JP2003330373A - 複写機用ラベル - Google Patents

複写機用ラベル

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JP2003330373A
JP2003330373A JP2002175056A JP2002175056A JP2003330373A JP 2003330373 A JP2003330373 A JP 2003330373A JP 2002175056 A JP2002175056 A JP 2002175056A JP 2002175056 A JP2002175056 A JP 2002175056A JP 2003330373 A JP2003330373 A JP 2003330373A
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Katsuhiko Kuwahata
克彦 桑畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラー複写機用ラベル、カラーレーザープリン
ター用ラベルにおいて従来の粘着剤の代わりに、吸着機
能を有する微細で柔軟なミクロ吸盤2を代替することに
よって、複写機内での糊のはみ出しのない、紙つまりの
ない、カール、波打ちのない吸着力を持った貼って剥が
せる複写機用ラベルの提供。 【解決手段】180℃〜200℃で安定な耐熱性表面基
材1であるポリエステルフイルム、あるいは特殊紙の裏
面に、無数の微細気泡を内包した泡沫アクリル酸エステ
ル共重合体樹脂エマルジョン液を、直接塗工乾燥して、
直径100ミクロン以下の凹状陥没穴4を無数に内包す
るミクロ吸盤2を形成させ、その上から耐熱性表面基材
1と同質の耐熱性保護用基材3を、耐熱性表面基材1の
流れ方向に合わせて被覆してなる図1の複写機用ラベル
の製造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本考案は白黒コピー機、カラ
ーコピー機、カラーレーザープリンター等のいわゆる複
写機を使って複写の出来る複写機用ラベルの製造に関す
る。本考案は従来の複写機用ラベルの粘着剤に代わっ
て、貼って剥がせる機能を有したミクロ吸盤を使用する
ことにより、粘着剤のはみ出しのない、走行性の良い、
複写後のカール、波打ち、暴れの少ない、貼って剥がせ
る複写機用ラベルの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤を塗布したいわえる白黒複写機用
紙ラベル、フイルムラベルが既に多く使われている。し
かしカラーコピー機、カラーレーザープリンター等の複
写機で複写出来る紙ラベル、フイルムラベルは未だ多く
は使われていない。複写機内をラベルが走行する時発生
するトラブルを恐れて歓迎しない姿勢があるからであ
る。例えばコンビニエンスストアにはカラーコピー機が
設置されているが、コピー機に収納された紙以外の使用
は禁止されているのが現状である。その最大の理由は粘
着剤を使ったラベルは粘着剤が複写機の高熱で軟化して
粘着剤がはみ出し、定着ロール、感光ドラムを汚染して
複写性能を極端に落とす可能性がある事と、一旦粘着剤
で汚染されたロールの修復メンテナンスは容易でないか
らである。もう一つはカラー複写機のトナー溶融温度、
180℃度から200℃度の定着ロールを通過する時、
ラベルが熱収縮して、反りが発生して紙つまりとなる可
能性があるからである。
【0003】これ等の問題点の解決については既に、特
開2000−250248、特開平−104867、実
公平−5190が公開されている。これ等の特許では粘
着剤のはみ出しを出来るだけ抑えるために、粘着剤の塗
布量を極端に少なく20g/m以下に抑える事、さら
に粘着剤の流動化を抑えるために硬化剤を多く添加して
粘着剤を硬くする方法が取られている。又走行性を良く
するためラベル厚さは130ミクロン程度に設計されて
いる。ラベルの大きさも紙づまりを恐れて、紙ラベルは
A3サイズはあるがフイルムラベルはA4サイズはある
が、A3サイズは開発されてないのが現状である。しか
し最近の新しい複写機、カラーレーザープリンターは中
間転写体の採用、タンデム・レーザーエンジンの採用に
より高速化、高画質化、メディアの高厚化が進み、ラベ
ル以外のメディアは厚さ100ミクロンから400ミク
ロンの厚紙まで複写可能になってきた。本考案は従来の
粘着剤では解決困難とされる、粘着剤のはみ出しのな
い、カール、波打ち、暴れのない複写機用高厚紙ラベ
ル、及び高厚フイルムラベルを、粘着剤の代わりにミク
ロ吸盤を導入することによってA3サイズまでも可能に
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本考案は、複写機(以
下、白黒複写機、カラー複写機、カラーレーザープリン
ターを含めて複写機と表現する)にて複写される紙ラベ
ル、フイルムラベルにおいて粘着剤を使わず、その代わ
りに柔軟なミクロ吸盤を使うことにより、粘着剤ラベル
では解決困難な、粘着剤のはみ出し、ラベルの紙つま
り、複写後のカール波打ちを一挙に解決した、貼って剥
がせる複写機用ラベルに関する。また本考案は粘着剤ラ
ベルでは困難とされた厚さ400ミクロン前後の高厚の
複写機用ラベルを可能にするものである。
【0005】粘着剤のはみ出しとは、トナー溶融温度2
00℃の高熱下で軟化流動化してラベルの末端部から粘
着剤がはみ出す現象で、これを抑えるため粘着剤の厚さ
は20ミクロン以下(特開2000−250248)に
抑えられている。20ミクロンは薄すぎて粘着剤本来の
機能を発現できる充分レベルではない。とくに貼って剥
がせる再剥離粘着ラベルはこの薄さでは困難視されてい
る。それに対して本考案のミクロ吸盤は400ミクロン
程度まで厚くすることができ、厚さの厚薄をもって吸着
力レベルも制御できる。今後の複写機の開発によって、
厚さ100ミクロン以下、400ミクロン以上の紙等が
複写機を走行可能になれば、本考案は容易に100ミク
ロン以下400ミクロン以上の貼って剥がせる複写機用
ラベルの製造を可能にするものである。
【0006】粘着剤複写機用ラベルでも解決に苦慮され
ている課題にラベルの紙つまり、複写後のカール波打ち
がある。その対策として耐熱性表面基材、耐熱性剥離紙
を使うことは既に粘着剤を使うラベルで実証済みである
が、ミクロ吸盤においても同じである。粘着剤ラベルに
おいては耐熱性剥離紙にはシリコーン等の剥離処理を必
ず必要とするが、本考案のミクロ吸盤は粘着剤ではない
ため剥離処理を必ずしも必要としない。剥離処理を必要
としないことが本考案の複写機用ラベルに剛直性を付与
して、紙つまり、複写後のカール、波打ち、暴れの防止
に効果的に働いている。
【0007】現在、強粘着タイプの複写機用ラベルはあ
っても、貼って剥がせる再剥離タイプの複写機用ラベル
は少ない。粘着剤のはみ出しのない、貼って剥がせる再
剥離タイプの複写機用ラベルの開発は粘着剤では非常に
困難であるからである。本考案は粘着剤では困難とされ
る貼って剥がせる再剥離タイプの複写機用ラベルを高厚
化、サイズ拡大化を可能にするものである。OA用品、
文具用品として多く使用されるのはもちろん、さらに看
板業界、サイン業界に用途を広げるものである。看板業
界、サイン業界では15年前まではペンキ書きされてい
た看板はカッティングマシンの登場によって、最近マー
キングフイルムにとって代わった。更に最近のインクジ
ェットプリンターの登場によって耐候性のあるインクジ
ェットメディアにとって代わられつつある。マーキング
フイルムであれ、インクジェットメディアであれ、貼っ
たら剥がれない強粘着剤を使用したメディアが通例であ
る。強粘着剤を使ったマーキングフイルム、インクジェ
ットメディアは剥がれないが故に、役割を終えると貼ら
れた看板、アクリル樹脂看板等、諸とも廃棄されいるの
が現状である。本考案の貼って剥がせる複写機用ラベル
は看板、アクリル樹脂看板等の再使用を可能にし、環境
問題の解決にも一役果たすものである。
【0008】またミクロ吸盤特有のきらきら光る半透明
乳白色を生かすことにより、粘着剤では困難視されてい
た電飾用マーキングフイルムを可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】ミクロ吸盤とは、特開2001−3567
24、特願2001−30923、特願2001−19
5530、特願2002−93257及び本考案にて使
う言葉であって、特開平6−98803、特許公報 平
−81614にて既に公知の、発泡シートの機能と同
一、または類似のものである。当該公報には多くの応用
分野が提案されて、発泡シートの応用の広さを示唆して
いる。当該公報はアクリル樹脂とウレタン樹脂の混合樹
脂からなる発泡シートに関するものであるのに対して、
本発明はアクリル樹脂からなるミクロ吸盤の応用に関す
るものである。しかし、その機能は吸着力機能であっ
て、当然本考案はアクリル樹脂とウレタン樹脂の混合樹
脂からなるミクロ吸盤にも及ぶものである。又特許公報
第2987934号にては静電吸着性フイルムを発泡シ
ートの保護フイルムに応用する特許が公開されている。
粘着剤を使用した複写機用ラベルの考案は、特開200
0−250248、特開平−104867、実公平−5
190が公開されている。本考案は複写機用ラベルにお
いて粘着剤の代わりに柔軟なミクロ吸盤を代替使用する
ことにより粘着剤の欠点をことごとく解決すると同時
に、さらに新しい用途を拡大するものである。
【0010】すなわち、本発明は次のように製造され
る。第一の工程は吸着力をもったミクロ吸盤2を塗工成
膜する。ミクロ吸盤2は整泡剤、増粘剤、硬化剤、顔料
を一定の割合で混合したアクリル酸エステル共重合体エ
マルジョン液を、機械的発泡機「オークスミキサー」を
通して、無数の微細気泡を物理的に発生させた泡沫状エ
マルジョン液をコンマコーターにてポリエステルフイル
ム(耐熱性表面基材1)に塗工、乾燥して成膜される。
その上にポリエステルフイルム(耐熱性表面基材1)と
同一、もしくは同質、望ましくは同厚の表面平滑なポリ
エステルフイルム(耐熱性保護用基材3)をポリエステ
ルフイルム(耐熱性表面基材1)の成膜時の流れ方向と
同方向に合わて被覆して、図1、図2の如き本考案の複
写機用ラベルが製造される。ポリエステルフイルムには
透明ポリエステルフイルム、易接着性透明ポリエステル
フイルム、白色ポリエステルフイルム、蒸着ポリエステ
ルフイルム、マット調ポリエステルフイルムがあるが、
望ましくはアニール処理したより熱安定性のよいポリエ
ステルフイルム、を本考案の耐熱性表面基材1、耐熱性
保護用基材3としていづれも使用するのが良い。図2の
如くシリコーン剥離処理したポリエステルフイルム(耐
熱性保護用基材3)を使うと、本考案の複写機用ラベル
のミクロ吸盤2からポリエステルフイルム(耐熱性保護
用基材3)が容易に剥離出来るようになるが、本考案ラ
ベルシートの剛直性が劣り、複写後のふくれ、しわが発
生し易くなる。
【0011】紙は安価で、200℃以上の耐熱性に富
み、トナー転着性も良考な素材で、複写機用紙として、
既に独占的に使われている材料である。しかし本考案の
複写機用ラベルの耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基材
3に紙を使用する場合はさらに製造上、耐水性を付与し
た紙でなければならない。ミクロ吸盤を形成するために
は泡沫状アクリル酸エステル共重合体エマルジョン液を
耐熱性表面基材1の裏面に、塗工して乾燥させるが、そ
のエマルジョン液は300g/mにも及び耐水性のな
い紙は塗工時に紙切れ、しわ、暴れ、カールが発生して
ミクロ吸盤は生産出来ないからである。そのため本考案
において耐熱性表面基材1に紙を使う場合は耐水性と耐
熱性の両方を兼ね備えた特殊紙、例えばクレーコート
紙、ラミホイル紙、グラシン紙、樹脂含浸紙が相当す
る、特殊紙の場合も耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基
材3は同質、望ましくは同一、同厚が良いが、表面が平
滑であることが耐熱性保護用基材3としての特殊紙の絶
対的条件になる。図1の如く紙の場合もミクロ吸盤2の
両面に、耐熱性表面基材1と耐熱性保護用基材3の流れ
方向とは同一方向に被覆して本考案の複写機用ラベルが
製造されるのは云うまでもない。
【0012】ミクロ吸盤2は前記のポリエステルフイル
ム、特殊紙の上にアクリル酸エステル共重合体エマルジ
ョン液を直接塗工して形成されるが、ミクロ吸盤2とは
良く接着して剥がれないのが良い。しかし一方、耐熱性
保護用基材3とミクロ吸盤2、つまり表面平滑なポリエ
ステルフイルム、あるいは表面平滑な特殊紙とミクロ吸
盤2とは容易に剥がせる程度に弱く吸着しているのが良
い。より容易に保護用基材3を手剥がしするには、ポリ
エステルフイルム、特殊紙の表面にシリコーン等の剥離
剤を処理すれば良い。しかし、シリコーン等の剥離処理
すると容易に保護フイルムがミクロ吸盤から剥離され易
くなり、複写機内の高温下をラベルが走行する過程で、
保護フイルムがミクロ吸盤2から剥離したり、部分的に
ふくれが発生剥離して、紙づまりを発生させる恐れがあ
ることは前述した通りである。
【0013】ミクロ吸盤2のもう一つの特徴はアクリル
酸エステル重合体からなるミクロ吸盤2は微細で柔軟な
凹状陥没穴4を無数に内包するため、隠蔽性のある顔料
を多く含まない限り、半透明乳白色を呈し、図3に見る
如く、裏からミクロ吸盤2に光を通すと反射、屈折して
凹状陥没穴4。及びミクロ吸盤に内包された気泡9がき
らきら光る一種独特の半透明乳白色が発現される。この
特性を生かして電飾用看板マーキングフイルムに応用で
きる。耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基材3にそれぞ
れ透明ポリエステルフイルムを使うことによって本考案
複写機用ラベルは電飾用看板マーキングフイルムとして
使用できる。更に貼って剥がせて、被着体を汚染しない
本考案の複写機用ラベルは看板、アクリル樹脂看板等の
再使用を可能にし、環境問題の解決にも一役果たすもの
である。
【0014】ミクロ吸盤の光透過性はミクロ吸盤の厚
み、凹状陥没穴4の大きさ、単位面積当たりの数によっ
て変化するのはもちろんであるが、むしろミクロ吸盤に
含まれる顔料の量によって左右される。半透明乳白色を
得るには、顔料の添加はゼロが望ましく、例えば酸化チ
タンの場合、例えば白色顔料酸化チタンがアクリル酸エ
ステル重合体当たり3%混入されてもきらきら光る半透
明乳白色は得られない。
【0015】
【作用】第一の工程で製造されるミクロ吸盤2は整泡
剤、増粘剤、硬化剤、顔料を一定の割合で混合したアク
リル酸エステル共重合体エマルジョン液に、機械的発泡
機「オークスミキサー」にて空気を吹き込みながら、発
泡倍率を1.5倍に調整した泡沫状エマルジョン液を、
耐熱性表面基材1の上に塗工、乾燥すると図1の如く3
00ミクロン厚のミクロ吸盤2上に直径100ミクロン
以下の平均的には50ミクロンの凹状陥没穴4が1〜5
万個/cmが形成される。この微細で柔軟な凹状陥没
穴4が吸着力を発揮し、通気性のない平滑面であればど
んなものでも良く吸着する。厚さ70ミクロン以下の極
薄ミクロ吸盤2でも吸着力を発現させるためには、アク
リル酸エステル共重合体エマルジョン液の発泡倍率を
2.0倍以上に調整し、直径30ミクロン以下の凹状陥
没穴4を5万個/cm以上、望ましくは20万個/c
以上形成させることが望ましい。凹状陥没穴4の開
口は真円ではなく円状であって前述の直径は、むしろ長
径に相当するものである。
【0016】 吸着力に重要なミクロ吸盤2の要素は、
前述の如く微細で無数であること、柔らかで指で押すと
指紋の跡が残る程度に柔軟であること、及びミクロ吸盤
2を被覆する耐熱性保護用基材3の表面が平滑面である
ことである。この柔軟なミクロ吸盤2を耐熱性保護用基
材3で被覆すると、耐熱性保護用基材3の平滑面が経時
的にミクロ吸盤2の面に写って、柔軟なミクロ吸盤2は
平滑面に変化する。柔軟で平滑なミクロ吸盤2を平滑な
被着体面に押し当てると、ミクロ吸盤2の厚みが弾性に
より1時的に縮小し凹状陥没穴内の空気が一部排除さ
れ、いわゆる吸盤効果を発揮する。耐熱性保護用基材3
に微細な凹凸のあるポリエステルフイルム、例えばサン
ドマットポリエステルフイルムを使用した場合は、ミク
ロ吸盤2の面にサンドマットの微細な凹凸が写って、ミ
クロ吸盤面も凹凸面になり、被着体面に貼っても空気が
抜けて吸盤効果は発現されないのである。
【0017】柔軟なミクロ吸盤2は、粘着剤の様にべと
べとした粘着性はなく、複写機内の定着ロール温度18
0℃〜200℃で液化流動化して、ラベルの切り口から
はみ出し定着ロールを汚すこともない。粘着剤を使用し
たラベルは前述の如く高熱下で液化流動化してラベルの
末端部から粘着剤が流れ出し定着ロールを汚すため、粘
着剤の厚さはせいぜい20ミクロン以下に抑えれてい
る。そのため充分な接着力が得られない難点を持つ。そ
れに対してミクロ吸盤2は複写機を通る400ミクロン
程度まで厚膜化でき、定着ロールを汚染することもな
く、厚さの厚薄をもって吸着力を自由に制御できる画期
的な複写機用ラベルを製造できる。
【0018】耐熱性表面基材1と、耐熱性保護用基材3
とは同質、望ましくは同厚、同方向被覆は本考案の複写
機用ラベルの複写後のカール、波打ち、暴れの防止に重
要な要素となる。本考案の耐熱表面基材1と耐熱保護用
基材3とは180℃〜200℃下でも安定で熱収縮の小
さい、カール、波打ちの発生のない耐熱性基材を意味
し、具体的にはポリエステルフイルム、ポリエチレンナ
フタレートあるいは特殊紙が相当する。表面基材1がポ
リエステルフイルムの場合は耐熱保護用基材3も、同
質、望ましくは同厚のポリエステルフイルムを、耐熱表
面基材1が耐水性を保有した特殊紙の場合は耐熱保護用
基材3も、同質、望ましくは同厚の特殊紙を意味する。
耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基材3との違いは前者
は必ずしも表面は平滑面を必要としないが、耐熱性保護
用基材3はミクロ吸盤2に接する面は必ず平滑でなけれ
ばならない。また、ポリエステルフイルム、特種紙に
は、製造時の流れ方向があり、流れ方向と横方向とでは
熱収縮率、強度は当然異なる。本考案は図1の如く表面
基材1の流れ方向と保護用基材3の流れ方向とを同一方
向になるようにミクロ吸盤2に被覆することによって、
複写後のカール、波打ち、暴れを最小限に防止するもの
である。
【0019】複写機を走行させるにはラベルの厚さは重
要なファクターであった。最近の複写機は中間転写体の
採用、タンデム・レーザーエンジンの採用により、通紙
できる紙厚の範囲は飛躍的に広がり100ミクロンから
400ミクロンまで可能になった。例えばEPSONの
カラーレーザープリンターLP8800C、富士ゼロッ
クスのc−1255、リコーのimagio−4000
は厚さ400ミクロンの厚紙を通紙できる。本考案は、
図1、図2、に示す構成において複写機に通るラベルの
総厚と、走行性、トナー定着性、複写後の紙面の波打
ち、耐熱性保護用基材3の剥離性との関係を以下の如く
研究した。総厚が160ミクロ、230ミクロン、30
0ミクロン、400ミクロンになる様に耐熱性表面基材
1(ポリエステルフイルム)、ミクロ吸盤2、耐熱性保
護用基材3(ポリエステルフイルム)のそれぞれの厚み
を以下の如く設定したA4サイズ複写機用ラベルを実験
室的に作成し、imagi0−4000(リコー製),
カラーレーザープリンターLP8800C(エプソン
製)、 PIXEL2100(CANON製)、カラー
レーザープリンターDOCUCOLOR1255CP
(FUJIXEROX製)にて複写テストを実施した結
果を以下に示す。評価判定は各メーカーの指定上質紙1
10ミクロン厚と比較した。◎(指定上質紙と同等=非
常に良い)○(良い)△(やや問題あり)で示した。耐
熱性表面基材1、耐熱性保護用基材3にポリエステルフ
イルムを使用し、同一方向に被覆した場合の結果を以下
に示す。 総厚 (μ)160 230 300 400 耐熱性表面基材 (μ) 50 50 50 50 ミクロ吸盤 (μ) 60 130 200 300 耐熱性保護用基材 (μ) 50 50 50 50 走行性 imagio 4000 ◎ ◎ ◎ ○ LP8800C ◎ ◎ ◎ △ 2100 ◎ ◎ ○ ◎ C1255 ◎ ◎ ◎ ◎ トナー定着性 imagio 4000 ◎ ◎ ◎ △ LP8800C ◎ ◎ ◎ ◎ 2100 ◎ △ △ △ C1255 ◎ ◎ ◎ ◎ 複写後の紙面の波打ち imagio 4000 ◎ ◎ ◎ ◎ LP8800C ○ ◎ ◎ △ 2100 ◎ ◎ 〇 △ C1255 ○ ◎ ◎ ◎ 耐熱性保護用基材の剥離性 LP8800C ○ ○ ○ ○ 2100 ○ ○ ○ ○ C1255 ○ ○ ○ ○ 他の条件は同一にして耐熱表面基材1にポリエステルフ
イルム、耐熱保護用基材3にシリコーン処理したポリエ
ステルフイルムにを使用した場合の結果を以下に示す。 総厚 (μ)160 230 300 400 耐熱性表面基材 (μ) 50 50 50 50 ミクロ吸盤 (μ) 60 130 200 300 耐熱性保護用基材 (μ) 50 50 50 50 走行性 imagio 4000 ◎ ◎ ◎ ◎ LP8800C ◎ ◎ ◎ △ 2100 ◎ ◎ ◎ △ C1255 ◎ ◎ ◎ ◎ トナー定着性 imagio 4000 ◎ ◎ ○ △ LP8800C ◎ ◎ ◎ ◎ 2100 ◎ △ △ △ C1255 ◎ ◎ △ △ 複写後の紙面の波打ち imagio 4000 ◎ ◎ ○ △ LP8800C ◎ ◎ ◎ △ 2100 ◎ ◎ ○ △ C1255 ◎ ◎ ○ △ 耐熱性保護用基材の剥離性 imagio 4000 ◎ ◎ ◎ ◎ LP8800C ◎ ◎ ◎ ◎ 2100 ◎ ◎ ◎ ◎ C1255 ◎ ◎ ◎ ◎ 他の条件は同一にして耐熱性表面基材1にポリエステル
フイルムの製造流れ方向と、耐熱性保護用基材3のポリ
エステルフイルムの流れ方向を直角にクロスして作成さ
れた場合の結果を以下に示す。 総厚 μ 160 230 耐熱性表面基材 μ 50 50 ミクロ吸盤 μ 60 130 耐熱性保護用基材μ 50 50 複写後の紙面の波打ち imagio 4000 △ △ LP8800C △ △ 以上の結果より耐熱性表面基材1、ミクロ吸盤2、耐熱
性保護用基材3のそれぞれの厚さの合計が160ミクロ
ンから400になる様に構成し、望ましくは160ミク
ロンから230ミクロンになる様に構成し、さらに望む
らくは耐熱性表面基材1と耐熱性保護用基材3とは同
質、同厚、同方向性の構成にすることが望ましいことが
明らかになった。総厚が300ミクロン、400ミクロ
ンと厚くなると定着ロールの熱消耗が大きく、その分、
複写スピードが落ちトナー定着性が悪くなる点、複写機
を走行する間にシート折れが発生し易い点、シリコーン
等の剥離処理したポリエステルフイルムを使用するとミ
クロ吸盤2から剥がれ易く、ふくれ易く、複写後の波打
ちが発生し易い点等が明らかになった。以上の複写機テ
ストから、複写機にて最も良好な複写品質を得る本考案
の複写機用ラベルの構成は、耐熱性表面基材1には厚さ
50ミクロンのポリエステルフイルム、ミクロ吸盤2は
60ミクロンから130ミクロンの厚さ、耐熱性保護用
基材3は厚さ50ミクロンのポリエステルフイルムから
なる総厚160ミクロンから230ミクロンのフイルム
ラベルであることが明らかになった。また剥離処理した
ポリエステルフイルムを耐熱性保護用基材3に使用した
総厚400ミクロンの本考案の複写機用ラベルは、波打
ち、折れしわ、が発生し、トナー定着性も完全ではない
ことが明らかになった。
【0020】以上耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基材
3、にポリエステルフイルムを使用した場合について述
べたが、耐熱性表面基材1、耐熱性保護用基材3、に特
殊紙、を使用した場合も同一である。
【0021】ミクロ吸盤2は柔軟な発泡シートであるた
めクッション性があり、高熱の定着ロールや加圧ローラ
の間を走行する時、強く圧着されてミクロ吸盤は30%
程度圧縮密着されながら走行する。この点が本考案の複
写機用ラベルは厚くてもトナー定着性が高い要因と考え
られる。またミクロ吸盤2は柔軟な発泡シートであるた
め400ミクロンと厚くても本考案ラベルは同厚の厚紙
ラベルと比較して、しなやかで剛直性が落ちる点も走行
性を良くしている。これらの特性は粘着剤では得られな
い発泡シートならではのミクロ吸盤独特の効果的特性で
ある。本考案の複写機用ラベルがコピー濃度、鮮明度と
も良いのはこれらのミクロ吸盤の持つ柔軟性、クッショ
ン性に起因するものと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図を参照
して説明する。
【0023】図1は実施形態1に係わる複写機用ラベル
の耐熱性保護用基材3を剥がした拡大断面図で、耐熱性
表面基材1の裏面には厚さ50ミクロンから300ミク
ロンの無数の気泡9を内包するミクロ吸盤2が形成さ
れ、その表面に直径5〜100ミクロンの柔軟な凹状陥
没穴4が無数に形成され、さらにミクロ吸盤2を被覆保
護するの耐熱性保護用基材3の3層から構成されてい
る。
【0024】図2は実施形態2に係わる複写機用ラベル
の耐熱性保護用基材3を剥がした拡大断面図を示す。実
施形態2の複写機用ラベルが実施形態1と異なる点は耐
熱性保護用基材3の上に剥離処理した剥離処理層6を持
つ点で、他は実施形態1と同一ある。
【0025】図3はミクロ吸盤2の拡大斜視図である。
裏面より光を照射した場合、凹状陥没穴4、あるいは気
泡9に光が当たって反射、屈折しきらきら光る状況を示
す。
【0026】図4は実施形態3に係わる複写機用ラベル
の耐熱性保護用基材3を剥がした拡大断面図を示す。複
写機用ラベルが実施形態1と異なる点は、耐水性を保有
した特殊紙のひとつ、クレーコート紙を耐熱性表面基材
1、耐熱性保護用基材3に使用した拡大斜視図である。
【0027】複写機用ラベルの製造1
【実施例1】アクリル酸エステル共重合体DICNAL
MEP−20WO 100kg,整泡剤DICNA
L,M−40 10kg,増粘剤DICNAL MX
10kg,架橋剤としてメラミン樹脂5kg(何れも大
日本インキ化学工業製品)、酸化チタン3kgを混合し
たアクリルエマルジョンを、機械的発泡機「オークスミ
キサー」を通して空気混入させて調薬された発泡倍率
1.5倍の微細泡沫状アクリルエマルジョン液を、13
00mm幅のコンマコータにて厚さ50ミクロン易接着
性透明ポリエステルフイルム(帝人製品)の裏面に10
0g/mを均一に塗工した。その後110℃〜140
℃の乾燥炉にて7分間乾燥して成膜された厚さ70ミク
ロンのミクロ吸盤2の上に厚さ50ミクロンの平滑で透
明な易接着性ポリエステルフイルム(帝人製品)を耐熱
性保護フイルム3として流れ方向に合わせて被覆して複
写機用ラベルを100m生産、1週間7インチコアに巻
状保管した。7インチコアに太く巻きとったため、総厚
170ミクロンと厚みがあるにもかかわらず、巻しわの
発生も無かった。その後、A4サイズに200枚裁断し
た。拡大鏡にてミクロ吸盤2の面を観察したところ直径
5〜100ミクロンの微細な凹状陥没穴5が約1〜2万
個/cm形成されていた。ミクロ吸盤2の面を指で押
さえると指紋の跡が残る程度に柔軟であった。ミクロ吸
盤2は顔料酸化チタンを含み半透過性白濁色を呈した。
【0028】複写機用ラベルの製造2
【実施例2】実施例1においては本発明の耐熱性表面基
材1上に形成されたミクロ吸盤2の拡大斜視図である。
アクリル酸エステル共重合体DICNAL MEP−2
0WO 100kg,整泡剤DICNAL, M−40
10kg,増粘剤DICNAL MX 10kg,架
橋剤としてメラミン樹脂5kg(何れも大日本インキ化
学工業製品)を混合したアクリルエマルジョンを、機械
的発泡機「オークスミキサー」を通して空気混入させて
調薬された発泡倍率1.5倍の微細泡沫状アクリルエマ
ルジョン液を、1300mm幅のコンマコータにて、厚
さ50ミクロン易接着性透明ポリエステルフイルム(帝
人製品)の耐熱性表面基材1の裏面に300g/m
均一に塗工した。その後110℃〜140℃の乾燥炉に
て9分間乾燥して成膜された厚さ210ミクロンのミク
ロ吸盤2の上に、厚さ30ミクロンの柔軟でよく伸びる
表面平滑なポリエチレンフイルムを被覆し、3インチコ
アの紙管に100m巻き取った。総厚240ミクロンと
厚く、巻取ると内外径差が出たが、ポリエチレンフイル
ムが伸びて、しわの発生もなく巻取られた。次にポリエ
チレンフイルムを剥がしながら、耐熱性表面基材1と同
一の厚さ50ミクロン易接着性透明ポリエステルフイル
ム(帝人製)を、耐熱性保護用基材3として流れ方向を
あわせて被覆して、厚さ260ミクロンの本考案の複写
機用ラベル1270mmx1000mをシート状で50
枚製造した。これをA4サイズに切断してA4200枚
を製造した。ミクロ吸盤2は顔料を含まないため半透明
乳白色を呈し、光を当てるときらきら光ってミクロ吸盤
特有の輝きを発した。ミクロ吸盤2の面を観察したとこ
ろには直径5〜70ミクロンの微細な凹状陥没穴4が約
2〜4万個/cm形成されていた
【0029】複写機用ラベルの製造3
【実施例3】実施例2において耐熱性保護用基材3とし
てシリコーン(信越化学KS774)処理した50ミク
ロン易接着性透明ポリエステルフイルムを、実施例2同
様ポリエチレンフイルムを剥がしながら、ミクロ吸盤2
の上に同方向に被覆して本考案の図2の複写機用ラベル
をA4サイズ200枚を生産した。ミクロ吸盤2は半透
明乳白色を呈し、実施例2同様ミクロ吸盤特有の輝きを
発した。シリコーン(信越化学KS774)処理した5
0ミクロン易接着性透明ポリエステルフイルムを耐熱性
保護用基材3として使用した当該ラベルは、実施例2で
製造されたラベルと比較してシート剛直性が無く、しな
やかでミクロ吸盤2から容易に手剥がしができた。
【0030】複写機用ラベルの製造4
【実施例4】アクリル酸エステル共重合体DICNAL
MEP−20WO 100kg,整泡剤DICNA
L, M−40 10kg,増粘剤DICNALMX
10kg,架橋剤としてメラミン樹脂5kg(何れも大
日本インキ化学工業製品)を混合したアクリルエマルジ
ョンを、機械的発泡機「オークスミキサー」を通して空
気混入させて調薬された発泡倍率2.0倍の泡沫状微細
発泡アクリルエマルジョン液を、1300mm幅のコン
マコータにて、厚さ50ミクロン易接着性透明ポリエス
テルフイルム(帝人製品)の裏面に50g/mを均一
に塗工し110℃〜140℃で7分間乾燥して製造され
た厚さ44ミクロンのミクロ吸盤2の上に、38ミクロ
ン厚の平滑透明なポリエステルフイルム(帝人製品)を
耐熱性保護用基材3として、流れ方向をあわせて被覆し
て製造した複写機用ラベルを100m、太い巻7インチ
コアに巻取って生産し、1週間保管した。7インチコア
に巻取の原反は巻しわの発生もなく、A4サイズに20
0枚裁断した。拡大鏡にてミクロ吸盤2の面を観察した
ところ、直径5〜40ミクロンの微細な凹状陥没穴4が
約12〜25万個/cm形成されていた。ミクロ吸盤
2の厚さは44ミクロン厚と薄く、半透明乳白色を呈
し、光を当てるとミクロ吸盤特有の輝きを発し、総厚は
130ミクロンであった。
【0031】複写機テスト1
【実施例5】実施例1、2、3、4で得られた4種のA
4サイズ複写機用ラベルはカラーレーザープリンターI
MAGIO−4000(リコー製品)の手差し、OHP
モードにて5枚セット、複写したところ、すべて5枚と
も連続して紙つまりなく複写面5に複写された。画像の
色、色濃度、精細度、ともメーカ指定用紙に複写された
複写画像と比較しても劣らない複写画像が得られた。複
写後のカール、波打ちは僅かに発生していた。しかし実
施例3で製造した複写機用ラベルのみは複写後ミクロ吸
盤2と耐熱性保護用基材3との間に部分的に浮きが発生
していた。ラベルの切り口を拡大鏡にて観察したがミク
ロ吸盤2が切り口から溶けてはみ出していることはく、
複写画像のトナーも良く密着していた。複写された複写
機用ラベルの保護フイルムを剥がして、複写処理後の吸
着力の変化を確かめたが複写前後での吸着力の減少はな
かった。
【0032】複写機テスト2
【実施例6】実施例1、2、3、4で得られた4種のA
4サイズ複写機用ラベルはカラー複写機PIXEL21
00(CANON製品)の手差し,OHPモードにて5
枚セットし、原画を複写したところ、すべて5枚とも連
続して紙つまりなくスムースに通紙され、複写面5に複
写された画像の色、色濃度、精細度、はメーカ指定用紙
に複写された画像と比較すると劣っていた。特に実施例
2、実施例3のラベルでミクロ吸盤2の厚さが240ミ
クロンのものが劣り、複写後のカール、波打ちも僅かに
発生していた。実施例3で製造した複写機用ラベルは複
写後、ミクロ吸盤2と耐熱性保護用基材3との間に部分
的浮きが発生していた。拡大鏡にて観察したがミクロ吸
盤2が切り口から流れてはみ出していることもなく、吸
着力が減少していることもなかった。なおドラム式複写
機CP−680(CANON製)でもテストしたが、実
施例1、2、3、4で製造されたいづれの複写機用ラベ
ルも機内で紙つまりして通紙走行出来なかった。
【0033】複写機テスト3
【実施例7】実施例1、2、3、4で得られた4種のA
4サイズ複写機用ラベルはカラーレーザープリンターL
P8800C(EPSON製品)の手差し、特厚紙モー
ドにてA4,A3サイズ5枚セットし、原画を複写した
ところ、すべて10枚とも連続して紙つまりなく通紙さ
れ、複写面5に複写された画像の色、色濃度、精細度、
ともメーカ指定用紙を使って複写された複写画像と比較
して劣らない複写画像が得られた。複写後のカール、波
打ちは僅かに発生していた。特にA3の波打ちは目立っ
た。しかし実施例3で製造された複写機用ラベルは複写
後ミクロ吸盤と耐熱性保護用基材3との間に部分的剥離
が発生していた。ラベルの切り口を拡大鏡にて観察した
がミクロ吸盤2が切り口から流れてはみ出していること
はなかった。トナーの密着性は良好であった。複写処理
後の吸着力の変化を確かめたが吸着力の減少はなかっ
た。
【0034】複写機テスト4
【実施例8】実施例1、2、3、4で得られた4種のA
4サイズ複写機用ラベルはカラーレーザープリンターC
1255(XEROX製品)の手差し,タックフイルム
モードにて5枚セットし、原画を複写したところ、すべ
て5枚とも連続して紙つまりなく通紙され、複写された
画像の色、色濃度、精細度、とも指定用紙と比較しても
劣らない複写画像が得られた。テストにかけた4種のカ
ラーレーザープリンターの内で最も鮮明で深みのある複
写が得られた。複写後のカール、波打ちは僅かに発生し
ていた。実施例3で製造された複写機用ラベルは複写後
ミクロ吸盤2と耐熱性保護用基材3との間に部分的剥離
が発生していた。ラベルの切り口を拡大鏡にて観察した
がミクロ吸盤2が切り口からはみ出していることはなか
った。トナーの密着性は良好であった。複写処理後の吸
着力の変化を確かめたが吸着力の減少はなかった。
【0035】複写機用ラベルの製造5
【実施例9】アクリル酸エステル共重合体樹脂DICN
AL MEP−20WO100kg,整泡剤DICNA
L, M−40 10kg,増粘剤DICNAL MX
10kg,架橋剤としてメラミン樹脂5kg(何れも
大日本インキ化学工業製品)酸化チタン3kgを混合し
たアクリルエマルジョンを、機械的発泡機オークスミキ
サーを通して空気混入させて調薬された発泡倍率1.5
倍の泡沫状微細発泡アクリルエマルジョン液を、130
0mm幅のコンマコータにて、厚さ70ミクロンのクレ
ーコート紙(リンテック製品)の裏面クレーコート面に
100g/mを均一に塗工した。その後110℃〜1
40℃の乾燥炉にて7分間乾燥して製造された厚さ70
ミクロンのミクロ吸盤2の上に、厚さ70ミクロンのシ
リコーン処理したクレーコート紙(リンテック製品:耐
熱性保護用基材3)の流れ方向にあわせてに被覆して複
写機用ラベル図4を500m生産して7インチコアに巻
状保管した。その後、A4サイズに200枚裁断した。
保護用基材3を剥がして、拡大鏡にてミクロ吸盤2の面
を観察したところには径5〜100ミクロンの微細な凹
状陥没穴5が約3〜4万個/cm形成されていた。ミ
クロ吸盤2の面を指で押さえると指紋が残る程度に柔軟
であった。複写機用ラベルはミクロ吸盤2で半透過性白
濁色を呈していて総厚は170ミクロンであった。
【0036】複写テスト5
【実施例10】実施例9で得られたA4サイズ複写機用
ラベルはカラーレーザープリンターIMAGIO−40
00(リコー製品)の手差し、OHPモードに20枚セ
ットし、原画を複写面5に複写したところ、すべて20
枚とも連続して問題なく紙つまりなくスムースに通紙さ
れた。しかし、複写された画像の色、色濃度、精細度、
とも指定用紙と比較して劣るものであった。カール、波
打ちは発生してなく、ラベルの切り口を拡大鏡にて観察
したがミクロ吸盤2が切り口からはみ出していることは
なかった。トナー密着性を確かめたが良く密着してい
た。複写された複写機用ラベルの保護フイルムを剥がし
て、複写処理後の吸着力の変化を確かめたが吸着力の減
少はなかった。
【0037】
【発明の効果】以上の実施例で明らかになった如く、カ
ラーレーザープリンター、カラー複写機にて複写される
複写機用ラベルにおいて、本考案の複写機用ラベルは、
従来の複写機用ラベルに使われてきた粘着剤の代わり
に、機戒的に発泡された泡沫状微細発泡アクリル酸エス
テル共重合体エマルジョン液を180℃〜200℃下で
安定な耐熱性表面基材1の上に塗工乾燥して、吸着機能
を有するミクロ吸盤2を形成させ、その上から耐熱性表
面基材1と同質の表面平滑な耐熱性保護用基材3を被覆
することにより、粘着剤の如き糊のはみ出しのない、走
行性、トナー定着性、カール適性も良好な、貼って剥が
せる高厚の複写機用ラベルを製造出来ることが証明され
た。またミクロ吸盤に顔料を添加しないことにより、光
を照射すると輝きを発する半透明乳白色ミクロ吸盤2を
製造することができ、電飾用マーキングフイルムの分野
まで本考案の複写機用ラベルの用途を広げることができ
るが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性表面基材1上に形成されたミク
ロ吸盤2と耐熱性保護用基材3の構成からなる本考案の
複写機用ラベルの拡大斜視図である。
【図2】本発明の耐熱性表面基材1上に形成されたミク
ロ吸盤2と剥離処理された耐熱性保護用基材3の構成か
らなる本考案の複写機用ラベルの拡大斜視図である。
【図3】本発明のミクロ吸盤2の裏面から入射光7が凹
状陥没穴4、あるいは気泡9に当たって反射、屈折した
分散光8を示す拡大斜視図
【図4】本発明の特殊紙:クレーコートを耐熱性表面基
材1、耐熱性保護用基材3に使用した複写機用ラベルの
拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 耐熱性表面基材 7 入
射光 2 ミクロ吸盤 8 分
散光 3 耐熱性保護用基材 9 気
泡 4 凹状陥没穴 10 耐熱性表面
基材の流れ方向 5 複写面 11 耐熱性保護
用基材の流れ方向 6 剥離処理層 12クレーコー
ト層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性表面基材1の裏面に、微細な凹状陥
    没穴4を無数に有する柔軟なミクロ吸盤2を形成させ、
    その表面に耐熱性表面基材1と同質の表面平滑な耐熱性
    保護用基材3を耐熱性表面基材1の流れ方向と同方向に
    被覆してなる、貼って剥がせる複写機用ラベル
  2. 【請求項2】請求項1において、耐熱性保護用基材3の
    表面を剥離処理してなる、貼って剥がせる複写機用ラベ
    ル。
  3. 【請求項3】請求項1において、厚さ200ミクロン以
    下のポリエステルフイルム(耐熱性表面基材1)の裏面
    に、微細な凹状陥没穴4を無数に有する厚さ300ミク
    ロン以下の柔軟なミクロ吸盤2を形成させ、その表面に
    表面平滑な同質のポリエステルフイルム(耐熱性保護用
    基材3)を、ポリエステルフイルム(耐熱性表面基材
    1)の流れ方向と同方向に被覆してなる、貼って剥がせ
    る複写機用ラベル。
  4. 【請求項4】請求項1のおいて、厚さ200ミクロン以
    下の耐水性を保有した特殊紙(耐熱表面基材1)の裏面
    に、微細な凹状陥没穴4を無数に有する厚さ300ミク
    ロン以下の柔軟なミクロ吸盤2を形成させ、その表面に
    同質の表面平滑な特殊紙(耐熱性保護用基材3)を、耐
    水性を保有した特殊紙(耐熱性表面基材1)の流れ方向
    と同方向に被覆してなる貼って剥がせる複写機用ラベ
    ル。
  5. 【請求項5】請求項1において、厚さ200ミクロン以
    下の透明なポリエステルフイルム(耐熱性表面基材1)
    の裏面に、微細な凹状陥没穴4を無数に有する厚さ30
    0ミクロン以下の、顔料を含まない柔軟な半透明乳白色
    ミクロ吸盤2を形成させを、その表面に同質の表面平滑
    な透明ポリエステルフイルム(耐熱性保護用基材3)
    を、透明ポリエステルフイルム(耐熱性表面基材1)の
    流れ方向と同方向に被覆してなる、貼って剥がせる複写
    機用ラベル。
  6. 【請求項6】請求項3、請求項4、請求項5において、
    耐熱性保護用基材3の表面を剥離処理してなる、貼って
    剥がせる複写機用ラベル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008026640A1 (fr) * 2006-08-29 2008-03-06 Nippon Sheet Glass Company, Limited Structure d'étiquette rfid
JP2021020722A (ja) * 2019-07-30 2021-02-18 大日本印刷株式会社 包装容器、容器本体、蓋部材

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