JP2001277732A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2001277732A
JP2001277732A JP2000095590A JP2000095590A JP2001277732A JP 2001277732 A JP2001277732 A JP 2001277732A JP 2000095590 A JP2000095590 A JP 2000095590A JP 2000095590 A JP2000095590 A JP 2000095590A JP 2001277732 A JP2001277732 A JP 2001277732A
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Kazuhisa Kobayashi
和久 小林
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶剤を用いず、低コストで容易に製造で
き、かつ画像記録前の材料の、および記録後の画像の保
存安定性に優れた記録材料を提供する。 【解決手段】実質的に非感光性の有機銀塩、該有機銀塩
の還元剤、水溶性および/または水分散性樹脂バインダ
ーを含有する感熱記録層を有し、かつ該記録層上に架橋
されたポリマー皮膜からなる保護層を有し、この架橋さ
れたポリマー皮膜の25℃60%RHの条件下における平衡含
水率が2%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドに
よる加熱により画像を形成することができる感熱記録材
料に関し、特に高湿度雰囲気下での保存性に優れ、かつ
有機溶剤を使用しない塗工が可能な感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高画質の画像記録方法として、ハロゲン
化銀を用いた湿式処理の画像形成方法は、長く一般的に
用いられてきた。しかしながら湿式処理であるがため、
処理化学薬品の廃液処理や、配管などによる設備の設置
における制限等から、これら処理溶液を用いない画像形
成方法が望まれてきた。その結果、現在ハードコピー材
料としてインクジェットプリンター、電子写真、染料熱
転写、直接感熱法などといった画像形成システムの応用
が検討されている。しかしこれらの乾式画像形成方法
は、医療用画像のような優れた粒状性や高い空間、濃度
解像力を求められる分野においてはなかなか満足のでき
るものがない。
【0003】このような中で、米国特許第3,074,809号
や同第3,080,254号等で古くから知られている、実質的
に非感光性の有機酸銀塩と有機還元剤からなる感熱記録
材料は、特表平8-505579や特表平9-504752に記載のよう
に、サーマルヘッドを搭載したプリンターによる直接感
熱画像記録に用いることで、他の記録方法では得られな
い最高濃度やなめらかな階調の透過画像を得ることがで
き、医療用画像の分野への応用には適している。また非
感光性であり、ユーザーの取り扱い性にも優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような直接
感熱材料は熱のみによる画像形成であるがゆえに、比較
的低い温度下でも長期間の保存では最小濃度の増加が生
じたり、特に、銀塩湿式処理の画像では定着工程で非画
像部の画像形成要素が除去されるため、画像形成後の画
像は安定であるが、直接感熱材料では、画像形成後もこ
れらの要素が材料中に残存しているため、画像形成後の
保存性がしばしば問題となってくる。とりわけ高い湿度
下での保存においてこの傾向は顕著である。
【0005】このような問題の解決法として、感熱層の
バインダーとして疎水性の樹脂を用い、2-ブタノンやア
セトンのような有機溶剤を使用した塗液を塗工して、材
料の疎水性を高めることが考えられるが、溶剤の回収に
かかるコストや作業衛生上の問題から好ましくない。
【0006】本発明の目的は、有機溶剤を用いず、低コ
ストで容易に製造でき、かつ画像記録前の材料の、およ
び記録後の画像の保存安定性に優れた記録材料を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の感熱記録材料は、実質的に非感光性の有機銀塩、該
有機銀塩の還元剤、水溶性および/または水分散性ポリ
マーバインダーを含有する感熱記録層を有し、かつ支持
体から見て該感熱記録層より遠い側に、架橋されたポリ
マー皮膜からなる保護層を有し、前記の架橋されたポリ
マー皮膜の25℃60%RHの条件下における平衡含水率が2
%以下であることを特徴とする。この保護層のポリマー
は、水分散性ポリマーが化学的に架橋されたものである
こと、あるいは水溶性モノマーおよび/または水分散性
放射線硬化樹脂を含む塗液から形成され、放射線硬化さ
れたものであることが望ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下で本発明をさらに詳しく説明
する。
【0009】本発明の感熱記録層に用いられる有機銀塩
は、実質的に非感光性の、無色あるいは白色の銀塩であ
って、後述する還元剤とともに加熱されることにより還
元されて銀を発生するものである。具体的には、熱現像
感光材料に関するリサーチディスクロージャー第17029
(II)項、第29963(XVI)項に記載されているような没
食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチ
ン酸、ラウリン酸等の有機酸塩;1-(3-カルボキシプロ
ピル)チオ尿素、1-(3-カルボキシプロピル)-3,3-ジメチ
ルチオ尿素等のカルボキシアルキルチオ尿素の銀塩;ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド
等のアルデヒド類とサリチル酸、安息香酸、3,5-ジヒド
ロキシ安息香酸、5,5-チオジサリチル酸等の芳香族カル
ボン酸との高分子反応生成物と銀との錯体;3-(2-カル
ボキシエチル)-4-ヒドロキシメチル-4-チアゾリン-2-チ
オン、3-カルボキシメチル-4-メチル-4-チアゾリン-2-
チオン等のチオン類の銀塩または錯体;イミダゾール、
ピラゾール、ウラゾール、1,2,4トリアゾールおよび1H-
テトラゾール、3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-トリア
ゾールおよびベンゾトリアゾールから選ばれる窒素酸の
銀塩または錯体;サッカリン、5-クロロサリチルアルド
キシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩などがあげられ
る。これらのうち炭素数が10以上の脂肪酸銀が好まし
く、ステアリン酸銀、ベヘン酸銀等が特に好ましく用い
られる。
【0010】これらの有機銀塩あるいは錯体は、水、脂
肪族炭化水素、エステル類、アルコール類、エーテル類
等の適当な溶媒に溶解、あるいは分散した有機物あるい
はその塩に、同様に適当な溶媒に溶解あるいは分散させ
た硝酸銀等の銀塩を混合することにより容易に得られ
る。得られた結晶からは、さらに水洗等により無関係塩
を除去することが好ましい。得られた結晶は水に不溶の
ため、本発明においては高速攪拌機やボールミル、サン
ドミル、コロイドミル、振動ミル、超音波分散機、ホモ
ジナイザー等により分散し、安定な水系分散液として用
いるのが好ましい。この際、必要に応じて界面活性剤を
分散助剤として、さらには親水性高分子化合物を保護コ
ロイドとして用いてもよい。
【0011】本発明で用いられる上記の還元可能な銀源
の銀量は、求められる最大濃度によって決まるが、一般
的には銀量として3g/m2以下、好ましくは0.5〜2.0g/m2
である。
【0012】本発明の感熱記録材料において、上記有機
銀塩を加熱により黒化させる還元剤としては米国特許3,
074,809に記載のピロガロール、4-ステアロイルピロガ
ロール、没食子酸イソプロピル、3,4-ジヒドロキシ安息
香酸エチル、2,5-ジヒドロキシ安息香酸など、米国特許
3,440,049あるいは特開平6-317870に記載のポリヒドロ
キシインダン類などがあげられる。さらに特願2000-214
76に記載の次の一般式[I]〜[III]であらわされる化
合物は、本発明に用いられる還元剤としては特に好まし
い。
【0013】
【化1】
【0014】一般式[I]において、R1およびR2はハメ
ットの置換基定数σが正の値を示す置換基である。一般
式[II]においてZは環構造を形成するために必要な原
子群をあらわす。一般式[III]においてR3およびR4は
水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、アシル基、エステル基、アミド基、
シアノ基、ニトロ基、スルホニル基を示し、R3およびR4
が結合して環構造を形成してもよい。一般式[I]〜[I
II]において、ジヒドロキシ基を有するベンゼン環は任
意に置換基を有していてよい。
【0015】以下に一般式[I]〜[III]で示される化
合物の具体例を示すが、本発明に用いられる還元剤はこ
れらに限定されるものではない。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】これらの還元剤の添加量は、還元剤の種類
や、有機銀塩の種類によって広範に変化しうるが、一般
的には有機銀塩1モルあたり約0.1〜3モル、好ましくは
0.3モル〜2モルである。また種々の目的のために、上
記還元剤は2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明に使用される還元剤は当業者に公知
の様々な方法、たとえば適当な有機溶媒に溶解させる、
ボールミル等を用い固体分散物とする、あるいは他の添
加剤とともに乳化分散し乳化物とするなどして添加され
る。本発明の目的から多量の揮発性有機溶媒を用いるこ
とは好ましくないため、固体分散物や乳化物として添加
するのが好ましい。また還元剤は必ずしも有機銀塩を含
む層に添加する必要はなく、別の層に添加しても、ある
いは振り分けて添加してもよい。
【0020】本発明の感熱記録材料において形成される
還元銀像が冷黒を示すために色調剤を用いることは好ま
しい。色調剤の例としては前出の熱現像感光材料に関す
るリサーチディスクロージャー第17029(V)項、第2996
3(XXII)項等で公知であり、具体的にはフタルイミド
等のイミド類、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール等の
メルカプト化合物、フタラジン、フタラジノン、4-メチ
ルフタル酸、テトラクロロフタル酸等のフタル酸誘導
体、1,3-ベンズオキサジン-2,4-ジオン等のベンズオキ
サジン誘導体等があげられる。
【0021】本発明の感熱記録材料において還元による
画像銀の形成の抑制や促進、印字前後の保存性を向上さ
せる等の目的で、様々な促進剤や安定剤およびそれらの
前駆体を用いてもよい。具体的には写真用安定剤、抑制
剤としてよく知られているベンゾトリアゾール、5-メチ
ルベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、
2-メルカプトベンゾトリアゾール、2-メルカプトメンズ
イミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メル
カプトベンズオキサゾール、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,
3,3a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾ
ール、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、
4-ベンツアミド-3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリ
アゾールなどから選ぶことができる。
【0022】本発明の感熱記録層に用いられるバインダ
ーは水溶性および/または水分散性ポリマーバインダー
であり特に限定されるものではないが、たとえば水溶性
バインダーとしてはゼラチン、ポリビニルアルコール、
ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセル
ロース等のセルロース誘導体、デキストラン等の多糖類
などがあげられる。水分散性ポリマーは、ポリマー固体
が微粒子の状態で分散しているラテックスやポリマー分
子がミセルを形成し分散しているものなどがあり、この
ポリマーとしてはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などがあ
る。本発明においては、これらの中で塗工、乾燥後透明
な被膜を形成するものが好ましい。またこれらは必要に
応じて水溶性バインダーどうし、水分散性ポリマーどう
し、水溶性バインダーと水分散性バインダーなどと2種
以上併用してもよい。
【0023】感熱記録層に用いられるバインダーは必要
に応じて架橋されていてもよい。架橋剤として例えばポ
リビニルアルコールに対しては硼酸化合物、アルデヒド
類、メチロール基含有化合物など、アクリル樹脂に対し
てはエポキシ基あるいはエピクロルヒドリン基を有する
化合物など、ポリウレタン樹脂に対してはイソシアネー
ト基を有する化合物などポリマーの種類によって適した
ものを選ぶことができる。
【0024】本発明の感熱記録層を形成する塗液には、
その他必要に応じて顔料、ワックス、増粘剤、塗布助剤
等を添加してもよい。
【0025】本発明の目的を達成するために保護層はき
わめて重要である。本発明はこの保護層を形成するポリ
マー皮膜の25℃60%RHの条件下における平衡含水率が2
%以下であることを特徴とする。ここでいう25℃60%RH
の条件下における平衡含水率とは、具体的には例えば以
下の手順により求めることができる。保護層塗液のう
ち、ポリマーと硬化剤のみをガラス板上にバインダー量
がおおよそ10g/m2となるように塗布し50℃で乾燥した。
その後、必要な架橋条件を与えた後にガラス板上から剥
離し、25℃60%RHのもとで6時間調湿し秤量(M1)し
た。この秤量したものを25℃真空乾燥を3日間行い、再
び秤量(M0)し含水率{(M1-M0)/M0}X100(重量%)
を求める。このような条件を満たすポリマーは、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂などから選ぶことが好ましく、ま
たこれらの樹脂の水分散物は市販もされており容易に入
手可能である。
【0026】本発明の保護層には、塗液の粘度の調整等
の目的で、単独では25℃60%RHの条件下における平衡含
水率が2%以上のポリマーを上記ポリマーと併用して用
いてもよい。このようなポリマーの例としてはゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、スチレンー無水マレイン酸共重合体などがあげられ
る。ただし本発明の効果を得るためには併用したポリマ
ーの25℃60%RHの条件下における総平衡含水率が2%以
下でなければならない。
【0027】これらの樹脂分散物やポリマー溶液を塗工
乾燥して得られる層の架橋剤は、ポリマーによってアル
デヒド類、メチロール化合物、エポキシ化合物、メラミ
ン、ベンゾグアナミン等のアミノ樹脂、イソシアナート
化合物などから選ばれる。本発明では特に最低濃度の上
昇等の問題を生じさせないために、常温で実用上問題の
ない強度に速やかに架橋が進行するよう架橋剤の種類や
量を選択しなければならない。
【0028】常温硬化や生産性が高いという点でさらに
好ましいのは電子線や光などの放射線により架橋された
ポリマーからなる保護層である。一般にこのような層は
重合性オリゴマー、モノマー、光架橋の場合は光開始剤
等を配合した光硬化性樹脂を塗工し、紫外線や電子線を
放射し硬化させて得られる。
【0029】重合性オリゴマーとしてはエポキシアクリ
レート、各種ポリオールと有機イソシアネートと水酸基
含有アクリレートを反応させて得られるウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレートなどがある。モノマ
ーは、塗液の粘度を下げる、接着性や硬化膜の性質の改
良のために用いられ、具体的には単官能のアルキレンオ
キサイド変性アクリレート、N-ビニルピロリドン、アク
リロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクトン、イソボ
ルニルアクリレート、N-ビニルホルムアミドなど、多官
能のポリアルキレングリコールアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートなどがあげられる。
【0030】本発明において特に好ましくは、これらの
重合性オリゴマーを乳化等により水中に分散されたもの
であり、硬化膜の性質の改良等の目的で水溶性あるいは
水に分散可能なモノマーとあわせて水系の塗工液を調製
し塗工乾燥後、紫外線や電子線を放射し硬化させて得ら
れる保護層である。
【0031】光開始剤として具体的にはベンゾフェノ
ン、オルトベンゾイル安息香酸メチル、2-ヒドロキシ-2
-メチル-1-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトンなどがあげられる。さらにその他の
添加剤としてp-メトキシフェノール等の重合禁止剤など
を含有させてもよい。また水系塗工液の場合、これら光
開始剤や添加剤は界面活性剤などを用い乳化させて添加
させるのが好ましい。
【0032】本発明の保護層には、サーマルヘッドとの
マッチング性を向上させるため、あるいは得られる画像
の光沢を防ぐために。炭酸バリウム、クレー、シリカ、
酸化亜鉛、水酸化アルミニウム等のフィラー、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の滑り剤などを必
要に応じて含有させてもよい。その際これらは水性塗工
の場合は水分散物として、放射線硬化樹脂塗工の場合は
適当なモノマー等に公知の方法で分散させ添加すること
が好ましい。さらに塗布性向上のために界面活性剤を含
有させてもよい。界面活性剤としては特に限定なくノニ
オン系、アニオン系、カチオン系いかなるものも使用し
てもよい。
【0033】該保護層の厚さは、用いるバインダーの種
類や求められる感熱感度、サーマルヘッドとのマッチン
グ性により広範に変化しうるが、一般的に0.1〜10ミク
ロン、好ましくは0.5〜5ミクロンの範囲から選ばれ
る。
【0034】本発明の感熱記録材料は、様々な支持体上
に塗工することができる。たとえばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、硝酸セルロー
ス、ポリカーボネートなどの樹脂フィルム、樹脂コート
された紙、バライタ紙、合成紙、ガラス、金属などがあ
げられる。支持体は透明でも不透明でもよいが本発明に
おいては透明であることが好ましい。これらの支持体は
易接着加工されていてもよい。また透過画像としての視
覚性向上のため着色した支持体を用いてもよい。
【0035】本発明の感熱記録材料の塗工法については
特に制限はなく、E. Cohen, E. Gutoff, "Modern Coati
ng and Drying Technology", VCH Publishers, Inc. Ne
w York, 1992 に記載されているような各種の塗工法か
ら選択することができる。さらに複数の層を同時に塗布
することは、生産性を向上させる意味でも特に好まし
い。
【0036】本発明の感熱記録材料にはさらに必要に応
じて、上記感熱記録層、保護層に加えて中間層、アンダ
ーコート層、帯電防止層などを設けてもよい。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
るが勿論これらに限定されるものではない。 実施例1 <ベヘン酸銀の調製>90℃の水960gにベヘン酸34gを加
え、激しく攪拌しながら1N-水酸化ナトリウム水溶液100
mlを約30分かけて滴下したのち40℃に降温した。そこに
1N-リン酸22.5mlを加えて15.3gの硝酸銀を220gの水に溶
解した溶液を約60分かけて滴下した。得られた結晶を吸
引濾過により取り出し、水洗水の電導度が30μS/cm以下
になるまで水洗し、乾燥させ90%転化のベヘン酸銀結晶
を得た。
【0038】<ベヘン酸銀分散液の調製>上記ベヘン酸
銀結晶20g、5重量%のポリビニルアルコール(クラレ
(株)製PVA203)を32gを48gの水に加え、ビーズミルを
用いて平均粒径1ミクロン以下の20重量%ベヘン酸銀分
散液を得た。
【0039】<還元剤/添加剤分散液の調製>10重量%
ポリビニルアルコール(PVA203)58g、5重量%ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム10g、例示化合物(R-2)
50g、テトラクロロフタル酸無水物7.6g、2-メルカプト-
5-メチルベンズイミダゾール6g、フタラジノン10g、水
を加えて250gとしたものをビーズミルを用いて分散し、
還元剤/添加剤分散液を得た。
【0040】上記分散液を用いて下記の感熱記録層塗液
を調製した。 <感熱記録層塗液1>ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添
加剤分散液5.7g、8重量%ポリビニルアルコール(クラ
レ(株)製PVA217)75g、水を加えて120gとする。 <感熱記録層塗液2>ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添
加剤分散液5.7g、ニポールLX811(日本ゼオン(株)製
アクリレートラテックス)13.3g、水を加えて60gとす
る。 <感熱記録層塗液3>ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添
加剤分散液5.7g、ハイドランAP-40F(大日本インキ化学
工業(株)製ポリウレタンディスパージョン)27.3g、
水を加えて80gとする。これら感熱層塗液1〜3各々をベ
ヘン酸銀が6g/m2となるように厚さ175ミクロンのポリエ
チレンテレフタレート支持体上に塗布、乾燥し、感熱記
録層1〜3を得た。
【0041】下記の保護層塗液を調製した。 <保護層塗液1>バリアスターB1000(三井化学(株)製
アクリレートディスパージョン、固形分20%)10g、デ
ナコールEX810(ナガセ化成工業(株)製エポキシ化合
物)30mg、シリカ微粒子(平均粒径1.5ミクロン)1g、
ステアリン酸亜鉛微粒子ディスパージョン(平均粒径0.
3ミクロン、固形分量20%)1g、水を加えて20gとする。
【0042】<比較保護層塗液1>7重量%ポリビニルア
ルコール(クラレ(株)製PVA117)水溶液28.6g、シリ
カ微粒子(平均粒径1.5ミクロン)1g 。ステアリン酸亜
鉛微粒子ディスパージョン(平均粒径0.3ミクロン、固
形分量20%)1g、10%グリオキザール水溶液2.2g、水を
加えて48gとする。
【0043】<比較保護層塗液2>石灰処理ゼラチン2
g、シリカ微粒子(平均粒径1.5ミクロン)1g 。ステア
リン酸亜鉛微粒子ディスパージョン(平均粒径0.3ミク
ロン、固形分量20%)1g、10%グリオキザール水溶液0.
5g、水を加えて20gとする。
【0044】表1に記載のように、感熱記録層1〜3各々
の上に上記保護層をバインダー量が1.5g/m2となるよう
に塗布し、50℃1昼夜加熱し硬化させた。
【0045】
【表1】
【0046】表中、保護層の含水率は次のようにして測
定した。各々の保護層塗液のうち、ポリマーと硬化剤の
みをガラス板上にバインダー量がおおよそ10g/m2となる
ように塗布し50℃で乾燥した。その後50℃で12時間熱処
理したのちガラス板上から剥離し、25℃60%RHのもとで
6時間調湿し秤量(M1)した。この秤量したものを25℃
真空乾燥を3日間行い、再び秤量(M0)し含水率{(M1-
M0)/M0}X100(重量%)を求めた。
【0047】感熱記録は、サーマルヘッド(TDK(株)
製LH4409型)を用いて印加電圧およびパルス幅を変えて
発色濃度を変えて行い、非印字部および透過濃度が1.0
である部分の濃度変化を印字直後と50℃60%RHの強制条
件下で7日間放置した後とを比較した。結果を表1に記載
した。
【0048】表1より、本発明の感熱記録材料は、画像
記録前の材料の、および記録後の画像の保存安定性に優
れていることが明らかである。
【0049】実施例2 実施例1で作成した感熱記録層と同じものの上に、以下
の組成を持つUV硬化型の保護層をバインダー量が1.5g/m
2となるように設けた。硬化は高圧水銀ランプ(80W/c
m)を用い、照射距離10cm、スピード10m/minの条件で行
った。 <保護層塗液2>スーパーフレックスR-5000(第一工業
製薬(株)製UV硬化性ウレタンアクリレート水分散体、
固形分量40%)5g、ポリエチレンジアクリレート0.3g、
2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン0.1g(HLB=1
5のノニオン系界面活性剤で分散し添加)、ヒドロキシ
プロピルセルロース0.5g、シリカ微粒子(平均粒径1.5
ミクロン)1g、ステアリン酸亜鉛微粒子ディスパージョ
ン(平均粒径0.3ミクロン、固形分量20%)1g、水を加
えて20gとする。
【0050】<保護層塗液3>スーパーフレックスR-51
00(第一工業製薬(株)製UV硬化性ウレタンアクリレー
ト水分散体、固形分量40%)5g、ペンタエリスリトール
トリアクリレート0.3g、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロ
パン-1-オン0.1g(HLB=15のノニオン系界面活性剤で分
散し添加)、シリカ微粒子(平均粒径1.5ミクロン)1
g、ステアリン酸亜鉛微粒子ディスパージョン(平均粒
径0.3ミクロン、固形分量20%)1g、水を加えて20gとす
る。
【0051】実施例1と同様に、得られた感熱記録材料
の保存安定性について評価し、結果を表2にまとめた。
表中、保護層の含水率は次のようにして測定した。各々
の保護層塗液のうち、ポリマー、モノマーと開始剤のみ
をガラス板上にバインダー量がおおよそ10g/m2となるよ
うに塗布し50℃で乾燥した。その後高圧水銀ランプ(80
W/cm)を用い、照射距離10cm、スピード10m/minの条件
で紫外線硬化させたのちガラス板上から剥離し、25℃60
%RHのもとで6時間調湿し秤量(M1)した。この秤量し
たものを25℃真空乾燥を3日間行い、再び秤量(M0)し
含水率{(M1-M0)/M0}X100(重量%)を求めた。
【0052】
【表2】
【0053】表2より、本発明の感熱記録材料は、画像
記録前の材料の、および記録後の画像の保存安定性に優
れていることが明らかであり、塗工に有機溶媒を全く使
っていないために安全に生産が可能で、 硬化に必要な
加温処理が不要で高い生産性が実現できた。
【0054】
【発明の効果】本発明により、有機溶剤を用いず、低コ
ストで容易に製造でき、かつ画像記録前の材料の、およ
び記録後の画像の保存安定性に優れた記録材料を提供す
ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に非感光性の有機銀塩、該有機銀
    塩の還元剤、水溶性および/または水分散性樹脂バイン
    ダーを含有する感熱記録層と、支持体から見て該感熱記
    録層より遠い側に架橋されたポリマー皮膜からなる保護
    層を有し、前記の架橋されたポリマー皮膜の25℃60%RH
    の条件下における平衡含水率が2%以下であることを特
    徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記保護層のポリマーが、水分散性ポリ
    マーが化学的に架橋されたものであることを特徴とする
    請求項1の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記保護層が水溶性モノマーおよび/ま
    たは水分散性放射線硬化樹脂を含む塗液から形成され、
    放射線硬化されたものであることを特徴とする請求項1
    の感熱記録材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004258194A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Toppan Forms Co Ltd 感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シート

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