JP2000347438A - 画像記録体 - Google Patents

画像記録体

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JP2000347438A
JP2000347438A JP11161398A JP16139899A JP2000347438A JP 2000347438 A JP2000347438 A JP 2000347438A JP 11161398 A JP11161398 A JP 11161398A JP 16139899 A JP16139899 A JP 16139899A JP 2000347438 A JP2000347438 A JP 2000347438A
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JP11161398A
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Kaoru Torigoe
薫 鳥越
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真方式等に好適に用いられ、筆記性や
テープ付着性を低下させることなく、走行性、定着性、
発色性、オフセット性、透過性等に優れ、特にオイル吸
収能に優れ、高品質な画像を形成可能であり、オイルレ
ス定着にも好適であり、画像剥離性にも優れ繰り返し使
用可能な画像記録体を提供すること。 【解決手段】 多孔質体で形成され、オイル吸収能が1
μl/A4以上である画像受像層を少なくとも一方の基
材上に有することを特徴とする画像記録体である。画像
受像層が樹脂を含有してなる態様、樹脂が硬化性樹脂で
ある態様、硬化性樹脂が、シリコーン樹脂及び変性シリ
コーン樹脂の少なくとも一方から選択される態様、画像
受像層が0.01〜20μmの凹凸を表面に有する態様
などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式等に
よる画像形成に好適に使用され、繰り返し使用が可能な
画像記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真方式による画像形成
には、普通紙やオーバーヘッドプロジェクタ用透明シー
ト(OHPシート)などの画像記録体が使用されてい
る。この画像記録体としては、 1)従来から使用されている記録材料と共通性があるこ
と、 2)画像形成時に印加される熱・圧力などにより変質し
ないこと、 3)画像形成時において搬送性が良好なこと、 4)トナー画像の定着性に優れ、長期に亘って利用・保
存が可能であること、 5)原稿の忠実な再現性に優れ、高品質な画像が得られ
ること、 6)廃棄時に地球環境への負荷が少ないこと、 7)OHPシート用途の場合においては光透過性に優れ
ること、 などの多くの性能が要求される。
【0003】近時、生産性が高い、比較的高画質であ
る、などの理由から、電子写真方式によるカラー画像形
成が盛んに行われており、カラー画像形成に適した画像
記録体が、特にプレゼンテーション用途等の場合には高
画質のカラー画像形成に適した画像記録体が、求められ
ている。
【0004】ところで、カラー画像を形成するためのカ
ラートナー中には、シアン、マゼンタ、イエロー等の各
種顔料が混入されている。これらのカラートナーにより
形成されるカラー画像は、白黒画像に比べて画像濃度が
高い。このため、カラートナーの発色性を向上させるた
めには、該カラートナーを十分に溶融混合させることが
必要であり、その際、該カラートナーが定着ロール等に
付着する現象(オフセット)が発生する。
【0005】従来、このオフセットを防止するため、シ
リコーンオイル等の離型剤を定着ロールの表面などに均
一に塗布し、該定着ロールと、画像記録体であるOHP
シート等との付着力を低減することが提案されている
(特開昭61−148479号公報等)。また、カラー
トナー中に、シリコーンオイル等の離型剤を混入させて
おき、これを定着時に該カラートナーの表面に染み出さ
せ、定着ロールへの付着性を下げ、オフセットを防止す
ることも提案されている(特開昭61−62045号公
報)。
【0006】しかしながら、これらの場合には以下のよ
うな問題がある。即ち、シリコーンオイル等の離型剤
は、用紙やOHPシートなどに転移するため、用紙やO
HPシート上へのインク筆記性や、ポストイット、接着
テープなどの接着性を悪化させる、OHP使用時に表面
にベタツキ感が生ずる、などの問題である。
【0007】そこで、特開平7−81214公報等にお
いては、シリコーンオイル等の離型剤の吸収性、インク
の吸収性を向上させるためにコロイダルシリカを添加し
た画像記録体が提案されている。ところが、この場合、
十分なオイル吸収性を得るためにはコロイダルシリカを
多量に添加する必要があり、OHPシート等の場合には
光透過性を損なう等の問題がある。また、用紙の場合に
は、紙粉量の増加、感光体傷の発生、現像性・転写性の
劣化など、電子写真特性に悪影響があるという問題があ
る。
【0008】また、画像記録体から画像を除去し、該画
像記録体を再利用(リユース)する場合には、該画像記
録体の表面に残存するシリコーンオイルやワックスが感
光体等に転移し、画像転写性等に悪影響があるという問
題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、電子写真方式等の画像形成
に好適に用いられ、筆記性やテープ付着性を低下させる
ことなく、走行性、定着性、発色性、オフセット性、透
過性等に優れ、特にオイル吸収能に優れ、高品質な画像
を形成可能であり、オイルレス定着にも好適であり、画
像剥離性にも優れ繰り返し使用可能な画像記録体を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 多孔質体で形成され、オイル吸収能が1μl/
A4以上である画像受像層を少なくとも一方の基材上に
有することを特徴とする画像記録体である。 <2> 画像受像層が樹脂を含有してなる前記<1>に
記載の画像記録体である。 <3> 樹脂が、硬化性樹脂である前記<2>に記載の
画像記録体である。 <4> 硬化性樹脂が、シリコーン樹脂及び変性シリコ
ーン樹脂の少なくとも一方から選択される前記<3>に
記載の画像記録体である。 <5> 画像受像層が0.01〜20μmの凹凸を表面
に有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像
記録体である。 <6> 画像受像層の厚みが0.1μm以上である前記
<1>から<5>のいずれかに記載の画像記録体であ
る。 <7> 画像受像層がマット材を含有する前記<1>か
ら<6>のいずれかに記載の画像記録体である。 <8> 画像受像層が白色顔料を含有する前記<1>か
ら<7>のいずれかに記載の画像記録体である。 <9> 25℃、65%RHにおける表面抵抗値が1×
108 〜1×1013Ωである前記<1>から<8>のい
ずれかに記載の画像記録体である。 <10> 基材が透明プラスチックフィルムである前記
<1>から<9>のいずれかに記載の画像記録体であ
る。 <11> 基材と画像受像層との間に導電性層を有する
前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像記録体
である。
【0011】本発明の画像記録体は、多孔質体で形成さ
れた画像受像層を少なくとも一方の基材上に有してな
り、該多孔質体おける3次元網目状の細孔が、定着ロー
ル等の定着部材表面に存在するシリコーンオイルや、ト
ナー中に含まれるワックスなどを取り込む(物理的吸着
する)ため、オイル吸収能が1μl/A4以上と優れ
る。その結果、シリコーンオイルやワックス等による画
質劣化や搬送性低下が効果的に抑制される。また、画像
受像層の表面に余分なシリコーンオイルやワックスが存
在しないため、光散乱が少なく透過率に優れた画像が常
に形成される。また、該画像受像層が多孔質体であるた
め、表面には微小な凹凸が均一に形成されており、該微
小な凹凸により、該画像受像層は、撥水性に富み、定着
部材等に対する付着性が低い。その結果、オイルレス定
着システム等に好適である一方、形成した画像を除去し
再利用(リユース)することも可能であり、その際にも
シリコーンオイルやワックスを吸収して高品質な画質が
得られる。また、該画像受像層には微小な空隙が存在す
るため、定着後のトナーの一部はこの空隙に侵入する。
その結果、画像受像層とトナーとの親和性に関係なく定
着性に優れる。
【0012】更に、画像受像層がシリコーン樹脂及び変
性シリコーン樹脂の少なくとも一方を含有してなる場合
には、該シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂の少な
くとも一方と、シリコーンオイル等とは、化学構造の類
似性が高く、溶解度パラメータが近いため、化学的親和
性に富み、該シリコーンオイル等が該画像受像層に化学
的吸着される。その結果、該シリコーンオイル等が画像
記録体の表面に漏出せず、筆記性、テープ付着性の劣
化、ベタツキ感の発生が効果的に抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の画像記録体は、画像受像
層を少なくとも一方の基材上に有し、必要に応じてその
他の層を有してなる。
【0014】(画像受像層)前記画像受像層は、多孔質
体で形成され、オイル吸収能が1μl/A4以上(少な
くとも1μl/A4)である。前記オイル吸収能は、A
4の大きさの画像記録体が吸収するオイル量(μl)と
して規定され、ある材料に対するオイルの溶解度により
決定され、OHPシートの画像受像層に一般に用いられ
ているポリエステル樹脂などの該オイル吸収能は、1μ
l/A4未満程度である。電子写真方式においては、定
着性を安定化するため30μl/A4以下程度の定着オ
イルが定着ロール等から供給されており、該定着オイル
量を低減したシステムでも5μl/A4以下程度の定着
オイルが定着ロール等から供給されており、過剰に供給
された定着オイルは、画像記録体における画像受像層の
表面に堆積した状態で存在する。このように、画像受像
層の表面に定着オイルが堆積した状態で存在すると、該
定着オイルにより筆記性、テープ付着性等が損なわれ、
種々の問題を生じ得る。一方、本発明のように、画像記
録体における画像受像層のオイル吸着能が、1μl/A
4以上であると、過剰に供給された前記定着オイル、あ
るいはトナー中に含まれるワックス等を、前記多孔質体
で形成された該画像受像層がその細孔に取り込む(物理
的吸着する)ため、該定着オイル等により、筆記性、テ
ープ付着性等が損なわれることはなく、1〜100μl
/A4であるとその効果が顕著である点で好ましい。
【0015】前記多孔質体としては、前記オイル吸収能
が前記本発明の範囲内であれば、その構造については特
に制限はないが、細孔が3次元にそれぞれがつながり連
続している構造が好ましい。この場合、多孔質体におけ
る細孔が連続しているため、該細孔が不連続の場合に比
しオイル吸収能に優れる点で有利である。
【0016】前記多孔質体は、即ち前記画像受像層は、
0.01〜20μmの凹凸を表面に有するのが好まし
い。前記多孔質体が前記凹凸を有すると、トナーの定着
性を確保しつつ、ワックスやオイル等の画質劣化の原因
物質の吸収性を害さず、定着部材への付着性を低減させ
ることができ、レスオイル、オイルレス定着システム等
にも好適であり、また、該画像記録体からトナーを除去
し再利用することも可能な点で有利である。
【0017】前記多孔質体、即ち前記画像受像層におけ
る細孔の孔径としては、1.0μm以下が好ましく、O
HP用途の場合には、光散乱による透過性が低下しない
程度であればよく、0.5μm以下が好ましく、0.2
μm以下がより好ましい。前記細孔の孔径が1.0μm
を超えると、トナーの定着性と、オイル等の吸収性との
バランスが悪くなることがある。
【0018】前記多孔質体、即ち前記画像受像層の材料
としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択する
ことができるが、材料選択の多様性、安定性、コスト、
作製の容易さ等の観点からは樹脂で形成されているのが
好ましい。
【0019】前記樹脂としては、定着温度域において熱
溶融状態にならない限り特に制限はないが、画像記録体
の定着部材への付着、巻き付き等を防止し得る点で該定
着部材に対し低付着性であるのが好ましく、公知の熱可
塑性樹脂、硬化性樹脂などから適宜選択することができ
る。本発明において前記樹脂は、1種単独で使用しても
よいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】本発明においては、前記樹脂の中でも、マ
トリックス樹脂として前記多孔質体を形成し易く、基材
に強固に接着し易く、トナーが溶融する定着温度域にお
いても十分弾性が高く、定着部材への付着性を低下させ
る点で、硬化性樹脂が好ましい。
【0021】前記硬化性樹脂としては、それ自身が硬化
反応をするものであってもよく、別途硬化剤を添加する
ことで硬化するものであってもよく、あるいは高分子化
することで軟化温度を高めたものであってもよい。ま
た、前記硬化性樹脂としては、有機溶媒を用いて硬化反
応を行う溶媒タイプのものであってもよいし、有機溶媒
を用いないで硬化反応を行う無溶媒タイプのものであっ
てもよいが、前者の場合には、硬化反応前は汎用の有機
溶媒にも容易に溶解でき、また硬化条件(反応基種類、
反応基数、硬化時間、温度、照射エネルギーなど)によ
りその物性(分子量、硬度、接着性など)を容易に変化
させることができるものが好ましい。
【0022】前記硬化性樹脂の好ましい具体例として
は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂と各
種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、などが挙
げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2
種以上を併用してもよく、公知のものを好適に使用する
ことができるが、中でも離型性に優れる点で、硬化性シ
リコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、シロキサン変性ポ
リイミド樹脂が好ましく、トナー樹脂との親和性が高
く、トナー樹脂と適度に混和・相溶し、十分な発色性が
得られる一方、離型性に優れ、熱溶融時に定着部材に付
着するのを防止できる点で、硬化性シリコーン樹脂及び
変性シリコーン樹脂の少なくとも一方から選択されるの
がより好ましい。
【0023】これらの硬化性樹脂は、シリコーンオイル
やワックス等と、化学構造類似性が高く、溶解度パラメ
ータが近いため、化学的親和性に富み、シリコーンオイ
ルやワックス等を相溶化(溶け込む)させることがで
き、これらが画像記録体の表面に付着することによる筆
記性、テープ付着性の劣化、ベタツキ感の発生を効果的
に抑制することができる点で有利である。
【0024】前記硬化性樹脂は、湿度、熱、光、電子線
などのエネルギー線等、いずれの手段によって硬化する
ものであってもよく、本発明においては、これらタイプ
の違う硬化性樹脂を基材や細孔形成材料等に応じて、適
宜選択することができる。一般に、湿度、熱によって硬
化する硬化性樹脂は、比較的簡単な装置を利用できると
いう利点を有するが、逆にこれらの樹脂組成物は通常の
環境化での安定性に欠ける、即ちこれらを塗布液とした
場合のポットライフが短いなどの問題がある。一方、光
や電子線などにより硬化する硬化性樹脂は、環境安定性
が高く、反応基量や硬化条件などによりその表面硬度や
マトリックスとしての安定性、更には離型性、付着性な
どを容易に制御できるという利点を有するが、比較的高
価な光照射装置や電子線照射装置などを必要とする。
【0025】前記硬化性シリコーン樹脂は、生成段階に
おける硬化反応によって、縮合型、付加型、輻射線型
(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類される。
【0026】前記縮合型の硬化性シリコーン樹脂として
は、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサ
ンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋
剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合
し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在
下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水
酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つ
ポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性
シリコーン樹脂や、3官能性以上のクロロシラン又はこ
れらと1、2官能性のクロロシランとの混合物等を加水
分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン
樹脂等が挙げられる。なお、前記縮合型は、形態的に
は、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれ
も好適に使用することができる。
【0027】前記付加型の硬化性シリコーン樹脂として
は、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのよう
なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤として
ポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白
金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリ
コーン樹脂等が挙げられる。なお、前記付加型は、形態
的には、溶剤型、エマルジョン型及び無用剤型に分類さ
れ、そのいずれも好適に使用することができる。
【0028】前記輻射線型の硬化性シリコーン樹脂とし
ては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコ
ーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化
性シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0029】前記硬化性シリコーン樹脂が好ましい理由
は、そのSi−O結合に起因して表面エネルギーが低
く、離型性、非相溶性に優れる一方、その硬化条件等を
制御することにより優れた接着性をも発現させることが
可能であり、画像剥離性と画像定着性とを両立した画像
記録体が得られるからである。
【0030】前記変性シリコーン樹脂としては、例え
ば、ポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シ
リコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミ
ド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹
脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリ
コーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シ
リコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボ
キシ変性シリコーン樹脂、などが挙げられる。
【0031】前記変性シリコーン樹脂は、例えば、ケイ
素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低
分子量ポリシロキサンと、アルキッド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを反応させるこ
とにより得られる。
【0032】前記樹脂の分子量としては、重量平均分子
量で、10,000〜1,000,000が好ましい。
前記分子量が、重量平均分子量で10,000未満であ
ると、画像受像層が形成し難くなることがあり、1,0
00,000を超えると、有機溶媒等に溶け難くなるこ
とがある。
【0033】前記樹脂の前記画像受像層における含有量
としては、30〜90重量%が好ましく、50〜80重
量%がより好ましい。前記含有量が、30重量%未満で
あると、離型性能が十分でないことがあり、90重量%
を超えると、画像の定着性が劣ることがある。
【0034】前記その他の成分としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができ、本発明の効
果を害しない範囲内で使用することができ、例えば、非
シリコーン化合物、白色顔料、マット材等が挙げられ
る。
【0035】前記非シリコーン化合物は、基材との接着
性やオイル吸収能を調整する等の目的で添加される。前
記非シリコーン化合物としては、例えば、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−プ
ロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−
塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン
−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エ
ステル樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用
してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの非シ
リコーン化合物は、そのモノマーと、ラジカル重合開始
剤・イオン重合開始剤等と、前記硬化性シリコーン樹脂
又はそのモノマーとを共存させた状態で、後述の硬化反
応により、前記画像受像層中に含有させることができ
る。
【0036】前記白色顔料は、前記基材の白色性を維持
するために添加される。前記白色顔料としては、例え
ば、酸化ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウム等の金属
酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー微粒子等が挙
げられる。
【0037】前記マット材は、前記画像受像層中に含有
されることにより、該画像記録体の走行性を一層向上さ
せる目的で添加される。
【0038】前記マット材としては、例えば、ポリエチ
レン等のポリオレフィンや、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロ
ン)等のフッ素樹脂等が挙げられ、具体的には、低分子
量ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレン系ワックス
等)、高密度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系又
はマイクロクリスタリン系のワックス等が挙げられる。
また、シリカ、アルミナ、タルク、カオリン等の無機微
粒子、架橋型ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の
プラスチックパウダー、等が挙げられる。これらの中で
も、低分子量ポリオレフィン系ワックス(一般に分子量
が1000〜5000のワックス)が好ましい。
【0039】前記マット材の平均粒径としては、0.1
〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。前
記平均粒径が、0.1μm未満であると、マット材とし
ての機能を発揮できないことがあり、10μmを超える
と、マット材が、画像受像層から脱離して粉落ち現象が
起こるため、画像受像層表面が摩耗損傷し易くなり、さ
らにヘイズ(曇り度)が高くなることがある。
【0040】前記マット材の形状としては、特に制限は
なく、適宜、種々の形状としてよいが、扁平形状が好ま
しい。これには、予め、扁平形状のマット材を用いても
よいし、軟化温度の比較的低い(例えば、軟化温度が、
30〜100℃程度の)マット材を用い、前記画像受像
層を塗布又は乾燥する際に、加熱により扁平形状にして
もよいし、加熱下で押圧することによって、扁平形状と
してもよい。
【0041】前記マット材の前記画像受像層における含
有量としては、0.1〜10重量%が好ましく、0.5
〜5重量%がより好ましい。前記含有量が、0.1重量
%未満の場合には、前記マット材を含有させることによ
り得られる効果を有効に得ることができないことがある
一方、10重量%を超える場合には、ヘイズ(曇り度)
が高くなったり、光透過性が低下することがある。
【0042】前記画像受像層は、例えば、前記樹脂及び
必要に応じて適宜選択した前記その他の成分を有機溶媒
に溶解させ、又は、前記樹脂が無溶剤タイプである場合
には、該溶媒は用いず、そのままの状態で、これらを基
材上へ塗布し、又は該基材を、これらの成分の中に含浸
させた後、乾燥後、硬化反応を行わせることによって形
成することができる。前記有機溶媒としては、特に制限
はなく、公知の有機溶媒、例えば、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、ヘキ
サン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、ヘプタノール、デカン、ジオキサ
ン、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン
等が好適に挙げられる。
【0043】前記塗布又は含浸の方法としては、特に制
限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例え
ば、ブレードコーティング法、(ワイヤー)バーコーテ
ィング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング
法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング
法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等
が挙げられる。尚、前記樹脂が、UV硬化型の硬化性シ
リコーン樹脂である場合には、無溶剤コーティングが好
ましいが、画像受像層の厚みを制御する点からは、溶剤
に希釈してコーティングし、乾燥後UV照射することも
可能である。
【0044】前記乾燥の方法としては、特に制限はな
く、公知の乾燥方法を適宜選択することができ、例え
ば、風、熱等を利用する方法が挙げられる。具体的に
は、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、又は
加熱ローラに接触させる方法等が挙げられる。
【0045】前記硬化反応としては、特に制限はない
が、熱、光又は電子線等を利用した方法が挙げられる。
また、室温下で、前記硬化反応が進行する場合には、放
置も好適である。該硬化反応を制御するためには、重合
制御剤や、可塑剤等の添加剤を前記各成分と混合しても
よい。また、熱を利用して硬化させる場合には、乾燥と
同時に硬化反応を行わせてもよい。光又は電子線等を利
用して硬化させる場合には、例えば、タングステンラン
プや高圧、低圧水銀灯等を光源として利用したり、10
0〜200W/cm程度の光を1分程度照射することに
より硬化させることができる。
【0046】前記画像受像層の厚みとしては、特に制限
はないが、該画像記録層の安定な形成の点で0.1μm
以上が好ましく、0.5〜20μmがより好ましい。ま
た、前記基材が紙等である場合には、画像受像層用塗布
液の塗布量(固形分)を5g/m2 以下とすることによ
り、前記アンカー効果を発現させることができる。
【0047】(基材)前記基材としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的
に電子写真記録で用いられる普通紙記録用紙、熱転写記
録で利用される熱転写用紙、また高級印刷などで用いら
れている加工紙、コート紙、OHPシートなどで用いら
れているポリエステルフィルムやスチレンアクリル樹脂
などの透明樹脂フィルム、などが挙げられる。OHPシ
ート等の用途の場合には、これらの中でも透明プラスチ
ックフィルムが好ましい。
【0048】前記紙としては、例えば、化学パルプとし
ては、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパ
ルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパル
プ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パル
プ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学
的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミ
カルパルプが挙げられる。これらの中でも、特に、白色
度の高いパルプが好ましい。また、古紙パルプとして
は、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、
特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パル
プ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更
紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱
方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方
式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性イ
ンクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、最
適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられる。これら
の中でも、特に、白色度が高く夾雑物の少ない古紙パル
プが好ましい。
【0049】前記紙は、多孔性であり、液体が染み込み
易いため、受像層を形成するための塗工溶液を均一に薄
く塗布するためには、紙にめどめ処理を行ってもよい。
前記めどめ処理としては、例えば、ポリエチレン、クレ
ーバインダー、PVA、でんぷん、カルボキシメチルセ
ルロースなどをそれぞれが溶解、あるいは分散する溶液
を、あらかじめ紙に塗布、乾燥し、それぞれの被膜を形
成しておくことにより達成される。また、前記画像受像
層における樹脂の被膜により、該紙が透明化し、紙の風
合いや白色性を損なうことが懸念される場合には、酸化
ケイ素、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色の金属
酸化物微粒子や有機の白色顔料などを熱溶融性樹脂と硬
化性樹脂溶液に添加して用いることにより画像記録体と
しての紙の白色性が維持される。
【0050】前記プラスチックフィルムとしては、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエス
テルフィルム等が挙げられる。
【0051】前記透明プラスチックフィルムとしては、
例えば、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィル
ム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェ
ニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリイミドフィルム、セロハン等が挙げられる。こ
れらの中でも、現状では、機械的、電気的、物理的、化
学的特性、加工性等総合的な観点からはポリエステルフ
ィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムが特に好ましい。
【0052】前記プラスチックフィルムは通常透明であ
るが、紙と同様の風合いを得るために、プラスチックを
白色化してもよい。該プラスチックを白色化する方法と
しては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸
化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、
ポリマー粒子等を前記フィルム中に混入させる方法等が
挙げられる。また、前記プラスチックフィルム表面に、
サンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことによ
り、該プラスチックフィルムの表面を凹凸に加工し、そ
の凹凸による光の散乱によりプラスチックフィルムを白
色化することもできる。
【0053】(その他の層)前記その他の層としては、
導電性金属酸化物微粒子や界面活性剤等を含有する導電
性層(下塗り層)等が好適に挙げられる。前記基材とし
てプラスチックフィルムを使用した場合、温度や湿度等
の環境による画像劣化を防止する観点からは、前記画像
記録体の表面抵抗値が1×108〜1×1013Ω(25
℃、65%RHの条件下)であるのが好ましく、これ
は、前記導電性層を、前記基材と前記画像受像層との間
に設けることにより容易に達成される。
【0054】前記導電性金属酸化物微粒子の材料として
は、ZnO、TiO、TiO2 、SnO2 、Al
3 3 、In2 3 、SiO、SiO2 、MgO、Ba
O又はMoO3 等が好適に挙げられる。また、前記導電
性金属酸化物微粒子には、異種元素を更に含有(ドーピ
ング)させるのが好ましい。該異種元素としては、例え
ば、ZnOに対しては、Al、In等、TiOに対して
は、Nb、Ta等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、
ハロゲン元素等が挙げられる。これらの中でも、経時的
に導電性の変化が少なく、安定性が高いという観点か
ら、SbをドーピングしたSnO2 が特に好ましい。こ
れらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0055】前記界面活性剤としては、特に制限はな
く、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系界面
活性剤等が挙げられる。このうち、環境安定性や画像受
像層構成材料、溶媒への相溶性等の観点から、4級アン
モニウム塩が好ましい。また、前述の画像受像層構成材
料と同様の材料組成であるシリコーン系の界面活性剤等
も好ましい。
【0056】前記導電性層(下塗り層)の厚みとして
は、0.01〜10μmが好ましく、0.05〜2μm
がより好ましい。
【0057】前記本発明の画像記録体を用いて画像を形
成するには、公知の画像形成方法を適宜採用することが
でき、例えば電子写真法においては、以下の通りであ
る。先ず、帯電により電子写真用感光体の表面に均一に
静電荷を与えた後、該電子写真感光体表面に、原稿から
得られた画像情報に基づいて露光し、静電潜像を形成す
る。次に、該静電潜像上に、現像器からトナーを供給
し、該静電潜像を可視化現像して、現像像を形成する。
更に、形成された現像像を、前記画像記録体上に転写し
た後、熱・圧力等によって定着させ、画像を形成する。
【0058】本発明の画像記録体は、以上のような画像
形成プロセスに用いられた場合、画像記録体上に形成さ
れた画像受像層中に微少な空隙が存在するため、定着ロ
ールから転移するシリコーンオイルやワックスなどをこ
の空隙(細孔)に吸収させることができ、さらに画像受
像層に用いている樹脂が、これらのシリコーンオイルや
ワックスを相溶化(溶解)させることに寄与し、定着オ
イルによるインク筆記性、テープ付着性を劣化させず、
オイルによるベタツキ感も発生させない。しかも本発明
の画像記録体は、その表面の細孔により、トナーを十分
に定着させることができ、また、その表面の凹凸により
定着部材へのオフセットを防止することが可能であり、
さらに、トナーの定着部材への付着性を低減させるため
に添加されているワックスや従来多くの問題を抱えてい
る定着オイルなどを吸収することができ、高画質の電子
写真画像を形成することができる。即ち、本発明の画像
記録体は、従来の電子写真プロセスの条件を変更するこ
となく、カラー画像やデジタル化の下で求められる高画
質化への対応を図ることができる。
【0059】本発明の画像記録体は、普通紙やコート紙
などの外、OHP用のポリマーフィルムもその基材とし
て利用することができ、画像記録体の透明性、該基材と
の接着性と、トナー等の画像形成材料との親和性などに
より該画像形成材料の定着性と定着部材からの該画像記
録体の剥離性とを両立させることができる。
【0060】更に、本発明の画像記録体は、最終的に該
画像記録体が廃棄される場合にも、化学安定性が高く、
安全性も十分に確保されているため環境負荷が小さく、
また、公知の画像剥離部材を用いて該画像記録体からト
ナー等の画像形成材料を剥離・除去し、該画像記録体を
リサイクルすることも可能である。
【0061】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。な
お、実施例及び比較例における「部」は、総て「重量
部」を意味する。
【0062】(実施例1) <画像記録体の作製> −導電性層(下塗り層)用塗布液の調製− 水分散型アクリル樹脂(商品名:ジュイマーET−41
0、日本純薬社製)を14.2部と、二酸化スズ(商品
名:SN−88、石原産業社製)を22.5部と、エチ
レンオキサイド系非イオン界面活性剤(商品名:EMA
LEX/NP8.5、日本エマルジョン社製)を1.6
部と、純水を960部と、を十分混合攪拌し、導電性層
用塗布液(下塗り層用塗布液)を調製した。
【0063】−基材の作製− 厚み100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、コロナ放電処理を行った後、前記導電性層用塗
布液(下塗り層用塗布液)をワイヤーバーで塗布し、1
20℃で1分間乾燥して、厚みが約0.2μmの導電性
層(下塗り層)が設けられた導電性の基材を作製した。
【0064】−画像受像層用塗布液の調製− 溶剤可溶性ポリエステル樹脂(商品名:FFL−1、花
王(株)製)1部と、光硬化性シリコーン樹脂(商品
名:FX−3、ナトコペイント社製)9部と、マット材
(シリコーン樹脂微粒子)(平均粒径=4.5μm、G
SD=1.5)(商品名:トスパールTP145、東芝
シリコーン社製)0.1部とを酢酸エチル10部に混合
して希釈し、画像受像層用塗布液を調製した。
【0065】−画像記録体の作製− 得られた画像受像層用塗布液を、前記導電性下塗り層が
設けられた導電性基材上に、ワイヤーバーで30g/m
2、均一な厚みとなるように塗布した。その後、100
℃で5分間乾燥させた後、光照射装置を用い、約20c
mの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射
を行い、硬化反応を行わせ、前記導電性層(下塗り層)
が設けられた導電性の基材上に、前記光硬化性シリコー
ン樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.8μm)が形
成された画像記録体(OHPシート)を作製した。
【0066】得られた画像記録体につき、走査型電子顕
微鏡(SEM)を用いてその表面を観察したところ、
0.2〜0.4μm程度の凹凸が画像記録体の画像受像
層側の全表面に形成されていた。また、透過型電子顕微
鏡(TEM)を用いてその断面部分を観察したところ、
該画像受像層は、断面方向に細孔がつながった多孔質構
造であった。なお、得られた画像記録体の表面抵抗値
は、25℃、65%RHの条件下で5.1×1010Ωで
あった。また、該画像記録体の可視域の光透過率は、9
0%以上であり十分な透明性を有していた。
【0067】<画像記録体の評価>得られた画像記録体
につき、以下の評価を行い、その結果を表1に示した。 −定着性評価− 画像記録体上に、電子写真画像形成装置(A−Colo
r935機、富士ゼロックス(株)製)で、ベタ画像
(黒)を印字して画像を形成し、得られた画像の定着性
を評価した。前記画像の定着性の評価は、X−Rite
938濃度計(X−Rite社製)を用いて、定着画像
の濃度を測定し、濃度が、約1.8のベタ画像部に、市
販の18mm幅セロハン粘着テープ(商品名:セロハン
テープ、ニチバン社製)を300g/cmの線圧で張り
付け、10mm/sec.の速度で剥離した。この時、
画像剥離前の画像濃度に対する画像剥離後の画像濃度の
比(画像剥離後の画像濃度/画像剥離前の画像濃度(O
D比))(以下、単に、「OD比」と称することがあ
る。)を算出し、以下の評価基準によって評価した。 OD比が0.8以上である場合・・・・・・・・・・・
・○ OD比が、0.5以上0.8未満である場合・・・・・
・△ OD比が、0.5未満である場合・・・・・・・・・・
・× なお、前記OD比が0.8以上であれば実用上問題な
い。
【0068】−走行性の評価− 前記定着性の評価において、画像の形成の際の画像記録
体の走行性を、以下の基準によって評価した。 重送が全く起こらず、搬送性に問題が無い状態・・・・
・・・・○ 重送が起り、実用上多少問題がある状態・・・・・・・
・・・・△ 頻繁に重送が起こり、問題がある状態・・・・・・・・
・・・・×
【0069】−カラー画像の発色性の評価− 得られたカラー画像を、目視により観察し、以下の評価
基準によって発色性を評価した。 十分な発色性を有する場合・・・・・・・・・・・・・
・・・・○ 一部に、濁りや透過率低下が観察される場合・・・・・
・・・・△ 全体的に発色性が悪い場合・・・・・・・・・・・・・
・・・・×
【0070】−定着ロールへの巻き付き(剥離性)− 該剥離性は、下記の基準に従い評価した。 巻き付きが無い状態・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・○ 一部、あるいはときどき巻き付きが観られる状態・・・
・・・・△ 必ず巻き付く状態・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・×
【0071】−オフセット性の評価− 前記定着性の評価において、画像の形成の際の定着ロー
ルへのトナーのオフセットの程度を目視により観察し、
以下の基準により、オフセット性を評価した。 オフセットが全く観察されない場合・・・・・・・・・
・・・・○ 一部に、オフセットが観察される場合・・・・・・・・
・・・・△ 全面に、オフセットが観察される場合・・・・・・・・
・・・・×
【0072】−光透過性の評価− 前記画像記録体について、波長500nm付近における
光透過率を測定し、以下の評価基準によって評価した。 光透過率が、85%以上である場合・・・・・・・・・
・・・・○ 光透過率が、75%以上85%未満である場合・・・・
・・・・△ 光透過率が、75%未満である場合・・・・・・・・・
・・・・×
【0073】−オイルの吸収能− カラー複写機から定着器のみを取り出したもの(オフラ
イン定着器、富士ゼロックス(株)製)に、画像記録体
を通過させた後、その画像記録体におけるシリコーンの
蛍光強度(蛍光X線で測定した実測値からベースフィル
ムの値を差し引いたもの)と、あらかじめ一定量のシリ
コーンオイルを塗布した画像記録体上のシリコーンオイ
ルの蛍光強度を測定し、その相関より画像記録体に吸収
されたシリコーンオイル量とした。その結果、30μl
/A4程度のシリコーンオイルが存在していた(即ち、
オイル吸収能は30μl/A4程度である)が、該画像
記録体の表面にはシリコーンオイルによるベタツキ感は
全く感じられず、該画像記録体の内部にシリコーンオイ
ルが完全に吸収されていることがわかった。
【0074】また、表面にベタツキ感が全くなく、シリ
コーンオイルを吸収した画像記録体を、富士ゼロックス
(株)製カラー複写機「A Color935」でベタ
画像印字を行った直後、普通紙(富士ゼロックス社製、
J紙)を画像印字した場合における状態観察結果を以下
の基準にて評価した。 転写性不良等による画像濃度低下やオイル筋等の画像欠
陥がない状態・・○ ベタツキ感はないが、画像欠陥が発生する状態・・・・
・・・・・・・・△ ベタツキ感があり、画像欠陥も発生する状態・・・・・
・・・・・・・・×
【0075】(実施例2) <画像記録体(OHPシート)の作製>エチレン−酢酸
ビニル共重合体(商品名:エバフレックスP−140
7、デュポン(株)製)2部、硬化性アクリルシリコー
ン樹脂(商品名:SHC900、、東芝シリコーン
(株)製、固形分比:20wt%)40部、実施例1と
同じマット化剤0.2部、及び、トルエン20部を十分
に攪拌混合し、画像受像層用塗布液を作製した。この画
像受像層用塗布液を実施例1と同じ導電性の基材に、ワ
イヤーバーで厚みが均一になるように塗工し、100℃
で30分間加熱し、硬化反応を行わせ、厚みが2.5μ
mの画像受像層を形成した。その後、これをメタノール
中に浸漬し、ポリ酢酸ビニルのみを抽出除去して画像記
録体を作製した。
【0076】得られた画像記録体につき、走査型電子顕
微鏡(SEM)を用いてその表面の観察を行ったとこ
ろ、0.1〜0.6μm程度の凹凸が画像記録体の画像
受像層側の全表面に形成されていた。また、透過型電子
顕微鏡(TEM)を用いてその断面部分を観察したとこ
ろ、画像受像層は、断面方向に細孔がつながった多孔質
構造であった。該画像記録体のオイル吸収能は、45μ
l/A4であった。また、該画像記録体の表面抵抗値
は、25℃、65%RHの条件下で2.3×1010Ωで
あった。可視域の光透過率は85%以上であり、十分透
明性を確保した画像記録体であった。得られた画像記録
体につき、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に
示した。
【0077】(実施例3)ポリビニルアルコール樹脂
(商品名:PA−18、信越化学社製)1部、光硬化性
シリコーン樹脂(商品名:UVHC1105東芝シリコ
ーン社製)9部、抵抗制御剤としてカチオン系界面活性
剤(商品名:バイオニンB−144V、竹本油脂社製)
0.2部、及び、マット剤として架橋PMMA樹脂(商
品名:MX−500、総研化学社製)0.01部を、エ
タノール10部に入れて撹拌混合し、画像受像層用塗布
液を作製した。この画像受像層用塗布液を100μmの
ポリエステル基材上に、ワイヤーバーを用いて厚みが均
一になるように塗工した。塗布後、100℃で10分間
乾燥させた後、紫外線照射装置を用い、約20cmの照
射距離から160W/cm2 の強度で1分間照射を行
い、硬化反応を行わせ、厚みが8.6μmの画像受像層
を形成させた。その後、これを水/エタノール=1/1
混合溶液中に浸漬し、ポリビニルアルコールのみを抽出
除去して画像記録体を作製した。
【0078】得られた画像記録体につき、走査型電子顕
微鏡(SEM)を用いてその表面の観察を行ったとこ
ろ、0.2〜0.3μm程度の凹凸が画像記録体の画像
受像層側の全表面に形成されていた。また、透過型電子
顕微鏡(TEM)を用いてその断面部分を観察したとこ
ろ、画像受像層は、断面方向に細孔がつながった多孔質
構造であった。該画像記録体のオイル吸収能は、32μ
l/A4であった。また、画像記録体の表面抵抗値は、
25℃、65%RHの条件下で2.1×1012Ωであっ
た。可視域の光透過率は、91%以上であり十分透明性
を確保した画像記録体であった。得られた画像記録体に
つき、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示し
た。
【0079】(実施例4)実施例1の画像受像層用塗布
液に、さらにメチルトリイソシアネートシラン(商品
名:SIC−434、固形分10wt%、松本製薬社
製)1部を添加した以外は、実施例1と同様にして、画
像受像層用塗布液を調製した。この画像記録層用塗布液
を実施例1と同様の導電性の基材に、ワイヤーバー塗布
し、80℃10分間乾燥した後、紫外線照射装置を用
い、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度
で30秒間照射を行い、硬化反応を行わせ、厚みが6.
5μmの画像受像層を形成させた。その後、これを酢酸
エチル中に浸漬し、ポリエステルのみ抽出除去して画像
記録体を作製した。
【0080】得られた画像記録体につき、走査型電子顕
微鏡(SEM)を用いてその表面観察を行ったところ、
0.05〜0.2μm程度の凹凸が画像記録体の画像受
像層側の全表面に形成されていた。また、透過型電子顕
微鏡(TEM)を用いてその断面部分を観察したとこ
ろ、画像受像層は、断面方向に細孔がつながった多孔質
構造であった。該画像記録体のオイル吸収能は、40μ
l/A4であった。また、画像記録体の表面抵抗値は、
25℃、65%RHの条件下で1.9×1010Ωであっ
た。可視域の光透過率は、90%以上であり十分透明性
を確保した画像記録体であった。得られた画像記録体に
つき、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示し
た。
【0081】(比較例1)実施例4において、酢酸エチ
ルによる抽出工程を行わなかった外は、実施例4と同様
にして画像記録体を作製した。該画像記録体における画
像受像層は、多孔質構造を有していなかった。得られた
画像記録体の画像受像層の厚みは6.5μmであった。
また、表面抵抗値は、25℃、65%RHの条件下で
2.2×1011Ωであった。得られた画像記録体につ
き、実施例1と同様の評価を行い、結果を表1に示し
た。
【0082】(実施例5) <画像記録体の作製>溶媒可溶性樹脂としてポリエステ
ル樹脂(商品名:FX−10、花王(株)製)1部、光
硬化性シリコーン樹脂(商品名:UVHC8553、東
芝シリコーン社製)9部、抵抗制御剤としての界面活性
剤(商品名:86324、竹本油脂社製)3部、及び、
白色顔料として酸化チタン(和光純薬社製)6.5部に
トルエン200部を加えてサンドミル分散機で十分に攪
拌し、画像受像層用塗布液を調製した。この画像受像層
用塗布液をあらかじめポリビルアルコール樹脂を1μm
目止め層を形成した電子写真用複写用紙(富士ゼロック
ス製A4紙:JD紙)にワイヤーバーで厚みが均一にな
るように塗工した。塗布後、100℃で10分間乾燥
し、その後、紫外線照射装置を用い、約20cmの照射
距離から160W/cm2の強度で5分間照射を行い、
硬化反応を行わせ、厚みが2.5μmの画像受像層を形
成した。その後、これを酢酸エチル中に浸漬し、ポリエ
ステルのみを抽出除去し、普通紙(J紙)上に画像記録
体を作製した。作製した画像記録体はほとんど普通紙の
白色度と変わらないものであった。
【0083】得られた画像記録体につき、走査型電子顕
微鏡(SEM)を用いてその表面観察を行ったところ、
0.1〜0.5μm程度の凹凸が画像記録体の画像受像
層側の全表面に形成されていた。また、透過型電子顕微
鏡(TEM)を用いてその断面部分を観察したところ、
画像受像層は、断面方向に細孔がつながった多孔質構造
であった。該画像記録体のオイル吸収能は、49μl/
A4であった。また、得られた画像記録体の表面抵抗値
は、25℃、65%RHの条件下で3.1×109Ωで
あった。得られた画像記録体につき、実施例1と同様の
評価を行い、結果を表1に示した。
【0084】(比較例2)実施例2において、ポリ酢酸
ビニル樹脂を用いなかった外は、実施例2と同様にして
画像記録体を作製した。画像受像層の厚みは2.9μm
であった。該画像記録体の表面抵抗値は、25℃、65
%RHの条件下で3.1×1012Ωであった。該画像記
録体における画像受像層は、多孔質構造を有していなか
った。得られた画像記録体につき、実施例1と同様の評
価を行い、結果を表1に示した。
【0085】(比較例3)実施例1において、溶媒可溶
性ポリエステル樹脂を用いなかった外は、実施例1と同
様にして、画像受像層用塗布液を調製し基材に塗布し、
130℃で30分間熱硬化させた。その後、実施例1と
同様に酢酸エチルに浸漬した。画像受像層の厚みは、
7.1μmであり、画像記録体の表面抵抗値は、25
℃、65%RHの条件下で8.9×1010Ωであった。
該画像記録体における画像受像層は、多孔質構造を有し
ていなかった。得られた画像記録体につき、実施例1と
同様の評価を行い、結果を表1に示した。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができ、電子写真方式等の画像形成に
好適に用いられ、筆記性やテープ付着性を低下させるこ
となく、走行性、定着性、発色性、オフセット性、透過
性等に優れ、特にオイル吸収能に優れ、高品質な画像を
形成可能であり、オイルレス定着にも好適であり、画像
剥離性にも優れ繰り返し使用可能な画像記録体を提供す
ることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体で形成され、オイル吸収能が1
    μl/A4以上である画像受像層を少なくとも一方の基
    材上に有することを特徴とする画像記録体。
  2. 【請求項2】 画像受像層が樹脂を含有してなる請求項
    1に記載の画像記録体。
  3. 【請求項3】 樹脂が、硬化性樹脂である請求項2に記
    載の画像記録体。
  4. 【請求項4】 硬化性樹脂が、硬化性シリコーン樹脂及
    び変性シリコーン樹脂の少なくとも一方から選択される
    請求項3に記載の画像記録体。
  5. 【請求項5】 画像受像層が0.01〜20μmの凹凸
    を表面に有する請求項1から4のいずれかに記載の画像
    記録体。
  6. 【請求項6】 画像受像層の厚みが0.1μm以上であ
    る請求項1から5のいずれかに記載の画像記録体。
  7. 【請求項7】 画像受像層がマット材を含有する請求項
    1から6のいずれかに記載の画像記録体。
  8. 【請求項8】 画像受像層が白色顔料を含有する請求項
    1から7のいずれかに記載の画像記録体。
  9. 【請求項9】 25℃、65%RHにおける表面抵抗値
    が1×108 〜1×1013Ωである請求項1から8のい
    ずれかに記載の画像記録体。
  10. 【請求項10】 基材が透明プラスチックフィルムであ
    る請求項1から9のいずれかに記載の画像記録体。
  11. 【請求項11】 基材と画像受像層との間に導電性層を
    有する請求項1から10のいずれかに記載の画像記録
    体。
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