JP2002240436A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002240436A
JP2002240436A JP2001040742A JP2001040742A JP2002240436A JP 2002240436 A JP2002240436 A JP 2002240436A JP 2001040742 A JP2001040742 A JP 2001040742A JP 2001040742 A JP2001040742 A JP 2001040742A JP 2002240436 A JP2002240436 A JP 2002240436A
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Makoto Takagi
信 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】最高濃度および保存性に優れた熱画像形成材料
を提供すること。 【解決手段】支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩及
び有機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくとも
一層有する熱画像記録材料において、画像形成層のバイ
ンダーとしてウレタン樹脂エマルジョンとブタジエンを
重合成分に含むブタジエン系ラテックスを併用すること
を特徴とする熱画像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は画像記録
材料、特に有機銀塩を用いて乾式処理により銀画像を形
成させることが出来る熱画像形成材料に関し、特に高湿
度雰囲気下での保存性に優れ、かつ水系塗工が可能な感
熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】高画質の画像記録方法として、ハロゲン
化銀を用いた湿式処理の画像形成方法は、長く一般的に
用いられてきた。しかしながら湿式処理であるがため、
処理化学薬品の廃液処理や、配管などによる設備の設置
における制限等から、これら処理溶液を用いない画像形
成方法が望まれてきた。その結果、現在ハードコピー材
料としてインクジェットプリンター、電子写真、染料熱
転写、直接感熱法などといった画像形成システムの応用
が検討されている。しかしこれらの乾式画像形成方法
は、医療用画像のような優れた粒状性や高い空間、濃度
解像力を求められる分野においてはなかなか満足のでき
るものがない。
【0003】このような中で、熱処理によって画像を作
り出すための、フィルムや印画紙をはじめとする熱画像
形成材料が知られている。熱画像形成材料には像に応じ
た露光(像様露光)の後、記録材料表面を均一に加熱す
ることにより現像を行う熱画像形成材料と、像に応じた
加熱(像様加熱)により画像を形成させる熱画像形成材
料が含まれる。このような熱画像形成材料については、
米国特許第3,074,809号や同第3,080,2
54号等で古くから知られている。またこのような実質
的に非感光性の有機酸銀塩と有機還元剤からなる感熱記
録材料は、特表平8−505579号や特表平9−50
4752号に記載のように、サーマルヘッドを搭載した
プリンターによる直接感熱画像記録に用いることで、他
の記録方法では得られない最高濃度やなめらかな階調の
透過画像を得ることができ、医療用画像の分野への応用
には適している。また非感光性であり、ユーザーの取り
扱い性にも優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような直接
感熱材料は熱のみによる画像形成であるがゆえに、比較
的低い温度下でも長期間の保存では最小濃度の増加が生
じたり、特に、銀塩湿式処理の画像では定着工程で非画
像部の画像形成要素が除去されるため、画像形成後の画
像は安定であるが、直接感熱材料では、画像形成後もこ
れらの要素が材料中に残存しているため、画像形成後の
保存性がしばしば問題となってくる。とりわけ高い湿度
下での保存においてこの傾向は顕著である。
【0005】このような問題の解決法として、感熱層の
バインダーとして疎水性の樹脂を用い、2-ブタノンやア
セトンのような有機溶剤を使用した塗液を塗工して、材
料の疎水性を高めることが考えられるが、溶剤の回収に
かかるコストや作業環境上の問題から好ましくない。特
開昭49−52626号、同58−28737号、同6
0−61747号等には水溶性高分子をバインダーに用
いて有機溶剤を用いずに製造する方法が開示されてい
る。また特開平9−254554号、同11−1707
09号らには画像形成層のバインダーとしてポリマーラ
テックスを利用し、有機溶剤を用いずに製造する方法が
開示されているが、高い最高濃度やなめらかな階調の透
過画像を得る事と画像形成後の保存性が両立できるまで
には至っていない。
【0006】一方、特開平11−170694号にはポ
リマーラテックスを用い、水系塗工により得られる熱画
像形成材料の画像色調および/または永久保存性を向上
させる事が記載されている。しかし画像形成後の保存
性、とりわけ高い湿度条件下において非画像部よりも特
に画像部の濃度が増加する傾向があり、優れた画像色調
と画像形成後の保存性が両立できるまでには至っていな
い。またポリマーラテックスを熱画像形成層のバインダ
ーに用いる場合、塗液状態での経時安定性に問題があ
り、改善が望まれていた。
【0007】従って、本発明の目的は、第一に塗工液の
溶媒として水を主体とする水系塗工が可能であり、併せ
て最高濃度および保存性に優れた熱画像形成材料を提供
することである。第二に水系塗工が可能であり、最高濃
度および保存性に優れ、かつ画像色調が改善された熱画
像形成材料を提供することである。第三にポリマーラテ
ックスを熱画像形成層のバインダーに用いる場合の塗液
状態での経時安定性を改善することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は下記の本発明
によって達成される。 (1) 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩及び有
機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくとも一層
有する熱画像記録材料において、画像形成層のバインダ
ーとしてウレタン樹脂エマルジョンとブタジエンを重合
成分に含むブタジエン系ラテックスを併用することを特
徴とする熱画像記録材料。 (2) 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩及び有
機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくとも二層
有する熱画像記録材料において、支持体から最も離れた
画像形成層のバインダーとしてウレタン樹脂エマルジョ
ンを主体に用い、かつ前記支持体から最も離れた画像形
成層以外の画像形成層にバインダーとしてウレタン樹脂
エマルジョン以外のバインダーを主体に用いたことを特
徴とする熱画像記録材料。 (3) 前記支持体から最も離れた画像形成層以外の画
像形成層のバインダーとして、ブタジエンを重合成分に
含むブタジエン系ラテックスを主体に用いる(2)記載
の熱画像記録材料。 (4) 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩及び有
機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくとも一層
有する熱画像記録材料において、該画像形成層のバイン
ダーとして、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を有す
る異相粒子構造のポリマーラテックスを用いることを特
徴とする熱画像記録材料。
【0009】
【発明の実施の形態】以下で本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の一つの態様は、画像形成層にウレタン樹
脂エマルジョンとブタジエン系ラテックスを含有するこ
とである。この場合、画像形成層は単一層であっても、
複数層であっても良い。複数層の場合は、それぞれの層
にウレタン樹脂エマルジョンとブタジエン系ラテックス
を含有させてもよく、あるいはウレタン樹脂エマルジョ
ンとブタジエン系ラテックスを別々の層に分けて含有さ
せても良い。前記したウレタン樹脂エマルジョンとブタ
ジエン系ラテックスを別々の層に分けて含有させる場合
は、ウレタン樹脂エマルジョンを支持体から最も離れた
層に含有させるのが好ましい。
【0010】上記の態様において、ウレタン樹脂エマル
ジョンとブタジエン系ラテックスとの合計の含有量は、
画像形成層の全バインダーに対して70重量%以上が好
ましく、特に80重量%以上が好ましい。また、ウレタ
ン樹脂エマルジョンとブタジエン系ラテックスの含有重
量比は、ウレタン樹脂エマルジョンに対してブタジエン
系ラテックスは1〜4倍が好ましい。
【0011】本発明の別の様態は、少なくとも2層の画
像形成層を有し、支持体から最も離れた画像形成層(以
降、最外層と称す)にバインダーとしてウレタン樹脂エ
マルジョンを主体に用い、かつ前記最外層以外の画像形
成層にバインダーとしてウレタン樹脂エマルジョン以外
のバインダーを主体に用いることである。ここで画像形
成層にバインダーとして主体に用いるとは、当該画像形
成層の全バインダーに対して50重量%以上を意味す
る。好ましくは全バインダーに対して60重量%以上で
あり、特に70重量%以上が好ましい。この様態におい
て、最外層にはバインダーとしてウレタン樹脂エマルジ
ョンを60重量%以上用いるのが好ましく、特に70重
量%以上用いるのが好ましい。最外層以外の画像形成層
には、ウレタン樹脂エマルジョン以外のバインダーを6
0重量%以上用いるのが好ましく、特に70重量%以上
用いるのが好ましい。最外層以外の画像形成層に用いら
れるバインダーとしては、特に限定されないが、各種ポ
リマーラテックスやポリマーエマルジョンが挙げられ
る。例えば天然ゴムラテックス、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重
合体、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン重合
体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリスチレ
ン、アクリレート系重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニ
ル共重合体、酢ビ−エチレン系共重合体、アクリレート
−スチレン系重合体、ポリエチレン、塩化ビニル系重合
体、塩化ビニリデン系重合体等が挙げられる。その中で
もスチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン系重合体、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエ
ン重合体等が好ましい。
【0012】また、上記態様において、最外層に含まれ
る有機銀塩の量は、全画像形成層に含まれる有機銀塩に
対して40重量%以下が好ましく、特に30重量%以下
が好ましい。
【0013】本発明の更に別の様態は、画像形成層にバ
インダーとして、ウレタン樹脂を成分として含む異相粒
子構造のポリマーラテックスを用いることである。異相
粒子構造のポリマーラテックスは、特にその異相粒子構
造は限定しない。異相構造粒子の構造例および調整法は
「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡
一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(199
3)」に記載されている。例としてコア−シェル構造、
複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構
造、多粒子複合構造、みかずき構造、IPN(相互貫入
網目構造)等があるが、本発明はコア−シェル構造、複
合構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造が好まし
く、更にポリマーラテックスの好ましい異相粒子構造に
おいてポリマーラテックスの中心部にウレタン樹脂成分
を配合することがより好ましい。
【0014】上記したウレタン樹脂を成分の一つとして
含む異相粒子構造のポリマーラテックスを用いることに
よって、良好な画像保存性および高い光学濃度が得られ
るが、他に以下のような効果があることを見いだした。
【0015】非感光性の有機銀塩及び有機銀塩の還元剤
を含有する画像形成層を有する熱画像記録材料におい
て、画像形成層塗液にポリマーラテックスを添加する場
合、特に注意すべき事はポリマーラテックスの安定性で
ある。凝集に対する抵抗性をポリマーラテックスの安定
性と称するが、ポリマーラテックスを用いた画像形成層
塗液は経時により安定性が低下し、ポリマーラテックス
の添加量全体の数%以下のポリマーラテックスが凝集
し、塗布欠陥が生じる。本発明の少なくとも一相にウレ
タン樹脂成分を有する異相粒子構造のポリマーラテック
スを用いた画像形成層塗液は、経時による安定性が改善
できる。
【0016】本発明に用いられる異相粒子構造のポリマ
ーラテックスはウレタン樹脂以外の成分として例えば天
然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン系重合体、ポリアクリロニト
リル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチルアクリレート、ポリ
ブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ
塩化ビニル等を含むラテックスである。ウレタン樹脂以
外の成分としては、スチレン−ブタジエン系重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン系重合体等が好ましい。異相粒子構
造のポリマーラテックス中のウレタン樹脂の含有割合は
10〜90重量%が適当であり、好ましくは20〜80
重量%である。この様な異相粒子構造を有するポリマー
ラテックスは例えばパテラコールH2090、H202
0など(以上大日本インキ化学工業(株)製)として市
販されており、容易に入手し利用することができる。
【0017】異相粒子構造のポリマーラテックスを画像
形成層のバインダーとして含有させる場合には、当該画
像形成層の全バインダーに対して50重量%以上用いる
のが好ましく、60重量%以上がより好ましく、特に7
0重量%以上用いるのが好ましい。画像形成層が2層以
上の場合には、いずれの画像形成層に用いても良いが、
好ましくは最外層にウレタン樹脂エマルジョンを主体に
用い、最外層以外の画像形成層に異相粒子構造のポリマ
ーラテックスを用いるのが好ましい。
【0018】本発明において、全画像形成層に用いられ
る全バインダー量は、その総和が0.5g〜40g/m2
であり、より好ましくは5g〜30g/m2である。
【0019】本発明に用いるウレタン樹脂エマルジョン
を得るための、ウレタン樹脂を水に分散または溶解させ
る方法としては特に限定はなく、経営開発センター出版
部編集「水溶性高分子水分散型樹脂総合技術資料集」昭
和56年1月23日発行、に記載されている公知の方法
により得ることができる。代表的な製法の例としては、
水溶性の原料を使用する方法、自己乳化法、乳化状態で
鎖延長反応を行う方法、ブロックイソシアネートを使用
する方法、ウレタン樹脂を乳化剤水溶液中に強制的に乳
化させる方法等があるが、本発明はこれらの製法に限定
されるものではない。
【0020】本発明のウレタン樹脂エマルジョンの原料
として使用されるオリゴマーポリオール(一般に分子量
数百〜数千)、ポリイソシアネート、鎖延長剤・架橋剤
に特に限定はない。工業的に利用されている極めて代表
的なものを以下に記す。
【0021】オリゴマーポリオールにはポリエーテル系
やポリエステル系化合物が一般に利用される。ポリエー
テル系化合物としては、ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテト
ラメチレングリコール等、ポリエステル系化合物として
は、ポリオキシエチレンアジペート、ポリオキシプロピ
レンアジペート等が挙げられる。この他にアクリル系ポ
リオール、ひまし油等が利用される。
【0022】ポリイソシアネートには芳香族系ジイソシ
アネートや脂肪族系ジイソシアネート等が一般に利用さ
れる。芳香族系ジイソシアネートとしてはトリレンジイ
ソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4、4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1、5−ナフチ
レンジイソシアネート等、脂肪族系ジイソシアネートと
してはヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等が挙げられる。また鎖延長剤・架橋
剤にはポリオール系のエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等、ポリアミン系のヒドラジン、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、4、4’
−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン等が挙げられるが本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0023】この様にして得られるウレタン樹脂エマル
ジョンは市販もされていて、以下のようなウレタン樹脂
エマルジョンを利用することができる。例えばスーパー
フレックス110、同107M、同150、同160、
同460など(以上第一工業製薬(株)製)、パーマリ
ンUC−20、同UA−150、ユーコートUX430
0、同UWS145、同UXA−3004など(以上三
洋化成工業(株)製)、ハイドランHW980、同HW
950、同AP−40、同AP−20など(以上大日本
インキ化学工業(株)製)、アデカボンタイターHUX
−290H、同HUX320、同HUX−380、同H
UX−381、同HUX−380Aなど(以上旭電化工
業(株)製)などを挙げることができる。
【0024】本発明で用いるブタジエンを重合成分に含
むブタジエン系ラテックスとしてはたとえば、ブタジエ
ンと、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸、アク
リル酸エステル類、メタクリル酸、メタアクリル酸エス
テル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ビニルピリジ
ン、塩化ビニル、アクリルアミド、塩化ビニリデン、マ
レイン酸、マレイン酸エステル等の二重結合を有するモ
ノマーの一種以上との共重合物が挙げられるが、本発明
に用いるブタジエン系ラテックスは特にスチレン−ブタ
ジエン系ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン系
ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテ
ックスが好ましい。
【0025】このようなブタジエン系ラテックスは市販
されており、容易に入手し利用することができる。たと
えばスチレン−ブタジエン系ラテックスとしてはNip
olLX430、LX407S1、LX438など(以
上日本ゼオン(株)製)、ラックスター7132C、3
307B、7310K、DS407Hなど(以上大日本
インキ化学工業(株)製)、アクリロニトリル−ブタジ
エン系ラテックスとしてはNipol1562、157
1、LX1571CLなど(以上日本ゼオン(株)
製)、ラックスター7200Aなど(以上大日本インキ
化学工業(株)製)、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン系ラテックスとしてはラックスターDM810、DM
202(以上大日本インキ化学工業(株)製)などを挙
げることができる。
【0026】本発明の画像形成層は全バインダーの50
wt%以上が前記ポリマーラテックスであることが好まし
いが、70wt%以上が前記ポリマーラテックスであるこ
とがより好ましい。これらの層には必要に応じて全バイ
ンダーの50wt%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加して
も良い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層
の全バインダーの30wt%以下であることが好ましい。
【0027】本発明における水系および水を主体とする
水系塗工とは、塗布液の溶媒(分散媒)の50重量%以
上であることである。
【0028】本発明の感熱記録層に用いられる有機銀塩
は、実質的に非感光性の、無色あるいは白色の銀塩であ
って、後述する還元剤とともに加熱されることにより還
元されて銀を発生するものである。具体的には、熱現像
感光材料に関するリサーチディスクロージャー第17029
(II)項、第29963(XVI)項に記載されているような没
食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチ
ン酸、ラウリン酸等の有機酸塩;1-(3-カルボキシプロ
ピル)チオ尿素、1-(3-カルボキシプロピル)-3,3-ジメチ
ルチオ尿素等のカルボキシアルキルチオ尿素の銀塩;ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド
等のアルデヒド類とサリチル酸、安息香酸、3,5-ジヒド
ロキシ安息香酸、5,5-チオジサリチル酸等の芳香族カル
ボン酸との高分子反応生成物と銀との錯体;3-(2-カル
ボキシエチル)-4-ヒドロキシメチル-4-チアゾリン-2-チ
オン、3-カルボキシメチル-4-メチル-4-チアゾリン-2-
チオン等のチオン類の銀塩または錯体;イミダゾール、
ピラゾール、ウラゾール、1,2,4-トリアゾールおよび1H
-テトラゾール、3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-トリ
アゾールおよびベンゾトリアゾール等の含窒素複素環化
合物の銀塩または錯体;サッカリン、5-クロロサリチル
アルドキシム等の銀塩;メルカプチド類の銀塩などがあ
げられる。これらのうち炭素数が10以上の脂肪酸銀が好
ましく、ステアリン酸銀、ベヘン酸銀等が特に好ましく
用いられる。
【0029】これらの有機銀塩あるいは錯体は、水、脂
肪族炭化水素、エステル類、アルコール類、エーテル類
等の適当な溶媒に溶解、あるいは分散した有機物あるい
はその塩に、同様に適当な溶媒に溶解あるいは分散させ
た硝酸銀等の銀塩を混合することにより容易に得られ
る。得られた結晶からは、さらに水洗等により無関係塩
を除去することが好ましい。得られた結晶は水に不溶の
ため、本発明においては高速攪拌機やボールミル、サン
ドミル、コロイドミル、振動ミル、超音波分散機、ホモ
ジナイザー等により分散し、安定な水系分散液として用
いるのが好ましい。この際、必要に応じて界面活性剤を
分散助剤として、さらには親水性高分子化合物を保護コ
ロイドとして用いてもよい。
【0030】本発明で用いられる上記の還元可能な銀源
の銀量は、求められる最大濃度によって決まるが、一般
的には銀量として3g/m2以下、好ましくは0.5〜2.0g/m2
である。
【0031】本発明の感熱記録材料において、上記有機
銀塩を加熱により黒化させる還元剤としては米国特許3,
074,809に記載のピロガロール、4-ステアロイルピロガ
ロール、没食子酸イソプロピル、3,4-ジヒドロキシ安息
香酸エチル、2,5-ジヒドロキシ安息香酸など、米国特許
3,440,049あるいは特開平6-317870に記載のポリヒドロ
キシインダン類などがあげられる。さらに特願2000-214
76に記載の次の一般式[I]〜[III]であらわされる化
合物は、本発明に用いられる還元剤としては特に好まし
い。
【0032】
【化1】
【0033】一般式[I]において、R1およびR2はハメ
ットの置換基定数σが正の値を示す置換基である。一般
式[II]においてZは環構造を形成するために必要な原
子群をあらわす。一般式[III]においてR3およびR4は
水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基、アシル基、エステル基、アミド基、
シアノ基、ニトロ基、スルホニル基を示し、R3およびR4
が結合して環構造を形成してもよい。一般式[I]〜[I
II]において、ジヒドロキシ基を有するベンゼン環は任
意に置換基を有していてよい。
【0034】以下に一般式[I]〜[III]で示される化
合物の具体例を示すが、本発明に用いられる還元剤はこ
れらに限定されるものではない。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】これらの還元剤の添加量は、還元剤の種類
や、有機銀塩の種類によって広範に変化しうるが、一般
的には有機銀塩1モルあたり約0.1〜3モル、好ましくは
0.3モル〜2モルである。また種々の目的のために、上
記還元剤は2種以上を併用してもよい。
【0038】本発明に使用される還元剤は当業者に公知
の様々な方法、たとえば適当な有機溶媒に溶解させる、
ボールミル等を用い固体分散物とする、あるいは他の添
加剤とともに乳化分散し乳化物とするなどして添加され
る。本発明の目的から多量の揮発性有機溶媒を用いるこ
とは好ましくないため、固体分散物や乳化物として添加
するのが好ましい。また還元剤は必ずしも有機銀塩を含
む層に添加する必要はなく、別の層に添加しても、ある
いは振り分けて添加してもよい。
【0039】本発明の感熱記録材料において形成される
還元銀像が冷黒を示すために色調剤を用いることは好ま
しい。色調剤の例としては前出の熱現像感光材料に関す
るリサーチディスクロージャー第17029(V)項、第2996
3(XXII)項等で公知であり、具体的にはフタルイミド
等のイミド類、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール等の
メルカプト化合物、フタラジン、フタラジノン、4-メチ
ルフタル酸、テトラクロロフタル酸等のフタル酸誘導
体、1,3-ベンゾキサジン-2,4-ジオン等のベンゾキサジ
ン誘導体等があげられる。
【0040】本発明の感熱記録材料において還元による
画像銀の形成の抑制や促進、印字前後の保存性を向上さ
せる等の目的で、様々な促進剤や安定剤およびそれらの
前駆体を用いてもよい。具体的には写真用安定剤、抑制
剤としてよく知られているベンゾトリアゾール、5-メチ
ルベンゾトリアゾール、5-クロロベンゾトリアゾール、
2-メルカプトベンゾトリアゾール、2-メルカプトメンズ
イミダゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メル
カプトベンゾキサゾール、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,
3a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾー
ル、3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリアゾール、4-
ベンツアミド-3-メルカプト-5-フェニル-1,2,4-トリア
ゾールなどから選ぶことができる。
【0041】感熱記録層に用いられるバインダーは必要
に応じて架橋されていてもよい。架橋剤として例えばポ
リビニルアルコールに対しては硼酸化合物、アルデヒド
類、メチロール基含有化合物など、アクリル樹脂に対し
てはエポキシ基を有する化合物など、ポリウレタン樹脂
に対してはイソシアネート基を有する化合物などポリマ
ーの種類によって適したものを選ぶことができる。
【0042】本発明の感熱記録層を形成する塗液には、
その他必要に応じて顔料、ワックス、増粘剤、塗布助剤
等を添加してもよい。
【0043】本発明の感熱記録材料は感熱記録層の上に
保護層を設けることが好ましく、該保護層には、サーマ
ルヘッドによる印字時の加熱に耐えられるバインダーを
用いるのが好ましい。一般的には天然あるいは合成樹脂
を架橋して耐熱性を向上させたもので、具体的にはゼラ
チン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニルアセタール
樹脂などから選ぶことが好ましく、またこれらの樹脂や
樹脂の水分散物は市販もされており容易に入手可能であ
る。
【0044】これらの樹脂分散物やポリマー溶液を塗工
乾燥して得られる層の架橋剤は、ポリマーによってアル
デヒド類、メチロール化合物、エポキシ化合物、メラミ
ン、ベンゾグアナミン等のアミノ樹脂、イソシアナート
化合物などから選ばれる。本発明では特に最低濃度の上
昇等の問題を生じさせないために、常温で実用上問題の
ない強度に速やかに架橋が進行するよう架橋剤の種類や
量を選択しなければならない。
【0045】常温硬化や生産性が高いという点で特に好
ましいのは電子線や光などの放射線により架橋されたポ
リマーからなる保護層である。一般にこのような層は重
合性オリゴマー、モノマー、光架橋の場合は光開始剤等
を配合した光硬化性樹脂を塗工し、紫外線や電子線を放
射し硬化させて得られる。
【0046】重合性オリゴマーとしてはエポキシアクリ
レート、各種ポリオールと有機イソシアネートと水酸基
含有アクリレートを反応させて得られるウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレートなどがある。モノマ
ーは、塗液の粘度を下げる、接着性や硬化膜の性質の改
良のために用いられ、具体的には単官能のアルキレンオ
キサイド変性アクリレート、N-ビニルピロリドン、アク
リロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクトン、イソボ
ルニルアクリレート、N-ビニルホルムアミドなど、多官
能のポリアルキレングリコールアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートなどがあげられる。
【0047】本発明において特に好ましくは、これらの
重合性オリゴマーを乳化等により水中に分散されたもの
であり、硬化膜の性質の改良等の目的で水溶性あるいは
水に分散可能なモノマーとあわせて水系の塗工液を調製
し塗工乾燥後、紫外線や電子線を放射し硬化させて得ら
れる保護層である。
【0048】光開始剤として具体的にはベンゾフェノ
ン、オルトベンゾイル安息香酸メチル、2-ヒドロキシ-2
-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトンなどがあげられる。さらに
その他の添加剤としてp-メトキシフェノール等の重合禁
止剤などを含有させてもよい。また水系塗工液の場合、
これら光開始剤や添加剤は界面活性剤などを用い乳化さ
せて添加させるのが好ましい。
【0049】本発明の保護層には、サーマルヘッドとの
マッチング性を向上させるため、前記の艶消し剤に加え
て、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の滑
り剤などを必要に応じて含有させてもよい。その際これ
らは水性塗工の場合は水分散物として、放射線硬化樹脂
塗工の場合は適当なモノマー等に公知の方法で分散させ
添加することが好ましい。さらに塗布性向上のために界
面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては特に
限定なくノニオン系、アニオン系、カチオン系いかなる
ものも使用してもよい。
【0050】該保護層の厚さは、用いるバインダーの種
類や求められる感熱感度、サーマルヘッドとのマッチン
グ性により広範に変化しうるが、一般的に0.1〜10ミク
ロン、好ましくは0.5〜5ミクロンの範囲から選ばれ
る。
【0051】本発明の保護層は、この保護層を形成する
ポリマー皮膜の25℃60%RHの条件下における平衡含水率
が2%以下であることが好ましい。ここでいう25℃60%R
Hの条件下における平衡含水率とは、具体的には例えば
以下の手順により求めることができる。保護層塗液のう
ち、ポリマーと硬化剤のみをガラス板上にバインダー量
がおおよそ10g/m2となるように塗布し50℃で乾燥した。
その後、必要な架橋条件を与えた後にガラス板上から剥
離し、25℃60%RHのもとで6時間調湿し秤量(M 1)し
た。この秤量したものを25℃真空乾燥を3日間行い、再
び秤量(M0)し含水率{(M1-M0)/M0}X100(重量%)
を求める。
【0052】本発明の感熱記録材料は、様々な支持体上
に塗工することができる。たとえばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、硝酸セルロー
ス、ポリカーボネートなどの樹脂フィルム、樹脂コート
された紙、バライタ紙、合成紙、ガラス、金属などがあ
げられる。支持体は透明でも不透明でもよいが本発明に
おいては透明であることが好ましい。これらの支持体は
易接着加工されていてもよい。また透過画像としての視
覚性向上のため着色した支持体を用いてもよい。
【0053】本発明の感熱記録材料の塗工法については
特に制限はなく、E. Cohen, E. Gutoff, "Modern Coati
ng and Drying Technology", VCH Publishers, Inc. Ne
w York, 1992 に記載されているような各種の塗工法か
ら選択することができる。さらに複数の層を同時に塗布
することは、生産性を向上させる意味でも特に好まし
い。
【0054】本発明の感熱記録材料にはさらに必要に応
じて、上記感熱記録層、保護層に加えて中間層、アンダ
ーコート層、帯電防止層などを設けてもよい。
【0055】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて詳細に説明す
るが勿論これらに限定されるものではない。
【0056】実施例1 <ベヘン酸銀の調製>90℃の水960gにベヘン酸34gを加
え、激しく攪拌しながら1N-水酸化ナトリウム水溶液100
mlを約30分かけて滴下したのち40℃に降温した。そこに
1N-リン酸22.5mlを加えて15.3gの硝酸銀を220gの水に溶
解した溶液を約60分かけて滴下した。得られた結晶を吸
引濾過により取り出し、水洗水の電導度が30μS/cm以下
になるまで水洗し、乾燥させ90%転化のベヘン酸銀結晶
を得た。
【0057】<ベヘン酸銀分散液の調製>上記ベヘン酸
銀結晶20g、5重量%のポリビニルアルコール(クラレ
(株)製PVA203)を32gを48gの水に加え、ビーズミルを
用いて平均粒径1ミクロン以下の20重量%ベヘン酸銀分
散液を得た。
【0058】<還元剤/添加剤分散液1の調製>10重量
%ポリビニルアルコール(PVA203)58g、5重量%ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10g、例示化合物(R-
2)50g、テトラクロロフタル酸無水物7.6g、2-メルカプ
ト-5-メチルベンズイミダゾール6g、フタラジノン10g、
水を加えて250gとしたものをビーズミルを用いて分散
し、還元剤/添加剤分散液を得た。
【0059】上記分散液を用いて下記の感熱記録層塗液
を調製した。 <感熱記録層塗液1>ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添
加剤分散液1を5.7g、ハイドランHW950(大日本インキ
化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョン)48.9
g、水を加えて120gとする。
【0060】<感熱記録層塗液2>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、NipolLX438C(日本
ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン系ラテックス)3
3.3g、水を加えて80gとする。
【0061】<感熱記録層塗液3>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、ラックスター7200A
(大日本インキ化学工業(株)製アクリロニトリル−ブ
タジエン系ラテックス)36.3g、水を加えて80gとする。
【0062】<感熱記録層塗液4>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、NipolLX438C(日本
ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン系ラテックス)2
5.0g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)
製ポリウレタンディスパージョン)12.2g、水を加えて8
0gとする。
【0063】<感熱記録層塗液5>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、ラックスター7200A
(大日本インキ化学工業(株)製アクリロニトリル−ブ
タジエン系ラテックス)27.2g、ハイドランHW950(大日
本インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョ
ン)12.2g、水を加えて80gとする。
【0064】これら感熱層塗液1〜5各々をベヘン酸銀が
6g/m2となるように厚さ175ミクロンのポリエチレンテレ
フタレート支持体上に塗布、乾燥し、感熱記録層1〜5
を得た。
【0065】下記の保護層塗液を調製した。 <保護層塗液>スーパーフレックスR-5000(第一工業製
薬(株)製UV硬化性ウレタンアクリレート水分散体、固
形分量40%)5g、ポリエチレンジアクリレート0.3g、2-
ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン0.1g
(HLB=15のノニオン系界面活性剤で分散し添加)、ヒド
ロキシプロピルセルロース0.5g、シリカ微粒子(平均粒
径1.5ミクロン)1g、ステアリン酸亜鉛微粒子ディスパ
ージョン(平均粒径0.3ミクロン、固形分量20%)1g、
水を加えて20gとする。
【0066】前記感熱記録層1〜5各々の上に上記保護層
塗液をバインダー量が1.5g/m2となるように塗布した。
硬化は高圧水銀ランプ(80W/cm)を用い、照射距離10c
m、スピード10m/minの条件で行った。この後、50℃1昼
夜加熱し更に硬化させた。これらを試料1〜5とする。
【0067】<感熱記録材料の評価>感熱記録は、サー
マルヘッド(TDK(株)製LH4409型)を用いて印加電圧
およびパルス幅を変えて行い、最低濃度(Dmin)、最
高濃度(Dmax)および印字部の透過濃度が1.0である部
分のカラー中性度を評価した。また印字部の透過濃度が
1.0である部分の濃度変化を印字直後と40℃60%RHの強
制条件下で4日間放置した後とを比較し、この差を求め
た。この結果を表1に記した。
【0068】カラー中性度は、次の方法でNCV値とし
て求めた。マクベスTR−927(商品名)を用い、
青、緑および赤のフィルターを用いて得られた光学濃度
1.0の画像の各濃度(D)を測定した。その結果とし
て得られた濃度値の小さい順で、D1、D2およびD3
が得られる。下記式においてこれらの値を用いて数値で
カラー値(NCV)を得た。
【0069】
【数1】
【0070】NCV値が大きくなればなるほど、得られ
た画像のカラー中性度は良好である。最高カラー中性度
は1のNCV値に相当する。
【0071】
【表1】
【0072】表1より、本発明の感熱記録材料は、良好
な画像保存性を有するより濃度が高い画像が得られるこ
とが明らかである。
【0073】実施例2 実施例1で作製したベヘン酸銀分散液、および還元剤/
添加剤分散液1を用いて下記感熱記録層6〜15を作製
した。感熱記録層は支持体に近いほうの層から順に第一
感熱記録層塗液、第二感熱記録層塗液とした。第一感熱
記録層はベヘン酸銀が4.8g/m2となるように、また第二
感熱記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2となるように、厚さ1
75ミクロンのポリエチレンテレフタレート支持体上に順
に塗布、乾燥し、感熱記録層6〜13を得た。
【0074】〈感熱記録層6の作製〉第一感熱層塗液と
して、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、NipolLX438C(日本ゼオン(株)製スチレン−ブ
タジエン系ラテックス)33.3g、水を加えて80gとする。
次に第二感熱層塗液としてベヘン酸銀分散液30g、還元
剤/添加剤分散液1を5.7g、ハイドランHW950(大日本イ
ンキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョン)
48.9g、水を加えて80gとする。第一感熱記録層はベヘン
酸銀が4.8g/m2となるように、また第二感熱記録層はベ
ヘン酸銀が1.2g/m2となるように、厚さ175ミクロンのポ
リエチレンテレフタレート支持体上に順に塗布、乾燥
し、感熱記録層6を得た。
【0075】〈感熱記録層7の作製〉第一感熱層塗液と
して、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、NipolLX438C(日本ゼオン(株)製スチレン−ブ
タジエン系ラテックス)29.2g、ハイドランHW950(大日
本インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョ
ン)6.1g、水を加えて80gとする。次に第二感熱層塗液
としてベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)
製ポリウレタンディスパージョン)48.9g、水を加えて8
0gとする。第一感熱記録層はベヘン酸銀が4.8g/m2とな
るように、また第二感熱記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2
となるように、厚さ175ミクロンのポリエチレンテレフ
タレート支持体上に順に塗布、乾燥し、感熱記録層7を
得た。
【0076】〈感熱記録層8の作製〉第一感熱層塗液と
して、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、NipolLX438C(日本ゼオン(株)製スチレン−ブ
タジエン系ラテックス)33.3g、水を加えて80gとする。
次に第二感熱層塗液としてベヘン酸銀分散液30g、還元
剤/添加剤分散液1を5.7g、ハイドランHW950(大日本イ
ンキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョン)
36.7g、NipolLX438C(日本ゼオン(株)製スチレン−ブ
タジエン系ラテックス)8.3g、水を加えて80gとする。
第一感熱記録層はベヘン酸銀が4.8g/m2となるように、
また第二感熱記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2となるよう
に、厚さ175ミクロンのポリエチレンテレフタレート支
持体上に順に塗布、乾燥し、感熱記録層8を得た。
【0077】〈感熱記録層9の作製〉第一感熱層塗液と
して、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、NipolLX438C(日本ゼオン(株)製スチレン−ブ
タジエン系ラテックス)29.2g、ハイドランHW950(大日
本インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョ
ン)6.1g、水を加えて80gとする。次に第二感熱層塗液
としてベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を
5.7g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)
製ポリウレタンディスパージョン)36.7g、NipolLX438C
(日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン系ラテック
ス)8.3g、水を加えて80gとする。第一感熱記録層はベ
ヘン酸銀が4.8g/m2となるように、また第二感熱記録層
はベヘン酸銀が1.2g/m2となるように、厚さ175ミクロン
のポリエチレンテレフタレート支持体上に順に塗布、乾
燥し、感熱記録層9を得た。
【0078】〈感熱記録層10の作製〉第一感熱層塗液
として、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1
を5.7g、ラックスター7200A(大日本インキ化学工業
(株)製アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス)
36.3、水を加えて80gとする。次に第二感熱層塗液とし
てベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を5.7
g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)製ポ
リウレタンディスパージョン)48.9g、水を加えて80gと
する。第一感熱記録層はベヘン酸銀が4.8g/m2となるよ
うに、また第二感熱記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2とな
るように、厚さ175ミクロンのポリエチレンテレフタレ
ート支持体上に順に塗布、乾燥し、感熱記録層10を得
た。
【0079】〈感熱記録層11の作製〉第一感熱層塗液
として、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1
を5.7g、ラックスター7200A(大日本インキ化学工業
(株)製アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス)
31.8g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)
製ポリウレタンディスパージョン)6.1g、水を加えて80
gとする。次に第二感熱層塗液としてベヘン酸銀分散液3
0g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、ハイドランHW950
(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパ
ージョン)48.9g、水を加えて80gとする。第一感熱記録
層はベヘン酸銀が4.8g/m2となるように、また第二感熱
記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2となるように、厚さ175ミ
クロンのポリエチレンテレフタレート支持体上に順に塗
布、乾燥し、感熱記録層11を得た。
【0080】〈感熱記録層12の作製〉第一感熱層塗液
として、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1
を5.7g、ラックスター7200A(大日本インキ化学工業
(株)製アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス)
36.3g、水を加えて80gとする。次に第二感熱層塗液とし
てベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1を5.7
g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)製ポ
リウレタンディスパージョン)36.7g、ラックスター720
0A(大日本インキ化学工業(株)製アクリロニトリル−
ブタジエン系ラテックス)9.1g、水を加えて80gとす
る。第一感熱記録層はベヘン酸銀が4.8g/m2となるよう
に、また第二感熱記録層はベヘン酸銀が1.2g/m2となる
ように、厚さ175ミクロンのポリエチレンテレフタレー
ト支持体上に順に塗布、乾燥し、感熱記録層12を得
た。
【0081】〈感熱記録層13の作製〉第一感熱層塗液
として、ベヘン酸銀分散液30g、還元剤/添加剤分散液1
を5.7g、ラックスター7200A(大日本インキ化学工業
(株)製アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス)
31.8g、ハイドランHW950(大日本インキ化学工業(株)
製ポリウレタンディスパージョン)6.1g、水を加えて80
gとする。次に第二感熱層塗液としてベヘン酸銀分散液3
0g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、ハイドランHW950
(大日本インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパ
ージョン)36.7g、ラックスター7200A(大日本インキ化
学工業(株)製アクリロニトリル−ブタジエン系ラテッ
クス)9.1g、水を加えて80gとする。第一感熱記録層は
ベヘン酸銀が4.8g/m2となるように、また第二感熱記録
層はベヘン酸銀が1.2g/m2となるように、厚さ175ミクロ
ンのポリエチレンテレフタレート支持体上に順に塗布、
乾燥し、感熱記録層13を得た。
【0082】前記感熱記録層6〜13各々の上に実施例
1で作製した保護層塗液をバインダー量が1.5g/m2とな
るように塗布した。硬化は高圧水銀ランプ(80W/cm)を
用い、照射距離10cm、スピード10m/minの条件で行っ
た。この後、50℃1昼夜加熱し更に硬化させた。これら
を試料6〜13とする。
【0083】<感熱記録材料の評価>感熱記録は、実施
例1と同様に行い、最低濃度(Dmin)、最高濃度(Dm
ax)および印字部の透過濃度が1.0である部分のカラー
中性度を評価した。また印字部の透過濃度が1.0である
部分の濃度変化を印字直後と40℃60%RHの強制条件下で
4日間放置した後とを比較し、この差を求めた。この結
果を表2に記した。
【0084】
【表2】
【0085】表2より、本発明の感熱記録材料は、良好
な画像保存性を有するより濃度が高い画像が得られるこ
とが明らかである。またカラー中性度が良好な画像が得
られることが判る。
【0086】実施例3 実施例1で作製したベヘン酸銀分散液、および還元剤/
添加剤分散液1を用いて下記感熱記録層用塗液Aおよび
Bを作製した。
【0087】<感熱記録層塗液A>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、ラックスター3307B
(大日本インキ化学工業(株)製スチレン−ブタジエン
系ラテックス)30.5g、水を加えて80gとする。
【0088】<感熱記録層塗液B>ベヘン酸銀分散液30
g、還元剤/添加剤分散液1を5.7g、パテラコールH2090
(大日本インキ化学工業(株)製特殊変性ウレタン/ハ
イブリッドポリマー)36.7g、ハイドランHW950(大日本
インキ化学工業(株)製ポリウレタンディスパージョ
ン)12.2g、水を加えて80gとする。
【0089】上記感熱記録層塗液を25℃に保温した状
態で、各感熱記録層塗液を表3に示すように時間を変え
て経時した。塗液経時後、ベヘン酸銀が6g/m2となるよ
うに厚さ175ミクロンのポリエチレンテレフタレート支
持体上に塗布、乾燥した。これにより得られた感熱記録
層に更に実施例1で用いた保護層塗液をバインダー量が
1.5g/m2となるように塗布した。硬化は高圧水銀ランプ
(80W/cm)を用い、照射距離10cm、スピード10m/minの
条件で行った。この後、50℃1昼夜加熱し更に硬化させ
た。
【0090】<感熱記録材料の評価>感熱記録は、実施
例1と同様に行い、最低濃度(Dmin)、最高濃度(Dm
ax)を求めた。また得られた塗布物の面状を塗布幅10
cmあたりに発生したスジの状態を目視で評価した。面
状が良好なものを○、容認できるレベルであるものを
△、それ以下のものを×として評価した。この結果を表
3に記した。表中の経時時間とはベヘン酸銀分散液とポ
リマーラテックスおよび還元剤/添加剤分散液1を添加
した後、各添加素材が均一に分散された後の時間のこと
を意味する。
【0091】
【表3】
【0092】本発明により、面状が良好で画像形成能力
に優れた熱画像記録材料が得られる。
【0093】
【発明の効果】本発明により、有機溶剤を用いず、低コ
ストで容易に製造でき、かつ画像記録後の画像の保存安
定性に優れた熱画像記録材料を提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩
    及び有機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくと
    も一層有する熱画像記録材料において、画像形成層のバ
    インダーとしてウレタン樹脂エマルジョンとブタジエン
    を重合成分に含むブタジエン系ラテックスを併用するこ
    とを特徴とする熱画像記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩
    及び有機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくと
    も二層有する熱画像記録材料において、支持体から最も
    離れた画像形成層のバインダーとしてウレタン樹脂エマ
    ルジョンを主体に用い、かつ前記支持体から最も離れた
    画像形成層以外の画像形成層にバインダーとしてウレタ
    ン樹脂エマルジョン以外のバインダーを主体に用いたこ
    とを特徴とする熱画像記録材料。
  3. 【請求項3】 前記支持体から最も離れた画像形成層以
    外の画像形成層のバインダーとして、ブタジエンを重合
    成分に含むブタジエン系ラテックスを主体に用いる請求
    項2記載の熱画像記録材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に実質的に非感光性の有機銀塩
    及び有機銀塩の還元剤を含有する画像形成層を少なくと
    も一層有する熱画像記録材料において、該画像形成層の
    バインダーとして、少なくとも一相にウレタン樹脂成分
    を有する異相粒子構造のポリマーラテックスを用いるこ
    とを特徴とする熱画像記録材料。
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JP2004258194A (ja) * 2003-02-25 2004-09-16 Toppan Forms Co Ltd 感熱塗工液およびそれを用いた感熱記録シート

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