されていることが必要である。
【0012】
本発明において、基材の表面部に用いられる上記の植物繊維を主成分とする材料としては、植物から用紙等の画像記録体として利用できる繊維状物を採取できるものであり、代表的なものとしてパルプ繊維が挙げられる。
【0013】
本発明には各種のパルプ繊維を使用することができるが、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理したものが挙げられ、晒し工程を経て作成された晒ケミカルパルプが好ましく、なかでも白色度の高いものが好ましい。また、古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等において発生する裁落、損紙、幅落としされた古紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、及び水性、油性インクや鉛筆等により筆記した古紙、新聞古紙を解離した後、それぞれの古紙に最適な方法を用いて脱墨した古紙パルプ、比較的脱墨が容易な平板印刷された古紙パルプが好ましく、それらのなかでも、白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0014】
本発明の画像記録体は、植物繊維を主成分として含有する基材の表面部を、上記の耐熱性を有する非晶質フッ素樹脂で処理し、画像記録材料に対して離型性を付与させたものである。
本発明に用いる上記のフッ素樹脂は、画像形成時の加熱定着に耐え得る程度の耐熱性を有するものであり、ガラス転移温度としては100℃以上、好ましくは105℃以上のものであるとともに、有機溶媒に溶解するものであって、全く結晶化しないか殆ど結晶化することのない、通常アモルファスと呼ばれる非晶質のものである。また、このフッ素樹脂は、透明性が高く、耐候性及び耐薬品性等に優れた特性を有するものである。
【0016】
本発明において、前記(a)の共重合体は、パーフルオロエチレンとパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)とを原料モノマーとして共重合により得られる共重合体であり、例えば、商品名:テフロンAF1600(Tg:160℃、デュポン社製)、テフロンAF2400(Tg:240℃、デュポン社製)等が挙げられる。上記共重合体は、上記原料モノマー比を変更することによって種々の成分比のものが得られるが、なかでも、−(CF2−CF2)−で表されるモノマー成分のモル比が一般式(I)で表されるモノマー成分のモル比より大きいものが好ましい。
【0017】
また、前記(b)の重合体は、式:
CF2 =CF−O−(CF2 )x −CF=CF2 (xは1〜3の整数である。)で示されるアルケニル基とビニルエーテル基を有するパーフルオロモノマーの環化重合により得られる重合体であり、具体的には、商品名:サイトップCTL−109M、サイトップCTL−107X、サイトップCTL−107M(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。これらのサイトップは、ガラス転移温度(Tg)が108℃のものである。
【0018】
上記した非晶質フッ素樹脂は、基材表面の凹凸または繊維間の間隙を必要以上に埋めることがなく、基材の表面に均一な離型性を付与できるものである上に、植物繊維、特にパルプとの密着性が良好なものであるから、画像形成材料に対しては剥離性を有するが、基材から樹脂皮膜自体は離脱することがない。つまり、この非晶質フッ素樹脂は、他に移行しないから薄い皮膜上の画像形成材料の十分な剥離を容易に行うことができるばかりでなく、半永久的にその効果は損なわれることがないものであり、再生可能な画像記録体の形成に好適である。
【0019】
本発明の画像記録体は、上記パルプ等の植物繊維で抄紙された画像記録体の植物繊維の表面に、画像形成材料との離型性が良好であり、しかも、植物繊維、特にパルプ繊維の主成分であるセルロースと密着性に優れた表面を設けることにより、定着時において溶融した画像形成材料が必要以上に浸み込むのを防止できるとともに、剥離時においては画像形成材料の残量を削減できるという利点がある。一般に、記録用紙の表面に離型性処理を施すと、記録用紙上への画像形成材料の定着性が低下する傾向にあるが、本発明によれば、用紙表面に適度な凹凸や粗さがあれば十分な定着性を保持させることができる。
【0020】
従来より、耐熱性フッ素樹脂としては、通常フルオロオレフィン系樹脂、具体的には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテル等が知られているが、これらは、殆ど溶剤に溶解することなく、微細粒子として得られるに過ぎないものであるから、用紙表面に均一に加工できないばかりでなく、粒子の状態が保持されているから基材との密着性が低くなり、離型剤として用いるには不適当である。
【0021】
本発明に使用する上記のフッ素樹脂は、フッ素系溶剤に容易に溶解する溶剤可溶型のものであり、基材表面を、均一にムラなく容易に加工することができるものである。そこで、本発明において基材表面に均一に離型性を付与させるには、上記のフッ素樹脂を適当な溶剤に溶解させたフッ素樹脂溶液を基材表面に塗布するか、或いはその溶液に基材表面を含浸させる方法が好ましい。また、フッ素樹脂溶液の調整に用いるフッ素系溶剤としては、フッ素含有炭化水素が用いられ、パーフロロ炭化水素、具体的には、ハイドロフロロカーボン(商品名:バートレルXF、三井・デュポンフロロケミカル社製)等が挙げられる。
【0022】
その樹脂溶液を基材表面に塗布或いは含浸させるには、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロッドバーコーティング法、ロールコーティング法等の公知方法が適用できる。さらに、塗布後の基材表面を乾燥させるには、風乾でもよいが熱乾燥も可能である。また、オーブンに入れるか、オーブンに通すか、加熱ローラに接触させる等の通常使用される塗布層の乾燥方法が適用できる。
【0023】
また、本発明において、画像形成材料に離型性を持たせた画像記録体を使用し、画像を形成した記録紙から画像形成材料を除去する方法は、画像形成材料が画像記録用紙上に形成された方法と同様であることが原理的にも好ましい。このことは、例えば、熱転写方式や電子写真方式において画像形成材料を熱等を利用して用紙上に定着させて画像形成しているが、一度定着させた画像を再度加熱すると用紙上の画像形成材料が溶融し、用紙から除去させ易くなる。したがって、画像形成装置内の定着装置が、剥離装置としても兼用することができれば、特殊な装置を別途設けなくとも、画像形成装置それ自体が画像除去装置として利用できるという利点があり、別に剥離装置を設置する方法に比べると、スペースの有効利用を計ることができる。
【0024】
また、画像形成材料を除去する補助手段として、画像形成材料を溶解させる有機溶剤、さらに紙繊維と画像形成材料との結合を弱めるために界面活性剤等を混入した水溶液、有機溶剤等を画像記録紙に含浸させる方法、それらに加えて物理的作用、例えば、超音波振動等を利用して画像形成材料を除去させる方法等も適宜採用することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における「部」は、重量部を意味する。
実施例1
前記(a)の共重合体に含まれるフッ素樹脂(商品名:テフロンAF1600、Tg:160℃、デュポン社製)5部を、ハイドロフロロカーボン(商品名:バートレルXF、三井・デュポンフロロケミカル社製)495部に撹拌しながら、溶解させた塗布液を調整した。この塗布液を用いてゼロックス用J紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で10分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。
【0026】
得られた記録用紙上に、カラー複写機(A color635:富士ゼロックス社製)を用いて、文字やベタ画像を含むカラー画像を定着させるとともに、白黒モードで1000枚の連続複写を行って走行性の確認を行った。また、その記録用紙上に、各種筆記具による筆記性についてもテストし、評価した。○:筆記性が良好なもの。△:多少のかすれはあるが問題のないレベルのもの。
トナー定着性の評価は、上記カラー複写機によって定着された画像を、X−Rite938濃度計(X−Rite社製)で測定した濃度約1.8のベタ画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(セロハンテープ、ニチバン社製)を300g/cmの線圧で張り付けた。次に、粘着テープを10mm/sec.の速度で剥がした際の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下、「OD比」と略す。)を指標として評価した(OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度)。なお、電子写真用の記録用紙としては、OD比で0.8以上のトナー定着性を有するものが必要である。
走行性の評価は、1000枚を片面通紙した時の重送とジャムの発生枚数により評価した。なお、電子写真用の記録用紙としては、その発生枚数が2枚以下であるものが望ましい。
【0027】
次に、上記方法により画像が記録された記録用紙から画像を除去して再生させるために、上記カラー複写機の定着器に設けられているシリコーンゴムを表面層とするヒートロールを、フッ素系ゴムを表面層とするヒートロールに交換し、さらに、そのヒートロール上には用紙からトナーを掻き取り剥離させるための金属ブレードを装着した。このカラー複写機に、画像が記録された記録用紙[白紙 (無地)複写したもの]を、単に上記定着器に通紙するだけで、トナーが除去された画像記録用紙を再生することができた。
トナー除去後の再生用紙上の残存トナーの評価は、トナー定着性の評価と同様に、OD比を指標として行った。なお、残存トナーが無視できる画像濃度としては、OD比が0.08以下であることが望ましい。
さらに、これらの用紙上に画像記録及び用紙上の画像除去を10回繰り返し行った後について、トナー定着性及びトナー除去後の再生用紙上の残存トナー量の評価を行って繰り返し安定性を確認した。
【0028】
実施例2
前記(a)の共重合体に含まれるフッ素樹脂(商品名:テフロンAF2400、Tg:240℃、デュポン社製)10部を、ハイドロフロロカーボン(商品名:バートレルXF、三井・デュポンフロロケミカル社製)490部に撹拌しながら、溶解させた塗布液を調整した。この塗布液を用いてゼロックス用古紙Green100紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で10分間オーブンで熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、実施例1と同様な方法で評価を行った。
【0029】
実施例3
前記(b)の重合体に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイトップCTL−109M、Tg:108℃、旭硝子社製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF5060、住友スリーエム社製)で希釈して濃度2重量%に調整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用古紙WR紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で5分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、実施例1と同様な方法で評価を行った。
【0030】
実施例4
前記(b)の重合体に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイトップCTX−107A、Tg:108℃、旭硝子社製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF5060、住友スリーエム社製)で希釈して濃度1重量%に調整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用JD紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で1分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、実施例1と同様な方法で評価を行った。
【0031】
実施例5
前記(b)の重合体に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイトップCTL−107M、Tg:108℃、旭硝子社製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF5060、住友スリーエム社製)で希釈して濃度1重量%に調整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用JD紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で1分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、実施例1と同様な方法で評価を行った。
上記実施例1〜5で得られた評価結果を、表1に示す。
【0032】
【表1】
実施例6〜10
実施例1〜5で得られた各塗布液を用いて、タルクを多量に含むファインPPC用紙A4判(紀州製紙社製)に、実施例1と同様な方法で再生可能な画像記録用紙を作製した。得られた各々の画像記録用紙を使用し、複写機内における感光体表面へのタルク移行性について評価を行った。また、感光体に接しているクリーナーシステムを取り外した改造複写機Vivace500(富士ゼロックス社製)にて、28℃、85%RHの環境下で、これら画像記録用紙を1000枚通紙し、走行性の確認を行った。通紙後の感光体表面と通常の複写機Vivace500について、その感光体の画質を確認した結果、感光体の表面には、汚れがなく、画質も全く問題のないものであった。一方、記録した画像を再生するにあたり、通常の複写機Vivace500を用いて、文字やベタ画像を含む白黒画像を定着させるとともに、上記複写機の定着器について、シリコーンゴムを表面層とするヒートロールを、実施例1と同様のフッ素系ゴムを表面層とするヒートロールに交換し、さらに、そのヒートロール上には用紙からトナーを掻き取り剥離させるるための金属ブレードを装着した。このカラー複写機に、画像が記録された記録用紙を[白紙(無地)複写したもの]を、単に上記定着器に通紙するだけで、いずれもトナーが除去された画像記録用紙を再生することができた。得られた結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
比較例1
実施例6に用いたと同じファインPPC用紙を、未処理の状態で使用して、実施例6と同様な方法で評価を行ったところ、記録用紙の再生はできなかったことはもちろんのこと、複写機内の感光体の表面には、薄白い皮膜のようなものが付着していた。この感光体の画質について目視により確認した結果、画像上に像流れ現象が発生していて、文字や絵はまったく判別できない状態だった。表面の薄白い皮膜のようなものは、分析したところ、その殆どがファインPPC用紙に含まれているタルクであることが判明した。
【0034】
【発明の効果】
本発明の画像記録体は、画像形成材料に対して普通紙のイメージを損なうことなく画像形成できると共に、定着性と剥離性という相反する特性を十分満足できる程度に両立できるものであり、また、白黒の複写画像のみならず、カラーの複写画像、さらには、それらが全面ベタ画像として形成されているものでも十分に再生が可能である。
【0035】
本発明において基材表面に用いる非晶質フッ素樹脂は、移行性がなく記録用紙の構成材料を紙中に固定できるため、この記録用紙と接触する部材に悪影響を及ぼすことがなく、また画像形成とその消去という繰り返し安定性に極めて優れている。
【0036】
本発明の画像記録体は、記録再生が可能であり、記録された画像を個人的に容易に再生できるから、1枚複写当たりの紙単価を削減して経済的効果を向上させるのみならず、地球環境という視点に立っても紙資源の利用削減及び大気中へのCO2 の排出量削減(地球温暖化防止)という効果を有するものである。
Claims (2)
- 前記非晶質フッ素樹脂が、前記(a)の共重合体と、前記(b)の重合体を混合したものであることを特徴とする請求項1に記載の再生可能な画像記録体。
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