JP4062691B2 - 感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シート - Google Patents
感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シート Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、情報の多様化ならびに増大、省資源、無公害などの社会からの要請に伴って情報記録分野においても種々の記録材料が研究開発され実用に供されているが、中でも感熱記録材料は、一般にシート基材とこのシート基材上に形成されている感熱発色層とからなり、熱ヘッド、熱ペン、レーザ光などで加熱することにより感熱発色層中の発色剤が瞬時に反応し、記録画像、印字が形成される。
(1)単に加熱するだけで発色画像、印字が形成され、煩雑な現像工程が不要であること、(2)比較的簡単でコンパクトな装置を用いて製造できること、得られた記録材料の取り扱いが容易で維持費が安いこと、(3)シート基材として紙が用いられる場合が多く、この際には安価であるのみならず、得られた記録材料の感触も普通紙に近いなどの利点があるため、計測用記録計、低ならびに高速ファクシミリ分野、プリンタ、ハンディコンピュータ端末機(ハンディターミナル)、POSシステムのラベル分野、自動券売機分野などにおいて広く用いられている。
【0003】
特に、近年においては各種チケット用、レシート用、金融機関のATM用途、ガス、電気、水道など公共料金の検針用などへの用途拡大が著しい。しかし、検針用の感熱記録材料は戸外で使用されており、雨などの水滴で感熱紙表面が濡れ、そのまま感熱記録面を内側にして折畳み、そのまま乾燥すると感熱記録面同士が貼り付き破れて記録面が見られなくなるという問題がある(水湿潤ブロッキングという。以下、水湿潤ブロッキングに対する耐性を「耐水ブロッキング性」という)。これは一般に感熱紙に用いられるバインダーが水溶性樹脂や合成樹脂エマルジョンであり、これらが湿潤時に粘着性を帯びるためである。
【0004】
この問題を解決するために、保護層の樹脂がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンとメラミンホルムアルデヒドを組み合わせることで、感熱記録材料の耐水性を向上させる提案があるが(特許文献1参照)、ポリビニルアルコールの未架橋物が残り、それが水湿潤ブロッキングを引き起こす。
この他にこの問題を解決するために、種々の提案があるが(例えば、特許文献2〜4参照)、未だ不十分であったり、コストアップとなる問題がある。
一方、銀行のATM用途やガス、電気、水道など公共料金の検針用などのハンディターミナル用感熱記録材料は感熱記録面にあらかじめ記録欄用の枠、発行者名および各種の情報を印刷しておくことが行われるが、これらに用いられる印刷インクによっては長期にプリンタを使用したときにサーマルヘッド上に堆積し重要な印字障害を生じさせることがある。
【0005】
印刷する方法としてグラビア印刷やオフセット印刷が用いられるが、グラビア印刷方式やオフセット印刷方式は、その製版作業工程に多くの時間と費用が必要であり、大量の印刷物に対しては印刷物1枚当たりのコストは低く抑えられるメリットがあるが、少量の印刷物に対しては対応し難いという問題がある。
【0006】
最近、消費者の要求は多様化してきており同一のものを大量に印刷することから特定のものを少量ずつ印刷する(オンデマンド印刷)傾向が顕著になってきている。そこで注目されているのが月毎にデザインを一部変更したり、金融機関の支店毎にデザインを変えるなどの要求に応じるオンデマンド印刷が可能な電子写真法を用いたプラスチックフィルム、紙等に対する画像形成方法である。この方法は衆知のごとく製版工程が不要であるため、少量多品種の印刷物を製造するには最適な方法である。特に、液体トナーを使用した電子写真現像法は粉体トナーを使用した場合と比較して出力画像が高精細で品質が良く、画像品質の面ではグラビア印刷方式、オフセット印刷方式に匹敵するレベルまで達している。さらに紙に対する枚葉出力においては印刷速度など非常に向上してきており、スピードの面でも印刷レベルに近づいている。
しかしながら、液体トナーを使用した場合、液体トナーとの密着性の問題などプリント適性の点から使用できるシート基材としての用紙がコート紙に限定されるため、コストアップになる問題がある。また、用紙選択の自由度がないため、印刷物としての使用範囲は限れたものになっている。
【0007】
本発明者等は、先に、上質紙へ上質紙の性能(筆記性や消しゴムでの消去性など)を保ったまま液体トナーに対する受容性を付与した用紙および塗工液を提案した(例えば、特許文献5〜8参照)。
また、液体トナーと被印刷物であるプラスチックフィルム、シートあるいは紙との密着性向上のため、被印刷物上にエチレン・アクリル酸系樹脂またはポリブタジエン系樹脂を有機溶剤に溶かした塗料を塗布してプライマー層を設け、このプライマー層の上に液体トナーを使用した電子写真現像法により画像を形成する方法が提案されている(特許文献9参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−300817号公報
【特許文献2】
特許第2935154号公報
【特許文献3】
特開平8−300822号公報
【特許文献4】
特開平11−78240号公報
【特許文献5】
特願2001−398335
【特許文献6】
特願2001−398345
【特許文献7】
特願2001−398347
【特許文献8】
特願2002−16973
【特許文献9】
特開平10−76744号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、シート基材面との密着性が高くかつ表面強度も大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに液体トナーを使用した電子写真現像法による印字や画像の形成も可能である感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できる、人体に悪影響を及ぼしたり引火の危険性がなく、塗布工程や、特に乾燥工程などにおいて吸引設備や防曝設備などが不必要である、水性エマルジョン系感熱塗工液を提供することであり、
本発明の第2の目的は、この感熱塗工液を用いてシート基材面の所定部に液体トナー受容性を有する感熱発色層を形成した感熱記録シートを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョンと液体トナー受容性樹脂を含む感熱塗工液を用いることにより、前記課題を達成できることを見いだし、本発明を想到した。
【0011】
すなわち、本発明の請求項1の感熱塗工液は、感熱発色成分と、紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョンと液体トナー受容性樹脂を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の感熱塗工液は、樹脂成分を有機溶剤に溶かした溶剤系塗料ではなく、水性エマルジョン系としたことにより、揮発性が低く、塗布量の調整が容易でシート基材面への塗布適性に優れると共に、溶媒が水であるため人体に無害であって引火性もなく、塗布工程や乾燥工程に防曝設備などを必要としない。
本発明の感熱塗工液を用いて公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布してシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できる感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できる。
本発明の感熱塗工液は印刷生産性が高く、各種シート、磁気カード、ICカード、リライトカードなどのカードなどのシート基材面の所定箇所に塗布(例えば薄膜コーティング)すると、シート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れ、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーの密着性、定着性に優れており、例えば液体トナーをプリントしたプリント部にセロハンテープを貼着した後、セロハンテープを剥離してもプリント部が剥離しない感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できるので、使用するシート基材は高価なコート紙に限定されず、普通の紙や合成紙、プラスチックシートやフィルム、カードなどを使用できる。
【0013】
本発明の請求項2の感熱塗工液は、請求項1記載の感熱塗工液において、液体トナー受容性樹脂がエチレン・アクリル酸系樹脂、ポリイミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とする。
【0014】
液体トナーの受容性をより向上できる。
【0015】
本発明の請求項3は、シート基材面の所定箇所に、請求項1あるいは請求項2記載の感熱塗工液を用いて形成された液体トナー受容性を有する感熱発色層を有することを特徴とする感熱記録シートである。
【0016】
本発明の感熱記録シートは、構成が簡単で安価であり、感熱発色層は各種シート、磁気カード、ICカード、リライトカードなどのカードなどのシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できる。
【0017】
本発明の請求項4の感熱記録シートは、請求項3記載の感熱記録シートにおいて、検針票であることを特徴とする。
【0018】
感熱発色層はシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できるなど検針票として要求される各種特性を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有する感熱記録シートの一例である検針票の1実施を説明する説明図である。
図1に示したように、検針票1は、シート基材2面の所定箇所に本発明の感熱塗工液を用いて形成された液体トナー受容性を有する感熱発色層3を有し、感熱発色層3面の所定箇所にあらかじめグラビア印刷方式、オフセット印刷方式あるいは液体トナーを使用した電子写真現像法などの公知の方法により記録欄用の枠4、発行者名5および各種の情報6を印刷してある。そして、ガス、電気、水道など公共料金の検針時に検針結果や料金などの必要事項が図示しないハンディターミナルによりプリントされる。
【0020】
検針票1は、シート基材2面の所定箇所に本発明の感熱塗工液を用いて感熱発色層3が形成されているので、感熱発色層3はシート基材2面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、また、耐水性および耐水ブロッキング性に優れる。そのため検針票1は戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を2次記入できる。液体トナーを使用して形成された出力画像部にセロハンテープを貼着した後、セロハンテープを剥離しても出力画像部が剥離しない。
【0021】
本発明で用いる紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョンを用いると、光沢、平滑性に優れる感熱発色層を容易に形成できる。
【0022】
本発明で用いる感熱発色成分としては、本発明の目的を満たすものであれば何でもよく、公知の感熱発色成分を用いることができる。たとえばロイコ染料とフェノール性物質に代表される電子受容性物質との反応によるもの、イミノ化合物とイソシアナート化合物との反応によるものや長鎖脂肪酸鉄塩と多価フェノールとの反応によるものなどいずれでもよい。
【0023】
本発明で用いる紫外線硬化型ウレタンアクリレートとしては紫外線硬化型脂肪族ウレタンアクリレートや紫外線硬化型芳香族ウレタンアクリレートを挙げることができる。これらは適宜の割合で混合して使用することもできる。
ウレタン結合を形成する脂肪族および脂環式ジイソシアネート成分として代表的なものは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)などであるがこれらに限定されるものではない。脂肪族ウレタンアクリレートは、オリゴマーないしモノマー状態の脂肪族ウレタンアクリレートが水中に分散されてなるものである。好適に利用できる市販品の具体例としては、ダイセルUCB社製のUcecoat DW7900やBASF社製のLaromer LR8949、大成化工社製のWBR−828などがある。
【0024】
一方、芳香族系ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびキシリレンジイソシアネート(XDI)などが挙げられる。脂肪族ウレタンアクリレートは芳香族ウレタンアクリレートと比較すると、前者の方が後者より、オーバーコート7のコーティング適性やオーバーコート7の硬化状態の点で好ましい。また、前者の方が後者よりも透明性に優れている。
【0025】
本発明の感熱塗工液には紫外線硬化型ウレタンアクリレート以外に、アクリル系紫外線硬化成分を配合することができる。アクリル系紫外線硬化成分の例として、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体などを挙げることができる。
【0026】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどのアクリル系紫外線硬化成分を用いることができる。
これらのアクリル系紫外線硬化成分は単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
アクリル系紫外線硬化成分としてアクリル系光重合性オリゴマーを用いることができる。アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介して飽和ポリエステルセグメントが連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0028】
光重合開始剤としては、通常使用されているものがいずれも好ましく使用できる。代表的なものは分子内結合開放型および分子間水素引抜き型ある。分子内結合開放型は分子開裂によりラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾイル・アルキル・エーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。分子間水素引抜き型は分子間の水素引抜きでラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサンソンなどが挙げられる。光重合開始剤と併用するものとして光重合開始助剤または増感剤があり、アミン類、スルホン類、ホスフィン類が使用できる。
【0029】
本発明で使用する液体トナー受容性樹脂は液体トナーに対して優れた受容性を有する樹脂でればよく、例えば、エチレン・アクリル酸系樹脂、ポリイミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂から選ばれる樹脂を挙げることができる。
【0030】
本発明で用いるエチレン・アクリル酸系樹脂は、エチレンとアクリル酸とを共重合して得られる樹脂であり、アクリル酸比率は特に限定されないが、アクリル酸比率が2〜30モル%、重量平均分子量がおよそ8000〜20000のものが好適に用いられる。エチレン・アクリル酸系樹脂は水に分散/または有機溶剤に溶解した形態で用いられる。しかし、エチレン・アクリル酸系樹脂は、通常、アクリル酸をアンモニア、アミン等のアルカリ塩またはナトリウム、亜鉛等の金属塩にして水に分散した形態で用いられる。
【0031】
本発明で用いるポリイミン系樹脂としては、分子骨格中に第一級、第二級および第三級アミノ基の一種またはそれ以上を含むポリマーであれば特に制限されるものではない。
ポリイミン系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミンなどのポリアルキレンイミン;ポリアルキレンイミンとアルデヒド化合物、ケトン化合物、アルキルハライド化合物、イソシアネート化合物、チオイソシアネート化合物、活性オレフィン化合物、エポキシ化合物、シアナミド化合物、グアニジン化合物、尿素、チオ尿素、カルボキシ化合物、酸無水物、アシルハライド化合物などとの反応物;カルボキシ含有アクリル樹脂とアルキレンイミンとの反応物であるアミノ基含有アクリル樹脂、ポリアルキレンイミンとポリアルキレンオキシドとのブロック重合体、アルキレンジクロライドとアルキレンポリアミンとの重縮合物;ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミドポリアミン・エピクロヒドリン樹脂、ポリビニルポリアミン、ポリアリルポリアミン、ポリアクリルアミドとホルマリン、アミン化合物とのマンニッヒ反応物;ビニルラクタム化合物とアクリルアミドの共重合体;ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾリン、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、キトサン、アニリンとホルマリンとの重縮合物、アルキレンジアミンとエピクロロヒドリンとの重縮合物などを挙げることができる。
本発明においては、これらのなかでも、ポリエチレンイミンおよびその誘導体は好ましく使用できる。
本発明で用いるポリイミン系樹脂の分子量は、100以上が好ましく、特に300〜100万が好ましい。
【0032】
本発明で用いるポリイミン系樹脂としては市販品を使うこともできる。市販品の例としては、ポリエチレンイミン(商品名:エポミンPシリーズ(Mn=70,000)、SPシリーズ(Mn=300〜10,000)、RPシリーズ、PPシリーズ、日本触媒社製)、エチレンイミン変性ポリマー(アミノエチル化)(商品名:ポリメントNKシリーズ、SKシリーズ、日本触媒社製)、多官能アジリジニル化合物(アジリジニル化)(商品名:ケミタイト、日本触媒社製)などを挙げることができる。
【0033】
本発明で用いるポリウレタン系樹脂は、(1)分子内に2個以上の活性水素原子を有する化合物、もしくは(2)分子内に少なくとも2個以上の活性水素原子を有する鎖伸長剤と(3)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する、有機ポリイソシアネートとを反応せしめて得られる化合物である。
【0034】
上記(1)の化合物として一般に知られているのは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールなどのグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどの多価アルコール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびピペラジンなどのジアミン類、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、チオジエチレングリコールなどのチオジグリコール類あるいは水などが挙げられる。
【0035】
上記(2)の化合物としては、末端または分子内に2個以上のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含むものであり、特に好ましいのはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイド類、あるいはスチレンオキサイドおよびエピクロルヒドリンなどを重合した化合物、あるいはそれらのランダム共重合、ブロック共重合あるいは多価アルコールへの付加重合を行って得られた化合物などがある。
ポリエステルポリオールおよびポリエーテルエステルポリオールとしては、主として直鎖状あるいは分岐状の化合物が挙げられ、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、および無水マレイン酸などの多価の飽和および不飽和カルボン酸無水物などとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、およびトリメチロールプロパンなどの多価の飽和および不飽和のアルコール類、比較的低分子量のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンエーテルグリコール類、あるいはそれらアルコール類の混合物とを縮合することにより生成し得る。
さらにポリエステルポリオールとしては、ラクトンおよびヒドロキシ酸から得られるポリエステル類が挙げられ、ポリエーテルエステルポリオールとしてはあらかじめ製造されたポリエステル類に、エチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどを付加せしめたポリエーテルエステル類が挙げられる。
【0036】
上記(3)の有機ポリイソシアネートとしては、トルイレンジイソシアネートの異性体類、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族脂肪族ジイソシアネート類、イソホロンジイソシアネートおよび4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類、あるいはそれら化合物を単一あるいは複数でトリメチロールプロパンなどとあらかじめ付加させたポリイソシアネート類が挙げられる。
【0037】
本発明で用いるポリブタジエン系樹脂は、末端にアリル基を有し、ブタジエンが1,2結合(ビニル基)、トランス−1,4結合、シス−1,4結合でランダムに結合した分子構造を有するもの(例えば、日石ポリブタジエンB−700、B−1000、B−2000、B−3000など)、これらのポリブタジエン系樹脂を変性した変性品などで、重量平均分子量が約700〜10,000、好ましくは3,000〜10,000のものが好適に使用できる。
変性品としては、マレイン化物(例えば、日石ポリブタジエンM−1000−20、M−1000−80、M−2000−20など)やそのアルカリ金属塩(例えば、酸価0.36〜1.43mmol/g)、マレイン化物をエステル化した半エステル化物、マレイン化物をメタクリル化したメタクリル化物(例えば、日石ポリブタジエンMM−1000−80など)やそのアルカリ金属塩(例えば、酸価1.16mmol/g)、マレイン化物をイミド化したイミド化物、エポキシ化物(例えば、エポキシ当量200〜246g/eq)(例えば、日石ポリブタジエンE−1000−8、E−1800−6.5、ダイセル化学工業エポリードPB3600、PB4700、出光石油化学R−15EPI、R−45EPIなど)、エポキシ化物をアミン化したアミン化物、エポキシ化物をアクリル化したアクリル化物、フェノール化物などを挙げることができる。通常は芳香族系などの有機溶剤に溶解した形態、水に分散した形態、水および有機溶剤に溶解または分散した形態で用いられる。
【0038】
本発明の感熱塗工液にはさらに、所望に応じて以下の添加物を添加できる。
顔料としては、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが利用される。
その他にヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的で、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、感度向上剤としてメタタールフェニル、パラベンジルビスフェニル、ヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ステアリン酸アミド、トリベンジルアミン、ナフタレン誘導体、ジベンジルテレフタレート、蓚酸ジベンジル、蓚酸ビス(パラメチルベンジル)などの各種蓚酸エステル等を用いることができる。
【0039】
さらに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤または界面活性剤、蛍光染料などが所望に応じて利用される。
本発明の感熱塗工液にはさらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤、染料、着色剤、滑剤などを含有させることもできる。
また、シート基材面への塗布適性や形成された感熱発色層の物理的・化学的適性などを考慮し、滑剤、増粘剤、粘度調整剤、レベリング剤、填料、消泡剤、などを適宜添加することが好ましい。
【0040】
本発明の感熱塗工液(固形分)中の紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン(固形分)や液体トナー受容性樹脂(固形分)の配合量は特に限定されないが、感熱塗工液(固形分)全体100質量部中に紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン(固形分)5〜30質量部、好ましくは10〜20質量部、液体トナー受容性樹脂(固形分)5〜50質量部、好ましくは5〜40質量部含むことが好ましい。
ただし、感熱塗工液(固形分)全体=紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン(固形分)+液体トナー受容性樹脂(固形分)+感熱発色成分+光重合開始剤+その他の添加剤(固形分)(界面活性剤、顔料、滑剤、増粘剤、粘度調整剤など)。
【0041】
本発明の感熱塗工液全体における固形分の割合は20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%、さらに好ましくは35質量%程度に調製される。ここで質量%とは乾燥質量%を表すものであり、以下の実施例においても同様である。
【0042】
本発明の感熱塗工液を用いてシート基材面上の所定箇所に感熱発色層を形成する基本的工程は、本発明の感熱塗工液を塗布する塗布工程a、感熱発色層から水分を除去する乾燥工程b、感熱発色層を紫外線照射により硬化させる硬化工程cからなる。
【0043】
本発明の感熱塗工液の塗工法は特に限定されるものではなく、例えば、刷毛塗りなど手動で塗工する方法、あるいは自動的に塗工する方法を挙げることができる。例えばグラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、リバ−スロールコーター、キスロールコーター、キャストコーター、カーテンコーターなどの塗工手段によりシート基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、乾燥、紫外線照射して硬化することにより本発明の感熱記録シートを製造することができる。本発明の感熱塗工液は各コ−タ−に適する濃度に水や最適な溶剤等で希釈されることもある。
【0044】
本発明の感熱塗工液を用いて形成される液体トナー受容性を有する感熱発色層の膜厚は、薄くてよく特に限定されないが、例えば1.0〜30.0μm、さらには2.0〜20.0μm程度であることが好ましい。膜厚が1.0μm未満であると感熱塗工層の発色性能が十分に得られ難く、5.0μmを超えると巻き取った後ブロッキングが生じる恐れがある。
シート基材面への本発明の感熱塗工液の塗工量は、膜厚が1.0〜30.0μm程度になるような塗工量であればよく、特に限定されないが、例えば1.0〜30g/m 2 、好ましくは3〜20g/m 2 、さらに好ましくは5〜15g/m 2 である。
【0045】
本発明で用いるシート基材は、その材料として、一般的に使用されるプラスチック材料(例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合(ABS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースプロピオネート(CP)など)又は紙(例えば上質紙、アート紙、コート紙など)等を好適に用いることができる。
プラスチック基材はコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理などの表面処理を施したものなどが好ましく使用できる。
【0046】
通常の紙としては、木材パルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプとしてはLBKP、NBKP、などの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどのパルプを含み、必要に応じて従来の顔料やバインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留り向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機などの各種装置で製造が可能であり、酸性、中性、アルカリ性で抄造できる。
【0047】
静電荷現像用液体トナーとしては、特に限定はなく、従来公知のトナー粒子を水および/または有機溶剤に分散したものを用いることができる。一般的に、トナー粒子は、トナー粒子を定着固定するための定着樹脂と、可視化するための着色剤、液体トナーの電気的特性を調整するための電荷調整剤等からなる。
【0048】
定着樹脂としては、従来、静電荷現像用液体トナーに使用されてきた公知の樹脂を用いることができるが、特に熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等を単体もしくは混合して用いることができる。
【0049】
着色剤としては、従来、静電荷現像用液体トナーに使用されてきた公知の顔料および/または染料を用いることができる。着色剤としては、例えば、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ベンジジンオレンジ、ファーストレッド、ブリリアントカーミン3B、銅フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スピリットブラック、オイルブルー、アルカリブルー、ロ−ダミン6B、ニグロシン、カーボンプラック、ジクロロキナクリドン、イソインドリン、酸化チタンなどが挙げられる。
【0050】
電荷調整剤としては、ナフテン酸、オクテン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸の金属塩、スルホコハク酸エステルの金属塩、ポリオキシエチル化アルキルアミンのような非イオン性界面活性剤、レシチン、アマニ油などの油脂類、ポリビニルピロリドン、多価アルコールの有機酸エステルなど公知の電荷調整剤を挙げることができる。
【0051】
【実施例】
以下本発明の内容を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明は実施例になんら限定されるものではない。
(実施例1)
<感熱発色液Aの調製>
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを25質量部をイオン交換水75質量部を混合し、サンドミルで5時間分散させ、感熱発色液Aを得た。
<感熱発色液Bの調製>
1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペタン12.5質量部と炭酸カルシウム<商品名:ブリリアント15(白石カルシウム社製)>12.5質量部、それにイオン交換水75質量部を混合し、サンドミルで5時間分散させ、感熱発色液Bを得た。
<感熱発色液Cの調製>
増感剤<商品名:PMB−2(日華化学社製)>25質量部とイオン交換水75質量部を混合し、サンドミルで平均粒子径が1μmになるまで分散させ、感熱発色液Cを得た。
【0052】
上記感熱発色液A〜Cを、A:25質量部(固形分)、B:30質量部(固形分)、C:25質量部(固形分)を混合攪拌した。この混合液に、ステアリン酸系滑剤<商品名:ハイドリンZ−7−30(中京油脂社製)>10質量部(固形分)を混合し、更に、この混合液に紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン<商品名:WBR−828(大成化工社製)>10質量部(固形分)を混合した。さらにこの混合液にポリエチレンイミン<商品名:エポミンSP−110(日本触媒社製)>5質量部を混合しよく攪拌し、本発明の感熱塗工液を得た。
【0053】
得られた本発明の感熱塗工液をフォーム上質紙<商品名:Npiフォーム55kg(日本製紙社製)>上に乾燥塗工量5g/m 2 に塗工し、ランプの管面温度260℃程度の遠赤外線を15秒間照射し、水分を蒸発させた。さらに、紫外線照射装置により350mJ/cm 2 の紫外線を照射して、塗工面を硬化させて本発明の感熱記録シートを得た。
得られた本発明の感熱記録シートから屋外検針用感熱記録シートを作成し、屋外検針用感熱記録シートについて、下記の試験法により、(1)動的発色性試験、(2)スティッキング性試験、(3)耐水ブロッキング性試験、(4)トナー定着性試験、(5)耐磨耗性能試験を行った。結果を表1に示す。
【0054】
<試験法>
(1)動的発色性試験
感熱紙印字評価試験装置<商品名:TH−PMG(大倉電機社製)>で、印加電圧:12V、パルス幅:0.5および0.7msecの条件で印字を行い、発色濃度を反射濃度計<商品名:マクベスRD−918(サカタインクス社製)>で測定を行う。
【0055】
(2)スティッキング性試験
(1)の動的発色性試験で使用した装置を用いて、パルス幅:1.0msecでベタ発色200ライン後、320msecの停止時間を5回繰り返すことによりスティッキングの有無を評価した。
(評価基準)
スティッキングの発生なし:○
スティッキングの発生あり:×
【0056】
(3)耐水ブロッキング性試験
戸外検針用感熱記録シートの記録面に水滴を垂らした後、記録面を重ね合わせて折りたたみ、100gの荷重をかけ、温度23℃、湿度50%RHの環境下で24時間放置後、貼り付き具合を評価した。
(評価基準)
貼り付きなし :◎
わずかに記録面がはがれる(実用上使用可) :○
貼り付きが激しく記録紙が破れた(実用上使用可):×
【0057】
(4)トナー定着性試験
デジタル印刷機<商品名:UltraStream(Indigo社製)>にて液体トナーでのプリント部に市販のセロハンテープを約10cmの長さに貼付し、重さ2kgのローラ(幅50mm)を一往復させることにより充分に貼付する。テープを貼付した試料を温度23℃、湿度50%RHの雰囲気に1時間放置した後、ゆっくりと剥離させ液体トナープリント部を観察・評価する。
(評価基準)
プリント部が全くとられていない :◎
細かい点状にとられた跡がある(実用上使用可) :○
プリント部が大きく剥ぎとられている(実用上使用可) :×
【0058】
(5)耐磨耗性能試験
感熱発色層にJIS P8136(板紙の耐摩耗強さ試験方法)の試験装置(JIS板紙耐摩耗試験器)を使用し、4.90±0.05Nの荷重を掛け、500往復させた後、感熱発色層の状態を観察し下記の評価基準で評価する。
(評価基準)
感熱発色層に全くキズがついていない :◎
感熱発色層に1〜3本程度のキズがついている(実用上使用可能):○
感熱発色層が剥ぎ取られている(実用上使用不可) :×
【0059】
(実施例2)
実施例1で使用した感熱発色液A〜Cの配合比率を、A:20質量部(固形分)、B:40質量部(固形分)、C:20質量部(固形分)とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0060】
(実施例3)
実施例1で使用した感熱発色液A〜Cの配合比率を、A:20質量部(固形分)、B:35質量部(固形分)、C:20質量部(固形分)とし、紫外線硬化型アクリレートを主成分とする水性エマルジョン(固形分)を15質量部とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0061】
(実施例4)
実施例1で使用した液体トナー受容性樹脂(ポリエチレンイミン)をエチレン・アクリル酸系樹脂<商品名:AD−37F1(東洋モートン社製)>に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0062】
(実施例5)
実施例1で使用した液体トナー受容性樹脂(ポリエチレンイミン)をポリブタジエン系樹脂<商品名:アドコートEL451[平均分子量8000](東洋モートン社製)>に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例6)
実施例1で使用した液体トナー受容性樹脂(ポリエチレンイミン)を20質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例7)
実施例1で使用した液体トナー受容性樹脂(ポリエチレンイミン)を40質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の感熱記録シートを作成し、それから本発明の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた本発明の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例1)
実施例1で使用した紫外線硬化型アクリレートを主成分とするエマルジョンを完全鹸化ポリビニルアルコール<商品名:PVA−117(クラレ社製)>水溶液100質量部(固形分10質量部)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較の感熱記録シートを作成し、それから比較の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた比較の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0066】
(比較例2)
実施例1で使用した液体トナー受容性樹脂(ポリエチレンイミン)を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較の感熱記録シートを作成し、それから比較の戸外検針用感熱記録シートを作成した。得られた比較の戸外検針用感熱記録シートについて、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0067】
(比較例3)
産業用感熱紙<商品名:140LAB(リコー社製)>について、実施例1と同様の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
表1から、実施例1〜7の感熱記録シートは(1)動的発色性試験、(2)スティッキング性試験、(3)耐水ブロッキング性試験、(4)トナー定着性試験、(5)耐磨耗性能試験のいずれにおいても優れていることが判る。
それに対して、比較例1〜3の感熱記録シートは(3)耐水ブロッキング性試験、(4)トナー定着性試験、(5)耐磨耗性能試験の内の1つ以上が劣っている。
【0070】
【発明の効果】
本発明の請求項1の感熱塗工液は、感熱発色成分と、紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョンと液体トナー受容性樹脂を含むことを特徴とするものであり、樹脂成分を有機溶剤に溶かした溶剤系塗料ではなく、水性エマルジョン系としたことにより、揮発性が低く、塗布量の調整が容易でシート基材面への塗布適性に優れると共に、溶媒が水であるため人体に無害であって引火性もなく、塗布工程や乾燥工程に防曝設備などを必要とせず、公知の印刷法などによりシート基材面の所定部に塗布してシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できる感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できるという顕著な効果を奏する。
【0071】
本発明の感熱塗工液は印刷生産性が高く、各種シート、磁気カード、ICカード、リライトカードなどのカードなどのシート基材面の所定箇所に塗布(例えば薄膜コーテイング)すると、シート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れ、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーの密着性、定着性に優れており、例えば液体トナーをプリントしたプリント部にセロハンテープを貼着した後、セロハンテープを剥離してもプリント部が剥離しない感熱発色層を有する感熱記録シートを容易に形成できるので、使用するシート基材は高価なコート紙に限定されず、普通の紙や合成紙、プラスチックシートやフィルム、カードなどを使用できるという顕著な効果を奏する。
【0072】
本発明の請求項2の感熱塗工液は、請求項1記載の感熱塗工液において、液体トナー受容性樹脂がエチレン・アクリル酸系樹脂、ポリイミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とするものであり、液体トナーの受容性をより向上できるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0073】
本発明の請求項3は、シート基材面の所定箇所に、請求項1あるいは請求項2記載の感熱塗工液を用いて形成された液体トナー受容性を有する感熱発色層を有することを特徴とする感熱記録シートであり、構成が簡単で安価であり、感熱発色層は各種シート、磁気カード、ICカード、リライトカードなどのカードなどのシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できるという顕著な効果を奏する。
【0074】
本発明の請求項4の感熱記録シートは、請求項3記載の感熱記録シートにおいて、検針票であることを特徴とする。
【0075】
感熱発色層はシート基材面との密着性が高くかつ表面強度が大きく表面耐摩耗性に優れ、耐水性および耐水ブロッキング性に優れるので戸外で使用でき、かつ印字障害も生ぜず、感熱式プリンタでの出力が可能であるとともに、液体トナーを使用して電子写真法による高精細で高品質の出力画像を1次記入したり2次記入できるなど検針票として要求される各種特性を備えているというさらなる顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱塗工液を用いて形成された感熱発色層を有する感熱記録シートの一例である検針票の1実施を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 検針票
2 シート基材
3 感熱発色層
4 記録欄用の枠
5 発行者名
6 各種の情報
Claims (4)
- 感熱発色成分と、紫外線硬化型ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョンと液体トナー受容性樹脂を含むことを特徴とする感熱塗工液。
- 液体トナー受容性樹脂がエチレン・アクリル酸系樹脂、ポリイミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂から選ばれる樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感熱塗工液。
- シート基材面の所定箇所に、請求項1あるいは請求項2記載の感熱塗工液を用いて形成された液体トナー受容性を有する感熱発色層を有することを特徴とする感熱記録シート。
- 検針票であることを特徴とする請求項3記載の感熱記録シート。
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