JP2004109182A - 電子写真印刷装置の定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、印刷速度、使用用紙等の印刷条件が変わっても、加熱ロールの寿命を縮めることなく、加熱ロールの表面温度を均一化し、安定した印刷品質を供給することを課題とする。
【解決手段】トナー像2を加熱する為の複数の発熱ランプ6a、6b、6c、6dを有する加熱ロール5の表面温度を、非印刷用紙走行領域に設けた温度センサ10a、10bと印刷用紙走行領域に設けた温度センサ12a、12b、12cを併用し、前記各発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準となる前記温度センサ12への補正値を、制御部11にて印刷開始期間とそれ以降印刷継続期間とにおいて異なる補正値を採用する。
【選択図】 図1
【解決手段】トナー像2を加熱する為の複数の発熱ランプ6a、6b、6c、6dを有する加熱ロール5の表面温度を、非印刷用紙走行領域に設けた温度センサ10a、10bと印刷用紙走行領域に設けた温度センサ12a、12b、12cを併用し、前記各発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準となる前記温度センサ12への補正値を、制御部11にて印刷開始期間とそれ以降印刷継続期間とにおいて異なる補正値を採用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式印刷装置の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4、図5、図6は電子写真式印刷装置の定着装置の従来例を示すものである。図4に於いて、印刷用紙1上のトナー像2は、内部にヒータ4を有する予熱板3より前記印刷用紙1裏面から熱を受け軟化し始める。軟化した前記トナー像2は、内部に複数のそれぞれ発熱領域の異なる発熱ランプ6a、6b、6c、6dを有する加熱ロール5と、支持体7で保持される加圧ロール8により狭持搬送されることで、前記印刷用紙1上に定着される。
【0003】
この時、前記加熱ロール5の表面温度検出手段として、前記加熱ロール5の非印刷用紙走行領域に取付けられ、表面温度を直接温度値として検出できる温度センサ10a、10b、例えば磁気チップと磁気センサによる検出等の手段と、前記加熱ロール5の印刷用紙走行領域内に前記発熱ランプ6a、6b、6c各々の発熱領域に対向し且つ前記加熱ロール5と或隙間を持たせて取付けられ、温度分布を検出できる温度センサ12a、12b、12c例えばサーミスタによる検出等の手段を併用し、前記発熱ランプ6a、6b、6c、6d各々の点灯を制御部13にて制御している。
【0004】
前記制御部13では、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値を監視しながら、全ての前記温度センサ12の出力値が一定範囲内になるように、前記発熱ランプ6a、6b、6c、6d各々を一定の割合にて点灯させる。その後、前記温度センサ10a、10bにより、前記加熱ロール5の表面温度がトナー像定着に必要な或温度に達したことが検出された際の前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値をセンサ基準値として記憶する。更に、図示していない前記プリンタ動作を制御する制御部からの印刷実行司令期間中、つまり印刷期間常に、前記温度センサ12各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為、ある任意の補正値を前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、これを印刷中の前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。これにより、印刷期間中の前記サーミスタ制御値は前記温度センサ12各々に対し一通りになる。
【0005】
印刷中は、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値が前記サーミスタ制御値になるように、任意の前記発熱ランプ6a、6b、6c、6dを任意時期、任意時間点灯させ、前記温度センサ10a、10bが前記或温度を検出した際の前記加熱ロール5の温度及び温度分布を再現させるように制御している。
【0006】
図5は、印刷開始時に於ける、前記温度センサ12のセンサ基準値と補正値を加算し変換した前記サーミスタ制御値の関係を表す従来例である。又、図6は、印刷開始時に於ける、前記加熱ロール5の表面温度推移を示す従来例である。
【0007】
前記した制御によるセンサ基準値からサーミスタ制御値への変換期間初期である印刷開始期間に於いては、前記印刷用紙1及び前記トナー像2への熱供給により、前記加熱ロール5表面温度の急激な低下が発生する。その間、前記温度センサ12各々の出力値はサーミスタ制御値を大きく下回り、前記印刷用紙及び前記トナー像への熱供給を続け適正なサーミスタ制御値へ戻すように前記制御部13にて制御されるが、適正なサーミスタ制御値へ戻るまでに時間がかかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術の定着装置に於いて、各温度センサの発熱ランプをON/OFFさせる為の基準値即ちサーミスタ制御値は一通りであり、採用期間としては印刷開始から印刷終了までの全ての期間である。実際には、印刷開始期間には前記温度センサ出力値と目標とする前記サーミスタ制御値とは熱負荷の増大による温度低下の為大きくかけ離れるが、以降印刷が継続され前記温度センサ出力値と前記サーミスタ制御値の差は無くなり安定して行く。
【0009】
この時、サーミスタ制御値に加算されている補正値は、印刷開始期間の加熱ロールの温度低下を最小にする為には大きく、印刷中加熱ロール温度安定時には加熱ロールへの熱負荷を最小限にする為には小さくする必要があり、同一の補正値ではどちらか一方しか対応できない状態になる。つまり、補正値が大きい場合には、印刷開始期間の加熱ロールの温度低下には対応できるが、印刷継続中安定した加熱ロールの表面温度は高温になり加熱ロールへの熱負荷を増大させ短寿命化を引き起こす。又、小さい場合には、印刷中安定した加熱ロールの表面温度は適切に制御できるが、印刷開始期間の加熱ロールの表面温度の温度低下は防げない。
【0010】
この状態は、高解像度印刷装置に於いて、定着装置でのトナー像の押し潰し軽減の為のゴム表面層加熱ロールを用いた場合、ゴム層である印刷用紙走行領域の熱伝達性が悪い為、発熱ランプによる加熱が直ぐに前記加熱ロール表面温度上昇効果として伝わりずらく前記傾向が顕著に現れる。又、間歇印刷時にも熱負荷の変動が大きくなる為、前記傾向が顕著に現れる。
【0011】
このように加熱ロールの表面温度がトナー像定着に適切な或温度よりも外れた状態で印刷が行われると、加熱ロールはトナー像定着に適切な熱量を供給できない為、部分的な熱量過少による定着不良など印刷品質不均一という問題を引き起こしていた。
【0012】
このような状況を避ける為、加熱ロールの表面温度を直接検出するセンサ、例えばサーミスタによる接触温度検出や温度低下を見越したサーミスタ制御値の高温設定等の手法が取られるが、しかし、この方法では加熱ロールへの損傷による短寿命対策や、絶対値温度の測定機構の追加等が必要となり、構造の大型化、複雑化、コストアップを引き起こしていた。
【0013】
本発明の目的は、加熱ロールの寿命を縮めることなく、印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度低下を軽減し、常に安定した印刷品質を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、加熱ロールと加圧ロールからなる一対の定着ロールの前記加熱ロール内部に複数の発熱ランプを配置し、前記加熱ロールの軸方向に所定間隔で配置され且つ該加熱ロール外周面に対し間隔をなして配置された複数個のサーミスタと、前記加熱ロール外周面の一部に設けられたサーモライトチップと、前記サーモライトチップに対向可能に配置されたセンサヘッドからなる2種類の温度センサとを有し、上記2種類のセンサの出力、またはいずれか一方のセンサの出力に応じて前記発熱ランプのON/OFF制御を行なう制御手段を持ち、且つ前記サーモライトチップが所定の温度に達するまで発熱ランプを一定の割合で点灯させ、前記サーモライトチップ温度検出時のそれぞれのサーミスタ出力値をセンサ基準値とし、印刷開始期間とそれ以降の印刷継続期間にて前記センサ基準値各々に異なる補正値を加算したサーミスタ制御値へ変換し、前記サーミスタ制御値にて前記加熱ロールの表面温度を制御する手段を有することにより解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1、図2、図3を用いて説明する。図1に於いて、図4と同一部分部材については、同一記号を付しその説明は省略する。制御部11は、従来例と同様に、温度センサ10a、10bにより、前記加熱ロール5の表面温度がトナー像定着に必要な或温度に達したことが検出された際の前記温度センサ12各々の出力値をセンサ基準値として記憶する。次に、印刷開始期間、例えば図示していないプリンタ動作を制御する制御部からの印刷実効司令により印刷が開始され、前記加熱ロール5の表面温度が低下し復活する或一定期間、温度センサ12a、12b、12c各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為の或任意の補正値Aを前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。
【0016】
更に、前述の一定期間終了後、温度センサ12a、12b、12c各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為の或任意の補正値Bを前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。これをプリンタ動作を制御する前記制御部からの印刷実行司令終了迄の期間つまり印刷終了迄で継続する。
【0017】
前記補正値A及び補正値Bは採用される期間により適切な異なる値であり、これにより、印刷期間中の前記サーミスタ制御値は、開始一定期間とそれ以降継続期間とで二通りになる。
【0018】
図2は、印刷開始時に於ける、前記温度センサ12のセンサ基準値と補正値を加算し変換した前記サーミスタ制御値の関係を表す実施例である。
【0019】
又、図3は、印刷開始時に於ける、前記加熱ロール5の表面温度推移を示す実施例である。
【0020】
前記期間中に、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値を前記サーミスタ制御値になるように、任意の発熱ランプ6a、6b、6c、6dを任意時期、任意時間点灯させ、前記温度センサ10a、10bが前記トナー像定着に必要な或温度を検出した際の前記加熱ロール5の温度及び温度分布を再現させるように前記制御部11にて制御している。
【0021】
前記したように、印刷開始より前記制御部11によって、前記サーミスタ制御値にて前記加熱ロール5の表面温度を制御している。これにより、印刷開始期間では、前記加熱ロール5の表面温度が或温度分上昇した所にて制御されることになる。前記加熱ロール5がこのような温度状態で印刷開始されることにより、印刷用紙1及びトナー像2への熱供給による、前記加熱ロール5表面温度の急激な低下は発生しなくなり、前記温度センサ12各々の出力値がサーミスタ制御値を大きく下回ることはなくなる。
【0022】
更に、印刷が継続され印刷開始期間が終了すると直ちにサーミスタ制御値が変更され、前記加熱ロール5の表面温度は下げられ、温度過上昇することはない。
【0023】
このように、前記印刷用紙1及び前記トナー像2への熱供給を続け適正なサーミスタ制御値へ戻すように前記制御部11にて制御されても、前記温度センサ12各々の出力値が適正なサーミスタ制御値へ戻るまでの時間が短縮されることになる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、発熱ランプは使用印刷用紙、印刷速度等の印刷条件の異なるプリンタに対して、常に均一な熱量を加熱ロールへ供給できるようにしたので、印刷開始時の加熱ロールの表面温度低下を防ぎ、且つ印刷継続期間中の加熱ロールの表面温度を適切に制御できる為、加熱ロールの損傷や定着不良や文字にじみなどの印刷品質の低下を防ぐことができ、かつ安価な定着装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による印刷開始時に於ける温度センサのセンサ基準値と補正値を加算し変換したサーミスタ制御値の関係を示す図である。
【図3】本発明による印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度推移を示す図である。
【図4】従来の定着装置の一例を示す概略図である。
【図5】従来例における印刷開始時に於ける温度センサのセンサ基準値と補正値を加算し変換したサーミスタ制御値の関係を表す図である。
【図6】従来例における印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度推移を示す図である。
【符号の説明】
1…印刷用紙、2…トナー像、部3…予熱板、4…ヒータ、5…加熱ロール、6a、6b、6c、6d…発熱ランプ、7…支持体、8…加圧ロール、10b…温度センサ、10a…温度センサ、11…制御12a…温度センサ、12b…温度センサ、12c…温度センサ13…制御部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式印刷装置の定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4、図5、図6は電子写真式印刷装置の定着装置の従来例を示すものである。図4に於いて、印刷用紙1上のトナー像2は、内部にヒータ4を有する予熱板3より前記印刷用紙1裏面から熱を受け軟化し始める。軟化した前記トナー像2は、内部に複数のそれぞれ発熱領域の異なる発熱ランプ6a、6b、6c、6dを有する加熱ロール5と、支持体7で保持される加圧ロール8により狭持搬送されることで、前記印刷用紙1上に定着される。
【0003】
この時、前記加熱ロール5の表面温度検出手段として、前記加熱ロール5の非印刷用紙走行領域に取付けられ、表面温度を直接温度値として検出できる温度センサ10a、10b、例えば磁気チップと磁気センサによる検出等の手段と、前記加熱ロール5の印刷用紙走行領域内に前記発熱ランプ6a、6b、6c各々の発熱領域に対向し且つ前記加熱ロール5と或隙間を持たせて取付けられ、温度分布を検出できる温度センサ12a、12b、12c例えばサーミスタによる検出等の手段を併用し、前記発熱ランプ6a、6b、6c、6d各々の点灯を制御部13にて制御している。
【0004】
前記制御部13では、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値を監視しながら、全ての前記温度センサ12の出力値が一定範囲内になるように、前記発熱ランプ6a、6b、6c、6d各々を一定の割合にて点灯させる。その後、前記温度センサ10a、10bにより、前記加熱ロール5の表面温度がトナー像定着に必要な或温度に達したことが検出された際の前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値をセンサ基準値として記憶する。更に、図示していない前記プリンタ動作を制御する制御部からの印刷実行司令期間中、つまり印刷期間常に、前記温度センサ12各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為、ある任意の補正値を前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、これを印刷中の前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。これにより、印刷期間中の前記サーミスタ制御値は前記温度センサ12各々に対し一通りになる。
【0005】
印刷中は、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値が前記サーミスタ制御値になるように、任意の前記発熱ランプ6a、6b、6c、6dを任意時期、任意時間点灯させ、前記温度センサ10a、10bが前記或温度を検出した際の前記加熱ロール5の温度及び温度分布を再現させるように制御している。
【0006】
図5は、印刷開始時に於ける、前記温度センサ12のセンサ基準値と補正値を加算し変換した前記サーミスタ制御値の関係を表す従来例である。又、図6は、印刷開始時に於ける、前記加熱ロール5の表面温度推移を示す従来例である。
【0007】
前記した制御によるセンサ基準値からサーミスタ制御値への変換期間初期である印刷開始期間に於いては、前記印刷用紙1及び前記トナー像2への熱供給により、前記加熱ロール5表面温度の急激な低下が発生する。その間、前記温度センサ12各々の出力値はサーミスタ制御値を大きく下回り、前記印刷用紙及び前記トナー像への熱供給を続け適正なサーミスタ制御値へ戻すように前記制御部13にて制御されるが、適正なサーミスタ制御値へ戻るまでに時間がかかる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術の定着装置に於いて、各温度センサの発熱ランプをON/OFFさせる為の基準値即ちサーミスタ制御値は一通りであり、採用期間としては印刷開始から印刷終了までの全ての期間である。実際には、印刷開始期間には前記温度センサ出力値と目標とする前記サーミスタ制御値とは熱負荷の増大による温度低下の為大きくかけ離れるが、以降印刷が継続され前記温度センサ出力値と前記サーミスタ制御値の差は無くなり安定して行く。
【0009】
この時、サーミスタ制御値に加算されている補正値は、印刷開始期間の加熱ロールの温度低下を最小にする為には大きく、印刷中加熱ロール温度安定時には加熱ロールへの熱負荷を最小限にする為には小さくする必要があり、同一の補正値ではどちらか一方しか対応できない状態になる。つまり、補正値が大きい場合には、印刷開始期間の加熱ロールの温度低下には対応できるが、印刷継続中安定した加熱ロールの表面温度は高温になり加熱ロールへの熱負荷を増大させ短寿命化を引き起こす。又、小さい場合には、印刷中安定した加熱ロールの表面温度は適切に制御できるが、印刷開始期間の加熱ロールの表面温度の温度低下は防げない。
【0010】
この状態は、高解像度印刷装置に於いて、定着装置でのトナー像の押し潰し軽減の為のゴム表面層加熱ロールを用いた場合、ゴム層である印刷用紙走行領域の熱伝達性が悪い為、発熱ランプによる加熱が直ぐに前記加熱ロール表面温度上昇効果として伝わりずらく前記傾向が顕著に現れる。又、間歇印刷時にも熱負荷の変動が大きくなる為、前記傾向が顕著に現れる。
【0011】
このように加熱ロールの表面温度がトナー像定着に適切な或温度よりも外れた状態で印刷が行われると、加熱ロールはトナー像定着に適切な熱量を供給できない為、部分的な熱量過少による定着不良など印刷品質不均一という問題を引き起こしていた。
【0012】
このような状況を避ける為、加熱ロールの表面温度を直接検出するセンサ、例えばサーミスタによる接触温度検出や温度低下を見越したサーミスタ制御値の高温設定等の手法が取られるが、しかし、この方法では加熱ロールへの損傷による短寿命対策や、絶対値温度の測定機構の追加等が必要となり、構造の大型化、複雑化、コストアップを引き起こしていた。
【0013】
本発明の目的は、加熱ロールの寿命を縮めることなく、印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度低下を軽減し、常に安定した印刷品質を得ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、加熱ロールと加圧ロールからなる一対の定着ロールの前記加熱ロール内部に複数の発熱ランプを配置し、前記加熱ロールの軸方向に所定間隔で配置され且つ該加熱ロール外周面に対し間隔をなして配置された複数個のサーミスタと、前記加熱ロール外周面の一部に設けられたサーモライトチップと、前記サーモライトチップに対向可能に配置されたセンサヘッドからなる2種類の温度センサとを有し、上記2種類のセンサの出力、またはいずれか一方のセンサの出力に応じて前記発熱ランプのON/OFF制御を行なう制御手段を持ち、且つ前記サーモライトチップが所定の温度に達するまで発熱ランプを一定の割合で点灯させ、前記サーモライトチップ温度検出時のそれぞれのサーミスタ出力値をセンサ基準値とし、印刷開始期間とそれ以降の印刷継続期間にて前記センサ基準値各々に異なる補正値を加算したサーミスタ制御値へ変換し、前記サーミスタ制御値にて前記加熱ロールの表面温度を制御する手段を有することにより解決される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1、図2、図3を用いて説明する。図1に於いて、図4と同一部分部材については、同一記号を付しその説明は省略する。制御部11は、従来例と同様に、温度センサ10a、10bにより、前記加熱ロール5の表面温度がトナー像定着に必要な或温度に達したことが検出された際の前記温度センサ12各々の出力値をセンサ基準値として記憶する。次に、印刷開始期間、例えば図示していないプリンタ動作を制御する制御部からの印刷実効司令により印刷が開始され、前記加熱ロール5の表面温度が低下し復活する或一定期間、温度センサ12a、12b、12c各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為の或任意の補正値Aを前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。
【0016】
更に、前述の一定期間終了後、温度センサ12a、12b、12c各々と前記加熱ロール5との隙間により生じる温度誤差を補正する為の或任意の補正値Bを前記センサ基準値各々に加算してサーミスタ制御値へ変換させ、前記発熱ランプ6をON/OFFさせる為の基準値として採用する。これをプリンタ動作を制御する前記制御部からの印刷実行司令終了迄の期間つまり印刷終了迄で継続する。
【0017】
前記補正値A及び補正値Bは採用される期間により適切な異なる値であり、これにより、印刷期間中の前記サーミスタ制御値は、開始一定期間とそれ以降継続期間とで二通りになる。
【0018】
図2は、印刷開始時に於ける、前記温度センサ12のセンサ基準値と補正値を加算し変換した前記サーミスタ制御値の関係を表す実施例である。
【0019】
又、図3は、印刷開始時に於ける、前記加熱ロール5の表面温度推移を示す実施例である。
【0020】
前記期間中に、前記温度センサ12a、12b、12c各々の出力値を前記サーミスタ制御値になるように、任意の発熱ランプ6a、6b、6c、6dを任意時期、任意時間点灯させ、前記温度センサ10a、10bが前記トナー像定着に必要な或温度を検出した際の前記加熱ロール5の温度及び温度分布を再現させるように前記制御部11にて制御している。
【0021】
前記したように、印刷開始より前記制御部11によって、前記サーミスタ制御値にて前記加熱ロール5の表面温度を制御している。これにより、印刷開始期間では、前記加熱ロール5の表面温度が或温度分上昇した所にて制御されることになる。前記加熱ロール5がこのような温度状態で印刷開始されることにより、印刷用紙1及びトナー像2への熱供給による、前記加熱ロール5表面温度の急激な低下は発生しなくなり、前記温度センサ12各々の出力値がサーミスタ制御値を大きく下回ることはなくなる。
【0022】
更に、印刷が継続され印刷開始期間が終了すると直ちにサーミスタ制御値が変更され、前記加熱ロール5の表面温度は下げられ、温度過上昇することはない。
【0023】
このように、前記印刷用紙1及び前記トナー像2への熱供給を続け適正なサーミスタ制御値へ戻すように前記制御部11にて制御されても、前記温度センサ12各々の出力値が適正なサーミスタ制御値へ戻るまでの時間が短縮されることになる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、発熱ランプは使用印刷用紙、印刷速度等の印刷条件の異なるプリンタに対して、常に均一な熱量を加熱ロールへ供給できるようにしたので、印刷開始時の加熱ロールの表面温度低下を防ぎ、且つ印刷継続期間中の加熱ロールの表面温度を適切に制御できる為、加熱ロールの損傷や定着不良や文字にじみなどの印刷品質の低下を防ぐことができ、かつ安価な定着装置を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による印刷開始時に於ける温度センサのセンサ基準値と補正値を加算し変換したサーミスタ制御値の関係を示す図である。
【図3】本発明による印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度推移を示す図である。
【図4】従来の定着装置の一例を示す概略図である。
【図5】従来例における印刷開始時に於ける温度センサのセンサ基準値と補正値を加算し変換したサーミスタ制御値の関係を表す図である。
【図6】従来例における印刷開始時に於ける加熱ロールの表面温度推移を示す図である。
【符号の説明】
1…印刷用紙、2…トナー像、部3…予熱板、4…ヒータ、5…加熱ロール、6a、6b、6c、6d…発熱ランプ、7…支持体、8…加圧ロール、10b…温度センサ、10a…温度センサ、11…制御12a…温度センサ、12b…温度センサ、12c…温度センサ13…制御部。
Claims (1)
- 加熱ロールと加圧ロールからなる一対の定着ロールの前記加熱ロール内部に複数の発熱ランプを配置し、前記加熱ロールの軸方向に所定間隔で配置され且つ該加熱ロール外周面に対し間隔をなして配置された複数個のサーミスタと、前記加熱ロール外周面の一部に設けられたサーモライトチップと、前記サーモライトチップに対向可能に配置されたセンサヘッドからなる2種類の温度センサとを有し、上記2種類のセンサの出力、またはいずれか一方のセンサの出力に応じて前記発熱ランプのON/OFF制御を行なう制御手段を持ち、且つ前記サーモライトチップが所定の温度に達するまで発熱ランプを一定の割合で点灯させ、前記サーモライトチップ温度検出時のそれぞれのサーミスタ出力値をセンサ基準値とし、印刷開始期間とそれ以降の印刷継続期間にて前記センサ基準値各々に異なる補正値を加算したサーミスタ制御値へ変換し、前記サーミスタ制御値にて前記加熱ロールの表面温度を制御する手段を有することを特徴とする、電子写真式印刷装置の定着装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268147A JP2004109182A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 電子写真印刷装置の定着装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002268147A JP2004109182A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 電子写真印刷装置の定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004109182A true JP2004109182A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266447
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JP2002268147A Pending JP2004109182A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 電子写真印刷装置の定着装置 |
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JP (1) | JP2004109182A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006259744A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Toshiba Corp | 定着装置、加熱装置制御方法および非接触温度検出装置 |
JP2018116232A (ja) * | 2017-01-20 | 2018-07-26 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置及び画像形成装置 |
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2002
- 2002-09-13 JP JP2002268147A patent/JP2004109182A/ja active Pending
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JP2006259744A (ja) * | 2005-03-17 | 2006-09-28 | Toshiba Corp | 定着装置、加熱装置制御方法および非接触温度検出装置 |
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