JPH10319620A - 再生可能な画像記録用紙 - Google Patents

再生可能な画像記録用紙

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JPH10319620A
JPH10319620A JP13261797A JP13261797A JPH10319620A JP H10319620 A JPH10319620 A JP H10319620A JP 13261797 A JP13261797 A JP 13261797A JP 13261797 A JP13261797 A JP 13261797A JP H10319620 A JPH10319620 A JP H10319620A
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silicone oil
modified silicone
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coating layer
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智雄 小林
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薫 鳥越
Hirakazu Ezure
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式または熱転写方式を使用した画
像形成装置などに用いられ、離型性を有する材料が他へ
の移行性を実質的にもたず、画像形成材料による画像形
成とその除去を繰り返すことのできる再生可能な画像記
録用紙を提供すること。 【解決手段】 基材の記録面に填料と樹脂とを含む塗工
層を設け、該塗工層の表面に反応性シラン化合物と分子
中に反応基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成
物から得られた離型材料を塗布または含浸し、乾燥した
ことを特徴とする再生可能な画像記録用紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式また
は熱転写方式を使用した画像形成装置などに用いられ、
画像形成材料による画像形成とその除去を繰り返すこと
のできる再生可能な画像記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題が表面化して森林資
源保護の重要性が認識され、紙原料としての木材資源の
利用削減が重要課題となっている。利用削減対策の一環
として現在、一度使用された紙はゴミとして廃棄せず、
古紙としての再利用が進められている。しかし古紙再生
は重要な資源回収ではあるが、再生紙にするまでに多く
の問題を抱えている。例えば、古紙回収に至っては特に
企業においては機密文書やデータの漏洩問題、紙の種類
による分別回収等の作業や運搬、回収古紙の集積場所や
管理の問題などがある。また、古紙再生は再度パルプ化
させることでパルプの繊維が短くなり再生紙の品質低下
をまねいたり、画像部分のインキなどを脱墨するための
装置もさらに必要になる。抄紙装置自体が巨大で複雑、
高価であることから古紙再生は個人では到底対応でき
ず、ある特定企業にのみ頼らざるを得ないという問題も
ある。これら分別回収、運搬、集積、巨大装置の稼働な
どが効率良く行われなければ、エネルギーを大量に消費
する(CO2 の排出量が多くなる)こととなり、結果的
に地球環境問題の一つでもあるCO2 量増加に伴う地球
温暖化現象をさらに助長させることにもなりかねない。
【0003】このような問題を解決する方法として、一
度使用した用紙上の画像を消去して再生する方法が提案
されている。
【0004】たとえば、特開平2−55195号公報に
は、プラスチック、金属、液透過性のない紙あるいはセ
ラミックスを画像支持体として使用し、これら表面にシ
リコンシール剤というシリコンゴムの離型剤を皮膜とし
て塗布した、画像消去可能な印刷体が提案されている。
その画像消去方法は、画像支持体上に熱溶融性インキで
形成された画像を、熱溶融性剥離体を介在させ加熱・加
圧し、冷却後画像を剥離体側に付着させ、支持体から剥
ぎ取るものである。
【0005】しかしながら、離型剤の皮膜に移行性があ
り、画像形成装置内搬送の際、搬送ローラーなどの接触
部分に離型剤の一部が付着していき、滑り易くなるため
に紙づまりが起きたり、それを繰り返すことで、装置内
で浮遊するトナーが印刷体に付着することによる画像面
の汚れ等を引き起こすという問題があった。また、特開
平2−55195号公報には、移行性を少なくするため
に、ペット(PET)フィルムやラミネートフィルムな
どの表面平滑性の高い基材を用いることが提案されてい
るが、皮膜の移行を十分に防止することはできず、繰り
返しの再生処理により皮膜の離型剤がなくなり、再生能
力がなくなってしまうという問題もあった。
【0006】また、特開平5−216376号公報に
は、記録面にシリコーンオイル、フッ化オイル、その他
脂肪族系オイル等の離型剤を塗布した記録紙を使用し、
画像消去時に記録紙をオフセットし易い材料からなる媒
体に圧接して画像を構成するトナーを転移・除去する記
録体が提案されている。
【0007】しかしながら、これらオイルを用いた場
合、十分なトナーの離型効果を示すためには記録紙が透
明性を呈するほどの濃度を塗布しなければならず、紙の
イメージを損ねた低品質な記録紙となってしまうという
問題があった。また、定着性も悪く、手などで擦られる
だけで容易に画像部分が剥がれてしまい記録保存性に欠
けるという問題もあった。さらに、特開平2−5519
5号公報と同様、移行性の問題もある。
【0008】さらに、特開平6−219068号公報に
は、加熱により画像形成材料と密着性が悪くなる熱変性
材料、例えば含フッ素アクリレート材料を記録紙に塗
布、または含浸させることにより再生が可能な記録紙が
提案されている。
【0009】含フッ素アクリレート材料を塗布あるいは
含侵させて十分な剥離性を得ることはできるが、基材で
ある記録紙との密着性も良くないため移行性があり、複
写機装置内への通紙では紙送りローラと記録紙が滑り易
くなり、記録紙づまりや位置ずれによる印字不良が生じ
てしまう。このため、記録紙上の一部に熱変性材料を塗
布または含浸させない領域を作る手間を必要とし、記録
紙の製造が容易ではなく、製造コストがかかるという問
題があった。また、特開平6−219068号公報に
は、熱圧力で画像の定着を行うことは困難であることが
明記されており、圧力のみで画像の定着を行っている
が、今日一般に使用されている電子写真方式の複写機に
おいては、記録紙に熱圧力をかけて画像形成材料を定着
させているため、圧力画像定着のみの使用ではあまりに
も汎用性が低すぎるという問題もあった。さらに、この
記録紙が焼却された場合、焼却炉の中で多量のフッ酸を
発生させる懸念もある。
【0010】一方、発明者等は、特願平08−1297
10号明細書において普通紙の風情を損なわない再生可
能な画像記録体を提案している。しかしながら、普通紙
(非塗工紙)に離型処理をしているため、ほとんど普通
紙と見分けが付かず、パンチによる穴開け、折り目をつ
ける、シュレッダーにかけるなどということを頻繁に発
生させ、再生して使用することができなくなる問題が発
生してきた。
【0011】また、近年の画像出力装置のデジタル化に
伴い、高画質化が可能になったが、従来の普通紙では高
画質化させようとしても、その表面の繊維の凹凸などに
よる影響を受け、特に見た目に中間調領域の粒状性が悪
く(画像のざらつき感)、高画像密度領域における濃度
むらや微細なグロスむらが目立つという欠点があり、高
画質化に対応するためには高画質用の塗工紙が必要とさ
れる。そのため、高画質用の塗工紙の再生化も望まれる
ようになった。しかしながら、表面平滑性の高い塗工紙
などの表面を離型性処理した場合、均一に離型性を付与
することが難しく、上記粒状性や濃度むらやグロスむら
を生じ、定着性や装置内での用紙搬送性が悪くなるとい
う問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、一度使用
した用紙上の画像を消去して再生する方法が種々提案さ
れている。しかし、離型材の剥離・移行を十分に防止し
て、繰り返しの再生処理に耐えうる画像記録用紙は得ら
れていない。これは、離型材が支持体に付着しただけの
ような離型材と支持体との結び付きの弱さが原因である
と考えられる。そのため、繰り返しの再生処理に耐えう
る画像記録用紙を提供すべく、離型材を基材に密着させ
る技術の開発が望まれていた。また、画像形成材料の定
着性と剥離性とは相反する効果であり、両方の性能を十
分に満足する画像記録用紙は得られていない。そのた
め、画像記録用紙においては、定着性と剥離性とを両立
させる技術の開発が望まれていた。
【0013】すなわち、本発明の目的は、離型材料が基
材に密着し、画像形成材料による画像形成とその除去を
繰り返すことのできる再生可能な画像記録用紙を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、画像形成材料の
画像記録用紙への良好な画質と定着性を保持しながら、
記録用紙表面を痛めることなく画像形成材料の除去もで
きる再生可能な画像記録用紙を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、離型材料が他への移行性を実質的
にもたず、記録装置内での、紙詰まり等の用紙搬送性に
関わる問題を生ずることのない再生可能な画像記録用紙
を提供することにある。また、本発明の目的は、塗工層
を有することにより、表面平滑性に優れていて高画質が
要求される用途にも使用でき、普通紙との区別が可能な
再生可能な画像記録用紙を提供することにある。さら
に、本発明の目的は、電子写真方式または熱転写方式を
使用した画像形成装置などに用いることができ、古紙再
生を専門業者に頼らずに、その場で再生できる画像記録
用紙を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は再生可能な
画像記録用紙について鋭意研究を重ねた結果、上記の目
的を達成できる以下の本発明を完成した。
【0015】即ち、本発明の、再生可能な画像記録用紙
は、基材の記録面に填料と樹脂とを含む塗工層を設け、
該塗工層の表面に反応性シラン化合物と分子中に反応基
を有する変性シリコーンオイルとを含む組成物から得ら
れた離型材料を塗布または含浸し、乾燥したことを特徴
としている。
【0016】また、塗工層に含まれる前記填料が、無機
材料、特に、カオリン(カオリンクレー)、二酸化チタ
ン、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナあるいは炭酸
カルシウムであり、塗工層に含まれる前記樹脂が、スチ
レン−ブタジエン共重合ラテックス、ポリビニルアルコ
ール、スチレン−アクリル系樹脂あるいは澱粉であるこ
とを特徴としている。
【0017】また、前記填料の含有量が、塗工層の固形
分に対し、30重量%以上95重量%以下であることを
特徴とする。
【0018】さらに、前記シラン化合物が、フッ素含有
シラン化合物と、イソシアネートシラン化合物と、アル
コキシシラン化合物と、シランカップリング剤と、Si
H基を持つシラン化合物とからなる群から選ばれた少な
くとも1種の化合物であり、前記反応性シラン化合物
が、フッ素含有シラン化合物、イソシアネートシラン化
合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング
剤、およびSiH基を持つシラン化合物からなる群から
選ばれた少なくとも1種の化合物であり、分子中に反応
基を有する変性シリコンオイルが、シラノール変性シリ
コーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ア
ミノ変性シリコーンオイル、およびメチルハイドロジェ
ンシリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも
1種の変性シリコーンオイルであり、これらの配合比
が、反応性シラン化合物10重量部に対して、分子中に
反応基を有する変性シリコンオイル1重量部以上40重
量部以下であることを特徴としている。
【0019】本発明の画像記録用紙では、基材の記録面
に填料と樹脂とを含む塗工層を設け、該塗工層の表面に
反応性シラン化合物と分子中に反応基を有する変性シリ
コーンオイルとを含む組成物から得られた離型材料を塗
布または含浸し、乾燥することにより、反応性が高いシ
ラン化合物を塗工層と化学反応させて塗工層と強力な結
合を形成し、塗工層と離型性皮膜との密着性を高めると
同時に、シリコーンオイルが持っている優れた離型性を
生かしながら、シリコーンオイルとシラン化合物との間
でも化学結合を形成させることにより、他の部材への移
行性を制御している。
【0020】すなわち、本発明によれば、画像形成材料
に対する離型性を損なうことなく、離型性を有する材料
の移行を防止でき、半永久的に再生可能な画像記録用紙
が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の再生可能な画像記
録用紙について詳細に説明する。
【0022】本発明では、基材の記録面に填料と樹脂と
を含む塗工層を設ける。
【0023】本発明に使用される基材としては、酸性ま
たは中性の上質紙、中質紙、更紙、再生紙などを使用で
きる。これらの紙に使用するパルプは、特に限定される
ものではないが、化学パルプとしては、例えば、広葉樹
晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹
晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒
クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ
等の木材およびその他の繊維原料を化学的に処理し、晒
し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが好
ましく、白色度の高いものがさらに好ましい。また古紙
パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等に
おいて発生する裁落、損紙、幅落としした古紙である上
白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パ
ルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、
更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感
熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録
方式、カーボン紙等により印字された古紙、および水
性、油性インクや鉛筆などで筆記した古紙、新聞古紙を
解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ、比
較的脱墨が容易な平板印刷された古紙パルプが好まし
く、その中でも、白色度が高く夾雑物の少ない古紙パル
プがさらに好ましい。塗工後の白色度を高くするため
に、基紙に白色度の高いパルプを選択して使用するか、
パルプの漂白工程を強化したパルプの利用や、パルプス
ラリー中へ、蛍光染料を混合して使用してもよい。
【0024】基材として使用する紙には、密度を上げ、
表面平滑性を制御し、塗工適性を良くするため、並び
に、塗工後の不透明度、白さの調整などのため、填料を
使用する。ここで使用できる填料としては、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョークなどの炭酸カ
ルシウム、カオリン、焼成クレー、パイオフェライト、
セリサイト、タルクなどの珪酸塩類や、二酸化チタン、
シリカ、アルミナ、炭酸マグネシウム等の無機填料、及
び尿素樹脂、スチレンなどの有機顔料を挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。塗工後の不
透明度の観点からは、特に高屈折率の二酸化チタン、軽
質炭酸カルシウム等をしようすることが好ましい。
【0025】基材として使用する紙における填料の配合
量は、特に限定されるものではないが、5〜20重量%
の範囲が好ましい。さらに好ましくは、7〜15重量%
の範囲である。填料の配合量が5重量%より少ないとカ
レンダーなどによる高密度化処理がかかりにくくなった
り、不透明度が低下したり、紙のこわさが強くなりすぎ
て走行性を低下させるという弊害がある。また填料の配
合量が20重量%を超えると、逆に紙のこわさが弱くな
る。
【0026】基材として使用する紙には、サイズ剤など
の各種薬品を、内添または外添することができる。
【0027】サイズ剤の種類は、ロジン系サイズ剤、合
成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤等のサ
イズ剤を挙げることができ、硫酸バンド、カチオン化澱
粉等、適当なサイズ剤と繊維との定着剤を組み合せても
使用できる。用紙保存性という観点からみると、中性サ
イズ剤、特に、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤が好
ましい。
【0028】また、基材として使用する紙の電気抵抗値
を調整する目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、硫酸ナトリウム、酸化亜鉛、二酸化チタ
ン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど
の無機物やアルキルリン酸エステル塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、スルホン酸ナトリウム塩、第4級アンモニウ
ム塩等の有機系の材料を単独で、または混合して使用す
ることができる。この他に、紙力増強剤、染料、PH調
整剤などを添加してもよい。
【0029】基材として使用する紙はどの様な抄紙方法
で抄紙されたものでもよく、特に限定されるものではな
いが、紙の地合いを良くするために、例えば、スクリー
ンや過流式クリーナーなどを抄紙機のヘッドボックスの
直前に設置して、基紙原料の流動方向が整流されるよう
にしたり、分散剤、地合い制御添加剤、リテンション及
びろ水助剤などを用いて原質のフロック化を管理する方
法を採用することができる。
【0030】本発明の基材の記録面とは、塗工紙の表
面、すなわち、画像形成材料に画像が記録される記録面
を意味する。この記録面に離型材料が固定できれば、種
々の離型材料が利用できる。離型剤の離脱、つまり、移
行性を、特に十分に防止するために、離型剤が、科学的
に基体に結合して、皮膜を形成することが好ましい。
【0031】本発明の填料としては、反応性シラン化合
物等と直接反応するような化合物であれば、特に制限は
ないが、一般に填料として使用される無機材料は、表面
に水酸基などの反応性水素を持った官能基を有しており
反応性シラン化合物等と直接反応することができるた
め、好適に使用することができる。
【0032】例えば、このような無機材料としては、炭
酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネ
シウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカ
ーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリ
ン、アルミノ珪酸塩、パイオフィライト、セリサイト、
ベントナイト、スメクタイトなどが挙げられ、この中で
も、屈折率、白色度が高い点で、カオリン、二酸化チタ
ン、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナあるいは炭酸
カルシウムが好ましく、電子写真方式における画質維持
性を考慮すると炭酸カルシウムが特に好ましい。また、
本発明の填料としては、その他に尿素ホルムアルデヒド
樹脂微粒子、ポリスチレン樹脂微粒子、微小中空粒子や
その他の有機顔料などを使用することもできる。これら
の填料は単独で使用してもよく、2以上組み合わせて使
用してもよい。
【0033】本発明の填料の含有量は、塗工層の固形分
に対し、30重量%以上95重量%以下であることが好
ましく、40重量%以上90重量%以下の範囲がさらに
好ましい。30重量%以上95重量%以下の範囲内であ
れば画像記録用紙は、良好で且つバランスのとれた定着
性及び剥離性を呈する。填料の含有量が、塗工層の固形
分に対し、30重量%より少ないと離型材料が樹脂成分
上では薄く均一に濡れにくくなり、画像形成材料の定着
性は良いが、その剥離性が悪くなる。また、95重量%
を超えると、離型材料のぬれ性はよいが、定着性が悪く
なる。また、根本的に填料が樹脂中に固定できなくなっ
て脱落しやすくなり、繰り返し使用ができなくなった
り、そのために用紙の搬送性に問題が出てくる。
【0034】このように、填料の含有量が画像形成材料
の定着性及び剥離性に影響する理由は明らかではない
が、填料の塗工層表面への析出割合に依存し、以下のよ
うになっているものと考えられる。離型材料と反応性の
高い填料が少なく樹脂成分が多いと、離型材料にはオイ
ル成分も含まれているために、樹脂部分ではじかれ、樹
脂のむき出し部分が多く発生し、その結果、親和性の良
い画像形成材料と樹脂の結び付く部分が増加し、用紙上
から画像形成材料を剥離することができなくなる。一
方、填料が多すぎても、離型性面が全体を覆いすぎてし
まうために、画像形成材料の定着性が悪くなる。
【0035】本発明の画像記録用紙は、表面の平滑性が
高いため、離型性の物が僅かに表面に付着するだけでも
画像形成材料の定着性がその部分で悪くなる。しかし、
また僅かな離型性を均一に全表面に長期間、しかも、移
行性がなく繰り返し存在させることも難しい。しかし、
本発明の画像記録用紙は、塗工層における填料と樹脂の
配合割合と、その上を処理するシラン化合物と変性シリ
コーンオイルとの液組成物を組み合せることで、上記欠
点を克服している。
【0036】またこれら定着と剥離の制御にシラン化合
物と変性シリコーンオイル液組成物に画像形成材料と親
和性の高い材料を混合して使用することで幅を広げるこ
とも可能であると考えられる。
【0037】本発明の樹脂としては、基材や顔料等の添
加剤との接着力が強く、ブロッキング性が少ない水溶性
接着剤、エマルジョン、ラテックスなどを単独で、また
は混合して使用することができる。例えば、ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉類、ゼラ
チン、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸−メタクリル酸
3元共重合体、スチレン−アクリル系樹脂、イソブチレ
ン−無水マレイン酸樹脂、カルボキシメチルセルロース
などの水溶性樹脂や、アクリル系エマルジョン、酢酸ビ
ニル系エマルジョン、塩化ビニリデンエマルジョン、ポ
リエステル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重
合ラテックス、アクリルニトリル−ブタジエン共重合ラ
テックスなどが使用できる。
【0038】一般に普通紙のような表面に凹凸を持つも
のでは、画像形成材料がその凹凸に食い込むアンカー効
果のために定着性がよくなるが、塗工層を持つ記録体
は、基本的に表面の平滑性が高く、凹凸がないために、
定着性が低下する。従って、定着性を上げるためには、
画像形成材料と親和性のよい樹脂を使用するのが好まし
く、たとえば、スチレン−ブタジエン共重合ラテック
ス、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリル系樹
脂、澱粉などを好適に使用することができる。本発明の
塗工層の塗工方法としては、例えばブレード塗工、エア
ナイフ塗工、ロール塗工、バー塗工、リバースロール塗
工、グラビア塗工、カーテン塗工等のオフマシンコータ
ーやゲートロール塗工、サイズプレス塗工等の塗被装置
を設けたオンマシンコーターのいずれも使用することが
できる。
【0039】本発明の塗工層の塗工量は、2〜15g/
2 、特に3〜12g/m2 の範囲が好ましい。塗工量
が2g/m2 より少ないと、塗工層が用紙表面の繊維を
被覆することがきず、繊維の凹凸が残るため画像が乱れ
る。また、塗工量が15g/m2 を超えると、画質改善
の効果が飽和して、コスト高となる他、紙粉量が増加す
るため好ましくない。
【0040】本発明の離型材料は反応性シラン化合物と
分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとを含む
組成物から得られた離型材料である。
【0041】本発明の反応性シラン化合物とは、ヒドロ
キシル基やアミノ基等の反応性水素を持った基体表面お
よびシリコーンオイルと反応することができる化合物を
いい、その構造中に、基体表面およびシリコーンオイル
と反応するための官能基を有することが必要とされる。
【0042】本発明の反応性シラン化合物としては、基
体表面およびシリコーンオイルと反応することができる
シラン化合物であれば特に制限はないが、フッ素含有シ
ラン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシ
シラン化合物、シランカップリング剤、SiH基を持つ
シラン化合物が好ましく用いられる。その中でも、反応
性の点で、官能基としてメトキシ基あるいはイソシアネ
ート基を有するものが好ましく、それらが3官能基以上
含まれているものが、さらに好ましい。
【0043】基材に紙を用いた場合には、これら化合物
中に反応性の塩素原子が含まれると塩素原子に起因して
生成される塩酸によって紙がおかされ、保存などの取扱
いが困難になるので、塩素原子を含まないことが望まし
い。これら化合物は用紙内に通常含まれる填料であるタ
ルクやクレー(カオリン)、炭酸カルシウムなどの無機
微粒子との反応性も高く、パルプ繊維とともに硬化し、
用紙内に固定させる役目も果たす。
【0044】フッ素含有シラン化合物には、たとえばC
3 (CH22 Si(OCH3 3 、C6132
4 SiCl3 、C61324 Si(OCH33
715CONH(CH23 Si(OC253
81724 SiCl3、C81724 Si
(OCH33 、C81724 SiCH3 Cl2
81724 SiCH3 (OCH32 、C817
24 Si(ON=C(CH3 )(C25 ))3
91924 Si(OCH33 、C9192
4 Si(NCO)3 、(NCO)3 SiC246
1224 Si(NCO)3 、C91924 Si
(C25 )(OCH32 、(CH3 O) 3 SiC2
481624 Si(OCH33 、(CH3
O)2 (CH3)SiC91824 Si(CH3
(OCH32 、などおよびこれら化合物の加水分解物
あるいは部分縮合物等が例示でき、その中で特に、官能
基として、メトキシ基あるいはイソシアネート基を有
し、それらが3官能基以上含まれているものが好まし
い。
【0045】イソシアネートシラン化合物類としては
(CH33 SiNCO、(CH3 2 Si(NCO)
2 、CH3 Si(NCO)3 、ビニルシリルトリイソシ
アネート、C65 Si(NCO)3 、Si(NCO)
4 、C25 OSi(NCO) 3 、C817Si(NC
O)3 、C1837Si(NCO)3 、(NCO)3 Si
24 Si(NCO)3 、等が例示できる。その中で
特に、官能基であるイソシアネート基が3官能基以上含
まれているものが好ましい。
【0046】アルコキシシラン化合物としては一部Si
H基を持つシラン化合物を含むが、Si(OCH3
4 、CH3 Si(OCH33 、HSi(OCH3
3 、(CH32 Si(OCH32 、CH3 SiH
(OCH32 、C65 Si(OCH33 、Si
(OC254 、CH3 Si(OC253 、(C
3 2 Si(OC252 、H2 Si(OC2
52 、C65 Si(OC2 53 、(CH32
CHCH2 Si(OCH33 、CH3 (CH25
i(OCH33 、CH3 (CH27 Si(OC2
53 、CH3 (CH2 11Si(OC253 、C
3 (CH215Si(OC253 、CH3 (CH
217Si(OC253 、等のシラン化合物および
これらシラン化合物の加水分解物あるいは部分縮合物な
どが例示できる。その中で特に、官能基が3官能以上含
まれているものが好ましい。また、SiH基を持つシラ
ン化合物は、上記の化合物の範疇に入らず、しかも、S
iH基を有し且つ官能基を有するシラン化合物である。
【0047】シランカップリング剤として、ビニルトリ
ス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン
類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等
のアクリルシラン類、β−(3,4エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等のアミノシラン類などがある。その中で特に、
官能基が3官能以上含まれているものが好ましい。
【0048】その他のシランカップリング剤として、H
SC36 Si(OCH)3 、ClC36 Si(OC
H)3 等のシラン化合物の加水分解物あるいは部分縮合
物などが例示できる。
【0049】反応性シラン化合物は塗工層材料との反応
性の点で、一種の化合物の単独使用に限られず、複数の
化合物を組み合わせて使用することが好ましく、また
は、その部分加水分解物を使用することが好ましい。本
発明の分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルと
は、常温で油状のオルガノポリシロキサンであって、前
記反応性シラン化合物と反応するためのヒドロキシル基
やアミノ基等の反応性水素を有する基を導入したものを
意味する。本発明の分子中に反応基を有する変性シリコ
ーンオイルは、反応性シラン化合物との組合せや塗工性
を考慮すると、常温での粘度が5〜10000センチス
トークスのものが好ましく、15〜7000センチスト
ークスのものがさらに好ましい。ここで、常温とは25
℃である。
【0050】本発明の分子中に反応基を有する変性シリ
コーンオイルとしては、シラノール変性シリコーンオイ
ル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アミノ変性シ
リコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カル
ビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコ
ーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノ
ール変性シリコーンオイルや、メチルハイドロジェンシ
リコーンオイル等を挙げることができる。変性シリコー
ンオイルは、基材や塗工層を着色または変色させること
なく使用できるという点で無色透明のものが好ましく、
また、反応性に優れるという点でシラノール変性シリコ
ーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アミ
ノ変性シリコーンオイルがさらに好ましい。また、互い
に異なった反応基、例えばアミノ基及びアルコキシ基が
1分子中に含まれる異種反応性基変性シリコーンオイル
も反応性シラン化合物との反応性や塗工層との密着性を
両立できるという点で好ましく用いることができる。
【0051】本発明の反応性シラン化合物に対する分子
中に反応基を有する変性シリコンオイルの配合比は、目
的に応じて任意に決めることができるが、反応性シラン
化合物10重量部に対して分子中に反応基を有する変性
シリコンオイル1重量部以上40重量部以下であること
が好ましい。
【0052】分子中に反応基を有する変性シリコーンオ
イルが1重量部より少ないと、定着した画像形成材料の
剥離が困難になり、また、40重量部を超えると、画像
形成材料の定着性の悪化や、基体表面にベタ付き感が生
じたり、塗工紙の場合でも透明性を帯びるなどの問題が
生じ易い。
【0053】変性シリコーンオイルはシラン化合物との
相互作用で皮膜の画像形成材料剥離性の向上に、特に寄
与する。この詳細な機構は不明であるが、変性シリコー
ンオイル鎖がシラン化合物と複雑に絡み合い、表面に存
在する各種反応基、とくに極性基及びイオン結合性のミ
クロな分布を結果的に制御し、画像形成材料の剥離に最
適な表面構造が達成されるためであると考えられる。
【0054】シラン化合物及び変性シリコーンオイルを
併用した場合には、画像形成材料剥離性が明らかに向上
することから、これら両者の複雑な絡み合いはかなり大
きな役割を果たしているものと思われる。
【0055】また、例えばカルボキシル変性シリコーン
オイルとイソシアネートシラン化合物との組み合せにお
いては、カルボキシル基が有する極性が、イソシアネー
トシラン化合物と電気的な相互作用を形成するため、熱
や光等の外部からのエネルギー作用を受けても、容易に
絡み合いを解除しない効果をもたらしていると考えら
れ、したがって、長期にわたり、効果が持続するものと
考えられる。
【0056】本発明の反応性シラン化合物と分子中に反
応基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成物に
は、上記硬化性シリコン化合物の他にシリカゲル、Si
2 、シリコーン樹脂の微粒子などを混合しても良い。
【0057】本発明の反応性シラン化合物と分子中に反
応基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成物に
は、離型材料の機能を損なわない量の添加物、例えば、
アルミニウム化合物、チタニウム化合物、ジルコニウム
化合物、フッ素化合物などを画像形成材料の定着制御や
筆記性の制御、基材との反応性の制御などの点を考慮し
て、含んでも良い。
【0058】その例として、アルミニウムイソプロポキ
サイド、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウ
ムtert−ブチレート、テトラiso−プロピルチタ
ネート、テトラn−ブチルチタネート、テトラiso−
ブチルチタネート、テトラsec−ブチルチタネート、
テトラtert−ブチルチタネート、テトラn−ペンチ
ルチタネート、テトラiso−ペンチルチタネート、テ
トラn−ヘキシルチタネート、テトラn−ヘプチルチタ
ネート、テトラn−オクチルチタネート、テトラiso
−オクチルチタネート、テトラn−ノニルチタネート、
テトラメチルジルコネート、テトラエチルジルコネー
ト、テトラiso−プロピルジルコネート、テトラn−
プロピルジルコネート、テトラn−ブチルジルコネー
ト、テトラiso−ブチルジルコネート、テトラter
t−ブチルジルコネート、モノsec−ブトキシアルミ
ニウムジイソプロピレート、エチルアセトアセテートア
ルミニウムジイソプロピレート、ジn−ブトキシアルミ
ニウムモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジn
−ブトクサイドメチルアセトアセテート、アルミニウム
ジイソブトキサイドモノメチルアセトアセテート、アル
ミニウムジsec−ブトキサイドモノエチルアセトアセ
テート、アルミニウムジiso−プロポキサイドモノエ
チルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルア
セトネート、アルミニウムジiso−プロポキサイドモ
ノアセチルアセトネート、アルミニウムモノアセチルア
セトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニ
ウムトリス(エチルアセトアセテート)、環状アルミニ
ウムオキサイドアシレート化合物、ジ−iso−プロポ
キシチタン−ビス(アセチルアセトネート)、ジn−ブ
トキシチタン−ビス(アセチルアセトネート)、テトラ
オクチレングリコールチタネート、テトラキスアセチル
アセトンジルコネートなどが挙げられる。
【0059】前記フッ素化合物としては、フルオロオレ
フィン系樹脂を用いることができ、具体的にはテトラフ
ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサ
フルオロプロピレン、パーフルオロプロピルビニルエー
テル等を例示することができる。これらは2種以上混合
して使用しても良い。また、フッ素化合物としてXCF
2 (OC24p (OCH2q OCF2 Xで示され
るパーフルオロポリエーテルで、具体的にはXがOCN
−C63 (CH3 )NHCO−で表されるイソシアネ
ート変性物、−COOHで表されるカルボキシル基変性
物、−CH2 OH、−CF2 CH2 (OCH2 CH2
n OH等で表されるアルコール変性物、−COORで表
されるエステル変性物なども挙げられる。
【0060】本発明の再生可能な画像記録用紙は前記離
型材料を前記塗工層の表面に塗布または含浸し、乾燥す
ることによって得られるものである。
【0061】塗布あるいは含浸させる方法としては、ブ
レードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、
スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテ
ンコーティング法、ロッドバーコーティング法、ロール
コーティング法等の通常使用される方法が採用される。
【0062】乾燥は風乾でも良いが、熱乾燥を行えばさ
らに画像形成材料に対する離型性が増す。この理由は塗
工紙表面で反応した成分が配列あるいは配向すると言わ
れているが定かではない。オーブンに入れるあるいはオ
ーブンに通す、加熱ローラに接触させるなど通常使用さ
れる熱乾燥の方法が採用される。
【0063】本発明の再生可能な画像記録用紙の白色度
は、特に限定はしないが、フルカラー複写機やプリンタ
ーに使用する場合を想定し、ハンター白色度で80%以
上、好ましくは82%以上とすることが望ましい。ハン
ター白色度が80%を下回るとカラー記録時に彩度、明
度が低下し、鮮やかな記録の再現が困難となる。また、
不透明度は、フルカラー複写機やプリンターでの両面コ
ピー時の裏写りを考慮して、90%以上にすることが望
ましい。
【0064】本発明の再生可能な画像記録用紙から、一
旦画像として形成した画像形成材料を除去する方法は、
画像形成材料が画像記録体上に形成された方法と同様で
あることが原理的にも好ましい。熱転写方式や電子写真
方式では画像形成材料を熱などを利用して画像記録体用
紙上に定着し画像形成させているが、たとえば、画像形
成装置内の定着装置を剥離装置としても兼用し、一度定
着させた画像を再度加熱することで画像記録体上の画像
形成材料が溶融し、画像記録体から除去することもでき
る。このように定着装置を剥離装置としても兼用するこ
とができれば、特殊な装置を別途用意する必要も無く従
来の画像形成装置そのものが画像除去装置にもなる利点
がある。また別途剥離装置を用意することに比べ空いた
スペースの有効利用ができる。
【0065】さらに画像形成材料を除去する補助手段と
して画像形成材料を溶解させる有機溶剤やさらに紙繊維
と画像形成材料との結び付きを弱めるために界面活性剤
等を混入した水溶液や有機溶剤などを画像記録体画像記
録用紙に含浸させたりする方法やそれらと共に物理的作
用、例えば超音波振動などを利用して画像形成材料の除
去を行っても良い。
【0066】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例および比較例における「部」は重量
部を意味する。
【0067】実施例1 (離型材料の調整)撹拌子をセットしたフラスコに反応
性シラン化合物として下記(I)式の化合物16.4
部、及び下記式(II)の化合物5部、及びテトラメト
キシシラン5.6部を入れ、溶剤としてイソプロピルア
ルコール800部、2−メチル−2−プロパノール17
00部を加えた。次に、アルミニウムトリスアセチルア
セトネート2.2部を加えてよく撹拌し、これに1%塩
酸水溶液を6.7部徐々に滴下した。滴下終了後25℃
に保温し7日間放置した。ここに、分子中に反応基を有
する変性シリコーンオイルとして分子片末端に水酸基を
有するシラノール変性ジメチルシロキサン(XF396
8:東芝シリコーン社製)を2部混合し離型材料を調整
した。
【0068】
【化1】
【0069】(塗工層の形成)水100部にポリリン酸
ナトリウム0.05部を溶解した後、填料として、平均
粒径8.0μmの軽質炭酸カルシウム(白石工業製)1
0部と平均粒径0.3μmのカオリンクレー90部を分
散した。この填料分散液に樹脂として、酸化澱粉(王子
エースA:王子コーンスターチ社製)46.7部、スチ
レン−ブタジエン共重合ラテックス(SBR)(JSR
−0668:日本合成ゴム社製)186.7部を填料と
樹脂の重量比が30:70になるようにして加え、混合
撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度が15重量%にな
るように塗工液を調整した。これを、市販の中性紙(P
PC用紙L:富士ゼロックス社製)にNaClを0.1
g/m2 塗工した基材に、バーコーターにより片面あた
りの固形分量が2.0g/m2 になるように基材の両面
に塗工し、カレンダー処理を行って塗工層を形成した。
【0070】(画像記録用紙の作製)この塗工層の表面
に上記離型材料をロールコーターで塗布処理し、10分
間風乾後、115℃のオーブンで30分間熱乾燥して画
像記録用紙を作製した。
【0071】(性能評価)この記録紙上に電子写真装置
(Acolor635:富士ゼロックス社製)を用いて
文字やベタ画像を含むカラー画像を定着させるととも
に、白黒モードで1000枚連続コピーを行い走行性の
確認を行った。
【0072】走行性の評価は1000枚片面通紙した時
の重送とジャムの発生枚数で評価した。電子写真用記録
紙としては、5枚以下が許容できる枚数である。
【0073】トナー定着性の評価は、上記電子写真装置
にて定着された画像のうちX−Rite938濃度計
(X−Rite社製)で測定した濃度が約1.8のベタ
画像部に、市販の18mm幅の粘着テープ(セロハンテ
ープ:ニチバン社製)を300g/cmの線圧で張り付
け、10mm/sec.の速度で剥離した時の剥離前の
画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(以下OD比と
略す)を指標として評価した。電子写真用記録紙として
は、OD比で0.8以上のトナー定着性が必要である。
OD比=剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度
【0074】画質評価は、上記電子写真装置にて定着さ
れた各色の各画像面積率が20、30、40、80、9
0、100%の4cm×4cmのパッチを利用し、中間
調領域の粒状性については、画像面積率20、30、4
0%のパッチを目視で評価した。また、高画像密度領域
のグロスむら及び濃度むらは、画像面積率80、90、
100%のパッチを目視で評価した。
【0075】上記電子写真装置における画質評価の尺度
は次のとおりである。 中間調領域の粒状性 A : 問題とならない B : 僅かにざらつき感があるが許容できる C : ざらつき感が少しある D : ざらつき感が目立つ 高画像密度領域のグロスむら A : 問題とならない B : 僅かにグロスむらがあるが許容できる C : グロスむらが少しある D : グロスむらが目立つ 高画像密度領域の濃度むら A : 問題とならない B : 僅かに濃度むらがあるが許容できる C : 濃度むらが少しある D : 濃度むらが目立つ
【0076】画像記録用紙を再生するにあたり、上記電
子写真装置の定着器におけるフッ素系ゴム表面層をもつ
ヒートローラの代わりに、表面にシリコーンゴム接着層
を施したヒートローラーと交換し、さらにヒートローラ
ー上に用紙から剥離したトナーを掻き取るための金属ブ
レードを装着した。この電子写真装置に、画像が記録さ
れた記録用紙を、通常の複写操作により白紙(無地)コ
ピーをして、上記定着器に通紙するだけで、トナーの除
去が行なわれ画像記録紙を再生することができた。
【0077】トナー除去後の再生紙上の残存トナー評価
は、トナー定着性の評価と同様にOD比を指標として評
価した。OD比で0.08以下であれば、トナーの残存
はほとんど気にならない。
【0078】さらにこれら用紙上への画像記録および用
紙上の画像除去を10回繰り返し行い、10回目の画像
記録後の画質評価とトナー定着性および10回目の画像
除去後の再生紙上の残存トナー量評価を行って繰り返し
安定性を確認した。以上の結果を表1にまとめて示し
た。
【0079】
【表1】
【0080】実施例2 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとして、
シラノール変性シリコンオイルであるα,ω−ジハイド
ロキシポリジメチルシロキサンオイル(25℃での粘度
が2000センチストークス)20部を酢酸エチル20
0部に撹拌混合して、反応性シラン化合物としてメチル
シリルトリイソシアネート30部、フェニルシリルトリ
イソシアネート10部を加えて撹拌混合した後、酢酸エ
チル1740部を加え撹拌混合し、離型材料を調製し
た。
【0081】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶
解後、填料として、平均粒径7.0μmの軽質炭酸カル
シウム70部、平均粒径2.0μmのカオリンクレー3
0部を分散した。この填料分散液に樹脂として、酸化澱
粉17.1部、スチレン−アクリル系エマルジョン(プ
ライマールB−85:日本ロームアンドハース社製)
8.6部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス1
7.1部を填料と樹脂の重量比が70:30になるよう
にして加え、混合撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度
が15重量%になるように塗工液を調整した。これを、
バーコーターにより片面あたりの固形分量12g/m2
になるように基材の両面に塗工し、カレンダー処理を行
い塗工層を形成した。
【0082】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表
1にまとめて示した。
【0083】実施例3 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてア
ミノ変性シリコンオイル(TSF4702:東芝シリコ
ーン社製、25℃での粘度が500センチストークス)
8部と酢酸エチル100部を撹拌混合した後、反応性シ
ラン化合物としてテトライソシアネートシラン16部を
加えて撹拌混合した後、さらに酢酸エチル1576部を
加え、撹拌混合し離型材料を調製した。
【0084】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にピロリン酸ナトリウム0.5部を溶解
後、填料として、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社
製)40部、二酸化チタン(JA−1:テイカ社製)2
0部とを混合分散した。この填料分散液に樹脂として、
酸化澱粉70部、ポリビニルアルコール(クラレ社製、
ポバール117)30部を填料と樹脂の重量比が60:
100になるようにして加え、混合撹拌し、さらに水を
加えて固形分濃度が15重量%になるように塗工液を調
整した。これを、バーコーターにより片面あたりの固形
分量3.0g/m 2 になるように基材の両面に塗工し、
スーパーカレンダー処理を行い塗工層を形成した。
【0085】この塗工層の表面に上記塗布液をロールコ
ーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオーブ
ンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この記
録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表1
にまとめて示した。
【0086】実施例4 反応性シラン化合物としてCH3 Si(OCH3 3
0.0部を酢酸エチル200部に撹拌混合し、さらに分
子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてメチ
ルハイドロジェンシリコンオイル(KF99:信越化学
社製、25℃での粘度が20センチストークス)15.
0部を加えて攪拌混合し、最後に酢酸エチル755部を
撹拌混合して離型材料を調製した。
【0087】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にピロリン酸ナトリウム0.5部を溶解
後、填料として、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社
製)95部、二酸化チタン(JA−1:テイカ社製)5
部とを混合分散した。この填料分散液に樹脂として、酸
化澱粉70部、ポリビニルアルコール(ポバール11
7:クラレ社製)30部を填料と樹脂の重量比が50:
50になるようにして加え、混合撹拌し、さらに水を加
えて固形分濃度が15重量%になるように塗工液を調整
した。これを、バーコーターにより片面あたりの固形分
量6.0g/m2 になるように基材の両面に塗工し、ス
ーパーカレンダー処理を行い塗工層を形成した。
【0088】この塗工層の表面に上記塗布液をロールコ
ーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオーブ
ンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この記
録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表1
にまとめて示した。
【0089】実施例5 反応性シラン化合物としてシランカップリング剤である
γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン
(KBM503:信越化学社製)30.0部を酢酸エチ
ル200部に撹拌混合し、さらに分子中に反応基を有す
る変性シリコーンオイルとしてカルボキシル変性シリコ
ンオイル(X−22−3710:信越化学社製、25℃
での粘度が50センチストークス)30.0部を混合
し、さらにポリエステル樹脂(バイロン290:東洋紡
績社製)6部と酢酸エチル1240部を撹拌混合して離
型材料を調製した。
【0090】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水200部にポリリン酸ナトリウム0.10部を溶
解後、填料として、炭酸カルシウム170部、球形アル
ミナ20部とを混合分散した。この填料分散液に樹脂と
して、酸化澱粉8部、ポリビニルアルコール(ポバール
117:クラレ社製)2部を填料と樹脂の重量比が9
5:5になるようにして加えて混合撹拌し、さらに水を
加えて固形分濃度が13重量%になるように塗工液を調
整した。これを、バーコーターにより片面あたりの固形
分量8.0g/m2 になるように基材の両面に塗工し、
スーパーカレンダー処理を行い塗工層を形成した。
【0091】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表
1にまとめて示した。
【0092】実施例6 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてア
ミノ変性シリコーンオイル(TSF4702:東芝シリ
コーン社製、25℃での粘度が500センチストーク
ス)10部を酢酸エチル100部に混合し、反応性シラ
ン化合物としてシランカップリング剤であるトリメトキ
シビニルシラン1.0部とテトライソシアネートシラン
1.50部を混合し、さらに酢酸エチル880部を撹拌
混合して離型材料を調製した。
【0093】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶
解後、填料として、炭酸マグネシウム80部、カオリン
20部とを混合分散した。この填料分散液に樹脂とし
て、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス15部、ポ
リビニルアルコール(ポバール117:クラレ社製)5
部を填料と樹脂の重量比が100:20になるようにし
て加えて混合撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度が1
5重量%になるように塗工液を調整した。これを、バー
コーターにより片面あたりの固形分量4.5g/m2
なるように基材の両面に塗工し、カレンダー処理を行い
塗工層を形成した。
【0094】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表
1にまとめて示した。
【0095】実施例7 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてシ
ラノール変性シリコンオイルであるジメチルシロキサン
オイル(YF3800:東芝シリコーン社製、25℃で
の粘度が80センチストークス)0.2部と、メチルハ
イドロジェンシリコンオイル(KF99:信越化学社
製、25℃での粘度が20センチストークス)0.2部
を酢酸エチル100部に混合し、反応性シラン化合物と
してCH3Si(OCH3 3 3.0部とテトライソシ
アネートシラン0.5部を混合し、さらに酢酸エチル1
500部を撹拌混合して離型材料を調製した。
【0096】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶
解後、填料として、軽質炭酸カルシウム50部、カオリ
ン50部とを混合分散した。この填料分散液に樹脂とし
て、エステル化澱粉(ペトロコートZ300:日澱化学
社製)30部、スチレン−アクリル系エマルジョン(プ
ライマールB−60A:日本ロームアンドハース社製)
50部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(JS
R−061:日本合成ゴム社製)20部を填料と樹脂の
重量比が50:50になるようにして加えて混合撹拌
し、さらに水を加えて固形分濃度が15重量%になるよ
うに塗工液を調整した。これを、バーコーターにより片
面あたりの固形分量7.0g/m2 になるように基材の
両面に塗工し、カレンダー処理を行い塗工層を形成し
た。
【0097】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表
1にまとめて示した。
【0098】実施例8 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてカ
ルボキシル変性シリコンオイル(X−22−3710:
信越化学社製、25℃での粘度が3000センチストー
クス)1.0部、アミノ変性シリコンオイル(TSF4
702:東芝シリコーン社製、25℃での粘度が500
センチストークス)2.0部を酢酸エチル100部に混
合し添加し、反応性シラン化合物としてCH3 Si(O
CH3 3 3.0部、シランカップリング剤であるトリ
メトキシビニルシラン3.0部を混合し、さらに酢酸エ
チル400部を撹拌混合して離型材料を調製した。
【0099】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶
解後、填料として、軽質炭酸カルシウム30部、カオリ
ン40部と炭酸マグネシウム30部を混合分散した。こ
の填料分散液に樹脂として、スチレン−アクリル系エマ
ルジョン(プライマールB−60A:日本ロームアンド
ハース社製)30部、スチレン−ブタジエン共重合ラテ
ックス(JSR−061:日本合成ゴム社製)30部を
填料と樹脂の重量比が100:60になるようにして加
え、混合撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度が15重
量%になるように塗工液を調整した。これを、バーコー
ターにより片面に、固形分量15.0g/m2 、もう一
方の面に固形分量3.5g/m2 になるように基材に塗
工し、カレンダー処理を行い塗工層を形成した。
【0100】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙の固形分量15.0g/m2 の面に関してを実施
例1と同様な方法で評価を行い、結果を表1にまとめて
示した。
【0101】実施例9 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてシ
ラノール変性メチルフェニルシリコンオイル(TSF4
31:東芝シリコーン社製、25℃での粘度が100セ
ンチストークス)2.0部を酢酸エチル100部と混合
し、反応性シラン化合物としてMeSi(NCO)
3 1.0部とMeHSi(OCH3 2 0.5部、CH
3 (CH2 11Si(OC2 5 3 0.5部を添加
し、撹拌混合して離型材料を調製した。
【0102】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にポリリン酸ナトリウム0.05部を溶
解後、填料として、軽質炭酸カルシウム10部、カオリ
ン20部と球状アルミナ20部を混合分散した。この填
料分散液に樹脂として、エステル化澱粉(ペトロコート
Z300:日澱化学社製)30部、スチレン−ブタジエ
ン共重合ラテックス(JSR−061:日本合成ゴム社
製)20部を填料と樹脂の重量比が50:50になるよ
うにして加え、混合撹拌し、さらに水を加えて固形分濃
度が15重量%になるように塗工液を調整した。これ
を、バーコーターにより片面あたりの固形分量5g/m
2 になるように基材の両面に塗工し、カレンダー処理を
行い塗工層を形成した。
【0103】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い、結果を表
1にまとめて示した。
【0104】実施例10 分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルとしてメ
チルハイドロジェンシリコンオイル(KF99:信越化
学社製、25℃での粘度が20センチストークス)1.
0部とシラノール変性シリコンオイル(X−22−40
15:信越化学社製、25℃での粘度が125センチス
トークス)0.6部とアミノ変性シリコンオイル(TS
F4704:東芝シリコーン社製、25℃での粘度が4
0000センチストークス)0.4部を酢酸エチル10
0部に混合し、反応性シラン化合物としてCH3 Si
(OC2 5 3 1.2部とCH3 (CH2 15Si
(OC 2 5 3 1.0部とCH2 =CHCH2 Si
(OC2 5 3 30.8部を混合し、さらに酢酸エチ
ル390部を撹拌混合して離型材料を調製した。
【0105】実施例1と同様の導電処理を行った基材上
に、水100部にピロリン酸ナトリウム0.5部を溶解
後、填料として、平均粒径2μmの軽質炭酸カルシウム
(丸尾カルシウム社製)50部、カオリンクレー(コマ
ルコカオリン:コマルコジャパン社製)50部を混合分
散した。この填料分散液に樹脂として、アクリル系樹脂
(LX851:日本ゼオン社製)15部、ポリビニルア
ルコール(NL−05:日本合成ゴム社製)5部を填料
と樹脂の重量比が100:20になるようにして加えて
混合撹拌し、さらに水を加えて固形分濃度が14重量%
になるように塗工液を調整した。これを、バーコーター
により片面あたりの固形分量4g/m2になるように基
材の両面に塗工し、カレンダー処理を行い塗工層を形成
した。
【0106】この塗工層の表面に上記離型材料をロール
コーターで塗布処理し、5分間風乾後、115℃のオー
ブンで1分間熱乾燥して画像記録用紙を作製した。この
記録紙を実施例1と同様な方法で評価を行い結果を表1
にまとめて示した。
【0107】比較例1〜10 実施例1〜10で作製した塗工紙に表面離型性処理を施
さなかった用紙を実施例1と同様に評価した。その結
果、定着性は良いが、定着された画像形成材料を用紙上
から剥離することは、すべての用紙においてできなかっ
た。表2に初回の定着までの結果を示す。
【0108】
【表2】
【0109】表1および表2から、本発明の離型材料を
塗布して乾燥した画像記録用紙は、高い離型性を示すこ
とがわかる。また、表1から、用紙上への画像記録およ
び用紙上の画像除去を10回繰り返し行った場合にも、
高い離型性が維持されていることがわかる。さらに、表
1から、本発明の画像記録用紙は、良好なトナーの定着
性を有し、電子写真装置で画像記録を行った場合にも良
好な画像が得られることがわかる。また、用紙上への画
像記録および用紙上の画像除去を10回繰り返し行った
場合にもトナーの定着性がほとんど低下せず、良好な画
質が得られることがわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明の再生可能な画像記録用紙には、
実施例からも明らかなように、従来の再生可能な記録紙
では期待できない、次のような優れた効果が認められ
る。すなわち、本発明の画像記録用紙は、離型材料が基
材に密着しているため、画像形成材料による画像形成と
その除去を何度でも安定して繰り返すことができる。ま
た、本発明の画像記録用紙は、本発明の離型材料を用い
ることと、塗工層の填料と樹脂との配合割合を変えるこ
とにより定着性と剥離性を制御することができ、画像形
成材料に対する定着性と剥離性という相反する特性を両
立させることができ、さらに、繰り返し画像形成材料に
よる画像形成を行った場合にも画像形成材料の画像記録
用紙への良好な画質と定着性を保持することができ、ま
た、繰り返し画像形成材料の除去を行った場合にも記録
用紙表面を痛めることがない。また、本発明の画像記録
用紙は、離型材料が他への移行性を実質的にもたないた
め、この記録用紙と接触する部材に填料による悪影響を
及ぼすことがなく、記録装置内での、紙詰まり等の用紙
搬送性に関わる問題を生ずることがない。また、本発明
の画像記録用紙は、塗工層を有することにより、表面平
滑性に優れていて白黒コピーだけでなくカラー画像のコ
ピーなど高画質が要求される用途にも使用でき、普通紙
との区別も容易である。また、本発明の画像記録用紙
は、電子写真方式または熱転写方式を使用した画像形成
装置などに用いることができ、古紙再生を専門業者に頼
らずに、容易にその場で再生することができる。さらに
は、1枚コピー当たりの紙単価が減少し、経済的効果が
高くなるだけでなく、地球環境という分野からみても紙
資源の利用削減および大気中へのCO2 の排出量削減
(地球温暖化防止)という効果も期待できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の記録面に填料と樹脂とを含む塗工
    層を設け、該塗工層の表面に反応性シラン化合物と分子
    中に反応基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成
    物から得られた離型材料を塗布または含浸し、乾燥した
    ことを特徴とする再生可能な画像記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記填料が、無機材料であることを特徴
    とする請求項1に記載の再生可能な画像記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記無機材料が、カオリン、二酸化チタ
    ン、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナあるいは炭酸
    カルシウムであることを特徴とする請求項2に記載の再
    生可能な画像記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記樹脂が、スチレン−ブタジエン共重
    合ラテックス、ポリビニルアルコール、スチレン−アク
    リル系樹脂あるいは澱粉であることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載の再生可能な画像記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記填料の含有量が、塗工層の固形分に
    対し、30重量%以上95重量%以下であることを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の再生可能な画
    像記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記反応性シラン化合物として、フッ素
    含有シラン化合物、イソシアネートシラン化合物、アル
    コキシシラン化合物、シランカップリング剤、およびS
    iH基を持つシラン化合物からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の化合物を含んでなることを特徴とする請求
    項1から5のいずれかに記載の再生可能な画像記録用
    紙。
  7. 【請求項7】 前記分子中に反応基を有する変性シリコ
    ーンオイルとして、シラノール変性シリコーンオイル、
    カルボキシル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコ
    ーンオイル、およびメチルハイドロジェンシリコーンオ
    イルからなる群から選ばれた少なくとも1種の変性シリ
    コーンオイルを含んでなることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれかに記載の再生可能な画像記録用紙。
  8. 【請求項8】 前記反応性シラン化合物と分子中に反応
    基を有する変性シリコーンオイルとを含む組成物中の前
    記反応性シラン化合物に対する前記分子中に反応基を有
    する変性シリコンオイルの配合比が、反応性シラン化合
    物10重量部に対して分子中に反応基を有する変性シリ
    コンオイル1重量部以上40重量部以下であることを特
    徴とする請求項1から7のいずれかに記載の再生可能な
    画像記録用紙。
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