JP4525100B2 - 電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体の作製方法 - Google Patents

電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体の作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置を用いて画像支持体に鮮明な画像形成(記録)させるための、電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体作製方法関する。より詳細には、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式または接触式個人情報画像情報入り情報記録媒体、RFIDタグさらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどの画像記録体に用いられる、印字画像を形成するための電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体作製方法関する。
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体の作製にも多く用いられている。
しかしながら、例えば上記スクリーン印刷は、印刷しようとする画像の数に応じた印刷版が多数必要であり、カラー印刷の場合には、さらにその色の数だけ印刷版が必要となる。そのため、これら印刷方法は、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)に個々に対応するには不向きである。
上記問題点に対して、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。しかし、これらは個人の識別情報を容易に印字することはできるが、印刷速度を上げると解像度が低下し、解像度を上げると印刷速度が低下するという問題を依然抱えている。
また、この熱転写方式において中間転写体を用いて画像記録体へ印字する方法が述べられている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、いずれの場合も、上記中間転写体表面には、インクシートから転写される薄い着色層が形成される。さらにこの薄い着色層を画像記録体にしっかりと転写転移させなければ、良い画質が得られない。また、基本的に画像記録体表面の凹凸によって画質が左右されてしまうので、その画像記録体との密着性を高くするために、中間転写体にはゴム状弾性層を設けて、圧接させることで密着させ、画像を転移させ画質を維持させている。これら中間転写体の表面層は、基本的に離型性を持たせるように設計されているが、上記ゴム状弾性層に追従できる表面層とする必要があるため、硬質の表面層を用いることはできない。よって、表面層には具体的にはシリコーン系やフッ素系のゴムが使用されている。
これに対して、電子写真方式による画像形成(印刷)は、像担持体表面を一様に帯電させ、画像信号に応じて露光し、露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電電位と反対(あるいは同一)の極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像担持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、あるいは画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することによりカラー画像を得る方法で行われる。
上述のように、電子写真方式では、像担持体表面の静電潜像を画像信号により電気的に形成するため、同じ画像を何度でも形成できるだけでなく、異なる画像に対しても容易に対応でき画像形成することが可能である。また、像担持体表面のトナー画像は、ほぼ完全に画像形成材料転写体あるいは画像記録媒体表面に転移させることができ、像担持体表面にわずかに残存するトナー画像も、樹脂ブレードやブラシ等により容易に除去することができるため、多品種少量生産に向けた印刷物を容易に作製することが可能である。
また、上記トナーは、通常、熱溶融性樹脂及び顔料、並びに場合によっては帯電制御剤などの添加剤を溶融混合し、この混練物を粉砕、微粒子化して形成される。さらに、前記電子写真方式における静電潜像は、上記微粒子化されたトナーに比べてかなり高い解像度を持っており、前記スクリーン印刷やインクリボンの熱転写方式の解像度と比べても十分な解像度が期待できる。
カラー画像についても、カラートナーとしてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四原色を用い、これらを混合することにより、理論的に印刷と同様の色を再現できる。また、上記カラートナーでは、トナー樹脂と顔料とを比較的自由に配合できるため、トナーによる画像隠蔽性を増加させることは容易である。
また、屋外での使用を想定した情報記録媒体の耐熱性、及び耐光性については、これまでほとんど検討されていないが、特に運転免許証等を車中の直射日光に当たる場所に置いておくと、色材として染料を用いている熱転写型の画像は退色してしまう。しかし、電子写真方式により形成されたカラー画像では、前記カラートナー中に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各々の色に対応した耐光性に優れた顔料が使用されており、電子写真方式により形成された画像の耐光性は十分優れているものと考えられる。同様に、耐熱性のトナーを選択すれば、情報記録媒体に形成された画像の耐熱性も、屋外で使用できる程度になるものと考えられる。
一方、現在もっとも多く使用されている各種カードの基材(コア)は塩化ビニルシートであり、その理由は従来の印刷機において印刷特性に優れ、エンボス加工適性(文字等の凹凸処理)にも優れているためである。しかしながら、上記塩化ビニルシートは、期限切れ等により廃棄処理するカードを加熱炉等を利用して消却する際にダイオキシンが発生するという問題を有しており、環境対応の観点から、現在脱塩化ビニルを目的として各種シートフィルムが使用され始めている。
カードの作製に際し、エンボス加工を行わないことを前提にした場合は、従来からあるような二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどが使用できる。しかし、従来からのカードの機能を継続させるため、エンボス加工は欠かせない場合が多く、現在は比較的低温で軟化するABS樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルム、そして少なくともエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合させたPETGと呼ばれる変性PET樹脂フィルムや、変性PET樹脂フィルムとPETフィルム、アモルファスPET樹脂フィルムあるいはポリカーボネート樹脂フィルムとの一体成形フィルム等が用いられるようになってきた。
前述の電子写真装置を使用して、各種カードの印字を行った例としては、例えば、各種個人情報の他に、不可視バーコードを厚さ250μmの塩化ビニルシートや厚さ280μmのポリエステルシートに電子写真法で印字し、それぞれ印字面にオーバーフィルムを重ね、熱プレス機でラミネートする方法(例えば、特許文献7参照)がある。
しかしながら、上記シートにおいてはシート間摩擦係数が大きすぎ、シート間で密着するためシート搬送性が悪く、電子写真装置が止まってしまったり、上記のような250μm以上の厚さの絶縁物(シート)には、画像形成材料(トナー)が十分に転写しにくく画像欠陥が増大してしまったりする。また、前記比較的低温で軟化する樹脂フィルムを電子写真装置に使用して画像を形成しようとすると、定着工程において、定着温度がフィルムの軟化温度より高いため粘着性が発現し、定着装置に巻き付きジャムが発生する問題がある。さらに、画像形成材料が定着装置にオフセットしたり、前記250μm厚以上のシートを定着し続けると、シートのエッジ(角)で定着装置を必要以上に痛めてしまい、頻繁に部材の交換が必要になったりする。
また、他の例として、光透過性シートに個人識別情報を印字し、さらに、上記印字は鏡像で行う方法(例えば、特許文献8参照)がある。しかし、特許文献8には光透過性のラミネートシートに関しては、少なくとも一部が2軸延伸ポリエステルフィルム、又はABS、又はポリエステルからなるフィルム/2軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましいが、塩化ビニルでもよい、と記載されているだけである。
したがって、この仕様ではフィルムが単なる絶縁体なので、フィルム表面への画像形成材料の転写不良などが起こり、熱転写方式などと同等な解像度を得ることはできない。また、生産性向上に重点をおいたこの装置においては、使用されるラミネートシートはロール状であるため、カード一人分から数人分の異なる印字を行うなどの、緊急または多品種生産等に対応するためには、多くのロスや無駄を生じてしまう問題がある。
さらに、これらのラミネートシートを用いて情報記録媒体を作製した場合には、シートを複数枚重ねることとなるため、全体的に厚いものとなってしまい、例えば、800μm程度の厚さの情報記録媒体等に対しては、その要求に十分対応することができない場合がある。
また、前記ラミネートシートへの画像形成だけでなく、定着画像が形成されたラミネートシート等とプラスチックからなる基材とを搬送・積層する工程やラミネートする工程の自動化については、検討がほとんどなされておらず、生産性向上の観点から、上記各工程や製造装置を設計する必要がある。
特開平5−096871号公報 特開平7−068812号公報 特開平8−142365号公報 特開平8−156302号公報 特開平9−314875号公報 特開平11−291646号公報 特開2001−92255号公報 特開平11−334265号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、電子写真法で形成された画像を、解像度が良いまま、画像支持体上に転写させることができる電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体の作製方法提供することを目的とする
本発明者らは、鋭意検討の結果、電子写真用画像形成材料転写シートの少なくとも基体の片面に、離型性材料を含有する画像受像層を形成し、かつ画像受像層表面の表面抵抗値が、23℃、55%RHにおいて、1.0×108〜3.2×1013Ω/□の範囲であることにより上記課題が達成できることを見出した。
また、上記課題以外にも、以下に説明する事項についても更に鋭意検討した。例えば、(1)画像受像層に微粒子を添加することにより搬送性を改善する方法や、(2)画像を形成した面と反対側の面から基体を通して画像を目視した際に、当該画像が正転画像(通常イメージ)として見えるように、鏡像画像を形成する方法、(3)電子写真用画像形成材料転写シート表面に設けられる画像受像層等の塗工層に含まれる樹脂として、ポリエステル樹脂やポリアセタール樹脂を用い、また、この塗工層中にフィラーを添加することにより画像形成材料転写体表面の摩擦係数を低下させ画像形成装置内搬送性を向上させること、(4)環境対策として、基体として非塩素系樹脂フィルムを使用し、これに対応した印字方法として画像定着方法等について検討した。すなわち、本発明は以下の通りである。
> 基体と、該基体の少なくとも片面に画像受像層を有してなり、
前記画像受像層が少なくとも離型性材料を含有する電子写真用画像形成材料転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
前記電子写真用画像形成材料転写シートを、前記画像が転写される面を有し、少なくとも前記画像が転写される側の面が、エチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステル樹脂を含む画像支持体の前記画像が転写される面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、
前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
前記画像形成材料が冷却した後、前記電子写真用画像形成材料転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含むことを特徴とする画像記録体の作製方法である。
前記画像形成工程が2つの前記電子写真用画像形成材料転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に電子写真方式により前記画像形成材料からなる前記画像を形成する工程であって、
前記位置決め工程において、前記画像形成工程を経た2つの前記電子写真用画像形成材料転写シートを、前記画像支持体を介してその表面に形成された画像面を互いに対面させることを特徴とする<>に記載の画像記録体の作製方法である。
本発明によれば、優れた画像受像性能と、転写性能を有する電子写真用画像形成材料転写シートを用いた画像記録体の作製方法により、優れた画像記録体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(電子写真用画像形成材料転写シート)
本発明の電子写真用画像形成材料転写シート(以下、「転写シート」と略す場合がある)は、基体と、該基体の少なくとも片面に画像受像層を有する電子写真用画像形成材料転写シートであって、前記画像受像層が少なくとも離型性材料を含有し、かつ該画像受像層の表面抵抗値が、23℃、55%RHにおいて、1.0×108〜3.2×1013Ω/□の範囲であることを特徴とする。
すなわち本発明の転写シートでは、表面に設けられた画像受像層が適切な表面抵抗値範囲を有するため、電子写真方式での画像形成でも転写不良等が発生することなく、良好な画像形成を行うことができる。また、前記画像受像層には離型性材料が含まれており、該離型性材料は後述するような画像形成材料を画像支持体に良好に転写できるだけでなく、電子写真方式での画像定着特性にも優れたものである。
従って、本発明によれば、電子写真法によって高品質な画像が得られる電子写真用画像形成材料転写シートを提供することができる。
本発明における前記離型性材料は、転写シートにおいて画像形成材料を一旦定着し固定化すると共に、画像支持体と加熱圧着されたときには上記画像形成材料を離型する画像受像層に用いられるものである。したがって、前記離型性材料としては、電子写真において画像形成材料として一般的に使用されるトナーに対して密着性と、離型性とを有することが望ましい。
このような離型性材料としては、特に制限されないが、シリコーン系ハードコート材料を含むものであることが離型性を有し、さらにフィルム搬送時における表層傷を抑制することができる点で好ましい。画像形成前にフィルム表面に傷がつくと画質を低下させてしまうからである。
なお、本発明に用いられる上記シリコーン系ハードコート材料とは、少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、基体との接着性を良くするために、さらに有機樹脂を含んでいることが望ましい。
上記シラン系組成物としては、具体的には有機珪素化合物であり、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物などがあり、これらが縮合反応し、樹脂組成物になる。
シラン化合物としては、Si(OCH34、CH3Si(OCH33、HSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3SiH(OCH32、C65Si(OCH33、Si(OC254、CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、H2Si(OC252、C65Si(OC253、(CH32CHCH2Si(OCH33、CH3(CH311Si(OC253、CH3(CH215Si(OC253、CH3(CH217Si(OC253等のアルコキシシラン類;(CH33SiNHSi(CH33等のシラザン類;((CH3)SiNH)2CO、tert−C49(CH32SiCl等の特殊シリル化剤類;シランカップリング剤;及びHSC36Si(OCH33等のシラン化合物;並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;等が例示できる。
前記フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3(CH22Si(OCH33、C61324Si(OCH33、C715CONH(CH23Si(OC253、C81724Si(OCH33、C81724SiCH3(OCH32、C81724Si(ON=C(CH3)(C25))3、C91924Si(OCH33、C91924Si(NCO)3、(NCO)3SiC2461224Si(NCO)3、C91924Si(C25)(OCH32、(CH3O)3SiC2481624Si(OCH33、(CH3O)2(CH3)SiC91824Si(CH3)(OCH32等のフッ素含有シラン化合物、及びこれらの加水分解物又はその部分縮合物等のシラン化合物が例示できる。
前記イソシアネートシラン化合物類としては、(CH33SiNCO、(CH32Si(NCO)2、CH3Si(NCO)3、ビニルシリルトリイソシアネート、C65Si(NCO)3、Si(NCO)4、C25OSi(NCO)3、C817Si(NCO)3、C1837Si(NCO)3、(NCO)3SiC24(NCO)3等が例示できる。
本発明におけるシラン系組成物の縮合物樹脂としては、例えば、熱硬化性(縮合型、付加型)及び光硬化性の硬化性シリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂が挙げられるが、具体例を挙げると、以下のようになる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂、さらに3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1,2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
なお、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンの様なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、及び無溶剤型に分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記縮合型、付加型の硬化で得られる熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂等が好適に挙げられる。
前記光硬化性のシリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを光硬化反応させて得られる変性シリコーン樹脂が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、以下の理由から、アクリル変性シリコーン樹脂(前記アクリル樹脂と低分子量ポリシロキサンとを光硬化反応させた樹脂)、熱硬化性のシリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アクリル変性シリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、その一方で離型性を発現するシリコーン樹脂部分を併せ持つ。従って一つの分子中にトナーと接着しやすい部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均一に相溶していることにより、分子オーダーで、画像定着性及び画像剥離性が発現される。
また、前記アクリル変性シリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件等を適宜制御することにより適度な表面硬度の転写シートを作製することができる。さらに、後述の各樹脂、中でもポリエステル樹脂やポリビニルアセタール樹脂及び離型剤の添加量等を適宜制御することにより、通常の画像形成材料やWAX等の離型剤を多く含んだ新しい画像形成材料の画像定着性や画像剥離性をさらに自由に制御することが可能である。
上記理由から、熱硬化性のシリコーン樹脂、特にアクリル変性シリコーン樹脂を用いることが望ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有させても良い。
前記アクリル変性シリコーン樹脂と、熱硬化性のシリコーン樹脂と、を同時に含有する場合には、その含有比、硬化条件、添加量等により、これらの中間的な性質発現させることが可能となるため、画像定着性や画像剥離性をさらに自由に制御する事が可能である。
前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、これらの含有質量比(アクリル変性シリコーン樹脂/熱硬化性シリコーン樹脂)としては、硬化性シリコーン樹脂の種類等にもよって異なるため、一概に規定することはできないが、1/100〜100/1の範囲が好ましく、1/10〜10/1の範囲がより好ましい。
また、前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、その組み合わせとしては、例えば、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせが好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000〜1,000,000の範囲が好ましい。また、前記硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1〜50モル%の範囲が好ましい。
本発明におけるシリコーン系ハードコート材料は、さらに上記シラン組成物の縮合物樹脂の固形分100部に対して、約5〜25部の範囲のコロイダルシリカを含むことが望ましい。さらに好ましくは約10〜15部の範囲である。この使用範囲であると、画像受像層皮膜の亀裂を生じさせず、さらに機械的強度を至適レベルで達成させることができる。
これらのコロイダルシリカは、通常水性分散液、あるいは水性/有機溶剤分散液の形態にある。これらの製造方法は、例えば米国特許第4914143号明細書、同第3986997号明細書、同第5503935号明細書、同第4177315号明細書に示されている。
また、これらのコロイダルシリカは、透過型電子顕微鏡などで観察すると、直径約10ナノメートル(nm)未満の平均粒径を有していて、さらに粒子体積を基準にして、少なくとも約80%のコロイダルシリカ粒子が6〜9nmの範囲の直径を有している。
本発明における画像受像層には、以上述べたシリコーン系ハードコート材料以外に、後述するような各種の材料が含まれることが望ましいが、画像受像層を構成する樹脂全体のうち、シリコーン系ハードコート材料は0.5〜98質量%含まれることが好ましく、1〜95質量%含まれることがより好ましい。シリコーン系ハードコート材料含有量が0.5質量%に満たないと、望まれる離型性が発現しなくなる場合があり、98質量%を超えると、画像の転写/定着状況が悪くなり、画質劣化を引き起こす場合がある。
本発明における画像受像層には、前記有機樹脂としてポリエステル樹脂が含まれることが好ましい。前記のように、ポリエステル樹脂は画像形成材料用として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像受像層に含ませることにより、転写体シート表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、上記ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、シリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いても良い。
ポリエステル樹脂の合成方法は特に限定されないが、例えば上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、通常2個以上のカルボキシル基を有する多価塩基酸成分とグリコール成分とを縮合反応させて得られた飽和ポリエステルを、有機ジイソシアネート化合物及び鎖延長剤と反応させることにより得ることができる。
上記多価塩基酸としては、例えば、二価塩基酸の芳香族ジカルボン酸類を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、1,5−ナフタル酸などが用いられる。また、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などのトリ及びテトラ芳香族カルボン酸も併用できる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその無水物などが挙げられる。
また、重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸類も用いることができ、例えば、α、β−不飽和ジカルボン酸類として、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸;不飽和二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸として、2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸;など用いることができる。この内最も好ましいのは、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、及び2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物である。
さらに、ヒドロキシピバリン酸、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸類も必要に応じて使用できる。以上の成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
一方、前記グリコール成分としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族グリコール類、炭素数6〜12の脂環族グリコール類、エーテル結合含有グリコール類、から選択される少なくとも1種を用いることができる。
上記炭素数2〜10の脂肪族グリコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン等を挙げることができる。
前記炭素数6〜12の脂環族グリコール類としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール等を挙げることができる。
前記エーテル結合含有グリコール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにビスフェノール類の芳香環に結合した2つの水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要に応じて使用できる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの内好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートである。
前記鎖延長剤としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリシクロデカンジメチロール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でもより好ましいのは、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物である。
上記ポリエステル樹脂は、公知の方法、たとえば溶剤中で20〜150℃の反応温度でアミン類、有機スズ化合物等の触媒の存在下で、あるいは無触媒下で合成することができる。このとき使用できる溶剤としては、たとえばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。
これらのポリエステル樹脂は単独もしくは2種以上混合して用いてもよい。本発明において、画像受像層中に含まれる上記ポリエステル樹脂の量は、例えば前記シリコーン系ハードコート材料100部に対して、5〜1000部の範囲であることが好ましく、10〜800部の範囲であることがより好ましい。
さらにまた、基体との接着性を改善したり、ブロッキング性などを改善するために、従来の公知の樹脂を必要に応じて混合して、画像受像層を構成する樹脂材料として用いることもできる。そのような樹脂材料としては、ポリビニルアセタール樹脂を用いることが好ましい。
本発明で用いられるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)をアセタール化させたものをいい、該ポリビニルアセタール樹脂には、主にPVAにブチルアルデヒドを反応させたポリビニルブチラール樹脂、ホルムアルデヒドを反応させたポリビニルホルマール樹脂、又はブチルアルデヒドとホルムアルデヒドを各種比率で反応させた部分ホルマール化ブチラール樹脂(あるいは部分ブチラール化ホルマール樹脂)等がある。これらポリビニルアセタール樹脂は、以上のようにPVAをアセタール化させた材料であるが、完全にアセタール化させることはできず、P.J.Floryによると理論的アセタール化度は81.6mol%と言われている。また、PVAを製造する際にも少量のアセチル基が残るため、実際のアセタール化度は理論値より若干低いと推定されている。従って、ポリビニルアセタール樹脂はアセタール化度、水酸基、アセチル基の組成割合により物理的、化学的性質を異にして、重合度によって熱的、機械的性質、溶液粘度が変わるものである。
例えば、アセタール化度の比率が増加すると、水以外の溶剤に対する溶解性が高くなり、耐水性が高くなる。エステルや可塑剤に対する相溶性が良くなり、軟化性が増加することがわかっている。また、重合度が大きくなるにつれて、塗膜強度や軟化点が高くなり、溶液粘度も高くなる。
一方、前記ポリビニルブチラール樹脂とポリビニルホルマール樹脂との比較では、溶剤溶解性、接着性(密着性)、可塑性はポリビニルブチラール樹脂の方が高く、耐熱性や耐摩擦・傷性はポリビニルホルマール樹脂の方が高い。
前記ポリビニルアセタール樹脂を本発明における画像受像層に含有させることが好ましい理由は、以下のとおりである。
まず、ポリビニルアセタール樹脂を画像受像層に用いると、基体であるPETフィルム等との接着性(密着性)、及び画像形成材料との接着性が改善される。また、WAX等の離型剤を多く含んだ新しいカラー画像形成材料におけるWAX等の離型剤や樹脂、及び画像受像層における前記硬化性シリコーン樹脂や後述する離型剤と親和性が良く相溶し、塗膜の透明性が維持できる。さらに、後述する離型剤の一つである各種官能基を持った反応性シラン化合物を用いることで架橋反応し、三次元的構造をとり、繰り返し画像を定着、剥離するために表面の耐熱性及び、硬度を向上させ、長期に渡って使用できるように制御することができる。
前記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は200〜3,000の範囲が望ましく、300〜2000の範囲がより好ましい。平均重合度が200に満たないと、高分子としての諸性能が発現せず、たとえば塗膜強度等が満たされなくなることがある。また、平均重合度が3000を超えると、塗工液粘度が高くなりすぎ、塗工膜の膜厚制御が難しくなってくる場合がある。
また本発明では、平均重合度の異なる、少なくとも2種以上のポリビニルアセタール樹脂を同時に混合して使用することが好ましい。その含有比、硬化条件、添加量等により、これらの中間的な性質発現させることが可能となるため、画像定着性や画像剥離性、塗膜強度をさらに自由に制御する事が可能となる。
本発明において、画像受像層中に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の量は、例えば前記シリコーン系ハードコート材料100部に対して、5〜1000部の範囲であることが好ましく、10〜900部の範囲であることがより好ましい。
さらに、本発明における画像受像層に用いられる樹脂として、加熱すると硬化(不溶化)する熱硬化性樹脂として通常知られているものも適用できる。例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アクリルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、ポリエステルポリオールをメラミンで硬化させた樹脂、及びアクリル酸をメラミンで硬化させた樹脂等である。また、熱硬化性樹脂の構成成分であるモノマーを組み合わせて用いてもよい。
その他に、熱可塑性樹脂でも架橋によって硬化し耐熱性を有する樹脂であれば、上記の熱硬化性樹脂と同様に用いることができる。このような樹脂としては、例えば、熱硬化性アクリル樹脂を使用することが好ましい。該熱硬化性アクリル樹脂は、少なくとも1種のアクリル系単量体、あるいはアクリル系単量体及びスチレン系単量体を重合してなる共重合体を、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物によって架橋させたものである。
上記アクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリロニトリル;アクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等のアミノ基含有ビニルモノマー;等を使用することができ、またスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−エチルスチレン等を使用することができる。
本発明において、画像受像層中に前記熱硬化性樹脂等を用いる場合には、含まれる熱硬化性樹脂等の量は、例えば前記シリコーン系ハードコート材料100部に対して、5〜1000部の範囲であることが好ましく、10〜900部の範囲であることがより好ましい。
次に、本発明に用いられる基体について説明する。
上記基体としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムを代表的に用いることができる。この中でも、OHPフィルムとして使用できるような光透過性のあるフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを好ましく用いることができる。
また、上記各種プラスチックフィルムの中でも、ポリエステルフィルム、特にエチレングリコール、テレフタル酸を用いたPET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を、1,4−シクロヘキサンメタノール成分に置き換えて共重合させたPETGと呼ばれるものが優れ、その他、前記PETGにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等を好ましく用いることができる。
なお、前記エチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステル樹脂(以下、「PETG樹脂」と略す場合がある)は、基体表面に画像受像層を形成する際に用いられる塗工液に含まれる樹脂等の成分との相溶性に優れるため、基体の表面にPETG樹脂を用いた場合には、この基体表面に接して設けられた画像受像層とが強固に接着し、画像受像層の剥離を防止することができる。
本発明に用いられる基体は、後述する画像支持体との加熱圧着性(ラミネート性)の観点から、2つ以上の層から構成されることが好ましい。
この場合、例えば、少なくとも基体の外側の面を形成するいずれかの層にPETG樹脂が含まれていることが好ましく、このような層がPETG樹脂のみからなる層であってもよい。また、PETG樹脂は軟化点温度が80℃付近であるため、加熱圧着が容易である。このため、PETG樹脂を含む層はラミネート性に優れる。
しかし、この温度領域では、PETG樹脂を含む層、特にPETG樹脂のみからなる層は変形しやすい。このような変形を抑えるためにも、基体はPETG樹脂を含む層と、これ以外の成分からなる層とから構成されることが好ましい。後者の層を構成する材料としては、PETG樹脂よりも軟化点温度が高いポリエステル系樹脂を用いることが好適であり、このような材料としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、及びこれらの混合あるいは共重合体、またはポリエチレンテレフタレート(PET)などが望ましい。特にPETを用いた場合、ニ軸延伸を施したフィルムは加熱時のコシが強く、変形に強い。このように、PETG樹脂を含む層(フィルム)に、加熱時のコシが強く、変形に強い層(フィルム)を組み合わせた場合には、画像を定着する際の転写シートの定着器への巻き付きを容易に防ぐことができる。
なお、上記のポリカーボネートは、ビスフェノール類と炭酸とから得られる重縮合物であり、ポリアリレートは、ビスフェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合により得られるポリエステルである。ポリアリレートは主鎖中に剛直な芳香族環を高密度に含むのでポリカーボネートより耐熱性が一般的に高い。
前記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC(4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールAP(4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールZ(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール)、5,5’−(1−メチルエチリデン)(1,1’−ビフェニル)−2−オール、(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスフェノール)、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、4,4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールS(4,4’−ビス(ジヒドロキシジフェニルスルホン)等が挙げられるが、ビスフェノールAのものが良く用いられている。また、これらは単独で使用しても良いし、2種以上混合して使用しても良い。
前記芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アイコ酸二酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これら原料は必ずしも1種類で用いる必要はなく、2種以上共重合しても良い。これらのなかでは、テレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分との混合物を用いると、得られるポリアリレートの溶融加工性及び総合的性能面で好ましいものとなる。かかる混合物のとき、その混合比は任意に選ぶことができるが、テレフタル酸成分/イソフタル酸成分=9/1〜1/9(モル比)の範囲が好ましく、特に溶融加工性及び性能のバランスの点で7/3〜3/7(モル比)の範囲、更には1/1(モル比)がより好ましい。
本発明に用いられる基体の製造方法は任意であるが、共押出し法、貼り合わせ法等、公知の方法を利用して作製できる。特に、共押出しによって作製されたものが各々の層間の接着力が強いため望ましい。例えば、基体が、上記のようなポリカーボネートやポリアリレート、またはその共重合体、あるいはPETからなるフィルム1(I層)と、その片面あるいは両面にPETG樹脂からなるフィルム2(II層)と、を積層したものである場合、例えば、以下のように製造することができる。
まず、フィルム1(I層)の片面あるいは両面にフィルム2(II層)を積層する方法としては、フィルム1(I層)を構成する組成物と、フィルム2(II層)を構成する組成物とを、別々の押出し機に供給した後、溶融状態で同一のダイから積層しながら押出す共押出法により、未延伸フィルムを得ることができる。
上記未延伸フィルムをそのまま基体として用いることもできるが、さらにこの未延伸フィルムを、速度差を持ったロール間での延伸(ロール延伸)や、クリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や、空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)等によってニ軸配向処理し、これを基体として用いてもよい。
なお、一般的に基体を作製する際には、共押出しされた後、縦延伸工程に入り、周速が異なる2本あるいは多数本ロール間で延伸し、目的のフィルム厚みに調整して巻き取られる。ニ軸延伸の場合は、上記工程を通ったフィルムをそのままテンターに導入し、幅方向に2.5〜5倍に延伸する。このときの好ましい延伸温度は100℃〜200℃の範囲である。
このようにして得られた2軸延伸フィルムは、必要に応じて熱処理が施される。熱処理はテンター内で行うのが好ましく、特に縦横方向に緩和しながら熱処理すると、熱収縮率の低いフィルムが得られる。
また、本発明の電子写真用画像形成材料転写シートは、基体表面に設けられた画像受像層の表面抵抗値が、1.0×108〜3.2×1013Ω/□の範囲である必要がある。上記表面抵抗値は、1.0×109〜1.0×1011Ω/□の範囲であることが好ましい。
上記表面抵抗値が1.0×108Ω/□に満たないと、特に、高温高湿時に画像受像体として使用される画像形成材料転写シートの抵抗値が低くなりすぎ、例えば電子写真装置内の一次転写部材からの転写トナーが乱れてしまう。また、表面抵抗値が3.2×1013Ω/□を超えると、画像受像体として使用される画像形成材料転写シートの抵抗値が高くなりすぎ、例えば電子写真装置内の一次転写部材からのトナーを転写シート表面に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する。
また、同様の理由により画像受像層が基体の片面のみに設けられる場合には、基体の画像受像層が設けられない側の基体表面の表面抵抗値は、1.0×108〜3.2×1013Ω/□の範囲であることが好ましく、1.0×109〜1.0×1011Ω/□の範囲であることが好ましい。
そして、本発明における電子写真用画像形成材料転写シートの、23℃、55%RHにおける表裏面の表面抵抗値差は、4桁以内であることが好ましく、3桁以内であることがより好ましい。表裏面の表面抵抗値差が4桁を超えると、トナーの転写不良が起こりやすくなり画像の劣化を引き起こす場合がある。
なお、上記表面抵抗値は、23℃、55%RHの環境下で、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。
基体表面に設けられた画像受像層の表面抵抗値を1.0×108〜1.0×1013Ω/□の範囲内に制御するにあたっては、画像受像層中に帯電制御剤を含有させることが好ましい。該帯電制御剤としては、高分子導電剤、界面活性剤や、導電性金属酸化物粒子等を用いることができる。
また、前記画像受像層が基体の片面にのみ設けられる場合の、画像受像層が設けられない側の面の表面抵抗値の制御は、基体となるフィルム製造時に、界面活性剤、高分子導電剤や導電性微粒子などを樹脂中に添加したり、上記フィルム表面に界面活性剤を塗工したり、金属薄膜を蒸着したり、あるいは接着剤などに界面活性剤などを適量添加したりすることで行うことができる。
用いることのできる界面活性剤としては、例えば、ポリアミン類、アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、ベタイン系両性塩類などのカチオン系界面活性剤、アルキルホスフェートなどのアニオン系界面活性剤、脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、昨今の電子写真用の負帯電型トナーと相互作用の大きいカチオン系界面活性剤を用いることが、転写性の向上に有効となる。
また、上記カチオン系界面活性剤の中でも、4級アンモニウム塩類が好ましい。4級アンモニウム塩類としては下記の一般式(I)で代表される化合物が好ましい。
Figure 0004525100
式中、R1は炭素数6〜22までのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、R2は炭素数1〜6までのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表す。R3、R4、R5は同一でも異なってもよく、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表す。脂肪族基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基をいう。芳香族基とは、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基を表す。これらの基は水酸基のような置換基を有してもよい。Aはアミド結合、エーテル結合、エステル結合、フェニル基を表すが、これは無くてもよい。X-は、ハロゲン元素、硫酸イオン、硝酸イオンを表し、これらのイオンは置換基を有しても良い。
本発明の画像形成材料転写シートの層構成としては、基体と、該基体の少なくとも片面に設けられた画像受像層とを有するものであれば特に限定されないが、以下に、本発明の画像形成材料転写シートの構成例を、図面により詳細に説明する。但し、本発明の電子写真用画像形成材料転写シートの構成は以下に図示する構成に限定されるものではない。
図1は、本発明の画像形成材料転写シートの一例を示す概略斜視図である。図1に示す本発明の画像形成材料転写シートは、基体110と、離型性材料を含有する画像受像層120とから構成される。
本発明の画像形成材料転写シートには、例えば、透明性を有する基体110の表面に、画像を画像支持体に転写したときに、画像支持体上の画像が正転画像(通常イメージ)となるように、反転画像(鏡像)の定着画像を形成する。
本発明の画像形成材料転写シートに使用可能な基体110は、透明性を有することが望ましい。ここで、透明性とは、例えば、可視光領域の光をある程度、透過する性質をいい、本発明においては、少なくとも形成された画像が、画像が形成された面と反対側の面から基体110を通して目視できる程度に透明であればよい。転写される側の位置合わせと、印字情報の誤記、ズレなどが確認しやすいからである。
上記基体110としては、前述のように、プラスチックフィルムを好ましく用いることができる。前記プラスチックフィルム材料は、従来カード用の基材(コア)材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によるダイオキシン発生させるものとして環境に良いものではないことが認識され、使用されなくなってきたことにも対応できるものである。本発明においては、上記塩素を含まない基体の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂フィルム、またPETフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているフィルム等も好ましく用いることができる。
また、PETG樹脂と組み合わせて用いられる材料としては、既述したプラスチックフィルム以外に、透明性を有する他の樹脂や、透明性を有するセラミックが使用でき、また、これらに顔料や染料などが添加され着色されていてもよい。また、基体110は、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、画像形成材料転写シートとして一般的に要求される強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
画像受像層120は、画像の定着時、定着部材への付着、巻き付きを防止するためには、定着部材への低付着性材料である天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していても良い。
具体的には、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスや低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックスなどの合成ワックスなどが挙げられ、これらは単独使用に限らず混合して複数使用することができる。
また、前記離型性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、あるいはシリコーン樹脂と各種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、たとえばポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、光硬化性シリコーン樹脂を添加することできる。
上記変性シリコーン樹脂は、画像形成材料としてのトナー樹脂や熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子との親和性が高く、適度に混和、相溶し、溶融混和するため、トナー中に含まれる顔料の発色性に優れ、また同時に、シリコーン樹脂による離型性のため定着部材と転写シートとが熱溶融時に付着するのを防止することができるものと考えられる。
さらに、本発明においては、より低付着性とするため、離型剤として反応性シラン化合物と変性シリコーンオイルとを混入させてもよい。反応性シラン化合物は、画像受像層120に含まれる樹脂と反応すると同時に変性シリコーンオイルと反応することにより、これらがシリコーンオイルの持つ液体潤滑剤以上の離型剤として働き、しかも硬化反応することにより離型剤として画像受像層中に強固に固定化され、機械的摩耗や溶媒抽出などによっても離型剤が脱落しないことが見出された。
これらのワックスや離型性樹脂は、前記熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子と同様に、粒子状態などで共存させてもよいが、好ましくは熱溶融性樹脂中に添加し、樹脂中に分散、相溶した状態で、熱溶融性樹脂中に取り込んだ状態で利用することが好ましい。
一方、画像受像層120の表面抵抗値は、既述したように1.0×108〜3.2×1013Ω/□の範囲であることが好ましく、この範囲内に表面抵抗値を制御するためには、既述したように帯電制御剤として高分子導電剤、界面活性剤や導電性金属酸化物粒子等を画像受像層中に添加することができる。また、搬送性を向上させるためマット剤が画像受像層120や、基体表面に設けられる画像受像層以外の塗工層(以下、画像受像層と併せて「塗工層」という場合がある)に添加されることが好ましい。
上記導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、これらの複合してを使用してもよい。また、金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。
上記マット剤に使用される潤滑性を有する樹脂としては、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(R))等のフッ素樹脂;を挙げることができる。具体的には、低分子量ポリオレフィン系ワックス(例えばポリエチレン系ワックス、分子量1000〜5000)、高密度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系またはマイクロクリスタリン系のワックスを挙げることができる。
また、フッ素樹脂の例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を挙げることができる。
本発明において、画像受像層120には転写シートの移動性を良好にする観点からフィラーを用いることが好ましい。
本発明で用いられるフィラーは限定されるものではないが、有機樹脂粒子から構成されるものの場合、具体的には、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
これらの中で、スチレン類、α−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類等が好ましく、これら熱溶融性樹脂をフィラーとして使用する場合は、これら樹脂を溶解しない溶媒で塗工することにより、光沢制御層を構成するフィラーとして用いることができるが、好ましくは、これら熱溶融性樹脂に架橋剤などを添加して、架橋構造を持たせた熱硬化性樹脂、先に記載した熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などを微粒子化したものがより好ましく用いられる。
またフィラーが、無機微粒子から構成される場合、具体的な例示物としては、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩酸性炭酸マグネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナなどが挙げられる。
前記フィラーの形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。
また、フィラーの体積平均粒子径としては、0.1〜30μm以下であることが好ましいが、画像受像層膜厚を考慮すると、画像受像層膜厚の1.2倍以上が好ましい。大き過ぎるとフィラーが画像受像層20から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなり、さらに曇り(ヘイズ度)が増大することとなる。フィラーが画像受像層表面から突出することで、表裏に重ねられた画像形成材料転写シートの摩擦係数が低下し、電子写真装置内を画像形成材料転写シートがスムーズに移動できるためである。
画像形成材料転写シートの画像受像層中におけるフィラーと結着剤(樹脂成分)との質量比(フィラー:結着剤)は、0.01:100〜15:100の範囲であることが好ましく、0.5:100〜5:100の範囲であることがより好ましい。フィラーの割合が上記範囲内の場合は、転写シートからの画像形成材料の移行での乱れが少なく、画像品質が良い。上記範囲よりも少ない場合は、重ねた転写シート間の摩擦係数が大きく、電子写真装置内でジャムすることがある。上記範囲よりも多い場合は、画像形成材料の転写時に画像を乱れさせる場合がある。
フィラーとしては、上記以外の無機微粒子(例えば、SiO2、Al23、タルクまたはカオリン)及びビーズ状プラスチックパウダー(例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン)を併用してもよい。
上記のように、電子写真装置内における画像形成材料転写シートの搬送性を良好とするため、マット剤等によりフィルム表面の摩擦を低減する必要があるが、実際の使用上、転写シート表面の静止摩擦係数は、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。また転写シート表面の動摩擦係数は、0.2〜1の範囲であることが好ましく、0.3〜0.65の範囲であることがより好ましい。
少なくとも、樹脂、特に好ましくは樹脂とフィラーとから構成される画像受像層120や、画像受像層120以外の塗工層は、以下の方法によって基体110の表面に形成される。
上記各層は、樹脂(と必要に応じてフィラー等と)を有機溶媒、もしくは水などを用いて混合し、超音波、ウエーブローター、アトライターやサンドミルなどの装置により均一に分散させ塗工液を作製し、該塗工液をそのままの状態で、基体110の表面へ塗布あるいは含浸させることによって形成できる。
塗布あるいは含浸させる方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
上記塗布は、画像形成材料転写シートが、例えば基体の両面に塗工層を有する場合には、どちらの面を先に塗工してもよいし、同時に両面塗工してもよい。
但し、前記塗工液の作製において、溶媒として基体110の表面を溶解させる良溶媒を使用することが好ましい。このような良溶媒を使用すると、基体110表面が溶解し、それ自身がバインダー樹脂として働き結びつき非常に高くなり、マット剤やフィラーなどの微粒子を安定して保持することが容易となる。
但し、上記基体110表面に対して良溶媒であるとは、溶媒が基体110の表面に接触した場合、基体110に何らかの作用を及ぼし、基体110の表面が少し侵される(溶媒除去後、わずかに表面に曇り等が観察される)程度以上の溶解性を有することをいう。
なお、このような観点からは、基体110の塗工層が形成される側の表面は、塗工液に用いられる一般的な溶媒との相溶性に優れたPETG樹脂を含むものであることが好ましく、これらの樹脂で覆われていることがより好ましい。
上記基体表面に含まれるPETG樹脂と塗工層に含まれる樹脂との相溶性を引き出す溶媒としては、公知の塗工液の作製に用いられる溶媒であれば特に限定されない。具体的な例としてはトルエンやキシレンの芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、メチルエチルケトンやシクロヘキサノンのようなケトン系、そのほかテトラヒドロフラン、酢酸エチル及びこれら溶媒の混合物やこれ以外の貧溶媒との混合溶媒などでも良い。
基体110の表面に塗工層を形成する際の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥できる。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、あるいは加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
このようにして基体110の表面に形成される画像受像層20の膜厚は、0.1〜20μmの範囲であることが好ましく、1.0〜10μmの範囲であることがより好ましい。
転写シートへの画像形成における定着時に、トナーは熱や圧力が同時に印加されるため画像受像層表面に定着される訳であるが、同時にトナーは定着部材と接触するため、トナーが低粘性であったり、定着部材との親和性が高い場合などは、定着部材に一部移行し、オフセットとして定着部材に残留するため、定着部材の劣化を招き、結果として定着器の寿命を短縮してしまうことになる。したがって、電子写真用画像形成材料転写シートは、トナー画像の充分な定着性と定着部材との剥離性とを得ることが必要となる。
しかしながら、本発明の電子写真用画像形成材料転写シート表面に設けられる画像受像層表面は、トナーとの接着性がよいため、トナーが溶融し、粘性が生じる温度以下で十分に転写シート表面に定着する。
このため、本発明においては、電子写真用画像形成材料転写シート表面に形成されたトナー画像の定着を、該電子写真用画像形成材料転写シート表面(画像形成面)の温度が、トナーの溶融温度以下となるようにして行うことが好ましい。通常のトナーの溶融温度を考慮すると、前記電子写真用画像形成材料転写シートの表面温度が130℃以下となるようにして行うことが好ましく、110℃以下となるようにして行うことがより好ましい。
また、上記条件で定着を行う場合であっても、本発明の電子写真用画像形成材料転写シートの場合では、基体が熱変形を起こす温度領域に入ってしまう場合がある。その場合、特に転写シートのコシが弱くなり、定着装置の加熱ロールに巻付きやすくなってくる。このような場合は紙などと重ね合わせて搬送し、定着装置での転写シートのコシを補ったり、フィルムエッジ部分にガイドが当たるように定着装置内を改造/調整することが望ましい。
一方、本発明の電子写真用画像形成材料転写シートでは、画像受像層が定着時に非画像部でも定着部材と接触することになるため、高い剥離性を有していることが好ましい。前記フィラーは、この高い剥離性を確保するためにも画像受像層に含まれていることが好ましい。
本発明の電子写真用画像形成材料転写シートは、以上説明したように、基体や画像受像層の構成や材料等を選択することにより、意匠性の高い印刷物に要求される画像品質(色、光沢、隠蔽性など)や画像形成工程の繰り返し安定性に優れ、傷や異物などによる画像欠陥の発生がなく、屋外使用においても十分な耐熱性、耐光性を確保でき、また、オイルレストナーに対しても、オフセットの発生を防止することも可能である。
(画像記録体、画像記録体の作製方法)
次に、上記に説明した本発明の電子写真用画像形成材料転写シートを用いて画像が形成される画像記録体について説明する。
このような画像記録体としては、例えば、(1)表面に情報に応じたトナー画像が形成された本発明の電子写真用画像形成材料転写シートから、加熱圧着により画像が画像支持体に転写された画像シート、画像パネルなどの構成や、(2)前記画像支持体の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップと、を少なくとも含むような、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体等の構成が挙げられる。
なお、本発明の画像記録体の作製に用いられる画像支持体の少なくとも転写シートと加熱圧着される側の面には、ポリエステル樹脂、中でもウレタン変性ポリエステル樹脂が含まれていることが好ましい。この場合、本発明の転写シートと前記画像支持体とを加熱圧着した場合に両者をより強固に接着することができる。
上記(1)項に示す画像記録体では、トナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別可能な情報として機能するトナー画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としてのトナー画像の識別は、視覚的に識別できるものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別できるものであってもよい。
また、上記(2)項に示す画像記録体(情報記録媒体)では、情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出し可能であれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が可能なものを用いてもよい。また、このような情報チップの具体例としては、例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
なお、画像記録体の情報源として、上記の情報チップを用いる場合に形成されるトナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
一方、トナー画像や情報チップが有する情報は、識別可能なものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の画像記録体において、個々の画像記録体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、画像記録体毎に異なるトナー画像とすることができる。
さらに、上記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本発明の画像記録体(情報記録媒体)は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用可能であり、このような用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等挙やこれらの組合せが挙げられる。
本発明の画像記録体は、電子写真用画像形成材料転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用画像形成材料転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記定着画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用画像形成材料転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含む工程を経て作製される。
前記電子写真方式による転写シートへの画像形成は、まず、電子写真用感光体(像担持体)の表面に均一に電荷を与え帯電させた後、その表面に、得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、転写シートの画像受像層が形成された面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、転写シートが電子写真装置から排出される。
本発明の電子写真用画像形成材料転写シートは、画像形成面(画像受像層が設けられた側の面)をICチップなどが含まれた画像支持体と重ね、画像を転写するものであるため、転写シートの画像受像層に形成される画像は反転画像(鏡像画像)と、前記感光体表面に静電潜像を形成する際には、上記感光体表面に露光される画像情報としては鏡像の情報が提供されることが好ましい。
本発明で用いられる画像支持体は、金属、プラスチック、セラミックなどであり、さらにこれらはシート状のものが好ましい。
本発明に用いられる画像支持体としては、プラスチックシートが好ましく、特に、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが好ましく、白色化したプラスチックシートが代表的に使用される。
上記プラスチックシート用樹脂としては、前記電子写真用画像形成材料転写シートの基体に用いたものと同様なものを用いることができ、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを好ましく用いることができる。
上記の中でも、ポリエステルフィルム、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記PETにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等をより好ましく用いることができる。
本発明においては、画像支持体の少なくとも画像が転写される側の面が、PETGを含む画像転写面をPETGとすることにより、転写された画像形成材料(トナー)を画像支持体表面にほとんど完全に埋め込ませることができ、最終的な画像記録体の表面を電子写真画像形成材料転写シートの表面形状と同様にすることができる。
本発明においては、前述のように塩素を含まない基材の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂シート、ABS樹脂シート、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂シート、またPETシートや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂シートに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているシート等も好ましく用いることができる。
プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用できる。また、プラスチックシート表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックシートの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックシートを白色化することもできる。
本発明に用いられる画像支持体としては、厚さ75〜1000μmの範囲のプラスチックからなるシートを用いることが好ましく、厚さ100〜750μmの範囲のPETGシートを用いることがより好ましい。
本発明においては、最終的な画像記録体がICカード等として用いられる場合には、画像支持体として、その内部または表面に半導体回路を有するものを用いることができる。
画像支持体中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、画像支持体を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に好ましく用いられる。また、上記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、同様に熱融着一体化させる方法も可能である。
その他、上記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、前記画像支持体を構成するシートどうしを貼り合わせ、同様に、半導体回路を内蔵させることも可能であるが、これらに限られるものではなく、例えば、ICカードに半導体回路を内蔵させる方法であれば、いずれも前記画像支持体の製造方法として適用することができる。
さらに、画像記録体として使用上問題がなければ、半導体回路を画像支持体の内部ではなく、表面に露出した状態で配置することも可能である。
なお、本発明の画像記録体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じて画像支持体にアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれる。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
前記電子写真用画像形成材料転写シートと画像支持体との重ね合わせは、電子写真用画像形成材料転写シートと画像支持体とを手で保持して揃えることにより行ってもよいし、電子写真用画像形成材料転写シート上に画像形成後に、丁合いトレイなどに電子写真用画像形成材料転写シート及び画像支持体を順次排出し、自動的に揃えることにより行ってもよい。
前記加熱圧着工程における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。これらの中でも、熱を加えることによりラミネートするヒートプレス法を用いることが好ましく、例えば、転写シート及び画像支持体の積層体を、加熱可能な1対の熱ロールの圧接部(ニップ部)に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
なお、本発明における加熱圧着工程には、未定着画像が形成された電子写真用画像形成材料転写シートを用いてもよく、この場合には、加熱圧着時の温度を定着工程を経た転写シートを用いる場合に比べ、若干高めにすることにより、トナーの発色性等を確保することができる。
加熱圧着された前記積層体は、画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用画像形成材料転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録され、本発明の画像記録体となる。
前記冷却固化する温度は、具体的にはトナーが十分固まる軟化点以下の温度であり、例えば画像形成材料のガラス転移温度以下であり、望ましくは常温から30℃の範囲であることが好ましい。また、転写シートを画像支持体から剥がす条件としては、特に限定されないが、転写シートの端面を掴んで画像支持体から徐々に剥していくことが好ましい。
次に、以上に説明した情報記録媒体の具体例について図面を用いて説明する。図2は、本発明の画像記録体の作製における加熱圧着前の状態と、加熱圧着、剥離後の画像記録体の一例を示す断面図である。図2中、100は電子写真用画像形成材料転写シート、200は画像支持体(画像記録体)を表す。
図2(a)は、電子写真用画像形成材料転写シート100と、被転写体である画像支持体200(PETGシート)とを重ね合わせて積層体を構成した時の状態を示すものである。加熱圧着前は、画像形成材料(トナー)130は転写シートの画像受像層120側、あるいは画像受像層120と画像支持体200との界面に存在する。
一方、図2(b)に示すように、加熱圧着、剥離後は、画像形成材料130は画像支持体200の表面に完全に埋め込まれた状態となっている。したがって、画像支持体200の表面と画像形成材料130の存在する部分とでは、段差がほとんどなく、作製された画像記録体はそのまま印刷された画像記録体と同様の感触を有し、画像形成材料130も簡単に剥がれたりすることがない。
剥離された画像記録体は、そのまま本発明の画像記録体となり得るが、電子写真用画像形成材料転写シートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定サイズの複数の画像記録体を得ることができる。
(画像記録体の作製装置)
次に、本発明の画像記録体の作製装置について説明する。
本発明の画像記録体の作製装置は、前記本発明の電子写真用画像形成材料転写シート、画像記録体の作製方法を用いるものであり、少なくとも一方の面に画像受像層を有する電子写真用画像形成材料転写シートを収容する電子写真用画像形成材料転写シート収納部と、該電子写真用画像形成材料転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により画像形成材料からなる画像を形成する画像形成部と、画像支持体を収容する画像支持体収納部と、前記電子写真用画像形成材料転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ、積層体とする位置決め部と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着部と、前記画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用画像形成材料転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離部と、を備えるものである。
図3は、本発明の画像記録体の作製装置を示す概略構成図である。
図3に示す画像記録体の作製装置10は、画像形成装置12、丁合い装置14(位置決め部)と、ラミネート装置16(加熱圧着部)と、剥離装置17(剥離部)と、から構成されている。
画像形成装置12は、例えば、転写シートスタッカー18(電子写真用画像形成材料転写シート収納部)と、画像形成部20と、転写シートスタッカー18から画像形成部へ転写シート22を搬送する搬送路24と、画像形成部20から排出口28へ転写シート22を搬送する搬送路26とから構成されている。その他の構成は省略する。
転写シートスタッカー18には、転写シート22が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備えられ、所定のタイミングで給紙ロール等が回転し、画像形成部20へ転写シート22を搬送する。
画像形成部20は、図示しないが、潜像を形成する潜像担持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を転写シート22に転写する転写器、転写シート22に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式の装置で構成されている。
搬送路24、26は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されており、さらに搬送路26には、転写シート22の搬送方向を180°反転させる反転路26aが設けられている。搬送路26と反転路26aとの分岐付近には、転写シート22の案内方向を変更するカム32が設けられている。この反転路26aで転写シート22を往復させ、再び搬送路26に戻すと、転写シート22の搬送方向が180°反転されると共に、転写シート22の表裏が反転して搬送される。
丁合い装置14は、プラスチックシート(画像支持体)スタッカー34と、丁合いトレイ36(位置決め部)、プラスチックシートスタッカー34から丁合いトレイ36へプラスチックシート38(画像支持体)を供給する搬送路40と、画像形成装置12の排出口28から排出された転写シート22を、丁合いトレイ36へ供給する搬送路42と、から構成されている。
プラスチックシート38を丁合いトレイ36へ供給する搬送路40排出部と、転写シート22を丁合いトレイ36へ供給する搬送路42排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
搬送路40、42としては、平滑な板状部材と、その表面を転写シート22を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写シート22が画像形成装置12から排出されるタイミング、又はプラスチックシート38が排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写シート22又はプラスチックシート38を丁合いトレイ36に搬送する。
プラスチックシートスタッカー34(画像支持体収納部)には、プラスチックシート38が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備え、丁合いトレイ36がプラスチックシートスタッカー34の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール等が回転し、丁合いトレイ36にプラスチックシート38を搬送する。
丁合いトレイ36は、搬送路40排出部と搬送路42排出部からプラスチックシート38及び転写シート22がそれぞれ供給されるように、例えば、その端部の一部が上下(図中上下)に張架されたベルト外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降するよう構成されている。このような昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させることができる。また、積層されたプラスチックシート38及び転写シート22の端部を揃える位置決め手段(図示しない)が設けられている。
丁合いトレイ36には、プラスチックシート38を介して2つの転写シート22を積層した積層体を仮止めする仮止め装置44が設けられている。この仮止め装置は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部近傍を挟むことで、積層体の端部近傍が熱溶着されて仮止めされる。
仮留の方法としては、熱溶着を用いるのであれば一対の突片による方法に限らず、既存のその他の方式、すなわち加熱した針状の部材をシートの垂直方向に貫通させたり、超音波振動子を搭載した部材でシートを挟み、超音波振動により発生した熱により溶着することも可能である。また、熱を用いずに機械的に互いの動きを拘束する手段、すなわち、ホチキスの針等を用いて固定したり、あるいは搬送経路に沿ってシートとともに移動可能なグリッパーを設けてもよい。
仮止め装置44は、丁合いトレイ36からラミネート装置16への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置44は、仮止め時のみ丁合いトレイ36の端部に配置され、それ以外のときは上記搬送路から退避できる構造をとる必要がある。
ラミネート装置16は、例えば、一対のベルト46から構成されるベルトニップ方式を採用することができる。それぞれのベルト46は、加熱・加圧ロール48と、張架ロール50により張架されている。
ラミネート装置16における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置、あるいは熱プレス技法、ならびに熱プレス装置を用いて、圧着させることができる。
剥離装置17は、例えば、エア噴出しノズル19とガイド21a、21bからなっており、プラスチックシートの搬送経路下流側に、排出トレイ56が設けられている。
まず、画像形成装置12において、転写シート22のうち、プラスチックシート38の裏面(図面中下側)に圧接される第1の転写シート22aが、転写シートスタッカー18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第1の転写シート22aの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。このとき、第1の転写シート22aの上面に定着画像が形成されているので、第1の転写シート22aは、そのまま搬送路26を経て排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
そして、丁合い装置14において、第1の転写シート22aは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第1の転写シート22は、第1の転写シート22aの画像面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36への供給される。
次に、丁合いトレイ36を、搬送路40排出部付近まで昇降させ、プラスチックシート38を、プラスチックシートスタッカー34から搬送路40を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路40排出部を出たプラスチックシート38は、その自重により丁合いトレイ36へと供給され、第1の転写シート22aと重ねられる。
次に、画像形成装置12において、プラスチックシート38の表面(図面中上側)に圧接される第2の転写シート22bが、転写シートスタッカー18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第2の転写シート22bの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。第2の転写シート22bの上面に定着画像が形成されているので、第2の転写シート22bは、搬送路26を通り、一端、反転路26aを経由して、再び搬送路26に戻り排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
このとき、搬送路26と反転路26aの分岐付近において、カム32はその先端が搬送路26に重なるように駆動され、カム32の先端位置に到達した第2の転写シート22は搬送方向が変更され、反転路26aへと案内搬送される。そして、第2の転写シート22bが反転路26aに到達した後、図示しない駆動ロールを反転させ、第2の転写シート22bを反転路26aで往復移動させて、再び搬送路26に戻す。このため、搬送路26に戻った第2の転写シート22bは、搬送方向が180°反転される共に、その表裏も反転し、画像面が下側(図中下側)を向いて搬送されることとなる。
そして、丁合い装置14において、第2の転写シート22bは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第2の転写シート22bは、第2の転写シート22bの画像面が下面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36への供給され、プラスチックシート38と重ねられる。
このように、丁合いトレイ36には、画像面が上向きの第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び画像面が下向きの第2の転写シート22bの順番で供給されると共に重ねられる(位置決め工程)。この積層体は、プラスチックシート38を介して、第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bがその画像面を対面させて積層されている。
次に、丁合いトレイ36上の第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの端部を、図示しない位置決め手段により揃え、続いて、仮止め装置44により、積層体の端部を仮止めを施した後、ラミネート装置16へ搬送される。なお、転写シート22、プラスチックシート38のサイズを同等にしており、積層体の端部を揃えることで、位置決めが行なわれる。
次いで、ラミネート装置16において、第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの積層体を、一対のベルト46ニップ間に通過させて加熱圧着処理をし、プラスチックシート38を第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bで加熱圧着する(加熱圧着工程)。
加熱圧着された積層体は、次に剥離装置17へ搬送される。プラスチックシート38は、例えばその先端右端部に切欠きがあり、その部分では第1の転写シート22aと第2の転写シート22bはプラスチックシート38に接着することなく、一定の隙間をあけて対峙している。積層体先端部がエア噴出しノズル19にさしかかると、ノズルから圧縮空気が噴射される。第1の転写シート22aと第2の転写シート22bの端部がプラスチックシート38より浮き上がり、ガイド21a、21bの先端が第1の転写シート22aとプラスチックシート38および第2の転写シート22bとプラスチックシート38との間に入る。さらに、積層体が搬送されるにつれ、2つの転写シートはガイド21a、21bに沿ってプラスチックシート38と分離する方向に搬送され、プラスチックシート38から剥がされる。
プラスチックシート38は排出トレイ56に排出され、記録済みプラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定のサイズのプラスチックシートを得る。
第1の転写シート22aと第2の転写シート22bは、その後図示しない経路を通って転写シート排出トレイ57に排出される。排出された転写シートは、転写シートスタッカーに戻して、再度画像記録を行ってもよい。
以上のように、本発明の画像記録体の作製装置では、2つ転写シート22の片面に電子写真方式により画像を形成し、プラスチックシート38を介して、この2つの転写シート22をその画像面を対面させて加熱圧着し、転写シートを剥離することで、画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、プラスチックシートに高解像度の画像を高い生産性で印刷することが可能である。
また、画像形成装置12における画像形成部20から排出口28と転写シート22を搬送する搬送路26の途中に反転路26aを設けて、転写シート22のうち、丁合いトレイ36上の下側に供給される第1の転写シート22aは反転路26aを経由させず、上側に供給される第2の転写シート22bは反転路26aを経由させその表裏を反転させて搬送するといった具合に、選択的に転写シート22の表裏を反転させることで、連続した位置決めが行なわれ、より効率良くプラスチックシートに印刷することが可能となる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における「部」は「質量部」を意味する。
<実施例1>
電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート1)を以下のように作製した。以下、その作製方法を工程ごとに説明する。
(画像受像層塗工液1の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)10部と、フィラーとしてポリジメチルシロキサン微粒子(GE東芝シリコーン社製、TP145、体積平均粒子径:4.5μm)0.002部と、帯電制御剤としてパイオニンB144V(竹本油脂社製)0.2部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液1を調製した。
(電子写真用画像形成材料転写シートの作製)
基体としてPETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚み:100μm)を用い、この基体の片面に前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚1μmの画像受像層を形成した。さらに、この基体のもう一方の面(未処理面)にも前記画像受像層1をワイヤーバーを用いて同様に塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚1μmの画像受像層を形成し、その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート1を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表裏ともに5.4×1011Ω/□であった。
(電子写真用画像形成材料転写シートの性能評価)
上記転写シート1(画像未形成)の画像受像層面に、画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機 DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
この画像形成に際しては、画像形成装置内の転写シート1の搬送時における走行性を以下のように評価した。
−走行性評価−
作製された転写シート1のカラー複写機における走行性は、前記カラー複写機DocuColor1255CPの手差しトレイに、転写シート1を30枚セットし、連続で30枚印字作業を行った時の、ジャム、重送の発生回数をカウントすることにより行った。評価基準は、発生回数が0回であれば○、1回の場合は△、2回以上の場合は×とした。
結果を表1に示す。
(画像記録体(カード1)の作製)
画像記録体は、表裏がPETGで、コアがA−PETであるA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ディアクレールW2012、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏面に、前記画像が定着された転写シート1を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製、ラミパッカーLPD3206 City)を用い、160℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート1を常温まで冷却後、転写シート1を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード1(画像記録体)を作製した。なお、カード1の表面には、転写されたトナーが完全に埋め込まれており、画像部分の盛り上がりはほとんどなかった。
(画像記録体の評価)
上記カード1について、以下の評価を行った。
−画像の定着性評価−
トナー画像の定着性の評価は、カード1の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の、画像の剥がれを評価した。
本評価では、全く問題がなかった時◎、少しでも画像が剥がれたり、乱れた場合×として評価した。結果を表1に示す。
−画像濃度、画質評価−
画像濃度は、ベタ画像部をX−Rite967濃度計(X−Rite社製)で測定し、画像濃度が1.5以上であるものを○、1.5未満1.3以上であるものを△、それ以下であるものを×とした。
また、画質に関しては、高温高湿条件(28℃、80%RH、A条件)、室温条件(22℃、50%RH、B条件)、低温低湿(15℃、15%RH、C条件)で画像を出力したときの転写シート1を用いて、カード1を作製した時の、文字の正確な印字転写性(印字再現性)を評価した。どの条件でも問題ない場合は○、問題があった場合は問題のあった条件に×を表示した(例A×、C×など)。
結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、電子写真用画像形成材料転写シートとして、市販のPETシート(東レ(株)社製、T60、厚さ:100μm、表面抵抗値:1×1017Ω/□)を用いた以外は同様にして評価を行った。
その結果、走行性に関しては、重送が繰り替えされた。また、定着させた画像は、十分な濃度と画質が得られていなかった。さらに、画像記録体作製時には、PETシートが白色シート(画像支持体)に接着し、白色シートから剥がれなくなっていて転写シートとして使用できなかった。
<比較例2>
実施例1において、電子写真用画像形成材料転写シートとして、市販のカラーOHPフィルムシート(富士ゼロックス(株)社製、V556、厚さ:100μm、表面抵抗値:5×1011Ω/□)を用いた以外は同様にして評価を行った。
その結果、走行性に関しては、問題がなかったが、画像記録体作製時、OHPフィルムシートが白色シート(画像支持体)に接着し、白色シートから剥がしにくくなっていた。無理矢理はがしたところ、画像がきれいに転写せず、画像品質の悪い画像記録体となった。
<実施例2>
(画像受像層塗工液2の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SIコート801、固形分:30質量%)10部と、フィラーとしてポリジメチルシロキサン微粒子(GE東芝シリコーン社製、TP130、体積平均粒子径:3μm)0.03部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)0.25部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液2を調製した。
(電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート2)の作製)
基体としてPETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚さ:100μm)を用い、この基体の片面に前記画像受像層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚0.5μmの画像受像層を形成した。さらに、この基体のもう一方の面(未処理面)にも前記画像受像層2をワイヤーバーを用いて同様に塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚0.5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート2を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表裏ともに1.1×1011Ω/□であった。
(電子写真用画像形成材料転写シートの性能評価)
上記転写シート2(画像未形成)の画像受像層面に、実施例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
画像形成に際しては、画像形成装置内の転写シート2の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード2)の作製)
画像記録体は、PETGで構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ディアフィクス、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート2を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、170℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート2を常温まで冷却後、転写シート2を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード2(画像記録体)を作製した。
(画像記録体の評価)
実施例1と同様にして、カード2における画像の定着性、及び画像濃度、画質に関して評価を行った。
結果を表1に示す。
<実施例3>
(画像受像層塗工液3の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーン系ハードコート材料(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分:30質量%)10部と、フィラーとして架橋型スチレンアクリル樹脂微粒子(綜研化学社製、MX500、体積平均粒子径:5μm)0.007部と、帯電制御剤としてパイオニンB144V(竹本油脂社製)0.2部と、ポリエステル樹脂(綜研化学社製:フォレットFF−4M、30質量%溶液)0.5部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液3を調製した。
(電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート3)の作製)
基体としてPETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚さ:100μm)を用い、この基体の片面に前記画像受像層塗工液3をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚3μmの画像受像層を形成した。さらに、この基体のもう一方の面(未処理面)にも実施例1で用いた前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて同様に塗布し、120℃で30秒乾燥させ、膜厚0.5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート3を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表(画像受像層塗工液3を塗工した側)は2.3×1011Ω/□、裏(画像受像層塗工液1を塗工した側)は5.4×1011Ω/□であった。
この転写シート3を用い、実施例1と同様にしてカード3(画像記録体)を作製した。転写シート3の性能と、これを用いて作製したカード3の評価を、実施例1と同様にして行った。
結果を表1に示す。
<実施例4>
(電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート4)の作製)
実施例3における画像受像層塗工液の作製において、ポリエステル樹脂の代わりにウレタン変性ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績社製、バイロンUR1350、メチルエチルケトンとトルエンとが質量比で50/50の溶剤中に固形分としてウレタン変性ポリエステル樹脂が30質量%含まれるもの)を0.5部用いた以外は同様にして画像受像層塗工液4を調製し、表裏の膜厚0.5μmの画像受像層を形成し転写シート4を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表(画像受像層塗工液4を塗工した側)は3.1×1011Ω/□、裏(画像受像層塗工液1を塗工した側)は5.4×1011Ω/□であった。
この転写シート4を用い、実施例1と同様にしてカード4(画像記録体)を作製した。転写シート4の性能と、これを用いて作製したカード4の評価を、実施例1と同様にして行った。
結果を表1に示す。
<実施例5>
(電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート5)の作製)
実施例3における画像受像層塗工液の作製において、ポリエステル樹脂の代わりにポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、BM−S)3部を用いた以外は同様にして画像受像層塗工液5を調製し、表の膜厚が2μm、裏の膜厚が0.5μmの画像受像層を形成し転写シート5を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表(画像受像層塗工液5を塗工した側)は1.2×1010Ω/□、裏(画像受像層塗工液1を塗工した側)は5.4×1011Ω/□であった。
この転写シート5を用い、実施例1と同様にしてカード5(画像記録体)を作製した。転写シート5の性能と、これを用いて作製したカード5の評価を、実施例1と同様にして行った。
結果を表1に示す。
<実施例6>
(画像受像層塗工液6の調製)
シリコーン変性アクリル樹脂、アクリル樹脂、及び光重合開始剤を含むUV硬化性シリコーン系ハードコート材料(GE東芝シリコーン社製、UVHC1105)10部と、フィラーとしてポリジメチルシロキサン微粒子(GE東芝シリコーン社製、TP145、体積平均粒子径:4.5μm)0.01部と、帯電制御剤としてパイオニンB144V(竹本油脂社製)2部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液6を調製した。
(電子写真用画像形成材料転写シート(転写シート6)の作製)
基体としてPETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚さ:100μm)を用い、この基体の片面に前記画像受像層塗工液6をワイヤーバーを用いて塗布し、室温でしばらく風乾させた後、紫外線照射装置で照射距離約20cmで160W/cm2の照射強度で30秒紫外線照射することにより、膜厚1μmの画像受像層を形成した。さらに、この基体のもう一方の面(未処理面)に、前記画像受像層塗工液2をワイヤーバーを用いて同様に塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚1μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート6を作製した。この画像受像層の表面抵抗値は、表(画像受像層塗工液6を塗工した側)は2.3×1013Ω/□、裏(画像受像層塗工液2を塗工した側)は1.1×1011Ω/□であった。
この転写シート6を用い、実施例1と同様にしてカード6(画像記録体)を作製した。転写シート6の性能と、これを用いて作製したカード6の評価を、実施例1と同様にして行った。
結果を表1に示す。
Figure 0004525100
実施例1〜6からわかるように、本発明の電子写真用画像形成材料転写シートは、画像受像層に離型性材料であるシリコーン系ハードコート材料を含むため、優れた画像転写性を示した。一方、比較例1及び2は、電子写真用画像形成材料転写シートとして画像受像層を設けていないため、転写シート体として不十分の性能であった。
更に、実施例1〜6の各電子写真用画像形成材料転写シートを用いて作製された画像記録体は、定着性、画像濃度、画質のいずれにおいても優れ、カード(情報記録媒体)としての品質も良好であった。
本発明の電子写真用画像形成材料転写シートの一例を示す概略斜視図である。 本発明における加熱圧着前後の積層体、画像記録体の状態を示す断面図である。 本発明の画像記録体の作製装置の構成の一例を示す概略図である。
符号の説明
10 画像記録体の作製装置
12 画像形成装置
14 丁合い装置(位置決め部)
16 ラミネート装置(加熱圧着部)
17 剥離装置(剥離部)
18 転写シートスタッカー(電子写真用画像形成材料転写シート収納部)
20 画像形成部
22、100 転写シート(電子写真用画像形成材料転写シート)
24、26、40、42、60 搬送路
26a 反転路
28 排出口
32 カム
34 プラスチックシートスタッカー(画像支持体収納部)
36 丁合いトレイ
38、200 プラスチックシート(画像支持体)
46 ベルト
56 プラスチックシート排出トレイ
57 転写シート排出トレイ
110 基体
120 画像受像層
130 画像形成材料

Claims (2)

  1. 基体と、該基体の少なくとも片面に画像受像層を有してなり、前記画像受像層が少なくとも離型性材料を含有する電子写真用画像形成材料転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
    前記電子写真用画像形成材料転写シートを、前記画像が転写される面を有し、少なくとも前記画像が転写される側の面が、エチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステル樹脂を含む画像支持体の前記画像が転写される面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、
    前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
    前記画像形成材料が冷却した後、前記電子写真用画像形成材料転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含むことを特徴とする画像記録体の作製方法。
  2. 前記画像形成工程が2つの前記電子写真用画像形成材料転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に電子写真方式により前記画像形成材料からなる前記画像を形成する工程であって、
    前記位置決め工程において、前記画像形成工程を経た2つの前記電子写真用画像形成材料転写シートを、前記画像支持体を介してその表面に形成された画像面を互いに対面させることを特徴とする請求項1に記載の画像記録体の作製方法。
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