JP2010112993A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置の使用環境と、それに用いる記録材の保管場所の環境が著しく異なるような場合においても、記録材の交換直後に画像不良の発生することのない画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体上に形成したトナー像を、転写ローラに印加される転写バイアスによって記録材表面に転写した後に、記録材を加熱定着装置に導入して加熱定着を行う画像形成装置において、非通紙時に前記転写ローラに一定の電流あるいは一定の電圧を印加することによって、転写ローラの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、抵抗値検出手段で検出した記録材の通紙前と通紙後の転写ローラの抵抗値を比較した結果に応じて、次の記録材が加熱定着される際の加熱定着装置の定着条件を変更する制御手段(S5ないしS8)と、を備えた画像形成装置により前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式により作像するプリンタ、複写機などの画像形成装置に関し、特に、その記録材の交換直後における、記録材の温度の変化による画像不良発生の抑制に関するものである。
従来、レーザービームプリンタや複写機など電子写真方式の画像形成装置においては、装置を使用する環境の温度や湿度が変化しても良好な画像が形成されるように、装置内に環境の温度や湿度を検知するためのセンサを設け(以下、「環境検知センサ」と呼ぶ)、その検知結果に応じて画像形成プロセスの各パラメータを制御する場合が多い。特に近年のプリンタ・複写機の高速化やメディアの多様化などに伴い、パラメータの設定がより複雑に場合分けされるなど、環境に応じた制御が必須となってきている(特許文献1、2など)。
こうした制御の一例として、紙などの記録材上に形成した未定着トナー画像を加熱定着する際、使用環境が低温である場合は、紙の温度が低いので、通常の環境よりも加熱定着部材の温度を高く設定し、定着不良が発生しないように制御を行う。あるいは使用環境が高温である場合は、加熱定着部材の温度を低く設定し、トナーが溶けすぎることによるホットオフセットを回避したり、過熱により発生する水蒸気を抑制したりしている。このように制御することで、紙のカールや排紙積載性を良好に保つなど、環境に応じた制御は、加熱定着装置の制御に使用される他、帯電や現像工程および転写工程においても、単独あるいは相互に連動して制御を行う場合も使用される。
また、製品のコストを可能な限り削減するために、前述の「環境検知センサ」を装置内に設置せずに、代替手段にて環境を検知し、画像形成パラメータを制御するようなケースも少なくない。
例えば、転写ローラを用いて像担持体上のトナー画像を記録材上に転写するローラ転写方式では、転写ローラの抵抗値が環境の温度や湿度によって変化するようなイオン導電性の材料を使用している場合が多い。このような装置では、転写ローラに印加する電流値や電圧値から転写ローラの抵抗を検知し、その結果に基づいて装置が設置されている環境を判断し、転写部材に印加する電圧値変更したり、定着装置の温度設定を変えたりなど、画像形成パラメータにフィードバックしている例がある(特許文献3)。
特開昭59−211071号公報 特開昭63−17717号公報 特開平6−175514号公報
しかしながら、前述のように環境条件に応じて画像形成パラメータを設定しているような場合でも、以下に述べるようなケースでは、画像不良を発生させる場合がある。
例えば、ユーザーが使用する記録材を画像形成装置の設置する環境とは異なる条件下に保管しているような場合である。画像形成装置にセットする記録材が切れてしまった場合、ユーザーは記録材の保管場所から新しい記録材を補給し、プリントあるいはコピーを行う。このようなケースでは、装置本体が検知する環境に適したパラメータで画像形成を行っても、そのパラメータが交換したばかりの記録材には適していない。例として、ユーザーが空調の効いた25℃の室内でプリンタを使用し、記録材としての紙を5℃の外気温に近いような倉庫に保管している場合を想定する。通常では紙も25℃の環境に馴染んでいるので画像は良好であるが、新しい紙を倉庫から運んできて直ぐにプリントを行った場合は、加熱定着器が温度の低い紙で冷やされるために、未定着トナーを加熱するための熱量が不足し、定着不良を生じさせることになる。また逆に、紙が40℃の熱気の下に保管されているような場合では、熱量過多により機内昇温を促進させたり、紙のカールや排紙積載性の悪化などを引き起こしたりする。
このような問題の回避策として、記録材をセットするカセットやトレイ内にヒータを設け、記録材を所定の温度にコントロールすることも可能であるが、所定の温度に達するには時間を要するので十分ではない。また、記録材の温度を検知する温度センサを搬送路上に設けることも可能であるが、製造コストが高くなるだけではなく、接触式のセンサであれば、常に記録材と摺擦するので、磨耗や破損といった問題を避けられない。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、画像形成装置の使用環境と、それに用いる記録材の保管場所の環境が著しく異なるような場合においても、記録材の交換直後に画像不良の発生することのない画像形成装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明では、画像形成装置を次の(1)のとおりに構成する。
(1)像担持体上に形成したトナー像を、転写ローラに印加される転写バイアスによって記録材表面に転写した後に、前記記録材を加熱定着装置に導入して加熱定着を行う画像形成装置において、
非通紙時に前記転写ローラに一定の電流あるいは一定の電圧を印加することによって、
前記転写ローラの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
前記抵抗値検出手段で検出した記録材の通紙前と通紙後の前記転写ローラの抵抗値を比較した結果に応じて、次の記録材が加熱定着される際の前記加熱定着装置の定着条件を変更する制御手段と、
を備えた画像形成装置。
本発明によれば、記録材の保管環境の気温が画像形成装置の使用環境の気温と著しく異なるような場合でも、記録材の交換直後に画像不良の発生することのない画像形成装置を提供することができる。
すなわち、記録材の温度が転写ローラの温度に反映され、転写ローラの抵抗値が変化するので、その変化量を利用することにより記録材の温度変化を予測することができる。そして、記録材の温度が高いと判断できれば、加熱定着装置の温度を下げることにより、カールや排紙積載性が良化する他、機内の昇温を抑制することが可能となる。また、記録材の温度が低いと判断できれば、定着装置の温調温度を上げることにより、定着不良等の画像問題を抑制することができる。また、記録材温度の変化が転写ローラの温度に反映されるのに時間がかかるような場合でも、複数枚の通紙前後における転写ローラの抵抗値を比較することにより、記録材温度を予想することができる。また、このような制御を行う条件を、記録材を格納するカセット内の紙が無くなったことを検知した後に、カセットの開閉を検知し、さらに紙が補充されて紙有りの状態が検知された直後から一定時間内に限定して行うことで、誤検知や通常の制御への復帰を確実に行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を画像形成装置の実施例により説明する。
実施例1である画像形成装置について説明する。説明の便宜上、画像形成装置の構成、転写ローラ構成、転写制御、本発明にかかる制御、従来例との比較、実施例の変形に分けて、順次説明する。
(1)画像形成装置の構成
図2は、本実施例の“画像形成装置”の概略構成図である。
1は像担持体としての電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の素管上に形成されている。感光ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としてのレーザースキャナ3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、およびクリーニング手段としてのクリーニングブレード7が配置される。本実施例では感光ドラム1と帯電ローラ2、現像装置4、クリーニングブレード7が一体にカートリッジ化され、プロセスカートリッジCを構成している。プロセスカートリッジとは、画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電ローラ2によって負の所定電位に一様帯電される。次に、露光手段としてのレーザースキャナ3より、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームLによる露光走査が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって成り立つ。次にこの静電潜像は、現像装置4で現像、可視化される。現像手法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。本実施例ではジャンピング現像方式を用いた。この方式では、不図示の現像バイアス電源から現像装置に対して交流と直流を重畳したバイアス電圧を印加する。現像装置4にて負極性に帯電されたトナーが静電潜像に対して現像される。
可視化されたトナー像は、転写ローラ5により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ8にて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5により一定の加圧力で挟持搬送される。転写ローラ5には不図示の転写バイアス電源からトナーの帯電極性とは逆極性のバイアス電圧が印加されることで記録材P上への転写を行う。本実施例の転写ローラ5の詳細については後述する。
このトナー像が転写された記録材Pは感光ドラム表面から分離され加熱定着装置6へと搬送される。加熱定着装置6ではトナー像が熱や圧力の作用を受けて記録材表面に永久画像として定着される。一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニングブレード7により感光ドラム1表面より掻き取られ除去される。また、9は加熱定着装置6内に設けられた排紙センサであり、記録材がトップセンサ8と排紙センサ9の間で紙詰まりなどを起こした際に、それを検知するためのセンサである。
(2)転写ローラ構成
前述した構成の画像形成装置において、転写ローラ5は図3に示すように、鉄、ステンレス(SUS)、アルミ等の芯金5a上に、導電性を有するゴム層からなる弾性層5bを設けた構成である。一般的には芯金5aの外径はφ4〜φ8(mm)であり、弾性層5bの肉厚としては、2〜5mm程度であるが、それ以上あるいは以下で構成されるものでもよい。本実施例ではφ6の芯金上に肉厚3mmの弾性層を形成してある。芯金5aと弾性層5bは所定の接着剤等で接着されている。あるいは、記録材の搬送時にずれたり剥れたりする問題が無ければ接着しなくても良い。
弾性層5bの材料としては、電気抵抗値の制御が容易でばらつきが少ないイオン導電性のゴムが良い。イオン導電性を得るために、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴムまたはエピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性ゴムを単独または組み合わせて、さらには他の材料とブレンドして用いることができる。より広範囲に電気抵抗を調整しやすいという点で、電気抵抗の高いアクリロニトリルブタジエンゴムに電気抵抗の低いエピクロルヒドリンゴムをブレンドすることが主流である。本実施例では、アクリロニトリルブタジエンゴムにエピクロルヒドリンゴムをブレンドし、気温25℃湿度50%の環境下で2KVの電圧を印加した状態で、1.0〜3.0E+08Ω(10Ω)の抵抗値になるように調整したものを使用している。
(3)転写制御
図3において転写ローラ5は加圧バネ5cにより感光ドラム1に圧接され、転写ニップTを形成する。また不図示の駆動ギアから駆動力が伝達されて矢印方向に回転する。あるいは、駆動ギアを設けずに、感光ドラム1との摺動により従動回転するような構成であっても良い。
転写ローラ5には、高圧電源回路(転写バイアス印加電源)5dにより、所定のバイアス電圧値が印加される。このとき転写ローラ5から感光ドラム1または記録材Pに流れる電流値は、高圧電源回路5d内に流れる転写電流として検知し、制御手段であるCPU10にフィードバックされる。CPU10はこの転写電流値と目標電流値との差を比較し、所定量の転写電圧を増減させる転写バイアス出力信号を高圧電源回路5dに対して発信し、転写バイアス電圧を制御する。一定の電圧値に固定して制御する場合は定電圧制御となり、前述のように一定の目標電流に対して常にフィードバックを行うことで定電流制御を行うことが可能となる。
画像形成装置は、記録材の種類や、記録材の搬送タイミング、環境などの条件応じて、随時定電流制御や定電圧制御を切り替え、適正な画像出力を得る。
また、温度や湿度に対して変化する転写ローラ5の抵抗値に対して、次のように適正な転写電圧の出力を行う。プリント命令がパソコン等の外部情報機器から画像形成装置に送られると、給紙ローラによる記録材Pの給紙を開始すると同時に、加熱定着装置6の加熱立ち上げ動作、画像形成工程前の感光ドラム1の準備回転(以下、前回転と呼ぶ)を開始する。前回転中は感光ドラム1の表面電位を暗部電位Vdに保つように、帯電ローラ2に所定の帯電バイアス電圧を印加する。転写ローラ5には感光ドラム1の暗部電位Vdに対して所定の目標電流が流れるように、転写電圧を徐々に増加させていく。目標電流に達した時点で転写バイアス電圧を微調しながら感光ドラム1に対して一定電流が流れるように定電流制御を行う。このときの転写バイアスの平均値をVt0としてホールドする。本実施例では、前回転中に3μAの定電流が流れるときの転写バイアス出力をVt0とした。また、このように転写ローラの抵抗値を表す電流値あるいは電圧値を求める工程はATVC(Active Transfer Voltage Control)と呼ぶ。
次に、記録材が転写ニップTに導入され転写工程が行われる際の転写バイアス電圧Vtについて、本実施例ではVt0に基づいて次のように決定している。具体的には、図4に示すようにVt=A×Vt0+Bで表される一次式に基づいて転写バイアスVtを決定している。ここでAおよびBは定数であり、異なるVt0に対して、良好な転写画像が得られる転写電圧を実験的求め算出した値である。高抵抗の紙や、2面目の通紙においては、良好な画像を得るのに必要な転写電圧が高くなるため、図4のVt(2)式に示すように、定数A、Bが異なる値A(2)、B(2)を持つことになる。ユーザーがプリントを行う際にメディアの種類や通紙モードを選択することで、適宜所定の転写制御式で転写を行うことになる。
(4)本発明にかかる制御
従来の転写制御では、前回転中に前記ATVC工程を1回行い、その時のVt0に応じた転写バイアスVtをプリント時に印加することで、定着工程に記録材を搬送し加熱定着を行っていた。ここで、画像形成装置を気温25℃、湿度50%の常温常室環境で使用しながら、カセット内の紙が無くなった際に、気温5℃の外気温に保管している紙の束を新たにカセットにセットし、直ちにプリント作業を続行した場合を考える。
加熱定着装置は常温常湿環境に適した温調温度で制御を始めるが、加圧ローラなどの部材は冷えた紙の通紙で温度が低下し、定着性に悪影響を及ぼすことになる。一方で、通紙する紙温度の影響で、転写ローラも温度が低下する。図5に模式的に示すように、イオン導電性のポリマーを使用した転写ローラは、温度に応じて抵抗値が敏感に反応し、温度が下降すれば抵抗値が上昇する特性をもつ。冷えた紙を通紙しつづければ、前述のように定着性が悪化するだけでなく、抵抗上昇につれて次第に転写電流が降下し、転写時の転写不良を招く可能性もある。なお、加熱定着装置の温調制御に用いる温度検出手段が請求項でいう、加熱定着装置の温度検出手段に相当する。
そこで、本実施例は、図5に示す、温度によって転写ローラの抵抗値が変化する特性を利用して、以下のような制御により、定着に起因する画像問題やその他の画像不良問題を解決する。ここでは、連続プリント時の制御について説明する。
図6に、本実施例の制御を模式的に示す。従来では、記録材先端が転写ニップに導入する前の、前回転中のみにおいてATVCを行っていた。これに対し、本実施例では、記録材後端が転写ニップを出てから、次の記録材先端が転写ニップに導入されるまでの紙間(請求項でいう非通紙時に相当)においてもATVCを行い、その際の転写バイアスの平均値をホールドする。前回転時のATVC時に得られるVt0をVt0(0)(請求項でいう、V0に相当)、次の紙間のATVC時に得られるVt0をVt0(1)(請求項でいう、V1に相当)、n枚目とn+1枚目の紙間で得られるVt0をVt0(n)とし、画像形成装置は随時その値を記憶する。例えば、Vt0(0)とVt0(1)にある一定以上の差が生じた場合は、記録材の温度が変化していると検知し、その後の制御に反映させることができる。
定着装置の温度制御に用いた場合の制御フローについて、図1に示す。このフローの処理はCPU10により行われる。ステップ1(図ではS1と略記する)連続プリントを開始する。前回転時、ATVCによりVt0(0)を求める(S2、請求項でいう、転写ローラの抵抗値を検出する抵抗値検出手段に相当)。1枚目の転写が終了すると(S3),紙間のATVCによりVt0(1)を求める(S4)。
ステップ5において、ΔVt0=Vt0(1)−Vt0(0)がある閾値αV以上の場合は、定着温度を上げないと、2枚目以降の定着性が悪化すると判断し、ステップ6へ移り温調温度を所定量アップさせる(請求項でいう、定着条件の変更に相当)。また、ΔVt0がβV以下の場合は、記録材の温度が高いことによって転写ローラ抵抗がダウンしたと判断する。そして、2枚目以降の定着制御において、定着装置の温度を下げないと熱量過多により、記録材のカール量が増えるので、ステップ8へ移り、温調温度を所定量下げる。ΔVt0がβV以上で、αV以下の場合は、ステップ7へ移り定着温度を変更せずプリントを続行する。
前述のケースでは前回転中のVt0(0)と次の紙間中のVt0(1)を比較しているが、紙温度によって転写ローラの抵抗値の変化に時間がかかるようなケースでは、n枚目プリント後の紙間との比較、すなわちΔVt0=Vt0(n)−Vt0(0)を比較して、n+1枚目の制御からフィードバックを行っても良い。
また、転写ローラの抵抗変化によって記録材の温度を予測し、定着部への温調制御にフィードバックさせるだけでなく、転写時の画像にも影響が出るような場合は、同時に転写ローラに印加するバイアスを調整するべきである。この場合は従来からの転写制御と同じように、紙間で得たVt0(n)に応じて、図4の制御式に従い、n+1枚目の転写バイアスVt(n+1)を決定すればよい。もしくは、予測した紙温度に対して、より複雑な転写制御の補正が必要であれば、その都度、転写バイアスVt(n+1)に所定の補正量を増減させることも可能である。
なお、ここでは、明細書で差分を示すデルタ記号が使えないので、その代わりにギリシャ文字のデルタを使っている。
(5)従来例との比較
前述した制御にしたがって、常温常湿環境(気温25℃、湿度50%)において、気温5℃湿度10%の環境に保管されていた紙(平滑紙、坪量=80g/m^2)を用いて、カセットにセットし直ちに20枚の連続プリントを行った際の、紙に定着したトナー画像の定着性を比較した。従来例としては、定着温調制御に補正を行わなかった場合を選んだ。本実施例の制御としては、前回転時のATVC時のVt0(0)=600V、1枚通紙後の紙間時のATVCによるVt0(1)=630Vであることから、ΔVt0=630−600=30Vであり、閾値α=10Vとすると、ΔVt0>10Vとなる。よって、紙温度が低いと判断して2枚目以降の定着温度を10℃アップさせて定着を行った。定着性の判断基準としては、定着後の紙上の画像パターンを所定の摩擦紙を用いて一定の荷重(=50gfなど)で擦った際の、画像を目視で判断し、画像剥れが無ければ○、少しの剥れが認められれば△、剥れが目立った場合は×とした。20枚のプリント紙のうち、2、5、10、15、20枚目の定着性を比較している。結果を下記表1に示す。
Figure 2010112993
表1より明らかなように、本実施例の制御に従えば、定着不良が発生せず良好であるのに対して、従来例のように定着制御に補正を行わなければ、紙の温度が定着装置の加圧ローラの温度を低下させ、熱量不足により徐々に定着性が悪化していることがわかる。
また、前記比較とは逆に、気温40℃湿度80%の環境に保管された紙束(紙種は前記と同じ)をカセットにセットして直ちに20枚の連続プリントを行った際の効果について、紙の排紙積載性について比較を行った。従来例としては前記同様、定着温調に補正を行わなかった。本実施例としては、Vt0(0)=600V、1枚通紙後のVt0(1)=560Vであったことから、ΔVt0=560−600=−40Vであり、β(閾値)=−15Vを閾値とすると、ΔVt0<−15Vとなる。そこで、紙温度が高いと判断して2枚目以降の定着温度を10℃ダウンさせ定着を行った。結果は表2に示す。
Figure 2010112993
表2より明らかなように、本実施例の制御に従えば、定着時の温度を下げることにより、紙のカールを抑制できるので排紙積載性が良好である。従来例では、定着温度が過多になり、排紙時の紙のカールも悪く、そのような状態で積載させれば、紙が揃わずに積載される結果となった。
以上に説明したように、本実施例によれば、紙の温度が画像形成装置の使用環境と著しく異なるような場合、紙の温度により転写ローラの抵抗値が変化し、その変化量を利用して定着制御に補正をかけることにより、常に良好な画像や排紙状態を得られることが可能となる。
(実施例の変形)
(1)連続プリントと間欠プリントの対応
以上の実施例の説明では、連続プリント時についての制御手法について述べたが、間欠プリントのようにプリント毎に前回転が入るような場合は次のように制御を行えばよい。1回目のジョブにおいて、n枚の通紙を行った場合、通紙後の後回転中にもATVCを行い、そのとき得られるVt0をVt0(n)1とする。この1回目のジョブ内で、ΔVt0に大きな変化が見られる場合は、このジョブ内で定着装置の温調制御に補正をかけている。次に2回目のジョブにおいて前回転時に得られるVt0をVt0(n)2として、前回のVt0(n)1と比較を行う。ジョブ間のインターバルが短い場合は、転写ローラの抵抗値変化が小さいので、Vt0(n)2とVt0(n)1の値にも大きな変化が見られないので、定着装置への温調補正はそのまま続行することができる。ATVC工程で得られるVt0のバラツキの範囲で、Vt0(n)2とVt0(n)1が異なっていても、予め指定した範囲のバラツキ内であれば温調の補正を続行したまま、Vt0(n)1の値をVt0(n)2の値に更新すればよい。ジョブ間のインターバルが長く、紙の温度が室温に馴染んでくれば、Vt0(n)2とVt0(n)1の値が異なってくるので、通常の温調制御に復帰させればよい。もしくは予め設定したインターバルを過ぎて次のジョブが入れば、温調制御を通常の状態に復帰させるようにしても良い。
また、1回目のジョブのプリント枚数が1枚のときは、前回転時と後回転時のVt0を比較し、ΔVt0の値に応じて、2回目のジョブの最初から定着制御の補正を行うかどうか判断する。また、ΔVt0の演算を複数枚のプリントを経て行う場合で、1回目のジョブ枚数がそれに満たないときは、ジョブをまたがってΔVt0の演算を行えばよい。このときもジョブ間のインターバルが長い場合は紙温度が室温に馴染んでくるため、前ジョブの後回転時のVt0(n)1と次ジョブの前回転時のVt0(n)2は値が異なってくるので、その場合はΔVt0の演算をキャンセルする等の処置をとることで対応が可能である。
(2)制御の適用条件
本実施例で説明するような制御の変更は、記録材の保管温度が本体の使用環境と著しく異なる場合であり、また記録材の交換後に限ったものと考えられる。したがって、画像形成装置に設置されたカセット等の記録材格納手段において、その開閉や紙の有り無し状態の検知が可能であれば、それらの検知を行った直後のジョブからある一定時間の間、すなわち交換した記録材が室温に馴染むまでの時間のみに限定して本制御を適用すればよい。この手法が、請求項でいう、「前記制御手段は、前記加熱定着器の定着条件の変更を、前記記録材有無検知手段により記録材が無しの状態を検知した後に、前記開閉検知手段により前記格納手段の開閉を検知し、さらに前記記録材有無検知手段により記録材有りを検知した直後から、一定の時間内のみ行う」に相当する。
新しく交換した紙の温度と画像形成装置の使用環境温度の差が大きいほど、その直後のジョブにおいてΔVt0の差は大きくなることから、本制御を適用する時間は、ΔVt0の値に応じてその絶対値が大きいほど適用時間を長くする等の設定も可能である。
(3)Vt0の比較手法
前述したように、前回転時と紙間、後回転時で行うATVC工程によって得られるVt0について、ΔVt0=Vt0(1)−Vt0(0)のように差分を閾値と比較することで記録材の温度を予測している。しかし、r[Vt0]=Vt0(1)/Vt0(0)のように変化の比率r[Vt0]を求め、rを所定の閾値と比較することによって定着制御への補正の判断を行ってもよい。また、制御の変化量(ここでは温調制御の温度調整量)については、差分ΔVt0や比率rVt0の絶対量に比例して制御の変化量を増減させることも可能である。
(4)機内昇温時の対応
例えば、記録材の交換を行う前に多量のプリントが行われ、機内の昇温によって転写ローラの抵抗値が下がっている場合、交換した記録材の温度が室温と同じ状態でも、次回のプリントにおいては、転写ローラの温度が低下し、抵抗値が上がる場合がある。このような状態では、抵抗値の上昇を、紙温度が低いと誤検知して定着温度を上げてしまうことになる。したがって、例えばスタンバイ状態において、定着器の温調制御を行うためのサーミスタなどを用いて定着器の昇温状態を判断し、機内昇温状態にあると判断できる場合は、閾値の値を変更することで対応するか、本実施例の制御を行わない等の対応を行えばよい。この制御は、請求項でいう、「閾値の値を変更するかあるいは前記定着条件の変更を無効とする」制御に相当する。
(5)ATVCの手法
本実施例では、ATVC工程を行う際に、定電流制御を行い所定の電流が転写ローラに流れる時の転写バイアス電圧をVt0として、転写ローラの抵抗値を把握するパラメータとしている。しかし、これに限られるものではなく、定電圧制御を行い、一定の電圧を転写ローラに印加した際に流れる電流値をIt0として、電流値を転写ローラの抵抗値の代用として用いても良い。
(6)その他の定着制御への応用
本実施例では、転写ローラの抵抗変化より紙の温度変化を予測し、定着の温調制御にフィードバックを行っているが、制御変更の対象はこれに限られるものではない。例えば、定着装置の定着部材や加圧部材に対して、電源回路より所定のバイアスを印加することで、オフセット等の画像不良を抑制するようなケースでは、紙の温度に対してバイアスのオンオフやバイアス値の変更を行った方が良い場合は、制御の対象と成り得る。
(7)環境センサを利用した制御への応用
画像形成装置が外気の温度や湿度を検知するサーミスタ等の検知手段を有し、検知した環境に応じて定着制御などの画像形成プロセスを変更している場合、紙の交換後に転写ローラの抵抗変化によって紙の温度変化を検知した際は、その紙の温度変化に適した環境の画像形成条件に変更してもよい。
実施例1の制御を説明するフローチャート 実施例1の画像形成装置の構成を示す概略断面図 転写制御を説明するための概略構成図 実施例1の転写制御方式を説明する図 転写ローラの温度と抵抗値の関係を示す図 実施例1の制御を説明する概略図
符号の説明
1 感光ドラム
5 転写ローラ
6 加熱定着装置
10 CPU
P 転写材

Claims (5)

  1. 像担持体上に形成したトナー像を、転写ローラに印加される転写バイアスによって記録材表面に転写した後に、前記記録材を加熱定着装置に導入して加熱定着を行う画像形成装置において、
    非通紙時に前記転写ローラに一定の電流あるいは一定の電圧を印加することによって、
    前記転写ローラの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
    前記抵抗値検出手段で検出した記録材の通紙前と通紙後の前記転写ローラの抵抗値を比較した結果に応じて、次の記録材が加熱定着される際の前記加熱定着装置の定着条件を変更する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記転写ローラの抵抗値が、記録材の通紙前および通紙後に定電流制御を行った際に印加される電圧値によってそれぞれV0およびV1で表され、ΔV=V1−V0としたときに、ΔV>α(αは所定の閾値)の場合は、前記加熱定着装置の温調温度を上げ、ΔV<β(βは所定の閾値)の場合は、温調温度を下げることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
    前記抵抗値検出手段は、記録材の通紙前と通紙後に得られる前記転写ローラの抵抗値として、複数の記録材の通紙を行う前後の抵抗値を検出することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2または3に記載の画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記加熱定着装置の温度検出手段で検出した温度により機内昇温状態にあると判断した場合に、前記閾値の値を変更するかあるいは前記定着条件の変更を無効とすることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、記録材を格納する格納手段と、前記格納手段の開閉を検知する開閉検知手段と、記録材の有り無しを検知する記録材有無検知手段とを備え、
    前記制御手段は、前記加熱定着装置の定着条件の変更を、前記記録材有無検知手段により記録材が無しの状態を検知した後に、前記開閉検知手段により前記格納手段の開閉を検知し、さらに前記記録材有無検知手段により記録材有りを検知した直後から、一定の時間内のみ行うことを特徴とする画像形成装置。
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