JP2002040860A - 加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置および画像形成装置

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JP2002040860A
JP2002040860A JP2000223584A JP2000223584A JP2002040860A JP 2002040860 A JP2002040860 A JP 2002040860A JP 2000223584 A JP2000223584 A JP 2000223584A JP 2000223584 A JP2000223584 A JP 2000223584A JP 2002040860 A JP2002040860 A JP 2002040860A
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fixing
pressure roller
film
heating
recording material
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Satoshi Nishida
聡 西田
Hiroyuki Sakakibara
啓之 榊原
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱部材3を備えた定着部材1と該定着部材に
圧接された加圧部材5で構成され、定着部材表面と加圧
部材表面の圧接部Nで記録材P上のトナーtを加熱、加
圧して記録材上に定着させる加熱装置106および該加
熱定着装置を具備した画像形成装置について、加圧部材
表面に付着したトナー汚れの除去及び記録材の加圧部材
への巻き付きを防止すること、また記録材の変形をも防
止すること。 【解決手段】定着部材表面と加圧部材表面の圧接部で、
加圧部材表面が変形されるような構成で、記録材が加熱
装置内にない場合、定着部材表面の移動速度が、加圧部
材表面の移動速度と速度差を持つような期間を持つこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未定着のトナー画
像を形成担持させた記録材を定着部材と加圧部材との圧
接部(定着ニップ部)に導入して挟持搬送させること
で、上記トナー画像を加熱、加圧して記録材上に定着さ
せる加熱装置(以下、加熱定着装置と記す)に関する。
【0002】また該加熱定着装置を備えた画像形成装置
に関する。より詳しくは、電子写真プロセス、静電記録
プロセス、磁気記録プロセスなどの任意の画像形成プロ
セス手段により、転写方式、或いは直接方式で記録材
(転写材、感光紙、静電記録紙)に目的の画像情報に対
応した未定着のトナー画像を形成担持させ、この記録材
を加熱装置に導入して上記トナー画像の熱定着を行う、
レーザビームプリンタや複写機などの画像形成装置に関
する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真プロセス、静電記録プロ
セス、磁気記録プロセスなどの任意の画像形成プロセス
手段を採用する画像形成装置に具備される加熱定着装置
においては、未定着のトナー画像を形成担持させた記録
材を、互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラ
との圧接で形成される定着ニップ部(加熱ニップ部、圧
接ニップ部)に導入して通過させることにより、記録材
上に永久画像として定着させる、所謂、熱ローラ方式の
加熱定着装置が広く用いられている。
【0004】これは、加熱部材としての定着ローラと加
圧部材としての加圧ローラの相互圧接回転ローラ対を基
本構成部材とするもので、定着ローラは金属製等の熱伝
導性の良い円筒状のローラ基体の内部に加熱体(発熱
源)としてのハロゲンヒータを有し、定着ローラはこの
ハロゲンヒータにより加熱され、ローラ表面温度が所定
の定着温度に維持されるように温調制御される。加圧ロ
ーラは芯金回りにシリコンゴム等の耐熱性を有し、かつ
所定の弾性を有する素材層を形成したものである。この
定着ローラと加圧ローラとの定着ニップ部に、未定着の
トナー画像を形成担持させた記録材を、未定着トナー画
像面側を定着ローラ側にして導入し挟持搬送させること
で、定着ニップ部において加熱・加圧して未定着トナー
画像を記録材上に融着固定させるものである。
【0005】また、上記熱ローラ方式の加熱定着装置の
他に、スタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、
消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくは、ヒータ部と
加圧部材の間に薄層のフィルムを介して記録材上の未定
着トナー画像を熱定着する方法を採用した、所謂、フィ
ルム加熱方式の加熱定着装置が特開平4−44075公
報等に開示されている。
【0006】これは、ヒータ部としてのセラミックヒー
タと加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性の薄い
フィルムを挟ませて定着ニップ部を形成させ、この定着
ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に、未定着トナ
ー画像を形成担持させた記録材を、未定着トナー画像面
側をフィルム側にして導入してフィルムと一緒に挟持搬
送させることで、定着ニップ部においてセラミックヒー
タの熱をフィルムを介して記録材に与えて加熱・加圧す
ることによって、未定着トナー画像を記録材上に融着固
定させるものである。
【0007】フィルムは定着ニップ部においてセラミッ
タヒータの熱で加熱され、その加熱したフィルムで記録
材が加熱されるもので、セラミックヒータとフィルムが
定着部材を構成している。
【0008】セラミックヒータはその背面に設けられた
サーミスタにより温度検知がなされ、セラミックヒータ
への通電により発熱したヒータ温度を一定に保つように
通電制御される。
【0009】上記フィルム加熱方式の加熱定着装置は、
薄いフィルムを用いているので、定着ローラを用いた熱
ローラ方式の加熱定着装置に比べて定着部材の熱容量が
非常に小さい。このため、記録材上の未定着トナー画像
を加熱定着するのに、セラミックヒータからの熱を効率
よく記録材に与えることができ、定着ニップ部のみを加
熱することで画像形成装置本体の電源ONからプリント
可能状態までの待ち時間の短いクイックスタートの加熱
定着を実現している。更に、定着部材の熱容量を低く抑
えているため、スタンバイ時においても定着部材を暖め
ておく必要はなく、消費電力を低く抑えられるなどの利
点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱ロー
ラ方式やフィルム加熱方式の加熱定着装置のように、加
熱部材と加圧部材とで形成される定着ニップ部に未定着
トナー画像を形成担持させた記録材を導入して挟持搬送
させることで、未定着トナー画像の熱定着を行う加熱定
着装置、および該加熱定着装置を備える画像形成装置に
おいては、定着ニップ部に導入されて挟持搬送される記
録材の未定着トナー画像の全てのトナーが完全に記録材
に定着されずにトナーの一部が加熱部材としての定着ロ
ーラやフィルムの面に付着(オフセット)することがあ
る。そのオフセットトナーは次に定着ニップ部に導入さ
れた記録材に転移して定着されるか、定着ニップ部を記
録材が通過していないときに加圧部材としての加圧ロー
ラの外面(表面)に転移してこびり付く。
【0011】そのため、加圧ローラはプリントの繰り返
しに伴う上記のような加熱部材側のオフセットトナーの
転移・こびり付きの蓄積でその外周面が経時的にトナー
汚れしていく。加圧ローラの過度のトナー汚れは、加圧
ローラの離型性を低下させて、付着トナーの粘着性によ
る記録材の加圧ローラへの巻き付きトラブルや記録材に
裏汚れを生じさせる結果を招く。
【0012】また、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の
加熱定着装置を具備する上記画像形成装置においては、
プリント動作がしばらく行われていない状態から記録材
への未定着トナー画像の加熱定着を開始した場合には加
圧ローラの温度は低く、一方、何枚もの記録材への未定
着トナー画像の加熱定着が連続的に、あるいは短い休止
時間で間欠的に行われた直後では、加圧ローラの温度は
高い。このため、加圧ローラ表面が低い温度のときと、
高い温度のときとでは、加熱部材と加圧ローラの温度差
が大きく異なり、記録材への熱の供給の仕方に大きな違
いがある。
【0013】特に、加熱部材と加圧ローラの温度差が大
きい場合には、記録材の表裏に与える熱量に大きな差が
生じ、ほとんど加熱部材側からの熱の供給によってトナ
ー画像が記録材上に加熱定着される。このような場合、
記録材中に含まれる水蒸気が加熱部材面側から蒸発し、
加圧ローラ側からほとんど蒸発しないことから、記録材
の表裏の吸湿状態が異なって記録材が変形(カール)し
てしまうという結果を招く。
【0014】そこで、記録材の変形を修正するため、加
熱定着装置で定着された直後に何らかの機械的な力を加
えることにより、上記記録材の変形を補正することも考
えられるが、加熱定着装置から記録材の排出トレイまで
の距離が短い場合には、上述の補正機構を設けることは
難しい。特に、加熱定着装置の直後に排出トレイを配設
した場合、ほとんど補正を行うことなく記録材が排出さ
れるため、加熱部材と加圧ローラの温度差が大きいとき
の記録材の変形は著しい。
【0015】本発明は、上記に鑑みて為されたものであ
り、加圧部材表面に付着したトナー汚れの除去及び記録
材の加圧部材への巻き付きを防止することのできる加熱
定着装置および該加熱定着装置を具備した画像形成装置
を提供することを目的とする。
【0016】また、加圧部材表面に付着したトナー汚れ
の除去及び記録材の加圧部材への巻き付きを防止でき、
しかも記録材の変形をも防止することのできる加熱定着
装置および該加熱定着装置を具備した画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するために手段】本発明は、下記の構成を
特徴とする加熱装置および画像形成装置である。
【0018】(1)加熱部材を備えた定着部材と該定着
部材に圧接された加圧部材で構成され、定着部材表面と
加圧部材表面の圧接部で記録材上のトナーを加熱、加圧
して記録材上に定着させる加熱装置において、定着部材
表面と加圧部材表面の圧接部で、加圧部材表面が変形さ
れるような構成で、記録材が加熱装置内にない場合、定
着部材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動速度と速
度差を持つような期間を持つことを特徴とする加熱装
置。
【0019】(2)加圧部材表面全てが定着部材との圧
接部を1回以上通過するまで、定着部材表面の移動速度
が、加圧部材表面の移動速度と速度差を持つような期間
を持つことを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0020】(3)記録材が加熱装置に到達する前に、
定着部材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動速度と
速度差を持つような期間を持つことを特徴とする(1)
または(2)に記載の記載の加熱装置。
【0021】(4)装置が定着動作終了後及び待機中
に、定着部材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動速
度と速度差を持つような期間を持つことを特徴とする
(1)または(2)に記載の加熱装置。
【0022】(5)定着部材または加圧部材の内どちら
か一方は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に駆
動される構成で、非駆動側部材を駆動するのに必要な力
が、駆動側部材表面と非駆動側部材表面の間の摩擦力よ
りも大きくなり、定着部材表面の移動速度が加圧部材表
面の移動速度と速度差を持つような期間を持つことを特
徴とする(1)から(4)までの何れかに記載の加熱装
置。
【0023】(6)定着部材または加圧部材の内どちら
か一方は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に駆
動される構成で、非駆動側部材を駆動するのに必要な力
が非駆動側部材が低温では駆動側部材表面と非駆動側部
材表面の間の摩擦力よりも大きくなることを特徴とする
(5)に記載の加熱装置。
【0024】(7)定着部材または該加圧部材の内どち
らか一方は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に
駆動される構成で、駆動側部材か非駆動側部材の内、少
なくともどちらか一方の表面に低摩擦層を設けて、非駆
動側部材を駆動するのに必要な力が、駆動側部材表面と
非駆動側部材表面の間の摩擦力よりも大きくなることを
特徴とする(5)に記載の加熱装置。
【0025】(8)記録材上にトナー像を形成担持させ
る画像形成プロセス手段と、記録材上のトナー画像を加
熱、加圧して記録材上に定着させる加熱装置を有する画
像形成装置において、前記加熱装置が(1)から(7)
までの何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする
画像形成装置。
【0026】(9)画像形成装置がプリント終了後及び
プリント待機中に、加熱装置の定着部材表面の移動速度
が、加圧部材表面の移動速度と速度差を持つような期間
を持つことを特徴とする(8)に記載の画像形成装置。
【0027】<作 用>上記のように、定着部材と加圧部
材の圧接部で、加圧部材表面が変形されるような構成を
とり、トナーを硬化させたまま、即ちトナー軟化点温度
以下の加圧部材表面温度を保ったまま、定着部材表面の
移動速度と加圧部材表面の移動速度が速度差を持つよう
な期間を持つシーケンスを行うことにより、加圧部材表
面に固着したオフセットトナーは定着部材表面に転移さ
せ、定着部材表面より記録材表面に溶融定着させてオフ
セットトナーを除去することができる。
【0028】即ち、上記のような構成でシーケンスを行
うと、定着部材と加圧部材の圧接部における加圧部材表
面の変形のため、加圧部材表面で硬化しているオフセッ
トトナーは加圧部材表面から剥がれ易くなり、定着部材
表面と加圧部材表面の移動速度差によって定着部材に擦
り取られ、定着部材に転移される。
【0029】発熱体をもつ定着部材は加圧部材に比べ、
記録材にトナーを溶融定着させる力が強く、紙粉の混入
により高融点化したトナーでも記録材に定着させる事が
可能である。
【0030】また、記録材表面にあるトナー画像面は、
定着部材表面に付着したトナーを除去する力が強い。
【0031】この効果により、加圧部材へのオフセット
トナー蓄積を防ぐことができる。蓄積され大きく成長し
た加圧部材汚れが、加圧部材側の記録材裏面を汚すこと
や、加圧部材表面の離型性を下げることを防ぐことがで
きる。
【0032】
【発明の実施の形態】<実施例1>(図1〜図8) (A)画像形成装置例 図1は本実施例における画像形成装置の概略構成模型図
である。この画像形成装置は転写式電子写真プロセス利
用のレーザビームプリンタである。
【0033】101は像担持体としての電子写真感光ド
ラムであり、矢印の時計方向に所定の周速度をもって回
転駆動される。
【0034】102は帯電手段としての導電性・弾性を
有する帯電ローラであり、感光ドラム101に対して所
定の押圧力をもって当接させてあり、感光ドラム101
の回転に従動して回転する。そしてこの帯電ローラ10
2に不図示の電源部より所定の帯電バイアス電圧が印加
されることにより、回転する感光ドラム101の周面が
所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0035】103は情報書き込み手段としての露光装
置である。この露光装置103はレーザスキャナであ
り、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して
変調されたレーザ光Lを出力し、折り返しミラー103
aを介して、回転する感光ドラム101の一様帯電処理
面を走査露光する。これにより感光ドラム101の面に
走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0036】104は現像装置であり、感光ドラムの面
に形成された静電潜像をトナー画像として現像する。1
04aは現像ローラであり、不図示の電源部より所定の
現像バイアス電圧が印加される。
【0037】105は転写手段としての導電性・弾性を
有する転写ローラであり、感光ドラム101に所定の押
圧力をもって圧接させて転写ニップ部Tを形成させてい
る。この転写ニップ部Tに不図示の給紙部から所定の制
御タイミングにて記録材としての転写材Pが給紙されて
その転写材面に感光ドラム101面側のトナー画像が順
次に転写される。転写ローラ105には不図示の電源部
からトナーの帯電極性とが逆極性の適切なバイアス電圧
が所定の制御タイミングにて印加される。
【0038】106は加熱定着装置(加熱定着器)であ
り、転写ニップ部Tを通った転写材Pは感光ドラム10
1の面から順次に分離されてこの加熱定着装置106に
導入されて、転写材P上のトナー画像が加熱、加圧され
て転写材P上に定着処理される。加熱定着装置106を
通った転写材Pは画像形成物(コピー、プリント)とし
て排紙される。
【0039】107は感光ドラム面クリーニング装置で
あり、転写材分離後の感光ドラム101の面に残った転
写残トナーや紙粉等の感光ドラム面汚染物を除去して清
浄面化する。クリーニング装置で清浄面化された感光ド
ラム面は繰り返して作像に供される。
【0040】(B)加熱定着装置106 図2は加熱定着装置106の概略構成を示す横断面模型
図である。この加熱定着装置106は特開平4−440
75〜44083号公報等に開示されている、テンショ
ンレスタイプのフィルム加熱方式の加熱定着装置であ
る。
【0041】3は加熱体(発熱体)であり、図面に対し
て垂直方向を長手とする細長薄板状で、全体に低熱容量
の、例えばセラミックヒータである。
【0042】10は横断面略半円形樋型のフィルムガイ
ド部材(ステー)であり、耐熱性・断熱性・剛性を有す
る部材である。このフィルムガイド部材10の下面側に
は該部材の長手に沿って、上記の加熱体3を嵌め入れる
ことができる細長・底浅溝状の座ぐり部を具備させてあ
り、この座ぐり部内に加熱体3を嵌め入れてフィルムガ
イド部材10に支持させてある。
【0043】1は定着部材としてのエンドレスベルト状
または円筒状の耐熱性のフィルム(定着フィルム)であ
り、上記のように加熱体3を配設したフィルムガイド部
材10に対してルーズに外嵌させてある。
【0044】5は加圧部材としての弾性加圧ローラであ
る。この加圧ローラはその芯金11の両端部をそれぞれ
装置の不図示のシャーシ側板間に軸受を介して回転自由
に支持させてある。
【0045】この加圧ローラ5の上側に、上記の加熱体
3・フィルムガイド部材10・フィルム1のアセンブリ
を加熱体3側を下向きにして対向位置させ、不図示の付
勢手段により加熱体3と加圧ローラ5とをフィルム1を
挟ませて加圧ローラ5の弾性に抗して圧接させてある。
加圧ローラ5の表面は加熱体3との対向部においてフィ
ルム1を挟んで加熱体3の下面にならって弾性に抗して
扁平に変形することで幅のある圧接部Nを形成する。こ
の圧接部Nが定着ニップ部である。
【0046】加圧ローラ5は駆動手段Mにより矢印の反
時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ロ
ーラ5の回転による該ローラ5の外面とフィルム1の外
面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力によりフィ
ルム1に回転力が作用してフィルム1がフィルムガイド
部材10の外回りを従動回転状態になる(加圧ローラ駆
動方式)。この従動回転するフィルム1のフィルム周長
の少なくとも一部は常にテンションフリーの状態にあ
る。
【0047】フィルム1はその内面が加熱体3およびフ
ィルムガイド部材10に摺擦しながら回転するため、フ
ィルム内面には、加熱体3およびフィルムガイド部材1
0との摩擦抵抗を下げるために潤滑剤としてフッ素系グ
リス(グリース)のような高耐熱グリスを塗布してあ
る。
【0048】加圧ローラが回転駆動され、それに伴って
フィルム1が回転状態になり、また加熱体3に通電がな
されることで該加熱体3の発熱で定着ニップ部Nが所定
の温度に立ち上がって温調された状態(加熱体3が所定
温度に加熱された状態)において、定着ニップ部Nのフ
ィルム1と加圧ローラ5との間に未定着トナー画像tを
担持した転写材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて
転写材Pのトナー画像担持面側がフィルム1の外面に密
着してフィルムと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送され
ていく。この挟持搬送過程において、加熱体3の熱がフ
ィルム1を介して転写材Pに付与され、転写材P上の未
定着トナーtが転写材P上に加熱、加圧されて溶融定着
される。転写材Pは定着ニップ部Nを通過すると、回転
するフィルム1の外面から曲率分離して搬送される。
【0049】a)フィルム1 定着部材としてのフィルム1は、熱容量を小さくしてク
イックスタートを可能にするため100μm以下の厚み
で、耐熱性のあるポリイミド、ポリアミイミド、PEEK、
PEES、PPS等で作成される。また、長寿命の加熱定着装
置を構成するための強度、耐久性を確保するために20
μm以上の厚みが必要である。トナーオフセット防止
や、転写材の分離性を確保するためにPTFE、PFA、FEP等
の離型性の良い耐熱樹脂を混合または単独でコーティン
グしてある。
【0050】b)加熱体3 加熱体3は耐熱性フィルム1もしくは転写材Pの搬送方
向に直交する方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・
良熱伝導性の基盤6と、該基盤の表面長手にそって形成
具備させた抵抗発熱体7と、この抵抗発熱体表面を保護
した耐熱性オーバーコート層8と、基盤6の裏面側に具
備させた加熱体温度を検知するサーミスタ等の検温素子
9からなる低熱容量の線状加熱体である。加熱体3は抵
抗発熱体7のある表面側を下向きにし、フィルムガイド
部材10の下面側に該部材の長手に沿って設けた細長・
底浅溝状の座ぐり部内に嵌め入れて固定配設してある。
【0051】より具体的に、加熱体基盤6は、例えばア
ルミナ、窒化アルミニウムなどセラミック材の厚み1m
m、幅10mm、長さ240mmのものである。
【0052】抵抗発熱体7は、例えばAg/Pd、Ru
2、Ta2Nなどの電気抵抗材料をスクリーン印刷など
により、厚さ10μm、幅1〜3mmの線状もしくは細
帯状に塗工して形成したものである。
【0053】オーバーコート層8は、例えば約10μm
の耐熱性ガラス層である。
【0054】加熱体3は、抵抗発熱体7に対して給電回
路32から給電がなされて抵抗発熱体7が発熱すること
で迅速に昇温する。そしてその昇温が基盤6の裏面側に
具備させたサーミスタ等の検温素子9により電圧情報に
変換されて検知され、その出力がCPU等の制御部31
で演算され、加熱体3の温度が所定の温度に温調制御さ
れるように、給電回路32から加熱体3の抵抗発熱体7
への供給電力が制御される。
【0055】c)加圧ローラ5 加圧部材としての加圧ローラ5は、前記のように、加熱
体3との間にフィルム1を挟んで圧接され定着ニップ部
Nを形成すると共に、フィルム外面との摩擦力によりフ
ィルム1を回転駆動する。制御部31は不図示のドライ
バーを介して駆動手段Mを制御して加圧ローラ5を駆動
制御する。
【0056】加圧ローラ5は、略長棒形状の芯金11の
外側に、シリコンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱ゴム或い
はシリコンゴムを発泡して形成された弾性層12と、更
にその外側に形成された離型層13からなり、不図示の
軸受手段、付勢手投により所定の押圧力をもってフィル
ム1を挟ませて加熱体3の表面に圧接させて配接してあ
る。
【0057】離型層13は厚さ1〜100μm程のPF
A、PTFE、FEP等のフッ素系樹脂のチューブやコーティン
グ、またはフッ素ゴム、シリコンゴム中に前記フッ素樹
脂を分散させたチューブやコーティングよりなる。
【0058】このようなフィルム加熱方式を採用する加
熱定着装置は、低熱容量のフィルム1や加熱体3を用い
ることが出来るためにウエイトタイムの短縮化(クイッ
クスタート)が可能となる。また、クイックスタートが
できることにより、プリント動作時の予熱の必要性がな
くなり、省電力化も図ることができる。
【0059】(C)加圧ローラ5のクリーニングシーケ
ンス 本実施例では、定着部材としてのフィルム1の内側に塗
布されたグリス(潤滑剤)は図3の温度−粘度特性のよう
に低温時の粘度が高く、加熱体3が非加熱で低温状態時
には高粘度状態のグリスによりフィルム1と加熱体3お
よびフィルムガイド部材10が貼りつき、図4の温度−
トルク特性のようにフィルム1の駆動トルクが大きくな
るように設定してある。
【0060】前述したとおり、フィルム1は圧接された
加圧ローラ5の回転駆動に従動的に回転駆動される。ま
た、フィルム1と加圧ローラ5はそれぞれ最外層に離型
層をもちフィルム表面と加圧ローラ表面の間の摩擦力が
低い。
【0061】これらにより、加熱体3が非加熱で低温の
状態では、加圧ローラ5が回転駆動されたとき、フィル
ム1の駆動トルクがフィルム表面と加圧ローラ表面の間
の摩擦力を上回り、加圧ローラ5がフィルム1に対して
スリップしながら回転する状態を生じてフィルム表面の
移動速度と加圧ローラ表面の移動速度の間に速度差が発
生するような構成となっている。
【0062】また上記とは逆に、加熱体3に対して給電
がなされて加熱体3の温度が昇温するとグリスの粘度は
急速に低下して、フィルム1の駆動トルクがフィルム表
面と加圧ローラ表面の間の摩擦力を下回り、加圧ローラ
5の回転駆動状態において加圧ローラ5がフィルム1に
対してスリップしながら回転する状態が解消されてフィ
ルム1は加圧ローラ5の回転周速度とほぼ同じ周速度で
従動回転状態になって、フィルム表面の移動速度と加圧
ローラ表面の移動速度の間の速度差が解消される。
【0063】そして本実施例では制御部31により図5
のフローチャートのような加圧ローラ5のクリーニング
シーケンスを実行させている。図6はこの加圧ローラ5
のクリーニングシーケンスにおける加圧ローラとフィル
ムとの表面移動速度の経時的変化を示すグラフである。
【0064】即ち、転写材Pが加熱定着装置106の定
着ニップ部Nに到達する前に、加熱体3が非加熱状態に
おいて加圧ローラ3の駆動をONさせて加圧ローラ3を
1.5回転させ、その後、転写材Pが定着ニップ部Nに
到達するまで加熱体3を発熱させながら加圧ローラを加
熱前回転させる。
【0065】加熱体3が低温の状態では前記したように
フィルム1の駆動トルクが高く、前回転の最初にフィル
ム表面の移動速度と加圧ローラ表面の移動速度の間に速
度差が発生し、フィルム表面と加圧ローラ表面が擦れる
期間が生じる。この時、加圧ローラ表面にオフセットト
ナーが付着していて、オフセットトナーが硬化し固着し
た状態にある場合、フィルム1と加圧ローラ5の圧接部
(定着ニップ部)Nにおける加圧ローラ表面の変形のた
め、加圧ローラ表面に固着したオフセットトナーは加圧
ローラ表面から剥がれ易くなり、フィルム表面と加圧ロ
ーラ表面の移動速度差によってフィルム1に擦り取ら
れ、フィルム1に転移される。
【0066】この状態で転写材Pが定着ニップ部Nに搬
入されると、フィルム表面に転移させられたオフセット
トナーは、転写材Pに溶融定着されて持っていかれる。
この効果により、加圧ローラ5ヘのオフセットトナー蓄
積を防ぐことができる。蓄積され大きく成長した加圧ロ
ーラ汚れが、加圧ローラ側の転写材裏面を汚すことや、
加圧ローラ表面の離型性を下げることを防ぐことができ
る。即ち加圧ローラ表面にトナーが蓄積し、その後画像
表面に排出されると、画像上に0.5mm以上の粒状のトナ
ー汚れが定着され、問題となるけれども、上記の効果に
より、加圧ローラ表面に汚れが蓄積される前に排出され
る汚れは、微量のため全く目立たないので問題とはなら
ない。
【0067】加熱体3が非加熱状態において加圧ローラ
3を1回転以上回すことで、加圧ローラ全周をクリーニ
ングできる。1回転以下でも効果がある事は言うまでも
ない。
【0068】a)前回転延長との比較 本出願人は先に図7のような加圧ローラ汚れの対策を提
案している(特開平10−186914号公報)。すな
わち、転写材が定着ニップ部に到達するまでの加熱前回
転時間を長く取り、加圧ローラ表面に固着したトナーを
高温に加熱して転写材に溶融定着させるものである。
【0069】ただし、トナー汚れは炭酸カルシウム等の
紙に含まれる無機フイラーを多量に含んでいると高融点
化し、容易には転写材には定着されない。
【0070】また、プロセススピードが速いと加熱体温
度、加圧ローラ温度が同じでも、加熱定着装置の定着能
力は減少する。プロセススピードが速い加熱定着装置で
は、加熱前回転時間を伸ばし加圧ローラの表面温度が飽
和するまで上昇させても転写材に定着させて除去するこ
とができなかった。
【0071】本実施例の方法では、固着したトナーを物
理的な力で剥ぎ取るので、高融点化したトナーも剥ぎ取
ることができる。
【0072】b)後加熱シーケンス 一方、図8のように、加圧ローラを停止したまま数秒間
加熱体を加熱させると加熱体温度に近い温度まで、加圧
ローラ表面を加熱することができる。
【0073】加圧ローラ表面に比べ、フィルム表面の離
型性が悪い場合、加圧ローラの圧接部にあるオフセット
トナーが溶融され、その後冷却されると、硬化したトナ
ーは加圧ローラ表面からフィルム表面に転移される。
【0074】この停止後加熱方法を使うと、炭酸カルシ
ウムを含む加圧ローラ汚れもフィルムに転移することが
できるが、クリーニングされるのは加圧ローラ表面のう
ち、加熱体と加圧ローラの圧接部(定着ニップ部)の面
積だけであり、加圧ローラ表面の汚れの蓄積状況にむら
ができてしまう。蓄積が進んでしまった表面部位でも、
フィルムに転移し、転写材表面に定着させて汚れを除去
することができるが、蓄積された汚れが一度に転写材表
面に現れるため、とても目立ってしまい問題となる。
【0075】本実施例の方法では、加圧ローラを1回転
以上させていることで、加圧ローラ全周にわたってクリ
ーニングしている。加圧ローラ表面上のオフセットトナ
ー蓄積量のむらは起こらない。
【0076】c)実験結果 以上の効果を確かめるために、本実施例の加熱定着装置
で実際にテストを行った。
【0077】従来の前回転をおこなう加熱定着装置で
は、炭酸カルシウムを15%程度含む転写材を、通紙間
隔を空け、通紙間隔の間に加熱体と加圧ローラの圧接部
(定着ニップ部)のフィルム温度が50℃程度まで冷え
るような間欠通紙を行うと、加圧ローラにトナー汚れが
固着、蓄積される。
【0078】加熱定着装置を頻繁に使い、加熱体と加圧
ローラの圧接部のフィルム温度が75℃以上を保つよう
な間欠通紙では加圧ローラにトナー汚れが固着、蓄積さ
れない。
【0079】この加圧ローラのトナー汚れは炭酸カルシ
ウムなどを多量に含んで高融点化しているために、加熱
定着装置の加熱前回転時間を伸ばし加圧ローラの表面温
度を180℃まで上昇させても転写材に定着させて除去
することができなかった。
【0080】この加圧ローラを用い、加熱体が非加熱状
態で加圧ローラの駆動を行い加圧ローラ汚れトナーの除
去実験を行った。
【0081】加圧ローラ温度は20℃以下とし、加熱体
が非加熱状態で加圧ローラを加圧ローラ複数周回転させ
ると、加圧ローラ表面の汚れの大半がフィルムに転移し
除去された。加圧ローラを1回転だけさせても効果はほ
ぼ変わらなかった。加圧ローラを1回転以下にした場合
は、加圧ローラ全周をクリーニングすることはできな
い。
【0082】加圧ローラ温度を変化させて実験した結
果、加圧ローラ温度が低い方がクリーニングの効果は高
かった。
【0083】加熱体温度とフィルム駆動トルクの関係を
調べるためにフィルム駆動トルク測定を行った。加熱体
の温度を一定に保つように通電しながら加圧ローラを駆
動し、加圧ローラ温度が飽和し安定したところで、加圧
ローラの回転駆動トルクを測定する。外径約20.4m
mの加圧ローラを用い測定を行った。
【0084】フィルム駆動トルクはグリスの温度低下に
よって上昇し、加熱体と加圧ローラの圧接部のフィルム
温度20℃でのフィルム駆動トルクは80℃でのフィル
ム駆動トルクの約2倍となった。
【0085】フィルム表面と加圧ローラ表面の移動速度
差は、加熱体と加圧ローラの圧接部のフィルム温度低下
とともに増えた。特に50℃以下で大きく、加圧ローラ
のクリーニング効果も大きい。
【0086】以上の結果を表1にまとめて示した。
【0087】
【表1】
【0088】本実施例の構成の加熱定着装置を含む画像
形成装置で、間欠耐久試験を行った。前回転始めに加熱
体が非加熱状態で、加圧ローラ約1周分、加圧ローラを
回転させるシーケンスと、定着動作終了後、5秒間後加
熱を行う後加熱シーケンスが組み込まれている。通紙し
た紙は、炭酸カルシウム等を15%程度に含む坪量が7
5g転写材、通紙間隔を空け、前回転開始時の加熱体と
加圧ローラの圧接部のフィルム温度が50℃以下になる
ように間欠通紙した。試験環境は温度10℃、湿度15
%の低温低湿環境で行った。このような条件は、加圧ロ
ーラ上のトナー温度が下がり易い事、転写材から紙粉が
発生し易いことから加圧ローラ汚れを悪化させる。
【0089】後加熱シーケンスだけを組み込んだ場合
は、転写材表面に加熱体と加圧ローラに挟まれた圧接部
の形に汚れが定着され、転写材表面で汚れが目立つため
に問題である。
【0090】また、後加熱シーケンスを組み入れない場
合は、通紙枚数1000枚以下で加圧ローラ汚れが悪化
し、加圧ローラの耐久性能上の欠陥となった。
【0091】フィルムを非加熱で駆動するシーケンスと
後加熱シーケンスの両方を組み込んだ場合、通紙枚数2
000枚以上で加圧ローラの汚れの蓄積はおきなかっ
た。
【0092】また、転写材表面の汚れも、密度、付着量
ともに減少し、画像上の問題は軽減することができた。
【0093】以上の結果を表2にまとめて示した。
【0094】
【表2】
【0095】<実施例2>本実施例2では、実施例1と同
様の構成の加熱定着装置で、加熱定着動作終了後、加熱
体3上のサーミスタ9の検知温度が40℃以下になった
場合、制御部31により自動的に加熱体非加熱で加圧ロ
ーラを1.5回転させて、加圧ローラクリーニングシー
ケンスを実行させた。
【0096】実施例1のデータより、加熱体3と加圧ロ
ーラ5の圧接部の温度が40℃以下の場合、効果的に加
圧ローラ5の汚れをフィルム1に転移できる。
【0097】本実施例2も実施例1と同様の作用効果を
有する。
【0098】<実施例3>本実施例3では、実施例1と同
様の構成の加熱定着装置で、加熱定着動作終了10分後
に、制御部31により自動的に加熱体非加熱で加圧ロー
ラを1.5回転させて、加圧ローラクリーニングシーケ
ンスを実行させた。
【0099】加圧ローラ汚れの悪い15℃以下の低温環
境において、5枚以下の間欠通紙であるならば、10分
間の間に40℃程度まで加熱体と加圧ローラの圧接部の
温度が下がる。
【0100】実施例1のデータより、加熱体と加圧ロー
ラの圧接部の温度が40℃以下の場合、効果的に加圧ロ
ーラの汚れをフィルムに転移できる。
【0101】本実施例3も実施例1と同様の作用効果を
有する。
【0102】<実施例4>本実施例4では、実施例1と同
様の構成の加熱定着装置で、本体電源投入時に、制御部
31により自動的に加熱体非加熱で加圧ローラを1.5
回転させて、加圧ローラクリーニングシーケンスを実行
させた。
【0103】本実施例4も実施例1と同様の作用効果を
有する。
【0104】<実施例5>本実施例5では、実施例1と同
様の構成の加熱定着装置で、本体カバー開閉時に、制御
部31により自動的に加熱体が非加熱状態で加圧ローラ
を1.5回転させて、加圧ローラクリーニングシーケン
スを実行させた。
【0105】画像形成装置の本体カバーは常時は閉じ込
まれており、ジャム処理時や保守点時に装置内部を開放
するために開けられる。本体カバーが開かれたときはそ
れに連動してカバースイッチ(キルスイッチ)33(図
2)が開き状態になって装置の電源回路がOFFに保持
され電気的安全性が確保される。本体カバーが閉じられ
るとカバースイッチ33が閉じ状態になって装置の電源
回路がONに復帰する。
【0106】本実施例5では、本体カバーが開閉されて
カバースイッチ33がOFFになり、その後ONに復帰
したときに、加圧ローラクリーニングシーケンスを実行
させた。
【0107】本実施例5も実施例1と同様の作用効果を
有する。
【0108】<実施例6>本実施例6は、実施例1と同様
の構成に加え、外部の環境を検知する環境検知装置34
(図2)を具備させ、加熱定着装置の置かれている環境
が温度17℃以下の低温環境または湿度20%以下であ
る場合、制御部31により自動的に前回転始めに加熱体
非加熱で加圧ローラを1.5回転させて、加圧ローラク
リーニングシーケンスを実行させた。
【0109】低温環境では、加圧ローラ表面温度が下が
りやすいため、加圧ローラ5にトナー汚れが固着し易
く、前回転では加圧ローラ表面のトナー汚れを転写材に
溶融定着させにくい。また、低湿環境では、転写材から
の紙粉の発生量が大きいため、加圧ローラ表面のトナー
が高融点化し、前回転では加圧ローラ表面のトナー汚れ
を転写材に溶融定着させにくい。
【0110】本実施例6も実施例1と同様の作用効果を
有する。
【0111】<実施例7>(図9) 本実施例では図9に概略構成模型図を示したようなフィ
ルムテンションタイプの加圧定着装置106を用いた。
【0112】この加圧定着装置106は、第1と第2の
2本の従動ローラ14、15と耐熱性、断熱性のヒータ
ー支持体10に固定支持させた加熱体3との互いに平行
の3部材間14、15、10(3)にエンドレスベルト
状の耐熱性フィルム1を懸回張設してある。フィルム1
の内面には潤滑剤としてグリスを塗布してある。
【0113】5は、フィルム1を挟んで加熱体3に圧接
された加圧ローラであり、駆動手段M1により駆動され
る。
【0114】19は第1のフィルム懸回従動ローラ14
にフィルム1を挟ませて圧接されたフィルム外面接触駆
動手段としてのフィルム駆動ローラであり、駆動手段M
2によって駆動される。
【0115】フィルム駆動ローラ19は、芯金16と、
シリコンゴム等の耐熱ゴムからなる弾性層17と、フッ
素樹脂などからなる離型層18よりなる。
【0116】本実施例ではフィルム駆動ローラ19と加
圧ローラ5が同じ表面移動速度で回転駆動される事を特
徴とする。
【0117】フィルム駆動ローラ19と加圧ローラ5が
駆動手段M2・M1によって矢印の方向に回転駆動され
る事によって、フィルム1が矢印の方に回転駆動され
る。このフィルムの回転に伴い第1と第2従動ローラ1
4、15は従動回転する。
【0118】本実施例の装置も実施例1と同様に、加熱
体3が非加熱で低温の状態では、フィルム1の駆動トル
クが加圧ローラ表面及びフィルム駆動ローラ表面のフィ
ルム外面からの摩擦駆動力を上回り、フィルム表面の移
動速度と加圧ローラ表面及びフィルム駆動ローラ表面の
移動速度の間に速度差が発生するような構成となってい
る。
【0119】本実施例では、上記の構成で、転写材Pが
加熱定着装置に到達する前に、加熱体3が非加熱状態で
フィルム駆動ローラ19と加圧ローラ5のうち外周の大
きいはうが1.5回転するように、フィルム駆動ローラ
19と加圧ローラ5を回転駆動させ、その後、転写材P
が定着ニップ部Nに到達するまで加熱体3を発熱させな
がら加圧ローラ5を加熱前回転させる、加圧ローラクリ
ーニングシーケンスを制御部(31)により実行させ
た。
【0120】本実施例7も実施例1と同様の作用効果を
有し、本実施例では加圧ローラ5及びフィルム駆動ロー
ラ19の表面のトナー汚れをフィルムに転移させ除去す
る事ができる。
【0121】<実施例8>(図10) 本実施例では図10に概略構成模型図を示したような別
のフィルムテンションタイプの加圧定着装置106を用
いた。
【0122】ローラ20は内面接触駆動手段としてのフ
ィルム駆動ローラであり、このフィルム駆動ローラ20
と、耐熱性、断熱性のヒータ支持体10に固定支持させ
た加熱体3との2部材20、10(3)間にエンドレス
ベルト状の耐熱性フィルム1を懸回張設してある。
【0123】加圧ローラ5とフィルム駆動ローラ20は
それぞれ駆動手投M1、M2によって回転駆動される。
【0124】本実施例では、加圧ローラ5がフィルム駆
動ローラ20と同じ表面移動速度で回転駆動でき、か
つ、加圧ローラ5がフィルム駆動ローラ20と独立に駆
動できる事を特徴とする。
【0125】本実施例では、フィルム1の駆動トルクが
温度によって変化する構成は必要ない。また、フィルム
駆動ローラ20及び加圧ローラ5の表面が低摩擦である
必要はない。
【0126】本実施例では、上記の構成で、転写材Pが
加熱定着装置に到達する前に、加熱体3が非加熱状態で
フィルム駆動ローラ20を固定させ、加圧ローラ5だけ
が1.5回転するように加圧ローラ5を回転駆動させ、
その後、転写材Pが加熱定着装置に到達するまで加熱体
3を発熱させながらフィルム駆動ローラ20と加圧ロー
ラ5を加熱前回転させる、加圧ローラクリーニングシー
ケンスを制御部(31)により実行させた。
【0127】フィルム駆動ローラ20及びフィルム1を
駆動せず、加圧ローラ5だけを回転駆動させる事でフィ
ルム表面の移動速度と加圧ローラ表面の移動速度の間に
速度差を作り、実施例1の装置と同様の作用効果を発揮
する。
【0128】<実施例9>(図11) 本実施例では図11に概略構成模型図を示したような熱
ローラタイプの加圧定着装置106を用いた。
【0129】この加熱定着装置は、加熱手投(加熱体)
としてのハロゲンランプ22を具備した回転可能に配設
された定着ローラ21と、付図示の加圧手段により定着
ローラ21に圧接され、回転可能に配設された加圧ロー
ラ5を有し、ハロゲンランプ22によって所定温度に加
熱された定着ローラ21と加圧ローラ5との圧接部であ
る定着ニップ部Nに転写材Pを通過させることにより、
転写材P上のトナーtを加熱および加圧して転写材P上
に溶融定着させるものである。
【0130】定着ローラ21は、アルミニウム等の略長
筒形状の芯金23の外周にプライマー層を介してPFA、P
TFE、FEP等のフッ素系樹脂のチューブやコーティングで
離型層24を形成し、芯金23内に定着ローラの長手方
向に沿って1本または複数本の長いハロゲンランプ22
が配置され、ハロゲンランプ22によって定着ローラ表
面が所定の温度に加熱されるようになっている。定着ロ
ーラ21と加圧ローラ5はそれぞれ駆動手段M2、M1
によって駆動される。
【0131】本実施例では加圧ローラ5が定着ローラ2
1と同じ表面移動速度で回転駆動でき、かつ、加圧ロー
ラ5が定着ローラ21と独立に駆動できる事を特徴とす
る。定着ローラ21及び加圧ローラ5の表面が低摩擦で
ある必要はない。
【0132】本実施例では、上記の構成で、転写材Pが
加熱定着装置に到達する前に、ハロゲンランプ22が非
加熱状態で定着ローラ21を固定し、加圧ローラ5だけ
が1.5回転するように加圧ローラ5を回転駆動させ、
その後、転写材Pが加熱定着装置に到達するまでハロゲ
ンランプ22を発熱させながら定着ローラ21と加圧ロ
ーラ5を加熱前回転させる、加圧ローラクリーニングシ
ーケンスを制御部(31)により実行させた。
【0133】定着ローラ21を駆動せず、加圧ローラ5
だけを回転駆動させる事で、定着ローラ表面の移動速度
と加圧ローラ表面の移動速度の間に速度差を作り、実施
例1の装置と同様の作用効果を発揮する。
【0134】<その他> 1)フィルム加熱方式の加熱定着装置において加熱体3
はセラミックヒータに限られるものではなく、その他例
えば磁場発生手段による磁場の作用で電磁誘導発熱する
部材とすることも出来る。フィルム1自体を電磁誘導発
熱性の部材にすることも出来る。熱ローラタイプの加圧
定着装置において定着ローラを磁場発生手段による磁場
の作用で電磁誘導発熱する部材とすることも出来る。
【0135】2)本発明の加熱装置には、トナー画像を
担持した記録材を加熱・加圧してトナー画像を仮定着す
る像加熱装置、トナー画像を担持した記録材を熱・加圧
して艶等の画像表面性を改質する像加熱装置等も含むも
のとする。
【0136】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、加熱
部材を備えた定着部材と該定着部材に圧接された加圧部
材で構成され、定着部材表面と加圧部材表面の圧接部で
記録材上のトナーを加熱、加圧して記録材上に定着させ
る加熱装置および該加熱定着装置を具備した画像形成装
置について、加圧部材表面に付着したトナー汚れの除去
及び記録材の加圧部材への巻き付きを防止することので
きる。また、記録材の変形をも防止することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】 加熱定着装置の概略構成模型図
【図3】 潤滑剤(グリス)の温度−粘度相関グラフ
【図4】 加熱体温度とフィルム駆動トルクの相関グラ
【図5】 加圧ローラのクリーニングシーケンスのフロ
ーチャート
【図6】 加圧ローラのクリーニングシーケンスにおけ
るフィルムと加圧ローラの表面移動速度の推移グラフ
【図7】 前回転延長シーケンスの説明図
【図8】 後加熱シーケンスの説明図
【図9】 実施例7における加熱定着装置の概略構成模
型図
【図10】 実施例8における加熱定着装置の概略構成
模型図
【図11】 実施例9における加熱定着装置の概略構成
模型図
【符号の説明】
1,21・・・定着部材としての定着フィルムまたは定
着ローラ、3・・・加熱部材としてのセラミックヒータ
またはハロゲンランプ、5・・・加圧部材としての加圧
ローラ、N・・・定着ニップ部(圧接部)、P・・・記
録材、t・・・トナー画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA08 AA15 BA09 BA11 BA12 BA25 BA26 BA27 BA48 BA57 BB01 BB18 BB28 BB33 BB37 BE03 CA22 CA40 3K058 BA18 CA23 CA61 CB01 CE13 CE19 DA04 GA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱部材を備えた定着部材と該定着部材に
    圧接された加圧部材で構成され、定着部材表面と加圧部
    材表面の圧接部で記録材上のトナーを加熱、加圧して記
    録材上に定着させる加熱装置において、 定着部材表面と加圧部材表面の圧接部で、加圧部材表面
    が変形されるような構成で、記録材が加熱装置内にない
    場合、定着部材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動
    速度と速度差を持つような期間を持つことを特徴とする
    加熱装置。
  2. 【請求項2】加圧部材表面全てが定着部材との圧接部を
    1回以上通過するまで、定着部材表面の移動速度が、加
    圧部材表面の移動速度と速度差を持つような期間を持つ
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 【請求項3】記録材が加熱装置に到達する前に、定着部
    材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動速度と速度差
    を持つような期間を持つことを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の記載の加熱装置。
  4. 【請求項4】装置が定着動作終了後及び待機中に、定着
    部材表面の移動速度が、加圧部材表面の移動速度と速度
    差を持つような期間を持つことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の加熱装置。
  5. 【請求項5】定着部材または加圧部材の内どちらか一方
    は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に駆動され
    る構成で、非駆動側部材を駆動するのに必要な力が、駆
    動側部材表面と非駆動側部材表面の間の摩擦力よりも大
    きくなり、定着部材表面の移動速度が加圧部材表面の移
    動速度と速度差を持つような期間を持つことを特徴とす
    る請求項1から請求項4までの何れかに記載の加熱装
    置。
  6. 【請求項6】定着部材または加圧部材の内どちらか一方
    は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に駆動され
    る構成で、非駆動側部材を駆動するのに必要な力が非駆
    動側部材が低温では駆動側部材表面と非駆動側部材表面
    の間の摩擦力よりも大きくなることを特徴とする請求項
    5に記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】定着部材または該加圧部材の内どちらか一
    方は、駆動する他方との摩擦力によって従動的に駆動さ
    れる構成で、駆動側部材か非駆動側部材の内、少なくと
    もどちらか一方の表面に低摩擦層を設けて、非駆動側部
    材を駆動するのに必要な力が、駆動側部材表面と非駆動
    側部材表面の間の摩擦力よりも大きくなることを特徴と
    する請求項5に記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】記録材上にトナー像を形成担持させる画像
    形成プロセス手段と、記録材上のトナー画像を加熱、加
    圧して記録材上に定着させる加熱装置を有する画像形成
    装置において、前記加熱装置が請求項1から請求項7ま
    での何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】画像形成装置がプリント終了後及びプリン
    ト待機中に、加熱装置の定着部材表面の移動速度が、加
    圧部材表面の移動速度と速度差を持つような期間を持つ
    ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
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