JP5116350B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置(定着器)に関する。
電子写真式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置(定着器)として、フィルム加熱方式のものがある。フィルム加熱方式の定着装置は、セラミックス製の基板上にヒータを有するヒータ、このヒータに接触しつつ移動する可撓性の定着フィルム、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものがある。特許文献1と特許文献2にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録紙、OHPシート等の記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のトナー画像は記録材に加熱定着される。この定着装置は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。したがって、この定着装置を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:first printout time)を短くできる。またこの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報
上記の定着装置では、画像品質の向上を図るために、記録材上の未定着トナー画像を加熱定着する際にトナーの一部が定着されずに定着フィルムの外周面(表面)に付着するトナーオフセットの発生を防止することが望まれている。トナーオフセットが発生すると、定着フィルム表面の付着トナーは定着フィルムの次の周回時に記録材側へ転移して、記録材に画像汚れを引き起こす原因となる。
トナーオフセットが発生する要因の1つとして、定着フィルムのチャージアップがある。定着フィルム表面に設けられる離型性層の抵抗が高い場合、ニップ部で記録材を搬送することにより定着フィルム表面がチャージアップしてしまい、この結果、オフセットに至る場合がある。例えば、乾燥した記録材がニップ部から剥離して搬送された時には、記録材の後端がニップ部から排出される際に定着フィルムの表面には、記録材の後端に相当する部分が線状にチャージアップしてしまう。この電位が維持されたまま後続の記録材のトナー画像を定着した場合には、チャージアップした位置に相当する後続の記録材の画像を剥ぎ取ってしまうオフセット(以後、剥離オフセットと記載)が発生する場合がある。
この剥離オフセットを防止する為に、定着フィルムの離型性層にカーボン等の導電材を分散し、離型性層を低抵抗化する方法が有効である。しかしながら、この方法では、トナーが直接接触する定着フィルム表面の離型性が低下するため、トナーや紙粉等により定着フィルム表面に汚れが発生しやすくなるという問題がある。
また、加圧ローラの外周面(表面)に設けられるフッ素樹脂及びそのフッ素樹脂の下に設けられる弾性層を導電化し、加圧ローラの芯金を接地する方法も剥離オフセット防止に有効である。この方法は定着フィルム表面の電荷を加圧ローラ側から取り除くことができるためオフセット防止に有効である。更に、加圧ローラ自身がチャージアップするのを防止できる為、加圧ローラのチャージアップに起因するオフセットも防止できる。
しかし、加圧ローラの弾性層にカーボン等の導電材を分散させた場合、耐久によるローラ硬度低下が著しく大きくなったり、加圧ローラの強度が低下する等、加圧ローラの耐久性が低下するという問題がある。また、加圧ローラの低硬度化が困難となり、所望のローラ硬度が得られなくなったり、ローラ成型自体が困難になってしまう等、加圧ローラ製造上の問題がある。加圧ローラの弾性層を導電化せずに、加圧ローラ表層のみを導電化し、加圧ローラ表層にSUSやアモルファス金属等からなる除電ブラシを接触させて、接地する等の方法も考えられる。しかしながら、除電ブラシはコストが高く、また、除電ブラシがトナーや紙粉等で汚れ、接触不良を起こしやすいという問題がある。
本発明の目的は、加圧ローラの弾性層の機械的性質を失うことなく、加圧ローラの導電性の離型層が電気的な接地をする導電経路を形成できる定着装置を提供することにある。
上記課題を達成するための本発明に係る定着装置の構成は、
導電層と、前記導電層の外側に形成された離型層と、を有する筒状のフィルムと、
電気的に接地した芯金と、前記芯金の外側に形成された弾性層と、前記弾性層の外側に形成された導電性の離型層と、を有する加圧ローラと、を備え、
前記フィルムと前記加圧ローラとが接触してニップ部を形成し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しトナー像を記録材に定着する定着装置において、
前記フィルムは、記録材搬送方向に直交する方向の端部に前記導電層が露出した露出部を有し、前記加圧ローラは、前記芯金上に導電部材を有し、
前記加圧ローラの前記離型層及び前記導電部材は、それぞれ、前記露出部と接触し、前記加圧ローラの前記離型層が、前記導電層と、前記導電部材と、前記芯金と、を介して電気的に接地する導電経路が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、加圧ローラの弾性層の機械的性質を失うことなく、加圧ローラの導電性の離型層が電気的な接地をする導電経路を形成できる定着装置を提供することができる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る定着装置を搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は、電子写真画像形成方式を用いて記録材(例えば、記録紙、OHPシート等)に画像を形成するレーザビームプリンタである。このプリンタは、解像度600dpi 、22枚/分(LTR縦送り:プロセススピード約150mm/sec)のプリント速度でプリントを行うことができる。
本実施例に示すプリンタAは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)101を有する。この感光ドラム101は、プリンタAの筐体を構成するプリンタ本体(画像形成装置本体)Bに回転自在に支持され、駆動手段(不図示)によって矢印方向へ所定のプロセススピードで回転駆動される。その感光ドラム101の周囲には、回転方向に沿って、帯電ローラ(帯電手段)102、レーザ露光装置(露光手段)103、現像装置(現像手段)104、転写ローラ(転写手段)105、クリーニング装置(クリーニング手段)106がその順に配設してある。
回転動作中において、感光ドラム101の外周面(表面)は帯電ローラ102により所定の電位及び極性に一様に帯電される。そしてその感光ドラム101表面に対しレーザ露光装置103から目的の画像情報に基づいたレーザLが走査露光される。これによりその露光部分の電荷が除去され、感光ドラム101表面に画像情報に応じた静電潜像(静電像)が形成される。その静電潜像は現像装置104の有する現像ローラ104aによりトナー(現像剤)を用いて現像される。即ち、現像装置104は現像ローラ104aに現像バイアスを印加し、感光ドラム101表面の静電潜像にトナーを付着させる。これによって静電潜像はトナー画像(現像像)として可視化(顕像化)される。
一方、所定のタイミングで給送ローラ108により給送カセット109から記録材Pが給送され、その記録材Pは搬送ローラ110によって感光ドラム101と転写ローラ106との間の転写ニップ部Tnへと搬送される。そしてその記録材Pは転写ニップ部Tnで挟持搬送され、その搬送過程において転写ローラ105に転写バイアスが印加されることによって感光ドラム101表面のトナー画像が順次記録材Pの上に転写される。
転写ニップ部Tnで未定着トナー画像を担持した記録紙Pは感光ドラム101表面から分離し搬送ガイド111に沿って加熱定着装置(定着器)112へ搬送される。定着装置112は記録材P上の未定着トナー画像に熱と圧力を付与して未定着トナー画像を記録材P上に加熱定着する。定着装置112を出た記録材Pは、搬送ローラ113により排出ローラ114に搬送され、その排出ローラ114によりプリンタ本体B上の排出トレイ115に排出される。
トナー画像転写後の感光ドラム101表面は、クリーニング装置106の有するクリーニングブレード106aにより転写残トナー等の付着物が除去され、次の画像形成に供される。
(2)定着装置
図2は本実施例に係る定着装置112の一例の横断面模型図である。図3は本実施例に係る定着装置112の縦断面模型図である。図4は本実施例に係る定着装置112を記録材導入側から見た図である。この定着装置112はフィルム加熱方式の装置である。
以下の説明において、定着装置又はその定着装置を構成している部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは記録材搬送方向の寸法である。
本実施例に示す定着装置112は、加熱体としてのセラミックヒータ11と、保持部材としての断熱ステイホルダー12と、加熱用の可撓性部材としての定着フィルム13と、加圧部材としての加圧ローラ20と、を有する。ヒータ11と、ホルダー12と、フィルム13と、加圧ローラ13は、何れも長手方向に細長い部材である。
ホルダー12は、ヒータ11を保持するとともに、後述のニップ部Nと反対方向へのヒータ11の放熱を防ぐための部材である。そのホルダー12は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により横断面略半円形樋型に形成してある。このホルダー12は、ホルダー12の両端部が定着装置112の装置フレーム(不図示)にフィルム13の長手方向への移動を規制するフランジ(不図示)を介して支持されている。ホルダー12の下面には短手方向の中央に溝12aが形成してあり、その溝12aにヒータ11を保持させている。フィルム13は耐熱性フィルムによりエンドレス(円筒状)に形成してある。そしてそのフィルム13は周長に余裕をもってホルダー12に外嵌させてある。このフィルム13はヒータ11及びホルダー12と接触しながら回転する。そのためヒータ11及びホルダー12とフィルム13との間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため、フィルム13の内周面(内面)と接触するヒータ11とフィルム13との間、及びホルダー12とフィルム13との間に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させてある。これによりフィルム13ヒータ11及びホルダー12に対してスムーズに回転することが可能となる。
図6はフィルム13の層構成を表わす説明図である。
フィルム13は、導電層としてSUS等の薄い金属製素管131の外周面(表面)に、直接又はプライマ層を介してPFA、PTFE、FEP等の離型性層(以下、離型層と記す)133をコーティングした又はチューブ被覆した複合層フィルムである。素管131の表面に直接離型層133を形成する場合は、素管131表面にブラスト処理等の表面処理を施してあっても良い。フィルム13は、クイックスタートを可能とするために100μm以下の厚みが好ましい。またフィルム13は、耐久寿命の長い定着装置112を構成するために十分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルムとして、20μm以上の厚みが必要である。よってフィルム13の厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。本実施例では、フィルム13として、外径18mm、厚さ27μmのSUS製の素管131表面に厚さ15μmのPFAチューブを熱溶着により被覆したフィルムを用いている。
加圧ローラ20は、芯金21の外周に絶縁性のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムからなる弾性層22、或いは耐熱ゴムを発泡して形成された弾性層22を有する。そしてその弾性層22の外周に、導電層として、PFA、PTFE、FEP等にカーボン等の導電材を分散させた離型性層(以下、離型層と記す)23をコーティング塗工又はチューブ被覆により形成している。本実施例では、加圧ローラ20として、外径17.9mm、硬度40°(Asker−C 600g加重)、離型層23の抵抗値を10Ω/□とした加圧ローラを用いている。離型層23の抵抗値は1010Ω/□以下程度が好ましい。その加圧ローラ20は、フィルム13の下方においてフィルム13と並列に配置され、芯金21の両端部が装置フレームに軸受41L・41Rを介して回転自在に、かつ上下動自在に支持される。そしてその芯金21の両端部が加圧手段としての加圧バネ(不図示)によりヒータ11にフィルム13に対して加圧される。これにより、加圧ローラ20は、ヒータ11との間にフィルム13を挟んで記録材P上の未定着トナー画像Tの加熱定着に必要な所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。
図5にヒータ11の一例を示す。図5の(a)はヒータ11の発熱体4側の構成模型図、(b)は(a)のI−I矢視拡大断面図である。
ヒータ11は、Al又はAlN等の材料により形成された細長いセラミック基板11aを有する。その基板11aの面上には長手方向に沿って銀パラジウム等からなる通電発熱抵抗層(発熱抵抗体)11bが2本並列に設けられている。また基板11aの面上には、導電部11c1,11c2と、電極部11dと、保護層11eが、それぞれ設けられれている。2本の抵抗層11bは、基板11aの長手方向一端部側に設けられた電極部11dと導電部11c1を介して電気的に接続されている。そしてその2本の抵抗層11bは、基板11aの長手方向他端部側に設けられた導電部11c2を介して直列に接続されている。保護層11eは2本の抵抗層11bを保護するためのものである。2本の抵抗層11bは保護層11eとしての薄肉ガラスにより覆われている。ヒータ11は、抵抗層11a側の表面、又は抵抗層11aと反対側の裏面をフィルム13内面に接触させることによりニップ部Nの加熱を行う。
(3)定着装置の加熱定着動作
加圧ローラ20の芯金21の端部に設けられた駆動ギアG(図4)が定着モータMにより回転駆動されることによって、加圧ローラ20は矢印方向に回転する。この加圧ローラ20の回転によりニップ部Nにおいて加圧ローラ20の離型層23の外周面(以下、加圧ローラ20表面と記す)とフィルム13の離型層133の外周面(以下、フィルム13表面と記す)との摩擦力によりフィルム12に回転力が作用する。その回転力によりフィルム12はその内面側がニップ部Nにおいてヒータ1に密着して摺動しながらホルダー12の外回りを矢印方向に加圧ローラ13の回転周速度と略同じ周速度で従動回転する。
制御手段としてのCPU41(図5)は、通電制御手段としてのトライアック42をオンする。これにより交流電源43から電源コネクタ(不図示)を介してヒータ1の電極部11dに通電される。ヒータ11は、電極部11dから導電部11c1を通じて一方の抵抗層11bに通電されるとともに導電部11c2を経由して他方の抵抗層11bに通電されることによりヒータ全域が発熱し昇温する。そのヒータ11の裏面、つまり基板11aの抵抗層11bの反対側の面に設けられた温度検知手段としてのサーミスタなどの温度検知素子14(図1)により検知する。その温度検知素子14は、基板11aの長手方向において、プリンタAに使用される異なるサイズの記録材Pの全てが必ず通過する共通の通過領域と対応する位置に配置してある。CPU41は、温度検知素子14の出力信号(温度検知信号)S1(図5)をA/D変換して取り込む。そして温度検知素子14からの出力信号S1に基づいて、トライアック42によりヒータ11に通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、ヒータ11の温度制御を行う。即ち、CPU41は、温度検知素子14の検知温度が所定の設定温度(目標温度)より低い場合にはヒータ11を昇温させ、設定温度より高い場合にはヒータ11を降温させるようにトライアック42を制御することにより、ヒータ11を設定温度に保っている。
ヒータ11の温度が設定温度に立ち上がり、かつ加圧ローラ20の回転によるフィルム13の回転周速度が定常化した状態において、未定着トナー画像Tを担持する記録材Pがニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nの記録材搬送領域(図3、図4)でフィルム13と加圧ローラ20とにより挟持搬送される。その搬送過程において記録材Pの未定着トナー画像Tにヒータ11の熱がフィルム13を介して付与されるとともにニップ部Nによるニップ圧が付与されることによって、未定着トナー画像Tは記録材Pの面に加熱定着される。ニップ部Nを出た記録材Pはフィルム13表面から分離され搬送ローラ113(図1)へと搬送される。
(4)フィルム表面及び加圧ローラ表面を接地するための構成
図4において、フィルム13は、導電層露出部として長手方向両端部にSUS製素管131の表面を露出させた素管露出部(第1の露出部、第2の露出部)131aを有する。つまり、フィルム13は、フィルム13の表面に離型層133とこの離型層133の下層に設けられた導電層131の一部を露出させた素管露出部131aとを有する。加圧ローラ20は、離型層23がフィルム13の素管露出部131aの1つ(第1の露出部131a)と接触している。また、加圧ローラ20は、加圧ローラ20を接地(アース)するための導通手段(導電部材)として、芯金21の長手方向端部に導電ゴム等の材料により形成された導電ゴム輪31を有する。この導電ゴム輪31はセルフバイアス素子であるダイオード51(整流素子)と安全抵抗52を介して接地されている。そしてその導電ゴム輪31の外周面(表面)がフィルム13の素管露出部131aの他の1つ(第2の露出部131a)と接触している。つまり、加圧ローラ20は、加圧ローラ20の表面にフィルム13の離型層133と接触してニップ部Nを形成する離型層23を有するとともに、フィルム13の素管露出部131aと接触する導電ゴム輪31を有する。
フィルム表面及び加圧ローラ表面を接地するための構成の他の例として、フィルム13の長手方向一端部に素管露出部131aを設け、その素管露出部131aに加圧ローラ20表面の離型層23及び導電ゴム輪31表面を接触させるように構成してもよい。
(5)実験例
表1に、本実施例の定着装置(定着器)112を構成1から構成3に変えた場合について剥離オフセット、静電オフセット(剥離オフセット以外)、定着フィルム汚れの比較を行った結果を示す。剥離オフセット及び静電オフセットのレベル確認は、次の要領で行った。
加圧ローラ20表面の離型層23が帯電しやすい低温・低湿環境で高抵抗化した紙(Xx4024放置紙)を100枚通紙した。そしてその後にオフセットが発生しやすい600dpi孤立1ドットからなるハーフトーン画像の加熱定着を行うことで比較を行った。また、定着フィルム汚れは紙粉が発生しやすいX−9(LTR、80g/m)を1万枚通紙したあとの定着フィルム13表面の離型層133のトナー及び紙粉の付着レベルを確認することで比較を行った。
表1に示すように、構成1では、定着フィルム13表面の離型層133及び加圧ローラ20表面の離型層23がともに絶縁である為に、剥離オフセット及び静電オフセットのレベルが悪いことがわかる。尚、構成1ではオフセットレベルが悪い為、定着フィルム汚れの評価を行っていない。
また、定着フィルム13表面の離型層133のみを導電にした構成2では、剥離オフセット及び静電オフセットは改善されるものの定着フィルム13表面の離型性が低下し、定着フィルム13の汚れが発生してしまった。
これに対して、定着フィルム13表面の離型層133を絶縁とし、加圧ローラ20表面の離型層23及び弾性層22を導電にする構成3では、剥離オフセット、静電オフセット、定着フィルム汚れともに問題ないレベルであった。
次に、前述の構成3と加圧ローラ20表面の離型層23のみを導電化し、その離型層23を電気的にフロートにした場合と、本実施例の定着装置112とで、剥離オフセット、静電オフセット、定着フィルム汚れ、加圧ローラ耐久性のレベル比較を行った。その結果を表2に示す。尚、加圧ローラ耐久性の評価はプリンタAの耐久寿命(50k枚)の1.5倍の通紙耐久を行った後、加圧ローラ20の破壊等がないかを確認した。
表2に示すように、構成3では、加圧ローラ20の弾性層22にカーボン等の導電材を分散させている為に、耐久性に問題があり、プリンタAの耐久寿命付近で加圧ローラ20が破壊に至った。
また、加圧ローラ20表面の離型層23のみを導電化し、離型層23をフロートにする構成4では、加圧ローラ20表面からの導通経路が無く、電荷の逃げ道がない。その為に、加圧ローラ20表面の離型層23に電荷が蓄積していき、剥離オフセット及び静電オフセットが発生することが分かる。
これに対して、本実施例の定着装置112では、加圧ローラ20表面の離型層23が、定着フィルム13の素管露出部131aと加圧ローラ20の導電ゴム輪31と、加圧ローラ20の芯金21と、を介して接地する導電経路が形成されている(図4参照)。従って、加圧ローラ20表面の離型層23上の電荷が確実に除電されるため、剥離オフセット、静電オフセット、定着フィルム汚れともに良好であった。また、加圧ローラ20の弾性層22にカーボン等の導電材を分散していない為に加圧ローラ20の耐久性に関しても問題なかった。
本実施例では、定着フィルム13表面の離型層133を絶縁とした例について説明したが、離型層133に微量の導電材を付与し、微量の導電性を持たせた構成においても同様の効果が得られた。
本実施例の定着装置112によれば、加圧ローラ20表面の離型層23上の電荷を定着フィルム13の素管露出部131aから加圧ローラ20の導電ゴム輪31を介して除電できる。そのため、加圧ローラ20の耐久性の低下を招くことなく、定着フィルム13及び加圧ローラ20表面のチャージアップに起因するトナーオフセットの発生を低減できる。
[実施例2]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例に示す定着装置は、定着フィルムの素管露出部、又は加圧ローラの導電ゴム輪において定着フィルムの素管露出部と接触する領域をクリーニング手段によりクリーニングするように構成した点を除いて、実施例1の定着装置112と同じ構成としてある。
本実施例においては、実施例1の定着装置112と同じ部材には同一符号を付して再度の説明を省略する。
図7は本実施例に係る定着装置112の一例の横断面模型図である。図8は本実施例に係る定着装置112を記録材導入側から見た図である。
本実施例の定着装置112は、定着フィルム13の素管露出部131aと加圧ローラ20において素管露出部131aと接触する領域のうち少なくともいずれか一方をクリーニング手段によりクリーニングするように構成したものである。本実施例の定着装置112を搭載するプリンタAは、プロセススピード200mm/s、35枚/分(LTR縦送り)、耐久寿命15万枚であり、その他の構成は実施例1の画像形成装置と同じである。
定着装置112において、プリンタAの耐久寿命が長くなるにしたがって定着フィルム13の素管露出部131a及び加圧ローラ20表面に耐熱性グリース等の潤滑剤や紙粉等が付着することがある。その場合、素管露出部131aと加圧ローラ20表面との導通が十分に取れなくなってしまう。このような状態では、加圧ローラ20表面のチャージアップが防ぎ切れずにトナーオフセットが発生しやすくなる。
そこで、図7のように例えばフィルム13の素管露出部131aにクリーニング手段61としてフェルト部材を加圧手段としての加圧バネ62により加圧状態に接触させている。これにより、フィルム13の素管露出部131aに付着した潤滑剤及び紙粉をクリーニング手段61により除去できるので、素管露出部131aと加圧ローラ20表面との導通を確保できる。従って、加圧ローラ20表面のチャージアップに起因するトナーオフセットの発生を低減できる。
表3に、本実施例の定着装置112のようにクリーニング手段61を設けた場合と、クリーニング手段61を設けていない定着装置112の場合とで、耐久によるオフセットレベルの推移を示す。オフセットの確認は、実施例1と同様、低温・低湿環境及び高抵抗紙(Xx4024放置紙)を用いて行った。
表3よりクリーニング手段61がない場合、75000枚まではオフセット画像の発生はないが、100000枚通紙付近からオフセットが発生し始めることがわかる。
これに対して、クリーニング手段61を設けた場合、150000枚通紙してもオフセットの発生は見られなかった。
クリーニング手段61はフェルト材に限られるものでなくポリイミドやPET等の耐熱シートを素管露出部131aに接触させても同様の効果が得られることを確認している。また、加圧ローラ20において、素管露出部131aと接触する領域に加圧バネ(不図示)によりクリーニング手段を加圧状態に接触させても同様の効果が得られた。また、フィルム13の素管露出部131aと加圧ローラ20において素管露出部131aと接触する領域にそれぞれクリーニング手段61を配設してもよい。
本実施例の定着装置112によれば、クリーニング手段61によりフィルム13の素管露出部131aと加圧ローラ20表面との導通を確保できるので、加圧ローラ20表面のチャージアップに起因するトナーオフセットの発生を長期にわたって低減できる。
[その他]
実施例1及び実施例2の定着装置112において定着フィルム13として図9の(a)に示す構成の定着フィルムを用いてもよい。図9の(a)は定着フィルム13の層構成を表わす説明図、(b)は(a)の定着フィルム13と加圧ローラ20との接触状態を表わす説明図である。
定着フィルム13は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等の低熱容量の耐熱性樹脂フィルム層131の上に導電性プライマー層132を介して離型層133を形成したものである。その定着フィルム13は、同図(b)に示すように、導電性プライマー層132を定着フィルム13表面に一部露出させ、その露出部を加圧ローラ20の導電ゴム輪31表面と接触する素管露出部(導電層露出部)132aとしている。従って、上記定着フィルム13を用いた定着装置においても実施例1の定着装置112と同様の作用効果を得ることができる。
画像形成装置の一例の構成模型図 実施例1に係る定着装置の一例の横断面模型図 実施例1に係る定着装置の縦断面模型図 実施例1に係る定着装置を記録材導入側から見た図 (a)はヒータの通電発熱抵抗層側の構成模型図、(b)は(a)のI−I矢視拡大断面図 定着フィルムの層構成を表わす説明図 実施例2に係る定着装置の一例の横断面模型図 実施例2に係る定着装置を記録材導入側から見た図 (a)は定着フィルムの層構成を表わす説明図、(b)は(a)の定着フィルムと加圧ローラとの接触状態を表わす説明図
符号の説明
13‥‥定着フィルム、20‥‥加圧ローラ、23‥‥導電層、31‥‥導電ゴム輪、33‥‥離型性層、51‥‥ダイオード、61‥‥フェルト材(クリーニング手段)、131‥‥導電層、131a,132a‥‥導電層露出部、N‥‥ニップ部、P‥‥記録材

Claims (10)

  1. 導電層と、前記導電層の外側に形成された離型層と、を有する筒状のフィルムと、
    電気的に接地した芯金と、前記芯金の外側に形成された弾性層と、前記弾性層の外側に形成された導電性の離型層と、を有する加圧ローラと、を備え、
    前記フィルムと前記加圧ローラとが接触してニップ部を形成し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しトナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記フィルムは、記録材搬送方向に直交する方向の端部に前記導電層が露出した露出部を有し、前記加圧ローラは、前記芯金上に導電部材を有し、
    前記加圧ローラの前記離型層及び前記導電部材は、それぞれ、前記露出部と接触し、前記加圧ローラの前記離型層が、前記導電層と、前記導電部材と、前記芯金と、を介して電気的に接地する導電経路が形成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加圧ローラの前記離型層の表面抵抗値は、10 10 Ω/□以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記弾性層は、電気的な絶縁性を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記フィルムの前記離型層は、電気的な絶縁性を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記導電層は、金属製の素管であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 前記フィルムは、前記フィルムの前記離型層の内側に樹脂層を有し、前記導電層は、前記フィルムの前記離型層と前記樹脂層との間に形成された導電性のプライマー層であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の定着装置。
  7. 前記露出部は、前記フィルムの記録材搬送方向に直交する方向の両端部にそれぞれ、第1の露出部と、第2の露出部と、を有し、前記第1の露出部は、前記加圧ローラの前記離型層と接触し、前記第2の露出部は、前前記導電部材と接触していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の定着装置。
  8. 前記芯金は、前記トナーと逆極性の電荷が移動する整流素子を介して電気的に接地されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の定着装置。
  9. 前記露出部をクリーニングするクリーニング部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の定着装置。
  10. 前記フィルムの内面と接触するヒータを有し、前記ヒータは前記フィルムを介して前記加圧ローラと共に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の定着装置。
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