JP3504986B2 - 熱転写記録方法における中間媒体及び転写体 - Google Patents

熱転写記録方法における中間媒体及び転写体

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JP3504986B2
JP3504986B2 JP27224494A JP27224494A JP3504986B2 JP 3504986 B2 JP3504986 B2 JP 3504986B2 JP 27224494 A JP27224494 A JP 27224494A JP 27224494 A JP27224494 A JP 27224494A JP 3504986 B2 JP3504986 B2 JP 3504986B2
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正紀 吉川
康雄 福井
淳 曽我美
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱によって色素が昇華
または拡散することを用いた昇華型熱転写記録方法にお
いて、染着層を予め塗布した専用の受像体を使用しない
で、官製葉書、普通紙やボンド紙などの受像体を使用し
て熱転写記録する方法における中間媒体及び転写体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的印字方式や印刷方法に代え
てモノカラー或はフルカラーの画像を簡便かつ高速に出
力する方法として、インクジェット方式や熱転写方式が
開発されているが、これらの中では優れた連続階調性を
有しカラー写真に匹敵するフルカラー画像を出力する方
法として専用の受像体を使用する昇華型熱転写記録方式
が最も優れている。ところが、昇華型熱転写記録方式が
普及するにつれて染着層を予め塗布した専用の受像体で
はなく、家庭やオフィスで一般に使用されている官製葉
書、普通紙、ボンド紙、ダルアート紙などの染着層を予
め塗布していない受像体にフルカラー画像を出力したい
という要望が強くなった。そこで現在、次のような記録
方法の提案がなされている。
【0003】図14は、現在行われている方法の概略構
成図である。31は転写体である。転写体31はポリエ
ステルフィルムなどからなる転写基体33の一方の面に
耐熱滑性層32が設けられ、もう一方の面に染着層34
とイエロ色の色材層35とマゼンタ色の色材層36とシ
アン色の色材層37がこの順に面順次に設けられてい
る。38はサーマルヘッド、39はプラテンローラ、4
0は葉書や普通紙などの受像体、41は受像体40の搬
送を行う搬送ローラである。
【0004】図15の動作図を用いてこの方法の原理に
ついて説明する。まず、図15(A)のように染着層3
4と受像体40とが接触するように転写体31と受像体
40とを、サーマルヘッド38とプラテンローラ39と
の間に狭着する。次にプラテンローラ39を回転させて
矢印の方向に転写体31と受像体40とを送りながら、
耐熱滑性層32の背面からサーマルヘッド38を加熱し
て、染着層34の全面を溶融する。この時、染着層34
は全面に渡って受像体40に溶融接着するので、染着層
34は受像体40に全面転移する。次に、染着層34が
転移した受像体40を後方に戻し、図15(B)のよう
にイエロ色の色材層35と染着層34とが接触するよう
に転写体31と受像体40とを、サーマルヘッド38と
プラテンローラ39との間に狭着する。次にプラテンロ
ーラ39を回転させて矢印の方向に転写体31と受像体
40とを送りながら、耐熱滑性層32の背面からサーマ
ルヘッド38を加熱して、イエロ色の色材層35からイ
エロ染料を染着層34に転移させてイエロ色の画像を記
録する。さらにマゼンダ色及びシアン色もイエロ色と同
様の方法で、それぞれの画像を記録して、最終的にフル
カラーの画像が受像体40上の染着層34に記録され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来上記のように構成
された昇華型熱転写記録方式は、色材層が昇温すること
色材層から染着層への染料の転移によって記録を行う。
従って、色材層と染着層との接触を均一に保たないと濃
度むらや染料が転移しない部分ができて記録画像が汚く
なる。官製葉書、普通紙、ボンド紙といった受像体は紙
の繊維によって、表面に凹凸がある。上記した昇華型熱
転写記録方式は、これら表面に凹凸を持つ受像体に染着
層を転移させるため、受像体に転移した染着層の形状も
凹凸となってしまう。従って、色材層と染着層との接触
が不均一となり、濃度むらや記録できない部分ができて
記録画像が汚いという問題点を有していた。
【0006】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、受像体の種類や表面状態によらずに、画像が良好な
記録画像を得ることができる熱転写記録方法及び中間媒
体及び転写体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の熱転写記録方法における中間媒体は、少な
くとも染着層基体の上面に染着層を設けた染着層転写体
と、少なくとも色材層基体の上面に色材層を設けた色材
層転写体と、中間媒体とを用いて、まず染着層転写手段
の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記染
着層転写体上の前記染着層を前記中間媒体上に形成する
際、前記中間媒体と前記染着層との接着力が前記染着層
基体と前記染着層との接着力よりも大になるように前記
染着層転写体と前記中間媒体とを冷却した後に前記中間
媒体から前記染着層転写体を分離し、前記染着層転写体
上の前記染着層の一部分または全面を前記中間媒体上に
形成し、次に前記中間媒体上に形成した前記染着層と前
記色材層とを重ね合わせて、記録手段の熱および圧力に
より前記色材層から色材を前記中間媒体上の前記染着層
に移行して記録画像を形成し、次に前記染着層の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度に前記染着層を冷却しか
つ前記色材層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
なるように前記色材層を冷却した後に、前記中間媒体か
ら前記色材層転写体を分離し、さらに転写手段の熱及び
圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記記録画像を
形成した前記染着層を前記中間媒体から受像体に転写す
る熱転写記録方法に用いる中間媒体において、前記中間
媒体が凹凸形状で、その光沢度(JIS−Z 8741
Gs(60°))が45以下であることを特徴とす
る。
【0008】前記構成においては、中間媒体が少なくと
も表面層と中間媒体基体とからなり、前記表面層が少な
くとも微粒子とフッ素ゴムとからなり、前記微粒子が少
なくとも酸化マグネシウムの粒子を含み、前記酸化マグ
ネシウムの粒子で前記表面層の光沢度(JIS−Z 8
741 Gs(60°))を45以下にすることが好ま
しい。
【0009】 次に本発明の第1番目の転写体は、少な
くとも染着層基体の上面に染着層を設けた染着層転写体
と、少なくとも色材層基体の上面に色材層を設けた色材
層転写体と、中間媒体とを用いて、まず染着層転写手段
の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記染
着層転写体上の前記染着層を前記中間媒体上に形成する
際、前記中間媒体と前記染着層との接着力が前記染着層
基体と前記染着層との接着力よりも大になるように前記
染着層転写体と前記中間媒体とを冷却した後に前記中間
媒体から前記染着層転写体を分離し、前記染着層転写体
上の前記染着層の一部分または全面を前記中間媒体上に
形成し、次に前記中間媒体上に形成した前記染着層と前
記色材層とを重ね合わせて、記録手段の熱および圧力に
より前記色材層から色材を前記中間媒体上の前記染着層
に移行して記録画像を形成し、次に前記染着層の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度に前記染着層を冷却しか
つ前記色材層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
なるように前記色材層を冷却した後に、前記中間媒体か
ら前記色材層転写体を分離し、さらに転写手段の熱及び
圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記記録画像を
形成した前記染着層を前記中間媒体から受像体に転写す
る熱転写記録方法に用いる転写体において、前記染着層
転写体の耐熱滑性層が少なくとも液状滑材と樹脂とから
なり、前記液状滑材が側鎖ポリエーテル変性シリコーン
オイルであることを特徴とする。
【0010】前記構成においては、染着層転写体の前記
液状滑材が、側鎖ポリエーテル変性シリコーンオイル
で、かつ前記樹脂が、オリゴアクリレート塩、芳香族ヨ
ードニウム塩、及び芳香族スルホニウム塩から選ばれる
少なくとも一つの触媒を用いて光硬化させるエポキシ樹
脂であることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、液状滑材の側鎖
ポリエーテル変性シリコーンオイルのポリエーテル変性
部の重量平均分子量が、10000以上であることが好
ましい。
【0012】また前記構成においては、前記液状滑材の
側鎖ポリエーテル変性シリコーンオイルのジメチルポリ
シロキシサンの重量平均分子量が、3000以上である
ことが好ましい。
【0013】 次に本発明の第2番目の転写体は、少な
くとも染着層基体の上面に染着層を設けた染着層転写体
と、少なくとも色材層基体の上面に色材層を設けた色材
層転写体と、中間媒体とを用いて、まず染着層転写手段
の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記染
着層転写体上の前記染着層を前記中間媒体上に形成する
際、前記中間媒体と前記染着層との接着力が前記染着層
基体と前記染着層との接着力よりも大になるように前記
染着層転写体と前記中間媒体とを冷却した後に前記中間
媒体から前記染着層転写体を分離し、前記染着層転写体
上の前記染着層の一部分または全面を前記中間媒体上に
形成し、次に前記中間媒体上に形成した前記染着層と前
記色材層とを重ね合わせて、記録手段の熱および圧力に
より前記色材層から色材を前記中間媒体上の前記染着層
に移行して記録画像を形成し、次に前記染着層の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度に前記染着層を冷却しか
つ前記色材層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
なるように前記色材層を冷却した後に、前記中間媒体か
ら前記色材層転写体を分離し、さらに転写手段の熱及び
圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記記録画像を
形成した前記染着層を前記中間媒体から受像体に転写す
る熱転写記録方法に用いる転写体において、前記色材層
転写体の前記色材層のみに離型材を持たせたことを特徴
とする。
【0014】 次に本発明の第3番目の転写体は、少な
くとも染着層基体の上面に染着層を設けた染着層転写体
と、少なくとも色材層基体の上面に色材層を設けた色材
層転写体と、中間媒体とを用いて、まず染着層転写手段
の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記染
着層転写体上の前記染着層を前記中間媒体上に形成する
際、前記中間媒体と前記染着層との接着力が前記染着層
基体と前記染着層との接着力よりも大になるように前記
染着層転写体と前記中間媒体とを冷却した後に前記中間
媒体から前記染着層転写体を分離し、前記染着層転写体
上の前記染着層の一部分または全面を前記中間媒体上に
形成し、次に前記中間媒体上に形成した前記染着層と前
記色材層とを重ね合わせて、記録手段の熱および圧力に
より前記色材層から色材を前記中間媒体上の前記染着層
に移行して記録画像を形成し、次に前記染着層の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度に前記染着層を冷却しか
つ前記色材層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
なるように前記色材層を冷却した後に、前記中間媒体か
ら前記色材層転写体を分離し、さらに転写手段の熱及び
圧力から選ばれる少なくとも一つにより前記記録画像を
形成した前記染着層を前記中間媒体から受像体に転写す
る熱転写記録方法に用いる転写体において、前記色材層
の大きさが前記染着層の大きさ以下であることを特徴と
する。
【0015】前記第1〜3番目の転写体の構成において
は、染着層と前記色材層とを同一の基材上に有すること
が好ましい。また前記本発明の中間媒体または前記第1
〜3番目の転写体の構成においては、中間媒体が少なく
ともフッ素ゴムからなることが好ましい。
【0016】
【作用】本発明は上記した構成によって、まず、サーマ
ルヘッドや熱ローラなど染着層転写手段の熱及び圧力か
ら選ばれる少なくとも一つにより、染着層転写体から中
間媒体の表面層に染着層を転移させる。染着層転写体
は、平面図である図4(A)及び断面図である図4
(B)に示す構成からなる。染着層を熱により軟化させ
て染着層を表面層に十分に倣わせる必要があるので加熱
温度は高い程よい。この時、離型層の先頭部より前の位
置から染着層転写体を加熱すると、熱と圧力により染着
層基体と表面層とが強固に接着し、染着層転写体が表面
層から分離できなかったり、分離できても大きな剥離音
を生じる。一方離型層は、熱及び圧力を受けても表面層
との接着力が弱いので、染着層転写体が表面層から分離
できなかったり、大きな剥離音を生じることはない。従
って、加熱領域は、染着層の大きさより大きくかつ離型
層の大きさより小さい領域、図4(C)の44で示した
領域で行なう方がよい。
【0017】また、表面層はゴム材料であるため染着層
転写手段の圧力だけでも染着層転写基体は、表面層とあ
る程度粘着し張り付き染着層転写体と表面層との分離の
際、剥離音を生じる。すなわち、離型層よりも外側の染
着層基体部分では、剥離音を生じる。従って、図5
(A)のように離型層の幅を染着層転写体の幅と同一に
して両サイドの染着層基体部分を排除し、さらに離型層
の終端部より前の位置で、すなわち離型層と表面層とが
接している部分で、染着層転写体と表面層とを分離する
必要がある。
【0018】また、染着層転写手段に熱ローラではなく
サーマルヘッドのような染着層転写体と摩擦力を生じる
染着層転写手段を用い、染着層転写体に図4(A)及び
(B)のような構成の染着層転写体を用い、離型層にシ
リコーンゴムのような高離型性を有するが表面層と容易
に張り付くゴム材料を用いた場合、染着層を表面層に形
成する際、染着層転写体にしわが生じ、表面層上の染着
層にもしわが生じることがある。これは、熱と摩擦力に
より染着層がある部分は伸ばされるが、離型層がある部
分は表面層に張り付き伸びないために起こる。従って、
図4(A)及び図5(A)の構成の染着層転写体を用い
る場合は、中間媒体の表面層に凹凸を設けて、離型層と
表面層とが張り付かないようにすればよい。表面層に凹
凸の状態は、種々検討した結果、表面層の光沢度(JI
S−Z 8741 Gs(60°))が45以下である
必要があることが分かった。
【0019】さらに、染着層転写体と表面層とを分離す
る際、染着層の結着樹脂のフロー軟化点以上の温度で染
着層転写体を表面層から分離すると、染着層の膜強度が
弱いために染着層内部より引き契れて、染着層を表面層
にうまく転移させることができない。従って、染着層転
写体を表面層から分離する時は、染着層の結着樹脂のフ
ロー軟化点より低い温度に染着層を冷却した後に、染着
層転写体と表面層を分離する必要がある。具体的には、
染着層転写手段直後の位置で染着層転写体と表面層とを
分離するのではなく、染着層転写手段から離れた位置で
染着層転写体と表面層とを分離する必要がある。
【0020】また、詳しくは実施例で説明するが、染着
層基体7と染着層9との温度に対する接着力の変化を図
6(A)に示す。また、染着層9と表面層3との温度に
対する接着力の変化を図6(B)に示す。図6より、温
度が上昇するほど、染着層9と染着層基体7との接着力
が上昇する事が分かる。また、逆に、染着層9と表面層
3との接着力は、温度が上昇するほど減少することが分
かる。染着層9を染着層基体7から表面層3に転移する
には、染着層9と染着層基体7との接着力より、染着層
9と表面層3との接着力の方が大きくなければならな
い。つまり、図6のグラフ(A)とグラフ(B)との交
点の温度以下で染着層9の転移が起こる。従って、中間
媒体5から染着層転写体10を分離する際、中間媒体5
と染着層9との接着力が染着層転写体10と染着層9と
の接着力よりも大になるように、染着層転写体10と中
間媒体5とを冷却した後に、中間媒体5から染着層転写
体10を分離しなければならない。
【0021】このようにすることによって、染着層転写
体の剥離音および染着層のしわもなく安定に染着層を表
面層に形成することが出き、染着層転写体も安定に走行
させることが出来る。
【0022】次に、表面層上に形成した染着層と色材層
転写体上のイエロ色の色材層とを重ね合わせて、サーマ
ルヘッド等の記録手段の熱および圧力により、色材層か
ら染着層にイエロ色の染料を転移しイエロ色の記録画像
を形成する。染着層にイエロ色の染料を転移させた後、
色材層と表面層上の染着層とを分離する。この時、色材
層と染着層とは熱を受けた直後では融着しているので、
融着を軽減するために、染着層の結着樹脂のフロー軟化
点より低い温度に染着層を冷却し、かつ色材層の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度になるように色材層を冷
却した後に、色材層と染着層とを分離する。色材層と染
着層の分離時の温度は低いほどよい。具体的には、色材
層転写手段による染料の移行直後で色材層と染着層とを
分離するのではなく、色材層転写手段から離れた位置で
色材層と染着層とを分離する。
【0023】この時、色材層の幅が染着層の幅より広い
と記録時に染着層の幅より広い色材層の部分が表面層と
接触して、色材層から染料が表面層に転移することがあ
る。特に、繰り返し記録を行なうと顕著にこの現象が現
われる。従って、色材層の大きさは染着層の大きさより
も小さい方がよい。また、色材層転写体の幅が染着層の
幅よりも広い場合、記録時に色材層転写体にしわが発生
し記録画像にもしわ発生することがある。これは記録手
段の熱と摩擦力により色材層転写体の下に染着層がある
部分は色材層転写体が伸ばされるが、染着層の幅よりも
広い色材層転写体の部分は表面層と張り付き伸びないた
めに起こる。従って、色材層転写体の幅が染着層の幅よ
り狭い方がよい。また、この構成は記録時に色材層転写
体と表面層とが接触しないので色材層転写体と表面層と
の剥離音も起こらないのでよい。
【0024】または、中間媒体の表面層に凹凸を設け
て、色材層転写体と表面層とが張り付かないようにすれ
ばよい。表面層に凹凸の状態は、種々検討した結果、表
面層の光沢度(JIS−Z 8741 Gs(60
°))が45以下である必要があることが分かった。
【0025】このようにすることによって、色材層転写
体の剥離音および色材層のしわもなく色材を色材層から
安定に表面層上の染着層に転移することが出来る。この
工程をマゼンダ色、シアン色についても同様に繰り返し
行い、表面層上の染着層にフルカラーの記録画像を形成
する。
【0026】最後に、表面層上のフルカラーの記録画像
を形成した染着層と受像体(葉書や普通紙など)とを重
ね合わせて、熱ローラ等の転写手段の熱および圧力によ
り、表面層上の染着層を表面層から受像体に転写かつ定
着し、受像体上にフルカラーの記録画像を形成する。こ
のようにすることによって、従来専用紙のみにしか記録
できなかったのが、あらゆる受像体にフルカラーの記録
画像を形成することができる。
【0027】ここで、中間媒体上の表面層に求められる
特性をまとめておくと、以下の事が挙げられる。 (1)染着層転写体から表面層に容易に染着層を転移で
きるだけの接着性を有していなければならない。接着性
が無いと染着層の転写不良を起こし、染着層が染着層転
写体に残ったままになる。また、表面層上の染着層に色
材層から染料を転移し記録画像を形成するとき、記録手
段の熱および圧力により染着層と色材層とが弱く接着す
る。この時、表面層と染着層との間の接着力が弱いと、
染着層が表面層から剥がれて色材層転写体に転移するこ
とになる。従って、表面層と染着層との接着力は強い方
がよい。 (2)一方、表面層から受像体に容易に染着層を転移で
きるだけの離形性を有していなければならない。離形性
が無いと、染着層が表面層上に残ったままになったりす
る。 (3)表面層上の染着層に色材層から染料を転移し記録
画像を形成するとき、染着層と色材層の密着性が重要で
ある。表面層が硬いと染着層と色材層の密着性が画像が
悪く、記録画像が白く抜けたりする。従って、表面層は
適度な柔軟性を有していなければならない。 (4)表面層から受像体に染着層を転写し定着すると
き、受像体が葉書、普通紙やボンド紙などのように表面
に凹凸のある受像体であるときは、染着層を十分にその
表面の凹凸に倣わせる必要があるので、中間媒体の表面
層は柔軟性を有していなければならない。
【0028】このように中間媒体の表面層は柔軟性を有
し、染着層を表面層に転移するときと染料を色材層から
染着層に転移するときは接着性を有し、表面層上の染着
層を受像体に転移するときは離形性有する必要がある。
【0029】
【実施例】以下図面を用いて本発明をより具体的に説明
する。図1に本発明の熱転写記録方法の一実施例の概略
構成図を示す。概略構成図について説明する。本発明の
熱転写記録方法を実現する装置の中心に、アルミ等の金
属からなる支持ドラム2を設置している。支持ドラム2
は矢印の方向に回転する。支持ドラム2の上に中間媒体
5を巻き付ける。支持ドラム2の回りに、染着層転写手
段であるサーマルヘッド1と記録手段であるサーマルヘ
ッド19と熱ロール22と受像体分離爪23とを設置し
ている。染着層転写手段1には、染着層冷却ローラ11
を中間媒体5に接触するように取り付けている。同様
に、記録手段19にも色材層冷却ローラ20を中間媒体
5に接触するように取り付けている。染着層転写手段1
と中間媒体5との間に、染着層転写体10を設置し、巻
き出しローラ6から染着層転写体10が送り出され巻き
取りローラ12で染着層転写体10が巻き取られる。同
様に、記録手段19と中間媒体5との間に、色材層転写
体18を設置している。中間媒体5は、少なくとも表面
層3と中間媒体基体4とからなる。染着層転写体10に
は、染着層基体7の一方の面に耐熱滑性層8が設けら
れ、もう一方の面にマーカ43とパターン形状の離型層
25と染着層9が設けられている。色材層転写体18に
は、色材層基体16の一方の面に耐熱滑性層17が設け
られ、もう一方の面にマーカ43とパターン形状のイエ
ロ色の色材層13とマゼンタ色の色材層14とシアン色
の色材層15とが設けられている。受像体21は熱ロー
ル22と中間媒体5との間に狭着され、矢印の方向に移
動する。受像体21と中間媒体5との分離に、必要であ
れば受像体分離爪23を用いる。
【0030】図2の動作図を用いて、本発明の原理につ
いて説明する。まず図2(A)に示すように、染着層転
写手段であるサーマルヘッド1と中間媒体5との間に染
着層9が表面層3と接触するように染着層転写体10を
挟着し、支持ドラム2を矢印の方向に回転させながらサ
ーマルヘッド1を通電して加熱し、染着層9の部分ある
いは全面を軟化させ、染着層9の部分あるいは全面を染
着層転写体10から表面層3上に形成する。この工程を
染着層形成工程と呼ぶことにする。染着層形成工程につ
いて、図3の動作図を用いて詳細に説明する。まず、図
3(A)に示すように、染着層転写体10を巻き取りロ
ーラ12で巻き取りながら、サーマルヘッド1の発熱体
の下に離型層25が位置するように位置合わせを行う。
次に図3(B)に示すように、サーマルヘッド1を表面
層3に押圧し、サーマルヘッド1を通電して加熱し、支
持ドラム2を回転させ、染着層転写体10を巻取りロー
ラ12で巻取りながら染着層9を表面層3上に形成す
る。サーマルヘッド1による加熱領域は、図4(C)の
44に示すように染着層9の大きさより大きく離型層2
5の大きさよりは小さくなるように加熱を行う。このよ
うにすることにより、サーマルヘッド1の熱と圧力で基
体7と表面層3とが強く張り付くことなく、染着層転写
体10が安定に音もなく静かに巻き取りローラ12に巻
き取れる。
【0031】またこの時、図4(A)の構成の染着層転
写体10を用いた場合、表面層3はゴム材料であるた
め、サーマルヘッド1の圧力だけでも基体7は、表面層
3とある程度粘着し貼り付く。すなわち、染着層9の両
側の基体7と表面層3とがある程度粘着し貼り付き、基
体7が表面層3から分離する際、剥離音を生じる。従っ
て、図5(A)のように離型層25の幅を染着層転写体
10の幅と同一にして両サイドの染着層基体部分を排除
した染着層転写体を用いるのがよい。
【0032】また、離型層25にシリコーンゴムのよう
なゴム材料で表面層3と容易に貼り付く離型層25を用
いた場合、染着層形成工程において表面層3上の染着層
9にしわを生じることがある。これは、染着層9がある
部分はサーマルヘッド1の熱と摩擦力により伸ばされる
が、離型層25がある部分は表面層3と貼り付いて伸び
ないために起こる。従って、図11(B)のように表面
層3の表面に凹凸を設けて離型層25と表面層3とを貼
りつかないようにすれば、染着層9のしわは防止でき
る。染着層9のしわ防止の表面層3の表面状態について
種々検討を行なった結果、光沢度計(堀場製作所株式会
社:IG-320:JIS-Z 8741 Gs(60°))で45以下の表面凹
凸がよい。特に、40以下が好ましい。また、染着層転
写手段1に部分グレーズヘッドのサーマルヘッドを用い
た場合は、染着層転写体10が部分グレーズの後ろ(巻
き出しローラ6に近い位置)の位置で表面層3と接触し
ないようにすると染着層9のしわ防止に対して非常に効
果的である。
【0033】染着層形成工程において、染着層9を表面
層3の表面に十分に接着させるために、サーマルヘッド
1から染着層9に与えられる熱量は多い程よい。この
時、染着層9の結着樹脂のフロー軟化点以上の温度で染
着層転写体10を表面層3から分離すると、染着層9の
膜強度が弱いために染着層内部より引き契れて、染着層
9を表面層3にうまく形成させることができない。そこ
で、染着層冷却ローラ11によりサーマルヘッド1直後
で染着層転写体10と表面層3とを分離するのではな
く、分離位置をずらすことにより染着層9を染着層9の
結着樹脂のフロー軟化点より低い温度になるようにしば
らく冷却して、染着層転写体10と表面層3とを分離す
る必要がある。従って、サーマルヘッド1と染着層冷却
ローラ11との距離はできるだけ離れているほうがよ
い。
【0034】また、染着層形成工程において次のことに
気をつけなければならない。それは、中間媒体5から染
着層転写体10を分離する際、中間媒体5と染着層9と
の接着力が染着層転写体10と染着層9との接着力より
も大になるように、染着層転写体10と中間媒体5とを
冷却した後に、中間媒体5から染着層転写体10を分離
しなければならないということである。以下、理由につ
いて説明する。染着層基体7に厚さ4.5μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、染着
層基体7の下層に紫外線硬化樹脂などからなる従来公知
の耐熱滑性層8を1μmの厚さで設け、染着層基体7の
一方の面にパターン形状のポリビニルアセタール樹脂
(KS−10,積水化学工業(株))からなる染着層9
を3μmの厚さで設けた染着層転写体10を作製した。
また、中間媒体5には、中間転写基体4に厚み50μm
のポリイミドフィルムを用い、表面層3に厚み30μm
のフッ素ゴム(バイトンB,昭和電工デュポン(株))
を用いた。この時の染着層基体7と染着層9との温度に
対する接着力の変化を図6の(A)に示す。また、染着
層9と表面層3との温度に対する接着力の変化を図6の
(B)に示す。染着層基体7と染着層9との接着力の測
定方法は、厚み37μm、幅18mmの市販のセロハン
テープを19mm幅の染着層転写体10上の染着層9に
張り付けホットプレート上に乗せ、180度の方向にセ
ロハンテープを10mm/秒の速度で引っ張り、その時
の張力を測定した。また、染着層9と表面層3との接着
力の測定方法は、予めサーマルヘッド1を通電して表面
層3上に染着層9を19mm幅で形成して置き(下記の
具体的実施例3の形成条件と同条件)、厚み37μm、
幅18mmの市販のセロハンテープを染着層9に張り付
けホットプレート上に乗せ、180度の方向に10mm
/秒の速度でセロハンテープを引っ張り、その時の張力
を測定した。
【0035】図6より、温度が上昇するほど、染着層9
と染着層基体7との接着力が上昇する事が分かる。ま
た、逆に、染着層9と表面層3との接着力は、温度が上
昇するほど減少することが分かる。染着層9を染着層基
体7から表面層3に転移するには、染着層9と染着層基
体7との接着力より、染着層9と表面層3との接着力の
方が大きくなければならない。つまり、図6のグラフの
線(A)と線(B)との交点の温度以下で染着層9の転
移が起こる。従って、中間媒体5から染着層転写体10
を分離する際、中間媒体5と染着層9との接着力が染着
層転写体10と染着層9との接着力よりも大になるよう
に、染着層転写体10と中間媒体5とを冷却した後に、
中間媒体5から染着層転写体10を分離しなければなら
ない。
【0036】次に図3(C)に示すように、染着層9の
終端部がサーマルヘッド1の発熱体を通過して離型層2
5の終端部を通過しないまでの間に、サーマルヘッド1
による加熱を終了する。
【0037】最後に、離型層25と表面層3とが接触し
ている部分でサーマルヘッド1の離接を行う。図3
(D)は、サーマルヘッド1の離接終了後の状態を示し
た図である。以上で染着層形成工程は終了である。この
ようにすることによって、染着層形成工程において、音
も静かで安定に染着層転写体10から染着層9を表面層
3に形成することができる。
【0038】次に図2(B)に示すように、表面層3上
の染着層9とイエロ色である色材層13とが接触するよ
うに、色材層転写体18を中間媒体5と記録手段である
サーマルヘッド19との間に挟着し、支持ドラム2を矢
印の方向に回転させながらサーマルヘッド1を通電して
加熱し、色材層13から染着層9に染料を移行させてイ
エロ色の記録画像を染着層9に形成する。染着層9にイ
エロ色の染料を移行させた後、色材層13と表面層3上
の染着層9とを分離する。この時、染着層9と色材層1
3とはサーマルヘッド19の熱を受けた直後では融着し
ているので、融着を軽減するために、染着層9の結着樹
脂のフロー軟化点より低い温度に染着層9を冷却し、か
つ色材層13の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
なるように色材層13を冷却した後に、染着層9と色材
層13とを分離する必要がある。染着層9と色材層13
との分離時の温度は低いほどよい。具体的には、サーマ
ルヘッド19より離れた位置に色材層冷却ローラ20を
設け、所定の温度以下になるように冷却してから染着層
9と色材層13とを分離する。従って、サーマルヘッド
19と色材層冷却ローラ20との距離はできるだけ離れ
ているほうがよい。このようにすることによって、染料
を色材層13から安定に表面層3上の染着層9に移行す
ることが出来る。
【0039】また記録時に、サーマルヘッド1の圧力だ
けでも色材層13〜15の大きさが染着層9の大きさよ
り大きいと、染着層9の大きさより大きい色材層13〜
15の部分が表面層3と接触して、色材層13〜15か
ら染料が表面層3に転移することがある。特に、繰り返
し記録を行なうと表面層3に染料が蓄積する現象が顕著
に現われる。従って、色材層13〜15の大きさは染着
層9の大きさよりも小さい方がよい。
【0040】また、色材層転写体18の幅が染着層9の
幅よりも広い場合、記録時に色材層転写体18にしわが
発生し記録画像にもしわを生じることがある。これは、
記録手段の熱と摩擦力により色材層転写体18の下に染
着層9がある部分は色材層転写体18が伸ばされるが、
染着層9の幅よりも広い色材層転写体18の部分は、表
面層3がゴム材料であるので表面層3と張り付き伸びな
いために起こる。従って、色材層転写体18の幅は染着
層9の幅より狭い方がよい。また、この構成は記録時に
色材層転写体18と表面層3とが接触しないので色材層
転写体18と表面層3と張りつきによる剥離音も起こら
ないのでよい。
【0041】また、記録時の色材層転写体18のしわの
発生を防止するのに、図11(B)のように表面層3の
表面に凹凸を設けて色材層転写体18と表面層3とを張
りつかないようにしてもよい。種々検討を行なった結
果、表面層3の表面の凹凸の状態は、光沢度計(堀場製
作所株式会社:IG-320:JIS-Z 8741 Gs(60°))で45以
下が良好である。特に、40以下が好ましい。また、記
録手段19に部分グレーズヘッドのサーマルヘッドを用
いた場合は、色材層転写体18が部分グレーズの後ろ
(巻き出しローラに近い位置)の位置で表面層3と接触
しないようにすると色材層転写体18のしわ防止に対し
て非常に効果的である。
【0042】このようにすることによって、色材層転写
体18の剥離音およびしわもなく、表面層3に染料を汚
染することなく染料を色材層13から安定に表面層3上
の染着層9に転移することが出来る。
【0043】このイエロ色に行った工程をマゼンタ色1
4およびシアン色15についても全く同様に繰り返し行
い、表面層3上の染着層9にフルカラーの記録画像を形
成する。色材層転写体18から表面層3上の染着層9に
すべての染料を移行し終わったら、図2(C)に示すよ
うに、サーマルヘッド19と色材層転写体18とを表面
層3から離接する。最後に図2(C)に示すように、表
面層3上のフルカラーの記録画像を形成した染着層9と
葉書や普通紙などの受像体21とを接触させ、アルミロ
ール内部にハロゲンランプなどのヒータを挿入し、アル
ミロールの外側にシリコーン等の耐熱ゴム層を設けた熱
ローラ22の熱および圧力により、表面層3上の染着層
9を表面層3から受像体21に転写かつ定着し、受像体
21上にフルカラーの記録画像を形成する。必要であれ
ば、受像体分離爪23を用いて、表面層3と受像体21
を分離する。図6のグラフの線(B)に示すように、染
着層9と表面層3との接着力は温度が高いほど接着力が
減少するので、温度が高い状態の方が染着層9は表面層
3から受像体21に転移し易い。従って、熱ロール22
にできるだけ近い位置で、表面層3と受像体21とを分
離する方がよい。但し、染着層9の結着樹脂のフロー軟
化点以上に転写温度を上げると、染着層9の膜強度が著
しく減少し、染着層9の内部で引きちぎれ、うまく染着
層9を表面層3から受像体21に転写できないので、転
写時の染着層9に与える温度を染着層9の結着樹脂のフ
ロー軟化点より低くするか受像体分離位置をずらせて冷
却してから受像体21を表面層3から分離する必要があ
る。
【0044】このようにして、従来専用紙のみにしか記
録できなかったのが、あらゆる受像体にフルカラーの記
録画像を形成することができる。図7に本発明の熱転写
記録方法の1実施例の概略構成図を示す。図7におい
て、まず染着層転写手段1と記録手段19とが同一のサ
ーマルヘッド1でその機能をもたせていることが図1と
は違う点である。同様に、染着層冷却ローラ11と色材
層冷却ローラ20も同一である。また、染着層9と色材
層13〜15が同一の転写基体24上に設けている点が
図1の実施例とは異なる点である。
【0045】本発明の動作原理について説明する。ま
ず、サーマルヘッド1と中間媒体5との間に転写体26
の染着層9が中間媒体5と接触するように転写体26を
挟着し、支持ドラム2を矢印の方向に回転させながらサ
ーマルヘッド1を通電して加熱し、染着層9の部分ある
いは全面を軟化させ、染着層9の部分あるいは全面を転
写体26から表面層3上に転移させる。この染着層形成
工程は、図1の実施例と全く同様である。その後、一
旦、サーマルヘッド1を表面層3から離接し、表面層3
上の染着層9とイエロ色の色材層13とが接触するよう
に、巻き取りローラ12と支持ドラム2とを回転させて
位置合わせを行う。次に、サーマルヘッド1を表面層3
に押圧させ、支持ドラム2を矢印の方向に回転させなが
らサーマルヘッド1を通電して加熱し、色材層13から
染着層9に染料を移行させてイエロ色の記録画像を染着
層9に形成する。染着層9にイエロ色の染料を移行させ
た後、色材層13と表面層3上の染着層9とを分離す
る。このイエロ色に行った工程をマゼンタ色およびシア
ン色についても全く同様に繰り返し行い、表面層3上の
染着層9にフルカラーの記録画像を形成する。転写体2
6から表面層3上の染着層9にすべての染料を移行し終
わったら、サーマルヘッド1と転写体26とを表面層3
から分離する。最後に、表面層3上のフルカラーの記録
画像を形成した染着層9と葉書や普通紙などの受像体2
1とを接触させ、熱ローラ22の熱および圧力により、
表面層3上の染着層9を中間媒体5から受像体21に転
写かつ定着し、受像体21上にフルカラーの記録画像を
形成する。必要であれば、受像体分離爪23を用いて、
中間媒体5と受像体21を分離する。
【0046】このようにすれば、図1の実施例よりかな
り構成部品や材料を削減することができ、装置が小型に
なる。図8に本発明の熱転写記録方法の一実施例の概略
構成図を示す。図8において、中間媒体5がエンドレス
ベルト形状であり、熱ロール22が中間媒体5の内部に
配置している点が図6とは違う点である。図8におい
て、27はプラテンローラ、28はアイドラローラ、2
9はローラである。本発明の動作は、図7の実施例と全
く同様であるので省略する。このような構成にすれば、
表面層3上の染着層9を受像体21に転写するとき、熱
ロール22により中間媒体5側から加熱できるので、受
像体21の厚みが厚くても転写温度を上げる必要がない
ので有利である。中間媒体5を保持しているロールの少
なくとも1つのロールを中間媒体の蛇行を防止するロー
ルにすることが可能である。例えば、アイドラローラ2
8を太鼓型ロールにして蛇行を防止したり、アイドラロ
ーラ28の軸を動かして蛇行を防止したりすることが可
能である。
【0047】以上説明した実施例で、染着層転写手段は
サーマルヘッドを用いたが、染着層を加熱することがで
きるものであればよく、金属ロールなどを用いてもよ
い。また、記録手段もサーマルヘッドを用いたが、色材
層の染料を染着層に移行することが出来るものであれば
よく、通電ヘッド、光ヘッドなどを使用してもよい。ま
た、熱ロールも面状ヒータのような熱と圧力がかかるも
のであればよい。
【0048】図4及び図5に本発明の熱転写記録方法に
使用される染着層転写体10の概略構成図を示す。染着
層転写体10は、少なくとも染着層基体7と染着層9と
からなる。染着層転写手段1にサーマルヘッドを使用す
る場合は、染着層基体7の一方に面に耐熱滑性層8が必
要である。図4(A)は、耐熱滑性層8が染着層基体7
の一方の面に全面に設けら、もう一方の面にパターン形
状に離型層25が設けられ、さらにその上に染着層9が
離型層25の大きさよりも小さく設けられている図であ
る。また、図4(A)の断面図を図4(B)に示す。ま
た、マーカ43が、各離型層25の前に設けられてい
る。図5(A)は、離型層25の両側に染着層基体7の
部分を全く排除した染着層転写体である。図5(B)
は、図5(A)の断面図である。図5(C)は、染着層
9上に高分子物質層30が積層されている実施例であ
る。高分子物質層30は、染着層9の結着樹脂のガラス
転移温度(以下、Tgと略す)より高い材料からなって
おり、表面層3上で染着層9に記録画像を形成する際及
び染着層9を受像体に転写する際に、染料が染着層9を
貫通して表面層3に移行するのを防止するために設けら
れている。又、染着層転写体10は、離型層25及びマ
ーカ43の接着性を増すために、染着層基材7の全面あ
るいは部分的にアンカー層を設けてもよい。
【0049】染着層基体7は、特に限定されないで任意
の基材を用いることができる。例えば、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスルホンサン、芳
香族ポリアミド(アラミド)、ポリイミド、ポリパラバ
ン酸、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロ
ファン等より得られるフィルム、また、これらのフィル
ムに導電塗料、プライマー塗料、帯電防止塗料、耐熱滑
性塗料等の各種塗料を塗工した各種塗工フィルムであ
る。特に好ましいのは、ポリエチレンテレフタレート等
のポリエステルフィルムである。
【0050】染着層9は、特に限定されないが、従来公
知の各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂を用いること
ができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルブチラール、アセトアセタール化ポリビ
ニルアルコール、プロピオンアセタール化ポリビニルア
ルコール等のポリビニルアセタール系樹脂、スチレン−
アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−アクリル
共重合体樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、飽和ポリエ
ステル等のポリエステル系樹脂などがある。記録時の色
材層との融着が少なく、中間媒体とも適度な接着力を有
するという観点から、特に、染着層9は、少なくともポ
リビニルアセタール系樹脂を含んでいることが望まし
い。ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールに
各種アルデヒド例えば、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、プロピオンアルデヒド等を反応させて得られる
樹脂である。染着層9は、染着層9の樹脂のガラス転移
温度(Tg)が40℃〜150℃の範囲、樹脂の分子量
が数平均重合度150〜3000の範囲、またはフロー
軟化点が300℃以下のものが特に望ましい。
【0051】記録手段19により色材層転写体18の色
材層13〜15から表面層3上の染着層9に染料を転移
させた時、記録手段19の熱と圧力により色材層13〜
15と染着層9とが融着する。その融着を防止するため
に、従来では染着層9に離型材を添加していた。しか
し、染着層9に離型材を添加すると、繰り返し記録を行
なうと染着層9から表面層3に離型材が転移して染着層
9と表面層3との接着力が低下する。その結果、染着層
転写体10から表面層3に染着層9が形成できなくなっ
たり、記録時に染着層9が表面層3から剥がれて色材層
転写体18にもっていかれてしまうことになる。これ
は、染着層転写手段及び記録手段及び熱ロールの熱によ
り染着層9中の離型材が拡散して表面層3上に転移する
ことにより起こる。従って、染着層9に離型材を添加す
るのではなく、色材層13〜15に離型材を添加するの
がよい。
【0052】染着層9の厚みは、0.5μm〜20μm
が適当で、特に1μm〜5μmの厚みが好ましい。高分
子物質層30は、特に限定されなく、例えば、各種熱可
塑性樹脂、熱、光、電子線などによる各種硬化性樹脂を
用いることが出来る。例えば、アクリル系、ウレタン
系、アミド系、エステル系、セルロース系、スチレン
系、オレフィン系等の各種樹脂を用いることが出来る。
アクリロニトリルースチレン共重合樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンーアクリル共重合樹脂、塩化ゴム、塩素化
ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、飽和
ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエステルウレタ
ン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、セ
ルロース誘導体、加工デンプブン、デンプン誘導体、ま
たはポリカーボネートから選択される少なくとも1種の
高分子物質を用いていることが好ましい。ポリビニルア
ルコール誘導体としては、例えば各種ポリビニルアセタ
ール等がある。上記した染着層の所で述べた、各種ポリ
ビニルアセタールが特に有用である。又、高分子物質層
30は、染着層9のガラス転移温度(Tg)より高い高
分子を用いることが特に有用である。
【0053】高分子物質層30の厚みは、0.1μm〜
10μmが適当で、0.5μm〜5μmが好ましい。耐
熱滑性層8は、少なくとも液状滑材と樹脂とからなる。
樹脂は、従来公知のものが使用できる。例えば、各種熱
可塑性樹脂、熱、光、電子線などによる各種硬化性樹脂
の硬化樹脂等を用いることができる。特に各種硬化性樹
脂が基材との接着性及び耐熱性に於て良好である。例え
ば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和アルデヒド
樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、フラン樹脂、オリゴアクリレート等がある。中で
もオリゴアクリレートの硬化樹脂が優れた特性を示す。
また、光、電子線による硬化樹脂は短時間で容易に硬化
し、又、未反応樹脂、硬化剤等の色材層への転移がほと
んど無いため、長尺の転写シートを作成しやすく良好な
特性を示す。例えば、オリゴアクリレートの光、または
芳香族ジアゾニウム塩、あるいは芳香族ヨードニウム
塩、または芳香族スルホニウム塩触媒によるエポキシ樹
脂の光硬化樹脂が優れている。オリゴアクリレートとし
ては、例えば、ポリオールアクリレート、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリ
レート、シリコーンアクリート、ポリアセタールのアク
リレート等である。エポキシ樹脂としては、例えば、ビ
ニルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレイト等の環状脂肪族エポキシ樹脂がある。ま
た、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルア
クリレート等の反応性希釈剤を樹脂に添加して用いるこ
ともできる。
【0054】また、サーマルヘッドとの滑性をよくする
ために上記樹脂中に液状滑材を添加するのがよい。とこ
ろが、液体滑材を使用した染着層転写体10を巻回保存
して繰り返し記録を行なうと、記録回数が多くなるほど
染着層形成工程で染着層転写体1から染着層9を表面層
3に形成できなくなる。この原因を調べた結果、耐熱滑
性層8中の液体滑材が表面層3に転移し蓄積しているこ
とが分かった。図12は、液状滑材の表面層への転移性
を示す図である。図13は、液状滑材の転移性を調べる
ための実験装置の概略構成図である。実験装置について
説明する。46は直径30mmの硬度50°のゴムロー
ラで、48は直径50mmの金属ローラで、金属ローラ
48の中にハロゲンランプ47を挿入し加熱できるよう
にしてある。実験は、金属ローラの表面温度が160℃
で行なった。金属ローラ48の上に中間媒体5を巻き付
け、ゴムローラ46と金属ローラ48との間に染着層転
写体10を耐熱滑性層8と表面層3とが接触するように
挟着してある。ゴムローラ46と金属ローラ48とは、
ばねでつながれ荷重25kg/92mmがかかってい
る。中間媒体5は、25μm厚のポリイミドフィルムを
中間媒体基体として用い、その上に具体的実施例1のフ
ッ素ゴム塗料を塗布し200℃、8時間フッ素ゴムを硬
化して30μmの表面層3を形成している。染着層転写
体10は、4.5μmのPETを染着層基体として用
い、その一方の面に耐熱滑性層8を設けている。耐熱滑
性層8の樹脂は、エポキシアクリレート樹脂(SP-1509:
昭和高分子(株))を用い、さらに樹脂に対して20重
量%のシリカ(R972 :日本アエロジル(株))を内添し
ている。
【0055】図12(A)は、図13の実験装置を用い
て、160℃の温度で上記耐熱滑性層8(液状滑材な
し)と上記フッ素ゴムの表面層3とを6000回接触さ
せたときの染着層9と表面層3との接着力(25℃)の
変化を示した図である。図12(B)は、上記耐熱滑性
層にエポキシアクリレート樹脂(SP-1509:昭和高分子
(株))に対して液状滑材、側鎖ポリエーテル変性シリ
コーンオイル、Y−7006(日本ユニカー(株))を
2重量%添加した耐熱滑性層8を用いたときの結果であ
る。以下同じように、(C)は側鎖ポリエーテル変性シ
リコーンオイル、L−7602(日本ユニカー(株))
を2.5重量%添加した耐熱滑性層8を用いたとき、
(D)は、カルボキシル変性シリコーンオイル、X−2
2−162C(信越化学工業(株))を0.5%添加し
た耐熱滑性層8を用いたときの結果である。
【0056】このように、液状滑材の中でも側鎖ポリエ
ーテル変性シリコーンオイルが表面層3に転移及び蓄積
しにくく優れていることが分かった。具体的には、日本
ユニカー株式会社製のL−77、L−720、L−70
01、L−7002、L−7600、L−7602、L
−7604、L−7607、L−22、L−49、Y−
7006などがよい。また、これらあるいは他の滑材と
組み合わせて用いてもよい。耐熱滑性層8から滑材を表
面層3へ転移させないために、滑材のポリエーテルの官
能基の分子量は、大きいほどよい。これは、耐熱滑性層
8中の樹脂との接着性が増加するためである。また、サ
ーマルヘッドと耐熱滑性層8との滑り性を増加させるに
は、滑材のシロキシサンの分子量を大きくすればよい。
【0057】L−7602は、ポリエーテルの官能基の
分子量は1000で、シロキシサンの分子量は2000
である。Y−7006は、ポリエーテルの官能基の分子
量は12000で、シロキシサンの分子量は6000で
ある。図12の(B)と(C)に示すように、Y−70
06はL−7602に比べ、表面層3への転移がほとん
どなく優れている。従って、側鎖ポリエーテル変性シリ
コーンオイルのポリエーテル変性部の分子量が1000
0以上ものが優れた特性を有している。また、Y−70
06はL−7602に比べ、サーマルヘッドと耐熱滑性
層8との滑り性にも優れている。従って、側鎖ポリエー
テル変性シリコーンオイルのジメチルポリシロキシサン
の分子量が3000以上のものが優れた特性を有してい
る。
【0058】また、特に側鎖ポリエーテル変性シリコー
ンオイルとオリゴアクリレート塩、芳香族ヨードニウム
塩、または芳香族スルホニウム塩触媒を用いて光硬化さ
せるエポキシ樹脂との組合せが優れている。図12
(B)に示すように、液状滑材にY−7006、樹脂に
エポキシアクリレート樹脂、表面層3にフッ素ゴムを用
いた実験では、表面層3への滑材の転移はほとんど起こ
らなかった。従って、Y−7006とエポキシアクリレ
ート樹脂との組合せは、サーマルヘッドとの滑性に優
れ、かつ表面層3への転移及び蓄積がないので特によ
い。
【0059】耐熱性滑性層の膜厚は、特に限定されるも
のではない。一般に製造面からは0.1μm以上の膜厚
が均一な膜を形成できる。離型層25は、特に限定され
ない。例えば、高分子物質層の所で述べた材料を用いる
ことが出来る。また、各種離型剤または各種離型剤と高
分子物質により形成されていてもよい。各種離型剤とし
ては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルシ
リコーンオイル、フッ素シリコーンオイル等のシリコー
ン系離型剤、SiH変性、シラノール変性、アルコシキ
変性、エポキシ変性、アミノ変性、カルボキシ変性、ア
ルコール変性、メルカプト変性、ビニル変性、ポリエー
テル変性、フッ素変性、高級脂肪酸変性、カルナバ変
性、アミド変性、アルキルアリル変性等の各種反応性も
しくは各種変性シリコーンオイル、または染着層の所で
述べた界面活性剤などがある。また、シリコーンまたは
フッ素変性の各種の樹脂を用いることが出来る。特にシ
リコーンとアクリルとの共重合体がよい。また、熱加硫
型、室温硬化型、液状、縮合反応型、付加反応型、過酸
化物硬化型、紫外線硬化型などの各種シリコーンゴムや
樹脂、各種シリコーンエマルジョン、各種シリコーン樹
脂粉末等、各種シリコーンゴム粉末などを用いることが
出来る。フッ素系離型剤としては、ポリテトラフルオロ
エチレン、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアル
キルビニルエーテル共重合体等の各種フッ素樹脂、ビニ
リデンフルオライドーヘキサフルオロプロピレン系ゴム
等の各種フッ素ゴム、各種フッ素系界面活性剤、フッ化
カーボン、各種フッ素ゴムラテックス、含フッ素樹脂等
が有用である。また、離型性層25の離型性を制御する
ために各種粘着剤、各種微粒子を添加してもよい。
【0060】離型層25の厚みは、0.1μm〜5μm
が適当で、特に0.1μm〜3μmが好ましい。また、
離型層25と表面層3との剥離力は、25℃において5
0g/インチ以下がよい。特に、20g/インチ以下が
よい。剥離力の測定方法は、以下の通りである。染着層
9のない染着層転写体10(厚み6μm)を用いて、表
面層3と離型層25とが接触するように染着層転写体1
0を張り合わせ、サーマルヘッド1を通電して(下記の
具体的実施例3の形成条件と同条件)、表面層3と染着
層転写体10とを張り合わせる。表面層3上の染着層転
写体10を19mm幅で残し、その上に厚み37μm、
幅18mmの市販のセロハンテープを張り付け、180
度の方向に10mm/秒の速度でセロハンテープを引っ
張り、その時の張力を測定する。
【0061】図9に本発明の熱転写記録方法に使用され
る色材層転写体の概略構成図を示す。色材層転写体18
は、図9の(A)のように少なくとも色材層基体16と
耐熱滑性層17とイエロ色の色材層13とマゼンタ色の
色材層14とシアン色の色材層15とからなる。また、
図9の(B)のように、色材層13〜15と色材層基体
16との間にアンカー層42を設けて色材層13〜15
と色材層基体16との間の接着力を増してもよい。必要
に応じて、各色材層の前の適当な位置にマーカ43を設
ける。色材層転写体18は、従来公知ものが使用でき
る。色材層13〜15は、少なくとも染料と結着材とか
ら構成される。染料としては、分散染料、塩基性染料、
カラーフォーマ等が有用である。特に、インドアニリン
系、キノフタロン系、ジシアノイミダゾール系、ジシア
ノメチン系、トリシアノビニル系等の分散染料が有用で
ある。結着材としては各種高分子材料などが利用でき
る。例えば、アクリル系、ウレタン系、アミド系、エス
テル系、セルロース系、スチレン系、オレフィン系等の
各種樹脂を用いることが出来る。アクリロニトリルース
チレン共重合樹脂、ポリスチレン、スチレンーアクリル
共重合樹脂、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、塩化ビ
ニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニルーアクリ
ル酸エステル共重合樹脂、飽和ポリエステル、ポリプロ
ピレン、ポリエステルウレタン、ポリビニルアセター
ル、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、加工デ
ンブン、デンプン誘導体、あるいはポリカーボネートか
ら選択される少なくとも1種の高分子物質を用いている
ことが好ましい。
【0062】また前述したように、記録時の色材層と染
着層との融着防止は、染着層9に離型材を添加するので
はなく、色材層13〜15に離型材を添加するのがよ
い。離型材は、従来公知のものが使用できる。例えば、
含フッ素湿分硬化型樹脂、含シロキシサン湿分硬化型樹
脂、各種フッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコ
ーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アル
キルアラキルポリエーテル変性シリコーンオイル、エポ
キシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル等の各種変性
シリコーンオイル、ポリオキシアルキレングリコールと
シリコーンとの各種共重合体等の各種シリコーン系界面
活性剤などがある。また、必要に応じて微粒子や帯電防
止剤を用いてもよい。
【0063】色材層13〜15の厚みは、0.1μm〜
10μmが適当で、0.5μmから3μmが特に好まし
い。色材層基体16と耐熱滑性層17は、染着層転写体
10の所で述べた材料と同一のものが使用できる。ここ
では省略する。
【0064】図10(A)に、転写基体24の一方の面
に耐熱滑性層8を設け、もう一方の面にアンカー層42
を設け、さらにアンカー層42の上に離型層25と染着
層9と色材層13〜15とが同一の面上にパターン形状
に設けた転写体を用いた実施例を示す。図10(B)
は、図10(A)の正面図である。染着層9の形状は、
図5(A)の形状でもよい。色材層13〜15の大きさ
は、染着層9の大きさより小さい。又、転写基体24及
び離型層25及び染着層9及び色材層13〜15及び耐
熱滑性層8は、図4または図5の染着層転写体及び図9
の色材層転写体の所で説明した材料と同一である。ま
た、図10の(C)のように、染着層9上に高分子物質
層30を積層させ、染料を表面層3に移行するのを防止
するために設けてもよい。
【0065】図11に中間媒体5の概略構成図を示す。
図11(A)のように、中間媒体5は少なくとも表面層
3と中間媒体基体4とからなる。表面層3は、各種ゴム
材料を用いることができる。例えば、フッ素ゴム、過酸
化物硬化型、縮合反応型、付加反応型、紫外線硬化型の
シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ウレタンゴ
ム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、
ブタジエンゴムー酢酸ビニルゴム、エチレンーアクリル
ゴム、水素化ニトリルゴム、多硫化ゴム等の各種合成ゴ
ム、天然ゴム等を用いることが出来る。また、これらの
ゴムを組み合わせて混合して、染着層9と表面層3との
接着力を調整して用いてもよい。また、樹脂を混合し
て、染着層9と表面層3との接着力を調整して用いても
よい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体等の各種フッ素樹脂等が有用である。また、表
面層3に各種粘着剤、各種微粒子(超微粒子)、帯電防
止剤を含有することが出来る。例えば、MTカーボンや
FTカーボン等のカーボンブラック、ホワイトカーボ
ン、酸化マグネシウム、合成非晶質シリカ、酸化チタ
ン、タルク、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ
酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、ベンガラ、グラ
ファイト粉末等である。
【0066】図8の構成(条件は具体的実施例3と同
じ)で受像体21に官製葉書を用いて連続試験を1万回
実施した結果、上記ゴム材料の中でも、特にフッ素ゴム
が優れていた。フッ素ゴムは、1万回の連続試験後も安
定に動作し表面状態が変わらず、特に表面の荒れがなく
耐刷性に富んでいた。表面状態は、光沢度計と表面粗さ
計で測定した。また、フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品
性、耐候性、高強度であるので中間媒体5の表面層3に
は特に適している。
【0067】フッ素ゴムとは、ビニリデンフルオライド
とヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、ビニリ
デンフルオライドとペンタフルオロプロピレンとの二元
共重合体、ビニリデンフルオライドとクロロトリフルオ
ロエチレンとの二元共重合体、ビニリデンフルオライド
とヘキサフルオロプロピレンとテトラフロオロエチレン
との三元共重合体、ビニリデンフルオライドとペンタフ
ルオロプロピレンとテトラフロオロエチレンとの三元共
重合体、ビニリデンフルオライドとパーフルオロメチビ
ニルエーテルとテトラフロオロエチレンとの三元共重合
体などである。フッ素ゴムの架硫方法は3つあり、ポリ
アミン、ポリオール、パーオキサイド架硫がある。ま
た、表面層3にフッ素系の熱可塑性エラストマーも用い
ることが出来る。また、フッ素ゴムに他のゴムを混合し
て、染着層9と表面層3との接着力を調整して用いても
よい。
【0068】図1の構成で、直径100mmのドラムの
回転速度10mm/秒、熱ローラ温度160℃、動作環
境5〜40℃で、連続動作を行った時、染着層冷却ロー
ラ11の位置での表面層3の温度変化を調べた結果、最
低が5℃、最高が60℃であった。そこで、裕度をみて
表面層3の温度が0〜70℃の範囲の時に、安定に染着
層9を染着層転写体10から表面層3に形成し、かつ表
面層3上に染着層9を保持して記録を行うのに最低必要
な表面層3と染着層9との接着力は5g/インチであっ
た。また、この温度範囲で表面層3と染着層転写体10
および表面層3と色材層転写体18とが容易に分離でき
て安定に走行できるためには、表面層3と染着層転写体
10および表面層3と色材層転写体18との接着力が1
00g/インチ以下でなけれならなかった。また、表面
層3から受像体21を分離する時、安定に染着層9を受
像体21に転写し、かつ分離音なく安定に受像体21を
表面層3から分離させるには表面層3と染着層9との接
着力は50g/インチ以下でなければならない。従っ
て、表面層3と染着層9との接着力は、表面層の温度が
0〜70℃の時、5g/インチ以上でかつ表面層3と染
着層転写体10および表面層3と色材層転写体18との
接着力が100g/インチ以下でかつ表面層3から受像
体21を分離する時の表面層3と染着層9との接着力は
50g/インチ以下が必要である。
【0069】表面層3と染着層9との接着力の測定方法
は、予めサーマルヘッド1を通電して表面層3上に染着
層9を19mm幅で形成して置き(下記の具体的実施例
3の形成条件と同条件)、厚み37μm、幅18mmの
市販のセロハンテープを染着層9に張り付け、180度
の方向に10mm/秒の速度でセロハンテープを引っ張
り、その時の張力を測定する。又、表面層3と染着層転
写体10および表面層3と色材層転写体18との接着力
の接着力の測定方法も同様に、予めサーマルヘッド1を
通電して表面層3上に染着層転写体10(厚み6μm)
あるいは色材層転写体18(厚み6μm)を19mm幅
で形成して置き(下記の具体的実施例3の形成条件と同
条件)、染着層転写体10あるいは色材層転写体18を
180度の方向に10mm/秒の速度で引っ張り、その
時の張力を測定する。
【0070】又、表面層3の厚みは、表面に凹凸のある
受像体21(普通紙、ボンド紙、官製葉書など)に染着
層9を倣わして転写するので10μm以上が必要であ
る。また、図8のように中間媒体5にエンドレスベルト
を用いて、表面層3上の染着層9を受像体21に転写す
るとき、染着層9は中間媒体5側から加熱される。従っ
て、熱伝達を考えると表面層3は薄い方がよく、10〜
200μmが好ましい。特に、10〜50μmがよい。
表面層3を200μm以下の薄層にするには、表面層材
料を塗液にして中間媒体基体4上に形成しなければなら
ない。フッ素ゴムは、架硫前であれば他の溶剤には溶け
ないがケトン系溶剤に可溶であるので、混練後、ケトン
系溶剤で溶解させ塗液化することができる。2−ブタノ
ンで溶解させたフッ素ゴムの塗料を用いて、表面層3を
形成する時、乾燥条件(高湿度60%RH以上や乾燥風
量が多い時)により、表面層3に凹凸が生じ白く曇った
り、ひどくは穴を生じる場合がある。これは、溶剤の気
化により生じる。従って、溶剤の沸点は100℃以上の
ケトン系溶剤がよい。特に、4−メチル−2−ペンタノ
ン(メチルイソブチルケトン)は価格も安く良好であ
る。
【0071】また、ポリアミン架硫のフッ素ゴムをケト
ン系溶剤に溶かし、常温で放置すると4〜5日でゲル化
する。フッ素ゴムの中でも、ポリオール架硫のフッ素ゴ
ムの塗液は常温でも1ヶ月以上ゲル化しないのでポット
ライフの観点から非常によい。
【0072】また、表面層のなめらかさの観点から、最
上層にムーニー粘度が50以下のフッ素ゴムを用いるの
がよい。また、受像体表面の凹凸に倣うようにするため
には、表面層3のゴム硬度は低い方がよい。表面層3に
用いるフッ素ゴムは、少なくともフッ素ゴムの生ゴム1
00重量部に対して、カーボンブラック(MTカーボン
ブラックなど)を0〜90重量部、酸化マグネシウムを
5〜30重量部、ポリアミン、ポリオール、パーオキサ
イド等の架硫剤の中の1つを1〜20重量部添加し、混
練される。フッ素ゴムの硬度を低くするには、フッ素ゴ
ム中のカーボンブラックおよび酸化マグネシウムの含有
量を低めれば良い。
【0073】また、図11(B)および(C)のように
表面層3の表面に凹凸を設けると、染着層形成工程にお
ける染着層9のしわおよび染着層転写体10の剥離音お
よび記録時の色材層転写体18のしわおよび色材層転写
体18の剥離音防止および受像体21を表面層3から容
易に分離できるので特に好ましい。表面の凹凸の状態
は、上記にも述べたが光沢度は光沢度計(堀場製作所株
式会社:IG-320:JIS-Z8741 Gs(60°))で45以下が良
好である。特に、40以下が好ましい。表面層3に凹凸
形状を設けるには、ゴム材料の架硫前に凹凸形状の面を
持つフィルムとゴム材料とを重ね合わせて熱と圧力で成
形し、その後フィルムを引き剥して設けてもよいし、サ
ンドブラスト工法で表面に凹凸形状を設けてもよい。ま
た、図11の(C)のようにゴム材料に1μm以上の微
粒子44を添加して、凹凸形状を設けてもよい。微粒子
44は、上記した従来公知のものが使用できる。表面層
3にフッ素ゴムを用いる場合は酸化マグネシウムの微粒
子がよい。
【0074】また、受像体に転写した染着層9の表面を
艶消しにするには、中間媒体の表面層3の表面を凹凸し
て、染着層9の光沢を落とせばよい。表面層3は、染着
層を紙などのように凹凸の表面を有する受像体に転写す
るので、受像体表面の凹凸に倣うように、柔軟である方
が好ましいのでゴム硬度は低い方がよい。しかし、表面
層3のゴム硬度(JIS−A:25℃)が70゜以下だ
と、染着層転写体10や色材層転写体18が表面層3と
張り付き、染着層転写体10や色材層転写体18が表面
層3から分離するのが困難になる。そこで、図11
(D)のように表面層3を2層以上の構成にして、最上
層45にゴム硬度が70゜(JIS−A)を超えるゴム
材料を用い、最上層45の下にある表面層3にはできる
だけ柔軟なゴムを用いるのがよい。
【0075】最上層45にフッ素ゴムを用いる場合は、
少なくともフッ素ゴムの生ゴム100重量部に対して、
カーボンブラック(MTカーボンブラックなど)を0〜
90重量部、酸化マグネシウムを5〜30重量部、ポリ
アミン、ポリオール、パーオキサイド等の架硫剤の中の
1つを1〜20重量部添加し、混練される。最上層のフ
ッ素ゴムの硬度を高くするには、フッ素ゴム中のカーボ
ンブラックの含有量を高めれば良い。最上層のゴム硬度
が70゜(JIS−A)超えるようにするには、フッ素
ゴムの生ゴムに対して、カーボンブラックの量が10%
〜90%が適当で、特に10%〜50%が良好である。
【0076】最上層45下の表面層3には、耐熱性を有
する柔軟なゴムであればよく上記したゴムなどが使用出
来る。最上層45の厚みは、耐刷性を満足する範囲で、
できるだけ薄い方がよいので、10μm以下が好まし
い。最上層45の下の表面層3の厚みは、10μm以上
が好ましい。2層の構成でもフッ素ゴムは、耐熱性、耐
薬品性、耐候性、高強度であるので中間媒体の最上層お
よび表面層に適している。
【0077】中間媒体基体4は、耐熱性を有するもので
あれば特に限定されず、鉄やアルミなどの金属や各種の
耐熱高分子フィルム等を使用することが出来る。また、
形状も特に限定されず例えば、フィルム、エンドレスフ
ィルム、ドラム状等で使用することが出来る。耐熱高分
子フィルムとして、例えば染着層基体7の材料等を使用
できる。特に、ポリイミドからなるフィルムあるいはエ
ンドレスフィルムがよい。ポリイミドからなるフィルム
あるいはエンドレスフィルムは各種のゴム材料との接着
力に乏しいので、中間媒体基体4と表面層3との接着力
を強くするために中間媒体基体4と表面層3との間にア
ンカー層を設けてもよい。フッ素ゴムの塗料から製作さ
れる表面層3は、特にアンカー層を設けなくてもポリイ
ミドと強く接着するので工数およびコストの面で非常に
よい。
【0078】受像体21は、非塗工紙、塗工紙、フィル
ム、シート、OHP用の透明フィルム、表面粗さの大き
いボンド紙、普通紙、官製葉書、合成紙等で、特にその
材質、紙質、形態に限定されない。
【0079】表面層3上の染着層9に記録された記録画
像は、受像体21上に転写、定着されるので、受像体2
1上の記録画像とは左右反転の画像(鏡像)となる。そ
のため、記録手段による表面層3上の染着層9への記録
は、受像体21上に得られる画像の左右反転を考慮して
記録される。
【0080】又、染着層9を受像体21に転写した後、
さらに受像体21上の染着層9を加熱して、染着層9を
さらに受像体21に定着してもよい。なお、本発明の記
録方法は、中間媒体上の染着層が、他の中間媒体に転写
された後に、最終受像体に転写、定着される記録方法も
含むものである。
【0081】以下、具体的実施例を示す。 (実施例1) ・染着層転写体の作製 幅200mm、厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略す)を染着層基体として用い、染着
層基体の一方の面に紫外線照射により硬化させた耐熱滑
性層1μmを設けた。もう一方の面に幅200mm、長さ2
80mm、厚み0.3 μmの離型層の上に幅180mm、長さ2
60mm,厚み3μmのパターン状の染着層を設け、図5
(A)の構成が繰り返される染着層転写体を作製した。
各パターンの染着層の前に位置合わせのためのマーク4
3を設けた。 (耐熱滑性層塗料) エポキシアクリレート樹脂(SP-1509:昭和高分子(株)) 20重量部 増感剤(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン) 1重量部 シリカ(R972:日本アエロジル(株)) 4重量部 液状滑材(Y−7006:日本ユニカー(株)) 0.4重量部 酢酸エチル 100重量部 (離型層塗料) シリコーンゴム 10重量部 (LTC350G、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社) 触媒 0.1重量部 (SRX212、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社) トルエン 30重量部 (染着層塗料) ポリビニルブチラール樹脂 4重量部 (BL−S、積水化学工業株式会社) トルエン 10重量部 2−ブタノン 10重量部 ・色材層転写体の作製 幅200mm、厚み4.5μmのPETを色材層基体として用
い、色材層基体の一方の面に耐熱滑性層1μm(染着層
転写体と同等)を設け、もう一方の面に厚み0.1μm
のアンカー層を設け、その上に幅190mm、長さ280m
m,厚み1μmのパターン状の色材層を設け、図9の
(B)の構成が繰り返される色材層転写体を作製した。
各色の色材層の前に位置合わせのためのマークを設け
た。 (イエロの色材層塗料) ジシアノメチン系分散染料 2.8重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 含シロキサンアクリルシリコン樹脂溶液 0.08重量部 (F6A、有効成分54wt%、三洋化成工業株式会社) ジ−n−ブチル錫ジラウレート 0.001重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (マゼンタの色材層塗料) アゾ系分散染料 3.1重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 含シロキサンアクリルシリコン樹脂溶液 0.08重量部 (F6A、有効成分54wt%、三洋化成工業株式会社) ジ−n−ブチル錫ジラウレート 0.001重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (シアンの色材層塗料) インドアニリン系分散染料 3.5重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 含シロキサンアクリルシリコン樹脂溶液 0.08重量部 (F6A、有効成分54wt%、三洋化成工業株式会社) ジ−n−ブチル錫ジラウレート 0.001重量部 トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 ・中間媒体の作製 幅250mm、長さ314mm、厚み50μmのポリイミドを中
間媒体基体として用い、その上に厚み400μmのフッ素ゴ
ム(光沢度=35、ゴム硬度74°:25℃)を形成し
て200℃、8時間以上で架橋して、図11(C)の中
間媒体を作製した。また、位置合わせのためのマークを
フッ素ゴム上に設けた。 (表面層) フッ素ゴム 10重量部 (バイトンB、昭和電工デュポン株式会社) FTカーボン 2重量部 酸化マグネシウム 1.5重量部 (スターマグL、神島化学) ポリアミン架硫剤 0.3重量部 以下、図2の実施例に適応させて説明する。図2(A)
のようにアルミドラムからなる支持ドラム2の上に上記
中間媒体5を巻き付け固定する。上記作製した染着層転
写体10と色材層転写体18をカセットに組み込み、図
2の装置に装着する。最初に、中間媒体5のマークをセ
ンサーで検地して、中間媒体5上に染着層9を形成する
位置まで支持ドラム2を回転させる。次に、染着層転写
体10のマーカを検地して、離型層25がサーマルヘッ
ド1を通過する位置まで染着層転写体10を送る。次
に、サーマルヘッド1を30Nで中間媒体5に押圧し、
サーマルヘッド1を加熱して、染着層9を表面層3上に
形成する。サーマルヘッド1による加熱領域は、図4
(C)に示すように染着層9の大きさより大きく離型層
25の大きさよりは小さくなるように加熱を行う。形成
条件は以下の通りである。
【0082】 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 8ms 記録エネルギー: 8.6J/cm2 次に、染着層9の終端部がサーマルヘッド1の発熱体を
通過して離型層25の終端部が通過しないまでの間に、
サーマルヘッド1による加熱を終了する。次に、離型層
25と表面層3とが接触している部分でサーマルヘッド
1の離接を行う。次に、図2(B)のようにサーマルヘ
ッド19を用いて、色材層転写体18のイエロ色の色材
層13から染料を表面層3上の染着層9に移行する。こ
の時の記録条件は以下の通りである。
【0083】記録画像: 16階調 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 0〜8ms 最大記録エネルギー: 8.6J/cm2 サーマルヘッド押圧力: 30N 以下同様にして、表面層3上の染着層9にマゼンダ色、
シアン色の記録を行って、記録画像を得た。
【0084】最後に、図2(C)のように表面層3上の
記録画像を形成した染着層9と普通紙(コピー用紙)2
1とを接触させ、アルミロール内部にハロゲンランプの
ヒータを挿入し、アルミロールの外側にシリコーンゴム
層を設けた熱ローラ22の熱(120℃)および押圧力
(300N)により、10mm/sの速度で表面層3上の染着
層9を中間媒体5から普通紙21に転写かつ定着し、普
通紙21上に記録画像を形成した。以上のようにして得
られた記録画像は、良好に普通紙に形成され、最大濃度
1.5以上を有していた。
【0085】(実施例2) ・転写体の作製 幅200mm、厚み4.5μmのPETを転写基体24として
用い、転写基体24の一方の面に耐熱滑性層1μm(実
施例1と同様)を設け、もう一方の面に幅200mm、長
さ280mm,厚み0.3μmのパターン状の離型層を設け
る。その離型層の上に幅190mm、長さ260mm,厚み2.
5μmのパターン状の染着層9を設け、さらにその上に先
に設けた染着層9の結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
より高い樹脂を用いた厚み2.0μmのパターン状の高分子
物質層30を設け、図10(C)の2層構成で、幅方向
の形状は図10の(B)の転写体26を作製した。又、
各パターンの前に位置合わせのためのマーク43を設け
た。 (離型層塗料) シリコーンゴム 10重量部 (LTC350G、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社) 触媒 0.1重量部 (SRX212、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社) トルエン 30重量部 (染着層塗料) ポリビニルブチラール樹脂 4重量部 (BL−S、Tg=54℃、積水化学工業株式会社) トルエン 10重量部 2−ブタノン 10重量部 (高分子物質層塗料) アセトアセタール化ポリビニルアルコール 4重量部 (KSー10、Tg=110℃、積水化学工業株式会社) トルエン 10重量部 2−ブタノン 10重量部 ・色材層転写体の作製 (イエロの色材層塗料) ジシアノメチン系分散染料 2.8重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 側鎖ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.04重量部 (L7001、日本ユニカー株式会社) トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (マゼンタの色材層塗料) アゾ系分散染料 3.1重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 側鎖ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.04重量部 (L7001、日本ユニカー株式会社) トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 (シアンの色材層塗料) インドアニリン系分散染料 3.5重量部 アクリロニトリルースチレン共重合樹脂 4重量部 アミド変性シリコーンオイル 0.04重量部 酸化チタン(T805、日本アエロジル株式会社) 0.24重量部 側鎖ポリエーテル変性シリコーンオイル 0.04重量部 (L7001、日本ユニカー株式会社) トルエン 25重量部 2−ブタノン 25重量部 ・中間媒体の作製 幅250mm、長さ314mm、厚み50μmのポリイミドを中
間媒体基体として用い、その上に厚み400μmのフッ素ゴ
ム(光沢度=35、ゴム硬度43°:25℃)を形成し
て200℃、8時間以上で架橋して、図11の(C)の
中間媒体を作製した。また、位置合わせのためのマーク
をフッ素ゴム上に設けた。 (表面層) フッ素ゴム 7重量部 (E430、昭和電工デュポン株式会社) フッ素ゴム 3重量部 (LM、昭和電工デュポン株式会社) 酸化マグネシウム 1.5重量部 (スターマグL、神島化学) ポリオール架硫剤 0.3重量部 この転写体26を図7の装置に用いて普通紙21上に記
録を行った。また、記録条件は実施例1と同様である。
転写条件は、温度160℃、押圧力300N、速度10mm/sであ
る。
【0086】その結果、良好に記録画像が美しく普通紙
上に形成され、最大濃度1.5以上を有し、動作中の音
も靜かであった。 (実施例3) ・中間媒体の作製 幅120mm、周長190mm、厚み50μmのポリイミドのエ
ンドレスベルトを中間媒体基体4として用い、その上に
厚み30μmのフッ素ゴム(光沢度=35、ゴム硬度74
°:25℃)を形成して200℃、8時間以上で架橋し
て、図11(C)の中間媒体を作製した。また、位置合
わせのためのマークをフッ素ゴム上に設けた。 (表面層塗料) フッ素ゴム 10重量部 (バイトンB、昭和電工デュポン株式会社) FTカーボン 2重量部 酸化マグネシウム 1.5重量部 (スターマグL、神島化学) ポリアミン架硫剤 0.3重量部 メチルイソブチケトン 20重量部 ・転写体の作製 幅92mm、厚み4.5μmのPETを転写基体24として用
い、転写基体24の一方の面に耐熱滑性層1μm(実施例
1と同様)を設け、もう一方の面に幅92mm、長さ120
mm,厚み0.3μmのパターン状の離型層25を設け
る。その離型層25の上に幅82mm、長さ110mm,厚
み2.5μmのパターン状の染着層9を設け、さらにその
上に先に設けた染着層9の結着樹脂のガラス転移温度
(Tg)より高い樹脂を用いた厚み2.0μmのパターン状
の高分子物質層30を設け、実施例2の構成と同様の転
写体を作製した。
【0087】上記した中間媒体5を、図8の装置に装着
して、官製葉書に記録を行った。中間媒体への染着層の
形成条件は、 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 8ms 記録エネルギー: 8.6J/cm2 サーマルヘッド押圧力: 20N 記録条件は、 記録画像: 16階調 記録速度: 16.8ms/line 記録パルス幅: 0〜8ms 最大記録エネルギー: 8.6J/cm2 サーマルヘッド押圧力: 20N 普通紙への染着層9の転写条件は、温度160℃、押圧力1
50N、速度10mm/sである。その結果、動作中の音も静か
で、良好に記録画像が美しく官製葉書上に形成され、最
大濃度1.5以上を有していた。又、連続試験1万回を
行った結果、問題なく動作した。
【0088】(実施例4) ・中間媒体の作製 幅120mm、周長190mm、厚み50μmのポリイミドのエ
ンドレスベルトを中間媒体基体4として用い、その上に
厚み50μmのフッ素ゴム(ゴム硬度43°:25℃)の
表面層を形成して、さらに厚み5μmのフッ素ゴムの最
上層(光沢度=35、ゴム硬度74°:25℃)を形成
して、乾燥後200℃、8時間以上で架橋して、図11
(D)の中間媒体を作製した。また、位置合わせのため
のマークをフッ素ゴム上に設けた。 (最上層塗料) フッ素ゴム 10重量部 (バイトンB、昭和電工デュポン株式会社) FTカーボン 2重量部 酸化マグネシウム 1.5重量部 (スターマグL、神島化学) ポリアミン架硫剤 0.3重量部 メチルイソブチケトン 20重量部 (表面層塗料) フッ素ゴム 7重量部 (E430、昭和電工デュポン株式会社) フッ素ゴム 3重量部 (LM、昭和電工デュポン株式会社) 酸化マグネシウム 1.5重量部 (キョーワマグ30、共和化学工業株式会社) ポリオール架硫剤 0.3重量部 メチルイソブチケトン 20重量部 上記した中間媒体5を、図8の装置に装着して、官製葉
書に記録を行った。転写体および動作条件はすべて実施
例3と同様である。その結果、動作中の音も静かで、良
好に記録画像が美しく官製葉書上に形成され、最大濃度
1.5以上を有していた。又、連続試験1万回を行った
結果、問題なく動作した。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来、染
着層を予め塗布した高価な特殊上にしか高品位のピクト
リアル画像を記録できなかったのが、官製葉書、普通
紙、ボンド紙やOHPなどの受像体を使用しても高品位
のピクトリアル画像を安定に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における熱転写記録方法の概
略構成図である。
【図2】(A)〜(C)は本発明の一実施例における熱
転写記録方法の動作図である。
【図3】(A)〜(D)は本発明の一実施例における染
着層形成工程の詳細図である。
【図4】(A)〜(C)は本発明の一実施例の染着層転
写体の概略構成図である。
【図5】(A)〜(C)は本発明の一実施例の染着層転
写体の概略構成図である。
【図6】本発明の一実施例の染着層と染着層基体及び染
着層と中間媒体との接着力の温度変化図である。
【図7】本発明の一実施例の熱転写装置の概略構成図で
あり、(A)はシートの部分拡大断面図、(B)は同平
面図である。
【図8】本発明の一実施例の熱転写装置の概略構成図で
あり、(A)はシートの部分拡大断面図、(B)は同平
面図である。
【図9】(A)〜(B)は本発明の一実施例の色材層転
写体の概略断面図である。
【図10】(A)〜(C)は本発明の一実施例の転写体
の概略構成図である。
【図11】(A)〜(D)は本発明の一実施例の中間媒
体の概略断面図である。
【図12】本発明の一実施例の液状滑材の表面層への転
移性を示す図である。
【図13】本発明の一実施例の実験装置の概略構成図で
ある。
【図14】従来の熱転写記録方法の概略構成図である。
【図15】従来の熱転写記録方法の動作図である。
【符号の説明】
1 染着層転写手段 2 支持ドラム 3 表面層 4 中間媒体基体 5 中間媒体 6 巻き出しローラ 7 染着層基体 8 耐熱滑性層 9 染着層 10 染着層転写体 11 染着層冷却ローラ 12 巻き取りローラ 13 イエロ色の色材層 14 マゼンタ色の色材層 15 シアン色の色材層 16 色材層基体 17 耐熱滑性層 18 色材層転写体 19 記録手段 20 色材層冷却ローラ 21 受像体 22 熱ロール 23 受像体分離爪 24 転写基体 25 離型層 26 転写体 27 プラテンロール 28 アイドラローラ 29 ローラ 30 高分子物質層 31 転写体 32 耐熱滑性層 33 転写基体 34 染着層 35 イエロ色の色材層 36 マゼンタ色の色材層 37 シアン色の色材層 38 サーマルヘッド 39 プラテンローラ 40 受像体 41 搬送ローラ 42 アンカー層 43 マーカ 44 微粒子 45 最上層 46 ゴムローラ 47 ハロゲンランプ 48 金属ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽我美 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 今井 章博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 田口 信義 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−297863(JP,A) 特開 平6−143831(JP,A) 特開 平7−68812(JP,A) 特開 平8−67016(JP,A) 特開 平8−72412(JP,A) 特開 平5−201037(JP,A) 特開 平5−177957(JP,A) 特開 昭63−105043(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 B41J 2/315 B41J 31/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染着層基体の上面に少なくとも染着層を
    設けた染着層転写体と、色材層基体の上面に少なくとも
    色材層を設けた色材層転写体と、中間媒体とを用いて、
    まず染着層転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくと
    も一つにより前記染着層転写体上の前記染着層を前記中
    間媒体上に形成する際、前記中間媒体と前記染着層との
    接着力が前記染着層基体と前記染着層との接着力よりも
    大になるように前記染着層転写体と前記中間媒体とを冷
    却した後に前記中間媒体から前記染着層転写体を分離
    し、前記染着層転写体上の前記染着層の一部分または全
    面を前記中間媒体上に形成し、次に前記中間媒体上に形
    成した前記染着層と前記色材層とを重ね合わせて、記録
    手段の熱および圧力により前記色材層から色材を前記中
    間媒体上の前記染着層に移行して記録画像を形成し、次
    に前記染着層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
    前記染着層を冷却しかつ前記色材層の結着樹脂のフロー
    軟化点より低い温度になるように前記色材層を冷却した
    後に、前記中間媒体から前記色材層転写体を分離し、さ
    らに転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つ
    により前記記録画像を形成した前記染着層を前記中間媒
    体から受像体に転写する熱転写記録方法に用いる中間媒
    において、前記中間媒体が凹凸形状で、その光沢度(J
    IS-Z 8741 Gs(60°))が45以下であることを特徴とす
    る中間媒体。
  2. 【請求項2】 前記中間媒体が少なくとも表面層と中間
    媒体基体とからなり、前記表面層が少なくとも微粒子と
    フッ素ゴムとからなり、前記微粒子が少なくとも酸化マ
    グネシウムの粒子を含み、前記酸化マグネシウムの粒子
    で前記表面層の光沢度(JIS-Z 8741 Gs(60°))を45以
    下の範囲にした請求項1に記載の中間媒体。
  3. 【請求項3】 染着層基体の上面に少なくとも染着層を
    設けた染着層転写体と、色材層基体の上面に少なくとも
    色材層を設けた色材層転写体と、中間媒体とを用いて、
    まず染着層転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくと
    も一つにより前記染着層転写体上の前記染着層を前記中
    間媒体上に形成する際、前記中間媒体と前記染着層との
    接着力が前記染着層基体と前記染着層との接着力よりも
    大になるように前記染着層転写体と前記中間媒体とを冷
    却した後に前記中間媒体から前記染着層転写体を分離
    し、前記染着層転写体上の前記染着層の一部分または全
    面を前記中間媒体上に形成し、次に前記中間媒体上に形
    成した前記染着層と前記色材層とを重ね合わせて、記録
    手段の熱および圧力により前記色材層から色材を前記中
    間媒体上の前記染着層に移行して記録画像を形成し、次
    に前記染着層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
    前記染着層を冷却しかつ前記色材層の結着樹脂のフロー
    軟化点より低い温度になるように前記色材層を冷却した
    後に、前記中間媒体から前記色材層転写体を分離し、さ
    らに転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つ
    により前記記録画像を形成した前記染着層を前記中間媒
    体から受像体に転写する熱転写記録方法に用いる転写体
    において、前記染着層転写体の耐熱滑性層が少なくとも
    液状滑材と樹脂とからなり、前記液状滑材が側鎖ポリエ
    ーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする転
    写体。
  4. 【請求項4】 前記染着層転写体の前記液状滑材が、側
    鎖ポリエーテル変性シリコーンオイルで、かつ前記樹脂
    が、オリゴアクリレート塩、芳香族ヨードニウム塩、及
    び芳香族スルホニウム塩から選ばれる少なくとも一つの
    触媒を用いて光硬化させるエポキシ樹脂である請求項3
    に記載の転写体。
  5. 【請求項5】 前記液状滑材の側鎖ポリエーテル変性シ
    リコーンオイルのポリエーテル変性部の重量平均分子量
    が、10000以上である請求項3または4に記載の転
    写体。
  6. 【請求項6】 前記液状滑材の側鎖ポリエーテル変性シ
    リコーンオイルのジメチルポリシロキシサンの重量平均
    分子量が、3000以上である請求項3、4または5に
    記載の転写体。
  7. 【請求項7】 染着層基体の上面に少なくとも染着層を
    設けた染着層転写体と、色材層基体の上面に少なくとも
    色材層を設けた色材層転写体と、中間媒体とを用いて、
    まず染着層転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくと
    も一つにより前記染着層転写体上の前記染着層を前記中
    間媒体上に形成する際、前記中間媒体と前記染着層との
    接着力が前記染着層基体と前記染着層との接着力よりも
    大になるように前記染着層転写体と前記中間媒体とを冷
    却した後に前記中間媒体から前記染着層転写体を分離
    し、前記染着層転写体上の前記染着層の一部分または全
    面を前記中間媒体上に形成し、次に前記中間媒体上に形
    成した前記染着層と前記色材層とを重ね合わせて、記録
    手段の熱および圧力により前記色材層から色材を前記中
    間媒体上の前記染着層に移行して記録画像を形成し、次
    に前記染着層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
    前記染着層を冷却しかつ前記色材層の結着樹脂のフロー
    軟化点より低い温度になるように前記色材層を冷却した
    後に、前記中間媒体から前記色材層転写体を分離し、さ
    らに転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つ
    により前記記録画像を形成した前記染着層を前記中間媒
    体から受像体に転写する熱転写記録方法に用いる転写体
    において、前記色材層転写体の前記色材層のみに離型材
    を持たせたことを特徴とする転写体。
  8. 【請求項8】 染着層基体の上面に少なくとも染着層を
    設けた染着層転写体と、色材層基体の上面に少なくとも
    色材層を設けた色材層転写体と、中間媒体とを用いて、
    まず染着層転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくと
    も一つにより前記染着層転写体上の前記染着層を前記中
    間媒体上に形成する際、前記中間媒体と前記染着層との
    接着力が前記染着層基体と前記染着層との接着力よりも
    大になるように前記染着層転写体と前記中間媒体とを冷
    却した後に前記中間媒体から前記染着層転写体を分離
    し、前記染着層転写体上の前記染着層の一部分または全
    面を前記中間媒体上に形成し、次に前記中間媒体上に形
    成した前記染着層と前記色材層とを重ね合わせて、記録
    手段の熱および圧力により前記色材層から色材を前記中
    間媒体上の前記染着層に移行して記録画像を形成し、次
    に前記染着層の結着樹脂のフロー軟化点より低い温度に
    前記染着層を冷却しかつ前記色材層の結着樹脂のフロー
    軟化点より低い温度になるように前記色材層を冷却した
    後に、前記中間媒体から前記色材層転写体を分離し、さ
    らに転写手段の熱及び圧力から選ばれる少なくとも一つ
    により前記記録画像を形成した前記染着層を前記中間媒
    体から受像体に転写する熱転写記録方法に用いる転写体
    において、前記色材層の大きさが前記染着層の大きさ以
    下であることを特徴とする転写体。
  9. 【請求項9】 前記染着層と前記色材層とを同一の基材
    上に有する請求項3〜8のいずれか1項に記載の転写
    体。
  10. 【請求項10】 前記中間媒体が少なくともフッ素ゴム
    からなる請求項1に記載の中間媒体または請求項3、7
    または8に記載の転写体。
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