JPH0596871A - 熱転写記録方法及び中間転写体 - Google Patents

熱転写記録方法及び中間転写体

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JPH0596871A
JPH0596871A JP3263440A JP26344091A JPH0596871A JP H0596871 A JPH0596871 A JP H0596871A JP 3263440 A JP3263440 A JP 3263440A JP 26344091 A JP26344091 A JP 26344091A JP H0596871 A JPH0596871 A JP H0596871A
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Application number
JP3263440A
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English (en)
Inventor
Yasuo Fukui
康雄 福井
Soichiro Mima
総一郎 美間
Akihiro Imai
章博 今井
Hiroyuki Matsuo
浩之 松尾
Nobuyoshi Taguchi
信義 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染料転写記録方式において、受像体の種類に
よらずに、画質が良好で、筆記性、定着性の高い文字、
画像を記録する。 【構成】 ゴム弾性層2を有する中間転写体4の上に重
ね合わせたインクシート7から記録層3に染料を熱で転
写記録し、次に中間転写体4と受像体12とを重ね合わ
せて押圧、加熱して記録層3を受像体12上に転写させ
る。柔らかいゴム材料で記録層3の表面を加圧すること
により記録層を受像体に良好に転写する。また、離型性
を有する離型層19上に記録層3を設けた中間転写体4
と、インクシート7とを重ね合わせ、染料を熱で転写記
録し、次に中間転写体4と受像体12とを重ね合わせて
押圧、加熱して記録層3を受像体12上に転写させる。
記録層3のフロー軟化点以上の温度で転写させることに
より、記録層3は離型層19から容易に離型して受像体
に浸透する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染料からなる色材を含
むインク材料を用いて、サ−マルヘッド等の記録手段に
より紙等に記録する、熱転写記録方法及びそれに用いる
中間転写体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、色材である染料の昇華または拡散
によって記録する熱転写記録方法については、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムやコンデンサ紙
等の耐熱性基体の表面に、染料とバインダ材とからなる
厚さ3μm程度のインク材料層を形成したインクシート
を用いて、記録ヘッドにより、染料を、直接、染着性の
ある記録媒体に転写せしめて記録物を得る、熱転写記録
方法が公知である。
【0003】以下図面を参照しながら、上記した従来の
熱転写記録方法の一例について説明する。
【0004】図6は従来の一実施例における熱転写記録
方法の原理を示す構成概略図である。図6において、7
はインクシートである。9はサーマルヘッド、12は受
像体、17は記録信号源である。
【0005】以上のように構成された熱転写記録方法に
ついて、以下その動作について説明する。
【0006】耐熱性のB基体5上に色材及びバインダ材
からなるインク材料層6を配置して構成したインクシー
ト7と、記録紙等の受像体12を、サーマルヘッド9と
プラテン8との間に圧接して、記録信号源17からの信
号に応じて、サーマルヘッド9を発熱させ、インク材料
を選択的に昇温させる。受像体12を矢印18方向へ搬
送し、インクシート7をインクシート巻取りローラ11
により巻取り、インクシート7を受像体12から離脱剥
離すると、受像体12上にインク材料層6の色材の一部
が転写され、転写像16が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、受像体の表面材料によって色材の転写量
が大きく異なる。すなわち、インク材料層を昇温し、染
料からなる色材の昇華または拡散によって受像体に色材
を転写するため、受像体の表面材料が染着性のある材料
である場合のみ記録が可能であり、転写される色材の量
は受像体の表面材料の染着性に依存する。例えば、一般
の紙を受像体に用いた場合は、表面に染着性がほとんど
ないため、染料の転写による記録像はほとんど得られな
い。
【0008】また、上記のような構成では、受像体の表
面状態によって記録像の画質が大きく異なる。すなわ
ち、受像体とインク材料層との接触状態の差異が記録濃
度の濃淡となって現われるため、記録像の均一性は受像
体表面の平滑性に依存する。例えば、表面に大きな凹凸
がある受像体では、受像体とインク材料層とが接触不良
となり、均一な記録像を得ることができない。
【0009】本発明は上記問題点に鑑み、受像体の種類
(表面材料、表面状態)によらずに、染料の転写記録に
おいて良好な画質を得ることができる熱転写記録方法及
びそれに用いる中間転写体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の熱転写記録方法は、基体上にゴム弾性層と
染着性を有する記録層とを順次設けた中間転写体を用い
て、インクシートのインク材料層を記録層に重ね、イン
ク材料層から記録層に染料を熱で転写し、インクシート
を前記記録層から離脱除去した後に、記録層に受像体を
重ね、受像体に記録層を全面に転写し、受像体を剥離し
て記録するものである。
【0011】また、本発明の記録方法は、基体上に離型
層と染着性を有する記録層とを順次設けた中間転写体を
用いて、インクシートのインク材料層を記録層に重ね、
インク材料層から記録層に染料を熱で転写し、インクシ
ートを前記記録層から離脱除去した後に、記録層に受像
体を重ね、受像体に記録層を全面に転写し、受像体を剥
離して記録するものである。そして、記録層が熱可塑性
樹脂を含み、かつ熱可塑性樹脂の中で最も低いフロー軟
化点を有する熱可塑性樹脂のフロー軟化点以上の温度で
転写することにより、良好な特性が得られる。また、離
型層が、縮合反応により硬化するシリコーンからなるこ
とにより、特に良好な特性が得られる。
【0012】そして、本発明の中間転写体は、基体上に
ゴム弾性層と染着性を有する記録層とを順次設けたもの
である。
【0013】さらに、記録層がポリエステル系樹脂また
はビニルブチラ−ル樹脂であることにより、特に良好な
特性が得られる。
【0014】
【作用】本発明は上記した構成によって、まず、インク
材料層から、ゴム弾性層上に設けられた記録層に、染料
を熱で転写するときに、ゴム弾性層が、インクシートや
サーマルヘッドの表面の凹凸に倣って変形することで、
サーマルヘッドとインクシートと中間転写体上の記録層
との、相互の接触が均一になる。このため、高画質な一
次記録像が記録層上に形成できる。
【0015】次に、ゴム弾性層上の記録層に受像体を押
し付け、記録層が軟化する程度に加熱し、記録層を受像
体上に転写する。このとき、受像体表面が繊維等で凹凸
になっていても、ゴム弾性層が受像体の凹凸に倣って変
形し、記録層が受像体の凹部にまで充填される。更に加
圧すれば柔らかいゴム弾性層が受像体表面の凹部の中に
まで侵入し、記録層は繊維の更に細かい内部に押し込ま
れる。このため、記録層及び一次記録像は、記録層が軟
化する程度の温度で、受像体表面に転写されると同時に
良好に定着される。
【0016】また、本発明は上記した構成によって、イ
ンク材料層から、離型層上に設けられた記録層に、染料
を熱で転写し、記録層上に一次記録像を形成する。次
に、受像体を記録層に密着させ、加熱することにより、
加熱された記録層は離型層から容易に離型して受像体上
に転写される。このとき、記録層に含まれる熱可塑性樹
脂のフロー軟化点以上の温度で転写すると、受像体表面
が繊維等で凹凸になっていても、記録層は流動性を有す
るため、記録層は受像体表面の凹部の中にまで浸透す
る。このため、記録層及び一次記録像は、わずかの圧力
で、受像体表面に転写され、そして良好に定着される。
【0017】また、縮合反応により硬化するシリコーン
は、離型性が高く、粘着テープ等の低速剥離のときに剥
離力が非常に小さい。このため、フロー軟化点以上に加
熱されて粘度が低くなった記録層に対して、優れた離型
性を有している。従って、離型層が、縮合反応により硬
化するシリコーンで形成されている場合は、離型層の離
型性が高いために、加熱された記録層が離型層に付着す
ることがなく、定着性が更に良好となる。
【0018】また、記録層にポリエステル樹脂またはビ
ニルブチラール樹脂を用いることにより、優れた染着性
と、受像紙への良好な接着性を両立することが可能とな
る。
【0019】以上のように、染料の熱による転写記録に
おいて、染着性を有する記録層に画像が形成され、この
記録層が受像体上にさらに転写されるため、従来は表面
が粗いために均一な記録がおこなえなかった受像体に
も、高画質の記録ができる。また、記録層が転写性を生
じるような、すべての受像体に、記録像を転写できる。
更に、受像体としては特に塗工紙のような染着性を有す
る特殊紙を必要とせず、普通紙を初めとしてどのような
記録紙にも原理的に記録できる。従って、受像体の種類
(表面材料、表面状態)によらずに、染料を色材とした
良好な画質の記録像を得ることが可能となる。
【0020】
【実施例】以下本発明の一実施例の熱転写記録方法につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0021】図1は本発明の第一の実施例における熱転
写記録方法の、構成を示す概略図である。図1におい
て、4は中間転写体、7はインクシート、9はサーマル
ヘッド、12は受像体、13は加熱ローラである。シー
ト状耐熱性基体であるA基体1上に、ゴム弾性層2と記
録層3を設けて、中間転写体4を構成している。また、
同じくシート状耐熱性基体であるB基体5上に、インク
材料層6を設けて、インクシート7を構成している。記
録のためにサーマルヘッド9、転写のために加熱ローラ
13とAローラ14それぞれ設けている。
【0022】以上のように構成された熱転写記録方法に
ついて、以下図1及び図2を用いてその動作を説明す
る。
【0023】図1において、プラテン8と、サーマルヘ
ッド9との間に、中間転写体4とインクシート7が圧接
された状態で、記録信号源17からの信号により、サー
マルヘッド9が選択的に発熱し、中間転写体4の記録層
3の表面に、インク材料層6の少なくとも色材の一部を
転写し、記録信号に対応した一次記録像15を、中間転
写体4上に形成する。プラテン8の回転により矢印10
方向に中間転写体4が送られると共に、インクシート7
はインクシート巻取りローラ11に巻取られる。
【0024】次に、中間転写体4と受像体12とを重ね
て、加熱ローラ13とAローラ14で圧力を加え、加熱
ローラ13で中間転写体4の基体側を加熱すると、記録
層3が受像体12表面に接着する。従って中間転写体4
と受像体12とを離脱剥離すると、圧力が加えられた部
分の記録層3が、他の部分からちぎれて受像体12側に
転写し、一次記録像15が受像体12表面に転写して転
写像16を形成する。受像体12は、Aローラ14の回
転により矢印18方向に送られる。
【0025】転写像16は、一次記録像15の反転像に
なるため、記録信号源17は、通常は、転写像16の反
転像をサーマルヘッド9で記録するような信号を発生す
る。
【0026】カラー記録には、染料のシアン、マゼン
タ、イエロー色の3原色、更には黒色を加えた4原色の
各色のインク材料層6を、B基体5上に面順次で配置し
たインクシート7を用い、これらを面順次で中間転写体
4上に重ね転写することによって、記録像をカラーにす
ることができる。
【0027】図2は、図1において転写像16が表面に
凹凸のある受像体12上に形成される状態を示す概略図
である。この図2を用いて記録層の転写のメカニズムを
説明する。
【0028】図2において、加熱ローラ13で中間転写
体のA基体1の側から圧力と熱を加えると、記録層3が
受像体12表面に接着する。受像体12の表面が繊維等
で凹凸になっているが、ゴム弾性層2が受像体12の表
面凹凸に倣うことで、記録層3が受像体12の凹部に充
填される。更に加圧すれば柔らかいゴムが凹部の更にそ
の中まで侵入し、記録層は繊維の更に細かい内部に押し
込まれる。従って、表面状態は、図2に示すように、受
像体の元の表面と同様の、粗い凹凸を再現することにな
る。
【0029】一般に、受像体の光沢、筆記性は受像体表
面の凹凸によって定まる。図2に示すように、記録層3
が受像体の表面の粗い凹凸に倣えば、記録層表面の筆記
性は、その受像体の元の表面と同様になり、記録層の上
から鉛筆等で文字を書くことができる。また更に、記録
層が受像体に強固に定着することにより、記録像の定着
性も更に向上する。
【0030】図3は本発明の第二の実施例における熱転
写記録方法の、構成を示す概略図である。図3におい
て、シート状耐熱基体であるB基体5上に、離型層19
と記録層3を設けて、中間転写体4を構成している。中
間転写体4を除き、他の構成は図1と同様である。
【0031】以上のように構成された熱転写記録方法に
ついて、以下図3、図4、及び図5を用いてその動作を
説明する。
【0032】図3において、プラテン8と、サーマルヘ
ッド9との間に、中間転写体4とインクシート7が圧接
された状態で、記録信号源17からの信号により、サー
マルヘッド9が選択的に発熱し、中間転写体4の記録層
3の表面に、インク材料層6の少なくとも色材の一部を
転写し、記録信号に対応した一次記録像15を、中間転
写体4上に形成する。プラテン8の回転により矢印10
方向に中間転写体4が送られると共に、インクシート7
はインクシート巻取りローラ11に巻取られる。
【0033】次に、中間転写体4と受像体12とを重ね
て、加熱ローラ13とAローラ14との間に挟み込み、
加熱ローラ13で中間転写体4の基体側を全面加熱する
と、記録層3が、離型層19から容易に離型して受像体
12表面に浸透する。従って中間転写体4と受像体12
とを剥離すると、加熱された部分の記録層3が、他の部
分からちぎれて受像体12側に転写し、一次記録像15
が受像体12表面に転写して転写像16を形成する。受
像体12は、Aローラ14の回転により矢印18方向に
送られる。
【0034】転写像16は、一次記録像15の反転像に
なるため、記録信号源17は、通常は、転写像16の反
転像をサーマルヘッド9で記録するような信号を発生す
る。
【0035】カラー記録には、染料のシアン、マゼン
タ、イエロー色の3原色、更には黒色を加えた4原色の
各色のインク材料層5を、B基体5上に面順次で配置し
たインクシート7を用い、これらを面順次で中間転写体
4上に重ね転写することによって、記録像をカラーにす
ることができる。
【0036】図4は、図3において、記録層3のフロー
軟化点未満の温度で転写したときの、転写像16が、表
面に凹凸のある受像体12上に形成される状態を示す概
略図である。また、図5は、図3において、記録層3の
フロー軟化点以上の温度で転写したときの、転写像16
が、表面に凹凸のある受像体12上に形成される状態を
示す概略図である。これらの図を用いて記録層の転写の
メカニズムを説明する。
【0037】図4において、加熱ローラ13で中間転写
体の基体側を、記録層3のフロー軟化点未満の温度で全
面加熱すると、記録層3が軟化し、受像体12表面に接
着する。記録層3のフロー軟化点未満の温度で転写した
場合、軟化した記録層3は、表面が繊維等で凹凸になっ
ている受像体12の凸部には良好に接着する。しかしな
がら、記録層3は、受像体12の凹部に倣うまでには至
らない。従って、表面状態は、図4に示すように、記録
層3が受像体12の凸部で支持されているだけの状態に
なる。
【0038】図5において、加熱ローラ13で中間転写
体の基体側を、記録層3のフロー軟化点以上の温度で全
面加熱すると、記録層3が軟化し、離型層19から容易
に離型して受像体12表面に浸透する。すなわち、フロ
ー軟化点以上に加熱された記録層3は流動性を持ち、こ
の流動性により、記録層3は、表面が繊維等で凹凸にな
っている受像体12の凹部に入り込み、繊維の更に細か
い内部に浸透する。従って、表面状態は、図5に示すよ
うに、受像体の元の表面と同様の、粗い凹凸を再現する
ことになる。
【0039】図5に示すように、記録層3が受像体12
の表面の粗い凹凸に倣えば、記録層表面の筆記性は、そ
の受像体12の元の表面と同様になり、記録層3の上か
ら鉛筆等で文字を書くことができる。また更に、記録層
3が受像体12に強固に定着することにより、転写像1
6の定着性も更に向上する。こうした筆記性、定着性
は、図4に示すように、記録層3が受像体12の表面の
凹部の更に中まで浸透していない場合には得ることがで
きない。
【0040】以上のように、本発明の第一の実施例によ
れば、基体上にゴム弾性層と染着性を有する記録層とを
順次設けた中間転写体を用いて、インクシートのインク
材料層を記録層に重ね、インク材料層から記録層に染料
を熱で転写し、インクシートを除去した後に、記録層に
受像体を重ね、受像体に記録層を転写し、受像体を剥離
して記録することにより、記録層が転写性を生じるよう
な、すべての受像体に、記録像を記録できる。記録画質
に関しては、従来は表面が粗いために均一な記録がおこ
なえなかった受像体にも、高画質の記録ができる。そし
て、表面に凹凸を有する受像体を用いても、記録層の上
から鉛筆等で文字を書くことができ、定着性も良好な記
録像を得ることができる。
【0041】また、本発明の第二の実施例によれば、基
体上に離型層と染着性を有する記録層とを順次設けた中
間転写体を用いて、インクシートのインク材料層を記録
層に重ね、インク材料層から記録層に染料を熱で転写
し、インクシートを除去した後に、記録層に受像体を重
ね、受像体に記録層を転写し、受像体を剥離して記録す
ることにより、記録層が転写性を生じるような、すべて
の受像体に、記録像を記録できる。記録画質に関して
は、従来は表面が粗いために均一な記録がおこなえなか
った受像体にも、高画質の記録ができる。そして、表面
に凹凸を有する受像体を用いれば、記録層の上から鉛筆
等で文字を書くことができ、定着性も良好な記録像を得
ることができる。
【0042】なお、熱転写記録を行なう方法は、本実施
例のようなサ−マルヘッド9を用いた方法に限定され
ず、サーマルヘッド以外に、通電ヘッドや光ヘッド等を
使用した熱転写記録方法を用いてもよい。
【0043】転写方法としては、加熱ローラ13を用い
ているが、それ以外で、熱と圧力を与えるものでもよ
い。加熱ローラ13は内部あるいは外周部に発熱部を有
するローラであり、その発熱部に通電する量を制御し、
その表面からの熱伝導によって中間転写体側へ伝える熱
量を制御することができる。発熱部として、輻射熱の大
きいハロゲンランプ等の光源を用いることも出来る。加
熱ロ−ラ13の材質は、例えば、ゴム(ゴム被覆)ロー
ラ、プラスチックローラ、金属ローラ等が有用である。
また、サ−マルヘッドや通電ヘッドのような熱記録ヘッ
ドを使用することにより記録層の必要な部分のみ(例え
ば、記録層の一次記録像の部分のみ)を受像体上に転写
させることも出来る。
【0044】Aローラ14は、必要に応じて、加熱ロー
ラ13と同様にして加熱を行なう構成にしてもよい。ま
た、Aローラを加熱する場合には、加熱ローラ13は加
熱を行なわない構成にしてもよい。すなわち、2本のロ
ーラのうち、両方のローラを、または、いずれか一方の
ローラを加熱するような構成が可能である。
【0045】Aローラ14の材質は、加熱ローラ13と
同様に、例えば、ゴム(ゴム被覆)ローラ、プラスチッ
クローラ、金属ローラ等が有用である。
【0046】図1及び図3では省略されているが、中間
転写体4は、巻出しローラと巻取りローラに巻回された
カセットとして構成することもできる。インクシート7
も同様である。
【0047】インクシート6のB基体5は、その少なく
とも片面に滑性層あるいは、滑性耐熱層を有する場合
は、記録ヘッドとの走行安定性が良好であるため特に望
ましい。また、B基体5には、各種高分子フィルムを用
いることができ、特に、インク材料層6と接する面に、
インク材料層6の特性により接着層(アンカーコート
層)を設けた高分子フィルムを使用することが望まし
い。
【0048】B基体5としては、各種高分子フィルム、
あるいは塗工等により表面処理された各種高分子フィル
ムが使用できる。各種高分子フィルムとして、例えば、
ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リイミド系、ポリエ−テル系、セルロ−ス系、ポリパラ
バン酸系、ポリオキサジアゾ−ル系、ポリスチレン系、
フッ素系フィルム等がある。特に、ポリエチレンテレフ
タレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト、アラ
ミド、トリアセチルセルロ−ス、ポリプロピレン、セロ
ファン等の各フィルムが有用である。高分子フィルムの
厚さは、通常3μm〜100μm位が有用であり特に3
〜30μmが良好である。各種高分子フィルムは、片面
にフィルムの熱変形等の耐熱性を補強するための熱硬化
性樹脂等による耐熱層、あるいは帯電防止層、あるいは
必要ならば各種の塗工層が設けられていても良い。
【0049】インク材料層6は、少なくとも色材とバイ
ンダ材から構成されている。色材としては、熱で転写可
能な染料を含むものであれば、特に限定されない。色材
として分散染料、塩基性染料、カラ−フォ−マ−等が有
用である。バインダ材は、特に限定されず、各種高分子
材料、各種ワックス等が利用できる。インク材料層6
は、多層構成であっても良い。また、インク材料層6上
に滑性層や各種の塗工層等が設けられていても良い。ま
た、インク材料層6には、各種シリコーン系材料、各種
フッ素材料等の各種添加剤が添加されていても良い。
【0050】記録層3は、少なくとも高分子材料から形
成されている。インク材料層6は色材として染料を含む
ので、記録層3には染着性が必要なため、分散染料等に
染着しやすい高分子材料が適しており、例えば、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、ビニルブチラール樹脂等が有用である。染料の染着
性、紙への接着性を満たすものとして、ポリエステル系
樹脂、ビニルブチラール樹脂がある。
【0051】記録層3は、受像体12上に転写されたと
きに受像体12との接着性が要求されるため、加熱ロー
ラ13からの加熱により比較的容易に軟化するように、
高分子材料の軟化点が50℃から200℃の範囲にある
ことが望ましい。軟化点は、フロ−テスタ−による測定
値である。また、記録層3を構成する材料としては、前
記の高分子材料以外に、例えばワックス類、樹脂類等の
ホットメルト材料を、必要に応じて単独または複数種を
混合して用いることもできる。
【0052】本発明の熱転写記録方法では、記録層3が
受像体上に転写されて画像が形成されるため、記録層3
は光透過性が必要であり、無色透明な高分子材料が望ま
しい。
【0053】記録層3には、インク材料層6との熱融着
を防止するために、各種シリコ−ン系、フッ素系材料、
脂肪酸系等の各種化合物、各種界面活性剤、各種粒子等
が添加剤として含まれていても良い。
【0054】受像体は12、上質紙、普通紙(コピー用
等)、ボンド紙等の非塗工紙、塗工紙、ポリエチレン、
ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、アルミ箔等のフィルム類、PP、PET、
ポリ塩化ビニル等を主成分とした合成紙、連続受像体あ
るいはカット受像体等、特にその材質、紙質、形態等に
限定されないで使用できる。
【0055】また、第一の実施例において、中間転写体
上の記録層は、予めゴム弾性層上に塗布して供給し、転
写の終了した後に、基体とゴム弾性層とを廃棄する構成
としたが、ゴム弾性層を設けた基体が無端状に周回され
ており、転写の終了した基体上のゴム弾性層に、記録層
供給手段により、記録層を繰り返し供給する構成でもよ
い。
【0056】第一の実施例における中間転写体の、基体
とゴム弾性層の構成としては、本実施例のように、プラ
スチック材料等からなるシート状基体にゴム弾性層を設
けた構成や、金属、プラスチック材料等からなるドラム
状基体にゴム弾性層を設けた構成でもよい。ドラム状基
体の場合は、転写の終了したドラム状基体に、記録層を
供給して、記録層を繰り返し供給する構成となる。ドラ
ム状基体は、その内部に発熱部を設けることにより、図
1のプラテン8、加熱ローラ13を兼ねることとなり、
記録層を受像体に転写する転写手段は、この発熱部とA
ローラ14で構成されることとなる。また、シート状基
体にゴム弾性層を設ける代わりに、ゴム弾性を有するシ
ート状の耐熱基体を用いることにより、基体とゴム弾性
層の両方の機能を兼ねることができ、ゴム弾性層を設け
る必要がなくなる。ゴム弾性を有するシート状の耐熱基
体としては、例えば、フッ素系、シリコーン系フィルム
等を用いることができる。特に、シリコーンゴム、フロ
ロシリコーンゴム等のシートが有用である。ゴム弾性を
有するシート状の耐熱基体を用いたときに、ゴム弾性に
よる長さ方向の伸縮が無視できない場合には、本実施例
のように、基体上にゴム弾性層を設けた構成とするのが
よい。
【0057】ゴム弾性層2としては、弾性が大きく、圧
力と熱を与えても弾性が大きく変化しないものが望まし
い。特に、受像体12の表面の凹凸に倣って定着するこ
とが可能な柔らかいゴム弾性層2を設けることによっ
て、記録層3が受像体12の凹部に充填され、接着力が
増す結果として、定着性を向上させることができる。ゴ
ム硬度が10゜から70゜のゴム材料を用いることによ
り、良好な定着性が得られ、特に10゜から25゜のゴ
ム材料であれば、受像体12の表面の凹凸が大きい場合
にも優れた定着性が得られる。
【0058】ゴム弾性層2の厚さは、受像体12の表面
の凹凸に倣って十分に変形できることが必要なため、で
きるだけ厚い方が望ましい。ボンド紙のような比較的表
面の荒い紙では、凹部の深さが10μm程度であり、最
も深い凹部で25μm程度であることから、ゴム弾性層
2の厚さとしては、10μm以上あれば受像体12の表
面の凹凸が大きくても転写が可能であり、さらに25μ
m以上あれば良好な定着性が得られる。一方、普通紙の
場合は、表面の凹部の深さがボンド紙と比べて浅いた
め、ゴム弾性層2の厚さは、10μm程度でも十分な定
着性が得られる。
【0059】ゴム弾性層2に用いる材料としては、記録
層3と接着するのを防ぐために離型性を有するゴム材料
で形成するのが望ましい。例えば、シリコーンゴムは、
生ゴム、充填剤、各種添加物、シリコーンオイル等から
なり、ゴム材料の中では、離型性が優れている。こうし
たゴム材料の膜厚、硬度、強度、表面平滑性、離型性等
を最適化したものをゴム弾性層2に使用することによ
り、受像体12表面の凹凸に倣って定着を行なうことが
でき、また受像体12と中間転写体4を剥離するときに
ゴム弾性層2の表面に記録層が付着することもなくな
る。
【0060】第一の実施例において、記録層3を受像体
12に転写する際に、加熱ローラ13によってA基体1
側から熱を加えているが、記録層3として、室温で受像
体12に接着するような材料を用いれば、記録層3は圧
力だけで受像体12に転写するため、加熱する必要がな
くなる。この場合、加熱ローラ13のヒーターで消費さ
れる電力が節約でき、装置全体での消費電力が低減でき
る。
【0061】また、第二の実施例において、中間転写体
上の記録層は、予め離型層上に塗布して供給し、転写の
終了した後に、基体と離型層とを廃棄する構成とした
が、離型層を設けた基体が無端状に周回されており、転
写の終了した基体上の離型層に、記録層供給手段によ
り、記録層を繰り返し供給する構成でもよい。
【0062】第二の実施例における中間転写体の、基体
と離型層の構成としては、本実施例のように、プラスチ
ック材料等からなるシート状基体に離型層を設けた構成
や、金属、プラスチック材料等からなるドラム状基体に
離型層を設けた構成でもよい。ドラム状基体の場合は、
転写の終了したドラム状基体に、記録層を供給して、記
録層を繰り返し供給する構成となる。ドラム状基体は、
その内部に発熱部を設けることにより、図3のプラテン
8、加熱ローラ13を兼ねることとなり、記録層を受像
体に転写する転写手段は、この発熱部とAローラ14で
構成されることとなる。また、シート状基体に離型層を
設ける代わりに、離型性を有するシート状の耐熱基体を
用いることにより、基体と離型層の両方の機能を兼ねる
ことができ、離型層を塗布する必要がなくなる。離型性
を有するシート状の耐熱基体としては、例えば、ポリオ
レフィン系、フッ素系、シリコーン系フィルム等を用い
ることができる。特に、ポリテトラフルオロエチレン等
のシートが有用である。
【0063】離型層19は、ポリオレフィン系、フッ素
系、シリコーン系材料等を塗工、あるいはラミネートす
ることにより形成できる。また、熱可塑性樹脂にフッ素
系、シリコーン系材料の微粉末等を混入して離型性をも
たせたものを塗工してもよい。離型層を塗工する際の厚
さは、通常0.3μm〜10μm位が有用であり、特に
0.3μm〜3μm位であれば、塗工が容易にできる。
【0064】以上、本発明の熱転写記録方法では、受像
体として普通紙、OHP用の透明フィルム、表面粗さの
大きいボンド紙、塗工紙、塗工フィルム等いずれの形態
の記録用紙を使用しても均一な画像が得られる。特に、
従来昇華型記録の特徴である高画質記録は、普通紙にお
いてほぼ不可能であったが本発明の方法により実現され
る。
【0065】以下、具体的実施例を示す。 (実施例1)インクシートは、下面に滑性耐熱層を有す
る厚さ4μmのPETフィルム上に、アゾ系分散染料、
飽和ポリエステル樹脂、シリコーン系離型剤を含む塗料
をワイヤ−バ−で塗工乾燥して厚さ約1μmのインク材
料層を形成した。中間転写体は、厚さ25μmのPET
フィルム上にゴム硬度23゜のシリコーンゴム(東レ・
ダウコーニング・シリコーン株式会社)をワイヤーバー
で塗工乾燥して厚さ約40μmのゴム弾性層を形成し、
その上にブチラ−ル樹脂(積水化学工業株式会社)をワ
イヤ−バ−で塗工乾燥して、厚さ約3μmの記録層を形
成した。
【0066】次に、インク材料層面に記録層面が向き合
うように重ねられたインクシートと中間転写体とを、約
80Nの押圧がかけられたサ−マルヘッドとプラテン間
に挟み込み、下記の記録条件にて記録した。記録速度:
16ms/line、最大記録パルス幅:4ms、最大
記録エネルギ−:8J/cm2
【0067】記録後、中間転写体からインクシートを離
すと記録層に階調パタ−ンが明瞭に記録されていた。特
に、ハイライト部でのドット再現性が優れており、サー
マルヘッドと、インクシートと、中間転写体状の記録層
との接触が良好であることがわかった。
【0068】次に、この記録層上に、A4幅のベック平
滑度7秒のボンド紙(三菱製紙株式会社)を重ねた状態
で、中間転写体と白色PETフィルムとを、直径50m
mで約80℃の表面ゴム被覆金属ローラと金属ローラの
間(ローラ間荷重約800N)に通し、ローラの出口の
ところでボンド紙から中間転写体を剥離して、記録層を
ボンド紙上に転写させた。
【0069】以上のようにして得られたボンド紙上の転
写画像は、低記録濃度から高記録濃度まで均一な形状の
ドットを有し、高画質な画像であった。また、記録層の
光沢は紙の表面と変わらず、画質的な違和感のないもの
であった。そして、記録層表面は筆記性を有し、定着性
も良好であった。
【0070】なお、記録層をボンド紙上に転写するとき
の、ローラ間の荷重を低くして、約400Nで転写を行
なった場合も、高画質な転写画像が得られ、定着性も良
好であった。ローラ間に約800Nの荷重を加えて、転
写して得られた転写画像と詳細に比較すると、筆記性が
やや悪くなり、記録層の光沢もやや高くなっていること
がわかった。しかしながら、画質的な違和感は少ないも
のであった。
【0071】また、ベック平滑度35秒のPPC用紙に
記録層を転写するときには、ゴム弾性層の厚さを薄くし
て、10μm程度としても、高画質な転写画像が得ら
れ、十分な筆記性と定着性が得られることがわかった。
そして、記録層の光沢も、画質的な違和感はなかった。
【0072】(実施例2)中間転写体は、厚さ25μm
のPETフィルム上に、縮合反応で硬化する剥離紙用シ
リコーン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会
社)をワイヤ−バ−で塗工乾燥して厚さ約2μmの離型
層を形成し、その上にフロー軟化点110℃のブチラ−
ル樹脂(積水化学工業株式会社)をワイヤ−バ−で塗工
乾燥して、厚さ約3μmの記録層を形成した。
【0073】そして、実施例1のインクシートを用いて
実施例1と同様にして、記録層に画像を記録した。記録
後、中間転写体からインクシートを離すと記録層に階調
パタ−ンが明瞭に記録されていた。
【0074】次に、この記録層上に、実施例1のボンド
紙を重ねた状態で、中間転写体とボンド紙とを、直径5
0mmで約140℃の表面ゴム被覆金属ローラと金属ロ
ーラの間(ローラ間圧力約400N)に通し、ローラの
出口のところでボンド紙から中間転写体を剥離して、記
録層をボンド紙上に転写させた。
【0075】得られた画像は均一で、高画質な画像であ
った。また、記録層の光沢は紙の表面と変わらず、画質
的な違和感のないものであった。更に記録層表面は紙表
面と変わらない筆記性を有していた。また記録層表面を
指で擦っても、全く転写画像に変化が発生しなかった。
【0076】なお、記録層をボンド紙上に転写するとき
の、ローラの温度を低くして、約100℃で転写を行な
った場合も、高画質な転写画像が得られ、定着性も良好
であった。ローラの温度を約140℃にして、転写して
得られた転写画像と詳細に比較すると、筆記性が悪くな
り、記録層の光沢が高くなっていることがわかった。そ
して、画質的な違和感が少しあった。
【0077】(比較例1)中間転写体は、厚さ25μm
のPETフィルム上に、ブチラール樹脂(積水化学工業
株式会社)をワイヤ−バ−で塗工乾燥して、厚さ約3μ
mの記録層を形成した。
【0078】そして、実施例1のインクシートを用いて
実施例1と同様にして、記録層に画像を記録した。記録
後、中間転写体からインクシートを離すと記録層に階調
パタ−ンが明瞭に記録されていた。
【0079】次に、この記録層上に、実施例1のボンド
紙を重ねた状態で、中間転写体とボンド紙とを約140
℃の表面ゴム被覆金属ローラと金属ローラの間(ローラ
間圧力約800N)に通して、記録層をボンド紙上に転
写させた。このとき、ローラ出口のところでボンド紙か
ら中間転写体を剥離しようとしたところ、記録層が凝集
破壊を生じた。このため、ローラ出口のところでは中間
転写体を剥離せず、ローラ間を出た後、ボンド紙と中間
転写体とを室温まで冷却してから、ボンド紙から中間転
写体を剥離したところ、ボンド紙上に記録層を転写する
ことができた。
【0080】得られた画像は均一で、良好な画像であっ
た。しかしながら、記録層の光沢は紙の表面と著しく異
なり、画質的に大きな違和感があった。また、記録層表
面の筆記性は悪く、記録層はボンド紙から粘着テープで
容易に剥離してしまう程定着性が悪かった。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明は、基体上にゴム弾
性層と染着性を有する記録層とを順次設けた中間転写体
を用いて、インクシートのインク材料層を記録層に重
ね、インク材料層から記録層に染料を熱で転写し、イン
クシートを除去した後に、記録層に受像体を重ね、受像
体に記録層を転写し、受像体を剥離して記録するもので
ある。
【0082】本発明により、中間転写体上の記録層に、
インクシートのインク材料層から染料を熱で転写すると
きには、優れた均一性を有する高画質な記録像が得られ
る。また、記録層上に形成された高画質の記録像を受像
体上に転写するときには、記録層を受像体の表面の凹凸
に倣って転写することができる。従って、従来は記録が
困難であった普通紙等に優れた画質の記録を行なうこと
が可能となり、更に、筆記性を有し、定着性の優れた画
像を得ることができる。また、転写時に加熱する場合で
も、比較的低い温度で、良好な転写を行なうことが可能
であり、転写時の消費電力が小さい。
【0083】また、本発明は、基体上に離型層と染着性
を有する記録層とを順次設けた中間転写体を用いて、イ
ンクシートのインク材料層を記録層に重ね、インク材料
層から記録層に染料を熱で転写し、インクシートを除去
した後に、記録層に受像体を重ね、受像体に記録層を転
写し、受像体を剥離して記録するものである。また、記
録層が熱可塑性樹脂を含み、かつ熱可塑性樹脂の中で最
も低いフロー軟化点を有する熱可塑性樹脂のフロー軟化
点以上の温度で転写するものである。さらに、離型層
が、縮合反応により硬化するシリコーンからなるもので
ある。
【0084】本発明により、記録層を受像体の表面の凹
凸に倣って転写することができる。従って、従来は記録
が困難であった普通紙等に記録を行なうことが可能とな
り、更に、筆記性を有し、定着性の優れた画像を得るこ
とができる。また、転写時に低い圧力で、良好な転写を
行なうことが可能であり、転写部の機構部品の強度を高
くする必要がない。
【0085】また、本発明は、記録層がポリエステル系
樹脂またはビニルブチラ−ル樹脂を含むものである。本
発明により、優れた染着性と、受像体への良好な接着性
を両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における熱転写記録方法
の構成を示す概略図
【図2】同実施例における動作説明のための定着像形成
状態の概略図
【図3】本発明の第二の実施例における熱転写記録方法
の構成を示す概略図
【図4】同実施例における動作説明のための定着像形成
状態の概略図
【図5】同実施例における動作説明のための定着像形成
状態の概略図
【図6】従来の熱転写記録方法の構成を示す概略図
【符号の説明】
1 A基体 2 ゴム弾性層 3 記録層 4 中間転写体 5 B基体 6 インク材料層 7 インクシート 8 プラテン 9 サーマルヘッド 10 矢印 11 インクシート巻取りローラ 12 受像体 13 加熱ローラ 14 Aローラ 15 一時記録像 16 転写像 17 記録信号源 18 矢印 19 離型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 浩之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田口 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面がゴム弾性層を有する基体上に、染着
    性を有する記録層を設けた中間転写体を用いて、インク
    シートのインク材料層を前記記録層に重ね、前記インク
    材料層から前記記録層に染料を熱で転写し、前記インク
    シートを前記記録層から離脱除去した後に、前記記録層
    に受像体を重ね、前記受像体に前記記録層を全面に転写
    し、前記受像体を剥離して記録することを特徴とする熱
    転写記録方法。
  2. 【請求項2】表面が離型性を有する基体上に、染着性を
    有する記録層を設けた中間転写体を用いて、インクシー
    トのインク材料層を前記記録層に重ね、前記インク材料
    層から前記記録層に染料を熱で転写し、前記インクシー
    トを前記記録層から離脱除去した後に、前記記録層に受
    像体を重ね、前記受像体に前記記録層を全面に転写し、
    前記受像体を剥離して記録することを特徴とする熱転写
    記録方法。
  3. 【請求項3】記録層が熱可塑性樹脂を含み、かつ前記熱
    可塑性樹脂の中で最も低いフロー軟化点を有する前記熱
    可塑性樹脂のフロー軟化点以上の温度で転写することを
    特徴とする請求項2記載の熱転写記録方法。
  4. 【請求項4】中間転写体が、基体上に離型層と記録層と
    を順次設けた構成であり、前記離型層が縮合反応により
    硬化するシリコーンからなることを特徴とする請求項2
    記載の熱転写記録方法。
  5. 【請求項5】記録層がポリエステル系樹脂またはビニル
    ブチラ−ル樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載ま
    たは請求項2記載の熱転写記録方法。
  6. 【請求項6】基体上にゴム弾性層と染着性を有する記録
    層とを順次設けたことを特徴とする中間転写体。
  7. 【請求項7】記録層がポリエステル系樹脂またはビニル
    ブチラ−ル樹脂を含むことを特徴とする請求項6記載の
    中間転写体。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094835A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写フィルム及び熱転写記録媒体
US7579130B2 (en) 2005-08-08 2009-08-25 Fuji Xerox Co., Ltd. Image transfer sheet for electrophotography, method for manufacturing image recorded medium using the same, and image recorded medium
US7727603B2 (en) 2004-02-10 2010-06-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Transfer member of image forming material for electrophotography and member having image recorded thereon using the same
US7820272B2 (en) 2005-03-28 2010-10-26 Fuji Xerox Co., Ltd. Image transfer sheet for electrophotography, and image recorded medium, as well as method for manufacturing the same
US8846167B2 (en) 2012-11-09 2014-09-30 Fuji Xerox Co., Ltd. Image transfer sheet
US8974879B2 (en) 2012-06-01 2015-03-10 Fuji Xerox Co., Ltd. Image transfer sheet and image recording material

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