JP4645553B2 - 電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体 - Google Patents

電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体 Download PDF

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本発明は、電子写真方式の画像形成装置を用いて画像支持体に鮮明な画像形成(記録)させるための、電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体に関する。より詳細には、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式または接触式個人情報画像情報入り情報記録媒体、RFIDタグさらに医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどの画像記録体に用いられる、印字画像を形成するための電子写真用画像転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体に関する。
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体の作製にも多く用いられている。
しかしながら、例えば前記スクリーン印刷は、印刷しようとする画像の数に応じた印刷版が多数必要であり、カラー印刷の場合には、さらにその色の数だけ印刷版が必要となる。そのため、これら印刷方法は、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)に個々に対応するには不向きである。
前記問題点に対して、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。しかし、これらは個人の識別情報を容易に印字することはできるが、印刷速度を上げると解像度が低下し、解像度を上げると印刷速度が低下するという問題を依然抱えている。
また、この熱転写方式において中間転写体を用いて画像記録体へ印字する方法が述べられている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、いずれの場合も、前記中間転写体表面には、インクシートから転写される薄い着色層が形成される。さらにこの薄い着色層を画像記録体にしっかりと転写転移させなければ、良い画質が得られない。また、基本的に画像記録体表面の凹凸によって画質が左右されてしまうので、その画像記録体との密着性を高くするために、中間転写体にはゴム状弾性層を設けて、圧接させることで密着させ、画像を転移させ画質を維持させている。これら中間転写体の表面層は、基本的に離型性を持たせるように設計されているが、前記ゴム状弾性層に追従できる表面層とする必要があるため、硬質の表面層を用いることはできない。よって、表面層には具体的にはシリコーン系やフッ素系のゴムが使用されている。
これに対して、電子写真方式による画像形成(印刷)は、像担持体表面を一様に帯電させ、画像信号に応じて露光し、露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電電位と反対(あるいは同一)の極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像担持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、あるいは画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することによりカラー画像を得る方法で行われる。
上述のように、電子写真方式では、像担持体表面の静電潜像を画像信号により電気的に形成するため、同じ画像を何度でも形成できるだけでなく、異なる画像に対しても容易に対応でき画像形成することが可能である。また、像担持体表面のトナー画像は、ほぼ完全に画像形成材料転写体あるいは画像記録媒体表面に転移させることができ、像担持体表面にわずかに残存するトナー画像も、樹脂ブレードやブラシ等により容易に除去することができるため、多品種少量生産に向けた印刷物を容易に作製することが可能である。
また、前記トナーは、通常、熱溶融性樹脂及び顔料、並びに場合によっては帯電制御剤などの添加剤を溶融混合し、この混練物を粉砕、微粒子化して形成される。さらに、前記電子写真方式における静電潜像は、前記微粒子化されたトナーに比べてかなり高い解像度を持っており、前記スクリーン印刷やインクリボンの熱転写方式の解像度と比べても十分な解像度が期待できる。
カラー画像についても、カラートナーとしてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四原色を用い、これらを混合することにより、理論的に印刷と同様の色を再現できる。また、前記カラートナーでは、トナー樹脂と顔料とを比較的自由に配合できるため、トナーによる画像隠蔽性を増加させることは容易である。
また、屋外での使用を想定した情報記録媒体の耐熱性、及び耐光性については、これまでほとんど検討されていないが、特に運転免許証等を車中の直射日光に当たる場所に置いておくと、色材として染料を用いている熱転写型の画像は退色してしまう。しかし、電子写真方式により形成されたカラー画像では、前記カラートナー中に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各々の色に対応した耐光性に優れた顔料が使用されており、電子写真方式により形成された画像の耐光性は十分優れているものと考えられる。同様に、耐熱性のトナーを選択すれば、情報記録媒体に形成された画像の耐熱性も、屋外で使用できる程度になるものと考えられる。
一方、現在もっとも多く使用されている各種カードの基体(コア)は塩化ビニルシートであり、その理由は従来の印刷機において印刷特性に優れ、エンボス加工適性(文字等の凹凸処理)にも優れていること、そして何よりも安価であるためである。しかし、前記塩化ビニルシートは、期限切れ等により廃棄処理するカードを加熱炉等を利用して消却する際にダイオキシンが発生するという問題を有しており、環境対応の観点から、現在脱塩化ビニルを目的として各種シートフィルムが使用され始めている。
カードの作製に際し、エンボス加工を行わないことを前提にした場合は、従来からあるような二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどが使用できる。しかし、従来からのカードの機能を継続させるため、エンボス加工は欠かせない場合が多く、現在は比較的低温で軟化するABS樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルム、そして少なくともエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合させたPETGと呼ばれる変性PET樹脂フィルムや、変性PET樹脂フィルムとPETフィルム、アモルファスPET樹脂フィルムあるいはポリカーボネート樹脂フィルムとの一体成形フィルム等が用いられるようになってきた。
前述の電子写真装置を使用して、さらに転写シートを用いて記録物を作製する方法(特許文献7及び8参照)がある。しかしながら前記シートは特に受像層となる熱接着層の表面抵抗値が高く、シート表面への画像形成材料の転写不良などが起こり、細かな文字が再現できない。大きなデザインと色味が再現できればTシャツプリントには良いが、IDカードのような顔写真や2ポイント文字などの繊細な情報は再現できない。さらに抵抗が高いことによる帯電が問題で、繊維ゴミやチリ、埃などを吸い付け易く、カード品質に重大な影響を及ぼす。また、支持体がプラスチックフィルムの場合は、シート間摩擦係数が大きすぎ、シート間で密着するためシート搬送性が悪くなる。
一方で、各種個人情報の他に、不可視バーコードを厚さ250μmの塩化ビニルシートや厚さ280μmのポリエステルシートに電子写真法で印字し、それぞれ印字面にオーバーフィルムを重ね、熱プレス機でラミネートする方法(例えば、特許文献9参照)がある。
しかしながら、前記シートにおいてはシート間摩擦係数が大きすぎ、シート間で密着するためシート搬送性が悪く、電子写真装置が止まってしまったり、前記のような250μm以上の厚さの絶縁物(シート)には、画像形成材料(トナー)が十分に転写しにくく画像欠陥が増大してしまったりする。また、前記比較的低温で軟化する樹脂フィルムを電子写真装置に使用して画像を形成しようとすると、定着工程において、定着温度がフィルムの軟化温度より高いため粘着性が発現し、定着装置に巻き付きジャムが発生する問題がある。さらに、画像形成材料が定着装置にオフセットしたり、前記250μm厚以上のシートを定着し続けると、シートのエッジ(角)で定着装置を必要以上に痛めてしまい、頻繁に部材の交換が必要になったりする。
また、他の例として、光透過性シートに個人識別情報を印字し、さらに、前記印字は鏡像で行う方法(例えば、特許文献10参照)がある。しかし、特許文献10には光透過性のラミネートシートに関しては、少なくとも一部が2軸延伸ポリエステルフィルム、又はABS、又はポリエステルからなるフィルム/2軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましいが、塩化ビニルでもよい、と記載されているだけである。
したがって、この仕様ではフィルムが単なる絶縁体なので、フィルム表面への画像形成材料の転写不良などが起こり、熱転写方式などと同等な解像度を得ることはできない。また、生産性向上に重点をおいたこの装置においては、使用されるラミネートシートはロール状であるため、カード一人分から数人分の異なる印字を行うなどの、緊急または多品種生産等に対応するためには、多くのロスや無駄を生じてしまう問題がある。
また、支持体(基体)上に接着剤層とこの接着剤層上に透明シートを重ねて、支持体と透明シートとの間に色剤により像が形成されている認識識別媒体による画像形成法が示されている(例えば、特許文献11参照)。この方法では、画像認識媒体の総厚は、基体と透明シート、また接着剤層の厚みが加わることになる。画像認識媒体がICカードや磁気カードなどの場合、そのカード厚の規格(760μm±80μm)に合致させるためには、それぞれの厚さを制御しなくてはならない。特に、ICカード用基体の場合、基体にICチップやアンテナなどが入っているため、基体の厚さがカード厚の規格限度に近い厚さのものが多く、この方式では透明シートの厚さ分、また接着層の厚さ分、カード厚が厚くなってしまい、規格にはずれてしまうなどの問題がある。
また、ICカードや磁気カードなどのカード類などは、その表面が通常インクシートからの画像、あるいはフィルムによってオーバーコートされているものもあるが、長期間の使用によっては、カード類の場合、カードの出し入れによる他のカードとの擦れあいやカードホルダーとの接触などにより、その表面に傷が発生することがよくある。
特開平5−096871号公報 特開平7−068812号公報 特開平8−142365号公報 特開平8−156302号公報 特開平9−314875号公報 特開平11−291646号公報 特許第3359962号明細書 特許第3359963号 特開2001−92255号公報 特開平11−334265号公報 特開平10−86562号公報
本発明は、前記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、電子写真法で形成された画像を、保護されている状態で画像支持体上に転写させることができる電子写真用転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記の本発明により前記課題が達成できることを見出した。
また、前記課題以外にも、以下に説明する事項についても更に鋭意検討した。例えば、(1)画像受像層に微粒子を添加することにより搬送性を改善する方法や、(2)画像を形成した面と反対側の面から基体を通して画像を目視した際に、当該画像が正転画像(通常イメージ)として見えるように、鏡像画像を形成する方法、(3)電子写真用画像形成材料転写シート表面に設けられる画像受像層等の塗工層に含まれる樹脂として、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂やポリアセタール樹脂を用い、また、この塗工層中にフィラーを添加することにより画像転写体表面の摩擦係数を低下させ画像形成装置内搬送性を向上させること、等について検討した。
すなわち、本発明は、
<1> 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられている電子写真用画像転写シートであって、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層であることを特徴とする電子写真用画像転写シートである。
<2> 前記画像受像層と、前記基体又は該基体側に隣接する層との間の剥離力は、0.098N/cm以上4.90N/cm以下(10gf/cm以上500gf/cm以下)であることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
<3> 前記画像受像層は、変性シリコーンオイルを含有することを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
> 前記基体の表面に前記画像受像層が設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂との混合樹脂を含有していることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
> 前記硬化性シリコーン樹脂は、アクリル変性シリコーン樹脂であることを特徴とする<>に電子写真用画像転写シートである。
> 前記硬化性シリコーン樹脂は、熱硬化性シリコーン樹脂であることを特徴とする<>に記載の電子写真用画像転写シートである。
> 前記硬化性シリコーン樹脂は、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂との混合樹脂であることを特徴とする<>に記載の電子写真用画像転写シートである。
> 前記画像受像層は、フッ素含有シリコーン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤及びSiH基を有するシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む硬化性シリコーン化合物を含有することを特徴とする<>に記載の電子写真用画像転写シートである。
> 前記画像受像層は、シラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む変性シリコーンオイルを含有することを特徴とする<>に記載の電子写真用画像転写シートである。
10> 23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることを特徴とする<>に記載の電子写真用画像転写シートである。
11> 前記基体の画像受像層が設けられている面に、該基体側から離型層、及び画像受像層が順次設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有していることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
12> 前記硬化性シリコーン樹脂は、アクリル変性シリコーン樹脂であることを特徴とする<11>に電子写真用画像転写シートである。
13> 前記硬化性シリコーン樹脂は、熱硬化性シリコーン樹脂であることを特徴とする<11>に記載の電子写真用画像転写シートである。
14> 前記硬化性シリコーン樹脂は、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂との混合樹脂であることを特徴とする<11>に記載の電子写真用画像転写シートである。
15> 前記画像受像層は、フッ素含有シリコーン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤及びSiH基を有するシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む硬化性シリコーン化合物を含有することを特徴とする<11>に記載の電子写真用画像転写シートである。
16> 前記画像受像層は、シラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む変性シリコーンオイルを含有することを特徴とする<11>に記載の電子写真用画像転写シートである。
17> 23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることを特徴とする<11>に記載の電子写真用画像転写シートである。
18> 前記基体の少なくとも一方の面に、画像受像層が設けられており、該画像受像層は、光硬化性樹脂を含有し、自己修復性を有していることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
19> 前記自己修復性を有する光硬化性樹脂は、少なくとも光重合性モノマーと光硬化開始剤とを含有する組成物であることを特徴とする<18>に記載の電子写真用画像転写シートである。
20> 前記画像受像層は、前記光硬化性樹脂と、該光硬化性樹脂以外の樹脂との混合樹脂を含有することを特徴とする<18>に記載の電子写真用画像転写シートである。
21> 前記光硬化性樹脂以外の樹脂は、硬化性シリコーン樹脂であることを特徴とする<20>に記載の電子写真用画像転写シートである。
22> 前記画像受像層は、フッ素含有シリコーン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤及びSiH基を有するシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む硬化性シリコーン化合物を含有することを特徴とする<18>に記載の電子写真用画像転写シートである。
23> 前記画像受像層は、シラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む変性シリコーンオイルを含有することを特徴とする<18>に記載の電子写真用画像転写シートである。
24> 23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることを特徴とする<18>に記載の電子写真用画像転写シートである。
25> 前記画像受像層は、帯電制御剤を含有することを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
26> 前記画像受像層は、マット剤を含有することを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
27> 前記基体は、紙、プラスチックフィルム、金属又はセラミックスであることを特徴とする<1>に記載の電子写真用画像転写シートである。
28> 前記基体は、プラスチックフィルムであることを特徴とする<27>に記載の電子写真用画像転写シートである。
29> 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写されることにより、画像情報が記録されていることを特徴とする画像記録体である。
30> 前記画像支持体は、プラスチックシートであることを特徴とする<29>に記載の画像記録体である。
31> 前記画像支持体の少なくとも画像が転写される側の面は、塩化ビニル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂またはエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステル樹脂を含むことを特徴とする<29>に記載の画像記録体である。
32> 前記画像支持体の内部に、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップを少なくとも含むことを特徴とする<29>に記載の画像記録体である。
33> 前記情報チップは、ICチップであることを特徴とする<32>に記載の画像記録体である。
34> 前記情報は、可変情報であることを特徴とする<32>に記載の画像記録体である。
35> 前記可変情報は、個人情報を含むことを特徴とする<34>に記載の画像記録体である。
36> 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、光硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写され、更に、転写後、光硬化装置を用いて前記画像受像層を硬化処理したことを特徴とする画像記録体である
37> 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂と光硬化性樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写され、更に、転写後、光硬化装置を用いて前記画像受像層を硬化処理したことを特徴とする画像記録体である
38> 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用画像転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記画像支持体から電子写真用画像転写シートを剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含むことを特徴とする画像記録体の作製方法である。
39> 前記位置決め工程において、前記画像形成工程を経た2つの電子写真用画像転写シートを、その表面に形成された定着画像面を互いに対面させることを特徴とする<38>に記載の画像記録体の作製方法である。
40> 基体のオモテ面および裏面それぞれにおいて、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートのオモテ面および裏面それぞれに、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用画像転写シートを、前記画像が形成されたそれぞれの面に、画像支持体のオモテ面または裏面が対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記画像支持体から前記電子写真用画像転写シートを剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含み、1枚の電子写真用転写シートから2枚の画像記録体を作製することを特徴とする画像記録体の作製方法である。
本発明によれば、電子写真法で形成された画像を、保護されている状態で画像支持体上に転写させることができる電子写真用転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体を提供する電子写真用転写シート、及びこれを用いた画像記録体の作製方法、並びに画像記録体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(電子写真用転写シート)
本発明の電子写真用転写シート(以下、「本発明の転写シート」という場合がある)は、基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられている電子写真用画像転写シートであって、前記層の内の少なくとも1層は、硬化性樹脂を含有する層であり、前記硬化性樹脂を含有する層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層であることを特徴とする。このように前記硬化性樹脂を含有する層が、前記基体、又は該基体側で隣接する層から剥離することにより、電子写真法で形成された画像を画像支持体上に転写させた場合に、前記基体又は基体側に隣接する層から、前記硬化性樹脂を含有する層が剥離し、前記画像支持体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。
本発明の転写シートは、前記硬化性樹脂を含有する層と、前記基体、又は該硬化性樹脂を含有する層が基体側に接する層との間の剥離力は、0.098N/cm以上4.90N/cm以下(10gf/cm以上500gf/cm以下)であることが好ましく、0.196N/cm以上3.92N/cm以下(20gf/cm以上400gf/cm以下)であることがより好ましく、0.490N/cm以上2.41N/cm以下(50gf/cm以上250gf/cm以下)であることが更に好ましい。前記剥離力が0.098N/cm(10gf/cm)未満であると、離型層と前記硬化性樹脂を含有する層が剥がれやすくなり、画像定着時に、電子写真装置の定着機に前記硬化性樹脂を含有する層が転移してしまったり、あるいは画像記録体を作製するときに前記硬化性樹脂を含有する層が離型層との間ですべりを生じ、最終的に画像が乱れて転移されてしまうことがある。一方、前記剥離力が4.90N/cm(500gf/cm)を超えてしまうと、部分的に前記硬化性樹脂を含有する層が離型層面に残ることがあり、画像記録体表面の欠陥として認められることがある。ここで、剥離力とは、剥離力とは、JIS規格Z0237の粘着力の測定における180度引き剥がし粘着力に準じた測定で行った時の測定値である。
次に、本発明の電子写真用画像転写シートの各形態について説明する。
参考例における電子写真用画像転写シートの第一の形態(以下、「第一の参考例の転写シート」という場合がある。)は、23℃、55%RHにおけるシート両面の表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であり、前記基体の画像受像層が設けられている面に、該基体側から離型層、硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂層、及び画像受像層が順次設けられている電子写真用画像転写シートである。第一の参考例の転写シートでは、該硬化性樹脂層が前記硬化性樹脂を含有する層であり、該硬化性樹脂層が該基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。つまり電子写真法で形成された画像を画像支持体上に転写させた場合に、前記離型層から前記硬化性樹脂層が剥離し、該硬化性樹脂層が、前記画像支持体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。
また、第一の参考例の転写シートでは、表面に設けられた画像受像層が適切な表面抵抗率の範囲を有するため、電子写真方式での画像形成でも転写不良等が発生することなく、良好な画像形成を行うことができる。
更に、第一の参考例の転写シートは、画像受像層が硬化性樹脂層上に設けられているため、画像受像層上にトナーで画像を形成する場合、該トナーが広がらず、解像度が向上する。
一方、第一の参考例の転写シートは、前記画像受像層は、膜厚が2〜25μmであり、熱可塑性樹脂と、該画像受像層の膜厚よりも大きい体積平均粒子径を有する微粒子と、を含有していることが好ましい。この場合、前記画像受像層には受像層厚みより大きい微粒子が含まれており、前記離型層は後述するような画像形成材料を画像支持体に良好に転写できるだけでなく、電子写真方式での画像定着特性にも優れたものである。
従って、第1の参考例によれば、電子写真法によって高品質な画像が得られる電子写真用画像形成材料転写シートを提供することができる。
第一の参考例の転写シートにおける離型層は、画像支持体と熱圧着されたときには前記画像形成材料を硬化性樹脂層及び画像受像層と共に、離型させる層で、該離型層を構成する樹脂性材料は、転写シートにおいて画像形成材料を一旦画像受像層に定着し固定化すると共に、画像支持体と熱圧着されたときには画像形成材料を硬化性樹脂層及び画像受像層ごと離型するものである。
このような離型性材料としては、特に制限されないが、シリコーン系ハードコート材料が好ましい。
なお前記シリコーン系ハードコート材料とは、少なくともシラン系組成物を含む縮合物樹脂、または、これらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また、基体との接着性を良くするために、さらに有機樹脂を含んでいることが好ましい。
前記シラン系組成物としては、具体的には有機珪素化合物であり、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物などがあり、これらが縮合反応し、樹脂組成物になる。
シラン化合物としては、Si(OCH34、CH3Si(OCH33、HSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3SiH(OCH32、C65Si(OCH33、Si(OC254、CH3Si(OC253、(CH32Si(OC252、H2Si(OC252、C65Si(OC253、(CH32CHCH2Si(OCH33、CH3(CH311Si(OC253、CH3(CH215Si(OC253、CH3(CH217Si(OC253等のアルコキシシラン類;(CH33SiNHSi(CH33等のシラザン類;((CH3)SiNH)2CO、tert−C49(CH32SiCl等の特殊シリル化剤類;シランカップリング剤;及びHSC36Si(OCH33等のシラン化合物;並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類;等が例示できる。
前記フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3(CH22Si(OCH33、C61324Si(OCH33、C715CONH(CH23Si(OC253、C81724Si(OCH33、C81724SiCH3(OCH32、C81724Si(ON=C(CH3)(C25))3、C91924Si(OCH33、C91924Si(NCO)3、(NCO)3SiC2461224Si(NCO)3、C91924Si(C25)(OCH32、(CH3O)3SiC2481624Si(OCH33、(CH3O)2(CH3)SiC91824Si(CH3)(OCH32等のフッ素含有シラン化合物、及びこれらの加水分解物又はその部分縮合物等のシラン化合物が例示できる。
前記イソシアネートシラン化合物類としては、(CH33SiNCO、(CH32Si(NCO)2、CH3Si(NCO)3、ビニルシリルトリイソシアネート、C65Si(NCO)3、Si(NCO)4、C25OSi(NCO)3、C817Si(NCO)3、C1837Si(NCO)3、(NCO)3SiC24(NCO)3等が例示できる。
シラン系組成物の縮合物樹脂としては、例えば、熱硬化性(縮合型、付加型)及び光硬化性の硬化性シリコーン樹脂等の硬化性シリコーン樹脂が挙げられるが、具体例を挙げると、以下のようになる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂、さらに、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1,2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
なお、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記熱硬化性シリコーン樹脂のうち、付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンの様なポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
なお、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型、及び無溶剤型に分類され、そのいずれも好適に使用する事ができる。
前記縮合型、付加型の硬化で得られる熱硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、純シリコーン樹脂、シリコーンアルキド樹脂、シリコーンエポキシ樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂、シリコーンフェノール樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンメラミン樹脂等が好適に挙げられる。
前記光硬化性のシリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを光硬化反応させて得られる変性シリコーン樹脂が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、以下の理由から、アクリル変性シリコーン樹脂(前記アクリル樹脂と低分子量ポリシロキサンとを光硬化反応させた樹脂)、熱硬化性のシリコーン樹脂が特に好ましい。
前記アクリル変性シリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、その一方で離型性を発現するシリコーン樹脂部分を併せ持つ。従って一つの分子中にトナーと接着しやすい部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均一に相溶していることにより、分子オーダーで、画像定着性及び画像剥離性が発現される。
また、前記アクリル変性シリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件等を適宜制御することにより適度な表面硬度の転写シートを作製することができる。
前記理由から、熱硬化性のシリコーン樹脂、特にアクリル変性シリコーン樹脂を用いることが好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有させてもよい。
前記アクリル変性シリコーン樹脂と、熱硬化性のシリコーン樹脂と、を同時に含有する場合には、その含有比、硬化条件、添加量等により、これらの中間的な性質発現させることが可能となるため、画像定着性や画像剥離性をさらに自由に制御することが可能である。
前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、これらの含有質量比(アクリル変性シリコーン樹脂/熱硬化性シリコーン樹脂)としては、硬化性シリコーン樹脂の種類等にもよって異なるため、一概に規定することはできないが、1/100以上100/1以下の範囲が好ましく、1/10以上10/1以下の範囲がより好ましい。
また、前記硬化性シリコーン樹脂として、アクリル変性シリコーン樹脂と熱硬化性のシリコーン樹脂とを同時に含有するものを用いる場合、その組み合わせとしては、例えば、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせ、アクリル変性シリコーン樹脂とシリコーンアルキド樹脂と純シリコーン樹脂との組み合わせが好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000以上1,000,000以下の範囲が好ましい。また、前記硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1モル%以上50モル%以下の範囲が好ましい。
シリコーン系ハードコート材料は、さらに前記シラン組成物の縮合物樹脂の固形分100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下の範囲のコロイダルシリカを含むことが好ましい。さらに好ましくは約10質量部以上15質量部以下の範囲である。この使用範囲であると、画像受像層皮膜の亀裂を生じさせず、さらに機械的強度を至適レベルで達成させることができる。
これらのコロイダルシリカは、通常水性分散液、あるいは水性/有機溶剤分散液の形態にある。これらの製造方法は、例えば米国特許第4914143号明細書、同第3986997号明細書、同第5503935号明細書、同第4177315号明細書に示されている。
また、これらのコロイダルシリカは、透過型電子顕微鏡などで観察すると、直径約10ナノメートル(nm)未満の平均粒径を有していて、さらに粒子体積を基準にして、少なくとも約80%のコロイダルシリカ粒子が6nm以上9nm以下の範囲の直径を有している。
第一の参考例の転写シートにおける硬化性樹脂層は、最終的に画像転移したあと画像記録体の表面層(オーバーコート層)になる。よって画像を保護するという目的のため、傷や薬剤などに強い必要がある。よって既述したシリコーン系ハードコート材料などの光硬化性や熱硬化性の樹脂を含む樹脂層が好ましい。これら以外には、後述するような各種の材料が含まれることが好ましいが、硬化性樹脂層を構成する樹脂全体のうち、シリコーン系ハードコート材料は0.5質量%以上98質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、1質量%以上95質量%以下の範囲で含まれることがより好ましい。シリコーン系ハードコート材料含有量が0.5質量%に満たないと、望まれる離型性が発現しなくなる場合があり、98質量%を超えると、画像の転写/定着状況が悪くなり、画質劣化を引き起こす場合がある。
画像受像層には、有機樹脂としてポリエステル樹脂を少なくとも1種を含有させることが好ましい。一般的に、ポリエステル樹脂は画像形成材料用として用いられるものであるため、これと同系統の樹脂を画像受像層に含有させることにより、転写シート表面への画像形成材料の定着性を適性に制御することができる。なお、前記ポリエステル樹脂としては、一般的なポリエステル樹脂の他に、シリコーン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどを用いてもよい。
ポリエステル樹脂の合成方法は特に限定されないが、例えば通常2個以上のカルボキシル基を有する多価塩基酸成分とグリコール成分とを縮合反応させて得られた飽和ポリエステルを、有機ジイソシアネート化合物及び鎖延長剤と反応させることにより得ることができる。
前記多価塩基酸としては、例えば、二価塩基酸の芳香族ジカルボン酸類を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、1,5−ナフタル酸などが用いられる。また、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などのトリ及びテトラ芳香族カルボン酸も併用できる。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸とその無水物などが挙げられる。
また、重合性不飽和二重結合を有するジカルボン酸類も用いることができ、例えば、α、β−不飽和ジカルボン酸類として、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸;不飽和二重結合を含有する脂環族ジカルボン酸として、2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸;など用いることができる。この内最も好ましいのは、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、及び2,5−ノボルネンジカルボン酸無水物である。
さらに、ヒドロキシピバリン酸、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸類も必要に応じて使用できる。以上の成分は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
一方、前記グリコール成分としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族グリコール類、炭素数6〜12の脂環族グリコール類、エーテル結合含有グリコール類、から選択される少なくとも1種を用いることができる。
前記炭素数2〜10の脂肪族グリコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、ジメチロールヘプタン等を挙げることができる。
前記炭素数6〜12の脂環族グリコール類としては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール等を挙げることができる。
前記エーテル結合含有グリコール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにビスフェノール類の芳香環に結合した2つの水酸基にエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要に応じて使用できる。
前記有機ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、1,4−ジイソシアネート−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアネートジシクロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネートジフェニルエーテル、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの内好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートである。
前記鎖延長剤としては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリシクロデカンジメチロール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でもより好ましいのは、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物である。
前記ポリエステル樹脂は、公知の方法、たとえば溶剤中で20〜150℃の反応温度でアミン類、有機スズ化合物等の触媒の存在下で、あるいは無触媒下で合成することができる。このとき使用できる溶剤としては、たとえばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。
これらのポリエステル樹脂は単独もしくは2種以上混合して用いてもよい。
第一の参考例の転写シートでは、前記画像受像層の膜厚が2μm以上25μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましく、7.5μm以上15μm以下であることが更に好まし。画像受像層の膜厚が2μm以上25μm以下であると、トナー画像を上下方向に埋め込むことで、画質低下がおこり難くなる、また、トナー画像を保護することとなり好ましい。
次に、本発明に用いられる基体について説明する。
前記基体としては、特に限定されないが、プラスチックフィルムを代表的に用いることができる。この中でも、OHPフィルムとしてあるいは印刷フィルムとして使用できるようなPETフィルムである、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、シクロオレフィンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアリレートフィルムなどを好ましく用いることができる。
本発明に用いられる基体は、後述する画像支持体との加熱圧着性(ラミネート性)の観点から、2つ以上の層から構成されることが好ましい。
なお、前記のポリカーボネートは、ビスフェノール類と炭酸とから得られる重縮合物であり、ポリアリレートは、ビスフェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合により得られるポリエステルである。ポリアリレートは主鎖中に剛直な芳香族環を高密度に含むのでポリカーボネートより耐熱性が一般的に高い。
前記ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールC(4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールAP(4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール)、ビスフェノールZ(4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(3−メチルフェノール)、5,5’−(1−メチルエチリデン)(1,1’−ビフェニル)−2−オール、(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスフェノール)、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、4,4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール))、ビスフェノールS(4,4’−ビス(ジヒドロキシジフェニルスルホン)等が挙げられるが、ビスフェノールAのものがよく用いられている。また、これらは単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、イタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アイコ酸二酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これら原料は必ずしも1種類で用いる必要はなく、2種以上共重合しても良い。これらのなかでは、テレフタル酸成分および/またはイソフタル酸成分との混合物を用いると、得られるポリアリレートの溶融加工性及び総合的性能面で好ましいものとなる。かかる混合物のとき、その混合比は任意に選ぶことができるが、テレフタル酸成分/イソフタル酸成分=9/1乃至1/9(モル比)の範囲が好ましく、特に溶融加工性及び性能のバランスの点で7/3乃至3/7(モル比)の範囲、更には1/1(モル比)がより好ましい。
本発明に用いられる基体の製造方法は任意であるが、共押出し法、貼り合わせ法等、公知の方法を利用して作製できる。特に、共押出しによって作製されたものが各々の層間の接着力が強いため好ましい。例えば、基体が、前記のようなポリカーボネートやポリアリレート、またはその共重合体、あるいはPETからなるフィルム1(I層)と、その片面あるいは両面にPETG樹脂からなるフィルム2(II層)と、を積層したものである場合、例えば、以下のように製造することができる。
まず、フィルム1(I層)の片面あるいは両面にフィルム2(II層)を積層する方法としては、フィルム1(I層)を構成する組成物と、フィルム2(II層)を構成する組成物とを、別々の押出し機に供給した後、溶融状態で同一のダイから積層しながら押出す共押出法により、未延伸フィルムを得ることができる。
前記未延伸フィルムをそのまま基体として用いることもできるが、さらにこの未延伸フィルムを、速度差を持ったロール間での延伸(ロール延伸)や、クリップに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や、空気圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延伸)等によって二軸配向処理し、これを基体として用いてもよい。
なお、一般的に基体を作製する際には、共押出しされた後、縦延伸工程に入り、周速が異なる2本あるいは多数本ロール間で延伸し、目的のフィルム厚みに調整して巻き取られる。二軸延伸の場合は、前記工程を通ったフィルムをそのままテンターに導入し、幅方向に2.5〜5倍に延伸する。このときの好ましい延伸温度は100℃〜200℃の範囲である。
このようにして得られた2軸延伸フィルムは、必要に応じて熱処理が施される。熱処理はテンター内で行うのが好ましく、特に縦横方向に緩和しながら熱処理すると、熱収縮率の低いフィルムが得られる。
前記基体としては、紙(普通紙、コート紙等)、金属(アルミニウム等)、セラミックス(アルミナ等)も用いることができる。該基体の形状としては、特に制限はなく、基体として公知の形状から適宜選択することができるが、フィルム状が好ましい。
前記紙としては、例えば、化学パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て作られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられる。これらの中でも、特に、白色度の高いパルプが好ましい。また、古紙パルプとしては、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凸版、凹版、印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられる。これらの中でも、特に、白色度が高く夾雑物の少ない古紙パルプが好ましい。
また、基体は、顔料や染料などが添加され着色されていてもよい。また、基体は、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、基体としての要求に必要な強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
また、第一の参考例の転写シートは、基体上に設けられた画像受像層の23℃、55%RHにおける表面抵抗率が、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることが好ましい。前記表面抵抗率は、1.0×109Ω以上1.0×1011Ω以下の範囲であることがより好ましい。
前記表面抵抗率が1.0×108Ωより小さい場合は、特に、高温高湿時に画像受像体として使用される画像形成材料転写シートの抵抗値が低くなりすぎ、例えば電子写真装置内の一次転写部材からの転写トナーが乱れてしまう場合がある。また、表面抵抗率が1.0×1013Ωを超えると、画像受像体として使用される画像形成材料転写シートの抵抗値が高くなりすぎ、例えば電子写真装置内の一次転写部材からのトナーを転写シート表面に十分に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
また、同様の理由により画像受像層が基体の片面のみに設けられる場合には、基体の画像受像層が設けられない側の基体表面の23℃、55%RHにおける表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることが好ましく、1.0×109Ω以上1.0×1011Ω以下の範囲であることが好ましい。
そして、第一の参考例の転写シートの、23℃、55%RHにおける表裏面の表面抵抗率差は、4桁以内であることが好ましく、3桁以内であることがより好ましい。表裏面の表面抵抗率差が4桁を超えると、トナーの転写不良が起こりやすくなり画像の劣化を引き起こす場合がある。尚、表面抵抗率差が4桁以内とは、それぞれの表面抵抗率を常用対数で表したとき、その常用対数値の差が4以内であることを意味する。
尚、本発明において、表面抵抗率はJIS K 6271における二重リング電極法に準拠した方法で測定し、同時に提示されている計算式に則っることにより求めたものである。より具体的には、(株)アドバンテスト社製 デジタル超高抵抗/微小電流計R8340に超高抵抗測定用試料箱(プローブ)を接続したものに、23℃、55%RHの環境下で、印加電圧1000Vで60秒後の電流値を基にJIS K 6271に規定されている計算式から求めた。
基体上に設けられた画像受像層の表面抵抗率を1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲内に制御するにあたっては、画像受像層中に帯電制御剤を含有させることが好ましい。該帯電制御剤としては、高分子導電剤、界面活性剤や、導電性金属酸化物粒子等を用いることができる。
また、前記画像受像層が基体の片面にのみ設けられる場合の、画像受像層が設けられない側の面の表面抵抗率の制御は、基体となるフィルム製造時に、界面活性剤、高分子導電剤や導電性微粒子などを樹脂中に添加したり、前記フィルム表面に界面活性剤を塗工したり、金属薄膜を蒸着したり、あるいは接着剤などに界面活性剤などを適量添加したりすることで行うことができる。
用いることのできる界面活性剤としては、例えば、ポリアミン類、アンモニウム塩類、スルホニウム塩類、ホスホニウム塩類、ベタイン系両性塩類などのカチオン系界面活性剤、アルキルホスフェートなどのアニオン系界面活性剤、脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤の中でも、昨今の電子写真用の負帯電型トナーと相互作用の大きいカチオン系界面活性剤を用いることが、転写性の向上に有効となる。
また、前記カチオン系界面活性剤の中でも、4級アンモニウム塩類が好ましい。4級アンモニウム塩類としては下記一般式(I)で代表される化合物がより好ましい。
Figure 0004645553
一般式(I)中、R1は炭素数6〜22までのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、R2は炭素数1〜6までのアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基を表す。R3、R4、R5は同一でも異なってもよく、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表す。脂肪族基とは、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基をいう。芳香族基とは、ベンゼン単環、縮合多環のアリール基を表す。これらの基は水酸基のような置換基を有してもよい。Aはアミド結合、エーテル結合、エステル結合、フェニル基を表すが、これは無くてもよい。X-は、ハロゲン元素、硫酸イオン、硝酸イオンを表し、これらのイオンは置換基を有してもよい。
第一の参考例の転写シートとしては、基体側から離型層、硬化性樹脂層、及び画像受像層が順次設けられたものであれば特に限定されないが、以下に、第一の参考例の転写シートの構成例を、図面により詳細に説明する。但し、第一の参考例の転写シートは以下に図示する構成に限定されるものではない。尚、以下の図面において同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1は、参考例の画像転写シートの第一の形態の一例を示す概略断面図である。図1に示す参考例の画像転写シートは、基体110と、離型層120と硬化性樹脂層130と画像受像層140とから構成される。
第一の参考例の転写シートには、例えば、透明性を有する基体110上の画像受像層140の表面に、画像を画像支持体に転写したときに、画像支持体上の画像が正転画像(通常イメージ)となるように、反転画像(鏡像)の定着画像を形成する。
参考例の画像転写シートに使用可能な基体110は、特に透明性を有する必要はない。ここで、透明性とは、例えば、可視光領域の光をある程度、透過する性質をいい、参考例においては、透明性を必要とする場合、少なくとも形成された画像が、画像が形成された面と反対側の面から基体110を通して目視できる程度に透明であればよい。転写される側の位置合わせと、印字情報の誤記、ズレなどが確認しやすくなる。
前記基体110としては、前述のように、プラスチックフィルム特にPETフィルムを好ましく用いることができる。前記プラスチックフィルム材料は、従来カード用の基体(コア)材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によるダイオキシン発生させるものとして環境に良いものではないことが認識され、使用されなくなってきたことにも対応できるものである。参考例においては、前記塩素を含まない基体の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂フィルム、またPETフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているフィルム等も好ましく用いることができる。
また、既述したプラスチックフィルム以外に、透明性を有する他の樹脂や、透明性を有するセラミックが使用でき、また、これらに顔料や染料などが添加され着色されていてもよい。また、基体110は、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、または、画像転写シートとして一般的に要求される強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
画像受像層140は、画像の定着時、定着部材への付着、巻き付きを防止するためには、定着部材への低付着性材料である天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型剤を含有していてもよい。
具体的には、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスや低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックスなどの合成ワックスなどが挙げられ、これらは単独使用に限らず混合して複数使用することができる。
また、前記離型性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、あるいはシリコーン樹脂と各種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、たとえばポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、光硬化性シリコーン樹脂を添加することできる。
前記変性シリコーン樹脂は、画像形成材料としてのトナー樹脂や熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子との親和性が高く、適度に混和、相溶し、溶融混和するため、トナー中に含まれる顔料の発色性に優れ、また同時に、シリコーン樹脂による離型性のため定着部材と転写シートとが熱溶融時に付着するのを防止することができるものと考えられる。
さらに、参考例においては、より低付着性とするため、離型剤として反応性シラン化合物と変性シリコーンオイルとを混入させてもよい。反応性シラン化合物は、画像受像層120に含まれる樹脂と反応すると同時に変性シリコーンオイルと反応することにより、これらがシリコーンオイルの持つ液体潤滑剤以上の離型剤として働き、しかも硬化反応することにより離型剤として画像受像層中に強固に固定化され、機械的摩耗や溶媒抽出などによっても離型剤が脱落しないことが見出された。
これらのワックスや離型性樹脂は、前記熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子と同様に、粒子状態などで共存させてもよいが、好ましくは熱溶融性樹脂中に添加し、樹脂中に分散、相溶した状態で、熱溶融性樹脂中に取り込んだ状態で利用することが好ましい。
一方、画像受像層140の表面抵抗率は、既述したように1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であり、この範囲内に表面抵抗率を制御するためには、帯電制御剤として高分子導電剤、界面活性剤や導電性金属酸化物粒子等を画像受像層中に添加することができる。また、搬送性を向上させるためマット剤が画像受像層140や、基体表面に設けられる画像受像層140以外の塗工層(以下、画像受像層と併せて「塗工層」という場合がある)に添加されることが好ましい。
前記導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、これらを複合して使用してもよい。また、金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。
前記マット剤に使用される潤滑性を有する樹脂としては、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素樹脂;を挙げることができる。具体的には、低分子量ポリオレフィン系ワックス(例えばポリエチレン系ワックス、分子量1000以上5000以下)、高密度ポリエチレン系ワックス、パラフィン系またはマイクロクリスタリン系のワックスを挙げることができる。
また、フッ素樹脂の例としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を挙げることができる。
第一の参考例の転写シートにおいて、画像受像層140には転写シートの移動性を良好にする観点から微粒子を用いることが好ましい。
参考例で用いられる微粒子は限定されるものではないが、有機樹脂粒子から構成されるものの場合、具体的には、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマーの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
これらの中で、スチレン類、α−不飽和脂肪酸モノカルボン酸のエステル類等が好ましく、これら熱溶融性樹脂を微粒子として使用する場合は、これら樹脂を溶解しない溶媒で塗工することにより、光沢制御層を構成する微粒子として用いることができるが、好ましくは、これら熱溶融性樹脂に架橋剤などを添加して、架橋構造を持たせた熱硬化性樹脂、先に記載した熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化樹脂などを微粒子化したものがより好ましく用いられる。
また微粒子が、無機微粒子から構成される場合、具体的な例示物としては、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩酸性炭酸マグネシウム、石英粉、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナなどが挙げられる。
第一の参考例の転写シートは、画像が良好に形成されるように、画像受像層として少なくとも1層以上の塗工層を有する構造をしていてもよい。該画像受像層は、熱溶融性のアクリル樹脂が好ましく用いられる。
前記微粒子の形状としては、球状粒子が一般的であるが、板状、針状、不定形状であってもよい。
また、微粒子の体積平均粒子径としては、0.1μm以上30μm以下であることが好ましい。一方、前記微粒子の体積平均粒子径が画像受像層140の膜厚よりも大きいことが好ましく、画像受像層膜厚の1.2倍以上が好ましい。微粒子の体積平均粒子径が画像受像層膜厚の1.2倍を超えると、微粒子が画像受像層140から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなる場合がある。微粒子が画像受像層表面から突出することで、表裏に重ねられた画像形成材料転写シートの摩擦係数が低下し、電子写真装置内を画像形成材料転写シートがスムーズに移動できるためである。
画像形成材料転写シートの画像受像層中における微粒子と結着剤(樹脂成分)との質量比(微粒子:結着剤)は、0.01:100〜200:100の範囲であることが好ましく、0.5:100〜100:100の範囲であることがより好ましい。フィラーの割合が前記範囲内の場合は、転写シートからの画像形成材料の移行での乱れが少なく、画像品質が良い。前記範囲よりも少ない場合は、重ねた転写シート間の摩擦係数が大きく、電子写真装置内でジャムすることがある。前記範囲よりも多い場合は、画像形成材料の転写時に画像を乱れさせる場合がある。
フィラーとしては、前記以外の無機微粒子(例えば、SiO2、Al23、タルクまたはカオリン)及びビーズ状プラスチックパウダー(例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン)を併用してもよい。
前記のように、電子写真装置内における画像転写シートの搬送性を良好とするため、微粒子等によりフィルム表面の摩擦を低減する必要があるが、実際の使用上、転写シート表面の静止摩擦係数は、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。また転写シート表面の動摩擦係数は、0.2以上1以下の範囲であることが好ましく、0.3以上0.65以上の範囲であることがより好ましい。
少なくとも、樹脂、特に好ましくは樹脂と微粒子とから構成される画像受像層140や、画像受像層140以外の塗工層は、以下の方法によって基体110の表面に形成される。
前記各層は、樹脂(と必要に応じて微粒子等と)を有機溶媒、もしくは水などを用いて混合し、超音波、ウエーブローター、アトライターやサンドミルなどの装置により均一に分散させ塗工液を作製し、該塗工液をそのままの状態で、基体110の表面へ塗布あるいは含浸させることによって形成できる。
塗布あるいは含浸させる方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
前記塗布は、画像転写シートが、例えば基体の両面に塗工層を有する場合には、どちらの面を先に塗工してもよいし、同時に両面塗工してもよい。
基体110の表面に塗工層を形成する際の乾燥は、風乾でもよいが、熱乾燥を行えば容易に乾燥できる。乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法、あるいは加熱ローラに接触させる方法など通常使用される方法が採用される。
このようにして基体110の表面に形成される画像受像層140の膜厚は、0.1μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、1.0μm以上10μm以下の範囲であることがより好ましい。
転写シートへの画像形成における定着時に、トナーは熱や圧力が同時に印加されるため画像受像層表面に定着される訳であるが、同時にトナーは定着部材と接触するため、トナーが低粘性であったり、定着部材との親和性が高い場合などは、定着部材に一部移行し、オフセットとして定着部材に残留するため、定着部材の劣化を招き、結果として定着器の寿命を短縮してしまうことになる。したがって、電子写真用転写シートは、トナー画像の充分な定着性と定着部材との剥離性とを得ることが必要となる。
しかしながら、参考例の電子写真用転写シート表面に設けられる画像受像層表面は、トナーとの接着性がよいため、トナーが溶融し、粘性が生じる温度以下で十分に転写シート表面に定着する。
このため、参考例においては、電子写真用転写シート表面に形成されたトナー画像の定着を、該電子写真用転写シート表面(画像形成面)の温度が、トナーの溶融温度以下となるようにして行うことが好ましい。通常のトナーの溶融温度を考慮すると、前記電子写真用転写シートの表面温度が130℃以下となるようにして行うことが好ましく、110℃以下となるようにして行うことがより好ましい。
また、前記条件で定着を行う場合であっても、参考例の電子写真用転写シートの場合では、基体が熱変形を起こす温度領域に入ってしまう場合がある。その場合、特に転写シートのコシが弱くなり、定着装置の加熱ロールに巻付きやすくなってくる。このような場合は紙などと重ね合わせて搬送し、定着装置での転写シートのコシを補ったり、フィルムエッジ部分にガイドが当たるように定着装置内を改造/調整することが好ましい。
一方、第一の参考例の転写シートでは、画像受像層が定着時に非画像部でも定着部材と接触することになるため、高い剥離性を有していることが好ましい。前記微粒子は、この高い剥離性を確保するためにも画像受像層に含まれていることが好ましい。
第一の参考例の転写シートは、以上説明したように、基体や画像受像層の構成や材料等を選択することにより、意匠性の高い印刷物に要求される画像品質(色、光沢、隠蔽性など)や画像形成工程の繰り返し安定性に優れ、傷や異物などによる画像欠陥の発生がなく、屋外使用においても十分な耐熱性、耐光性を確保でき、また、オイルレストナーに対しても、オフセットの発生を防止することも可能である。
本発明の電子写真用画像転写シートの第二の形態(以下、「第二の本発明の転写シート」という場合がある。)は、前記基体の表面に前記画像受像層が設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂との混合樹脂を含有していることを特徴とする。
第二の本発明の転写シートでは、画像受像層が前記硬化性樹脂を含有する層であり、該画像受像層が基体から剥離可能な層である。これは画像受像層を構成する樹脂が、前記硬化性シリコーン樹脂と硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂との混合樹脂であるため、基体からの剥離が可能となり、電子写真法で形成された画像を画像支持体上に転写させた場合に、画像受像層が基体から剥離し、前記画像支持体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。また、硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる。
図2は本発明の電子写真用画像転写シートの第二の形態の一例を示す概略断面図である。
図2に示すように、第二の本発明の転写シートは、基体110と、画像受像層150から構成される。また、必要であれば、基体110における画像受像層150が形成されていない面に、図示されない塗工層(電荷制御層)、または画像受像層と同様のものが形成されている構造としてもよい。
第二の本発明の転写シートにおいては、画像受像層150の表面にトナー(画像形成材料)画像が形成されるため、該トナー画像が定着時に画像受像層150の構成材料とよく相溶することが好ましい。この観点から、トナーの結着樹脂としては通常アクリル樹脂(スチレンアクリル樹脂)やポリエステル樹脂が用いられるため、画像受像層150は、アクリル樹脂やポリエステル樹脂と相溶性に優れる硬化性シリコーン樹脂を含んでいることが好ましい。また、画像受像層150は、前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂として、アクリル樹脂やポリエステル樹脂との相溶性に優れるアクリル樹脂やポリエステル樹脂を、前記硬化性シリコーン樹脂と混合された状態(混合樹脂として)で含むことが好ましい。まず、画像受像層150について説明する。
(硬化性シリコーン樹脂)
画像受像層150が含む前記硬化性シリコーン樹脂について、以下に説明する。
一般に、シリコーン樹脂は、その分子構造により、シリコーンオイルやシリコーンゴム等の材料となる直鎖状構造をとるシリコーン樹脂と、3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂とに分類される。また、離型性、接着性、耐熱性、絶縁性及び化学的安定性等の諸性質は、シリコン原子に結合している分子(有機分子)やその重合度等によって決定される。
第二の本発明の転写シートにおける硬化性シリコーン樹脂は、前記3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂が好ましい。該3次元に架橋した構造のシリコーン樹脂は、通常、多官能性(3官能性、4官能性)単位から重合され、架橋構造を持つ。
尚、前記直鎖状構造をとるシリコーン樹脂には、分子量が低く、シリコーンオイルとして、絶縁油、液体カップリング、緩衝油、潤滑油、熱媒、撥水剤、表面処理剤、離型剤、消泡剤等に利用されるものや、加硫剤等を添加後、加熱硬化によって、分子量(シロキサン単位)5000〜10000程度に重合されたシリコーンゴム等がある。
前記硬化性シリコーン樹脂は、その分子量単位によって、有機溶媒に溶解可能で比較的低分子量であるシリコーンワニスと、高重合度のシリコーン樹脂等とに分類される。また、前記硬化性シリコーン樹脂は、生成段階における硬化反応によって、縮合型、付加型、輻射線型(紫外線硬化型、電子線硬化型)等に分類される。また、塗布形態によっては、溶剤型、無溶剤型等に分類される。
前記硬化性シリコーン樹脂を含有することが必要である理由としては、以下の通りである。即ち、先ず、前記硬化性シリコーン樹脂は、Si−O結合に起因して、表面エネルギーが低いため、本質的に、離型性、非相溶性に優れる。しかし、その硬化条件等を制御することにより、優れた接着性をも発現させることが可能であるため、画像剥離性と、画像定着性とを両立した画像記録体を得ることが可能となる。
前記硬化条件としては、反応基種類、反応基数、硬化時間、温度、照射エネルギー等が挙げられる。また、該硬化条件を制御する方法としては、例えば、単官能性や2官能性のポリジメチルシロキサンや、反応抑制剤(アセチレンアルコール類、環状メチルビニルシクロシロキサン、シロキサン変性アセチレンアルコール類等)等を添加する方法や、触媒量、反応温度、反応時間、UV照射強度等を調整する方法等が挙げられる。これらの硬化条件を制御することにより、硬化性シリコーン樹脂の分子量、反応基としてのシラノール残存量等を調節することができるため、離型性、硬さ、接着性、表面硬度、透明性、耐熱性、化学的安定性等を自由に制御することが可能となる。
また、前記硬化性シリコーン樹脂を硬化させる段階では、前記基体と、該硬化性シリコーン樹脂との間に強固な結合が形成される。したがって、前記基体上に形成される前記受像層は、優れた接着強度を有するため、画像剥離と画像定着を繰り返しても、該受像層が基体から剥離することがない。
また、前記硬化性シリコーン樹脂は、耐熱性に優れるため、印字装置の定着条件による影響等を受け難い。したがって、画像形成材料の定着性は、該硬化性シリコーン樹脂と、画像形成材料との分子間力等でほぼ決定されることとなる。一般に、使用されている各画像形成材料は、互いに類似の特性を有している。したがって、前記硬化性シリコーン樹脂を用いれば、使用する画像形成材料の種類に関係なく、ほぼ一定の定着性能が得られる。また、耐熱性に優れ、熱による材料劣化が小さいため、印字装置内での経時使用による性能変化が少なく、画像形成材料の定着後においても、トナーが持っている凝集力と、該トナーと該硬化性シリコーン樹脂との間に働く分子間力により、長期に亘って、十分な定着性が得られる。
また、前記硬化性シリコーン樹脂を含有する塗布液を希釈して前記基体上に塗布することによって、容易に均一な薄膜の受像層を形成することができるため、前記基体として紙を用いる場合には、その表面の凹凸を完全に覆わない程度に薄く前記硬化性シリコーン樹脂含有受像層を形成することができ、トナーが画像記録体の凹凸へ入り込むことによる、アンカー効果によって、定着性を更に向上させることが可能となる。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、公知の硬化性シリコーン樹脂の中から適宜選択することができるが、以下の理由により、アクリル変性シリコーン樹脂(硬化性アクリルシリコーン樹脂)が特に好ましい。
前記硬化性アクリルシリコーン樹脂は、画像形成材料として通常用いられている、スチレン−アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂と化学的親和性が高いアクリル鎖を分子中に含み、離型性を発現させるシリコーン樹脂部分を併せ持つ。したがって、一分子中に、トナーと接着し易い部分と、接着しにくい部分が存在する。また、これらが均一相溶していることにより、分子オーダーで、画像剥離性及び画像定着性が発現される。
また、前記硬化性アクリルシリコーン樹脂においては、アクリル鎖とシリコーン鎖との比率、その硬化条件及び後述の硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を適宜制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、熱硬化性シリコーン樹脂も特に好ましく用いることができる。
熱硬化性シリコーン樹脂は、光硬化型として知られている前記アクリルシリコーン樹脂に比べてその表面硬度が低く、その分画像形成材料が受像層に包み込まれる状態となりやすく、画像定着性に優れる傾向がある。
また、前記熱硬化性シリコーン樹脂はアクリルシリコーン樹脂などに比べて離型性が高く、その結果、画像剥離性にも優れる。
また、前記熱硬化性シリコーン樹脂は、シリコーン成分と非シリコーン成分との混合系の場合、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を適宜制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
前記アクリルシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂とを混合しても好ましく用いることができる。前記アクルリシリコーン樹脂と熱硬化性シリコーン樹脂を混合する場合、その混合割合により両者の中間の性能を示すことになり、この比率、その硬化条件及び硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイルの添加量等を適宜制御することにより、画像定着性や画像剥離性を更に自由に制御することが可能である。
前記硬化性シリコーン樹脂としては、例えば、縮合型、付加型及びUV硬化型に分類すると、以下のものが好適に挙げられる。
前記縮合型の硬化性シリコーン樹脂としては、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリメチルハイドロジェンシロキサン等を配合し、有機スズ触媒等の有機酸金属塩やアミン類等の存在下で加熱縮合して合成した硬化性シリコーン樹脂や、水酸基、アルコキシ基等の反応性の官能性基を末端に持つポリジオルガノシロキサンを反応させて合成した硬化性シリコーン樹脂や、3官能性以上のクロロシラン又はこれらと1、2官能性のクロロシランとの混合物等を加水分解したシラノールを縮合して合成したポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
尚、前記縮合型は、形態的には、溶液型とエマルジョン型とに分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
前記付加型の硬化性シリコーン樹脂としては、ビニル基を含有するポリジメチルシロキサンのようなポリシロキサンをベースポリマーとし、架橋剤としてポリジメチルハイドロジェンシロキサンを配合して、白金触媒の存在下で反応・硬化させて合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
尚、前記付加型は、形態的には、溶剤型、エマルジョン型及び無用剤型に分類され、そのいずれも好適に使用することができる。
前記UV硬化型の硬化性シリコーン樹脂としては、光カチオン触媒を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂や、ラジカル硬化機構を利用して合成した硬化性シリコーン樹脂等が挙げられる。
また、ケイ素原子と結合した水酸基又はアルコキシ基等を有する低分子量ポリシロキサンと、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン又はメラミン樹脂等とを反応させて得られる変性シリコーン樹脂等も好適に挙げられる。これらの硬化性シリコーン樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記画像受像層に用いる硬化性シリコーン樹脂の分子量としては、重量平均分子量で、10,000以上1,000,000以下が好ましい。また、前記硬化性シリコーン樹脂における全有機基中のフェニル基の割合としては、0.1モル%以上50モル%以下が好ましく、官能性としては、1以上4以下が好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂の前記受像層における含有量としては、30質量%以上100質量%以下が好ましく、50質量%以上100質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、30質量%未満の場合には、離型性能が十分でないことがある。
前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としては、トナーとの相溶性に優れるアクリル樹脂やポリエステル樹脂が好ましく用いられるが、これ以外の熱溶融性樹脂や硬化性樹脂なども用いることができる。
前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸オクチル、ポリメタクリル酸ステアリル等のポリメタクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸オクチル等のポリアクリル酸樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリメタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、ポリアクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどが好ましく用いられる。
前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上105以下℃の範囲であることがより好ましい。
前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのポリエステル樹脂としては、特に制限されるものではない。一般的にポリエステルは、多価ヒドロキシ化合物と多塩基性カルボン酸またはその反応性酸誘導体との反応によって製造することができる。ポリエステルを構成する多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類があるが、本発明に用いられるポリエステルとしては、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとを用いることが特に好ましい。
また、前記多塩基性カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、その他の2価カルボン酸などがあるが、本発明ではイソフタル酸とテレフタル酸とが製造上、また材料入手性、コストなどで特に好ましく利用できる。なお、通常フタル酸は、イソフタル酸とテレフタル酸という構造異性体をもち、そのため、ポリエステルを製造するにあたり、前記両者がほぼ半分の割合で必然的に混入する。
前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのポリエステル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が55℃以上120℃以下の範囲であることが好ましく、60℃以上90℃以下の範囲であることがより好ましい。
また、画像受像層150は、前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂やポリエステル樹脂の他に、本発明の効果を損なわない程度に、他の樹脂を併用することができる。併用可能な樹脂としては、スチレン、ビニルスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;イソプレン、2−クロロブタジエン等のジエン系モノマー類;等のうちの1種以上を重合させて得られる単独重合体あるいは共重合体を例示することができる。
一方、前記硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂としてのアクリル樹脂として、熱硬化性アクリル樹脂を使用することが好ましい。当該熱硬化性アクリル樹脂は、少なくとも1種のアクリル系単量体、あるいはアクリル系単量体及びスチレン系単量体を重合してなる共重合体を、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物によって架橋させたものである。
前記アクリル系単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸アルキルエステル類;アクリロニトリル;アクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等のアミノ基含有ビニルモノマー;等を使用することができ、またスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−エチルスチレン等を使用することができる。
前記メラミン系化合物とは、メラミンをはじめ尿素、チオ尿素、グアニジン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミド、グアナミン等の多官能のアミノ基を有する材料とホルムアルデヒドを反応させたトリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ジメチロール尿素ジメチロールグアニジン、ジメチロールアセトグアナミン、ジメチロールベンゾグアナミン等をブチルアルコールやプロピルアルコール等のアルコールと反応させたエーテル化メラミン樹脂のことである
前記イソシアネート系化合物とは、分子内に2個以上のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物で、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、P−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の単量体、またはこれら単量体のトリメチロールプロパン付加体、イソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性体、ウレタン変性体、アロファネート変性体等を挙げることができる。
前記エポキシ系化合物とは、エポキシ基を複数含む多価アルコールのグリシジル化合物のことであり、ルイス酸触媒とともに用いられる。このルイス酸としては、反応を遅らせるためにマイクロカプセル化しているものが好ましい。例えば、ブタジエンシジオキシド、ヘキサジンジオキシドやフタル酸のジグリシジルエステル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、パラアミノフェノールのトリグリシジルエーテルアミン、アニリンのジグリシジルエーテル、フェニレンジアミンのテトラグリシジルエーテル、スルホンアミドのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル等のグリシジル化合物やポリエーテル変性ジグリシジル、ポリエステル変性ジグリシジル、ウレタン変性ジグリシジル化合物(重合体)やビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド等を挙げることができる。
第二の本発明の転写シートにおける画像受像層は、更に硬化性シリコーン化合物としてフッ素含有シリコーン化合物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シランカップリング剤及びSiH基を有するシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これら数種の化合物を混合して得られる縮合物組成物として、または、さらにこれらとコロイダルシリカ分散液との混合組成物からなるものである。また画像形成材料や基体との接着性を良くするために、さらに熱可塑性樹脂などを含んでいることが望ましい。熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との割合は、使用する画像形成材料と基体との組み合わせによるが、熱可塑性樹脂が5質量%以上95質量%以下の範囲であり、その他として熱可塑性樹脂や微粒子、添加剤が含まれる。
また、第二の本発明の転写シートにおける画像受像層は、更にシラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル及びアミノ変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む変性シリコーンオイルを含有することが好ましい。これら変性オイルは前記硬化性シリコーン化合物と反応し、離型性または剥離力の制御を容易に行うものであり、目的の剥離力を得るためには前記硬化性シリコーン化合物に対してで0.5質量%以上5質量%以下添加することが好ましい。
これら架橋剤の添加量は、アクリル樹脂の官能基価:架橋剤の官能基価が、1:0.7〜1.3程度となる量であることが好ましい。しかし、実際は用いるアクリル樹脂との反応性によりアクリル樹脂の官能基と架橋剤同士、例えば、メラミン系架橋剤同士、メラミン系架橋剤とエポキシ系架橋剤等の反応が起こるので予備実験を行ってから決定することが好ましい。
第二の本発明の転写シートにおいて、前記画像受像層は、画像の定着時、定着部材への付着、巻き付きを防止するためには、定着部材への低付着性材料である天然ワックスや合成ワックス、あるいは離型性樹脂、反応性シリコーン化合物、変性シリコーンオイルなどの離型性材料を含有することが好ましい。
具体的には、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックスなどの天然ワックスや低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックスなどの合成ワックスなどが挙げられ、これらは単独使用に限らず混合して複数使用することができる
また、離型性樹脂としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、あるいはシリコーン樹脂と各種樹脂との変性体である変性シリコーン樹脂、たとえばポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、ポリイミド変性シリコーン樹脂、オレフィン変性シリコーン樹脂、エーテル変性シリコーン樹脂、アルコール変性シリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂、アミノ変性シリコーン樹脂、メルカプト変性シリコーン樹脂、カルボキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、光硬化性シリコーン樹脂を添加することできる。
前記変性シリコーン樹脂は、画像形成材料としてのトナー樹脂や本発明の熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子との親和性が高く、適度に混和、相溶し、溶融混和するため、トナー中に含まれる顔料の発色性に優れ、また同時に、シリコーン樹脂による離型性のため定着部材と電子写真用ラミネートフィルムとが熱溶融時に付着するのを防止することができるものと考えられる。
さらに、本発明においては、より低付着性とするため反応性シラン化合物と変性シリコーンオイルとを混入させてもよい。反応性シラン化合物は、塗工層樹脂と反応すると同時に変性シリコーンオイルと反応することにより、これらがシリコーンオイルの持つ液体潤滑剤以上の離型剤として働き、しかも硬化反応することにより離型剤として塗工層中に強固に固定化され、機械的摩耗や溶媒抽出などによっても離型剤が脱落しないことが見出された。
これらのワックスや離型性樹脂は、前記熱溶融性樹脂からなる樹脂粒子と同様に、粒子状態などで共存させてもよいが、好ましくは熱溶融性樹脂中に添加し、樹脂中に分散、相溶した状態で、熱溶融性樹脂中に取り込んだ状態で利用することが好ましい。
第二の本発明の転写シートにおける画像受像層は、少なくとも最表面に塗工された層の23℃、55%RHにおける表面抵抗率が、108Ω以上1013Ω以下の範囲であることが好ましく、109Ω以上1011Ω以下の範囲であることがより好ましい。表面抵抗率が前記範囲内にないと、前記塗工層を有しない電子写真用画像転写シートと同様の不具合が発生する場合がある。また、同様の理由により画像受像層が基体の片面のみに設けられる場合には、基体の画像受像層が設けられない側の基体表面の23℃、55%RHにおける表面抵抗率は、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であることが好ましい。
上記塗工層の表面抵抗率は、帯電制御剤として高分子導電剤、界面活性剤や導電性金属酸化物粒子を塗工層中に添加することにより、上記範囲内とすることができる。また、搬送性を向上させるためマット剤が添加されることが好ましい。
上記界面活性剤としては、前記基体110の表面抵抗率制御のために表面塗工、添加される4級アンモニウム塩類などの界面活性剤と同様のものを用いることができる。
また、導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、これらを複合して使用してもよい。また、金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。
前記樹脂のマット剤の体積平均粒子径は、1μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上30μm以下の範囲であることが好ましい。前記体積平均粒子径は、大きい方が好ましいが、大き過ぎるとマット剤が塗工層から脱離して粉落ち現象が発生し、表面が摩耗損傷し易くなる。
さらに、前記マット剤の含有量は、前記塗工層形成樹脂に対して1質量%以上200質量%以下の範囲であることが好ましく、5質量%以上100質量%以下の範囲であることがより好ましい。
前記マット剤は扁平状であることが好ましく、予め扁平状のマット剤を用いてもよいし、軟化温度の比較的低いマット剤を用いて画像受像層150の塗布、乾燥時の加熱下に扁平状にしてもよい。さらに加熱下に押圧しながら扁平状にしてもよい。但し、塗光層の表面からマット剤が凸状に突き出ていることが好ましい。
マット剤としては、前記以外に無機微粒子(例えば、SiO2、Al23、タルクまたはカオリン)及びビーズ状プラスチックパウダー(例えば、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン)を併用してもよい。
前記のように、画像転写シートの搬送性を良好とするため、マット剤等によりシート表面の摩擦を低減する必要があるが、実際の使用上、シート表面の静止摩擦係数は、2以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。またフィルム表面の動摩擦係数は、0.2以上1以下の範囲であることが好ましく、0.3以上0.65以下の範囲であることがより好ましい。
第二の本発明の転写シートにおいては、少なくとも画像受像層の最表面の塗工層に、目的に応じて抗菌性を有する物質を含むことが好ましい。添加する材料は、組成物中での分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。
例えば、有機系の材料では、チオシアナト化合物、ロードプロパギル誘導体、イソチアゾリノン誘導体、トリハロメチルチオ化合物、第四級アンモニウム塩、ビグアニド化合物、アルデヒド類、フェノール類、ベンズイミダゾール誘導体、ピリジンオキシド、カルバニリド、ジフェニルエーテル等の材料が挙げられる。
また、無機系の材料としては、ゼオライト系、シリカゲル系、ガラス系、リン酸カルシウム系、リン酸ジルコニウム系、ケイ酸塩系、酸化チタン、酸化亜鉛、等が挙げられる。
前記無機系の抗菌剤としての体積平均粒子径は、0.1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、0.3μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。抗菌剤は基本的に前記画像受像層20の表面に露出していることが好ましい。よって前記最表面の塗工層の膜厚によって用いる抗菌剤の体積平均粒子径を選択する。体積平均粒子径が大き過ぎると、抗菌剤が塗工層から脱離して粉落ち現象が発生し、フィルム表面が損傷し易くなったりする。
さらに、前記抗菌剤の最表面の塗工層中の含有量は、前記塗工層形成樹脂に対して0.05質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下の範囲であることがより好ましい。
第二の本発明の転写シートに用いられる帯電制御剤としては、高分子導電剤、界面活性剤や導電性金属酸化物粒子を塗工層中に添加することにより、上記表面抵抗率の範囲内とすることができる。
上記界面活性剤としては、基体110の表面抵抗率制御のために表面塗工、添加される4級アンモニウム塩類などの界面活性剤と同様のものを用いることができる。
また、導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO、SiO2、MgO、BaO及びMoO3等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、これらの複合して使用してもよい。また、金属酸化物としては、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2が、経時的にも導電性の変化が少なく安定性が高いので特に好ましい。
また、第二の本発明の転写シートに用いられる酸化防止剤としては、市販されている酸化防止剤等を用いることができる。添加する材料は、分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。例えば、リン酸系、イオウ系、フェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いても、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。
また、第二の本発明の転写シートに用いられる紫外線吸収剤としては、組成物中での分散安定性が良好で、かつ、光の照射で変性しないものより選ばれる。例えば、有機系の材料ではフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系;等の材料が挙げられる。
また、無機系の材料としては酸化亜鉛、酸化チタンの酸化物微粒子、その他、酸化鉄、酸化セリウムなどの金属酸化物微粒子が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に前記有機系材料が好ましく、前記反応性二重結合を有する化合物100質量部に対して、0.01質量部以上40質量部以下、好ましくは0.1質量部以上25質量部以下の範囲で添加される。また、紫外線吸収剤は、下地保護を良好にするために1種に限らず、2種以上を併用することが好ましい。また、場合によってはヒンダードアミン系光安定剤や酸化防止剤を添加することも好ましい
第二の本発明の転写シートは、画像が良好に形成されるように、画像受像層として少なくとも1層以上の塗工層を有する構造をしていてもよい。該画像受像層は、熱溶融性のアクリル樹脂が好ましく用いられる。
なお、画像受像層(塗工層)には、必要に応じて、熱安定剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔料、可塑剤、架橋剤、耐衝撃性向上剤、抗菌性、難燃剤、難燃助剤、及び帯電防止剤などの各種プラスチック添加剤を併用することができる。
少なくとも、樹脂とマット剤とから構成される画像受像層は、以下の方法によって基体110の表面に形成される。
前記各層は、少なくとも樹脂とマット剤等とを有機溶媒、もしくは水などを用いて混合し、超音波、ウエーブローター,アトライターやサンドミルなどの装置により均一に分散させ塗工液を作製し、該塗工液をそのままの状態で、基体10の表面へ塗布あるいは含浸させることによって形成できる。
塗布あるいは含浸させる方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
上記塗工は、例えば画像受像層と裏面の塗工層とを両方有する場合には、どちらを先に塗工してもよいし、同時に塗工してもよい。
また、第二の本発明の転写シートにおける基体は、第一の本発明の転写シートにおける基体と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の電子写真用画像転写シートの第三の形態(以下、「第三の本発明の転写シート」という場合がある。)は、前記基体の画像受像層が設けられている面に、該基体側から離型層、及び画像受像層が順次設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有していることを特徴とする。第三の本発明の転写シートは、画像受像層が前記硬化性樹脂を含有する層であり、該画像受像層が基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。
第三の本発明の転写シートは、離型層を有するため、電子写真法で形成された画像を画像支持体上に転写させた場合に、離型層から画像受像層が剥離し、該画像受像層が前記画像支持体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。また、画像受像層が含有する硬化性シリコーン樹脂は強靭であるため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる。
図3は本発明の電子写真用画像転写シートの第三の形態の一例を示す概略断面図である。
図3に示すように、第三の本発明の転写シートは、基体110と、離型層120と、画像受像層160とから構成される。また、必要であれば、基体110における画像受像層160が形成されていない面に、図示されない塗工層(電荷制御層)、または画像受像層と同様のものが形成されている構造としてもよい。
第三の本発明の転写シートは、画像受像層において、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂との混合樹脂の代わりに、硬化性シリコーン樹脂のみを用いている点、及び更に離型層が前記基体側から離型層、画像受像層の順となるように設けられている点以外は、第二の本発明の転写シートと同様の構成であり、好ましい態様も同様である。
また、第三の本発明の転写シートにおいて、画像受像層に用いられる硬化性シリコーン樹脂は、第二の本発明の転写シートにおいて、画像受像層に用いられる硬化性シリコーン樹脂と同様であり、好ましい態様も同様である。
更に、第三の本発明の転写シートにおける基体は、第二の本発明の転写シートにおける基体と同様であり、好ましい態様も同様である。
一方、第三の本発明の転写シートにおける離型層は、第一の本発明の転写シートにおける離型層と同様であり、好ましい態様も同様である。
本発明の電子写真用画像転写シートの第四の形態(以下、「第四の本発明の転写シート」という場合がある。)は、前記基体の少なくとも一方の面に、画像受像層が設けられており、該画像受像層は、光硬化性樹脂を含有し、自己修復性を有していることを特徴とする。第四の本発明の転写シートは、画像受像層が前記硬化性樹脂を含有する層であり、該画像受像層が基体、又は基体側に隣接する層である離型層から剥離可能な層である。
ここで、自己修復性を有する画像受像層とは、以下の性質を有する画像受像層のことをいう。自己修復性を有するとは、23℃、相対湿度55%の雰囲気下で、10cm×10cmのカラーOHPフィルム(カラーOHPフィルムHG)を両面テープで測定台に固定し、この上に10cm×10cmの被測定物(電子写真用画像転写シート)を画像受像層側を内側にして重ね合わせ、この上に500gの重りを載せ、被測定物のみを水平に10cm動かす行為を100回繰り返すことにより生じた傷の有無を、スガ試験機(株)製、ヘーズメーター HGM−2を用いてヘイズ測定した値であり、上述の一連の動作の前後のヘイズ値の差が10%以内である場合をいう。
前記ヘイズ値の差が10%以内であると、傷により生じた表面光散乱が目立ち難いため好ましい。前記ヘイズ値の差は5%以内であることが好ましく、3%以内であることがより好ましい。
第四の本発明の転写シートは、電子写真法で形成された画像を画像支持体上に転写させた場合に、画像受像層が基体又は離型層(離型層を有する場合)から剥離し、前記画像支持体上に転写された画像を覆い、該画像を保護することとなる。また、画像受像層は自己修復性を有するため、画像を覆うことにより耐傷性にも優れる(傷が目立たない)。
図4は本発明の電子写真用画像転写シートの第四の形態の一例を示す概略断面図である。
図4に示すように、第四の本発明の転写シートは、基体110と、画像受像層170から構成される。また、基体110と、画像受像層170との間に離型層が設けられていてもよい。更に、必要であれば、基体110における画像受像層170が形成されていない面に、図示されない塗工層(電荷制御層)、または画像受像層と同様のものが形成されている構造としてもよい。
先ず、第四の本発明の転写シートにおける画像受像層170について説明する。
画像受像層170は、以下の光硬化性樹脂を含有することにより自己修復性を有することができる。
第四の本発明の転写シートにおいて、画像受像層を自己修復性を有する画像受像層とするために用いられる光硬化性樹脂は、光重合性モノマーと光硬化開始剤とを含有する組成物であり、紫外線等の電磁波を照射することにより硬化して、自己修復性を有する硬化物となるものであり。光硬化開始剤は光エネルギーを吸収することによりそれ自身が励起状態となり、光重合性モノマーの重合反応を開始させるラジカルを発生させるものである。
光重合性モノマーの反応基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、メルカプト基、アミノ基等が挙げられるが、特に反応性が高いことからアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく用いられる。
光重合性モノマーの具体例としては、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、アルキッドアクリレート、シリコーンアクリレート、ポリエン・ポリチオール系スピラン、アミノアルキッド、ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、透明性や光硬化時の収縮率が低いことよりウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレートが好ましく用いられる。また、これらのモノマーは2種以上を併用することもできる。
ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレートとしては、無黄変ポリイソシアネート化合物を用いることが好ましい。無黄変ポリイソシアネート化合物としては、4,4‘―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
光硬化開始剤としては、ベンゾイルエーテル、1―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパンー1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタンー1−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、キサントン、2−クロロチオキサントン、ミヒラーケトン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、9,10―アントラキノンなどが挙げられる。これらの光硬化開始剤は、2種以上を併用することもできる。
光硬化開始剤の添加量は、光重合性モノマーに対して0.1質量%以上10質量%以下(より好ましくは0.2質量%以上5質量%以下)が好ましく用いられる。さらに、光硬化性樹脂に対して光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤を添加してもよい。
光硬化性樹脂を硬化させるための光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線レーザ、無電極放電ランプ、電子線、X線などがあるが、硬化反応を起こさせるものであればどれでもよい。
第四の本発明の転写シートは、上述の光硬化性樹脂と共に、該光硬化性樹脂以外の樹脂(前記光硬化性樹脂と、光硬化性樹脂以外の樹脂との混合樹脂)を用いることが好ましい。前記該光硬化性樹脂以外の樹脂としては硬化性シリコーン樹脂が挙げられる。該硬化性シリコーン樹脂は、第二の本発明の転写シートにおいて、画像受像層に用いられる硬化性シリコーン樹脂と同様であり、好ましい態様も同様である。
第四の本発明の転写シートの画像受像層における光硬化性樹脂、硬化性シリコーン樹脂以外の成分は、第三の本発明の転写シートの画像受像層における硬化性シリコーン樹脂以外の成分と同様である。また、第四の本発明の転写シートは、第三の本発明の転写シートと同様の体積平均抵抗率を有することが好ましい。
第四の本発明の転写シートにおける基体は、第二の本発明の転写シートにおける基体と同様であり、好ましい態様も同様である。
更に、第四の本発明の転写シートが有してもよい離型層は、第一の本発明の転写シートにおける離型層と同様であり、好ましい態様も同様である。
(画像記録体、画像記録体の作製方法)
次に、前記に説明した本発明の電子写真用転写シートの第一の形態〜第四の形態(以下、併せて「本発明の転写シート」という場合がある。)を用いて画像が形成される画像記録体について説明する。
本発明の画像記録体は、既述の本発明の転写シートにおける画像受像層が設けられた側の表面に電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記硬化性樹脂を含有する層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写されることにより、画像情報が記録されていることを特徴とする。
このような画像記録体としては、例えば、(1)表面に情報に応じたトナー画像が形成された本発明の電子写真用画像形成材料転写シートから、加熱圧着により画像が画像支持体に転写された画像シート、画像パネルなどの構成や、(2)前記画像支持体の少なくともいずれか1箇所に配置された、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより少なくとも情報の読み出しが可能な情報チップと、を少なくとも含むような、ICカード、磁気カード、光カード、あるいはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触または非接触に交信可能な情報記録媒体等の構成が挙げられる。
前記(1)項に示す画像記録体では、トナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を兼ねるもので、画像情報、文字情報等、識別可能な情報として機能するトナー画像を含むものであれば特に限定されない。また情報としてのトナー画像の識別は、視覚的に識別できるものであるか否かは特に限定されず、機械的に識別できるものであってもよい。
また、前記(2)項に示す画像記録体(情報記録媒体)では、情報チップが何らかの識別機能を有する情報を有しており、電気的手段、磁気的手段、光学的手段から選択される少なくとも1つの手段を利用することにより読み出し可能であれば特に限定されない。この情報チップは、情報の読み出し専用であってもよいが、必要に応じて情報の読み出しと書き込み(「書き換え」も含む)との両方が可能なものを用いてもよい。また、このような情報チップの具体例としては、例えばICチップ(半導体回路)が挙げられる。
なお、画像記録体の情報源として、前記の情報チップを用いる場合に形成されるトナー画像は、その一部あるいは全体が何らかの識別機能を有する情報を有するか否かは特に限定されない。
一方、トナー画像や情報チップが有する情報は、識別可能なものであれば特に限定されないが可変情報を含むものであってもよい。該可変情報とは、同一の規格や基準で作製される複数の画像記録体において、個々の画像記録体の有する情報が異なることを意味する。
例えば、トナー画像が可変情報を含む場合、可変情報に対応した部分のトナー画像は、画像記録体毎に異なるトナー画像とすることができる。
さらに、前記の可変情報は個人情報を含むものであってもよい。この場合、本発明の画像記録体(情報記録媒体)は、キャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明などに適用可能であり、このような用途に使用される場合、個人情報としては、例えば、顔写真、本人照合用画像情報、氏名、住所、生年月日等挙やこれらの組合せが挙げられる。
本発明の画像記録体は、電子写真用転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記定着画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含む工程を経て作製される。
前記電子写真方式による転写シートへの画像形成は、まず、電子写真用感光体(像担持体)の表面に均一に電荷を与え帯電させた後、その表面に、得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、転写シートの画像受像層が形成された面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、転写シートが電子写真装置から排出される。
本発明の電子写真用転写シートは、画像形成面(画像受像層が設けられた側の面)をICチップなどが含まれた画像支持体と重ね、画像を転写するものであるため、転写シートの画像受像層に形成される画像は反転画像(鏡像画像)とする必要があり、前記感光体表面に静電潜像を形成する際には、前記感光体表面に露光される画像情報としては鏡像の情報が提供されることが好ましい。
本発明で用いられる画像支持体は、金属、プラスチック、セラミックなどであり、さらにこれらはシート状のものが好ましい。
本発明に用いられる画像支持体としては、プラスチックシートが好ましく、特に、画像記録体としたときに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが好ましく、白色化したプラスチックシートが代表的に使用される。
前記プラスチックシート用樹脂としては、前記電子写真用画像形成材料転写シートの基体に用いたものと同様なものを用いることができ、ポリアセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルムなどを好ましく用いることができる。
前記の中でも、ポリエステルフィルム、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロへキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記PETにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、さらに二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等をより好ましく用いることができる。
また、本発明で用いられる画像支持体は、少なくとも画像が転写される側の面は、塩化ビニル樹脂あるいはポリカーボネート樹脂またはエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を少なくとも共重合させたポリエステルを含むPETGと呼ばれる樹脂であることが好ましい。
本発明においては、画像支持体の少なくとも画像が転写される側の面が、PETGを含むことが好ましい。画像転写面をPETGとすることにより、転写された画像形成材料(トナー)を画像支持体表面にほとんど完全に埋め込ませることができ、最終的な画像記録体の表面を電子写真用転写シートの離型層の表面形状と同様にすることができる。
本発明においては、前述のように塩素を含まない基体の使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂シート、ABS樹脂シート、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂シート、またPETシートや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂シートに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているシート等も好ましく用いることができる。
プラスチックを白色化する方法としては、白色顔料、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化カルシウム等の金属酸化物微粒子、有機の白色顔料、ポリマー粒子等をフィルム中に混入させる方法が使用できる。また、プラスチックシート表面にサンドブラスタ処理やエンボス加工等を施すことにより、プラスチックシートの表面を凹凸にし、その凹凸による光の散乱によりプラスチックシートを白色化することもできる。
本発明に用いられる画像支持体としては、厚さ75〜1000μmの範囲のプラスチックからなるシートを用いることが好ましく、厚さ100〜750μmの範囲のPETGシートを用いることがより好ましい。
本発明においては、最終的な画像記録体がICカード等として用いられる場合には、画像支持体として、その内部または表面に半導体回路を有するものを用いることができる。
画像支持体中に半導体回路を内蔵させる方法としては、前記半導体回路が固定されたインレットと呼ばれるシートを、画像支持体を構成するシート材料間に挟み、熱プレスによって熱融着一体化させる方法が一般的に好ましく用いられる。また、前記インレットシートなしに直接、半導体回路を配置し、同様に熱融着一体化させる方法も可能である。
その他、前記熱融着によらず、ホットメルト等の接着剤を用いて、前記画像支持体を構成するシートどうしを貼り合わせ、同様に、半導体回路を内蔵させることも可能であるが、これらに限られるものではなく、例えば、ICカードに半導体回路を内蔵させる方法であれば、いずれも前記画像支持体の製造方法として適用することができる。
さらに、画像記録体として使用上問題がなければ、半導体回路を画像支持体の内部ではなく、表面に露出した状態で配置することも可能である。
なお、本発明の画像記録体がICカードだけでなく、磁気カード等として用いられる場合には、必要に応じて画像支持体にアンテナ、磁気ストライプ、外部端子などが埋め込まれる。また、磁気ストライプ、ホログラム等が印刷されたり、必要文字情報がエンボスされる場合がある。
前記電子写真用転写シートと画像支持体との重ね合わせは、電子写真用転写シートと画像支持体とを手で保持して揃えることにより行ってもよいし、電子写真用転写シート上に画像形成後に、丁合いトレイなどに電子写真用転写シート及び画像支持体を順次排出し、自動的に揃えることにより行ってもよい。
前記加熱圧着工程における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。これらの中でも、熱を加えることによりラミネートするヒートプレス法を用いることが好ましく、例えば、転写シート及び画像支持体の積層体を、加熱可能な1対の熱ロールの圧接部(ニップ部)に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
なお、本発明における加熱圧着工程には、未定着画像が形成された電子写真用転写シートを用いてもよく、この場合には、加熱圧着時の温度を定着工程を経た転写シートを用いる場合に比べ、若干高めにすることにより、トナーの発色性等を確保することができる。
加熱圧着された前記積層体は、画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録され、本発明の画像記録体となる。
前記冷却固化する温度は、具体的にはトナーが十分固まる軟化点以下の温度であり、例えば画像形成材料のガラス転移温度以下であり、望ましくは常温〜30℃であることが好ましい。また、転写シートを画像支持体から剥がす条件としては、特に限定されないが、転写シートの端面を掴んで画像支持体から徐々に剥していくことが好ましい。
また、前記硬化性樹脂を含有する層が含有する硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合、前記画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記光硬化性樹脂を含有する層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料を転写した後、光硬化装置を用いて前記光硬化性樹脂を含有する層を硬化処理してもよい。このように硬化処理することにより、電子写真用画像転写シートへの画像形成材料(トナー)の密着性を低下させることなく、後硬化により画像受像層を硬化させることで、耐摩耗性をアップさせることができる。ここで、光硬化装置としては、紫外線の波長領域を発生させる光源として、目的に応じて200〜400nm波長のメタルハライドランプや365nm波長の高圧水銀ランプ、185/254nm波長の低圧水銀ランプを用いる。一般的な光硬化樹脂のUV露光量(紫外線量)は各種樹脂によって決まっており、基本的に数秒で乾燥するものが多い。UV露光量=UV照度×照射時間の関係式で示されるため、UV照度がわかれば、必要な照射時間が求められる。装置には、80/120、または120/160W/cmのように照度切り替えが可能なものもある。装置には、照射対象のサイズ・形状によって卓上(バッチ)型、コンベア型など作業に適したものが選ばれる。
次に、以上に説明した画像記録体の具体例について図面を用いて説明する。図5は、本発明の画像記録体の作製における加熱圧着前の状態と、加熱圧着、剥離後の画像記録体の一例を示す断面図である。図5中、100は電子写真用転写シート(電子写真用画像転写シート)、200は画像支持体(画像記録体)を表す。
図5(A)は、基体110及び画像受像層180からなる電子写真用転写シート100と、被転写体である画像支持体200(PETGシート)とを重ね合わせて積層体を構成したときの状態を示す概略断面図である。加熱圧着前は、画像形成材料(トナー)190は電子写真用転写シート100の画像受像層180側、あるいは画像受像層180と画像支持体200との界面に存在する。尚、図5に示す電子写真用転写シート100は、基体上に画像受像層のみが設けられているが、既述の本発明の転写シートの各形態に記載のように離型層、或いは硬化性樹脂層が設けてあってもよい。
一方、図5(B)に示すように、加熱圧着、剥離後は、画像形成材料190は画像受像層180に覆われた状態となっている。したがって、作製された画像記録体はそのまま印刷された画像記録体と同様の感触を有し、画像形成材料190は保護されており、簡単に剥がれたりすることがない。
剥離された画像記録体は、そのまま本発明の画像記録体となり得るが、電子写真用転写シートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定サイズの複数の画像記録体を得ることができる。
(画像記録体の作製方法)
本発明の画像記録体の作製方法は、電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用画像転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却した後、前記硬化性樹脂を含有する層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記画像支持体から電子写真用画像転写シートを剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含み、前記電子写真用画像転写シートが、既述の本発明の転写シートであることを特徴とする。
また、本発明の画像記録体の作製方法は、前記位置決め工程において、前記画像形成工程を経た2つの電子写真用画像転写シートを、画像支持体に対してそれぞれその表面に形成された定着画像面を互いに対面させることが、画像支持体表裏に同時に画像を転写することが出来る点で好ましい。
次に、本発明の画像記録体の作製方法に用いる作製装置(本発明の画像記録体の作製装置)について説明する。
本発明の画像記録体の作製装置は、前記本発明の電子写真用転写シート、画像記録体の作製方法を用いるものであり、少なくとも一方の面に画像受像層を有する電子写真用転写シートを収容する電子写真用転写シート収納部と、該電子写真用転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成部と、画像支持体を収容する画像支持体収納部と、前記電子写真用転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ、積層体とする位置決め部と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着部と、前記画像形成材料が冷却固化した後、前記電子写真用転写シートを画像支持体から剥し、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離部と、を備えるものである。
図6は、本発明の画像記録体の作製装置の一例を示す概略構成図である。
図6に示す画像記録体の作製装置10は、画像形成装置12、丁合い装置14(位置決め部)と、ラミネート装置16(加熱圧着部)と、剥離装置17(剥離部)と、から構成されている。
画像形成装置12は、例えば、転写シートスタッカー18(電子写真用画像転写シート収納部)と、画像形成部20と、転写シートスタッカー18から画像形成部へ転写シート(本発明の電子写真用画像転写シート)22を搬送する搬送路24と、画像形成部20から排出口28へ転写シート22を搬送する搬送路26とから構成されている。その他の構成は省略する。
転写シートスタッカー18には、転写シート22が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備えられ、所定のタイミングで給紙ロール等が回転し、画像形成部20へ転写シート22を搬送する。
画像形成部20は、図示しないが、潜像を形成する潜像担持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像を転写シート22に転写する転写器、転写シート22に転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式の装置で構成されている。
搬送路24、26は、駆動ローラ対を含む複数のローラ対やガイド(図示せず)から構成されており、さらに搬送路26には、転写シート22の搬送方向を180°反転させる反転路26aが設けられる。搬送路26と反転路26aとの分岐付近には、転写シート22の案内方向を変更するカム32が設けられている。この反転路26aで転写シート22を往復させ、再び搬送路26に戻すと、転写シート22の搬送方向が180°反転されると共に、転写シート22の表裏が反転して搬送される。
丁合い装置14は、プラスチックシートスタッカー(画像支持体収納部)34と、丁合いトレイ36(位置決め部)、プラスチックシートスタッカー34から丁合いトレイ36へプラスチックシート(画像支持体)38を供給する搬送路40と、画像形成装置12の排出口28から排出された転写シート22を、丁合いトレイ36へ供給する搬送路42と、から構成されている。
プラスチックシート38を丁合いトレイ36へ供給する搬送路40排出部と、転写シート22を丁合いトレイ36へ供給する搬送路42排出部は、高さ方向に並列して設けられている。
搬送路40、42としては、平滑な板状部材と、その表面を転写シート22を搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして転写シート22が画像形成装置12から排出されるタイミング、又はプラスチックシート38が排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、転写シート22又はプラスチックシート38を丁合いトレイ36に搬送する。
プラスチックシートスタッカー(画像支持体収納部)34には、プラスチックシート38が収納されると共に、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロールや給紙ロールが備え、丁合いトレイ36がプラスチックシートスタッカー34の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール等が回転し、丁合いトレイ36にプラスチックシート38を搬送する。
丁合いトレイ36は、搬送路40排出部と搬送路42排出部からプラスチックシート38及び転写シート22がそれぞれ供給されるように、例えば、その端部の一部が上下(図中上下)に張架されたベルト外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降するよう構成されている。このような昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させることができる。また、積層されたプラスチックシート38及び転写シート22の端部を揃える位置決め手段(図示しない)が設けられている。
丁合いトレイ36には、プラスチックシート38を介して2つの転写シート22を積層した積層体を仮止めする仮止め装置44が設けられている。この仮止め装置は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる一対の突片で構成されており、この加熱された一対の突片により積層体の端部近傍を挟むことで、積層体の端部近傍が熱溶着されて仮止めされる。
仮留の方法としては、熱溶着を用いるのであれば一対の突片による方法に限らず、既存のその他の方式、すなわち加熱した針状の部材をシートの垂直方向に貫通させたり、超音波振動子を搭載した部材でシートを挟み、超音波振動により発生した熱により溶着することも可能である。また、熱を用いずに機械的に互いの動きを拘束する手段、すなわち、ホチキスの針等を用いて固定したり、あるいは搬送経路に沿ってシートとともに移動可能なグリッパーを設けてもよい。
仮止め装置44は、丁合いトレイ36からラミネート装置16への積層体の搬送路上に設けられる場合には、仮止め装置44は、仮止め時のみ丁合いトレイ36の端部に配置され、それ以外のときは前記搬送路から退避できる構造をとる必要がある。
ラミネート装置16は、例えば、一対のベルト46から構成されるベルトニップ方式を採用することができる。それぞれのベルト46は、加熱・加圧ロール48と、張架ロール50、更にロール52、54により張架されている。
ラミネート装置16における圧着方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置、あるいは熱プレス技法、ならびに熱プレス装置を用いて、圧着させることができる。
剥離装置17は、例えば、エア噴出ノズル19とガイド21a、21bからなっており、プラスチックシートの搬送経路下流側に、排出トレイ56が設けられている。
まず、画像形成装置12において、転写シート22のうち、プラスチックシート38の裏面(図面中下側)に圧接される第1の転写シート22aが、転写シートスタッカー18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第1の転写シート22aの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。このとき、第1の転写シート22aの上面に定着画像が形成されているので、第1の転写シート22aは、そのまま搬送路26を経て排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
そして、丁合い装置14において、第1の転写シート22aは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第1の転写シート22は、第1の転写シート22aの画像面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36へ供給される。
次に、丁合いトレイ36を、搬送路40排出部付近まで昇降させ、プラスチックシート38を、プラスチックシートスタッカー34から搬送路40を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路40排出部を出たプラスチックシート38は、その自重により丁合いトレイ36へと供給され、第1の転写シート22aと重ねられる。
次に、画像形成装置12において、プラスチックシート38の表面(図面中上側)に圧接される第2の転写シート22bが、転写シートスタッカー18から搬送路24を経由して画像形成部20へと供給され、第2の転写シート22bの上面(図中上側)に電子写真方式により所定のトナー画像が転写された後、定着され定着画像が形成される(画像形成工程)。第2の転写シート22bの上面に定着画像が形成されているので、第2の転写シート22bは、搬送路26を通り、一端、反転路26aを経由して、再び搬送路26に戻り排出口28へ搬送され、丁合い装置14へと送られる。
このとき、搬送路26と反転路26aの分岐付近において、カム32はその先端が搬送路26に重なるように駆動され、カム32の先端位置に到達した第2の転写シート22は搬送方向が変更され、反転路26aへと案内搬送される。そして、第2の転写シート22bが反転路26aに到達した後、図示しない駆動ロールを反転させ、第2の転写シート22bを反転路26aで往復移動させて、再び搬送路26に戻す。このため、搬送路26に戻った第2の転写シート22bは、搬送方向が180°反転される共に、その表裏も反転し、画像面が下側(図中下側)を向いて搬送されることとなる。
そして、丁合い装置14において、第2の転写シート22bは、丁合い装置14の搬送路42を経て、丁合いトレイ36へと供給される。ここで、搬送路42排出部を出た第2の転写シート22bは、第2の転写シート22bの画像面が下面は上面を向くように、その自重により丁合いトレイ36への供給され、プラスチックシート38と重ねられる。
このように、丁合いトレイ36には、画像面が上向きの第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び画像面が下向きの第2の転写シート22bの順番で供給されると共に重ねられる(位置決め工程)。この積層体は、プラスチックシート38を介して、第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bがその画像面を対面させて積層されている。
次に、丁合いトレイ36上の第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの端部を、図示しない位置決め手段により揃え、続いて、仮止め装置44により、積層体の端部を仮止めを施した後、ラミネート装置16へ搬送される。なお、転写シート22、プラスチックシート38のサイズを同等にしており、積層体の端部を揃えることで、位置決めが行なわれる。
次いで、ラミネート装置16において、第1の転写シート22a、プラスチックシート38、及び第2の転写シート22bの積層体を、一対のベルト46ニップ間に通過させて加熱圧着処理をし、プラスチックシート38を第1の転写シート22a及び第2の転写シート22bで加熱圧着する(加熱圧着工程)。
加熱圧着された積層体は、次に剥離装置17へ搬送される。プラスチックシート38は、例えばその先端右端部に切欠きがあり、その部分では第1の転写シート22aと第2の転写シート22bはプラスチックシート38に接着することなく、一定の隙間をあけて対峙している。積層体先端部がエア噴出ノズル19にさしかかると、ノズルから圧縮空気が噴射される。第1の転写シート22aと第2の転写シート22bの端部がプラスチックシート38より浮き上がり、ガイド21a、21bの先端が第1の転写シート22aとプラスチックシート38および第2の転写シート22bとプラスチックシート38との間に入る。さらに、積層体が搬送されるにつれ、2つの転写シートはガイド21a、21bに沿ってプラスチックシート38と分離する方向に搬送され、プラスチックシート38から剥がされる。
プラスチックシート38は排出トレイ56に排出され、記録済みプラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定のサイズのプラスチックシートを得る。
第1の転写シート22aと第2の転写シート22bは、その後図示しない経路を通って転写シート排出トレイ57に排出される。排出された転写シートは、転写シートスタッカーに戻して、再度画像記録を行ってもよい。
以上のように、本発明の画像記録体の作製装置では、2つ転写シート22の片面に電子写真方式により画像を形成し、プラスチックシート38を介して、この2つの転写シート22をその画像面を対面させて加熱圧着し、転写シートを剥離することで、画像形成手段として従来の電子写真装置を大きく改造することなく用い、プラスチックシートに高解像度の画像を高い生産性で印刷することが可能である。
また、画像形成装置12における画像形成部20から排出口28と転写シート22を搬送する搬送路26の途中に反転路26aを設けて、転写シート22のうち、丁合いトレイ36上の下側に供給される第1の転写シート22aは反転路26aを経由させず、上側に供給される第2の転写シート22bは反転路26aを経由させその表裏を反転させて搬送するといった具合に、選択的に転写シート22の表裏を反転させることで、連続した位置決めが行なわれ、より効率良くプラスチックシートに印刷することが可能となる。
また、本発明の画像記録体の作製方法は、画像受像層がオモテ面および裏面それぞれに設けられた電子写真用画像転写シートのオモテ面および裏面それぞれに、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、前記電子写真用画像転写シートを、前記画像が形成されたそれぞれの面に、画像支持体のオモテ面または裏面が対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、前記画像形成材料が冷却した後、前記硬化性樹脂を含有する層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートから前記画像支持体を剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含み、前記電子写真用画像転写シートが、既述の本発明の転写シートであって、1枚の電子写真用転写シートから2枚の画像記録体作製することが、効率がアップする点で好ましい。
一方、例えば、画像受像層中にポリエステル樹脂とアクリルシリコーン樹脂などの光硬化性樹脂が含まれる場合、ポリエステル樹脂のみを含む場合と比較して画像受像層が硬くなる場合があり、その結果として画像形成材料(トナー)との密着性が低下する場合がある。この場合、前記画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記光硬化性樹脂を含有する層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料を転写した後、光硬化装置を用いて前記光硬化性樹脂を含有する層を硬化処理してもよい。このように硬化処理することにより、電子写真用画像転写シートへの画像形成材料(トナー)の密着性を低下させることなく、後硬化により画像受像層を硬化させることで、耐摩耗性をアップさせることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例及び比較例における「部」は「質量部」を意味する。
参考例1
電子写真用転写シート(転写シート1)を以下のように作製した。以下、その作製方法を工程ごとに説明する。
(硬化性樹脂層塗工液1の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)20部を、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し硬化性樹脂層塗工液1を調製した。
(画像受像層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン200)30部と架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−1000、体積平均粒子径10μm)1部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.6部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液70部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液1を調製した。
(抵抗調整層塗工液1の調製)
ポリエステル樹脂(綜研化学社製、フォレット4M、固形分30質量%)10部と架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX300、体積平均粒子径3μm)0.6部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.3部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液80部に添加して十分撹拌し抵抗調整層塗工液1を調製した。
(電子写真用転写シートの作製)
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。この基体の離型性熱硬化樹脂層の面に、前記硬化性樹脂層塗工液1をワイヤーバーを用いて同様に塗布し、120℃で90秒乾燥させ、膜厚1μmの硬化性樹脂層を形成した。次にこの硬化性樹脂層上に、前記画像受像層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で60秒乾燥させ、膜厚7.5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート1を作製した。この転写シート1の抵抗調整層の表面抵抗率(23℃、55%RHにおける、以下同様)は、1.8×109Ω、画像受像層の表面抵抗率は、3.7×109Ωであった。また、転写シート1の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(15gf/cm)であった。
(電子写真用画像形成材料転写シートの性能評価)
前記転写シート1(画像未形成)の画像受像層面に、画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機 DocuColor1255CP)で顔写真や名前、1〜5ポイントの大きさである数字文字、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。この画像形成に際しては、画像形成装置内の転写シート1の搬送時における走行性を以下のように評価した。
−走行性評価−
作製された転写シート1のカラー複写機における走行性は、前記カラー複写機DocuColor1255CPの手差しトレイに、転写シート1を30枚セットし、連続で30枚印字作業を行った時の、ジャム、重送の発生回数をカウントすることにより行った。評価基準は、ジャム、重送の発生回数が0回であれば○、1回の場合は△、2回以上の場合は×とした。
結果を表1に示す。
(画像記録体(カード1)の作製)
画像記録体は、表裏がPETGで、コアがA−PETであるA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ディアクレールW2012、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏面に、前記画像が定着された転写シート1を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製、ラミパッカーLPD3206 City)を用い、160℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート1を常温まで冷却後、転写シート1を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード1(画像記録体1)を作製した。
(画像記録体の評価)
前記カード1について、以下の評価を行った。
−画像の定着性評価−
トナー画像の定着性の評価は、カード1の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の、画像の剥がれを評価した。
本評価では、全く問題がなかった時◎、少しでも画像が剥がれたり、乱れた場合×として評価した。結果を表1に示す。
−画像濃度、画質評価−
画像濃度は、ベタ画像部をX−Rite967濃度計(X−Rite社製)で測定し、画像濃度が1.5以上であるものを○、1.3以上1.5未満であるものを△、1.3未満であるものを×とした。
また、画質に関しては、細線文字の正確な印字転写性(印字再現性)を評価した。画像として1〜5ポイントの数字文字を印字転写後の解像度を文字の判別できるポイント数にて評価し、2ポイント以上の文字が確認できた場合を◎、3ポイント以上の文字が確認できた場合を○、4ポイント以上の文字が確認できた場合を△、5ポイント以上の文字しか確認できない場合を×として、その結果を表1に示した。
−表面摩擦摩耗(耐摩擦摩耗)評価−
作製されたカードが磁気カードとして利用される場合を想定し、磁気カードリーダー(エリート社製MR321/PS)にカードを500回連続で通過させ、そのときの傷、摩耗の状況を目視で観察した。まったく変化がない場合は◎、傷が少し入った程度は○、傷筋が大きく目立つ場合は△、画像受像層が剥がれ、画像にまで影響が出ている場合は×とした。結果を表1に示す。
<比較例1>
参考例1において、電子写真用転写シートとして、市販のPETシート(東レ(株)社製、T60、厚さ:100μm、表面抵抗率:1×1017Ω)を未処理のまま用いた以外は同様にして評価を行った。
その結果、走行性に関しては、重送が繰り替えされた。また、定着させた画像は、十分な濃度と画質が得られていなかった。さらに、画像記録体作製時には、PETシートが白色シート(画像支持体)に接着し、白色シートから剥がれなくなっていて転写シートとして使用できず、また、目的とする画像記録体が作製できなかった。
参考例2
(画像受像層塗工液2の調製)
ポリエステル樹脂(綜研化学社製、フォレット4M、固形分30質量%)20部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−800、体積平均粒子径:8μm)0.1部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)2.5部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液2を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート2)の作製)
参考例1と同様にして、PET100SG−2フィルムの未処理面に裏面抵抗調整層と離型層上に硬化性樹脂層1μmを形成させて、さらにその上に前記画像受像層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚5μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート2を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、2.3×1012Ωであった。また、転写シート2の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(15gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート2の性能評価)
前記転写シート2(画像未形成)の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート2の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード2)の作製)
画像記録体は、PETGで構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ディアフィクス、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート4を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、170℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート2を常温まで冷却後、転写シート4を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード2(画像記録体)を作製した。
(カード2(画像記録体2)の評価)
参考例1と同様にして、カード2における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
参考例3
(画像受像層塗工液3の調製)
ウレタン変性ポリエステル樹脂を含む塗工液(東洋紡績社製、UR−4122、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−3000、体積平均粒子径:30μm)0.6部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)0.8部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液3を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート3)の作製)
参考例1と同様にして、PET100SG−2フィルムの未処理面に裏面抵抗調整層0.2μmと離型層上に硬化性樹脂層3μmを形成させて、さらにその上に前記画像受像層塗工液3をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で4分乾燥させ、膜厚25μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート5を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、1.3×108Ωであった。また、転写シート3の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.098N/cm(10gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート3の性能評価)
前記転写シート3(画像未形成)の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート3の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード3)の作製)
画像記録体は、塩化ビニル樹脂で構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、ビニホイルC―4636、厚さ:500μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート4を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、170℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート3を常温まで冷却後、転写シート3を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード3(画像記録体3)を作製した。
(カード3(画像記録体3)の評価)
参考例1と同様にして、カード3における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
参考例4
(硬化性樹脂層塗工液2の調製)
シリコーン変性アクリル樹脂を含む紫外線硬化型ハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、UVHC1105、固形分100質量%)30部を、イソプロピルアルコール70部に添加して十分撹拌し硬化性樹脂層塗工液2を調製した。
(画像受像層塗工液4の調製)
ポリエステル樹脂を含む塗工液(綜研化学社製、フォレットFF−4M、固形分:30質量%)40部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−500、体積平均粒子径:5μm)6部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)0.4部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液30部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液4を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート4)の作製)
参考例1と同様にして、PET100SG−2フィルムの未処理面に裏面抵抗調整層0.2μmを形成し、もう一方面の離型層の上に前記硬化性樹脂層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、紫外線照射装置(ウシオ電機社:ユニキュアシステム)にて160W/cmで15秒間紫外線照射して、膜厚2μmの硬化性樹脂層を形成した。さらにその上に前記画像受像層塗工液4をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で1分乾燥させ、膜厚2μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート4を作製した。画像受像層の表面抵抗率は、1.4×109Ωであった。また、転写シート4の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート4の性能評価)
前記転写シート4(画像未形成)の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート4の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード4)の作製)
画像記録体は、PETG樹脂で構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、PG−WHI、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート6を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、170℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート6を常温まで冷却後、転写シート6を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード4(画像記録体4)を作製した。
(カード4(画像記録体4)の評価)
参考例1と同様にして、カード4における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
参考例5
(画像受像層塗工液5の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン885)30部と、微粒子として架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−1500H、体積平均粒子径:15μm)0.5部と、帯電制御剤としてエレガン264WAX(日本油脂社製)0.5部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液70部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液5を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート5)の作製)
参考例4と同様にして、PET100SG−2フィルムの未処理面に裏面抵抗調整層0.2μmを形成し、もう一方面の離型層の上に前記硬化性樹脂層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、紫外線照射装置(ウシオ電機社:ユニキュアシステム)にて160W/cmで15秒間紫外線照射して、膜厚2μmの硬化性樹脂層を形成した。さらにその上に前記画像受像層塗工液5をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚10μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート5を作製した。この画像受像層の表面抵抗率は、7.3×1011Ωであった。また、転写シート5の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート5の性能評価)
前記転写シート5(画像未形成)の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート5の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード5)の作製)
画像記録体は、PETG樹脂で構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、PG−W、厚さ:600μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート7を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、185℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート5を常温まで冷却後、転写シート5を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード5(画像記録体5)を作製した。
(カード5(画像記録体5)の評価)
参考例1と同様にして、カード5における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
参考例6
(画像受像層塗工液6の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロン296)10部とウレタン変性ポリエステル樹脂を含む塗工液(東洋紡績社製、UR−1350、固形分:33質量%)40部と、架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−2000、体積平均粒子径20μm)1部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.2部とを、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液80部に添加して十分撹拌し画像受像層塗工液6を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート6)の作製)
参考例4と同様にして、PET100SG−2フィルムの未処理面に裏面抵抗調整層0.2μmを形成し、もう一方面の離型層の上に前記硬化性樹脂層塗工液2をワイヤーバーを用いて塗布し、紫外線照射装置(ウシオ電機社:ユニキュアシステム)にて160W/cmで15秒間紫外線照射して、膜厚2μmの硬化性樹脂層を形成した。さらにその上に、前記画像受像層塗工液6をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で2分乾燥させ、膜厚15μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート8を作製した。この画像受像層の表面抵抗率は、1×1013Ωであった。また、転写シート6の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート6の性能評価)
前記転写シート6(画像未形成)の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート6の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード6)の作製)
画像記録体は、PETG樹脂で構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、PG−WHIFG、厚さ:760μm)を画像支持体とし、この表裏に、前記画像が定着された転写シート8を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、180℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、転写シート8を常温まで冷却後、転写シート6を白色シートから引きはがし、白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード6(画像記録体8)を作製した。
(カード6(画像記録体6)の評価)
参考例1と同様にして、カード6における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
参考例7
(離型層塗工液1の調製)
有機シラン縮合物、メラミン樹脂、アルキド樹脂を含むシリコーンハードコート剤(GE東芝シリコーン社製、SHC900、固形分30質量%)40部とトリメトキシメチルシランを0.06部、アミノ変性シリコーンオイル(GE東芝シリコーン社製:TSF4702)を0.06部、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを質量比で10:90で混合した液60部に添加して十分撹拌し離型層塗工液1を調製した。
(硬化性樹脂層塗工液3の調製)
エポキシ変性アクリレートを含む紫外線硬化型ハードコート剤(日立化成社製、ヒタロイド7851、固形分100質量%)30部を、イソプロピルアルコール70部に添加して十分撹拌し硬化性樹脂層塗工液3を調製した。
(画像受像層塗工液7の調製)
ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロナールMD−1500、固形分濃度30質量%)40部と架橋型アクリル微粒子(綜研化学社製、MX−1500H、体積平均粒子径15μm)0.6部と帯電制御剤(日本油脂社製、エレガン264WAX)0.4部とを、n−ブチルセロソルブ20部に添加して十分撹拌し、画像受像層塗工液7を調製した。
(電子写真用画像転写シート(転写シート7)の作製)
PETフィルム(東レ社製、ルミラー100T60、厚み:100μm)を用い、この基体に対し、片面ごとに前記離型層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体表裏面に膜厚0.5μmの離型層を形成した。この両面の離型層上に、前記硬化性樹脂層塗工液3をワイヤーバーを用いて塗布し、紫外線照射装置(ウシオ電機社:ユニキュアシステム)にて160W/cmで15秒間紫外線照射して、膜厚2μmの硬化性樹脂層を形成した。さらにその上に前記画像受像層塗工液7をワイヤーバーを用いて塗布し、を片面ごとにワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で5分乾燥させ、基体の表裏に膜厚10μmの画像受像層を形成した。その後A4サイズ(210mm×297mm)にカットして転写シート7を作製した。この転写シート10の表面抵抗率は、表裏面ともに.6.2×108Ωであった。また、転写シート7の硬化性樹脂層と離型性熱硬化樹脂層との間の剥離力を測定したところ0.147N/cm(150gf/cm)であった。
(電子写真用画像転写シート7の性能評価)
前記転写シート7の画像受像層面に、参考例1と同様に画像形成装置(富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1255CP)で顔写真や名前、ベタ画像を含むカラーの鏡像画像を表裏の画像受像層面に形成した。
参考例1と同様に転写シート7の搬送時における走行性を評価したが、表1に示すように全く問題がなかった。
(画像記録体(カード7)の作製)
画像記録体は、画像が形成された前記画像転写シート7の表裏に、画像支持体としてのPETG樹脂で構成されたA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製、PG−WHI、厚さ:500μm)で挟み重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、200℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で貼り合わせ、白色シートが常温まで冷却された後、白色シートを転写シート10から引きはがし、1枚の画像転写シートから2枚の白色シート上に顔写真を含む画像が転写されたカード7(画像記録体7)を作製した。
(カード7(画像記録体7)の評価)
参考例1と同様にして、カード7における画像の定着性、及び画像濃度、画質、耐摩擦摩耗に関して評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004645553
参考例1〜7からわかるように、本発明の電子写真用画像転写シートは、その表裏の表面抵抗率が23℃、55%RHにおいて、1.0×108Ω以上1.0×1013Ω以下の範囲であり、少なくとも基体の片面が離型層と画像受像層とが順次形成され、前記画像受像層には、受像層膜厚よりも体積平均粒子径が大きい微粒子が含まれているため、優れた画像形成装置内走行性と画像転写性(画像濃度、画質)を示した。一方、比較例1は、電子写真用画像転写シートとして画像受像層を設けていないため、転写シート体として不十分の性能であった。
更に、参考例1〜7の各電子写真用画像転写シートを用いて作製された画像記録体は、定着性、画像濃度、画質のいずれにおいても優れ、カード(情報記録媒体)としての品質も良好であった。
<実施例8>
本発明の電子写真用画像転写シート(画像転写シート8)を製造した。以下、その製造方法を工程ごとに説明する。
<電子写真用画像転写シートの作製>
−画像受像層用塗布液Aの調製−
硬化性シリコーン樹脂(固形分:100質量%)(商品名:UVHC1105、GE東芝シリコーン社製)5部、ポリエステル樹脂(商品名:FF−4、綜研化学社製)5部、マット材(シリコーン樹脂微粒子)(平均粒径=4.5μm、GSD=1.5)(商品名:トスパールTP145、GE東芝シリコーン社製)0.5部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)0.5部とを、メチルエチルケトン80部、トルエン10部の混合溶媒に配合して希釈し、画像受像層用塗布液Aを調製した。
−電子写真用画像転写シートの作製−
参考例1と同様にして、ポリエチレンテレフタレート基材(商品名:PET100S−10、東レ社製)の一方の面上に、前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。さらにもう片方の面上に前記得られた受像層用塗布液Aの25g/m2を塗布した。これを、100℃で5分間乾燥させた後、光照射装置を用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、前記ポリエチレンテレフタレート基材上に、前記硬化性シリコーン樹脂とポリエステル樹脂を含有する画像受像層(厚み2.5μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)8を作製した。
得られた電子写真用画像転写シート8の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が5.5×109Ω、裏側が1.8×109Ωであった。更に、転写シート8の画像受像層と基材との間の剥離力を測定したところ4.854N/cm(495gf/cm)であった。
<電子写真用画像転写シートの性能評価>
上記画像転写シート8(画像未形成)の表面に、富士ゼロックス(株)社製カラー複写機DocuColor1250改造機でベタ画像を含むカラーの鏡像画像を印字し、該画像が形成された画像転写シート8を作製した。
この転写シート8の機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。その結果を表2に示す。
−走行性評価−
作製された転写シート8のカラー複写機における走行性は、前記カラー複写機DocuColor1250改造機の手差しトレイに、画像転写シート8を30枚セットし、連続で30枚印字作業を行った時の、ジャム(フィルムつまり)、重送の発生回数をカウントする。評価基準は、発生回数が0回であれば○、1回の場合は△、2回以上の場合は×とした。
−定着性評価−
トナー定着性の評価は、上記電子写真装置にて、転写シート8の表面に定着された画像の画像濃度約1.8のベタ画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製:セロハンテープ)を300g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の、剥離前の画像濃度に対する剥離後の画像濃度の比(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度、以下OD比と略す)を指標として評価した。電子写真用記録媒体としては、一般的に、OD比で0.8以上のトナー定着性が要求される。本評価では、OD比が 0.96以上であるものを◎、0.9以上0.96未満であるものを○、0.8以上0.9未満であるものを△、0.8未満であるものを×とした。
−画像濃度、画質評価−
画像濃度は、ベタ画像部をX−Rite968濃度計(X−Rite社製)で測定し、画像濃度が1.5以上であるものを○、1.3以上1.5未満であるものを△、1.3未満であるものを×とした。
また、画質に関しては、高温高湿条件(28℃、80%RH、A条件)、室温条件(22℃、50%RH、B条件)、低温低湿(15℃、15%RH、C条件)で画像を出力したときの、文字の正確な印字性(印字再現性)を評価した。どの条件でも問題ない場合は○、問題があった場合は問題のあった条件に×を表示した。
−画像転写性−
画像転写性に関しては、被転写体として、表面がPETGで、コアがA−PETであるA4サイズの白色シート(三菱樹脂社製:ディアクレールW2012、厚さ:500μm)を用い、これに、前記転写シート8を画像面で重ね合わせ、ラミネーター(フジプラ(株)社製:ラミパッカーLPD3206 City)を用い、160℃、送り速度0.3m/min(5mm/s)の条件で被転写体と接触され、その後、転写シートを剥がして画像と転写層(画像形成層)とを被転写体に転移(再転写)させた。
評価は、画像受像層が画像と共に、被転写体に完全に転移したものを○、一部基材(基体)に残ったものを△、それ以外を×とした。以上の結果を、表2にまとめて記載した。
(画像記録体の評価)
参考例1における画像支持体の作製において、転写シート1の代わりに転写シート8を用いたこと以外、参考例1と同様にして画像記録体を作製し、以下の評価を行った。
−画像の定着性評価−
トナー画像の定着性の評価は、カード(画像記録体)の表面に転写された画像部に、市販の18mm幅セロハン粘着テープ(ニチバン社製、セロハンテープ)を700g/cmの線圧で貼り付け、10mm/secの速度で剥離した時の、画像の剥がれを評価した。
本評価では、全く問題がなかった場合を◎、画像の剥がれ、乱れが無いものを○、少しでも画像が剥がれたり、乱れた場合を×として評価した。その結果を表2に示す。
−画像濃度、画質評価−
画像濃度は、ベタ画像部をX−Rite967濃度計(X−Rite社製)で測定し、画像濃度が1.8以上であるものを◎、画像濃度が1.5以上1.8未満であるものを○、1.3以上1.5未満であるものを△、1.3未満であるものを×とした。
また、画質に関しては、細線文字の正確な印字転写性(印字再現性)を評価した。画像として1〜5ポイントの数字文字を印字転写後の解像度を文字の判別できるポイント数にて評価し、2ポイント以上の文字が確認できた場合を◎、3ポイント以上の文字が確認できた場合を○、4ポイント以上の文字が確認できた場合を△、5ポイント以上の文字しか確認できなかった場合を×とした。結果を表2に示す。
−表面摩擦摩耗(耐摩擦摩耗)評価−
作製されたカードが磁気カードとして利用される場合を想定し、磁気カードリーダー(エリート社製MR321/PS)にカードを500回連続で通過させ、そのときの傷、摩耗の状況を目視で観察した。まったく変化がない場合は◎、傷が少し入った程度は○、傷筋が大きく目立つ場合は△、画像受像層が剥がれ、画像にまで影響が出ている場合は×とした。その結果を表2に示す。
(実施例9)
−画像受像層用塗布液Bの調製−
熱硬化性シリコーン樹脂(固形分:30質量%)(商品名:SHC−900、GE東芝シリコーン社製)を17部、アクリル樹脂(固形分:45.5質量%)(商品名:M―45C、綜研化学社製)11部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)0.3部、マット材(ポリメチルメタクリレート樹脂微粒子)(平均粒径=5μm)(商品名:MX−500、綜研化学社製)を0.025部とをメチルエチルケトン16部、トルエン4部に配合して希釈し、受像層用塗布液Bを調製した。
−電子写真用画像転写シートの作製−
実施例8と同様にして、ポリエチレンテレフタレート基材(商品名:PET100T−60、東レ社製)の片方の面上に、抵抗調整層を塗布した。次に得られた受像層用塗布液Bの30g/m2をもう一方の面上にワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。その後、室温で10分間乾燥させ、120℃で10分間熱風乾燥機で熱硬化反応を行わせ、前記ポリエチレンテレフタレート基材上に、前記熱硬化性シリコーン樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.5μm)が形成された電子写真用画像転写シート(転写シート)9を作製した。
尚、得られた電子写真用画像転写シート9の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が2.5×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、該基材の可視域の透過率は90%以上であり十分な透明性を有していた。更に、転写シート9の画像受像層と基材との間の剥離力を測定したところ1.422N/cm(145gf/cm)であった。一方、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性を評価した。更に電子写真用画像転写シート9を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例9において、受像層用塗布液Bに硬化性シリコーン化合物としてトリメトキシメチルシラン(商品名:LS−530)、変性シリコーンオイル(商品名:TSF−4702、GE東芝シリコーン社製)をそれぞれ0.05部加えた外は実施例9と同様にして、電子写真用画像転写シート(転写シート)10を得た。電子写真用画像転写シート10の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が4.5×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート10の画像受像層と基材との間の剥離力を測定したところ0.098N/cm(10gf/cm)であった。また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート10を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
(実施例11)
−画像受像用塗布液Cの調製−
硬化性シリコーン樹脂(固形分:100質量%、商品名:UVHC1101、GE東芝シリコーン社製)2部、ポリエステル樹脂(商品名:バイロン885、東洋紡績社製)8部、マット材(シリコーン樹脂微粒子、平均粒径=4.5μm、GSD=1.5、商品名:トスパールTP145、GE東芝シリコーン社製)0.5部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)0.5部とを、メチルエチルケトン80部、トルエン10部の混合溶媒に配合して希釈し、画像受像用塗布液Cを調製した。
−電子写真用画像転写シートの作製−
実施例8と同様にして、ポリエチレンテレフタレート基材(商品名:PET100S−10、東レ社製)の一方の面上に、ワイヤーバーで、抵抗調整層を均一な厚みとなるように形成した。さらにもう片方の面上に受像層用塗布液Cの25g/mを塗布した。これを、100℃で5分間乾燥させ、前記ポリエチレンテレフタレート基材上に、画像受像層(厚み2.5μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)11を作製した。
得られた転写シート11の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が5.5×1010Ω、裏側が1.8×10Ωであった。また、転写シート11の基材と画像受像層との間の剥離力を測定したところ4.51N・cm(460gf/cm)であった。更に、実施例8と同様に、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性を評価した。その結果を表2に示す。
転写シート8の代わりに、転写シート11を用いたこと以外、実施例8と同様にして、画像記録体を作製した。その後、高圧水銀ランプを用いて、約20cmの照射距離から160W/cmの強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、表面加工された画像記録体とし、実施例8と同様に評価した。その結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例8における画像受像層用塗布液Aの調製において、硬化性シリコーン樹脂を除き、ポリエステル樹脂を10部とした以外は実施例8と同様にして電子写真用画像転写シート(転写シート)12を作製した。転写シート12の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が2.9×109Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート12の画像受像層と基材との間の剥離力を測定したところ0.245N/cm(25gf/cm)であった。また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート12を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例9における画像受像層用塗布液Bの調製において、熱硬化性シリコーン樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂(商品名:FF−4、綜研化学社製)を用い、また、帯電制御剤である4級アンモニウム塩を用いない以外は実施例9と同様にして電子写真用画像転写シート13を作製した。電子写真用画像転写シート13の表面抵抗率は、画像受像層側(オモテ側)が6.8×1015Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート13の画像受像層と基材との間の剥離力を測定したところ0.275N/cm(28gf/cm)であった。また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート13を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004645553
表2より、実施例8〜11は、優れた画像形成装置内の走行性と画像転写性(画像濃度、画質)を示すことがわかる。
(実施例12)
−画像受像層用塗布液Dの調製−
硬化性シリコーン樹脂(固形分:100質量%、商品名:UVHC1105、GE東芝シリコーン社製)10部、マット材(シリコーン樹脂微粒子、平均粒径=4.5μm、GSD=1.5、商品名:トスパールTP145、GE東芝シリコーン社製)0.5部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)2部とをイソプロピルアルコール90部に配合して希釈し、画像受像層用塗布液Dを調製した。
−電子写真用画像転写シートの作製−
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。更に、得られた受像層用塗布液Dの25g/m2を、離型層上に、ワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。これを、120℃で5分間乾燥させた後、光照射装置を用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、前記離型層付きポリエチレンテレフタレート基材上に、前記光硬化性アクリルシリコーン樹脂等を含有する画像受像層(厚み1.5μm)が設けられた電子写真用画像転写シート14を作製した。
尚、得られた電子写真用画像転写シート14の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が3.5×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、電子写真用転写シート14の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。
また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート14を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例13)
−画像受像層用塗布液Eの調製−
熱硬化性シリコーン樹脂(固形分:30質量%、商品名:SHC−900、GE東芝シリコーン社製)を10部、硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイル混合物(商品名:SIC−434、松本製薬社製)を0.05部と、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)を2部と、マット材(シリコーン樹脂微粒子、平均粒径=4.5μm、GSD=1.5、商品名:トスパールTP145、GE東芝シリコーン社製)を0.025部とを酢酸エチル20部に配合して希釈し、画像受像層用塗布液Eを調製した。
−画像記録体の作製−
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。更に、得られた受像層用塗布液Eの30g/m2を、離型層上に、ワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。その後、室温で10分間乾燥させ、120℃で10分間熱風乾燥機で熱硬化反応を行わせ、前記離型層が形成された基材上に、前記熱硬化性シリコーン樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.5μm)が形成された電子写真用画像転写シート15を作製した。
尚、得られた電子写真用画像転写シート15の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が2.5×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、該基材の可視域の透過率は90%以上であり十分な透明性を有していた。更に、電子写真用転写シート15の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.539N/cm(55gf/cm)であった。一方、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート15を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例14)
実施例12の画像受像層用塗布液Dの調製で用いた硬化性シリコーン化合物(固形分:100質量%、商品名:UVHC1105、GE東芝シリコーン社製)を5部、実施例13の画像受像層用塗布液Eの調製で用いた熱硬化性シリコーン化合物(固形分:30質量%)(商品名:SHC−900、GE東芝シリコーン社製)を17部、SIC−434の代わりに、硬化性シリコーン化合物としてトリメトキシメチルシラン(商品名:LS−530)、変性シリコーンオイル(商品名:TSF−4702、GE東芝シリコーン社製)をそれぞれ0.05部、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製)2部を酢酸エチル80部に配合して希釈し、画像受像層用塗布液Fを調製した。
画像受像層用塗布液Dの代わりに画像受像層用塗布液Fを用いたこと以外実施例12と同様にして、電子写真用画像転写シート(転写シート)16を得た。得られた転写シート16の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.9×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート16の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.098N/cm(10gf/cm)であった。また、実施例8と同様に耐傷性、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート16を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
(比較例4)
実施例12において、離型層が形成された基材(商品名:PET100SG−2、パナック社製)の代わりに、離型層のないPET基材(商品名:PET100T−60、パナック社製)を用いたほかは、実施例12と同様にして電子写真用画像転写シート(転写シート)17を作製した。電子写真用画像転写シート17の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が2×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、電子写真用転写シート17の基材と画像受像層との間の剥離力を測定したところ測定不能なほど強固に接着してあった。また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート17を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
(比較例5)
実施例13において、熱硬化性シリコーン樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂(商品名:FF−4、綜研化学社製)を用い、また、帯電制御剤としての4級アンモニウム塩を用いない以外は実施例13と同様にして電子写真用画像転写シート(転写シート)18を作製した。電子写真用画像転写シート18の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.5×1015Ω、裏側が1.8×109Ωであった。転写シート18の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.275N/cm(28gf/cm)であった。また、実施例8と同様に耐傷性、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート18を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004645553
表3より、実施例12〜14は、優れた画像形成装置内の走行性と画像転写性(画像濃度、画質)を示すことがわかる。
参考例15
−画像受像層用塗布液Gの調製−
光硬化性ウレタンアクリレートモノマー(商品名:カレンズAOI、昭和電工社製)、光硬化開始剤(イルガキュア184)5mol%、マット材(シリコーン樹脂微粒子)(平均粒径=4.5μm、GSD=1.5)(商品名:トスパールTP145、GE東芝シリコーン社製)をモノマー質量に対して0.5質量%、帯電制御剤として4級アンモニウム塩(商品名:エレガン264WAX、日本油脂社製))をモノマー質量に対して5質量%を加え、メチルエチルケトン/トルエン(4:1質量比)の混合溶媒で希釈し、画像受像層用塗布液Gを調製した。
−電子写真用画像転写シートの作製−
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。更に、得られた画像受像層用塗布液Gの25g/m2を、離型層上に、ワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。これを、100℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプを用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、前記離型層付きポリエチレンテレフタレート基材上に、前記光硬化性ウレタンアクリレート樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.1μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)19を作製した。尚、得られた電子写真用画像転写シート19の表面抵抗は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.5×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート19の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ3.432N/cm(350gf/cm)であった。
電子写真用画像転写シート19について、以下の自己修復性測定を実施した。
23℃、相対湿度55%の雰囲気下で、10cm×10cmのカラーOHPフィルム(カラーOHPフィルムHG)を両面テープで測定台に固定し、この上に10cm×10cmの被測定物(電子写真用画像転写シート)を画像受像層側を内側にして重ね合わせ、この上に500gの重りを載せ、被測定物のみを水平に10cm動かす行為を100回繰り返した。上述の一連の動作の前後のヘイズ値を測定したところ、動作の前後のヘイズ値の差は7.5%であった。該ヘイズ値の差が10%以下の場合を○、10%を超えた場合を×とした。また、実施例8と同様に機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート19を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表4に示す。
(実施例16)
−画像受像層用塗布液Hの調製−
参考例15における画像受像層用塗布液Gの調製において、光硬化性シリコーン樹脂(商品名:UVHC―1105、GE東芝シリコーン社製)を、光硬化性ウレタンアクリレートモノマーと光硬化性シリコーン樹脂とが質量比で1:1となるように添加し、さらに硬化性シリコーン化合物及び変性シリコーンオイル混合物(商品名:SIC−434、松本製薬社製)を樹脂に対して0.5質量%加えた他は、参考例15と同様にして画像受像層用塗布液Hを調製した。
−画像記録体の作製−
基体であるPETフィルム(商品名:PET−T60、パナック社製)を用い、この基体の一方の面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。更に、上記基材(基体)のもう一方の面上に、得られた受像層用塗布液Hの30g/m2をワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。100℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプを用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、PET基材上に、前記自己修復性光硬化性樹脂と光硬化性アクリルシリコーン樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.5μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)20を作製した。
得られた電子写真用画像転写シート20の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が3.5×1011Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、電子写真用転写シート20の基体と画像受像層との間の剥離力を測定したところ4.413N/cm(450gf/cm)であった。更に、該基材の可視域の透過率は90%以上であり十分な透明性を有していた。一方、参考例15と同様に自己修復性測定、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート20を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表4に示す。
(実施例17)
実施例16における画像受像層用塗布液Hの調製において、光硬化性シリコーン化合物を熱硬化性シリコーン化合物((商品名:SHC−900、GE東芝シリコーン社製)に代えた他は実施例16と同様にして画像受像層用塗布液Iを調製した。
基体であるPETフィルム(商品名:PET−T60、パナック社製)を用い、この基体の一方の面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。更に、上記基材のもう一方の面上に、得られた画像受像層用塗布液Iの30g/m2を、ワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。120℃で10分間熱硬化反応を行わせ後、高圧水銀ランプを用いて、約20cmの照射距離から160W/cm2の強度で1分間照射して、光硬化反応を行わせ、PET基材上に、前記自己修復性光硬化性樹脂と熱硬化性アクリルシリコーン樹脂等を含有する画像受像層(厚み2.3μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)21を作製した。得られた電子写真用画像転写シート21の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.9×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート21の基体(基体)と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.451N/cm(50gf/cm)であった。また、参考例15と同様に自己修復性測定、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート21を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表4に示す。
(比較例6)
参考例15において、光硬化性ウレタンアクリレートモノマーと光硬化開始剤の代わりにポリエステル樹脂(商品名:FF−4、綜研化学社製)を用いた他は参考例15と同様にして受像層用塗布液Jを調製した。
基体として片面にフッ素樹脂を含んだ離型性熱硬化樹脂層(離型層)が付与されたPETフィルム(パナック社製、PET100SG−2、厚み:101μm)を用い、この基体のもう一方の(未処理)面に前記抵抗調整層塗工液1をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30秒乾燥させ、基体裏面側に膜厚0.2μmの抵抗調整層を形成した。この基体の離型性熱硬化樹脂層の面上に、得られた受像層用塗布液Jをワイヤーバーで、均一な厚みとなるように塗布した。100℃で10分間画像受像層(厚み2.6μm)が設けられた電子写真用画像転写シート(転写シート)22を作製した。電子写真用画像転写シート22の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.9×1010Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、転写シート22の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.294N/cm(30gf/cm)であった。また、参考例15と同様に自己修復性測定、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート22を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例16において、光硬化性シリコーン樹脂の代わりに、ポリエステル樹脂樹脂(商品名:FF−4、綜研化学社製)を用い、また、帯電制御剤としての4級アンモニウム塩を用いない以外は実施例16と同様にして電子写真用画像転写シート(転写シート)23を作製した。電子写真用画像転写シート23の表面抵抗率は、25℃、65%RHの条件で画像受像層側(オモテ側)が4.5×1015Ω、裏側が1.8×109Ωであった。また、電子写真用画像転写シート23の離型層と画像受像層との間の剥離力を測定したところ0.343N/cm(35gf/cm)であった。また、参考例15と同様に自己修復性測定、機内搬送における走行性、画像の定着性、画像印字後の画像濃度、被転写体との画像再転写性などを評価した。更に電子写真用画像転写シート23を用いて、実施例8と同様に画像記録体を作製し、評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0004645553
表4より、参考例15、及び実施例16〜17は、優れた画像形成装置内走行性と画像転写性(画像濃度、画質)を示すことがわかる。
本発明の画像転写シートの第一の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の画像転写シートの第二の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の画像転写シートの第三の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の画像転写シートの第四の形態の一例を示す概略断面図である。 (A)は、電子写真用転写シート100と、被転写体である画像支持体200とを重ね合わせて積層体を構成したときの状態を示す概略断面図であり、(B)は、電子写真用転写シート100と、画像支持体200とを重ね合わせた積層体から、電子写真用転写シート100を剥離した状態を示す概略断面図である。 本発明の画像記録体の作製装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 画像記録体の作製装置
12 画像形成装置
14 丁合い装置
16 ラミネート装置(加熱圧着部)
17 剥離装置(剥離部)
18 転写シートスタッカー(電子写真用画像転写シート収納部)
20 画像形成部
19 エア噴出ノズル
21a、21b ガイド
22 転写シート(電子写真用画像転写シート)
24,26,40,42,60 搬送路
26a 反転路
28 排出口
32 カム
34 プラスチックシートスタッカー(画像支持体収納部)
36 丁合いトレイ
38,200 プラスチックシート(画像支持体)
44 仮止め装置
46 ベルト
48 加熱・加圧ロール
50 張架ロール
52,54 ロール
56 排出トレイ
57 転写シート排出トレイ
100 電子写真用転写シート
110 基体
120 離型層
130 硬化性樹脂層
140,150,160,170,180 画像受像層
190 画像形成材料
200 画像支持体

Claims (11)

  1. 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、
    前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、
    前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層であることを特徴とする電子写真用画像転写シート。
  2. 前記画像受像層と、前記基体又は該基体側に隣接する層との間の剥離力は、0.098N/cm以上4.90N/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  3. 前記画像受像層は、変性シリコーンオイルを含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  4. 前記基体の表面に前記画像受像層が設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂と、硬化性シリコーン樹脂以外の樹脂との混合樹脂を含有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  5. 前記基体の画像受像層が設けられている面に、該基体側から離型層、及び画像受像層が順次設けられており、該画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  6. 前記基体の少なくとも一方の面に、画像受像層が設けられており、該画像受像層は、光硬化性樹脂を含有し、自己修復性を有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写シート。
  7. 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写されることにより、画像情報が記録されていることを特徴とする画像記録体。
  8. 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、光硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写され、
    更に、転写後、光硬化装置を用いて前記画像受像層を硬化処理したことを特徴とする画像記録体。
  9. 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂と光硬化性樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの画像受像層が設けられた側の面に、電子写真法により鏡像で画像形成材料からなる画像が形成されている画像面を、少なくとも画像支持体の片面と加熱圧着し、画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記電子写真用画像転写シートを前記画像支持体から剥離して、画像支持体に画像形成材料が転写され、
    更に、転写後、光硬化装置を用いて前記画像受像層を硬化処理したことを特徴とする画像記録体。
  10. 基体の同一面上に、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートの前記画像受像層が設けられた側の面に、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
    前記電子写真用画像転写シートを、少なくとも画像支持体の片面と前記画像が形成された面とが対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、
    前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
    前記画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記画像支持体から電子写真用画像転写シートを剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とする画像記録体の作製方法。
  11. 基体のオモテ面および裏面それぞれにおいて、画像受像層を含む少なくとも1層の層が設けられ、前記画像受像層は、硬化性シリコーン樹脂を含有する層であり、前記画像受像層は、前記基体、又は該基体側に隣接する層から、剥離可能な層である電子写真用画像転写シートのオモテ面および裏面それぞれに、電子写真方式により鏡像で画像形成材料からなる画像を形成する画像形成工程と、
    前記電子写真用画像転写シートを、前記画像が形成されたそれぞれの面に、画像支持体のオモテ面または裏面が対面するように重ね合わせ積層体とする位置決め工程と、
    前記位置決めされた積層体を加熱圧着する加熱圧着工程と、
    前記画像形成材料が冷却した後、前記画像受像層を前記基体、又は該基体側に隣接する層から剥離させることにより、前記画像支持体から前記電子写真用画像転写シートを剥離して、画像形成材料が画像支持体に転写されることで画像が記録される剥離工程と、を少なくとも含み、
    1枚の電子写真用転写シートから2枚の画像記録体を作製することを特徴とする画像記録体の作製方法。
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