JP2012118408A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高抵抗紙が通過した次の記録材での剥離オフセットと、装置の耐久性を共に満足する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 直前に定着ニップを通過した記録材の抵抗値情報に応じて、もしくは印字面情報に応じて、定着バイアスの大きさを変更する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真記録技術を用いたプリンタや複写機などの画像形成装置に関する。
電子写真式プリンタ等の画像形成装置は、記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着させる定着部を有する。定着部の定着用回転体にトナーがオフセットする現象を抑制する必要があるが、その一つの手法として、定着用回転体の表層の離型性をアップする方法がある。一例として、表層を構成する材料を、添加剤が少なく高抵抗のフッ素樹脂とすればトナーとの離型性が向上する。
このように高抵抗のフッ素樹脂を表層に用いると、記録材の後端が定着ニップ部から分離する際に剥離放電が生じやすくなる。そして、剥離放電によりトナーの帯電極性と逆極性に帯電した定着用回転体の部分に、次の記録材上のトナーがオフセット(以下、剥離オフセットと称する)する現象が発生する。この現象を抑えるため、特許文献1には、剥離放電自体を抑制する技術が開示されている。
特開2000−131983号公報
剥離放電により帯電した定着用回転体の部分にトナーがオフセットするのを抑制する方法として、定着用回転体にオフセット防止用のバイアス電圧を印加し、電界の作用によりトナーを記録材に押さえつける方法も考えられる。この場合、印加するバイアスが高い程、剥離オフセットを改善する効果は大きくなる。
しかしながら、記録材の抵抗値が高い場合、とりわけ両面プリントの2面目を定着処理した後は、定着用回転体表面に形成される剥離放電による帯電電位が高くなるため、その次に通過する記録材の剥離オフセットが悪化してしまうという課題がある。
一方で、抵抗値の高い記録材でも剥離オフセットを抑制するために一律でバイアス電圧を大きくしてしまうと、定着用回転体に高電圧が掛り続けるため、定着用回転体の表層が破壊される現象(以下、ピンホール)が発生し、耐久性能を満足できないという課題が生じることも考えられる。
そこで本発明は、抵抗値の高い記録材が通過した場合の剥離オフセットの抑制と耐久性能を両立させ、装置の寿命を通じて安定して良質な画像を印刷することができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上述の解題を解決するための本発明は、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、定着ニップ部を形成する定着用回転体と、前記定着用回転体にトナーの帯電極性と同極性のバイアス電圧を付与するバイアス印加部と、を有し、前記定着ニップ部で記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着部と、を有する画像形成装置において、
直前に前記定着ニップ部を通過した記録材の抵抗値に関する情報に応じて、これから前記定着ニップ部を通過する記録材を定着処理する際の前記バイアス電圧を設定する制御部を有し、前記制御部は直前に前記定着ニップ部を通過した記録材の抵抗値が高いほど前記バイアス電圧の絶対値を高く設定することを特徴とする。
本発明によれば、抵抗値の高い記録材が通過した次の記録材のみオフセット防止用バイアスを高く設定することにより、高抵抗の記録材の後の記録材で生じやすい剥離オフセットの発生を抑制でき、装置の耐久性能も満足することができる。
画像形成装置の断面概略図 実施例1の定着装置の断面概略図 剥離放電による帯電が発生した定着装置のイメージ図 実施例1の定着バイアス印加タイミングのチャート図 実施例2の定着装置の断面概略図 実施例3の定着バイアス印加タイミングのチャート図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施の形態に基づいて例示的に詳しく説明する。この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置などは、特に限定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は画像形成装置の断面図である。この画像形成装置は、記録材上にトナー画像を形成する画像形成部Aと、画像形成部Aに記録材を送り出す記録材送り部Bと、記録材上のトナー画像を記録材に加熱定着する定着部Cを有している。
画像形成部Aは電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1を有している。この感光ドラム1は、画像形成装置の筐体を構成する画像形成装置本体(以下、装置本体と記す)Mに回転自在に支持されている。感光ドラム1の外周面(表面)の周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電ローラ2と、レーザースキャナ3と、現像装置4と、転写ローラ5と、クリーニング装置6が配設されている。41は現像ローラ、42はトナー収容部、61はクリーニングブレードである。
記録材送り部Bは、送り出しローラ11を有している。この送り出しローラ11は、搬送駆動モータによって所定のタイミングで回転され、カセット7に積載収納されている記録材Pを1枚ずつ分離して搬送ローラ8に送り出すようになっている。そしてこの搬送ローラ8から記録材Pの搬送経路に沿って順に、感光ドラムへの画像の書き出しタイミングを制御するためのトップセンサ9と、搬送ガイド10と、定着部(以下、定着装置と記す)C、搬送ローラ12と、排出ローラ13と、排出トレイ14が配設されている。31は、画像形成部Aと記録材送り部Bと定着装置Cなどを制御する制御部である。制御部31はCPUとROMやRAMなどのメモリから成り、メモリには画像形成に必要な各種プログラムが記憶されている。この制御部31は、ホストコンピュータなどの外部装置からプリント信号を取り込み、そのプリント信号に基づいて所定の画像形成制御シーケンスを実行する。記録材にトナー画像を形成するプロセスは周知であるので説明は割愛する。なお、本例で用いているトナーの帯電極性は負極性である。
(定着装置(定着部)の構成)
図2は、記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着装置Cの断面図である。定着装置Cは、定着用回転体である定着スリーブ(エンドレスベルト)25と、エンドレスベルトの内面に接触するセラミックヒータ20と、加圧ローラ26と、を有する。さらに、導電ブラシ51を介して定着バイアス(バイアス電圧)を印加する定着バイアス印加部50を有する。
(定着スリーブ(定着用回転体))
エンドレスベルト状の耐熱性スリーブ(定着スリーブ)25は可撓性を有し、半円弧状のスリーブガイド部材29に対してルーズに外嵌されている。定着スリーブ25は、図2の定着スリーブ層構成図に示すように、内側から基層251、弾性層252、表層253が設けられた複層構造を有する。
基層251の材料として、熱伝導性と耐久性を高めるためにSUS(ステンレス)、Ni等の薄肉金属材料を用いている。また、その他の材料として、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES等の低熱容量の耐熱性樹脂材料を用いることもできる。基層251は熱容量を小さくしてクイックスタート性を満足させ、更に一定の機械的強度も満足させる必要があるため、厚みは15μm以上50μm以下とすることが望ましい。弾性層252は、シリコーンゴム等を材料として形成している。この弾性層252を設けることで、トナー画像Tを包み込み、均一に熱を与えることができるようになるため、高光沢でムラの無い良質な定着画像を得ることが可能になる。弾性層252は、シリコーンゴム単体では熱伝導性が低いため、アルミナ、酸化亜鉛、金属珪素、炭化珪素等の熱伝導性フィラーを添加することが望ましい。また、弾性層252は電気的に絶縁であり、その厚さを210μmとしている。表層253は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂から形成される絶縁性の離型層である。表層253は、10μmから50μm程度の厚みであることが好ましく、チューブを被覆させたものでも、表面を塗料でコートしたものであってもよい。また、定着スリーブ25は後述する定着バイアスを印加するために、金属製素管が定着スリーブ表面に一部露出している。
(ヒータ)
セラミックスヒータ20は、窒化アルミニウム、アルミナなどの細長い耐熱性のヒータ基板21を有している。ヒータ20は定着スリーブ25の内面に接触している。そしてこのヒータ基板21の表面(定着ニップ部N)に通電により発熱する通電発熱抵抗層としての抵抗体パターン22を、例えば印刷によってヒータ基板21の長手方向に沿って形成している。そしてその抵抗体パターン22表面を保護層としてのガラス層23で被覆している。また、ヒータ基板21の裏面(定着ニップ部Nと反対側の面)には、ヒータ20の温度を検知する温度検知部材としてのサーミスタ24が配設されている。ヒータ20は、スリーブガイド部材29に保持されている。スリーブガイド部材29の材料として、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂が用いられている。
(加圧ローラ)
加圧ローラ26は、芯軸部261の外周に弾性層262を有し、弾性層262の外周に表層263を有している。加圧ローラ26の外径は約30mmである。芯軸部261には、アルミニウム、鉄などの金属材料が用いられる。弾性層262は、耐熱性のシリコーンゴムからなり、カーボン等の電気伝導材を添加することで導電性としている。表層263は、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂に、カーボン等の電気伝導材を添加した、厚さ20〜40μmの離型層チューブである。この表層263は抵抗値が高い場合、連続通紙時に異常に高電位に帯電してしまう現象(チャージアップ)が起こり、画像不良が発生する。一方、抵抗を下げるためにカーボンの添加量を増やすと、表面の平滑性が低下するため、表層263がトナーや紙粉で汚れる現象(コンタミ:contamination)が発生する。従って、チャージアップとコンタミの問題を両立させるために、表層263に添加するカーボン量を調整し、最適な抵抗値にする必要がある。本例では、表層263の抵抗値を1×1013Ω/□程度の微導電になるよう調整している。なお、加圧ローラ26は定着スリーブを介してヒータ20と共に定着ニップ部を形成している。なお、加圧ローラ26はCPU282によって制御されるモータ281で駆動される。加圧ローラ26が回転することにより定着スリーブ25が従動回転する。
(定着バイアス印加手段(バイアス印加部))
定着バイアス印加手段50は、バイアス電源53から導電ブラシ等の導電部材51を介して、定着スリーブ25表面に一部露出している金属素管にトナー(ここではマイナス極性トナーを使用する)の帯電極性と同極性のバイアス電圧を付与する。バイアス電圧の設定は、後述のバイアス制御手段(バイアス制御部)54により可変である。なお、バイアス電圧付与方法として、導電ゴム輪を定着スリーブ表面に接触させる方法や、定着スリーブの基層にカーボンチップを押し当てる等の方法とすることも可能である。
(抵抗情報検知手段(抵抗値検知部))
抵抗情報検知手段55は、記録材Pの抵抗値(記録材の抵抗値に関する情報)を検知するために設置している。本実施例では、トナー画像Tを記録材Pに転写する際に、転写ローラ5に流れる電流を検知することで記録材Pの抵抗値を検知している。また、他の抵抗値検知方法として、記録材Pに一定電圧を印加し、流れた電流を測定することも可能である。更に、記録材の水分量を検知する方法等で間接的に抵抗値を認識する手段をとることも可能である。
(剥離オフセットと耐久性)
以下に、剥離オフセットの発生メカニズムについて説明を行う。図3は、剥離放電による定着スリーブ表面の帯電の様子を表したイメージ図である。定着ニップ部Nを記録材Pが通過し、定着スリーブ25から剥離する際に、定着スリーブ25表面にトナーと逆極性であるプラス電位の剥離帯電領域Rを形成する。この剥離帯電領域Rは、転写工程においてプラス電荷が与えられた記録材Pの後端と、定着スリーブ25の表層253とが、剥離する際に放電することで形成される。従って、剥離帯電領域Rの極性は、必ず転写バイアスと同じ極性、つまりトナーに対して逆極性となる。剥離帯電領域Rは定着スリーブの長手方向(母線方向)に帯状に形成され、定着スリーブ周方向の幅は0.1〜2mm程度である。この剥離帯電領域Rは定着スリーブが1回転しても電荷が完全に消失せず、後続紙の定着工程においてもプラス電荷が残存した状態となる。そして、この剥離帯電領域が定着ニップ部を通過する際に、後続の記録材上のマイナス極性に帯電しているトナーを引き付けることにより定着スリーブにトナーがオフセットする。ここで、記録材Pの抵抗が高い程、剥離帯電電位が高くなり、よりトナーを吸着しやすくなるため、剥離オフセットは悪化する。記録材Pの抵抗は、記録材Pの材質および含まれる添量等の影響を受ける。また、記録材Pに含まれる水分量にも影響され、含水率が小さい程抵抗が高くなる。
この剥離オフセットを改善するためには、定着バイアスを大きくする方法が効果的である。定着バイアスを大きくすると、より大きな電界作用によりトナーを記録材Pに押さえつけることができるため、剥離オフセットを抑制することができる。
しかし、一方で記録材Pの抵抗にかかわらず、定着バイアスを一律で大きくすると、寿命耐久を通じて定着スリーブ25および加圧ローラ26に高電圧がかかり続けることになる。この場合、耐久後半において定着スリーブ25や加圧ローラ26の表層などの絶縁層が破壊し、微小な穴が形成される現象(以下、ピンホール)が発生することも考えられる。ピンホールが発生すると、電流がリークしてしまうため、定着バイアスが正しく印加できなくなる。その結果、先述の電界作用でトナーを記録材Pに押さえつけることができなくなるため、剥離オフセットが著しく悪化してしまう。
つまり、直前の記録材の抵抗にかかわらず、定着バイアスを一定とする制御方法では、剥離オフセットと耐久性を両立できないという課題がある。
(本例の定着バイアス制御)
そこで、制御部54は、直前に定着ニップ部を通過した記録材Pの抵抗値に関する情報に応じて、これから定着ニップ部を通過する記録材を定着処理する際のバイアス電圧を設定する。ここで、本例では、記録材Pの抵抗値に関する情報として、記録材Pの先端が転写ニップ部突入から20msec後(先端から約7mmの位置)に、転写ローラ5から記録材Pを通して感光ドラム1に流れる電流値(以下、紙先端電流値と記載)を用いている。転写ローラ5および感光ドラム1の抵抗値は大きく変動しないため、この電流値は記録材Pの抵抗値の影響を大きく受けることになる。例えば、抵抗値の高い記録材Pを通紙すると、紙先端電流値は小さくなる。
本例では、記録材の定着バイアスを、直前に定着ニップ部を通過した記録材(以下、先行紙)の紙先端電流値に応じて、変更するように設定している。表1に、A4サイズの記録材を通紙した場合の、先行紙の紙先端電流値−定着バイアス設定のテーブルを示す。このテーブルには、先行紙の抵抗値に関する情報に対応する3つのモードa、b、cが設定されている。なお、連続プリントの1枚目や、記録材Pが定着ニップ部を通過してから5秒以上経過した場合は、自動的にモードaとなるように設定している。一例としてA4サイズの記録材を通紙する場合の定着バイアス設定テーブルについて示したが、紙サイズごとに異なる定着バイアス設定テーブルとすることも可能である。また、表1に示すモードa〜cはユーザーが任意に設定可能であってもよい。表1に示すように、制御部54は、直前に定着ニップ部を通過した記録材の紙先端電流値が低いほど(即ち、記録材の抵抗値が高いほど)バイアス電圧の絶対値を高く設定する。
図4に、表1のテーブルを採用した場合の定着バイアス設定の一例を示す。図4は、紙A〜紙Dの4枚の記録材を片面で連続通紙した場合の、時間と定着バイアスの関係を示すものである。また表2に、図4における紙A〜紙Dの紙先端電流検知結果と、設定するモードa〜c、及び定着バイアス値の関係を示した表を示す。なお、定着バイアスは、記録材Pの先端が定着ニップ部Nに突入するタイミングで印加し、後端が定着ニップ部Nを抜けるタイミングでオフするように設定している。また、記録材Pが定着ニップ部Nを通過しない場合、つまり紙間では定着バイアスをオフする設定としている。
図4および表1、2によると、紙Aはジョブの1枚目であるため定着バイアスモードaが設定され、定着バイアス値は−400Vとなる。紙Bは先行紙である紙Aの紙先端電流検知結果が6.1μAであるため、定着バイアスモードbが設定され、定着バイアス値は−500Vとなる。紙Cは先行紙である紙Bの紙先端電流検知結果が7.7μAであるため、定着バイアスモードaが設定され、定着バイアス値は−400Vとなる。紙Dは先行紙である紙Cの紙先端電流検知結果が4.6μAであるため、定着バイアスモードcが設定され、定着バイアス値は−600Vとなる。
表1に示す定着バイアス設定とすることで、先行紙が高抵抗紙であった場合でも、これから定着処理する記録材定着時の定着バイアスが大きくなるため、剥離オフセットを抑制することができる。また、定着スリーブに大きなバイアスが印加されるケースを最小限にすることができるため、ピンホールの発生も抑制することができる。
(比較結果)
先行紙の紙先端電流値に応じて定着バイアスを変更する本例の効果を検証すべく、定着バイアスを変更しない装置との比較実験を行った。表3に、本例と比較例の剥離オフセットレベルを寿命耐久を通じて比較した結果を示す。ここで、比較例1、2、3の画像形成装置は、先行紙の紙先端電流値によらず、それぞれ定着バイアスを−400V、−500V、−600Vと固定したものである。
本検証を行った条件を詳述する。本検証で用いた画像形成装置は、プリントスピード62枚/分、搬送スピード372mm/sec、定着装置の寿命が30万枚(300k枚)、定着スリーブの加圧ローラへの加圧力は186.2N(19kgf)、ニップ幅は9mmである。試験環境は、剥離オフセットに対して厳しい低湿環境(室温23℃湿度15%)とした。この耐久を開始する前、および耐久開始後10万枚ごとに、定着装置の寿命(30万枚)まで剥離オフセットの評価を行った。剥離オフセットの評価方法は、Neenah Bond(高抵抗紙、レターサイズ、坪量60g/m)を連続両面モードで10枚通紙し、もっとも剥離オフセットの目立った画像のレベルで評価した。通紙耐久の際には、実際にユーザーで使われる紙を想定し、普通紙から高抵抗紙まで幅広く通紙した。
表3における剥離オフセットレベルを表す記号として、表中の○は剥離オフセットが発生せず良好であることを示している。また、表中の△は、剥離オフセットが軽微に発生することを示しており、表中の×は剥離オフセットが目立っており実用上問題があることを示している。
表3の結果によれば、比較例1のように定着バイアスを−400Vに固定した場合、耐久初期から高抵抗紙通紙の後続紙で剥離オフセットが発生し、実用上問題があるレベルであった。比較例2のように定着バイアスを−500Vに固定した場合、初期〜20万枚通紙耐久において、高抵抗紙の剥離オフセットが軽微に発生した。さらに、30万枚通紙耐久後の評価で剥離オフセットが著しく悪化しており、実用上問題があるレベルであった。このとき、定着スリーブ表面にはピンホールが発生しており、ピンホールを介して電流がリークするため定着バイアスが正しく印加できていない状態であった。比較例3のように定着バイアスを−600Vに固定した場合、初期〜10万枚の通紙耐久までは良好であった。しかし、20万枚通紙耐久後の評価で顕著な剥離オフセットが発生し、実用上問題があるレベルであったため耐久を中止した。このときもやはり、定着スリーブ表面にはピンホールが発生しており、電流がリークするため定着バイアスが正しく印加できていない状態であった。
これに対して、本例1のように定着バイアスを表1に従って変更するようにした場合、定着装置の寿命を通じて剥離オフセットが発生することなく、良好であった。このように、本実施例によれば、剥離オフセットと耐久性を共に満足することが可能になる。
本例では、記録材の抵抗値によって定着バイアスを変更する設定としたが、記録材の抵抗値によって定着バイアスのON/OFFを切り替える設定とすることもできる。また、もちろん、紙間で定着バイアスをOFFしない設定とすることも可能である。また、本例では記録材の抵抗値を転写ローラに流れる電流値から推定したが、記録材の抵抗値に応じて転写電圧を最適な値に変更する場合は、印加した転写電圧および転写電流から抵抗を推定してもよいことは言うまでもない。
(実施例2)
本例の画像形成装置は、実施例1で説明した先行紙の紙先端電流値−定着バイアス設定テーブルに代えて、表4に示す先行紙の印字面情報−定着バイアス設定テーブルを用いている。また、複数のテーブルを持ち、周辺環境の湿度検知結果に応じて参照するテーブルを変更する設定としている。更に、定着バイアスとして、定着スリーブバイアスと加圧ローラバイアスを共に設定し、変更可能としている。
図5は、本例の定着装置の構成図である。本例では、定着スリーブ25および加圧ローラ26に定着バイアスを印加する構成とした。定着スリーブバイアスは実施例1と同様、導電ブラシを介して定着スリーブ25の基層251に印加している。加圧ローラバイアスは、カーボンチップ等の導電部材56を介して、加圧ローラ26の芯軸部261に印加している。そして、定着スリーブバイアスおよび加圧ローラバイアスの設定は、後述のバイアス制御手段54により可変としている。
(定着バイアス制御)
本例の画像形成装置は、定着処理後の記録材の表裏を反転し、記録材の両面に画像形成可能な装置を前提とする。そして、記録材の抵抗値に関する情報として、自動両面プリントを行った場合の、記録材の印字面情報を制御部31に記憶させたものを用いている。その印字面情報に応じて、後続紙の定着バイアスをバイアス制御手段54よって制御している。画像形成装置に自動両面通紙した場合、記録材が定着装置を通過する際に水蒸気が発生し記録材の含水率が低下するため、1面目の記録材に対して2面目の記録材の抵抗値が著しく高くなる。従って、直前に定着ニップ部を通過した記録材が両面プリントの2面目であった場合、その直後に定着ニップ部を通過する記録材の定着処理時の定着バイアスを大きな値に設定することで、記録材の抵抗値を直接検知する手段を有さずとも、剥離オフセットを抑制することができ、また高バイアスの印加を最小限に抑えることができる。
また、本例の画像形成装置は、周辺環境の湿度情報に応じて参照するテーブルを変更する設定とした。周辺環境の湿度が高い場合、定着スリーブに剥離帯電領域が形成されても、次回定着ニップを通過するまでに空気中に電荷が移動し剥離帯電電位が下がる(以下、電位減衰とする)割合が大きくなる。その結果、剥離オフセットの発生は抑制される。一方、周辺環境の湿度が低い場合、電位減衰の割合が小さいため、剥離オフセットは悪化する。従って、低湿環境ほど定着バイアスを大きな値(絶対値)に設定することで、周辺環境の湿度によらず剥離オフセットを抑制することができる。
表4に示す定着バイアス設定とすることで、先行紙が2面目であった場合でも、また、周辺環境の湿度が低い場合でも、剥離オフセットを抑制することができる。また、定着スリーブに大きなバイアスが印加されるケースを最小限にすることができるため、耐久性能も満足することができる。
(比較結果)
本例の効果を検証すべく比較実験を行った。表5に、本例(表4の設定)及び比較例の剥離オフセットのレベルについて、寿命耐久を通じて比較した結果を示す。ここで、比較例4は、先行紙の印字面情報および周辺環境によらず定着スリーブバイアスを−400V、加圧ローラバイアスを+600Vに固定している。また、比較例5は、定着スリーブバイアスを−500V、加圧ローラバイアスを+750Vに固定し、比較例6は定着スリーブバイアスを−600V、加圧ローラバイアスを+900Vに固定している。その他は実施例2の画像形成装置と同じ構成としてある。ここで、表5の剥離オフセットの発生レベルの記号は実施例1と同様であるため、再度の説明を省略する。実施例1の実験条件と異なる点は、「23℃15%」、「23℃50%」、「23℃75%」と湿度を振った3種類の環境でそれぞれ検証を行った点である。その他は実施例1の実験条件と同様であるため、再度の説明を省略する。
表5の結果によれば、比較例4のように定着スリーブバイアスを一律で−400Vに、加圧ローラバイアスを一律で+600Vに設定した場合において、「23℃15%」および「23℃50%」の環境で、耐久初期から2面目後の記録材において剥離オフセットが発生し、実用上問題があるレベルであった。また、比較例5のように定着スリーブバイアスを一律で−500V、加圧ローラバイアスを一律で+750Vに設定した場合において、「23℃15%」の環境で、初期から2面目後の記録材において軽微な剥離オフセットが発生した。さらに、30万枚通紙耐久後の評価で剥離オフセットが著しく悪化しており、実用上問題があるレベルであった。このとき、定着スリーブおよび加圧ローラ表層にピンホールが発生し、定着バイアスが正しく印加できていない状態であった。また、比較例6のように定着スリーブバイアスを一律で−600V、加圧ローラバイアスを一律で+900Vに設定した場合、初期〜10万枚の通紙耐久までは良好であった。しかし、20万枚通紙耐久後の評価で顕著な剥離オフセットが発生し、実用上問題があるレベルであったため耐久を中止した。このときも、定着スリーブおよび加圧ローラ表面にピンホールが発生しており、定着バイアスが正しく印加できていない状況であった。
これに対して、本例ように定着バイアスを表4に従って変更するようにした場合、定着バイアスをアップするケースを最小限にすることで、剥離オフセットと耐久性を共に満足することが可能になる。
本例では、周辺環境の湿度に応じて定着バイアスを設定するテーブルを変更する制御としたが、周辺環境の温度に応じてテーブルを変更する場合でも、同様に効果的である。その理由は、空気中の飽和水蒸気量は温度が低くなるのに伴い減少するため、同じ湿度の場合、温度が低い程、空気中の水分量が減り剥離オフセットに対して厳しくなるためである。従って、低温環境程、高抵抗紙の後続紙の定着バイアスを大きく設定することで、さまざまな温度環境下でも剥離オフセットと耐久性を共に満足できる。もちろん、湿度および温度の両方の検知結果に基づき定着バイアスを変更させると、より大きな効果が期待できることは言うまでもない。
本例では定着スリーブバイアスと加圧ローラバイアスを共に変更する設定としたが、いずれか片方のみを変更させる設定とすることも可能である。また、実施例1においても、本例のように、湿度もしくは温度、およびその両方に応じて定着バイアスを設定するテーブルを変更することも可能である。
(実施例3)
本例では、記録材が定着ニップ通過中でかつ剥離帯電領域Rが定着ニップ通過中のタイミングのみ、定着バイアスを一時的にアップする構成とした。すなわち、直前に定着ニップ部を通過した記録材の後端が触れた定着スリーブの部分が、これから定着ニップ部を通過する記録材を定着する際に定着ニップ部に移動するタイミングで、バイアス電圧の絶対値を高く設定する。プラス帯電し剥離オフセットを引き起こす剥離帯電領域Rは、記録材Pの後端が定着スリーブと剥離する際により顕著な高電位となる。以下に、その理由を説明する。
剥離帯電領域Rは、先述したように記録材Pの後端と、定着スリーブ25の表層253とが、剥離する際に放電することで形成される。ここで、定着スリーブ25に形成される剥離帯電領域Rは、記録材Pの後端と定着スリーブ25が剥離する局所的な領域で、顕著な高電位となる。この顕著な高電位となる領域が次回以降の周回で、定着ニップを通過する際のみ一時的に定着バイアスをアップする(バイアス電圧の絶対値を高くする)構成とすることで、剥離オフセットと耐久性を共に満足することができるようになる。
(本例の定着バイアス制御)
本例でも実施例1と同様に、表1のテーブルに従って定着バイアスの設定を行う。表2に示す紙A〜紙Dの4枚の記録材を片面で連続通紙した場合の定着バイアス制御の一例を図6に示す。図6に示すように、本例が実施例1と異なる点は、剥離帯電領域Rが定着ニップを通過しているタイミング、つまり直前に通紙した記録材の後端が剥離したときの定着スリーブ位置でのみ、表1に従って設定した定着バイアス値に制御し、それ以外の記録材通過中の定着バイアスを−400Vとしている点である。本例では、記録材Pの先端19〜39mmの位置、113〜133mmの位置、および207〜277mmの位置が定着ニップを通過する期間でのみ、表1に従って設定した定着バイアス値に制御し、それ以外の記録材P通過中の定着バイアスは−400Vに設定する。
すなわち、紙B通紙中は表1に従いモードbが選択されるため、剥離帯電領域Rが定着ニップを通過するタイミング、つまり図中のX、Y、Zで定着バイアスを−500Vに制御する。また、紙D通紙中は表1に従いモードcが選択されるため、図中のX’、Y’、Z’で定着バイアスを−600Vに設定する。なお、連続ジョブの1枚目や記録材Pが定着ニップを通過してから5秒以上経過した場合は、自動的にモードaとなるように設定し、また紙間は定着バイアスをオフする制御としている。
本例を採用した場合、剥離オフセットを抑制するために定着バイアス値をアップする期間を最小限で抑えることができるため、より長寿命の画像形成装置においても、耐久性能を満足させることができる。
本例では、定着バイアスをアップさせるタイミングを、後続紙において剥離帯電領域Rが定着ニップを通過するすべての期間、つまり図中のX、Y、Zとしたが、Xのみアップさせる設定とすることも可能である。また、X、Y、Zの期間でそれぞれ定着バイアス設定値を異なる値とすることも可能である。また、本例と実施例2の構成を組み合わせて採用することも可能である。
5 転写ローラ
C 定着装置
25 定着スリーブ
50 バイアス印加手段
51 導電部材
53 バイアス電源
54 バイアス制御手段
55 抵抗情報検知手段

Claims (5)

  1. 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
    定着ニップ部を形成する定着用回転体と、前記定着用回転体にトナーの帯電極性と同極性のバイアス電圧を付与するバイアス印加部と、を有し、前記定着ニップ部で記録材に形成されたトナー画像を記録材に定着する定着部と、
    を有する画像形成装置において、
    直前に前記定着ニップ部を通過した記録材の抵抗値に関する情報に応じて、これから前記定着ニップ部を通過する記録材を定着処理する際の前記バイアス電圧を設定する制御部を有し、前記制御部は直前に前記定着ニップ部を通過した記録材の抵抗値が高いほど前記バイアス電圧の絶対値を高く設定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、直前に前記定着ニップ部を通過した記録材の後端が触れた前記定着用回転体の部分が、これから前記定着ニップ部を通過する記録材を定着処理する際に前記定着ニップ部に移動するタイミングで、前記バイアス電圧の絶対値を高く設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記装置は、前記記録材の抵抗値を検知する抵抗値検知部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記装置は記録材の両面に画像を形成可能であり、前記記録材の抵抗値に関する情報は、記録材の印字面情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着用回転体はエンドレスベルトであり、前記定着部は更に、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共に前記定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014228761A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
US10234803B2 (en) 2017-02-06 2019-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Image heating device capable of ensuring an electrical insulation distance between a rotatable member and a frame
US10248052B2 (en) 2017-03-22 2019-04-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Resistance detection unit and image forming apparatus comprising the same

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