JP2000330408A - 定着装置、画像形成装置およびその制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置およびその制御方法

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JP2000330408A
JP2000330408A JP11136873A JP13687399A JP2000330408A JP 2000330408 A JP2000330408 A JP 2000330408A JP 11136873 A JP11136873 A JP 11136873A JP 13687399 A JP13687399 A JP 13687399A JP 2000330408 A JP2000330408 A JP 2000330408A
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JP11136873A
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Yuji Toyama
裕二 遠山
Nagakatsu Sudo
永勝 須藤
Motonori Kirihara
基範 桐原
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Data Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続して印刷を行なう場合でも、ヒートロー
ラの温度低下に起因して定着不良が生じるのを防止する
こと。 【解決手段】 定着不良が生じる可能性がある状況、具
体的には、幅の狭い用紙をあらかじめ定められた枚数だ
け連続して印刷をした場合には、印刷を一時休止する。
そして、この休止期間中、まず、ヒートローラの温度を
一旦ある程度下げることで、その温度分布を均一化す
る。その後、改めてヒートローラを昇温させた上で、印
刷を再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の装
置に用いられる定着装置、およびこれを備えた画像形成
装置、画像形成装置の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図39は従来の電子写真方式のプリンタ
の印刷プロセスを説明するための概略構造図である。電
子写真方式のプリンタでは、所定の搬送経路を通じて用
紙を搬送するとともに、この搬送経路に沿って配置され
た印刷ユニット100および定着装置107によって、
搬送されてきた用紙に対して印刷を行うようになってい
る。すなわち、印刷ユニット100の備える感光ドラム
101上には、後述する印刷プロセスによって、印字デ
ータに応じたトナー像が形成される。搬送されてきた用
紙115が、印刷ユニット100の備える感光ドラム1
01と転写ローラ105との間の転写部に到達すると、
このトナー像が転写ローラ105によって用紙115に
転写される。その後、この用紙115は、定着装置10
7において、加熱および加圧されることで、そのトナー
像が定着される。
【0003】なお、実際の装置では、印刷プロセスを実
行する上述した印刷ユニット100の前段には、図39
に示すとおり、用紙の斜行等を矯正するレジストローラ
対112が配置されている。また、搬送経路の各所には
必要に応じて用紙を検出するセンサ(書込みセンサ11
3、排出センサ114)が設置されており、これによっ
て各部の動作タイミングを用紙の搬送位置と同期させる
ようになっている。
【0004】次にプリンタにおける印刷プロセスについ
て説明する。
【0005】電子写真方式のプリンタの印刷プロセスに
は、主に(1)帯電、(2)露光、(3)現像、(4)
転写、(5)クリーニング、(6)定着のプロセスがあ
る。
【0006】まず、この印刷プロセスを図39を用いて
簡単に説明すると、帯電プロセスでは、感光ドラム10
1に接触している帯電ローラ102にDC電圧を印加す
ることにより、感光ドラム101を均一に(−)電位に
帯電させる。次に、露光プロセスにて、光源103(例
えば、レーザ、LED)から感光ドラム101表面に画
像信号を示す光が照射され、感光ドラム表面の光照射部
は表面電位が減衰し、画像信号に応じた静電潜像が形成
される。現像プロセスにおいて、(−)に帯電したトナ
ーが現像ローラ104を介して感光ドラム101と接触
し、静電力でトナーが感光ドラム上の静電潜像上に付着
し、トナーによる像に変える。そして、転写プロセスに
て、感光ドラム101表面に用紙に重ねて、裏面から転
写ローラ105により、トナーと逆極性の電荷(+)を
与え静電力でトナーを用紙に転写させる。クリーニング
プロセスにて、クリーニングローラ106又は、転写後
の感光ドラム101上の残留トナーを除去し、10枚印
刷実行後等のタイミングでクリーニングシーケンスとし
て、吸引した残留トナーを感光ドラム101を介して現
像部へ戻す。この方式をこれ以降「トナーリサイクル方
式」と呼ぶ。最後にトナーが転写された用紙は、定着プ
ロセスにて、未定着トナー像が、定着装置107の備え
るヒートローラ108およびバックアップローラ109
による熱と圧力によって、用紙に融着される。
【0007】次に、定着装置107について図39およ
び図40を用いてさらに詳細に説明する。
【0008】図40は、定着装置107と用紙115の
位置関係を示したものである。
【0009】定着装置107は、図39に示すとおり、
ヒートローラ108、及び該ヒートローラ108に圧接
させられたバックアップローラ109等を備えて構成さ
れている。また、ヒートローラ108は、図40に示す
ように、中空状のローラ本体108aと、該ローラ本体
108a内に軸方向に延在させて配設されたハロゲンラ
ンプ等から成るヒータ108bとを備えて構成されてい
る。従って、ヒータ108bによってローラ本体108
aをあらかじめ所定の温度にまで加熱した状態におい
て、トナー像が転写された用紙をヒートローラ108と
バックアップローラ109とによって挟持搬送すること
で、トナー像を加熱加圧して定着させることができる。
【0010】定着の際には、その定着温度、すなわち、
トナーに直接触れてこれを加熱するヒートローラ108
の表面の温度が重要である。そのため、ヒートローラ1
08の表面の温度を、ヒートローラ108の表面に触れ
て設置されたサーミスタ110によって検出するように
なっている。そして、該サーミスタ110の出力信号に
基づいてヒータ108bへの通電を制御することで、ヒ
ートローラ108の表面温度を正確に定着温度に保って
いる。
【0011】通常、サーミスタ110は、図40に示す
ように、ヒートローラ108に対し、使用される最も大
きい用紙幅(例えばA4サイズ幅)の外側に配設され
る。その理由は、以下の通りである。つまり、定着動作
時にはヒートローラ108の表面温度は150℃〜18
5℃に設定制御され、印刷済み用紙115上にトナーが
加熱定着される。しかし、用紙115の種類と定着温度
が適正でなかった場合は、トナーが完全に用紙上に定着
されずにヒートローラ本体108aの表面に残り、これ
がサーミスタ110にこびりついてしまう。このこびり
ついたトナーは、印刷を繰り返すことによりトナー塊と
なり、最後には印刷済み用紙115上に落下し、印刷品
質低下問題を引き起こす。そのため、このようなトナー
のこびりつきを予防するべく、一般的には印刷用紙幅の
範囲外にサーミスタ110を配設している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の装置では、以下に示す問題があった。
【0013】印刷する媒体(用紙)の幅がヒートローラ
108の長さに較べて狭い場合、例えばA4プリンタに
おけるハガキやB5、A5、A6サイズの用紙などの場
合、その用紙を印刷する際には、ヒートローラ108の
一部の領域だけが用紙に触れることになる。ヒートロー
ラ108表面では用紙に触れる部分のみが熱を奪われ
る。そのため、幅の狭い用紙を連続印刷した場合には、
ヒートローラ108の熱分布に偏りが発生してしまう。
【0014】ところで、ヒートローラ108の温度を正
確に検出するため、サーミスタ110は、図42に示す
ように、ある程度のテンションをもってヒートローラ1
08に接触している必要がある。そのため、サーミスタ
110は、ヒートローラ108における用紙に接触する
範囲(最大A4サイズの用紙が印刷可能なプリンタの場
合、そのA4サイズ用紙が接触する範囲)外に設置され
ている。そのため、幅の狭い用紙を連続印刷する等して
ヒートローラ108の熱分布に偏りが発生している場合
には、ヒートローラ108における用紙に触れる部分す
なわち実際に定着に用いられる部分の温度を正確には検
出できない。また、ヒートローラ108の温度低下がサ
ーミスタ110による温度検出位置(図40におけるa
部)まで伝わるのに時間がかかるため、その間はヒータ
による加熱が行われず、所定の温度よりも低いままで定
着処理が行われてしまう。例えば、図41に示すよう
に、サーミスタ110の検出温度が170℃であるにも
関わらず、はがきに触れるヒートローラ108の中央部
の温度(図40におけるb部での温度)は161℃とな
ることもあり、この場合には本来の設定値よりも9℃も
低い温度で定着処理が行われることになってしまう。
【0015】このような低い温度で定着処理を行った場
合には、定着不良障害が発生することがあった。このよ
うな定着不良障害が発生している場合には、印刷内容が
少しの摩擦で消えたり、用紙が汚れたりする。このよう
な問題は、ヒートローラ108から奪う熱量が大きい用
紙、つまり、はがき等の厚い用紙を連続して多数枚印刷
する場合に特に顕著であった。
【0016】このような問題を解決し定着性能を改善す
るため、これまでにも様々な提案がなされてきた。例え
ば、定着装置の温度制御における目標温度を印刷時には
常時高めに設定する方法が提案されていた。しかし、こ
の方法では、用紙がカールしてしまうという新たな問題
が生じた。またこの他にも、定着装置周辺へダメージを
与え、装置寿命が短くなってしまうという問題も生じ
た。さらには、消費電力が増大するという問題もあっ
た。
【0017】また、他の方法として、常時、印刷と印刷
との間に休み時間を入れて、ヒートローラ108全体の
温度が均一になるまで印刷周期を長くすること(間欠印
刷)も提案されてきた。しかし、このような間欠印刷で
は、印刷速度の高速化ができないという問題があった。
【0018】さらに別の方法として、はがき等の特殊媒
体と、A4サイズの普通紙とで2種類の印刷モードを備
えることが提案されてきた。しかし、この方法では、制
御回路及び部品等のコストが上昇するという問題があっ
た。また、装置の開発期間、特に、媒体評価等に要する
期間が長期化するという問題があった。
【0019】本発明は、複数枚にわたって連続して印刷
を行う場合、特に、幅の狭い用紙へ連続して印刷する場
合でも安定した定着性能を得ることのできる、定着装
置、画像形成装置およびその制御方法を提供することを
目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであり、第1の態様としては、
用紙に未定着の画像を形成するとともに、該用紙を、そ
の温度が制御された加熱部を通過させて画像を定着させ
ることで、印刷を行う画像形成装置の制御方法におい
て、印刷に供される用紙の幅および印刷の枚数を監視
し、あらかじめ定められた基準よりも幅の狭い用紙があ
らかじめ定められた枚数だけ連続して印刷された場合に
は、定着動作を一旦休止させ、この休止中、前記加熱部
を昇温させた上で、定着動作を再開することを特徴とす
る画像形成装置の制御方法が提供される。
【0021】前記休止中には、前記加熱部の昇温に先立
って、前記加熱部の温度を一旦下げることが好ましい。
【0022】前記休止中における前記加熱部の昇温は、
所定の目標温度を超えることがないように制御しつつ行
うことが好ましい。
【0023】前記休止中における前記加熱部の昇温の際
の目標温度は、定着動作中における前記加熱部の温度制
御での目標温度よりも高いことが好ましい。
【0024】前記休止中における前記加熱部の昇温の際
の目標温度は、前記加熱部における部分ごとの温度分布
のばらつきを考慮して決定されていることが好ましい。
【0025】前記休止中、前記加熱部を昇温させた後、
さらに、定着動作中と同じ目標温度での温度制御を行っ
た上で、定着動作を再開することが好ましい。
【0026】本発明の第2の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに、該用紙を、その温度が制
御された加熱部を通過させて画像を定着させることで、
印刷を行う画像形成装置の制御方法において、印刷に供
される用紙の幅および印刷の枚数を監視し、あらかじめ
定められた基準よりも幅の狭い用紙があらかじめ定めら
れた枚数だけ連続して印刷された場合には、それ以後の
所定枚については、前記加熱部を昇温させつつ定着動作
を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方法が提供
される。
【0027】定着動作中に行う前記加熱部の昇温の際の
目標温度は、前記加熱部を昇温させることなく行う定着
動作中における前記加熱部の温度制御での目標温度より
も高いことが好ましい。
【0028】本発明の第3の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに、該用紙を、その温度が制
御された加熱部を通過させて画像を定着させることで、
印刷を行う画像形成装置の制御方法において、印刷に供
される用紙の幅および印刷の枚数を監視し、あらかじめ
定められた基準よりも幅の狭い用紙が連続して印刷され
た場合には、当該連続して印刷された枚数に応じて前記
加熱部の温度制御の目標値を設定することを特徴とする
画像形成装置の制御方法が提供される。
【0029】本発明の第4の態様としては、紙に未定着
の画像を形成するとともに、該用紙を、その温度が制御
された加熱部を通過させて画像を定着させることで、印
刷を行う画像形成装置の制御方法において、印刷に供さ
れる用紙の幅、長さ、厚さ、材質および温度のうちの少
なくとも一つを検出し、連続して印刷を行う場合におけ
る用紙間の時間間隔を、この検出結果に基づいて決定す
ることを特徴とする画像形成装置の制御方法が提供され
る。
【0030】前記時間間隔は、前記加熱部の温度が定着
に必要な温度にまで回復するに要する時間よりも長いこ
とが好ましい。
【0031】本発明の第5の態様としては、用紙に未定
着の画像を形成するとともに、該用紙を、その温度が制
御された加熱部を通過させて画像を定着させることで、
印刷を行う画像形成装置の制御方法において、前記加熱
部を冷却するとともに、印刷に供される用紙の幅、長
さ、厚さ、材質および温度のうちの少なくとも一つを検
出し、この検出結果に応じて冷却の程度を変更すること
を特徴とする画像形成装置の制御方法が提供される。
【0032】本発明の第6の態様としては、用紙上に未
定着の画像を形成する未定着画像形成手段と、前記画像
形成手段によって未定着の画像が形成された用紙に、所
望の量の熱を与えることで画像を定着させる定着手段と
を備え、前記定着手段は、その温度を所望の温度に制御
されここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、前記
画像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙を
前記加熱部を通過させる走行手段と、熱を発生しこれを
前記加熱部に付与する発熱手段と、用紙の幅を検出する
用紙幅検出手段と、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手
段と、前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手段
の検出結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があら
かじめ定められた値以下の用紙があらかじめ定められた
枚数だけ連続して印刷されたことを検出した場合には、
それ以後所定枚については、前記発熱手段によって前記
加熱部を昇温させつつ、前記走行手段によって前記用紙
を走行させる制御手段とを有することを特徴とする画像
形成装置が提供される。
【0033】本発明の第7の態様としては、用紙上に未
定着の画像を形成する未定着画像形成手段と、前記画像
形成手段によって未定着の画像が形成された用紙に、所
望の量の熱を与えることで画像を定着させる定着手段と
を備え、前記定着手段は、その温度を所望の温度に制御
されここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、前記
画像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙を
前記加熱部を通過させる走行手段と、熱を発生しこれを
前記加熱部材に付与する発熱手段と、用紙の幅を検出す
る用紙幅検出手段と、印刷枚数を計数する印刷枚数計数
手段と、前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手
段の検出結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があ
らかじめ定められた値以下の用紙があらかじめ定められ
た枚数だけ連続して印刷されたことを検出した場合に
は、前記走行手段による前記用紙の走行を停止させた上
で、前記発熱手段によって前記加熱部を昇温させ、その
後、前記走行手段による前記用紙の走行を再開させる制
御手段とを有することを特徴とする画像形成装置が提供
される。
【0034】本発明の第8の態様としては、用紙上に未
定着の画像を形成する未定着画像形成手段と、前記画像
形成手段によって未定着の画像が形成された用紙に、所
望の量の熱を与えることで画像を定着させる定着手段と
を備え、前記定着手段は、その温度を所望の温度に制御
されここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、前記
画像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙を
前記加熱部を通過させる走行手段と、熱を発生しこれを
前記加熱部材に付与する発熱手段と、用紙の幅を検出す
る用紙幅検出手段と、印刷枚数を計数する印刷枚数計数
手段と、前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手
段の検出結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があ
らかじめ定められた値以下の用紙が連続して印刷された
ことを検出した場合には、当該連続して印刷された枚数
に応じて、前記発熱手段による前記加熱部の温度制御に
おける目標値を設定する制御手段とを有することを特徴
とする画像形成装置が提供される。
【0035】本発明の第9の態様としては、用紙上に未
定着の画像を形成する未定着画像形成手段と、前記画像
形成手段によって未定着の画像が形成された用紙に、所
望の量の熱を与えることで画像を定着させる定着手段と
を備え、前記定着手段は、印刷に供される用紙の幅、長
さ、厚さ、材質および温度のうちの少なくとも一つを検
出する用紙性状検出手段と、その温度を所望の温度に制
御されここを通過する用紙に熱を付与する加熱部と、熱
を発生しこれを前記加熱部材に付与する発熱手段と、前
記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙
を前記加熱部を通過させる走行手段と、前記発熱手段を
制御して前記加熱部を所定の温度に制御するとともに、
前記用紙性状検出手段の検出結果に基づいて連続して定
着を行う場合における用紙間の時間間隔を決定し、前記
走行手段を制御することで該決定された時間間隔で用紙
を連続して前記加熱部を走行させる制御手段とを有する
ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0036】本発明の第10の態様としては、電子写真
方式の画像形成装置に用いられ、未定着の画像が形成さ
れた用紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着さ
せる定着装置において、用紙に熱を付与するための、用
紙の幅方向における長さが想定される用紙の幅よりも長
い、加熱部材と、熱を発生しこれを前記加熱部材に付与
する発熱手段と、未定着の画像が形成された用紙を前記
加熱部材の前記幅方向における中心部を通過させる走行
手段と、前記加熱部材の前記幅方向における端部近傍に
開口を残し、且つ前記加熱部材との間に隙間を形成した
状態で、前記加熱部材を覆うカバー部材と、前記カバー
部材と前記加熱部材との隙間にある空気を、前記開口か
ら前記加熱部材の前記幅方向における中心部に向けて流
し該中心部において排出させる通気手段とを備え、前記
カバー部材と前記加熱部材との隙間は、前記端部側より
も、前記加熱部材の中心部側の方が広いことを特徴とす
る定着装置が提供される。
【0037】本発明の第11の態様としては、用紙上に
未定着の画像を形成する未定着画像形成手段と、前記画
像形成手段によって未定着の画像が形成された用紙に、
所望の量の熱を与えることで画像を定着させる、前述し
た第10の態様の定着装置とを有することを特徴とする
画像形成装置が提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0039】本発明では、様々な手法によって、定着装
置(特に、ヒートローラ)の温度低下、温度の不均一化
を解消し、定着不良を防止している。以下において述べ
る実施の形態1〜実施の形態5は、ヒートローラを加熱
するヒータを制御すること等で解決を図った例である。
実施の形態6は、印刷枚数に応じて定着器の温度制御の
内容を補正することで解決を図った例である。実施の形
態7および8は、用紙のサイズ、材質などに応じて用紙
間隔を調整することで解決を図った例である。実施の形
態9は、ヒートローラの温度をより積極的に均一化する
機構(ファン等)を設けることで解決を図った例であ
る。以下、各実施の形態について詳細に説明する。
【0040】実施の形態1.本実施の形態1は、ヒート
ローラによる熱定着方式を使用した電子写真方式のプリ
ンタにおいて、印刷する用紙のサイズと印刷枚数とを管
理し、適宜、ヒートローラの温度分布を整える処理を行
うことによって常に最適な定着が行われるようにしたこ
とを主な特徴とする。具体的には、幅の狭い用紙の連続
印刷がある枚数に達した場合には、一旦、印刷を休止す
る。そして、ヒートローラ全体の温度を下げてウォーミ
ングアップ動作を行うことで、ヒートローラ全体を均一
且つ定着を行うのに十分な温度状態に戻した上で、印刷
を再開する。なお、本明細書において言う印刷あるいは
印刷動作の休止とは、厳密には、画像を定着させるため
に、用紙を走行させて定着器(特に、ヒートローラ)を
通過させる動作(定着動作)の休止を意味している。但
し、定着動作には、ヒートローラの温度制御は含まれな
い。
【0041】以下、詳細に説明する。
【0042】このプリンタは、図1に示すとおり、制御
部201が各種機構部(例えば、ドラムモータ210、
レジストモータ211、サーミスタ214、 LEDヘ
ッド215)を作動させることで印刷を行うようになっ
ている。なお、制御部201および機構部は、電源部2
02から供給される電力によって作動するようになって
いる。
【0043】本実施の形態1のプリンタは、制御部20
1に主な特徴を有する。機構部および電源部202につ
いては従来装置と同様である。従ってこれ以降はこの特
徴部分を中心に説明を行うことにする。
【0044】制御部201は、CPU203、プログラ
ムROM204、フォントROM205、RAM20
6、EEPROM207、インタフェース回路208、
モータ駆動回路209、定着器制御回路212、印刷デ
ータ制御回路213を備えている。
【0045】インタフェース回路208は、上位のホス
ト装置から送られてくる印刷データ、コマンド等を受信
するものである。本実施の形態1ではこのインタフェー
ス回路208として、セントロニクス規格に準拠したも
のを採用している。
【0046】モータ駆動回路209は、ドラムモータ2
10およびレジストモータ211の回転を制御するもの
である。このモータ駆動回路209は、CPU203か
らの指示に従って動作するように構成されている。な
お、ドラムモータ210は、ドラムカートリッジの感光
ドラム、トナータンク内のトナー撹拌バー、定着器のヒ
ートローラを駆動するものである。また、レジストモー
タ211は、用紙の供給、搬送を行うためのものであ
る。
【0047】定着器制御回路212は、ヒートローラの
温度を制御するためのものである。この定着器制御回路
212は、サーミスタ214の検知結果に応じてヒータ
をON/OFFすることで、ヒートローラを所望の温度
に制御する構成となっている。この定着器制御回路21
2は、CPU203からの指示に従って動作するように
構成されている。
【0048】印刷データ制御回路213は、印刷データ
に応じてLEDヘッド215を制御することで、感光ド
ラム上に静電潜像を形成するものである。この印刷デー
タ制御回路213は、CPU203からの指示に従って
動作するように構成されている。
【0049】CPU203は、プログラムROM204
に格納された制御プログラムを実行することで様々な機
能を実現している。例えば、モータ駆動回路209を介
して、ドラムモータ210、レジストモータ211を制
御する機能を備えている。また、サーミスタ214の検
知結果(温度)に応じて、定着器制御回路212を介し
て、ヒートローラの温度を制御する機能を備えている。
【0050】なお、CPU203が各種機能を実現する
際に必要となる様々なデータ等は、フォントROM20
5、RAM206、EEPROM207にあらかじめ、
あるいは、必要に応じて適宜格納されるようになってい
る。
【0051】不揮発性のEEPROM207は、プリン
タの各種設定情報や、印刷枚数などの情報が格納され
る。このEEPROM207に格納される情報として
は、例えば、後述する監視枚数、「幅の狭い用紙」とし
て指定された用紙サイズ等が挙げられる。監視枚数と
は、幅の狭い用紙を複数枚にわたって連続して印刷した
場合に、ヒートローラの温度、特に、中央部での温度が
低下し定着不良となる直前までの印刷枚数である。この
監視枚数はあらかじめ実験によって求められている。
【0052】RAM206は、各種バッファメモリ、ワ
ーキングメモリとして使用される。特に、本実施の形態
1においてこのRAM206に、レジスタ(size_
count)を備えている。後述するとおり、このレジ
スタ(size_count)は、幅の狭い用紙が連続
して印刷される枚数を計数するために用いられる。
【0053】フォントROM205には、印字用のフォ
ントが格納されている。
【0054】本実施の形態1におけるCPU203の処
理動作を図2、図3を用いて説明する。
【0055】ここでは、プリンタの電源投入時に実行さ
れるパワーON処理(図2)と、印刷時に実行されるペ
ージプリント処理(図3)とについて説明する。
【0056】まず、パワーON処理を(図2)を用いて
説明する。
【0057】電源が投入されると、CPU203は所定
の初期処理を行う(ステップ300)。続いて、レジス
タsize_countをクリアする(ステップ30
2)。
【0058】次に、ページプリント処理を図3を用いて
説明する。
【0059】CPU203は、これから印刷する用紙
が、幅の狭い用紙であるか否かを判定する(ステップ3
11)。この判定は、EEPROM207に格納されて
いる情報において、その幅があらかじめ指定されたサイ
ズ以下の用紙であるか否かに基づいて判定する。また、
これまで特に説明していなかったが、用紙カセットには
用紙サイズを検出するためのセンサ(不図示)が設置さ
れており、この時印刷に供される用紙のサイズはこのセ
ンサの検出結果に基づいて得ている。
【0060】ステップ311における判定の結果、幅の
狭い用紙でなかった場合には、CPU203は、レジス
タ(size_count)をクリアする(ステップ3
12)。その後、印刷起動処理(ステップ318)、1
ページ印刷処理(ステップ319)を行うことで印刷を
行う。なお、この印刷起動処理(ステップ318)、1
ページ印刷処理(ステップ319)については、本実施
の形態の特徴ではないため説明を省略する。
【0061】ステップ311における確認の結果、幅の
狭い用紙であった場合は、レジスタ(size_cou
nt)の値、すなわち幅の狭い用紙の連続印刷枚数が、
監視枚数(設定値)に達しているか否かを判定する(ス
テップ313)。判定の結果、監視枚数(設定値)に達
していなかった場合は、CPU203はレジスタ(si
ze_count)の値をインクリメント(+1)する
(ステップ314)。この後は、印刷起動処理(ステッ
プ318)、1ページ印刷処理(ステップ319)を行
うことで、印刷を行う。
【0062】一方、ステップ313における判定の結
果、レジスタ(size_count)の値が監視枚数
(設定値)に達していた場合には、CPU203は、印
刷を一時休止するプリンタ休止処理を実行することで、
ヒートローラ全体の温度を下げる(ステップ315)。
そして、ヒートローラの温度が十分に下がった後、ウォ
ーミングアップ処理を実行することで、ヒートローラの
温度を均一にする(ステップ316)。なお、ここで言
うウォーミングアップ動作とは、定着処理に備えて、所
定の温度にまでヒートローラを昇温させる動作である。
その後、CPU203は、レジスタ(size_cou
nt)をクリアする(ステップ317)。この後、CP
U203は、印刷を再開するべく、印刷起動処理(ステ
ップ318)、1ページ印刷処理(ステップ319)を
実行する。
【0063】以上の一連の処理によって、幅の狭い用紙
の連続印刷枚数が監視枚数に達した場合には、一旦印刷
を休止し、ヒートローラの温度を均一且つ定着に十分な
程度にまで回復させたうえで、印刷を再開することにな
る。
【0064】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラの温度変化の様子を図4に示した。図4から
わかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷した後、所
定時間だけヒートローラの加熱を休止することで、ヒー
トローラ全体でその温度が低下する。この場合、ヒート
ローラの中央部と端部付近とでは温度差があり、温度の
高い端部付近から温度の低い中央部への熱の移動があ
る。そのため、中央部付近での温度低下は、端部付近で
の温度低下に較べて緩やかであり、ウォーミングアップ
(加熱)を開始する頃には両部分での温度差は小さくな
る。このように温度分布がある程度均一になった状態
で、ウォーミングアップ(加熱)を開始することで、ヒ
ートローラ全体をほぼ均一に昇温させることができる。
【0065】なお、印刷途中でプリンタの電源が切られ
た場合は、電源投入時に再度ウォーミングアップ動作か
ら再開される。そのため、電源OFFに伴って幅の狭い
用紙を連続して印刷した枚数の計数値がリセットされて
も問題は無く、不揮発性メモリに設定する必要はない。
【0066】以上説明したとおり本実施の形態1のプリ
ンタでは、幅の狭い用紙を連続印刷する場合でも、定着
器(ヒートローラ)の温度を適正且つ均一に保つことが
できる。そのため、ヒートローラの部分的温度低下に起
因した定着不良を防止できる。しかも、本実施の形態1
では特別な機構部や回路等を必要としないため、本発明
を適用するにあたって、装置コストの上昇はほとんどな
い。また、適用も容易である。
【0067】なお、「幅の狭い用紙」に含まれる実際の
用紙サイズは、ヒートローラの幅との関係で定まるもの
であり、特に限定されるものではない。
【0068】実施の形態2.本実施の形態2は、電子写
真方式のプリンタにおいて、幅の狭い用紙を所定枚数だ
け印刷した後には、強制的にヒータをONにしてヒート
ローラを加熱することを主な特徴とする。なお、本実施
の形態2では、この「幅の狭い用紙」として、その幅が
はがきサイズ以下の用紙を想定している。
【0069】まず、本実施の形態2におけるプリンタの
概要を図5を用いて説明する。
【0070】図5は、本実施の形態2におけるプリンタ
の概要を示す模式図である。
【0071】このプリンタでは、所定の搬送経路を通じ
て用紙を搬送するとともに、この搬送経路に沿って配置
されたドラムユニット422および定着装置413によ
って、搬送されてきた用紙に対して印刷を行うようにな
っている。すなわち、図5に示すように、プリンタ本体
421の内部には、その最下部に未印刷の用紙を収容し
た給紙カセット427およびこの給紙カセット427か
ら用紙419を繰り出すための給紙ローラ428が配置
されている。一方、プリンタ本体421の後端上部(図
5における左方部)には、印刷後の用紙が排出される排
紙装置429が配置されている。そして、この給紙カセ
ット427から排紙装置429に至る搬送経路およびこ
の搬送経路に沿って用紙を搬送する搬送機構が備えられ
ている。
【0072】ドラムユニット422には、感光ドラム4
11、帯電装置(不図示)、現像装置(不図示)、クリ
ーニング装置(不図示)等が収容されている。この感光
ドラム411は、帯電装置によって一様且つ均一に帯電
させられ、さらに露光装置424によって露光されるこ
とで、その表面に印字データに応じた静電潜像が形成さ
れる。さらに、現像装置によって、この感光ドラム41
1の表面にトナーが付着させられることで、静電潜像が
トナー像にされる。
【0073】上述した搬送機構によって給紙カセット4
27から搬送されてきた用紙419が、印刷ユニットの
備える感光ドラム411と転写ローラ416との間の転
写部に到達すると、このトナー像が転写ローラ416に
よって用紙419に転写される。その後、この用紙41
9は、定着装置413において、加熱および加圧される
ことで、そのトナー像が定着される。そして、最終的に
は排紙装置429へ排出されることになる。
【0074】なお、トナー像が転写された後の感光ドラ
ム411の表面には図示しないトナーが残留するが、該
トナーは、クリーニング装置(不図示)によって除去さ
れるようになっている。
【0075】以上で概要説明を終わる。
【0076】先に述べたとおり本実施の形態2は定着装
置の温度制御に主な特徴を有するものである。従ってこ
れ以降は、この特徴部分を中心に説明を行うことにす
る。
【0077】図6は、本実施の形態2における定着装置
および制御装置の回路図である。
【0078】定着装置413は、図6に示すように、ヒ
ートローラ414、及び該ヒートローラ414に圧接さ
せられたバックアップローラ415(図5参照)、サー
ミスタ436等を備えて構成されている。また、ヒート
ローラ414は、中空状のローラ本体414aと、及び
該ローラ本体414a内に軸方向に延在させて配設され
たヒータ414bとを備えて構成されている。
【0079】ヒータ414bは、ローラ本体414aを
加熱するためのものであり、ハロゲンランプ等で構成さ
れている。このヒータ414bへの通電は、後述する制
御素子430cによって制御される構成となっている。
【0080】サーミスタ436は、ヒートローラ414
の表面の温度を検出するためのものであり、ローラ本体
414aの表面に触れて設置されている。該サーミスタ
436の出力信号は後述する温度監視回路430bへ出
力されて、ヒートローラ414の表面温度の制御に用い
られている。
【0081】操作装置431は、使用者からの指示操作
を受け付けるためのものであり、テンキー、電源投入キ
ー等を備えて装置上面に配置されている。この操作装置
431が受け付けた指示内容は、制御部430aを出力
されるようになっている。
【0082】制御装置430は、このプリンタ全体を制
御統括するためのものである。この制御装置430は、
図6に示すとおり、定着装置413の温度を制御するた
めの機構として、制御部430a、温度監視回路430
bおよび制御素子430cを備えている。
【0083】温度監視回路430bは、ヒートローラ4
14の表面温度が設定範囲内に収まっているかどうかを
判定するためのものであり、サーミスタ436によって
得られた電圧Esと、いずれも基準電圧としての上限値
V3、目標値V2及び下限値V1とをそれぞれ比較し、
比較結果を2ビットのデータPA1,PA0として制御
部430aに対して出力するようになっている。なお、
下限値V1、目標値V2及び上限値V3は、ヒートロ
ーラ414の設定温度の下限温度T1、目標温度T2及
び上限温度T3に対応する電圧である。
【0084】本実施の形態2における温度監視回路43
0bは、具体的には、図7に示したとおり、コンパレー
タ440〜442、インバータ443を組み合わせて構
成されている。そして、各コンパレータ440〜442
の反転入力端子(−)にはサーミスタ436と抵抗R1
との接点の電圧Esが入力され、一方、非反転入力端子
(+)には目標値V2、上限値V3及び下限値V1がそ
れぞれ入力されている。そして、コンパレータ440の
出力は、インバータ443によって反転させられて、デ
ータPA1として出力される。また、コンパレータ44
1,442の出力はデータPA0とされている。なお、
これら設定電圧(V1、V2、V3)は、制御部430
aからの指示に従って電源回路437から入力されるよ
うに構成されている(図6参照)。
【0085】ところで、ヒートローラ414の温度制御
範囲は、図8に示すように、上限値V3、目標値V2及
び下限値V1によって動作領域A〜Dに区分される。そ
して、データPA0,PA1の内容は、電圧Esと電圧
V3,V2,V1との大小関係に応じて、すなわちヒー
トローラ414の表面温度が動作領域A〜Dのいずれの
区分に相当するかに応じて図9に示すように変化する。
データPA0は、電圧Esが下限値V1以下である場合
あるいは上限値V3より高い場合、つまりヒートローラ
414の表面温度が動作領域B,Cにある場合には、ロ
ーレベル(L)になる。逆に、電圧Esが下限値V1よ
り高く且つ上限値V3以下である場合、つまりヒートロ
ーラ414の表面温度が動作領域A,Dにある場合に
は、ハイレベル(H)になる。データPA1は、電圧E
sが目標値V2より高い場合、つまりヒートローラ41
4の表面温度が動作領域Cにある場合にはハイレベル
(H)になる。逆に、電圧Esが目標値V2以下である
場合、つまりヒートローラ414の表面温度が動作領域
Dにある場合にはローレベル(L)になる。
【0086】制御素子430cは、制御部430aから
入力される信号に従って、ヒータ414bへの通電をO
N/OFFするものである。
【0087】制御部430aは、温度監視回路430b
から入力される情報(データPA1、PA0)、操作装
置431が受け付けた指示入力等に基づいて制御素子4
30cを制御することで、ヒータ414cをON/OF
Fさせてヒートローラ414の表面温度を制御するもの
である。本実施の形態2においては、図9に示すよう
に、ヒートローラ414の表面温度が動作領域A,Bに
ある場合にはヒータ414bをONにし、動作領域C,
Dにある場合にはヒータ414bをOFFするようにな
っている。また、この制御部430aは、その時の用紙
に応じて温度制御の基準となる各種設定温度(下限温度
T1、目標温度T2及び上限温度T3)を決定するとと
もに、決定した設定温度に応じて各種設定電圧(下限値
V1、目標値V2及び上限値V3)を設定しこれを温度
監視回路430bに対して出力させる機能を備えてい
る。実際の制御部430aは、温度制御プログラム等が
格納されたメモリ、およびこの温度制御プログラムを実
行するCPU等を含んで構成されている。このメモリに
は、制御に際して必要な様々なデータ等も格納されてい
る。特に本実施の形態2においては、定着性能低下検出
カウンタが設定されている。また、設定温度情報、連続
印刷速度(M)、定着限界枚数(m)、基準加熱時間
(t0)、定着OK印刷速度(N)および間欠印刷速度
が格納されている。また、下限温度T1、下限温度T1
に対応する電圧(下限値V1)、上限温度T3、上限温
度T3に対応する電圧(上限値V3)も格納されてい
る。これらの詳細は以下の通りである。
【0088】定着性能低下検出カウンタとは、幅の狭い
用紙を連続して印刷する際にその印刷枚数をカウントす
るためのものである。
【0089】設定温度情報とは、用紙サイズと目標温度
T2と電圧V2とを対応づけたものである。
【0090】連続印刷速度(M)とは、連続的に印刷を
行う場合の印刷速度である。
【0091】定着限界枚数(m)とは、幅の狭い用紙を
連続印刷速度(M)で複数枚にわたって連続して印刷し
た場合に、ヒートローラ414の温度が不均一となり、
ヒートローラ414の端部(厳密には、サーミスタ43
6による検出位置)における温度Taに較べてヒートロ
ーラ414の中央部温度Tbが低下して、定着不良とな
る直前までの印刷枚数である。但し、ヒートローラ41
4に生じる温度低下の程度は使用環境等によって大きく
異なるため、その具体値は想定される使用環境を十分考
慮した上で設定する必要がある。
【0092】基準加熱時間(t0)とは、幅の狭い用紙
を定着限界枚数(m)だけ連続印刷速度(M)で印刷し
たことに起因してヒートローラ414の中央部に温度の
低下が生じている状態において加熱を行った場合に、ヒ
ートローラ414の中央部温度Tbが端部温度Taと同
等となることが予定される時間である。なお、ヒートロ
ーラ414及びバックアップローラ415の全周につい
て表面温度を均一にするためには、この基準加熱時間
(t0)は、ヒートローラ414及びバックアップロー
ラ415が少なくとも1回転するのに要する時間以上に
することが好ましい。
【0093】間欠印刷速度とは、印刷と印刷との間に所
定の休み時間を取りながら行う場合(間欠印刷)の速度
である。こ間欠印刷速度は、幅の狭い用紙を連続して印
刷しても、ヒートローラ414の不均一な温度低下に起
因して定着不良が生じないような速度が設定されてい
る。本実施の形態2では、間欠印刷速度として、後述す
る定着OK印刷速度(N)が設定されている。但し、後
述するとおり本実施の形態2における印刷速度の調整
は、印刷と印刷との時間間隔を調整することで行われて
いる。印刷プロセスにおける用紙の搬送速度を変更して
いるわけではない。
【0094】定着OK印刷速度(N)とは、幅の狭い用
紙を連続して印刷しても、ヒートローラ414の不均一
な温度低下に起因した定着不良が生じないような印刷速
度の上限値である。但し、先に述べたとおり、本実施の
形態2における印刷速度の調整は、印刷と印刷との時間
間隔を調整することで行われている。そのため、この定
着OK印刷速度(N)は、実際には、印刷と印刷との時
間間隔の最小値として定義されている。なお、本実施の
形態2では、あらかじめ実験で確認された実験の結果に
基づいて、この定着OK印刷速度(N)として5枚/分
に対応する時間間隔が設定されている。
【0095】なお、制御装置430は、この他にも、ド
ラムユニット422、搬送機構等を制御するための様々
な駆動回路等を備えている。制御装置430は、制御部
430aとこれら各種駆動回路とが連携して機能するこ
とで、画像の形成、用紙の搬送等を制御、実行する機能
を備えている。
【0096】次に本実施の形態2における動作を図10
および図11に基づいて説明する。
【0097】図10は定着装置及び制御装置の動作を示
すフローチャートである。図11は定着装置及び制御装
置の動作を示すタイムチャートである。
【0098】印刷処理は、制御装置430によって実行
される様々な処理が互いに連携することで構成されてい
る。ここで言う印刷処理には、例えば、印字データのイ
メージデータへの展開、用紙の搬送制御、印刷データに
応じた画像の形成処理等が挙げられる。実際の印刷は、
ヒートローラ414の温度制御とは、別に、この印刷処
理を印刷データの枚数分だけ繰り返すことで行われる。
本実施の形態2では、ヒートローラの表面温度が低下し
ていると思われる場合に限り、印刷処理を起動する前に
ヒートローラを加熱している。これは印刷処理の内容そ
のものを変更するものではない。従って、ここでは印刷
処理と印刷処理との間において、制御部430aによっ
て実行される制御を中心に説明を行い、印刷処理そのも
のの詳細については説明を省略する。
【0099】操作装置431または図示しない上位装置
から印刷の指示、一連の印刷データ等が送られてくる
と、制御部430aは、幅の狭い用紙(ここでは、はが
き)への印刷であるか否かを判定する(S1)。判定の
結果、はがきへの印刷であった場合には、S2へ進む。
【0100】S2において、制御部430aは、ヒート
ローラ414をはがきへの印刷に適した目標温度T2
(例えば、170℃)に制御するべく、温度監視回路4
30bのコンパレータ440の基準電圧として目標値V
2を設定する(S2)。これ以降、制御部430aは、
温度監視回路430bから入力されるデータPA0,P
A1に応じてヒータ414bを適宜ON/OFFさせる
ことで、ヒートローラ414の温度をこの目標温度T2
に保つ。
【0101】このとき、制御装置430は、ヒートロー
ラ414が目標温度T2に達したのを確認した上で、各
部を作動させて1枚だけ印刷を行わせる。
【0102】印刷が行われたのを確認すると、制御部4
30aは定着性能低下検出カウンタを+1する(S
3)。続いて、この定着性能低下検出カウンタの値を読
み取るとともに、その値が2以上であるか否かを判定す
る(S4)。判定の結果、定着性能低下検出カウンタの
値が2よりも小さかった場合には、S2に戻り同様の処
理を繰り返す。
【0103】一方、S4における判定の結果、定着性能
低下検出カウンタの値が2以上であった場合には、制御
部430aは、その時の印刷速度が定着OK印刷速度以
下であるか否かを判定する(S5)。既に述べたとお
り、本実施の形態2では印刷そのものの速度を変更する
のではなく、印刷と印刷との時間間隔を変更すること
で、印刷速度を調整している。従って、実際には1枚目
の印刷と2枚目の印刷との時間間隔を検出し、検出した
時間間隔が制御部430a内において定着OK印刷速度
として定義されている最短時間以下であるか否かを判定
している。S5における判定の結果、その時の印刷速度
が定着OK印刷速度以下であった場合、つまり、検出さ
れた時間間隔が定着OK印刷速度として定義されている
最短時間よりも長い場合には、S6へ進む。
【0104】S6において、制御部430aは定着性能
低下検出カウンタをクリアする。さらに、印刷していな
い印刷データがまだ残っているか否かを判定し(S
7)、印刷データが残っていた場合には、次の印刷に備
えて温度制御を行うべくS2に戻る。そして、同様の処
理を繰り返す。一方、S5における判定の結果、その時
の印刷速度が定着OK印刷速度を越えていた場合には、
S8へ進む。
【0105】S8において、制御部430aは、これま
でに定着限界枚数(m)分の印刷を行ったか否かを、定
着性能低下検出カウンタの値に基づいて判定する。この
判定の結果、まだ定着限界枚数(m)目に達してなかっ
た場合には、S9へ進む。S9において、制御部430
aは、印刷していない印刷データがまだ残っているか否
かを判定する。そして、この判定の結果、印刷データが
残っていた場合には、次の印刷に備えて温度制御を行う
べくS2に戻る。そして、同様の処理を繰り返す。一
方、S9における判定の結果、印刷データが残っていな
かった場合には、S6へ進む。
【0106】S8における判定の結果、定着限界枚数
(m)目に達していた場合には、制御部430aは、S
10へ進む。S10において、制御部430aは、ヒー
タ414bへの通電をONにしてヒートローラ414の
加熱を開始する。また、加熱開始後は、あらかじめ設定
された基準加熱時間t0が経過するのを待つ(S1
1)。この基準加熱時間t0が経過した場合、つまり、
ヒートローラ414の中央部における温度Tbが目標温
度T2に達したことが想定される場合には、ヒータ41
4bへの通電をオフにする(S12)。そして、この後
は、s6へ進み同様の処理を繰り返す。
【0107】なお、S1における判定の結果、はがきへ
の印刷でなかった場合には、制御部430aは、印刷が
完了するまでヒートローラ414の温度制御を行い(S
15,S16)、印刷が完了後は処理を終了する。
【0108】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラ414の温度変化の様子を図11に示した。
図11からわかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷
した後、所定時間だけヒートローラ414を加熱するこ
とで、ヒートローラ414全体での温度を上昇させるこ
とができる。
【0109】以上説明したとおり本実施の形態2のプリ
ンタでは、ヒートローラ表面の温度が定着不良を生じる
ほどに低下する場合に限り、印刷を一時休止してヒート
ローラ414の加熱を行っている。1枚印刷する毎に常
に休み時間を設けているわけではない。そのため、単に
安定した定着性能が得られるのみならず、すべての印刷
データについて印刷完了までに要する時間が必要以上長
くなってしまうことがない。
【0110】また、本実施の形態2は、ヒートローラの
温度が不均一に低下していると思われる場合に、ヒート
ローラ414の加熱を行うとともに印刷処理を起動する
タイミングを遅らせるものであって、1枚ごとに行われ
る印刷処理そのものの内容(例えば、用紙搬送の速度)
を変更するものではない。また、印刷処理の内容が異な
る複数種類の動作モード(印刷処理)を備えるものでは
ない。そのため、本発明を適用するに当たっての制御プ
ログラムの開発などに要する期間も短くて済む。
【0111】本発明を実際の装置に適用するには制御プ
ログラム等を変更するだけでよく、新たな部品の追加等
は必要ない。そのため、装置コストの上昇を招くことも
ない。
【0112】印刷媒体である用紙419の種類に合わせ
て、上限値V3、目標値V2及び下限値V1を設定すれ
ば、より最適な定着処理が可能である。
【0113】本実施の形態2では、「幅の狭い用紙」と
して、はがきサイズ(はがき幅)以下の用紙を想定して
いた。しかし、「幅の狭い用紙」の定義はこれに限定さ
れるものではない。幅の狭い用紙として想定される範囲
は、ヒートローラの幅との関係で定まるものである。
【0114】本実施の形態では、印刷の速度として、連
続印刷速度(M)と、間欠印刷速度(N)との2段階に
なっていた。しかし、印刷速度はもっと多段階に設定で
きるようにしても構わない。逆に、印刷速度は必ずしも
変更可能になっている必要はない。印刷速度が一定であ
る場合には、先に述べた図10におけるS5の処理は不
要である。
【0115】本実施の形態では、幅の狭い用紙を連続印
刷速度(M)で連続して定着限界枚数(m)だけ印刷し
た場合(図10,S8参照)に、印刷を休止してヒート
ローラ414の加熱を行っていた。しかし、この印刷を
休止してのヒートローラ414の加熱は、先に定義した
定着限界枚数(m)よりも少ない所定の枚数に達した時
点で行うようにしてもよい。但し、必要以上少ない枚数
に設定することは、印刷速度の観点からは好ましくな
い。
【0116】実施の形態3.先に述べた実施の形態2で
は、幅の狭い用紙を複数枚印刷した後には、一律に所定
時間だけヒートローラを加熱していた。これに対し本実
施の形態3は、幅の狭い用紙を複数枚印刷した後におけ
るヒートローラの昇温時にも温度制御を行うことでオー
バーランを最小限に留めたことを主な特徴とする。ま
た、この温度制御の際には、特にヒートローラ中央部で
の温度を考慮して目標温度を設定することで、ヒートロ
ーラ中央部での温度が本来の目標温度に制御されるよう
にしたことを主な特徴とする。具体的には、通常よりも
高い目標温度を設定している。
【0117】本実施の形態3のプリンタの構成は、制御
装置430によるヒートローラ414の温度を除き基本
的には実施の形態2と同様である。従って、これ以降の
説明は、実施の形態2と異なる点を中心に進めることと
する。
【0118】本実施の形態3における制御部430a
は、実施の形態2と同様に、温度監視回路430bから
入力される情報(データPA1、PA0)、操作装置4
31が受け付けた指示入力等に基づいて制御素子430
cを制御することで、ヒータ414bをON/OFFさ
せてヒートローラ414の表面温度を制御するものであ
る。その機能、構成は実施の形態2とほぼ同様である。
但し、本実施の形態3の制御部430aは、実施の形態
2と同様の機能に加えて、ヒートローラ414の中央部
温度Tbと端部温度Taとの差分が相当分高い状況下に
おいては、その温度制御においては目標温度として、通
常の目標値(T2)よりも高い目標値(T2’)を設定
する機能を備えている。また、サーミスタ436の検出
した温度(端部温度Ta)がこの目標温度T2’に達し
た場合には、基準加熱時間(t0)内であってもその時
点でヒータ414bをOFFにしてオーバーランを最小
限に留めるようになっている。
【0119】また、このような制御内容の変更に対応し
て本実施の形態3の制御部430aは目標温度T2’に
対応する目標値V2’を備えている。この目標温度T
2’は、幅の狭い用紙を定着限界枚数(m)だけ連続印
刷速度(M)で連続して印刷した場合における、ヒート
ローラ414の中央部温度Tbと端部温度Taとの差分
だけ、目標温度T2よりも高くされている。
【0120】次に、本実施の形態3のプリンタの動作を
図12および図13を用いて説明する。
【0121】図12は本実施の形態3における定着装置
及び制御装置の動作を示すフローチャートである。図1
3は本実施の形態3における定着装置及び制御装置の動
作を示すタイムチャートである。
【0122】本実施の形態3における動作は、その大部
分が実施の形態2(図10)と同様である。従って、こ
こでは実施の形態2とは異なる点を中心に説明すること
にする。
【0123】本実施の形態3においては、図10におけ
るS10〜S12の処理に代わって、S20〜S23の
処理を行っている。
【0124】すなわち、S8において、制御部430a
は、これまでに定着限界枚数(m)分の印刷を行ったか
否かを、定着性能低下検出カウンタの値に基づいて判定
する。この判定の結果、まだ定着限界枚数(m)目に達
していた場合には、S20へ進む。
【0125】S20において、制御部430aは、目標
温度をT2’にするべく、温度監視回路430bのコン
パレータ440の基準電圧として目標値V2’を設定す
る(S20)。これ以降、制御部430aは、基準加熱
時間t0が経過したか否かを判定しつつ、基準加熱時間
t0が経過するまではヒータ414bをON/OFFす
ることで、ヒートローラ414をこの目標温度T2’に
保つ(S21,S22)。温度制御はサーミスタ436
の検出温度に基づいて行われているため、この目標温度
T2’に保たれているのはサーミスタ436による検出
位置(a部)であって、温度低下の最も激しいヒートロ
ーラ414の中央ではない。しかし、この目標温度T
2’は、ヒートローラ414の中央部での温度低下を考
慮して設定されているため、ヒートローラ414の中央
部での温度Tbは本来の目標温度であるT2に近い値に
保たれることになる。また、温度制御に際してもオーバ
ーランは小さい。
【0126】基準加熱時間t0が経過した場合には、制
御部430aは目標温度をT2に戻すべくコンパレータ
440の基準電圧として目標値V2を設定する(S2
3)。S23の後は、S6に戻る。
【0127】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラ414の温度変化の様子を図13に示した。
図13からわかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷
した後のヒートローラ414の昇温は、ヒータ414b
を適宜ON/OFFしつつ行われるため、ヒートローラ
414の端部での温度TaがT2’を越えてしまうよう
なことはない。また、ヒートローラ414の中央部での
温度TbがT2を大きく越えてしまうことはない。
【0128】以上詳細に説明したように本実施の形態3
のプリンタでは、ヒートローラの温度制御、特に、幅の
狭い用紙を限界枚数だけ印刷した後の加熱時における温
度制御に際してのオーバーランが少ない。そのため、定
着装置周辺へのダメージ及び装置寿命の低下を招くこと
がなく、かつ、定着性能を維持することができる。
【0129】なお、特にヒートローラの中央部での温度
を考慮して温度制御の目標温度を設定したことに起因し
て、ヒートローラ414の端部(厳密には、サーミスタ
436の温度検出位置付近)での温度は本来の目標温度
T2よりも高くなってしまう。しかし、このような温度
制御が行われるのはあくまでも幅の狭い用紙に印刷が行
われる場合のみであり、この幅の狭い用紙への印刷の際
にはヒートローラ414の端部(a部)付近は定着に使
用されないため問題は少ない。
【0130】本実施の形態3では定着限界枚数だけ印刷
した後の温度制御の際の目標温度T2’として、幅の狭
い用紙を定着限界枚数(m)だけ連続印刷速度(M)で
連続して印刷した場合における、ヒートローラ414の
中央部温度Tbと端部温度Taとの差分だけ、目標温度
T2よりも高い温度を設定していた。しかし、定着限界
枚数だけ印刷後の温度制御の際の目標値は、このような
定義の目標温度T2’に限定されるものではない。目標
温度T2よりも多少でも高ければある程度の効果は得ら
れる。必要以上に高い温度を設定することは、ヒートロ
ーラの温度が高くなりすぎてしまうため好ましくない。
【0131】実施の形態4.先に述べた実施の形態3
は、幅の狭い用紙を複数枚印刷した後におけるヒートロ
ーラの昇温時にも温度制御を行うとともに、この温度制
御の際には特にヒートローラ中央部での温度を考慮して
目標温度を設定することで(具体的には、通常よりも高
い目標温度(T2’)を設定することで)、ヒートロー
ラ中央部での温度が本来の目標温度(T2)に制御され
るようにしていた。本実施の形態4は、これに加えてさ
らに、印刷を再開する前に、本来の目標温度(T2)で
所定時間温度制御を行うことで、ヒートローラ全体の温
度の均一化を図っていることを主な特徴とする。
【0132】本実施の形態4のプリンタの構成は、制御
装置430によるヒートローラ414の温度を除き基本
的には実施の形態3と同様である。従って、これ以降の
説明は、実施の形態3と異なる点を中心に進めることと
する。
【0133】本実施の形態4における制御部430a
は、実施の形態3と同様に、温度監視回路430bから
入力される情報(データPA1、PA0)、操作装置4
31が受け付けた指示入力等に基づいて制御素子430
cを制御することで、ヒータ414bをON/OFFさ
せてヒートローラ414の表面温度を制御するものであ
る。その機能、構成は実施の形態3とほぼ同様である。
但し、本実施の形態4の制御部430aは、実施の形態
3と同様の機能、構成に加えて、目標温度T2’での温
度制御を行った後、さらに、目標温度T2での温度制御
を行うことで、印刷を再開する前にヒートローラ414
全体の温度の均一化および最適化を図るようになってい
る。また、これに対応して本実施の形態4の制御部43
0aは基準時間t1を備えている。この基準時間t1
は、目標温度T2’での温度制御を行った後、ヒートロ
ーラ414の全体の温度がほぼ均一になることが予定さ
れる時間であり、ヒートローラ414及びバックアップ
ローラ415が少なくとも1回転するのに要する時間以
上にすることが好ましい。
【0134】次に、本実施の形態4のプリンタの動作を
図14および図15を用いて説明する。
【0135】図14は本実施の形態4における定着装置
及び制御装置の動作を示すフローチャートである。図1
5は本実施の形態4における定着装置及び制御装置の動
作を示すタイムチャートである。
【0136】本実施の形態4における動作は、その大部
分が実施の形態3(図12)と同様である。従って、こ
こでは実施の形態3とは異なる点を中心に説明すること
にする。
【0137】本実施の形態4においては、図12のS2
0〜S23の処理の後に、さらに、S24,S25の処
理を行っている。
【0138】すなわち、S8において、制御部430a
は、これまでに定着限界枚数(m)分の印刷を行ったか
否かを、定着性能低下検出カウンタの値に基づいて判定
する。この判定の結果、まだ定着限界枚数(m)目に達
していた場合には、S20へ進む。
【0139】S20において、制御部430aは、目標
温度をT2’にするべく、温度監視回路430bのコン
パレータ440の基準電圧として目標値V2’を設定す
る。これ以降、制御部430aは、基準加熱時間t0が
経過したか否かを判定しつつ、基準加熱時間t0が経過
するまではヒータ414bをON/OFFすることで、
ヒートローラ414の端部(a部)をこの目標温度T
2’に保つ(S21,S22)。
【0140】基準加熱時間t0が経過した場合には、制
御部430aは目標温度をT2に戻すべくコンパレータ
440の基準電圧として目標値V2を設定する(S2
3)。これ以降、制御部430aは、基準時間t1が経
過したか否かを判定しつつ、基準時間t1が経過するま
では、適宜ヒータ414bをON/OFFする温度制御
を行う(S24,S25)。そして、基準時間t1が経
過した場合には、S6に戻る。このようにすることで、
目標温度をT2に戻してからすぐに印刷が開始されるこ
とはない。ヒートローラ414全体の温度を均一にする
とともに、その温度をより正確に本来の目標温度T2に
近づけた上で、印刷が再開されるため、定着処理がより
確実である。
【0141】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラ414の温度変化の様子を図15に示した。
図15からわかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷
した後のヒートローラ414の昇温は、ヒータ414b
を適宜ON/OFFしつつ行われるため、ヒートローラ
414の端部温度Taが目標温度T2’を越えてしまう
ようなことはない。また、ヒートローラ414中央部で
の温度TbがT2を大きく越えてしまうことはない。さ
らには、この後、印刷開始前に、所定期間(基準時間t
1)だけ目標温度T2での温度制御を行う期間を設けた
ことで、ヒートローラ414の温度を定着に適した温度
(T2)により近づけた上で印刷を開始することができ
る。
【0142】以上説明したとおり本実施の形態4では、
ヒートローラの温度をより正確に所定の目標温度T2に
設定・制御できるため、より良好な定着性能が得られ
る。特に、目標温度T2’は、ヒートローラの材質(特
に、熱伝導率)、大きさ等に応じて異なる値を設定する
必要があり、その具体的な値を求めるには実際には多く
の実験を重ねる必要がある。しかし、本実施の形態4に
おいては目標温度T2’での温度制御を行った後、さら
に本来の目標温度T2で所定時間温度制御を行った上
で、印刷を再開しているため、その装置において設定さ
れている目標温度T2’では周囲の環境(特に、温度、
湿度)との兼ね合いから設計時に想定していたような温
度に制御できず、オーバーラン等が生じてしまう場合で
も、これを修正し実際に印刷を再開する際にはヒートロ
ーラを最適な温度にすることができる。従って、例え
ば、設定温度の上げすぎることによる用紙のカールなど
の不具合を防止できる。
【0143】実施の形態5.先に述べた本実施の形態3
では、幅の狭い用紙を複数枚印刷した後には、ヒートロ
ーラ中央部での温度を考慮して目標温度を設定した上で
ヒートローラの温度制御を行うとともに、この間には印
刷を行わないようにしていた。これに対し、本実施の形
態5では、幅狭用紙を複数枚印刷した後には、ヒートロ
ーラ中央部での温度を考慮して目標温度を設定した上で
ヒートローラの温度制御を行うとともに、この間にも印
刷を行うようにしたことを主な特徴とする。
【0144】本実施の形態5のプリンタの構成は、制御
装置430によるヒートローラ414の温度を除き基本
的には実施の形態3と同様である。従って、これ以降の
説明は、実施の形態3と異なる点を中心に進めることと
する。
【0145】本実施の形態5における制御部430a
は、実施の形態3と同様に、温度監視回路430bから
入力される情報(データPA1、PA0)、操作装置4
31が受け付けた指示入力等に基づいて制御素子430
cを制御することで、ヒータ414bをON/OFFさ
せてヒートローラ414の表面温度を制御するものであ
る。その機能、構成は実施の形態3とほぼ同様である。
但し、本実施の形態5の制御装置430は、実施の形態
3とは異なり、目標温度としてT2’を設定しての加熱
中にも印刷処理を起動して印刷を行わせるようになって
いる。また、これに対応して本実施の形態5の制御部4
30aは、実施の形態3とは異なり基準加熱時間(t
0)を備えていない。
【0146】次に、本実施の形態5のプリンタの動作を
図16および図17を用いて説明する。
【0147】図16は本実施の形態5における定着装置
及び制御装置の動作を示すフローチャートである。図1
7は本実施の形態5における定着装置及び制御装置の動
作を示すタイムチャートである。
【0148】本実施の形態5における動作は、その大部
分が実施の形態3(図12)と同様である。従って、こ
こでは実施の形態3とは異なる点を中心に説明すること
にする。
【0149】本実施の形態5においては、図12のS2
1の処理に代わって、後述するS28の処理を行ってい
る。
【0150】すなわち、S8において、制御部430a
は、これまでに定着限界枚数(m)分の印刷を行ったか
否かを、定着性能低下検出カウンタの値に基づいて判定
する。この判定の結果、まだ定着限界枚数(m)目に達
していた場合には、S20へ進む。
【0151】S20において、制御部430aは、目標
温度をT2’にするべく、温度監視回路430bのコン
パレータ440の基準電圧として目標値V2’を設定す
る。これ以降、制御部430aは、ヒータ414bをO
N/OFFすることで、ヒートローラ414の端部にお
ける温度Taをこの目標温度T2’に制御する(S2
8)。
【0152】このとき、制御装置430は、ヒートロー
ラ414が目標温度T2に達したのを確認した上で、各
部を作動させて1枚だけ印刷を行わせる。
【0153】印刷が行われたのを確認すると、制御部4
30aは目標温度をT2に戻すべくコンパレータ440
の基準電圧として目標値V2を設定する(S23)。S
23の後は、S6に戻る。
【0154】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラ414の温度変化の様子を図17に示した。
図17からわかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷
した後のヒートローラ414の昇温は、ヒータ414b
を適宜ON/OFFしつつ行われるため、ヒートローラ
端部(厳密には、サーミスタによる検出位置)での温度
TaがT2’を越えてしまうようなことはない。また、
ヒートローラ414中央部での温度TbがT2を大きく
越えてしまうことはない。さらには、この間にも印刷処
理が起動されるため、このヒートローラ414を昇温さ
せるために印刷速度が低下することはない。
【0155】以上説明したとおり本実施の形態5のプリ
ンタでは、ヒートローラを加熱している間にも印刷を行
っている。従って、本発明を適用するにあたって印刷速
度の低下を招くことがない。
【0156】ヒートローラ414を昇温させつつ行う印
刷の枚数は1枚だけに限定されるものではない。ヒート
ローラ414が十分な温度に昇温するまで、印刷を続け
ても構わない。逆に言えば、ヒートローラの昇温は、1
枚分の印刷時間内に終える必要はない。
【0157】実施の形態6.本実施の形態6では、幅の
狭い用紙を連続印刷する際には、連続して印刷する枚数
に応じて、定着温度を補正することを主な特徴とするも
のである。つまり、幅の狭い用紙を連続印刷した場合、
ヒートローラでは、用紙の搬送および画像の定着に実際
に関与する部分(すなわち、用紙に実際にふれる部分)
の温度が、他の部分の温度に比べて低くなる。そして、
その温度低下の程度は、図18(a)に示すように、連
続印刷の枚数が増えるごとに増えてゆく(温度がより低
下する)。そこで、図18(b)に示すように、幅の狭
い用紙の連続して印刷する枚数に応じて、定着温度を補
正してゆくことで、常に、適正な定着温度が得られる。
【0158】本実施の形態6の構成は、基本的には実施
の形態1の構成(図1)と同様である。但し、CPU2
03等によって実現されている定着温度の制御内容が実
施の形態1とは異なっている。これ以降の説明は、実施
の形態1との相違点を中心に進めることにする。
【0159】CPU203は、プログラムROM204
に格納された制御プログラムを実行することで様々な機
能を実現している。特に本実施の形態6においては、定
着温度を、適宜、補正する機能を備えている。この機能
の詳細については後ほど動作説明において詳しく述べる
ことにする。この他、実施の形態1と同様に、ドラムモ
ータ210およびレジストモータ211を制御する機
能、また、サーミスタ214の検知結果(温度)に応じ
てヒートローラの温度を制御する機能を備えている。
【0160】本実施の形態6におけるプログラムROM
204には、上述した様々な機能を実現する制御プログ
ラムに加えて、図19に示すような、2つの制御用テー
ブル(テーブル1,テーブル2)が格納されている。テ
ーブル1は、各用紙サイズごとに設定された定着温度を
定義したものである。テーブル2は、幅の狭い用紙を連
続印刷する際における定着温度の設定値を、その連続印
刷枚数ごとに定義したものである。
【0161】CPU203が各種機能を実現する際に必
要となる様々なデータ等は、実施の形態1と同様に、フ
ォントROM205、RAM206、EEPROM20
7にあらかじめ、あるいは、必要に応じて適宜格納され
るようになっている。RAM206は、各種バッファメ
モリ、ワーキングメモリとして使用される。特に、本実
施の形態6におけるRAM206には、レジスタ(si
ze_count)、レジスタ(paper_siz
e)、レジスタ(heat_temp)が用意されてい
る。
【0162】次に本実施の形態6におけるCPU203
の処理動作を図20、図21を用いて説明する。
【0163】ここでは、プリンタの電源投入時に実行さ
れるパワーON処理(図20)と、印刷時に実行される
ページプリント処理(図21)とについて説明する。
【0164】まず、パワーON処理を(図20)を用い
て説明する。
【0165】電源が投入されると、CPU203は所定
の初期処理を行う(ステップ700)。続いて、レジス
タsize_countをクリアする(ステップ70
2)。
【0166】次に、ページプリント処理を図21を用い
て説明する。
【0167】CPU203は、これから印刷する用紙の
サイズが、幅の狭い用紙サイズか否かを確認する(ステ
ップ711)。
【0168】ステップ711における確認の結果、幅の
狭い用紙サイズであった場合は、その幅の狭い用紙のそ
の時の連続印刷枚数、すなわち、レジスタ(size_
count)の値に応じた定着温度の設定値をテーブル
2から読み出す。そして、その読み出した値をレジスタ
(heat_temp)にセットする(ステップ71
2)。なお、図19に示したテーブル2の構造を前提と
した場合、テーブル2からの読み出しは、具体的には以
下のようにして行われる。つまり、そのテーブル2の先
頭アドレス(ラベル#Table2)に、レジスタ(s
ize_count)の値、つまり連続印刷枚数を加算
したアドレスの内容を読み出す。
【0169】この後、CPU203は、レジスタ(si
ze_count)の値、すなわち幅の狭い用紙の連続
印刷枚数を更新する(ステップ713)。さらに、1ペ
ージ印刷処理を実行することで印刷を行う(ステップ7
16)。この場合の定着温度は、ステップ712におい
てレジスタ(heat_temp)に設定された値に制
御されることになる。なお、この1ページ印刷処理につ
いては、本実施の形態の特徴ではないため説明を省略す
る。こうして、幅の狭い用紙の連続印刷時には、その印
刷枚数に応じた定着温度を設定することが可能となり、
ヒートローラの部分的温度低下による定着プロセスへの
影響を押さえることが可能となる。
【0170】一方、ステップ711における確認の結
果、幅の狭い用紙サイズでなかった場合には、CPU2
03は、その時の用紙サイズに応じた通常の定着温度を
テーブル1から読み出す。そして、その読み出した値
を、レジスタ(heat_temp)に設定する(ステ
ップ714)。なお、図19に示したテーブル1の構造
を前提とした場合、テーブル1からの読み出しは、先に
述べたテーブル2からの読み出しと同様に行われる。つ
まり、テーブル1の先頭アドレス(ラベル#Table
1)に、レジスタ(paper_size)の値、つま
りこれから印刷される用紙サイズを示す値を加算したア
ドレスの内容を読み出す。続いて、CPU203は、幅
の狭い用紙の連続印刷の監視をリセットするために、レ
ジスタ(size_count)の値をクリアする(ス
テップ715)。その後、1ページ印刷処理(ステップ
716)を行うことで印刷を行う。
【0171】実際のプリンタにおいては、定着器の設定
温度は無限に上げることはできず、その装置の電源の仕
様やヒータの能力、安全設計上の制約等の理由により、
定着温度として設定可能な上限値というものが存在す
る。従って、テーブル2において定義されている印刷枚
数の最大値に達した場合には、実施の形態1と同様に、
印刷の休止、ヒートローラのウォーミングアップを実施
した上で、印刷を再開する。これは、CPU203が実
行するページプリント処理を図22のようなものにする
ことで容易に可能である。
【0172】図22に示したページプリント処理は、図
21のページプリント処理にステップ817〜ステップ
821の処理を追加したものである。すなわち、ステッ
プ817において、CPU203は連続印刷枚数を示す
レジスタ(size_count)の値が、あらかじめ
設定された連続印刷限界枚数に達したか否かを判定す
る。なお、連続印刷限界枚数とは、テーブル2において
定義されている連続印刷枚数の最大値である。その具体
的な値(枚数)は、連続印刷に応じた定着温度の設定値
が、そのプリンタの制御可能な上限の温度に相当する枚
数(固定値)である。
【0173】このステップ817における判定の結果、
連続印刷限界枚数に達していた場合には、ステップ81
8〜ステップ821の処理を行った上で、印刷(ステッ
プ716)を行うようになっている。すなわち、CPU
203は、定着温度としてテーブル1から読み出した通
常の設定値をセットする(ステップ818)。また、プ
リンタ休止処理(ステップ819)、ウォーミングアッ
プ処理(ステップ820)を実施することで、ヒートロ
ーラの温度分布を均一且つ定着に十分な程度にまで状態
を戻す。このプリンタ休止処理、ウォーミングアップ処
理を行うことによる作用については、先に実施の形態1
において図4を用いて述べたとおりである。その後、C
PU203はレジスタ(size_count)をクリ
アしたうえで(ステップ821)、印刷を再開する(ス
テップ716)。
【0174】以上のように図22の処理動作を採用した
場合には、テーブル2において定義されている枚数以上
連続して幅の狭い用紙による印刷が行われる場合でも、
ヒートローラの部分的温度低下を解消し、適正な定着温
度による定着プロセスを実現することが可能となる。
【0175】このような制御を行った場合における、ヒ
ートローラの温度変化の様子を図23に示した。図23
からわかるように、幅の狭い用紙を連続して印刷した枚
数が増えるにつれて、ヒートローラの温度制御における
目標温度(つまり、サーミスタによって検出されるヒー
トローラ端部での目標温度)が高くされることで、ヒー
トローラの中央部における温度は常に定着に適した温度
に保たれる。また、連続して印刷した枚数が連続印刷限
界枚数(図23におけるM枚)に達した場合には、印刷
を休止することでヒートローラの温度が下がるとともに
その温度の均一化が進んでいる。
【0176】以上説明したとおり本実施の形態6の装置
では、連続印刷枚数に応じて、定着温度をより最適な値
に制御できるため、幅の狭い用紙を連続印刷したことに
起因した定着不良を防止できる。
【0177】また、先に述べた実施の形態1では、幅の
狭い用紙の連続印刷の場合、ある連続印刷枚数に達した
ら印刷動作を休止していたが、休止すべき連続印刷枚数
に達するまでは同じ定着温度で制御していた。これに対
し本実施の形態6ではよりきめ細かに定着温度を制御し
ているため、定着性が実施の形態1よりも優れている。
【0178】図21に示した処理動作を採用した場合に
は、印刷動作の休止・再ウォーミングアップ動作が不要
である。一方、図22に示した処理動作を採用した場合
には、より多数枚にわたっての連続印刷にも対応可能で
ある。しかも、印刷動作の休止・再ウォーミングアップ
動作の回数(頻度)が実施の形態1よりも少なくて済む
ため、印刷のスループットの低下も少ない。
【0179】本発明の適用に当たっては、特別な機構部
や回路等を必要としないため、本発明を適用するにあた
って、装置コストの上昇はほとんどない。また、適用も
容易である。
【0180】実施の形態7.本実施の形態7のプリンタ
は、印刷された用紙の大きさ等に応じて、次の用紙まで
の用紙間隔を調整することを主な特徴とする。つまり、
印刷の実行に伴って定着器のヒートローラには部分的な
温度低下が生じるが、本実施の形態7においてはこのよ
うな状態(部分的な温度低下)が解消され十分な定着が
可能な状態にまで回復するまでに要する時間を、印刷中
の用紙の幅、長さ、厚さ、材質に基づいて推定し、印刷
する用紙の時間間隔をこの推定された時間よりも長くし
ている。
【0181】まず、本実施の形態7におけるプリンタの
基本構成の概要を図24を用いて説明する。
【0182】データ受信/編集処理部1では、マイクロ
プロセッサが所定のソフトウェアを実行することで、印
刷データの受信処理、編集処理を行っている。データ受
信/編集処理部1によってビットマップデータに編集、
展開された印刷データは、機構制御部2から出力される
タイミング信号に従って、データ受信/編集処理部1か
ら機構制御部2へ転送される。機構制御部2は、機構部
3を動作させる各種ドライブ信号、及び機構部3から入
力されるセンサ信号に基づいて、印刷動作を制御してい
る。例えば、印刷用紙の走行にしたがって印刷データを
印刷ヘッドに転送する。
【0183】これ以降においては、上記部分毎にさらに
詳細に説明する。
【0184】まず、データ受信/編集処理部1の詳細な
構成を図25を用いて説明する。
【0185】データ受信/編集処理部1は、図25に示
すとおり、マイクロプロセッサ11、データバス12、
アドレスバス13、データRAM14、プログラムRO
M15、メモリコントロール回路16、操作部表示部1
7、操作部制御回路18、エンジンインターフェース回
路19およびネットワークインターフェース制御回路2
0を備えて構成されている。
【0186】マイクロプロセッサ11は、データ受信/
編集処理部1全体の制御を行うものである。このマイク
ロプロセッサ11は、プログラムROM15に格納され
た制御プログラム及び各種データが格納されるデータR
AM14にアクセスすることにより制御を行う機能を備
えている。なお、これらへのアクセスに際して、ターゲ
ットのアドレスはアドレスバス13を通じて、また、タ
ーゲットとのデータのやり取りは、データバス12を通
じておこなわれるようになっている。
【0187】メモリコントロール回路16は、データR
AM14,プログラムROM15に対するアクセスのコ
ントロールを行うものである。
【0188】操作部表示部17は、使用者からの指示
(例えば、用紙サイズの設定指示、印刷枚数)を受け付
ける操作部と、このプリンタの状態などを示す所望の情
報を表示させる表示部とを備えている。
【0189】操作部制御回路18は、マイクロプロセッ
サ11からの表示指令に基き操作部表示部17を制御し
て所望の表示を行わせるものである。また、操作部表示
部17の受け付けた使用者からの指示を、マイクロプロ
セッサ11へ伝えるものである。使用者はこの操作部表
示部17を操作することで、印刷に供される用紙の厚さ
及び材質(フィルム、紙等)を指定できるようになって
いる。
【0190】エンジンインターフェース回路19は、マ
イクロプロセッサ11による制御の下、機構制御部2に
対して印刷データ及び機構部3への動作指令の出力、さ
らには、機構部3の動作状態の読み取りを行うものであ
る。
【0191】ネットワークインターフェース制御回路2
0は、Ether Net等のネットワークに接続され
印刷データの受信、装置状態の発信等を行うものであ
る。
【0192】次に、機構部3の詳細な構成を図26を用
いて説明する。
【0193】機構部3は、図26に示すとおり、サーミ
スタ21、定着器ランプ22、ヒートローラ23、リー
ドコンタクト24、バックアップローラ25、定着器モ
ータ26、ドラムユニット27、ドラムモータ28、書
き込み開始センサ29、転写ローラ30、レジストモー
タ31、レジストローラユニット32、用紙入り口セン
サ33、ホッピングモータ34、ホッピングローラ3
5、用紙カセット36等を備えて構成されている。
【0194】ホッピングローラ35は、用紙カセット3
6にセットされた用紙を一枚ずつ剥離して搬送する(ホ
ッピング)ためのものであり、ホッピングモータ34に
よって駆動される構成となっている。
【0195】用紙入り口センサ33は、ホッピングロー
ラ35によって剥離、搬送されてきた用紙がレジスト位
置に到達したことを検出するためのものである。該用紙
入り口センサ33は、検出結果を機構制御部2の後述す
る用紙入り口センサ回路53を介してマイクロプロセッ
サ41へ出力している。
【0196】レジストローラユニット32は、用紙を搬
送するためのものであり、レジストモータ31によって
駆動される構成となっている。
【0197】書き込み開始センサ29は、レジストロー
ラユニット32等によって搬送されてきた用紙が書き出
し位置に到達したことを検出するためのものである。こ
の書き込み開始センサ29は、検出結果を機構制御部2
の後述する書き込み開始センサ回路55を介してマイク
ロプロセッサ41へ出力している。
【0198】ドラムユニット27は、その内部に、帯電
器、感光ドラム、LEDヘッド62(図28参照)、現
像器等を備えて構成されており、この感光ドラム上に印
字データに応じて静電潜像を形成すると共に、これを現
像して該感光ドラム上にトナー像を形成するものであ
る。該ドラムユニット27は、ドラムモータ28によっ
て駆動されている。また、このドラムユニット27に
は、帯電器、感光ドラム等をクリーニングするためのク
リーニング機構も備えられている。これらのクリーニン
グ機構は、機構制御部2のマイクロプロセッサ41から
の指示に従って、図には示していない制御駆動系統によ
って所定のタイミングで作動させられるようになってい
る。
【0199】転写ローラ30は、感光ドラム上に形成さ
れたトナー像を、搬送されてきた用紙に転写するための
ものである。
【0200】ヒートローラ23およびバックアップロー
ラ25は、トナー像が転写された用紙を両者の間に挟ん
で搬送することで、この用紙に転写されているトナー像
を加熱、加圧して、トナー像を定着させるものである。
バックアップローラ25およびヒートローラ23は、ギ
ヤを介して連結された定着器モータ26によって回転駆
動されるようになっている。定着に必要な熱は、定着器
ランプ(ここではハロゲンランプ)22によってヒート
ローラ23を加熱することで与えられる構成となってい
る。なお、この定着器ランプ22は、リードコンタクト
24を通じて電力を供給されている。
【0201】本実施の形態では、用紙を搬送する機構の
駆動源となる各種モータ(定着器モータ26、ドラムモ
ータ28、レジストモータ31、ホッピングモータ3
4)としてパルスモータが採用されており、用紙搬送速
度を変更可能である。
【0202】サーミスタ21は、ヒートローラ23の温
度を検出するものである。このサーミスタ21は検出結
果を、サーミスタ検出回路57(図28参照)へ出力し
ている。
【0203】用紙カセット36の詳細を図27を用いて
説明する。
【0204】用紙カセット36には、用紙の位置決めの
ための部材として、用紙幅ガイド71、用紙後端ガイド
72を備えている。用紙幅ガイド71は用紙の幅に合わ
せて、一方、用紙後端ガイド72は、用紙の長さに合わ
せて、それぞれスライド可能に構成されている。また、
図面上明らかではないが、用紙カセット36には用紙幅
ガイド71および用紙後端ガイド72の位置を検出し電
気的信号として出力するガイド位置検出センサ機構64
(図28参照)が設けられている。従って、用紙カセッ
ト36にセットされた用紙のサイズに合わせて用紙幅ガ
イド71および用紙後端ガイド72の位置を調整するこ
とにより、用紙の位置を規定できる。また、このときの
ガイド位置検出センサ機構64の検出信号に基づいて、
用紙のサイズを検知できるようになっている。この他、
用紙カセット36には、用紙をホッピングするためのホ
ッピングガイド74が備えられている。
【0205】次に、機構制御部2の詳細な構成を図28
を用いて説明する。
【0206】機構制御部2は、図28に示すとおり、マ
イクロプロセッサ41、プログラムROM42、データ
RAM43、ドラムモータ駆動回路44、定着器モータ
駆動回路46、ホッピングモータ駆動回路48、レジス
トモータ駆動回路50、用紙入り口センサ回路53、書
き込み開始センサ回路55、サーミスタ検出回路57、
エンジンインターフェース回路58、定着器ランプON
/OFF回路59、ヘッドデータ転送回路61、LED
ヘッド62等を備えて構成されている。
【0207】マイクロプロセッサ(以下「CPU」と称
す)41は機構制御部2および機構部3の全体を制御す
るものである。このCPU41は、プログラムROM4
2に格納された制御プログラム及び各種データが格納さ
れるデータRAM43にアクセスすることにより制御を
行う機能を備えている。このCPU41等によって実現
されている機能として、本実施の形態7においては例え
ば、用紙のサイズ、材質等に応じて印刷起動のタイミン
グを変更することで、連続印刷時における用紙間隔を調
整する機能が挙げられる。また、これを実現するために
タイマ機能(待ち時間カウンタTnxt)を備えてい
る。この他、後述する定着器モータ駆動回路46、ドラ
ムモータ駆動回路44等を介して、各種モータを制御す
ることで、用紙の搬送並びに画像の形成の速度を所望の
値に設定、変更する機能を備えている。また、定着器ラ
ンプON/OFF回路59を介して、定着器ランプ22
のON/OFFを制御することで、ヒートローラ23の
温度を制御する機能を備えている。
【0208】プログラムROM42に格納される情報と
しては、制御プログラムの他に、用紙間隔時間定義テー
ブル等が挙げられる。この用紙間隔時間定義テーブル
は、用紙の幅、長さ、厚さ、材質をパラメータとして、
用紙間隔時間を定義したものである。用紙間隔時間と
は、連続して印刷を行う場合における、先に印刷される
用紙の後端と後続の用紙の先端との時間間隔、より厳密
には、先の用紙の定着が完了してから後続の用紙の定着
が開始されるまでの時間である。この用紙間隔時間は、
印刷の実行に伴って定着器のヒートローラに生じた部分
的な温度低下が解消され、十分な定着が可能な状態にま
でその温度状態が回復するとの観点から決定されてい
る。この用紙間隔時間定義テーブルの内容は、実験結果
に基づいて決定されたものである。この内容の決定の仕
方については、後ほど図31を用いて詳細に説明する。
なお、実際の用紙間隔時間定義テーブルでは、この用紙
間隔時間は、先に述べた待ち時間カウンタTnxtによ
るカウント値として表現されている。また、このカウン
ト値は必ずしも本来的な用紙間隔時間と一致するとは限
らない。待ち時間カウンタTnxtによるカウントを開
始するタイミング等を考慮して、結果的に所望の用紙間
隔時間が得られるような値が設定されることになる。例
えば、先の用紙との間に既にある一定時間分だけの間隔
ができている状態で、待ち時間カウンタTnxtによる
カウンタを開始する場合には、このカウント開始時にお
ける間隔分を差し引いたカウント値が設定されることに
なる。
【0209】データRAM43に格納される情報として
は、ガイド位置検出センサ機構64によって検知される
用紙のサイズ(幅、長さ)等が挙げられる。
【0210】ドラムモータ駆動回路44は、ドラムユニ
ット27を駆動するドラムモータ28のドライブ信号を
CPU41の指示に基づいて生成している。
【0211】定着器モータ駆動回路46は、定着器(ヒ
ートローラ23,バックアップローラ25等)を駆動す
る定着器モータ26のドライブ信号をCPU41の指示
に従って生成するものである。
【0212】ホッピングモータ駆動回路48は、ホッピ
ングローラ35を駆動するホッピングモータ34のドラ
イブ信号をCPU41の指示に従って生成するものであ
る。
【0213】レジストモータ駆動回路50は、用紙搬送
の一旦を行うレジストローラユニット32を駆動するレ
ジストモータ31のドライブ信号をCPU41の指示に
従って生成するものである。
【0214】先に述べたとおり本実施の形態では、ドラ
ムモータ28、定着器モータ26、ホッピングモータ3
4、レジストモータ31としてパルスモータを採用して
いる。従って、CPU41からドラムモータ駆動回路4
4等へ入力されるパルス信号のパルスレートを変更する
ことで、感光ドラム等の回転速度、すなわち用紙搬送速
度を所望の値に設定可能になっている。
【0215】用紙入り口センサ回路53は、用紙入り口
センサ33からの信号を、CPU41が処理可能な信号
へと変換するものである。
【0216】書き込み開始センサ回路55は、書き込み
開始センサ29からの信号を、CPU41が処理可能な
信号へと変換するものである。
【0217】サーミスタ21は、ヒートローラ23の温
度を検出するものであり、先に述べたとおり定着器のヒ
ートローラ23に接触して取り付けられている。このサ
ーミスタ21は、検出した温度に対応したアナログ電圧
を出力するようになっている。
【0218】サーミスタ検出回路57は、サーミスタ2
1の出力するアナログ電圧を、内臓するA/D(アナロ
グ−デジタル変換)回路によりデジタル値に変換したう
えで、CPU41へ出力するものである。このサーミス
タ検出回路57は、CPU41からの指令により作動し
ている。
【0219】エンジンインターフェース回路58は、前
述した機構部3に対する印刷データ、制御コマンドをC
PU41に対しインターフェースするものである。
【0220】定着器ランプON/OFF回路59は、定
着器ランプ22の電力源である、AC100Vの交流を
ON又はOFFするものである。この定着器ランプON
/OFF回路59は、サーミスタ21からの検出温度に
基づいてCPU41によって制御されている。
【0221】リードコンタクト24は、定着器ランプ2
2の両端のソケットにコンタクトしており、ON/OF
F制御された、AC100Vを供給する。
【0222】ヘッドデータ転送回路61は、エンジンイ
ンターフェース回路58を通して送られるラスターイメ
ージの印刷データをCPUプログラム制御のもとLED
ヘッド62に送出するものである。
【0223】LEDヘッド62は、ヘッドデータ転送回
路61から送られてきたラスターイメージ印刷データ
を、LEDエレメントにセットしタイミングに合わせて
点灯、滅灯するものである。LEDヘッド62の走査タ
イミンダは、ドラムモータ28の駆動パルスに同期して
いる。
【0224】用紙サイズ検出回路63は、ガイド位置検
出センサ機構64から出力された用紙サイズを示す信号
を、CPU41において処理可能な信号に変換するもの
である。なお、ガイド位置検出センサ機構64は、先に
述べたとおり用紙のサイズ(幅、長さ)を検出し電気的
信号として出力する機構であり、用紙カセット36に組
みこまれている。
【0225】次に本実施の形態7における動作を図29
および図30を用いて説明する。
【0226】図29は制御動作を示すフローチャートで
ある。図30は動作を示すタイムチャートである。
【0227】プリンタの電源が投入されて印刷可能な状
態において、機構制御部2のCPU41は以下の処理を
行い続けている。
【0228】CPU41は、まずデータ受信/編集処理
部1に印刷データが蓄積されているかどうかを、エンジ
ンインターフェース回路58を通じて確認している(ス
テップ602)。印刷データが蓄積されていなければ、
そのまま確認を繰り返している。一方、印刷データが蓄
積されていた場合には、CPU41は、ホッピングモー
タ駆動回路48を介してホッピングモータ34を作動さ
せることで、用紙カセット36に収容されている用紙束
から用紙を1枚だけ分離して送り出すホッピングを行う
(ステップ604)。その後、CPU41は、この用紙
の先端を用紙入り口センサ33が検出しONとなるのを
待つ(ステップ606)。
【0229】用紙入り口センサ33がONとなった場合
には、CPU41は、レジストモータ31、ドラムモー
タ28、定着器モータ26等の各部を作動させて、その
用紙の搬送および印刷を開始させる(ステップ60
8)。なお、この用紙の搬送および印刷が実際に開始さ
れるまで、用紙はレジストローラ32につき当てられた
状態で停止されている。
【0230】印刷開始後、CPU41は、用紙が用紙入
り口センサ33を通過し終わり、用紙入り口センサ33
がOFFとなるのを待つ(ステップ610)。
【0231】用紙入り口センサ33がOFFとなってい
た場合には次の用紙をホッピング可能であるため、 C
PU41は、まだ印刷していない印刷データがデータ受
信/編集処理部1に残っているか否か再び判定する(ス
テップ612)。判定の結果、印刷データがなかった場
合には、印刷データを待ってそのまま待機状態を続け
る。一方、印刷データがあった場合にはステップ614
へ進む。
【0232】ステップ614において、CPU41は、
用紙カセット36に収容されこの時の印刷に供されてい
る用紙のサイズ(幅、長さ)を検知する。この用紙サイ
ズの検知は、具体的には、用紙サイズ検出回路63を通
じてガイド位置検出センサ機構64の検出結果を解析す
ることで行っている。CPU41は、このようにして検
知した用紙サイズを、次の印刷における用紙サイズ
(幅、長さ)としてデータRAM43に記憶する。
【0233】その後、CPU41は、次の印刷に備え
て、用紙カセット36から用紙をホッピングし、この用
紙をレジストローラ32につき当てられた状態で停止さ
せる(ステップ616)。
【0234】この後、CPU41は、先にステップ60
8において開始した印刷動作が終了するのを待つ(ステ
ップ618)。
【0235】ところで、このプリンタでは、使用者がデ
ータ受信/編集処理部1の操作部表示部17を操作し
て、用紙の厚さおよび材質(フィルム、紙等)を指定す
るようになっている。そして、指定された内容は、デー
タRAM14に保持されている。ステップ618におい
て印刷動作が終了していた場合、CPU41は、このデ
ータRAM14に記憶されている用紙の厚さ及び材質の
情報をエンジンインターフェース回路58を通じて読み
出す。そして、CPU41は、データRAM14から読
み出した用紙の厚さおよび材質と、ステップ614にお
いて得た用紙のサイズ(幅、長さ)とに基づいて、用紙
間隔時間定義テーブルを参照することで、次の用紙まで
の用紙間隔時間に対応するカウント値を求める(ステッ
プ620)。そして、CPU41は、この求めたカウン
ト値を待ち時間カウンタTnxtにセットするとともに
(ステップ622)、この待ち時間カウンタTnxtに
よるカウントを開始する(ステップ624)。なお、こ
の待ち時間カウンタTnxtは、次の印刷開始までの用
紙間隔時間を計時するためのダウンカウンタである。
【0236】カウント開始後、CPU41は、待ち時間
カウンタTnxtのカウントが終了するのを待つ(ステ
ップ626)。カウントが終了していれば、用紙印刷に
必要な温度に定着器の中央部の温度が回復したと推定さ
れる。従って、CPU41は、ステップ608に戻り、
それ以降、再び同様の処理を繰り返す。
【0237】以上の処理によって、図30に示すよう
に、各用紙への印刷は、定着器(ヒートローラ中央部)
の温度が十分に回復するだけの時間(用紙間隔時間)を
あけて行われることになる。
【0238】図31は、本実施の形態7において用紙を
印刷走行させた場合のヒートローラ23の端部及び中央
部の温度変化と、定着器ランプ22のON/OFF制御
及び用紙走行のタイミングを示した図である。図31か
らわかるように、印刷は、ヒートローラ23の温度が十
分に回復してから開始されている。また、用紙間隔時間
は、直前に印刷された用紙のサイズ等に基づいて逐次決
定されているため、途中で、サイズの異なる用紙への印
刷に際しても何ら問題はない。
【0239】次に用紙間隔時間定義テーブルの内容の決
定の仕方を、ヒートローラ23等の構成および温度低下
の要因とともに詳細に説明する。
【0240】図26に示すとおり、定着器のヒートロー
ラ23は中空のパイプであり、定着器ランプ22はこの
中に設置されている。この定着器ランプ22をONにし
て通電することで ヒートローラ23はその軸方向につ
いて均一に加熱されるようになっている。
【0241】ヒートローラ23の端部には、サーミスタ
21がその外周面に密着して取り付けられている。機構
制御部2のCPU41は、サーミスタ検出回路57を通
じて得られるサーミスタ21の検出結果に基づいて、所
定時間毎にその温度を監視している。そして、定着器ラ
ンプON/OFF回路59を介して、適宜、定着器ラン
プ22をON/OFFすることでヒートローラ23を所
定の温度に制御している。例えば、サーミスタ21の検
出温度が目標温度以上になっていた場合には、定着器ラ
ンプ22をOFFにして加熱を停止する。一方、目標温
度以下になっていた場合には、定着器ランプ22をON
にして加熱を開始する。このようにしてヒートローラ2
3は、目標温度に保たれる。
【0242】しかし、この温度制御はあくまでもサーミ
スタ21の検出結果に基づいて行われている。従って、
実際に目標温度に保たれているのはサーミスタ21が温
度を検出している部位、すなわち、ヒートローラ端部だ
けである。ヒートローラ23の中央部は必ずしも目標温
度に制御されているとは限らない。図31に示すとお
り、印刷を続けるうちにヒートローラ23の中央部で
は、その温度が目標温度からずれて低くなってしまう。
そして、このような温度低下が限度を超えると定着不良
が発生する。
【0243】このように印刷を続けるうちに温度の低下
が生じるのは、定着処理の際には、トナーの溶融、用紙
の加熱のために、ヒートローラ23から熱が奪われるか
らである。また、この温度低下が、ヒートローラ23の
中央部において顕著に生じるのは、定着処理は一般にヒ
ートローラ23の中央部分を用いて行われるからであ
る。
【0244】このようなヒートローラ23の不均一な温
度分布は、印刷(厳密には定着処理)を休止していれ
ば、端部領域からの熱の移動によって時間の経過ととも
に解消される。そこで、本実施の形態7では以下のよう
にして用紙間隔時間定義テーブルの内容を決定してい
る。
【0245】まず、実験により複数枚にわたって連続し
て印刷を行った場合におけるヒートローラ23の中央部
の温度変化の様子を測定する。そして、この測定結果に
おける定着器ランプ22のON/OFFに応じて生じて
いる小刻みな温度の上下を均すことで、温度変化のプロ
フィールを得る。図31中に、実際の測定結果を点線
で、一方、求めたプロフィールを推定温度として実線で
描いた。そして、このプロフィールをもとに、一旦低下
した中央部の温度が目標温度まで回復するまでに要する
時間を求める(推定する)。そして、この推定した時間
をその時の条件下での用紙間隔時間とする。但し、この
ようにして決定した値は用紙間隔時間の最小値であり、
実際にはさらに長い時間を設定しても構わない。
【0246】この場合、この温度低下の様子は、定着処
理によって奪われる熱の量に応じて、当然、異なる。そ
してこの奪われる熱量は、用紙の幅、長さ、用紙厚さ、
用紙材質、用紙の温度に応じて異なる。従って、本実施
の形態7ではこのプロフィールを、用紙の幅、長さ、用
紙厚さ、用紙材質をパラメータとして、様々な条件につ
いて求める。用紙間隔時間も、各プロフィール毎に決定
する。そして、このようにして求めた用紙間隔時間の値
と、これに対応する各パラメータ(用紙の幅、長さ、厚
さ、材質)の値とを対応づけてテーブル化することで用
紙間隔時間定義テーブルが得られる。なお、用紙の温度
をパラメータに含めた例については、後ほど実施の形態
8として説明する。
【0247】以上説明したとおり本実施の形態7によれ
ば、印刷する用紙の幅、長さ、厚さ、材質の影響による
部分的な定着強度の劣化を改善することができる。
【0248】実施の形態7では、用紙の幅、長さ、厚さ
および材質のすべてを考慮して用紙間隔時間を設定して
いた。しかし、必ずしもこれらのパラメータの全てを考
慮する必要はない。これらパラメータのうちの少なくと
も一つに応じて用紙間隔時間を設定するようにしてもよ
い。
【0249】実施の形態8.先に述べた実施の形態7で
は、ヒートローラの部分的な温度低下が解消され十分な
定着が可能な状態にまで回復するまでに要する時間を、
印刷中の用紙の幅、長さ、厚さ、材質に基づいて推定
し、印刷する用紙の時間間隔をこの推定された時間より
も長くしていた。本実施の形態8ではこの推定を、印刷
に供される用紙の温度をも考慮して行うことを主な特徴
としている。
【0250】本実施の形態8は、用紙カセット36およ
び機構制御部2が実施の形態7とは異なる。これ以外の
点は実施の形態7と同様である。従ってこれ以降の説明
は、実施の形態7との相違点を中心に行うことにする。
【0251】本実施の形態8における用紙カセット36
を図32を用いて説明する。
【0252】本実施の形態8における用紙カセット36
は、用紙温度検出センサ76およびセンサ支持機構75
を備えている。これ以外の点は、実施の形態7における
用紙カセットと同様の構成である。
【0253】用紙温度検出センサ76は、用紙カセット
36に収容されている用紙のうち次にホッピングされる
用紙(本実施の形態8では、最上位に位置する用紙)の
表面温度を検出するためのものである。本実施の形態8
ではこの用紙温度検出センサ76として、サーミスタを
採用している。
【0254】センサ支持機構75は、用紙温度検出セン
サ76を支えるとともに、これを用紙カセット36に収
容されている用紙のうち最上位に位置する用紙に一定の
圧力で圧接させるためのものである。本実施の形態8に
おけるセンサ支持機構75は、スプリング等で構成され
ている。
【0255】本実施の形態8における機構制御部2の構
成を図33を用いて説明する。
【0256】本実施の形態8における機構制御部2は、
図33に示したとおり、用紙温度検出回路65を備えて
いる点が実施の形態7とは異なる。また、CPU41等
によるヒートローラの温度制御の内容が異なっている。
それ以外の点は実施の形態7と同様である。
【0257】用紙温度検出回路65は、アナログ/デジ
タル変換回路を含んで構成されており、用紙カセット3
6に設けられた用紙温度検出センサ76の出力信号をア
ナログ/デジタル変換した上でCPU41へ出力するも
のである。
【0258】マイクロプロセッサ(以下「CPU」と称
す)41は機構制御部2および機構部3の全体を制御す
るものである。このCPU41は、プログラムROM4
2に格納された制御プログラム及び各種データが格納さ
れるデータRAM43にアクセスすることにより制御を
行う機能を備えている。このCPU41等によって実現
されている機能としては、実施の形態7と同様に、用紙
のサイズ、材質等に応じて後述する印刷起動のタイミン
グを変更することで、連続印刷時における用紙間隔を調
整する機能が挙げられる。
【0259】プログラムROM42に格納される情報と
しては、制御プログラムの他に、用紙間隔時間定義テー
ブル等が挙げられる。本実施の形態8の用紙間隔時間定
義テーブルは、実施の形態7と同様に、各種パラメータ
に応じて用紙間隔時間を定義したものである。但し、本
実施の形態8における用紙間隔時間定義テーブルでは、
パラメータとして、用紙の幅、長さ、厚さ、材質に加え
て用紙の表面温度が含まれている。この用紙間隔時間定
義テーブルの内容は、実験結果に基づいて決定されたも
のである。この内容の決定の仕方については、実施の形
態7の説明において図31を用いて述べたとおりであ
る。但し、本実施の形態8においては用紙の表面温度を
様々に設定した実験も行う必要がある。
【0260】データRAM43に格納される情報として
は、ガイド位置検出センサ機構64によって検知される
用紙のサイズ(幅、長さ)、用紙温度検出センサ76に
よって検出された用紙の表面温度等が挙げられる。
【0261】本実施の形態8における動作を図34を用
いて説明する。
【0262】図34は実施の形態8における制御動作を
示すフローチャートである。
【0263】本実施の形態8におけるCPU41の処理
動作(図34)は、一部を除き、実施の形態7での処理
動作(図29)とほぼ同様である。すなわち、本実施の
形態8においては、実施の形態7の処理動作(図29)
におけるステップ614およびステップ620に代わっ
て、ステップ614’およびステップ620’を行って
いる。従って、ここではステップ614’以降の処理動
作についてだけ述べることにする。
【0264】ステップ612において印刷データがあっ
た場合には、CPU41は、ステップ614’へ進む。
ステップ614’では、CPU41は、用紙カセット3
6に収容されこの時の印刷に供されている用紙のサイズ
(幅、長さ)および用紙の表面温度を検知する。この用
紙サイズの検知は、具体的には、用紙サイズ検出回路6
3を通じてガイド位置検出センサ機構64の検出結果を
解析することで行っている。また、用紙の表面温度の検
知は、用紙温度検出回路65を介して用紙温度検出セン
サ76の検出結果を確認することで行っている。CPU
41は、このようにして検知した用紙サイズおよび用紙
の表面温度を、次の印刷における用紙のサイズ(幅、長
さ)および温度としてデータRAM43に記憶する。
【0265】その後、CPU41は、次の印刷に備え
て、用紙カセット36から用紙をホッピングし、この用
紙をレジストローラ32につき当てられた状態で停止さ
せる(ステップ616)。
【0266】この後、CPU41は、先にステップ60
8において開始した印刷動作が終了するのを待つ(ステ
ップ618)。そして、印刷動作が終了していた場合に
は、ステップ620’へ進む。
【0267】ところで、このプリンタでは、使用者がデ
ータ受信/編集処理部1の操作部表示部17を操作し
て、用紙の厚さおよび材質(フィルム、紙等)を指定す
るようになっている。そして、指定された内容は、デー
タRAM14に保持されている。ステップ620’にお
いて、CPU41は、このデータRAM14に記憶され
ている用紙の厚さ、材質、温度の情報をエンジンインタ
ーフェース回路58を通じて読み出す。そして、CPU
41は、データRAM14から読み出した用紙の厚さ、
材質および温度と、ステップ614’において得た用紙
のサイズ(幅、長さ)とに基づいて、用紙間隔時間定義
テーブルを参照することで、次の用紙までの用紙間隔時
間に対応するカウント値を求める(ステップ62
0’)。CPU41は、この求めたカウント値を待ち時
間カウンタTnxtにセットするとともに(ステップ6
22)、この待ち時間カウンタTnxtによるカウント
を開始する(ステップ624)。そして、このカウント
が終了するのを待つ(ステップ626)。カウントが終
了していれば、用紙印刷に必要な温度に定着器の中央部
の温度が回復したと推定される。従って、CPU41
は、ステップ608に戻り、それ以降、再び同様の処理
を繰り返す。
【0268】以上の処理によって、各用紙への印刷は、
定着器(特に、ヒートローラ中央部)の温度が十分に回
復するだけの時間(用紙間隔時間)をあけて行われるこ
とになる。
【0269】以上説明したとおり本実施の形態8では、
印刷する用紙の幅、長さ、厚さ、材質、温度の影響によ
る部分的な定着強度の劣化を改善することができる。特
に、本実施の形態8では、次に印刷に供される用紙の表
面の温度を印刷直前に検出し、その検出結果を用紙間隔
時間に反映させるため、より確実である。
【0270】実施の形態8では、用紙の幅、長さ、厚
さ、材質および温度のすべてを考慮して用紙間隔時間を
設定していた。しかし、必ずしもこれらのパラメータの
全てを考慮する必要はない。これらパラメータのうちの
少なくとも一つに応じて用紙間隔時間を設定するように
してもよい。例えば、温度だけを考慮して用紙間隔時間
を設定することも考えられる。
【0271】実施の形態9.本実施の形態9は、ヒート
ローラの温度分布の均一化を促進するための機構とし
て、後述する定着器ファン81等を備えたことを主な特
徴とする。また、この定着器ファン81の回転を、用紙
のサイズ(幅、長さ)、厚さ、材質に応じて変更するこ
とで、これらの要因に起因した温度低下幅の変動を補償
することを主な特徴とする。以下、詳細に説明する。
【0272】本実施の形態9は、定着器ファン81およ
び定着器カバー82(図35)を備えるとともに、機構
制御部2が実施の形態7とは異なる。これ以外の点は実
施の形態7と同様である。従ってこれ以降の説明は、実
施の形態7との相違点を中心に行うことにする。
【0273】まず、定着器ファン81および定着器カバ
ー82について図35を用いて説明する。
【0274】定着器ファン81および定着器カバー82
は、ヒートローラ23の冷却および温度均一化を促進す
るための機構である。つまり、定着器カバー82によっ
てヒートローラ23を覆うとともに、両者間の隙間の空
気を定着器ファン81によって吸引することで、ヒート
ローラ23の冷却および温度の均一化を図るようになっ
ている。
【0275】定着器カバー82は、ヒートローラ23の
外周ローラ面全体を、バックアップローラ25と対向し
ている部分を除き覆っている。この定着器カバー82
は、ヒートローラ23の部分ごとの冷却効率を考慮した
形状とされている。すなわち、定着器カバー82とヒー
トローラ23との隙間は、図35に示すように、端部付
近では狭く、一方、中央部では広くされている。
【0276】定着器ファン81は、定着器カバー82と
ヒートローラ23との間の空気を、図35に示す様にカ
バー外へ排出するためのものであり、定着器カバー82
の中央に取り付けられている。この定着器ファン81
は、その回転数を可変可能なファンモータ68(図3
6)によって駆動されている。従って、このファンモー
タ68はその回転数を変更することで、定着器ファン8
1の回転数を変更可能である。なお、このファンモータ
68の回転つまり定着器ファン81の回転は、後述する
とおり、ファンモータ制御回路67(図36)から入力
される電圧に応じて変化するようになっている。
【0277】本実施の形態9における機構制御部2の構
成を図36を用いて説明する。
【0278】本実施の形態9における機構制御部2は、
図36に示したとおり、ファンモータ制御回路67を備
えている点が実施の形態7とは異なる。また、CPU4
1等によってこの定着器ファン81の回転を制御する機
能を備えている点が実施の形態7とは異なっている。そ
れ以外の点は実施の形態7と同様である。
【0279】ファンモータ制御回路67は、CPU41
からの指示に従って、定着器ファン81を駆動している
ファンモータ68を制御するものである。具体的にはC
PU41から指示された大きさの電圧をファンモータ6
8へ入力させることで、ファンモータ68の回転を制御
するようになっている。
【0280】本実施の形態9におけるCPU41は、機
構制御部2および機構部3の全体を制御するものであ
る。このCPU41は、プログラムROM42に格納さ
れた制御プログラム及び各種データが格納されるデータ
RAM43にアクセスすることにより制御を行う機能を
備えている。このCPU41等によって実現されている
機能としては、用紙のサイズ、材質等に応じて、定着器
ファン81の回転数を制御する機能が挙げられる。な
お、実施の形態7とは異なり、用紙のサイズ、材質等に
応じての用紙間隔を調整する制御は行っていない。
【0281】プログラムROM42に格納される情報と
しては、制御プログラムの他に、回転数定義テーブル等
が挙げられる。回転数定義テーブルとは、用紙の幅、長
さ、厚さ、材質の組み合わせをパラメータとして、定着
器ファン81の回転数を規定したテーブルである。但
し、実際には回転数そのものではなく、当該回転数に対
応したファンモータ68への供給電圧が記載されてい
る。定着器ファン81の回転数は、このファンモータ6
8への供給電圧に応じて定まる。この回転数定義テーブ
ルの内容は、実験結果に基づいて決定されたものであ
る。この回転数定義テーブルの内容の決定の仕方につい
ては後ほど説明する。
【0282】データRAM43に格納される情報として
は、ガイド位置検出センサ機構64によって検知される
用紙のサイズ(幅、長さ)等が挙げられる。
【0283】本実施の形態9における動作を図37を用
いて説明する。
【0284】図37は、CPU41による制御動作を示
すフローチャートである。
【0285】プリンタの電源が投入されて印刷可能な状
態において、機構制御部2のCPU41は以下の処理を
行い続けている。
【0286】CPU41は、まずデータ受信/編集処理
部1に印刷データが蓄積されているかどうかを、エンジ
ンインターフェース回路58を通じて確認している(ス
テップ630)。印刷データが蓄積されていなければ、
そのまま確認を繰り返している。一方、印刷データが蓄
積されていた場合には、CPU41は、用紙カセット3
6に収容されている用紙のサイズ(幅、長さ)を検知す
る。この用紙サイズの検知は、具体的には、用紙サイズ
検出回路63を通じてガイド位置検出センサ機構64の
検出結果を解析することで行っている。CPU41は、
このようにして検知した用紙サイズを、次の印刷におけ
る用紙のサイズ(幅、長さ)としてデータRAM43に
記憶する(ステップ632)。
【0287】この後、CPU41は、ホッピングモータ
駆動回路48を介してホッピングモータ34を作動させ
ることで、用紙カセット36に収容されている用紙束か
ら用紙を1枚だけ分離して送り出すホッピングを行う
(ステップ634)。その後、CPU41は、この用紙
の先端を用紙入り口センサ33が検出しONとなるのを
待つ(ステップ636)。
【0288】用紙入り口センサ33がONとなった場合
には、続いて、CPU41は、先にステップ644にお
いて開始された印刷動作が終了するのを待つ(ステップ
638)。この間、この用紙の搬送および印刷の準備が
できるまで、用紙はレジストローラ32につき当てられ
た状態で停止されている。なお、1枚目の印刷の際には
ステップ638は必ず「YES」となり、そのままステ
ップ640へ進むことになる。
【0289】ところで、このプリンタでは、使用者がデ
ータ受信/編集処理部1の操作部表示部17を操作し
て、用紙の厚さおよび材質(フィルム、紙等)を指定す
るようになっている。そして、指定された内容は、デー
タRAM14に保持されている。
【0290】ステップ638において印刷動作が終了し
ていた場合、CPU41は、このデータRAM14に記
憶されている用紙の厚さ及び材質の情報をエンジンイン
ターフェース回路58を通じて読み出す。そして、CP
U41は、データRAM14から読み出した用紙の厚さ
および材質と、ステップ630において得た用紙のサイ
ズ(幅、長さ)とに基づいて、回転数定義テーブルを参
照することで、ファンモータ68への供給電圧を決定す
る(ステップ640)。CPU41は、このようにして
決定した電圧をファンモータ駆動回路67にセットする
ことで、定着器ファン81を用紙のサイズ(幅、長
さ)、用紙の厚さおよび材質に応じた回転数で作動させ
る(ステップ642)。続いて、CPU41は、レジス
トモータ31、ドラムモータ28、定着器モータ26等
の各部を作動させて、その用紙の搬送および印刷を開始
させる(ステップ644)。
【0291】印刷開始後、CPU41は、用紙が用紙入
り口センサ33を通過し終わり、用紙入り口センサ33
がOFFとなるのを待つ(ステップ646)。用紙入り
口センサ33がOFFとなっていた場合には次の用紙を
ホッピング可能であるため、CPU41は、ステップ6
30に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0292】以上の処理によって印刷(より厳密には定
着)の際には、定着器ファン81が回転し空気を吸引す
ることになる。この場合、定着器ファン81による吸引
によってヒートローラ23と定着器カバー82との隙間
を流れる空気は、ベンチェリー効果によって、ヒートロ
ーラ23の端部付近では速く、一方、中央部付近ではゆ
っくりと移動する。また、定着器ファン81は中央部付
近に設けられているため、端部側からこの隙間に流入し
た空気が中央部付近に到達する頃には、ある程度暖まっ
ている。従って、ヒートローラ23に対する冷却作用
は、端部付近では強く、一方、中央部では小さい。その
結果、ヒートローラ23の温度は速やかに均一化され
る。
【0293】さらにこの定着器ファン81の回転数(す
なわち流れる空気の流量)は印刷する用紙の幅、長さ、
厚さおよび材質に応じて変更される。そのため、印刷す
る用紙の幅、長さ、厚さおよび材質に応じてベンチェリ
ー効果の強さが変化し、これらの要因(用紙の幅、長
さ、厚さおよび材質)の違いに起因した、ヒートローラ
中央部での温度低下の変動も補償される。
【0294】図38に、印刷を行った場合におけるヒー
トローラ23の温度変化の様子を示すタイムチャートを
示した。図38上段は定着器ファン81を作動させて定
着を行った場合、図38下段は定着器ファン81を停止
したままで定着を行った場合を示している。図中、実測
値を波線で示した。また、定着器ランプ22のON/O
FFに応じて生じる小刻みな温度の上下を均した温度変
化の傾向を実線で示した。定着器ファン81を作動させ
ていない場合には、図38の下段に示したように、中央
部の温度が低下してゆく。これに対し定着器ファン81
を作動させている場合には、図38の上段に示したよう
に、ヒートローラ23の温度分布は印刷を繰り返しても
均一に保たれている。従って、連続して印刷を行った場
合でも、ヒートローラ23の温度低下に起因した定着不
良が発生することはない。
【0295】次に回転数定義テーブルの内容の決定の仕
方を説明する。
【0296】既に述べたとおり定着器ファン81による
吸引は、ヒートローラ23の温度分布を均一化する作用
がある。そこで、定着器ファン81の吸引による温度均
一化の様子を確認する実験を行う。具体的には、定着器
ファン81を回転させながら印刷を行うとともに、この
定着器ファン81の回転数を様々に変更する。そして、
ヒートローラ23の中央部における温度と、ヒートロー
ラ23の端部における温度とがほぼ一致するまで温度分
布の均一化が進むような、定着器ファン81の回転数を
求める。なお、ここでは温度分布均一化の作用の大きさ
を、定着器ファン81の回転数で規定しているが、厳密
には、定着器カバー82とヒートローラ23との隙間を
流れる空気の流量によって規定されるものである。
【0297】この場合、ヒートローラ23における温度
分布不均一化の様子は、定着処理によって奪われる熱の
量に応じて、当然、異なる。そしてこの奪われる熱量
は、用紙の幅、長さ、厚さおよび材質に応じて異なる。
従って、用紙の幅、長さ、厚さおよび材質をパラメータ
として、様々な条件について、ヒートローラ23の中央
部と端部との温度がほぼ一致するような、定着器ファン
81の回転数を求める。そして、このようにして求めた
定着器ファン81の回転数と、これに対応する各パラメ
ータ(用紙の幅、長さ、厚さ、材質)の値とを対応づけ
てテーブル化することで回転数定義テーブルが得られ
る。
【0298】以上説明したとおり本実施の形態9によれ
ば、ヒートローラの局部的な温度低下を効果的に解消
し、その温度分布を均一にすることができる。また、用
紙のサイズ(幅、長さ)、厚さ、材質の違いに起因した
温度低下幅等の変動を補償することができる。
【0299】以上説明した実施の形態はいずれもプリン
タであった。しかし、本発明はプリンタのみならず、電
子写真方式の画像形成装置(プリンタ、複写機)一般に
広く適用可能である。また、光源がレーザでもLEDで
も関係なく適用可能である。
【0300】本発明を実際の装置に適用するに当たって
は、上述した実施の形態と同様の構成である必要はな
い。上記実施の形態の構成を必要に応じて互いに組み合
わせても構わない。
【0301】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明の定着装置、
画像形成装置およびその制御方法によれば、連続して印
刷を行った場合、特に幅の狭い用紙を連続して印刷した
場合でも常に安定した定着性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のプリンタにおける内
部構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態1のプリンタにおける、パワーO
N処理を示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態1のプリンタにおける、ページプ
リント処理を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1における温度制御による温度変
化を示すタイムチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態2のプリンタの概要を示
す模式図である。
【図6】 実施の形態2における、定着装置および制御
装置の回路図である。
【図7】 実施の形態2における、温度監視回路の回路
構成を示す図である。
【図8】 実施の形態2における、温度監視回路の動作
を示すタイムチャートである。
【図9】 実施の形態2における、温度監視回路の動作
可否の判定内容を示す図である。
【図10】 実施の形態2における定着装置及び制御装
置の動作を示すフローチャートである。
【図11】 実施の形態2における定着装置及び制御装
置の動作を示すタイムチャートである。
【図12】 実施の形態3における定着装置及び制御装
置の動作を示すフローチャートである。
【図13】 実施の形態3における定着装置及び制御装
置の動作を示すタイムチャートである。
【図14】 実施の形態4における定着装置及び制御装
置の動作を示すフローチャートである。
【図15】 実施の形態4における定着装置及び制御装
置の動作を示すタイムチャートである。
【図16】 実施の形態5における定着装置及び制御装
置の動作を示すフローチャートである。
【図17】 実施の形態5における定着装置及び制御装
置の動作を示すタイムチャートである。
【図18】 本発明の実施の形態6における制御原理を
示す図であり、(a)は連続印刷枚数とヒートローラ表
面温度との関係を示すグラフ、(b)は連続印刷枚数と
ヒートローラの温度制御における設定温度との関係を示
す図である。
【図19】 実施の形態6におけるプログラムROMに
格納される制御用テーブル(テーブル1,テーブル2)
を示す図である。
【図20】 実施の形態6のプリンタにおける、パワー
ON処理を示すフローチャートである。
【図21】 実施の形態6のプリンタにおける、ページ
プリント処理を示すフローチャートである。
【図22】 実施の形態6のプリンタにおける、ページ
プリント処理の他の例を示すフローチャートである。
【図23】 実施の形態6における温度制御による温度
変化を示すタイムチャートである。
【図24】 本発明の実施の形態7におけるプリンタの
基本構成を示すブロック図である。
【図25】 実施の形態7におけるデータ受信/編集処
理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図26】 実施の形態7における機構部の詳細な構成
を示すブロック図である。
【図27】 実施の形態7における用紙カセットを示す
斜視図である。
【図28】 実施の形態7における機構制御部の詳細な
構成を示すブロック図である。
【図29】 実施の形態7における制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【図30】 実施の形態7における動作を示すタイムチ
ャートである。
【図31】 実施の形態7におけるヒートローラの端部
及び中央部の温度変化と、定着器ランプのON/OFF
制御及び用紙走行のタイミングを示したタイムチャート
である。
【図32】 本発明の実施の形態8における用紙カセッ
トを示す斜視図である。
【図33】 実施の形態8における機構制御部の詳細な
構成を示すブロック図である。
【図34】 実施の形態8における制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【図35】 本発明の実施の形態9におけるヒートロー
ラ周辺部の構成を示す斜視図である。
【図36】 実施の形態9における機構制御部の詳細な
構成を示すブロック図である。
【図37】 実施の形態9における制御動作を示すフロ
ーチャートである。
【図38】 印刷を行った場合におけるヒートローラ2
3の温度変化の様子を示すタイムチャートであり、上段
は定着器ファンを作動させて定着を行った場合、下段は
定着器ファンを停止したままで定着を行った場合を示し
ている。
【図39】 従来の電子写真方式のプリンタの印刷プロ
セスの概要を示す図である。
【図40】 定着装置と用紙との位置関係、およびヒー
トローラの構成を示す図である
【図41】 ヒートローラ各部の温度と定着率との関係
を示す図である。
【図42】 ヒートローラと用紙との位置関係を示す斜
視図である
【符号の説明】
1 データ受信/編集処理部、 2 機構制御部、 3
機構部、 11 マイクロプロセッサ、 12 デー
タバス、 13 アドレスバス、 14 データRA
M、 15 プログラムROM、 16 メモリコント
ロール回路、 17 操作部表示部、 18 操作部制
御回路、 19 エンジンインターフェース回路、 2
0 ネットワークインターフェース制御回路、 21
サーミスタ、 22 定着器ランプ、 23 ヒートロ
ーラ、 24 リードコンタクト、25 バックアップ
ローラ、 26 定着器モータ、 27 ドラムユニッ
ト、 28 ドラムモータ、 29 書き込み開始セン
サ、 30 転写ローラ、31 レジストモータ、 3
2 レジストローラユニット、 33 用紙入り口セン
サ、 34 ホッピングモータ、 35 ホッピングロ
ーラ、 36 用紙カセット、 41 マイクロプロセ
ッサ(CPU)、 42 プログラムROM、 43
データRAM、 44 ドラムモータ駆動回路、 46
定着器モータ駆動回路、 48 ホッピングモータ駆
動回路、 50 レジストモータ駆動回路、 53 用
紙入り口センサ回路、 55 書き込み開始センサ回
路、57 サーミスタ検出回路、 58 エンジンイン
ターフェース回路、 59定着器ランプON/OFF回
路、 61 ヘッドデータ転送回路、 62 LEDヘ
ッド、 63 用紙サイズ検出回路、 64 ガイド位
置検出センサ機構、65 用紙温度検出回路、 67
ファンモータ制御回路、 68 ファンモータ、 71
用紙幅ガイド、 72 用紙後端ガイド、 74 ホ
ッピングガイド、 75 センサ支持機構、 76 用
紙温度検出センサ、 81 定着器ファン、 82 定
着器カバー、 100 印刷ユニット、 101 感光
ドラム、 102 帯電ローラ、 103 光源、 1
04 現像ローラ、 105転写ローラ、 106 ク
リーニングローラ、 107 定着装置、 108ヒー
トローラ、 108a ローラ本体、 108b ヒー
タ、 109 バックアップローラ、 110 サーミ
スタ、 112 レジストローラ対、 113 書き込
みセンサ、 114 排出センサ、115 用紙、 2
01 制御部、 202 電源部、 203 CPU、
204 プログラムROM、 205 フォントRO
M、 206 RAM、 207 EEPROM、 2
08インタフェース回路、 209 モータ駆動回路、
210 ドラムモータ、211 レジストモータ、
212 定着器制御回路、 213 印刷データ制御回
路、 214 サーミスタ、 215 LEDヘッド、
411 感光ドラム、 413 定着装置、 414
ヒートローラ、 414a ローラ本体、 414b
ヒータ、 415 バックアップローラ、 416
転写ローラ、 419 用紙、 421 プリンタ本
体、 422 ドラムユニット、 424 露光装置、
427 給紙カセット、 428 給紙ローラ、 4
29排紙装置、 430 制御装置、 430a 制御
部、 430b 温度監視回路、 430c 制御素
子、 431 操作装置、 436 サーミスタ、 4
40 コンパレータ、 441 コンパレータ、 44
2 コンパレータ、 443 インバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐原 基範 東京都港区芝浦4丁目11番地22号 株式会 社沖データ内 Fターム(参考) 2H033 AA02 AA45 BA08 BA24 BA30 BB17 BB37 CA04 CA07 CA17 CA30 CA38 CA48

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を、その温度が制御された加熱部を通過させ
    て画像を定着させることで、印刷を行う画像形成装置の
    制御方法において、 印刷に供される用紙の幅および印刷の枚数を監視し、あ
    らかじめ定められた基準よりも幅の狭い用紙があらかじ
    め定められた枚数だけ連続して印刷された場合には、定
    着動作を一旦休止させ、この休止中、前記加熱部を昇温
    させた上で、定着動作を再開することを特徴とする画像
    形成装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記休止中には、前記加熱部の昇温に先
    立って、前記加熱部の温度を一旦下げることを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記休止中における前記加熱部の昇温
    は、所定の目標温度を超えることがないように制御しつ
    つ行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像形
    成装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記休止中における前記加熱部の昇温の
    際の目標温度は、定着動作中における前記加熱部の温度
    制御での目標温度よりも高いことを特徴とする請求項3
    記載の画像形成装置の制御方法。
  5. 【請求項5】 前記休止中における前記加熱部の昇温の
    際の目標温度は、前記加熱部における部分ごとの温度分
    布のばらつきを考慮して決定されていることを特徴とす
    る請求項4記載の画像形成装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記休止中、前記加熱部を昇温させた
    後、さらに、定着動作中と同じ目標温度での温度制御を
    行った上で、定着動作を再開することを特徴とする請求
    項1,2,3,4または5記載の画像形成装置の制御方
    法。
  7. 【請求項7】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を、その温度が制御された加熱部を通過させ
    て画像を定着させることで、印刷を行う画像形成装置の
    制御方法において、 印刷に供される用紙の幅および印刷の枚数を監視し、あ
    らかじめ定められた基準よりも幅の狭い用紙があらかじ
    め定められた枚数だけ連続して印刷された場合には、そ
    れ以後の所定枚については、前記加熱部を昇温させつつ
    定着動作を行うことを特徴とする画像形成装置の制御方
    法。
  8. 【請求項8】 定着動作中に行う前記加熱部の昇温の際
    の目標温度は、前記加熱部を昇温させることなく行う定
    着動作中における前記加熱部の温度制御での目標温度よ
    りも高いことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置
    の制御方法。
  9. 【請求項9】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を、その温度が制御された加熱部を通過させ
    て画像を定着させることで、印刷を行う画像形成装置の
    制御方法において、 印刷に供される用紙の幅および印刷の枚数を監視し、あ
    らかじめ定められた基準よりも幅の狭い用紙が連続して
    印刷された場合には、当該連続して印刷された枚数に応
    じて前記加熱部の温度制御の目標値を設定することを特
    徴とする画像形成装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を、その温度が制御された加熱部を通過させ
    て画像を定着させることで、印刷を行う画像形成装置の
    制御方法において、 印刷に供される用紙の幅、長さ、厚さ、材質および温度
    のうちの少なくとも一つを検出し、連続して印刷を行う
    場合における用紙間の時間間隔を、この検出結果に基づ
    いて決定することを特徴とする画像形成装置の制御方
    法。
  11. 【請求項11】 前記時間間隔は、前記加熱部の温度が
    定着に必要な温度にまで回復するに要する時間よりも長
    いことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置の制
    御方法。
  12. 【請求項12】 用紙に未定着の画像を形成するととも
    に、該用紙を、その温度が制御された加熱部を通過させ
    て画像を定着させることで、印刷を行う画像形成装置の
    制御方法において、 前記加熱部を冷却するとともに、 印刷に供される用紙の幅、長さ、厚さ、材質および温度
    のうちの少なくとも一つを検出し、この検出結果に応じ
    て冷却の程度を変更することを特徴とする画像形成装置
    の制御方法。
  13. 【請求項13】 用紙上に未定着の画像を形成する未定
    着画像形成手段と、 前記未定着画像形成手段によって未定着の画像が形成さ
    れた用紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着さ
    せる定着手段とを備え、 前記定着手段は、 その温度を所望の温度に制御されここを通過する用紙に
    熱を付与する加熱部と、 前記未定着画像形成手段によって未定着の画像が形成さ
    れた用紙を前記加熱部を通過させる走行手段と、 熱を発生しこれを前記加熱部に付与する発熱手段と、 用紙の幅を検出する用紙幅検出手段と、 印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、 前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手段の検出
    結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があらかじめ
    定められた値以下の用紙があらかじめ定められた枚数だ
    け連続して印刷されたことを検出した場合には、それ以
    後所定枚については、前記発熱手段によって前記加熱部
    を昇温させつつ、前記走行手段によって前記用紙を走行
    させる制御手段とを有することを特徴とする画像形成装
    置。
  14. 【請求項14】 用紙上に未定着の画像を形成する未定
    着画像形成手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着させる定
    着手段とを備え、 前記定着手段は、 その温度を所望の温度に制御されここを通過する用紙に
    熱を付与する加熱部と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を前記加熱部を通過させる走行手段と、 熱を発生しこれを前記加熱部材に付与する発熱手段と、 用紙の幅を検出する用紙幅検出手段と、 印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、 前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手段の検出
    結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があらかじめ
    定められた値以下の用紙があらかじめ定められた枚数だ
    け連続して印刷されたことを検出した場合には、前記走
    行手段による前記用紙の走行を停止させた上で、前記発
    熱手段によって前記加熱部を昇温させ、その後、前記走
    行手段による前記用紙の走行を再開させる制御手段とを
    有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 用紙上に未定着の画像を形成する未定
    着画像形成手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着させる定
    着手段とを備え、 前記定着手段は、 その温度を所望の温度に制御されここを通過する用紙に
    熱を付与する加熱部と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を前記加熱部を通過させる走行手段と、 熱を発生しこれを前記加熱部材に付与する発熱手段と、 用紙の幅を検出する用紙幅検出手段と、 印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、 前記用紙幅検出手段および前記印刷枚数計数手段の検出
    結果に基づいて印刷状況を監視し、その幅があらかじめ
    定められた値以下の用紙が連続して印刷されたことを検
    出した場合には、当該連続して印刷された枚数に応じ
    て、前記発熱手段による前記加熱部の温度制御における
    目標値を設定する制御手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
  16. 【請求項16】 用紙上に未定着の画像を形成する未定
    着画像形成手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着させる定
    着手段とを備え、 前記定着手段は、 印刷に供される用紙の幅、長さ、厚さ、材質および温度
    のうちの少なくとも一つを検出する用紙性状検出手段
    と、 その温度を所望の温度に制御されここを通過する用紙に
    熱を付与する加熱部と、 熱を発生しこれを前記加熱部材に付与する発熱手段と、 前記画像形成手段によって未定着の画像が形成された用
    紙を前記加熱部を通過させる走行手段と、 前記発熱手段を制御して前記加熱部を所定の温度に制御
    するとともに、前記用紙性状検出手段の検出結果に基づ
    いて連続して定着を行う場合における用紙間の時間間隔
    を決定し、前記走行手段を制御することで該決定された
    時間間隔で用紙を連続して前記加熱部を走行させる制御
    手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  17. 【請求項17】 電子写真方式の画像形成装置に用いら
    れ、未定着の画像が形成された用紙に、所望の量の熱を
    与えることで画像を定着させる定着装置において、 用紙に熱を付与するための、用紙の幅方向における長さ
    が想定される用紙の幅よりも長い、加熱部材と、 熱を発生しこれを前記加熱部材に付与する発熱手段と、 未定着の画像が形成された用紙を前記加熱部材の前記幅
    方向における中心部を通過させる走行手段と、 前記加熱部材の前記幅方向における端部近傍に開口を残
    し、且つ前記加熱部材との間に隙間を形成した状態で、
    前記加熱部材を覆うカバー部材と、 前記カバー部材と前記加熱部材との隙間にある空気を、
    前記開口から前記加熱部材の前記幅方向における中心部
    に向けて流し該中心部において排出させる通気手段とを
    備え、 前記カバー部材と前記加熱部材との隙間は、前記端部側
    よりも、前記加熱部材の中心部側の方が広いことを特徴
    とする定着装置。
  18. 【請求項18】 用紙上に未定着の画像を形成する未定
    着画像形成手段と、 前記未定着画像形成手段によって未定着の画像が形成さ
    れた用紙に、所望の量の熱を与えることで画像を定着さ
    せる、請求項17記載の定着装置とを有することを特徴
    とする画像形成装置。
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