JP6849447B2 - 像加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機やプリンタ等の画像形成装置に関する。また、画像形成装置に搭載されている定着器や、記録材に定着されたトナー画像を再度加熱することによりトナー画像の光沢度を向上させる光沢付与装置、等の像加熱装置に関する。
プリンタ・複写機等の画像形成装置には、定着部として像加熱装置である、記録材に担持された未定着トナー像を固着画像として加熱定着させる定着装置が備えられている。従来、定着装置には、熱ローラ方式や、ベルト加熱方式、フィルム加熱方式など種々の構成が知られている。ここで、フィルム加熱方式の定着装置では、定着フィルムは厚さが薄く、熱容量が小さいため、記録材の搬送方向に直交する方向(以下、長手方向と記す)における熱伝導が劣るという課題がある。定着ニップ部の長手方向長さに対して、幅の狭い記録材が通紙された場合には、通紙部は記録材によって熱が奪われる。それに対して、非通紙部は熱が奪われないため、非通紙部の温度は上昇してしまう(以下、この現象を非通紙部昇温と呼ぶ)。幅の狭い記録材は、いわゆる小サイズの記録材であり、例えば、Letterサイズ、A4サイズ縦搬送の画像形成装置であれば、A5、B5サイズ幅以下の記録材である。
特許文献5には、従来のフィルム加熱方式の定着装置においては、記録材のサイズに応じてセラミックヒータの発熱分布を変えられる定着装置が開示されている。この定着装置のセラミックヒータは、セラミック基板上に長手方向中央の抵抗値が両端より大きい第1の発熱抵抗体と、両端の抵抗値が中央より大きい第2の発熱抵抗体と、を有しており、且つこの二本の発熱抵抗体への通電が個別に制御可能になっている。この場合、長手方向中央が全てのサイズの記録材が通過する記録材の搬送基準である。第1の発熱抵抗体と第2の発熱抵抗体への通電比率を種々設定することによりセラミックヒータの発熱分布を種々設定することができる。このようにすれば、小サイズの記録材が通紙された場合でも、非通紙部昇温を抑制することができる。
特開2006−47630号公報
近年、画像形成装置の高速化、大量の連続印刷にともなって、Letterサイズ(紙幅216mm)機におけるA4サイズ紙(紙幅210mm)通紙時の場合の非通紙部昇温が問題となっている。LetterサイズとA4サイズの通紙幅の差は片側3mmであり、たとえばLetterサイズと小サイズ紙の通紙幅の差と比較すれば小さい値となっている。しかしながら、高速化によりヒータ温度を高く保つ必要があり、その結果、わずかな非通紙部であっても、多くの熱量が蓄積されてしまうのである。
また、記録材の、ヒータの長手方向における位置も常に一定であるとは限らない。プリンタの給紙口に記録材がセットされるとき、一般的に、記録材は位置規制のために設けられた規制板などで所定の位置にセットされる。この規制板は記録材のサイズに対応した複数のポジションを持っていることが一般的であり、使用する記録材のサイズによってユーザーにスライドされるなどして位置が移動される。これらの手順はすべてユーザーの手に
よって行われるため、毎回正しく記録材がセットされるとは限らない。特にA4サイズの記録材をセットする場合、紙幅がLetterサイズと非常に近いため、規制板の位置がLetterサイズの位置にセットされたまま、記録材が給紙口にセットされてしまう可能性がある。規制板の位置がLetterサイズの位置のまま、A4サイズの記録材が給紙口にセットされた場合、記録材が左右どちらかの規制板に寄せられた状態でプリントが行われる可能性がある。
このように、給紙口において、偏りをもってセットされた記録材が連続通紙された場合、定着装置内では、例えば、ヒータに対して、連続的に右側に偏って通紙される、あるいは逆に左側に偏って通紙されるといった場合が生じる。このような状態で連続通紙された場合、ヒータに対して通紙域が長手方向にシフトすることになり、左寄りで通紙された場合には右側の非通紙部が広くなる。逆に右寄りで通紙された場合には左側の非通紙部が広くなるといった状況が発生する。このような状況では、通常の位置にセットされた記録材を通紙した時と比較して、非通紙部昇温が非常に大きくなってしまう。そのため、ヒータの発熱分布を調整して、よりヒータ端部の発熱を小さくすることによって、非通紙部昇温を低減する必要がある。しかし、記録材が偏って通紙されているため、非通紙部昇温が発生している側とは逆側の記録材端部では熱量が足りない状況になってしまう。つまり、記録材が左右どちらかに寄せられて通紙された場合、非通紙部昇温に対応するために端部の発熱を小さくすると、非通紙部昇温が発生している側とは逆側の画像端部における定着性が損なわれてしまう、という状況となる可能性が有る。
本発明の目的は、非通紙部昇温を抑制しつつ定着不良の発生を抑制することができる像加熱装置を提供することである。
筒状の回転体と、
前記回転体の内部空間に設けられており前記回転体の母線方向に沿って細長いヒータであって、前記ヒータの長手方向の中央の発熱量に対する端部の発熱量の比率を制御可能なヒータと、
前記ヒータの前記長手方向の中央の温度を検知する第1温度検知素子と、
前記ヒータ又は前記回転体の内面の前記長手方向の端部の温度を検知する第2温度検知素子と、
前記第1温度検知素子の検知温度が目標温度になるように前記ヒータを制御する制御部と、
を備え、記録材に形成された画像を、前記回転体を介した前記ヒータの熱で加熱処理し、
前記制御部が、前記第2温度検知素子の検知温度が所定の閾値を超えた場合に、前記比率が小さくなるように前記ヒータを制御する像加熱装置において、
前記制御部は、前記閾値を像加熱装置の暖まり具合に応じて変更すると共に、
複数枚の記録材を連続して加熱処理する連続加熱処理の期間中であって前記暖まり具合が小さな前記連続加熱処理の初期の期間における前記閾値を、前記長手方向の幅が第1の幅の記録材を加熱処理する時よりも、前記長手方向の幅が前記第1の幅よりも狭い第2の幅の記録材を加熱処理する時のほうを高く設定することを特徴とする像加熱装置。
本発明によれば、非通紙部昇温を抑制しつつ定着不良の発生を抑制することができる。
画像形成装置の概略構成図 フィルム加熱方式の加熱装置の概略断面図 定着ヒータの断面図 定着ヒータの表面側を示す図および単位長さあたりの発熱量を示す図 定着ヒータの長手方向部品配置図 通電比率レベルに関する表 サブサーミスタと定着フィルムの非通紙部の温度の推移の説明図 記録材の種類に応じた通電比率レベル変更の閾値と通紙枚数のテーブル 記録材の種類に応じたサーミスタ温度推移および通電比率推移の説明図 実施例1における片寄せ通紙の内容の説明図 片寄せ通紙時のサーミスタ温度推移および通電比率推移の説明図 実施例2における暖機指数と通電比率レベル変更の閾値のテーブル
以下に図面を参照して本発明の実施形態を例示する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施例に係る像加熱装置を搭載したカラー画像形成装置を示す概略構成図である。この画像形成装置は電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置の構成は、4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。画像形成部は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkである。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkには、それぞれ感光ドラム2a、2b、2c、2dが設置されている。各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電ローラ3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4d、転写ローラ5a、5b、5c、5d、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dが設置されている。帯電ローラ3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には、露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各感光ドラム2a、2b、2c、2dの各1次転写部Nに、転写媒体としての無端ベルト状の中間転写体40が当接している。中間転写ベルト40は、駆動ローラ41、支持ローラ42、2次転写対向ローラ43間に張架されており、駆動ローラ41の駆動によって矢印方向(時計方向)に回転(移動)される。
1次転写用の各転写ローラ5a、5b、5c、5dは、各1次転写ニップ部27にて中間転写ベルト40を介して各感光ドラム2a、2b、2c、2dに当接している。2次転写対向ローラ43は、中間転写ベルト40を介して2次転写ローラ44と当接して、2次転写部Mを形成している。中間転写ベルト40の外側の駆動ローラ41近傍には、中間転写ベルト40表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置45が設置されている。
また、2次転写部Mの記録材Pの搬送方向下流側には定着装置12が設置されている。画像形成動作開始信号が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される各感光ドラム2a、2b、2c、2dが、それぞれ帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって一様帯電(本実施例では負極性)される。
露光装置7a、7b、7c、7dは、入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号にそれぞれ変換する。変換された光信号であるレーザ光を帯電された各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光し、静電潜像を形成する。
そして、静電潜像が形成された感光ドラム2a上に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aにより、イエローのトナーを感光体表面の帯電電位に応じて静電吸着させる。この静電吸着により静電潜像を顕像化し、現像像とする。このイエローのトナー像は、1次転写部Nにて1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、回転している中間転写ベルト40上に1次転写される。イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト40は、画像形成部1M側に回転される。
画像形成部1Mにおいても、前記同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト40上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、1次転写部Nにて転写される。以下、同様にして中間転写ベルト40上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Bkの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各1次転写部Nにて順次重ね合わせる。これにより、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト40上に形成される。そして、中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー像先端が2次転写部Mに移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ46により記録材(転写材)Pを2次転写部Mに搬送する。2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ44により、記録材Pにフルカラーのトナー像が一括して2次転写される。
フルカラーのトナー像が形成された記録材Pは、定着部としての定着装置12に搬送される。定着装置12は、加熱回動部材としての定着スリーブ20と、駆動回転する加圧ローラ22の間の定着ニップ部で、フルカラーのトナー像を加熱、加圧して記録材P表面に溶融定着させる。その後、外部に排出され、画像形成装置の出力画像となる。そして、一連の画像形成動作を終了する。
なお、上記した1次転写時において、感光ドラム2a、2b、2c、2d上に残留している1次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dによって除去されて回収される。また、2次転写後に中間転写ベルト40上に残った2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置45によって除去されて回収される。
(像加熱装置)
図2は、像加熱装置としての定着装置12の概略構成模型図である。定着装置12は、トナー像を記録材上に加熱定着するもので、通電発熱抵抗層を有する加熱体としてのヒータ16と、記録材とともに移動する第1の回転体としての定着スリーブ20とを備えている。定着スリーブ20は、回動可能であって回動方向に交差する長手方向に加熱可能に設けられる。定着装置12は、更に定着スリーブ20に圧接する第2の回転体としての加圧ローラ22を備え、定着スリーブ20と加圧ローラ22とによって形成される定着ニップ27において、記録材上のトナー像を加熱定着する構成となっている。
定着フィルム20は、ベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材である。具体的には、材質にポリイミドを用い、厚み70μmの円筒状に形成したエンドレスベルト(ベルト基材)上に、厚み約250μmのシリコンゴム層(弾性層)を形成してある。更にシリコンゴム層の上に厚み30μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)を被覆してなる。
ヒータ16はヒータホルダ17に保持される。ヒータホルダ17は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する部材で、ヒータ16は、ヒータホルダ17の下面に該ホルダの長手方向に沿って配設されている。ヒータ16とヒータホルダ17はバックアップ部材を構成する。定着スリーブ20は、このヒータホルダ17にルーズに外嵌させてある。
ここで、加熱体としての定着ヒータ16は、本実施例では、セラミックヒータを用いており、構成の詳細は後述する。ヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、定着ヒータ16を保持し、定着ヒータ16と接触しつつ回転する定着フィルム20をガイドする役割を果たす。
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金に、射出成形により、シリコンゴム層を形成し、その上にPFA樹脂チューブを被覆してなる。この加圧ローラ22は芯金の両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に、前記のヒータ16・ヒータホルダ17・定着フィルム20等から成る定着フィルムユニットをヒータ16側を下向きにして加圧ローラ22に並行に当接配置する。
ヒータホルダ17の両端部を不図示の加圧機構により片側12.5kgf、総圧25kgfの力で加圧ローラ22の軸線方向に付勢する。このことで、定着ヒータ16の下向き面(以下、表面と記す)を定着フィルム20を介して加圧ローラ22の弾性層に、該弾性層の弾性に抗して、所定の押圧力をもって圧接させる。これにより、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部27を形成している。
本実施例では、メインサーミスタ18、サブサーミスタ19a、19bを記録材Pの搬送方向に対して直交する方向(長手方向)に関して異なる位置に配置し、ヒータ16の温度を検出している。具体的な配置としては、ニップ部において長手方向の中心位置(中央部)に第1温度検知素子としてのメインサーミスタ18を、その中心位置と等しい距離の端部付近にそれぞれ第2温度検知素子としてのサブサーミスタ19a、19bを配置する。
図2では、メインサーミスタ18およびサブサーミスタ19a、19bは、同じ視線上にあるため、1つしか図示されていない。これらのサーミスタは熱源である定着ヒータ16の図3及び図4における上向き面(以下、裏面と記す。)に接触させてあり、発熱抵抗層端部の位置での定着ヒータ裏面の温度を検出する。
本実施例ではメインサーミスタ18およびサブサーミスタ19a、19bを定着ヒータ16の裏面に接触するように配置し、定着ヒータ16の裏面の温度を検出しているが、必ずしもこの位置に限定されるものではない。たとえば、定着フィルム20の裏面に接触するように配置し、定着フィルム20の裏面の温度を検出してもよい。
メインサーミスタ18、及びサブサーミスタ19a、19bは、加熱制御手段(制御部)としての通電制御手段21に接続される。通電制御手段21は、メインサーミスタ18、サブサーミスタ19a、19bの検出結果をもとに、定着ヒータ16の温調制御内容を決定する。温調制御内容の詳細については後述する。
図2の23と26は、装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、二次転写ニップを抜けた記録材Pが、定着ニップ部27に正確にガイドされるよう、転写材を導く役割を果たす。本実施例の入り口ガイド23は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂により形成されている。
加圧ローラ22は、不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動による、該加圧ローラ22の外面と定着フィルム20との定着ニップ部27における圧接摩擦力により、円筒状の定着フィルム20に回転力が作用する。そして、定着フィルム20は、その内面側が定着ヒータ16の下向き面に密着して摺動しながら、ヒータホルダ17の外回りを矢印の時計方向に従動回転する。定着フィルム20の内面にはグリースが塗布され、ヒータホルダ17と定着フィルム20内面との摺動性を確保している。
このようにして、加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム20が従動回転状態になり、また定着ヒータ16に通電がなされる。定着ヒータ16が昇温して所定の温度に立ち上げ温調された状態において、定着ニップ部27に、未定着トナー像を担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入される。そして、定着ニップ部27において、記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム20の外面に密着し、定着フィルム20と一緒に定着ニップ部27を挟持搬送されていく。
この挟持搬送過程において、定着ヒータ16の熱が定着フィルム20を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部27を通過した記録材Pは、定着フィルム20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
(定着ヒータ16)
図3に定着ヒータ16の断面図を示す。定着ヒータ16は、以下の〔1〕〜〔5〕等からなる。
〔1〕記録材Pの搬送方向すなわち通紙方向と直交する方向を長手方向とする横長長手方向に細長のセラミック基板である窒化アルミ基板41。
〔2〕〔1〕の窒化アルミ基板41の表面側に長手方向に沿ってスクリーン印刷により線状あるいは帯状に塗工した、厚み10μm程度、幅1mm程度の抵抗発熱体層42および43(43a、43b)。抵抗発熱体層42、43は、銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストを窒化アルミ基板41上に印刷したものである。
〔3〕〔2〕の抵抗発熱体層42および43に対する給電パターンとして、窒化アルミ基板41の表面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成した、電極部44(図4)。
〔4〕抵抗発熱体層42および43の保護と絶縁性を確保するための、厚み80μm程度の薄肉のガラスコート45。
〔5〕窒化アルミ基板41と定着スリーブ20の接触面に設けたガラスからなる摺動層46。
図4(a)に定着ヒータ16の表面側を示す図を、図4(b)に定着ヒータ16の単位長さあたりの発熱量のグラフを示す。図4に示すように、抵抗発熱体層は3本の発熱体43(43a、43b)、42からなる。
発熱体43が第1発熱体(以後、メインヒータ43とする)であり、電極44を通じて通電される抵抗発熱体であり、長手方向の長さ223mmで形成されている。このメインヒータ43は、長手中央から両端部にかけて連続的にパターン幅を広げることにより、長手方向における単位長さ当たりの発熱量を図4(b)に示すように長手中央から両端部にかけて小さくしている。120Vを印加した時のメインヒータ43の単位長さ当たりの発熱量は長手中央において4.9W/mm、長手中央から両端部±111.5mmの位置において2.9W/mmである。すなわち、単位長さあたりの発熱量が、相対的に長手方向の中央部において大きく端部において小さい構成となっており、両端部の単位長さあたり
の発熱量が中央部の0.6倍となるようにした放物線分布としている。
発熱体42は、ヒータ長手方向中央部に対する端部の単位長さあたりの抵抗比がメインヒータ43よりも大きい第2発熱体(以後、サブヒータ42とする)である。サブヒータ42は長手中央から端部にかけて連続的にパターンを狭めることにより、単位長さあたりの発熱量を図4(b)に示すように長手中央から両端部にかけて大きくしている。120Vを印加した時のサブヒータ42の単位長さ当たりの発熱量は長手中央において2.9W/mm、長手中央から両端部±111.5mmの位置において4.9W/mmである。すなわち、単位長さあたりの発熱量が、相対的に長手方向の中央部において小さく端部において大きい構成となっており、両端部の単位長さあたりの発熱量が中央部の1.68倍となるようにした放物線分布としている。
メインヒータ43とサブヒータ42を合計した単位長さあたりの発熱量は長手方向に対する勾配がゼロとなり、長手全域で均一な発熱量となるようにしている。
定着ヒータ16の電極部44には、給電用コネクタが装着される。ヒータ駆動回路部から上記の給電用コネクタを介して電極部44に給電されることで、メインヒータ43およびサブヒータ42が発熱して定着ヒータ16が迅速に昇温する。
通常使用においては、加圧ローラ22の回転開始とともに、定着フィルム20の従動回転が開始し、定着ヒータ16の温度の上昇とともに、定着フィルム20の温度も上昇していく。定着ヒータ16への通電は、PID制御によりコントロールされ、定着ヒータ16の裏面側中央に配置されたメインサーミスタ18の検知温度が目標値(目標温度)を維持するように、入力電力が制御される。
図5に定着ヒータ16とサーミスタの位置関係を示す。本実施例では最大通紙幅よりも幅の狭い記録材を通紙した時の非通紙部昇温を検知するために、定着ヒータ16の両端部にサブサーミスタ19a、19bを設けた構成となっている。メインサーミスタ18は長手中央の位置に、サブサーミスタ19a、19bはそれぞれ長手中央から102mmの位置に配置されている。
(通電比率制御)
次に通紙時のメインヒータ43および、サブヒータ42への通電比率制御について説明する。通紙が開始されると、非通紙部昇温により、サブサーミスタ19aおよび19bの温度が上昇する。このサブサーミスタの温度を監視し、ある閾値を超えた場合に、サブヒータ42への通電比率を下げる制御を行う。通電比率とは、メインヒータ43とサブヒータ42への供給電力の比である。サブヒータ42は端部の発熱量が大きい発熱体であるため、通電比率が下がると、定着ヒータ16の端部の発熱量が下がることになる。すなわち、複数の発熱体によって形成される定着ヒータ16の加熱領域の、記録材の搬送方向と直交する長手方向の中央部における発熱量(第1発熱量)と、長手方向の端部における発熱量(第2発熱量)と、の比率を制御可能となっている。これによって、非通紙部昇温を抑制することができるようになる。
サブヒータ42の通電比率を下げる判断を行う閾値には、サブサーミスタ19aもしくは19bのうち、どちらか高い温度を検知している方の検知温度から、メインサーミスタ18の検知温度を引いた、サブサーミスタとメインサーミスタの温度差を用いる。
メインサーミスタ18の検知温度より、サブサーミスタ19の温度が高くなり、その温度差がある所定の閾値を超えると、非通紙部昇温が発生したと判断し、メインヒータ43とサブヒータ42の通電比率を変えてサブヒータ42の発熱量を小さくする。たとえばL
ETTERサイズの通紙ではサブサーミスタ19の高いほうの温度がメインサーミスタ18の温度よりも10℃高くなったらサブヒータ42の通電比率を10%下げ、メインヒータ43:サブヒータ42=100:90の比率に変更する。これにより、サブヒータ42の発熱量が下がり、非通紙部昇温が緩和される。
図6に示す通り本実施例では、この通電比率レベルを8段階設けている。1レベル毎にサブヒータ42の通電比率が10%ずつ下がり、最終的には30%まで下げられるようにしている。Letterサイズではサブサーミスタとメインサーミスタの温度差が閾値である10℃を超える度に通電比率レベルを1つ進め、サブヒータ42の発熱量を下げていく。このように非通紙部昇温に応じて端部の発熱量を順次下げていくことで、装置の破損を防止している。
(A4サイズ紙をプリントする場合の通電比率制御)
本実施例では、第2の記録材としてのA4サイズの通紙において、通電比率レベル変更の閾値を、第1の記録材としてのLetterサイズの通紙における閾値(第1閾値)とは異なる値(第2閾値)に設定している。
前述のとおり、高速化に伴い、A4サイズ紙を連続通紙した場合の非通紙部昇温が問題となっている。さらに、A4サイズ紙はLetterサイズ紙よりも幅が狭いメディアであるため、給紙口に偏りをもってセットされる場合がある。A4サイズ紙が左右どちらかに寄せられて通紙された場合(以下、この状態を「片寄せ」とする)、非通紙部昇温に対応するために端部の発熱を小さくすると、非通紙部昇温が発生している側とは逆側の画像端部における定着性が損なわれてしまう可能性がある。このため、A4サイズ紙ではLetterサイズ紙とは異なる通電比率制御を行う必要がある。
また、プリンタの高速化に伴う現象として、サブサーミスタの検知温度と、溶融を防ぎたい部材の温度の差が大きくなってきている、ということが挙げられる。フィルム加熱方式の加熱装置に用いられる部材のうち、最も耐熱温度が低いものは定着フィルムや加圧ローラの弾性層に用いられるゴムである。特に記録材の画像面と接触する定着フィルムのゴム層は、加圧ローラのゴム層よりも高い温度になるため、非通紙部昇温が発生した時、より溶融が発生しやすい。
サブサーミスタはヒータの定着フィルムとの接触面と反対側の面に接触しているため、ヒータからの熱の伝わりが速く、ヒータとの温度の差が小さい。一方、定着フィルムのゴム層は定着フィルムの基層と、ヒータと回転するフィルムの間に発生する接触熱抵抗、および摺動グリースを介してヒータからの熱が伝わるため、サブサーミスタと比較すると熱の伝わりが遅く、ヒータとの温度の差が大きくなる。このため、非通紙部昇温が発生した状態におけるサブサーミスタの検知温度と、定着フィルムのゴム層の温度には差があり、サブサーミスタの検知温度のほうが高い状態となる。
この温度差は加熱装置の暖まり具合によっても異なっており、プリント開始直後、すなわち加熱装置がまだ冷えている状態では、この温度差が大きくなる。これはまだ暖まっていない摺動グリースや定着フィルム基層、ヒータホルダなどの部材の昇温にヒータの熱が消費されるためであり、その分だけ定着フィルムのゴム層の昇温が遅くなるためである。
図7に加熱装置が冷えている状態からヒータへの通電を開始し、A4サイズ紙の連続通紙を行った時の、サブサーミスタと定着フィルムの非通紙部の温度の推移を記録したグラフを示す。サブサーミスタの温度上昇と比較して定着フィルムの温度上昇が遅いため、通電開始直後のサブサーミスタと定着フィルムの温度差は大きい状態となる。その後通紙が進むと、サブサーミスタと定着フィルムの温度差は小さくなり、ある一定の差を保ったま
ま定常状態となる。
このように、非通紙部の温度を検知するサブサーミスタの温度と、実際の定着フィルムの温度の差は、常に一定ではない。このため、通電比率制御レベル変更の閾値が一定である場合、定着装置がまだ暖まりきっていない状態では、定着フィルムの非通紙部の温度が耐熱温度に達さない状態であるにも関わらず、サブヒータ42の通電比率を下げてしまう可能性が有った。
定着装置がまだ暖まりきっていない状態では記録材端部のトナーの定着強度が低いことが一般的である。これは端部は放熱が大きいため、中央部と比較して定着装置の部材の温度が上がりにくいことが原因となっている。つまり、定着装置が冷えている状態からプリントがスタートした場合、記録材の端部におけるトナーの定着強度が低い傾向にあるにもかかわらず、サブヒータ42の通電比率が必要以上に下げられてしまう可能性が有った。
さらに、A4サイズの記録材ではこれまで述べてきたとおり、左右どちらかに寄せられて通紙されるリスクがある。したがって、非通紙部昇温に対応するために端部の発熱を小さくすると、通常の位置で通紙された場合よりも、さらに用紙端部における定着性が損なわれやすくなる可能性が有る。
以上を鑑み、本実施例ではA4サイズ紙における通電比率レベル変更の閾値をLetterサイズ紙とは異なる値とし、さらに通紙枚数に応じて閾値を設定、変化させた。
図8にLetterサイズ紙とA4サイズ紙の通電比率レベル変更の閾値と通紙枚数のテーブルをまとめたものを示す。LETTERサイズの通電比率レベル変更の閾値は通紙枚数に寄らず一定とした。一方、A4サイズ紙の通電比率レベル変更の閾値は通紙枚数によって値を変え、最初に1〜5枚では25℃とし、6〜10枚では20℃、11〜30枚では15℃、31枚以降で10℃とした。
図9に実際の通紙を行った時の定着フィルムの非通紙部の温度とサブサーミスタの通紙初期段階(1〜60枚目)における温度推移を示す。実験ではLetterサイズおよび、A4サイズの普通紙をメインサーミスタによる温調温度240℃にて連続で通紙し、定着フィルムの非通紙部の温度とサブサーミスタの温度、およびメインヒータ43、サブヒータ42の通電比率をモニタした。用紙は500枚の紙束を給紙カセットにセットし、給紙カセットからの通紙を行った。A4サイズの通紙においては、用紙を給紙カセット内で正規の位置にセットした。用紙の搬送速度は300mm/秒とし、用紙間隔は10mmに設定した。また、用紙に描く画像はマゼンタトナーとイエロートナーの全面ベタ画像を重ねたものとし、画像両端部における画像の欠けが無いかどうかも同時に確認した。
図9によると、Letter通紙においては240℃で推移するメインサーミスタの温度に対して、サブサーミスタの温度は250℃を推移している。図8で説明したとおり、Letter通紙時においては、非通紙部昇温によりサブサーミスタの温度がメインサーミスタよりも10℃高くなった時に通電比率レベルを一つ上げ、サブヒータ42の通電比率を10%下げる制御を行っている。サブヒータ42の通電比率は通紙とともに下がっていき、通紙枚数50枚付近で50%まで下げられている。この制御により、サブサーミスタはおおよそメインサーミスタよりも10℃高い状態を保ちながら推移することになる。定着フィルム表面温度は225℃まで上昇したが、フィルム弾性層のシリコンゴムの連続使用可能温度が230℃であることを考えると、問題ない範囲に制御されているといえる。また、画像両端部における画像の欠けは見られず、トナーの用紙に対する定着強度も問題が無かった。
図9に示したA4通紙時のグラフでは、サブサーミスタの温度は10枚目までは260
℃程度を推移し、その後通紙とともに徐々に低くなり、グラフの後半部分では250℃を推移した。これは、図8で説明した通り、通電比率変更の閾値を通紙枚数によって変えているからである。Letter通紙時よりもサブサーミスタの温度が高くなってしまうが、通紙初期段階においては定着フィルム温度が十分に低いため、フィルム弾性層のシリコンゴムの連続使用可能温度の230℃を超えてしまうことはない。従って、高いサブサーミスタ温度を許容しても問題がない。
一方、A4サイズ紙はLetterよりも両側3mm分、紙の幅が小さいため、通電比率変更の閾値を大きくしても、サブヒータ42の通電比率が通紙とともに速い速度で下がっていく。図9に示すグラフによれば、通電比率が50%となるのがおよそ30枚目付近であり、Letterの下がり方よりも速く通電比率が下がった。さらに38枚目付近でサブヒータ42の通電比率は40%まで下がったが、両端部の画像の欠けはなく、トナーの定着強度に問題はなかった。
次に、本実施例におけるA4サイズ紙をプリントする場合の通電比率制御の効果を確かめるために、A4サイズ紙を片寄せした状態でプリントを行った。A4サイズ紙を片寄せするために、給紙カセット内で用紙左右の規制板の位置をLetterの位置にセットし、A4サイズ紙を用紙進行方向に対して左側の規制板に押し付けてセットした。これ以外の通紙条件は前述の条件と同じであるため説明を省く。
図10に示すのは片寄せ状態におけるA4サイズ紙の通紙の内容であり、本実施例の効果を確かめるために行った比較例の内容も併せて記載してある。本実施例での通電比率レベル変更の閾値は図8で説明したものと同様であり、1〜5枚では25℃、6〜10枚では20℃、11〜30枚では15℃とし、31枚以降で10℃とした。一方、比較例では通電比率レベル変更の閾値を通紙枚数によって変更せず、10℃一定とした。
図11に実施例および比較例の制御におけるA4片寄せ通紙時の定着フィルムの非通紙部の温度とサブサーミスタの温度、およびメインヒータ43、サブヒータ42の通電比率をモニタした結果を示す。
実施例においては、片寄せ通紙であるため、非通紙部昇温が大きくなり、サブサーミスタの温度がこれまでよりも上昇した。通紙5枚程度でサブサーミスタ温度が265℃に到達したため、メインサーミスタ温度(240℃)とサブサーミスタ温度(265℃)の差が25℃となり、サブヒータ42の通電比率が10%下げられた。その後も、早いタイミングでサブヒータ42の通電比率が下がり、通紙25枚程度で50%となり、通紙30枚程度で40%、通紙37枚程度で30%となった。定着フィルムの温度は60枚目付近で225℃程度であり、問題の無い温度であった。また、用紙を寄せた側の用紙端部における画像の欠けを確認したところ、欠けはなく、定着強度にも問題が無かった。
比較例においては、通紙初期段階から、通電比率レベル変更の閾値を10℃一定としている。このため、メインサーミスタ温度が240℃一定の場合、通紙を通じてサブサーミスタが250℃程度となるように制御される。
図11に示した実施例のサブサーミスタ温度の通り、A4用紙が片寄せされた状態で通紙されているため、非通紙部昇温が非常に高くなり、実施例では5枚目で265℃までサブサーミスタ温度が上昇している。これに対し比較例では250℃に達するとサブヒータ42の通電比率を下げるため、実施例よりも早いタイミングでサブヒータ42に通電比率が下がることになる。図13でのモニタ結果によると、通紙とともにサブヒータ42の通電比率がどんどん下がり、17枚目付近で40%まで下がり、25枚目付近で30%まで下がってしまった。用紙を寄せた側の用紙端部における画像の欠けを確認したところ、5
枚目からベタ画像中に細かい白点がみられるようになった。これは用紙に定着できなかったトナーが定着フィルムに持ち去られることによって発生している現象で、トナーの用紙に対する定着強度が低いために発生するものである。通紙とともに白点の数が増えかつ大きくなり、15枚目付近では画像の欠けとしてはっきりと視認できる状況となった。
本実施例によれば、A4サイズ紙が正規の位置にセットされず、片寄せされた状態で通紙されたとしても、定着フィルムの部材が破損するリスクのある温度まで上昇してしまうのを防止しながら、画像端部までしっかりと用紙にトナーを定着させることができた。また、加熱装置の部材の温度を低減させることができた。
本実施例ではフィルム加熱方式の加熱装置について説明を行ってきたが、本発明の効果はフィルム加熱方式の加熱装置のみに限定されるわけではない。前述の熱ローラ方式の定着装置やベルト加熱方式の定着装置、ベルト内部にニップ板を有する構成の定着装置であっても本実施例で説明した構成の実施が可能である。
また、本実施例では、複数の発熱体が記録材の搬送方向に並んだ構成のヒータを用いたが、ヒータの構成はこれに限定されない。例えば、複数の発熱体が記録材の搬送方向と直交する長手方向に並んで配置(発熱体が長手方向に分割)され、複数の発熱体の通電を個別にオンオフ制御するような構成のヒータを用いてもよい。
以上、本実施例によれば、定着装置の暖まり具合に応じて通電比率の制御を行うことができるようになるため、適切な通電比率レベル変更の閾値の設定ができるようになる。これにより、長手方向の一方の端部側の非通紙部が異常に昇温することを防止しながら、逆側の端部の定着性も満足させること、すなわち、定着強度不足による画像端部の欠けを防ぎながら、部材の温度が危険な温度まで上がることを防止することができる。したがって、高速で大量に画像加熱を実行することが可能となり、装置の耐久性の向上とユーザーの利便性の両方を高めた像加熱装置、画像形成装置を提供することが可能となる。
(実施例2)
実施例1で説明した制御は、プリント枚数(画像を加熱した記録材の数)によって通電比率レベル変更の閾値を変化させている。プリント枚数とともに定着器が暖まっていくため、定着装置が冷えている通紙初期は通電比率レベル変更の閾値を大きくし、定着装置が暖まった通紙後半で通電比率レベル変更の閾値を小さくしている。しかしながら、プリント開始時における定着装置の暖まり具合は必ずしも同じではない。例えば前のプリントジョブから時間があまり経過していなければ、前ジョブの時の熱でまだ定着装置が暖まったままの状態の可能性がある。また、前ジョブのプリント枚数によっても定着装置の暖まり具合は影響を受けるものと考えられる。このため、プリント開始時における、定着装置の暖まり具合を把握し、それを考慮に入れることができれば、より幅広い状況に対応することのできる通電比率制御を行うことができる。
そこで実施例2では定着装置の暖まり具合を表す暖機指数を算出し、通電比率制御に使用する。暖機指数は、定着装置12の蓄熱量と相関関係にある可変値である。暖機指数は、プリントの枚数に応じてカウントアップされ、プリントが休止している時間に応じてカウントダウンされるカウント値であり、加圧ローラ22をはじめとした定着装置12内の構造物の暖まり具合を数値化した可変値である。例えば、暖機指数の初期値は0であり、記録材に形成された画像の加熱を連続して行った場合の加熱の回数として、連続プリント3枚毎に1が加算され、加熱を行わない期間の長さとして、プリント終了後、休止期間3分経過毎に1が減算される。また、暖機指数は0〜30範囲で設定される。
通電制御手段21はプリント動作および、プリント休止期間において常に暖機指数の算出を行う。そしてA4サイズ紙の通紙における通電比率制御を図12に示す閾値に基づい
て行う。暖機指数が0〜2の場合、すなわち、定着装置12の蓄熱量が低く、暖まっていない状態では通電比率レベル変更の閾値を25℃とする。暖機指数が3〜4の場合には通電比率レベル変更の閾値を20℃、暖機指数が5〜10の場合には通電比率レベル変更の閾値を15℃、暖機指数が11以上の場合には通電比率レベル変更の閾値を10℃とした。このように、定着装置の暖まり具合を表す可変値によって通電比率レベル変更の閾値を変える方法によれば、プリント開始時の定着装置の暖まり具合が如何なる場合においても、適した通電比率レベルでプリントを行うことができる。そのため、より幅広い使用状況に対応することができる。
本実施例についても、本発明の効果はフィルム加熱方式の加熱装置のみに限定されるわけではない。前述の熱ローラ方式の定着装置やベルト加熱方式の定着装置、ベルト内部にニップ板を有する構成の定着装置であっても本実施例で説明した構成の実施が可能である。上記の構成によれば、プリント開始前の定着装置の暖まり具合が進んだ場合であってもそれに合わせた通電比率レベル変更の閾値を設けることができる。このため、より幅広い状況において、定着強度不足による画像端部の欠けを防ぎながら、部材の温度が危険な温度まで上がることを防止することができ、装置の耐久性の向上とユーザーの利便性の両方を高めた加熱装置を提供することができるようになる。
P…用紙(記録材)、12…定着装置、16…加熱ヒータ、17…ヒータホルダ、42…第2発熱体、43…第1発熱体、18…メインサーミスタ、19…サブサーミスタ、20…定着フィルム、22…加圧ローラ、23…入口ガイド、24…装置フレーム、26…定着排紙ローラ、27…定着ニップ部

Claims (9)

  1. 筒状の回転体と、
    前記回転体の内部空間に設けられており前記回転体の母線方向に沿って細長いヒータであって、前記ヒータの長手方向の中央の発熱量に対する端部の発熱量の比率を制御可能なヒータと、
    前記ヒータの前記長手方向の中央の温度を検知する第1温度検知素子と、
    前記ヒータ又は前記回転体の内面の前記長手方向の端部の温度を検知する第2温度検知素子と、
    前記第1温度検知素子の検知温度が目標温度になるように前記ヒータを制御する制御部と、
    を備え、
    記録材に形成された画像を、前記回転体を介した前記ヒータの熱で加熱処理し、
    前記制御部が、前記第2温度検知素子の検知温度が所定の閾値を超えた場合に、前記比率が小さくなるように前記ヒータを制御する像加熱装置において、
    前記制御部は、前記閾値を像加熱装置の暖まり具合に応じて変更すると共に、
    複数枚の記録材を連続して加熱処理する連続加熱処理の期間中であって前記暖まり具合が小さな前記連続加熱処理の初期の期間における前記閾値を、前記長手方向の幅が第1の幅の記録材を加熱処理する時よりも、前記長手方向の幅が前記第1の幅よりも狭い第2の幅の記録材を加熱処理する時のほうを高く設定することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記制御部は、
    前記暖まり具合を、画像を加熱した記録材の数に基づいて判断し、
    前記第2の幅の記録材を加熱処理する時、画像を加熱した記録材の数が増えるほど、前記閾値を小さい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記制御部は、
    前記暖まり具合を、少なくとも、前記連続加熱処理の時の加熱の回数に応じて加算され、加熱を行わない期間の長さに応じて減算されるカウント値に基づいて判断し、
    前記第2の幅の記録材を連続加熱処理する時、前記カウント値が大きくなるほど、前記閾値を小さい値に設定することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  4. 前記制御部は、
    前記閾値を、
    前記第1の幅の記録材を連続加熱処理する場合には、像加熱装置の暖まり具合によらず一定の閾値に設定し、
    前記第2の幅の記録材を連続加熱処理する場合には、像加熱装置の暖まり具合が大きくなるに連れて低い値に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  5. 前記ヒータは、
    板状の基板と、
    前記基板上に記録材の搬送方向に並ぶ複数の発熱体であって、
    前記長手方向における単位長さあたりの発熱量が、相対的に前記長手方向の中央において大きく端部において小さい第1発熱体と、
    前記長手方向における単位長さあたりの発熱量が、相対的に前記長手方向の中央において小さく端部において大きい第2発熱体と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第1発熱体と前記第2発熱体との通電比率を制御することで、前記比率を制御することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 前記ヒータは、
    板状の基板と、
    前記基板上の前記長手方向の中央に設けられた第1発熱体と、
    前記基板上の前記長手方向の端部に設けられた第2発熱体と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記第1発熱体と前記第2発熱体との通電比率を制御することで、前記比率を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第2温度検知素子の検知温度が所定の閾値を超えた場合に、前記第1発熱体の発熱量に対して前記第2発熱体の発熱量が小さくなるように前記通電比率を制御することを特徴とする請求項またはに記載の像加熱装置。
  8. 前記回転体はフィルムであり
    前記像加熱装置は更に、前記フィルムを介して前記ヒータと共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧ローラを有し、
    前記ニップ部で記録材に形成された画像が前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  9. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    記録材に形成された画像を記録材に定着させる定着部として、請求項1〜のいずれか1項に記載の像加熱装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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