JP2004170606A - 再利用可能転写材及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再利用可能な転写材
【解決手段】トナーの消去が可能な転写材でしかもその画像形成に必要なトナーのメインバインダーと多孔質の表面を形成する表面の樹脂の熱膨張率が異なる画像形成方法においてその転写材表面に微細な穴が有り、画像形成の際、その穴にトナーを形成し、加熱によるトナーの膨張で穴内にトナーを落とし込み、また、再利用を行う際にまた、熱を与えることで、穴の大きさを広げ、その中から画像を形成したトナーをかきとることを特徴とする再利用可能転写材及び画像形成方法。
【選択図】 図1
【解決手段】トナーの消去が可能な転写材でしかもその画像形成に必要なトナーのメインバインダーと多孔質の表面を形成する表面の樹脂の熱膨張率が異なる画像形成方法においてその転写材表面に微細な穴が有り、画像形成の際、その穴にトナーを形成し、加熱によるトナーの膨張で穴内にトナーを落とし込み、また、再利用を行う際にまた、熱を与えることで、穴の大きさを広げ、その中から画像を形成したトナーをかきとることを特徴とする再利用可能転写材及び画像形成方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、熱転写方式等に適用した画像形成装置に用いられる記録体に関する。さらに詳しくは画像記録装置で形成された画像形成材料を容易に除去し、容易に再生可能にし繰り返し使用できる画像記録体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題が表面化し、森林資源保護の重要性が認知され、木材などの紙材料の再利用が問われてきている。
【0003】
このような状況の中で、近年では古紙のリサイクルが当然であり、オフィスで分別された古紙は古紙業者、製紙工場というルートを経て古紙の再生が行われている。しかしながら、再生にかかる手間やコスト、さらに再生にかかる莫大なエネルギーについての大きな問題がある。
【0004】
そこで、このような問題を解決する方法として、一度使用した用紙上に形成された画像を化学的、あるいは物理的に消去して再利用する方法が提案されている。例えば電子写真方式で得られた画像を消去する方法として、以下の公報に記載の方法を挙げることができる。
【0005】
特に溶剤使用して、除去するものが多いが、これでは地球環境問題に対しての取り組みとは思えない。例えば以下のようなものがある。
【0006】
特開平7−301940号公報には、トナーなどの熱可塑性樹脂または熱溶解性樹脂で主として形成された画像形成物質の除去を画像除去促進液の膨潤と物理的な剥離で行い、記録媒体の再生を行う方法が開示されている。しかし、この方法では、記録媒体が画像除去促進液などの溶媒を使用するため、結局、再利用した記録材には溶媒が残り、それを再度通紙するには、他の弊害が持ち上がる危険性がある。
【0007】
特開平8−220792号公報には、電子写真用トナーとして独自に発明したトナーを用い、それを用いた印字物に紫外線を照射した後、機械的に擦過することで、印字部分を除去、記録媒体の再生を行う方法が開示されている。しかし、この方法では特別なトナーを用いなければならず、全部の機種に対応した記録材を提供できるものではない。
【0008】
特開平9−204061公報には、用紙表面にトナー離型性のよい皮膜を形成することで、トナーを除去する技術が開示されている。この方法は、主としてパルプ繊維で構成されている基材上に、シリコーン化合物と酸化チタンなどの微粒子を含む液組成物を塗布または含浸し乾燥させ皮膜を形成し、この皮膜上にトナーによる画像が形成され、形成された画像は熱ローラーに通紙することでトナーを除去するものである。しかし、この方法で容易に取れるようなものは、画像を持ち運ぶ際、擦れたりして安易に取れやすい傾向があり問題となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、再生可能な記録媒体、その再生方法を溶剤などの化学薬品を用いず、しかも容易にトナー剥離可能で何度も繰り返し使用でき、しかも一度画像を形成するとトナーの接着性が強いことを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は次のようである。
【0011】
本発明はトナーの消去が可能な転写材でしかもその画像形成に必要なトナーのメインバインダーと多孔質の表面を形成する表面の樹脂の熱膨張率が異なる画像形成方法においてその転写材表面に微細な穴が有り、画像形成の際、その穴にトナーを形成し、加熱によるトナーの膨張で穴内にトナーを落とし込み、また、再利用を行う際にまた、熱を与えることで、穴の大きさを広げ、その中から画像を形成したトナーをかきとることを特徴とする再利用可能転写材及び画像形成方法。
すなわち、トナーと転写材表面の樹脂の熱膨張率が異なることで、ある熱を加えた際、トナーがその穴の中に入り、また、その画像が必要なくなれば、穴から取り除くということでトナーを強固に定着すると共に、容易に剥せることである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0013】
図1は本発明に係わる多孔質の断面図である。11は転写材1の基材であって中質あるいは上質の普通紙、あるいはこれらの紙の片面または両面に目止め用の表層コートを施した紙、いわゆるコート紙、アート紙等の塗工紙でもよい。また、基材にプラスチックフィルムを用いてもよくそれは従来公知のものでよい。例えば、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等を用いることができるが、これらの機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的に考慮すれば、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0014】
紙の場合、坪量は30g/m2以上が好ましく、45g/m2以上がより好ましい。30g/m2未満の紙では、塗工樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬送性が確保されにくい。また、坪量は200g/m2以下が好ましく、150g/m2 以下がより好ましい。200g/m2を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、搬送性が不良になり易い。また、ここでは、熱に対して敏感なものの方が好ましい。基本的には、画像を形成する樹脂と同等の熱膨張率をもっているものの方が好ましいが、この限りではない。また、表層の樹脂材料に対して接着層を設けてもよく、その場合は、12は接着層であって、その接着剤として公知のものでアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することができるが、特に、粘着剤のはみ出しが少ないアクリル系粘着剤を好適に使用することができる。粘着剤の塗布方法には特に制限はなく、粘着剤の溶液をディップ方式、スプレイコート方式、ブレードコート方式、グラビアコート方式、キスコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている公知の塗布方式を用いて塗布することができる。粘着剤の塗布量は、粘着剤の固形分の重量として0.1〜20g/m2、0.5〜5g/m2である。粘着性を強くしすぎると敗れてしまい、また、弱いと剥がれてしまう可能性がある。
【0015】
ここで多孔質を形成するための受容層13を示す。受容層としては、熱に対して伸び縮みしやすいものが好ましい。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリユリア(熱膨張率2〜3×10−5/℃)、ポリスチレン(6〜8×10−5/℃)などに代表される樹脂でかまわない。この他のものとしては、具体的には、変性ナイロンや共重合ナイロンなどの特殊なナイロン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、水性ビニルウレタン、水性アクリル系ポリマー、アルファオレフィン・マレイン酸系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸などの水溶性合成高分子、デンプン、多糖類、にかわ、カゼインなどの水溶性天然物などのポリマーポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリイミド、セロハン等などでも十分な役割を果たせ、これらのものは基本的に膨張係数は前記ほどのものぐらいである。
【0016】
また、図1(b)に示すように両面に塗工してもかまわない。この場合、熱処理を加えた場合、カールが発生しにくいという点がプラスされる。これらの樹脂層に形成する穴の大きさとしては直径で1〜254μである。1μより小さいとトナーが溶けたときに上手く入り込まないため、すぐに取れやすくなってしまう。また、254μより大きくなると、穴自身が大きいので画像形成上不具合が発生してしまう。穴の空け方としては、通常、凸型の版を使用し、樹脂が乾かないうちに押し当てて作成することができる。さらに、一度表層に膜を作って、針(ダイヤモンド、鉄など)で一定の間隔で溝(穴)を掘っていくのも構わない。一般的には塗工時に版を作って、穴を製膜するほうが簡易だと思われる。また、塗工量としては、静電層の塗布量は、剥離剤固形分として、0.1〜10g/m2、好ましくは3〜5g/m2で、厚みとしては転写層の厚みとしては、1μm〜20μmでよく、好ましくは5μm〜10μmでよい。あまり、薄すぎるとトナーが基材の転写層部に定着できず、また、厚すぎると塗工樹脂自体が横に伸びにくくなる。
【0017】
また、この転写層13には必要に応じて電子写真転写性の向上のためカチオン系あるいはノニオン系の帯電防止剤を加えることも可能である。帯電防止剤量としては、目標表面固有抵抗値として1010〜1013/□になるように調整すればよい。更に、通紙搬送性の確保のためシリカ粉末等の無機白色顔料を混合してもよい。また、前述したトナーの剥がれよより満足させるために、7重量%未満の公知の離型剤を混合してもよい。あまり、混入しすぎると定着性が保たれないためである。また、図1(c)に示すように転写層13の上に若干の離型層を設けてもよい。この場合の離型層の量は乾燥固形分で1g/m2以下であることがよい。1gより多くなる定着性に問題がある。この場合の離型剤としては、フッ素系樹脂;シリコーン系樹脂;これらの共重合体樹脂;以上のこれら樹脂とアクリル樹脂及びポリエステル樹脂などとの共重合樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレンなどの低分子量合成ワックス;カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス及びミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の材料である。
【0018】
次に、本発明のトナー除去システムに対する電子写真用トナーについて詳述する。一般的なトナーでよく。さらには、カラーに用いられる、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とするバインダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シアン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用トナーが使用可能であることも大きな特徴である。この場合、注意しなければならないのはトナーを塗工樹脂自体と同じ熱膨張率より小さくすることが基本である。例えば、メインバインダーの中にガラスなどの無機材料を加えることで、熱膨張率は通常の半分くらいになる。また、金属系のものは熱膨張率が低く、これらのものを充填するのも可能である。例えば、充填剤として、グラスファイバー、カーボンファイバー、グラファイト、二硫化モリブデン、ブロンズ、珪酸アルミ、滑石、酸化スズなどの金属酸化物等の無機充填剤、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファィド樹脂等の有機耐熱性ポリマーも用いられる。これら充填剤を用いると、線膨張率等が改善できる。半分より大きくほとんど変わらない状態となると、上手く取り出せない。
【0019】
次にこの、除去プロセスを簡単に図2に説明する。図2はトナーの定着、及び取り除くことを簡単に分からせるための一部を拡大したものである。上記で構成さらた転写紙1に電子写真装置で必要部分に形成されたトナーTを転写させる。(A)次に、熱定着装置(150℃〜200℃)によって転写紙1は膨張しトナーがその穴に落ちる。(B)常温(0〜30℃)でトナーT転写紙は通常状態にもどり固着される。(C)さらに、トナー必要ないときはもう一度、凸型の定着器Sで温めトナーはかきとられる。(D)さらに、常温まで冷やされ、もとの転写紙にもどる(E)。
ここで、今回使用された定着器について、説明する。定着装置の一例について図4で説明する。
【0020】
定着ローラー431は、金属性パイプの表面にシリコンゴム及びフッ素ゴムが被覆されたものであり、加圧ローラー432は金属ローラーの表面にシリコンゴムが被覆されたもので、加圧ローラー432の表面に取り付けられたサーミスタ436からの検知信号に基づいて不図示の温度制御回路が定着ローラー431のハロゲンヒーター432a及び432bがコントロールされ、その表面温度が定着に適した一定値にコントロールされている。
【0021】
オイル塗布装置433はオイル溜433a内のシリコンオイルを汲み上げ、ローラー433b及び433cを介して塗布ローラー433dの方へ移動させ、定着ローラー431に当接、離間、且つ回転可能なこの塗布ローラー433dによって定着ローラー431上にシリコンオイルを塗布するものであり、その制御ブレード433eによってコントロールされている。
【0022】
クリーニング装置434及び435は、帯状のクリーニング部材であるクリーニングウエブ434a及び435aと、クリーニングウエブ434a及び435aを定着ローラー431,加圧ローラー432に押圧させる押圧ローラー434b及び435bと、クリーニングウエブ434a及び435aを繰り出していく巻き出しローラー434c及び435cと、クリーニング能力が低下し使用済となったクリーニングウエブ434a及び435aを順次巻き取っていく巻き取りローラー434d及び435d等とから構成されている。
【0023】
尚、加圧ローラー432に比べ定着ローラー431側にトナーの付着が生じやすいため、加圧ローラー432に比べ定着ローラー431側にトナーの付着が生じやすいため、加圧ローラー432側のクリーニングウエブ435aが通常の芳香族系ポリアミドイミドによる不織布を用いたフェルトから構成されているのに対し、定着ローラー431側のクリーニングウエブ434aは、上記のフェルトの定着ローラー431と当接面側にニッケルの電界メッキを施したクリーニング能力の大きいウエブから構成させている。
【0024】
そして、定着ローラー431側にトナー像Tを担持する記録材Sが定着装置430の方へ搬送されてくると、オイル塗布装置433の塗布ローラー433dが定着ローラー431に当接して該定着ローラー431にシリコンオイルを塗布する。
【0025】
そして、この記録材Sが定着ローラー431及び加圧ローラー432間の定着ニップに挟持されつつ搬送されると、その間に記録材S上のトナー像Tは加熱、加圧されて記録材S上に溶融固着されて定着される。
【0026】
また、このような定着器は電子写真で一般的であり、また、ここから塗布系を取り除いたものも一般的なものである。また、トナーを定着させる手段としては、オーブンなどの定着器でも大丈夫である。
【0027】
また、今回トナーを取り除く際の定着器(加熱装置)について説明する。基本的には前記定着装置で十分で、ただ、表層に凸を設ける必要がる。図3はその一部であり、その凸高さ300は穴の深さを考え20μまで、大きすぎると圧バランスが悪くなり上手くトナーがとれなくなる。また、幅301も1〜50μの幅がよく、それより小さくなると製造上難しく、また、50μより大きくなると穴に入り難くなる。その際の加熱装置の温度は150〜250℃くらいがよい。150℃より低いと熱膨張がいまひとつ行われず、また、250℃になるとトナー自体が液状化しかえってとりにくい。今回の定着ローラーと加圧ローラーにおける加圧力であるが、1N/cm2より小さくなると、うまく取り出せない。
【0028】
また、40N/cm2より大きくなると、圧力がかかり過ぎてローラーの凸部がつぶれてしまう。
【0029】
トナーの取り出し方についての一例を図5に示す。まず(A)のように穴の中に埋まっているトナーがいる。(B)に示すように剥ぎ取りローラーが熱を与えると熱膨張の関係で表層の樹脂が広がりトナーが動き易い状態となる。(C)のようにそのような穴の部分に剥ぎ取りトーラーの凸部が浸入するとトナーはいる所が無くなり外に出ようとする。(D)に示すように穴とローラーの凸部の周期が上手くかみ合えば、全体のトナーが取り出せる。(E)に示すように室温に戻れば元の状態の穴の大きさに縮む。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
坪量104.7g/m2のコート紙に受像層をポリエステル樹脂(商品バイロン、東洋紡製)樹脂100重量部を3重量%トルエン溶液を、バーコーターにて塗工し、乾燥するさい、表面に直径100μの穴が1inch幅に200個、深さ10μになるよな版を押し当て、そのまま固定し、これを120℃のオーブンで2分間乾燥することにより、転写材を形成した。そのときの静電層の熱膨張率は8×10−5/℃だった。また、そのときのトナーをプロポキシル化ビスフェノールAとフマール酸との縮合反応によって得られた
ポリエステル樹脂No.1(酸価10.8mgKOH/g) 100重量部
イエロー着色剤(C.I.ピグメントイエロー173) 6重量部
負荷電制御剤(クロム錯体化合物) 4重量部
ガラスビーズ(平均粒径0.1) 5重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルをもちいて約1〜2mm程度粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去して、所定の粒度分布を有するイエロートナーを得た。
【0032】
このトナーの熱膨張率は1.8×10−5/℃だった。
【0033】
これをキヤノン製のCLC700で画像を出力し、定着条件として、オーブンで200℃で10分間とかし、常温鮮明な画像が形成された。手で擦っても簡単にはトナーは取れなかった。また、画像を取り除く際の加熱条件としては、表面に凸部(幅25μ、高さ10ミクロン)の表層にゴム層(ゴム層を加工する際、凸部ができる型に流し込んで作る)を設けた加熱ローラーを用い、定着温度200℃、速度75mm/s、加圧力20N/cmm2に転写紙を通した。トナーゴム側の部分に書き出されきれいに取れた。
【0034】
(実施例2)
転写層を共重合ナイロン(グリロンC、スイス エムス社製)(熱膨張率8.5×10−5/℃)にした以外実施例1と同様に転写材にした以外実施例1と同様の転写材を作成した。
【0035】
実施例1と同様の評価を行ったが、トナーの除去については、簡単で、しかも何度も使用可能となった。
【0036】
(実施例3)
トナーの熱膨張を下げるものとして、ガラスビーズの代わりに酸化スズを10部混入する以外実施例1と同様の方法で転写材及びトナーを形成した。実施例1と同様の評価を行いった。トナーの除去としては、簡単でうまくできた。
【0037】
(実施例4)
転写層にポリプロウレタン(大日本インキ製)(熱膨張率4×10−5/℃)を用いて実施例1と同様なフィルムを形成した。その転写材を軽圧系の定着器に通し(定着条件190℃、5N/cm2、速度110mm/s)にて画像形成を行った。上手く画像形成ができ、トナーも取れなかった。また、画像を取り除く際の加熱条件としては、表面に凸部(幅20μ、高さ8ミクロン)の表層にゴム層を設けた加熱ローラーを用い、定着温度180℃、速度65mm/s、加圧力40N/cmm2に転写紙を通した。トナーゴム側の部分に書き出されきれいに取れた。
【0038】
(比較例1)
表層に穴を設けない以外実施例1と同様な方法で転写材を形成した。実施例1と同様の定着条件でトナーを形成したが、熱膨張が異なるものを引っ付けることは困難でトナーがうまく定着できなかった。
【0039】
(比較例2)
実施例1のトナーの構成のなかでガラスビーズをとる以外実施例1と同様の実験を行った。トナーの熱膨張率が(6×10−5/℃)となり定着は上手く行えて、トナーもとれないが、再加熱でトナーが上手くとれず、若干トナーが残るようになった。
【0040】
(比較例3)
実施例1における加熱ローラーの凸部を無くす以外実施例1と同様の検討を行った。トナーを取り除く際、トナーの書き出しが上手く行かず若干残るようになった。
【0041】
(比較例4)
実施例4において表層の穴を空けない以外実施例4と同等の実験を行った。定着性はある程度確保されるが、紙同士で擦れるだけで簡単に剥がれてしまい、持ち運ぶには不便なものとなった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、再生可能な記録媒体、その再生方法を溶剤などの化学薬品を用いず、しかも容易にトナー剥離可能で記録材における無駄をださずに何度も繰り返し使用でき、しかも一度画像を形成するとトナーの接着性が強いことを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトナー除去するための転写材の断面図
【図2】本発明に係わるトナー除去方法の簡単な説明
【図3】本発明に係わるトナー除去加熱ローラーの凸部の説明図
【図4】本発明に係わる定着装置の一例の概略図
【図5】トナーの剥ぎ取り方を示す概略図
【図6】実施例及び、比較例一覧(表1)
【符号の説明】
1 トナー除去用転写材
11 基紙
12 接着層
13 受像層
301 除去加熱装置の凸部の幅
302 除去加熱装置の凸部の高さ
S 除去加熱装置
T トナー
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、熱転写方式等に適用した画像形成装置に用いられる記録体に関する。さらに詳しくは画像記録装置で形成された画像形成材料を容易に除去し、容易に再生可能にし繰り返し使用できる画像記録体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題が表面化し、森林資源保護の重要性が認知され、木材などの紙材料の再利用が問われてきている。
【0003】
このような状況の中で、近年では古紙のリサイクルが当然であり、オフィスで分別された古紙は古紙業者、製紙工場というルートを経て古紙の再生が行われている。しかしながら、再生にかかる手間やコスト、さらに再生にかかる莫大なエネルギーについての大きな問題がある。
【0004】
そこで、このような問題を解決する方法として、一度使用した用紙上に形成された画像を化学的、あるいは物理的に消去して再利用する方法が提案されている。例えば電子写真方式で得られた画像を消去する方法として、以下の公報に記載の方法を挙げることができる。
【0005】
特に溶剤使用して、除去するものが多いが、これでは地球環境問題に対しての取り組みとは思えない。例えば以下のようなものがある。
【0006】
特開平7−301940号公報には、トナーなどの熱可塑性樹脂または熱溶解性樹脂で主として形成された画像形成物質の除去を画像除去促進液の膨潤と物理的な剥離で行い、記録媒体の再生を行う方法が開示されている。しかし、この方法では、記録媒体が画像除去促進液などの溶媒を使用するため、結局、再利用した記録材には溶媒が残り、それを再度通紙するには、他の弊害が持ち上がる危険性がある。
【0007】
特開平8−220792号公報には、電子写真用トナーとして独自に発明したトナーを用い、それを用いた印字物に紫外線を照射した後、機械的に擦過することで、印字部分を除去、記録媒体の再生を行う方法が開示されている。しかし、この方法では特別なトナーを用いなければならず、全部の機種に対応した記録材を提供できるものではない。
【0008】
特開平9−204061公報には、用紙表面にトナー離型性のよい皮膜を形成することで、トナーを除去する技術が開示されている。この方法は、主としてパルプ繊維で構成されている基材上に、シリコーン化合物と酸化チタンなどの微粒子を含む液組成物を塗布または含浸し乾燥させ皮膜を形成し、この皮膜上にトナーによる画像が形成され、形成された画像は熱ローラーに通紙することでトナーを除去するものである。しかし、この方法で容易に取れるようなものは、画像を持ち運ぶ際、擦れたりして安易に取れやすい傾向があり問題となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、再生可能な記録媒体、その再生方法を溶剤などの化学薬品を用いず、しかも容易にトナー剥離可能で何度も繰り返し使用でき、しかも一度画像を形成するとトナーの接着性が強いことを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は次のようである。
【0011】
本発明はトナーの消去が可能な転写材でしかもその画像形成に必要なトナーのメインバインダーと多孔質の表面を形成する表面の樹脂の熱膨張率が異なる画像形成方法においてその転写材表面に微細な穴が有り、画像形成の際、その穴にトナーを形成し、加熱によるトナーの膨張で穴内にトナーを落とし込み、また、再利用を行う際にまた、熱を与えることで、穴の大きさを広げ、その中から画像を形成したトナーをかきとることを特徴とする再利用可能転写材及び画像形成方法。
すなわち、トナーと転写材表面の樹脂の熱膨張率が異なることで、ある熱を加えた際、トナーがその穴の中に入り、また、その画像が必要なくなれば、穴から取り除くということでトナーを強固に定着すると共に、容易に剥せることである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳しく説明する。
【0013】
図1は本発明に係わる多孔質の断面図である。11は転写材1の基材であって中質あるいは上質の普通紙、あるいはこれらの紙の片面または両面に目止め用の表層コートを施した紙、いわゆるコート紙、アート紙等の塗工紙でもよい。また、基材にプラスチックフィルムを用いてもよくそれは従来公知のものでよい。例えば、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン等を用いることができるが、これらの機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的に考慮すれば、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0014】
紙の場合、坪量は30g/m2以上が好ましく、45g/m2以上がより好ましい。30g/m2未満の紙では、塗工樹脂膜を厚くしても電子写真装置における搬送性が確保されにくい。また、坪量は200g/m2以下が好ましく、150g/m2 以下がより好ましい。200g/m2を越えると、原紙の剛性が高過ぎるため、搬送性が不良になり易い。また、ここでは、熱に対して敏感なものの方が好ましい。基本的には、画像を形成する樹脂と同等の熱膨張率をもっているものの方が好ましいが、この限りではない。また、表層の樹脂材料に対して接着層を設けてもよく、その場合は、12は接着層であって、その接着剤として公知のものでアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することができるが、特に、粘着剤のはみ出しが少ないアクリル系粘着剤を好適に使用することができる。粘着剤の塗布方法には特に制限はなく、粘着剤の溶液をディップ方式、スプレイコート方式、ブレードコート方式、グラビアコート方式、キスコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、リバースロールコート方式など通常用いられている公知の塗布方式を用いて塗布することができる。粘着剤の塗布量は、粘着剤の固形分の重量として0.1〜20g/m2、0.5〜5g/m2である。粘着性を強くしすぎると敗れてしまい、また、弱いと剥がれてしまう可能性がある。
【0015】
ここで多孔質を形成するための受容層13を示す。受容層としては、熱に対して伸び縮みしやすいものが好ましい。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリユリア(熱膨張率2〜3×10−5/℃)、ポリスチレン(6〜8×10−5/℃)などに代表される樹脂でかまわない。この他のものとしては、具体的には、変性ナイロンや共重合ナイロンなどの特殊なナイロン、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、水性ビニルウレタン、水性アクリル系ポリマー、アルファオレフィン・マレイン酸系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸などの水溶性合成高分子、デンプン、多糖類、にかわ、カゼインなどの水溶性天然物などのポリマーポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリイミド、セロハン等などでも十分な役割を果たせ、これらのものは基本的に膨張係数は前記ほどのものぐらいである。
【0016】
また、図1(b)に示すように両面に塗工してもかまわない。この場合、熱処理を加えた場合、カールが発生しにくいという点がプラスされる。これらの樹脂層に形成する穴の大きさとしては直径で1〜254μである。1μより小さいとトナーが溶けたときに上手く入り込まないため、すぐに取れやすくなってしまう。また、254μより大きくなると、穴自身が大きいので画像形成上不具合が発生してしまう。穴の空け方としては、通常、凸型の版を使用し、樹脂が乾かないうちに押し当てて作成することができる。さらに、一度表層に膜を作って、針(ダイヤモンド、鉄など)で一定の間隔で溝(穴)を掘っていくのも構わない。一般的には塗工時に版を作って、穴を製膜するほうが簡易だと思われる。また、塗工量としては、静電層の塗布量は、剥離剤固形分として、0.1〜10g/m2、好ましくは3〜5g/m2で、厚みとしては転写層の厚みとしては、1μm〜20μmでよく、好ましくは5μm〜10μmでよい。あまり、薄すぎるとトナーが基材の転写層部に定着できず、また、厚すぎると塗工樹脂自体が横に伸びにくくなる。
【0017】
また、この転写層13には必要に応じて電子写真転写性の向上のためカチオン系あるいはノニオン系の帯電防止剤を加えることも可能である。帯電防止剤量としては、目標表面固有抵抗値として1010〜1013/□になるように調整すればよい。更に、通紙搬送性の確保のためシリカ粉末等の無機白色顔料を混合してもよい。また、前述したトナーの剥がれよより満足させるために、7重量%未満の公知の離型剤を混合してもよい。あまり、混入しすぎると定着性が保たれないためである。また、図1(c)に示すように転写層13の上に若干の離型層を設けてもよい。この場合の離型層の量は乾燥固形分で1g/m2以下であることがよい。1gより多くなる定着性に問題がある。この場合の離型剤としては、フッ素系樹脂;シリコーン系樹脂;これらの共重合体樹脂;以上のこれら樹脂とアクリル樹脂及びポリエステル樹脂などとの共重合樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレンなどの低分子量合成ワックス;カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス及びミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の材料である。
【0018】
次に、本発明のトナー除去システムに対する電子写真用トナーについて詳述する。一般的なトナーでよく。さらには、カラーに用いられる、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エポキシ、ポリエステル等の樹脂を主体とするバインダー樹脂にカーボンブラックの他、イエロー、シアン、マゼンタ等の染顔料を含む電子写真用トナーが使用可能であることも大きな特徴である。この場合、注意しなければならないのはトナーを塗工樹脂自体と同じ熱膨張率より小さくすることが基本である。例えば、メインバインダーの中にガラスなどの無機材料を加えることで、熱膨張率は通常の半分くらいになる。また、金属系のものは熱膨張率が低く、これらのものを充填するのも可能である。例えば、充填剤として、グラスファイバー、カーボンファイバー、グラファイト、二硫化モリブデン、ブロンズ、珪酸アルミ、滑石、酸化スズなどの金属酸化物等の無機充填剤、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファィド樹脂等の有機耐熱性ポリマーも用いられる。これら充填剤を用いると、線膨張率等が改善できる。半分より大きくほとんど変わらない状態となると、上手く取り出せない。
【0019】
次にこの、除去プロセスを簡単に図2に説明する。図2はトナーの定着、及び取り除くことを簡単に分からせるための一部を拡大したものである。上記で構成さらた転写紙1に電子写真装置で必要部分に形成されたトナーTを転写させる。(A)次に、熱定着装置(150℃〜200℃)によって転写紙1は膨張しトナーがその穴に落ちる。(B)常温(0〜30℃)でトナーT転写紙は通常状態にもどり固着される。(C)さらに、トナー必要ないときはもう一度、凸型の定着器Sで温めトナーはかきとられる。(D)さらに、常温まで冷やされ、もとの転写紙にもどる(E)。
ここで、今回使用された定着器について、説明する。定着装置の一例について図4で説明する。
【0020】
定着ローラー431は、金属性パイプの表面にシリコンゴム及びフッ素ゴムが被覆されたものであり、加圧ローラー432は金属ローラーの表面にシリコンゴムが被覆されたもので、加圧ローラー432の表面に取り付けられたサーミスタ436からの検知信号に基づいて不図示の温度制御回路が定着ローラー431のハロゲンヒーター432a及び432bがコントロールされ、その表面温度が定着に適した一定値にコントロールされている。
【0021】
オイル塗布装置433はオイル溜433a内のシリコンオイルを汲み上げ、ローラー433b及び433cを介して塗布ローラー433dの方へ移動させ、定着ローラー431に当接、離間、且つ回転可能なこの塗布ローラー433dによって定着ローラー431上にシリコンオイルを塗布するものであり、その制御ブレード433eによってコントロールされている。
【0022】
クリーニング装置434及び435は、帯状のクリーニング部材であるクリーニングウエブ434a及び435aと、クリーニングウエブ434a及び435aを定着ローラー431,加圧ローラー432に押圧させる押圧ローラー434b及び435bと、クリーニングウエブ434a及び435aを繰り出していく巻き出しローラー434c及び435cと、クリーニング能力が低下し使用済となったクリーニングウエブ434a及び435aを順次巻き取っていく巻き取りローラー434d及び435d等とから構成されている。
【0023】
尚、加圧ローラー432に比べ定着ローラー431側にトナーの付着が生じやすいため、加圧ローラー432に比べ定着ローラー431側にトナーの付着が生じやすいため、加圧ローラー432側のクリーニングウエブ435aが通常の芳香族系ポリアミドイミドによる不織布を用いたフェルトから構成されているのに対し、定着ローラー431側のクリーニングウエブ434aは、上記のフェルトの定着ローラー431と当接面側にニッケルの電界メッキを施したクリーニング能力の大きいウエブから構成させている。
【0024】
そして、定着ローラー431側にトナー像Tを担持する記録材Sが定着装置430の方へ搬送されてくると、オイル塗布装置433の塗布ローラー433dが定着ローラー431に当接して該定着ローラー431にシリコンオイルを塗布する。
【0025】
そして、この記録材Sが定着ローラー431及び加圧ローラー432間の定着ニップに挟持されつつ搬送されると、その間に記録材S上のトナー像Tは加熱、加圧されて記録材S上に溶融固着されて定着される。
【0026】
また、このような定着器は電子写真で一般的であり、また、ここから塗布系を取り除いたものも一般的なものである。また、トナーを定着させる手段としては、オーブンなどの定着器でも大丈夫である。
【0027】
また、今回トナーを取り除く際の定着器(加熱装置)について説明する。基本的には前記定着装置で十分で、ただ、表層に凸を設ける必要がる。図3はその一部であり、その凸高さ300は穴の深さを考え20μまで、大きすぎると圧バランスが悪くなり上手くトナーがとれなくなる。また、幅301も1〜50μの幅がよく、それより小さくなると製造上難しく、また、50μより大きくなると穴に入り難くなる。その際の加熱装置の温度は150〜250℃くらいがよい。150℃より低いと熱膨張がいまひとつ行われず、また、250℃になるとトナー自体が液状化しかえってとりにくい。今回の定着ローラーと加圧ローラーにおける加圧力であるが、1N/cm2より小さくなると、うまく取り出せない。
【0028】
また、40N/cm2より大きくなると、圧力がかかり過ぎてローラーの凸部がつぶれてしまう。
【0029】
トナーの取り出し方についての一例を図5に示す。まず(A)のように穴の中に埋まっているトナーがいる。(B)に示すように剥ぎ取りローラーが熱を与えると熱膨張の関係で表層の樹脂が広がりトナーが動き易い状態となる。(C)のようにそのような穴の部分に剥ぎ取りトーラーの凸部が浸入するとトナーはいる所が無くなり外に出ようとする。(D)に示すように穴とローラーの凸部の周期が上手くかみ合えば、全体のトナーが取り出せる。(E)に示すように室温に戻れば元の状態の穴の大きさに縮む。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
坪量104.7g/m2のコート紙に受像層をポリエステル樹脂(商品バイロン、東洋紡製)樹脂100重量部を3重量%トルエン溶液を、バーコーターにて塗工し、乾燥するさい、表面に直径100μの穴が1inch幅に200個、深さ10μになるよな版を押し当て、そのまま固定し、これを120℃のオーブンで2分間乾燥することにより、転写材を形成した。そのときの静電層の熱膨張率は8×10−5/℃だった。また、そのときのトナーをプロポキシル化ビスフェノールAとフマール酸との縮合反応によって得られた
ポリエステル樹脂No.1(酸価10.8mgKOH/g) 100重量部
イエロー着色剤(C.I.ピグメントイエロー173) 6重量部
負荷電制御剤(クロム錯体化合物) 4重量部
ガラスビーズ(平均粒径0.1) 5重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸式押出し機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルをもちいて約1〜2mm程度粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去して、所定の粒度分布を有するイエロートナーを得た。
【0032】
このトナーの熱膨張率は1.8×10−5/℃だった。
【0033】
これをキヤノン製のCLC700で画像を出力し、定着条件として、オーブンで200℃で10分間とかし、常温鮮明な画像が形成された。手で擦っても簡単にはトナーは取れなかった。また、画像を取り除く際の加熱条件としては、表面に凸部(幅25μ、高さ10ミクロン)の表層にゴム層(ゴム層を加工する際、凸部ができる型に流し込んで作る)を設けた加熱ローラーを用い、定着温度200℃、速度75mm/s、加圧力20N/cmm2に転写紙を通した。トナーゴム側の部分に書き出されきれいに取れた。
【0034】
(実施例2)
転写層を共重合ナイロン(グリロンC、スイス エムス社製)(熱膨張率8.5×10−5/℃)にした以外実施例1と同様に転写材にした以外実施例1と同様の転写材を作成した。
【0035】
実施例1と同様の評価を行ったが、トナーの除去については、簡単で、しかも何度も使用可能となった。
【0036】
(実施例3)
トナーの熱膨張を下げるものとして、ガラスビーズの代わりに酸化スズを10部混入する以外実施例1と同様の方法で転写材及びトナーを形成した。実施例1と同様の評価を行いった。トナーの除去としては、簡単でうまくできた。
【0037】
(実施例4)
転写層にポリプロウレタン(大日本インキ製)(熱膨張率4×10−5/℃)を用いて実施例1と同様なフィルムを形成した。その転写材を軽圧系の定着器に通し(定着条件190℃、5N/cm2、速度110mm/s)にて画像形成を行った。上手く画像形成ができ、トナーも取れなかった。また、画像を取り除く際の加熱条件としては、表面に凸部(幅20μ、高さ8ミクロン)の表層にゴム層を設けた加熱ローラーを用い、定着温度180℃、速度65mm/s、加圧力40N/cmm2に転写紙を通した。トナーゴム側の部分に書き出されきれいに取れた。
【0038】
(比較例1)
表層に穴を設けない以外実施例1と同様な方法で転写材を形成した。実施例1と同様の定着条件でトナーを形成したが、熱膨張が異なるものを引っ付けることは困難でトナーがうまく定着できなかった。
【0039】
(比較例2)
実施例1のトナーの構成のなかでガラスビーズをとる以外実施例1と同様の実験を行った。トナーの熱膨張率が(6×10−5/℃)となり定着は上手く行えて、トナーもとれないが、再加熱でトナーが上手くとれず、若干トナーが残るようになった。
【0040】
(比較例3)
実施例1における加熱ローラーの凸部を無くす以外実施例1と同様の検討を行った。トナーを取り除く際、トナーの書き出しが上手く行かず若干残るようになった。
【0041】
(比較例4)
実施例4において表層の穴を空けない以外実施例4と同等の実験を行った。定着性はある程度確保されるが、紙同士で擦れるだけで簡単に剥がれてしまい、持ち運ぶには不便なものとなった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明により、再生可能な記録媒体、その再生方法を溶剤などの化学薬品を用いず、しかも容易にトナー剥離可能で記録材における無駄をださずに何度も繰り返し使用でき、しかも一度画像を形成するとトナーの接着性が強いことを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるトナー除去するための転写材の断面図
【図2】本発明に係わるトナー除去方法の簡単な説明
【図3】本発明に係わるトナー除去加熱ローラーの凸部の説明図
【図4】本発明に係わる定着装置の一例の概略図
【図5】トナーの剥ぎ取り方を示す概略図
【図6】実施例及び、比較例一覧(表1)
【符号の説明】
1 トナー除去用転写材
11 基紙
12 接着層
13 受像層
301 除去加熱装置の凸部の幅
302 除去加熱装置の凸部の高さ
S 除去加熱装置
T トナー
Claims (5)
- トナーの消去が可能な転写材でしかもその画像形成に必要なトナーのメインバインダーと多孔質の表面を形成する表面の樹脂の熱膨張率が異なる画像形成方法においてその転写材表面に微細な穴が有り、画像形成の際、その穴にトナーを形成し、加熱によるトナーの膨張で穴内にトナーを落とし込み、また、再利用を行う際にまた、熱を与えることで、穴の大きさを広げ、その中から画像を形成したトナーをかきとることを特徴とする再利用可能転写材及び画像形成方法。
- 転写材の微細な穴の大きさは直径1μ以上254μ以内であることを特徴とする請求項1記載の再利用可能転写材及び画像形成方法。
- 加熱時の温度が150〜250℃であることを特徴とする請求項1記載の再利用可能転写材及び画像形成方法。
- 熱膨張率の差が転写材転写材の多孔質層の方が2倍以上高いことを特徴とする請求項1記載の再利用可能転写材及び画像形成方法。
- 転写材からトナーを剥ぎ取るためのローラーは凸型のローラーであることを特徴とする請求項1記載の再利用可能転写材及び画像形成方法。
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2002
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