JP3579539B2 - 熱転写プリンタの中間転写体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、普通紙やボンド紙等の記録媒体に高画質記録を高速に記録可能な熱転写プリンタの中間転写体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、従来からある熱転写プリンタは、サーマルヘッドでインクリボン上の溶融インクを軟化させて用紙等の記録媒体に転写記録するようにされている。
【0003】
このような一般的な熱転写プリンタにより高画質の記録(印字)を行うためには、表面が平滑な専用の記録媒体が用いられている。
【0004】
ところで、近年においては、表面の凹凸が大きい普通紙やボンド紙等の安価な記録媒体にボイド等の欠陥のない高画質の印字を行うために、サーマルヘッドの発熱により溶融したインクリボン上の溶融インクを、一旦、表面がシリコーンゴム等で形成されたロール状またはベルト状の中間転写体上に熱転写記録して中間転写体上にインク画像(一次記録画像)を書き込み、次に、中間転写体上に書き込まれたインク画像を記録媒体に再転写する中間転写方式の熱転写プリンタが提案されている。
【0005】
このような中間転写方式の熱転写プリンタに用いられる中間転写体には、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とを付与する必要があり、特に再転写時においては、中間転写体の表面の高い離型性が求められている。
【0006】
このような要求に対応する従来例としては、特開平5−338368号公報に開示されているように、シリコーンゴムの離型性を向上させるためシリコーンゴムにジメチルシリコーンオイル、アミノ変成やエポキシ変成等の反応性シリコーンオイル、100℃以下で固体のカルナバ変成シリコーンオイル等の離型剤を添加した転写層を有する中間転写体が提案されている。
【0007】
このような従来の離型剤を添加したシリコーンゴムにより形成された転写層を有する中間転写体は、一般的なシリコーンゴムにより形成された転写層を有する中間転写体と比較すると、インクに対する離型性が向上し、普通紙やボンド紙等の記録媒体に対して高画質の印字を行うことが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のジメチルシリコーンオイル、アミノ変成やエポキシ変成等の反応性シリコーンオイル、100℃以下で固体のカルナバ変成シリコーンオイル等の離型剤をシリコーンゴムに添加した転写層を有する中間転写体においては、初期の離型性および経時的な離型性について未だ不十分な点もあり、特に、再転写時において高い転写圧を必要とし、熱転写プリンタ自体の小型化、コストダウンが困難であるという問題点があった。
【0009】
そこで、本出願人らは、かかる問題点に対処するため特願平7−82517号において中間転写体の転写層の少なくとも表層の材料が、
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサン、
(c)下記式(1)
[式中R1 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基である。また、R2 は同一の又は異なる基でメチル基、フェニル基であり、かつ各分子中の全R2 のうち1〜30モル%がフェニル基である。また、nは正の整数である。]で表される非反応性オルガノポリシロキサン、および
(d)ヒドロシリル化反応触媒、
を含有してなる無機系充填剤を含まないシリコーンゴムからなることを特徴とする熱転写プリンタの中間転写体を提案した。
【0010】
そして、このような構成を採用した熱転写プリンタの中間転写体によれば、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とを長期間に亘り確実に保持することができるとともに、表面の凹凸が大きい普通紙やボンド紙等の記録媒体に対して高画質の印字を行うことができるという優れた効果を有している。さらに、再転写時の転写圧を低圧とすることができるので、この熱転写プリンタの中間転写体を用いる熱転写プリンタの大きさおよび構造強度を引き下げることができ、熱転写プリンタの小型化およびコストダウンを図ることができるという優れた効果を併せ持っている。
【0011】
ところで、近年の熱転写プリンタにおいては、高性能化が常に図られており、熱転写プリンタの高性能化に伴い熱転写プリンタの中間転写体においてもインク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とをより長期間に亘り確実に保持することのできる長寿命のものが望まれている。
【0012】
本発明は、上記課題を解決しインク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とを長期間に亘り確実に保持することができる熱転写プリンタの中間転写体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため、本発明者らは、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性との両者の機能を充分に満足することができるとともに、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とをより長期間に亘り確実に保持することができる長寿命の熱転写プリンタの中間転写体について鋭意研究を行った結果、再転写時の再転写性に関し、表層の構成成分である前記式(1)で表される非反応性オルガノポリシロキサンの内添効果が大きく寄与することを見い出し、本発明を完成したものである。
【0014】
すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の熱転写プリンタの中間転写体の特徴は、転写層を有する中間転写体に熱転写によりインク画像を書き込み、その後、中間転写体に書き込まれたインク画像を記録媒体に再転写する中間転写方式の熱転写プリンタの中間転写体であって、
前記転写層が表層と中間層とを有し、
前記表層の材料が、
無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴム100重量部に対し、
25℃における粘度が100〜100000cpsの下記式(1)
[式中R1 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基である。また、R2 は同一のまたは異なる基でメチル基、フェニル基であり、かつ各分子の全R2 のうち1〜30モル%がフェニル基である。また、nは正の整数である。]で表される非反応性オルガノポリシロキサン1〜20重量部を含有してなるシリコーンゴムからなり、
前記中間層の材料が、
付加型シリコーンゴム100重量部に対し、
25℃における粘度が100〜100000cpsの上記式(1)で表される非反応性オルガノポリシロキサン1〜20重量部を含有してなるシリコーンゴムからなる点にある。
【0015】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載の本発明の熱転写プリンタの中間転写体の特徴は、請求項1において、前記転写層の表層の無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムが、
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(b)下記式(2)
[式中R3 は水素原子または脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基、R4 およびR5 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、R4 およびR5 は互いに同一の基でも異なる基であってもよい。 また、式中aは3以上の整数であり、bは0以上の整数であって、ただしa/(a+b)の比が0.7以上1.0以下である。]
で表されるオルガノハイドロジエンポリシロキサン、および
(c)ヒドロシリル化反応触媒、
を含有してなる点にある。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載の本発明の熱転写プリンタの中間転写体の特徴は、請求項1または請求項2において、前記転写層の表層のシリコーンゴムが厚さ5〜200μm、ゴム硬度10〜50(JIS A)である点にある。
【0017】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の本発明の熱転写プリンタの中間転写体の特徴は、請求項1または請求項2において、前記転写層の中間層のシリコーンゴムが厚さ0.1〜3.0mm、ゴム硬度15〜70(JIS A)である点にある。
【0018】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の転写層は、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性およびインク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性の両者の機能を充分に満足するために必要な表層と、長期間に亘り安定した再転写性を得るために必要な表層に対する内添離型剤供給層として機能する中間層とを有する構成とされている。
【0019】
本発明の転写層の表層および中間層に含有される前記式(1)で示される非反応性オルガノポリシロキサンは、本発明の特徴をなす成分であり、転写層のインクに対する離型性の向上に大きく寄与する。
【0020】
前記式(1)において、R1 で表される脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基や、3,3,3−トリフロロプロピル基のようにこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが例示され、好ましくはメチル基である。また、R2 は同一のまたは異なる基でメチル基、フェニル基である。この非反応性オルガノポリシロキサンの各分子中の全R2 のうち1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%がフェニル基であることが必要となる。フェニル基の含有が1モル%より少ない場合には、付加型シリコーンゴムのベース成分である後述するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの相溶性が高くなり、ベース成分に取り込まれやすく、転写層の表層にブリードして均一な離型層を形成するのが難しい。
【0021】
また、フェニル基の含有が30モル%より多い場合には、ベース成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとの相溶性が低すぎ、転写層の表層へのブリードが過度に起きるため、書き込み性が悪化したり、均一な離型層が形成できなかったり、離型性の経時変化が大きく長期間に亘り安定した離型性を保持することができない等の不都合が生じる。このように、フェニル基の含有量を1〜30モル%とすることにより、過度の離型剤のブリードを防ぎ、常に均一な離型層を形成することができ、初期特性および耐久性の点でも充分な離型性を得ることができる。
【0022】
さらにまた、非反応性オルガノポリシロキサンの粘度は、良好な離型性が得られる点で、25℃において100〜100000cpsであることが好ましく、特に300〜10000cpsが好適である。この非反応性オルガノポリシロキサンの粘度が100cpsより小さいと非反応性オルガノポリシロキサンが基材の付加型シリコーンゴム中に取り込まれて離型効果を発揮しにくい傾向があり、非反応性オルガノポリシロキサンの粘度が100000cpsより大きいと表層へのブリード速度が遅く効果的に表層に離型層を形成するのが困難となる傾向がある。
【0023】
また、付加型シリコーンゴムに対する非反応性オルガノポリシロキサンの含有量は、中間転写体の転写層を形成する表層および中間層の何れにおいても付加型シリコーンゴム100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましく、特に5〜15重量部が好適である。この付加型シリコーンゴムに対する非反応性オルガノポリシロキサンの含有量が1重量部より少ないと初期の離型性は良好であるが長期間に亘り安定した離型性を保持することが困難となり、付加型シリコーンゴムに対する非反応性オルガノポリシロキサンの含有量が20重量部を越えると基材となる付加型シリコーンゴムの強度の低下や硬度の低下等の物性が低下し、例えば、表層においては強度の低下等により耐摩耗性が著しく低下する。
【0024】
さらに、付加型シリコーンゴムに対する非反応性オルガノポリシロキサンの含有量は、1〜20重量部の範囲内であれば中間転写体の転写層を形成する表層および中間層において同一の量であっても異なる量であってもよい。但し、表層より中間層に非反応性オルガノポリシロキサンを多く含有させることが、表層の物性の低下を防ぐとともに、長期間に亘りバランス良く離型性を保持するうえで好ましい。
【0025】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の表層に用いるシリコーンゴムは、(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンおよび(c)ヒドロシリル化反応触媒を含有し、通常のシリコーンゴムに配合されるシリカ等の無機系充填剤を含まない成分構成からなる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムとすることが肝要であり、無機系充填剤を添加した場合には、離型性が著しく低下する。
【0026】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の表層に用いる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムの構成成分である(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、単位構造式−R6 R7 SiO−を有しR6 およびR7 はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基のようにこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したもの、ビニル基、アリル基等の炭素原子2〜3のアルケニル基が例示され、このうち特にメチル基、ビニル基が好ましい。また、末端はジメチルビニルシリル基、トリメチルシリル基が例示される。この(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において100〜100000cpsであり、特に、300〜10000cpsが好ましい。さらに、この(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上のアルケニル基を有するものが好ましい。
【0027】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の表層に用いる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムの構成成分である(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対し架橋剤として作用するものであり、分子中にケイ素原に結合した水素原子を2個以上有していれば特に制限されないが、前記式(2)で表されるものが好ましい。
【0028】
前記式(2)において、R3 は水素原子または脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、この一価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基のようにこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが例示され、R3 として特に好ましいのは水素原子またはメチル基である。
【0029】
前記式(2)において、R4 及びR5 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、R3 に例示したものが例示され、特にメチル基が好ましい。
【0030】
また、成分(b)が成分(a)と架橋して所望の転写層を形成するためには、前記式(2)において、aは3以上の整数であり、bは0以上の整数である。そして、この転写層の表層を構成する材料と下層の中間層との密着性を上げ、インクとの離型性を上げる効果を充分に発揮するためには、架橋密度を上げる必要があり、a/(a+b)が0.7以上1.0以下であることが好適である。
【0031】
前記(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、25℃における粘度が通常1000cps以下であることが好ましい。また、(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンの配合量は、(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基1個当たり、少なくともケイ素に結合した水素の数が1個となる割合で配合することが好ましく、特に、アルケニル基1個当たりケイ素に結合した水素の数が1〜5個となるような割合で配合することがより好ましい。
【0032】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の表層に用いる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムの構成成分である(c)ヒドロシリル化反応触媒は、(a)成分と(b)成分との付加反応(ヒドロシリル化)を促進する触媒であり、通常当業者には周知である白金族金属系触媒、即ち白金系、パラジウム系およびロジウム系の触媒が用いられ、特に白金系のものが好適に用いられる。白金系触媒としては、例えば白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィン、アルコール、アルデヒド、ビニルシランもしくはビニルシロキサン等との錯体が例示される。これら(c)ヒドロシリル化反応触媒の配合量は、(a)成分100重量部に対して、白金族金属換算で通常1〜500ppmであり、好ましくは5〜20ppmである。
【0033】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の表層に用いる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムには、必要に応じて、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変成アセチレンアルコール類等の付加反応を抑制するための反応抑制剤を添加することも可能である。
【0034】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いるシリコーンゴムは、表層との密着性を良好なものとするために、(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサン、(c)ヒドロシリル化反応触媒および(d)充填剤を含有する成分構成からなる付加型シリコーンゴムとすることが肝要である。
【0035】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いる付加型シリコーンゴムの構成成分である(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、単位構造式−R6 R7 SiO−を有しR6 およびR7 はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基のようにこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したもの、ビニル基、アリル基等の炭素原子2〜3のアルケニル基が例示され、このうち特にメチル基、ビニル基が好ましい。また、末端はジメチルビニルシリル基、トリメチルシリル基が例示される。この(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において100〜100000cpsであり、特に、300〜10000cpsが好ましい。さらに、この(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、一分子中に2個以上のアルケニル基を有するものが好ましい。
【0036】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いる付加型シリコーンゴムの構成成分である(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、下記式(3)
で示され、(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに対し架橋剤として作用するものであり、分子中にケイ素原に結合した水素原子を2個以上有していれば特に制限されない
前記式(3)において、R8 は水素原子または脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、この一価の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、3,3,3−トリフロロプロピル基のようにこれらの炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが例示され、R8 として特に好ましいのは水素原子またはメチル基である。また、前記式(3)において、R9 及びR10は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、R8 に例示したものが例示され、特にメチル基が好ましい。さらに、前記式(3)において、cおよびdは1以上の整数である。
【0037】
前記(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンは、25℃における粘度が通常1000cps以下であることが好ましい。また、(b)オルガノハイドロジエンポリシロキサンの配合量は、(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基1個当たり、少なくともケイ素に結合した水素の数が1個となる割合で配合することが好ましく、特に、アルケニル基1個当たりケイ素に結合した水素の数が1〜5個となるような割合で配合することがより好ましい。
【0038】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いる付加型シリコーンゴムの構成成分である(c)ヒドロシリル化反応触媒は、(a)成分と(b)成分との付加反応(ヒドロシリル化)を促進する触媒であり、通常当業者には周知である白金族金属系触媒、即ち白金系、パラジウム系およびロジウム系の触媒が用いられ、特に白金系のものが好適に用いられる。白金系触媒としては、例えば白金黒、塩化白金酸、塩化白金酸とエチレン等のオレフィン、アルコール、アルデヒド、ビニルシランもしくはビニルシロキサン等との錯体が例示される。これら(c)ヒドロシリル化反応触媒の配合量は、(a)成分100重量部に対して、白金族金属換算で通常1〜500ppmであり、好ましくは5〜20ppmである。
【0039】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いる付加型シリコーンゴムの構成成分である(d)充填剤は、シリコーンゴムの機械的強度の向上、熱伝導性の向上、導電性を得る等の必要に応じて配合されるものであり、一般的なシリコーンゴムに用いられている各種の充填剤を用いることができる。
【0040】
前記充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、石英粉末等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム等の熱伝導性充填剤、カーボンブラック、ニッケル、銀、ガラス表面に銀コートを施したもの等の導電性充填剤等を例示することができる。
【0041】
本発明の熱転写プリンタの中間転写体の中間層に用いる付加型シリコーンゴムには、必要に応じて、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変成アセチレンアルコール類等の付加反応を抑制するための反応抑制剤を添加することも可能である。また、耐熱性向上剤、難燃性向上剤等の添加剤を配合してもよい。
【0042】
なお、本発明の熱転写プリンタの中間転写体の転写層は、それぞれ特に1層とすることに限定されるものではなく、例えば、表層を2層構造としたり、中間層を2層構造とする等必要に応じて各層を多層構造とすることも可能である。
【0043】
また、本発明の熱転写プリンタの中間転写体の転写層の表層の形成には、スプレーコート、ディップコート、ナイフコート等の一般的な周知の方法を用いて形成することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態により説明する。
【0045】
まず、本発明に係る熱転写プリンタの中間転写体の実施の形態の一例を図1により説明する。
【0046】
図1は本発明に係る熱転写プリンタの中間転写体の実施の形態の一例を示す模式図である。
【0047】
本実施の形態の熱転写プリンタの中間転写体1は、略円筒形状に形成された金属ロール2の外周面がゴム製の転写層3により覆われて全体としてロール状に形成されている。この転写層3の構成は、実験の結果、図1に示すように、金属ロール2の外周面から順に中間層4および表層5を有する2層構造とするのが好適であった。
【0048】
前記中間層4は、金属ロール2の外周面に形成され、中間転写体1に対する後述するサーマルヘッド6の密着性を向上させ、中間転写体1にインクを安定的に転写するとともに、再転写時における荷重の低圧化および均一化を図り、再転写性能を向上させることができ、さらに安定的に表層5への離型剤の供給を行うために、厚みは0.1〜3.0mm、ゴム硬度15〜70(JIS A)の前記式(1)で示される非反応性オルガノポリシロキサンを含有した付加型シリコーンゴムとすることが肝要であり、実験の結果、厚み0.5mm程度、ゴム硬度30(JIS A)程度の前記式(1)で示される非反応性オルガノポリシロキサンを含有した付加型シリコーンゴムが好適であった。
【0049】
本実施の形態の中間層4は、付加型シリコーンゴム100重量部に対して、25℃における粘度が2000cpsで、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ジフェニルシリキサン単位を6モル%含有するメチルフェニルポリシロキサンである非反応性オルガノポリシロキサンを10重量部配合したものとした。
【0050】
前記表層5は、インク画像を中間転写体1に書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体7に再転写する再転写時の再転写性が良好である必要があり、本実施の形態の表層5は、
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとしての25℃における粘度が400cpsで、両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100重量部に対して、
(b)前記式(2)で表されるオルガノハイドロジエンポリシロキサンとしての下記式(4)
で表されるオルガノハイドロジエンポリシロキサンを2.2重量部、
(c)ヒドロシリル化反応触媒としての塩化白金酸の2重量%アルコール溶液を0.5重量部
を配合してなる無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴム100重量部に対して、
前記式(1)で表される非反応性オルガノポリシロキサンとしての25℃における粘度が2000cpsで、両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、ジフェニルシリキサン単位を6モル%含有するメチルフェニルポリシロキサンである非反応性オルガノポリシロキサンを5重量部配合した厚み40μmm程度、ゴム硬度31(JIS A)程度の無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムとした。
【0051】
このような構成の中間転写体1を後述する熱転写プリンタ8に用いることにより、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体7に再転写する再転写時の再転写性とを長期間に亘り確実に保持することができるとともに、普通紙やボンド紙等の記録媒体7に対して高画質の印字を行うことが可能となる。
【0052】
なお、中間転写体1としては、無端状の金属ベルトまたはポリイミドのようなシームレスフィルムからなるベルト基体の外周面を転写層3によって覆うことにより全体としてベルト状に形成してもよい。
【0053】
つぎに、本実施の形態の中間転写体1を用いた熱転写プリンタ8の実施の形態の一例を図2により説明する。
【0054】
図2は本発明に係る熱転写プリンタの中間転写体を用いた熱転写プリンタの実施の形態の一例の要部を示す構成図である。
【0055】
図2に示すように、本実施の形態の熱転写プリンタ8は、プリンタ本体(図示せず)内に、前述した中間転写体1(図1)が配設されている。この中間転写体1は、円筒形をなす転写プラテンと称されるプラテンの機能を有しており、中間転写体1は、ステッピングモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力の伝達を受けて回転可能とされている。また、中間転写体1の転写層3の外周面は円滑にされており、中間転写体1の内部には、中間転写体1へのインクの書き込み(転写)温度と、記録媒体7へのインクの再転写および定着のための温度を付与するヒータ9が配設されており、前記中間転写体1の表面温度が50℃程度になるように制御されている。
【0056】
なお、中間転写体1を構成する金属ロール2を、金属体に電熱線が埋め込まれているカートリッジヒータとすることにより、中間転写体1の内部にヒータ9を配設しない構成としてもよい。
【0057】
前記中間転写体1の左斜め下方には、サーマルヘッド6が配設されている。このサーマルヘッド6は、図示しない駆動機構により図2において矢印Aおよび矢印Bにて示すように、中間転写体1に対して接離自在とされている。また、サーマルヘッド6には、複数の発熱素子(図示せず)が配置されており、印字情報に基づいて選択的に発熱可能とされている。そして、サーマルヘッド6と中間転写体1との当接位置が、インクリボン10のインクを中間転写体1に書き込む転写位置WPとされている。
【0058】
前記中間転写体1とサーマルヘッド6との間には、インクリボン10が供給されるようになっている。このインクリボン10は、図2において矢印Cにて示すように、下方から左斜め上方に向かって走行可能とされており、順次、図2において左方に巻取られる構成とされている。そして、転写位置WPにおいて中間転写体1と対向するインクリボン10の表面には、所望の熱溶融性インク(図示せず)が塗布されている。
【0059】
前記中間転写体1の上方には、金属により略円筒形状に形成された金属ロールからなる回転自在なプレッシャーローラ11が配置されている。このプレッシャーローラ11は、図示しない駆動機構により図2において矢印Dおよび矢印Eにて示すように図2において上下方向に移動自在とされ、中間転写体1に対して接離自在にされている。そして、プレッシャーローラ11と中間転写体1との当接位置が、転写位置WPにおいて中間転写体1の表面に転写されたインクリボン10のインクによるインク画像12を記録媒体7に再転写する再転写位置RPとされている。
【0060】
なお、プレッシャーローラ11としては、内部にヒータを有する構成や断面円形形状等に形成された金属製の金属ローラの外周面をゴムにより覆う構成としてもよく、特に、本実施の形態の構成に限定されるものではない。
【0061】
前記中間転写体1とプレッシャーローラ11との間には、普通紙、ボンド紙、等の記録媒体7が供給(給紙)されるようになっている。この記録媒体7は、図2において矢印Fにて示すように、左方から供給され、中間転写体1とプレッシャーローラ11との間を通過して右方に走行自在とされている。
【0062】
つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の熱転写プリンタ8の印字動作について図2により説明する。
【0063】
本実施の形態の熱転写プリンタ8による印字動作が開始されると、まず、インクリボン10および中間転写体1がサーマルヘッド6により圧接されるとともに、中間転写体1の内部に配設したヒータ9によりインクリボン10のインクが溶けない程度の温度が中間転写体1に付与される。そして、この状態で印字情報に基づいて、サーマルヘッド6の発熱素子(図示せず)が選択的に発熱され、インクリボン10のインクが軟化または溶融して中間転写体1の転写層3の表面に転写されて一次的に保持され一次記録画像と称されるインク画像12が形成される。
【0064】
そして、中間転写体1の図2において矢印Gにて示す時計方向への回転により、インク画像12が中間転写体1の表面に順次形成される。
【0065】
また、インクリボン10は、中間転写体1の回転にともなって、中間転写体1とインクリボン10との摩擦駆動によってインクリボン10を搬送する図示しない搬送機構により、図2において矢印Cにて示す方向へ順次巻取られる。
【0066】
この時、矢印Cにて示す方向に走行するインクリボン10は、図2において左方に示す巻取り側に巻取られる巻取り半径の大きさによってインクリボン10の巻取り速度が変化するので、インクリボン10の巻取り速度は、中間転写体1の図2において矢印Gにて示す回転速度より若干速くされ、この速度差は、従来と同様に、インクリボン10の巻取り側の搬送機構にスリップ機構(共に図示せず)を設けることにより吸収することができる。
【0067】
つぎに、プレッシャーローラ11を図2において矢印Dにて示す方向に移動し、中間転写体1に書き込まれたインク画像12に記録媒体7を圧接しながら中間転写体1の内部に配設されたヒータ9を加熱する。すると、中間転写体1の表面に書き込まれたインク画像12は、中間転写体1の回転にともなって、記録媒体7が図2において矢印Fにて示す方向に搬送されるとともに、プレッシャーローラ11からの圧力およびヒータ9から付与された熱により、インク画像12が中間転写体1から記録媒体7に順次再転写されて定着され、記録媒体7に記録が施される。
【0068】
また、記録媒体7に対するすべての記録(印字プロセス)が終了すると、プレッシャーローラ11が図2において矢印Eにて示す方向に移動して中間転写体1から離間され、記録媒体12は排出される。
【0069】
なお、本実施の形態の熱転写プリンタ8を用いてカラー記録を行う場合には、複数色のインクを有するフルカラーインクリボン(図示せず)を用い、インクの色の数に対応させて前述した印字プロセスを複数回繰り返すことにより複数色のインクを重ねてカラー印字を行うようにされている。
【0070】
つまり、Y(イエロー:黄),M(マゼンタ:赤紫),C(シアン:青緑)の3色のインクを有するフルカラーインクリボンを用いる場合には、記録動作を3回繰り返し、Y,M,C,Bk(ブラック:黒)の4色のインクを有するフルカラーインクリボンを用いる場合には、記録動作を4回繰り返すことになる。
【0071】
このようにカラー記録を行う場合には、印字プロセスをインクの色の数に対応させて複数回繰り返すことになるので、記録媒体7を図2において矢印Fにて示す方向に対して逆方向にバックフィードするとともに、サーマルヘッド6を図2において矢印Bにて示す方向に動作させてサーマルヘッド6と中間転写体1との圧接状態を解除した状態とし、この状態でカラーインクリボンを図2において矢印Cにて示す方向に走行し、次の色のインクの頭出しを行い、次の色の印字プロセスを行えるようになっている。
【0072】
そして、すべての色に対応する印字プロセスが終了した後、プレッシャーローラ11が図2において矢印Eにて示す方向に移動し、中間転写体1から離間され、記録媒体7が排出されるようになっている。
【0073】
なお、カラー記録における記録媒体7のバックフィードの際、本実施の形態においては、プレッシャーローラ11は印字プロセスと同一状態を保ちながら記録媒体7をバックフィードする構成としたが、記録媒体7のバックフィード時に中間転写体1に対するプレッシャーローラ11の圧接力を弱くする構成としてもよい。また、カラー記録における記録媒体7のバックフィードを、バックフィード専用の紙送り装置(図示せず)により行う構成としてもよい。
【0074】
つぎに、前述した本実施の形態の中間転写体1の性能試験として耐久性(寿命)を評価するための評価試験を行った。
【0075】
この耐久性の評価試験は、前記熱転写プリンタ8に本実施の形態の中間転写体1を装着し、モノクロのインクシートを使用し、中間転写体1の表面温度を55℃に設定し、再転写時の荷重(転写圧)を3kg/cmに設定し、記録媒体7に所定のパターンの記録を行い、記録媒体7に対する記録が5000枚となる毎に、再転写後の中間転写体1の表面のインクの残留を○(インク残無)、×(インクの残留有)の2段階で評価した。この評価に用いた記録媒体7は、普通紙としてXEROX4024用紙(ゼロックス社(アメリカ)製商品名)、ボンド紙としてランカスターボンド紙(ギルバート社(アメリカ)製商品名)の2種類の記録媒体7を用いた。この評価結果を以下の表1に示す。
【0076】
表1において、
記録媒体Aは、XEROX4024用紙(ゼロックス社(アメリカ)製商品名)を示し、
記録媒体Bは、ランカスターボンド紙(ギルバート社(アメリカ)製商品名)を示し、
○印は、再転写後の中間転写体にインクの残留無を示し、
×印は、再転写後の中間転写体にインクの残留有を示す。
【0077】
表1の評価結果に示すように、本実施の形態の中間転写体1は、4万枚の記録を行った後においても再転写後の中間転写体1の表面へのインクの残留が無く、インク画像12を記録媒体7に再転写する再転写時の再転写性を長期間に亘り確実に保持することのできる長寿命のものであることが判明した。
【0078】
また、比較のため以下に示す中間転写体の耐久性について評価した。
【0079】
比較例
本比較例の中間転写体は、厚み0.5mm程度、ゴム硬度30(JIS A)程度の付加型シリコーンゴムにより形成した中間層を有している。その他の構成は前述した実施の形態と同様とした。この中間転写体の耐久性の評価結果を以下の表2に示す。
【0080】
表2において、
記録媒体Aは、XEROX4024用紙(ゼロックス社(アメリカ)製商品名)を示し、
記録媒体Bは、ランカスターボンド紙(ギルバート社(アメリカ)製商品名)を示し、
○印は、再転写後の中間転写体にインクの残留無を示し、
×印は、再転写後の中間転写体にインクの残留有を示す。
【0081】
表2の評価結果に示すように、比較例の中間転写体は、普通紙においては1万枚程度、ボンド紙においては5千枚程度の記録を行うと再転写後の中間転写体の表面へのインクの残留が生じ、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性を長期間に亘り保持することができないことが判明した。
【0082】
すなわち、本発明の中間転写体1の評価結果と、表2に示す比較例の中間転写体の評価結果とを比較すると、同一の表層5を用いたにもかかわらず、耐久性に大きな有意差が有ることが判明した。これは、本発明の中間転写体1は、中間層4が表層5に対する内添離型剤供給層として効果的に機能することを示している。
【0083】
したがって、本発明の中間転写体1は、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とを長期間に亘り確実に保持することができる。
【0084】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の熱転写プリンタの中間転写体によれば、インク画像を書き込む記録時のインクの書き込み性と、インク画像を記録媒体に再転写する再転写時の再転写性とを長期間に亘り確実に保持することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写プリンタの中間転写体の実施の形態の一例を示す模式図
【図2】図1に示す本発明に係る熱転写プリンタの中間転写体を用いた熱転写プリンタの実施の形態の一例の要部を示す構成図
【符号の説明】
1 中間転写体
3 転写層
4 中間層
5 表層
7 記録媒体
8 熱転写プリンタ
12 インク画像
Claims (4)
- 転写層を有する中間転写体に熱転写によりインク画像を書き込み、その後、中間転写体に書き込まれたインク画像を記録媒体に再転写する中間転写方式の熱転写プリンタの中間転写体であって、
前記転写層が表層と中間層とを有し、
前記表層の材料が、
無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴム100重量部に対し、
25℃における粘度が100〜100000cpsの下記式(1)
[式中R1 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基である。また、R2 は同一のまたは異なる基でメチル基、フェニル基であり、かつ各分子の全R2 のうち1〜30モル%がフェニル基である。また、nは正の整数である。]で表される非反応性オルガノポリシロキサン1〜20重量部を含有してなるシリコーンゴムからなり、
前記中間層の材料が、
付加型シリコーンゴム100重量部に対し、
25℃における粘度が100〜100000cpsの上記式(1)で表される非反応性オルガノポリシロキサン1〜20重量部を含有してなるシリコーンゴムからなる、
ことを特徴とする熱転写プリンタの中間転写体。 - 前記転写層の表層の無機系充填剤を含まない付加型シリコーンゴムが、
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(b)下記式(2)
[式中R3 は水素原子または脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基、R4 およびR5 は脂肪族不飽和基を有しない一価炭化水素基であり、R4 およびR5 は互いに同一の基でも異なる基であってもよい。
また、式中aは3以上の整数であり、bは0以上の整数であって、ただしa/(a+b)の比が0.7以上1.0以下である。]
で表されるオルガノハイドロジエンポリシロキサン、および
(c)ヒドロシリル化反応触媒、
を含有してなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写プリンタの中間転写体。 - 前記転写層の表層のシリコーンゴムが厚さ5〜200μm、ゴム硬度10〜50(JIS A)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写プリンタの中間転写体。
- 前記転写層の中間層のシリコーンゴムが厚さ0.1〜3.0mm、ゴム硬度15〜70(JIS A)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写プリンタの中間転写体。
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