JP2014186051A - 電子写真用画像記録媒体及び画像付きレンチキュラー媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像受像層と、支持体と、粘着層と、剥離基材と、がこの順に積層されており、前記剥離基材を剥離したとき、前記粘着層が支持体側に残存する電子写真用画像記録媒体。
【選択図】なし
Description
画像受像層と、支持体と、粘着層と、剥離基材と、がこの順に積層されており、前記剥離基材を剥離したとき、前記粘着層が支持体側に残存する電子写真用画像記録媒体である。
前記画像受像層の表面抵抗値が1.0×108Ω/□以上3.2×1013Ω/□以下である請求項1に記載の電子写真用画像記録媒体である。
前記支持体が白色である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用画像記録媒体である。
前記支持体が透明である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用画像記録媒体である。
前記粘着層がシリコーン系粘着剤を含む粘着層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真用画像記録媒体である。
複数の凸部が配列されたレンチキュラーレンズが一方の面に設けられたレンチキュラー媒体と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載され、画像受像層に画像が記録された、電子写真用画像記録媒体から基材を剥離した画像付き媒体と、
を積層した画像付きレンチキュラー媒体である。
請求項2に係る発明によれば、画像受像層の表面抵抗値が1.0×108Ω/□以上3.2×1013Ω/□以下の範囲外である場合に比べて、電子写真方式により画像を形成した場合に優れた画像の形成を実現する電子写真用画像記録媒体が得られる。
請求項3に係る発明によれば、白色以外の色の支持体を適用した場合に比べ、画像受像層に形成された画像を画像受像層側から視認したときに画像が鮮明に見える電子写真用画像記録媒体が得られる。
請求項4に係る発明によれば、非透過性の支持体を適用した場合に比べ、形成された画像の画像付与対象物側からの視認を実現する電子写真用画像記録媒体が得られる。
請求項5に係る発明によれば、粘着層がアクリル系粘着剤を含む粘着層である場合に比べ、環境が変動した場合であっても、剥離基材を剥離したときに粘着層が支持体側に残存する電子写真用画像記録媒体が得られる。
以下に、電子写真用画像記録媒体の構成例を、図面により詳細に説明する。但し、電子写真用画像記録媒体の構成は以下に図示する構成に限定されるものではない。
図1に示す電子写真用画像記録媒体100は、剥離基材110と、粘着層120と、支持体130と、画像受像層140と、から構成される。
本実施形態に係る電子写真用画像記録媒体100は、剥離基材110を剥離したとき、粘着層120が支持体130側に残存する(図2参照)。
ところが、これらの方法により作製された画像記録体は、上記画像付与対象物上に画像形成材料(例えば、静電荷像現像用トナー)が付着することとなる。
そのため、上記画像付与対象物は、再利用する場合には画像形成材料を除去するため表層を削り取る必要があり、再利用が困難な傾向にあると考えられる。
つまり、上記画像付き媒体200は、画像が形成された面の裏面に、最表面層として粘着層120を有するので、画像付与対象物(不図示)に該画像付き媒体200の粘着層120を貼り合せることで画像記録体となる。
このため、上記画像記録体は、画像付き画像受像層140と、支持体130と、粘着層120と、画像付与対象物と、がこの順に積層されたものであり、画像記録体中の画像付与対象物の表面が画像受像層140上に形成された画像に接しないこととなる。
その結果、画像付与対象物は、上記画像記録体の部材として用いられたとしても、画像記録体から画像付き媒体200を剥離後に画像形成材料を除去するため表層を削り取る工程を実施せずに、作製前の状態を保持した画像付与対象物として回収され得ると考えられる。
その結果、画像付与対象物は、上記画像記録体の部材として用いられたとしても、画像記録体から画像付き媒体200を剥離することで作製前の状態を保持した画像付与対象物として回収され得ると考えられる。
画像受像層は、熱可塑性樹脂を含むものであれば、特に制限はなく、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマー類;等のうちの1種又は2種以上を重合させて得られる単独重合体又は共重合体が例示される。
なお、上記ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、シリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などを用いてもよい。また、これらのポリエステル樹脂は単独もしくは2種以上混合して用いてもよい。
用いられるフィラーは限定されるものではないが、有機樹脂粒子から構成されるものの場合、具体的には、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体又は共重合体が例示される。
また、フィラーの体積平均粒子径としては、0.1μm以上30μm以下であることが望ましが、画像受像層膜厚を考慮すると、画像受像層膜厚の1.2倍以上が望まし。
次に、支持体について説明する。
支持体としては、プラスチックフィルムが望ましく用いられる。
プラスチックフィルムは、従来レンチキュラー媒体材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によるダイオキシン発生させるものとして環境によいものではないことが認識され、使用されなくなってきたことに対応される。
本実施形態においては、塩素を含まない支持体の使用を考慮し、さらなる材料として、ポリスチレン系樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂フィルム、またPETフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているフィルム等も望ましく用いられる。
これら離型性処理としては、一般的に離型性の材料を表面処理することが行われる。離型性材料としては特に制限されないが、シリコン系材料が望ましい。これらシリコン系は少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物である。また、さらに有機樹脂を含んでいることが望ましい。
また、本実施形態に係る電子写真用画像記録媒体は、支持体が透明であることにより、形成された画像の粘着層側からの視認を実現すると考えられる。
なお、本実施形態において「透明であること」とは、光透過率が、60%以上(画像形成部位の存在しない部分で測定した値)であればよい。
また、本実施形態における「光透過率」は、分光光度計または、光度計の機能も備えるカラーメーターを使用し、550nmの光を用いて測定された全光線透過率を意味する。
粘着層は、剥離基材を剥離したとき、支持体側に残存する層である。
粘着層を支持体側に残存させる方法としては、種々の方法が挙げられ、例えば、(1)支持体の粘着層に接する面に表面処理等を実施して粘着層との粘着性を高める方法、(2)粘着層の剥離基材に接する面を低粘着性にし、粘着層の支持体に接する面を他方の面を高粘着性にする方法、(3)剥離基材の粘着層に接する面に表面処理等を実施して粘着層との粘着性を低くする方法、(4)支持体に直接粘着層を塗工する方法 等が挙げられる。
(1)〜(4)の方法は、単独で実施してもよく、複数組み合わせて実施してもよい。
オゾンなどの強酸化剤を吹きかけ表面に水酸基やカルボキシル基を作り、粘着層樹脂との接着性を高める方法、各種カップリング剤で処理する方法などがある。
なお、このような粘着層として、具体的には、後述する、弾性小球を含有する剥離される粘着層と、弾性小球を含まない高粘着層とを備えている、3M社製の両面接着フィルム、品番:Y−9415PCを用いる方法が挙げられる。
また、例えば、剥離基材の粘着層に接する面に離型層を設ける方法が挙げられる。
離型層として具体的には、例えば、上述した離型剤を含有する層が挙げられる。
なお、粘着層は、含有する粘着剤と剥離性付与成分とを目的に合わせて調整することにより、剥離強度を後述する範囲に制御することが容易となる。
粘着剤は、例えば、常温(例えば25℃)で粘着性を示す粘着性ポリマーが挙げられる。
粘着剤(粘着性ポリマー)は、例えば、目的とする出発モノマーを含む混合モノマーを用いて重合して得られる。重合方法は、通常の方法、たとえば、溶液重合、塊状重合、乳化重合等である。
なお、粘着剤の圧縮弾性率は、1×104dyne/cm2以上1×108dyne/cm2(1kPa以上10MPa以下)がよい。
粘着剤は、これらのポリマー1種単独、または2種以上の混合物から構成される。
これは、シリコーン系接着剤が含有された粘着層は、剥離性が維持されるためと考えられ、この理由としては、シリコーン系接着剤が含有された粘着層が、粘着性が低くなる傾向にあり、且つ、この低粘着性が、温度変化といった環境の変動による粘着性の変化が抑制されることで維持される傾向にあることが理由として考えられる。
加えて、本実施形態に係る電子写真用画像記録媒体は、粘着層にシリコーン系粘着剤を含有させることにより、ジッピング現象(不連続的に剥離すること)が生じ難くなると考えられる。
これらの中でも、耐熱性が良好なX−40−3270や超微粘着タイプのX−40−3306が望ましく、超微粘着タイプが望ましい。
剥離性付与成分としては、例えば、架橋剤、弾性小球及び結晶性ポリマーが挙げられる。
具体的な方法としては、架橋剤を比較的多量に使用し、粘着剤を架橋し、粘着層の凝集力を高くする方法が挙げられる。また、剥離性付与成分として弾性小球を使用し、粘着層に、弾性小球を含む弾性変形する凸部を設ける方法が挙げられる。さらに、剥離性付与成分として結晶性ポリマーを使用し、粘着層のタック(粘着力)を低く制御したり、熱剥離容易性を粘着層に付与する方法が挙げられる。
以下、粘着剤と剥離性付与成分とを好適に組合せて、粘着剤に剥離性を付与する方法について、詳細に後述する。
架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ビスアミド系架橋剤等が使用される。これらは、粘着剤のカルボキシル基、または、目的に合わせて含まれる水酸基等の架橋性官能基と反応し、粘着剤を架橋し、剥離性を高める様に作用する。多官能イソシアネート化合物としては、たとえば、イソホロンジイソシアネート、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、水添MDI、及び1,6−ヘキサンジオールジイソシアネートから選ばれた1種または2種以上のジイソシアネートを含む出発材料から合成されたものが使用される。たとえば、(A)トリオール(1,1,1−トリメチロールプロパン等)と、上記ジイソシアネートとをウレタン化反応させて得た化合物、または(B)上記ジイソシアネートどうしを反応させて得た、ビウレット構造またはイソシアヌレート構造を有する化合物などが利用される。また、NCO当量を調節するために、上記化合物と、ポリカプロラクトンジオール等のジオールとを反応させて得た架橋剤を使用してもよい。
粘着層の剥離性は、粘着剤と弾性小球とを含有する接着剤組成物(粘着剤組成物)から粘着層を形成することにより付与される。
これは、粘着層の粘着面に形成される、弾性小球を含む弾性変形する凸部が、剥離の際の剥離強度を低くするのに効果的に作用するからである。たとえば、特表平6‐505763号(国際特許公開WO92/13924号)公報では、中空弾性小球とアクリル系粘着剤とを含有する組成物を含む、感圧接着剤(粘着剤)が開示されている。また、特開平4−306281号公報では、固体で粘着性の弾性小球と、アクリル系粘着剤ラテックスとを含有し、弾性小球の方がラテックスに対して相対的に多く(例えば2.5倍以上10倍以下)含有された粘着剤が開示されている。
好適な例としては、前掲の特開平8−113768号公報に開示された接着剤組成物、またはその組成物を改良した接着剤組成物が挙げられる。弾性小球の弾性率及び粒径が最適な範囲に制御され、気泡抜けが良く、被着体への接着の際に気泡をまきこむことがなく、かつ剥離の際に被着体に粘着剤が残らない点で望ましいからである。
例えば、以下のようにして、懸濁重合によりアクリル系ポリマーを含む小球を製造する。まず、脱イオン水、アクリルモノマー、ラジカル重合開始剤、その他所望の添加剤を機械的撹拌機付き反応装置に入れ良く混合する。例えば、反応装置内を不活性ガスでパージした状態で撹拌、混合しながら、目的とする温度に加熱してモノマー成分の重合反応を開始させる。撹拌速度は、10RPM以上700RPM以下であり、反応温度は、30℃以上120℃以下である。また、反応時間は、数時間以上数十時間以下である。
なお、本実施形態における圧縮弾性率は、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製、型番:RSAII、品名:粘弾性スペクトロメ−タ−)等を用い、20℃で測定する。
具体的には、1rad/秒の周波数の圧縮歪みを与えながら、−80℃から150℃の範囲で温度を変化させ、弾性率の温度依存性を測定し、20℃における測定値をもって圧縮弾性率とする。
[式中、diは、小球の第i番目の大きさの直径(μm)であり、niは、直径diを有する小球の個数である。]
架橋剤の含有量は、粘着剤と弾性小球との合計100質量部に対して、0.05質量部以上5質量部以下がよい。一方、このような弾性小球含有タイプの粘着層を備える、市販の両面接着フィルムを使用してもよい。この市販品の具体例として、3M社製の両面接着フィルム、品番:Y−9415PCが挙げられる。この両面接着フィルムは、弾性小球を含有する剥離される粘着層と、弾性小球を含まない高粘着層とを備えている。
結晶性ポリマーは、粘着剤と合わせて用いることにより、粘着層の粘着面のタックを低く制御したり、熱剥離容易性を粘着層に付与する。
この粘着剤と結晶性ポリマーとを組合せた接着剤組成物として、たとえば、米国特許5,192,612号(日本特許第3021646号に対応)に、感圧接着剤基礎樹脂(アクリル系ポリマー等の粘着剤)と、脱粘着樹脂と脱粘着粒子とを含有する、感圧接着剤が開示されている。脱粘着樹脂の具体的かつ好適な例として、3,000から342,000の分子量を有するリニアなポリカプロラクトンが開示されている。ポリカプロラクトンは、常温(例えば、15℃以上30℃以下)では非粘着性を示す結晶性ポリマーである。この感圧接着剤は、常温(例えば、15℃以上30℃以下)で、被着体に向かって押圧して接着される。一方、上記の様な脱粘着樹脂は、脱粘着粒子と共同して、常温(例えば、15℃以上30℃以下)での接着剤表面のタックを効果的に軽減し、剥離性を高めている。また、脱粘着粒子はシリカ等の無機粒子である。
結晶性ポリマー自体の溶融温度Tm℃であり、上記組成物中で測定したとき結晶性ポリマーの溶融温度Ta℃はTmより低い。この組成物は、Taよりも低いある温度での剥離強さP1[g/cm]よりも、Taよりも高いある温度での剥離強さP2[g/cm]が小さくなり、熱剥離容易性を有する。
すなわち、(A)分子内にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーと、(B)分子内にフェニル基を有する(メタ)アクリルモノマーと、(C)分子内にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーと、(D)炭素数4以上10以下のアルキル基を持つアルキルアクリレートとを含んでなる混合モノマーを重合して得たアクリル系ポリマーである。上記(A)及び(B)成分は、粘着剤の前記結晶性ポリマーとの相溶性を高めるのに必須である。上記(C)成分は、前掲の架橋剤を用い、粘着剤を架橋するには必須である。また、上記(D)成分は、加熱して熱剥離容易性を発現させるまでの間、画像付与対象物に対する接着剤組成物の接着力(剥離強度)の維持を実現する。
剥離基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルムを代表的に用いられる。具体的には、例えば、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを望ましく用いられ、さらに白色など不透明であってもよい。
−層の厚さ−
画像受像層140の厚さは、5μm以上25μm以下がよく、好適には、7μm以上20μm以下である。
支持体130の厚さは、10μm以上200μm以下がよく、好適には20μm以上150μm以下である。
粘着層120の厚さは、5μm以上200μm以下がよく、好適には10μm以上100μmである。
剥離基材110の厚さは、5μm以上200μm以下がよく、好適には50μm以上100μm以下である。
本実施形態に係る電子写真用画像記録媒体は、電子写真方式により画像を形成した場合に優れた画像の形成を実現する観点から、画像受像層の表面抵抗値が、1.0×108Ω/□以上1.0×1013Ω/□以下の範囲であることがよい。
また、上記表面抵抗値は、1.0×109Ω/□以上1.0×1012Ω/□以下の範囲であることが望ましい。
表裏面の表面抵抗値差が4桁以内とすることにより、トナーの転写不良が生じ難くなり、画像の劣化を抑制すると考えられる。
│
一般式(I) R1−A−R2−N+−R5 ・ X−
│
R4
粘着層の剥離強度は、剥離基材を剥離したときに、剥離基材に糊残りなく剥離され、且つ、画像記録体から画像付与対象物を剥離したときに、画像付与対象物に糊残りなく剥離されるように決定されることが望ましい。
剥離強度の測定は、イマダの180°剥離試験機 IPT200を用いて、300mm/分の剥離速度、180度の剥離角度で、剥離基材表面又は画像付与対象物表面を基準表面として行う。
そして、この基準表面に対する剥離強度(剥離強度AL)が0.2N/25mm以上10N/25mm以下であるように、粘着層の組成や厚さ、粘着面の表面性(表面粗さ)等を決定するのがよい。この剥離強度ALが小さすぎると、電子写真用画像記録媒体の使用中に、剥離基材や画像付与対象物が剥がれてしまうおそれがあり、反対に、この剥離強度ALが大きすぎると、剥離基材や画像付与対象物を剥離する際に、剥離基材や画像付与対象物に糊残りしたり、剥離基材や画像付与対象物が破損したりするおそれがある。このような観点から、剥離強度ALの範囲は、好適には0.5N/25mm以上5N/25mm以下、特に好適には1N/25mm以上3N/25mm以下である。
剥離強度を上記範囲とすることにより、電子写真用画像記録媒体から基材を剥離した媒体を粘着する、画像付与対象物の再利用を実現する電子写真用画像記録媒体が得られると考えられる。
電子写真用画像記録媒体は、例えば、支持体の一方の面に粘着層となる粘着剤を含む組成物を塗工し、剥離基材を支持体の粘着層に貼り付けた後に、支持体の未塗工面に画像受像層となる塗工層を塗工することによって形成し得る。
また、電子写真用画像記録媒体は、例えば、支持体の一方の面に粘着層となる粘着剤をを含む組成物を塗工し、支持体の未塗工面に画像受像層となる塗工層を塗工した後に、剥離基材を支持体上の粘着層に貼り付けて形成してもよい。
また、本実施形態においては、電子写真用画像記録媒体の表面に形成する画像として、電子写真方式の画像形成装置によって形成されるトナー画像について説明したが、これに限られるものではない。例えば、インクなどを用いて画像形成してもよい。
次に、上記に説明した電子写真用画像記録媒体を用いた画像記録体について説明する。
本実施形態の画像記録体は、画像付与対象物と、画像受像層に画像が記録された、画像を形成した電子写真用画像記録媒体から基材を剥離した画像付き媒体と、を積層することにより得られる。
ここで、画像付与対象物について特に制限はないが、例えば、樹脂、セラミックといった素材のものが挙げられる。画像付与対象物の形状はフィルム状のものが望ましい。
画像付与対象物として具体的には例えば、レンチキュラー媒体、ICカード媒体、窓ガラス、建物の壁、自動車等の車体が挙げられる。
以下、画像付与対象物としてレンチキュラー媒体を用いた画像付きレンチキュラー媒体について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像付きレンチキュラー媒体400を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る画像付きレンチキュラー媒体400は、複数の凸部が配列されたレンチキュラーレンズが一方の面に設けられたレンチキュラー媒体300と、画像受像層140に画像150が記録された、上述の電子写真用画像記録媒体100から剥離基材110を剥離した画像付き媒体200と、を積層したものである。
本実施形態に係る画像付きレンチキュラー媒体400は、上記構成とすることにより、レンチキュラーレンズの再利用を実現する。
具体的には、画像付き媒体200は、画像150が形成された画像受像層140と、支持体130と、粘着層120と、がこの順に積層されており、該粘着層120には、レンチキュラー媒体300のレンチキュラーレンズが設けられている面の裏面が粘着されている。
本実施形態に係る画像付きレンチキュラー媒体400は、画像受像層140の画像150が露出されることとなる。
なお、以下の説明は符号を省略して行う。
本発明に用いられるレンチキュラー媒体は、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう透明であることが望ましく、透明化したレンチキュラー媒体が代表的に使用される。
<抵抗調整層液A−1の調製>
カチオン系帯電防止剤であるアクリル系高分子溶解液(綜研化学社製:エレコンドQO−101、固形分濃度50%)100質量部にフィラーとして架橋型アクリル球状粒子(綜研化学社製:MX−150、平均粒子径:1.5μm)0.5質量部、エタノール200質量部を混合して攪拌し、表面抵抗率を制御する抵抗調整層液A−1を調製した。
熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂(東洋紡績社製:バイロン200)20質量部、界面活性剤(日油社製:エレガン264WAX)1質量部、フィラーとして架橋型アクリル球状粒子(綜研化学社製:MX−1500、平均粒子径:15μm)3質量部、メチルエチルケトン50質量部の溶媒中に添加して攪拌し、受像層塗工液B−1を調製した。
シリコーン系粘着剤(信越化学工業社製:X−40−3306、固形分濃度30質量%)33.3質量部、その硬化剤(CAT−PL−50T)0.02質量部を、トルエン20質量部で希釈して攪拌し、粘着層塗工液C−1を調製した。
剥離基材としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東レ社製ルミラーT60、厚み25μm)の片面側に、上記抵抗調整層液A−1を、ワイヤーバーを用いて塗工し、120℃で1分間乾燥させ膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。
その後、A4サイズ(210mm×297mm)にカットして総厚115μmの電子写真用画像記録媒体1を作製した。
(表面抵抗値及び剥離強度)
この電子写真用画像記録媒体1の画像受像層の表面抵抗率は、抵抗調整層面で2.9×108Ω、受像層面で3.1×1010Ωであった。
また、電子写真用画像記録媒体1の剥離基材を剥離したときの粘着層の剥離強度を既述の方法で測定したところ、低温環境下(22℃)では0.02N/25mmであり、高温環境下(60℃)では0.03N/25mmであった。
−画像の形成−
まず、上記電子写真用画像記録媒体1(画像未形成)の画像受像層面に、画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製「カラー複写機 DocuColor1255CP 改造機」を適用し、電子写真用画像形成用フィルム1の画像受像層に12視点からなるカラー画像を形成した。
剥離基材を剥離後、粘着層と剥離基材とを目視で確認した結果、低温環境下に放置した電子写真用画像記録媒体1及び高温環境下に放置した電子写真用画像記録媒体1は、いずれも、支持体側に粘着層が残存し、剥離基材側には粘着層が残存していなかった。
また、いずれの場合も、剥離基材の剥離が容易であった。
まず、PET−G(グリコール変性ポリエステル)から構成される、30lpi(1インチあたりレンチキュラーレンズが30線ある)のレンチキュラー媒体(商品名レンチキュラーレンズ、日本コウバン社製、厚さ1320μm)を準備した。
次に、該レンチキュラー媒体のレンチキュラーレンズが設けられた面の裏面と、上記で作製した画像付き媒体1の粘着層面と、を位置合わせして、貼り合わせた。
この積層体を常温(22℃)まで冷却し、画像付きレンチキュラー媒体1を作製した。
なお、画像欠陥は見られなかった。
(画像付き媒体を剥離後の画像付きレンチキュラー媒体の評価)
次に、画像付きレンチキュラー媒体1を低温環境下(22℃)及び高温環境下(60℃)に24時間放置後、各画像付きレンチキュラー媒体から画像付き媒体を剥離した。
剥離後の粘着層を目視で確認したところ、低温環境下に放置した画像付きレンチキュラー媒体1及び高温環境下に放置した画像付きレンチキュラー媒体1は、いずれも、支持体側に粘着層が残存し、レンチキュラー媒体には粘着層が残存していなかった。また、レンチキュラー媒体には、画像形成材料の付着が見られなかった。
さらに、いずれの場合も、画像付き媒体は容易に剥離された。
粘着層塗工液を以下の粘着層付き基材に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用画像記録媒体2を作製し、画像を形成後、剥離基材を剥離して実施例1と同様の評価を行った。
アクリル系粘着剤付き基材(パナック社製:商品名パナプロテクトET、PET基材厚み50μm、粘着層5μmの粘着層付き基材)を準備した。
電子写真用画像記録媒体2の粘着層の剥離基材を剥離したときの剥離強度を既述の方法で測定したところ、低温環境下(22℃)では0.08N/25mmであり、高温環境下(60℃)では0.10N/25mmであった。
また、剥離基材を剥離後の評価については、低温環境下に放置した電子写真用画像記録媒体2は、支持体側に粘着層が残存し、剥離基材側には粘着層が残存していなかった。
一方、高温環境下に放置した電子写真用画像記録媒体2は、支持体側に粘着層が残存し、剥離基材側には多少の粘着層が残存していたが、問題のない量であった。
また、いずれの場合も、剥離基材の剥離は可能であったが、特に高温環境下ではジッピングが発生した。
次に、上記電子写真用画像記録媒体2を用いて、実施例1と同様にして画像付きレンチキュラー媒体2を作製し、レンチキュラー媒体を剥離して実施例1と同様の評価を行った。
剥離後の粘着層を目視で確認したところ、低温環境下に放置した画像付きレンチキュラー媒体2は、支持体側に粘着層が残存し、レンチキュラー媒体側には粘着層が残存しておらず、画像形成材料の付着も見られなかった。
一方、高温環境下に放置した画像付きレンチキュラー媒体2は、支持体側に粘着層が残存し、レンチキュラー媒体側にも多少の粘着層が残存していたが、問題のない量であった。また、レンチキュラー媒体には画像形成材料の付着が見られなかった。
さらに、いずれの場合も、画像付き媒体は容易に剥離された。
110 剥離基材
120 粘着層
130 支持体
140 画像受像層
150 画像
200 画像付き記録媒体
300 レンチキュラー媒体(画像付与対象物)
400 画像付きレンチキュラー媒体(画像記録体)
Claims (6)
- 画像受像層と、支持体と、粘着層と、剥離基材と、がこの順に積層されており、
前記剥離基材を剥離したとき、前記粘着層が支持体側に残存する電子写真用画像記録媒体。 - 前記画像受像層の表面抵抗値が1.0×108Ω/□以上3.2×1013Ω/□以下である請求項1に記載の電子写真用画像記録媒体。
- 前記支持体が白色である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用画像記録媒体。
- 前記支持体が透明である請求項1又は請求項2に記載の電子写真用画像記録媒体。
- 前記粘着層がシリコーン系粘着剤を含む粘着層である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子写真用画像記録媒体。
- 複数の凸部が配列されたレンチキュラーレンズが一方の面に設けられたレンチキュラー媒体と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載され、画像受像層に画像が記録された、電子写真用画像記録媒体から基材を剥離した画像付き媒体と、
を積層した画像付きレンチキュラー媒体。
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