JP2002040842A - 加圧部材、像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加圧部材、像加熱装置および画像形成装置

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JP2002040842A
JP2002040842A JP2000226981A JP2000226981A JP2002040842A JP 2002040842 A JP2002040842 A JP 2002040842A JP 2000226981 A JP2000226981 A JP 2000226981A JP 2000226981 A JP2000226981 A JP 2000226981A JP 2002040842 A JP2002040842 A JP 2002040842A
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heating
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pressure
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Hiroshi Kataoka
洋 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーオフセットや加圧部材へのトナー付着
などによる汚れのない画像を長期にわたって安定して得
られる、加圧部材、像加熱装置および画像形成装置を得
ることにある。 【解決手段】 加熱部材と加熱部材と圧接ニップを形成
する加圧部材、あるいは、加熱部材と加熱部材と摺動す
るフィルムとフィルムを介して加熱部材と圧接ニップを
形成する加圧部材とを有し、記録材を圧接ニップの間を
通過させつつ、加熱部材によって加熱している。加圧部
材は1×107Ω・cm以下の表面抵抗値(DC500
v印加)をもつ最表面を具備している。電位差が加圧部
材と該加圧部材と一緒に圧接ニップを形成する部材との
間に常に存在するため、トナーオフセットや加圧部材へ
のトナー付着による汚れを記録材に生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリにおけるトナー像を加熱定着する画像
定着装置、画像を担持した記録材を加熱して艶等の表面
性を改質する加熱装置、仮定着する加熱装置などのよう
な像加熱装置、これらの装置における加圧部材およびこ
れらの装置を用いた画像形成装置に関している。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームプリンタなどの画像
形成装置においては、レーザ光などによって描かれた潜
像を現像する装置と、現像されたトナー像を記録材に転
写させる装置と、転写されたトナー像を記録材上に定着
する装置とを備えたものが主流となっている。
【0003】画像定着装置は熟ローラ方式やフィルム加
熱方式の装置が広く用いられている。特にスタンバイ時
に加熱定着に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑え
た方法、詳しくは、加熱部材と加圧部材との間に薄肉の
フィルムを介して記録材上の未定着トナー像を定着する
フィルム加熱方式によるものが、特開昭63−3131
82号公報、特開平2−157878号公報、特開平4
−44075号公報、特開平4−204980公報など
に記載されている。省電力、クイックスタートが可能な
どの観点から広く採用されるに至っている。
【0004】この画像定着装置は、たとえば図9に示す
ように、加熱部材51と、加熱部材51が固定支持され
るステイホルダ52と、耐熱性をもつ材料からなる薄肉
のフィルム53と、ゴムなどからなる弾性層54aを芯
金54bに設けた加圧部材54とを有している。加圧部
材54と加熱部材51とはフィルム53を介して互いに
圧接され、未定着のトナー像の定着に必要な所定の圧接
ニップNを形成している。
【0005】加熱部材51は通電により所定の温度に加
熱され、定着に必要な発熱を行なうように所定温度に温
調される。
【0006】フィルム53は円筒あるいはエンドレスベ
ルトの形態をなすもので、加圧部材54の回転によって
従動回転、あるいは、図示を省略された駆動手段によっ
て、圧接ニップNにおいてヒータ面に密着し、かつ摺動
しつつ、矢印の方向に搬送移動される、円筒状、あるい
は、エンドレスベルト状の部材である。
【0007】定着は、加熱部材51を所定の温度に発
熱、温調させ、フィルム53を矢印の方向に回転させた
状態において、圧接ニップNのフィルム53と加圧部材
54との間に、被加熱材としての未定着トナー像Tが形
成された記録材Pを定着入り口ガイド55に案内されて
圧接ニップNに搬入され、記録材上の未定着トナーTに
よる像は、加熱部材51によって加熱、溶融され、記録
材上に永久画像として定着される。
【0008】そして、圧接ニップNを通過した記録材P
はフィルム53の面から剥離して、排紙トレイなどに送
り出される。
【0009】加熱部材51の昇温は、加熱部材51の背
面における搬送可能な全ての記録材が搬送される領域内
に設置されたサーミスタ58などの温度検知手段により
検知され、図示を省略された通電制御部にフイードバッ
クされる。
【0010】通電制御部はサーミスタ58で検知された
ヒータ温度が、所定のほぼ一定温度(定着温度)に保持
されるように通電発熱抵抗層への給電を制御している。
【0011】このような画像定着装置において、記録材
上に未定着トナー像を形成しているトナーTは、静電力
によって記録材Pに吸着されているため、圧接ニップN
においてフィルムの表面に付着しないように、フィルム
表面の電位と加圧部材表面の電位に絶対的な電位差を設
け、マイナスに帯電されたトナーがフィルムに転移しな
いような構成をとっている。
【0012】具体的には、図10に示すように、フィル
ム53における導電プライマー層53aの長手方向の一
部を周方向で露出させ、露出領域53bに整流素子とし
てダイオード56を、フィルムがアノード側となるよう
に本体グランドとの間に配置して、フィルム53の表面
がプラスの電位とならないようにすると共に、図9に示
すように、加圧部材54にも、芯金54bをカソード側
として本体グランドとの間にダイオードを配置すること
で、加圧部材54の表面がマイナス電位にならないよう
にしている。
【0013】そして、加圧部材54の弾性層54aに用
いるシリコンゴムには、カーボンなどの導電材を適量含
ませ、芯金を介して加圧部材54の表層54cに発生す
るマイナスの電荷を本体グランドに逃がしている。
【0014】このようにして、フィルム表面と加圧部材
表面に電位差を形成することで、マイナスに帯電したト
ナーTが記録材Pからフィルム53ヘの転移を防止して
いるが、加圧部材54の最表に設けられる離型層54c
に、離型性を最優先してフッ素樹脂を用いると、トナー
や紙粉に対する離型性は高くなるが、フィルム53や記
録材Pとの摺擦により、フッ素樹脂がプラス側に帯電
し、フィルムとの電位差が保たれなくなり、電子写真で
広く知られているオフセット、尾引きなどの画像不具合
が発生する。
【0015】そこで、加圧部材54の離型層54cを構
成するフッ素樹脂に、導電材として重量比で数%程度の
カーボンなどを添加することで、500Vの直流電圧を
印加したときのフッ素樹脂の表面抵抗値を109〜10
13Ω/□程度にさせ、フィルム53と記録材Pとの摺擦
による加圧部材54の表層54cの帯電を防止してい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】近年、画像形成装置に
使われる記録材も、環境保護の観点から天然パルプの保
護が求められている。そこで、パルプの使用量を減少す
るなどの目的で、炭酸カルシウムを充填する記録材が増
加してきている。填料として炭酸カルシウムが用いられ
る理由としては、記録材の白色度をあげやすい、他に使
われている填料に比べて安価であることが挙げられる。
そのため、記録材によっては重量比で25%程度含まれ
る場合がある。
【0017】ところが、炭酸カルシウムを含んだ記録材
(以下、炭カル紙とする)を、前述のような画像定着装
置で使用すると、次のような問題が発生してしまう。
【0018】炭酸カルシウムは絶縁性を有するため、そ
れを多量に含んだ炭カル紙は記録材として比較的高抵抗
になる傾向がある。このような炭カル紙を連続で大量に
用いると、導電材を含む、帯電しにくいフッ素樹脂を加
圧部材の離型層に用いても、加圧部材の表面がマイナス
に帯電してしまい、その帯電電位が減衰しにくくなる。
【0019】この状態で炭カル紙を用いていると、オフ
セット防止の目的で形成しているフィルムと加圧部材と
の間の電位差が小さくなり、電位差を保てなくなり、オ
フセット現象が発生する。
【0020】また、炭カル紙を使用すると、記録材の搬
送路に用いられている金属やプラステイックからなる部
材と摺擦することで紙紛が発生する。炭酸カルシウムや
炭酸カルシウムを含む紙紛は、記録材の搬送路部材との
摩擦によって、容易にプラスに帯電してしまう特性があ
る。
【0021】しかし、先に述べたように、マイナスに帯
電されたトナーがフィルムにオフセットするのを防止す
る目的で、フィルムはプラスの表面電位にならないよう
に構成されているため、プラス帯電された炭酸カルシウ
ムや炭酸カルシウムを含んだ紙粉はフィルムに静電的に
吸着される。
【0022】プラス帯電された炭酸カルシウムなどがフ
ィルムに付着すると、フィルム表面のマイナス電位が相
殺されることになり、トナーがオフセットし易くなる。
このフィルムにオフセットしたトナーは、圧接ニップか
ら記録材が排出され、次の記録材が圧接ニップに進入す
るまでの間(圧接ニップに記録材がない状態)におい
て、極微小量ではあるが加圧部材にも転移することにな
る。
【0023】記録材一枚から発生するオフセットトナー
は極微量であっても、炭カル紙を数千〜数万枚通紙する
ことで、加圧部材に付着するトナーは塊と成長すること
になり、記録材の画像面や反対面に付着し、画像汚れを
発生させる。
【0024】また、加圧部材の弾性層はたとえばシリコ
ンゴムが使われ、これに添加された力一ボンなどの導電
材はシリコンゴムの特性である弾性、つまりゴムとして
の柔らかさを損ない、長時間の使用に伴い弾性が劣化し
て、定着性能を損ねる。
【0025】本発明の目的は、トナーのオフセットや加
圧部材へのトナー付着などによる汚れのない画像を長期
にわたって安定して得られる、加圧部材、像加熱装置お
よび画像形成装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の加圧部材は、加熱部材との間で記録材を挟
持搬送して記録材上のトナー像を加熱する圧接ニップを
形成する加圧部材であり、表面抵抗値が1×107Ω/□
(DC500v印加)以下である最表層を有することを
特徴としている。
【0027】上記目的を達成するために、本発明の像加
熱装置は、加熱部材と加圧部材との圧接ニップでトナー
像を担持した記録材を挟持搬送し加熱部材からの熱によ
り記録材上のトナー像を加熱する像加熱装置において、
前記加圧部材は表面抵抗が1×107Ω/□(DC500
v印加)以下である最表層を有することを特徴としてい
る。
【0028】上記目的を達成するために、本発明の像加
熱装置は、フィルムと、加熱部材と、弾性層および最表
層としての導電性離型層をもつ加圧部材とを含み、未定
着トナー像が形成された記録材を、フィルムを介して加
熱部材と加圧部材とを互いに圧接することによってフィ
ルムと加圧部材とに形成された圧接ニップの間を通過さ
せつつ、加熱部材によって未定着トナー像を構成するト
ナーを溶融しかつ記録材表面に固着することで、未定着
トナー像を記録材上に永久画像として定着させている
が、加圧部材の離型層が1×107Ω/□以下の表面抵抗
値(DC500v印加)をもつものからなることを特徴
としている。
【0029】上記目的を達成するために、本発明の像加
熱装置は、磁束発生手段と、該手段から発生する磁束の
作用によって電磁誘導発熱するフィルムと、弾性層およ
び最表層としての導電性離型層をもつ加圧部材とを含
み、フィルムを介して磁束発生手段と加圧部材とを互い
に圧接することでフィルムと加圧部材とに形成された圧
接ニップの間に未定着トナー像が形成された記録材を通
過させつつ、加熱部材によって未定着トナー像を構成す
るトナーを溶融しかつ記録材に固着することで、未定着
トナー像を記録材上に永久画像として定着させる像加熱
装置において、加圧部材の離型層が1×107Ω/□以下
の表面抵抗値(DC500v印加)をもつものからなる
ことを特徴としている。
【0030】上記目的を達成するために、本発明の像加
熱装置は、ステイガイドと、ステイガイドに保持された
加熱部材と、加熱部材およびステイガイドに遊嵌され
た、エンドレスの形態をなすフィルムと、金属シャフト
とゴムからなる弾性層とフッ素系樹脂からなる最表層と
しての離型層とを備える回転可能な加圧部材とを含み、
加熱部材と加圧部材とがフィルムを介して互いに圧接さ
れ、これによって加圧部材とフィルムとに形成された圧
接ニップに記録材を通過させつつ、記録材上の未定着ト
ナー像を形成するトナーを加熱部材によって溶融し、圧
接ニップによって記録材に固着して、未定着トナー像を
記録材上に永久画像として定着させている像加熱装置に
おいて、加圧部材の離型層が1×107Ω/□以下の表面
抵抗値(DC500v印加)をもつものからなると共
に、トナーと逆極性をもつ直流電圧源に接続され、弾性
層が導電材を含まない弾性材からなることを特徴として
いる。
【0031】上記目的を達成するために、本発明の像加
熱装置は、磁束発生手段と、該磁束発生手段から磁束に
よって誘導発熱する層をもつ、磁束発生手段に遊嵌され
たエンドレスの形態をなすフィルムと、磁束発生手段を
保持し、フィルムを案内するフィルムガイドと、金属シ
ャフトとゴムからなる弾性層とフッ素系樹脂からなる最
表層としての離型層とを備える回転可能な加圧部材とを
含み、加熱部材と加圧部材とがフィルムを介して互いに
圧接され、これによって加圧部材とフィルムとに形成さ
れた圧接ニップに記録材を通過させつつ、記録材上の未
定着トナー像を形成するトナーをフィルムからの熱によ
って溶融し、圧接ニップによって記録材に固着して、未
定着トナー像を記録材上に永久画像として定着させてい
る像加熱装置において、加圧部材の離型層が1×107
Ω/□以下の表面抵抗値(DC500v印加)をもつも
のからなると共に、トナーと逆極性をもつ直流電圧源に
接続されていることを特徴している。
【0032】
【作用】本発明による加圧部材、像加熱装置および画像
形成層では、加圧部材の最表面が1×107Ω/□以下の
表面抵抗値(DC500v印加)をもつことによって、
電位差が加圧部材と該加圧部材と一緒に圧接ニップを形
成する部材との間に常に存在する。このため、トナーオ
フセットや加圧部材へのトナー付着による汚れを記録材
に生じない。
【0033】たとえば、本発明による像加熱装置として
の画像定着装置では、加圧部材の離型層の表面抵抗値を
1×107Ω/□以下(DC500v印加)とすることに
よって、炭カル紙を連続で大量に用いても、紙粉によっ
て加圧部材表面がマイナスに帯電せず、加圧部材と定着
フィルムとの間に形成する電位差を常に保持できるた
め、記録材に発生する、オフセット、加圧部材へのトナ
ー付着による画像汚れなどの画像品質欠陥を防止でき
る。
【0034】そして、加圧部材の弾性層に導電性を付与
する力一ボンなどの導電材を添加しなくても、加圧部材
と定着フィルムとの間に形成する電位差を保持できるた
め、弾性などの初期特性が維持され、安定した定着を長
期にわたって行なえる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の加圧部材、像加熱装置お
よび画像形成装置の実施例は、以下に、図1〜図8を参
照して説明する。
【0036】実施例として説明する画像形成装置はレー
ザビームプリンタであり、像加熱装置はこれにおける画
像定着装置であり、そして、加圧部材はこの画像定着装
置にたいするものとして構成されている。
【0037】(実施例1)レーザビームプリンタは、図
1に示すように、プリンタ本体内に、レーザスキャナ1
0、感光ドラム11と一次帯電器12と現像ローラ13
を含む印字プロセスカートリッジ15、転写ローラ1
6、画像定着装置17、搬送口一ラ対18、給紙カセッ
ト20、それに、ピックアップローラを含む給紙ローラ
21などが組み込まれている。プロセスカートリッジ1
5、画像定着装置17などのユニットや、給紙ローラ1
1、転写ローラ16などのローラ関係は、消耗部品であ
り、何回かの交換が必要であるため、プリンタ本体から
外すことができる。
【0038】プリントは感光ドラム11を時計方向に回
転することによって開始される。感光ドラム11は、一
次帯電器12によって均一に帯電され、外周面にレーザ
スキャナ10のレーザ光Lによって静電潜像を順次に形
成される。
【0039】静電潜像は現像ローラ13で現像され、マ
イナスに帯電されたトナーによって画像が形成される。
給紙カセット20に積載収納されたシート状の記録材P
はピックアップローラによって引き出され、反時計方向
に回転する給紙ローラ21によって搬送ガイド22に導
かれ、搬送ローラ18の圧接ニップへ送られ、次いで、
搬送ローラ対18によって感光ドラム11と転写ローラ
16との間に送られる。感光ドラム11と転写ローラ1
6との間に送られた記録材Pには感光ドラム11上のト
ナー像が転写ローラ16より順次転写される。
【0040】このようにしてトナー像が転写された記録
材Pは画像定着装置17へ送られ、ここで加熱、加圧さ
れ、トナー像が記録材Pに定着される。この後、記録材
Pは画像定着装置内のローラ23により排紙ローラ24
へ送られ、排紙ローラ24によってプリンタ本体上面に
ある俳紙トレイ25に送り出される。
【0041】画像定着装置17は、図2に示すように、
加熱部材31、加熱部材31に遊嵌されたエンドレスの
フィルム33、加熱部材31を支持するフィルム33を
はめ込まれたステイホルダ32、それに、加熱部材31
と対面配置され、フィルム33を介在して加熱部材31
と接触しかつ変形して圧接ニップNを形成する表面をも
つ、装置本体に回転可能に保持された加圧部材40を具
備している。
【0042】加熱部材31は、図3に示すように、基板
31a、通電発熱抵抗層31bおよび保護層31cから
なっている。
【0043】基板31aは、例えばアルミナ(JIS
A1203)などの電気絶縁性、高熱伝導性、低熱容量
をもつセラミックヒータからなっている。通電発熱抵抗
層31bは、セラミック基板31aにおけるフィルム3
3と対面する側の面に、基板の長手方向に沿って形成さ
れている。通電発熱抵抗層自体は10μm程度の厚み
で、巾4mm程度の細帯状に、銀バラジウム(Ag/P
d)を基板上にスクリーン印刷することによって形成さ
れている。
【0044】保護層31cは、フィルム33との摺擦に
耐えることが可能な薄層のガラスからなるもので、基板
31aにおける通電発熱抵抗層31bを形成された面に
コートされている。
【0045】この加熱部材31は、通電発熱抵抗層31
bの長手方向端部にある導通部に、図示を省略された給
電装置から通電がなされることにより、通電発熱抵抗層
31bが発熱して基板31a、保護層31cを含む加熱
部材全体を急速昇温させられる。温度調節は、加熱部材
31の背面における搬送可能な全ての記録材が通る領域
に配置された温度検知手段としてのサーミスタ34によ
り検知され、サーミスタ34からの信号を通電制御部に
フイードバックし、通電制御部がサーミスタ34で検知
された加熱部材の温度にもとづいて定着温度に維持する
ように通電発熱抵抗層への給電を制御することによって
なされている。
【0046】通電制御部における給電制御は交流電圧の
波数によって投入電力を制御する波数制御方式や交流電
圧のゼロクロスからの所定の遅延時間後に次のゼロクロ
スまで通電する位相制御方式などによってなされてい
る。
【0047】サーミスタ34はセラミックス基板の背面
における記録材通紙域のほぼ中央に配置されている。
【0048】ステイホルダ32は、このような加熱部材
31を保持し、圧接ニップNの反対方向側への放熱を防
ぐためのもので、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PP
S樹脂、PEEK樹脂などからなっている。このステイ
ホルダ32は、断面がほぼ半円弧をなす、図面の紙面に
対して垂直方向に延びる部材からなるもので、両端をこ
の画像定着装置17の本体に固定されている。
【0049】加熱部材31はこのステイホルダ32の周
面の一部に形成された平坦部にある凹みにはめ込まれて
いる。フィルム33は、ステイホルダ32に余裕をもっ
てルーズに嵌められ、矢印の方向への回転を自在に行な
える。このときにフィルム33は内部の加熱部材31お
よびステイホルダ32に擦れながら回転する。フィルム
33と加熱部材31およびフィルム33とステイホルダ
32との間の摩擦抵抗を小さくするために、加熱部材3
1およびステイホルダ32の表面には潤滑剤として耐熱
グリースが少量塗布されている。
【0050】フィルム33は、加熱部材31とほぼ同じ
長さをもつ、エンドレスの形態をなし、ステイホルダ3
2に遊嵌されている。このフィルム33は、図4に示す
ように、フィルム基層33a、プライマー層33bおよ
び離型層33cの三層構成で構成されており、フィルム
基層側が加熱部材31に接する面側であり、離型層が記
録材Pと接する面側である。
【0051】層厚みは、熱容量を小さくし、極短時間で
定着可能温度までの昇温を行なわせるために、60μm
のものからなっている。
【0052】基層33aは、耐熱性、熟可塑性を有する
ポリイミド樹脂のフィルムからなり、熟ストレス、機械
的ストレスに耐え、長寿命の画像定着装置とするために
充分な強度を持たせるために、45μmの膜厚みをもっ
ている。プライマー層33bは、基層33aの上に、カ
ーボンなどの導電材を適量分散した導電性プライマーを
膜厚5μmで塗布することによって形成されている。
【0053】そして、離型層33cは、プライマー層3
3bの上に、トナーや紙粉の付着防止やフィルムからの
記録材の分離性を確保するために、離型性に優れ耐熱性
が高いフッ素樹脂としてPFA樹脂をデイッピング塗布
法にて10μmの膜厚で塗布することで形成されてい
る。
【0054】フィルム33は、これらの基層33a、プ
ライマー層33bおよび離型層33cの積層シートを丸
め、外径25mmのシリンダの形態に形成されている。
このシリンダにおけるプライマー層33bの長手方向の
端部は周方向を露出されており、ここに導電ブラシ48
を介して整流素子としてのダイオード46を本体グラン
ドに電気接続されている。
【0055】ダイオード46はアノードがプライマー層
側となるように配置されており、これによって、フィル
ムの表面がプラスの電位にならないようにして、記録材
上の未定着トナーがフィルムに転移し、オフセット、尾
引きなどが発生するのを防止している。
【0056】加圧部材40は、ローラあるいはロールの
形態をなすもので、芯金41、弾性層42および離型層
43を具備している。
【0057】芯金41は直径15mmのアルミニウムか
らなっている。弾性層42は、耐熱性のある絶縁性シリ
コンスポンジゴムからなり、芯金41の周りに5mmの
厚みで形成されている。弾性層42はカーボンなどの導
電材を含有していない。離型層43は、導電材としてカ
ーボンを重量比で十数%分散させたフッ素樹脂のチュー
ブからなり、弾性層42の上にはめ込まれている。この
フッ素樹脂チューブは、1×107Ω/□以下の表面抵抗
値(DC500v印加)をもつものからなっている。
【0058】たとえば厚みが50μmのPFA樹脂から
なっている。表面の硬さはAsker−Cで約450
(4.9N加重)である。この加圧部材40は、芯金4
1の両端が画像定着装置本体あるいはレーザビームプリ
ンタ本体に垂直動可能に保持され、該本体と芯金41と
の間に配置されたばねによってフィルム33を介して加
熱部材31に総圧98Nで押圧され、フィルム33との
間に約6mm巾の圧接ニップNを形成している。
【0059】そして、加圧部材40の離型層43におけ
る記録材通紙域でない端部表面は、図5に示すように、
ステインレスなどの導電性部材からなる導電ブラシ48
に接触している。
【0060】導電ブラシ48は加圧バイアスを印加する
直流電源47に接続されている。この直流電源47は、
直流電圧500vを離型層43に印加して、加圧部材の
表面電位をプラス電位に維持している。
【0061】この画像定着装置17は、図1に示すレー
ザビームプリンタに組み込まれ、加圧部材40の芯金4
1が伝動機構を介在してレーザビームプリンタのメイン
モータにつながれ、加熱部材の通電制御部および直流電
源47などがレーザビームプリンタの電源に接続され
る。
【0062】定着は、トナー像Tを形成された記録材P
を定着入り口ガイド45によって案内しながら、フィル
ム33と加圧部材40とによってされる圧接ニップNに
搬送され、加圧されながら加熱部材31によって加熱さ
れることで、記録材上の未定着のトナー像Tを永久画像
として記録材Pに固着することによってなされる。
【0063】このときに、バイアスを印加する直流電源
47が、トナーと逆極性の直流バイアスを離型層43に
印加して、加圧部材40の表面電位を常にプラス電位に
維持しているばかりか、離型層42が1×107Ω/□以
下の表面抵抗値(DC500v印加)をもつものからな
っているため、加圧部材40の弾性層42を形成するシ
リコンススポンジゴムに導電性を付与する導電材として
のカーボンなどを含有させることなしに、記録材Pに発
生するオフセットや加圧部材40へのトナー付着による
画像汚れなどの画像品質欠陥を防止することができる。
【0064】本発明者は、これを立証するために、加圧
部材40の離型層43を構成するPFA樹脂チューブに
導電材として分散するカーボンの重量比を変えて、PF
A樹脂チューブの表面抵抗値を5×105〜3×109Ω
/□(DC500v印加、以下の表面抵抗値も同様の条
件での測定とする)の間で四種類つくり、これらを加圧
部材に離型層として組み込んだ画像定着装置を準備し
た。そして、実際に、この画像定着装置をA4サイズの
記録材を縦方向通紙で16枚/分の画像形成が行なえる
画像形成装置に組み込んだ、通紙した結果を以下に説明
する。
【0065】試験は、温度が15℃、湿度が10%の環
境において、炭酸カルシウムを21%程含んでいる炭カ
ル紙を記録紙Pとして使用し、これを10000枚まで
連続通紙することによって行なっている。
【0066】オフセットの評価は各々の記録材を本発明
者が目視で判断することによってなしている。表1は試
験結果を示し降り、オフセットの欄における○はオフセ
ットの発生がない状態、△はごくうっすらとだがオフセ
ットを確認することができる状態、×はオフセットが確
認された状態である。
【0067】
【表1】
【0068】加圧部材の離型層の表面抵抗値が1×10
9Ω/□の場合、5000枚通紙後に、加圧部材表面の電
位がマイナス電位となり、フィルムとの間でなすオフセ
ット防止電位差が形成できなくなり、オフセットが発生
した。
【0069】これに対して、加圧部材の離型層の表面抵
抗値が1×107Ω/□であると、5000枚通紙後の表
面電位はマイナスの電位にはなっていないため、オフセ
ットが発生していない。しかし、連続通紙10000枚
後では、うっすらとしたオフセットの発生が確認され
た。
【0070】さらに、加圧部材の離型層の表面抵抗値を
小さくした、1×106Ω/□以下の場合では、炭カル紙
を5000枚連続通紙しても、表面電位がプラスに保た
れており、連続通紙10000枚後でもオフセットは確
認されなかった。
【0071】ここで、加圧部材の離型層の表面抵抗値が
1×106Ω/□の場合、通紙前の状態にて表面電位が一
定の値であるが、5000枚の通紙後になると約50v
の変化しているのに対して、加圧部材の離型層の表面抵
抗値が1×105Ω/□の場合には、5000枚の通紙後
でも通紙前の値と同じ値であり、通紙枚数にかかわりな
く初期値を維持し、高い安定性をもつことがわかる。
【0072】次に、同様な加圧部材を用いて、加圧部材
ヘのトナー付着と、付着したトナーによる記録材汚れの
発生状態を確認した。
【0073】試験は、離型層の表面抵抗値が異なる四種
類の加圧部材を使用し、炭酸カルシウムを21%含有す
るA4サイズの炭カル紙に、トナーの占める割合が5%
程度の画像を形成し、温度15℃、湿度10%の環境下
で、連続3枚通紙するごとに、5分間休止をワンサイク
ルとしてこれを繰り返して行なって、加圧部材へのトナ
ーの付着具合と炭カル紙のトナー汚れの確認を目視で判
断することによってなしている。
【0074】表2にあるように、加圧部材の離型層の表
面抵抗値が1×109Ω/□の場合、加圧部材表面が帯電
することで、オフセット防止の効果が小さくなり、オフ
セットトナーが発生してしまい、300枚で加圧部材上
に汚れが認識できるようになり、1500枚の時点では
記録材上にも汚れが発生している。しかし、加圧部材の
離型層の表面抵抗値を1×107Ω/□、1×106Ω/
□、1×105Ω/□と抵抗値を下げるにつれて、前述の
オフセット確認と同様に、加圧部材の表面電位がプラス
側にならないことでオフセット防止効果が働き、オフセ
ットするトナーの絶対量が少なくなり、加圧部材に付着
するトナーも少なくなり、記録材のトナー汚れの発生も
しなくなっている。
【0075】
【表2】
【0076】本発明による画像定着装置は、このよう
に、加圧部材40の弾性層42に導電性を付与する導電
材としてのカーボンなどを含有させることなく、オフセ
ット防止の電位をフィルムとの間に形成することが可能
となるので、シリコンスポンジゴムの特徴である弾性を
失わず、つまり、ゴムとしての硬さを損なうことがなく
なるので、加圧部材40の初期特性を装置寿命まで安定
して維持することができる。
【0077】(実施例2)この画像定着装置は、加熱部
材、加熱部材と摺動するフィルムおよびフィルムを介し
て加熱部材と圧接ニップを形成する加圧部材を具備して
いるが、加熱部材は磁束の作用によって電磁誘導発熱す
るものからなっている。
【0078】加熱部材は、図6に示すように、磁性コア
135および励磁コイル136,137を含む磁束発生
手段、この磁束発生手段から発生する磁束の作用によっ
て電磁誘導発熱するフィルム133、それに、これらを
保持するフィルムガイド132を具備している。
【0079】フィルムガイド132は、円筒の形態をな
すもので、円筒面における下部に位置する一部領域を平
坦に形成されている。両端はこの画像定着装置の本体に
固定されている。
【0080】磁性コア135は、高透磁率材からなり、
フィルムガイド132の内部に配置されていると共に、
フィルムガイド132における平坦な領域に固定されて
いる。励磁コイル136は、図7によく示されているよ
うに、磁性コア135のまわりに巻回されている。磁性
コイル137は、二つの小コイル137a,137bか
らなり、磁性コア135の一部に巻回されている。
【0081】フィルム133は、円筒の形態をなすもの
で、フィルムガイド132の外に遊嵌されている。フィ
ルム自体は、図8に示すように発熱層133aと離型層
133bとの二層構成のものからなっていて、発熱層1
33aが内側、つまり、フィルムガイド側に配置されて
いる。発熱層133aは、交番磁束の作用による渦電流
でジュール熟を生じる電磁誘導発熱する材質からなる層
であり、励磁コイル136,137が発生する交番磁束
によって渦電流を発生し、発熱層133aの固有抵抗に
よってジュール熱を発生する。
【0082】この電磁誘導発熱層133aは、ニッケル
など10-5〜10-10Ω・cmの電気良導体である金
属、金属化合物、有機導電体であればよく、より好まし
くは透磁率が高い強磁性を示す鉄、コバルトなどの純金
属あるいはそれらの化合物を用いる。
【0083】厚みを薄くすると、十分な磁路が確保でき
なくなり、外部へ磁束が洩れて発熱体自身の発熱エネル
ギーは小さくなる場合があり、また厚くすると、熱容量
が大きくなり昇温に要する時間が長くなる傾向がある。
したがって、厚みは、用いた材料の比熱、密度、透磁
率、抵抗率の値によって適正値がある。
【0084】10〜100μmの厚みの範囲であると、
フィルムの表面温度として3℃/秒以上の昇温速度を得
ることができる。離型層133bは、20〜100μm
の膜厚が好ましく、離型性に優れるフッ素樹脂、たとえ
ばPFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂などで、スプ
レー塗布やデイッピングによる塗工法によって形成され
る。
【0085】膜厚が20μmよりも小さいと、塗ムラに
よって離型性が発揮されない箇所が生じたり、磨耗によ
る耐久性が不足するといった問題が発生し、100μm
を超えると、熱伝導が悪化し、定着可能温度までの昇温
に要する時間が長くなったり、応答性が悪くなるなどの
弊害が生まれえる。
【0086】本実施例で使用したフィルム133は、発
熱層133aが外径25mm、厚みを70μmのニッケ
ル、離型層133bがフッ素樹脂としてのFEP樹脂を
発熱層133aに膜厚30μmでスプレー塗布したもの
からなる二層複合層フィルムである。
【0087】加圧部材140は、ローラあるいはロール
の形態をなすもので、金属からなる芯金141、芯金の
外周を被覆する弾性材料からなる弾性層142および弾
性層の上に形成された最表層としての離型層143とを
備える。本実施例において、芯金141は直径20mm
のアルミニウム、弾性層142厚み2mmの絶縁性シリ
コンスポンジゴム、離型層143は膜厚50μmのPF
A樹脂からそれぞれなっている。
【0088】離型層143は、表面抵抗値が1×107
Ω/□以下(DC500v印加)であるPFA樹脂チュ
ーブを弾性層142に被覆することによって形成されて
いる。
【0089】加圧部材140の外径は24mm、表面の
硬さはAsker−Cで460(4.9N加重)であ
る。この加圧部材140は、芯金141を画像定着装置
本体に上下可能に保持されていると共に、ばねなどによ
ってフィルムガイド132の平坦面に圧接され、これに
よって加圧部材140が撓み、フィルム133がフィル
ムガイド132に押し付けられ、圧接ニップNが形成さ
れる。
【0090】フィルム133の内面はこの圧接ニップN
においてフィルムガイド132の下面に密着している。
【0091】この画像定着装置は、実施例1の画像定着
装置と同様に、レーザビームプリンタに組み込まれる。
加圧部材140はレーザビームプリンタのメインモータ
につながれ、加熱部材のコイル136,137はレーザ
ビームプリンタに組み込まれた励磁回路に接続される。
【0092】定着は、加圧部材140をメインモータに
よって駆動し、コイル136,137に励磁回路から交
番電流を印加することによってなされる。
【0093】加圧部材140が図6において矢印で示す
時計方向に回転すると、この加圧部材140の回転によ
って、圧接ニップNにおける加圧部材140とフィルム
133との間に生じる摩擦力によってフィルム133に
回転力が加えられ、フィルム133がフィルムガイド1
32の外面を時計方向に従動回転する。
【0094】励磁コイル136,137は、励磁回路か
ら供給される交番電流によって交番磁束を発生し、交番
磁束は磁性コア135に導かれ、フィルム133の電磁
誘導発熱層133aに渦電流を発生させる。その渦電流
は電磁誘導発熱層133aの固有抵抗によってジュール
熱を発生させる。すなわち、励磁コイル136,137
に交番電流を供給することでフィルム133が電磁誘導
発熱状態になる。
【0095】圧接ニップNの温度は、図示を省略された
の温度検知手段としてのサーミスタからの信号をレーザ
ビームプリンタに組み込まれた制御回路にフイードバッ
クさせ、励磁回路が励磁コイルヘの供給交番電流を制御
することで、所定定着温度に保持される。
【0096】このようにして、加圧部材140の回転に
よって従動回転をなすフィルムヘの交番電流の供給がな
され、圧接ニップNの温度が所定の定着温度に立ち上が
り、その温度を維持するように温調されると、被定着部
材としての未定着のトナー像Tを担持した記録材Pが定
着入り口ガイド145に案内されて、圧接ニップNに搬
入され、圧接ニップNを通過する際に、電磁誘導加熱さ
れたフィルム133の発熱によって、記録材Pと未定着
のトナー像Tが加熱され、加圧部材140によって加圧
されることで、未定着のトナー像Tは記録材Pに永久画
像として定着される。そして、圧接ニップNを通った記
録材Pは、圧接ニップの出口側でフィルム133の外周
面から分離されて搬送され、レーザビームプリンタの排
出トレイに送り出される。
【0097】この画像形成装置においても、フィルム1
33は、発熱層133aが非通紙域にて露出され、アノ
ードがフィルム側となるように整流素子としてダイオー
ド146を本体グランドとの間に接続され、フィルム1
33の表層にプラスの電位があらわれないようにし、加
圧部材140は、離型層143における非通紙域がステ
インレスなどの導電性材で形成される導電ブラシ148
を当接させられ、ブラシ148が加圧バイアスを印加す
る直流電源147に接続され、直流電圧+500vを印
加することで、加圧部材140の表層にプラスの電位が
あらわれるようすることで、フィルム133と加圧部材
140との間に電位差を生じさせている。
【0098】このため、前述の加熱定着を行なうとき
に、直流電源147が、トナーTと逆極性の直流バイア
スを離型層143に印加して、加圧部材140の表面電
位を常にプラス電位に維持するばかりか、離型層143
の表面抵抗値が1×107Ω/□以下(DC500v印
加)であるため、加圧部材140の弾性層142にカー
ボンなどの導電材を含有させることなしに、オフセット
や加圧部材140へのトナーの付着による画像汚れなど
のない、画像品質の高い加熱定着を行なえる。
【0099】本発明者は、この装置においても、加圧部
材140の離型層143を構成するPFA樹脂チューブ
に導電材として分散するカーボンの重量比を変えて、P
FA樹脂チューブの表面抵抗値を5×105〜3×109
Ω/□(DC500v印加)の間で四種類つくり、これ
らを加圧部材に離型層として組み込んだ画像定着装置を
準備し、この画像定着装置をA4サイズの記録材を縦方
向通紙で16枚/分の画像形成が行なえる画像形成装置
に組み込み、通紙し、加圧部材の表面電位とオフセット
の発生状況との関係を検討した。
【0100】試験は、温度が15℃、湿度が10%の環
境において、炭酸カルシウムを21%程含んでいる炭カ
ル紙を記録紙Pとして使用し、これを5000枚まで連
続通紙することによって行なっている。オフセットの評
価は各々の記録材を本発明者が目視で判断することによ
ってなしている。表3は試験結果を示し降り、オフセッ
トの欄における○はオフセットの発生がない状態、そし
て、×はオフセットが確認された状態である。
【0101】
【表3】
【0102】本実施例においても、表面抵抗値が1×1
9Ω/□の加圧部材の場合、5000枚通紙後に、加圧
部材の表面電位がマイナスの電位となってしまってお
り、フィルムとの間でなすオフセット防止の電位差が形
成できず、オフセットが発生している。
【0103】これに対して、本実施例のように、表面抵
抗値が1×107Ω/□以下のPFA樹脂チューブを用い
た加圧部材の場合には、5000枚通紙後でも、加圧部
材の表面電位がプラスの電位を保持しており、フィルム
との間でなすオフセット防止の電位差が保たれており、
オフセットの発生は確認されなかった。なかでも、実施
例1と同じに、加圧部材の表面抵抗値をより小さくした
1×106Ω/□以下の場合には、炭カル紙を連続通紙し
ても表面電位が通紙前と同じでかつ一定値の表面電位と
なっており、通紙しても初期値を維持しており、安定性
が高いことが分かる。
【0104】次に、同様の加圧部材を用いて、加圧部材
ヘのトナー付着と、その付着したトナーの記録材への発
生状態を確認した。
【0105】試験は、実施例1と同様な表面抵抗値の異
なる四種類の加圧部材を準備し、善寿値のオフセットの
確認と同じ炭酸カルシウムを21%含有するA4サイズ
の炭カル紙に、トナーの占める割合が5%程度の画像を
形成し、連続3枚通紙と5分間休止とをワンサイクルと
して、これを繰り返して、確認することによって行なっ
ている。表4は得られた試験結果である
【0106】
【表4】
【0107】表4に示すように、表面抵抗値が1×10
9Ω/□の加圧部材では、加圧部材表面がマイナスに帯電
するため、フィルムとの間でなすオフセット防止の電位
差の効果が小さくなり、オフセットトナーが発生してし
まい、加圧部材上には1200枚でトナー付着が確認さ
れ、引き続き通紙を行った結果、14000枚の時点で
記録材上にもトナー汚れが確認されるに至った。
【0108】これ対して、1×107Ω/□、1×106
Ω/□、1×105Ω/□と、加圧部材の最表層に用いて
いるPFA樹脂チューブの表面抵抗値を下げるにつれ
て、表3に関連して説明したオフセット確認と同様に、
加圧部材の表面電位がマイナス電位を保持することで、
フィルムとの間でなす電位差が形成され、フィルムに転
移するオフセットトナーの絶対量が少なくなり、さらに
加圧部材上に蓄積するトナーが激減することで、記録材
上へのトナー汚れの発生もない。
【0109】本実施例でも、実施例1と同様に、加圧部
材140の弾性層142を構成するシリコンソリッドゴ
ムに、導電性を付与する導電材としてのカーボンなどを
含有させることなく、オフセット防止の電位をフィルム
との間に形成することが可能となるので、シリコンスポ
ンジゴムの特性である弾性、つまり、ゴムとしての硬度
を損なうことがなくなるので、加圧部材の特性を寿命に
わたって安定的に発揮することができる。
【0110】
【発明の効果】本発明の加圧部材、画像定着装置および
画像形成装置は、以上説明したように、加圧部材と該加
熱部材と圧接ニップを形成する部材との間に電位差を常
に保持することができるので、オフセットや加圧部材へ
のトナー付着などによる画像汚れがない、優れた品質の
画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明画像形成装置の一実施例を横断面にして
示す説明図である。
【図2】本発明画像定着装置の一実施例を横断面にして
示す説明図である。
【図3】図1に示す画像定着装置を構成する加熱部材の
構成を示す説明図である。
【図4】図2に示す画像定着装置を構成するフィルムの
構成を断面にして示す説明図である。
【図5】図2に示す画像定着装置における加圧部材まわ
りの構成を示す説明図である。
【図6】本発明画像定着装置の他の実施例を横断面にし
て示す説明図である。
【図7】図6に示す画像定着装置における加熱部材の構
成を示す説明図である。
【図8】図6に示す画像定着装置におけるフィルムの構
成を示す説明図である。
【図9】従来の画像定着装置を横断面にして示す説明図
である。
【図10】図9に示す画像定着装置におけるフィルムま
わりの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
31 …加熱部材 33,133 …フィルム 40,140 …加圧部材 41,141 …芯金 42,142 …弾性層 43,143 …離型層(最表層) 135〜137…磁束発生手段 N…圧接ニップ P…記録材 T…トナー像

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱部材との間で記録材を挟持搬送して
    記録材上のトナー像を加熱する圧接ニップを形成する加
    圧部材であり、表面抵抗値が1×107Ω/□(DC50
    0v印加)以下である最表層を有することを特徴とする
    加圧部材。
  2. 【請求項2】 芯金と、該芯金上に設けた弾性層と、該
    弾性層を被覆した前記最表層を有することを特徴とする
    請求項1に記載の加圧部材。
  3. 【請求項3】 前記最表層が導電性フッ素樹脂チューブ
    からなる離型層であることを特徴とする請求項1あるい
    は請求項2に記載の加圧部材。
  4. 【請求項4】 加熱部材と加圧部材との圧接ニップでト
    ナー像を担持した記録材を挟持搬送し加熱部材からの熱
    により記録材上のトナー像を加熱する像加熱装置におい
    て、前記加圧部材は表面抵抗が1×107Ω/□(DC5
    00v印加)以下である最表層を有することを特徴とす
    る像加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧部材が、芯金と、該芯金上に設
    けた弾性層と、該弾性層を被覆した前記最表層とを有す
    ることを特徴とする請求項4に記載の像加熱装置。
  6. 【請求項6】 前記最表層が導電性フッ素樹脂チューブ
    からなる離型層であることを特徴とする請求項4あるい
    は請求項5に記載の像加熱装置。
  7. 【請求項7】 前記最表層に、トナーと逆極性の直流電
    圧を印加することを特徴とする請求項4から請求項6の
    いずれかの項に記載の像加熱装置。
  8. 【請求項8】 前記加熱部材が熱ローラであることを特
    徴とする請求項4から請求項7のいずれかの項に記載の
    像加熱装置。
  9. 【請求項9】 前記加熱部材が、固定の加熱部材と、該
    加熱部材と摺動するフィルムを有し、前記加熱部材と前
    記加圧部材が前記フィルムを介して圧接することを特徴
    とする請求項4から請求項7のいずれかの項に記載の像
    加熱装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱部材が、磁束発生手段と、該
    磁束発生手段から発生する磁束の作用により電磁誘導発
    熱する誘導発熱体を有することを特徴とする請求項4か
    ら請求項7のいずれかの項に記載の像加熱装置。
  11. 【請求項11】 フィルムと、加熱部材と、弾性層およ
    び最表層としての導電性離型層をもつ加圧部材とを含
    み、未定着トナー像が形成された記録材を、フィルムを
    介して加熱部材と加圧部材とを互いに圧接することによ
    ってフィルムと加圧部材とに形成された圧接ニップの間
    を通過させつつ、加熱部材によって未定着トナー像を構
    成するトナーを溶融しかつ記録材表面に固着すること
    で、未定着トナー像を記録材上に永久画像として定着さ
    せているが、加圧部材の離型層が1×107Ω/□以下の
    表面抵抗値(DC500v印加)をもつものからなるこ
    とを特徴とする像加熱装置。
  12. 【請求項12】 磁束発生手段と、該手段から発生する
    磁束の作用によって電磁誘導発熱するフィルムと、弾性
    層および最表層としての導電性離型層をもつ加圧部材と
    を含み、フィルムを介して磁束発生手段と加圧部材とを
    互いに圧接することでフィルムと加圧部材とに形成され
    た圧接ニップの間に未定着トナー像が形成された記録材
    を通過させつつ、加熱部材によって未定着トナー像を構
    成するトナーを溶融しかつ記録材に固着することで、未
    定着トナー像を記録材上に永久画像として定着させる像
    加熱装置において、加圧部材の離型層が1×107Ω/□
    以下の表面抵抗値(DC500v印加)をもつものから
    なることを特徴とする像加熱装置。
  13. 【請求項13】 加圧部材の離型層がトナーと逆極性を
    もつ直流電圧源に接続されている請求項4あるいは請求
    項12に記載の像加熱装置。
  14. 【請求項14】 加圧部材の弾性層が導電材を含まない
    ゴムからなる請求項4あるいは請求項12に記載の像加
    熱装置。
  15. 【請求項15】 加圧部材の離型層がフッ素系樹脂か
    ら、弾性層がシリコンゴムからそれぞれなる請求項11
    から請求項14のいずれかの項に記載の画像定着装置。
  16. 【請求項16】 請求項11から請求項15のいずれか
    の項に記載の像加熱装置を備える画像形成装置。
  17. 【請求項17】 ステイガイドと、ステイガイドに保持
    された加熱部材と、加熱部材およびステイガイドに遊嵌
    された、エンドレスの形態をなすフィルムと、金属シャ
    フトとゴムからなる弾性層とフッ素系樹脂からなる最表
    層としての離型層とを備える回転可能な加圧部材とを含
    み、加熱部材と加圧部材とがフィルムを介して互いに圧
    接され、これによって加圧部材とフィルムとに形成され
    た圧接ニップに記録材を通過させつつ、記録材上の未定
    着トナー像を形成するトナーを加熱部材によって溶融
    し、圧接ニップによって記録材に固着して、未定着トナ
    ー像を記録材上に永久画像として定着させている像加熱
    装置において、加圧部材の離型層が1×107Ω/□以下
    の表面抵抗値(DC500v印加)をもつものからなる
    と共に、トナーと逆極性をもつ直流電圧源に接続され、
    弾性層が導電材を含まない弾性材からなっていることを
    特徴とする像加熱装置。
  18. 【請求項18】 磁束発生手段と、該磁束発生手段から
    磁束によって誘導発熱する層をもつ、磁束発生手段に遊
    嵌されたエンドレスの形態をなすフィルムと、磁束発生
    手段を保持し、フィルムを案内するフィルムガイドと、
    金属シャフトとゴムからなる弾性層とフッ素系樹脂から
    なる最表層としての離型層とを備える回転可能な加圧部
    材とを含み、加熱部材と加圧部材とがフィルムを介して
    互いに圧接され、これによって加圧部材とフィルムとに
    形成された圧接ニップに記録材を通過させつつ、記録材
    上の未定着トナー像を形成するトナーをフィルムからの
    熱によって溶融し、圧接ニップによって記録材に固着し
    て、未定着トナー像を記録材上に永久画像として定着さ
    せている像加熱装置において、加圧部材の離型層が1×
    107Ω/□以下の表面抵抗値(DC500v印加)をも
    つものからなると共に、トナーと逆極性をもつ直流電圧
    源に接続されていることを特徴とする像加熱装置。
  19. 【請求項19】 加圧部材を構成している弾性層がシリ
    コンゴム、離型層がFPA樹脂からそれぞれなる請求項
    17あるいは請求項18に記載の像加熱装置。
  20. 【請求項20】 加圧部材を構成する離型層が1×10
    7Ω/□以下の表面抵抗値(DC500v印加)をもつ請
    求項17に記載の像加熱装置。
  21. 【請求項21】 請求項17から請求項20のいずれか
    の項に記載の像加熱装置を具備する画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010256529A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Canon Inc 画像形成装置

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