JPH087506B2 - 画像加熱定着装置 - Google Patents

画像加熱定着装置

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JPH087506B2
JPH087506B2 JP63313275A JP31327588A JPH087506B2 JP H087506 B2 JPH087506 B2 JP H087506B2 JP 63313275 A JP63313275 A JP 63313275A JP 31327588 A JP31327588 A JP 31327588A JP H087506 B2 JPH087506 B2 JP H087506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複写機・レーザビームプリンタ・ファクシ
ミリ・マイクロフィルムリーダプリンタ・画像表示(デ
ィスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置に組み込む
画像加熱定着装置に関する。
更に詳しくは、電子写真・静電記録・磁気記録等の適
宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よ
り成る顕画材(以下トナーと記す)を用いて記録材(エ
レクトロファックスシート・静電記録シート・転写材シ
ート・印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転
写)方式で目的の画像情報に対応した未定着の顕画像
(以下トナー画像と記す)を形成担持させ、該未定着の
トナー画像を該画像を担持している記録材面に永久固着
画像として加熱定着処理する画像形成装置における画像
加熱定着装置に関する。
(従来の技術) 従来、加熱定着式の画像定着装置としては、所定の温
度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該加熱ロ
ーラに圧接する加圧ローラとによって、未定着のトナー
画像が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱するロー
ラ定着方式が多用されている。
又米国特許第3,578,797号明細書に開示のようなベル
ト定着方式も知られている。これは トナー像を加熱体ウエブに接触させてその融点へ加
熱して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性と
し、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブ
から剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生ぜずに
定着する方式である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら上記従来の定着方式の何れも次のような
問題点があった。
熱ロール定着方式 所定温度に立ち上がるまでにかなり時間がかかり、
その間は画像形成作動禁止の時間となる。即ち所謂ウエ
イトタイムがある。
熱容量が必要な為大きな電力が必要である。
回転ローラでローラ温度が高温の為に耐熱性特殊軸
受けが必要。
ローラに直接手が触れる構成となり、危険があった
り、保護部材が必要。
ローラの定温度及び曲率により記録材がローラに巻
き付き記録材のジャム(Jam)トラブルをみやすい。
ベルト定着方式 この方式の場合も上記熱ローラ定着方式の項や項
と同様のウエイトタイム、大電力消費等の問題がある。
本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生じさせることなく加熱体
の熱容量を小さくすることを可能とし、その結果待機時
間や消費電力、更には機内昇温の小さい、またその他に
も顕著な特長を有する画像加熱定着装置を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、加熱体と、一方の面がこの加熱体と摺動し
他方の面が記録材と接して共に移動するエンドレス状の
定着フィルムと、この定着フィルムが懸け回された懸回
部材と、を有し、定着フィルムを介した加熱体からの熱
により未定着画像を記録材上に加熱定着する画像加熱定
着装置において、前記定着フィルムの移動方向と直交す
る方向の位置が所定範囲となるように前記懸回部材の位
置を変える変位手段を有し、この変位手段は定着動作終
了後の定着フィルムと記録材の非接触時に作動すること
を特徴とする画像加熱定着装置、である。
(作用) (1) 搬送記録材と同一速度で同一方向に走行駆動状
態の定着フィルムと加圧部材との間に導入された画像定
着すべき記録材は、定着フィルム面に未定着トナー(顕
画材)画像担持側の面が密着して定着フィルムと一緒の
重なり状態で加熱体と加圧部材との相互圧接部(定着ニ
ップ部)を挟圧力を受けつつ互いに速度差による面ズレ
を生じたり、しわ寄ったりすることなく一体的に重なり
密着して通過していく。
この定着ニップ部通過過程で記録材面の未定着トナー
画像が定着フィルムを介して加熱体によって加熱軟化・
溶融され、特に、その表層部はトナー融点を大きく上回
り完全に軟化・溶融(高温溶融)する。この場合定着ニ
ップ部において加熱体・定着フィルム・トナー画像・記
録材は加圧部材によって良好に押圧密着されて効果的に
熱伝達されることにより、短い時間の加熱によってトナ
ーは十分に軟化・溶融されて良好な定着性が得られる。
一方記録材自体の昇温は実際上極めて小さく熱エネルギ
ーの無駄が少ない。つまり実質的に記録材自体は加熱せ
ず、トナーのみを効果的に加熱軟化・溶融して低電力で
トナー画像の加熱定着を良好に実行できる。
そして互に密着して定着ニップ部を通過して加熱を受
けた記録材と定着フィルムの分離は、定着ニップ部を
記録材が通過して加熱定着された顕画像たるトナー画像
のトナー(顕画材)の温度が未だ該トナーのガラス転移
点より高温の状態にある間に記録材と定着フィルムとを
相互に分離させる。或は定着ニップ部を通過した後も
しばらくの間は記録材を定着フィルムに密着させたまま
搬送させ、その間を冷却工程(自然冷却・強制冷却)と
してトナー画像を冷却固化させた後に記録材と定着フィ
ルムとを相互に分離させる。
の場合は分離時点では未だガラス転移点より高温の
状態にあるトナーは適度なゴム特性を有するので分離時
のトナー画像表面は定着フィルム表面にならうことなく
適度な凹凸表面性を有したものとなり、その表面性が保
たれたまま冷却固化するので定着済みのトナー画像面に
は過度の画像光沢が発生しない。又加熱定着トナー画像
が未だガラス転移点より高温の状態にある間では密着状
態の該トナー画像表面と定着フィルム面との結合力(接
着力)は、定着フィルム面に密着させてガラス転移点以
下に冷却固化状態に至らせた該固化トナー画像表面と定
着フィルム面との結合力よりも小さい。そのため記録材
と定着フィルムとの相互分離過程での定着フィルム面へ
のトナーオフセットをほとんど発生せず、又分離位置で
の記録材と定着フィルムの分離性もよく分離不良で定着
フィルム面に記録材が巻き付いてジャムトラブルを生じ
るおそれもなくなる。
加熱定着トナー画像が未だガラス転移点より高温の状
態にある間で定着フィルム面から分離された記録材の加
熱定着トナー画像は該分離記録材が排出部へ搬送移動し
ていく間にガラス転移点以下に冷却(自然冷却、又は送
風や放熱フィン等を利用した強制冷却手段を用いてもよ
い)して固化状態になって排出部へ出力される。
又前記の場合は分離される前の冷却工程によるトナ
ー画像の冷却固化でトナーの凝集力は非常に大きくなっ
て一団となって挙動することになり、又記録材側に対す
る粘着・固着力が増大する一方、定着フィルム側に対す
るそれは極めて低下していく。記録材に対してはトナー
は前記加熱工程部である定着ニップ部で加熱軟化・溶融
された際加圧部材によって加圧されるため、少なくとも
トナー画像の一部は記録材表面層に浸透し、その浸透分
の冷却固化によるアンカー効果で冷却固化トナーの記録
材側に対する粘着・固着力が増大する。従って記録材と
定着フィルムの分離時点ではトナー画像は冷却固化で記
録材に対する粘着・固着力が十分に大きく、定着フィル
ムに対するそれは極めて小さい状態となっているから、
画像定着済みの記録材部分は定着フィルムに対するトナ
ーオフセットを発生することなく容易に順次に分離さ
れ、次いで排出部へ出力される。
かくして定着フィルムに対するトナーオフセットや記
録材の分離不良・巻き付きを発生することがなく、かつ
熱容量の小さい発熱体を用い、その発熱体への給電を簡
素な構成のもとでトナー画像の加熱定着を行なうことが
可能となり、定着するためにトナーを昇温させるべき温
度(融点または軟化点)に対して、十分に高い温度の加
熱体を維持することによってトナー画像を効率的に加熱
することが可能となり、少ないエネルギーで定着不良の
ない十分良好な定着が可能となり、その結果、装置使用
時の待機時間や、消費電力、さらには機内昇温の小さな
画像形成装置を得るという効果を奏する。
(2) 本発明においては定着フィルムをエンドレスの
回動ベルトタイプにすることにより長期にわたって繰り
返して定着処理に使用できるようにしている。
ただし定着フィルムをエンドレスの回動ベルトタイプ
にしたときの問題点の1つとして繰り返しの回動に伴な
い該エンドレスの定着フィルムがその巾方向の手前側も
しくは奥側に懸回張設部材の長手に沿って自然に寄り移
動していく現象を生じ易い。
このような寄り移動が過度に生じると、定着フィルム
にシワや破損を生じさせたり、記録材が加熱体と直接に
接触する部分を生じて顕画材たるトナーが加熱体面に高
温オフセットしたり、記録材にこげを生じさせたり、記
録材に斜行を生じさせたりする結果を招く。
本発明においてはこのエンドレスの回動ベルトタイプ
の定着フィルムについてその巾方向手前側もしくは奥側
への片寄りを自動修正する寄り制御手段を具備させたか
ら上記のような問題を解消することができる。
寄り制御手段による寄り制御はこれを装置に対する記
録材の通紙時に実行させた場合は制御オンのショックに
より画像定着部又は画像形成部もしくはその両部で画像
ブレを生じさせたり、通紙された記録材がフィルムの寄
り制御に伴なって斜行するおそれがある。
本発明においては、フィルム寄り制御手段、即ちフィ
ルムの移動方向と直交する方向の位置が所定範囲となる
ようにフィルム懸回部材の位置を変える変位手段は、定
着装置の定着動作終了後の定着フィルムと記録材の非接
触時(非通紙時)に作動させることで、定着フィルムの
位置修正に伴なう振動により定着中の画像にブレが発生
するのを防止することができる。
そして変位手段が定着動作の終了後に作動するので1
枚目の画像形成時間を短縮することができる。
このように非通紙時に寄り制御を行なうことにより、
定着フィルムの片寄りが防止され、定着フィルムのシワ
・破損が防がれ、かつトナーのヒータへの付着がなく、
さらに画像のブレや紙の斜行も防止されて、良好な画像
定着を実行させることができる効果がある。
(実施例) 第7図は本発明に従う画像加熱定着装置11を組み込ん
だ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本例の
画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転写式
の電子写真複写装置である。
(1) 複写装置の全体的概略構成 第7図において、100は装置機筐、1は該機筐の上面
板100a上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往
復動型の原稿載置台であり、機筐上面板100a上を図面上
右方a、左方a′に夫々所定の速度で往復移動駆動され
る。
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして
原稿載置台1の上面に所定の載置基準に従って載置し、
その上に原稿圧着板1aをかぶせて押え込むことによりセ
ットされる。
100bは機筐上面板100a面に原稿載置台1の往復移動方
向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開
口された原稿照明部としてのスリット開口部である。原
稿載置台1上に載置セットした原稿Gの下向き画像面は
原稿載置台1の右方aへの往復移動過程で右辺側から左
辺側にかけて順次にスリット開口部100bの位置を通過し
ていき、その通過過程でランプ7の光Lをスリット開口
部100b、透明な原稿載置台1を通して受けて照明走査さ
れる。その照明走査光の原稿面反射光が短焦点小径結像
素子アレイ2によって感光ドラム3面に結像露光され
る。
感光ドラム3は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感
光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸3aを中心に所
定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動され、その回
転過程で帯電器4により正極性又は負極性の一様な帯電
処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露
光(スリット露光)を受けることにより感光ドラム3面
には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に
形成されていく。
この静電潜像は現像器5により加熱で軟化溶融する樹
脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たる
トナー画像が転写部としての転写放電器8の配設部位へ
移行していく。
Sは記録材としての転写材シートPを積載収納したカ
セットであり、該カセット内のシートが給送ローラ6の
回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストロー
ラ9により、ドラム3上のトナー画像形成部の先端が転
写放電器8の部位に到達したとき転写材シートPの先端
も転写放電器8と感光ドラム3との間位置に丁度到達し
て両者一致するようにタイミングどりされて同期給送さ
れる。そしてその給送シートの面に対して転写放電器8
により感光ドラム3側のトナー画像が順次に転写されて
いく。
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分
離手段で感光ドラム3面から順次に分離されて搬送装置
10によって後述する定着装置11に導かれて担持している
未定着トナー画像の加熱定着処理を受け、画像形成物
(コピー)としてガイド35・排出ローラ36を通って機外
の排紙トレイ12上に排出される。
一方、トナー画像転写後の感光ドラム3の面はクリー
ニング装置13により転写残りトナー等の付着汚染物の除
去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
(2) 定着装置11 第1図は定着装置11部分の拡大図である。
25はエンドレスベルト状の定着フィルムであり、左側
の駆動ローラ26と、右側の従動ローラ27と、この両ロー
ラ26・27間の下方に固定支持させて配設した加熱体とし
ての低熱容量線状加熱体20、駆動ローラ26の下方に配設
したガイドローラ26aとの、互いに並行な該4部材26・2
7・20・26a間に懸回張設してある。
従動ローラ27はエンドレスベルト状の定着フィルム25
のテンションローラを兼ねさせてあり、該定着フィルム
25は駆動ローラ26の時計方向回転駆動に伴ない時計方向
に所定の周速度、即ち画像形成部8側から搬送されてく
る未定着トナー画像Taを上面に担持した転写材シートP
の搬送速度と同じ周速度をもってシワや蛇行、速度遅れ
なく回動駆動される。
28は加圧部材としての、シリコンゴム等の離型性の良
いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、前記のエンド
レスベルト状定着フィルム25の下行側フィルム部分を挟
ませて前記加熱体20の下面に対して不図示の付勢手段に
より例えば総圧4〜7kgの当圧接をもって対向圧接させ
てあり、転写材シートPの搬送方向に順方向の反時計方
向に回転する。
回動駆動されるエンドレスベルト状の定着フィルム25
は繰返してトナー画像の加熱定着に供されるから、耐熱
性・離型性・耐久性に優れ、又一般的には100μm以
下、好ましくは50μm以下の薄肉のものを使用する。例
えばポリイミド・ポリエーテルイミド・PES・PFA(4フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体樹脂)などの耐熱樹脂の単層フィルム、或は複合
層フィルム例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当
接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)・PAF等のフッ
素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に
施こしたものなどである。
加熱体としての低熱容量線状加熱体20は本例のもの
は、定着フィルム横断方向(定着フィルム25の走行方向
に直角な方向)を長手とする横長の剛性・高耐熱性・断
熱性を有するヒータ支持体24と、この支持体の下面側に
下面長手に沿って一体に取付け保持させた、発熱体22・
検温素子23等を具備させたヒータ基板21を有してなる。
ヒータ支持体24は加熱体20の全体の強度を確保するも
ので、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PAI
(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリ
エーテルエーテルケトン)、液晶ポリマー等の高耐熱性
樹脂や、これらの樹脂とセラミックス金属・ガラス等と
の複合材料などで構成できる。
ヒータ基板21は一例として厚み1.0mm・巾10mm・長さ2
40mmのアルミナ基板であり、発熱体22は一例として基板
21の下面の略中央部分に長手に沿って例えばTalNの等の
電気抵抗材料を巾1.0mmに塗工(スクリーン印刷等)し
て具備させた線状もしくは帯状の低熱容量の通電発熱体
であり、検温素子23は一例として基板21の上面(発熱体
22を設けた側とは反対側の面)の略中央部分に長手に沿
って塗工(スクリーン印刷等)して具備させたPt膜等の
低熱容量の測温抵抗体である。
本例の場合は上記の線状もしくは帯状の発熱体22に対
してその長手両端部より通電して発熱体22を全長にわた
って発熱させる。通電はDC100Vの周期20msecのパルス状
波形で、検温素子23によりコントロールされた所望の温
度、エネルギ放出量に応じたパルスをそのパルス巾を変
化させて与える通電制御回路構成にしてあり、パルス巾
は略0.5〜5msecの範囲で制御され、発熱体22はパルスが
入力される都度瞬時に200〜300℃前後まで昇温する。又
本例では定着装置11よりも転写材シート搬送方向上流側
の定着装置寄りにシートの先端・後端検知センサ(不図
示)を設けてあり、該センサのシート検知信号により発
熱体22に対する通電期間をシートPが定着装置11を通過
している必要期間だけに制御している。
(3) 定着実行動作 画像形成スタート信号により装置が画像形成動作して
転写部8から定着装置11へ搬送された、未定着のトナー
画像Taを上面に担持した転写材シートPの先端が定着装
置寄りに配設した前述のセンサ(不図示)により検知さ
れると定着フィルム25の回動(又は走行)が開始され、
転写材シートPはガイド29に案内されて加熱体20と加圧
ローラ28との圧接部N(定着ニップ部)の定着シート25
と加圧ローラ28との間に進入して、未定着トナー画像面
がシートPの搬送速度と同一速度で同方向に面移動状態
の定着フィルム25の下面に密着して面ズレやしわ寄りを
生じることなく定着フィルム24と一緒の重なり状態で加
熱体20と加圧ローラ28との定着ニップ部Nを挟圧力を受
けつつ通過していく。
wは加熱体下面部に設けてある発熱体22の巾寸法であ
り、発熱体22は加熱体20の下面と加圧ローラ28の上面と
の相互圧接巾領域内、即ち定着ニップ部Nの巾領域内に
存在している。
シートPのトナー画像担持面は定着フィルム面に押圧
密着状態で定着ニップ部Nを通過していく過程で発熱体
22の熱を定着フィルム24を介して受け、トナー画像が高
温溶融してシートP面に軟化接着化Tbする。
本例装置の場合は記録材たるシートPと定着フィルム
24との分離はシートPが定着ニッップ部Nを通過して出
た時点で行なわせている。
この分離時点においてトナーTbの温度は未だトナーの
ガラス転移点より高温の状態にあり、従ってこの分離時
点でのシートPと定着フィルム25との結合力(接着力)
は小さいのでシートPは定着フィルム25面へのトナーオ
フセットをほとんど発生することなく、又分離不良で定
着フィルム25面にシートPが接着したまま巻き付いてジ
ャムしてしまうことなく常にスムーズに分離していく。
そしてガラス転移点より高温の状態にあるトナーTbは
適度なゴム特性を有するので分離時のトナー画像面は定
着フィルム表面にならうことなく適度な凹凸表面性を有
したものとなり、この表面性が保たれて冷却固化するに
至るので定着済みのトナー画像面には適度の画像光沢が
発生せず高品位な画質となる。
定着フィルム25と分離されたシートPはガイド35で案
内されて排紙ローラ対36へ至る間にガラス転移点より高
温のトナーTbの温度が自然降温(自然冷却)してガラス
転移点以下の温度になって固化Tcするに至り、画像定着
済みのシートPがトレイ12上へ出力される。
本実施例においては加熱体20の線状の発熱体22は通電
により瞬時にトナーの融点(ないし定着可能温度)に対
して充分な高温に昇温するので、加熱体の予備加熱が不
要であり、非定着時における加圧ローラ28への伝熱は少
ない。又定着時においても定着フィルム・トナー画像・
シートが加熱体20と加圧ローラ28との間の定着ニップ部
Nに介在し、かつ発熱時間が短いことによって急激な温
度勾配が生ずる為、加圧ローラ28は昇温しにくく実用上
必要とされる程度の連続的な画像形成を行なってもその
温度はトナーの融点以下に維持される。かかる構成の本
実施例装置にあっては、シートP上の加熱融性のトナー
より成るトナー画像は先ず、定着フィルム25を介して加
熱体20によって加熱溶融され、特に、その表層部は完全
に軟化溶融する。この際、加圧ローラ28によって加熱体
・定着フィルム・トナー画像・シートは良好に密着され
ており、効率的に熱伝達される。これによりシートP自
体の加熱は極力抑えてトナー画像を効率的に加熱溶融さ
せることができ、特に、通電発熱時間を限定することに
より、省エネルギー化を図ることができる。
加熱体は小型もので十分であり、そのため熱容量が小
さくなり、予め加熱体を昇温させる必要がないので、非
画像形成時の消費電力も小さくすることができ、また機
内昇温も防止できることになる。
(4) 定着フィルムの寄り制御手段 第1・2図において51・52は定着フィルムの巾方向手
前側と奥側の2ケ所位置に配設した第1と第2のフィル
ム位置検知手段である。例えばフォトインタラプタ・フ
ォトリフレクタ等である。
フィルム25が懸回張設部材である駆動ローラ26・従動
ローラ27・加熱体20・ガイドローラ26aの長手に沿って
全体的に手前側へ寄り移動Aしその寄りが許容を越えた
ときフィルム25の手前側の縁部25aが第1のフィルム位
置検知手段51に検知され、それが制御回路へ入力され
る。逆にフィルム25が奥側へ過度に片寄り移動Bしたと
きは該フィルムの奥側の縁部25bが第2のフィルム位置
検知手段52に検知されてそれが制御回路へ入力される。
53は定着フィルム25の寄り制御機構である。本例の機
構は従動ローラ27の手前側の軸受27aについてこれを駆
動ローラ26に寄る方向Xと、離れる方向Yの左右方向に
水平位置移動する手段機構である。
即ち一般にベルト状物はそれを懸回張設した軸間の狭
い方向へ寄り移動する性質があり、本例の寄り制御機構
はこれを利用したもので、従動ローラ27の手前側の軸受
27aを駆動ローラ26に寄る方向Xに移動させたときは定
着フィルム25は全体的に手前側に寄り移動Aし、駆動ロ
ーラ26から離れ方向Yに移動させたときは定着フィルム
25は全体的に奥側に寄り移動Bするのである。
而して第1のフィルム位置検知手段51のフィルム検知
信号が制御回路へ入力されたときは寄り制御機構により
従動ローラ27の手前側の軸受27aがY方向に移動制御さ
れることにより定着フィルム25の手前側への片寄り過ぎ
が修正され、第2のフィルム位置検知手段52のフィルム
検知信号が制御回路へ入力されたときは軸受27aがX方
向に移動制御されることにより定着フィルム25の奥側へ
の片寄り過ぎが修正されるのである。第3図は上記の定
着フィルム25の寄り制御シーケンスである。
第4図はこの定着フィルム25の寄り制御を画像形成装
置の後回転期間中の非通紙時に実行させるようにしたも
のである。
画像形成信号が入力されると、メインモータが回転を
始め、それと同時に又は遅れ駆動ローラ26の回転駆動や
加熱体20(22)への通電・加熱制御がなされる。画像形
成が実行され、転写部でトナー画像の転写を受けた記録
材としてのシートPが定着装置11へ導入されて画像定着
を受け、そのシートPが定着装置11を通過中に、第1又
は第2の位置検知手段51・52によるフィルム25の寄り位
置検知がなされる。そしてその検知結果により、シート
Pが定着装置11を通過した後の画像形成装置の後回転期
間中にフィルム懸回部材27の位置を変える変位手段53に
よるフィルムより制御が実行される。
このようにフィルム寄り制御を行う変位手段53は定着
装置11の定着動作終了後の定着フィルム25と記録材とし
てのシートPの非接触時(非通紙時)に作動させること
で、フィルム25の位置修正に伴なう振動により定着中の
画像にブレが発生することを防止できる。
次の画像定着動作はこのフィルム位置修正後の状態で
なされる。定着フィルム25は位置修正されて正しく保持
されているので、良好な定着画像が得られると同時に定
着フィルム25の片寄りによるフィルムシワ等の発生が防
止される。
このように後回転中にフィルム寄り制御を行なう場合
には、前記回転時に制御する場合に比べて該前回転時間
を短くすることが可能となり、1枚目の画像形成時間を
短縮する効果がある。
さらに複数枚の画像形成の際には紙間で制御を行なっ
ても良い。そのような場合のタイミングチャートを第5
図に示す。紙間で制御を行なうことにより後回転時に制
御する場合に比べて紙間毎でこまめに定着フィルム寄り
制御を行なうことができるので、定着フィルム25の寄り
変位量を小さく抑えることが可能であり、好ましい。
さらに第6図に示すように紙間及び後回転等のように
組み合わせることにより、画像形成が単独モードの時の
複数枚モード時も常に一定の寄り変位量以内に抑えるこ
とが可能となり、より好ましい。
以上の実施例では寄り制御機構53として軸間距離を変
える機構を採用したが、従動ローラ27をねじれの位置に
動かす等他の手段を用いてももちろん良い。
また寄り検知時点は寄り制御直前に行なうことが好ま
しいが通紙時でも非通紙時でも良い。
(5) その他 加熱体20について基板21はアルミナの他にも耐熱ガラ
スや、PI・PPS等の耐熱樹脂などを用いることができ
る。発熱体22はTa2Nの他にもニクロム・RuO2・Ag/Pd等
の抵抗体等を用いることができる。検温素子23はPt膜等
の測温抵抗体の他にも抵抗容量のビードサーミスタなど
を用いることができる。定着フイルム25が摺動走行する
加熱体下面は薄い耐熱ガラス層などの摺動保護膜層を設
けるのがよい。発熱体22は基板21の上面側(基板21の定
着フィルム対面側とは反対面側)に配設し、検温素子23
を基板21の下面側(基板21の定着フィルム対面側)に配
設した形態にしてもよいし、発熱体22と検温素子23を共
に基板21の下面側に配設した形態にしてもよい。発熱体
22への通電もパルス通電ではなく通常のAC通電制御であ
っもよい。
フィルム面クリーニング用にフェルトパッドを設ける
と共に若干の離型剤、例えばシリコンオイルを含浸させ
て該パッドをフィルム面に当接するさせるなどしてフィ
ルム面のクリーニングと離型性の更なる向上を行なうよ
うにしてもよい。定着フィルムが絶縁性のフッ素樹脂処
理品の場合などではトナー画像を攪乱する静電気がフィ
ルムに発生し易いので、その対処のために接地した除電
ブラシで除電処置するのもよい。接地せずにブラシにバ
イアス電圧を印加してトナー画像を攪乱しない範囲でフ
ィルムを帯電させても良い。さらにフッ素樹脂に導電性
の粉体繊維、例えばカーボンブラック等を添加して、上
述の静電気による画像乱れを防止するのも一策である。
また、加圧ローラの除帯電及び導電化に関しても同様の
手段により行なうことができる。また、帯電防止剤等の
塗布や、添加を行なっても良い。
定着フィルムは定着装置11の所定部所に着脱自在のカ
ートリッジ構成にすることにより定着フィルムの交換等
を容易化することができる。
以上本発明の定着装置は第7図に例示の転写式電子写
真装置に限らず画像形成のプロセス・手段はエレクトロ
ファックス紙・静電記録紙等に直接にトナー画像を形成
担持させる直接式や、磁気記録画像形成式、その他適宜
の画像形成プロセス・手段で記録材上に加熱溶融性トナ
ーによる画像を形成し、それを加熱定着する方式の複写
機・レーザビームプリンタ・ファクシミリ・マイクロフ
ィルムリーダプリンタ・ディスプレイ装置・記録機等の
各種の画像形成装置における画像加熱定着装置として有
効に適用できるものである。
(発明の効果) 以上のように本発明の画像加熱定着装置は熱容量の小
さい小型簡便な加熱手段を用いて熱効率よく画像を加熱
して少ないエネルギーで、定着不良・オフセット・記録
材の巻き込みジャムトラブルなどを生じさせずに十分良
好な画像定着が可能である、装置使用時の待機時間や消
費電力、さらには機内昇温が小さい、非通紙時に寄り制
御を行なうことにより定着フィルムの片寄りが防止さ
れ、定着フィルムのシワ・破損が防がれ、かつトナーの
加熱体への付着がなく、さらに画像のブレや紙の斜行が
なくて良好な定着画像を出力できる、等の特長を有して
おり、従来装置におけるような前述問題点を有しない画
像加熱定着装置として実用性があり、所期の目的がよく
達せられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例定着装置の概略構成図、第2図はそ
の平面図、第3図はフィルム寄り制御シーケンスフロー
図、第4図乃至第6図は夫々フィルム寄り制御タイミン
グチャート例、第7図は該定着装置を組み込んだ画像形
成装置の一例の概略構成図である。 11は定着装置の全体符号、20は加熱体、25は定着フィル
ム、28は加圧ローラ、Pはシート、Taは未定着トナー、
Tbは加熱軟化・溶融トナー、Tcは固化トナー、Nは定着
ニップ部、51・52・53はフィルム寄り制御手段機構。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱体と、一方の面がこの加熱体と摺動し
    他方の面が記録材と接して共に移動するエンドレス状の
    定着フィルムと、この定着フィルムが懸け回された懸回
    部材と、を有し、定着フィルムを介した加熱体からの熱
    により未定着画像を記録材上に加熱定着する画像加熱定
    着装置において、 前記定着フィルムの移動方向と直交する方向の位置が所
    定範囲となるように前記懸回部材の位置を変える変位手
    段を有し、この変位手段は定着動作終了後の定着フィル
    ムと記録材の非接触時に作動することを特徴とする画像
    加熱定着装置。
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