JP4785015B2 - インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いた記録用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いた記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットインクを使用するインクジェットプリンタはカラー化が容易で、安価であり、高解像度が可能である、保存性に優れているなどの多くの優れた点を持っているが、上質紙に印字するとインクの定着性に劣り、印字したインクが基材表面に残るため、連続的に印字された場合などにはガイドロールが汚れたり、印字画像の汚れ発生する問題があり、またインクジェット印字が滲んだり、耐水性に劣る問題があった。特に情報産業分野で使用する場合、インクジェット印字されたバーコードなどが滲んで読み取り難くなったり、インクジェット印字された郵便物などが野外にて雨に曝されたり、あるいは誤って水が掛かってしまった場合などには、溶けて印字内容が見えなくなる問題があった。
【0003】
インクジェット記録方式で使用されるインクジェット記録用シートは、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないことなどが要求されるため、高いインク吸収性が求められる。
【0004】
一方、インクジェットインク受容層を形成した用紙(インクジェット用紙)やフィルム(OHPフィルム)などが考案されている(特開平6−183135号公報、特開平6−297830号公報、特公平8−22608号公報、特開平8−72390号公報、特開平8−291496号公報など)。しかし、これらはインク吸収性は改善されるが、基材の全面にインクジェットインク受容層を設けるためコスト高になる問題があるとともに、H液へ影響をあたえるためオフセット印刷に向かないという問題があった。
インクジェットインクとしては耐水性のある顔料タイプのインクが上市されているが、プリンターヘッドの目詰まりやヘッドの耐久性が低下するなどプリンタヘッドへの影響や印字濃度が薄い、カラー化しにくいなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、インクジェットインク印字適性のない基材に形成したインクジェットインク受容層へのインクジェットインク吸収性に優れるとともに、印字したインクジェットインクの耐水性が改善でき、かつ印字画像の滲みが起こらないようにしてインクジェット印字の印字品質を向上できるインクジェットインク受容層形成用インクであって、印刷インク適性に優れるためオフセット印刷などにより基材の必要な所定の箇所にUV照射装置や熱風乾燥機などを用いることなくインクジェットインク受容層を容易に形成できるインクジェットインク受容層形成用インクを提供することであり、本発明の第2の目的は、そのようなインクを用いて基材の所定部に形成されたインクジェットインク受容層を有する記録用シート(プロセスカラー印刷を施したパンフレットやカタログ、書類などを含む)を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の溶剤を主として含むビヒクルを用い、このビヒクルに対してカチオン性樹脂、乾性油および/または半乾性油、およびドライヤを配合したインクジェットインク受容層形成用インクを用いることにより解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、ジエチレングリコールあるいはプロピレングリコールからなる沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルに対して、ポリアミン系カチオン性樹脂あるいはポリエチレンイミン系カチオン性樹脂、亜麻仁油、およびドライヤを配合したことを特徴とする。
【0008】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いることにより、特別な乾燥装置やUV照射装置などが必要でなくなり、そして基材に形成されたインクジェットインク受容層へのインクジェットインク吸収性が優れ、印字画像の滲みが起こらないとともに、印字したインクジェットインクの耐水性が改善でき、インクジェット印字の印字品質を向上できる。さらに、印刷インク適性に優れるため基材の必要な所定の箇所に容易にインクジェットインク受容層を形成できるのでコストダウンを計ることができる上、オフセット印刷に影響を与えない。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクにさらにバインダー樹脂を配合したビヒクルを用いることにより、基材に形成されたインクジェットインク受容層が擦れに強くなり、OCRリーダーなどで擦られてもインクジェットインク受容層が剥離しなくなる。
【0009】
本発明の請求項2の記録用シートは、基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主として含有するビヒクルを用いることが肝要であり、このビヒクル対して、カチオン性樹脂、乾性油および/または半乾性油、およびドライヤを配合して調製される。このようなグリコール系溶剤を用いることにより特別な乾燥装置やUV照射装置などが必要でなくなる。
【0011】
本発明で用いるグリコール系溶剤は、水と混合可能な中沸点および高沸点溶剤(沸点が100℃以上のもの)であり、具体的には、例えばグリコール(グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール)やグリコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)など、およびこれらの2つ以上の混合物を挙げることができる。
【0012】
本発明で用いるカチオン性樹脂は、1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーである。
特に好ましいカチオン性樹脂の例として、具体的には、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などを挙げることができる。本発明におけるカチオン性樹脂としては市販のものを好適に利用できる。
【0013】
市販のカチオン性樹脂の具体例としては、例えば、粉末状のものでは、三洋化成工業(株)製ポリアミン系のサンフィクス555、サンフィクス555C、サンフィクス555NK、サンフィクス555US、第一工業製薬(株)製のレオックスAS(特殊カチオン樹脂)、シャロールDM−254P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、シャロールDM−283P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、日東紡績(株)製のPAA−HCI−3S(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−HCI−10S(ポリアリルアミン塩酸塩)などを挙げることができ、液状のものでは、日本触媒(株)製のエポミンSP−012(ポリエチレンイミン)、エポミンSP−110(ポリエチレンイミン)、エポミンSP−200(ポリエチレンイミン)などを挙げることができる。
【0014】
本発明で使用するグリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルとカチオン性樹脂との質量比(ビヒクル:カチオン性樹脂)は1:1〜1:0.1の範囲が好ましい。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いと印刷適性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると耐水性が劣る恐れがあり、それぞれ好ましくない。
【0015】
本発明で使用する乾性油や半乾性油は、ヨウ素価が130以上の乾性油やヨウ素価が100〜130の半乾性油であり、常温で液体の植物油あるいはその誘導体を好ましく使用することができる。これらの乾性油や半乾性油にその特性を損なわない範囲で合成樹脂を適宜配合することができる。
本発明で使用する乾性油や半乾性油は、具体的には、例えば、亜麻仁油、しなきり油、オイチシカ油、麻実油、サフラワー油、大豆油、トール油、脱水ひまし油など、および熱重合亜麻仁油、マレイン酸付加物などの各種変性物などの誘導体を挙げることができる。
亜麻仁油はアマの種から得られる乾性油であり、乾燥性に富み、空気にさらすと酸化し、加熱すると容易に重合する天然油であり、本発明で好ましく使用することができる。熱重合亜麻仁油はこの亜麻仁油をわずかに熱重合して作られるワニスであり、本発明で好ましく使用することができる。
【0016】
本発明で使用する乾性油および/または半乾性油の配合量は特に限定されないが、グリコール系溶剤を主成分として含むビヒクル100質量部に対して0.1〜40質量部、好ましくは5〜10質量部配合することが望ましい。0.1質量部未満ではベタツキが残る恐れがあり、逆に40質量部を超えるとインクジェットインクをはじく恐れがあり、それぞれ好ましくない。
【0017】
本発明で使用するドライヤは乾性油および/または半乾性油の乾燥を促進するものであり、コバルトドライヤ、マンガンドライヤあるいは両者併用のコンビネーションドライヤなどを用いることができる。ドライヤの配合量は乾性油および/または半乾性油に対して通常は0.5〜10質量%、好ましくは1〜3質量%である。
【0018】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、例えばベタツキを抑制するなどの目的のため、必要に応じて多孔質微粒子を配合できる。
多孔質微粒子の配合量は、ビヒクル100質量部に対して、多孔質微粒子を5〜60質量部、好ましくは10〜50質量部配合することが望ましい。5質量部未満ではベタツキを抑制したり耐水性や印字画像の滲みを改善できない恐れがあり、60質量部を超えると印刷インク適性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
【0019】
多孔質微粒子の具体例としては、例えば、シリカ微粒子では、疎水性のものでは、(日本シリカ工業社 Nipsil SS−10F,SS−15,SS−10A,SS−20,SS−30P,SS−30S,SS−40,SS−50,SS−50A,SS−60,SS−70,SS−100,SS−10F,SS−50F,SS−50B,SS−50C,SS−72F,SS−170X,SS−178Bなど)、親水性のものでは、(トクヤマ社 ファインシールA,B,USF,E50,E70,T32,X12,X30,X37,X37B,X40,X45,X60,X70,X80,RX70,K41,F80,F80B,P8,CMFなど)、さらに、二酸化チタン(日本アエロジル社 T805)、アルミナ微粒子、天然ゼオライト、合成ゼオライト、炭酸カルシウム、活性白土、ガラス、シラスバルーンなどの多孔質微粒子が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0020】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、必要に応じてさらにバインダー樹脂を配合したビヒクルを用いることができる。さらにバインダー樹脂を配合することにより、形成されたインクジェットインク受容層が擦れに強くなり、OCRリーダーなどで擦られても多孔質微粒子が離脱したり、インクジェットインク受容層が剥離しなくなるので好ましい。
【0021】
本発明で用いるバインダー樹脂は、前記グリコール系溶剤とともに使用可能なものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリフェニルアセトアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリエステル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸エステル共重合体などの合成樹脂、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライドを主成分とする化合物あるいはこれらの2種以上の混合物などのカチオン性樹脂、その他、電子線硬化型インク、紫外線硬化型インク、スルホン酸基、カルボキシル基、硫酸エステル基、燐酸エステル基などのアニオン性基を有する例えばロジン変成マレイン酸などのアニオン性樹脂などを挙げることができる。
【0022】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、必要に応じて公知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、粘度調整剤、老化防止剤、pH調節剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、グリセリンなどのロール転写性向上剤などを挙げることができる。
【0023】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、インクジェットインク受容層を有する記録用シートを形成することができる。したがって、本発明においては、特別な乾燥装置やUV照射装置などを必要としない。
【0024】
本発明で用いる基材としては、通常の紙の他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、基材面へのインクの塗工量は、特に限定されないが、例えば0.5〜30g/m2 、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 とする。
【0025】
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえば特開平7−228808号公報、同7−228809号公報に記載のものを用いることができる。特に、アントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。これらの具体例については特開平7−228809号公報の段落番号0015に例示されている。このインクに使用する媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。この他に、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
【0026】
図1は、本発明の記録用シートの一実施形態を説明する説明図である。
図1において、本発明の記録用シート1は、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを使用して基材2の上面の所定箇所にインクジェットインク受容層3が形成してある。4は、インクジェットインク受容層3の上に図示しないインクジェットプリンタで印字された印字である。
【0027】
【実施例】
以下実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
ジエチレングリコール60質量部にポリアミン系カチオン性樹脂〈商品名:サンフィックス 555(三洋化成工業社製)〉を40質量部溶解させる。得られたカチオン性樹脂溶解液100質量部に亜麻仁油〈商品名:8号ボイル油(日清製油社製)〉5質量部を混練する。さらに添加剤として液状ドライヤを0.05質量部加えて三本ロールミルを使用して混練し、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
次に、得られた本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを樹脂凸版を使用してノーカーボン中葉紙N−50(NC紙と称す)および70kg連量の上質紙上に1.5g/cm2 となるようにオフセット印刷を行って印刷適性を評価するとともに、インクジェットインク受容層を有する本発明の記録用シートを作った。
得られた本発明の記録用シートのインクジェットインク受容層にサイテックス社インクジェットプリンタで印字(黒、赤、青および緑染料インク)を行ったあと、下記の評価方法により耐水性の評価を行った。
これらの評価結果を表1に示す。
【0028】
(評価方法)
〈耐水性〉
印字箇所を一定時間流水で洗い流すか、印字箇所に水滴を一定時間滴下したのち、拭き取ってインクの状態を目視により判定する。
印字が完全に残っているものを◎、印字がほぼ完全に残っているものを○、印字が少し薄くなってきているものを△、印字が薄くなっているものを×と判定した。
【0029】
(実施例2)
実施例1で使用した亜麻仁油を10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した後、同様にしてインクジェットインク受容層を有する本発明の記録用シートを作り、印刷適性、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0030】
(実施例3)
実施例1で使用したカチオン性樹脂をポリエチレンイミン系カチオン性樹脂〈商品名:エポミンSP−110(日本触媒社製)〉に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した後、同様にしてインクジェットインク受容層を有する本発明の記録用シートを作り、印刷適性、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0031】
(実施例4)
実施例1で使用したジエチレングリコールをプロピレングリコールに変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した後、同様にしてインクジェットインク受容層を有する本発明の記録用シートを作り、印刷適性、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0032】
(実施例5)
実施例1で使用した亜麻仁油を未焚油品〈商品名:N/B亜麻仁油(日清製油社製)〉に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した後、同様にしてインクジェットインク受容層を有する本発明の記録用シートを作り、印刷適性、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0033】
(比較例1)
ロジン変性フェノール樹脂ワニス76質量部と亜麻仁油ワニス14質量部を混合し、木ロウ(バルチミン酸グリセリド)7質量部とドライヤ3質量部を混合した。得られたワニスに酸化アルミニウム微粒子〈商品名:酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)〉32質量部を加えて、三本ロールミルを使用して混練して比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
次に、得られたインクジェットインク受容層形成用インクを樹脂凸版を使用してノーカーボン中葉紙N−50(NC紙と称す)および70kg連量の上質紙上に1.5g/cm2 となるようにオフセット印刷を行って印刷適性を評価するとともに、インクジェットインク受容層を有する比較の記録用シートを作った。
実施例1と同様にして、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0034】
(比較例2)
アルミナ微粒子〈商品名:酸化アルミニウムC(日本アエロジル社製)〉30質量部をUVワニス〈商品名:シルバーワニス(T&K TOKA社製)〉100質量部中に、三本ロールミルを使用して混練して比較のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
比較例1と同様にして、耐水性の評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
実施例1〜5のインクジェットインク受容層形成用インクは印刷適性に優れる上、表1から、インクジェットプリンタで印字(黒、赤、青および緑染料インク)した印字の耐水性に優れていることが判る。
それに対して、比較例1〜2のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷適性に劣る上、耐水性に劣る。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、ジエチレングリコールあるいはプロピレングリコールからなる沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルに対して、ポリアミン系カチオン性樹脂あるいはポリエチレンイミン系カチオン性樹脂、亜麻仁油、およびドライヤを配合したので、従来のインクジェットインク受容層形成用インクの諸問題を解決し、インクジェットインク印字適性のない基材に形成したインクジェットインク受容層へのインクジェットインク吸収性に優れるとともに、印字したインクジェットインクの耐水性が改善でき、かつ印字画像の滲みが起こらないようにしてインクジェット印字の印字品質を向上でき、印刷インク適性に優れるためオフセット印刷などにより基材の必要な所定の箇所にUV照射装置や熱風乾燥機などを用いることなくインクジェットインク受容層を容易に形成できるという顕著な効果を奏する。
【0038】
本発明の請求項2の記録用シートは、基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有するので、高いインク吸収性を示し、インクジェットインク受容層に印字したインクジェットインクの耐水性に優れ、かつ印字画像の滲みが起こらず、印字の印字品質が高いという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録用シートの一実施形態を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 本発明の記録用シート
2 基材
3 インクジェットインク受容層
4 印字
Claims (2)
- ジエチレングリコールあるいはプロピレングリコールからなる沸点100℃以上のグリコール系溶剤を主成分として含むビヒクルに対して、ポリアミン系カチオン性樹脂あるいはポリエチレンイミン系カチオン性樹脂、亜麻仁油、およびドライヤを配合したことを特徴とするインクジェットインク受容層形成用インク。
- 基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなることを特徴とする記録用シート。
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