JP6991705B2 - 画像 - Google Patents

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JP6991705B2
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  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインクから形成される画像に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、活性光線硬化型インクジェットインクの液滴を基材に着弾させた後、活性光線を照射し硬化させて画像を形成する活性光線硬化型インクジェット方式があるが、当該方式は、インク吸収性の少ない基材においても、高い擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
例えば、特許文献1には、記録材料面に放射線硬化型インクを射出した後、着弾したインクを硬化させる放射線のエネルギー量を制御することにより、また、着弾したインクを硬化させる放射線を照射するまでの時間を制御することにより、画像形成部の光沢度を調整するインクジェット記録方法が記載されている。
また、特許文献2には、カチオン硬化性モノマー成分を含むインクを基材上に吐出して画像を記録する記録ヘッドと、前記基材上に着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる光照射装置と、前記画像の光沢を指定する光沢指定部と、前記記録ヘッド及び前記光照射装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記光沢指定部により指定された光沢に応じて前記光照射装置を制御して、活性光線の照射量を調整する画像記録装置によって、画像の光沢の調整を可能としている。
特開2003-211651号公報 特開2006-159684号公報
特許文献1および特許文献2は、画像全体の光沢を一律に調整する方法である。これに対し、本発明は、その構成および課題がこれまで認識されていなかった、まったく新しい概念をもととする画像を提供するものである。
本発明の一態様において、活性光線硬化型インクジェットインクの液滴から形成される複数のドットを含む画像であって、前記複数のドットから任意に選択された1のドットの表面に設定した基準長20μmの範囲で測定される面表面粗さの平均値(Sa)の、複数のドットから測定される平均値が、0.05μm以上0.2μm以下である、画像が提供される。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域の60°光沢値は15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、および前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域と前記低印字率領域との間の60°光沢値の差は3以上20以下である。
本発明の一態様において、上記画像はカラー画像であり、上記ドットは、イエローインクを用いて形成されたイエローのドット、マゼンタインクを用いて形成されたマゼンタのドット、シアンインクを用いて形成されたシアンのドット、ブラックインクを用いて形成されたブラックのドット、およびホワイトインクを用いて形成されたホワイトのドットからなる群から選択された複数の着色ドットを含む。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域の60°光沢値は15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、および前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域と前記低印字率領域との間の60°光沢値の差は3以上20以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、前記複数の着色ドットは、当該色のドットのみから測定される前記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下である着色ドットを含む。
本発明の一態様において、上記複数の着色ドットは、当該色のドットのみから測定される前記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下である着色ドットからなる。
本発明の一態様において、上記複数の着色ドットは、2色の着色ドットの組を含み、前記2色の着色ドットの組は、前記複数の着色ドットから選択された異なる2色の着色ドットからなり、前記2色の着色ドットの組を構成する一の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、前記2色の着色ドットの組を構成する他の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、の差は0.15μm以下である。
本発明の一態様において、上記複数の着色ドットから選択される異なる2色の着色ドットからなる、2色の着色ドットのすべての組は、前記2色の着色ドットの組を構成する一の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、前記2色の着色ドットの組を構成する他の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、の差は0.15μm以下である。
本発明によれば、まったく新しい概念をもととする画像が提供される。
図1Aは、従来技術における、印字率が低い領域のドットの構成を示す模式図である。 図1Bは、従来技術における、印字率が高い領域のドットの構成を示す模式図である。 図2Aは、本発明の一態様における、印字率が低い領域のドットの構成を示す模式図である。 図2Bは、本発明の一態様における、印字率が高い領域のドットの構成を示す模式図である。 図3は、本発明の一態様における、印字率と60°光沢値の関係を示すグラフである。
本発明は、活性光線硬化型インクジェットインクから形成される画像に関する。画像は、活性光線硬化型インクジェットインクを用いて基材上に記録された情報であればよく、単一の文字または文字の集合であってもよく、図形、絵、写真などであってもよい。
活性光線硬化型インクジェットインクから形成される画像は、インクジェット用の記録ヘッドのノズルから上記活性光線硬化型インクジェットインクの液滴を吐出して基材に着弾させ、活性光線の照射により着弾した上記液滴を硬化させて、形成される。着弾して硬化した上記液滴は、画像を構成するドットを形成する。
図1Aに、従来技術における、画像に含まれる印字率が低い領域のドット110の模式的構成が示される。この例示的な領域では、単位面積に着弾する液滴の数はより少なくなり、基材120上に形成されたドット110は、通常、端部同士が隣接または重なり合うことなく、単離する。光沢値がより低い基材表面125は通常より低い光沢値を有するため、このような領域では基材表面の影響を受けて、光沢値がさらに低くなりやすい。また、このような領域は、入射した光L1Aを不規則に反射させるため、より光沢値が低い。
図1Bに、従来技術における、画像に含まれる印字率が高い領域のドット130の模式的構成が示される。この例示的な領域では、単位面積に着弾する液滴の数はより多くなり、基材140上に形成されたドット130の端部同士が時に隣接し、または重なり合う。このような領域は、より平滑化された表面を有し、入射した光L1Bを規則的に反射させるため、より光沢値が高い。
そのため、従来技術においては、印字率が異なる領域間で入射光が異なる反射挙動を示すことにより、画像中で光沢差が生じると考えられる。
これに対し、本発明は、形成されるドットの表面をミクロに粗面化することで、ドットに照射される光を不規則に反射させて、画像に含まれる領域間の印字率の違いによらず光沢値を同程度に調整することができる。
なお、活性光線硬化型インクジェットインクにより形成される画像の表面は、従来においても、図1Bなどにも示すように、完全な平面ではない。また、特許文献1および特許文献2などに記載の方法によれば、画像の表面によりマクロな高低差を形成することができると考えられる。しかし、この程度の凹凸では、上記印字率の違いにより生じる光沢差を小さくして、形成された画像中での光沢差による違和感を抑制するには、不十分である。これに対し、本発明は、ドット表面をミクロに粗面化することで、形成された画像中での光沢差による違和感をより効果的に抑制する。
上記ミクロに粗面化されたドットの表面は、凹凸が形成されていてもよいし、突起物が形成されていてもよいし、凹みまたは細孔が形成されていてもよい。
図2Aに、本発明の一態様における、上記印字率が低い領域の、ドット表面をミクロに粗面化したドット210の模式的構成が示される。この例示的な領域では、通常、基材220上に表面が粗面化されたドット210が単離して存在する。
図2Bに、本発明の一態様における、上記印字率が高い領域の、ドット表面をミクロに粗面化したドット230の模式的構成が示される。この例示的な領域では、基材240上に形成された、表面が粗面化されたドット230は、端部同士が隣接したり、または重なり合ったりしてもよい。
本発明の一態様を示す図2Aおよび図2Bにおいて、形成されたドットの表面はいずれもミクロに粗面化されており、入射した光L2Aおよび光L2Bをいずれも同程度の不規則性で反射させる。そのため、画像中での、印字率が高い領域と印字率が低い領域との間の光沢の差を、小さくすることができる。これにより、形成された画像中での光沢差による違和感がより少なく、より見栄えの優れた画像が提供される。
本発明の一態様において、上記ミクロに粗面化されたドットの表面は、面表面粗さの平均値(Sa)の平均値が0.05μm以上0.2μm以下である。
上記Saは、画像が含む複数のドットのうち1つのドットの表面において測定される。図2Bに示すように、印字率が高い領域ではドットの端部同士が隣接し、または重なり合うことがある。このような場合も、上記Saは1つのドットの表面から測定されることが好ましい。上記印字率が高い領域でも、顕微鏡等によって上面から観察して、個々のドットは識別可能である。
面表面粗さの平均値Saは、基準長で規定される一定領域における算術平均高さであり、対象物の形状の3次元パラメーターをもとに、ISO25178-2に準拠して測定される。3次元パラメーターは、画像表面をレーザー等で走査して得られる物体の形状を表す情報である。測定方法は接触式でも非接触式でもよい。
本発明の一態様において、KEYENCE製レーザー顕微鏡VK-X250にて対物レンズ150倍で一のドットを観察し、当該ドット中心部の20μm×20μmの範囲内に、基準長20μmの範囲を設定し、当該範囲の高さデータを測定する。上記範囲のSaは、上記測定された高さデータから算出することができる。なお、上記高さデータは、Saを算出する前にローパスフィルター(S-フィルター)およびハイパスフィルター(L-フィルター)によってノイズおよびうねりなどを適宜補正することが好ましい。
このとき、複数のドット毎に基準長20μmの範囲を設定して、これら複数のドットから測定された上記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下であることが好ましい。たとえば、10個のドットの表面にそれぞれ任意に選択された10箇所の基準長20μmの範囲から測定された上記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下であることが好ましい。
図3は、従来技術および本発明の一態様における、画像の印字率と60°光沢値との関係を示すグラフである。図3に示すように、従来技術において、活性光線硬化型インクを用いて形成した画像は、通常、印字率が高くなるほど光沢も高くなる傾向がある。これに対し、本発明によれば、印字率を高くしても光沢が高くならないため、画像中での光沢値の変動幅が小さい。これにより、本発明は、形成された画像中での光沢差による違和感が解消され、より見栄えの優れた画像を提供することができる。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が70%以上100%以下の領域(以下、「高印字率領域」ともいう。)を含む。
本発明の一態様において、上記高印字率領域のみから測定した上記Saの平均値は、0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記高印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、印字率が5%以上50%以下の領域(以下、「低印字率領域」ともいう。)を含む。
本発明の一態様において、上記低印字率領域のみから測定した上記Saの平均値は、0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、上記高印字率領域および上記低印字率領域の双方を含む。
本発明の一態様において、上記高印字率領域のみから測定した上記Saの平均値、および上記低印字率領域のみから測定した上記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記高印字率領域と上記低印字率領域との間の60°光沢値の差は、3以上20以下である。
本発明の一態様において、上記画像は、60°光沢値が、印字率によらず常に15以上45以下である。
上記印字率は、たとえば、画像を形成するために用いられたことが推測されるインクジェットヘッドの解像度から求めることができる。具体的には、インクジェットヘッドの解像度から、当該インクジェットヘッドを用いて形成されるベタ画像を埋めるために必要なドット径が求められる。上記ドット径を得るために必要な活性光線硬化型インクの着弾量を4×√2倍して得られる値を、当該インクジェットヘッドを用いて印字率100%のベタ画像を得るためのインクの着弾量とする。画像中のある領域の印字率は、当該領域に含まれる活性光線硬化型インクの着弾量(インクの体積)を、上記印字率100%のベタ画像を得るためのインクの着弾量で除算した値と推定できる。
上記60°光沢値は、公知の光沢計(たとえば、日本電色工業社製ハンディ光沢計PG-II)で測定した値とすることができる。
上記Saが上記範囲であるドット表面は、ミクロに粗面化されているため、入射した光を不規則に反射させる。そのため、上記Saが上記範囲であるドット表面は、印字率の違いによらず画像の光沢を小さくすることができる。
通常、活性光線硬化型のインクジェットインクから形成されるドットの表面は平滑であり、そこから求められるSaは上記範囲よりも小さい。これに対し、本発明において、ドットの表面はミクロに粗面化されている。そのため、本発明において、印字率の違いにかかわらず、画像中の光沢差は小さい。ドット表面が粗面であることで印字率の違いによる画像内の光沢差が小さくなることは、今まで知られていなかった。そのため、従来は、ミクロに粗面化された表面を有するドット、言い換えるとSaが上記範囲であるドット、は形成されておらず、形成しようとする動機づけすらなかった。これに対し、本発明では、ドット表面がミクロに粗面化されていることで、領域間の印字率の違いによらず、画像内の光沢差が小さい。
本発明の一態様において、上記画像は、単一種の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて形成される、モノクロ画像であってもよい。このとき、上記ドットは、呈する色が単一の着色ドットを含む。
本発明の一態様において、上記画像は、含有する色材の種類または量がそれぞれ異なる複数種の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて形成される、カラー画像であってもよい。このとき、上記ドットは、それぞれ呈する色が異なる複数の着色ドットを含む。
なお、本発明の一態様において、上記画像は、色材を含有しない、いわゆるクリアインクである活性光線硬化型インクジェットインクを用いて形成されてもよいし、上記クリアインクと、色材を含有する単一種または複数種の活性光線硬化型インクジェットインクを用いて形成されていてもよい。
本発明の一態様において、上記複数種の活性光線硬化型インクジェットインクは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクおよびホワイトインクから選択される複数種の活性光線硬化型インクジェットインクとすることができる。このとき、上記本発明の一態様における上記ドットは、上記イエローインクを用いて形成されたイエローのドット、上記マゼンタインクを用いて形成されたマゼンタのドット、上記シアンインクを用いて形成されたシアンのドット、上記ブラックインクを用いて形成されたブラックのドット、および上記ホワイトインクを用いて形成されたホワイトのドットから選択される複数の着色ドットを含む。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含む。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む上記高印字率領域のみから測定した上記Saの平均値は、0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む上記高印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含む。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む上記低印字率領域のみから測定した上記Saの平均値は、0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む上記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は高印字率領域および低印字率領域の双方を含む。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む高印字率領域のみから測定した上記Saの平均値、および上記カラー画像が含む低印字率領域のみから測定した上記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像が含む上記高印字率領域と上記低印字率領域との間の60°光沢値の差は、3以上20以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、当該着色ドットのみから測定される上記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下である着色ドットを、少なくとも1色含む。上記カラー画像は、上記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下である着色ドットを、2色含むことが好ましく、3色含むことがより好ましい。上記カラー画像は、上記Saの平均値が0.05μm以上0.2μm以下である着色ドットのみからなることがさらに好ましい。
本発明の一態様において、上記カラー画像から、前記複数の着色ドットから選択された異なる2色の着色ドットからなる、2色の着色ドットの組を設定できる。上記2色の着色ドットの組は、当該組を構成する一の色の着色ドットのみから測定される上記Saの平均値と、当該組を構成する他の色の着色ドットのみから測定される上記Saの平均値と、の差が0.15μm以下である。
本発明の一態様において、上記カラー画像は、上記Saの平均値の差が0.15μm以下である2色の着色ドットの組を、少なくとも1組含む。上記カラー画像は、上記Saの平均値の差が0.15μm以下である2色の着色ドットの組み合わせを、2組含むことが好ましく、3組以上含むことがより好ましい。上記カラー画像を構成する一の色のドットのみから測定される上記Saの平均値と、他の色のドットのみから測定される上記Saの平均値と、の差は常に0.15μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の一態様において、カラー画像においても、各色のドット表面が上記Saの条件を満たすようにミクロに粗面化されていることによって、領域間の印字率の違いによらず、画像内の光沢差が小さい。たとえば、上記イエローのドットの高印字率領域におけるSaおよび低印字率領域におけるSa、ならびに上記シアンのドットの高印字率領域におけるSaおよび低印字率領域におけるSaが、すべて上述した範囲内であると、イエローのドットから形成される領域およびシアンのドットから形成される領域のいずれにおいても、印字率の異なる領域間の光沢差による違和感が解消される。もちろん、他の色の着色ドットにおいても同様である。これにより、フルカラーでも見栄えの優れた画像が提供される。
<活性光線硬化型インクジェットインク>
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合性化合物を含む、インクジェット法によってノズルから吐出可能な組成物であり、色材、光重合開始剤その他の成分を更に含んでもよい。
(光重合性化合物)
光重合性化合物は、活性光線の照射により架橋または重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物でもよく、カチオン重合性化合物でもよい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよく、その例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート CD561、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR454、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR499、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート SR494;新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレート NKエステルA-400、ポリエチレングリコールジアクリレート NKエステルA-600、ポリエチレングリコールジメタクリレート NKエステル9G、ポリエチレングリコールジメタクリレート NKエステル14G;大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレート V#335HP;Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Photomer 4072;新中村化学社製の1,10-デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD-N、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA-DCPおよびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP;Miwon社製のトリメチロールプロパンPO変性トリアクリレートMiramer M360等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよく、そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
光重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いる場合、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等を用いることができる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、または脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001-220526号公報、特開2001-310937号公報、特開2005-255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。なかでも、特開2005-255821号公報の段落番号0089に記載の一般式(1)で表される化合物、同号公報の段落番号0092に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号0107の一般式(7)で表される化合物、段落番号0109の一般式(8)で表される化合物、段落番号0116の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合性化合物の含有量は、インク全質量に対して1質量%以上97質量%以下であることが好ましく、10質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上95質量%以下であることがさらに好ましい。光重合性化合物が(メタ)アクリレート化合物を含む場合、当該(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インク全質量に対して10質量%以上であることが好ましい。当該(メタ)アクリレート化合物の含有量の上限値は、前述と同様、インク全質量に対して95質量%としうる。
(色材)
活性光線硬化型インクジェットインクは、色材を含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、耐候性の良好な画像が得られやすいことなどから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17-1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、120、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の平均粒径は0.08μm以上0.5μm以下であることが好ましい。顔料の最大粒径は0.3μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3μm以下であることがより好ましい。顔料の粒径を調整することによって、記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
顔料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。顔料の含有量が上記範囲だと、得られる画像が十分に発色し、かつ、射出性も良好である。
顔料は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により分散させることが好ましい。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、上述した範囲となるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、顔料分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって調整される。
(顔料分散剤)
活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料の分散性を高めるために、顔料分散剤をさらに含んでもよい。顔料分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。顔料分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ(例えばアジスパーPB824など)が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
(光重合開始剤)
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合開始剤を含んでもよい。光重合開始剤は、上記光重合性化合物がラジカル重合性の官能基を有する化合物であるときは、光ラジカル開始剤を含み、上記光重合性化合物がカチオン重合性の官能基を有する化合物であるときは、光酸発生剤を含む。光重合開始剤は、本発明のインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。光重合開始剤は、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方の組み合わせであってもよい。
光ラジカル開始剤には、開裂型ラジカル開始剤および水素引き抜き型ラジカル開始剤が含まれる。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、および2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノンなどを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルなどを含むベンゾイン系の開始剤、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドなどを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジル、ならびにメチルフェニルグリオキシエステルなどが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、および3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノンなどを含むベンゾフェノン系の開始剤、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、および2,4-ジクロロチオキサントンなどを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトンおよび4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノンなどを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、ならびにカンファーキノンなどが含まれる。
光酸発生剤の例には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ヨードニウム(4-メチルフェニル)(4-(2-メチルプロピル)フェニル)ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、および3-メチル-2-ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、インク硬化時に照射する光や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
(その他の成分)
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光重合開始剤助剤、重合禁止剤、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物、他の樹脂、ゲル化剤などをさらに含んでいてもよい。
光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、一種のみが含まれてもよく、二種類以上が含まれてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
上記インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。
上記他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等が含まれる。
(ドットの表面をミクロに粗面化するための成分)
活性光線硬化型インクジェットインクは、後述する上記ドットの表面をミクロに粗面化するための方法に応じて、粗面化するための成分を含んでいてもよい。
粗面化するための成分は、後述するが、特定のテトラゾール化合物、光重合性化合物との溶解度パラメーターの差が1.0(cal/cm1/2以上3.0(cal/cm1/2以下であるポリマー、沸点120~180℃程度の揮発性物質、および長鎖アルキル基を含有する分散剤などが含まれる。
<インクジェット記録方法>
本発明に係るインクジェット記録方法は、少なくとも(1)活性光線硬化型インクジェットインクのインク液滴を、記録ヘッドから吐出して基材上に着弾させる工程、及び(2)基材上に着弾したインク液滴に活性光線を照射し、インク液滴を硬化させる工程を含む。
(1)工程について
記録ヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5pl以上50pl以下であることが好ましく、高精細の画像を形成するためには、0.5pl以上10pl以下であることがより好ましく、0.5pl以上5.0pl以下であることがさらに好ましい。
基材としては、特に限定なく用いることが可能である。例えばアート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙およびキャスト紙を含む塗工紙、ならびに、非塗工紙を含む吸収性の媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートのようなプラスチックで構成される非吸収性の基材(プラスチック基材)、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機材料を含む基材とすることができる。
本発明の課題は、基材表面の光沢値が比較的低い場合に顕著に現れ、従って、効果もそのような場合に顕著である。好ましく用いられるのは、前述した塗工紙、および、非塗工紙を含む吸収性の媒体であり、特に、60°光沢値が10%~45%程度のものである。
また、通常、高光沢なプラスチック基材であっても、マット処理など光沢を低下させて所望の値に調整したものにおいて、本発明の効果が顕著である。
好ましく用いられる基材の具体例としては、北越紀州製紙株式会社製のマリコート紙(60°光沢値:10%~20%)、および王子製紙株式会社製のOKトップコート紙(60°光沢値:30%~40%)、などが挙げられる。このような基材を用いたときに、本発明の課題が顕著に現れ、本発明の効果も顕著である。
(2)工程について
基材に着弾したインク液滴に活性光線を照射することで、インク液滴に含まれる光重合性化合物を重合させて液滴を硬化させる。
活性光線の光源は、LEDおよびハロゲンランプなどの、活性光線を照射可能な光源であればよい。また、基材表面における活性光線のピーク照度、および基材表面に照射される光量などは、活性光線硬化型インクジェットインクを用いて画像を形成する際の公知の範囲で任意に設定することができる。
インク液滴への活性光線の照射は、インク液滴が基材上に付着した後10秒以内、好ましくは、0.001秒~5秒以内、より好ましくは、0.01秒~2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジに収容された全ての記録ヘッドからインク液滴を吐出した後に行われることが好ましい。
<ドット表面の粗面化>
上記ドットの表面をミクロに粗面化する方法は、特に限定されない。たとえば、以下の方法で上述した凹凸、突起物および凹みまたは細孔などを形成すればよい。
(a)特定のテトラゾール化合物を活性光線硬化型インクジェットインクに含有させる。
当該テトラゾール化合物は、熱や紫外線を吸収することによって分解する際に多量の窒素ガスを放出するものである。このような特定のテトラゾール化合物を含む活性光線硬化型インクジェットインクを基材に着弾させ、紫外線などの活性光線を照射する工程を経ることによって、当該テトラゾール化合物を分解させ、このとき生じる微細な気泡により、基材に着弾した当該インク滴表面に微細な孔を形成する方法が挙げられる。上記テトラゾール化合物の例には、例えばBHT-2NH(TOYOBO社製)などが含まれる。
(b)活性光線硬化型インクにおいて、インクの光重合性化合物中に予めポリマーを混合させておく。
このときポリマーを一定の分子量に設定し、なおかつ前記光重合性化合物と前記ポリマーとの間の溶解度パラメーターの差を1.0(cal/cm1/2以上3.0(cal/cm1/2以下に規定する。これにより、インク全体が硬化する際にこのポリマー部とモノマー部の間で相分離が生じて、基材に着弾した当該インク滴表面に微細な凹凸が形成される。ポリマーの例には分子量2000以上15000以下の、ウレタンポリマーやウレタンアクリルポリマーなどが含まれる。
(c)活性光線硬化型インクにおいて、予め紙面に多価金属塩、カチオンポリマーまたは酸などを含む前処理液を塗布しておく。
上記前処理液上にインクが塗布されると、インク中の顔料が酸の影響により凝集し、この状態で活性光線を照射する行程を経ることによって、基材に着弾した当該インク滴表面に微細な凹凸を形成する。酸の例にはアジピン酸などのジカルボン酸類などが含まれる。
(d)沸点120~180℃程度の揮発性物質をインクの全質量に対して1~5質量%程度添加し、基材に着弾した当該インクの液滴を70度程度に加熱しながら活性光線を照射する。
これにより、上記基材に着弾したインクの液滴の表面から揮発性物質が急激に揮発する際に形成される細孔形状が、硬化したインクの液滴の表面に残る。上記揮発性物質の例には、プロピレングリコールモノメチルエーテル、およびジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが含まれる。
<インクジェット記録装置>
上記インクジェット記録方法は、活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。
上記インクジェット記録装置は、活性光線硬化型インクジェットインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給する活性光線硬化型インクジェットインクを収納するインクタンクと、記録ヘッドから吐出されたインク液滴に活性光線を照射する照射部とを含む。上記インクジェット記録装置は、上述した前処理液を塗布する前処理液塗布部、着弾したインク液滴を加熱する加熱部、着弾したインク液滴を冷却する冷却部などを備えていてもよい。
活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものとがある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液Y)
10質量部のBASF社製、EFKA7701(顔料分散剤)と、70質量部の新中村化学社製、APG-100(光重合性化合物:ジプロピレングリコールジアクリレート)とをステンレスビーカーに入れ、加熱撹拌した。得られた溶液を冷却後、20質量部のクラリアント社製、NOVOPERM YELLOW H2G(顔料)を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズとともにガラス瓶にいれて密栓し分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、イエローの顔料分散液Yを調製した。
(顔料分散液C)
顔料として、BASF社製、IRGALITE BLUE GLVOを用いた以外は、顔料分散液Yの調製と同じにして、シアンの顔料分散液Cを調製した。
(顔料分散液M)
顔料として、BASF社製、CINQUASIA MAGENTA RT-355Dを用いた以外は、顔料分散液Yの調製と同じにして、マゼンタの顔料分散液Mを調製した。
(顔料分散液K)
顔料として、BASF社製、SPECIAL BLACK 250を用いた以外は、顔料分散液Yの調製と同じにして、ブラックの顔料分散液Kを調製した。
<インクの調製>
以下のようにして活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。
(活性光線硬化型インクジェットインクY1)
12.5質量部の上記調製した顔料分散液Yと、30.0質量部のサートマー社製、SR210A(ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート)と、20.0質量部の新中村化学工業株式会社製、APG-100(光重合性化合物:ジプロピレングリコールジアクリレート)と、26.3質量部のサートマー社製、SR499(光重合性化合物)と、4.0質量部のサートマー社製、SR494(光重合性化合物)と、7.0質量部のBASF社製、DAROCURE TPO(光重合開始剤)と、0.2質量部のBASF社製、UV10(重合禁止剤)と、を混合して、80℃で撹拌した。得られた溶液をADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターでろ過してインクY1を調製した。
(活性光線硬化型インクジェットインクM1、C1、K1)
顔料分散液Yに代えて、顔料分散液M、C、Kを其々用いた以外は、活性光線硬化型インクジェットインクY1の調製と同じにして、インクM1、インクC1、及びインクK1を調製した。
(活性光線硬化型インクジェットインクY2、M2、C2、K2)
活性光線硬化型インクジェットインクY1、M1、C1、K1の調製において、0.5質量部のテトラゾール化合物BHT-2NH(5,5-ビ-1H-テトラゾール・ジアンモニム塩:TOYOBO社製)を添加する代わりに、SR210A同量を減じ、インクY2と、インクM2と、インクC2と、インクK2を調製した。
(活性光線硬化型インクジェットインクC3)
活性光線硬化型インクジェットインクC1の調製において、0.5質量部のテトラゾール化合物P5T(5-フェニル-1H-テトラゾール:TOYOBO社製)を添加する代わりに、SR210A同量を減じ、インクC3を調製した。
(活性光線硬化型インクジェットインクC4)
12.5質量部の上記調製した顔料分散液Cと、58.8質量部のJKケミカルズ社製、ジメチルアクリルアミド(光重合性化合物)と、12.5質量部のSARTOMER社製、SR210A(ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート)と、10.0質量部の後述する方法で作製したウレタンポリマーと、6.0質量部のBASF社製、DAROCURE TPO(光重合開始剤)と、0.2質量部のBASF社製、UV10(重合禁止剤)と、を混合して、80℃で撹拌した。得られた溶液をADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターでろ過してインクC4を調製した。
[ウレタンポリマーの作製]
重量平均分子量が約1000のポリプロピレングリコールである宇部興産社製、ETERNACOLL UH-100、(「ETERNACOLL」は同社の登録商標)と、ノルボルネンメタンイソシアネートとを、モル比で1:1となるように混合し、トルエンおよび錫触媒をさらに加えた混合液を70℃に加熱した。3時間後にポリカーボネートジオールに対するモル比が4:1となる量のヒドロキシエチルアクリレート(反応停止剤)を加え2時間静置し、重量平均分子量が3000であり官能基当量が2であるウレタンポリマーAを得た。
反応停止剤をエタノールにした以外はウレタンポリマーAと同様にして、重量平均分子量が3000であり官能基当量が0であるウレタンポリマーBを得た。
ウレタンポリマーAとウレタンポリマーBとをモル比が1:1となる量で混合して、重量平均分子量が3000であり官能基当量が1であるウレタンポリマーを得た。
(活性光線硬化型インクジェットインクK3)
顔料分散液Cに代えて、顔料分散液Kを用いた以外は、活性光線硬化型インクジェットインクC4の調製と同じにして、インクK3を調製した。
(画像形成)
〔画像Y1、M1、C1およびK1の形成〕
ライン記録方式のインクジェット記録装置を用いて、単色の印画物を作成した。インクジェット記録装置のインク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管、及びピエゾヘッド(記録ヘッド)がこの順に連通して構成されている。そして、調製したインクY1、M1、C1、K1を、インクジェット記録装置のインク供給系に供給した。
用いた記録ヘッドは、1776個のノズルを有するコニカミノルタ社製のインクジェットヘッドであり、解像度が600dpiであった。ベタ画像を形成できる適切な液滴量が吐出されるように印加電圧を調整し、ヘッド2個を千鳥に配置して1200dpi×1200dpiの解像度の画像を記録した。Dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。画像の形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。
前述の記録ヘッドを用いて、印字率30%と、100%となる条件でインクY1、M1、C1、K1をそれぞれ連続吐出(駆動)させた。
そして、印刷用コート紙(マリコート紙、北越紀州製紙株式会社製)上に、インクY1、M1、C1、K1のそれぞれを着弾させた。
画像形成後、インクジェット記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Heraeus社製、8W/cm、395nm、water cooled unit)により、4W 800mJの条件で露光させた。そして、印刷用コート紙に着弾したインクを硬化させた。
このようにして作成した、インクY1から形成された印字率30%および100%の2つのベタ領域からなる画像を画像Y1、インクM1から同様に形成された画像を画像M1、インクC1から同様に形成された画像を画像C1、インクK1から同様に形成された画像を画像K1とした。
〔画像Y2の形成〕
画像Y1の形成において、インクY1に代えてインクY2を用いた以外は同様にして、画像Y2を作成した。
〔画像M2の形成〕
画像M1の形成において、インクM1に代えてインクM2を用いた以外は同様にして、画像M2を作成した。
〔画像C2の形成〕
画像C1の形成において、インクC1に代えてインクC2を用いた以外は同様にして、画像C2を作成した。
〔画像K2の形成〕
画像K1の形成において、インクK1に代えてインクK2を用いた以外は同様にして、画像K2を作成した。
〔画像C3の形成〕
画像C1の形成において、インクY1に代えてインクC3を用いた以外は同様にして、画像C3を作成した。
尚、印画物Y2、M2、C2、K2、C3を作成するにあたり、4W 800mJの条件で露光させ、印刷用コート紙に着弾させたそれぞれのインク滴を硬化させると同時に、各テトラゾール化合物が紫外線を吸収して分解し、窒素の微細な気泡を発生し、塗膜表面に気泡により形成された細孔が生じた。
〔画像C4の形成〕
画像C1の形成において、インクC1に代えてインクC4を用い、かつ、インク粘度を低減して出射しやすくするために記録ヘッドを80℃に加温した以外は同様にして、画像C4を作成した。
〔画像K3の形成〕
画像C4の形成において、インクC4に代えてインクK3を用いた以外は同様にして、画像K3を作成した。
画像Y1、M1、C1、K1、Y2、M2、C2、K2、C3、C4およびK3に含まれる印字率30%の領域および印字率100%の領域について、面表面粗さSa(μm)および60°光沢値を測定した。また、印字率30%の領域の上記光沢値と印字率100%の領域の上記光沢値との差の絶対値を算出した。結果を表1に示す。
(Saおよび光沢値)
ここで、面表面粗さの測定は、KEYENCE社製レーザー顕微鏡VK-X250にて、対物レンズ150倍で観察をし、各ドット中心部の20μm×20μmの範囲内での面表面粗さSa(算術平均高さ)を測定した。
また、光沢度は、日本電色工業社製ハンディ光沢計PG-IIにて60°光沢値を測定した。
(違和感)
画像Y1、M1、C1、K1、Y2、M2、C2、K2、C3、C4およびK3に含まれる印字率30%の領域と印字率100%の領域とを目視で比較して、領域間の違和感を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
1 印字率100%の領域でのギラツキが顕著、印字率30%でも個々のドットのギラツキを感じ、かつ、印字率30%の領域と印字率100%の領域との間の光沢差に違和感が生じる。
2 印字率100%の領域でのギラツキが顕著で、印字率30%の領域と印字率100%の領域との間の光沢差に違和感がある。
3 印字率30%の領域と印字率100%の領域との間の光沢差に違和感がほぼない。
Figure 0006991705000001
画像Y1、M1、C1およびK1は、印字率30%のときと、印字率100%のときの面表面粗さ(Sa)はいずれも小さい値である。これは、ドット表面が滑らかであることを示している。そのため、印字率30%の領域の60°光沢値が40程度であり、印字率100%の領域の60°光沢値は70~90前後であり、かつ、印字率が異なる領域間で光沢値の差が大きい。つまり、印字率が低い領域および印字率が高い領域のいずれにおいても光沢値が高く、かつ、印字率によって光沢値が大きく変動する。このことが、官能評価において、印字率が低い領域および印字率が高い領域のいずれにおいてもギラツキを感じさせ、かつ、光沢差による違和感を生じさせていると考えられる。
一方、画像Y2、M2、C2、K2、C3、C4およびK3は、いずれも、ドット表面の面表面粗さ(Sa)は0.05μm以上2.0μm以下であり、かつ、印字率が低い領域および印字率が高い領域との間の光沢値がいずれも低く、かつ、両領域間の光沢値の差が10以内である。そのため、官能評価において、印字率の差によって光沢感の違和感が生じなかったと考えられる。
また、画像Y2、M2、C2、K2、C3、C4およびK3の面表面粗さSaは0.11μm以上0.20μm以下である。また、これらの画像から測定されたSaのうち最も大きいSaの値と最も小さいSaの値の差は、0.15μm以下である。そのため、これらの画像では、色毎の光沢値の差も小さく、また、いずれの色においても、印字率にかかわらず光沢値の差が小さい。そのため、本発明によって、フルカラー画像においても、画像中での光沢差による違和感がなく、見栄えの優れた画像が提供された。
110 ドット
120 基材
125 基材表面
130 ドット
210 ドット
220 基材
230 ドット
240 基材

Claims (15)

  1. 活性光線硬化型インクジェットインクの液滴から形成される複数のドットを含む画像であって、
    前記ドットは、
    イエローインクを用いて形成されたイエローのドット、
    マゼンタインクを用いて形成されたマゼンタのドット、
    シアンインクを用いて形成されたシアンのドット、
    ブラックインクを用いて形成されたブラックのドット、および
    からなる群から選択された複数色の着色ドットを含み、
    前記複数の着色ドットはいずれも、当該ドットから任意に選択された1のドットの表面に設定した基準長20μmの範囲で測定される面表面粗さの平均値(Sa)の、複数のドットから測定される平均値が、0.05μm以上0.2μm以下である、画像。
  2. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である、請求項1に記載の画像。
  3. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域の60°光沢値は15以上45以下である、請求項1に記載の画像。
  4. 印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である、請求項1に記載の画像。
  5. 印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である、請求項1に記載の画像。
  6. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、および前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である、請求項1に記載の画像。
  7. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域と前記低印字率領域との間の60°光沢値の差は3以上20以下である、請求項1に記載の画像。
  8. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である、請求項に記載の画像。
  9. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域を含み、前記高印字率領域の60°光沢値は15以上45以下である、請求項に記載の画像。
  10. 印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値は0.05μm以上0.2μm以下である、請求項に記載の画像。
  11. 印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記低印字率領域の60°光沢値は、15以上45以下である、請求項に記載の画像。
  12. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、および前記低印字率領域のみから測定した前記Saの平均値、はいずれも0.05μm以上0.2μm以下である、請求項に記載の画像。
  13. 印字率が70%以上100%以下の高印字率領域および印字率が5%以上50%以下の低印字率領域を含み、前記高印字率領域と前記低印字率領域との間の60°光沢値の差は3以上20以下である、請求項に記載の画像。
  14. 前記複数の着色ドットから選択される異なる2色の着色ドットからなる、2色の着色ドットの組について、
    記2色の着色ドットの組を構成する一の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、前記2色の着色ドットの組を構成する他の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、の差は0.15μm以下である、
    請求項に記載の画像。
  15. 前記複数の着色ドットから選択される異なる2色の着色ドットからなる、2色の着色ドットのすべての組は、
    前記2色の着色ドットの組を構成する一の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、前記2色の着色ドットの組を構成する他の色の着色ドットのみから測定される前記Saの平均値と、の差は0.15μm以下である、
    請求項に記載の画像。

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