JP2006243507A - 電子写真用金属調印字用シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 可視光透過性フィルム基材の片面に電子写真方式で印字可能な印字用コート層が設けられ、その印字用コート層の反対側の可視光透過性フィルム基材の表面に、及び/又は印字用コート層と可視光透過性フィルム基材との間に、表面抵抗率が105Ω/sq以上の範囲にある顔料又は金属粉を含む金属調着色層が設けられている電子写真用金属調印字用シートにする。
【選択図】 なし
Description
電子写真方式にて印字を形成する場合、基材表面に電位差を生じさせてトナーを静電転写する。
また、本発明は、上記電子写真用金属調印字用シートにおいて、印字用コート層の表面抵抗率が106〜1014Ω/sqの範囲である電子写真用金属調印字用シートを提供するものである。
また、本発明は、上記電子写真用金属調印字用シートにおいて、印字用コート層が、可視光透過性フィルム基材の表面にアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂を含有する印字用コート層であり、その表面抵抗率が106〜1014Ω/sqの範囲である電子写真用金属調印字用シートを提供するものである。
詳しくは、本発明の電子写真用金属調印字用シートは、シート表面の帯電を阻害することにより発生するトナーの不転写に起因する印字抜けを防止でき、電子写真方式で印字を行い、ロールをシート状にカットする際に、カット後の端部を揃えて積層することを容易に行うことができる。
可視光透過性フィルム基材の厚みは、10〜200μmが好ましく、20〜110μmが特に好ましい。
金属調着色層に含まれる顔料又は金属粉としては、パール顔料(例えば、マイカなど)などの顔料、アルミニウム、ブロンズ、シルバー、ニッケル、スズなどの金属粉などが挙げられる。
この顔料及び金属粉の平均粒径は、2〜40μmが好ましく、5〜15μmが特に好ましい。
金属調着色層における顔料又は金属粉の含有量は、通常1〜30質量%が好ましく、10〜20質量%が特に好ましい。
顔料及び金属粉の形状は、球状、針状、箔状、葉状などが挙げられる。
バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
金属調着色層におけるバインダーの含有量は、通常70〜99質量%が好ましく、80〜90質量%が特に好ましい。
金属調着色層の厚みは、通常1〜30μmが好ましく、4〜20μmが特に好ましい。
該印字用コート層は、種々の印字用コート剤を含有するが、好ましくはアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂を含有する。好ましい態様としては、アクリルスチレン樹脂単独、ポリエステル樹脂単独又はアクリルスチレン樹脂とポリエステル樹脂の組み合わせが挙げられる。アクリルスチレン樹脂は、モノクロトナーの密着性に優れており、ポリエステル樹脂は、カラートナーの密着性に優れている。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば、水酸基などの官能基を1分子中に2個以上有するポリエステル樹脂とモノイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物を反応させることにより、得ることができる。モノイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物としては、芳香族モノイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物が、印刷適性に優れているので好ましい。
印字用コート層は、その表面抵抗率が可視光透過性フィルム基材表面に比較的電位差を生じさせ易い106〜1014Ω/sqの範囲が好ましく、より好ましくは108〜1012Ω/sqの範囲である。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を使用でき、脂肪族エステル等のノニオン系帯電防止剤、ポリアミン誘導体などのカチオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩系帯電防止剤、アルキルスルフェートやポリアニリンスルホン酸等のアニオン系帯電防止剤、アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム、スズなどの導電性金属又は導電性金属酸化物、あるいはカーボンブラックなどを含有する無機系帯電防止剤、シロキサン系帯電防止剤が使用できる。これらのうち、スズ、4級アンモニウム塩系帯電防止剤が好ましい。また、アクリルスチレン樹脂に混合する場合、アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤が好ましい。
また、帯電防止剤層は、アクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂、あるいはこれらの混合物からなる層の表面又は裏面に設けて上記表面抵抗率の範囲にすることもできる。なかでも、帯電防止剤層は、アクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂、あるいはこれらの混合物からなる上層の裏面に下層として設け、二層からなる印字用コート層とすることが好ましい。
また、印字装置での搬送性を向上させるために、印字用シートの裏面に対する印字用コート層の表面の動摩擦係数を0.25〜0.6にすることが好ましい。また、ヒートローラーからの剥離性を上げるためには、印字用シートの表面の中心線平均粗さを0.05〜3.0μmにするのが好ましく、0.1〜2.0μmにするのが特に好ましい。中心線平均粗さが0.05以下であると、ヒートローラーへの接触面積が増えて印字用シートへの蓄熱量が増大し、樹脂が軟化して巻きつきが発生する問題がある。また、中心線平均粗さが3.0以上であると、トナー定着時にボイド状の印字抜けが発生する問題がある。
剥離シートは、種々の剥離シートを使用できるが、代表的には剥離性を表面に有する基材シートから構成される。基材シートとしては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などのフィルムや、これらのフィルムに填料などの充填剤を配合したフィルムや合成紙などが挙げられる。また、グラシン紙、クレーコート紙、上質紙などの紙基材が挙げられる。
基材シートの表面に剥離性を持たせるには、その表面に熱硬化性シリコーン樹脂や、紫外線硬化型シリコーン樹脂等の剥離剤を塗布等により付着させる。剥離剤の塗布量は、0.03〜3.0g/m2が好ましい。
粘着剤層に積層された剥離シートの剥離剤を有しない面(背面)は、他の印字用シートの印字用コート層の表面との滑り性を有することが好ましい。滑り性を付与するため、また平判での使用の際の重送を防止するためには、帯電防止剤を背面に塗布するか、帯電防止剤を基材シートに配合することが好ましい。この帯電防止剤としては、前記の帯電防止剤と同様なものが使用できる。また、易滑性を上げるために、必要性に応じて、シリカ、タルク、石英、クレー、球状ポリスチレン樹脂、球状アクリル系樹脂等の充填剤を基材シートに配合することができる。
本発明の印字用シートにおける印字とは、文字や記号などの狭義の字のみでなく、点、線、図形又はこれらの組合せからなる模様も含む概念である。
なお、印字用シートの性能の測定方法は、以下のとおりである。
(1)金属調着色層の表面抵抗率
印字用シートの金属調着色層の表面抵抗率は、JIS K7194に準じ、三菱油化(株)製「表面抵抗計MCP−T400」を用いて測定した。測定値が1×107Ω/sq以上の場合は、JIS K6911に準じ、ADVANTEST社製「デジタルエレクトロメータTR8652」を用いて測定した。
(2)光学濃度値(O.D.)
レーザービームプリンタとしてキャノン株式会社製「COLOR LAZER SHOT LBP−5700」、リコー株式会社製「IPSIO COLOR 8100」を用いて、印字用シートに印字して、印字濃度をマクベス濃度計RD−918で測定し、光学濃度値(OD値)を求めた。
光学濃度値の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シートに印字して、文字部の印字抜けの有無を目視で観察し、下記の基準に従い、評価した。
○:印字抜けがない。
×:印字抜けがある。
(4)画像性(トナー飛び)
光学濃度値の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シートに印字して、トナー飛びの有無を目視で観察し、下記の基準に従い、評価した。
○:トナー飛びがない。
×:トナー飛びがある。
光学濃度値の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シートに印字して、トナー密着性を下記の基準に従って評価した。評価は、JIS L0823に準じて、染色堅牢度試験用摩擦試験機II型にて、綿布(JIS L0823)を用い、綿布が50往復した時のトナー脱落状況を観察し、下記の基準に従い、評価した。
○:トナーの脱落が見られない。
×:トナーの脱落が見られる。
(6)プリンタ搬送性
光学濃度値の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シート500枚に印字して、搬送不良の枚数を確認した。
JIS K7125に準じ、株式会社オリエンテック製「TENSILON/UTM−4−100」を用い、印字用シートの表面と別の印字用シートの裏面が接するように印字用シートを重ね、印字用シートの裏面に対する印字用コート層の表面の動摩擦係数を測定した。
JIS B0651(測定方法)に準じ、株式会社ミツトヨ製表面粗さ測定器「SURFTEST SV−3000」を用い、JIS B0601で定義される印字用シートの表面の中心線平均粗さを測定した。
(9)印字用コート層の表面抵抗率
印字用コート層の表面抵抗率は、JIS K6911に準じ、ADVANTEST社製「デジタルエレクトロメーターTR8652」を用いて測定した。
(10)シート積層性
レーザビームプリンタとしてXEIKON社製「DCP320S」を用いて、ロール状の印字用シートに印字を行い、印字後シート状にカットし、500枚積層した。下記の基準に従い、評価した。
○:シートの端部を揃えて積層できた。
×:シートの端部を揃えて積層できなかった。
可視光透過性フィルム基材として厚み50μmのポリエステル樹脂シート(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、商品名「E150」)の表面に、紫外線硬化型銀色印刷インク(株式会社ティーアンドケイ東華社製、商品名「UV No.3シルバー」、アルミニウム粉の形状:葉状、アルミニウム粉の平均粒径:11μm、アルミニウム粉の含有量:15質量%、バインダーの種類:アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂、バインダーの含有量:85質量%)を印刷し、高圧水銀ランプを用いて120W、1灯、ランプ高さ10cm、速度10m/minの条件でインク硬化を行い、金属調着色層(厚み:12μm)を形成した。
基材シートとして厚み50μmのポリエステル樹脂シート(東洋紡績(株)製、商品名「クリスパー50G1211」)の片面に、シリコーン塗布剤〔シリコーン(信越化学社製、商品名「KS3703」)100質量部、硬化触媒(信越化学社製、商品名「CAT−PL−50T」)1質量部、トルエン450質量部を均一に混合し、脱気したもの〕をマイヤーバーで塗工し、オーブンにて150℃で30秒間乾燥させ、剥離処理層(固形分塗布量:0.5g/m2)を形成した。また、ポリエステル樹脂シートの背面に、平判使用時の重走を防止するため、背面処理剤〔アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学社製、商品名「サフトマーST−2000」)100質量部、水260質量部、イソプロピルアルコール340質量部を均一に混合し、脱気したもの〕をマイヤーバーで塗工し、乾燥させ、背面処理層(固形分塗布量:0.5g/m2)を形成し、剥離シートを形成した。
可視光透過性フィルム基材として厚み50μmのポリエステル樹脂シート(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、商品名「E150」)の表面に、紫外線硬化型銀色印刷インク〔(株式会社ティーアンドケイ東華社製、商品名「UV No.3シルバー」)100質量部にアルミペースト(東洋アルミニウム株式会社製、商品名「0200M」、アルミニウム粉の形状:箔状、アルミニウム粉の平均粒径:10μm、アルミニウム粉の含有量:65質量%、溶剤の含有量:35質量%)を10質量部を添加したものを印刷し、高圧水銀ランプを用いて120W、1灯、ランプ高さ10cm、速度10m/minの条件でインク硬化を行い、金属調着色層(厚み:12μm)を形成した以外は、実施例1と同様の印字用シートを形成して評価した。結果を表1に示す。
紫外線硬化型銀色印刷インク(株式会社ティーアンドケイ東華社製、商品名「UV No.3シルバー」の代わりに、紫外線硬化型銀色印刷インク(株式会社ティーアンドケイ東華社製、商品名「UVシルバーTK」、アルミニウム粉の形状:葉状、アルミニウム粉の平均粒径:15μm、アルミニウム粉の含有量:15質量%、バインダーの種類:アクリル系樹脂、バインダーの含有量:85質量%)を使用した以外は実施例1と同様の印字用シートを形成して、評価した。結果を表1に示す。
可視光透過性フィルム基材として厚み50μmのポリエステル樹脂シート(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、商品名「E150」)の表面に、アルミニウム蒸着を施して、金属調着色層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを形成して評価した。結果を表2に示す。
実施例2と同様にして剥離シートを形成し、粘着剤層を形成した後、ラミネーターを用いて比較例1と同様に作成した印字用シートの金属調着色層と粘着剤層とを貼り合わせて印字用シートを形成し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Claims (5)
- 可視光透過性フィルム基材の片面に電子写真方式で印字可能な印字用コート層が設けられ、その印字用コート層の反対側の可視光透過性フィルム基材の表面に、及び/又は印字用コート層と可視光透過性フィルム基材との間に、表面抵抗率が105Ω/sq以上の範囲にある顔料又は金属粉を含む金属調着色層が設けられていることを特徴とする電子写真用金属調印字用シート。
- 印字用コート層の反対側の可視光透過性フィルム基材又は金属調着色層である外面層の表面に粘着剤層が設けられ、さらにその粘着剤層の表面に剥離シートが積層されている請求項1に記載の電子写真用金属調印字用シート。
- 印字用コート層の表面抵抗率が106〜1014Ω/sqの範囲である請求項1又は2に記載の電子写真用金属調印字用シート。
- 印字用コート層が、可視光透過性フィルム基材の表面にアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂を含有する印字用コート層であり、その表面抵抗率が106〜1014Ω/sqの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用金属調印字用シート。
- 印字用コート層が2層からなり、上層がアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂を含有するものであり、下層が帯電防止剤を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用金属調印字用シート。
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