JP3663833B2 - 画像記録体の再生方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式及び熱転写方式等に使用する画像記録体及び画像記録体の再生方法に関するもので、さらに詳しくは画像記録体上での画像形成材料による画像形成と画像記録体からの画像形成材料の除去とを繰り返すことができる再生可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題としてのゴミの廃棄及び資源の利用削減に関心が高まり、紙及びオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用のプラスチックフィルム等の画像記録体の廃棄並びにこれらの材料である木材資源及び石油等の利用削減が重要課題となっている。資源の利用削減対策の一環として、一度使用された用紙等を廃棄することなく古紙として再利用することが進められている。しかしながら、OHP用のプラスチックフィルム等はほとんど回収されておらず、またこれらの回収及び再利用には多くの問題がある。即ち、例えば、回収に関しては、企業の機密文書及び機密データの漏洩、記録材料の種類による分別作業の手間、回収に要する運用コスト、並びに回収物の集積場所及び管理の問題等、再利用に関しては、再生品の品質、及びインク等の脱墨処理に伴うコストの問題等がある。
【0003】
これら分別回収、運搬、集積及び再生が効率良く行なわれなければ、エネルギーを大量に消費することとなり、結果的に地球環境問題の一つであるCO2 量を増加させ、地球温暖化現象をさらに助長させることにもなりかねない。
【0004】
脱墨処理を効率的に行うという観点からは、トナーやインクのような画像形成材料が画像記録体である用紙やOHPシート等から剥離しやすいことが望まれる。一方、記録した画像の保持性を確保するためには、画像記録材料を画像記録体へ強固に定着させなくてはならない。即ち、画像の定着性とその剥離性は二律背反の関係であり、このため従来より画像記録体から画像形成材料を除去するための多くの方法が提案されているが、各々多くの問題を抱えている。
【0005】
以下、さらに詳しくこの問題について説明する。
特開平4−362935号公報には、画像形成材料としての近赤外光消色型記録材料によって画像を形成し、不要になった画像に近赤外光を照射することによってこれを消去する画像記録体の再利用方法が開示されている。しかし、特開平4−362935号の発明には、この近赤外光消色型記録材料が自然光にも反応するため画像の耐久性に問題がある、使用できる材料が限られトナーの色が限定されるためカラー適性がない、消色後の画像記録体にはトナーバインダーが残っているため、画像記録体の特性が変化し、再利用の際に転写ヌケ(転写の際に画像が抜ける現象)等のトラブルを引き起こす、といった問題がある。
【0006】
この特開平4−362935号公報記載の発明の欠点を考慮すると、画像記録体を再利用する場合、画像形成材料の色を消すというよりも、画像形成材料自体を画像記録体上から取り除くことが好ましい。
【0007】
画像形成材料を画像記録体上から取り除く方法として、特開平1−101577号公報には、有機溶剤を用いてトナーを画像記録体上から除去する方法が開示されている。しかし、特開平1−101577号の発明は有機溶剤を用いるため安全性に問題がある。
【0008】
その他に、特開平7−104621号公報、特開平7−225540号公報には、界面活性剤等を含む水溶液を用いてトナーと画像記録体との接着力を低下させ、次いでこの画像記録体と画像剥離部材とを加熱してトナーを画像剥離部材に転移させる画像記録体の再生方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの発明には、トナーと画像保持体との接着力を弱める手段として液体である界面活性剤水溶液を用いるため、濡れた紙の乾燥に多量のエネルギーが必要であり、また紙を濡らすため紙皺が発生しやすいといった副次的な問題も生じる。さらに、濡れた紙に画像剥離部材を接触させた時にトナーと画像剥離部材との間に存在する水溶液によって両者の密着性が悪くなり、結果的に画像を十分に除去することができないという問題も生じる。画像記録体の一面に印字されたソリッド画像やグラフィック等を剥離する場合は、特にこの傾向が強い。そして、使用されたトナーが黒トナーである場合、画像記録体上に残留した塊状トナーと再利用後に印刷された小数点や句読点との区別が困難になる。また、カラー画像の場合は、画像密度が高いため界面活性剤が画像と用紙との界面に進入しにくいため、剥離性が一層不十分となり、再利用後に忠実な色再現ができないといった問題が生じる。
【0010】
特開平6−222604号公報では、画像記録体の最表層に形成された、水によって膨潤する樹脂層により画像形成材料と画像記録体との間の密着力を低下させ、画像記録体からの画像形成材料の除去を容易にする方法が提案されている。しかしながら、特開平6−222604号記載の発明は、上記水による問題点の他に、画像記録体自身が親水性となるため、湿度等の環境によって画像形成能力が変化し、画質が維持できない等の問題を抱えている。
【0011】
さらに、特開平1−297294号公報、特開平4−64472号公報では離型処理した紙に画像形成材料を定着させ、画像を除去する際にはこの紙を剥離部材と共に加熱することにより画像形成材料を剥離部材へ転移させる画像形成材料の除去方法が提案されている。しかし、離型処理した紙は、主に有機高分子材料からなる画像形成材料との分子間力が低く、定着工程において熱や圧力を加えても、画像形成材料を充分定着させることができない。同時に離型処理に使用される離型材料は、画像記録体の支持体との接着性、親和性が低く、結果として支持体としての紙やOHP用のプラスチックシートに強固に付着させることが困難である。さらに、離型性能を発揮させるためには離型性の塗布膜を厚膜化することが必要となるが、厚膜化すると画像記録体への画像形成材料の定着性が大幅に低下し、また印字装置内の定着条件や画像記録材料の種類によってその定着性が大きく変化してしまう等の問題がある。反対に、画像形成材料の定着性を確保するため離型性の塗布膜を薄膜化すると離型性能が低下するばかりでなく、画像形成材料の剥離時に画像形成材料と共に離型材料が剥離、脱落してしまい、繰り返し利用ができない等の問題があった。また、離型材料は透明性が不十分なものが多く、OHPフィルムに利用する場合、光透過性が低下し、暗い画像となったり、画像が劣化する等の問題がある。さらに、従来、離型材料を有機溶媒に溶解させたり、熱溶融させて皮膜を形成しているので、溶媒に対する溶解性や耐熱性を確保するために、特定の分子量や化学構造を有する樹脂しか使用できず、例えば、高価で、かつ有機溶媒に溶解するものが少なくその加工性に制限があるフッ素系樹脂等を用いざるをえなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における前記問題点を解決することを目的としてなされたものである。
【0013】
即ち、本発明は、専門業者に頼らず、有機溶剤を使うことなく安全に家庭やオフィスでの再生が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、画像形成材料との良好な定着を保持すると共に、記録面を痛めることなく画像形成材料の除去が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、白黒画像やカラー画像を形成する電子写真方式及び熱転写方式の画像形成装置等に使用できる画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、支持体として紙、コート紙、プラスチックフィルム、OHP用フィルム等が使用された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、シリコーン樹脂が持っている相反する性質である離型性と接着性に注目し、多くのシリコーン樹脂に対して、これらと画像形成材料との定着性(接着性)及び離型性(剥離性)の関係を検討した。
【0018】
一般に、シリコーンは、その分子構造により直鎖状と3次元に架橋している硬化型のシリコーンとに分けることができ、シリコン原子に結合している分子(有機分子)やその重合度により、その性質である離型性、接着性、耐熱性、絶縁性及び化学的安定性等が決まってくる。
【0019】
直鎖状のシリコーンは、分子量が低い場合、シリコーンオイルとして、絶縁油、液体カップリング、緩衝油、潤滑油、熱媒、撥水剤、表面処理剤、離型剤、消泡剤等に利用され、その分子量がシロキサン単位で5000から10000になるとゴム弾性を示すようになる。シリコーンゴムは、これら直鎖状のシリコーン(生ゴム)に種々の添加剤を加えた後、加硫剤を添加し、加熱硬化したものであり、シリコーンの性能を持ったまま各種ゴム材料として利用されている。
【0020】
一方、主に多官能(3官能、4官能)単位から重合されるシリコーンは、架橋構造を持つようになりポリシロキサンとして知られている硬化型シリコーンとなる。これらは、分子量単位により、有機溶媒に溶解可能な比較的低分子量のシリコーンワニスと高重合度のシリコーン樹脂等に分けられる。
【0021】
また、硬化型のシリコーン樹脂は、その硬化反応により、縮合型、付加型、輻射線型(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類され、塗布形態により、溶剤型や無溶剤型に分類される。
【0022】
硬化型シリコーン樹脂はSi−O結合に由来する低表面エネルギーにより、本質的に離型性、非相溶性を示すが、その硬化度や離型剤の添加量の調整等により接着性と離型性とを制御することができる。その結果、硬化型シリコーン樹脂の中には、有機系の粘着剤では接着が困難なフッ素樹脂、ポリイミド樹脂等への接着ができる程樹脂との接着性の良いものも得られている。
【0023】
本発明者は、硬化型のシリコーン樹脂に着目し、シリコーン樹脂の分子構造やその硬化条件等を種々検討したところ、特定の硬化型シリコーン樹脂がシリコーン粘着剤としての性質とシリコーン離型剤としての性質を合わせ持ち、そのような硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が紙やOHPシート等の支持体上に形成された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法によって、上記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0025】
本発明に係る画像記録体の再生方法は、支持体の表面にヌープ硬さ1以上100以下の硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が形成された画像記録体の画像が形成された面と、最表層が該画像記録体より画像形成材料と親和性が高い材料から形成され微粒子を含む画像剥離部材とを接触させ、これらを加熱することにより該画像形成材料を該画像剥離部材へ転移させた後、該画像記録体と該画像剥離部材とを引き離すことを特徴とする。
【0026】
電子写真法を例にとって説明すると、通常、画像記録体への画像形成は、帯電により電子写真用感光体の表面に均一に静電荷を与えた後、その表面を原稿から得られた画像情報に基づいて露光することにより静電潜像を形成する。次に、感光体表面の静電潜像に現像器からトナーを供給することで静電潜像がトナーによって可視化現像され、さらにこれを画像記録体に転写し、最後に熱や圧力等によりトナーが画像記録体へ定着される。
【0027】
従って、画像が熱によって画像記録体に定着している場合には、画像記録体を再度加熱すればトナーが溶融し画像記録体から剥離しやすくなることが容易に理解される。しかし、画像記録体として普通の用紙を用いる限り、加熱処理だけでは人が文字や画像を十分認識、識別できる程の量のトナーが用紙面に残存する。これは、トナーに定着を良くするために用紙繊維と親和性が高い材料が含まれているからである。
【0028】
本発明では、支持体の表面に適度な硬さを持った硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜を形成することにより、画像形成材料の定着後には、トナーが持っている凝集力と硬化型シリコーン樹脂との間に働く分子間力により、十分な定着力が得られる。
【0029】
即ち、画像強度、画像記録体への定着性、材料加工性等の観点から、画像形成材料に主として用いられている有機高分子材料であるスチレンーアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等は、比較的柔らかい熱可塑性樹脂であり、加熱、加圧される定着時には溶融状態となる。本発明の硬化型シリコーン樹脂は、そのヌープ硬度が1以上100以下であるため、加熱により軟化して、溶融粘着剤のように作用し、画像形成材料との良好な接着性が発現されるものと考えられる。次いで、画像記録体を冷却することにより画像形成材料が固化してその凝集力により画像記録体上に定着する。このとき、硬化型シリコーン樹脂は、その3次元編み目構造により元の状態に戻ることができる。
【0030】
一方、画像形成材料を剥離する画像記録体の再生時には、加熱によって画像形成材料は加熱溶融状態、即ち、凝集力がより小さい状態となり、固化時よりも画像記録体に対する画像形成材料の定着性が低下する。このとき、画像記録体より画像形成材料との親和性がより高い画像剥離部材が使用されているため、硬化型シリコーン樹脂の離型性が効いて、画像形成部材が画像記録体から画像剥離部材へ容易に転移することができる。
【0031】
本発明では、支持体上に塗布等の方法により硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜を形成し、その後、熱(室温での硬化を含む)、光、電子線等により支持体上の皮膜を硬化させることにより画像記録体を作製するが、その硬化の課程で、支持体と硬化型シリコーン樹脂との間に強固な結合が達成され、その結果、支持体上に接着強度に優れた硬化型シリコーン樹脂含有皮膜が形成される。このため、本発明の画像記録体では、再生を繰り返しても、支持体から皮膜が剥離しにくい。
【0032】
また、硬化型シリコーン樹脂は耐熱性に優れ、印字装置の定着条件による影響を受けにくいので、画像形成材料の定着性は硬化型シリコーン樹脂と画像形成材料との分子間力等でほぼ決定され、一般に使用されている各画像形成材料が互いに類似の特性を有しているため、画像形成材料の種類にかかわらず、ほぼ一定の定着性能が得られるものと考えられる。さらに、シリコーン樹脂は熱による材料劣化が小さく、印字装置内での経時使用による性能変化が少なく、長期にわたりほぼ一定の定着性能が得られる。
【0033】
また、硬化型シリコーン樹脂を含有する塗布液を希釈することにより容易に均一薄膜を達成することができるので、支持体として紙を用いる場合には、その表面の凹凸を完全に覆わない程度に薄く硬化型シリコーン樹脂を形成することにより、トナーが画像記録体の凹凸へ入り込むことによって働く、いわゆるアンカー効果によって、定着性を向上させることができる。
【0034】
以上より、本発明の画像記録体は、画像形成材料の定着と剥離を繰り返すことが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の再生可能な画像記録体とそれを用いた画像記録体の再生方法についてさらに詳しく説明する。
【0036】
本発明の画像記録体では、支持体の表面に硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が形成されており、本発明に使用可能な支持体としては、紙(普通紙、コート紙等)、金属(アルミニウム等)、プラスチック、セラミック(アルミナ等)があり、その形状は特に限定されないがフィルム状であることが好ましい。
【0037】
紙を支持体として使用する場合、原料となるパルプは、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられ、白色度の高いものが好ましい。また古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられ、その中でも白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0038】
本発明において支持体として使用可能なプラスチックフィルムには、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等を挙げることができる。また、OHPに使用できるような光透過性のあるプラスチックフィルムとしては、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等があり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的な観点から見て、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが多く用いられている。
【0039】
プラスチックフィルムは通常透明であるが、紙と同様の風合いをだすために、プラスチックを白色化してもよい。プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用できる。また、プラスチックフィルム表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックフィルムの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックフィルムを白色化することもできる。
【0040】
紙を支持体として用いる場合には、その多孔性のため液体が染み込み易いので、硬化型シリコーン樹脂を形成するための塗工溶液を均一に薄く塗布するために、めどめ処理を行ってもよい。めどめ処理としては、ポリエチレン、クレーバインダー、PVA、でんぷん、カルボキシメチルセルロース等が溶解又は分散した溶液を、あらかじめ紙に塗布、乾燥し、それぞれの皮膜を形成しておくことにより達成される。
【0041】
また、支持体がプラスチックフィルムである場合には、温度や湿度等の環境による画像劣化を防止するため、後述する皮膜を形成した後の画像記録体の表面抵抗は1×108 〜1×1013Ω(25℃、65%RHの条件で)の範囲であることが好ましく、そのために、界面活性剤や導電性金属酸化物微粒子等を支持体上に塗布することができる。
【0042】
導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TiO、TiO2 、SnO2 、Al3 O3 、In2 O3 、SiO、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げることがきる。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えばZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2 が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0043】
皮膜中に含まれる硬化型シリコーン樹脂には、ヌープ硬さが1以上100以下のものを使用する。ヌープ硬さが1未満だと、皮膜としての強度が不十分であり、ヌープ硬さが100を越えると、画像形成材料との密着性、付着性が不十分となる。
【0044】
なお、ヌープ硬さは材料の硬さをはかる指標であるが、ダイヤモンド等の固い材料からなる微小圧子を測定する材料に押し当て、そのへこみの大きさから、材料の硬さをはかるものであり、押し当てる圧子の形によりビッカース硬さ又はヌープ硬さ等として表記する。ヌープ硬さは、くさび型の圧子を用いたもので、主に柔らかい材料の硬さ試験等に利用される。
【0045】
本発明に使用可能な硬化型シリコーン樹脂は、塗布形態的には溶剤型、無溶剤型に分けられ、さらに反応のタイプによりそれぞれ付加型、縮合型、UV型等に分類できる。
【0046】
縮合型は、末端にシラノール基を含有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱により縮合することにより合成したもの、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させることによって合成したもの等がある。ポリシロキサンは、3官能以上のクロロシラン又はこれらと1、2官能のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合することにより合成することができる。縮合型は形態的には溶液型とエマルジョン型に分けられる。
【0047】
付加型はビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させる。形態的には溶剤型、エマルジョン型、無用剤型に分けられる。
【0048】
UV硬化型には、光カチオン触媒を利用したものやラジカル硬化機構を利用したものが知られている。UV硬化型は無溶剤コーティングを基本としているが、膜厚の制御のためには溶剤に希釈してコーティングし、乾燥後UV照射することができる。
【0049】
また、ケイ素原子に結合した水酸基やアルコキシ基を持つ低分子量ポリシロキサンとアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂等と反応させた変性シリコーン樹脂を使用してもよい。
【0050】
硬化性を制御するためには単官能や2官能のポリジメチルシロキサンの添加、触媒量、反応温度、反応時間、UV照射強度や反応抑制剤として、アセチレンアルコール類、環状メチルビニルシクロシロキサン、シロキサン変性アセチレンアルコール類等を添加する等の硬化反応条件を制御する方法がある。
【0051】
これら硬化条件(反応基種類、反応基数、硬化時間、温度、照射エネルギー等)を制御することにより硬化型シリコーン樹脂の分子量、反応基としてのシラノール残存量等が変化し、シリコーン樹脂の特性としての離型性、硬さ、接着性、表面硬度、透明性、耐熱性、化学的安定性等が制御できる。
【0052】
このような硬化型シリコーン樹脂として、重量平均分子量が10,000以上1,000,000以下のもの、全有機基中のフェニル基のモルパーセントが0.1以上50以下のもの、官能度が1以上4以下のもの等が挙げられる。
【0053】
本発明における皮膜は、分子中に反応基を有する変性シリコーンオイル及び/又は離型性能が低下しない程度に非シリコーン化合物を含有することができる。
【0054】
使用可能な変性シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル等がある。また、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等も挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
【0055】
また、使用可能な非シリコーン化合物としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−プロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。これら非シリコーン化合物は、そのモノマーをラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤等と共に上記シリコーン樹脂又はそのモノマーが共存した状態で硬化反応を行うことができる。
【0056】
さらに、硬化型シリコーン樹脂含有皮膜により、紙等の支持体が透明化し、紙の風合いや白色性を損なうことが懸念される場合には、支持体の白色性を維持するために、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー微粒子等を皮膜に添加することができる。また、硬化型シリコーン樹脂で支持体を被覆後、皮膜を硬化させる時に、皮膜を表面に凹凸のある基材と密着させることにより、又は皮膜の硬化後に、皮膜表面をサンドブラスタ処理することにより、皮膜に凹凸を形成し、この凹凸による光の散乱により硬化型シリコーン樹脂含有皮膜の白色化を図ることもできる。
【0057】
また、皮膜には、搬送性を向上させるためマット剤が添加されることが好ましい。
【0058】
上記マット剤としては、ポリエチレン等のポリオレフィン及びポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)等のフッ素樹脂を挙げることができる。具体的な材料としては、低分子量ポリオレフィン系ワックス(例、ポリエチレン系ワックス)、高密度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系又はマイクロクリスタリン系のワックスを挙げることができる。フッ素樹脂の例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を挙げることができる。この中では、低分子量ポリオレフィン系ワックス(一般に分子量1000〜5000)が好ましい。また、マット剤として、上記以外に無機微粒子、例えば、SiO2 、Al2 O3 、タルクやカオリン、及びビーズ状プラスチックパウダー、例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンを併用してもよい。
【0059】
また、上記樹脂のマット剤の平均粒径は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に1〜5μmの範囲が好ましい。上記平均粒径は、大きい方が好ましいが、10μmを越えるとマット剤が皮膜から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなり、さらに曇り(ヘイズ度)が増大する。一方、上記平均粒径が0.1μm未満だと、マット剤として作用しずらい。
【0060】
上記マット剤の形状は扁平状であることが好ましく、予め扁平状のマット剤を用いてもよいし、軟化温度の比較的低い(例えば、30℃〜100℃)マット剤を用いて皮膜の塗布、乾燥時の加熱下に扁平状にしてもよいし、又は加熱下に押圧しながら扁平状にしてもよい。また、マット剤は、皮膜の表面から突出していることが好ましい。
【0061】
皮膜中に含まれる硬化型シリコーン樹脂の含有率は、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがさらに好ましい。硬化型シリコーン樹脂の含有率が30重量%未満だと、離型性能が不十分となる。
【0062】
また、皮膜中に含まれる非シリコーン化合物の含有率は、離型性の観点から、50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。
【0063】
さらに、皮膜中に含まれるマット剤の含有率は、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がさらに好ましい。
【0064】
皮膜の厚みは、特に限定されないが、一般的には0.1μm以上100μm以下で用いられ、1μm以上20μm以下とすることが好ましい。支持体が用紙である場合に、前記アンカー効果を奏するには、塗布量(固形分)を5g/m2 以下とすることが好ましい。
【0065】
上記皮膜は、硬化前のシリコーン樹脂等を有機溶媒に溶解させ、又はシリコーン樹脂が無溶剤タイプである場合にはそのままの状態で、これらを支持体上へ塗布し、又は支持体をこれらの中に含浸させることによって形成することができる。塗布又は含浸方法としては、ブレードコーティング法、(ワイヤー)バーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0066】
皮膜の乾燥には、風、熱等を利用することができる。具体的な乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、又は加熱ローラに接触させる等通常使用される方法が採用される。
【0067】
乾燥後、作製した皮膜を硬化するためには、熱、光、電子線等が利用できる。このとき、硬化反応を制御するために重合制御剤や可塑剤等の添加剤を塗布液に混合してもよい。また、室温で硬化反応が進行するものはそのまま硬化できる。熱硬化する場合には乾燥と硬化とを同時に行ってもよい。光、電子線等により硬化する場合には、例えば、タングステンランプや高圧、低圧水銀灯等を光源として利用したり、100〜200W/cm程度の光を1分程度照射することにより硬化させることができる。
【0068】
一方、剥離に使用するための画像剥離部材は、最表面が硬化型シリコーン樹脂より画像形成材料との親和性が高い材料で形成される。画像形成材料との親和性は、例えば、化学構造式の部分構造単位から導かれるSolubility Parameter(SP値)等によって評価でき、SP値が近いもの、即ち、化学構造式が類似しているもの程、親和性が高く、相溶性も高い。
【0069】
このような画像剥離部材は、画像剥離部材全体を画像形成材料との親和性が高く、かつ耐熱性の各種金属や金属酸化物等で形成したり、基体上に画像形成材料との親和性が高い材料で形成された被覆層を形成することによって製造することができる。
【0070】
画像形成材料との親和性が高い材料としては、熱可塑性材料挙げることができる。熱可塑性材料としては、画像形成材料に使用された樹脂と同一材料が好ましい。このような熱可塑性材料として、スチレン、パラクロロスチレンの単独重合体又は共重合体等のスチレン系樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の単独重合体又は共重合体等のビニル系樹脂、エチレン、プロピレンの単独重合体又は共重合体等のオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
【0071】
しかし、一つ又は数種の剥離部材で各種画像形成材料に対応するには、広い温度範囲にわたって画像形成材料との親和性を保ち続けるものが好ましく、そのような例として感圧接着剤(粘着剤)が挙げられる。感圧接着剤(粘着剤)には、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテルポリマー系粘着剤、シリコーン粘着剤がある。これらの中では、画像形成材料を加熱溶融する温度で使用可能な良好な耐熱性を有すること、及び画像記録体の硬化型シリコーン樹脂との親和性がよく、画像形成材料の定着性と剥離性との両立を長期間の繰り返し使用にわたって維持できることから、シリコーン粘着剤が好ましい。
【0072】
画像形成材料と親和性が高いその他材料として、剥離部材の基体としても使用できる耐熱性のある各種金属、例えば、アルミニウム、ニッケル、白金、亜鉛、銅、鉄及びステンレス等、これらの合金やさらに表面を酸化処理したもの、また、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、リン酸カルシウム、チタン酸バリウム等の焼結体等がある。また、耐熱性のポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂やフィルム等も有効に使用できる。
【0073】
画像記録体上の画像には画像形成材料による凹凸があり、大きいところで20〜30μmの凹凸がある。この凹凸に追従できるくらいの凸凹が剥離部材の表面にあることが望ましい。実際には画像記録体に剥離部材を圧力をかけて接着しているので、流動性がある最表層ならば画像と密着できるが、微視的にみると空気層が最表層と画像形成材料の間に介在することがあり、両者の密着性が十分にならない場合がある。そこでさらに十分な効果を得るために、剥離部材表面は、数μm程度の凹凸があるほうがよい。その凹凸は画像剥離部材の樹脂等で形成された最表層に微粒子を添加することで作り出すことができる。この微粒子は、局所的な圧力も作り出し、表面層材料の主成分材料をさらに画像形成材料に密着させるよう作用する。
【0074】
微粒子の材質としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、クレー(カオリン)、炭酸カルシウム、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミンーベンゾグアナミン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の微粒子が挙げられるが、特にシリコン樹脂、アクリル樹脂微粒子が好適である。
【0075】
このような粒子の形態は、画像剥離部材の表面に微量の凹凸を付けられればよいので、球形、楕円(偏平)、ドーナツ型、立方体、不定形等、どのような形でもかまわない。大きさは直径又は長手方向の長さが0.5μm〜20μm、好ましくは1μm〜15μmのものが好ましい。
【0076】
最表層である樹脂中に含まれる微粒子の含有率は、微粒子の材質や大きさにもよるが、5〜50重量%が好ましい。
【0077】
画像剥離部材の最表層に架橋構造を持つ樹脂材料を用いると、該最表層は弾性層的に働くが、樹脂の種類、膜厚によっては弾性層的な機能が十分に働かず、画像表面の凹凸に追従できない場合がある。その場合画像記録体の画像表面の凹凸に追従させる方法として、画像剥離部材の基体自身を弾性体にしたり、基体上に弾性層を設ける方法がある。このような弾性層の材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタリジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンープロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。加熱媒体として利用する場合を想定すると耐熱性が必要であるため、弾性層の材料としてはシリコーンゴムが望ましい。シリコーンゴムとしては、ミラブル型と液状とに大別できるが、ミラブル型シリコーンゴムにはジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系、メチルフルオロアルキル系等の直鎖状で高重合度のポリオリガノシロキサンを主原料とし、補強充填剤、各種添加剤を配合し、次いで加硫剤を添加して加熱硬化したものがある。液状シリコーンゴムには、室温で硬化する縮合型、白金系触媒を用いて加熱硬化させる付加型、紫外線硬化型等がある。
【0078】
このように製造された画像剥離部材を用いて画像を再生するには、画像記録体の画像が形成された面と、画像剥離部材とを接触させ、これらを加熱して該画像形成材料を該画像剥離部材へ転移させた後、これらを引き離すことにより達成することができる。なお、加熱と共に圧接してもよい。
【0079】
画像が形成された画像記録体から画像形成材料を除去する方法は、電子写真法に限るものではないが、前述したように、この電子写真法を実施する装置を使用することが原理的に最も有効である。その場合、電子写真法の最終工程を画像形成材料の定着及び画像形成材料の剥離を選択的に行うことができるように装置を改造すれば、本発明の画像記録体の再生方法を、画像記録装置と画像除去装置とを兼用した電子写真複写装置で実施することができ、スペースの有効利用を図ることができる。
【0080】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。なお、実施例及び比較例における『部』は重量部を意味する。
(実施例1)
<画像記録体の製造>
熱硬化型シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、商品名:YR3286、2%の過酸化ベンゾイル、BPO含有)1部をトルエン2部で希釈して、熱硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を調整した。この樹脂溶液1.0g/m2 を電子写真用複写用紙(富士ゼロックス(株)製A4再生紙:R紙)に滴下し、ワイヤーバーで膜厚が均一になるように塗布した。塗布後、室温で10分間乾燥した後、120℃で1時間熱風乾燥機で熱硬化反応を行い、シリコーン硬化膜が着膜した画像記録体を作製した。
なお、R紙上のシリコーン樹脂硬化皮膜の膜厚を正確に測定することが難しいため、同一条件で100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにシリコーン樹脂を塗布、乾燥、硬化した後、触針式膜厚計でその硬化皮膜の膜厚を測定した。また、この画像記録体を約10mm角に切断し、その表面硬さを微小高度計により測定し、次式によりヌープ硬さを算出した。
【0081】
ヌープ硬さ=P/0.07028×L2
式中、Pは荷重(Kg、0.03Kgを用いた。)、Lは圧子によりへこんだサンプルの対角線長さ(mm)をそれぞれ示す。
【0082】
その結果、硬化皮膜の膜厚は10μmであり、そのヌープ硬さは、10.3であった。
【0083】
<画像剥離部材の製造法>
表面に0.6mmのシリコーンゴム層を設けたステンレスロールを基体として用いた。
【0084】
シリコーン粘着剤(東芝シリコーン社製、商品名:TSR1520A)750部、その架橋剤(東芝シリコーン社製、商品名:TSR1520B)7.5部を、トルエン1030部に入れて撹拌混合し、さらに離型性材料として熱可塑性シリコーン樹脂粉末(東芝シリコーン社製、商品名:XR39−B1676)220部をそれに加え、溶解し塗布液を得た。この塗布液をシリコーンゴム層上に塗布して厚さが30μmの最表層を形成した。
【0085】
<定着性評価>
前記画像記録体に富士ゼロックス製電子写真画像形成装置、Vivace550機でベタ画像を含む白黒画像を印字した後、この白黒画像の定着性を評価した。画像の定着性は、定着した画像の、X−Rite938濃度計(X−Rite社製)で測定した濃度が約1.8のベタ画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を300g/cmの線圧で張り付け、10mm/sec.の速度で剥離した時の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度、以下、OD比と略す)で示した。電子写真用の画像記録体としては、OD比で0.8以上の画像形成材料の定着性が必要である。
【0086】
次いで、画像を除去して画像記録体を再生した。画像記録体の再生には、前記Vivace550機の定着器のヒートローラを製造した画像剥離部材と交換し、さらに画像剥離部材上に画像記録体から剥離した画像形成粒子を掻き取るためのブレードを装着した改造型電子写真画像形成装置を使用した。
【0087】
本実施例では、画像が記録された画像記録体を改造型Vivace550機の定着器に通紙した。なお、画像形成材料除去後の再生紙上の残存量は、画像形成材料の定着性の評価と同様にOD比を用いて評価した。残存量が気にならない画像濃度としては、OD比で0.08以下が望ましい。
【0088】
さらに、上記画像記録及び再生を10回繰り返し行った時の画像形成材料の定着性及び再生紙上の残存量評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
R紙に代えて、同じ大きさのOHPシート[富士ゼロックス製、商品名:白黒用OHPシート(その支持体に金属酸化物微粒子等による導電処理が施されたもの)]を用いた他は、実施例1と同様にして画像記録体を作製した。熱硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は10μm、ヌープ硬さは10.5であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果1×1010Ωであった。この画像記録体に実施例1と同様にして、Vivace550機で画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
熱溶融性シリコーン樹脂(東芝シリコン製、商品名:XC99−A5263)を用いて、これを酢酸エチルに固形分比10重量%になるように溶解し、塗布溶液を作製した。これを実施例1と同様の方法によりR紙上にシリコーン樹脂溶液2.0g/m2 を塗布し、100℃で10分間乾燥し、熱溶融性シリコーン皮膜を形成した画像記録体を作製した。膜厚測定のため、実施例1と同様にPET上に塗布溶液を塗工したが、PETフィルムに塗布液がはじかれ、均一な皮膜とならず、膜厚、ヌープ硬さを測定することができなかった。次いで、R紙上に皮膜を形成した画像記録体に、実施例1と同様にして、Vivace550で画像印字を試みたが、画像形成材料の画像記録体への定着性が乏しく、定着ロールへのオフセット(画像形成材料が画像記録体に定着されず、定着ロールへ付着してしまう現象)が発生し、画像を画像記録体上に定着することができなかった。
(比較例2)
R紙に代えて、富士ゼロックス製白黒用OHPシートを用いた他は、比較例1と同様な方法により熱溶融性シリコーン樹脂溶液1.0g/m2 の塗布を試みたが、塗布溶液がOHPシートにはじかれ、均一な皮膜形成をすることができなかった。また、比較例1と同様にVivace550機で画像印字を試みたが、皮膜形成したOHPの離型性のため紙送りすることができなかった。
(実施例3)
光硬化型シリコーン樹脂溶液(ナトコペイント製)1部にイソプロピルアルコール1部を加えて希釈し、光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を作製した。この塗布溶液1.0g/m2 をR紙上に滴下し、ワイヤーバーにて均一になるように塗布し、室温でしばらく放置したのち、紫外線照射装置で照射距離約20cm、160W/cmの照射強度で30秒、紫外線照射することにより、支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例1と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、5μmであり、ヌープ硬さは29.7であった。この画像記録体に富士ゼロックス製電子写真画像形成装置、Acolor935機でベタ画像を含むカラー画像を印字した。画像形成材料の定着性、剥離性の評価は、実施例1と同様の方法(改造型Vivace550機)により行った。なお、定着性、剥離性の評価には、画像形成材料としてプロセスブラックを使用した。また、白黒用画像形成材料とカラー用画像形成材料は、その結着剤樹脂が異なるため、その粘弾性挙動が異なり、そのためカラー画像の剥離温度は、もっとも剥離性のよかった110℃で行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
R紙の代わりに、同じ大きさの富士ゼロックス製の白黒用OHPシートを用いた他は、実施例3と同様にして支持体上に光硬化型シリコーン樹脂皮膜を形成したカラー用画像記録体を作製した。この光硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は5μm、ヌープ硬さは22.3であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、2.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例3の光硬化型シリコーン塗布液に、アミノ変性シリコンオイル(東芝シリコーン製、商品名:TSF4705)0.3部を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例5と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、6μmであり、ヌープ硬さは18.2であった。また、実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例3の光硬化型シリコーン樹脂塗布液に架橋型PMMAマット剤(総研化学(株)製、商品名:MR−2G−20−5、平均粒径:3μm)0.5部を加えた他は、実施例3と同様な方法により画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、6μmであり、ヌープ硬さは22.6あった。画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、6.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
シリコーンポリエステルワニス(東芝シリコン製、商品名:XR32−A1612、固形分比50%)をトルエンで2倍に希釈し、塗布溶液を作製した。これを実施例2と同様の方法により白黒用OHPシートにこの塗布溶液1.0g/m2 を塗布し、100℃で10分間乾燥し、支持体上にシリコーンポリエステルワニスの皮膜を形成した画像記録体を作製した。実施例1と同様にPET上に塗布溶液を塗布した。膜厚は12.5μmであり、ヌープ硬さは13.3であった。また、その表面抵抗は、2.1×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。画像形成材料は画像記録体に強固に定着したが、実施例1と同様な方法では、画像形成材料をほとんど剥離除去することができなかった。
(実施例7)
実施例3の光硬化型シリコーン塗布液に、反応性シリコン化合物(松本製薬製、商品名:SIC−434)0.1部を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、支持体上に光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、7μmであり、ヌープ硬さは32.6であった。また、実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例8)
支持体を同じ大きさの白黒用OHPシートに変えた他は、実施例7と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。この光硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は7μm、ヌープ硬さは39.8であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、6.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例9)
光硬化型シリコーン塗布液に、メタクリル酸モノマー0.2部(触媒としてBPO2%添加)を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、10μmであり、ヌープ硬さは12.6であった。また、実施例3にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
シリコンハードコート剤としてトリエトキシシラン(和光純薬製)1部にエタノール0.44部、塩酸水溶液0.02部、水0.35部を添加し、塗布液を作製した。この塗布液5mlを富士ゼロックス株式会社製の白黒用OHPシートに塗布し、室温で乾燥後、100℃、3時間硬化反応を行い、シリコーンハードコート剤皮膜が形成された画像記録体を作製した。その硬化皮膜の膜厚は、膜厚は約1μmであり、ヌープ硬さは150であった。また、この画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗は、1.8×1012Ωであった。この画像記録体に実施例1と同様にして、Vivace550でベタ画像を含む画像を印字を試みたが、画像形成材料の画像記録体への定着性が乏しく、定着ロールへのオフセットが発生し、充分な画像濃度を得ることができなかった。
(実施例10)
100℃における見掛けの溶融粘度が1×103 ポイズであるポリエステル樹脂A(ビスフェノールA:40重量%、フマール酸10重量%及びイソプロピレングリコール50重量%の共重合体)10部をメチルエチルケトン100部に溶解させた。これに導電性材料として、リン酸アルキル系界面活性剤0.05部、白色顔料としての酸化チタン(関東化学社製、平均粒径0.1μm)10部を添加して樹脂溶解液を作製した。この樹脂溶解液中に含まれる固形物に対して光硬化型ン樹脂(東芝シリコン製、商品名:UVHC8558)を80重量%となるように添加し、塗布溶液を調整した。この塗布溶液を厚さ100μmのポリエステルフィルム上にアプリケータを使って塗布し、風乾後、皮膜を100℃で10分間加熱乾燥させ、その後実施例3と同様の光照射装置により光硬化させ、支持体上に白色の光硬化性皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化性皮膜の膜厚は11μmであり、ヌープ硬さは35.2であった。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例10で得られた画像記録体にサンドブラスタ処理を施し、その後純水、メタノールで十分に洗浄し、100℃で10分間乾燥させることにより、表面に凹凸が形成された白色の画像記録体を作製した。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例12)
<導電性下塗り層溶液>
水分散型アクリル樹脂(日本純薬(株)製、商品名:ジュイマーET−410)14.2部、二酸化スズ(石原産業製、商品名:SN−88)22.5部、エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤(日本エマルジョン社製、商品名:EMALEX/NP8.5)1.6部及び純水960部を十分に攪拌し、導電性下塗り層溶液を作製した。
<導電性白色支持体の作製>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(パナック社製、商品名:ルミラー100/E20)にコロナ放電処理を行い、上記組成の導電性下塗り層溶液をワイヤーバーで塗布し、皮膜を120℃で1分間乾燥させ、導電性処理された白色フィルム支持体を作製した。
【0089】
実施例3の光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を前記白色フィルム支持体上に実施例3と同様に塗布し、皮膜を乾燥させ、皮膜に光を照射し、白色フィルム支持体上に光硬化性シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化性皮膜の膜厚は7.3μmであり、ヌープ硬さは31.7であった。実施例3と同様の方法によりこの画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例12で得られた画像記録体にサンドブラスタ処理を施し、その後純水、メタノールで十分に洗浄し、100℃で10分間乾燥させることにより、表面に凹凸が形成された白色の画像記録体を作製した。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
本発明は、専門業者に頼らず、有機溶剤を使うことなく安全に家庭やオフィスでの再生が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0092】
また、本発明は、画像形成材料との良好な定着を保持すると共に、記録面を痛めることなく画像形成材料の除去が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0093】
さらに、本発明は、白黒画像やカラー画像を形成する電子写真方式及び熱転写方式の画像形成装置等に使用できる画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0094】
また、本発明は、支持体として紙、コート紙、プラスチックフィルム、OHP用フィルム等が使用された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式及び熱転写方式等に使用する画像記録体及び画像記録体の再生方法に関するもので、さらに詳しくは画像記録体上での画像形成材料による画像形成と画像記録体からの画像形成材料の除去とを繰り返すことができる再生可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題としてのゴミの廃棄及び資源の利用削減に関心が高まり、紙及びオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)用のプラスチックフィルム等の画像記録体の廃棄並びにこれらの材料である木材資源及び石油等の利用削減が重要課題となっている。資源の利用削減対策の一環として、一度使用された用紙等を廃棄することなく古紙として再利用することが進められている。しかしながら、OHP用のプラスチックフィルム等はほとんど回収されておらず、またこれらの回収及び再利用には多くの問題がある。即ち、例えば、回収に関しては、企業の機密文書及び機密データの漏洩、記録材料の種類による分別作業の手間、回収に要する運用コスト、並びに回収物の集積場所及び管理の問題等、再利用に関しては、再生品の品質、及びインク等の脱墨処理に伴うコストの問題等がある。
【0003】
これら分別回収、運搬、集積及び再生が効率良く行なわれなければ、エネルギーを大量に消費することとなり、結果的に地球環境問題の一つであるCO2 量を増加させ、地球温暖化現象をさらに助長させることにもなりかねない。
【0004】
脱墨処理を効率的に行うという観点からは、トナーやインクのような画像形成材料が画像記録体である用紙やOHPシート等から剥離しやすいことが望まれる。一方、記録した画像の保持性を確保するためには、画像記録材料を画像記録体へ強固に定着させなくてはならない。即ち、画像の定着性とその剥離性は二律背反の関係であり、このため従来より画像記録体から画像形成材料を除去するための多くの方法が提案されているが、各々多くの問題を抱えている。
【0005】
以下、さらに詳しくこの問題について説明する。
特開平4−362935号公報には、画像形成材料としての近赤外光消色型記録材料によって画像を形成し、不要になった画像に近赤外光を照射することによってこれを消去する画像記録体の再利用方法が開示されている。しかし、特開平4−362935号の発明には、この近赤外光消色型記録材料が自然光にも反応するため画像の耐久性に問題がある、使用できる材料が限られトナーの色が限定されるためカラー適性がない、消色後の画像記録体にはトナーバインダーが残っているため、画像記録体の特性が変化し、再利用の際に転写ヌケ(転写の際に画像が抜ける現象)等のトラブルを引き起こす、といった問題がある。
【0006】
この特開平4−362935号公報記載の発明の欠点を考慮すると、画像記録体を再利用する場合、画像形成材料の色を消すというよりも、画像形成材料自体を画像記録体上から取り除くことが好ましい。
【0007】
画像形成材料を画像記録体上から取り除く方法として、特開平1−101577号公報には、有機溶剤を用いてトナーを画像記録体上から除去する方法が開示されている。しかし、特開平1−101577号の発明は有機溶剤を用いるため安全性に問題がある。
【0008】
その他に、特開平7−104621号公報、特開平7−225540号公報には、界面活性剤等を含む水溶液を用いてトナーと画像記録体との接着力を低下させ、次いでこの画像記録体と画像剥離部材とを加熱してトナーを画像剥離部材に転移させる画像記録体の再生方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、これらの発明には、トナーと画像保持体との接着力を弱める手段として液体である界面活性剤水溶液を用いるため、濡れた紙の乾燥に多量のエネルギーが必要であり、また紙を濡らすため紙皺が発生しやすいといった副次的な問題も生じる。さらに、濡れた紙に画像剥離部材を接触させた時にトナーと画像剥離部材との間に存在する水溶液によって両者の密着性が悪くなり、結果的に画像を十分に除去することができないという問題も生じる。画像記録体の一面に印字されたソリッド画像やグラフィック等を剥離する場合は、特にこの傾向が強い。そして、使用されたトナーが黒トナーである場合、画像記録体上に残留した塊状トナーと再利用後に印刷された小数点や句読点との区別が困難になる。また、カラー画像の場合は、画像密度が高いため界面活性剤が画像と用紙との界面に進入しにくいため、剥離性が一層不十分となり、再利用後に忠実な色再現ができないといった問題が生じる。
【0010】
特開平6−222604号公報では、画像記録体の最表層に形成された、水によって膨潤する樹脂層により画像形成材料と画像記録体との間の密着力を低下させ、画像記録体からの画像形成材料の除去を容易にする方法が提案されている。しかしながら、特開平6−222604号記載の発明は、上記水による問題点の他に、画像記録体自身が親水性となるため、湿度等の環境によって画像形成能力が変化し、画質が維持できない等の問題を抱えている。
【0011】
さらに、特開平1−297294号公報、特開平4−64472号公報では離型処理した紙に画像形成材料を定着させ、画像を除去する際にはこの紙を剥離部材と共に加熱することにより画像形成材料を剥離部材へ転移させる画像形成材料の除去方法が提案されている。しかし、離型処理した紙は、主に有機高分子材料からなる画像形成材料との分子間力が低く、定着工程において熱や圧力を加えても、画像形成材料を充分定着させることができない。同時に離型処理に使用される離型材料は、画像記録体の支持体との接着性、親和性が低く、結果として支持体としての紙やOHP用のプラスチックシートに強固に付着させることが困難である。さらに、離型性能を発揮させるためには離型性の塗布膜を厚膜化することが必要となるが、厚膜化すると画像記録体への画像形成材料の定着性が大幅に低下し、また印字装置内の定着条件や画像記録材料の種類によってその定着性が大きく変化してしまう等の問題がある。反対に、画像形成材料の定着性を確保するため離型性の塗布膜を薄膜化すると離型性能が低下するばかりでなく、画像形成材料の剥離時に画像形成材料と共に離型材料が剥離、脱落してしまい、繰り返し利用ができない等の問題があった。また、離型材料は透明性が不十分なものが多く、OHPフィルムに利用する場合、光透過性が低下し、暗い画像となったり、画像が劣化する等の問題がある。さらに、従来、離型材料を有機溶媒に溶解させたり、熱溶融させて皮膜を形成しているので、溶媒に対する溶解性や耐熱性を確保するために、特定の分子量や化学構造を有する樹脂しか使用できず、例えば、高価で、かつ有機溶媒に溶解するものが少なくその加工性に制限があるフッ素系樹脂等を用いざるをえなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における前記問題点を解決することを目的としてなされたものである。
【0013】
即ち、本発明は、専門業者に頼らず、有機溶剤を使うことなく安全に家庭やオフィスでの再生が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、画像形成材料との良好な定着を保持すると共に、記録面を痛めることなく画像形成材料の除去が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、白黒画像やカラー画像を形成する電子写真方式及び熱転写方式の画像形成装置等に使用できる画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、支持体として紙、コート紙、プラスチックフィルム、OHP用フィルム等が使用された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、シリコーン樹脂が持っている相反する性質である離型性と接着性に注目し、多くのシリコーン樹脂に対して、これらと画像形成材料との定着性(接着性)及び離型性(剥離性)の関係を検討した。
【0018】
一般に、シリコーンは、その分子構造により直鎖状と3次元に架橋している硬化型のシリコーンとに分けることができ、シリコン原子に結合している分子(有機分子)やその重合度により、その性質である離型性、接着性、耐熱性、絶縁性及び化学的安定性等が決まってくる。
【0019】
直鎖状のシリコーンは、分子量が低い場合、シリコーンオイルとして、絶縁油、液体カップリング、緩衝油、潤滑油、熱媒、撥水剤、表面処理剤、離型剤、消泡剤等に利用され、その分子量がシロキサン単位で5000から10000になるとゴム弾性を示すようになる。シリコーンゴムは、これら直鎖状のシリコーン(生ゴム)に種々の添加剤を加えた後、加硫剤を添加し、加熱硬化したものであり、シリコーンの性能を持ったまま各種ゴム材料として利用されている。
【0020】
一方、主に多官能(3官能、4官能)単位から重合されるシリコーンは、架橋構造を持つようになりポリシロキサンとして知られている硬化型シリコーンとなる。これらは、分子量単位により、有機溶媒に溶解可能な比較的低分子量のシリコーンワニスと高重合度のシリコーン樹脂等に分けられる。
【0021】
また、硬化型のシリコーン樹脂は、その硬化反応により、縮合型、付加型、輻射線型(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類され、塗布形態により、溶剤型や無溶剤型に分類される。
【0022】
硬化型シリコーン樹脂はSi−O結合に由来する低表面エネルギーにより、本質的に離型性、非相溶性を示すが、その硬化度や離型剤の添加量の調整等により接着性と離型性とを制御することができる。その結果、硬化型シリコーン樹脂の中には、有機系の粘着剤では接着が困難なフッ素樹脂、ポリイミド樹脂等への接着ができる程樹脂との接着性の良いものも得られている。
【0023】
本発明者は、硬化型のシリコーン樹脂に着目し、シリコーン樹脂の分子構造やその硬化条件等を種々検討したところ、特定の硬化型シリコーン樹脂がシリコーン粘着剤としての性質とシリコーン離型剤としての性質を合わせ持ち、そのような硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が紙やOHPシート等の支持体上に形成された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法によって、上記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0025】
本発明に係る画像記録体の再生方法は、支持体の表面にヌープ硬さ1以上100以下の硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が形成された画像記録体の画像が形成された面と、最表層が該画像記録体より画像形成材料と親和性が高い材料から形成され微粒子を含む画像剥離部材とを接触させ、これらを加熱することにより該画像形成材料を該画像剥離部材へ転移させた後、該画像記録体と該画像剥離部材とを引き離すことを特徴とする。
【0026】
電子写真法を例にとって説明すると、通常、画像記録体への画像形成は、帯電により電子写真用感光体の表面に均一に静電荷を与えた後、その表面を原稿から得られた画像情報に基づいて露光することにより静電潜像を形成する。次に、感光体表面の静電潜像に現像器からトナーを供給することで静電潜像がトナーによって可視化現像され、さらにこれを画像記録体に転写し、最後に熱や圧力等によりトナーが画像記録体へ定着される。
【0027】
従って、画像が熱によって画像記録体に定着している場合には、画像記録体を再度加熱すればトナーが溶融し画像記録体から剥離しやすくなることが容易に理解される。しかし、画像記録体として普通の用紙を用いる限り、加熱処理だけでは人が文字や画像を十分認識、識別できる程の量のトナーが用紙面に残存する。これは、トナーに定着を良くするために用紙繊維と親和性が高い材料が含まれているからである。
【0028】
本発明では、支持体の表面に適度な硬さを持った硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜を形成することにより、画像形成材料の定着後には、トナーが持っている凝集力と硬化型シリコーン樹脂との間に働く分子間力により、十分な定着力が得られる。
【0029】
即ち、画像強度、画像記録体への定着性、材料加工性等の観点から、画像形成材料に主として用いられている有機高分子材料であるスチレンーアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等は、比較的柔らかい熱可塑性樹脂であり、加熱、加圧される定着時には溶融状態となる。本発明の硬化型シリコーン樹脂は、そのヌープ硬度が1以上100以下であるため、加熱により軟化して、溶融粘着剤のように作用し、画像形成材料との良好な接着性が発現されるものと考えられる。次いで、画像記録体を冷却することにより画像形成材料が固化してその凝集力により画像記録体上に定着する。このとき、硬化型シリコーン樹脂は、その3次元編み目構造により元の状態に戻ることができる。
【0030】
一方、画像形成材料を剥離する画像記録体の再生時には、加熱によって画像形成材料は加熱溶融状態、即ち、凝集力がより小さい状態となり、固化時よりも画像記録体に対する画像形成材料の定着性が低下する。このとき、画像記録体より画像形成材料との親和性がより高い画像剥離部材が使用されているため、硬化型シリコーン樹脂の離型性が効いて、画像形成部材が画像記録体から画像剥離部材へ容易に転移することができる。
【0031】
本発明では、支持体上に塗布等の方法により硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜を形成し、その後、熱(室温での硬化を含む)、光、電子線等により支持体上の皮膜を硬化させることにより画像記録体を作製するが、その硬化の課程で、支持体と硬化型シリコーン樹脂との間に強固な結合が達成され、その結果、支持体上に接着強度に優れた硬化型シリコーン樹脂含有皮膜が形成される。このため、本発明の画像記録体では、再生を繰り返しても、支持体から皮膜が剥離しにくい。
【0032】
また、硬化型シリコーン樹脂は耐熱性に優れ、印字装置の定着条件による影響を受けにくいので、画像形成材料の定着性は硬化型シリコーン樹脂と画像形成材料との分子間力等でほぼ決定され、一般に使用されている各画像形成材料が互いに類似の特性を有しているため、画像形成材料の種類にかかわらず、ほぼ一定の定着性能が得られるものと考えられる。さらに、シリコーン樹脂は熱による材料劣化が小さく、印字装置内での経時使用による性能変化が少なく、長期にわたりほぼ一定の定着性能が得られる。
【0033】
また、硬化型シリコーン樹脂を含有する塗布液を希釈することにより容易に均一薄膜を達成することができるので、支持体として紙を用いる場合には、その表面の凹凸を完全に覆わない程度に薄く硬化型シリコーン樹脂を形成することにより、トナーが画像記録体の凹凸へ入り込むことによって働く、いわゆるアンカー効果によって、定着性を向上させることができる。
【0034】
以上より、本発明の画像記録体は、画像形成材料の定着と剥離を繰り返すことが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の再生可能な画像記録体とそれを用いた画像記録体の再生方法についてさらに詳しく説明する。
【0036】
本発明の画像記録体では、支持体の表面に硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が形成されており、本発明に使用可能な支持体としては、紙(普通紙、コート紙等)、金属(アルミニウム等)、プラスチック、セラミック(アルミナ等)があり、その形状は特に限定されないがフィルム状であることが好ましい。
【0037】
紙を支持体として使用する場合、原料となるパルプは、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられ、白色度の高いものが好ましい。また古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられ、その中でも白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0038】
本発明において支持体として使用可能なプラスチックフィルムには、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム等を挙げることができる。また、OHPに使用できるような光透過性のあるプラスチックフィルムとしては、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等があり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的な観点から見て、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが多く用いられている。
【0039】
プラスチックフィルムは通常透明であるが、紙と同様の風合いをだすために、プラスチックを白色化してもよい。プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用できる。また、プラスチックフィルム表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックフィルムの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックフィルムを白色化することもできる。
【0040】
紙を支持体として用いる場合には、その多孔性のため液体が染み込み易いので、硬化型シリコーン樹脂を形成するための塗工溶液を均一に薄く塗布するために、めどめ処理を行ってもよい。めどめ処理としては、ポリエチレン、クレーバインダー、PVA、でんぷん、カルボキシメチルセルロース等が溶解又は分散した溶液を、あらかじめ紙に塗布、乾燥し、それぞれの皮膜を形成しておくことにより達成される。
【0041】
また、支持体がプラスチックフィルムである場合には、温度や湿度等の環境による画像劣化を防止するため、後述する皮膜を形成した後の画像記録体の表面抵抗は1×108 〜1×1013Ω(25℃、65%RHの条件で)の範囲であることが好ましく、そのために、界面活性剤や導電性金属酸化物微粒子等を支持体上に塗布することができる。
【0042】
導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TiO、TiO2 、SnO2 、Al3 O3 、In2 O3 、SiO、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げることがきる。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えばZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2 が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0043】
皮膜中に含まれる硬化型シリコーン樹脂には、ヌープ硬さが1以上100以下のものを使用する。ヌープ硬さが1未満だと、皮膜としての強度が不十分であり、ヌープ硬さが100を越えると、画像形成材料との密着性、付着性が不十分となる。
【0044】
なお、ヌープ硬さは材料の硬さをはかる指標であるが、ダイヤモンド等の固い材料からなる微小圧子を測定する材料に押し当て、そのへこみの大きさから、材料の硬さをはかるものであり、押し当てる圧子の形によりビッカース硬さ又はヌープ硬さ等として表記する。ヌープ硬さは、くさび型の圧子を用いたもので、主に柔らかい材料の硬さ試験等に利用される。
【0045】
本発明に使用可能な硬化型シリコーン樹脂は、塗布形態的には溶剤型、無溶剤型に分けられ、さらに反応のタイプによりそれぞれ付加型、縮合型、UV型等に分類できる。
【0046】
縮合型は、末端にシラノール基を含有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱により縮合することにより合成したもの、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させることによって合成したもの等がある。ポリシロキサンは、3官能以上のクロロシラン又はこれらと1、2官能のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合することにより合成することができる。縮合型は形態的には溶液型とエマルジョン型に分けられる。
【0047】
付加型はビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させる。形態的には溶剤型、エマルジョン型、無用剤型に分けられる。
【0048】
UV硬化型には、光カチオン触媒を利用したものやラジカル硬化機構を利用したものが知られている。UV硬化型は無溶剤コーティングを基本としているが、膜厚の制御のためには溶剤に希釈してコーティングし、乾燥後UV照射することができる。
【0049】
また、ケイ素原子に結合した水酸基やアルコキシ基を持つ低分子量ポリシロキサンとアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂等と反応させた変性シリコーン樹脂を使用してもよい。
【0050】
硬化性を制御するためには単官能や2官能のポリジメチルシロキサンの添加、触媒量、反応温度、反応時間、UV照射強度や反応抑制剤として、アセチレンアルコール類、環状メチルビニルシクロシロキサン、シロキサン変性アセチレンアルコール類等を添加する等の硬化反応条件を制御する方法がある。
【0051】
これら硬化条件(反応基種類、反応基数、硬化時間、温度、照射エネルギー等)を制御することにより硬化型シリコーン樹脂の分子量、反応基としてのシラノール残存量等が変化し、シリコーン樹脂の特性としての離型性、硬さ、接着性、表面硬度、透明性、耐熱性、化学的安定性等が制御できる。
【0052】
このような硬化型シリコーン樹脂として、重量平均分子量が10,000以上1,000,000以下のもの、全有機基中のフェニル基のモルパーセントが0.1以上50以下のもの、官能度が1以上4以下のもの等が挙げられる。
【0053】
本発明における皮膜は、分子中に反応基を有する変性シリコーンオイル及び/又は離型性能が低下しない程度に非シリコーン化合物を含有することができる。
【0054】
使用可能な変性シリコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル等がある。また、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等も挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
【0055】
また、使用可能な非シリコーン化合物としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−プロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。これら非シリコーン化合物は、そのモノマーをラジカル重合開始剤やイオン重合開始剤等と共に上記シリコーン樹脂又はそのモノマーが共存した状態で硬化反応を行うことができる。
【0056】
さらに、硬化型シリコーン樹脂含有皮膜により、紙等の支持体が透明化し、紙の風合いや白色性を損なうことが懸念される場合には、支持体の白色性を維持するために、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー微粒子等を皮膜に添加することができる。また、硬化型シリコーン樹脂で支持体を被覆後、皮膜を硬化させる時に、皮膜を表面に凹凸のある基材と密着させることにより、又は皮膜の硬化後に、皮膜表面をサンドブラスタ処理することにより、皮膜に凹凸を形成し、この凹凸による光の散乱により硬化型シリコーン樹脂含有皮膜の白色化を図ることもできる。
【0057】
また、皮膜には、搬送性を向上させるためマット剤が添加されることが好ましい。
【0058】
上記マット剤としては、ポリエチレン等のポリオレフィン及びポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)等のフッ素樹脂を挙げることができる。具体的な材料としては、低分子量ポリオレフィン系ワックス(例、ポリエチレン系ワックス)、高密度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系又はマイクロクリスタリン系のワックスを挙げることができる。フッ素樹脂の例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を挙げることができる。この中では、低分子量ポリオレフィン系ワックス(一般に分子量1000〜5000)が好ましい。また、マット剤として、上記以外に無機微粒子、例えば、SiO2 、Al2 O3 、タルクやカオリン、及びビーズ状プラスチックパウダー、例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンを併用してもよい。
【0059】
また、上記樹脂のマット剤の平均粒径は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に1〜5μmの範囲が好ましい。上記平均粒径は、大きい方が好ましいが、10μmを越えるとマット剤が皮膜から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなり、さらに曇り(ヘイズ度)が増大する。一方、上記平均粒径が0.1μm未満だと、マット剤として作用しずらい。
【0060】
上記マット剤の形状は扁平状であることが好ましく、予め扁平状のマット剤を用いてもよいし、軟化温度の比較的低い(例えば、30℃〜100℃)マット剤を用いて皮膜の塗布、乾燥時の加熱下に扁平状にしてもよいし、又は加熱下に押圧しながら扁平状にしてもよい。また、マット剤は、皮膜の表面から突出していることが好ましい。
【0061】
皮膜中に含まれる硬化型シリコーン樹脂の含有率は、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがさらに好ましい。硬化型シリコーン樹脂の含有率が30重量%未満だと、離型性能が不十分となる。
【0062】
また、皮膜中に含まれる非シリコーン化合物の含有率は、離型性の観点から、50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。
【0063】
さらに、皮膜中に含まれるマット剤の含有率は、0.1〜10重量%が好ましく、0.5〜5重量%がさらに好ましい。
【0064】
皮膜の厚みは、特に限定されないが、一般的には0.1μm以上100μm以下で用いられ、1μm以上20μm以下とすることが好ましい。支持体が用紙である場合に、前記アンカー効果を奏するには、塗布量(固形分)を5g/m2 以下とすることが好ましい。
【0065】
上記皮膜は、硬化前のシリコーン樹脂等を有機溶媒に溶解させ、又はシリコーン樹脂が無溶剤タイプである場合にはそのままの状態で、これらを支持体上へ塗布し、又は支持体をこれらの中に含浸させることによって形成することができる。塗布又は含浸方法としては、ブレードコーティング法、(ワイヤー)バーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0066】
皮膜の乾燥には、風、熱等を利用することができる。具体的な乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、又は加熱ローラに接触させる等通常使用される方法が採用される。
【0067】
乾燥後、作製した皮膜を硬化するためには、熱、光、電子線等が利用できる。このとき、硬化反応を制御するために重合制御剤や可塑剤等の添加剤を塗布液に混合してもよい。また、室温で硬化反応が進行するものはそのまま硬化できる。熱硬化する場合には乾燥と硬化とを同時に行ってもよい。光、電子線等により硬化する場合には、例えば、タングステンランプや高圧、低圧水銀灯等を光源として利用したり、100〜200W/cm程度の光を1分程度照射することにより硬化させることができる。
【0068】
一方、剥離に使用するための画像剥離部材は、最表面が硬化型シリコーン樹脂より画像形成材料との親和性が高い材料で形成される。画像形成材料との親和性は、例えば、化学構造式の部分構造単位から導かれるSolubility Parameter(SP値)等によって評価でき、SP値が近いもの、即ち、化学構造式が類似しているもの程、親和性が高く、相溶性も高い。
【0069】
このような画像剥離部材は、画像剥離部材全体を画像形成材料との親和性が高く、かつ耐熱性の各種金属や金属酸化物等で形成したり、基体上に画像形成材料との親和性が高い材料で形成された被覆層を形成することによって製造することができる。
【0070】
画像形成材料との親和性が高い材料としては、熱可塑性材料挙げることができる。熱可塑性材料としては、画像形成材料に使用された樹脂と同一材料が好ましい。このような熱可塑性材料として、スチレン、パラクロロスチレンの単独重合体又は共重合体等のスチレン系樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の単独重合体又は共重合体等のビニル系樹脂、エチレン、プロピレンの単独重合体又は共重合体等のオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂等が挙げられる。
【0071】
しかし、一つ又は数種の剥離部材で各種画像形成材料に対応するには、広い温度範囲にわたって画像形成材料との親和性を保ち続けるものが好ましく、そのような例として感圧接着剤(粘着剤)が挙げられる。感圧接着剤(粘着剤)には、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルエーテルポリマー系粘着剤、シリコーン粘着剤がある。これらの中では、画像形成材料を加熱溶融する温度で使用可能な良好な耐熱性を有すること、及び画像記録体の硬化型シリコーン樹脂との親和性がよく、画像形成材料の定着性と剥離性との両立を長期間の繰り返し使用にわたって維持できることから、シリコーン粘着剤が好ましい。
【0072】
画像形成材料と親和性が高いその他材料として、剥離部材の基体としても使用できる耐熱性のある各種金属、例えば、アルミニウム、ニッケル、白金、亜鉛、銅、鉄及びステンレス等、これらの合金やさらに表面を酸化処理したもの、また、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、リン酸カルシウム、チタン酸バリウム等の焼結体等がある。また、耐熱性のポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂やフィルム等も有効に使用できる。
【0073】
画像記録体上の画像には画像形成材料による凹凸があり、大きいところで20〜30μmの凹凸がある。この凹凸に追従できるくらいの凸凹が剥離部材の表面にあることが望ましい。実際には画像記録体に剥離部材を圧力をかけて接着しているので、流動性がある最表層ならば画像と密着できるが、微視的にみると空気層が最表層と画像形成材料の間に介在することがあり、両者の密着性が十分にならない場合がある。そこでさらに十分な効果を得るために、剥離部材表面は、数μm程度の凹凸があるほうがよい。その凹凸は画像剥離部材の樹脂等で形成された最表層に微粒子を添加することで作り出すことができる。この微粒子は、局所的な圧力も作り出し、表面層材料の主成分材料をさらに画像形成材料に密着させるよう作用する。
【0074】
微粒子の材質としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリカ、タルク、クレー(カオリン)、炭酸カルシウム、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレンーアクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミンーベンゾグアナミン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の微粒子が挙げられるが、特にシリコン樹脂、アクリル樹脂微粒子が好適である。
【0075】
このような粒子の形態は、画像剥離部材の表面に微量の凹凸を付けられればよいので、球形、楕円(偏平)、ドーナツ型、立方体、不定形等、どのような形でもかまわない。大きさは直径又は長手方向の長さが0.5μm〜20μm、好ましくは1μm〜15μmのものが好ましい。
【0076】
最表層である樹脂中に含まれる微粒子の含有率は、微粒子の材質や大きさにもよるが、5〜50重量%が好ましい。
【0077】
画像剥離部材の最表層に架橋構造を持つ樹脂材料を用いると、該最表層は弾性層的に働くが、樹脂の種類、膜厚によっては弾性層的な機能が十分に働かず、画像表面の凹凸に追従できない場合がある。その場合画像記録体の画像表面の凹凸に追従させる方法として、画像剥離部材の基体自身を弾性体にしたり、基体上に弾性層を設ける方法がある。このような弾性層の材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタリジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンープロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。加熱媒体として利用する場合を想定すると耐熱性が必要であるため、弾性層の材料としてはシリコーンゴムが望ましい。シリコーンゴムとしては、ミラブル型と液状とに大別できるが、ミラブル型シリコーンゴムにはジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系、メチルフルオロアルキル系等の直鎖状で高重合度のポリオリガノシロキサンを主原料とし、補強充填剤、各種添加剤を配合し、次いで加硫剤を添加して加熱硬化したものがある。液状シリコーンゴムには、室温で硬化する縮合型、白金系触媒を用いて加熱硬化させる付加型、紫外線硬化型等がある。
【0078】
このように製造された画像剥離部材を用いて画像を再生するには、画像記録体の画像が形成された面と、画像剥離部材とを接触させ、これらを加熱して該画像形成材料を該画像剥離部材へ転移させた後、これらを引き離すことにより達成することができる。なお、加熱と共に圧接してもよい。
【0079】
画像が形成された画像記録体から画像形成材料を除去する方法は、電子写真法に限るものではないが、前述したように、この電子写真法を実施する装置を使用することが原理的に最も有効である。その場合、電子写真法の最終工程を画像形成材料の定着及び画像形成材料の剥離を選択的に行うことができるように装置を改造すれば、本発明の画像記録体の再生方法を、画像記録装置と画像除去装置とを兼用した電子写真複写装置で実施することができ、スペースの有効利用を図ることができる。
【0080】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。なお、実施例及び比較例における『部』は重量部を意味する。
(実施例1)
<画像記録体の製造>
熱硬化型シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、商品名:YR3286、2%の過酸化ベンゾイル、BPO含有)1部をトルエン2部で希釈して、熱硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を調整した。この樹脂溶液1.0g/m2 を電子写真用複写用紙(富士ゼロックス(株)製A4再生紙:R紙)に滴下し、ワイヤーバーで膜厚が均一になるように塗布した。塗布後、室温で10分間乾燥した後、120℃で1時間熱風乾燥機で熱硬化反応を行い、シリコーン硬化膜が着膜した画像記録体を作製した。
なお、R紙上のシリコーン樹脂硬化皮膜の膜厚を正確に測定することが難しいため、同一条件で100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにシリコーン樹脂を塗布、乾燥、硬化した後、触針式膜厚計でその硬化皮膜の膜厚を測定した。また、この画像記録体を約10mm角に切断し、その表面硬さを微小高度計により測定し、次式によりヌープ硬さを算出した。
【0081】
ヌープ硬さ=P/0.07028×L2
式中、Pは荷重(Kg、0.03Kgを用いた。)、Lは圧子によりへこんだサンプルの対角線長さ(mm)をそれぞれ示す。
【0082】
その結果、硬化皮膜の膜厚は10μmであり、そのヌープ硬さは、10.3であった。
【0083】
<画像剥離部材の製造法>
表面に0.6mmのシリコーンゴム層を設けたステンレスロールを基体として用いた。
【0084】
シリコーン粘着剤(東芝シリコーン社製、商品名:TSR1520A)750部、その架橋剤(東芝シリコーン社製、商品名:TSR1520B)7.5部を、トルエン1030部に入れて撹拌混合し、さらに離型性材料として熱可塑性シリコーン樹脂粉末(東芝シリコーン社製、商品名:XR39−B1676)220部をそれに加え、溶解し塗布液を得た。この塗布液をシリコーンゴム層上に塗布して厚さが30μmの最表層を形成した。
【0085】
<定着性評価>
前記画像記録体に富士ゼロックス製電子写真画像形成装置、Vivace550機でベタ画像を含む白黒画像を印字した後、この白黒画像の定着性を評価した。画像の定着性は、定着した画像の、X−Rite938濃度計(X−Rite社製)で測定した濃度が約1.8のベタ画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を300g/cmの線圧で張り付け、10mm/sec.の速度で剥離した時の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度、以下、OD比と略す)で示した。電子写真用の画像記録体としては、OD比で0.8以上の画像形成材料の定着性が必要である。
【0086】
次いで、画像を除去して画像記録体を再生した。画像記録体の再生には、前記Vivace550機の定着器のヒートローラを製造した画像剥離部材と交換し、さらに画像剥離部材上に画像記録体から剥離した画像形成粒子を掻き取るためのブレードを装着した改造型電子写真画像形成装置を使用した。
【0087】
本実施例では、画像が記録された画像記録体を改造型Vivace550機の定着器に通紙した。なお、画像形成材料除去後の再生紙上の残存量は、画像形成材料の定着性の評価と同様にOD比を用いて評価した。残存量が気にならない画像濃度としては、OD比で0.08以下が望ましい。
【0088】
さらに、上記画像記録及び再生を10回繰り返し行った時の画像形成材料の定着性及び再生紙上の残存量評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
R紙に代えて、同じ大きさのOHPシート[富士ゼロックス製、商品名:白黒用OHPシート(その支持体に金属酸化物微粒子等による導電処理が施されたもの)]を用いた他は、実施例1と同様にして画像記録体を作製した。熱硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は10μm、ヌープ硬さは10.5であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果1×1010Ωであった。この画像記録体に実施例1と同様にして、Vivace550機で画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
熱溶融性シリコーン樹脂(東芝シリコン製、商品名:XC99−A5263)を用いて、これを酢酸エチルに固形分比10重量%になるように溶解し、塗布溶液を作製した。これを実施例1と同様の方法によりR紙上にシリコーン樹脂溶液2.0g/m2 を塗布し、100℃で10分間乾燥し、熱溶融性シリコーン皮膜を形成した画像記録体を作製した。膜厚測定のため、実施例1と同様にPET上に塗布溶液を塗工したが、PETフィルムに塗布液がはじかれ、均一な皮膜とならず、膜厚、ヌープ硬さを測定することができなかった。次いで、R紙上に皮膜を形成した画像記録体に、実施例1と同様にして、Vivace550で画像印字を試みたが、画像形成材料の画像記録体への定着性が乏しく、定着ロールへのオフセット(画像形成材料が画像記録体に定着されず、定着ロールへ付着してしまう現象)が発生し、画像を画像記録体上に定着することができなかった。
(比較例2)
R紙に代えて、富士ゼロックス製白黒用OHPシートを用いた他は、比較例1と同様な方法により熱溶融性シリコーン樹脂溶液1.0g/m2 の塗布を試みたが、塗布溶液がOHPシートにはじかれ、均一な皮膜形成をすることができなかった。また、比較例1と同様にVivace550機で画像印字を試みたが、皮膜形成したOHPの離型性のため紙送りすることができなかった。
(実施例3)
光硬化型シリコーン樹脂溶液(ナトコペイント製)1部にイソプロピルアルコール1部を加えて希釈し、光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を作製した。この塗布溶液1.0g/m2 をR紙上に滴下し、ワイヤーバーにて均一になるように塗布し、室温でしばらく放置したのち、紫外線照射装置で照射距離約20cm、160W/cmの照射強度で30秒、紫外線照射することにより、支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例1と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、5μmであり、ヌープ硬さは29.7であった。この画像記録体に富士ゼロックス製電子写真画像形成装置、Acolor935機でベタ画像を含むカラー画像を印字した。画像形成材料の定着性、剥離性の評価は、実施例1と同様の方法(改造型Vivace550機)により行った。なお、定着性、剥離性の評価には、画像形成材料としてプロセスブラックを使用した。また、白黒用画像形成材料とカラー用画像形成材料は、その結着剤樹脂が異なるため、その粘弾性挙動が異なり、そのためカラー画像の剥離温度は、もっとも剥離性のよかった110℃で行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
R紙の代わりに、同じ大きさの富士ゼロックス製の白黒用OHPシートを用いた他は、実施例3と同様にして支持体上に光硬化型シリコーン樹脂皮膜を形成したカラー用画像記録体を作製した。この光硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は5μm、ヌープ硬さは22.3であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、2.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例3の光硬化型シリコーン塗布液に、アミノ変性シリコンオイル(東芝シリコーン製、商品名:TSF4705)0.3部を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例5と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、6μmであり、ヌープ硬さは18.2であった。また、実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例3の光硬化型シリコーン樹脂塗布液に架橋型PMMAマット剤(総研化学(株)製、商品名:MR−2G−20−5、平均粒径:3μm)0.5部を加えた他は、実施例3と同様な方法により画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、6μmであり、ヌープ硬さは22.6あった。画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、6.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
シリコーンポリエステルワニス(東芝シリコン製、商品名:XR32−A1612、固形分比50%)をトルエンで2倍に希釈し、塗布溶液を作製した。これを実施例2と同様の方法により白黒用OHPシートにこの塗布溶液1.0g/m2 を塗布し、100℃で10分間乾燥し、支持体上にシリコーンポリエステルワニスの皮膜を形成した画像記録体を作製した。実施例1と同様にPET上に塗布溶液を塗布した。膜厚は12.5μmであり、ヌープ硬さは13.3であった。また、その表面抵抗は、2.1×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。画像形成材料は画像記録体に強固に定着したが、実施例1と同様な方法では、画像形成材料をほとんど剥離除去することができなかった。
(実施例7)
実施例3の光硬化型シリコーン塗布液に、反応性シリコン化合物(松本製薬製、商品名:SIC−434)0.1部を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、支持体上に光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、7μmであり、ヌープ硬さは32.6であった。また、実施例3と同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例8)
支持体を同じ大きさの白黒用OHPシートに変えた他は、実施例7と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。この光硬化型シリコーン樹脂皮膜の膜厚は7μm、ヌープ硬さは39.8であった。また、画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗を測定した結果、6.5×1010Ωであった。この画像記録体に実施例3同様にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例9)
光硬化型シリコーン塗布液に、メタクリル酸モノマー0.2部(触媒としてBPO2%添加)を添加した他は、実施例3と同様の方法により支持体上に光硬化型皮膜が形成された画像記録体を作製した。実施例3と同様に、PET上に実施例と同条件で光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を塗布、乾燥、光照射し、光硬化型シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化皮膜の膜厚は、10μmであり、ヌープ硬さは12.6であった。また、実施例3にして、画像印字を行い、その定着性と画像剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
シリコンハードコート剤としてトリエトキシシラン(和光純薬製)1部にエタノール0.44部、塩酸水溶液0.02部、水0.35部を添加し、塗布液を作製した。この塗布液5mlを富士ゼロックス株式会社製の白黒用OHPシートに塗布し、室温で乾燥後、100℃、3時間硬化反応を行い、シリコーンハードコート剤皮膜が形成された画像記録体を作製した。その硬化皮膜の膜厚は、膜厚は約1μmであり、ヌープ硬さは150であった。また、この画像記録体の皮膜形成側の表面抵抗は、1.8×1012Ωであった。この画像記録体に実施例1と同様にして、Vivace550でベタ画像を含む画像を印字を試みたが、画像形成材料の画像記録体への定着性が乏しく、定着ロールへのオフセットが発生し、充分な画像濃度を得ることができなかった。
(実施例10)
100℃における見掛けの溶融粘度が1×103 ポイズであるポリエステル樹脂A(ビスフェノールA:40重量%、フマール酸10重量%及びイソプロピレングリコール50重量%の共重合体)10部をメチルエチルケトン100部に溶解させた。これに導電性材料として、リン酸アルキル系界面活性剤0.05部、白色顔料としての酸化チタン(関東化学社製、平均粒径0.1μm)10部を添加して樹脂溶解液を作製した。この樹脂溶解液中に含まれる固形物に対して光硬化型ン樹脂(東芝シリコン製、商品名:UVHC8558)を80重量%となるように添加し、塗布溶液を調整した。この塗布溶液を厚さ100μmのポリエステルフィルム上にアプリケータを使って塗布し、風乾後、皮膜を100℃で10分間加熱乾燥させ、その後実施例3と同様の光照射装置により光硬化させ、支持体上に白色の光硬化性皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化性皮膜の膜厚は11μmであり、ヌープ硬さは35.2であった。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例10で得られた画像記録体にサンドブラスタ処理を施し、その後純水、メタノールで十分に洗浄し、100℃で10分間乾燥させることにより、表面に凹凸が形成された白色の画像記録体を作製した。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例12)
<導電性下塗り層溶液>
水分散型アクリル樹脂(日本純薬(株)製、商品名:ジュイマーET−410)14.2部、二酸化スズ(石原産業製、商品名:SN−88)22.5部、エチレンオキサイド系非イオン界面活性剤(日本エマルジョン社製、商品名:EMALEX/NP8.5)1.6部及び純水960部を十分に攪拌し、導電性下塗り層溶液を作製した。
<導電性白色支持体の作製>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(パナック社製、商品名:ルミラー100/E20)にコロナ放電処理を行い、上記組成の導電性下塗り層溶液をワイヤーバーで塗布し、皮膜を120℃で1分間乾燥させ、導電性処理された白色フィルム支持体を作製した。
【0089】
実施例3の光硬化型シリコーン樹脂塗布溶液を前記白色フィルム支持体上に実施例3と同様に塗布し、皮膜を乾燥させ、皮膜に光を照射し、白色フィルム支持体上に光硬化性シリコーン樹脂皮膜が形成された画像記録体を作製した。光硬化性皮膜の膜厚は7.3μmであり、ヌープ硬さは31.7であった。実施例3と同様の方法によりこの画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例12で得られた画像記録体にサンドブラスタ処理を施し、その後純水、メタノールで十分に洗浄し、100℃で10分間乾燥させることにより、表面に凹凸が形成された白色の画像記録体を作製した。また、実施例3と同様の方法により画像記録体の定着性と剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
本発明は、専門業者に頼らず、有機溶剤を使うことなく安全に家庭やオフィスでの再生が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0092】
また、本発明は、画像形成材料との良好な定着を保持すると共に、記録面を痛めることなく画像形成材料の除去が可能な画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0093】
さらに、本発明は、白黒画像やカラー画像を形成する電子写真方式及び熱転写方式の画像形成装置等に使用できる画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
【0094】
また、本発明は、支持体として紙、コート紙、プラスチックフィルム、OHP用フィルム等が使用された画像記録体及びこれを用いた画像記録体の再生方法を提供することができる。
Claims (14)
- 支持体の表面にヌープ硬さ1以上100以下の硬化型シリコーン樹脂を含む皮膜が形成された画像記録体の画像が形成された面と、最表層が該画像記録体より画像形成材料と親和性が高い材料から形成され微粒子を含む画像剥離部材とを接触させ、これらを加熱することにより該画像形成材料を該画像剥離部材へ転移させた後、該画像記録体と該画像剥離部材とを引き離すことを特徴とする画像記録体の再生方法。
- 前記画像剥離部材は基体上に被覆層が形成された構造を有し、その最表層が熱可塑性材料又は感圧接着剤で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記画像剥離部材の基体上に弾性層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記弾性層がシリコーンゴムを含有することを特徴とする請求項3に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記画像記録体の前記皮膜中に含まれる前記硬化型シリコーン樹脂の含有率は30重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記皮膜の厚さが0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記支持体が、紙、プラスチック、金属及びセラミックからなる群の中から選ばれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記支持体がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記プラスチックフィルムが透明であることを特徴とする請求項8に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記プラスチックフィルムが白色であることを特徴とする請求項8に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記画像記録体の表面抵抗が1×108 〜1×1013Ωであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記硬化型シリコーン樹脂は、熱、光及び電子線の少なくとも1種で硬化されたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記皮膜が変性シリコーンオイルをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
- 前記皮膜がマット剤をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像記録体の再生方法。
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