JP2009053595A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性部材の端部の強度向上と可撓性部材の接地とを両立できる像加熱装置の提供。
【解決手段】
加熱体3と、前記加熱体と接触しつつ移動するエンドレスの可撓性部材4と、前記可撓性部材の一端部と他端部を移動自在に支持する支持部材7L・7Rと、前記可撓性部材を挟んで前記加熱体とニップ部Nを形成する加圧部材5と、前記支持部材と前記加圧部材を保持する金属製剛性部材31と、を有し、前記ニップ部で記録材Pを挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、前記支持部材は導電性を有し、前記可撓性部材は前記支持部材により支持される内面に導電層4aを有し、前記可撓性部材の導電層は前記支持部材と接触して導通経路を形成し、前記可撓性部材の導電層を前記金属製剛性部材と前記支持部材を介して電気的に接地することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載する加熱定着装置として用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する像加熱装置(定着器)として、フィルム加熱方式の定着器がある。この定着器は、セラミック製の基板上に発熱体を有するヒータと、ヒータに接触しつつ移動する円筒状の薄肉のフィルムと、フィルムの両端部をフィルムと接触して支持する支持部材と、フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。特許文献1、2にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録材は定着器のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着器は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。従って、この定着器を搭載するプリンタは、プリント指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(ファーストプリントアウトタイム(FPOT:first printout time))を短くできる。またこのタイプの定着器は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
特開平4−44075号公報 特開平4−204984号公報
フィルム加熱方式の定着器は、更なる消費電力の低減とファーストプリントアウトタイムの短縮が求められている。そのため、近年、フィルムの厚みを更に薄くする傾向がある。フィルムの厚みを薄くすることにより、フィルム自体の低熱容量化による消費電力を低減でき、かつファースプリントタイムを短縮することが可能となるけれども、フィルムの両端部を支持する支持部材との摺擦によりフィルムの端部が裂け易くなるおそれがある。また近年のプリントスピードの高速化や、プリントボリュームの増大により、フィルムの端部へかかる屈曲ストレスが増大し、ストレスのかかる時間もさらに増加している。そのため、フィルムの端部の裂けが増長される傾向にある。
また、フィルム加熱方式の定着器は、定着画像のオフセット、尾引き、ローラ汚れによる画像品質の低下を防ぐことが求められている。例えば、プリントスピードの高速化に伴いトナーを加熱定着するための温度(目標温度)を上げると、長期間の使用を通してフィルムや加圧ローラなどの部材がダメージを受け、それらの表面の離型性が劣化してオフセットが発生しやすくなる。さらに定着時にトナーが被加熱材の搬送方向の後方に飛び散って定着される尾引きという現象があるが、上記温度を上げると定着時に発生する水蒸気量が増えるので、この尾引きが発生しやすくなる。これらのオフセットや尾引きが発生しやすい条件では、フィルムや加圧ローラなどにトナーによる汚れも蓄積しやすくなり、定着時に被加熱材のトナー汚れを生じやすくなってしまう。
そこで、画像品質の低下を防ぐために、フィルムの表面電位を制御してフィルムにトナーが付着するのを防ぐことが重要になってくる。例えば、フィルムの表面をトナーと同極性の電位に帯電することにより、オフセット、尾引き等を低減でき、定着画像の品質を改善することができる。従って、フィルムの表面電位を制御するために、フィルムを接地することが求められている。
本発明の目的は、可撓性部材の端部の強度向上と可撓性部材の接地とを両立できる像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するための構成は、加熱体と、前記加熱体と接触しつつ移動するエンドレスの可撓性部材と、前記可撓性部材の一端部と他端部を移動自在に支持する支持部材と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱体とニップ部を形成する加圧部材と、前記支持部材と前記加圧部材を保持する金属製剛性部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
前記支持部材は導電性を有し、前記可撓性部材は前記支持部材により支持される内面に導電層を有し、前記可撓性部材の導電層は前記支持部材と接触して導通経路を形成し、前記可撓性部材の導電層を前記金属製剛性部材と前記支持部材を介して電気的に接地することを特徴とする。
本発明によれば、可撓性部材の端部の強度向上と可撓性部材の接地とを両立できる像加熱装置の提供を実現できる。
本発明を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザービームプリンタである。
11は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。この感光ドラム11は、OPC、アモルファスシリコン等の感光材料の層をアルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基体上に形成して構成されている。そして、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。その感光ドラム11の外周面(表面)は回転過程において、まず、帯電装置としての帯電ローラ12によって所定の極性・電位に一様に帯電される。次に、露光装置としてのレーザースキャナ13による、目的の画像情報パターンに対応したレーザービーム走査露光Lを受ける。これにより感光ドラム11表面に目的の画像情報パターンに対応した静電潜像が形成される。レーザースキャナ13は不図示のホストコンピュータ等の外部装置から送られた目的の画像情報パターンの時系列電気デジタル画素信号に対応してON/OFF制御(強度変調)したレーザー光Lを出力する。そしてそのレーザー光で感光ドラム11の一様帯電処理面を走査露光する。
感光ドラム11表面に形成された静電潜像は現像装置14でトナーを用いて現像され可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法等が用いられ、イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。感光ドラム11表面に形成されたトナー像は、感光ドラム11と転写ローラ15とで形成される転写ニップ部Tにおいて、転写ニップ部Tに所定の制御タイミングにて給送された記録紙やOHPシートなどの記録材Pに対して順次に転写される。転写ローラ15には不図示の電源から所定の転写バイアスが所定の制御タイミングにて印加され、感光ドラム11表面のトナー像は転写バイアスの作用で記録材Pに転写される。
本実施例の画像形成装置においては、給紙カセット21からのカセット給紙モードと、手差しトレイ27からの手差し給紙モードを選択して記録材Pを給紙することができる。カセット給紙モードの場合は、給紙カセット21内に積載収納させた記録材Pが給紙ローラ22と不図示の1枚分離部材とによって1枚分離給送される。その記録材Pは、シートパス23、第1センサ(後端検知センサ)24、レジストローラ25、第2センサ(レジストセンサ)26の経路を通って転写ニップ部Tに所定の制御タイミングにて給送される。
手差し給紙モードの場合は、手差しトレイ27から装置に差し入れた記録材Pが給紙ローラ28で装置内に引き込まれ、シートパス29、第1センサ24、レジストローラ25、第2センサ26の経路を通って転写ニップ部に所定の制御タイミングにて給送される。
第1センサ24で記録材Pのサイズ検知がなされる。記録材Pのサイズ検知は第2センサ26で行っても良い。記録材Pはレジストローラ25によって、感光ドラム11表面に形成されたトナー像と同期を取り転写ニップ部Tに供給される。転写ニップ部Tにてトナー像の転写を受けてトナー像を担持した記録材Pは回転感光ドラム11表面から順次に分離されてシートパス17を通って加熱定着装置18へ搬送される。そしてその記録材Pは、定着装置18のニップ部で加熱・加圧されることによってトナー像が記録材P上に加熱定着され、排紙ローラ19により機外の排紙トレイ20へ排出される。
トナー像転写後(被記録材分離後)に感光ドラム11表面に残留する転写残留トナーはクリーニング装置16により感光ドラム11表面より除去され、清掃された感光ドラム11表面は繰り返して作像に供される。
(2)定着装置
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材について、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
a)定着装置全体の構成
図2は定着装置18の横断面模型図である。図3の(A)はヒータの一例の平面模型図及びそのヒータの温調制御系の一例の説明図、(B)は(A)のa−a線拡大断面図である。図4はフィルムの横断面拡大模型図である。図5は定着装置の縦断面模型図である。図6は定着装置を記録材導入側から見た図である。
本実施例に示す定着装置18は、フィルム加熱ユニット6と、加圧部材としての加圧ローラ5と、金属製剛性部材としての装置フレーム31と、を有する。
フィルム加熱ユニット6は、支持ステー1と、保持部材としてのホルダー2と、加熱体としてのヒータ3と、エンドレスの可撓性部材としての円筒状の耐熱性フィルム4と、支持部材としての左右のフランジ7L・7Rと、を有する。上記の支持ステー1、ホルダー2、ヒータ3及びフィルム4は何れも長手方向に細長い部材である。
ホルダー2は、フィルム4の内側において、ヒータ3を保持するとともに後述のニップ部Nと反対側への放熱を防ぎ、かつフィルム4の回転軌跡を保持するための部材である。このホルダー2は、300度近くの高温に耐える必要があるため、耐熱性の高い液晶ポリマー(LCP)(熱変形温度335度品、商品名エコノールE、E5008グレード、住友化学)を用いて横断面略半円弧状の樋型に形成してある。ホルダー2の下面には長手方向に沿って溝2aが設けられており、その溝2aにヒータ3を固定保持させてある。
支持ステー1は、フィルム4の内側において、ホルダー2を加圧するための部材である。このステー1は、鉄などの金属により横断面略逆U字形状に形成してある。そしてホルダー2を加圧するために左右の端部を対応するフランジ7L・7Rに保持させてある(図5)。
ヒータ3は、アルミナ(Al)等の材料からなる細長いセラミック基板3aを有する。ヒータ3の表面側には、基板3a上に、発熱抵抗体3bとして、例えばAg/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料を厚み10〜30μm、幅0.8〜3.0mmにスクリーン印刷等により塗工・焼成してある。基板3aの長手方向の両端部には抵抗体3bに通電するための電極部3dが設けられている。そして抵抗体3bの上にオーバコート層3c(保護層)としてガラスやフッ素樹脂などがコートしてある。ヒータ3の裏面側には、基板3a上に、温度検知手段としてのサーミスタTHが設けられている。そのサーミスタTHは後述するニップ部Nの記録材搬送領域(図5)の内側に位置するように設けられる。このヒータ3は、オーバコート層3cの表面をフィルム4の内周面と接触させるようにホルダー2の溝2aに固定保持されている。
ホルダー2に対し周長に余裕をもってルーズに外嵌されているフィルム4は、導電層としての円筒状の基層4aと、その基層4aの外周に設けられた離型層4bと、を有する。基層4aの材料として、熱伝導性と加工性に優れたニッケル、鉄、ステンレス鋼などの金属を用いると良い。或いは、基層4aの材料として、金属ではないが導電ポリイミドなども用いることができる。また基層4aの厚さとしては、20μm以下であるとフィルム端部における破断に絶えられなくなる虞がある。また、50μm以上にすると、熱伝導性の悪化だけでなく、剛性が高くなりすぎて屈曲性が悪くなり、回転体として使用するには現実的ではなくなる。従って、好ましくは基層4aの厚さは20〜50μmが好ましい。本例では30μmとする。離型層4bは、耐熱性のあるPTFE,PFA,FEP、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の離型性かつ耐熱性に優れたチューブとする。また、離型層4bは、15μm以上であると離型層4bの熱抵抗が大きくなりクイックスタートの実現が難しくなる。一方、チューブを端部まで被覆し、フィルム端部の破断を補強する場合には、離型層4bは厚いほど好ましい。本例では、端部補強をしつつ、クイックスタートを満足する最大の厚みとして、離型層4bの厚さを15μmとしている。
フランジ7L・7Rは、フィルム4の左右の端部(可撓性部材の一端部と他端部)を移動自在(回転自在)に支持するための部材である。このフランジ7L・7Rは、フィルム4の外径よりも大きい径を有する基部7aL・7aRを有する。その基部7aL・7aRは、フィルム4の長手方向において、フィルム4の左右の端部と対向するように装置フレーム31に上下動自在に保持されている。基部7aL・7aRのフィルム4側の内側面には、フィルム4端部側に突出し、かつフィルム4端部の内周に沿うように円弧状に形成された変形規制部7bL・7bRが設けてある。この変形規制部7bL・7bRの外周面にはフィルム4の基層4aの内周面が接触するようになっている。基部7aL・7aRのフィルム4側とは反対側の外側面には、フィルム4と反対側に突出するようにバネ受け部7cL・7cRが設けてある。
加圧ローラ5は、丸軸状の芯金5aと、その芯金5aの外周に設けられている弾性層5bと、その弾性層5bの外周に設けられている表層5cと、を有する。弾性層5bとして、3.5mm厚のシリコーンゴムからなる絶縁スポンジを用いている。表層5cとして、50μm厚の導電性のPFAチューブ層5cを用いている。その加圧ローラ5の直径は18mmとしてある。弾性層5bは、絶縁性でなく導電性でも良い。また弾性層5bは、スポンジタイプでなくソリッドタイプでも良い。表層5cのPFAチューブは、導電性でなく絶縁性でも良い。その加圧ローラ5は、フィルム4の下方にフィルム4と並列に配置されている。そして芯金5aの左右の端部が装置フレーム31の左右の側板31L・31Rに軸受41L・41Rを介して回転自在に支持されている。
左右のフランジ7L・7Rのバネ受け部7cL・7cRと、装置フレーム31の左右の側板31L・31Rとの間には、加圧手段として導電性を有する左右の加圧バネ42L・42Rを設けている。その加圧バネ42L・42Rの加圧力によってフランジ7L・7Rが加圧板金43L・43Rを介して下方に加圧され、これによりステー1がホルダー2を加圧する。そしてステー1により加圧されたホルダー2はヒータ3をフィルム4を挟んで加圧ローラ5の外周面(表面)に加圧し、その加圧力に応じて加圧ローラ5の弾性層5bが弾性変形する。これにより加圧ローラ(加圧部材)5はフィルム(可撓性部材)4を挟んでヒータ(加熱体)3と所定幅のニップ部(定着ニップ部)Nを形成する。本実施例では、加圧ローラ5は加圧バネ42L・42Rにより総圧約147N(15kgf)で加圧され、幅7.0mmほどのニップ部Nを形成している。つまり、ニップ部を形成するために加圧部材は金属製剛性部材により加圧されることによって、導電性を有する支持部材は金属製剛性部材と接触して導通経路を形成する。
b)加熱定着動作
駆動源としての定着モータM(図6)は加圧ローラ5の芯金5aの端部に設けられた駆動ギアGを回転駆動する。これによって加圧ローラ5は矢印方向(図2)へ回転される。加圧ローラ5の回転力はニップ部Nを通じてフィルム4に伝達される。これによりフィルム4は、フィルム4の内周面がヒータ3のオーバコート層3c及びフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面と接触した状態でホルダー2の外回りを矢印方向(図2)に従動回転する。
また、通電制御手段としての通電制御部51(図3)はヒータ3の電極部3dを通じて抵抗体3bに通電する。これにより抵抗体3bが発熱してヒータ3は急速昇温する。サーミスタTHはヒータ3の温度を検知して通電制御部51に出力する。通電制御部51はサーミスタTHからの出力信号(温度検知信号)を取り込み、その信号に基づいて所定の定着温度(目標温度)に維持するようにヒータ3への通電を制御する。通電制御部51におけるヒータ3への通電制御は、交流電圧の波数によって投入電力を制御する波数制御方式や、交流電圧のゼロクロスからの所定の遅延時間後に次のゼロクロスまで通電する位相制御方式などによってなされている。
フィルム4及び加圧ローラ5の回転が安定し、かつヒータ3が定着温度に維持された状態でニップ部Nの記録材搬送領域に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが導入される(図2)。その記録材Pはニップ部Nで挟持搬送される。そしてその搬送過程においてトナー像Tが熱と圧力を受けることによって、トナー像Tは記録材P上に加熱定着される。
c)フィルムの端部構成、及びフィルムと装置フレーム間の電気的な導通経路の説明
図7は本実施例の定着装置18におけるフィルム4の左側端部の構成と、そのフィルム4の左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図である。図7においては、説明の都合上、ヒータ3を固定保持しているホルダー2は図示を省略してある。本実施例の定着装置18におけるフィルム4の右側端部の構成と、そのフィルム4の右側端部の電気的な導通経路の構成は、それぞれ図7に示す構成と同じである。
フィルム4において、離型層4bは、基層4aと重なるように基層4aの外周を両端部まで被覆してある。フィルム4の左右の端部は、装置フレーム31の左右の側板31L・31Rに保持されているフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRにより移動自在(回転自在)に保持されている。つまり、フィルム4の両端部は、フィルム4の基層4aの内周面が変形規制部5bL・5bRの外周面と接触しながら移動(回転移動)するように変形規制部7bL・7bRにより保持されている。フランジ7L・7Rは、装置フレーム31の側板31L・31Rとの電気的導通を確保するために、耐熱性、及び電気導電性を有し、かつ高い加重に耐えられる剛性材料を用いて形成してある。その剛性材料としては、例えば、液晶ポイマー、PPS、PAI、PI、PEEKに、カーボンなどの導電物質を混合した材料である。そしてその剛性材料の体積抵抗値は10Ω程度である。ここで、PPSはポリフェニレンサルファイド、PAIはポリアミドイミド、PIはポリイミド、PEEKはポリエーテルエーテルケトンである。
フィルム4と装置フレーム31間の電気的な導通経路は、フィルム4の内面を構成する基層4aから、フランジ7L・7R、加圧板金43L・43R、及び加圧バネ42L・42Rを通じて装置フレーム31に至る経路をとる。そして装置フレーム31を画像形成装置の金属製フレーム32に固定支持させてある。この金属製フレーム32は接地されている。従って、フィルム4の基層4aはフランジ7L・7R、加圧板金43L・43R、及び加圧バネ42L・42Rを介して装置フレーム31に接地される。つまり、可撓性部材(フィルム)の導電層(基層)を支持部材(フランジ)を介して金属製剛性部材(装置フレーム)と電気的に接地するようにしている。
上記の導通経路において、フィルム4の基層4aとフランジ7L・7Rの導通は、フィルム4が回転し、フィルム4の基層4aがフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面と摺動摩擦しながら接点をとる。また、フランジ7L・7Rは、導電性の樹脂製の部材であって、体積抵抗値が10Ω程度の部材を使用している。そのため、フィルム4の基層4aとフランジ7L・7Rの導通をとることができる。フランジ7L・7Rは、装置フレーム31に支持され、加圧板金43L・43Rを介して加圧バネ42L・42Rによる片側68.6N(7kgf)程度の加圧力(定着圧)を受けている。フランジ7L・7Rと加圧板金43L・43Rの導通に関しては、両者を加圧バネ42L・42Rによる加圧力で確実に接触させているため、確実な電気的導通を安定して保持できる。
フィルム4とフランジ7L・7Rについてより確実な導通を確保するには、フィルム4の基層4aとフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面との間に、導電性の粘性物質(導電物質)33を介在させても良い。本実施例では、導電性の粘性物質33として、導電性グリースを介在させている。つまり、導電性を有する支持部材(フランジ)と可撓性部材(フィルム)の導電層(基層)との間に導電物質を介在させることにより、可撓性部材の導電層は支持部材と導電物質を介して導通経路を形成するようにしている。
(5)評価
表1は、本実施例の定着装置18におけるフィルム4の端部強度と、フィルム4の電気的な接地状態を、比較例の定着装置と比較したものである。図15は比較例の定着装置におけるフィルムの端部の構成と、そのフィルムの電気的な導通経路の構成を表わす説明図である。図15において、本実施例の定着装置18を構成する部材と同じ部材には同じ符号を付している。図15においても、説明の都合上、ヒータ3を固定保持しているホルダー2は図示を省略してある。
比較例の定着装置71は、以下の3点を除いて、本実施例の定着装置18と同じ構成としてある。即ち、左右のフランジ7L・7Rが導電性を有していない点、フィルム4の左右の端部で基層4aを露出させている点、加圧ローラ5の芯金5aに設けた導電ゴム輪72の外周面をフィルム4の基層4aに接触させた点の3点である。つまり、比較例の定着装置71は、フィルム4の左右の端部(基層4aの露出部)が導電ゴム輪72から加圧ローラ5の芯金5aを介して、フィルム4の電位を電気的に接地したり、外部から電気的なバイアスを印加するための導電経路になっている。また、比較例の定着装置71は、フィルム4の左右の端部で基層4aが露出しているため、基層4aと離型層4bの2層からなる定着領域(トナー像Tを定着するための領域)と比較するとフィルム4の膜厚がさらに薄くなっている。

表1中の左側にフィルム4の端部強度の評価結果を示す。評価レベルは、定着装置18が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまでフィルム4の端部に微小の損傷すらないものを◎、微小なひび割れが少しでもある場合を○とした。ただし、○レベルでも実使用上は全く問題ない。
表1中の右側にフィルム4の電気的な接地状態の評価結果を示す。評価方法は、フランジ7L・7Rの体積抵抗値を変えながら、フィルム4からフランジ7L・7R、装置フレーム31を介して、アースに接地するまでの導通状態を測定した。完全に接地している状態を○、接地が不安定な場合を×とし、カッコ内の表記は、定着装置18が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで定着装置18を使用した後の測定結果である。
測定結果によると、本実施例の定着装置18におけるフィルム4の端部強度は、比較例の定着装置71に比べて、十分な余裕がある。これは、本実施例の定着装置18に用いられているフィルム4において離型層4bを基層4aに重なるように左右の端部まで被覆しているからである。一方で、フィルム4の接地状態は、フランジ7L・7Rの体積抵抗値が10Ω程度(10〜10Ω)であれば、定着装置18が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで使用しても問題ない。さらに、フィルム4とフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRとの間に、導電グリース33を介在させることで、フランジ7L・7Rの体積抵抗値が10Ω程度(10〜10Ω)でも、問題なくなる。使用するほどに接地状態が不安定になるのは、フィルム4の内面やフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの摺擦面(外周面)が削れて、互いの接触状態がゆるくなるからである。しかし、導電性グリース33をフィルム4とフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRとの間に介在させることで、前述の接触状態を補うことができる。
本実施例の定着装置18は、フィルム4の基層4aが導電性を有するフランジ7L・7Rと接触して導通経路を形成するので、フィルム4の離型層4bを基層4aと重なるように左右の端部まで被覆することが可能となる。その結果、フィルム4の端部強度を向上できる。また、導電性のフランジ7L・7Rが金属製の装置フレーム31に保持されているので、フィルム4の基層4aを装置フレーム31と導電性のフランジ7L・7Rを介して電気的に接地することが可能となる。従って、フィルム4の端部の強度向上とフィルム4の接地とを両立できる。また、フィルム4の基層4aを装置フレーム31と導電性のフランジ7L・7Rを介して電気的に接地できるので、加圧ローラ5の芯金5aに導電ゴム輪72、電極板或いは電極ブラシなどの部材を設ける必要がない。そのため、導通経路を形成するための構成を簡略化できる。また、フィルム4とフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRとの間に導電性グリース33を介在させることで、フィルム4とフランジ7L・7Rについてより確実な導通を確保できる。
従って、本実施例の定着装置18は、フィルム4の左右の端部を薄くすることなくフィルム4を電気的に接地できる。そのため、更なる消費電力の低減とファーストプリントタイムの短縮を実現できるとともに、定着画像のオフセット、尾引き、ローラ汚れによる画像品質の低下を防ぐことができる。
つまり、本実施例の定着装置の構成は、支持部材は導電性を有し、可撓性部材は支持部材により支持される内面に導電層を有し、可撓性部材の導電層は支持部材と接触して導通経路を形成する。そしてその可撓性部材の導電層を金属製剛性部材と支持部材を介して電気的に接地することを特徴とする。また、導電性を有する支持部材と可撓性部材の導電層との間に導電物質を有し、可撓性部材の導電層は支持部材と導電物質を介して導通経路を形成することを特徴とする。
[実施例2]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例では、実施例1の定着装置18を構成する部材と同じ部材には同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3、実施例4についても同様とする。
本実施例に示す定着装置18は、左右のフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRにおいてフィルム4の基層4aと接触する外周面にフィルム4の移動方向に沿って導電性グリース33を保持するための窪み34を設けている。そして本実施例の定着装置18は、その窪み34を設けた点を除いて、実施例1の定着装置18と同じ構成としてある。
(1)本実施例の定着装置の構成
図8の(A)は本実施例の定着装置18に用いられている左側のフランジ7Lの平面模型図、(B)は(A)のb−b線断面図である。図示していないけれども右側のフランジ7Rは左側のフランジ7Lと同じ構成となっている。図9はフランジ7Lの変形規制部7bLに設けられている窪み7bL1によって保持される導電性グリース33が受ける力の向きを表わす図である。図10の(A)は本実施例の定着装置18におけるフィルム4の左側端部の構成と、そのフィルム4の左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図、(B)は導電性グリース33を窪み34に保持できる根拠を表わす説明図である。図10の(A)においても、説明の都合上、ヒータ3を固定保持しているホルダー2は図示を省略してある。本実施例の定着装置18におけるフィルム4の右側端部の構成と、そのフィルム4の右側端部の電気的な導通経路の構成は、それぞれ図10の(A)に示す構成と同じである。
図8に示すように、導電性を有するフランジ7Lの変形規制部7bLの外周面には、導電性グリース33を保持するための窪み34をフィルム4の回転方向(移動方向)X(図10)に沿って複数設けている。その窪み34は、変形規制部7bLの外周面において、フィルム4の基部4aの内面が接触しながら移動する領域(摺擦領域)に設けてある。そしてその窪み7bL1の形状は、フィルム4の回転方向Xに対して、への字、若しくはハの字の形状としている。
図9に示すように、窪み34の形状をへの字、若しくはハの字形状にすると、導電性グリース33が受ける力の向きFgは、フィルム4の回転方向への力Fxと、窪み34から受ける摩擦方向への力Fμの合力の方向に働く。その結果、導電性グリース33は、フィルム4の端部方向Y1や、フィルム4の内側Y2(図10の(A))へ移動しにくくなり、導電性グリース33を、窪み34の存在する領域に保持させておくことができる。これにより、導電性グリース33の大半が、フィルム4の左右の端部や、フィルム4の内側へ極端に移動することなく、安定して、フィルム4とフランジ7Lの変形規制部7bLとの摺擦領域に集中して保持させることができる。
(2)評価
表2は、本実施例の定着装置18におけるフィルム4の端部強度と、そのフィルム4の電気的な接地状態を、実施例1の定着装置18と比較したものである。評価方法は実施例1と同じであるため説明を省略する。

表2によると、本実施例2の定着装置18は、特に定着装置18が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで使用した後の電気的な接地状態を、実施例1の定着装置18と比べて、さらに向上することができる。また、左右のフランジ7L・7Rの体積抵抗値が10Ω程度(10〜10Ω)であれば、安定して導通経路を形成でき、フィルム4の基層4aを装置フレーム31と導電性のフランジ7L・7Rを介して電気的に接地することができる。
本実施例の定着装置18は、フランジ7L・7Rの変形規制部7bLの外周面に窪み34を設け、その窪み34により導電性グリース33を保持できるので、フィルム4の基層4aとフランジ7L・7Rとの導通状態をさらに安定させることができる。その結果、フランジ7L・7Rの抵抗使用領域を拡大しても、フィルム4の電気的な接地状態を、定着装置が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで安定して導通経路を保持することができる。さらに、プリントボリュームが増大し、導電性グリース33のオイル分が揮発して、グリース33の粘性や体積が減少するような場合においても、安定して、フランジ7L・7Rとフィルム4の基層4aとの導電性を保持することができる。
つまり、本実施例の定着装置の構成は、導電性を有する支持部材と可撓性部材の導電層との間に導電物質を有し、可撓性部材の導電層は支持部材と導電物質を介して導通経路を形成することを特徴とする。
[実施例3]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例に示す定着装置は、左右のフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの先端に導電部材として導電性保護部材35を設けた点を除いて、実施例1の定着装置18と同じ構成としてある。
(1)本実施例の定着装置の構成
図11の(A)は本実施例の定着装置18に用いられている左側のフランジ7Lとそのフランジ7Lに設けられている導電性保護部材の一例を表わす平面模型図、(B)は(A)のc−c線断面図である。図示していないけれども右側のフランジ7Rは左側のフランジ7Lと同じ構成となっている。図12は本実施例の定着装置18におけるフィルム4の左側端部の構成と、そのフィルム4の左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図である。図12においても、説明の都合上、ヒータ3を固定保持しているホルダー2は図示を省略してある。本実施例の定着装置18におけるフィルム4の右側端部の構成と、そのフィルム4の右側端部の電気的な導通経路の構成は、それぞれ図12に示す構成と同じである。図13は導電性保護部材の取付け位置の他の例を表わす図であって、(A)はフランジ7Lの平面模型図、(B)は(A)のd−d線断面図である。
図11の(A)、(B)に示すように、導電性を有するフランジ7Lの変形規制部7bLの先端には、導電性保護部材35が設けられている。本実施例では、導電性保護部材35として導電性ブラシを用いている。この導電性保護部材35は、導電性を有する基部35aと、その基部35aに設けられた導電性を有するブラシ部35bと、を有する。そしてその導電性保護部材35は、ブラシ部35bがフィルム4の基層4aの内面と接触するように基部35aをフランジ7Lの変形規制部7bLの先端面に固定している。この導電性保護部材35によって、フランジ7Lとフィルム4の基層4aとの間で、安定して導電経路を形成することができる。導電性保護部材35として、耐熱性や摺動摩擦に耐えられ、また摺擦するフィルム4の基層4aの内面を傷つけない材質の部材が好ましい。従って、導電性保護部材35として、導電性ブラシの他に、導電ポリイミドなどの薄膜シートを用いてもよい。また、導電性保護部材35は、フランジ7Lの変形規制部7bLの先端面に限られず、変形規制部7bLの外周面に設けられた窪み36の内壁面或いは底面に固定してもよい。
(2)評価
表3は、本実施例の定着装置18におけるフィルム4の端部強度と、そのフィルム4の電気的な接地状態を、実施例1、2の定着装置18と比較したものである。評価方法は実施例1と同じであるため説明を省略する。

表3によると、本実施例3の定着装置18は、導電性グリース33を使用しなくとも、実施例1、2の定着装置18と比べて、さらに電気的な接地状態を向上することができる。また、左右のフランジ7L・7Rの体積抵抗値が1010Ω程度(10〜1010Ω)であっても、安定して導通経路を形成でき、フィルム4の基層4aを装置フレーム31と導電性のフランジ7L・7Rを介して電気的に接地することができる。
本実施例の定着装置18は、左右のフランジ7L・7Rとフィルム4の基層4aとの間に導電性保護部材35を設けることで、実施例2の定着装置18に比べて、フィルム4の基層4aとフランジ7L・7Rとの導通状態を更に安定させることができる。その結果、フランジ7L・7Rの抵抗使用領域を拡大しても、フィルム4の電気的な接地状態を、定着装置が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで安定して導通経路を保持することができる。しかも、導電性保護部材35を装置フレーム31に対して電気的に接地しているフランジ7L・7Rに取り付けることで、導電性保護部材35を設けるための特別な配線が不要となり、定着装置18内のスペースを確保することもできる。
つまり、本実施例の定着装置の構成は、導電性を有する支持部材と可撓性部材の導電層との間に導電部材を有し、可撓性部材の導電層は支持部材と導電部材を介して導通経路を形成することを特徴とする。
[実施例4]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例に示す定着装置は、フィルム4の基層4aにおいて左右のフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面と接触する領域に凹凸面4a1を設けた点を除いて、実施例1の定着装置18と同じ構成としてある。
(1)本実施例の定着装置の構成
図14は本実施例の定着装置18におけるフィルム4の左側端部の構成と、そのフィルム4の左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図である。図14においても、説明の都合上、ヒータ3を固定保持しているホルダー2は図示を省略してある。本実施例の定着装置18におけるフィルム4の右側端部の構成と、そのフィルム4の右側端部の電気的な導通経路の構成は、それぞれ図14に示す構成と同じである。
図14に示すように、フィルム4の基層4a内面の端部領域に限り、微小な凹凸面4a1を設けることで、フィルム4の基層4a内面とフランジ7Lの変形規制部7bLの外周面との摺動摩擦力を高めている。また、その変形規制部7bLの外周面との接触面積を増やすことで、フィルム4の基層4a内面とフランジ7Lの変形規制部7bLの外周面との導通経路を確実に保持できるようにしている。凹凸面4a1は、表面粗さが大きいほど導通状態を確保できるが、凹凸が大きすぎると、返って導通状態が低下する虞もある。これは、凹凸が大きすぎると、変形規制部7bLの外周面が削れてしまい、変形規制部7bLの周長が短くなり、フィルム4の基層4a内面との接触状態がゆるくなるからである。更に、フィルム4はテンションフリーで回転しているため、フィルム4に凹凸を設けることはフィルム4の回転トルクの増大につながる。フィルム4の回転トルクが増大すると、ニップ部Nで記録材Pがフィルム4に対しスリップして定着装置18内を通過できなくなる虞もある。また、凹凸面4a1を設ける位置は、変形規制部7bLの外周面と接触するフィルム4の基層4a内面の端部領域のみで、ヒータ3と接触しない領域が好ましい。凹凸面4a1がヒータ3と接触すると、ヒータ3のオーバコート層3cが削れてしまい、削り粉によるフィルム4の回転トルクの増大や、削り粉の鋭利な面でフィルム4を破損する虞もある。本実施例では、このような理由により、フィルム4の基層4a内面において、フィルム4の端部から5mmの領域に限り、表面粗さが約150μmの凹凸面4a1を設けている。つまり、フィルム4の基層4aは、フランジ7Lの変形規制部7bLの外周面と接触する領域に、フランジ7Lの変形規制部7bLの外周面と接触しない領域に比して、局所的に表面粗さが大きい領域を有する。
(2)評価
表4は、本実施例の定着装置18におけるフィルム4の端部強度と、そのフィルム4の電気的な接地状態を、実施例1、2、3の定着装置18と比較したものである。評価方法は実施例1と同じであるため説明を省略する。

表4によると、本実施例4の定着装置18は、導電性グリース33を使用しなくとも、実施例1、2の定着装置18と比べて、さらに電気的な接地状態を向上することができる。また、左右のフランジ7L・7Rの体積抵抗値が1010Ω程度(10〜1010Ω)であっても、安定して導通経路を形成でき、フィルム4の基層4aを装置フレーム31と導電性のフランジ7L・7Rを介して電気的に接地することができる。
本実施例の定着装置18は、フィルム4の基層4aにおいて左右のフランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面と接触する領域に凹凸面4a1を設けたので、フィルム4の基層4a内面とフランジ7L・7Rとの導通状態を安定させることができる。その結果、フランジ7L・7Rの抵抗使用領域を拡大しても、フィルム4の電気的な接地状態を、定着装置が正常に機能しなくなる耐久寿命に至るまで安定して保持することができる。また、必要に応じて、フランジ7L・7Rの体積抵抗値を1010Ω以上にしたい場合や、さらに導通性能を安定させたい場合には、本実施例の構成に加えて、実施例1、2、3に示す構成を組み合わせてもよい。即ち、本実施例の構成に加えて、導電性グリース33や、フランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRの外周面に設けられる窪み34、又は、フランジ7L・7Rの変形規制部7bL・7bRに設けられる導電性保護部材35を適宜組み合わせてもよい。
つまり、本実施例の定着装置の構成は、可撓性部材の導電層は、導電性を有する支持部材と接触する領域に、支持部材と接触しない領域に比して、局所的に表面粗さが大きい領域を有することを特徴とする。
画像形成装置の一例の構成模型図 実施例1に係る定着装置の横断面模型図 実施例1に係る定着装置に用いられているヒータとそのヒータの温調制御系の説明図 実施例1に係る定着装置に用いられているフィルムの横断面拡大模型図 実施例1に係る定着装置の縦断面模型図 実施例1に係る定着装置を記録材導入側から見た図 実施例1に係る定着装置におけるフィルムの左側端部の構成と、そのフィルムの左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図 実施例2に係る定着装置に用いられているフランジの説明図 図8に示すフランジの窪みによって保持される導電性グリースが受ける力の向きを表わす図 (A)は実施例2に係る定着装置におけるフィルムの左側端部の構成と、そのフィルムの左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図、(B)は導電性グリースを窪みに保持できる根拠を表わす説明図 実施例3に係る定着装置に用いられている左側のフランジとそのフランジに設けられている導電性保護部材の一例を表わす平面模型図、(B)は(A)のc−c線断面図 実施例3に係る定着装置におけるフィルムの左側端部の構成と、そのフィルムの左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図 実施例3に係る定着装置に用いられている導電性保護部材の取付け位置の他の例を表わす図 実施例4に係る定着装置におけるフィルムの左側端部の構成と、そのフィルムの左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図 比較例の定着装置におけるフィルムの左側端部の構成と、そのフィルムの左側端部の電気的な導通経路の構成を表わす説明図
符号の説明
3‥‥ヒータ、4‥‥耐熱性フィルム、4a‥‥基層、4a1‥‥凹凸面、5‥‥加圧ローラ、7L・7R‥‥フランジ、18‥‥定着装置、31‥‥装置フレーム、33‥‥導電性グリース、34‥‥窪み、35‥‥導電性保護部材、N‥‥ニップ部、P‥‥記録材

Claims (7)

  1. 加熱体と、前記加熱体と接触しつつ移動するエンドレスの可撓性部材と、前記可撓性部材の一端部と他端部を移動自在に支持する支持部材と、前記可撓性部材を挟んで前記加熱体とニップ部を形成する加圧部材と、前記支持部材と前記加圧部材を保持する金属製剛性部材と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記支持部材は導電性を有し、前記可撓性部材は前記支持部材により支持される内面に導電層を有し、前記可撓性部材の導電層は前記支持部材と接触して導通経路を形成し、前記可撓性部材の導電層を前記金属製剛性部材と前記支持部材を介して電気的に接地することを特徴とする像加熱装置。
  2. 導電性を有する前記支持部材と前記可撓性部材の導電層との間に導電物質を有し、前記可撓性部材の導電層は前記支持部材と前記導電物質を介して導通経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 導電性を有する前記支持部材は、前記可撓性部材の導電層と接触する領域に前記可撓性部材の移動方向に沿って窪みを有し、前記窪みで前記導電物質を保持することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 導電性を有する前記支持部材と前記可撓性部材の導電層との間に導電部材を有し、前記可撓性部材の導電層は前記支持部材と前記導電部材を介して導通経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  5. 前記導電部材は前記支持部材に設けられることを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. 前記可撓性部材の導電層は、導電性を有する前記支持部材と接触する領域に、前記支持部材と接触しない領域に比して、局所的に表面粗さが大きい領域を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  7. 前記ニップ部を形成するために前記加圧部材は前記金属製剛性部材により加圧されることによって、導電性を有する前記支持部材は前記金属製剛性部材と接触して導通経路を形成することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
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