JP7154854B2 - 画像形成装置及び定着装置 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式などの複写機、プリンタ、ファックス、これらの機能を複数備えた複合機等、シート上に画像形成可能な画像形成装置、及びこれに搭載される定着装置(画像加熱装置)に関する。
近年、電子写真方式等を利用した画像形成装置では、印刷信号を受け付けてから印刷開始までの立ち上がり時間を短縮化することが求められている。またこの立ち上がり時間は定着装置の加熱時間が支配的であることが多く、一般的に、加熱時間を短縮することで画像形成装置の立ち上がり時間を短縮化することが可能であることが知られている。
立ち上がり時間を短くすることができる定着装置の技術として、特許文献1、2にあげられるようなものが提案されている。ここで提案されている定着装置の基本構成は、加圧ローラに対向して定着ベルトを挟み込むように設置された定着ヒータにより定着ベルトを加熱することでシート上のトナー像の定着を行うものである。定着ベルトの定着ニップ部の温度を、シート上のトナー像を定着するのに必要十分な熱量で加熱することにより、定着装置の立ち上がり時間を短縮化することに貢献している。
さらに特許文献1に記載された定着装置では、定着ベルト内部の、定着ニップ部に配置された定着ヒータの裏面側にサーミスタを設置する。そして、このサーミスタの応答速度特性によって定着ヒータの目標温度を変えるようにして定着ヒータの表面側(定着ベルト接触側)の温度を安定的に制御しようとするものである。
また特許文献2に記載された定着装置では、定着ヒータ裏面のメインサーミスタだけでなく、定着ベルトの内周面側にもサブサーミスタを当接させて、直接的に定着ベルトの温度を制御しようとするものである。
特開2001-282040号公報 特開2004-078181号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された定着装置の温度制御方式では、次のような課題がある。
特許文献1の温度制御方式の場合、定着ベルトの温度を間接的に制御する方式であるため、ヒータの裏面温度を検知しながら温調制御しても、定着ベルトの温度を正確に制御することができない。通紙条件(シートの種類、画像情報、速度、温湿度条件、など)によっては定着ベルトの温度がオーバーシュートしたり、リップルが大きくなったりしまうことで意図せず画像不良や搬送不良が発生してしまう虞がある。
また、特許文献2の温度制御方式の場合、定着ベルトの内面を直接温調制御している。そのため、定着ベルトの内面検出温度としては精度よく温調できるはずであるが、実際にシート上のトナー像に与える熱量を決めるのは定着ベルトの内面側ではなく表面側の温度が重要である。そのため、定着装置個体によりこの表面温度がばらつくことに起因してやはり熱量制御不足による画像不良や搬送不良、さらには定着部材の寿命低下といった課題を引き起こす虞があった。
より具体的には、定着装置を量産製造した場合、構成する各パーツの寸法や熱特性は規格範囲内の正常なばらつきを有する。たとえば、定着ベルトであれば各層の厚みばらつき(基層、弾性層、表層)、温度検知サーミスタであれば、素子の抵抗値、形状、バックアップ部材の寸法などの適正なばらつきは、量産部品としては避けて通ることができない。そのため、装置に組み込まれて稼働した際には表面温度ばらつきに直結して各種機能(定着性、画像性、搬送性、など)への影響が発生してしまう。
そこで、本発明の目的は、部品単体や取り付け状態に個体間ばらつきがあっても、定着ベルト(加熱回転体)の表面温度を適切な温度に制御し、定着基本性能および部材寿命を向上させた、画像形成装置、及び定着装置を提供することである。
(1)上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、シートにトナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部によりトナー像が形成されたシートをニップ部にて挟持搬送しながら加熱する無端状の加熱回転体と、前記加熱回転体の加熱源と、前記加熱回転体の内面温度を検知する温度検知部と、を備える定着部と、
前記温度検知部による検知温度に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御する温調制御部と、
予め所定の条件で取得した、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と外部測定器により測定した前記加熱回転体の表面温度との温度差情報が格納されている記憶部と、を有し、
前記温調制御部は、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と、前記記憶部から読みだした温度差情報と、に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする。
(2)また、上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、トナー像が形成されたシートをニップ部にて挟持搬送しながら加熱する無端状の加熱回転体と、
前記加熱回転体の加熱源と、
前記加熱回転体の内面温度を検知する温度検知部と、
前記温度検知部による検知温度に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御する温調制御部と、
予め所定の条件で取得した、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と外部測定器により測定した前記加熱回転体の表面温度との温度差情報が格納されている記憶部と、を有し、
前記温調制御部は、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と、前記記憶部から読みだした温度差情報と、に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、定着部の加熱回転体の表面温度を適切な温度に制御し、定着基本性能および部材寿命を向上させた画像形成装置、及び定着装置を提供することができる。
実施例の定着装置の横断面模式図 実施例の画像形成装置の構成略図 同装置の制御系統のブロック図 (a)と(b)はそれぞれセラミックヒータ例の横断面模式図 実施例の定着装置熱特性測定治具(外部測定器)の構成略図 実施例の定着装置熱特性測定時の温度推移フラフ 実施例の動作を説明するフローチャート 実施例の効果を示す画像形成動作時の温度推移フラフ 比較例画像形成装置の画像形成動作時の温度推移フラフ ベルト表面温度の量産性を示す度数分布図
《実施例》
(画像形成部)
図2は本実施例における画像形成装置(電子写真方式を採用したタンデム方式-中間転写方式の4色フルカラーのレーザビームプリンタ)130の構成略図、図3は制御系統のブロック図である。この画像形成装置130はホスト装置200からCPU等に代表される制御回路部(制御部)21に入力したプリントジョブ(画像形成ジョブ、印刷ジョブ)に対応したプリント動作(画像形成動作:印刷動作)を実行する。これによりフルカラーあるいはモノカラーの画像形成物(成果物)をプリントアウト(印刷出力)する。
画像形成装置130によってトナー像が形成され得る記録媒体としてのシートP(枚葉物、メディア、記録材)としては、例えば、普通紙、厚紙、封筒、葉書、シール、樹脂製シート、オーバーヘッドプロジェクター用シート(OHTシート)等が含まれる。以下の説明においてはシートを用紙又は紙と記す。そして、通紙、給紙、排紙など紙に纏わる用語を用いて説明するが、材質は紙に限定されるものではない。
ホスト装置200はパソコン、イメージリーダ、ファクシミリ、ネットワーク等である。プリントジョブは、画像データ、指定された用紙の種類、坪量、サイズ、枚数、部数、レイアウト、後処理などのプリント条件情報が付加された画像形成指示のことである。
112は制御回路部21に各種の情報を入力するための操作部(ユーザーや外部機器との通信、装置アクセスするためのユーザーインターフェース:操作パネル部)であり、表示部(報知部)と操作入力部を有する。
制御回路部21は、画像形成装置本体130Aの内部の、画像形成部130B、給紙部(シート搬送部)110(A・B)、定着装置(定着部:画像加熱装置)100をはじめとする装置内各所の状態を監視・制御する。そして、各装置間の命令系統を統括して、画像形成装置全体の動作を取りまとめている。
画像形成部130Bは、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)と、これにブラック(K)を加えた4色のトナー像をそれぞれ形成する4つの作像ユニットU(Y・M・C・K)を有する。また、無端状の中間転写ベルト(以下、転写ベルトと記す)105を有する。
各作像ユニットUは、それぞれ、感光ドラム(感光体)101、帯電ローラ102、レーザースキャナ103、現像器104、一次転写ローラ111、ドラムクリーナ107等の電子写真プロセス機器を有している。レーザースキャナ103は、感光ドラム101に静電像を形成すべく露光動作を実行可能な露光部である。画像形成部130Bは画像形成動作の開始に伴いレーザースキャナ103による露光動作を開始する。なお、図の煩雑をさけるために、作像ユニットUY以外の作像ユニットUM・UC・UKにおけるこれらの機器に対する符号の記載は省略した。
フルカラープリントモードの場合においては、各作像ユニットUは、それぞれ、感光ドラム101に対して、Y色、M色、C色、K色のトナー像を形成する。なお、トナー像を形成する電子写真原理・プロセスは公知であるからその説明は割愛する。各作像ユニットUの感光ドラム101から転写ベルト105に対して上記4色のトナー像が順次に所定に重畳されて一次転写される。これにより転写ベルト105上にY+M+C+Kの4色重畳のカラートナー像が形成される。
転写ベルト105に形成されたトナー像が転写ベルト105と二次転写ローラ106との圧接ニップ部である二次転写部109において用紙Pに対して二次転写される。転写ベルト105の表面の二次転写残トナーはベルトクリーナ108によりクリーニングされる。用紙Pは給紙部である第1の給紙カセット110Aまたは第2の給紙カセット110Bから一枚分離給送されて搬送路113を通ってレジストローラ対114に搬送される。
レジストローラ対114は用紙Pの先端部を一旦受け止めて、用紙Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。また、レジストローラ対114は転写ベルト105上のトナー像と同期を取って所定の制御タイミングにて駆動される。このレジストローラ対114の駆動により用紙Pが二次転写部109に搬送され、転写ベルト105上のトナー像が用紙Pに対して順次に二次転写されていく。二次転写部109を通った用紙Pが搬送路117を通って定着装置100に導入されてトナー像の熱圧定着を受ける。
定着装置100を出た用紙Pは、片面プリントモードの場合は、フラッパー118の上側を通り、排出ローラ対119により片面プリントの成果物として排出トレイ120に搬送されて排出される。
両面プリントモードの場合は、定着装置100を出た片面プリント済みの用紙Pがフラッパー118により反転搬送路121に導かれ、スイッチバック搬送されて両面搬送路122に導入される。そして、両面搬送路122から再び搬送路113を通り、レジストローラ対114により二次転写部109に搬送されて2面目に対するトナー像の二次転写を受ける。以後は、片面プリントモードの場合と同様に、搬送路117、定着装置100、フラッパー118の上側、排出ローラ対119の経路を通って両面プリントの成果物として排出トレイ120に搬送されて排出される。
モノカラープリントモードの場合においては、上記4つの作像ユニットUのうちの、指定されたモノカラー画像の形成に必要とする作像ユニットだけが画像形成動作し、他の作像ユニットにおいては感光ドラム101が空回転される。
(定着装置)
図1は定着装置(定着部)100の部分の横断面模式図である。本実施例における定着装置100はベルト(フィルム)加熱方式-加圧部材駆動方式のオンデマンド定着器(ODF定着器)である。この定着装置100の基本的構成や定着動作は公知であるからその説明は簡単に止める。
この定着装置100は、大別して、
1)無端状の加熱回転体(第1の回転体:伝熱部材)である定着ベルト((エンドレスベルト:以下、ベルトと記す)20を備えた定着ユニット(ベルトユニット)10と、
2)加圧回転体(第2の回転体)である弾性を有する加圧ローラ22と、
3)これらを収容した筐体(装置フレーム)24と、
により構成されている。
ベルト20と加圧ローラ22とにより、画像形成部130Bから定着装置100に導入された未定着トナー像tを担持している用紙Pを挟持搬送してトナー像tを熱と圧力で定着するニップ部27が形成されている。23は筐体24の用紙入口側に配設された用紙ガイド、37と38はニップ部27の用紙出口側に上下に対向して配設された用紙分離部材と用紙ガイドである。26は筐体24の用紙出口側に配設された定着排紙ローラ対である。
定着ユニット10は、本実施例においては、ベルト20の内側に、ベルト20を内側から加熱する加熱部としての定着ヒータ(加熱体、加熱源:以下、ヒータと記す)16と、ヒータホルダ(以下、ホルダと記す)17を有する。ヒータ16とホルダ17はベルト20の幅方向(長手方向、母線方向:図1において図面に垂直方向)に長い部材である。
本実施例において、ベルト20は、厚み約30μmの円筒状ステンレスに形成した円筒状基材上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)を形成し、表層に厚み約30μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)が被覆された構造となっている。このベルト20は可撓性を有する伝熱部材であり、自由状態においては自身の弾性によりほぼ円筒状を呈する。
本実施例において、ヒータ16は、通電(所定の電力の投入)により発熱して急峻に温度上昇する細長い板状のセラミックヒータであり、ホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成されている、横断面形状が略半円弧状樋型の部材である。ヒータ16はホルダ17の下面(外面)の略中央部に長手に沿って接着固定されている。ベルト20はヒータ16が固定されたホルダ17に対してルーズに外嵌されており、ベルト20の内面とヒータ16及びホルダ17の外面とが摺動可能な構成とされている。ホルダ17はヒータ16を保持するとともにベルト20の周回軌道をガイドする役割を果たしている。
図4の(a)と(b)はそれぞれセラミックヒータ例の横断面模式図である。
(a)は表面加熱型のヒータである。これは、細長い板状のアルミナや窒化アルミ製のセラミック基板16aの表面側に基板長手に沿って、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な10μm程度の厚さの膜状に塗布された抵抗発熱体16bを有している。さらに、発熱体16bの上には耐圧を確保するためにガラスコート16cが施されている。このヒータ16はホルダ17に対して抵抗発熱体16bとガラスコート16cを形成した基板表面側を外向きにして配設される。ガラスコート16cの表面がベルト摺動面となる。
(b)は裏面(背面)加熱型のヒータである。これは、セラミック基板16aの裏面側に基板長手に沿って抵抗発熱体16bを有している。さらに、発熱体16bの上には絶縁を確保するためにガラスコート16cが施されている。このヒータ16はホルダ17に対して抵抗発熱体16bとガラスコート16cを形成した基板裏面側とは反対側の基板表面側を外向きにして配設される。基板表面がベルト摺動面となる。
本実施例の加圧ローラ22は、Fe製芯金22aと、その外周面にローラ状に形成されている厚み約2.5mmのシリコーンゴム層22bと、さらにその外周面に積層された厚み約50μmのPFA樹脂チューブの表面層22cと、を有する弾性ローラである。
加圧ローラ22は、芯金22aの一端側と他端側の両端部がそれぞれ筺体24の長手方向(図1の図面に垂直方向)の一端側と他端側の側板(不図示)間に回転可能に保持されて配設されている。加圧ローラ22は制御回路部21における定着駆動制御部32で制御されるモータ(M:駆動源)36の駆動力が駆動伝達機構(不図示)を介して伝達されることで駆動回転体として回転駆動される。
定着ユニット10はヒータ16の側を加圧ローラ22に対向させて加圧ローラ22に平行に配列して筺体24の長手方向の一端側と他端側の側板間に配設されてある。そして、この定着ユニット10におけるホルダ17の長手方向の一端側と他端側の両端部がそれぞれ加圧機構(不図示)により片側157N、総圧314Nの力で加圧ローラ22の軸線に向う方向に付勢されている。
これにより、ヒータ16を、ベルト20を介して加圧ローラ22の弾性層22bの弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させて、ベルト20と加圧ローラ22との間に、用紙搬送方向aに関して、定着に必要な所定幅のニップ部27を形成するようにしている。
19と18は、それぞれ、温度検知手段(温度検知部)としてのヒータ裏サーミスタ(温度検知サーミスタ)とベルト裏サーミスタ(温度検知サーミスタ)である。ヒータ裏サーミスタ19はヒータ16のベルト摺動面とは逆側の面(裏面と称する)に設置され、ヒータ16の裏面温度を検知する機能を担っている。ベルト裏サーミスタ18は、ホルダ17の上方において、ベルト20の内周面に弾性的に接触するように設置され、ベルト20の内面温度を検知する機能を担っている。
具体的には、ベルト裏サーミスタ18は、ホルダ17に基部が固定支持させたステンレス製のバックアップ部材(アーム)25の先端に温度検知サーミスタが取り付けられている。このバックアップ部材25が弾性揺動することにより、回転するベルト20の内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタがベルト20の内面に常に接する状態に保つようにしている。
(定着動作)
制御回路部21はプリントジョブの入力に基づいて画像形成装置130の画像形成動作を開始させる。定着装置100については、制御回路部21における定着駆動制御部32がモータ36を駆動させる。これにより、加圧ローラ22が図1において矢印R22の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動される。この加圧ローラ22の回転に伴い、加圧ローラ22とニップ部27において圧接された関係にあるベルト20は図1において矢印R20の時計方向に加圧ローラ22の回転周速度に対応した周速で従動して回転する。
このとき、ベルト20の内面はニップ部27においてヒータ16のベルト摺動面に密着して摺動しながらホルダ17の外回りを回転する状態になる。ベルト20の内面には耐熱性グリスが塗布されており、ヒータ16及びホルダ17の外面とベルト20の内周面との摺動性を確保している。
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴ってベルト20が従動回転状態になると、制御回路部21におけるヒータ駆動制御部33は給電部37を制御してヒータ16に対する電力供給(通電:所定の電力の投入)を開始する。これによりヒータ16が発熱して急峻に温度上昇する。このヒータ16の発熱により、ニップ部27においてヒータ摺動面に内面が密着して摺動しながら回転するベルト20が内側(ベルト内面側)から加熱され、ベルト20が昇温する。
温度検出部であるヒータ裏サーミスタ19及びベルト裏サーミスタ18は、それぞれA/Dコンバーター65・64を介して制御回路部21に接続されている。制御回路部21はそれぞれのサーミスタからの出力を所定の周期でサンプリングしており、このように得られた温度情報を温度制御に反映させる構成となっている。
即ち、ヒータ駆動制御部33はヒータ裏サーミスタ19及びベルト裏サーミスタ18から入力する温度情報に基づいてベルト20が所望の温度に加熱されて維持(温調)されるように給電部37からヒータ16に対する供給電力(電力供給量)を制御する。ヒータ駆動制御部33は、上記のように、温度検知部であるヒータ裏サーミスタ19及びベルト裏サーミスタ18による検知温度が所定の温度になるように加熱部であるヒータ16への電力供給量を制御する温調制御部として機構している。
ベルト20が所望の温度になったとき、画像形成部130B側から定着装置100のニップ部27に未定着トナー像tを担持した用紙Pが入口側の用紙ガイド23に沿って案内されて導入される。そして、ニップ部27において、用紙Pのトナー像担持面側はベルト20の外周面に密着し、用紙Pがベルト20と共に移動する。用紙Pがニップ部27にて挟持搬送される過程においてベルト20の熱が用紙Pへと付与され、未定着トナー像tが用紙P上に溶融定着される。
ニップ部27を通過した用紙Pはベルト20から曲率分離され、用紙分離部材37と用紙ガイド38の間を通って定着排紙ローラ対26に中継ぎされて定着装置100から排出される。
(温調制御方式)
上記定着装置100の温調制御方式は、主としてベルト裏サーミスタ18の検出温度値が所望の温度に安定的に維持できるようにヒータ16への供給電力値を決めている。その具体的な手法としては、ベルト裏サーミスタ18の目標温度、検出温度、単位時間あたりの温度変化量、ヒータ投入電力値、PI制御パラメータから算出することで早期に温度が目標温度に到達して安定維持するように電力を変化させるようにする。
その際、直接の加熱源(加熱部)はヒータ16であるので、ベルト20の温度が急に変動しすぎないように、ヒータ裏サーミスタ19の検出温度と温度変化量も補助的にPI制御することで、定着ベルト20の内面温度をより早期に安定するようにしている。PI制御は、サーミスタとヒータの設定温度に基づき、例えば、その差分からヒータが目標温度となるように連続的に投入電力に対してフィードバック制御を行う制御である。
(記憶部)
29は定着装置100に備えられた、熱応答性に関する個体情報(個々の定着装置に固有な情報)を保存するための記憶手段(記憶部:以下、メモリと記す)である。本実施例においてはNVRAMなどの不揮発性メモリを採用しているが、RFIDなどのICタグや、QRコード(登録商標)などの形式であってもよい。
本実施例の画像形成装置において、定着装置100は画像形成装置本体(装置本体)130Aの所定の装着部に対して所定の操作手順にて着脱交換可能にユニット化されている。そして、本実施例のメモリ29は、定着装置100が画像形成装置本体130Aの装着部に所定に装着された際に、画像形成装置本体側の読み取り部によってその格納情報を読み取り、制御回路部21における記憶手段通信部34と相互通信するようにしている。そして、その読み取り格納情報をベルト100の温調温度を決定するのに活用している。
メモリ29の別の用途としては、その定着装置100の稼働履歴情報(カウンタ情報、プリント情報、エラーやジャムの発生履歴情報など)を適宜格納して、定着装置100に異常が発生した時に原因を調査しやすくする役目も果たす。
本実施例の画像形成装置130では、定着装置100の寿命超過や故障発生時などによる定着装置交換を想定しているため、定着装置100の一部にメモリ29を具備するようにしている。
然し、これに限られず、交換単位が、定着装置100でなく、定着ユニット10の場合は、メモリ29は定着ユニット10に備える方が望ましい。即ち、定着ユニット10は定着装置100の装置本体(筐体24)に対して一括して着脱交換可能にユニット化されており、メモリ29はこの定着ユニット10に備える。また、定着装置交換や定着ユニット交換を想定してない画像形成装置である場合には、画像形成装置130の一部にメモリ29を備えていてもよい。
(メモリへの情報格納)
図5は、定着装置100の製造工程において、定着装置完成後の最終工程に設置される、定着装置熱特性測定治具(外部測定器)200の構成図である。この測定治具200によって、定着装置100の熱応答特性としてのベルト20の内外面温度差情報を測定し、定着装置100のメモリ29に情報として格納する。
測定治具200は定着装置100の単体状態での駆動・ベルト内面温調制御をすることができる。即ち、測定治具200は、制御回路部211、定着駆動制御部232で制御されるモータ(M:駆動源)236、ヒータ駆動制御部233で制御される給電部237を有する。
そして、測定治具200に装着された定着装置100の加圧ローラ22は定着駆動制御部232で制御されるモータ236の駆動力が駆動伝達機構(不図示)を介して伝達されることで前述の定着動作と同様の状態で駆動回転体として回転駆動される。また、ヒータ16はヒータ駆動制御部233で制御される給電部237から電力供給を受けて前述の定着動作と同様の状態でベルト20を内側から加熱することができる。
そして、測定治具200はベルト裏サーミスタ18の検出値を治具内部のA/Dコンバーター235を介して出力する。これと同時に、測定治具200側に設置された非接触温度センサ(表面温度センサ)230により、ベルト20の表面温度を同期して測定することができる。制御回路部211における演算処理部231は、ベルト裏サーミスタ18の検出温度Tinと表面温度センサ230の検出温度Toutの双方の差分を、
温度差ΔT=検出温度Tin-検出温度Tout
として取得する。そして、演算処理部231は、所定期間におけるΔTの平均値を0.1℃単位で演算し、測定した定着装置100の個体特有の値として測定終了後にメモリ29に書き込むことができる。
図6に、上記の測定治具200によってある固有の定着装置100を測定して取得した、ベルト裏サーミスタ18の検出温度Tinと表面温度センサ230の検出温度Toutの温度推移を示す。
本例での測定条件としては、
・定着装置100の完成後に常温安定状態(25±4℃)からの測定開始、
・ヒータ16立上げ電力500W±3%、
・ベルト裏サーミスタ18の温調温度200℃、
・測定時間は温調温度到達から65秒間、
とした。
また、メモリ29に書き込む温度差ΔTの算出期間は、温調到達から40秒経過から60秒経過までの20秒間とした。
制御回路部221における演算処理部31では、この期間のベルト裏サーミスタ検出温度Tin、表面温度センサ検出温度Toutをサンプリング周期100msで格納し、測定完了後に平均化処理することで温度差ΔTを算出する。そして、制御回路部221は、それを測定した定着装置100の個体特有の値として定着装置100側のメモリ29へ書き込む動作を実行する。本例では、演算後の平均温度差ΔT=7.2℃であるため、データ処理用に10倍して16進数化し、(48hex)という値がメモリ29に書き込まれる。
本条件によって、無作為に選定した量産製造した定着装置50台を測定した結果、ΔTはおおよそ6.0~14.0℃であったため、本例の測定値は比較的ΔTが小さい個体であるということがいえる。
メモリ29に格納した固有の温度差情報ΔTは、定着装置100を画像形成装置130に装着して稼働させる際、温調制御補正値として活用する。その方法については後述の項で詳しく述べる。
所定条件下におけるベルト20の内外面温度差であるΔTは、主に、次のような要因によってばらつくことがわかっている。ベルト20の弾性層厚み・表層厚み、ベルト裏サーミスタ18の検知感度・バックアップ部材25の形状・接触圧、ベルト20の内周面に初期に塗布している耐熱グリスの均一性、などである。これら部材に係る因子は、単に精度を上げてばらつきを抑制することもできるが、コストUPに繋がり量産性を逼迫するものであるため妥当な策ではない。
本発明では、これらの部材や製造要因の正常なばらつきを受け入れて、正しくその特性を数値化して制御活用することで、定着基本機能(画質、搬送性)や耐久性、立上げ時間や省エネ性など、量産品質のレベルを向上することを狙いとしている。
ここで説明した定着装置100の熱特性測定治具200では、ベルト20の温度が安定温調領域にはいってから温度差ΔT(温度差情報)を演算するようにしているが、これに限られない。温度立上げ過程のある瞬間値(たとえば190℃通過時など)から温度差を算出するようにしてもよい。温調温度到達以降の温度遷移が個体(個々の定着装置)によってあまりばらつかないようであれば、その方が測定タクトを短くすることができる。
また、ベルト20の表面温度測定ポイントについても、本例では回転方向ニップ直前の領域としているが任意の周位置でも構わない。または、定着装置100の長手方向に複数点もしくは連続的に走査するように測定して、温度差ΔTが最大となる点を抽出するように演算してもよい。
上記のように温度差情報は次のような各種の所定の条件において取得することが可能である。
1)温度差情報は、初期状態の定着装置100にて一定の電力量をヒータ16に供給してベルト20を温度上昇させた際の所定温度到達時に取得された温度差情報である。
2)温度差情報は、初期状態の定着装置100にてベルト20が所定の温度になるように一定時間温調制御した際に取得された温度差情報である。
3)温度差情報の取得の際におけるベルト20の表面温度測定部位は、ベルト裏サーミスタ18がベルト20の内面温度を測定する周位置、長手位置、の少なくともいずれか一方に対応する位置である。
4)ベルト20の表面温度測定部位となる長手位置は複数多点であり、ベルト裏サーミスタ18による検知温度との温度差が最大となる点を抽出して温度差情報が取得される。
(画像形成フロー)
定着装置100は、上記のように、予め所定の条件で取得した、ベルト20のベルト裏サーミスタ18によるによる検知温度と測定治具200により測定したベルト20の表面温度との温度差情報が格納されているメモリ29を有する。前述した図2の画像形成装置130はこの定着装置100を搭載している。この画像形成装置130の画像形成処理を、図7のフローチャートと、図8の温度推移図に沿って説明する。
制御回路部21が画像形成信号を受信する(S1)と、印刷モードの設定を行う(S2)。ここでは、画像形成に用いられる用紙情報(種類、坪量、サイズ)、画像情報(モノクロモード/カラーモード)、外気温度情報、からベルト裏サーミスタ18でベルト20を温調制御するための目標基本温度Tbとプリント速度Sとを内部テーブルから決定する。
普通紙64g、カラーモード、25℃環境、の例ではTb=190℃、S=100%、とする。一般的には、坪量が高く境温度が低いほどトナー剥がれが発生しやすいため温調温度を高く設定する。温度を限界まで上げてもなお厳しい極厚紙や特殊紙はプリント速度を抑制することで対応する場合もある。
次に、ステップS3で、制御回路部21は定着装置100のメモリ29から固有の熱特性情報(温度差情報)ΔTを読み出す。ここでは前項で説明したΔT=7.2(48hex)の定着装置100を例に説明する。ステップS4では、目標基本温度Tb、読み出したΔT値、及び係数K、による次式に従って実際に印刷を行うプリント温調温度Tを決定する。
T=Tb+(ΔT-10.0)*K
普通紙モードである本例では係数K=1、プリント速度が遅い場合など前述した熱特性測定治具上の測定条件と画像形成装置内での通紙条件が異なる場合にK=0.3~1.5程度の範囲で設定しておくとよい。また、ΔTから固定値10(℃)を減じている理由は、前項でも述べたとおり、本定着装置100の正常な量産ばらつき分布としてΔT=6.0~14.0(10.0±4.0)であることが事前の検証でわかっている。
よって、最頻値ΔT=10.0の定着装置100においてはT=Tbとなるように設定し、メモリ29の読み取りエラーなどが発生しても装置停止させることなく縮退動作ができるように対応するためである。
このようにして、本例ではT=190+(7.2-10.0)=187.2℃を決定する。
そして、制御回路部21は加圧ローラ22の駆動を開始すると共にヒータ駆動制御部28を介してヒータ16への通電を開始する(S5)。
ベルト裏サーミスタ18の検出温度Tnowが条件式(Tnow>T-12℃)を満たすと、制御回路部21は用紙Pの給紙を許可し、感光ドラム101上への画像形成命令を発信する(S6)。この条件式は、画像形成装置130の搬送パス長から決まるものであり、最大設定電力でヒータ16を立ち上げた際に、プリント温調温度T到達よりもΔ12℃低いタイミングで感光ドラム101への画像形成動作を開始する。そうすると、ちょうどベルト20が温度Tに到達するタイミングでトナー像を担持した用紙Pがニップ部27に突入することから設定した条件式である。
本例では固定条件式としているが、印刷条件(用紙の種類・坪量、画像情報)によって複数備えていてもよい(定着画質よりもファーストプリント速度を重視するケースなど)。
このようにして、制御回路部21が統制をとってベルト20の内面検知温度制御を行いつつ画像形成動作を繰り返す(S7)。プリント最終紙を検知すると(S8)、画像形成動作終了処理(温調停止、高圧類の立ち下げ、駆動機構停止)を終えて一連のフローを終了する。
上記の制御の要点をまとめると次のとおりである。制御回路部21におけるヒータ制御部(温調制御部)33は、ベルト20のベルト裏サーミスタ18による検知温度が基準となる温調温度に対しメモリ29から読み出した温度差情報によって補正された温調温度になるように制御する。このように、定着装置100に備わるメモリ29にベルト20の内外面温度差情報を予め格納し、温調制御時の温度を補正するように活用することで、画像不良や搬送不良の防止、また部材寿命の向上を図ることができる。
図8は本例の定着装置100にて普通紙プリントを2分間実行したときの、ベルト裏内面サーミスタ出力推移と、ベルト表面温度(想定値)の推移である。表面温度の測定については、画像形成装置内部に測定センサを備えていないため、本例では実験的に熱電対をベルト20の表面部に軽圧接触して測定し、熱電対の熱容量分だけ測定温度がずれる分をオフセットすることで計算して出力するようにした。
また、実際に通紙による様々な画像評価、搬送評価を行い、その結果を破線ラインにて示し温度領域毎に発生現象がわかるようにした。評価結果としては、ベルト表面温度が、177℃を下回るとトナー剥がれ(定着不良)が発生する可能性があり、183℃を超えると定着分離不良によりジャムが発生する可能性がある。また181℃を超えると高濃度部の光沢ムラが顕著になり画像品位の低下を招くことから、本評価における適正ベルト表面温度範囲は178~181℃と定義している。
このように、図7の画像形成処理フローに従って、ベルト内面のプリント温調Tを187.2℃と決定した定着装置100において実際に通紙評価を行った。その結果、図8に示すとおり、表面温度想定値推移は178.4~180.3℃と適正な範囲を推移していることが確認できた。
また、同様に複数の定着装置を本評価手法による温度推移測定と通紙性能評価を実施した結果、いずれの定着装置も適正範囲内の表面温度推移であり、画質や搬送性に不良が生じないことを確認した。
また、別の効果として、ベルト表面温度推移の安定化(内面温調温度の最適化)を行うことで、定着装置100の立ち上がり時間を短縮化できる。朝一状態での1枚目用紙の排出完了までの時間を示すファーストプリントタイムを測定したところ、本実施例の制御:5.28秒、本発明による制御を適用しない比較例の制御:5.53秒、と立ち上がり時間の短縮化についても優位性があることを実証できた。
またさらに、別の効果としては、ベルト表面温度のばらつきを抑制し過剰加熱を防止できるため、ベルト20の表層(PFA樹脂層)の摩耗を抑えることもできる。このように表層摩耗異常に由来する部材寿命の観点でも品質を向上することができる。
以上説明したとおりプリント時のベルト温調温度を最適に制御することで、加熱回転体であるベルト20の表面温度に関わる品質(搬送性、立上がり時間、定着画質、ベルト寿命など)の安定と向上を図ることができる。
(比較例)
実施例で説明したのと同一の定着装置100について、本発明による制御を適用しない比較例の制御の場合の温度推移を図9に示す。前述した図7の制御フローにおけるステップS3の個体情報読み出しと、ステップS4のプリント温調温度の設定処理、の工程がなくなる。そのため、ベルト裏サーミスタ18によるプリント時温調温度はどの定着装置個体であっても一律194℃、としている。
これは、本発明制御採用時では、ベルト裏190℃温調を中心(最頻値)として個体特性情報に応じて最大、±約4.0℃の補正をして最適な温調温度を定めていたのとは対照的である。即ち、どのような特性の定着装置であっても(万一、表面温度が最も低い個体であっても)定着不良が発生しないように、設定している温調温度、であるといえる。
いいかえると、定着装置個体の熱特性情報を画像形成装置130の制御部21に認識させる手段を備えていない方式では、定着装置の量産ばらつき上、定着性のレベルが最も低い個体であっても品質を担保する必要がある。そのため、大部分の定着装置個体においては過剰加熱気味の温調設定にせざるを得なかったということである。
図9の本発明による制御を適用しない比較例の制御方式の表面温度想定値推移が示すとおり、前項の本発明の制御適用時には適正範囲にはいっていた定着装置と同一個体でありながら、比較例の制御方式では熱量過多となる。そのため、画像品位低下や搬送不良の可能性が高くなってしまっていることが読み取れる。
また、図10の度数分布図は、図9と同様の通紙条件(普通紙64g、2分間印刷)において定常状態のベルト表面温度を横軸にとったときの量産頻度分布(度数分布)を表現したものである。
比較例の分布では、定着不良を回避するためにやむを得ず画像品位低下リスクや搬送不良リスクのある定着装置個体が存在してしまう。これに対し、実施例では、ベルト表面温度のばらつきを少なく留めることができるため、どのような定着装置個体であってもベルト20の表面温度に起因した課題の起きにくい安定した量産品質を提供することができる。
(他の制御構成)
(1)定着装置100のヒータ16に所定の電力を投入してベルト裏サーミスタ18が第1の温度に到達するまでベルト20を昇温させた場合にベルト20の表面温度が第2の温度となる定着装置100が装着部に装着されている場合を考える。
この場合には、画像形成部130Aの動作を制御する制御部21は、画像形成動作を開始可能な状態で画像形成命令の入力を待つスタンバイ状態において第1の画像形成命令が入力されたとき、ベルト裏サーミスタ18が第1の目標温度を検知したことに応じて画像形成部130Aによる画像形成動作を開始させる。
(2)ヒータ16に前記所定の電力を投入してベルト裏サーミスタ18が前記第1の温度に到達するまでベルト20を昇温させた場合にベルト20の表面温度が前記第2の温度より高い第3の温度となる定着装置100が装着部に装着されている場合を考える。
この場合には、制御部21は、前記スタンバイ状態において前記第1の画像形成命令が入力されたとき、ベルト裏サーミスタ18が前記第1の目標温度より低い第2の目標温度を検知したことに応じて前記画像形成部130Aによる画像形成動作を開始させる。
(3)定着装置100は、ヒータ16に前記所定の電力を投入してベルト裏サーミスタ18が前記第1の温度に到達するまでベルト20を昇温させた場合のベルト20の表面温度に相当する情報を記憶するメモリ29を有する。制御部21は、装着部に装着されている定着装置100のメモリ29に記憶されている前記情報に基づき、画像形成部130Aの動作を制御する。
《その他の事項》
(1)本発明に係る定着装置には用紙に一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)の光沢度などを改質する画像改質装置も含まれる(この場合も定着装置と呼ぶ)。
(2)ベルト(加熱回転体)を内側から加熱する加熱部(加熱源)は実施例のセラミックヒータ16に限られない。ハロゲンヒータ、赤外線ランプなどの他の内部加熱方式の加熱部を用いることもできる。また、ベルト或いはベルトに張架して当接する部材を発熱体とし、ベルト或いはベルトに張架して当接する部材を誘導加熱方式によって発熱させる方法であってもよい。誘導加熱方式の加熱源として機能する励磁コイル、磁性コアはベルトの内部に配置する手法でも外部に配置する手法でもどちらでもよい。
(3)トナー像が形成された用紙をニップ部27にて挟持搬送しながら加熱する無端状の加熱回転体は実施例の円筒状のベルトに限られない。複数の懸架部材間に張設されて回転駆動される可撓性を有する無端状のベルト部材や剛性を有する回転可能なスリーブ部材であってもよい。加圧回転体もローラ体に限られず、無端状のベルト部材にした定着装置構成にすることもできる。加熱回転体を回転駆動させ、加圧回転体を加熱回転体の回転に従動回転させる定着装置構成にすることもできる。
(4)定着装置の用紙導入方式は、所謂中央搬送基準にすることもできるし、所謂片側搬送基準にすることもできる。
(5)実施例において定着装置は実施例のカラー電子写真プリンタ以外の画像形成装置、モノクロ複写機、ファクシミリ、ものクロプリンタ、これらの複合機能機等で実施されてもよい。即ち、実施例の定着装置及びカラー電子写真プリンタ若しくは同複写機は、上述した構成部材の組み合わせには限定されず、それぞれの代替部材で一部又は全部を置き換えたて別の実施形態で実現してもよい。
(6)画像形成装置の画像形成部の画像形成方式は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式等の他の方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られない。用紙に直接方式で未定着画像を形成する方式の画像形成部であってもよい
130・・画像形成装置、130A・・画像形成部、P・・記録材、t・・トナー像、100・・定着部、20・・加熱回転体、16・・加熱源、18・・温度検知部、33・・温度制御部、29・・記憶部、200・・外部測定器

Claims (15)

  1. シートにトナー像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によりトナー像が形成されたシートをニップ部にて挟持搬送しながら加熱する無端状の加熱回転体と、前記加熱回転体の加熱源と、前記加熱回転体の内面温度を検知する温度検知部と、を備える定着部と、
    前記温度検知部による検知温度に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御する温調制御部と、
    予め所定の条件で取得した、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と外部測定器により測定した前記加熱回転体の表面温度との温度差情報が格納されている記憶部と、を有し、
    前記温調制御部は、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と、前記記憶部から読みだした温度差情報と、に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記温度差情報は、初期状態の前記定着部にて一定の電力量を前記加熱源に供給して前記加熱回転体を温度上昇させた際の所定温度到達時に取得された温度差情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記温度差情報は、初期状態の前記定着部にて前記加熱回転体が所定の温度になるように一定時間温調制御した際に取得された温度差情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記温度差情報の取得の際における前記加熱回転体の表面温度測定部位は、前記温度検知部が前記加熱回転体の内面温度を測定する周位置、長手位置、の少なくともいずれか一方に対応する位置であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記加熱回転体の表面温度測定部位となる前記長手位置は複数多点であり、前記温度検知部による検知温度との温度差が最大となる点を抽出して前記温度差情報が取得されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着部は前記記憶部も含めて画像形成装置本体に対して着脱交換可能にユニット化されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記加熱回転体、前記加熱源、前記温度検知部、前記記憶部は前記定着部に対して一括して着脱交換可能にユニット化されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記温調制御部は、前記記憶部から読みだした温度差情報が第1温度差情報である場合は、前記温度検知部による検知温度が第1目標温度となるように前記加熱源への電力供給量を制御し、前記記憶部から読みだした温度差情報が前記第1温度差情報よりも大きい第2温度差情報である場合は、前記温度検知部による検知温度が前記第1目標温度よりも高い第2目標温度となるように前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. トナー像が形成されたシートをニップ部にて挟持搬送しながら加熱する無端状の加熱回転体と、
    前記加熱回転体の加熱源と、
    前記加熱回転体の内面温度を検知する温度検知部と、
    前記温度検知部による検知温度に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御する温調制御部と、
    予め所定の条件で取得した、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と外部測定器により測定した前記加熱回転体の表面温度との温度差情報が格納されている記憶部と、を有し、
    前記温調制御部は、前記加熱回転体の前記温度検知部による検知温度と、前記記憶部から読みだした温度差情報と、に基づいて前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする定着装置。
  10. 前記温度差情報は、初期状態の装置にて一定の電力量を前記加熱源に供給して前記加熱回転体を温度上昇させた際の所定温度到達時に取得された温度差情報であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  11. 前記温度差情報は、初期状態の装置にて前記加熱回転体が所定の温度になるように一定時間温調制御した際に取得された温度差情報であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  12. 前記温度差情報の取得の際における前記加熱回転体の表面温度測定部位は、前記温度検知部が前記加熱回転体の内面温度を測定する周位置、長手位置、の少なくともいずれか一方に対応する位置であることを特徴とする請求項乃至11の何れか一項に記載の定着装置。
  13. 前記加熱回転体の表面温度測定部位となる前記長手位置は複数多点であり、前記温度検知部による検知温度との温度差が最大となる点を抽出して前記温度差情報が取得されることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記加熱回転体、前記加熱源、前記温度検知部、前記記憶部は装置本体に対して一括して着脱交換可能にユニット化されていることを特徴とする請求項乃至13の何れか一項に記載の定着装置。
  15. 前記温調制御部は、前記記憶部から読みだした温度差情報が第1温度差情報である場合は、前記温度検知部による検知温度が第1目標温度となるように前記加熱源への電力供給量を制御し、前記記憶部から読みだした温度差情報が前記第1温度差情報よりも大きい第2温度差情報である場合は、前記温度検知部による検知温度が前記第1目標温度よりも高い第2目標温度となるように前記加熱源への電力供給量を制御することを特徴とする請求項9乃至14の何れか一項に記載の定着装置。
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