JP4235301B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機・レーザープリンタ等、電子写真プロセスにより形成された未定着トナー像を記録材上に定着させるための定着装置及びこの定着装置を搭載する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置としては、たとえば、複写機・プリンタ・ファクシミリ等がある。
【0003】
これら複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置における加熱定着装置、すなわち、電子写真方式・静電記録方式・磁気記録方式等の適宜の画像形成プロセスにより加熱定着性の顕画剤(以下、トナーという)を用いて記録材(転写材シート・印刷紙・エレクトロファックスシート、静電記録シート等)の表面に間接(転写)方式、又は直接方式で形成された未定着トナー像(目的の画像情報に対応した未定着顕画剤像)を記録材に熱定着させるための加熱装置としては、従来一般に、熱ローラ方式の加熱装置が多用されている。
【0004】
この熱ローラ方式の加熱装置は、ハロゲンヒータ等の内蔵熱源により加熱して所定の温度を維持させた加熱ローラ(定着ローラ)と、これに圧接させた弾性を有する加圧ローラとの圧接ニップ部(定着ニップ部)に記録材を導入して挟持搬送させることで定着ローラの熱で記録材表面の未定着トナー像を熱定着させるものである。
【0005】
最近では、フィルム加熱方式の加熱装置が提案され、実用化されている(例えば、特開昭63−313182号公報・特開平1−263679号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075〜44083号公報・特開平4−204980〜204984号公報等)。
【0006】
この加熱装置は、支持部材に固定支持させた加熱体に被加熱材としての記録材を、耐熱性・薄肉のフィルム材を介して密着させ、フィルム材を加熱体に摺動移動させて、加熱体の熱をフィルム材を介して記録材へ与える方式・構成のものであり、未定着トナー画像を記録材表面に永久固着像として熱定着処理する装置として活用できる。
【0007】
また、例えば、トナー像を担持した記録材を加熱して表面性を改質する装置、仮定着処理する装置、その他、シート状の被加熱処理する装置として広く使用することができる。
【0008】
このようなフィルム加熱方式の加熱装置は、加熱体として、昇温の速い低熱容量のもの、例えば、絶縁性・良熱伝導性のセラミック基材と、この基材の表面に設けられる、通電により発熱する抵抗発熱層と、を基本構成体とするいわゆるセラミックヒータを用いることができる。
【0009】
また、フィルム材として薄膜で低熱容量のものを用いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇し、スタンバイ時に加熱体へ電力供給をする必要がなく、被加熱材としての記録材をすぐに通紙しても記録材が定着ニップ部に到達するまでに加熱体を所定温度まで十分に昇温させることができ、ウエイトタイムの短縮化(クイックスタート性:オンデマンドで作動)や省電力化が可能となるうえ、さらに画像形成装置本体の装置内の昇温を抑えることができる等の利点を有し、効果的なものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0011】
記録材表面に担持された未定着トナーは、その全てが適度に加熱溶融されて、記録材表面に定着されるのが理想的であるが、溶けきらないコールドオフセット状態のトナーや溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的に定着ローラ、又は定着フィルムにオフセットしたトナー等が存在すると、これらのトナーは、記録材表面に接する定着ローラあるいは定着フィルムに転移し、またこれら定着ローラや定着フィルムに転移したトナーが紙間や前回転・後回転等で加圧ローラにさらに転移する。
【0012】
これにより定着ローラ、又は定着フィルム、そして加圧ローラに付着して、トナー汚れを発生させることになる。
【0013】
これら、トナー汚れを蓄積させないために、定着装置に用いられる定着ローラ・定着フィルム、加圧ローラ(以下「定着回転体」という)の表層には、トナーとの離型性を考慮して、PTFE・PFA・FEPといったフッ素樹脂層や、LTV・RTVといったシリコーンゴム層からなる離型層を設けるのが一般的であるが、未だ不十分であった。
【0014】
特に、定着ローラあるいは定着フィルムと、加圧ローラとの間に温度差がある場合、すなわち、定着ローラあるいは定着フィルム側の温度が高く、加圧ローラ側の温度が低い状態の場合には、温度が高い側ではトナーは溶けた状態となり、温度が低い側ではトナーは固まった状態となるため、トナーは加圧ローラ側に転移して付着してしまう。
【0015】
したがって、これを繰り返すことにより加圧ローラにはトナーが蓄積されてしまっていた。
【0016】
ところで、加熱手段を内部に有する定着ローラや定着フィルム側にトナーが付着した場合には、搬送されてくる記録材との間に温度差が生じるため、トナーは記録材側に転移しやすく、トナーが未だ目には見えないほどの大きさの状態で記録材に吐き出すことができるため、特に問題はない。
【0017】
一方、加圧ローラについては、加熱手段を内蔵していないため、連続プリントでもしない限りあまり高温にはならないため、上述のようにトナーが蓄積してしまいやすく、限界を超える大きさで記録材に付着してしまい目に見える汚れとなってしまうという問題が発生することになる。
【0018】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、加熱側回転体に固着した顕画(トナー)がニップ形成回転体に付着することの防止を図った品質性に優れた定着装置および画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、加熱手段を内包する加熱回転体と、該加熱回転体との間にニップ部を形成るニップ形成回転体と、を備え、これらの回転体により形成された前記ニップ部に、未定着トナー像が形成された記録材を通過させることでトナー像を記録材に定着する定着装置において、前記加熱回転体と前記ニップ形成回転体が前記ニップ部を形成して回転停止している状態から回転を開始する際、回転停止状態で前記ニップ部を形成していた前記加熱回転体の表面領域が前記ニップ部から完全に抜けた後に前記加熱手段への通電が開始され、回転停止状態で前記ニップ部を形成していた前記加熱回転体の表面領域が再び触れる前記ニップ形成回転体の表面領域は、既に通電により発熱開始した前記加熱手段によって前記加熱回転体を介して加熱された領域であることを特徴とする。
【0021】
また、上記目的を達成するために本発明にあっては、加熱手段を内包する加熱回転体と、該加熱回転体との間にニップ部を形成るニップ形成回転体と、を備え、これらの回転体により形成された前記ニップ部に、未定着トナー像が形成された記録材を通過させることでトナー像を記録材に定着する定着装置において、前記加熱回転体と前記ニップ形成回転体が前記ニップ部を形成して回転停止している状態から回転を開始した後、前記加熱手段への通電が開始され、前記加熱手段へ通電開始するまでの前記加熱回転体の表面の移動距離は、前記ニップ部の前記加熱回転体の回転方向の長さより大きく、前記加熱回転体の外周長から前記ニップ形成回転体の外周長を引いた長さより小さく設定されていることを特徴とする。
【0027】
また、上記目的を達成するために本発明にあっては、記録材上に未定着トナー像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段によって形成された未定着トナー像を記録材に定着する上記に記載の定着装置と、を有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態に係る定着装置および画像形成装置について説明する。
【0030】
まず、図1を参照して本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、一例としてレーザービームプリンタを例に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る定着装置が備えられた画像形成装置(レーザービームプリンタ)の概略構成縦断面図である。
【0031】
同図に示すレーザービームプリンタは、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)1を備えている。
【0032】
感光ドラム1は、装置本体Mによって回転自在に支持されており、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0033】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電ローラ(帯電装置)2、露光手段3、現像装置4、転写ローラ(転写装置)5、クリーニング装置6が配設されている。なお、これらの各構成部材は、画像形成手段を構成する主要構成部材である。
【0034】
また、装置本体Mの下部には、紙等のシート状の記録材Pを収納した給紙カセット7が配置されており、記録材Pの搬送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ15、搬送ローラ8、トップセンサー9、搬送ガイド10、本発明の実施の形態の特徴である定着装置11、搬送ローラ12、排紙ローラ13、排紙トレイ14が配置されている。
【0035】
次に、上述構成の画像形成装置の動作を説明する。
【0036】
駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に回転駆動された感光ドラム1は、帯電ローラ2によって所定の極性,所定の電位に一様に帯電される。
【0037】
帯電後の感光ドラム1は、その表面に対しレーザー光学系等の露光手段3によって画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0038】
そして、この静電潜像は、現像装置4によって現像される。
【0039】
現像装置4は、現像ローラ4aを有しており、この現像ローラ4aに現像バイアスを印加し、感光ドラム1上の静電潜像にトナーを付着させることで、トナー像としての現像(顕像化)を行う。
【0040】
トナー像は、転写ローラ5によって紙等の記録材Pに転写される。
【0041】
記録材Pは、給紙カセット7に収納されており、給紙ローラ15、搬送ローラ8によって給紙・搬送され、トップセンサー9を介して、感光ドラム1と転写ローラ5との間の転写ニップ部に搬送される。
【0042】
このとき記録材Pは、トップセンサー9によって先端が検知され、感光ドラム1上のトナー像と同期がとられる。
【0043】
そして、転写ローラ5には転写バイアスが印加され、これにより感光ドラム1上のトナー像が記録材P上の所定の位置に転写される。すなわち、記録材P上に未定着画像(未定着トナー像)が形成される。
【0044】
転写によって表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは、搬送ガイド10に沿って定着装置11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱・加圧されて記録材P表面に定着される。なお、定着装置11については後に詳述する。
【0045】
トナー像定着後の記録材Pは、搬送ローラ12・排出ローラ13によって装置本体M上面の排紙トレイ14上に搬送・排出される。
【0046】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(以下「転写残トナー」という)がクリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって除去され、次の画像形成に備える。
【0047】
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。
【0048】
次に、特に図2を参照して、本発明の実施の形態に係る定着装置について詳述する。
【0049】
なお、図2は本発明の実施の形態に係る定着装置の模式図(記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に沿った縦断面図をメインとした構成図)である。
【0050】
同図に示す定着装置11は、概略、加熱回転体としての定着フィルム(定着回転体)25と、この定着フィルム25に当接されてニップを形成するニップ形成回転体としての加圧ローラ26と、から構成される。なお、これらの回転体(定着フィルム25および加圧ローラ26)を、場合によっては、説明の便宜上総称して定着回転体と称す。
【0051】
そして、定着フィルム25は、トナーを加熱する加熱手段としてのセラミックヒータ(以下「ヒータ」という)20を内包しており、その他の主要構成部材として、ヒータ20の温度を制御する温度制御手段27や記録材Pの搬送を制御する回転制御手段28が備えられている。
【0052】
ここで、ヒータ20は、アルミナ等の耐熱性の基材20a上に例えば印刷によって抵抗体パターン20bを形成し、その表面をガラス層20cで被覆したもので構成され、記録材Pの搬送方向(矢印K方向)に直角な左右方向(幅方向)に長く、すなわち、記録材Pの幅よりも長く形成されている。
【0053】
また、ヒータ20は、装置本体Mに取り付けられたヒータホルダ22によって支持されている。
【0054】
ヒータホルダ22は、耐熱樹脂によって半円状に形成された部材であり、定着フィルム25の回転をガイドするガイド部材としても作用する。
【0055】
定着フィルム25は、ポリイミド等の耐熱樹脂を円筒状に形成したものであり、上述のヒータ20及びヒータホルダ22を包んでいる。
【0056】
定着フィルム25は、後述の加圧ローラ26によってヒータ20に押し付けられており、これにより定着フィルム25の裏面がヒータ20の下面に当接されるようになっている。
【0057】
定着フィルム25は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pが矢印K方向に搬送されるのに伴って矢印R25方向に回転されるように構成されている。
【0058】
なお、定着フィルム25の左右の両端部は、ヒータホルダ22のガイド部(不図示)によって規制されており、ヒータ20の長手方向にはずれないようになっている。
【0059】
また、定着フィルム25の内面には、ヒータ20やヒータホルダ22との間に摺動抵抗を低減させるためにグリースが塗布されている。
【0060】
加圧ローラ26は、金属製の芯金26aの外周面に、シリコーンゴム等の弾性を有する耐熱性の離型層26bを設けたものであり、離型層26bの外周面によって、下方から定着フィルム25をヒータ20に押し付けて、定着フィルム25との間に定着ニップ部Nを形成している。
【0061】
この定着ニップ部Nにおける加圧ローラ26の回転方向についての幅(ニップ幅)をaとすると、このニップ幅aは、記録材P上のトナーを好適に加熱・加圧することができる程度に設定されている。
【0062】
回転制御手段28は、加圧ローラ26を回駆動するモータ29と、モータ29の回転を制御するCPU30とを有する。
【0063】
モータ29としては、例えばステッピングモータ等を使用することができ、加圧ローラ26の回転を矢印R26方向に連続的に行っても良いし、所定の角度ずつ断続的に行うことも可能である。
【0064】
つまり、加圧ローラ26の回転と停止とを繰り返しながら、記録材Pをステップ送りすることもできる。
【0065】
温度制御手段27は、ヒータ20の裏面に取り付けられたサーミスタ(温度検知素子)21と、サーミスタ21が検出する温度に基づいてトライアック24を制御し、ヒータ20に対する通電を制御するCPU23とを有する。
【0066】
上述のように、定着装置11は、加圧ローラ26の矢印R26方向の回転により記録材Pを定着ニップ部Nにて挟持搬送しつつ、ヒータ20によって記録材P上のトナーを加熱する。
【0067】
この際、回転制御手段28によって加圧ローラ26の回転を制御することにより、記録材Pの送りを適宜に制御することができ、また、温度制御手段27によってヒータ20の温度を適宜に制御することができるものである。
【0068】
次に本発明の実施の形態に係る定着装置の特徴的な構成等について詳しく説明する。
【0069】
本発明の実施の形態の特徴は、定着装置11の動作を開始した場合、すなわち、定着フィルム25や加圧ローラ26が回転を開始した場合において、回転前にニップ部において定着フィルム25側に付着していたトナーが、定着フィルム25と加圧ローラ26との温度差を原因として加圧ローラ26側へ転移してしまうことを防止したことにある。
【0070】
すなわち、そのようなトナーがニップ部にある場合に、定着フィルム25と加圧ローラ26との間に温度差がないように構成したものであり、以下、より具体的に説明する。
【0071】
図5には本発明の実施の形態に係る定着装置の模式図を示している。
【0072】
まず、プリント終了時において、モータが停止してからニップ部を加熱し、加圧ローラ26に付着したトナーを定着フィルム25に転移させる。
【0073】
この転移したトナーは、定着フィルム25と加圧ローラ26との間に温度差が生じた時には、再び加圧ローラ26に戻ってしまうため、次のプリント開始時にモータ29の回転よりヒータ20の加熱を遅らせる。
【0074】
これにより定着フィルム25に付着したトナーがニップ領域を出るまでは、加熱が行われないために、両者間の温度差はなく、加圧ローラ26に戻りにくくなり加圧ローラ26の汚れを防止することができる。
【0075】
より具体的に、図5を参照して説明すると、プリント信号が送られると同時にモータの回転を開始し、約0.5秒後にヒータ20の加熱を開始する。
【0076】
この時、ニップ内で冷却されたことによってできる固着したトナーは図5に示すようにニップ部より約25mmの位置にきた時に、ニップ内のヒータ加熱が行われることになる。
【0077】
したがって、そのような固着したトナーがニップ内にある場合には、まだ加熱がなされていないために、定着フィルム25と加圧ローラ26との間に温度差がなく、加圧ローラ26側へトナーが転移してしまうことはない。
【0078】
ところが、そのように構成するのみでは、充分ではない。
【0079】
すなわち、定着フィルム25に固着してニップ外に出たトナーが回転(一周)して再びニップに突入する際に、加圧ローラ26の表面のうち充分加熱されていない部分に突入する構成であると、ヒータ20が内包された定着フィルム25の温度が高いのに対して、加圧ローラ26の表面の温度は低いためにこれらの温度差により、トナーが若干加圧ローラ26に転移してしまっていた。
【0080】
より具体的には、例えば図5に示すように、定着フィルム25が回転を開始してから次に固着トナーがニップ内に入り始めるまでにおいて、ヒータ20によって加熱される領域(長さ)は、定着フィルムの外周(76mm)−ニップ幅(5mm)−0.5秒の回転移動距離(25mm)=46mm分である。
【0081】
ここで、加圧ローラ26については、定着フィルム25側からの熱が伝導されるため、上記の間(固着トナーが再びニップに入る時までの間)には、同じく、加圧ローラ外周も46mmしか加熱されていない状態と考えて良いことになる。
【0082】
したがって、図5に示すように、加圧ローラ外周(63mm)−ニップ幅(5mm)=58mmに対して、まだ46mmしか暖められていない状態であるため、ヒータ20が内包された側の温度の高い定着フィルム25と温度の低い加圧ローラ26との間の急激な温度差が生じているニップ箇所に固着トナーが突入することになる。
【0083】
この時の温度差によって定着フィルム25に固着していたトナーは加圧ローラ26に転移してしまう。
【0084】
そこで、以下に説明する実施の形態では、このような事態をも防止するために、固着トナー部(回転体の停止していた状態(回転開始時)における加熱回転体側のニップを形成していた領域部分の固着トナー部)が再びニップ部に突入する際には、加圧ローラのニップを形成する部分は、既に少なくとも一度は加熱が行われているように、各回転体(定着フィルムや加圧ローラ)の外周の長さや加熱手段(ヒータ)による加熱タイミングを設定するようにしたものである。
【0085】
すなわち、
ニップ幅<加熱前の固着トナーの移動距離<定着フィルムの外周−加圧ローラの外周
を満たすように、各部寸法と加熱タイミング(加熱前の固着トナーの移動距離を調整するための加熱タイミングの制御)を設定する。
【0086】
このように上式を満たすようにすれば、回転を開始してから、最初に固着トナーがニップに突入する場合には、加圧ローラ側のニップ形成部は、既に、一度は加熱が行われているため、両者間に大きな温度差を発生させることを防止できる。
【0087】
したがって、加圧ローラ側へのトナーの転移を防止できる。
【0088】
(第1の実施の形態)
まず、主に、加熱タイミングを制御することにより上式を満たす構成について、特に図3を参照して説明する。
【0089】
図3は本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【0090】
図に示すようにモータを回転させて約12mmだけ固着トナーを移動させてから加熱を開始させるよう制御にすれば、
ニップ幅(5mm)<加熱前の固着トナーの移動距離(12mm)<定着フィルムの外周(76mm)−加圧ローラの外周(63mm)=13mmが成り立つ。
【0091】
これにより固着トナーは加圧ローラ表面が一度加熱されたところに突入するので定着フィルム25と加圧ローラ26との温度差が生じることを原因とする加圧ローラ26へのトナーの転移を防止できる。
【0092】
図3に示した構成で、例えば、温度15℃・湿度10%の環境下でCaCO3を10〜15%含んだ記録材を用いて10分に2枚プリントするモードで通紙耐久テストを行うと、従来1,000枚で加圧ローラにトナー汚れが発生していたものが、本構成により2万枚の通紙枚数でも加圧ローラ汚れ等の発生は見られなかった。
【0093】
このように、本実施の形態によって画像不良等の問題の発生を防ぎ、さらに定着回転体に対するトナー汚れの蓄積を防止し、これにより、定着器周辺部材へのトナーや紙粉等の汚れの付着を防止し、定着回転体に対する記録材の巻き付きや定着回転体に蓄積されたトナー汚れが一気に記録材を汚すといった画像不良等も無くなる。
【0094】
これにより従来使用していた定着器部材、および定着器周辺部材のグレードを下げられ(コストダウンにもつながる)、定着器周辺部材の耐久寿命を延ばすことが可能になる等、従来にもまして有利な点が数多く現れてくる。
【0095】
(第2の実施の形態)
次に、主に、各部の寸法を設定することにより上式を満たす構成について、特に図4を参照して説明する。
【0096】
図4は本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【0097】
上記実施の形態では、モータの回転距離を時間で制御しているため、モータの種類によっては各々の回転角度にバラツキが生じる。
【0098】
例えば、0.5秒モータ回転時のニップ部移動距離を測定すると、約12mm移動しているものもあれば約25mmも移動しているものもある。
【0099】
そこで、本実施の形態では、このような誤差にかかわらず、上式を満たすように、寸法を設定、すなわち、加圧ローラの外周を充分小さく設定するものであり、より具体的には、図4に示すように加圧ローラ26の外周を50mmにすることにより移動距離にかかわらず、 ニップ幅(5mm)<加熱前の固着トナーの移動距離(12〜25mm)<定着フィルムの外周(76mm)−加圧ローラの外周(50mm)=26mm
が成り立ち、固着トナーは加圧ローラ表面の一度加熱されたところに突入する。
【0100】
従って、定着フィルム25と加圧ローラ26にほとんど温度差が生じないため、加圧ローラ26へのトナーの転移を防止できる。
【0101】
上記構成で、例えば温度15℃・湿度10%の環境下でCaCO3を10〜15%含んだ記録材を用いて10分に2枚プリントするモードで通紙耐久テストを行うと、従来1,000枚で加圧ローラにトナー汚れが発生していたものが、本例により5万枚の通紙枚数でも加圧ローラ汚れ等の発生は見られなかった。
【0102】
このように本実施の形態によって画像不良等の問題の発生を防ぎ、さらに定着回転体に対するトナー汚れの蓄積を防止し、これにより、定着回転体に対する記録材の巻き付きや定着回転体に蓄積されたトナー汚れが一気に記録材を汚すといった不具合を防止することが可能になった。
【0103】
さらに、定着回転体を小さくする(加熱回転体とニップ形成回転体とニップの関係が上式を満たすように各大きさを小さくするように調整する)ことによって、熱容量を小さくすることで消費電力を下げられ機内昇温等の問題の発生を無くすことができる。
【0104】
(その他)
上述の実施の形態では、いずれもフィルム加熱方式について説明したが、加熱回転体として加熱ローラとした場合、すなわち、加熱ローラと加圧ローラを有する熱ローラ方式に適用しても効果的である。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、加熱回転体側とニップ形成回転体側との間に温度差が生じることを防止して、加熱側回転体に固着した顕画(トナー)がニップ形成回転体に付着することを防止でき、品質性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る定着装置が備えられた画像形成装置(レーザービームプリンタ)の概略構成縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る定着装置の模式図である。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム)
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光手段
4 現像装置
5 転写装置(転写ローラ)
6 クリーニング装置
7 給紙カセット
8 搬送ローラ
9 トップセンサ
10 搬送ガイド
11 定着装置
12 搬送ローラ
13 排紙ローラ
14 排紙トレイ
20 加熱体(セラミックヒータ)
21 温度検知素子(サーミスタ)
22 ヒータホルダ
23 CPU
24 トライアック
25 定着回転体(定着フィルム)
26 定着回転体(加圧ローラ)
27 温度制御手段
28 回転制御手段
29 モータ
30 CPU
N 定着ニップ部
P 記録材

Claims (4)

  1. 加熱手段を内包する加熱回転体と、
    該加熱回転体との間にニップ部を形成するニップ形成回転体と、を備え、
    これらの回転体により形成された前記ニップ部に、未定着トナー像が形成された記録材を通過させることでトナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記加熱回転体と前記ニップ形成回転体が前記ニップ部を形成して回転停止している状態から回転を開始する際、回転停止状態で前記ニップ部を形成していた前記加熱回転体の表面領域が前記ニップ部から完全に抜けた後に前記加熱手段への通電が開始され、回転停止状態で前記ニップ部を形成していた前記加熱回転体の表面領域が一周後に再び触れる前記ニップ形成回転体の表面領域は、既に通電により発熱開始した前記加熱手段によって前記加熱回転体を介して加熱された領域であることを特徴とする定着装置。
  2. 加熱手段を内包する加熱回転体と、
    該加熱回転体との間にニップ部を形成するニップ形成回転体と、を備え、
    これらの回転体により形成された前記ニップ部に、未定着トナー像が形成された記録材を通過させることでトナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記加熱回転体と前記ニップ形成回転体が前記ニップ部を形成して回転停止している状態から回転を開始した後、前記加熱手段への通電が開始され、前記加熱手段へ通電開始するまでの前記加熱回転体の表面の移動距離は、前記ニップ部の前記加熱回転体の回転方向の長さより大きく、前記加熱回転体の外周長から前記ニップ形成回転体の外周長を引いた長さより小さく設定されていることを特徴とする定着装置。
  3. 前記加熱回転体は円筒状の定着フィルムであり、前記加熱手段は前記定着フィルムの内面に接触するセラミックヒータであることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 記録材上に未定着トナー像を形成する画像形成手段と、該画像形成手段によって形成された未定着トナー像を記録材に定着する請求項1〜3のいずれか一つに記載の定着装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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