JP2005104010A - インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシート - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線硬化型オーバーコート層が硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなるインクジェットインク受容層形成用インクおよびそのようなインクを用いてシート基材の所定部に形成されたインクジェットインク受容層を有し、さらにその面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなるシートの提供。
【解決手段】バインダ樹脂4、多孔質微粒子5および蛍光材を必須成分として含むインクジェットインク受容層形成用インクを用いシート基材2の所定部にインクジェットインク受容層3を形成し、さらにその面に紫外線硬化型オーバーコート層7を形成したシート1により課題を解決できる。
【選択図】 図1
【解決手段】バインダ樹脂4、多孔質微粒子5および蛍光材を必須成分として含むインクジェットインク受容層形成用インクを用いシート基材2の所定部にインクジェットインク受容層3を形成し、さらにその面に紫外線硬化型オーバーコート層7を形成したシート1により課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシートに関するものである。
従来、プラスチックカードの利用が広がる中で、その印字方式としては、熱転写方式のプリンターによるもの(Ultra Graphic)やレーザ光により色剤を発色させるレーザによる方法などが実用化されている。一方、インクジェットインクを使用するインクジェットプリンタによる記録形態は、高速、低騒音、機構が簡単で小型軽量、マルチカラー化が容易で、画像の大型化が容易、現像定着が不要、記録パターンの融通性が大きいなど多くの特徴があり、文字だけでなく画像の処理をも含んだハードコピーを得る方法として広く普及している。しかし紙や紙カードへの印字については実用化されているが、インクジェットインクを使用して印字可能なプラスチックフィルムやプラチックカードが求められている。
印字可能なプラスチックフィルムやプラチックカードに要求される特性としては、(1)インクの定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらないこと、(2)印字濃度が高く、発色性に優れていること、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないこと、などが求められる。
印字可能なプラスチックフィルムやプラチックカードに要求される特性としては、(1)インクの定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらないこと、(2)印字濃度が高く、発色性に優れていること、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないこと、などが求められる。
一般的にインクジェットインク印字性向上のためには、通常の紙やインクジェット記録用紙と称されるシート基材上に非晶質シリカなどの微粒子とポリビニルアルコールなどの水溶性バインダ樹脂からなる多孔質のインクジェットインク受容層を設けてなる記録材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしこれらの記録材料は何れも通常の紙やインクジェット記録用紙などをシート基材として用いるものであり、プラスチックフィルムやプラチックカードなどのシート基材に対しては適用できない。
しかしこれらの記録材料は何れも通常の紙やインクジェット記録用紙などをシート基材として用いるものであり、プラスチックフィルムやプラチックカードなどのシート基材に対しては適用できない。
そこで、透明な合成樹脂シート表面に、ポリビニルピロリドンを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用シート(特許文献2参照)、透明な熱可塑性樹脂フィルム上に、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性樹脂とコロイダルシリカとを含有する透明なインク受容層を設けた記録用シート(特許文献3参照)、透明なプラスチックフィルム上に、平均粒径1〜100mμの超微粒子と平均粒径1〜20μmの微粒子とを含有する水溶性高分子の薄膜を設けた記録用シート(特許文献4参照)、透明フィルム上に粒径5〜50μm程度の透明性微粒子(ガラスビーズや合成樹脂球状マイクロビーズなど)を含有させた透明性接着剤を塗布したオーバーヘッドプロジェクタ用フィルム(特許文献5参照)、水溶性高分子化合物(例えば、ポリビニルピロリドン)と水不溶性高分子化合物(例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒドの縮合生成物)を含む少なくとも2種の成分と、一方の成分に対して良溶媒であり、他方の成分に対して貧溶媒である溶媒とを含む加熱溶液を基材に直接塗布し、溶媒を高温で乾燥除去してインク受容層を形成する方法(特許文献6参照)、などが提案されている。
しかし、現在実用化されている多くの高解像度のインクジェットプリンタは水性染料または親水性顔料を色剤として使用したものであり、耐水性が充分でなかったり、耐摩耗性が劣るものである。特にカードに求められる各種の条件では、用紙に印字されるものよりも高度な耐性が求められることになる。
そこで印字表面をオーバーコートすることが行われる。オーバーコートには紫外線硬化型インク(塗料)、水性インク(塗料)、または溶剤型インク(塗料)が広く用いられる。しかし水性塗料では乾燥工程に時間が必要であったり、乾燥時の基材への影響があったりするため実用的ではない。また、溶剤型では乾燥のため気中に溶剤が気散するために作業環境や健康に影響する状態になったり、地球環境への負担を招く問題がある。
一方、紫外線硬化型ではこのような問題はないが、紫外線硬化反応により黄変が発生するという問題がある。この黄変を抑える方法としては、例えば特定の光重合開始剤を使用する方法(例えば特許文献7参照)や特定の酸化防止剤を使用する方法(例えば特許文献8参照)が提案されている。
特開昭64−11877号公報
特開昭61−32788号公報
特開昭61−19389号公報
特開昭61−280983号公報
特開昭61−24494号公報
特許第2694042号公報
特開昭61−194062号公報
特許第2586369号公報
そこで印字表面をオーバーコートすることが行われる。オーバーコートには紫外線硬化型インク(塗料)、水性インク(塗料)、または溶剤型インク(塗料)が広く用いられる。しかし水性塗料では乾燥工程に時間が必要であったり、乾燥時の基材への影響があったりするため実用的ではない。また、溶剤型では乾燥のため気中に溶剤が気散するために作業環境や健康に影響する状態になったり、地球環境への負担を招く問題がある。
一方、紫外線硬化型ではこのような問題はないが、紫外線硬化反応により黄変が発生するという問題がある。この黄変を抑える方法としては、例えば特定の光重合開始剤を使用する方法(例えば特許文献7参照)や特定の酸化防止剤を使用する方法(例えば特許文献8参照)が提案されている。
しかし、光重合開始剤を使用する方法は選択肢が少なく安全性などに問題があり、必ずしも全ての紫外線硬化型インク(塗料)に対して有効でないという問題があり、酸化防止剤を使用する方法は、経時での黄変には効果が認められるが、硬化反応時の黄変については充分でないという問題がある。
本発明の第1の目的は、紫外線硬化型オーバーコート層が硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなるインクジェットインク受容層形成用インクを提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのようなインクを用いてシート基材の所定部に形成されたインクジェットインク受容層を有し、さらにその面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなるシートを提供することである。
本発明の第2の目的は、そのようなインクを用いてシート基材の所定部に形成されたインクジェットインク受容層を有し、さらにその面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなるシートを提供することである。
前記課題を解決するための本発明の請求項1は、バインダ樹脂、多孔質微粒子および蛍光材を必須成分として含むことを特徴とするインクジェットインク受容層形成用インクである。
本発明の請求項2は、請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクにおいて、前記蛍光材が蛍光増白剤であり、インク全体(固形分)100質量部に対して0.05〜1質量部配合されていることを特徴とする。
本発明の請求項3は、シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有し、前記インクジェットインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなることを特徴とするシートである。
本発明の請求項4は、請求項3記載のシートにおいて、カードであること特徴とする。
本発明の請求項1のインクジェットインク受容層形成用インクは、バインダ樹脂、多孔質微粒子および蛍光材を必須成分として含むので、印刷インク適性に優れるため印刷機でシート基材(カード基材と称すこともある)の必要な所定の箇所に容易にインク受容層を形成でき、しかもこのインクを用いて形成されたインク受容層は、(1)水溶性、油溶性あるいは混合溶剤系などのインクジェットインクのタイプにかかわらずインクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないなど特性を有し、そして蛍光材を必須成分として含むので、形成されたインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層を形成し紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、前記蛍光材が蛍光増白剤であり、インク全体(固形分)100質量部に対して0.05〜1質量部配合されているので、印刷インク適性、取り扱い性、作業効率を向上できるとともに紫外線硬化型オーバーコート層を形成し紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変がより目立たなくなるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3は、シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有し、前記インクジェットインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなることを特徴とするシートであるので、構成が簡単で安価であり、形成されたインク受容層は、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないなど特性を有し、そして紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなるので耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れる上、蛍光材を必須成分として含むので、紫外線硬化型オーバーコート層に紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4は、請求項3記載のシートにおいて、カードであること特徴とするものであり、磁気カード、ICカード、リライトカードなど各種カードに適用できるというさらなる顕著な効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のシート(磁気カード)の1実施の形態の断面を模式的に説明する説明図である。
図2は、図1に示した本発明のシート(カード)の平面説明図である。
本発明のシート(磁気カード)1は、シート基材(プラスチックカード基材)2の上面の所定の箇所に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて図示しない公知の印刷機により印刷し、乾燥して形成されたインクジェットインク受容層3(例えば、サインパネルなど)を有している。4はバインダ樹脂であり、5はバインダ樹脂4中に配合され分散している多孔質微粒子を示す。本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷インク適性に優れるため公知の印刷機でシート基材2の必要な所定の箇所に容易にインクジェットインク受容層3を形成できる。
図1は、本発明のシート(磁気カード)の1実施の形態の断面を模式的に説明する説明図である。
図2は、図1に示した本発明のシート(カード)の平面説明図である。
本発明のシート(磁気カード)1は、シート基材(プラスチックカード基材)2の上面の所定の箇所に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて図示しない公知の印刷機により印刷し、乾燥して形成されたインクジェットインク受容層3(例えば、サインパネルなど)を有している。4はバインダ樹脂であり、5はバインダ樹脂4中に配合され分散している多孔質微粒子を示す。本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷インク適性に優れるため公知の印刷機でシート基材2の必要な所定の箇所に容易にインクジェットインク受容層3を形成できる。
水溶性、油溶性あるいは混合溶剤系などの公知のインクジェットインクを使用して、図示しないインクジェットプリンタにより、インクジェットインク受容層3上に印字6(この例では会員番号)すると、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならない。またインク受容層3は透明性に優れる。
そして、印字6を有するインクジェットインク受容層3の上に印字6などを保護するために透明ウレタン樹脂などの紫外線硬化型オーバーコート層7が形成されている。インクジェットインク受容層3は蛍光材を含むので、紫外線硬化型オーバーコート層7が紫外線照射されて硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなる。
紫外線硬化型オーバーコート層7を形成するために用いるオーバーコート材は塗布工程における塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としないように従来の樹脂成分を有機溶剤に溶解してなる溶剤系塗料ではなく、水性エマルジョン系塗料、特に、紫外線硬化型脂肪族ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン系塗料が好ましく使用できる。
そして、印字6を有するインクジェットインク受容層3の上に印字6などを保護するために透明ウレタン樹脂などの紫外線硬化型オーバーコート層7が形成されている。インクジェットインク受容層3は蛍光材を含むので、紫外線硬化型オーバーコート層7が紫外線照射されて硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなる。
紫外線硬化型オーバーコート層7を形成するために用いるオーバーコート材は塗布工程における塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としないように従来の樹脂成分を有機溶剤に溶解してなる溶剤系塗料ではなく、水性エマルジョン系塗料、特に、紫外線硬化型脂肪族ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン系塗料が好ましく使用できる。
本発明のシート1は、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れるので耐水性および耐候性が要求される用途分野への適用が可能である。
本発明で用いる蛍光材は有機系蛍光材でも無機系蛍光材でもあるいはこれらの2種以上の混合物でもよく、公知の蛍光材を用いることができる。
有機系蛍光材としては、具体的には、ドナー−アクセプター型、シアニン型、非環状あるいは環状ポリエン型などの蛍光染料を挙げることができ、また、スチルベン、4,4’−ジアミノスチルベン、ビフェニル、複素5員環(トリアゾール、オキサゾール、イミダゾールなど)、複素6員環(クマリン、ナフタルイミド、s−トリアジンなど)の誘導体などの蛍光増白剤あるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。蛍光増白剤を用いると紫外線硬化型オーバーコート層7を形成し紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変がより目立たなくなるので好ましく使用できる。
無機系蛍光材としては、具体的には、純度の高い亜鉛、カドミウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、イットリウム、などの金属の酸化物、硫化物、ケイ酸塩、タングステン酸塩、酸素酸塩などを主成分とし、これに微量のマンガン、銀、銅、鉛、ユーロピウムなどの活性化剤および融剤を添加して、高温で焼成したものあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
有機系蛍光材としては、具体的には、ドナー−アクセプター型、シアニン型、非環状あるいは環状ポリエン型などの蛍光染料を挙げることができ、また、スチルベン、4,4’−ジアミノスチルベン、ビフェニル、複素5員環(トリアゾール、オキサゾール、イミダゾールなど)、複素6員環(クマリン、ナフタルイミド、s−トリアジンなど)の誘導体などの蛍光増白剤あるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。蛍光増白剤を用いると紫外線硬化型オーバーコート層7を形成し紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変がより目立たなくなるので好ましく使用できる。
無機系蛍光材としては、具体的には、純度の高い亜鉛、カドミウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、イットリウム、などの金属の酸化物、硫化物、ケイ酸塩、タングステン酸塩、酸素酸塩などを主成分とし、これに微量のマンガン、銀、銅、鉛、ユーロピウムなどの活性化剤および融剤を添加して、高温で焼成したものあるいはこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明で用いるバインダ樹脂は公知のインク用バインダ樹脂を用いることができ、インクのタイプは溶剤インク、赤外線、紫外線、電子線などの放射線を照射して硬化する放射線硬化型インク、特殊インクなどいずれでもよく、特に限定されるものではない。バインダ樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ハロゲン化ポリオレフィン系、ポリイミド系、アクリル系、エチレン・ビニルアルコール共重合体系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系、ポリエーテルスルホン系などの1つ以上のバインダ樹脂を挙げることができる。
ポリエステル系、ハロゲン化ポリオレフィン系、アクリル系、ポリ塩化ビニル系から選ばれる樹脂はバインダ樹脂としての特性により優れるとともに、入手が容易で安価であるので本発明において好ましく使用できる。
アクリル系バインダの例として、アクリル系光硬化性成分を挙げることができる。親水性を有するアクリル系光硬化性成分[例えばエチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分]や疎水性を有するアクリル系光硬化性成分[例えば、エチレングリコール単位を分子内にもたないか、あるいは持っていてもn=2以下のポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは2以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分]などいずれも使用できる。
疎水性を有する光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体などを挙げることができる。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
疎水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介して飽和ポリエステルセグメントが連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
光重合開始剤は、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常アクリル系光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常アクリル系光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、塗布工程におけるシート基材2面への塗布適性に優れると共に、揮発した有機溶剤により人体が悪影響を受けたり、あるいは引火を防ぐための吸引設備や防曝設備などを必要としないように従来の樹脂成分を有機溶剤に溶解してなる溶剤系塗料ではなく、水性エマルジョン系塗料、特に、紫外線硬化型脂肪族ウレタンアクリレートを主成分とする水性エマルジョン系塗料が好ましく使用できる。
本発明において前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤を用いることもできる。有機溶剤を用いる場合は沸点50〜200℃の有機溶剤を用いることにより安全性、乾燥性、作業性などのバランスに優れるインクジェットインク受容層形成用インクが得られる。沸点50℃未満では引火の危険性があり不安全となる恐れがあり、沸点200℃を超えると乾燥性が悪くなり乾燥温度を高くしたり、乾燥時間を長くしたり、減圧にするなどの必要があるので作業性が悪くなり、コストアップとなる恐れがある。
前記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、インク全体に対して30〜80質量%であることが印刷インク適性、取り扱い性、作業効率を向上できるので望ましい。30質量%未満では粘度が高過ぎて印刷インク適性が劣る恐れがあり、80質量%を超えると粘度が低過ぎて取り扱い性や乾燥性が悪くなり、また作業効率が悪くなり、コストアップとなる恐れがある。
本発明で用いる多孔質微粒子は、親水性多孔質微粒子でも疎水性多孔質微粒子でもあるいはこれらの混合物でもよくいずれも使用できる。疎水性多孔質微粒子は水に分散し難く、水に分散させても、静置して放置すると、沈殿して、2層に分離してしまうのに対して、水に容易に分散でき、分散させた後、静置して放置しても沈殿が起きず、均一な懸濁状態を維持するような多孔質微粒子は本発明において好ましく使用できる。
親水性多孔質微粒子としては、無機酸化物多孔質微粒子と樹脂多孔質微粒子が挙げられる。親水性多孔質微粒子の具体例としては、例えば、アルミナ微粒子、各種デンプン系微粒子、微粒状アクリル樹脂、微粒状メタクリル樹脂、天然ゼオライト微粒子、合成ゼオライト微粒子、炭酸カルシウム微粒子、活性白土微粒子、シリカ微粒子などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いる多孔質微粒子としてシリカ微粒子はインクジェットインクの吸収性、定着性などの特性により優れるとともに、入手が容易で安価であるので本発明において好ましく使用できる。
本発明においては、前記バインダ樹脂と前記多孔質微粒子の混合比は特に限定されないが、前記バインダ樹脂と前記多孔質微粒子の質量比が4:1〜1:4であることが望ましい。バインダ樹脂と多孔質微粒子の質量比を特定の範囲内にすることにより優れたインクの吸収性や定着性、印刷インク適性が得られるとともに、耐滲み性、耐ひび割れ性を有するインク受容層を形成できる。前記バインダ樹脂の配合比が前記多孔質微粒子の質量に対して4を超えるとインクの吸収性、定着性、耐滲み性が低下する恐れがあり、前記多孔質微粒子の配合比が前記バインダ樹脂の質量に対して4を超えると印刷インク適性が低下する恐れがあるので好ましくない。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクに、吸水性、定着性、耐水性をさらに向上するなど吸水性、定着性、耐水性を調整するために、固体の1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーなどのカチオン性樹脂を適宜添加することができる。
特に好ましいカチオン性樹脂の例として、具体的には、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などである。本発明におけるカチオン性樹脂としては市販のものを好適に利用できる。
特に好ましいカチオン性樹脂の例として、具体的には、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などである。本発明におけるカチオン性樹脂としては市販のものを好適に利用できる。
市販の粉末状微細粒子のカチオン性樹脂の具体例としては、例えば、三洋化成工業(株)製ポリアミン系のサンフィクス555、サンフィクス555C、サンフィクス555NK、サンフィクス555US、第一工業製薬(株)製のレオックスAS(特殊カチオン樹脂)、シャロールDM−254P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、シャロールDM−283P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、日東紡績(株)製のPAA−HCI−3S(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−HCI−10S(ポリアリルアミン塩酸塩)などを挙げることができる。
本発明のインク中へのカチオン性樹脂の配合量は、特に限定されないが、バインダ樹脂成分100質量部に対してカチオン性樹脂1〜40質量部が好ましく、より好ましくは5〜35質量部である。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いとシート基材との接着性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると水性インクの吸着性、吸収性、定着性、耐水性に劣る恐れがあり、それぞれ好ましくない。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、滑剤、増感剤などを含有させることもできる。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、オフセット印刷機、シルクスクリーン印刷機、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段により基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、必要に応じて乾燥、紫外線照射して、インクジェットインク受容層を有する本発明のシートを形成することができる。
紫外線硬化型オーバーコート層7を形成するために用いるオーバーコート材の具体例としては、水性エマルジョンの紫外線硬化型芳香族系あるいは肪族ウレタンアクリレートである。ウレタン結合を形成する脂肪族および脂環式ジイソシアネート成分として代表的なものは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHMDI)などである。脂肪族ウレタンアクリレートは、オリゴマーないしモノマー状態の脂肪族ウレタンアクリレートが水中に分散されてなるものである。好適に利用できる市販品の具体例としては、ダイセルUCB社製のUcecoat DW7900やBASF社製のLaromer LR8949などがある。芳香族系ジイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびキシリレンジイソシアネート(XDI)などが挙げられる。脂肪族ウレタンアクリレートは芳香族ウレタンアクリレートと比較すると、前者の方が後者より、オーバーコート材のコーティング適性やオーバーコート層の硬化状態の点で好ましい。また、前者の方が後者よりも透明性に優れている。しかし脂肪族ウレタンアクリレートに芳香族系ジイソシアネートを混合して使用することができる。
前記ウレタンアクリレートの紫外線による硬化を行わせるために、光重合開始剤を用いる。光重合開始剤としては、通常使用されているものがいずれも好ましく使用できる。
代表的なものは分子内結合開放型および分子間水素引抜き型ある。分子内結合開放型は分子開裂によりラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾイル・アルキル・エーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。分子間水素引抜き型は分子間の水素引抜きでラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサンソンなどが挙げられる。
光重合開始剤をあらかじめ水性エマルジョン塗料に配合しておくことも可能であるが、取扱いに注意しないと、ポットライフが短くなる、作業時の環境によって硬化程度が左右されやすい、その結果品質のばらつきが生じるなどの欠点があるので、塗布する時期にできるだけ近づけて配合するのが好ましい。
光重合開始剤と併用するものとして光重合開始助剤または増感剤があり、アミン類、スルホン類、ホスフィン類が使用できる。
代表的なものは分子内結合開放型および分子間水素引抜き型ある。分子内結合開放型は分子開裂によりラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾイル・アルキル・エーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。分子間水素引抜き型は分子間の水素引抜きでラジカルを発生するタイプであって、例として、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、イソブチルチオキサンソンなどが挙げられる。
光重合開始剤をあらかじめ水性エマルジョン塗料に配合しておくことも可能であるが、取扱いに注意しないと、ポットライフが短くなる、作業時の環境によって硬化程度が左右されやすい、その結果品質のばらつきが生じるなどの欠点があるので、塗布する時期にできるだけ近づけて配合するのが好ましい。
光重合開始剤と併用するものとして光重合開始助剤または増感剤があり、アミン類、スルホン類、ホスフィン類が使用できる。
また、オーバーコート材に酢酸ビニル塩化ビニル共重合体を含有させることで外表面の艶・光沢などを向上できる。また、高級アルコールのリン酸エステルを含有させることで、その滑剤としての作用により、オーバーコート層7を鏡面仕上げに加工する際、鏡面板とオーバーコート層7との剥離を円滑にし、もって表面状態を良好に形成できる。
さらに、オーバーコート材に微細粒子を添加することにより、オーバーコート層の筆記性が改善されるので、オーバーコート層7の上にサインパネルを形成する場合などに好適であり、無機質および有機質のいずれも使用できる。具体的には、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、スルホ・アルミン酸カルシウム、球状アルミナ、二酸化チタン、各種デンプン、合成ゼオライト、微球状アクリル樹脂、微球状メタクリル樹脂、微球状ポリエチレン、ガラス粉末、シラスバルーン、活性白土などが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの微細粒子は、その平均粒子径が1〜20μm、好ましくは2〜5μmの範囲にあるものが好適である。なお、微細粒子のオーバーコート材への添加量は、オーバーコート材(固形分)100質量部に対して、5〜200質量部含有させるのが好ましい。
その他、塗布適性や形成されたオーバーコート層7の物理的・化学的適性などを考慮し、滑剤、増粘剤、レベリング剤、界面活性剤、填料などを適宜添加することが好ましい。
オーバーコート材全体における固形分の割合は20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%、さらに好ましくは35質量%程度に調製される。
オーバーコート材全体における固形分の割合は20〜50質量%、好ましくは30〜40質量%、さらに好ましくは35質量%程度に調製される。
オーバーコート材を用いてオーバーコート層7を形成する基本的工程は、水性エマルジョン系塗料を塗布する塗布工程a、水性エマルジョン系塗料から水分を除去する乾燥工程b、塗料層を紫外線照射により硬化させる硬化工程cおよび塗料硬化層を加熱・加圧する成型工程dからなる。
本発明で用いるシート基材としては、通常の紙、コート紙、アート紙、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙やフィルム、プロセスカラー印刷を施したパンフレットやカタログ、書類などの他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどあるいはこれらの2種以上を組み合わせた合成フィルムや合成シートを用いることもできる。これらの合成フィルムや合成シートを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、シート基材面への本発明のインクの塗工量は特に限定されないが、例えば1〜30g/m2、好ましくは3〜20g/m2、さらに好ましくは5〜15g/m2とする。
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえばアントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。このインクに使用する媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。このほかに、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
下記の原料(1)〜(6)を高速ミルを使用して混合した後、三本ロールミルで混練し、得られたスクリーンインク組成物に蛍光増白剤(商品名:Kayalight O(日本化薬社製))0.2質量部を加え溶解させ、本発明のインクジェットインク受容層形成用スクリーンインクを調製した。
(1)塩化ゴム樹脂(分子量:約12000) 25質量部
(2)塩化ポリエチレン(分子量:約6500) 10質量部
(3)エポキシ樹脂(商品名:エピコート#828、ジャパンエポキシレジン社製)
3質量部
(4)合成親水性シリカ微粒子(商品名:NIPSIL E−20、日本シリカ社製)
14質量部
(5)メチルカルビトールアセテート(有機溶剤) 47質量部
(6)消泡剤(商品名:ダッポーSN−3667、サンノプコ社製)1質量部
(1)塩化ゴム樹脂(分子量:約12000) 25質量部
(2)塩化ポリエチレン(分子量:約6500) 10質量部
(3)エポキシ樹脂(商品名:エピコート#828、ジャパンエポキシレジン社製)
3質量部
(4)合成親水性シリカ微粒子(商品名:NIPSIL E−20、日本シリカ社製)
14質量部
(5)メチルカルビトールアセテート(有機溶剤) 47質量部
(6)消泡剤(商品名:ダッポーSN−3667、サンノプコ社製)1質量部
得られた本発明のインクを図1〜2に示したポリ塩化ビニル樹脂製カード基材2上に10μmの厚みになるようにスクリーン印刷し、75℃/1時間乾燥し、インクジェットインク受容層3を形成して得られたシート(磁気カード)に対して、Scitex社インクジェットプリンタ#6240で印字を行った。
得られたシート(磁気カード)全面をUV硬化型透明オーバーコート材(商品名:FD TC OPニスVC(東洋インキ製造社製)をフレキソ印刷により5μmの厚みになるように印刷し、乾燥、紫外線照射してオーバーコート層7を形成して本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について下記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
得られたシート(磁気カード)全面をUV硬化型透明オーバーコート材(商品名:FD TC OPニスVC(東洋インキ製造社製)をフレキソ印刷により5μmの厚みになるように印刷し、乾燥、紫外線照射してオーバーコート層7を形成して本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について下記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
(評価方法)
1.ひび割れ
得られたインクジェットインク受理層面の印字部を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:全くひび割れなし。
△:ややひび割れあるが、実用上問題ない。
×:ひび割れ多く実使用不可。
1.ひび割れ
得られたインクジェットインク受理層面の印字部を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:全くひび割れなし。
△:ややひび割れあるが、実用上問題ない。
×:ひび割れ多く実使用不可。
2.表面欠陥
得られたインクジェットインク受理層面を目視で観察し、以下の基準で乾燥時の風紋を評価した。
◎:全く風紋なし。
○:やや風紋あり。
△:風紋あるが、実用上問題ない。
×:風紋多く実使用不可。
得られたインクジェットインク受理層面を目視で観察し、以下の基準で乾燥時の風紋を評価した。
◎:全く風紋なし。
○:やや風紋あり。
△:風紋あるが、実用上問題ない。
×:風紋多く実使用不可。
3.オーバーコート層表面強度
得られたインクジェットインク受理層面の印字部をJIS式板紙耐摩耗試験機を使用して表面強度を評価した。その際、メチルアルコールで湿らせたキムワイプを加重200gをかけて200回擦った後のキムワイプへのインクジェットインク付着を観察しインクジェットインク脱落を以下の基準で評価した。
○:全くインクの付着がない。
△:キムワイプには黒いインク後が見られるが実使用では問題ない。
×:脱落が多く実使用不可。
得られたインクジェットインク受理層面の印字部をJIS式板紙耐摩耗試験機を使用して表面強度を評価した。その際、メチルアルコールで湿らせたキムワイプを加重200gをかけて200回擦った後のキムワイプへのインクジェットインク付着を観察しインクジェットインク脱落を以下の基準で評価した。
○:全くインクの付着がない。
△:キムワイプには黒いインク後が見られるが実使用では問題ない。
×:脱落が多く実使用不可。
4.黄変
黄変を肉眼で観察して以下の基準で評価した。
○:全く黄変が見られない。
△:やや黄変が見られるがデザインを損ねることがなく実使用では問題ない。
×:黄変がひどく、デザインを損ねるため実使用不可。
黄変を肉眼で観察して以下の基準で評価した。
○:全く黄変が見られない。
△:やや黄変が見られるがデザインを損ねることがなく実使用では問題ない。
×:黄変がひどく、デザインを損ねるため実使用不可。
下記の原料(1)〜(6)を高速ミルを使用して混合した後、三本ロールミルで混練し、得られたスクリーンインク組成物に蛍光増白剤(商品名:Kayalight K(日本化薬社製))0.2質量部を加え溶解させ、本発明のインクジェットインク受容層形成用スクリーンインクを調製した。
(1)塩素化ポリプロピレン(分子量:約3000) 30質量部
(2)エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカル社製) 1質量部
(3)合成親水性シリカ微粒子(商品名:SYLYIA 310P、富士シリシア社製)
14質量部
(4)キシレン 30質量部
(5)セロソルブアセテート 24質量部
(6)消泡剤(商品名:ダッポーSN−3667、サンノプコ社製)1質量部
(1)塩素化ポリプロピレン(分子量:約3000) 30質量部
(2)エポキシ樹脂(商品名:DEN438、ダウケミカル社製) 1質量部
(3)合成親水性シリカ微粒子(商品名:SYLYIA 310P、富士シリシア社製)
14質量部
(4)キシレン 30質量部
(5)セロソルブアセテート 24質量部
(6)消泡剤(商品名:ダッポーSN−3667、サンノプコ社製)1質量部
得られた本発明のインクを図1〜2に示したポリ塩化ビニル樹脂製カード基材2上に10μmの厚みになるようにスクリーン印刷し、75℃/1時間乾燥し、インクジェットインク受容層3を形成して得られたシート(磁気カード)に対して、Scitex社インクジェットプリンタ#6240で印字を行った。
得られたシート(磁気カード)全面をUV硬化型透明オーバーコート材(商品名:FD TC OPニスVC(東洋インキ製造社製)をフレキソ印刷により5μmの厚みになるように印刷し、乾燥、紫外線照射してオーバーコート層7を形成して本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
得られたシート(磁気カード)全面をUV硬化型透明オーバーコート材(商品名:FD TC OPニスVC(東洋インキ製造社製)をフレキソ印刷により5μmの厚みになるように印刷し、乾燥、紫外線照射してオーバーコート層7を形成して本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
実施例1で使用した蛍光増白剤を0.5質量部とした以外は同様な操作を行って本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
実施例1で使用した蛍光増白剤を1.0質量部とした以外は同様な操作を行って本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
実施例1で使用した蛍光増白剤を0.05質量部とした以外は同様な操作を行って本発明のシート1を作った。得られた本発明のシート(カード)1について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1で使用した蛍光増白剤を使用しなかった以外は同様な操作を行って比較のシートを作った。得られた比較のシート(カード)について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
実施例1で使用した蛍光増白剤を使用しなかった以外は同様な操作を行って比較のシートを作った。得られた比較のシート(カード)について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1で使用した蛍光増白剤を含むインクジェットインク受容層形成用スクリーンインクを使用せず、蛍光増白剤を市販の透明インクに混入溶解させた以外は同様な操作を行って比較のシートを作った。得られた比較のシート(カード)について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
実施例1で使用した蛍光増白剤を含むインクジェットインク受容層形成用スクリーンインクを使用せず、蛍光増白剤を市販の透明インクに混入溶解させた以外は同様な操作を行って比較のシートを作った。得られた比較のシート(カード)について実施例1と同様な方法で評価を行った結果を表1に示す。
表1から、実施例1〜5の本発明のシートはひび割れ、表面欠陥がなく、オーバーコート層表面強度に優れており、黄変についても見られないか、やや見られても実使用では問題がないことが判る。それに対して比較例1〜2のシートはひび割れ、表面欠陥、オーバーコート層表面強度はよいが、黄変がひどく実使用不可である。
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷インク適性に優れるため印刷機でシート基材の必要な所定の箇所に容易にインク受容層を形成でき、しかもこのインクを用いて形成されたインク受容層は、(1)水溶性、油溶性あるいは混合溶剤系などのインクジェットインクのタイプにかかわらずインクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないなど特性を有し、そして蛍光材を必須成分として含むので、形成されたインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層を形成し紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなる効果があり、そしてシート基材の少なくとも一方の面の所定部に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いてインクジェットインク受容層を形成し、そのインクジェットインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層を形成した本発明のシートは、構成が簡単で安価であり、紫外線硬化型オーバーコート層に紫外線照射して硬化反応時に黄変したとしても、その黄変が目立たなくなるので、磁気カード、ICカード、リライトカードなど各種カードに適用できるので産業上の利用価値が高い。
1 本発明のシート
2 シート基材
3 インクジェットインク受容層
4 バインダ樹脂
5 多孔質微粒子
6 印字
7 オーバーコート層
2 シート基材
3 インクジェットインク受容層
4 バインダ樹脂
5 多孔質微粒子
6 印字
7 オーバーコート層
Claims (4)
- バインダ樹脂、多孔質微粒子および蛍光材を必須成分として含むことを特徴とするインクジェットインク受容層形成用インク。
- 前記蛍光材が蛍光増白剤であり、インク全体(固形分)100質量部に対して0.05〜1質量部配合されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インク。
- シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有し、前記インクジェットインク受容層面に紫外線硬化型オーバーコート層が形成されてなることを特徴とするシート。
- カードであること特徴とする請求項3記載のシート。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007222782A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Dainippon Toryo Co Ltd | 意匠性建材の製造方法 |
JP2012101478A (ja) * | 2010-11-11 | 2012-05-31 | Toppan Forms Co Ltd | 積層体 |
WO2018168733A1 (ja) * | 2017-03-14 | 2018-09-20 | 株式会社Screenホールディングス | インクジェット用水性コーティング組成物、印刷方法及び印刷物 |
WO2019005746A1 (en) * | 2017-06-29 | 2019-01-03 | Entrust Datacard Corporation | PLASTIC MAP WITH IMPROVED LAMINATE ADHESION |
JP2022523085A (ja) * | 2019-01-31 | 2022-04-21 | シーピーアイ・カード・グループ-コロラド,インク. | 回収プラスチック・カード |
-
2003
- 2003-09-30 JP JP2003341777A patent/JP2005104010A/ja active Pending
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