JP3804013B2 - 印字用シート - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、トナーを静電転写させて印字させる電子写真画像形成方式の印字装置によって良好な画像を容易に形成でき、また印刷印字装置による印刷適性にも優れた印字用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、トナーを受像体へ静電転写させて印字させる電子写真画像形成方式の印字装置が普及している。電子写真画像形成方式の印字装置としては、レーザービームプリンタ、複写機やデジタル印刷機などがある。これらの印字装置では、受像体の印字面の帯電を制御し、装置内部に搭載された感光ドラムにて形成されたトナー画像を感光体ドラムから受像体へ転写し、定着ロールにて熱定着し、受像体へ印字している。得られる印字の色は、ブラックトナーから形成されるモノクロ印字と、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラックの4色のトナーを用いるカラー印字があり、受像体としてラベルなどの印字用シートへの印字の要望がある。このような用途に用いる印字用シートには、紙基材の印字用シートやフィルム基材の印字用シートがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特にフィルム基材の印字用シートに印字を形成する場合には、基材自体が静電気の帯電が大きいため、良好な印字性や十分なトナー密着を得ることができなかった。
また、定型画像や同一情報をトナー画像のみで形成する場合、画像形成に時間を要するため、定型情報や同一情報の部分は印刷での対応が求められるが、従来の印字用シートのトナー定着層は良好な印刷インク密着性が得られない問題があった。
本発明は、フィルム基材の印字用シートでも、電子写真画像形成方式の印字装置及び印刷印字装置のいずれでも良好な印字を容易に形成でき、また給紙不良や重送を防ぐことができる、給紙や搬送性に優れた印字用シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、基材の表面に上層がアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤を含有するものである2層からなる印字用コート層を形成させ、その表面抵抗率を特定の範囲にすることにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材の表面に上層がアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤を含有するものである2層からなる印字用コート層が設けられており、その表面抵抗率が106〜1014Ω/□の範囲であることを特徴とする印字用シートを提供するものである。
【0005】
また、本発明は、上記印字用シートにおいて、印字用コート層が、上層がアクリルスチレン樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤とポリエステル樹脂を含有するものであるか、又は上層がポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤とアクリルスチレン樹脂を含有するものである印字用シートを提供するものである。
また、本発明は、上記印字用シートにおいて、基材の裏面に粘着剤層が設けられ、さらに該粘着剤層の表面に剥離シートが積層されている印字用シートを提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の印字用シートの基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などのフィルムや、これらのフィルムに填料などの充填剤を配合したフィルムや合成紙などが挙げられる。
基材の厚みは、10〜200μmが好ましく、25〜110μmが特に好ましい。
本発明においては、基材の表面に上層がアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤を含有するものである2層からなる印字用コート層を有する。アクリルスチレン樹脂は、モノクロトナーの密着性に優れており、ポリエステル樹脂は、カラートナーの密着性に優れている。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂は、モノクロトナーの密着性及び印刷性(インク密着性)に優れており、特に印刷性(印刷インク密着性)に優れている。
【0007】
アクリルスチレン樹脂は、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルとスチレン類との共重合体である。(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリル酸のエステルとしては、前記(メタ)アクリル酸と炭素数1〜10のアルコールとのエステルが好ましく挙げられる。スチレン類としては、スチレン、および炭素数1〜6のアルキル基で置換されたスチレン等が好ましく挙げられる。(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルとスチレン類との共重合体におけるスチレン類の含有量は、10〜70質量%が好ましく、40〜65質量%が特に好ましい。また、他の共重合可能なモノマーを共重合させてもよい。これらの具体例としては、例えば、アクリルアマイド、アクリロニトリル、無水マレイン酸などが好ましく挙げられる。アクリルスチレン樹脂は、重量平均分子量が2000〜400000の範囲が好ましい。
また、ポリエステル樹脂は、脂肪族系ポリエステル樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂などの種々のポリエステル樹脂が挙げられ、芳香族系ポリエステル樹脂がトナー定着性に優れているので特に好ましい。ポリエステル樹脂は、ポリオールとポリカルボン酸の共縮重合体が好ましく、ポリオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオールが好ましく、ポリカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
また、ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の変性物であってもよい。ポリエステル樹脂は、重量平均分子量が2000〜300000の範囲が好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、例えば、水酸基などの官能基を1分子中に2個以上有するポリエステル樹脂とモノイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物を反応させることにより、得ることができる。モノイソシアネート化合物又はポリイソシアネート化合物としては、芳香族モノイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物が、印刷適性に優れているので好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、基材への密着性が優れ、基材への追従性に優れる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量が2000〜100000の範囲が好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂は、水酸基等の官能基を有するものが好ましく、官能基としては水酸基が特に好ましい。水酸基価は、0.5〜20KOHmg/gが好ましい。
【0008】
アクリルスチレン樹脂、ポリエステル樹脂及びウレタン変性ポリエステル樹脂は、トナーの密着性、ブロッキング防止の面から、ガラス転移温度が−30〜130℃の範囲のものが好ましい。ガラス転移温度が−30℃未満であると、ブロッキングが起こる可能性があり、130℃を超えると、トナー密着性が低下する可能性がある。より好ましいガラス転移温度は、ポリエステル樹脂とアクリルスチレン樹脂は10〜110℃、ウレタン変性ポリエステル樹脂は−25〜90℃である。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を使用でき、脂肪族エステル等のノニオン系帯電防止剤、ポリアミン誘導体などのカチオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩系帯電防止剤、アルキルスルフェートやポリアニリンスルホン酸等のアニオン系帯電防止剤、アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウム、スズなどの導電性金属又は導電性金属酸化物、あるいはカーボンブラックなどを含有する無機系帯電防止剤、シロキサン系帯電防止剤が使用できる。これらのうち、スズ、4級アンモニウム塩系帯電防止剤が好ましい。また、アクリルスチレン樹脂に混合する場合、アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤が好ましい。
【0009】
印字用コート層は、その表面抵抗率が106〜1014Ω/□の範囲であり、好ましくは108〜1012Ω/□の範囲である。
アクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合比率は、質量比で通常0.5:99.5〜99.5:0.5の範囲であり、トナー密着性と印刷インク密着性のバランスから好ましくは15:85〜85:15の範囲である。
アクリルスチレン樹脂とポリエステル樹脂は、いずれか一方を使用してもよいし、両者を併用してもよい。アクリルスチレン樹脂とポリエステル樹脂を併用する場合、両者の混合比率は、通常1:99〜99:1の範囲であり、好ましくは20:80〜80:20の範囲である。
帯電防止剤層は、アクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物からなる上層の裏面に下層として設ける。
印字用コート層の塗布量(固形分)は、0.01〜4g/m2の範囲が好ましく、0.05〜2.5g/m2の範囲が特に好ましい。
【0010】
また、印字用コート層の他の態様としては、アクリルスチレン樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有する上層と、帯電防止剤とポリエステル樹脂を含有する下層からなる態様と、ポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物からなる上層と、帯電防止剤とアクリルスチレン樹脂を含有する下層からなる態様が挙げられる。
帯電防止剤とアクリルスチレン樹脂を含有する下層において、帯電防止剤の混合割合は、上記表面抵抗率の範囲になるように適宜選定すればよい。
また、帯電防止剤とポリエステル樹脂を含有する下層において、帯電防止剤の混合割合は、上記表面抵抗率の範囲になるように適宜選定すればよい。
なお、帯電防止剤の混合割合は、通常は、樹脂100質量部に対して0.01〜800質量部程度であればよい。
【0011】
二層からなる印字用コート層の総塗布量は、0.01〜5g/m2の範囲が好ましく、0.05〜3g/m2の範囲が特に好ましい。また、この二層からなる印字用コート層の上層の塗布量は、0.005〜2.5g/m2の範囲が好ましく、下層の塗布量は0.005〜2.5g/m2の範囲が好ましい。二層からなる印字用コート層のトナー受理性は、その上層のトナー受理性が強く影響するが、上層の厚みが薄いので、下層のトナー受理性の性質も発現でき、モノクロ印字、カラー印字とも良好な印字性を得ることができる。
また、印字用コート層の被膜強化、ブロッキング防止を図るため、ポリイソシアネート、キレート化合物などの架橋剤を配合してもよい。架橋剤の使用量は、樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜10質量部が特に好ましい。
また、印字装置での搬送性を向上させるために、印字用シートの裏面に対する印字用コート層の表面の動摩擦係数を0.25〜0.6にすることが好ましい。この動摩擦係数の範囲にするために、印字用コート層に充填剤を配合させることができる。充填剤としては、シリカ、タルク、石英、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、球状ポリスチレン樹脂、球状アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの充填剤の平均粒径は、0.2〜100μmが好ましく、2〜50μmが特に好ましい。また、充填剤の配合量は、固形分として0.5〜50質量%が好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。
基材の表面に印字用コート層を設けるには、印字用コート層を構成する物質を溶媒又は分散媒等の希釈剤に溶解又は分散させたコート剤を塗布し乾燥するなどの方法で付着させる方法などが挙げられる。なお、印刷用コート層が2層の場合は基材表面に下層となるコート剤を塗布し乾燥した後、その上に上層となるコート剤を塗布し乾燥すればよい。
【0012】
本発明の印字用シートをラベルとして使用する場合には、基材の裏面(印字用コート層の反対面)には粘着剤層が設けられる。この粘着剤としては、特に制限なく、公知の粘着剤を使用でき、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などが使用できる。これらのうち、画像形成装置の内部を汚染することのない粘着剤の使用が望ましい。粘着剤層の塗布量は、固形分として5〜50g/m2が好ましく、10〜30g/m2が特に好ましい。
粘着剤層の表面には、剥離シートが積層されていることが好ましい。
剥離シートは、種々の剥離シートを使用できるが、代表的には離型性を表面に有する基材シートから構成される。基材シートとしては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などのフィルムや、これらのフィルムに填料などの充填剤を配合したフィルムや合成紙などが挙げられる。また、グラシン紙、クレーコート紙、上質紙などの紙基材が挙げられる。
【0013】
基材シートの表面に剥離性を持たせるには、その表面に熱硬化性シリコーン樹脂や、紫外線硬化型シリコーン樹脂等の剥離剤を塗布等により付着させる。剥離剤の塗布量は、0.03〜3.0g/m2が好ましい。
剥離シートは、剥離剤を有する表面を粘着剤層に接して積層される。
粘着剤層に積層された剥離シートの剥離剤を有しない面(背面)は、他の印字用シートの印字用コート層の表面との滑り性を有することが好ましい。滑り性を付与するため、また平判での使用の際の重送を防止するためには、帯電防止剤を背面に塗布するか、帯電防止剤を基材シートに配合することが好ましい。この帯電防止剤としては、前記の帯電防止剤と同様なものが使用できる。また、易滑性を上げるために、必要性に応じて、シリカ、タルク、石英、クレー、球状ポリスチレン樹脂、球状アクリル系樹脂等の充填剤を基材シートに配合することができる。
【0014】
本発明の印字用シートにおける印字とは、文字や記号などの狭義の字のみでなく、点、線、図形又はこれらの組合せからなる模様も含む概念である。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を製造例、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例示によってなんら制約されるものではない。
実施例及び比較例において、印字用コート層を形成するためのコート処方を以下に示す。
(コート処方1)
コート層の構造:1層
コート層を形成するためのコート剤の組成:
4級アンモニウム塩系帯電防止剤(日本加工塗料(株)製、商品名「OS−902」、固形分30質量%)20質量部
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、重量平均分子量40000、ガラス転移温度−3℃、固形分30質量%)30質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
【0016】
(コート処方2)
コート層の構造:1層
コート層を形成するためのコート剤の組成:
4級アンモニウム塩系帯電防止剤(日本加工塗料(株)製、商品名「OS−902」、固形分30質量%)20質量部
アクリルスチレン樹脂(日本合成化学工業(株)製、商品名「コーポニール6469」、スチレン含有量60質量%、ガラス転移温度101℃、固形分50質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、重量平均分子量40000、ガラス転移温度−3℃、固形分30質量%)30質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
【0017】
(コート処方3)
コート層の構造:1層
コート層を形成するためのコート剤の組成:
4級アンモニウム塩系帯電防止剤(日本加工塗料(株)製、商品名「OS−902」、固形分30質量%)20質量部
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)20質量部
アクリルスチレン樹脂(昭和高分子(株)製、商品名「TC−110」、スチレン含有量50質量%、ガラス転移温度40℃、固形分50質量%)50質量部ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR8200」、重量平均分子量25000、ガラス転移温度73℃、固形分30質量%)30質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
【0018】
(コート処方4)
コート層の構造:1層
コート層を形成するためのコート剤の組成:
スズ系帯電防止剤(石原産業(株)製、商品名「FT−1000」、固形分100質量%)100質量部
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、重量平均分子量40000、ガラス転移温度−3℃、固形分30質量%)30質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
【0019】
(コート処方5)
コート層の構造:2層
コート層の上層を形成するためのコート剤の組成:
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、重量平均分子量40000、ガラス転移温度−3℃、固形分30質量%)30質量部
ポリイソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン(株)製、商品名「コロネートL」)4質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
コート層の下層を形成するためのコート剤の組成:
アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学(株)製、商品名「サフトマーST3700」)100質量部
水300質量部
イソプロパノール200質量部
【0020】
(コート処方6)
コート層の構造:2層 コート層中に充填剤を添加
コート層の上層を形成するためのコート剤の組成:
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR8700」、重量平均分子量32000、ガラス転移温度−22℃、固形分30質量%)30質量部
ポリイソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン(株)製、商品名「コロネートL」)4質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
コート層の下層を形成するためのコート剤の組成:
アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学(株)製、商品名「サフトマーST3700」)100質量部
シリカ(日本シリカ工業(株)製、商品名「ニップジェルAY−200」、平均粒径2μm)10質量部
水300質量部
イソプロパノール200質量部
【0021】
(コート処方7)
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロナールMD−1200」、ガラス転移温度67℃、固形分30質量%)100質量部
水300質量部
イソプロパノール200質量部
(コート処方8)
アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学(株)製、商品名「サフトマーST3700」)100質量部
水300質量部
イソプロパノール200質量部
(コート処方9)
芳香族系ポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製、商品名「UE−3200」、ガラス転移温度65℃、固形分30質量%)70質量部
ウレタン変性ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、商品名「バイロンUR3200」、重量平均分子量40000、ガラス転移温度−3℃、固形分30質量%)30質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
【0022】
(コート処方10)
ポリアニリンスルホン酸系帯電防止剤(三菱レイヨン(株)製、商品名「aquaPASS」)100質量部
シリカ(日本シリカ工業(株)製、商品名「ニップジェルBY‐800」、平均粒径8μm)15質量部
水400質量部
イソプロパノール100質量部
(コート処方11)
コート層の構造:2層
コート層の上層(印字層)を形成するためのコート剤の組成:
アクリルスチレン樹脂(日本合成化学工業(株)製、商品名「コーポニール6469」、スチレン含有量60質量%、ガラス転移温度101℃、固形分50質量%)250質量部
トルエン250質量部
メチルエチルケトン250質量部
コート層の下層(帯電防止層)を形成するためのコート剤の組成:
アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学(株)製、商品名「サフトマーST3700」)100質量部
水300質量部
イソプロパノール200質量部
【0023】
次ぎに、実施例及び比較例において、剥離シートを形成するためのシリコーン処方を以下に示す。
(シリコーン処方1)
シリコーン塗布剤の組成:
シリコーン(信越化学社製、商品名「KS3703」)100質量部
硬化触媒(信越化学社製、商品名「CAT−PL−50T」)1質量部
トルエン450質量部
【0024】
次ぎに、実施例及び比較例において、剥離シートの背面に塗付する背面処理剤処方を以下に示す。
(背面処理剤処方1)
背面処理剤の組成:
アクリル樹脂系カチオン系帯電防止剤(三菱化学社製、商品名「サフトマーST−2000」)100質量部
水260質量部
イソプロパノール340質量部
次ぎに、実施例及び比較例において、粘着剤層を形成するための粘着剤処方を以下に示す。
(粘着剤処方1)
粘着剤の組成:
アクリル系粘着剤(東洋インキ社製、商品名「BPS1109」)100質量部
イソシアナート系架橋剤(東洋インキ社製、商品名「BHS8515」)3.2質量部
【0025】
(実施例1)
基材として厚み50μmのポリエステル樹脂シート(東洋紡績社製、商品名「クリスパー50K1211」)の表面に、コート処方1のコート剤をマイヤーバーで塗工し、単層からなるコート層を形成して、100℃で1分間乾燥させ、印字用コート層(塗布量(固形分)2.0g/m2)を形成した。
また、別の厚み50μmのポリエステル樹脂シート(東洋紡績社製、商品名「クリスパー50G1211」)の片面に、シリコーン処方1のシリコーン塗布剤をマイヤーバーで塗工し、150℃で30秒間乾燥させ、剥離処理層(塗布量(固形分)0.5g/m2)を形成し、また、ポリエステル樹脂シートの背面に、平板使用時の重送を防止するため、背面処理剤処方1の背面処理剤をマイヤーバーで塗工し、乾燥させ、背面処理層(塗布量(固形分)0.5g/m2)を形成し、剥離シートを形成した。
得られた剥離シートの剥離面に、粘着剤処方1の粘着剤をマイヤーバーで塗布し100℃で1分間乾燥させ(塗布量:25g/m2)、粘着剤層を形成し、その後ラミネーターを用い、印字用コート層を設けたポリエステル樹脂シートの背面とその粘着剤層とを貼り合わせて、印字用シート(縦:210mm、横:297mm)を作成した。
【0026】
(実施例2)
印字用コート層としてコート処方2のコート剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(実施例3)
印字用コート層としてコート処方3のコート剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
【0027】
(実施例4)
印字用コート層としてコート処方4のコート剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(実施例5)
印字用コート層としてコート処方5のコート剤を用い、上層(塗布量(固形分)0.1g/m2)及び下層(塗布量(固形分)0.7g/m2)から成る印字用コート層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(実施例6)
印字用コート層としてコート処方6のコート剤を用い、上層(塗布量(固形分)0.1g/m2)及び下層(塗布量(固形分)0.5g/m2)から成る印字用コート層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
【0028】
(比較例1)
印字用コート層としてコート処方7のコート剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(比較例2)
印字用コート層としてコート処方8のコート剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(比較例3)
印字用コート層としてコート処方9のコート剤を用い、単層(塗布量(固形分)0.8g/m2)から成る印字用コート層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(比較例4)
印字用コート層としてコート処方10のコート剤を用い、単層(塗布量(固形分)1.0g/m2)から成る印字用コート層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
(比較例5)
印字用コート層としてコート処方11のコート剤を用い、単層(塗布量(固形分)0.8g/m2)から成る印字用コート層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして印字用シートを作成した。
実施例及び比較例で得られた印字用シートの性能を表1〜表4に示した。
【0029】
なお、印字用シートの性能の測定方法は以下の通りである。
(1)表面抵抗率
印字用シートの印字用コート層の表面抵抗率は、デジタルエレクトロメータTR8652(ADVANTEST社製)を用いて測定した。
(2)トナー密着性
レーザービームプリンタとしてセイコーエプソン株式会社製LP−8200PS2(モノクロ印字)または株式会社沖データ製MICROCLINE 903PSIII(モノクロ印字)を用いて、印字用シートに印字して、トナー密着性(スクラッチ性)を下記の基準に従い、評価した。
JIS L0823に準じて、染色堅ろう度試験用摩擦試験機II型にて、綿布(JIS L0823)を用い50往復したときのトナー脱落状況を観察した。○:トナーの脱落が見られない。
×:トナーの脱落が見られる。
【0030】
(3)画像性
印字性の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シートに印字して、トナー飛びの有無を目視で観察し、下記の基準に従い、評価した。
○:トナー飛びがある。
×:トナー飛びがない。
(4)トナー転写性
印字性の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シートに印字して、トナーが転写する印字濃度をマクベス濃度計RD−918で測定し、光学濃度値(OD値)を求めた。
(5)搬送性
印字性の評価で用いたレーザービームプリンタを用いて、印字用シート500枚に印字して、搬送不良の枚数を確認した。
(6)シート間動摩擦係数
JIS K7125に準じて、一方の印字用シートの裏面(剥離シートの背面)に対する、他方の印字用シートの印字用コート層の表面の動摩擦係数を測定した。測定には、引張り試験器(オリエンテック社製、TENSILON)を用いた。
(7)印刷性(印刷インク密着性)
JIS K5701に準じ、明製作所製RI印刷機を用い、株式会社ティーアンドケイ東華(T&K TOKA)製UV硬化型インクBest Cure161墨で印刷し、高圧水銀ランプを用い、120W、1灯、ランプ高さ10cm、速度10m/minの条件でインク硬化を行った。印刷性(印刷インク密着性)は、JIS K5400に準じ、碁盤目テープ法により評価した。印刷性(印刷インク密着性)を0(劣)〜10(優)の数値で示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】
本発明の印字用シートは、良好な印字を容易に形成でき、また給紙や搬送性に優れている。
Claims (3)
- 基材の表面に上層がアクリルスチレン樹脂又はポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤を含有するものである2層からなる印字用コート層が設けられており、その表面抵抗率が106〜1014Ω/□の範囲であることを特徴とする印字用シート。
- 印字用コート層が、上層がアクリルスチレン樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤とポリエステル樹脂を含有するものであるか、又は上層がポリエステル樹脂とウレタン変性ポリエステル樹脂との混合物を含有するものであり、下層が帯電防止剤とアクリルスチレン樹脂を含有するものである請求項1記載の印字用シート。
- 基材の裏面に粘着剤層が設けられ、さらに該粘着剤層の表面に剥離シートが積層されている請求項1又は2に記載の印字用シート。
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