JP2004148530A - インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシート - Google Patents

インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシート Download PDF

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Abstract

【課題】シート基材に印字したインクの耐水性に優れ、印字画像の滲みが起こらず、印字の印字品質が高く、かつ、印刷インク適性に優れるためシート基材の必要な箇所に容易にインクジェットインク受容層を形成できる安価なインクおよびそれを用いたシートの提供。
【解決手段】疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、固体のカチオン性樹脂微細粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いる。シート基材の少なくとも一方の面の所定部にこのインクを用いてインクジェットインク受容層を形成してなるシートにより課題を解決できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットインクを使用するインクジェットプリンタはカラー化が容易で、安価であり、高解像度が可能である、保存性に優れているなどの多くの優れた点を持っているが、上質紙に印字するとインクジェット印字が滲んだり、インクの吸収性が劣り印字したインクが用紙表面に残るため連続的に印字された場合などにガイドロールを汚したり印字画像の汚れが発生する上、耐水性に劣る問題があった。特に情報産業分野で使用する場合、インクジェット印字されたバーコードなどが滲んで読み取り難くなったり、インクジェット印字された郵便物などが野外にて雨に曝されたり、あるいは誤って水が掛かってしまった場合などには、溶けて印字内容が見えなくなる問題があった。
【0003】
インクジェットインク受容層を形成した用紙(インクジェット用紙)やフィルム(OHPフィルム)などが考案されている(例えば特許文献1〜5参照)。しかし、これらは耐水性、インク吸収性は改善されるが、シート基材の全面に厚さおよそ20μm以上のインクジェットインク受容層を設けるため、多様な用紙、例えば再生紙や非木材紙などに全面塗工した用紙を随時在庫しておくことはコスト高になる問題があるとともに、H液へ影響を与えるためオフセット印刷に向かないという問題があった。
【0004】
一方、シート基材の全面にインクジェットインク受容層を設ける替わりにシート基材の必要な箇所に厚さおよそ2〜3μm程度の薄いインクジェットインク受容層を設けることができるインクジェットインク受容層形成用インクとして、水溶性あるいは親水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、カチオン性樹脂溶液およびアルミナ微粒子、炭酸カルシウム微粒子などの多孔質微粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクが提案されている(例えば特許文献6参照)。
しかし、形成されたインクジェットインク受容層は水分により物理的強度が落ちてしまい、その上にインクジェットインク(例えば特許文献7〜8参照)を用いて印字した印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭くと印字が薄くなったり判読できなくなり、耐水性に劣る問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−183135号公報
【特許文献2】
特開平6−297830号公報
【特許文献3】
特公平8−22608号公報
【特許文献4】
特開平8−72390号公報
【特許文献5】
特開平8−291496号公報
【特許文献6】
特願2000−361739
【特許文献7】
特開平7−228808号公報
【特許文献8】
特開平7−228809号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、インクジェットインクの耐水性を改善し、かつ印字画像の滲みが起こらないようにしてインクジェット印字の印字品質を向上できるインクジェットインク受容層形成用インクであって、印刷インク適性に優れるため印刷機で基材の必要な所定の箇所に容易に耐水性に優れるインクジェットインク受容層を形成できる、インクジェットインク受容層形成用インクを提供することであり、本発明の第2の目的は、そのようなインクを用いてシート基材の所定部に形成されたインクジェットインク受容層を有するシートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、固体のカチオン性樹脂の微細粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いることにより解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、カチオン性樹脂微細粒子を配合したことを特徴とする。
【0009】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、疎溶性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルを用いるとともに、固体のカチオン性樹脂の微細粒子を配合したので、印刷インク適性に優れ、印刷機で基材の必要な所定の箇所に容易にインクジェットインク受容層を形成でき、しかも形成されたインクジェットインク受容層は耐水性が改善され、水分により物理的強度が落ちることがなくなり、印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭いても印字が完全に残り、文字が流れたりしない。
【0010】
本発明の請求項2は、シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなるシートである。
【0011】
疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、固体のカチオン性樹脂微細粒子を配合したインクジェットインクを用いてシート基材に形成されたインクジェットインク受容層は耐水性に優れ水分により物理的強度が落ちることがなく、インクジェットインク吸収性が優れ、印字画像の滲みが起こらず、さらに、印字箇所の耐水性に優れるので、印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭いても印字が完全に残り、文字が流れたりせず、各種の記録用シートとして使用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のシートの1実施の形態の断面を模式的に説明する説明図である。
本発明のシート1は、シート基材2の上面の所定部に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて印刷され、紫外線照射されて硬化して形成されたインクジェットインク受容層3を有している。4は疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルおよび光重合開始剤に由来する光硬化されたマトリックスであり、5は前記マトリックス中に配合され分散している固体のカチオン性樹脂微細粒子を示す。疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、カチオン性樹脂の微細粒子を配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いたので、形成されたインクジェットインク受容層3は、インクジェットインク吸収性が優れ、印字画像の滲みが起こらず、かつ良好な耐水性を有する。
【0013】
公知のインクジェットインクを使用して、図示しないインクジェットプリンタにより、インクジェットインク受容層3上に印字画像を形成すると、カチオン性樹脂微細粒子がインクジェットインクを吸収し、インク中の染料がカチオン性樹脂微粒子とイオン的に結合し、その結果、染料が水に対して不溶化する。そして印字画像形成後、乾燥させることにより印字箇所の良好な耐水性が生じると考えられる。疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルを用いたのでインクジェットインク受容層3の耐性性が一層改善され、水分によりインクジェットインク受容層3の物理的強度が落ちることがなくなり、印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭いても印字が完全に残り、文字が流れたりしない。
【0014】
本発明で用いる疎水性を有するアクリル系光硬化性成分とは、親水性を有するアクリル系光硬化性成分が常温の水によく溶解し放置しても分離したり沈殿を生じたりない、例えばエチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分と異なり、常温の水に溶解したりしない疎水性を有するアクリル系光硬化性成分であって、公知の疎水性を有するアクリル系光重合性モノマーおよび/または疎水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
【0015】
例えば、エチレングリコール単位を分子内にもたないか、あるいは持っていてもn=2以下のポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは2以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分は本発明において疎水性を有するアクリル系光硬化性成分として使用できる。
【0016】
本発明においては、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分に対してその作用効果を損なわない範囲で、親水性を有するアクリル系光硬化性成分を添加して使用することができる。
疎水性を有するアクリル系光硬化性成分の配合量は、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分と親水性を有するアクリル系光硬化性成分の合計量に対して通常50質量%以上が好ましい。
【0017】
疎水性を有する光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体などを挙げることができる。
【0018】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0019】
疎水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介して飽和ポリエステルセグメントが連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0020】
本発明で用いる光重合開始剤は、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常アクリル系光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0021】
本発明で用いるカチオン性樹脂は、固体の1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーなどである。
特に好ましいカチオン性樹脂の例として、具体的には、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などである。本発明におけるカチオン性樹脂としては市販のものを好適に利用できる。
【0022】
市販の粉末状微細粒子のカチオン性樹脂の具体例としては、例えば、三洋化成工業(株)製ポリアミン系のサンフィクス555、サンフィクス555C、サンフィクス555NK、サンフィクス555US、第一工業製薬(株)製のレオックスAS(特殊カチオン樹脂)、シャロールDM−254P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、シャロールDM−283P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、日東紡績(株)製のPAA−HCI−3S(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−HCI−10S(ポリアリルアミン塩酸塩)などを挙げることができる。
【0023】
アクリル系光硬化性成分中へのカチオン性樹脂の配合量は、特に限定されないが、アクリル系光硬化性成分100質量部に対してカチオン性樹脂1〜40質量部が好ましく、より好ましくは5〜35質量部である。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いとシート基材との接着性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると水性インクの吸着性、吸収性、耐水性に劣る恐れがあり、それぞれ好ましくない。
【0024】
本発明においてはシリカ微粒子、炭酸カルシウム微粒子、スルホ・アルミン酸カルシウム微粒子、アルミナ微粒子、二酸化チタン微粒子などの無機系多孔質微粒子やシルクなどの有機系多孔質微粒子などの多孔質微粒子を必要に応じて適宜配合することができる。
【0025】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調節剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、滑剤、増感剤などを含有させることもできる。
【0026】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、オフセット印刷機、シルクスクリーン印刷機、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、必要に応じて乾燥して、インクジェットインク受容層を有するシートを形成することができる。
【0027】
本発明で用いるシート基材としては、通常の紙、コート紙、アート紙、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙やフィルム、プロセスカラー印刷を施したパンフレットやカタログ、書類などの他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、シート基材面への塗工量は、特に限定されないが、例えば1〜30g/m 、好ましくは3〜20g/m 、さらに好ましくは5〜15g/m とする。
【0028】
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえばアントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。このインクに使用する媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。このほかに、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:アロニクスM309(東亜合成化学社製)]100質量部に、光重合開始剤[商品名:VICURE55(アクゾノーベル社製)]を8質量部を混合し、カチオン樹脂の分散状態を安定させるために界面活性剤を1質量部添加し、最後にポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]15質量部に、混合・分散させる。十分に分散させた後、三本ロールミルを使用して混練し、ポリアミン型カチオン樹脂がグラインドメーターで5μm以下の微細粒子になるまで混練を繰り返し、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
このようにして得られた本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを樹脂凸版[商品名:トレリーフWF45BII、東レ社製]を使用してコート紙(110kg連量)上に2.0g/m になるようにドライオフセット印刷を行い、印刷部は紫外線ランプ(高圧水銀灯、オゾン有り/160w/cm、1灯)で硬化させてインクジェットインク受容層を有する本発明のシートを作った。なお印刷・硬化スピードは250m/ftであった。得られた本発明のシートのインクジェットインク受容層にサイテックス社インクジェットプリンタで印字(黒色印字、#1040インク)を行ったあと、印字部について下記の評価方法により耐水性の評価を行った。また、インクの印刷適性および印刷状態についても評価を行った。
評価した結果、印刷適性◎、印刷状態○、流水評価○、拭き取り評価◎であった。
【0030】
(評価方法)
〈印刷適性〉 印刷機ローラー上でのインク広がりおよびローラー間転写を観察して評価した。
◎:スムースに広がり、ローラー間転写も問題ない。
○:広がるのに多少時間がかかるが、実用上問題ない。
△:ローラー上および版・ブランケットに粒子状の残存物が若干あるが実用上問題ない。
×:ローラー間転写せず、使用できない。
【0031】
〈印刷状態〉 印刷された部分を観察して評価した。
○:均一に印刷されている。
×:粒子の凝集がみられ使用できない。
【0032】
〈耐水性〉
(流水評価)
印字箇所を30秒間流水で洗い流した後、印字箇所を目視により判定する。
◎:印字が完全に残っている。
○:印字がほぼ完全に残っている。
△:印字が少し薄くなってきているが、実用上問題ない。
×:印字が薄くなっている。
【0033】
(拭き取り評価)
濡らしたキムタオル(紙雑巾)で印字箇所を一度拭き取り、その印字箇所を目視により判定する。
○:印字が流れていない。
△:やや印字の流れがあるが、実用上問題ない。
×:印字が流れてしまい、判読不可能。
【0034】
(実施例2)
ポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]の替わりに、カチオン樹脂[商品名:シャロールDM−283(第一工業製薬社製)]を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて本発明のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性○、印刷状態○、流水評価△、拭き取り評価○であった。
【0035】
(実施例3)
ポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]の量を7質量部とした以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて本発明のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性○、印刷状態○、流水評価△、拭き取り評価○であった。
【0036】
(実施例4)
ポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]の量を30質量部とした以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて本発明のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性○、印刷状態○、流水評価◎、拭き取り評価○であった。
【0037】
(実施例5)
トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:アロニクスM309(東亜合成化学社製)]50質量部と、親水性を有するアクリル系光硬化性成分[トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート、商品名:SR9035(日本化薬社製)]50質量部とからなるアクリル系光硬化性成分を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて本発明のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性△、印刷状態○、流水評価○、拭き取り評価○であった。
【0038】
(実施例6)
トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:アロニクスM309(東亜合成化学社製)]35質量部と、親水性を有するアクリル系光硬化性成分[トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート、商品名:SR9035(日本化薬社製)]65質量部とからなるアクリル系光硬化性成分を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて本発明のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性△、印刷状態○、流水評価△、拭き取り評価△であった。
【0039】
(比較例1)
固体のポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]を用いず、替わりに液状のカチオン樹脂[商品名:エポミンSP−018(日本触媒社製)]を15質量部用いた以外は実施例1と同様にして比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて比較のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性◎、印刷状態○、流水評価○、拭き取り評価×であった。
【0040】
(比較例2)
固体のポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]を用いなかった以外は実施例1と同様にして比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて比較のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性○、印刷状態○、流水評価×、拭き取り評価×であった。
【0041】
(比較例3)
固体のポリアミン型カチオン樹脂[商品名:サンフィックス555(三洋化成社製)]を用いず、替わりに液状のカチオン樹脂[商品名:サンフィックスPRO100(三洋化成社製)]を15質量部用いた以外は実施例1と同様にして比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて比較のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性×、印刷状態○、流水評価△、拭き取り評価×であった。
【0042】
(比較例4)
疎水性を有するトリメチロールプロパントリアクリレート[商品名:アロニクスM309(東亜合成化学社製)]の替わりに親水性を有するアクリル系光硬化性成分[トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート、商品名:SR9035(日本化薬社製)]を用いた以外は実施例1と同様にして比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製し、それを用いて比較のシートを作り、印刷適性、印刷状態、流水評価、拭き取り評価を行った。
評価した結果、印刷適性○、印刷状態○、流水評価○、拭き取り評価×であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、固体のカチオン性樹脂微細粒子を配合したので、従来のインクジェットインク受容層形成用インクの諸問題を解決し、シート基材(通常の紙、コート紙、アート紙、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙やフィルム、プロセスカラー印刷を施したパンフレットやカタログ、書類など)に形成したインクジェットインク受容層に印字したインクジェットインクの耐水性に優れ、また形成したインクジェットインク受容層も耐水性に優れ、水分により物理的強度が落ちることがなくなり、印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭いても印字が完全に残り、文字が流れたりせず、印字画像の滲みが起こらず、印字の印字品質が高く、かつ印刷インク適性に優れるためシート基材の必要な所定の箇所にのみ容易にインクジェットインク受容層を形成できるのでコストダウンを計ることができる上、オフセット印刷に影響を与えないという顕著な効果を奏する。
【0044】
本発明の請求項2は、シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなるシートであり、構成が簡単で安価であり、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、固体のカチオン性樹脂微細粒子を配合したインクジェットインクを用いてシート基材に形成されたインクジェットインク受容層は耐水性に優れ水分により物理的強度が落ちることがなく、インクジェットインク吸収性が優れ、印字画像の滲みが起こらず、さらに、印字箇所の耐水性に優れるので、印字箇所を流水で洗ったりあるいは濡れタオルで拭いても印字が完全に残り、文字が流れたりせず、各種の記録用シートとして使用できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートの一実施形態の断面を模式的に説明する断面説明図である。
【符号の説明】
1 本発明のシート
2 シート基材
3 インクジェットインク受容層
4 マトリックス
5 固体のカチオン性樹脂微細粒子

Claims (2)

  1. 疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を主成分として含むビヒクルに対して、カチオン性樹脂微細粒子を配合したことを特徴とするインクジェットインク受容層形成用インク。
  2. シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなるシート。
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