JP5531431B2 - カード用コア基材シート及び情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、カード用コア基材シート及び情報記録媒体に関する。
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体の作製にも多く用いられている。
情報記録媒体に対する現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。
一方、電子写真方式による画像形成も知られており、この電子写真方式による画像形成(印刷)は、像保持体表面を帯電させ、画像信号に応じて露光し、露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電と反対(あるいは同一)の極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像保持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、あるいは画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することによりカラー画像を得る方法で行われる。
上述のように、電子写真方式では、像保持体表面の静電潜像を画像信号により電気的に形成するため、同じ画像を何度でも形成できるだけでなく、異なる画像に対しても容易に対応でき画像形成することが可能である。また、像保持体表面のトナー画像は、ほぼ完全に画像記録体表面に転移させることができ、像保持体表面にわずかに残存するトナー画像も、樹脂ブレードやブラシ等により容易に除去することができるため、多品種少量生産に向けた印刷物を容易に作製することが可能である。
また、上記トナーは、通常、熱溶融性樹脂(結着樹脂)及び顔料、並びに場合によっては帯電制御剤などの添加剤を溶融混合し、この混練物を粉砕、粒子化して形成される。さらに、前記電子写真方式における静電潜像は、上記粒子化されたトナーに比べてかなり高い解像度を持っており、前記スクリーン印刷やインクリボンの熱転写方式の解像度と比べても十分な解像度が期待できる。
カラー画像についても、カラートナーとしてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四原色を用い、これらを混合することにより、理論的に印刷と同様の色を再現できる。また、上記カラートナーでは、トナー樹脂と顔料とを比較的自由に配合できるため、トナーによる画像隠蔽性を増加させることは容易である。
屋外での使用を想定した情報記録媒体の耐熱性、及び耐光性については、これまでほとんど検討されていないが、特に運転免許証等を車中の直射日光に当たる場所に置いておくと、色材として染料を用いている熱転写型の画像は退色してしまう。しかし、電子写真方式により形成されたカラー画像では、前記カラートナー中に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各々の色に対応した耐光性に優れた顔料が使用されており、電子写真方式により形成された画像の耐光性は十分優れているものと考えられる。同様に、耐熱性のトナーを選択すれば、情報記録媒体に形成された画像の耐熱性も、屋外で使用できる程度になるものと考えられる。
一方、現在もっとも多く使用されている各種カードの基材(コア)は塩化ビニルシートである。その理由は低コストであり、従来の印刷機において印刷特性に優れ、エンボス加工適性(文字等の凹凸処理)にも優れているためである。
カードの作製に際しエンボス加工を行わないことを前提にした場合は、従来からあるような二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどが使用できる。しかし、従来からのカードの機能を継続させるため、エンボス加工は欠かせない場合が多く、現在は比較的低温で軟化するABS樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルム、そして少なくともエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合させたPETGと呼ばれる変性PET樹脂フィルムや、変性PET樹脂フィルムとPETフィルム、アモルファスPET樹脂フィルムあるいはポリカーボネート樹脂フィルムとの一体成形フィルム等が用いられるようになってきた。
前述の電子写真装置を使用して、各種カードの印字を行った例としては以下のものが挙げられる。
例えば、各種個人情報の他に、不可視バーコードを厚さ250μmの塩化ビニルシートや厚さ280μmのポリエステルシートに電子写真法で印字し、それぞれ印字面にオーバーフィルムを重ね、熱プレス機でラミネートする方法(例えば、特許文献1参照。)がある。
また、光透過性シートに個人識別情報を印字し、さらに、上記印字は鏡像で行う方法(例えば、特許文献2参照。)がある。
一方、カード用シートにウレタン−ポリエステル系樹脂を使用することが報告されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、電子写真画像を鏡像で印字し、カード用シートに画像を転写する方法(例えば、特許文献4参照)がある。
特開2001−92255号公報 特開平11−334265号公報 特開2001−205945号公報 特開2005−227377号公報
本発明は、トナーの種類に依ることなく優れたトナー定着性を示すカード用コア基材シート及びこれを用いた情報記録媒体を提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、を有し、前記ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂をポリエステル系ウレタン樹脂で変性したグラフト重合体であるカード用コア基材シートである。
請求項に係る発明は、前記接着層が、ワックスをさらに含有する請求項1に記載のカード用コア基材シートである。
請求項に係る発明は、コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、前記接着層の表面に設けられたトナーにより形成された画像情報と、を有し、前記ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂をポリエステル系ウレタン樹脂で変性したグラフト重合体である情報記録媒体である。
請求項に係る発明は、前記トナーを構成する結着樹脂が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂又はスチレン−アクリル共重合樹脂である請求項に記載の情報記録媒体である。
請求項1に係る発明によれば、接着層がウレタン変性アクリル樹脂を含有しない場合に比べ、トナーの結着樹脂の種類に依ることなく優れたトナー定着性を示すカード用コア基材シートが得られる。
請求項に係る発明によれば、接着層がワックスを含有しない場合に比べ、接着層表面のタックが抑制される。
請求項に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、画像情報の定着性に優れる情報記録媒体が得られる。
請求項に係る発明によれば、本構成を有しない場合に比べ、画像情報の定着性に優れる情報記録媒体が得られる。
第一実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。 第二実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。 第三実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。
以下、本発明のカード用コア基材シート及び情報記録媒体の実施形態について詳細に説明する。
<カード用コア基材シート>
本実施形態に係るカード用コア基材シートは、コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、を有する。
トナーには大きく分けて、ポリエステル樹脂系トナーとスチレン/アクリル樹脂系トナーの2種類がある。トナーにより形成された画像(トナー画像)をカード用コア基材シートに転写する際、カード用コア基材シートとトナーとの相性が悪い組み合わせの場合、転写したトナー画像がカード用コア基材シートから容易に剥がれてしまう欠点がある。
しかし、本実施形態に係るカード用コア基材シートはコア基材の少なくとも片面にウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層を有するため、ポリエステル樹脂系トナーやスチレン/アクリル樹脂系トナー等、トナーの種類に依ることなくカード用コア基材シートに対して優れたトナー定着性を示す。そのため、トナー画像のカード用コア基材シートからの脱落が防止される。
従って、本実施形態に係るカード用コア基材シートを用いることにより、電子写真装置によってトナー画像を鏡像で形成した画像転写シートを、トナー画像面側をカード用コア基材シートにラミネートして、さらに画像転写シートを剥離してトナー画像をカード用コア基材シートに転写した際に、トナー画像が強固に接着される。
なお、本実施形態において、ウレタン変性アクリル樹脂とは、ウレタン樹脂成分とアクリル樹脂成分とが化学的に結合した樹脂を示す。本実施形態において、アクリル樹脂をウレタン樹脂成分で変性する方法としては、相溶性、液安定性、塗工性などの観点でウレタン樹脂とアクリル樹脂成分を化学的に結合することがより効果的である。
具体的には、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等により、アクリル重合体に水酸基を導入したポリマーと分子末端にイソシアネート基を持つウレタンプレポリマーとの反応、または下記のような分子末端(片末端または両末端)に水酸基を持つアクリル成分(R−OH)とイソシアネート基を末端に持つウレタンプレポリマー(R−NCO)との反応等により合成される。ウレタンプレポリマーとしては、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリオレフィン系などが用いられる。
こうして得られる重合体において、ウレタン鎖とアクリル鎖は互いにブロック型で結合していても良く、またグラフト型で結合していても良い。
本実施形態においては、ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂とポリエステル系ウレタン樹脂とのグラフト重合体であることが好ましい。
Figure 0005531431
本実施形態で用いられるウレタン変性アクリル樹脂の製法は、上述の方法に限定されるものではなく、その他にもアクリルジオール混合系にジイソシアネートを添加する方法、アクリルモノマーに両末端または片末端イソシアネートポリエステル、ポリエーテルなど付加して、そのウレタンアクリレートを重合あるいは共重合する方法などによっても得ることが出来る。また、これらの合成に用いられるアクリル樹脂成分としては、ポリマーとしてのガラス転移温度(Tg)が室温(22℃)から120℃までのものが好ましく、さらに好ましくは60℃以上110℃以下のものが好ましい。上記2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の他に例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、アクリルアミドなども用いられる。さらにこれらにスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、マレイン酸及びその誘導体等の重合性モノマーを共重合する場合もある。
この際のウレタン変性アクリル樹脂中におけるアクリル樹脂成分の組成としては5質量%以上95重量%以下が好ましく、特に50質量%以上90重量%以下であることが好ましい。
ウレタン変性アクリル樹脂はウレタン成分とアクリル成分とが化学的に結合しているので、それらの組成比を変化させることで、表面硬度、熱軟化性、接着性などの諸物性を調整できる。このことが、ウレタン変性アクリル樹脂が他の樹脂と比較して好ましい所以である。
接着層中に含まれるウレタン変性アクリル樹脂の含有量は特に限定されないが、20質量%以上100重量%以下の範囲内であることが好ましく、50質量%以上95質量%以下の範囲内であることがさらに好ましい。
接着層中に含まれるウレタン変性アクリル樹脂の含有量が20重量%よりも小さい場合には、容易且つ強固にトナー画像を接着することが困難になる場合がある。
本実施形態に係るカード用コア基材シートの表面には、粒子が存在することが好ましい。このような粒子は、コア基材表面に設けられる塗工層、特にコア基材表面に必ず設けられるウレタン変性アクリル樹脂を含む接着層の少なくとも中に含まれていることが好ましい。
なお、粒子は、カード用コア基材シート表面よりも外側にその一部が露出し、且つ、容易に脱落しないようにカード用コア基材シート表面に固定されていることが好ましい。これにより、カード用コア基材シート表面の摩擦係数を低くすることができるため、画像転写シート等の画像保持フィルムをカード用コア基材シートにラミネートする際にトナー画像が形成された画像保持フィルムとカード用コア基材シートとを重ね合わせる帳合装置内での搬送性が向上する。
このような目的で利用される粒子の大きさは特に限定されないが、接着層等の塗工層に添加する場合には平均粒子径で5μm以上35μm以下の範囲内であることが好ましく、10μm以上30μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。なお、粒子の平均粒子径は、この粒子を添加する塗工層の厚みに応じて、カード用コア基材シート表面に粒子の一部分が露出した形で固定され易いように選択することができる。粒子の平均粒子径が5μm未満であると、接着層として必要な層厚みが得られず、トナー画像を十分に埋めこめず、画像が必要以上につぶれて太字化(劣化)し画像の再現性が悪くなることがある。また粒子の平均粒子径が35μmを越えると、接着剤が必要量以上(過剰)になったり、粒子自身が画像を劣化させる場合がある。
本実施形態に用いられる粒子としては、特に限定されないが、有機樹脂粒子から構成されるものの場合、具体的には、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
これらの中で、スチレン類、α−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類等の単独重合体あるいは共重合体が好ましい。熱可塑性樹脂を粒子として使用する場合は、これら樹脂を溶解しない溶媒で塗工することにより、接着層を構成する粒子として用いることができるが、好ましくは、これら熱可塑性樹脂に架橋剤などを添加して、架橋構造を持たせた熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などを粒子化した粒子がより好ましく用いられる。
また、粒子が無機粒子から構成される場合、具体的な例示物としては、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩酸性炭酸マグネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナなどが挙げられる。
前記粒子の形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。
上記のように、カード用コア基材シートの搬送性を良好とするため、粒子によりカード用コア基材シート表面の摩擦を低減することが好ましいが、実際の使用上、カード用コア基材シート表面の静止摩擦係数は、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。また画像保持フィルム表面の動摩擦係数は、0.2以上1以下の範囲であることが好ましく、0.3以上0.65以下の範囲であることがより好ましい。
接着層中における粒子とウレタン変性アクリル樹脂との質量比(粒子:ウレタン変性アクリル樹脂)は、0.01:1乃至3:1の範囲であることが好ましく、0.05:1乃至2:1の範囲であることがより好ましい。粒子の割合が上記範囲内の場合は、ラミネート/転写後の画質が安定して高品質な画像が得られるが、上記範囲よりも少ない場合は、高温高湿環境下でタック性が発現しカード用コア基材シートを重ねておくと各カード用コア基材シートが接着してしまう場合がある。上記範囲よりも多い場合は、ラミネート/転写後の接着強度が十分発揮できない場合がある。
本実施形態に係る接着層は、必要に応じてワックスを含有してもよい。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のパラフィンワックス;シリコーン樹脂;ロジン類;ライスワックス;カルナウバワックス;等が挙げられる。これらのワックスの融点は、60℃以上110℃以下が望ましく、75℃以上95℃以下がより望ましい。これらの中でも、ワックスとしては、カルナウバワックスとパラフィンワックスが特に好ましい。
接着層中のワックスの含有量は、3質量%以上20質量%以下が望ましく、5質量%以上15質量%以下がより望ましい。ワックスの含有量が上記範囲内であれば、タックの発生が抑えられる。
本実施形態に係るコア基材は透明であっても、着色されていても良いが、着色されている場合は白色が好ましい。透明なコア基材を用いた場合は、画像保持フィルムは白色を用い、画像保持フィルムの画像保持面を外側にしてカード用コア基材シートとラミネートすることによって情報記録媒体を得ることが出来る。
コア基材が白色の場合は、画像保持フィルムが白色あるいは透明のものが使用できる。透明の画像保持フィルムの場合には画像保持面を外側又は内側にしてカード用コア基材シートとラミネートすることによって情報記録媒体を得ることが出来る。また画像をカード用コア基材シートに転写することによって情報記録媒体を得ることも出来る。尚内側にラミネートする場合及び画像転写する場合は、画像を鏡像(ミラーイメージ)に印字する必要がある。
コア基材を白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をコア基材中に混入させる方法が使用できる
コア基材に用いられる樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、またポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。従来カード用のコア基材の材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によりダイオキシンを発生させるものとして環境に良いものではないことが認識され、使用されなくなってきた。そのため、本実施形態においては、上記塩素を含まない基材の使用を考慮し、コア基材の材料として、特にエチレングリコール、テレフタル酸を用いたPET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロヘキサンメタノール成分に置き換えて共重合させたポリエステル樹脂(以下PETG樹脂と略す場合がある)を使用することが好ましい。その他、前記PETGにポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂などを混ぜてアロイ化させたもの等が好ましく用いることができる。
なお、エチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステル樹脂はコア基材表面に接着層を形成する際に用いられる塗工液に含まれるウレタン変性ポリエステル樹脂等の成分との相溶性に優れるため、コア基材のPETG樹脂を含む表面と、このコア基材表面に接して設けられた接着層とが強固に接着し、剥離を防止することができる。また、仮に剥離したとしても、界面部分できれいに剥離することができない。このため、画像保持フィルムをコア基材にラミネートしてカード(情報記録媒体)とした場合に、偽造を確実に防止することができる。
また、PETG樹脂は塗工液中の成分との相溶性に優れるのみならず、コア基材として用いることができる樹脂の中でも、既存の装置を利用したカード等の製造に適している。加えて、従来、コア基材を構成する材料として用いられていた塩化ビニル樹脂と比べると、日光や蛍光灯など、画像保持フィルムを用いて作製された情報記録媒体が通常の使用環境下で曝される光に対して黄ばみにくく、耐光性にも優れている。
本実施形態に用いられるコア基材はラミネートと画像転写性の観点から2つ以上の層から構成されていてもよい。
この場合、例えば、少なくともコア基材の外側面を形成するいずれかの面にウレタン変性ポリエステル樹脂が含まれていることが好ましく、もう一方の面がPETG樹脂のみからなる層であってもよい。また、PETG樹脂は軟化点温度が80℃付近であるため、加熱融着が容易である。このため、PETG樹脂だけの層でもラミネート性に優れるが、その場合は、画像がない場合や、人間が認識できない偽造防止対策を施す仕様の場合が好ましい。
本実施形態に用いられるコア基材としては、厚さ50μm以上5000μm以下の範囲のプラスチックからなるフィルムを用いることが好ましく、厚さ100μm以上1000μm以下の範囲のPETG樹脂、塩化ビニル、二軸延伸PETシートを用いることがより好ましい。
本実施形態においては、最終的な情報記録媒体がICカード等として用いられる場合には、コア基材として、その内部または表面(情報記録媒体とした際のラミネート面)に半導体回路を有するものを用いることができる。
コア基材中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、コア基材を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に好ましく用いられる。また、上記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、同様に熱融着一体化させる方法も可能である。
その他、上記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、コア基材を構成するシートどうしを貼り合わせ、同様に、半導体回路を内蔵させることも可能であるが、これらに限られるものではなく、例えば、ICカードに半導体回路を内蔵させる方法であれば、いずれもコア基材の製造方法として適用してもよい。
さらに、情報記録媒体として使用上問題がなければ、半導体回路をコア基材の内部ではなく、表面(情報記録媒体とした際の外側の面)に露出した状態で配置することも可能である。
なお、本実施形態の情報記録媒体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じてコアシートにアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれる。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
ウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層は、以下の方法によってコア基材の表面に形成される。
上記接着層は、樹脂(と必要に応じて粒子、ワックス等と)を有機溶媒、もしくは水などを用いて混合し、超音波、ウエーブローター,アトライターやサンドミルなどの装置により均一に分散させ塗工液を作製し、該塗工液をそのままの状態で、コア基材の表面へ塗布あるいは含浸させることによって形成される。
塗布あるいは含浸させる方法としては、ブレード塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、浸漬塗布法、ビード塗布法、エアーナイフ塗布法、カーテン塗布法、ロール塗布法、スクリーン印刷法等の通常使用される方法が採用される。
但し、前記塗工液の作製において、溶媒としてコア基材の表面を溶解させる良溶媒を使用することが好ましい。このような良溶媒を使用すると、コア基材表面が溶解し、コア基材表面がバインダー樹脂として働き接着層との結びつきが強くなり、粒子や画像形成材料を安定して保持することが容易となる。
但し、上記コア基材表面に対して良溶媒であるとは、溶媒がコア基材の表面に接触した場合、コア基材に何らかの作用を及ぼし、コア基材の表面が少し侵される(溶媒除去後、わずかに表面に曇り等が観察される)程度以上の溶解性を有することをいう。
なお、このような観点からは、コア基材の接着層が形成される側の表面は、塗工液に用いられる一般的な溶媒との相溶性に優れたPETG樹脂、または塩化ビニル樹脂を含むものであることが好ましく、これらの樹脂で覆われていることがより好ましい。
コア基材表面に含まれるPETG樹脂あるいは塩化ビニル樹脂と塗工層に含まれる樹脂との相溶性を引き出す溶媒としては、公知の塗工液の作製に用いられる溶媒であれば特に限定されない。具体的な例としてはトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン系、そのほかテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びこれら溶媒の混合物やこれ以外の貧溶媒との混合溶媒などでも良い。
コア基材表面に接着層を形成する際の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥される。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、あるいは加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
<情報記録媒体>
本実施形態に係る情報記録媒体は、コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、前記接着層の表面に設けられたトナーにより形成された画像情報と、を有する。
本実施形態に係る情報記録媒体においては、ウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層の表面にトナーにより形成された画像情報が設けられるため、画像情報の定着性に優れる。
本実施形態に係る情報記録媒体は、(定着された、あるいは、未定着の)トナー画像がその表面(少なくともラミネート面)に設けられた画像保持フィルムと、透明あるいは白色であってもよいコア基材を有するカード用コア基材シートとを重ね合わせて接合するラミネート工程を少なくとも経て作製される。
電子写真方式によって画像保持フィルムに画像を形成する場合について、以下に説明する
電子写真方式による未印刷画像保持フィルムへの画像形成は、電子写真用感光体(像保持体)の表面に均一に電荷を与え帯電させた後、その表面を、得られた画像情報に応じて露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記電子写真用感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、未印刷画像保持フィルムの画像受像層が形成された面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、画像保持フィルム表面に画像が形成される。
画像保持フィルムとしては、例えば、基体と該基体上に設けられた画像受像層とで構成されてもよい。
画像保持フィルム表面に設けられる画像受像層は、例えば、樹脂と粒子とを含んでいてもよく、この他にも必要に応じて、帯電制御剤等の種々の添加剤を加えてもよい。以下、画像受像層を構成する樹脂および粒子について説明する。
本発明においては、画像受像層を構成する樹脂として、ポリエステル樹脂を用いてもよく、ポリエステル樹脂とその他の樹脂とを組み合わせて利用してもよい。
画像受像層に用いられるポリエステル樹脂は、通常2個以上のカルボキシル基を有する多価塩基酸成分とグリコール成分とを縮合反応させて得られた飽和ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
また、画像受像層を構成する樹脂としては、離型性材料としてシリコーン系ハードコート材料等を用いてもよい。
なお、本実施形態に用いられる前記シリコーン系ハードコート材料とは、少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、基体との接着性を良くするために、さらに有機樹脂を含んでいることが好ましい。
前記シラン系組成物は、具体的には有機珪素化合物であり、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物などがあり、これらが縮合反応し、樹脂組成物になる。
シラン化合物としては、Si(OCH34、CH3Si(OCH33、HSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3SiH(OCH32、C65Si(OCH33、Si(OC254、CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、H2Si(OC252、C65Si(OC253、(CH32CHCH2Si(OCH33、CH3(CH11Si(OC253、CH3(CH215Si(OC253、CH3(CH217Si(OC253等のアルコキシシラン類;(CH33SiNHSi(CH33等のシラザン類;((CH3)SiNH)2CO、tert−C49(CH32SiCl等の特殊シリル化剤類;シランカップリング剤;及びHSC36Si(OCH33等のシラン化合物;並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;等が例示される。
前記フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3(CH22Si(OCH33、C61324Si(OCH33、C715CONH(CH23Si(OC253、C81724Si(OCH33、C81724SiCH3(OCH32、C81724Si(ON=C(CH3)(C25))3、C91924Si(OCH33、C91924Si(NCO)3、(NCO)3SiC2461224Si(NCO)3、C91924Si(C25)(OCH32、(CH3O)3SiC2481624Si(OCH33、(CH3O)2(CH3)SiC91824Si(CH3)(OCH32等のフッ素含有シラン化合物、及びこれらの加水分解物又はその部分縮合物等のシラン化合物が例示される。
前記イソシアネートシラン化合物類としては、(CH33SiNCO、(CH32Si(NCO)2、CH3Si(NCO)3、ビニルシリルトリイソシアネート、C65Si(NCO)3、Si(NCO)4、C25OSi(NCO)3、C817Si(NCO)3、C1837Si(NCO)3、(NCO)3SiC24(NCO)3等が例示される。
本発明におけるシラン系組成物の縮合物樹脂としては、例えば、熱硬化性(縮合型、付加型)及び光硬化性の硬化性シリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂が挙げられるが、具体例を挙げると、以下のようになる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂、さらに、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1官能性若しくは2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
なお、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用される。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンの様なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、及び無溶剤型に分類され、そのいずれも好適に使用される。
前記縮合型、付加型の硬化で得られる熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂等が好適に挙げられる。
前記光硬化性のシリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを光硬化反応させて得られる変性シリコーン樹脂が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
画像受像層には、体積平均粒子径が5μm以上20μm以下の粒子が含まれていてもよく、この粒子の体積平均粒子径は10μm以上15μm以下であることが好ましい。また、この粒子は、画像受像層の少なくとも表面近傍に含まれていることが好ましい。
ここで、画像受像層の厚みは、粒子保持のための接着性、搬送性や、タック防止性の確保ために少なくとも粒子の体積平均粒子径を超えないことが好ましく、1μm以上10μm以下の範囲であることがより好ましい。
画像保持フィルムに用いられる基体としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムを代表的に用いてもよい。この中でも、OHPフィルムとしてあるいは印刷フィルムとして使用できるようなPETフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアリレートフィルムなどが好ましく用いられる。
画像保持フィルム表面に設けられる画像受像層にポリエステル樹脂やシリコーン系ハードコート材料等を用いることによりトナーとの接着性が向上し、トナーが溶融し粘性が生じる温度以下で、画像保持フィルム表面にトナーが定着する。
このため、画像保持フィルム表面に形成されたトナー画像の定着を、画像保持フィルム表面(画像形成面)の温度が、トナーの溶融温度以下となるようにして行うことが好ましい。通常のトナーの溶融温度を考慮すると、画像保持フィルムの表面温度が125℃以下となるようにして行うことが好ましく、110℃以下となるようにして行うことがより好ましい。
この画像保持フィルムは、画像形成面(画像受像層が設けられた側の面)をラミネート面とする場合、未印刷画像保持フィルムの画像受像層に形成される画像は反転画像(鏡像画像)とする必要がある。前記感光体表面に静電潜像を形成する際には、上記感光体表面に露光される画像情報としては鏡像の情報が提供されることが好ましい。
ラミネート工程は、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用される。しかしながら、本実施形態の情報記録媒体の作製においては、画像保持フィルムとカード用コア基材シートとを重ね合わせた積層体を、加熱可能な1対の熱ロールの圧接部(ニップ部)に挿通させることにより、両者を熱溶融させ熱融着させるヒートプレス法(以下、「ロールプレス」と略す場合がある)を利用してもよい。
しかしながら、特に本実施形態の情報記録媒体の製造方法においては、1対の押し当て板材の間に、画像保持フィルムとカード用コア基材シートとを重ね合わせた積層体を配置した後に、前記積層体を前記1対の押し当て板材を介して加熱しながらプレスするヒートプレス法(以下、「板材プレス」と略す場合がある)を利用することが好ましい。
ヒートプレス後、必要に応じて画像保持フィルムの基材を前記コア基材から引きはがすことによって前記コア基材上にトナー画像を転写し、情報記録媒体を作製することが出来る。
本実施形態に係る情報記録媒体としては、(1)ラミネート面に情報に応じたトナー画像が形成された画像保持フィルムと、この画像保持フィルムと重ね合わされ接合される透明あるいは白色コア基材を有するカード用コア基材シートと、を少なくとも含む構成や、(2)ラミネート面にトナー画像が形成された画像保持フィルムと、この画像保持フィルムと重ね合わされ接合される透明あるいは白色コア基材を有するカード用コア基材シートと、該コア基材の内部、コア基材のラミネート面と反対側の面、画像保持フィルムとカード用コア基材シートとの接合面内、の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップと、を少なくとも含む構成が挙げられる。
なお、本発明の情報記録媒体の作製に用いられる画像保持フィルムの少なくともラミネート側の面には、既述したウレタン変性アクリル樹脂が少なくとも含まれていることが好ましい。この場合、カード用コア基材シートと画像保持フィルムとをラミネート/画像転写した場合に両者がより強固に接着される。
上記(1)に示す情報記録媒体ではトナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別可能な情報として機能するトナー画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としてのトナー画像の識別は、視覚的に識別されるものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別されるものであってもよい。
また、上記(2)に示す情報記録媒体では情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段及び光学的手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出し可能であれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が可能なものを用いてもよい。また、このような情報チップの具体例としては例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
なお、情報記録媒体の情報源として上記の情報チップを用いる場合に形成されるトナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
一方、トナー画像や情報チップが有する情報は、識別可能なものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。当該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の情報記録媒体において、個々の情報記録媒体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、情報記録媒体毎に異なるトナー画像としてもよい。
さらに、上記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本実施形態の情報記録媒体は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用可能であり、このような用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等挙やこれらの組合せが挙げられる。
上記に説明した本実施形態の情報記録媒体は、トナー画像が設けられた画像保持フィルムのラミネート面を透明あるいは白色コア基材を有するカード用コア基材シートと重ね合わせ、ラミネート工程において接合(ラミネート)し、冷却後必要に応じて画像保持フィルムをカード用コア基材シートから剥がして、トナー画像をコア基材に転写することにより作製してもよい。
画像保持フィルムとカード用コア基材シートとの重ね合わせは、画像保持フィルムとカード用コア基材シートとを手で保持して揃えることにより行ってもよいし、画像形成後に設けられた丁合いトレイなどに画像保持フィルムとカード用コア基材シートを順次排出して揃えることにより行ってもよい。
なお、定着工程を経ないで未定着のトナー画像を形成した画像保持フィルム(未定着画像保持フィルム)をラミネート工程に用いる場合には、ラミネート時の温度を定着工程を経た画像保持フィルムを用いる場合に比べ、若干高めにすることにより、トナーの発色性等が確保される。
ラミネートされた前記積層体は、そのまま本発明の情報記録媒体となり得るが、ここで、画像保持フィルムに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、予め定められたサイズの複数の情報記録媒体が得られる。
また、本発明の情報記録媒体が、ICチップなどの情報チップを利用したICカード等として用いられる場合には、最終的に情報記録媒体を作製した際に既述したようにコア基材の内部、コア基材のラミネート面と反対側の面、画像保持フィルムとカード用コア基材シートとの接合面側、の少なくともいずれか1箇所に情報チップが配置されていればよい。しかしながら、作製に際しては、実用上はコア基材の内部または表面に情報チップを有するものが用いられる。
コア基材中に情報チップを内蔵させる方法としては、情報チップが固定されたインレットと呼ばれるシートを、コア基材を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に好ましく用いられる。また、上記インレットシートなしに直接、情報チップを、コア基材を構成するシート材料間に配置し、同様に熱融着一体化させる方法も可能である。
その他、上記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、コア基材を構成するシートどうしを貼り合わせ、同様に、情報チップを内蔵させることも可能であるが、これらに限られるものではなく、例えば、情報記録媒体に情報チップを内蔵させる方法であれば、いずれもコア基材の製造方法として適用してもよい。
さらに、情報記録媒体として使用上問題がなければ、情報チップをコア基材の内部ではなく、表面に露出した状態で配置することも可能である。
なお、本発明の情報記録媒体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じてコア基材にアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれてもよい。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされてもよい。
次に、本実施形態に係る情報記録媒体の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第一実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。図1においては、コア基材10の片面に接着層20が形成されており、接着層20の表面には、トナーにより形成された画像情報30が設けられている。コア基材10及び接着層20によりカード用コア基材シート40が構成される。
第一実施形態に係る情報記録媒体の製造においては、画像受像層としてシリコーン系ハードコート材料を用いた画像保持フィルムの画像受像層側に画像情報30を形成し、接着層20と画像受像層とが接するようにしてラミネートした後画像保持フィルムの基体を剥離することで画像受像層を接着層20表面に転写することなく、画像情報30のみが接着層20表面に転写される。
図2は、第二実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。図2においては、コア基材10の片面に接着層20が形成されており、接着層20の表面にはトナーにより形成された画像情報30が設けられている。さらに、画像情報30を覆うようにして接着層20表面に画像受像層50が設けられている。コア基材10及び接着層20によりカード用コア基材シート40が構成される。
第二実施形態に係る情報記録媒体の製造においては、画像受像層として樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)を用い画像保持フィルムの画像受像層側に画像情報30を形成し、接着層20と画像受像層とが接するようにしてラミネートした後画像保持フィルムの基体を剥離することで画像受像層50が画像情報30と共に接着層20表面に転写される。
図3は、第三実施形態に係る情報記録媒体を示す断面図である。図3においては、コア基材10の片面に接着層20と画像受像層50と基体60とがこの順に設けられており、接着層20と画像受像層50との界面に画像情報30が設けられている。コア基材10及び接着層20によりカード用コア基材シート40が構成される。また、基体60と画像受像層50とで画像保持フィルム70が構成される。
第三実施形態に係る情報記録媒体は、例えば、第一実施形態又は第二実施形態で用いた画像保持フィルムの画像受像層50側に画像情報30を形成し、接着層20と画像受像層50とが接するようにしてラミネートすることで形成される。第三実施形態に係る情報記録媒体では、基体60を保護膜として機能させてもよい。
なお、第一実施形態乃至第三実施形態に係る情報記録媒体はカード用コア基材シートの片面にのみ画像情報が形成された態様であるが、両方の面に画像情報が形成された態様としてもよい。
以下に、実施例を挙げて本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
カード用コア基材シート(コア基材1)を以下のように製造した。以下、その製造方法を工程ごとに説明する。
<接着層塗工液A−1の調製>
ウレタン変性アクリル樹脂(大成ファインケミカル社製:8UA−443、アクリル樹脂成分のTg105℃、ウレタン:ポリエステル系、ウレタン/アクリル比=3/7、固形分濃度39%、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比)=96/4溶剤)80部と、ワックス分散液(三洋化成工業社製:WKCー10、固形分濃度10%メチルエチルケトン溶剤)16部と、粒子として架橋型メタクリル酸エステル共重合物粒子(綜研化学社製:MX−2000、平均粒子径:20μm)2部とを添加して十分撹拌混合し、接着層塗工液A−1を調製した。
<カード用コア基材シートの作製>
塩化ビニル樹脂で構成されたB4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ビニホイルC―4636、厚さ:500μm)をコア基材とし、この一方の面に、接着層塗工液A−1をワイヤーバーを用いて塗工し、60℃で1時間乾燥させた。さらにもう片面にも同様の処理を施し、表裏面に各々厚さが16μmの接着層を形成し、これをA4サイズ(210mm×297mm)にカットしてカード用コア基材シート1を作製した。
<電子写真用画像転写シートの作製>
(画像受像層塗工液1の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)10部と、フィラーとしてポリジメチルシロキサン粒子(GE東芝シリコーン社製、TP130、平均粒子径:3μm)0.002部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)0.6部とを、メチルエチルケトン30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液1を調製した。
(画像転写シート1の作製と画像形成)
基体としてPETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚み:100μm)を用い、この基体の両面に前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚1μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして画像転写シート1を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表裏ともに5.2×1011Ω/□であった。
<画像形成>
次に、上記画像転写シート1の画像受像層表面に、富士ゼロックス(株)社製カラープリンターDocuPrint C 3540(画像形成材料(トナー):スチレン−アクリル共重合樹脂)を用いてベタ画像を含むカラーの鏡像画像をA4サイズ1枚につきカードサイズの画像を10面形成して画像転写シート1−Uを作製した。同様に文字情報だけの鏡像文字を10面形成して画像転写シート1−Dを作製した。また、同様に富士ゼロックス(株)社製カラー複合機DocuColor1257(画像形成材料(トナー):ポリエステル樹脂)を用いて前記と同様カードサイズの画像を10面形成した画像転写シート1’−Uと、文字情報だけの鏡像文字を10面形成した画像転写シート1’−Dを作製した。
<情報記録媒体の作製>
カード用コア基材シート1の片面に、前記画像転写シート1−Uの画像形成面を、もう片面に前記画像転写シート1−Dの画像形成面を各フィルムの四隅の位置が合うようにして重ね合わせ、さらにその両側を、SUS鋼板でできた鏡面仕様の1組の押し当て板材で挟んで重ね合わせた。
上記位置決め、重ね合わせを行った積層物(押し当て板材/画像転写シート1−U/カード用コア基材シート1/画像転写シート1−D/押し当て板材)を、120℃、5kgf/cm、30秒の条件で熱プレスし、室温まで冷却したあと、押し当て板材を取り外し、さらに、画像転写シート1−U及び1−Dを剥離して、画像のみが転写された情報記録媒体1を得た。また、画像転写シート1’−U及び画像転写シート1’−Dを用いて同様の作業を行い、画像のみが転写された情報記録媒体1’を得た。
<カード用コア基材シートの評価>
上記で得られたカード用コア基材シート1を20枚重ね、40℃90%RHの環境下で24時間放置し、20枚のカード用コア基材シート1同士のタック(密着)性を調べ保管性に対する評価を以下のように行った。
○:まったくタック力がなく、20枚すべてのシートが問題なく分離し(さばけ)た。
△:若干タック力が感じられるが、シート20枚すべてが大きな力も必要とせず分離する(さばく)ことができた。
×:タック力が明らかにあり、大きな力でもってシートが分離される(さばかれる)状態となったり分離できないシートが20枚の内1枚でも発生した。
−保管性評価−
<情報記録媒体の性能評価>
前記情報記録媒体1及び1’の画質、画像定着性(剥離強度)及び耐光性評価を、各々下記基準にて評価し、情報記録媒体としての性能を確認した。
−画質評価−
画質評価は、画像転写シートへの画像出力時の文字に対し、熱圧力を加えたラミネート後の文字の変化(拡大)率を測定し、印字再現性を以下のように評価した。
○:3%未満の変化率を示したもの。
△:3%以上7%未満の変化率を示したもの。
×:7%以上の変化率であったもの。
−画像定着性(剥離強度)評価−
画像の定着性に関しては、画像転写後の情報記録媒体1及び1’の表面にJIS K5600−5−6(1999)付着性(クロスカット法)に基づきカッターで1mm×1mmの格子を5mm×5mmの領域に25個クロスカットし、その部分に市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の、画像の剥がれ具合に基づいて評価した。
◎:まったく剥れない。
○:刃が入った線の一部が剥れる。
△:一部のマスにおいて画像がコア基材から剥がれている。
×:明らかに画像がコア基材から剥がれている。
−耐光性評価−
耐光性評価は、耐光性試験器(東洋精機社製:SUNTEST CPS+)内に、情報記録媒体のベタ画像を含む画像の形成された側に対して63℃雰囲気下、Xeランプで760W/mの強度にて100時間照射した。照射前後のベタ画像の画像濃度を測定し、画像濃度の差が0.1未満であるもの◎、0.1以上0.5未満であるものを○、0.5以上1.0以下であるものを△、1.0を超えるものを×とした。なお、画像濃度はX−Rite967濃度計(X−Rite社製)を用いて測定した。
以上の評価結果を、表1にまとめて記載した。
(実施例2)
<接着層塗工液A−2の調製>
ウレタン変性アクリル樹脂(大成ファインケミカル社製:8UA−472、アクリル樹脂成分のTg95℃、ウレタン:ポリエステル系、ウレタン/アクリル比=4/6、固形分濃度40%、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比)=96/4溶剤)を、接着層塗工液A−2として用いた。
<カード用コア基材シートの作製>
PETG樹脂層で構成されているB4サイズの白色シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG-WHI、総厚み:560μm)に対して実施例1と同様に前記接着層塗工液A−2をアプリケータを用いて塗工し、表裏面に厚さが12μmの接着層を形成し、これをA4サイズ(210mm×297mm)にカットしてカード用コア基材シート2を作製し、またこれを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体2及び2’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート2並びに情報記録媒体2及び2’に対して実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(実施例3)
実施例2の接着層塗工液A-2の80部に、実施例1で用いたワックス分散液(三洋化成工業社製:WKC−10、固形分濃度10%メチルエチルケトン溶剤)30部を添加して十分撹拌混合し、接着層塗工液A−3を調製した。以下、実施例2と同様にしてカード用コア基材シート3を作製し、またこれを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体3及び3’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート3並びに情報記録媒体3及び3’に対して実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(実施例4)
実施例1の接着層塗工液A-1のウレタン変性アクリル樹脂を(大成ファインケミカル社製:8UA−502、アクリル樹脂成分のTg95℃、ウレタン:ポリエステル系、ウレタン/アクリル比=3/7、固形分濃度40%、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比)=96/4溶剤)80部に変更した以外は、実施例1と同様にして接着層塗工液A−4を調製し、以下、実施例1と同様にしてカード用コア基材シート4を作製し、またこれを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体4及び4’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート4並びに情報記録媒体4及び4’に対して実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(実施例5)
実施例1の接着層塗工液A-1のウレタン変性アクリル樹脂を(大成ファインケミカル社製:8UA−483、アクリル樹脂成分のTg110℃、ウレタン:ポリエステル系、ウレタン/アクリル比=3/7、固形分濃度40%、メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比)=96/4溶剤)80部に変更した以外は、実施例1と同様にして接着層塗工液A−5を調製し、以下、実施例1と同様にしてカード用コア基材シート5を作製し、またこれを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体5及び5’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート5並びに情報記録媒体5及び5’に対して実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(比較例1)
実施例1における塩化ビニル樹脂で構成されたB4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ビニホイルC―4636、厚さ:500μm)を接着層を設けない未処理のコア基材シート6とし、これを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体6及び6’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート6並びに情報記録媒体6及び6’に対して実施例1と同様の評価を行った結果、画像形成材料がスチレン−アクリル共重合樹脂である情報記録媒体6及びポリエステル樹脂である情報記録媒体6’の画像接着性が悪く簡単に剥れ取れてしまった。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(比較例2)
実施例1における接着層塗工液A-1のウレタン変性アクリル樹脂の替わりにスチレンアクリル系樹脂(大成ファインケミカル社製:7RZ−011、Tg72℃、固形分濃度45%、酢酸エチル/n−ブタノール(質量比)=70/30溶剤)65部に変更した以外は、実施例1と同様にして接着層塗工液A−6を調製し、以下、実施例1と同様にしてカード用コア基材シート7を作製し、また、これを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体7及び7’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート7並びに情報記録媒体7及び7’に対して実施例1と同様の評価を行った結果、画像形成材料がポリエステル樹脂である情報記録媒体7’の画像接着性が悪く簡単に剥れ取れてしまった。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(比較例3)
実施例1における接着層塗工液A-1のウレタン変性アクリル樹脂の替わりにメチルエチルケトン60部にポリエステル樹脂(東洋紡績社製:バイロン200、Tg67℃)を40部溶解させたものを使用した以外は、実施例1と同様にして接着層塗工液A−7を調製し、以下、実施例1と同様にしてカード用コア基材シート8を作製し、また、これを用いて実施例1と同様にして情報記録媒体8及び8’を得た。
<カード用コア基材シートと情報記録媒体の評価>
カード用コア基材シート8並びに情報記録媒体8及び8’に対して実施例1と同様の評価を行った結果、画像形成材料がスチレン−アクリル共重合樹脂である情報記録媒体8の画像接着性が悪く簡単に剥れ取れてしまった。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(実施例6)
実施例1の電子写真用画像転写シートを用いる代わりに、A4サイズの透明なラミネートシート(Dupont社製:メリネックス342、厚さ:100μm)を用いて、その片方の面に実施例1と同様にして富士ゼロックス(株)社製カラープリンターDocuPrint C 3540(画像形成材料:スチレン−アクリル共重合樹脂)を用いてベタ画像を含むカラーの鏡像画像をA4サイズ1枚につきカードサイズの画像を10面形成して画像ラミネートシート9−Uを作製した。同様に文字情報だけの鏡像文字を10面形成して画像ラミネートシート9−Dを作製した。また、同様に富士ゼロックス(株)社製カラー複合機DocuColor1257(画像形成材料:ポリエステル樹脂)を用いて前記と同様カードサイズの画像を10面形成した画像ラミネートシート9’−Uと、文字情報だけの鏡像文字を10面形成した画像ラミネートシート9’−Dを作製した。
<情報記録媒体の作製>
カード用コア基材シート1の片面に、前記画像ラミネートシート9−Uの画像形成面を、もう片面に前記画像ラミネートシート9−Dの画像形成面を各フィルムの四隅の位置が合うようにして重ね合わせ、さらにその両側を、SUS鋼板でできた鏡面仕様の1組の押し当て板材で挟んで重ね合わせた。
上記位置決め、重ね合わせを行った積層物(押し当て板材/画像ラミネートシート9−U/カード用コア基材シート1/画像ラミネートシート9−D/押し当て板材)を、120℃、5kgf/cm、30秒の条件で熱プレスし、室温まで冷却したあと、押し当て板材を取り外して、画像がラミネートされた情報記録媒体9を得た。また、画像ラミネートシート9’−U及び画像ラミネートシート9’−Dを用いて同様の作業を行い、画像がラミネートされた情報記録媒体9’を得た。
<情報記録媒体の評価>
情報記録体9及び9’に対して90°の折り曲げ試験を100回繰り返し、折り曲げ試験後のラミネートシートの剥がれ具合に基づいて情報記録媒体9及び9’の画像の定着性(剥離強度)を確認した。全く剥がれないものを◎、折り曲げ部分だけの剥がれが認められたもの○、それ以外の剥がれは×とした。また、その他の評価は実施例1と同様とした。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(実施例7乃至10)
実施例2乃至5で作製したカード用コアシート2乃至5を用いて、実施例6と同様にして画像がラミネートされた情報記録媒体10から13及び10’から13’を作製し、実施例6と同様な評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
(比較例4乃至6)
比較例1乃至3のカード用コア基材6乃至8を用いて、実施例6と同様にして画像がラミネートされた情報記録媒体14乃至16及び14’ 乃至16’を得て、実施例6と同様の評価を行った。
評価結果を表1にまとめて記載した。
Figure 0005531431
10 コア基材
20 接着層
30 画像情報
40 カード用コア基材シート
50 画像受像層
60 基体
70 画像保持フィルム

Claims (4)

  1. コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、を有し、
    前記ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂をポリエステル系ウレタン樹脂で変性したグラフト重合体であるカード用コア基材シート。
  2. 前記接着層が、ワックスをさらに含有する請求項1に記載のカード用コア基材シート。
  3. コア基材と、前記コア基材の少なくとも片面に設けられたウレタン変性アクリル樹脂を少なくとも含有する接着層と、前記接着層の表面に設けられたトナーにより形成された画像情報と、を有し、
    前記ウレタン変性アクリル樹脂が、アクリル樹脂をポリエステル系ウレタン樹脂で変性したグラフト重合体である情報記録媒体。
  4. 前記トナーを構成する結着樹脂が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂又はスチレン−アクリル共重合樹脂である請求項に記載の情報記録媒体。
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