JP2004233437A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2004233437A JP2003019011A JP2003019011A JP2004233437A JP 2004233437 A JP2004233437 A JP 2004233437A JP 2003019011 A JP2003019011 A JP 2003019011A JP 2003019011 A JP2003019011 A JP 2003019011A JP 2004233437 A JP2004233437 A JP 2004233437A
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Masahiro Sonoda
真宏 園田
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Abstract

【解決手段】媒体張力検出手段5は、転写部2に於ける記録媒体8の搬送速度と定着部3に於ける記録媒体8の搬送速度との速度差によって発生する上記記録媒体8に加わる張力を検出し、定着搬送速度制御部6は、上記媒体張力検出手段5が検出する張力に基づいて速度差を加減すべく駆動モータを制御する。
【効果】定着搬送速度制御部6が媒体張力検出手段5から制御信号を受け入れて定着部3の搬送速度を加減することが可能になり、記録媒体8の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に長尺紙等への画像形成に適する電子写真プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置等の画像形成装置では、画像形成部で感光体ドラム上に画像データに応じたトナー画像を形成し、このトナー画像は転写部で記録媒体上に転写される。更に、転写されたトナー画像は、定着部で記録媒体上に定着される。通常、この転写部と定着部に於いて、記録媒体の搬送速度を一致させることが難しい。
【0003】
従って、長尺紙を印刷する場合には、転写部と定着部との間に記録媒体のたるみが発生し易い。その結果、こすれ等による印字画質の劣化が発生する場合もあった。このような不都合を取り除くために、上記記録媒体のたるみ量を検出するためのたるみセンサを設けて定着部の搬送速度を制御していた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−19244号公報(要約)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、転写部と定着部との間での記録媒体のたるみを検出することはできても、記録媒体の張り過ぎを検出することはできなかった。即ち、記録媒体のたるみによって生じる印字画質の劣化を回避することができても、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避することまでは不可能であった。現実に印刷duty(印刷エリアに対する実印字ドット数の割合)が高いと、定着部での搬送速度が大きくなるという現象が発生し、記録媒体の張り過ぎが発生している。
【0006】
本発明の目的は、かかる不都合を解決し、記録媒体のたるみによって生じる印字画質の劣化は勿論のこと、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化をも回避して良好な印字画質の画像を再現しうる画像形成装置を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
静電潜像担持体上に画像データに応じたトナー画像を形成する画像形成部と、上記トナー画像を記録媒体上に転写する転写部と、該転写されたトナー画像を上記記録媒体上に定着させる定着部とを備える画像形成装置であって、上記転写部に於ける上記記録媒体の搬送速度と上記定着部に於ける上記記録媒体の搬送速度との速度差によって発生する上記記録媒体に加わる張力を検出する媒体張力検出手段と、該媒体張力検出手段が検出する上記張力に基づいて上記速度差を調整する定着搬送速度制御部とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【0008】
〈構成2〉
構成1に記載の画像形成装置に於いて、上記媒体張力検出手段は、上記記録媒体の搬送路に突出するように所定の付勢力で付勢される突出部材と、該突出部材が上記記録媒体に加わる張力に追従して前記付勢力に抗して、所定の移動量を越えると制御信号を出力する移動検知手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
〈構成3〉
静電潜像担持体上に画像データに応じたトナー画像を形成する画像形成部と、上記トナー画像を記録媒体上に転写する転写部と、該転写されたトナー画像を上記記録媒体上に定着させる定着部とを備える画像形成装置であって、上記転写部に於ける上記記録媒体の搬送速度と上記定着部に於ける上記記録媒体の搬送速度との速度差によって発生する上記記録媒体に加わる張力を検出する媒体張力検出手段と、該媒体張力検出手段の検出する上記張力に基づいて上記定着部の駆動力を調整する駆動力制御部とを含むことを特徴とする画像形成装置。
【0010】
〈構成4〉
構成3に記載の画像形成装置に於いて、上記定着部は、直流モータによって駆動され、上記媒体張力検出手段は、上記直流モータの駆動電流値を計測する駆動電流値検出部と、該駆動電流値検出部の検出結果と、予め定めてある基準駆動電流値とを比較する駆動電流値比較部とを含み、上記駆動力制御部は、上記駆動電流値比較部の比較結果に基づいて上記直流モータの駆動電流値を調整することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
〈構成5〉
構成1乃至構成4の何れか1項に記載の画像形成装置に於いて、上記記録媒体は、搬送方向に800mm以上の長さを有する媒体であることを特徴とする画像形成装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
〈具体例1〉
本具体例では、記録媒体の搬送方向に延びるレバーを有し、このレバーの一方の先端が記録媒体のたるみに追従すべく回転軸によって軸支されている媒体張力検出手段を備える。レバーの他方の先端が所定の回転量を越えると光センサの光源と受光素子との間に入り込んで光線を遮断するように配置される。この媒体張力検出手段から受け入れる制御信号によって定着部の搬送速度を加減し、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避する。かかる目的を達成するために本具体例の画像形成装置は以下のように構成される。
【0013】
図1は、具体例1の主要構成部分の横断面図である。
最初に、図1を用いて本具体例が適用されているタンデム型カラー画像形成装置(一例)について、その構成と、その動作の概要について説明する。その後に、上記発明が解決しようとする課題に対処すべく設けられた部分について再度詳細に説明する。
【0014】
図より、本具体例のタンデム型カラー画像形成装置(一例)は、感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムC、から成る画像形成部1と、転写ローラK、転写ローラY、転写ローラM、転写ローラC、搬送ローラA、搬送ローラB、搬送ベルト4、からなる転写部2と、ヒートローラ9、バックアップローラ10、からなる定着部3と、媒体張力検出手段5と、定着搬送速度制御部6と、給紙部7とを備える。
【0015】
画像形成部1は、静電潜像担持体上に画像データに応じたトナー画像を形成する部分である。この画像形成部1は、各色毎に感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムCを備えている。受け入れた画像データに応じて各色毎に感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムCの表面に露光され、静電潜像が形成される。この静電潜像にトナーが付着されてトナー画像が形成される。請求項中の静電潜像担持体は、感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムC、が該当する。
【0016】
転写部2は、上記各色毎に感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムC、の表面に形成されたトナー画像を記録媒体8の上に転写する部分である。
この転写部2は、各色毎に転写ローラK、転写ローラY、転写ローラM、転写ローラCと、搬送ローラAと、搬送ローラBと、搬送ベルト4とを備える。各色毎に転写ローラK、転写ローラY、転写ローラM、転写ローラCに指定電圧が印加される。
【0017】
そのとき上記各色毎に感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムC、の表面に形成されたトナー画像が記録媒体8に転写される。この記録媒体8は、静電気によって搬送ベルト4の上に吸着保持されながら搬送される。この搬送ベルト4は、搬送ローラAと、搬送ローラBによって周回駆動されている。搬送ローラAと、搬送ローラBは図示していない搬送ローラ駆動モータによって回転駆動されている。駆動モータは、ステッピングモータであり、所定のパルス信号が印加される事によって駆動され、パルス信号の繰り返し周期を換えることによって回転速度制御がなされる。
【0018】
定着部3は、転写されたトナー画像を記録媒体8上に定着させる部分である。この定着部3は、ヒートローラ9、バックアップローラ10を備える。このヒートローラ9、バックアップローラ10は、図示していない定着ローラ駆動モータによって回転駆動されている。記録媒体上に転写されたトナー画像は、ヒートローラ9、バックアップローラ10によって定着され、記録媒体8が、排出される。
【0019】
媒体張力検出手段5は、転写部2に於ける記録媒体8の搬送速度と定着部3に於ける記録媒体8の搬送速度との速度差によって発生する記録媒体8に加わる張力を検出する部分である。
定着搬送速度制御部6は、媒体張力検出手段5が検出する張力に基づいて上記速度差を加減すべく駆動モータを制御する部分である。
【0020】
以上で本具体例が適用されているタンデム型カラー画像形成装置(一例)について、構成及び動作の概要についての説明を終了し、上記媒体張力検出手段5の構成の詳細について他の図を用いて説明する。
図2は、具体例1の媒体張力検出手段の横断面図である。
図より、媒体張力検出手段5は、回転レバー5−1、回転軸5−2、光センサ5−3、バネ5−4、ストッパ5−5を備える。
【0021】
回転レバー5−1は、記録媒体8の搬送方向に延びるレバーであって、レバーの一方の先端が記録媒体8に加わる張力に追従すべく回転軸5−2によって軸支されている。又、レバーの他方の先端が所定の回転量を越えると後記光センサ5−3の光源と受光素子との間に入り込んで光線を遮断するように配置される。ここで記録媒体8のたるみは、上記のように転写部2(図1)と定着部3との搬送速度の速度差によって発生する。
【0022】
又、定着部3の搬送速度が、転写部2(図1)の搬送速度よりも大きくなると記録媒体8のたるみは減り、遂には記録媒体8に張力が加わることになる。回転レバー5−1の一方の先端が記録媒体8のたるみに追従すべく回転軸5−2によって軸支されているので、記録媒体8のたるみが減り始めると、回転レバー5−1は、バネ5−4の押圧力に逆らって回転軸を中心にして回転する。この回転量が大きくなると回転レバー5−1の他方の先端が光センサ5−3の光源と受光素子との間に入り込んで光線を遮断することになる。
【0023】
光センサ5−3は、回転レバー5−1が所定量以上回転したことを検出するセンサである。通常フォトインタラプタが用いられる。
フォトインタラプタの光源と受光素子との間に上記レバーの他方の先端が所定の回転量を越えて挿入され、光線を遮断すると、記録媒体8に加わる張力の大きさが所定の値を越えたことを表す制御信号Csを出力する。
【0024】
バネ5−4は、回転レバー5−1の一方の先端を記録媒体8に加わる張力に追従させるべく記録媒体8の下面に押し付けるバネ材である。
ストッパ5−5は、回転レバー5−1の突出範囲を限定する部分である。
定着搬送速度制御部6は、光センサ5−3から記録媒体8に加わる張力の大きさが所定の値を越えたことを表す制御信号Csを受けると、定着部3の搬送速度を減速するために駆動モータを制御し、これより記録媒体8に加わる張力が所定の値以上になるのを防止する部分である。
【0025】
上記媒体張力検出手段5の動作について説明する。
一例として給紙部7から幅297mm、長さ1200mmのサイズの長尺紙を供給した場合について説明する。
給紙部7(図1)から給紙された長尺紙(記録媒体8)が、その上に画像形成部1(図1)及び転写部2(図1)で、トナー画像が転写されながら定着部3へ搬送されてくる。この長尺紙(記録媒体8)は、定着部3で定着され、排出される。
【0026】
ここで、転写部2(図1)の搬送速度をV1、定着部3の搬送速度をV2と置くと、上記のようにV1=V2に設定することは難しい。加熱温度の変動や、定着圧力の変動等によって、ヒートローラ9の直径が、変化するためである。そのため、通常は、V1>V2に設定されている。その場合には、図の点線で示すように長尺紙(記録媒体8−1)の搬送には、たるみが発生してくる。
【0027】
しかし、送られてくる画像データの印字率(duty)が高くなると、V2>V1となって、たるみ量が減少し、遂には、図の実線で示す引っ張り過ぎの状態になり、記録媒体8−2に張力が印加されることになる。この状態は媒体張力検出手段5によって検出される。
【0028】
このように、記録媒体8−2に張力が印加される状態になると、この記録媒体8−2に追従している回転レバー5−1の一方の先端に媒体搬送方向と直角方向(図上で上から下)に押圧力が加わる。この押圧力によってバネ5−4が収縮する。同時に、回転レバー5−1は、回転軸5−2を中心にして反時計方向に回転する。
【0029】
記録媒体に加わる張力が、所定の力を越えて、回転レバー5−1の回転が所定量を越えると、光センサ5−3の光源と受光素子との間に上記レバーの他方の先端が挿入され、光線を遮断する。バネ5−4は、記録媒体に加わる張力が許容範囲を超える前に、光センサ5−3がレバーを検知するように設定される。尚、通常の動作では、図に示す記録媒体8−1のように、ある程度のたるみが予定されている。従って、光センサ5−3の光源と受光素子との間の光線を遮断しないように設定されている。
【0030】
この光線の遮断状態は制御信号Csとなって定着搬送速度制御部6に送られる。この制御信号Csを受け入れて、定着搬送速度制御部6は以下のように定着部3の搬送制御を行う。
図3は、具体例1の制御のフローチャートである。
このフローチャートを用いて、定着部3の搬送制御について説明する。
【0031】
ステップS1
一例として給紙部7から幅297mm、長さ1200mmのサイズの長尺紙が、搬送速度v2で定着部3(図2)を通過している。
ステップS2
回転レバー5−1は、レバーの一方の先端が記録媒体8に加わる張力に追従している。回転レバー5−1の回転が所定量を越えて、光センサ5−3(図2)の光源と受光素子との間に上記レバーの他方の先端が挿入され、光センサ5−3(図2)から制御信号Csが出力されるとステップS5へ進む。光センサ5−3(図2)から制御信号Csが出力されない限りステップS3へ進む。
【0032】
ステップS3
定着搬送速度制御部6(図2)は、定着部3(図2)の搬送速度を変更することなく、そのまま動作を継続しステップS4へ進む。
ステップS4
図示していない排出センサがオンしている間、即ち、記録媒体8が搬送されている間、媒体張力検出手段5(図2)の監視を続けさせるためにステップS2へ戻る。
図示していない排出センサがオフすると、即ち、記録媒体8の搬送が終了すると定着搬送速度制御部6(図2)は制御を終了する。
【0033】
ステップS5
定着搬送速度制御部6(図2)は、駆動モータを制御して定着部3(図2)の搬送速度をαだけ遅くしてステップS6へ進む。定着部3(図2)の搬送速度を遅くして記録媒体に印加されている張力を減らして適度のたるみを持たせるためである。尚、ここでαは、予め定めてある微少速度の変更を意味する。急激な速度変更は、印刷品質の劣化を来す恐れがあるからである。
【0034】
ステップS6及びステップS7
搬送速度をαだけ遅くすると同時にタイマーをスタートさせ、所定の時間経過後に媒体張力検出手段5(図2)に再度張力検出させるためにステップS2へ戻る。ステップS5、ステップS6、ステップS7によって定着部3(図2)の搬送速度を少しずつ(α)変化させ、その変化毎に媒体張力検出手段5(図2)に再度張力検出させ、急激な速度変更による、印字画質の劣化を防止している。
【0035】
以上の説明では、一例として給紙部7から幅297mm、長さ1200mmのサイズの用紙を使用した場合に限定して説明しているが、本具体例の効果は、この例の場合のみに得られるものではない。即ち、搬送方向への長さが800mm以上であれば、本具体例によって長尺紙利用による大きな効果が得られる。
【0036】
又、光センサとしてフォトインタラプタを使用した場合について説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。即ち、回転レバーが所定量以上に回転したことを検出できるセンサであればどのようなセンサでも良い。
更に、上記説明では、記録媒体に張力が印加される場合に限定して説明したが、回転レバーの接近を検出する近接センサ等によって、記録媒体のたるみが所定量以上になった場合に定着部の搬送速度を早くしてたるみを少なくすることを合わせて適用することも可能である。
【0037】
〈具体例1の効果〉
以上説明したように、本具体例では、記録媒体の搬送方向に延びるレバーを有し、このレバーの一方の先端が記録媒体に加わる張力に追従すべく回転軸によって軸支されている媒体張力検出手段を備え、レバーの他方の先端が所定の回転量を越えると光センサの光源と受光素子との間に入り込んで光線を遮断するように配置されることによって、定着搬送速度制御部がこの媒体張力検出手段から制御信号を受け入れて定着部の搬送速度を加減することが可能になり、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避することができるという効果を得る。
【0038】
〈具体例2〉
本具体例では、記録媒体に張力が印加されると定着部を駆動する定着ローラ駆動モータの負荷が大きくなり、駆動電流が増加することに着目する。駆動電流値Iを測定し、このIと、予め定めてある基準電流値Ioとを比較する媒体張力検出手段と、この比較結果に基づいて駆動電流を増減して定着ローラ駆動モータの駆動力を増減し、定着部の搬送速度を加減する駆動力調整部とを備える。このようにして記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避する。かかる目的を達成するために本具体例の画像形成装置は以下のように構成される。
【0039】
図4は、具体例2の主要構成部分の横断面図である。
図より、本具体例のタンデム型カラー画像形成装置(一例)は、感光体ドラムK、感光体ドラムY、感光体ドラムM、感光体ドラムC、から成る画像形成部1と、転写ローラK、転写ローラY、転写ローラM、転写ローラC、搬送ローラAと、搬送ローラB、搬送ベルト4、からなる転写部2と、ヒートローラ9、バックアップローラ10、からなる定着部3と、媒体張力検出手段15と、給紙部7、駆動力調整部16とを備える。
【0040】
具体例1との相違部分のみについて説明する。
媒体張力検出手段15は、転写部2に於ける記録媒体8の搬送速度と定着部3に於ける記録媒体8の搬送速度との速度差によって発生する記録媒体8に加わる張力を検出する部分である。
駆動力調整部16は、媒体張力検出手段15が検出する張力に基づいて上記速度差を加減すべく駆動モータを制御する部分である。
【0041】
他の図を用いて媒体張力検出手段15の詳細について説明する。
図5は、具体例2の媒体張力検出手段のブロック図である。
図より媒体張力検出手段15は、定着ローラ駆動モータ20の駆動電流値を計測する駆動電流値検出部15−1と、該駆動電流値検出部15−1の検出結果と、予め定めてある基準駆動電流値とを比較する駆動電流値比較部15−2とを備える。
【0042】
駆動電流値検出部15−1は、記録媒体8(図4)が、定着部3(図4)に達してからの定着ローラ駆動モータ20の電流値を検出する部分である。
駆動電流値比較部15−2は、比較回路15−2aとメモリ15−2bとを有し、駆動電流値検出部15−1が計測した定着ローラ駆動モータ20の電流値を受け入れて一旦メモリ15−2bに格納し、その後、定着ローラ駆動モータ20の電流値と予め定めてある基準駆動電流値とを比較し、その比較結果を駆動力調整部16へ送出する部分である。
【0043】
駆動力調整部16は、駆動電流値比較部15−2から受け入れた比較結果に基づいて定着ローラ駆動モータ20の駆動電流値を増減して定着ローラ駆動モータ20の駆動力を調整する部分である。
定着ローラ駆動モータ20は、ヒートローラ9(図4)、バックアップローラ10(図4)を駆動する直流モータである。
【0044】
次に、媒体張力検出手段15と駆動力調整部16の動作について説明する。
給紙部7(図4)から給紙された長尺紙(記録媒体8)が、その上に画像形成部1(図4)及び転写部2(図4)で、トナー画像が転写されながら定着部3へ搬送されてくる。この長尺紙(記録媒体8)は、定着部3で定着され、排出される。
【0045】
ここで、転写部2(図4)の搬送速度をV1、定着部3(図4)の搬送速度をV2と置くと、具体例1と同様にV1=V2に設定することは難しい。加熱温度の変動や、定着圧力の変動等によって、ヒートローラ9の直径が、変化するためである。そのため、通常は、V1>V2に設定されている。その場合には図の点線で示すように長尺紙(記録媒体8−1)の搬送には、たるみが発生してくる。
【0046】
しかし、送られてくる画像データの印字率(duty)が高くなると、V2>V1となって、たるみ量が減少し、遂には、図の実線で示す引っ張り過ぎの状態になり、記録媒体8−2に張力が加わることになる。この状態は媒体張力検出手段15によって検出される。
記録媒体8−2に張力が加わる状態になると、定着部3を駆動している定着ローラ駆動モータ20に、通常(記録媒体8−1の状態)よりも負荷が掛かってくる。従って、駆動電流も大きくなる。定着ローラ駆動モータ20として直流モータを用いているので、この現象は明確に現れる。
【0047】
このときの駆動電流値Iは、駆動電流値検出部15−1によって検出される。駆動電流値比較部15−2によって、この駆動電流値Iは、予めメモリ15−2bに格納されている基準電流値Ioと比較される。駆動力調整部16は、その比較結果を受け入れて定着ローラ駆動モータ20の駆動力を制御して、定着部3の搬送速度を加減する。
【0048】
次に、この駆動力制御についてフローチャートを用いて説明する。
図6は、具体例2の制御のフローチャートである。
ステップS11
一例として給紙部7(図4)から幅297mm、長さ1200mmのサイズの長尺紙が、搬送速度V2で定着部3(図5)を通過し、図示していない排出センサがオンする。
【0049】
ステップS12
駆動電流値検出部15−1(図5)は、駆動電流の初期値としてIoをメモリ15−2b(図5)に格納する。
ステップS13
駆動電流値検出部15−1(図5)は、定着ローラ駆動モータ20(図5)の駆動電流値Iを検出する。
【0050】
ステップS14
比較回路15−2a(図5)で駆動電流値Iと駆動電流の初期値としてのIoが比較される。ここでIo+β≧I(記録媒体8−1の状態)のときステップS15へ進み、Io+β<IのときステップS16へ進む。ここでβは、許容し得る張力が記録媒体8−2に作用した場合の駆動電流の増加分である。尚、転写部2(図4)の搬送速度V1と定着部3(図4)の搬送速度V2は、最初の時点では、V1>V2に設定されているので、Io+β≧Iが満足される。
【0051】
ステップS15
排出センサがオンであればステップS13へ戻って同様の制御が繰り返され、排出センサがオフになると、即ち、記録媒体8の搬送が完了すると制御は終了する。
ステップS16
印字dutyの高い印刷等を実行する事によって定着部3(図5)の搬送速度が大きくなって、Io+β<Iになると、記録媒体8−2(図5)は、許容範囲を越えて引っ張られ、定着ローラ駆動モータ20(図5)の負荷が増大し、転写部2(図4)で画像乱れや色ズレが発生する恐れがあるので駆動電流値をIoに減らしてステップS15へ進む。
【0052】
以上の説明では、具体例1と同様に、一例として給紙部7(図4)から幅297mm、長さ1200mmのサイズの用紙を使用した場合に限定して説明しているが、本具体例の効果は、この例の場合のみに得られるものではない。即ち、搬送方向への長さが800mm以上であれば、本具体例によって長尺紙利用による大きな効果が得られる。
【0053】
〈具体例2の効果〉
以上説明したように、本具体例では、記録媒体に張力が印加されると定着部を駆動する定着ローラ駆動モータの駆動電流値Iを測定し、予め定めてある基準電流値Ioとを比較する媒体張力検出手段と、この比較結果に基づいて駆動電流を増減して定着ローラ駆動モータの駆動力を増減する駆動力調整部とを備えることによって、定着部の搬送速度を加減し、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避することができるという効果を得る。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、転写部に於ける記録媒体の搬送速度と定着部に於ける記録媒体の搬送速度との速度差によって発生する記録媒体に加わる張力を検出する媒体張力検出手段と、該媒体張力検出手段が検出する張力に基づいて上記速度差を調整する定着搬送速度制御部とを含むことによって、記録媒体の張り過ぎによって生じる印字画質の劣化を回避することができるという効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の主要構成部分の横断面図である。
【図2】具体例1の媒体張力検出手段の横断面図である。
【図3】具体例1の制御のフローチャートである。
【図4】具体例2の主要構成部分の横断面図である。
【図5】具体例2の媒体張力検出手段のブロック図である。
【図6】具体例2の制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成部
2 転写部
3 定着部
4 搬送ベルト
5 媒体張力検出手段
6 定着搬送速度制御部
7 給紙部
8 記録媒体
9 ヒートローラ
10 バックアップローラ
C、M、Y、K 感光体ドラム
C、M、Y、K 転写ローラ
A、B 搬送ローラ

Claims (5)

  1. 静電潜像担持体上に画像データに応じたトナー画像を形成する画像形成部と、前記トナー画像を記録媒体上に転写する転写部と、該転写されたトナー画像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを備える画像形成装置であって、
    前記転写部に於ける前記記録媒体の搬送速度と前記定着部に於ける前記記録媒体の搬送速度との速度差によって発生する前記記録媒体に加わる張力を検出する媒体張力検出手段と、
    該媒体張力検出手段が検出する前記張力に基づいて前記速度差を調整する定着搬送速度制御部とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置に於いて、
    前記媒体張力検出手段は、
    前記記録媒体の搬送路に突出するように所定の付勢力で付勢される突出部材と、該突出部材が前記記録媒体に加わる張力に追従して前記付勢力に抗して、所定の移動量を越えると制御信号を出力する移動検知手段とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  3. 静電潜像担持体上に画像データに応じたトナー画像を形成する画像形成部と、前記トナー画像を記録媒体上に転写する転写部と、該転写されたトナー画像を前記記録媒体上に定着させる定着部とを備える画像形成装置であって、
    前記転写部に於ける前記記録媒体の搬送速度と前記定着部に於ける前記記録媒体の搬送速度との速度差によって発生する前記記録媒体に加わる張力を検出する媒体張力検出手段と、
    該媒体張力検出手段の検出する前記張力に基づいて前記定着部の駆動力を調整する駆動力制御部とを含むことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置に於いて、
    前記定着部は、直流モータによって駆動され、
    前記媒体張力検出手段は、
    前記直流モータの駆動電流値を計測する駆動電流値検出部と、
    該駆動電流値検出部の検出結果と、予め定めてある基準駆動電流値とを比較する駆動電流値比較部とを含み、
    前記駆動力制御部は、
    前記駆動電流値比較部の比較結果に基づいて前記直流モータの駆動電流値を調整することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置に於いて、
    前記記録媒体は、搬送方向に800mm以上の長さを有する媒体であることを特徴とする画像形成装置。
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