JP3800822B2 - 画像剥離部材及び画像剥離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真プロセスを使用した再生可能な画像記録体から容易に画像形成材料を剥離し、画像記録体を再生するための画像剥離部材及び、それを用いた画像剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境問題が表面化して森林資源保護の重要性が認識され、紙原料としての木材資源の利用削減が重要課題となってきている。この木材資源の利用削減対策の一環として、一度使用した古紙を、再生紙として利用することが進められている。しかし、回収した古紙を再生紙にするには、企業等の機密文書や機密データの漏洩、回収した古紙の集積場所やその管理、さらに、古紙再生において、再生紙の品質が低下したり、多大なエネルギーや大がかりな装置を必要とする等種々の問題がある。
一方、石油資源の利用削減という観点からは、プラスチック等の再利用が重要となる。プラスチックを原料とする画像記録体としては、講演や会議などの発表、プレゼンテーション等に使用するOHP(オーバーヘッドプロジェクター) 用フィルム等がある。しかし、OHP 用フィルムでは、フィルム表面に画像形成材料を強固に定着させるために薄い受像層を設けており、現状ではこの受像層を損なうことなく画像形成材料だけをOHP 用フィルムから除去することは困難なため、その多くが1回の使用で廃棄処分されている。
【0003】
このような問題を解決するために、一度使用した紙又はプラスチックフィルム等の画像記録体上の画像を画像剥離部材を使用して剥離し、画像記録体を再生する数々の方法や装置等が提案されている。
例えば、特開平1-297294号、特開平2-055195号及び特開平4-064472号公報では、画像形成材料がしみ込まない材料で形成したり、離型剤で表面処理した画像記録体上に形成された画像(画像形成材料)と、熱可塑性樹脂や低温で粘着性を示す糊等が表面に付与された表面層を有する画像剥離部材とを重ねて加熱し、軟化した画像形成材料を剥離部材に移行させ、冷却後、画像剥離部材から画像記録体を剥離する画像剥離方法が開示されている。ここで、画像剥離部材表面層に画像形成材料との親和性向上の目的で、画像形成材料と同じ樹脂を用いた場合、特に冷却後は表面材と剥離部材の基材との接着性が悪く、逆に画像記録体へ画像剥離部材の樹脂が転写され、また画像剥離部材上の樹脂層が脱落することが頻繁におこり、画像剥離部材の表面に欠陥が生じて、連続的な使用に耐えないという問題があった。
【0004】
特開平6-289754号公報には、表面が複数の孔又は凹凸を有している画像剥離部材が提案されている。これは、孔を開けることで画像形成材料を剥離ロール内に取り込み画像形成材料のクリーニング頻度や飛散を低減させるものであるが、剥離ロール自身を加熱すると取り込んだ画像形成材料が表面側に溶融して出てきたり、また孔や凹凸部分のクリーニングが難しい。またベルトに孔を開けると稼働或いは従動ロールに画像形成材料が付着してしまうため、ベルトがスムーズに稼働できなくなるなどの問題がある。
【0005】
画像剥離部材表面層の脱落を防止するため、特開平7-44072 号公報は、ロール状画像剥離部材の表面をマット加工したものの上にポリエステル樹脂層を設けたものであるが、熱可塑性ポリエステル樹脂は熱と圧力が加えられた状態で画像形成材料と接触するために両者が混合し、基材表面と接着力の弱くなり、繰り返し使用していくと画像記録体へ逆転写してしまう問題がある。ポリエステル樹脂がポリカーボネートであれば表面が堅いため画像形成材料との接触時画像の凹凸に追従できず、画像エッジ部分がはっきりと残留してしまい剥離性に問題がある。
【0006】
特開平7-104621号、特開平7-110590号、特開平7-114198号公報では、耐久性に優れる画像剥離部材として、ポリエチレンテレフタレート(PET )、TiO2入りPET 、発泡PET 、SiO2入りPET 等のPET製の部材を用いる技術が提案されているが、上記特開平7-44072 号公報と同様表面が堅いため、カラー画像のような凹凸が20μm 程ある画像表面を持つ画像には追従できず、剥離部材上の画像形成材料のクリーニング不良等を引き起こす問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、本発明はオフィスや家庭で画像記録体を再生する際に、長期に渡って繰り返し良好な画像剥離性能を維持でき、表面の画像剥離層の欠陥の発生を効果的に防止し、再生可能な画像記録体に広範に適用可能な耐久性に優れた画像剥離部材及びそれを用いた画像剥離装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は再生可能な画像記録体を容易に再生できる画像剥離部材及びそれを用いた画像剥離装置について鋭意研究を重ねた結果、画像剥離部材に表面層及び基材の双方に対して親和性の良好な中間層を形成することによって上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の画像剥離部材は、基材、シリコーン粘着剤を含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備え、画像記録体上の画像形成材料に、該表面層を加熱接触させることによって、画像記録体から画像形成材料を剥離することを特徴とする。
また、本発明の第二の態様である画像剥離部材は、その中間層として、非晶質線状飽和ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有した中間層を備えることを特徴とする。
ここで、画像形成材料剥離用表面層を構成する材料は、画像形成材料に対して親和性の材料と離型性材料とを含有することが好ましく、画像形成材料に対して親和性の材料としては、感圧接着剤又は熱溶融性材料が挙げられ、離型性材料としては、有機珪素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンオイル及びワックスから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0009】
また、本発明の請求項6に記載の画像剥離装置は、画像剥離部材を画像記録体上の画像形成材料と加熱接触させることによって画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離手段と、画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を画像剥離部材から除去するための除去手段と、を備えた画像剥離装置であって、該画像剥離手段が、基材、シリコーン粘着剤を含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備えることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の画像剥離装置は、前記中間層に代えて、該画像剥離手段が、非晶質線状飽和ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有した中間層を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記基材の形状が、ベルト状で、さらにポリイミド樹脂の無端ベルトであることで、その性能をより発揮することができる。
表面層を構成する画像形成材料に対して親和性材料が熱溶融性材料の場合には、画像形成材料に含まれる樹脂と同一の樹脂または、画像形成材料であることが好ましい。
表面層を構成する離型性材料は、含有量が5〜80重量%であることが望ましい。
さらに、熱溶融性材料が、離型性材料と均一に混合されていることが好ましく、均一混合のために、表面層を構成する材料に、熱溶融性材料と離型性材料との相溶化剤を含有させることができ、可塑剤を含有させることもできる。また、これら表面層の膜厚は10〜500μm が好ましい。
【0011】
画像剥離方法は、画像記録体上の画像形成材料と画像剥離部材との接触前に、画像記録体と画像形成材料との付着性を低下させる付着低下工程をさらに備えることができる。
付着低下工程では、画像記録体上の画像形成材料を加熱することによって画像記録体と画像形成材料との付着性を低下させることができる。
また、剥離工程で画像記録体上の画像形成材料を加熱しても良い。
本発明の画像剥離方法には公知の画像記録体を使用することができるが、表面が画像記録材料に対する離型性を有する材料で処理された画像記録体を使用することがさらに好ましい。
【0012】
本発明の画像剥離部材に係わる画像の形成及びその剥離方法について、電子写真法を例にとって説明すると、通常、帯電により電子写真用感光体表面に均一に静電荷を与えた後、原稿から得られた画像情報に基づいてその表面を露光することにより静電潜像が形成される。次に、感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料(トナー)を供給することで、静電潜像が可視画像となり、さらにこれが画像記録体へ転写され、最後に熱や圧力等により画像形成材料が画像記録体へ定着する。
従って、画像が熱によって画像記録体に定着している場合には、画像記録体を再度加熱すれば画像形成材料が溶融し、画像記録体と画像形成材料との付着性が低下する。この状態で画像形成材料を画像記録体から何らかの力で引き離せば画像形成材料が剥離しやすくなることが容易に理解される。しかし、画像形成材料は定着性を良くするために画像記録体としての用紙繊維との親和性の高い材料で構成されているため、ここでは離型性処理した用紙を使用することがより好ましい。
【0013】
上記のように画像形成材料を溶融させた状態で、画像形成材料との親和性の高い物質で構成された画像剥離部材を画像記録体上の画像形成材料と接触させると、画像形成材料が画像記録体から画像剥離部材へ移行し、画像記録体から画像記録材料を除去することができる。
しかし、従来の画像剥離部材では、画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を取り除くことが困難であり、厚く重なった画像形成材料は冷却すると脆くなるのと同時に接着性が低下するという問題があったのは前述の通りであり、画像剥離部材がフィルムやベルト上に形成された場合、基材に少しでも冷却した部分が存在したまま稼働させることにより、基材から画像形成材料が剥がれ落ちて、画像を剥離するための表面層に欠陥が生じる。これは特にベルトを取り廻す曲率の高い部分に集中して起き、剥がれ落ちた部分は剥離部材表面の凹凸を発生させ、画像が剥離されない部分を生じたり、さらに剥離した画像形成材料が、用紙などの画像記録体や装置内に付着するという問題があった。
また根本的な問題としてカラー画像のような凹凸の大きい画像形成材料の画像にこれら堅い表面を持つ画像剥離部材は画像記録体上の画像形成材料と接地できない部分を生み出し、結果として剥離性能を満足に得ることはできなかった。
【0014】
これに対して本発明によれば、画像剥離部材の基材と表面層との間に双方の層と親和性の高い材料からなる中間層を用いることで基材と表面層との接着性を保ち、加熱時も冷却時も画像形成材料の脱落が発生せず、また、基材や接着層を痛めるような強力なクリーニングを行うことなく、中間層の接着性により表面層膜厚および表面凹凸の容易な制御ができる方式で、繰り返し長期に渡って剥離性能を維持できるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳しく説明する。
本発明の画像剥離部材は、基材上に画像を剥離する表面層との間に中間層を有する積層構造であり、中間層を構成する材料が、基材と表面層を強固に密着させ、表面層の膜厚制御を行っても表面層の脱落や層欠陥の発生を防止しうるため、長期に渡って繰り返し画像記録体上から画像形成材料を除去することができるものである。
【0016】
本発明の画像剥離部材の基材としては、その形状、構造、大きさ等は特に制限はなく、目的に応じてそれ自体公知のものの中から適宜選択して使用することができるが、中でもベルト状のものが稼働効率、占有体積等の点から好ましい。
基材を構成する材質としては、耐熱性、機械的強度に優れ、熱導伝性が良好である材質ならば特に制限はないが、たとえば無機材料であれば、アルミニウム、SUS 等のステンレス鋼、鉄、銅、ニッケル等の金属、合金、セラミックス等が挙げられる。有機材料としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンフタレート、ポリエステル、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂材料が挙げられ、画像剥離部材の加熱温度が100℃〜150℃程度になることを考慮すれば、本発明では、耐熱性や強度(伸縮)の面からポリイミド樹脂を用いることが望ましい。また、前記樹脂は導電性粉体などを添加分散して、体積抵抗率を制御することが好ましく、中でも、カーボンブラックを添加分散して体積抵抗率を制御したポリイミドフィルムが好ましい。
【0017】
また、ベルトの形状に関しては、継ぎ目があると定着時にその部分の加圧力が変わり、画像剥離に影響を及ぼすことから、無端ベルトがより好ましい。
前記ベルト基材の厚みは、30〜200 μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150 μmの範囲、さらに好ましくは50〜130 μmの範囲が適している。基材の厚みが30μmより薄いと、加熱冷却時の寸法安定性や、強度が不足する。200 μmを越えると、基材の比熱が増大して熱移動量が低下し、画像剥離速度やサイクルタイムの低下につながる。
【0018】
前記基材上に設けられる中間層の材料としては、基材と表面層材料と親和性が高く、さらに接着性と耐熱性に優れた材料が好ましい。接着性をもつものには、粘着剤が挙げられるが、耐熱性を考慮するとシリコーン粘着剤が最も好ましい。また、樹脂では、ポリエステル樹脂が良いが、塗布加工性、耐熱性を考慮すると非晶質線状飽和ポリエステル樹脂とその硬化剤を用いた層が最も好ましい。
【0019】
シリコーン粘着剤は、通常、硬化反応形態や有機基の種類により分類される。硬化反応形態には、触媒等を利用した1液型の付加反応タイプと過酸化物を硬化剤として用いる2液型の2種類がある。通常は、ジオルガノポリシロキサンの直鎖ポリマーや変性シリコーンポリマーを基材とし、各種の可塑剤、充填剤等を含有するものが使用される。有機基による分類では、主たる有機基によりメチル系とメチルフェニル系に分類できる。これらの中では、取り扱い易さや製造性という観点から見ると、付加反応タイプのメチル系のシリコーン粘着剤が特に好ましい。シリコーン粘着剤は硬化により強固で熱安定性に優れた層を形成し、さらに、粘着性とともにある程度の弾性を有する層を形成しうることから、表面層の安定化に有用である。
【0020】
一方、ポリエステル樹脂については、一般的なポリエステル繊維あるいはポリエステルフィルムを構成する樹脂としては、線状の高分子量飽和ポリエステル樹脂が挙げられるが、その特性が高結晶性で、高融点で、且つ、溶剤に対して溶解性が非常に低く、安定であるため種々の用途に汎用されるが、加工性が悪く、耐熱性のポリイミド樹脂と表面層材料との接着という役割を持つ本発明の中間層には適さない。一方、非晶質線状飽和ポリエステル樹脂は、低融点で溶剤に溶解し易く、加工性が良好でポリイミド樹脂等の基材や、各種表面層材料との密着性にも優れるため、本発明の中間層として好適に使用できる。さらに、この非晶質線状飽和ポリエステル樹脂は、分子鎖の両末端にヒドロキシル基、またはカルボキシル基を有していることから、イソシアネート系、エポキシ系、メラミン系、フェノール系化合物等の硬化剤と反応することにより、接着性、耐熱性、表面硬度等を向上させる。なかでも、特にイソシアネート系硬化剤との反応性が良好で、これらを組み合わせて用いることにより本発明に好適な中間層を形成することができる。
【0021】
本発明に用いうる非晶質線状飽和ポリエステル樹脂は、溶剤に可溶であるという特性を有しており、例えば、バイロン300、バイロンBX−1001、バイロン52MS(東洋紡績社製)等の市販品としても入手可能である。これらのポリステル樹脂には、先に述べたように、その樹脂に適合する硬化剤を選択して使用する必要があり、例えば、前記バイロンには、イソシアネート系硬化剤(コロネートHX、日本ポリウレタン社製)等が好適に用いられる。非晶質線状飽和ポリエステル樹脂はそれ自体、溶剤に可溶であり、熱にも比較的弱いが、硬化剤により、架橋硬化させると、強固で、安定な中間層を形成することができるとともに、トナーに汎用されるポリエステル樹脂との親和性が高いため、優れた中間層を形成できる。
【0022】
本発明の画像剥離部材の中間層は、上記の材料、即ち、シリコーン粘着剤或いは非晶質線状ポリエステル樹脂とその硬化剤を好適な媒体と組み合わせることにより溶液または分散液とし、それらを基材上に塗布することによって形成することができる。基材上に中間層塗布膜を形成する際の塗布または含浸方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。また、ベルト状基材においては、ベルトの内周長に対応するドラム状の芯基材を装着してから浸漬塗布することが特に有効である。
【0023】
本発明の画像剥離部材の中間層の膜厚は、表面層の材料特性にもよるが、5μm〜200μmあることが好ましい。5μm未満であると表面層が数百μmあるような場合に特にベルト状で冷却稼働されると接着性が不十分となり、表面層が脱落してしまう。200μmを越えると比熱の問題で必要以上にエネルギーを消耗させてしまったり、サイクルタイムを低下させてしまうからである。
中間層塗布膜の乾燥は、風乾でも良いが、熱乾燥を行えば早く乾燥できる。熱乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法など公知の方法が採用される。
本発明の画像剥離部材の表面層を構成する材料は、液体材料でも固体材料でもよいが、移行性がなく安定的に使用できる点で、固体材料がより好ましい。また、液体材料と固体材料とを併用することもできる。
【0024】
本発明の画像剥離部材の表面層に用いられる画像形成形成材料と親和性の良好な親和性材料は、画像形成材料や画像記録体などの画像記録材料に対して親和性、相溶性を有するものであれば、特に制限はなく用いることができる。例えば、カラートナーは、基本的にイエロー、マゼンタ、シアンのトナー、つまり色の三原色を使用して、種々の色を再現している。そのため、一般の黒トナーより2色分トナーが多く積み重なっており、これを従来同様に定着させるには、加熱ヒーターの温度を上昇させるか、またはトナーの溶融温度を低下させなくてはならない。しかし、前者の場合には、安全上とエネルギー消費量増大の問題があるため、カラートナーは一般の単色複写機の黒トナーに比べ低い温度で溶融する材料で構成されているというように、画像形成材料によって熱応答性等の物性を変えている。従って、各画像記録材料の剥離に適した親和性材料が要求される。
【0025】
画像形成材料との親和性、相溶性は、例えば、化学構造式の部分構造単位から導かれる溶解度パラメーター(Solubility Parameter値:以下、SP値と称する)によって評価でき、SP値が近いもの、即ち化学構造式が類似しているもの程、親和性が高く、相溶性も高い。
従って、本発明の画像剥離部材の表面層として好適な親和性材料としては、SP値が使用される画像形成材料に関しては、そのSP値の±1.0のものを好適に使用することができる。具体的には、通常のトナーを画像形成材料として用いた場合には、SP値が8.0〜12.0(cal/cm3 1/2 の親和性材料を好適に使用することができる。
【0026】
また、本発明の親和性材料としては、画像形成材料と同様に、熱溶融性を示すものが好ましく、溶融温度(mp1 )が画像形成材料の融点(mp2 )より20℃低い温度から50℃高い温度までの範囲(mp2 −20℃≧mp1 ≧mp2 +50℃)にある熱溶融性材料が好ましい。このような性質を示す材料の中でも、画像形成材料に使用された樹脂と同一の樹脂が好ましく、さらに画像形成材料そのものを用いることが特に好ましい。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレンポリマーまたはコポリマー等のスチレン系樹脂、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルのポリマーまたはコポリマー等のビニル系樹脂、エチレン、プロピレンのポリマーまたはコポリマー等のオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂などの熱可塑性材料が挙げられる。
【0027】
本発明の画像剥離部材の表面層に用いられる離型性材料は、画像形成材料や画像記録体などの画像記録材料に対して離型性を有するものであれば、特に制限はなく、具体的にはフッ素化合物、ワックス及び珪素化合物などがあり、これらを単独でまたは混合して使用することができる。なかでも、親和性材料との相溶性、安全性の点で、珪素化合物が好ましい。
【0028】
フッ素化合物としては、フッ素系ポリマー、フッ素オイル等が挙げられる。
フッ素系ポリマーの具体例としては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン等のフッ素含有モノマーから合成されたポリマー及びコポリマー、前記フッ素含有モノマーとエチレン、(パーフルオロ)アルキルビニルエーテルまたはアクリル樹脂とのコポリマー、並びにパーフルオロアルケニルビニルエーテルを環化重合させたポリマーのようなパーフルオロ脂肪族環構造を有するポリマー等がある。また、これらのポリマーをエラストマー(ゴム)化したものやフッ素系オイル等も使用できる。
【0029】
フッ素系オイルとしては、X-CF2(OC2F4)p (OCH2)q OCF2-Xで示されるパーフルオロポリエーテルで、具体的にはX がOCN-C6H3(CH3)NHCO-で表されるイソシアネート変性物、-COOH で表されるカルボキシ変性物、-CH2OH、-CF2CH2(OCH2CH2)nOH 等で表されるアルコール変性物、-COOR 等で表されるエステル変性物等が挙げられる。
【0030】
ワックスとしては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、カルナバワックス、密ロウ、モンタンワックス、パラフィンワックス、ミクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0031】
珪素化合物としては、有機珪素化合物、シリコーンゴム、シリコーン樹脂及びシリコーンオイル等が挙げられ、有機珪素化合物としては、シラン化合物、フッ素含有シラン化合物及びイソシアネートシラン化合物がある。
シラン化合物としては、Si(OCH34 、CH3Si (OCH33 、HSi (OCH33 、(CH3 2Si (OCH32 、CH3SiH(OCH32 、C6H5Si(OCH33 、Si(OC2H5 4 、CH3Si (OC2H5 3 、(CH3 2Si (OC2H5 2 、H2Si(OC2H5 2 、C6H5Si(OC2H5 3 、(CH3 2CHCH2Si(OCH33 、CH3 (CH2 11Si(OC2H5 3 、CH3 (CH2 15Si(OC2H5 3 、CH3 (CH2 17Si(OC2H5 3 等のアルコキシシラン類、(CH3)3SiNHSi(CH3)3などのシラザン類、((CH3)SiNH)2CO、tert-C4H9(CH3)2SiCl 等の特殊シリル化剤類、シランカップリング剤及びHSC3H6Si(OCH3)3 などのシラン化合物並びにこれらの加水分解物及び部分縮合物等が挙げられる。
【0032】
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類等が例示できる。
【0033】
フッ素含有シラン化合物類としては、例えば、CF3 (CH2 2Si (OCH33 、C6F1 3C2H4Si(OCH33 、C7F15CONH (CH2 3Si (OC2H5 3 、C8F17C2H4Si (OCH33 、C8F17C2H4SiCH3(O CH32 、C8F17C2H4Si (ON=C (CH3 )(C2H5))3 、C9F19C2H4Si (OCH33 、C9F19C2H4Si (NCO )3 、(NCO )3SiC2H4C6F12C2H4Si(NCO )3 、C9F19C2H4Si (C2H5)(OCH32 、(CH3O)3SiC2H4C8F16C2H4Si(OCH33 、(CH3 O)2 (CH3 )SiC9 182 4 Si(CH3 )(OCH3 2 等のフッ素含有シラン化合物及びこれらの加水分解物またはその部分縮合物等のシラン化合物が例示できる。
また、イソシアネートシラン化合物類としては、(CH3 3SiNCO、(CH3 2Si (NCO )2 、CH3Si (NCO )3 、ビニルシリルトリイソシアネート、C6H5Si(NCO )3 、Si(NCO )4 、C2H5OSi (NCO )3 、C8H17Si (NCO )3 、C18H37Si(NCO )3 、(NCO)3SiC2H4(NCO)3などが例示できる。
【0034】
シリコーンゴムはミラブル型と液状とに大別できるが、ミラブル型シリコーンゴムには、ジメチル系、メチルビニル系、メチルフェニルビニル系及びメチルフルオロアルキル系等の直鎖状で高重合度のポリオルガノシロキサンを主原料とし、補強充填剤、各種添加剤を配合し、次いで加硫剤を添加して加熱硬化したものがある。液状シリコーンゴムには、室温で硬化する縮合型シリコーンゴム、白金系触媒を用いて加熱硬化させる付加型シリコーンゴム及び紫外線硬化型シリコーンゴム等がある。また、前記シラン化合物をエラストマー化したシリコーンゴムもある。
【0035】
シリコーン樹脂は分子中に2、3または4官能性単位を多く取り入れた高分子量のポリシロキサンで、シリコーンレジン及びその溶液であるシリコーンワニスをいう。シリコーンワニスには、シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニス、シリコーンポリエステルワニス、その他、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂等と反応させて変性したワニスが例示できる。
【0036】
これらのケイ素化合物を用いる場合には、シリコーンオイルを併用することが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンタイプのシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、及び分子中に反応基を導入した反応性シリコーンオイルが挙げられ、反応性シリコーンオイルとしては、シラノール変性、カルボキシ変性、アミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、及びフェノール変性及び、これら異種の反応基を導入したシリコーンオイルなどが挙げられる。これらのシリコーンオイルを前記シラン化合物と混合して使用することにより飛躍的に画像剥離部材の離型性が向上する。
【0037】
画像剥離部材の表面層における離型性材料の含有量は、離型性材料の種類や離型性材料と共に使用される親和性材料の種類にもよるが、5〜80重量%が好ましく、25〜70重量%がさらに好ましい。表面層における離型性材料の含有量が5%未満であると、親和性材料の働きが強く、画像記録体が画像剥離部材に巻き付くようになる。また、離型性材料の含有量が80%を越えると逆に離型性が強くなるため、画像記録体から画像形成材料を除去できなくなる。
これら離型性材料は、単独で使用しても良く、また、複数混合して用いても良い。
【0038】
画像剥離部材の表面層に用いられる熱溶融性材料と離型性材料が均一に混合されていることが望ましく、均一混合するために、相溶化剤や可塑剤を配合することができる。
相溶化剤または可塑剤の配合比は、画像剥離部材と画像形成材料との親和性、相溶性、離型性など画像剥離部材の表面特性を変化させない程度であれば、配合比に特に制限はないが、熱溶融性材料と離型性との総計に対して1重量%〜30重量%程度が好ましい。
前記表面層の厚さは、10〜500μm の範囲が好ましく、より好ましくは20〜150μm の範囲、さらに好ましくは25〜150μm の範囲が適している。10μm より薄いと、画像記録体上の画像形成材料の表面の20〜30μm ある凹凸に追従できず、画像形成材料を剥離できない部分が生じてしまう。500μm を越えると、画像剥離部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、その分温度を上昇させるか、剥離速度を低下させなければならない。また、コシの弱い薄い紙などは画像剥離部材に圧接されたとき、表面層中に特に紙先端が埋まり込み、紙と画像剥離部材を分離することが困難になってくる。
【0039】
本発明の画像剥離部材の表面層は、上記の材料を溶液または分散剤として、基材上に塗布することによって形成されたものである。基材上に皮膜を形成する際の塗布または含浸方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法等の通常使用される方法が採用される。
また、表面層の乾燥には、風乾でも良いが、熱乾燥を行えば早く乾燥できる。熱乾燥方法としては、前記中間層の形成と同様に、公知の方法が採用される。
【0040】
前記表面層には、実際に画像剥離を繰り返し行っていくと、画像形成材料がどんどん積み重なっていく。この場合、表面層が厚くなっていくと前述のように比熱の問題や紙の分離性の低下がおこる。これを防止するため、表面層の膜厚を制御する手段を設けるが、通常のブレードやブラシ、スチールウール等を擦り付けるクリーニング方法では表面の膜厚ムラや細かい凹凸を発生させ、画像の剥離性能が低下してしまう。このため、本発明の画像剥離装置においては、膜厚制御手段として、加熱部材を画像剥離部材表面層に接地して、表面の画像形成材料を溶融させて除去し、画像剥離部材表面はなめらかに保ちながら膜厚を制御する手段を採用することが好ましい。余分な(除去された)画像形成材料は溶かしながら、画像形成材料回収ボックスへ滴下させることもできる。もともと画像剥離部材表面は画像剥離時に画像形成材料の軟化温度に達しており、さらにそれを溶融させるために必要となる加熱エネルギーは、その差分であることを考慮すれば、極端に大きなものにはならない。
加熱部材としては、例えばセラミックヒーターを備えた金属あるいはセラミックブレード、適度なギャップをもって配置された加熱接地部材、ローラー状ヒーター等が挙げられる。
【0041】
本発明の画像剥離装置には、公知の画像記録体を適宜使用することができ、例えば、普通紙、コート紙、OHP 用フィルムなどのプラスチックフィルム、金属シート、セラミックシート等の基材状に記録層を形成したもの等を使用できる。なか
でも、表面が画像形成材料に対して離型性処理を施してあるものが好ましい。
画像記録体の基材としては、紙、金属(アルミニウム等)、プラスチック、セラミック(アルミナなど)があり、その形状は特に限定されないが、フィルム状であることが好ましい。
紙を画像記録体の基材として用いる場合、原料となるパルプは、化学パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、ソーダパルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理し、晒し工程を経て得られたバージンの晒ケミカルパルプが挙げられ、白色度の高いものが好ましい。また、古紙パルプとしては、例えば、製本、印刷工場、裁断所等において発生する上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平板、凹板、凸板、印刷など、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録紙、インクジェット記録方式、カーボン紙等により印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆等で筆記された古紙、新聞古紙を解離後、各古紙に最適な方法で脱墨した古紙パルプ等が挙げられ、その中でも白色度が高く混ざり物の少ない古紙パルプが好ましい。
【0042】
前記画像記録体として、表面を構成する材料が画像形成材料に対する離型性を有する画像記録体を使用することが好ましいが、例えば、上記パルプで抄紙された画像記録用紙のパルプ繊維表面またはコート紙であればコート材料表面に画像形成材料に対して離型性がよい離型性材料を塗布または含浸させて、基材表面に離型性を付与することが好ましい。
【0043】
画像記録体に適用しうる離型性材料としては、フッ素系オイル等のフッ素系化合物、珪素化合物、ワックス等があるが、画像形成材料との離型性、基材表面から装置内の部材等への移行性、及び用紙の走行性などを考慮すると、パルプ繊維と反応してパルプ繊維と直接結合する材料が好ましい。パルプ繊維と反応してパルプ繊維と直接結合する離型性材料としては珪素化合物が好ましい。
珪素化合物としては、前述のものが使用できる。これら珪素化合物は単独で又は混合して使用することができる。また、他の珪素化合物としてシリカゲル等を使用しても良い。これらの中では、フッ素含有珪素化合物、イソシアネートシラン化合物、分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルおよび、これらの混合物が好適であり、これらを画像記録体の基材に塗布したり、又は基材をこれらの珪素化合物を含む溶液に含浸し乾燥させることにより離型性を有する被膜が形成される。
【0044】
また、画像記録体の基材として紙を用いる場合には、画像形成材料との定着性を向上させるために、画像記録体にさらに微粒子を添加して画像記録体の表面に適度な凹凸を付与することが好ましい。これにより、画像形成材料は基材繊維と固着又は繊維を包み込んで固着するだけで、両者の間に十分な定着力が得られるので、画像形成材料中の樹脂の使用量を低減することができる。
微粒子としては、例えば、タルク、クレー(カオリン)、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリカ、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂等の微粒子を挙げることができる。
【0045】
離型性材料として、これらの微粒子との反応性が高いフッ素含有珪素化合物、イソシアネートシラン化合物、変性シリコーンオイルなどを使用すると、これらの離型性材料がパルプ繊維と共に硬化し、微粒子を基材内に固定させる役目も果たす。
離型性材料を画像記録体基材に塗布するための塗布組成物には、離型効果を損なわない量で、アルミニウム化合物、チタニウム化合物、ジルコニウム化合物を添加することができる。
【0046】
本発明において、画像記録体に適用しうるOHP 用フィルムの基材として使用できるような光透過性のあるプラスチックフィルムとしては、アセテートフィルム、三酢酸セルロースフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどがあり、現状では機械的、電気的、物理的、化学的特性、加工性等総合的な観点からみて、ポリエステルフィルム、特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが多く用いられている。
【0047】
上記プラスチックフィルムの表面に、紙基材の場合と同様に、離型性を持たせることが好ましい。そのための離型性材料としては前述の離型性材料を用いることが好ましいが、これらに限るものではない。
画像記録体の基材上に離型性材料などの離型性被膜を形成する際の塗布または含浸方法としては、前記画像剥離部材の中間層、表面層の形成時と同様の通常使用される公知の方法が採用される。
【0048】
また、被膜の乾燥は、風乾でも良いが、熱乾燥を行えばさらに画像形成材料に対する離型性が増す。この理由は基材と反応した成分が配列または配向することによるといわれているが定かではない。熱乾燥方法としては、オーブンに入れる方法、オーブンに通す方法など公知の方法が採用される。
【0049】
以上のような画像剥離部材を使用する画像剥離装置は、画像記録体上の画像形成材料と画像剥離部材とを加熱接触させて画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離部材と、画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を画像剥離部材から除去する手段を備える。ここで、画像形成材料を画像剥離部材から除去する手段としては、画像剥離部材表面に加熱部材を接触させて、表面層の膜圧を制御する手段をを備えることが好ましい。
この装置では、さらに、画像記録体上の画像形成材料と画像剥離部材との接触前に、画像記録体と画像形成材料との付着性を低下させる付着低下手段をさらに備えることができる。付着低下手段は、画像記録体上の画像形成材料を溶融させる手段、例えば、画像形成材料を加熱するヒーター、画像形成材料に赤外線等を照射する赤外線ランプ等が適用できる。また、画像記録体を浸漬しうる容器に、界面活性剤等を含む溶液を満たしたものを設けてもよい。但し、画像剥離部材の剥離性能維持という観点からは、界面活性剤を画像剥離部材上に蓄積させないことが好ましく、そのために、加熱手段や赤外線照射手段を付着力低下手段として使用することが好ましい。
なお、画像形成材料の加熱は、剥離工程において、剥離部材の内部或いは剥離部材の近傍に設けられた加熱手段により行うこともできる。
【0050】
次に、本発明の画像剥離装置の図面を参照しながら、本発明の第一の実施形態に係わる画像剥離部材と画像剥離装置及び画像剥離工程について説明する。
【0051】
図1は、本発明の画像剥離部材の層構成を示す概略断面図である。
図1に示すようにこの画像剥離部材は、基材2の上面に中間層3が形成され、さらにその上に表面層4が形成されてなる。
図2は本発明の画像剥離装置の一態様を示す概略構成図である。画像剥離部材としての画像剥離ベルトは、支持駆動ロール11、支持ロール12と画像記録体と画像剥離ベルト5を剥離するためにベルトに曲率を設ける支持部材13に張架されている。この画像剥離ベルト5の断面図が図1に示したものであり、画像剥離ベルト5の表面には画像形成材料との親和性の良好な表面層が形成されている。支持駆動ロール11、支持ロール12はSUS 又はアルミニウム等の熱伝導性の良好な金属基材からなっており、表面に耐熱性のシリコーンゴムの弾性層を有していても良い。支持駆動ロール11、支持ロール12の内部には加熱ヒーター14、15があり、画像剥離ベルト5の表面層4を後述する画像形成材料の軟化点以上融点以下になるように温度調整される。支持駆動ロール11に対向する位置に、画像剥離ベルトを介して圧力ロール16が圧接され、ニップ部が形成されており、この部分を画像形成材料5が定着された画像記録体6が通過する。圧力ロール16の基材はSUS 又はアルミニウムであり、その基材上に耐熱性シリコーンゴムとさらにその表面に離型層が設けられている。離型層の具体例としては、離型性の高いフッ素ゴムやPFA ・PTFEなどのフッ素樹脂が使用可能である。
【0052】
ニップ部を通過した画像記録体7は画像記録体を画像剥離ベルト5から剥離するための支持部材13のところで画像剥離ベルト5が下方へ湾曲される際に、画像記録体7のコシの強さ等でその曲率に沿わず、画像記録体先端が画像剥離ベルト5から離れる。部材23は画像剥離部材から離れた画像記録体を排出口へ導くための搬送補助部材である。支持ロール12に対向する位置に画像剥離ベルトを介してセラミックヒーター19を有した加熱ブレード17を当接しているが、この加熱ブレード17により、加熱しながら余分な画像形成材料を除去することで、画像剥離ベルト5表面層4の膜厚を10μm 〜300μm 内に制御している。除去された余分な画像形成材料6が膜厚制御ブレード17を介して回収ボックス18に回収される。
【0053】
この装置において、画像剥離ベルト5が三層構造を有するため、稼働時に連続的に加熱が行われ、表面層4が軟化している状態のみならず、温度が低下して表面層4を構成する材料が硬化したのちも、表面層4が中間層3を介して基材2に強固に接合されているため、画像剥離ベルト5が曲率を設けた部材により湾曲される際にも表面層4の一部が脱落して表面に欠陥が生じることがなく、さらに、曲げ応力により表面層4に微小なクラックが発生した場合でも、表面層の欠陥にはつながらず、稼働時には、良好な画像剥離性能を発揮しうるという利点を有し、長期間、稼働、停止により、加熱、冷却が繰り返される条件においても高い耐久性を有する画像剥離部材が得られ、それを用いた画像剥離装置も性能の安定性と耐久性を実現しうる。
【0054】
【実施例】
以下に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0055】
(実施例1)
親和性樹脂(1)の合成
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:410部とポリオキシプロピレン(2、2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:340部、テレフタル酸:380部の各原料化合物を撹拌棒、コンデンサー、窒素ガス導入管、温度計をセットしたガラス製2リットルの四つ口フラスコに入れ、これをマントルヒーターにセットした。反応容器内を窒素ガスで置換した後、ジブチル錫オキシド:1.0部を加え、マントルヒーターで加熱攪拌しながら窒素気流下で、前半において約150℃で常圧反応を行い、後半において220℃で減圧にて反応させた。重合度はASTMのE28-51T に準ずる軟化点により追跡を行い、軟化点が120℃に達したとき、反応を終了、その後室温まで冷却し、熱溶融性の淡黄色の樹脂(1)を得た。得られた樹脂(1)のガラス転移温度Tgは57℃であった。
【0056】
各層の調液
画像剥離部材の中間層材料として付加反応型シリコーン粘着剤(商品名:TSR1520A; 東芝シリコーン社製)750部を、その架橋剤(商品名:TSR1520B; 東芝シリコーン社製)7.5部と共にトルエン1030部に入れて撹拌混合し、中間層塗布液を調整した。
また、上記得られた親和性樹脂(1)200部を酢酸エチル300部に入れて攪拌溶解し、表面層塗布液を調整した。
【0057】
画像剥離用ベルトの作製
厚み75μm 、直径68mmφの無端ポリイミドベルトの内周長に対応するドラム状の芯基材を前記ポリイミドベルトに装着し、これを前記中間層塗布液で浸漬塗布した。120℃で15分間加熱乾燥して、ベルト表面に厚さが40μm の中間層を設けた。
この上層に前記表面層塗布液で上記同様浸漬塗布をした。115℃で15分間加熱乾燥して50μm の表面層を形成し、画像剥離用ベルトを得た。
【0058】
画像剥離ベルトの評価
先に得られた画像剥離用ベルトを図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の表面層の膜厚が常に50μm になるように加熱ブレードを調整した。冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく駆動できた。画像剥離繰り返し評価においては、支持駆動ロール内のヒーターで画像剥離ベルト表面層の温度を110℃付近で持続させるように調整し、また加熱ブレード表面は140℃で、プロセススピードを40mm/sec. に設定し連続稼働を続けた。
一方、画像記録体として厚さが100μm の二軸延伸PET フィルムを、シリコーン系離型剤(商品名SIC434: 松本交商社製)を酢酸エチルで0.5%溶液に調整した塗布液に浸漬塗布し、PET フィルム上に離型処理をした画像記録体を得た。この画像記録体上にカラー複写機‘Acolor930'( 富士ゼロックス社製) を用いて文字やベタ画像を含む白黒及びカラー画像を定着させた。この画像記録体を前記画像剥離装置に挿入したところ、画像記録体から画像形成材料がきれいに除去されていた。上記画像記録体100枚で1枚あたり50回繰り返し上記手段を繰り返して行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0059】
(比較例1)
実施例1の中間層を設けなかった画像剥離ベルトを、実施例1で用いた画像剥離装置に装着しようとしたが作業中にすでに表面層が脱落してしまったため、評価に至らなかった。
【0060】
(実施例2)
画像剥離部材の表面層材料として付加反応型シリコーン粘着剤(商品名:TSR1515A; 東芝シリコーン社製)750部を、その架橋剤(商品名:TSR1515B; 東芝シリコーン社製)7.5部と共にトルエン1030部に入れて撹拌混合し、さらに離型性材料として熱可塑性シリコーン樹脂(商品名:XR39-B1676; 東芝シリコーン社製)500部をそれに加えて溶解し、表面層塗布液を得た。
この塗布液を実施例1の表面層の代わりに浸漬塗布し、120℃で20分間乾燥して表面層が280μm の画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の表面層の膜厚が常に300μm になるように加熱ブレードを調整した。
実施例1と同様、冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0061】
(実施例3)
親和性樹脂(2)の合成
ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:410部とポリオキシプロピレン(2、2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:340部、テレフタル酸:215部およびn-ドデセニルコハク酸:280部の各原料化合物を親和性樹脂(1)と同様の方法で、軟化点が105℃に達したとき、反応を終了、その後室温まで冷却し、熱溶融性の淡黄色の樹脂(1)を得た。得られた樹脂(1)のガラス転移温度Tgは57℃であった。
【0062】
各層の調液
画像剥離部材の中間層材料として非晶質線状ポリエステル樹脂(商品名:バイロン52MS:東洋紡績社製)500部をメチルエチルケトン300部に入れ攪拌し、次にイソシアネート系硬化剤(商品名:コロネートHX;日本ポリウレタン社製)26.5部入れて撹拌混合し、中間層塗布液を調整した。
また、上記得られた親和性樹脂(2)100部を酢酸エチル400部に入れて
攪拌溶解し、表面層塗布液を調整した。
実施例1と同様に前記中間層塗布液で浸漬塗布した。120℃で15分間加熱乾燥して、ベルト表面に厚さが40μm の中間層を設けた。
この上層に前記表面層塗布液で上記同様浸漬塗布をした。115℃で10分間加熱乾燥して10μm の表面層を形成し、画像剥離用ベルトを得た。
実施例1と同様冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0063】
(実施例4)
画像形成形成材料の除去性や作業効率を低下させることなく、画像記録体の画像剥離部材からの分離を巻き付き等のトラブルなく円滑に行いうる画像記録体及びその画像記録体を用いた画像記録体を効率よく、繰り返し安定して再生しうる画像記録体の再生方法を提供する実施例3で合成した親和性樹脂(2)190部を酢酸エチル400部に入れて攪拌溶解し、一方で離型性材料としてパラフィンワックス(商品名:HNP-0190;日本精蝋社製)10部をシクロヘキサノン100部に加えて攪拌分散し、それぞれの溶液を混合攪拌して画像剥離部材表面層の塗布液を得た。
この塗布液を実施例3の表面層の代わりに浸漬塗布し、120℃で20分間乾燥して表面層が100μm の画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の表面層の膜厚が常に100μm になるように加熱ブレードを調整した。
実施例1と同様、冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0064】
(実施例5)
画像形成材料に使用しているカラー複写機Acolor930 のトナーに使用しているポリエステル系結着樹脂200部を塩化メチレン600部に攪拌溶解し、画像剥離部材表面層の塗布液を得た。
この塗布液を実施例3の表面層の代わりに浸漬塗布し、120℃で10分間乾燥して表面層が25μm の画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様、図2に示す画像剥離装置に装着し、画像剥離部材の表面層の膜厚が常に80μm になるように加熱ブレードを調整した。
実施例1と同様、冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0065】
(実施例6)
画像剥離部材の中間層材料として非晶質線状ポリエステル樹脂(商品名:バイロンBX-1001 :東洋紡績社製)200部をメチルエチルケトン400部に入れ攪拌し、次にイソシアネート系硬化剤(商品名:コロネートHX;日本ポリウレタン社製)20部入れて撹拌混合し、中間層塗布液を調整した。
実施例1と同様に前記中間層塗布液で浸漬塗布した。120℃で15分間加熱乾燥して、ベルト表面に厚さが30μm の中間層を設けた。
これを図2の画像剥離装置に装着し、画像剥離ベルト表面が150℃になるようにまた、プロセススピードが15mm/secで稼働させベルト表面に画像形成材料であるAcolor930 のカラートナーを塗していき、溶融させながら膜厚を制御して、表面層表面層の膜厚が100μm になるように加熱ブレードを調整制御した。冷却後、実施例1と同様、冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0066】
(実施例7)
親和性樹脂(1)200部を酢酸エチル200部に入れて攪拌溶解し、また酢酸エチル80部にアミノ変性シリコーンオイル(商品名:KF867;信越化学社製)10部を攪拌混合し、さらにメチルトリイソシアネートシラン10部を攪拌混合し離型剤溶液を得た。これら2つの溶液を混合攪拌して表面層塗布液を調整した。
これを実施例6の中間層上に浸漬塗布し、120℃で20分間乾燥して表面層が80μm の画像剥離ベルトを得た。これを実施例1と同様、図2に示す画像
剥離装置に装着し、画像剥離部材の表面層の膜厚が常に100μm になるように加熱ブレードを調整した。
実施例1と同様、冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0067】
(実施例8)
画像剥離部材の中間層材料として非晶質線状ポリエステル樹脂(商品名:バイロン300:東洋紡績社製)300部をメチルエチルケトン300部に入れ攪拌し、次にイソシアネート系硬化剤(商品名:コロネートHX;日本ポリウレタン社製)30部入れて撹拌混合し、中間層塗布液を調整した。
実施例1と同様に前記中間層塗布液で浸漬塗布した。120℃で15分間加熱乾燥して、ベルト表面に厚さが20μm の中間層を設けた。
この上層に実施例4の表面層を実施例4と同様に形成し、画像剥離用ベルトを得た。
実施例1と同様冷却している画像剥離ベルトのまま装置を駆動させたが、画像剥離部材表面層は基材から脱落、剥がれることもなく稼働できた。また、画像剥離の繰り返し評価を行ったが、画像剥離性の低下もなく画像記録体を再生することができた。
【0068】
(実施例9、10)
アミノ変性シリコーンオイル(商品名:TSF4702 ;東芝シリコーン社製)100部を酢酸エチル1800部に攪拌し、さらにテトライソシアネートシラン100部を混合し離型剤溶液を作製した。これをゼロックス用J紙A4版(富士ゼロックス社製)に1枚あたり2g 含浸するように塗工し、離型性用紙を作成した。この用紙の上に実施例1と同様に画像を定着した。定着性に問題がないことを確認した後、実施例1、2の画像剥離装置に挿入し、1000枚の用紙を5回程繰り返して画像剥離の評価を行ったが、画像剥離装置は、画像剥離性の低下もなく画像記録用紙を再生することができた。
【0069】
(実施例11、12)
実施例9の離型剤溶液を再生紙ゼロックス用Green100紙A4版(富士ゼロックス社製)に1枚あたり2.5g 含浸するように塗工し、離型性用紙を作成した。この用紙の上に実施例1と同様に画像を定着した。定着性に問題がないことを確認した後、実施例3、5の画像剥離装置に挿入し、1000枚の用紙を5回程繰り返して画像剥離の評価を行ったが、画像剥離装置は、画像剥離性の低下もなく画像記録用紙を再生することができた。
【0070】
(実施例13〜20)
アミノ変性シリコーンオイル(商品名:XF42-B2204;東芝シリコーン社製)100部を酢酸エチル1800部に攪拌し、さらにテトライソシアネートシラン100部を混合し離型剤溶液を作製した。これをゼロックス用JD紙A4版(富士ゼロックス社製)に1枚あたり1g含浸するように塗工し、離型性用紙を作成した。この用紙の上に実施例1と同様に画像を定着した。定着性に問題がないことを確認した後、実施例1〜8の画像剥離装置に挿入し、1000枚の用紙を5回程繰り返して画像剥離の評価を行ったが、画像剥離装置は、画像剥離性の低下もなく画像記録用紙を再生することができた。
【0071】
以上の実施例でも明らかなように、本発明の画像剥離部材を組み込んだ画像剥離装置によれば、中間層、表面層の種類に係わらず、冷却状態で稼働させても剥離部材表面層の脱落、欠陥が発生せず、全ての例において良好な剥離性能を維持できることがわかった。一方、実施例1と同じ表面層を備え、中間層を形成しなかった比較例1の画像剥離部材は、冷却時には曲げにより表面層が剥離し、画像剥離装置への組み込みも不可能であった。
【0072】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用したため、オフィスや家庭で容易に画像記録体を再生する際に、長期に渡って繰り返し良好な画像剥離性能を維持でき、表面の画像剥離層の欠陥の発生を効果的に防止し、再生可能な画像記録体に広範に適用可能な耐久性に優れた画像剥離部材及びそれを用いた画像剥離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像剥離部材の層構成を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の画像剥離部材を用いた画像剥離装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:画像剥離部材
2:基材
3:中間層
4:表面層
5:画像剥離ベルト(画像剥離部材)
6:画像形成材料
7:画像記録体
8:給紙トレイ
9:ピックアップロール
10:搬送ロール
11:支持駆動ロール
12:支持ロール
13:支持部材
14:加熱ヒーター
15:加熱ヒーター
16:圧力ロール
17:膜厚制御ブレード
18:回収ボックス
19:セラミックヒーター
20、21、22:温度センサー
23:搬送補助部材

Claims (7)

  1. 基材、シリコーン粘着剤を含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備え、画像記録体上の画像形成材料に、該表面層を加熱接触させることによって、画像記録体から画像形成材料を剥離することを特徴とする画像剥離部材。
  2. 基材、非晶質線状飽和ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備え、画像記録体上の画像形成材料に、該表面層を加熱接触させることによって、画像記録体から画像形成材料を剥離することを特徴とする画像剥離部材。
  3. 前記画像形成材料剥離用表面層を構成する材料が、画像形成材料に対して親和性の材料と離型性材料とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像剥離部材。
  4. 前記画像形成材料に対して親和性の材料が、感圧接着剤又は熱溶融性材料であることを特徴とする請求項3に記載の画像剥離部材。
  5. 前記離型性材料が、有機珪素化合物、シリコーン樹脂、シリコーンオイル及びワックスから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載の画像剥離部材。
  6. 画像剥離部材を画像記録体上の画像形成材料と加熱接触させることによって画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離手段と、
    画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を画像剥離部材から除去するための除去手段と、を備えた画像剥離装置であって、
    該画像剥離手段が、基材、シリコーン粘着剤を含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備えることを特徴とする画像剥離装置。
  7. 画像剥離部材を画像記録体上の画像形成材料と加熱接触させることによって画像記録体から画像形成材料を剥離する画像剥離手段と、
    画像記録体から画像剥離部材に移行した画像形成材料を画像剥離部材から除去するための除去手段と、を備えた画像剥離装置であって、
    該画像剥離手段が、基材、非晶質線状飽和ポリエステル樹脂と硬化剤とを含有した中間層及び画像形成材料剥離用表面層を備えることを特徴とする画像剥離装置。
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