JP2000089500A - 再生可能な画像記録体 - Google Patents

再生可能な画像記録体

Info

Publication number
JP2000089500A
JP2000089500A JP10254725A JP25472598A JP2000089500A JP 2000089500 A JP2000089500 A JP 2000089500A JP 10254725 A JP10254725 A JP 10254725A JP 25472598 A JP25472598 A JP 25472598A JP 2000089500 A JP2000089500 A JP 2000089500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
image
pulp
image recording
preferable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10254725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3743175B2 (ja
Inventor
Tomoo Kobayashi
智雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP25472598A priority Critical patent/JP3743175B2/ja
Publication of JP2000089500A publication Critical patent/JP2000089500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743175B2 publication Critical patent/JP3743175B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低濃度の離型剤を用いる表面処理により、使
用済みの画像記録体の再生が個人的に容易に行うことの
できる再生可能な画像記録体を提供する。 【解決手段】 表面部を植物繊維を主成分とする材料に
より形成された基材の表面に、耐熱性を有する非晶質フ
ッ素樹脂を含有させることにより、容易に再生できる画
像記録体が得られる。その非晶質フッ素樹脂は、溶剤に
溶解した塗布液として用いるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式また
は熱転写方式等による画像形成に使用される用紙等の画
像記録体に関する。さらに詳しくは、本発明は、インク
等の画像形成材料が定着した基材から画像形成材料を除
去する手段を具備する画像形成装置を利用して、画像形
成材料による画像の形成及び除去を繰り返し行うことが
できる再生可能な画像記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題が表面化するに伴っ
て森林資源保護の重要性が認識され、紙原料としての木
材資源の利用削減が重要な課題となっている。現在、木
材の利用削減対策の一環として、使用済みの用紙等は、
ゴミとして廃棄されることなく、古紙として再利用を計
ることが推進されている。しかし、古紙の再生は、重要
な資源の回収方法であるが、再生紙として利用できるよ
うにするまでには数多くの問題を抱えている。例えば、
古紙の回収過程において、特に企業では、機密文書やデ
ータの漏洩問題、紙の種類による分別回収等の作業や運
搬、回収された古紙の集積場所や管理等に数多くの問題
がある。また、古紙再生には、再度パルプ化させる過程
においてパルプ繊維が短くなって再生紙の品質低下を招
いたり、画像部分のインキ等を脱墨するための装置を設
ける必要がある。
【0003】加えて、抄紙装置は、それ自体が巨大なも
のである上に、複雑かつ高価なものであるから、紙の再
生は個人では到底対応することができず、ある特定企業
に依存せざるを得ないのが実情である。また、これらの
分別回収、運搬、集積及び巨大装置の稼働等が効率的に
行われないと、エネルギーが大量に消費されてCO2
排出量が多くなり、ひいては地球環境問題の一つとなっ
ているCO2 の発生量増加に伴う地球温暖化現象を、さ
らに助長させることになりかねない。
【0004】このような問題を解決するものとして、一
度使用された用紙上の画像を消去して再生させる方法が
提案されており、具体的には、次のような方法がある。
まず、特開平2−55195号公報には、プラスチッ
ク、金属、液透過性のない紙或いはセラミックを画像支
持体とし、その表面にシリコーンシール剤と呼ばれるシ
リコーンゴムの離型剤を塗布して皮膜を設けた画像消去
可能な印刷体が開示されている。この画像消去方法は、
支持体上に熱溶融性インキで形成された画像を、熱溶融
性剥離体を介在させて加熱・加圧し、その冷却後に画像
を剥離体側に付着させ、支持体から剥ぎ取るものであ
る。
【0005】しかし、この方法では、離型剤が皮膜に移
行することがあり、画像形成装置内を搬送する際に搬送
ローラー等の接触部分に離型剤の一部が付着して滑り易
くなるため、紙詰まりが起きたり、それを繰り返すと装
置内で浮遊するトナーが印刷体に付着して画像面を汚染
させる等の原因になる。また、その離型剤の移行を減ら
すには、薄い皮膜にして表面平滑性の高い支持体から熱
溶融性インキが剥離することが望ましく、そのため、こ
の公報ではペット(PET)フィルムやラミネートフィ
ルム等の平滑度の高い基材が用いられている。しかし、
この方法では、上記のように移行性の離型剤が用いられ
ていることから、繰り返し再生処理を行うと皮膜の離型
剤が剥がれて再生能力が劣化する。つまり、支持体に離
型剤を付着させたものでは、その結合が弱く、その移行
を防止することはできない。それゆえ、この方法は、皮
膜の移行防止性、画像の定着性及びその再利用性が不十
分である。
【0006】また、特開平5−216376号公報に
は、記録面に離型剤を塗布した記録紙を使用し、画像消
去時に記録紙をオフセットし易い材料からなる媒体に圧
接して画像を構成するトナーを転移・除去する記録体が
開示されている。この離型剤には、シリコーンオイル、
フッ化オイル、その他脂肪族系オイル等が用いられる。
しかし、これらのオイルが十分なトナーの離型効果を示
すようになるには、記録紙が透明性を呈するまで高濃度
に塗布する必要があり、その結果、紙のイメージが損な
われた低品質の記録紙になる。また、定着性に劣ること
から単に人手等で擦られるのみでも、画像部分が容易に
剥がれるようになり、記録保存性が低下する。さらに、
それらの離型剤は移行性があり、前記公報について述べ
たと同様の問題もある。
【0007】さらに、特開平6−219068号公報に
は、加熱により画像形成材料との密着性が低下する熱変
性材料、例えば、含フッ素アクリレート材料を記録紙に
塗布または含浸させて再生させた記録紙が開示されてい
る。また、その画像の定着は、加圧のみで行われてい
る。この方法は、含フッ素アクリレートを塗布或いは含
浸させるから十分な剥離性が得られるが、基材と記録紙
との密着性が低いために移行し、複写機装置内に通紙す
る際に紙送りローラと記録紙が滑り易くなり、記録紙詰
まりや位置ずれによる印字不良が発生する恐れがある。
このような理由から、記録紙上の一部に熱変性材料を塗
布または含浸させない領域を作成することが必要となる
ため、記録紙の製造が容易でなく、また、その製造コス
トが上昇する。また、現在一般に使用されている電子写
真方式の複写機では、記録紙に熱と圧力を加えて画像形
成材料を定着させており、圧力のみの画像定着方法を採
用することは極めて汎用性が低いという難点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した実情に鑑みて、それらの問題を解決す
ることを目的としてなされたものである。すなわち、本
発明の目的は、使用済みの画像記録体の再生を、個人的
にその場で容易に行うことができる再生可能な画像記録
体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
低濃度の離型剤を用いて表面処理することにより画像記
録体の表面を平滑にすると共に、画像形成材料の良好な
画質と定着性を保持させながら、画像記録体の表面を損
傷させることなく画像形成材を容易に除去できる再生可
能な画像記録体を提供することにある。さらに、本発明
の他の目的は、離型材料の実質的な移行がなく、画像記
録装置内における良好な用紙搬送性を有する画像記録体
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、再生可能
な画像記録体について鋭意研究を重ねた結果、画像記録
体表面の画像形成部に低濃度の特定材料を用いた処理を
行うことにより、上記した目的が達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の再
生可能な画像記録体は、植物繊維を主成分とする材料で
表面部を形成された基材の表面が、耐熱性を有する非晶
質フッ素樹脂を含有することを特徴とする。その非晶質
フッ素樹脂は、主鎖に含フッ素脂肪族構造及び環構造を
有するものであることが好ましく、また、その植物繊維
としては、パルプ繊維であることが好ましい。
【0010】本発明に用いられる非晶質フッ素樹脂とし
ては、下記一般式(I)で表される繰り返し構造単位を
有する共重合体及び/又は下記一般式(II)で表わされ
る繰り返し構造単位を有する重合体を用いることが好ま
しい。
【化3】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれフッ素原子又はCF
3 を示す。)
【化4】 (式中、p及びrは、それぞれ0又は1であり、qは0
〜3の整数である。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における画像記録体は、表面に画像の形成
とその形成された画像の除去とを容易に行うことができ
る再生可能なものである。その基材としては、従来より
画像の記録体として用いられている如何なるものも使用
可能であり、例えば、各種の天然繊維類、なかでも植物
繊維を素材とする紙類、無機物質類、合成樹脂フィルム
等の合成樹脂類、金属類、又はそれらの複合体等が挙げ
られるが、これらの基材の表面部は、植物繊維を主成分
とする材料により形成されていることが必要である。
【0012】本発明において、基材の表面部に用いられ
る上記の植物繊維を主成分とする材料としては、植物か
ら用紙等の画像記録体として利用できる繊維状物を採取
できるものであり、代表的なものとしてパルプ繊維が挙
げられる。
【0013】本発明には各種のパルプ繊維を使用するこ
とができるが、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒
クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒
亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒ク
ラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等
の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理したものが
挙げられ、晒し工程を経て作成された晒ケミカルパルプ
が好ましく、なかでも白色度の高いものが好ましい。ま
た、古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁
断所等において発生する裁落、損紙、幅落としされた古
紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離
した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質
コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写
真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジ
ェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、
及び水性、油性インクや鉛筆等により筆記した古紙、新
聞古紙を解離した後、それぞれの古紙に最適な方法を用
いて脱墨した古紙パルプ、比較的脱墨が容易な平板印刷
された古紙パルプが好ましく、それらのなかでも、白色
度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0014】次に、本発明の画像記録体は、植物繊維を
主成分として含有する基材の表面部を、耐熱性を有する
非晶質フッ素樹脂で処理し、画像記録材料に対して離型
性を付与させたものである。本発明に用いるフッ素樹脂
は、画像形成時の加熱定着に耐え得る程度の耐熱性を有
するものであり、ガラス転移温度としては100℃以
上、好ましくは105℃以上のものであるとともに、有
機溶媒に溶解するものであって、全く結晶化しないか殆
ど結晶化することのない、通常アモルファスと呼ばれる
非晶質のものである。また、このフッ素樹脂は、透明性
が高く、耐候性及び耐薬品性等に優れた特性を有するも
のである。
【0015】本発明において使用する非晶質フッ素樹脂
は、主鎖に含フッ素脂肪族構造及び環構造を有するもの
が好ましく、なかでも、下記一般式(I)で表される繰
り返し構造単位を有する共重合体、下記一般式(II)で
表される繰り返し構造単位を有する重合体又はそれらの
混合物であることが好ましい。
【0016】
【化5】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれフッ素原子又はCF
3 を示す。) 一般式(I)で表されるフッ素樹脂は、上記の繰り返し
構造単位として示されるパーフルオロエチレン(式中の
n成分)とパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソール)(式中のm成分)とを原料モノマーとす
る重合に得られる共重合体であり、例えば、商品名:テ
フロンAF1600(Tg:160℃、デュポン社
製)、テフロンAF2400(Tg:240℃、デュポ
ン社製)等が挙げられる。一般式(I)で表される共重
合体は、上記原料モノマー比を変更することによって種
々の成分比のものが得られるが、なかでも、n成分がm
成分より大きいもの(n>m)が好ましい。
【0017】
【化6】 (式中、p及びrは、それぞれ0又は1であり、qは0
〜3の整数である。)また、一般式(II)で表されるフ
ッ素樹脂は、式: CF2 =CF−O−(CF2 x −CF=CF2 (xは
1〜3の整数である。) で示されるアルケニル基とビニルエーテル基を有するパ
ーフルオロモノマーの環化重合により得られる重合体で
あり、具体的には、商品名:サイトップCTL−109
M、サイトップCTL−107X、サイトップCTL−
107M(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。これら
のサイトップは、ガラス転移温度(Tg)が108℃の
ものである。
【0018】上記した非晶質フッ素樹脂は、基材表面の
凹凸または繊維間の間隙を必要以上に埋めることがな
く、基材の表面に均一な離型性を付与できるものである
上に、植物繊維、特にパルプとの密着性が良好なもので
あるから、画像形成材料に対しては剥離性を有するが、
基材から樹脂皮膜自体は離脱することがない。つまり、
この非晶質フッ素樹脂は、他に移行しないから薄い皮膜
上の画像形成材料の十分な剥離を容易に行うことができ
るばかりでなく、半永久的にその効果は損なわれること
がないものであり、再生可能な画像記録体の形成に好適
である。
【0019】本発明の画像記録体は、上記パルプ等の植
物繊維で抄紙された画像記録体の植物繊維の表面に、画
像形成材料との離型性が良好であり、しかも、植物繊
維、特にパルプ繊維の主成分であるセルロースと密着性
に優れた表面を設けることにより、定着時において溶融
した画像形成材料が必要以上に浸み込むのを防止できる
とともに、剥離時においては画像形成材料の残量を削減
できるという利点がある。一般に、記録用紙の表面に離
型性処理を施すと、記録用紙上への画像形成材料の定着
性が低下する傾向にあるが、本発明によれば、用紙表面
に適度な凹凸や粗さがあれば十分な定着性を保持させる
ことができる。
【0020】従来より、耐熱性フッ素樹脂としては、通
常フルオロオレフィン系樹脂、具体的には、テトラフル
オロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフ
ルオロプロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテ
ル等が知られているが、これらは、殆ど溶剤に溶解する
ことなく、微細粒子として得られるに過ぎないものであ
るから、用紙表面に均一に加工できないばかりでなく、
粒子の状態が保持されているから基材との密着性が低く
なり、離型剤として用いるには不適当である。
【0021】本発明に使用する上記のフッ素樹脂は、フ
ッ素系溶剤に容易に溶解する溶剤可溶型のものであり、
基材表面を、均一にムラなく容易に加工することができ
るものである。そこで、本発明において基材表面に均一
に離型性を付与させるには、上記のフッ素樹脂を適当な
溶剤に溶解させたフッ素樹脂溶液を基材表面に塗布する
か、或いはその溶液に基材表面を含浸させる方法が好ま
しい。また、フッ素樹脂溶液の調整に用いるフッ素系溶
剤としては、フッ素含有炭化水素が用いられ、パーフロ
ロ炭化水素、具体的には、ハイドロフロロカーボン(商
品名:バートレルXF、三井・デュポンフロロケミカル
社製)等が挙げられる。
【0022】その樹脂溶液を基材表面に塗布或いは含浸
させるには、ブレードコーティング法、マイヤーバーコ
ーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティ
ング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティ
ング法、カーテンコーティング法、ロッドバーコーティ
ング法、ロールコーティング法等の公知方法が適用でき
る。さらに、塗布後の基材表面を乾燥させるには、風乾
でもよいが熱乾燥も可能である。また、オーブンに入れ
るか、オーブンに通すか、加熱ローラに接触させる等の
通常使用される塗布層の乾燥方法が適用できる。
【0023】また、本発明において、画像形成材料に離
型性を持たせた画像記録体を使用し、画像を形成した記
録紙から画像形成材料を除去する方法は、画像形成材料
が画像記録用紙上に形成された方法と同様であることが
原理的にも好ましい。このことは、例えば、熱転写方式
や電子写真方式において画像形成材料を熱等を利用して
用紙上に定着させて画像形成しているが、一度定着させ
た画像を再度加熱すると用紙上の画像形成材料が溶融
し、用紙から除去させ易くなる。したがって、画像形成
装置内の定着装置が、剥離装置としても兼用することが
できれば、特殊な装置を別途設けなくとも、画像形成装
置それ自体が画像除去装置として利用できるという利点
があり、別に剥離装置を設置する方法に比べると、スペ
ースの有効利用を計ることができる。
【0024】また、画像形成材料を除去する補助手段と
して、画像形成材料を溶解させる有機溶剤、さらに紙繊
維と画像形成材料との結合を弱めるために界面活性剤等
を混入した水溶液、有機溶剤等を画像記録紙に含浸させ
る方法、それらに加えて物理的作用、例えば、超音波振
動等を利用して画像形成材料を除去させる方法等も適宜
採用することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例における「部」は、重量部
を意味する。 実施例1 前記一般式(I)に含まれるフッ素樹脂(商品名:テフ
ロンAF1600、Tg:160℃、デュポン社製)5
部を、ハイドロフロロカーボン(商品名:バートレルX
F、三井・デュポンフロロケミカル社製)495部に撹
拌しながら、溶解させた塗布液を調整した。この塗布液
を用いてゼロックス用J紙A4判(富士ゼロックス社
製)にロールコーティングにより塗布し、10分間風乾
させた後、115℃で10分間オーブン中で熱乾燥させ
ることにより再生可能な画像記録用紙を作製した。
【0026】得られた記録用紙上に、カラー複写機(A
color635:富士ゼロックス社製)を用いて、
文字やベタ画像を含むカラー画像を定着させるととも
に、白黒モードで1000枚の連続複写を行って走行性
の確認を行った。また、その記録用紙上に、各種筆記具
による筆記性についてもテストし、評価した。○:筆記
性が良好なもの。△:多少のかすれはあるが問題のない
レベルのもの。トナー定着性の評価は、上記カラー複写
機によって定着された画像を、X−Rite938濃度
計(X−Rite社製)で測定した濃度約1.8のベタ
画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(セロ
ハンテープ、ニチバン社製)を300g/cmの線圧で
張り付けた。次に、粘着テープを10mm/sec.の
速度で剥がした際の、剥離前の画像濃度に対する剥離後
の画像濃度の比(以下、「OD比」と略す。)を指標と
して評価した(OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画
像濃度)。なお、電子写真用の記録用紙としては、OD
比で0.8以上のトナー定着性を有するものが必要であ
る。走行性の評価は、1000枚を片面通紙した時の重
送とジャムの発生枚数により評価した。なお、電子写真
用の記録用紙としては、その発生枚数が2枚以下である
ものが望ましい。
【0027】次に、上記方法により画像が記録された記
録用紙から画像を除去して再生させるために、上記カラ
ー複写機の定着器に設けられているシリコーンゴムを表
面層とするヒートロールを、フッ素系ゴムを表面層とす
るヒートロールに交換し、さらに、そのヒートロール上
には用紙からトナーを掻き取り剥離させるための金属ブ
レードを装着した。このカラー複写機に、画像が記録さ
れた記録用紙[白紙(無地)複写したもの]を、単に上
記定着器に通紙するだけで、トナーが除去された画像記
録用紙を再生することができた。トナー除去後の再生用
紙上の残存トナーの評価は、トナー定着性の評価と同様
に、OD比を指標として行った。なお、残存トナーが無
視できる画像濃度としては、OD比が0.08以下であ
ることが望ましい。さらに、これらの用紙上に画像記録
及び用紙上の画像除去を10回繰り返し行った後につい
て、トナー定着性及びトナー除去後の再生用紙上の残存
トナー量の評価を行って繰り返し安定性を確認した。
【0028】実施例2 前記一般式(I)に含まれるフッ素樹脂(商品名:テフ
ロンAF2400、Tg:240℃、デュポン社製)1
0部を、ハイドロフロロカーボン(商品名:バートレル
XF、三井・デュポンフロロケミカル社製)490部に
撹拌しながら、溶解させた塗布液を調整した。この塗布
液を用いてゼロックス用古紙Green100紙A4判
(富士ゼロックス社製)にロールコーティングにより塗
布し、10分間風乾させた後、115℃で10分間オー
ブンで熱乾燥させることにより再生可能な画像記録用紙
を作製した。得られた記録用紙について、実施例1と同
様な方法で評価を行った。
【0029】実施例3 前記一般式(II)に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイ
トップCTL−109M、Tg:108℃、旭硝子社
製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF506
0、住友スリーエム社製)で希釈して濃度2重量%に調
整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用
古紙WR紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコー
ティングにより塗布し、10分間風乾させた後、115
℃で5分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可
能な画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙につい
て、実施例1と同様な方法で評価を行った。
【0030】実施例4 前記一般式(II)に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイ
トップCTX−107A、Tg:108℃、旭硝子社
製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF506
0、住友スリーエム社製)で希釈して濃度1重量%に調
整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用
JD紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティ
ングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で
1分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な
画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、
実施例1と同様な方法で評価を行った。
【0031】実施例5 前記一般式(II)に含まれるフッ素樹脂(商品名:サイ
トップCTL−107M、Tg:108℃、旭硝子社
製)を、パーフルオロカーボン(商品名:PF506
0、住友スリーエム社製)で希釈して濃度1重量%に調
整した塗布液を得た。この塗布液を用いてゼロックス用
JD紙A4判(富士ゼロックス社製)にロールコーティ
ングにより塗布し、10分間風乾させた後、115℃で
1分間オーブン中で熱乾燥させることにより再生可能な
画像記録用紙を作製した。得られた記録用紙について、
実施例1と同様な方法で評価を行った。上記実施例1〜
5で得られた評価結果を、表1に示す。
【0032】
【表1】 実施例6〜10 実施例1〜5で得られた各塗布液を用いて、タルクを多
量に含むファインPPC用紙A4判(紀州製紙社製)
に、実施例1と同様な方法で再生可能な画像記録用紙を
作製した。得られた各々の画像記録用紙を使用し、複写
機内における感光体表面へのタルク移行性について評価
を行った。また、感光体に接しているクリーナーシステ
ムを取り外した改造複写機Vivace500(富士ゼ
ロックス社製)にて、28℃、85%RHの環境下で、
これら画像記録用紙を1000枚通紙し、走行性の確認
を行った。通紙後の感光体表面と通常の複写機Viva
ce500について、その感光体の画質を確認した結
果、感光体の表面には、汚れがなく、画質も全く問題の
ないものであった。一方、記録した画像を再生するにあ
たり、通常の複写機Vivace500を用いて、文字
やベタ画像を含む白黒画像を定着させるとともに、上記
複写機の定着器について、シリコーンゴムを表面層とす
るヒートロールを、実施例1と同様のフッ素系ゴムを表
面層とするヒートロールに交換し、さらに、そのヒート
ロール上には用紙からトナーを掻き取り剥離させるるた
めの金属ブレードを装着した。このカラー複写機に、画
像が記録された記録用紙を[白紙(無地)複写したも
の]を、単に上記定着器に通紙するだけで、いずれもト
ナーが除去された画像記録用紙を再生することができ
た。得られた結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 比較例1 実施例6に用いたと同じファインPPC用紙を、未処理
の状態で使用して、実施例6と同様な方法で評価を行っ
たところ、記録用紙の再生はできなかったことはもちろ
んのこと、複写機内の感光体の表面には、薄白い皮膜の
ようなものが付着していた。この感光体の画質について
目視により確認した結果、画像上に像流れ現象が発生し
ていて、文字や絵はまったく判別できない状態だった。
表面の薄白い皮膜のようなものは、分析したところ、そ
の殆どがファインPPC用紙に含まれているタルクであ
ることが判明した。
【0034】
【発明の効果】本発明の画像記録体は、画像形成材料に
対して普通紙のイメージを損なうことなく画像形成でき
ると共に、定着性と剥離性という相反する特性を十分満
足できる程度に両立できるものであり、また、白黒の複
写画像のみならず、カラーの複写画像、さらには、それ
らが全面ベタ画像として形成されているものでも十分に
再生が可能である。
【0035】本発明において基材表面に用いる非晶質フ
ッ素樹脂は、移行性がなく記録用紙の構成材料を紙中に
固定できるため、この記録用紙と接触する部材に悪影響
を及ぼすことがなく、また画像形成とその消去という繰
り返し安定性に極めて優れている。
【0036】本発明の画像記録体は、記録再生が可能で
あり、記録された画像を個人的に容易に再生できるか
ら、1枚複写当たりの紙単価を削減して経済的効果を向
上させるのみならず、地球環境という視点に立っても紙
資源の利用削減及び大気中へのCO2 の排出量削減(地
球温暖化防止)という効果を有するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面部を植物繊維を主成分とする材料に
    より形成された基材の表面が、耐熱性を有する非晶質フ
    ッ素樹脂を含有することを特徴とする再生可能な画像記
    録体。
  2. 【請求項2】 前記非晶質フッ素樹脂が、主鎖に含フッ
    素脂肪族構造及び環状構造を有するものであることを特
    徴とする請求項1記載の再生可能な画像記録体。
  3. 【請求項3】 前記非晶質フッ素樹脂が、下記一般式
    (I)で表される繰り返し構造単位を有する共重合体で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生可能
    な画像記録体。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれフッ素原子又はCF
    3 を示す。)
  4. 【請求項4】 前記非晶質フッ素樹脂が、下記一般式
    (II)で表される繰り返し構造単位を有する重合体であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の再生可能な
    画像記録体。 【化2】 (式中、p及びrは、それぞれ0又は1であり、qは0
    〜3の整数である。)
  5. 【請求項5】 前記非晶質フッ素樹脂が、一般式(I)
    で表される繰り返し構造単位を有する共重合体と一般式
    (II)で表される繰り返し構造単位を有する重合体を混
    合したものであることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の再生可能な画像記録体。
JP25472598A 1998-09-09 1998-09-09 再生可能な画像記録体 Expired - Fee Related JP3743175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25472598A JP3743175B2 (ja) 1998-09-09 1998-09-09 再生可能な画像記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25472598A JP3743175B2 (ja) 1998-09-09 1998-09-09 再生可能な画像記録体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000089500A true JP2000089500A (ja) 2000-03-31
JP3743175B2 JP3743175B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=17268992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25472598A Expired - Fee Related JP3743175B2 (ja) 1998-09-09 1998-09-09 再生可能な画像記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743175B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3743175B2 (ja) 2006-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3716515B2 (ja) 画像記録用紙
JP4117720B2 (ja) 記録体
JP3663833B2 (ja) 画像記録体の再生方法
JP4843234B2 (ja) 被記録材の画像形成物質除去装置
JP3469392B2 (ja) 再生可能な画像記録体
EP0852345A2 (en) Image stripping member, and image stripping apparatus and image stripping method using the image stripping member
JP3307205B2 (ja) 画像記録体の再生方法及びその装置
JP3313886B2 (ja) 被記録材の再生方法、再生装置および該再生方法に適した被記録材
JP2001056579A (ja) 画像記録体
JP2000089500A (ja) 再生可能な画像記録体
JP2003091090A (ja) 再生可能な画像記録体
JP3551632B2 (ja) 再生可能な画像記録用紙の再生方法
JP3690063B2 (ja) 再生可能な画像記録用紙
JP2002072530A (ja) 画像支持体およびその再生方法
JP3788059B2 (ja) 画像剥離部材
JP2000081719A (ja) 画像記録体及びそれを用いた画像記録体の再生方法
JP3941294B2 (ja) 再生可能な電子写真用画像記録体
JP3800822B2 (ja) 画像剥離部材及び画像剥離装置
JP3873526B2 (ja) 画像支持体
JP2004138674A (ja) 画像支持体、画像形成物質の除去方法及び除去装置、画像形成方法並びに画像形成装置
JPH1083095A (ja) 画像形成方法、再生可能な画像記録体の再生方法および再生装置
JP2005121770A (ja) 画像形成装置
JP2002244331A (ja) 再生可能な電子写真用画像記録体及びその再生方法
JPH1049011A (ja) 画像保持体の再生方法及びそのための装置
JP2000347438A (ja) 画像記録体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees