JP2010160528A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】紙しわや画像欠陥の発生を防止しながら、トナー像を定着し得る定着装置を提供すること。
【解決手段】定着ベルト39と加圧ベルト15とが当接し、該当接部で加圧ベルト15側から押圧部材11の圧接面が、定着ベルト39側からニップ形成部材31がそれぞれ対向して相互に付勢されて、定着ベルト39−加圧ベルト15間に記録媒体7が挿通されるニップ部を形成し、押圧部材11の圧接面が、ニップ形成部材31の表面形状に倣った圧接面形状を有し、その中央部よりも両端部が、定着ベルト39の回転方向上流に延伸した形状であり、記録媒体7が前記ニップ部に進入する際、その先端辺における両端部が、中央部よりも早い段階で定着ベルト39と加圧ベルト15とに狭持されるように構成されてなることを特徴とする定着装置である。
【選択図】図12

Description

この発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置において、未定着トナー像を加熱定着するための定着装置に関する。
従来、記録シート(記録媒体)表面に担持された未定着トナー像を加熱・溶融して定着する装置として、回転可能に支持された加熱定着ロールと、移動可能に張架された加圧ベルトとを圧接し、これらの間に記録シートを送り込んで定着する、いわゆるベルトニップ方式の定着装置が知られている。
図14に、本願の出願人が提案した特許文献1に開示の定着装置の模式断面図を示す。この定着装置は、加熱源としてのハロゲンランプ105を内蔵した定着ロール101と、圧力ロール112および2つの支持ロール113,114に張架され、上記定着ロール101に圧接されるエンドレスベルト115と、このエンドレスベルト115の内周面側に当接され、定着ロール101の表面に沿ってエンドレスベルト115を面で押圧する押圧部材(圧力付与部材)111とで主要部が構成されている。
定着ロール101は、内部に円筒状のコア102を有しており、モータ106によって矢印V’方向に回転駆動されるものである。このコア102は、アルミニウムで形成されており、コア102の表面には、下地層103aとしてHTVシリコーンゴムが被覆され、さらにその上にトップコート層103bとしてRTVシリコーンゴムがコートされている。
定着ロール101の表面と対向して、温度センサ110が配置され、定着ロール101の表面温度を計測する。そして、温度センサ110の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ105がフィードバック制御されて、定着ロール101の表面温度が調節される。
押圧部材111は、基材111aの表面に弾性層111bと低摩擦層111cとを積層して形成したものであり、基材111a側に配置された圧縮コイルスプリング116によって定着ロール101に向けて押圧されている。基材111aは、ステンレス鋼等の高剛性の部材である。弾性層111bは、例えば、シリコーンゴムあるいはシリコーンスポンジ等からなるものが挙げられる。低摩擦層111cは、一例として、フッ素系材料を含浸させたガラス繊維シートからなるものが挙げられる。
押圧部材111は、弾性層111bが設けられていることにより、低摩擦層111cのエンドレスベルト115の内周面と接触する接触面が、定着ロール101の外周面に倣った形状になっている。すなわち、一定以上の荷重によって押圧部材111を定着ロール101に向けて押圧すれば、弾性層111bが変形し、低摩擦層111cの接触面が定着ロール101の外周面に沿った形状に変形する。したがって、押圧部材111が圧縮コイルスプリング116によってエンドレスベルト115を介して定着ロール101に押圧されると、エンドレスベルト115は定着ロール101に隙間なく圧接される。
圧力ロール112は、コイルスプリング117によってエンドレスベルト115を介して定着ロール101に押圧されている。圧力ロール112で押圧されることにより、定着ロール101の被覆層(下地層103aおよびトップコート層103b)は局所的に弾性変形するようになっている。
エンドレスベルト115と定着ロール101との当接部は、未定着トナー108からなる未定着トナー画像が表面に形成された用紙107が挿通されるニップ部となる。
エンドレスベルト115は、例えばポリイミドフィルムにより形成されている。このエンドレスベルト115は、圧力ロール112および支持ロール113,114の周囲に巻回されている。圧力ロール112および支持ロール113,114はステンレス鋼によって形成されている。
この定着装置を用いて記録シート(普通紙)を定着する場合、ニップ部を通過中に用紙107が加熱されることにより、用紙107の繊維間および未定着トナー108の粒子間に含まれていた空気や水分が膨張ないし蒸発して、用紙107と定着ロール101との間に侵出し、この空気や水蒸気がニップ部内で気泡となって未定着トナー108を攪乱することが懸念される。
しかし、この定着装置では、エンドレスベルト115を押圧部材111の接触面によって定着ロール101に向けて押し付けており、この接触面が定着ロール101の外周面にほぼ倣った形状になっている。したがって、エンドレスベルト115を定着ロール101に対して隙間なく圧接することができ、これによって用紙107や未定着トナー108から空気や水蒸気が膨張してくるのを抑制することができる。このため、ニップ部内での気泡の発生および成長を抑制でき、成長した気泡によって未定着トナー108が攪乱されるのを防止することができる。
これと同時に、押圧部材111の接触面で大きな面積にわたって、エンドレスベルト115と定着ロール101との間に作用する圧接力を与えているので、ニップ部を通過する用紙107表面の未定着トナー108をエンドレスベルト115と定着ロール101とで確実に押さえて定着させることが可能である。このようにして、トナー像の乱れを防止しながら、トナー像を定着させることができる。すなわち、図1に記載の定着装置によれば、定着された画像にニジミやズレなどの乱れが生じるのを防止することが可能である。
一方、コート紙などの透気性が低い記録シートをニップ部に挿通させる場合には、トナー層中の空気をニップ部の圧力によって抑制することは難しい。記録シートの透気性が低いと、圧力を上げても空気を記録シート内部に保持することができず、空気の体積は若干減少するものの、その分圧力が増大し、周囲より圧力が低い部分に空気のよどみが生じることになる。この状態では画像乱れが生じてしまう。
これを防止するため、通常は、圧力付与部材の圧力分布をニップ入口側では低くして、後端に行くに従って増大し、圧力付与部材の下流側で最大圧力となるような圧力分布に設定している。すなわち、圧力付与部材の圧力分布を徐々に増加させて下流側で最大圧力とすることにより、空気は圧力の低いニップ入口側にスムーズに流れ、空気のよどみの発生が防止される。また、押圧部材111とその後方の圧力ロール112との境に圧力の低い部分が生じても、空気は最大圧力に打ち勝ってその低圧部分に流れ込むことが少なくなる。このため、滞留した空気がトナー像を乱すことが防止され、たとえコート紙であっても画像のニジミやズレ、乱れを防止することが可能となり、良好な画質が得られる。
しかしながら、上記ベルトニップ方式の定着装置には、以下のような問題がある。すなわち、高含水率あるいは折り癖がある等でニップ突入先端の辺が直線状ではない用紙を定着する場合、用紙の先端がニップに突入した際に受ける歪みがニップ内で蓄積されて、用紙の後半(下流側)に紙しわを発生させる場合がある。
一例として、波打がある用紙を定着する際、用紙先端辺の中央部が、両端部よりも早くニップに突入して搬送力を受ける状態では、用紙の後半には縦シワを発生させる力が働く。この力によって用紙に生ずる歪みが、用紙後端に行くに従い蓄積されて大きくなり、最終的に縦しわ(プロセス方向と同方向のしわ)が発生する。このように、用紙の先端が直線ではないために発生する、用紙先端が挟持される際の歪みは、それが微小な歪みであっても、用紙下流の紙しわを引き起こす原因となる。
また、本発明者らの実験より、縦シワにならない程度の歪みであっても、その歪みがニップ内でのトナーと定着部材(図1の例で言えば、定着ロール101)の密着を阻害し、画像のグロスが部分的に低下する画像欠陥(光沢ムラ)の発生を誘発することがわかっている。
また、定着対象が薄紙の場合、含水紙や折り癖のない紙であっても、紙の強度(コシ)が無いためにニップ突入時の先端形状が歪みやすいことから、上記の紙しわや画像欠陥が発生しやすくなる。
特開平11−45025号公報
したがって、本発明は、上記課題を解決するべくなされたものであり、その目的は、高含水紙、折り癖のある紙、あるいは薄紙等紙しわが発生し易い記録媒体を定着しようとする際、用紙先端のニップ突入を安定化することにより、紙しわや画像欠陥の発生を防止しながら、トナー像を定着させることができる定着装置を提供することである。
上記目的は、以下の第1および第2の2つの本発明により達成される。
すなわち第1の本発明は、記録媒体に形成された未定着トナー画像を定着させる定着装置であって、少なくとも、複数のロールで張架され、回転する無端状の定着ベルトと、該定着ベルトと当接して回転する無端状の加圧ベルトと、該加圧ベルトを挟んで前記定着ベルトに向けて面で押圧する圧接面を備えた押圧部材と、前記定着ベルトの周内に配置され、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを挟んで前記押圧部材に対向し、当該両ベルト間に前記記録媒体が挿通されるニップ部を形成するニップ形成部材と、を有する定着装置において、
前記押圧部材の圧接面が、前記ニップ形成部材の表面形状に倣った圧接面形状を有し、その中央部よりも両端部が、前記定着ベルトの回転方向上流に延伸した形状であり、
前記記録媒体が前記ニップ部に進入する際、その先端辺における両端部が、中央部よりも早い段階で前記定着ベルトと前記加圧ベルトとに狭持されるように構成されてなることを特徴とする定着装置である。
第1の本発明は、上記の如きいわゆる「ベルト−ベルトニップ方式」の定着装置である。
第1の本発明のより具体的な構成としては、前記押圧部材の圧接面を、その中央部よりも両端部が、前記定着ベルトの回転方向上流に延伸した形状にすることが挙げられる。
一方、第2の本発明は、記録媒体に形成された未定着トナー画像を定着させる定着装置であって、少なくとも、表面に弾性体層が形成され、回転駆動する定着ロールと、該定着ロールに当接して従動回転すると共に、前記定着ロールとの間に前記記録媒体が挿通されるニップ部を形成する無端状の加圧ベルトと、前記加圧ベルトを介して前記定着ロールに向けて面で押圧する圧接面を備えた押圧部材と、を有する定着装置において、
前記押圧部材の圧接面に、前記定着ロールに向けて突出してその表面に歪みを与える突起を備え、
前記押圧部材の圧接面における前記定着ロールの回転方向と垂直方向の中央部側よりも両端部側が、前記定着ロールの回転方向上流になるように前記突起が設けられ、
前記突起による前記定着ロールの歪み量が、前記中央部側よりも前記両端部側の方が大きいことを特徴とする定着装置である。
第2の本発明の具体的な構成としては、前記突起の、前記押圧部材の圧接面の前記定着ロール方向へのの高さが、前記中央部側よりも前記両端部側の方が大きい構成が挙げられる。また、第2の本発明のより具体的な構成としては、前記突起がシャフト状であり、その直径が前記中央部側よりも前記両端部側の方が大きい構成が挙げられる。このシャフト状の前記突起は、前記押圧部材が、前記圧接面の最表面に低摩擦層が形成され、その下層として1層または2層以上の弾性体層が配されてなり、かつ、前記低摩擦層と前記弾性体層との間、または、前記2層以上の弾性体層相互の間にシャフト部材を配置することで形成することができる。
前記突起としては、前記両端部ないしその近傍にのみに配置される構成であってもよい。
前記第1の本発明の構成を上記第2の本発明の構成に取り入れることも好適である。すなわち、両構成を備える本発明の定着装置は、上記第2の本発明の定着装置であって、
前記記録媒体が前記ニップ部に進入する際、その先端辺における両端部が、中央部よりも早い段階で前記定着ロールと前記加圧ベルトとに挟持されるように構成されてなることを特徴とするものである。
この場合も、より具体的な構成としては、前記押圧部材の圧接面を、その中央部よりも両端部が、前記定着ロールの回転方向上流に延伸した形状にすることが挙げられる。
なお、本発明(本明細書において、単に「本発明」と言う場合には、第1の本発明および第2の本発明の双方を含むものとする。)においては、前記押圧部材として、前記ニップ部の出口近傍の前記加圧ベルトを押圧する第1の押圧部と、該第1の押圧部よりも前記ニップ部入口近傍の前記加圧ベルトを押圧する第2の押圧部とを含むものとすることができる。
第1の本発明の定着装置によれば、ニップ部に進入する際、記録媒体の両端部が中央部よりも早い段階で挟持されるため、特に先端辺が直線状でなくその中央部が突出しているような記録媒体であっても、その姿勢が安定して紙しわの発生を抑制することができる。
また、第1の本発明は、押圧部材(圧力付与部材)に関する改善であるため、定着ロールに張架されたエンドレスベルトと、そのエンドレスベルトとニップを形成するエンドレスベルトを有する、所謂「ベルト−ベルトニップ方式」(2ベルト方式)の構成であっても効果が発揮される。
一方、第2の本発明の定着装置によれば、前記押圧部材の前記圧接面に、前記定着ロールに歪みを与える突起を備え、かつ前記両端部が前記中央部よりも上流方向に配置されており、しかも、前記突起による前記定着ロールの歪み量が、前記中央部側よりも前記両端部側の方が大きくなるように構成されているので、記録媒体の搬送速度の歪みによる速度差の分布が生じ、記録媒体の後半(下流)を左右に拡げる力が作用し、紙しわが抑制されると共に画像欠陥の発生を抑制することも可能になる。
本発明の例示的一態様である第1の実施形態の定着装置の概略構成図である。 第1の実施形態の定着装置における押圧部材の形態を、用紙と共に示す斜視図である。 従来例としての押圧部材の形態を、用紙と共に示す斜視図である。 第1の本発明の作用を説明するためのニップ部入口の模式図である。 第1の本発明に使用可能な変形例としての押圧部材の形態を、用紙と共に示す斜視図である。 第2の実施形態に用いた押圧部材の側面図である。 第2の実施形態における金属シャフトの形状と配置を説明するために、図6中の弾性層および金属シャフトのみを抜き出して、用紙と共に示す斜視図である。 第2の本発明の作用を説明するためのニップ部およびその周辺の模式図である。 第2の実施形態の定着装置のニップ部全道程における両端部Yおよび中央部Xの歪み量を表すグラフである。 第2の本発明に使用可能な変形例としての押圧部材の形態を、図7と同様、弾性層および金属シャフトのみを抜き出して、用紙と共に示す斜視図である。 第2の本発明に使用可能な変形例であり、かつ、第1の本発明の構成を併せ持つ押圧部材の形態を、図7と同様、弾性層および金属シャフトのみを抜き出して、用紙と共に示す斜視図である。 本発明の例示的一態様である第3の実施形態の定着装置の概略構成図である。 本発明に使用可能な変形例としての押圧部材の形態を示す断面図である。 従来からのベルトニップ方式の定着装置の模式断面図である。
以下、本発明を好ましい実施形態を挙げて、図面に基づき詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、第1の本発明の例示的一態様である第1の実施形態の定着装置について説明する。
図1は、第1の実施形態の定着装置を示す概略構成図である。この定着装置では、加圧部材である圧力ロール12および支持ロール13,14の計3本のロールによりエンドレスベルト(加圧ベルト)15が張架されており、圧力ロール12はエンドレスベルト15をハロゲンランプ(加熱源)5が内蔵された定着ロール(ニップ形成部材)1に圧接するようになっている。
エンドレスベルト15は、厚さ75μm、幅300mmのポリイミド基材層の外周面に、厚さ40μmのテトラフルオロエチレン/ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)がスプレーコートされて得られたものである。このエンドレスベルト15は、圧力ロール12および支持ロール13,14の計3本のロールの周囲に、約98N(約10kgf)の張力で巻回されている。圧力ロール12および支持ロール13,14はステンレス製であり、その直径は、圧力ロール12が23mmで、支持ロール13,14は共に18mmである。
圧力ロール12は、定着ロール1の回転方向(矢印V方向)における押圧部材11の下流側に設けられており、コイルスプリング17によって定着ロール1に約490N(約50kgf)の荷重で押圧されている。これにより、定着ロール1の下地層(弾性層)3aとトップコート層3bに局部的な変形を生じさせるようになっている。この圧力ロール12および押圧部材11によって、エンドレスベルト15が定着ロール1に巻き付いた状態で圧接されてニップ部を形成しており、当該ニップ部の幅(ニップ幅)は30mmとなっている。
押圧部材11の軸方向(図1における奥行方向)長さは330mmであり、ステンレス鋼製の基材(ベースプレート)11aに、シリコーンゴム(厚さ:3mm、硬度:10゜(JIS−A))製の弾性層11bが形成され、さらにその上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含浸させたガラス繊維シート(厚さ:0.1mm)による摺動層11cが形成されてなるものである。
本実施形態に特徴的な当該押圧部材11の形態を、用紙(記録媒体)7と共に斜視図にして図2に示す。押圧部材11は、図2に示されるように、両端部の加圧幅(搬送方向長さ)が23mm、中央部の加圧幅が17mmであり、先端辺が、両端部と中央部とが直線で結ばれたV字形状をしている。また、押圧部材11の圧接面の表面の形状は、定着ロール1の表面形状に倣うような曲面状に形成されている。
押圧部材11の接触荷重は約647N(66kgf)に設定されており、押圧部材11の平均接触圧力は、約98kPa(約1.0kgf/cm2)となっている。
定着ロール1は、内部に円筒状のコア2を有しており、モータ6によって周方向(矢印V方向)に回転駆動される。このコア2は、外径62mm、長さ350mmでありアルミニウムで形成されている。コア2の表面には、下地層3aとして硬度35゜(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが厚さ1.5mmで直接被覆され、さらにその上にトップコート層3bとしてPFAが厚さ30μmで鏡面に近い表面状態となるようにコートされている。なお、コア2としてはアルミニウム以外にも、熱伝導率の高い金属製のものを使用することができる。
コア2の内部には、加熱源として出力1000Wのハロゲンランプ5が配置されており、定着ロール1の表面には温度センサ10が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ10の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ5がフィードバック制御されて、定着ロール1の表面が160℃になるように調節される。
定着ロール1は、モータ6により周速度V=270mm/secで回転しており、この回転によりエンドレスベルト15も速度270mm/secで従動回転するようになっている。
次に、本実施形態の定着装置の動作について説明する。本実施形態の定着装置では、不図示の転写装置により用紙(記録媒体)7の表面に未定着トナー8からなる未定着トナー像が転写され、ニップ部に向けて矢印A方向にこの用紙7が搬送されてくる。用紙7は、ニップ部の押圧部材11の配されている位置に進入する。そして、ニップ部に作用する圧力と、ハロゲンランプ5によって定着ロール1を通じて与えられる熱とにより、未定着トナー8が用紙7表面に定着される。
本実施形態に特徴的な押圧部材11は、既述のように先端辺がV字形状をしているが、従来の押圧部材は、直線状になっている。図3に、従来例としての押圧部材11’の形態を、用紙(記録媒体)7と共に斜視図にして示す。従来例では、用紙7が進入する側の辺(先端辺)が直線状であるため、定着時に用紙7はその全域にわたり略同時にニップに進入し、定着ロール1とエンドレスベルト15とに挟持され、搬送力を受ける。
これに対し、第1の本発明の特徴を具備した本実施形態の押圧部材11は、その両端部が中央部よりも、定着ロール1の回転方向(矢印V方向)上流に延伸した形状となっている。
図4を用いて、第1の本発明の一例である本実施形態の作用並びに効果について説明する。ここで図4は、第1の本発明の作用を説明するためのニップ部入口の模式図である。
押圧部材11の先端辺の両端部が、定着ロール1の回転方向(図4で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)上流に延伸しているため、ニップ部に用紙7が進入した際、用紙7の両端部が初めに挟持され、搬送力を受ける。このため、用紙7の中央部が先に挟持されることによる縦しわの発生を防止することができる。
上記の如き作用・効果を奏し得る押圧部材の変形例を図5に斜視図にて示す。本変形例の押圧部材11”は、その圧接面の表面の形状が、定着ロール1の表面形状に倣うような曲面状に形成されており、また、その先端辺(定着ロール1の回転方向(図5で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)上流側の辺)が、湾曲形状をしている。そのため、当該先端辺の両端部が、矢印A方向上流に延伸しており、用紙7はその両端部が初めに挟持され、搬送力を受ける。すなわち、本変形例の押圧部材11”は、本実施形態に用いた押圧部材11と同様の作用・効果が発揮される。
<第2の実施形態>
次に、第2の本発明の例示的一態様である第2の実施形態の定着装置について説明する。本実施形態の定着装置は、第1の実施形態の定着装置と押圧部材の構成が異なる点のみであり、その他の構成は全て同一であるため、第1の実施形態の定着装置を示す概略構成図である図1を共用することとし、新たな図示は省略するものとする。ただし、図1における押圧部材11は、図6に示される構成の押圧部材21に置き換えられる。ここで、図6は、第2の実施形態に用いた押圧部材の側面図である。
本実施形態に用いた押圧部材21は、主として、ステンレス鋼製の基材21aに、シリコーンゴム(厚さ:3mm、硬度:10゜(JIS−A))製の弾性層(弾性体層)21bが形成され、その上に発泡シリコーンゴム(厚さ:1mm、硬度:15゜(asker−c))製の保護層(弾性体層)21dが形成され、さらにその上にポリテトラフルオロエチレンを含浸させたガラス繊維シート(厚さ:0.15mm)による摺動層(低摩擦層)21cが形成されてなるものである。
本実施形態に用いた押圧部材21は、さらに、弾性層21bと保護層21dとの間に、金属シャフト(シャフト部材)18が挟み込まれるように配置されている。硬質の金属シャフト18の存在により、弾性層21b、保護層21dおよび摺動層21cに歪みが生じ、押圧部材21の圧接面(摺動層21cの表面)が迫り出して、シャフト状の突起24が形成される。
図7は、本実施形態における金属シャフト18の形状と配置を説明するために、図6中の弾性層21bおよび金属シャフト18のみを抜き出して、用紙(記録媒体)7と共に示す斜視図である。
金属シャフト18はステンレス製であり、両端部の直径が1.2mm、中央部の直径が0.8mmで、その間の直径は略一次関数的に変化している。金属シャフト18の両端部は、押圧部材21における定着ロール1の回転方向(図7で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)上流の側端部(ニップ入口)近傍に位置し、金属シャフト18の中央部は金属シャフト18の両端部から約10mm下流側になるように曲げられた状態で配置される。
押圧部材21の軸方向長さは330mm、搬送方向の接触幅(加圧幅)は20mmである。押圧部材21の接触荷重は約647N(66kgf)に設定されており、押圧部材21の平均接触圧力は、約98kPa(約1.0kgf/cm2)となっている。
本実施形態に特徴的な押圧部材21は、既述のように弾性層21bと保護層21dとの間に、金属シャフト18が挟み込まれるように配置されており、それに応じて、押圧部材21の圧接面に突起24が形成されている。そして、当該突起24の形状が、定着ロール1の回転方向(図7で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)と垂直方向の中央部側よりも両端部側が、定着ロール1の回転方向上流になるように、かつ、当該突起24による定着ロール1の歪み量が、前記中央部側よりも前記両端部側の方が大きくなるように構成されている。
図8を用いて、第2の本発明の一例である本実施形態の作用並びに効果について説明する。ここで図8は、第2の本発明の作用を説明するためのニップ部およびその周辺の模式図である。
一般的に、ニップ領域において定着ロール表面に歪み(表面層の延び)が発生すると、その部分における用紙の搬送速度が増加する。この速度増加量は、定着ロール表面の歪みが大きいほど、大きくなる。第2の本発明は、この原理を応用している。
つまり、硬質部材である金属シャフト18により押圧部材21の圧接面に突起24を形成して、これで押圧することにより定着ロール1表面に歪みを作り、さらに、金属シャフト18の径の調整により、「両端部Yの突起24の大きさ」>「中央部Xの突起24の大きさ」としている。これは結局、押圧部材21の圧接面により押圧される定着ロール1表面の歪みに着目すると、「両端部Yの歪み量」>「中央部Xの歪み量」となる。
図9に、ニップ部全道程における両端部Yおよび中央部Xの歪み量を表すグラフを示す。図9のグラフからわかるように、両端部Yでは、ニップ部に用紙7が進入してすぐに大きな歪みが生じているのに対して、中央部Xでは、両端部Yよりも遅れて、しかもより小さな歪みしか生じていない。「両端部Yの歪み量」>「中央部Xの歪み量」は、既述の通り「両端部Yにおける用紙7の搬送速度」>「中央部Xにおける用紙7の搬送速度」となる。
このような、搬送方向Aと垂直方向の箇所により速度分布が生じ、当該速度分布により、用紙7の後半(下流)・・・定着ロール1の回転方向(図8で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)の上流・・・に、用紙7を左右に拡げる力が作用し、紙しわの発生が防止される。第1の本発明の作用・効果は、用紙7の先端がニップ部に進入する瞬間に発揮されるのに対し、第2の本発明の作用・効果は、用紙7がニップ部を通過する比較的長い領域で発揮される。
上記の如き作用・効果を奏し得る押圧部材の変形例を、図7と同様、弾性層21bおよび金属シャフト18aのみを抜き出して、用紙7と共に、図10に斜視図にて示す。図10に示されるように、当該変形例では、細長の円筒形(軸方向のいずれの箇所も径が同じ。)の金属シャフト18aが、定着ロール1の回転方向(図10で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)の垂直方向の両端部近傍にのみ、その両端部が定着ロール1の回転方向上流側になるように配置されている。
この変形例においても、金属シャフト18aが存在せず定着ロール1表面に何ら歪みを与えない中央部と、これが存在する両端部とで、搬送速度に差異を生じるため、第2の本発明による効果が奏される。
さらに第2の本発明の構成は、第1の本発明の構成と組み合わせることで、両者の作用・効果を発現し得るものとなる。図11は、第2の実施形態に用いた押圧部材の変形例であり、かつ、第1の本発明の構成を併せ持つ金属シャフト18cを用いた定着装置の、図7と同様、弾性層21b’および金属シャフト18cのみを抜き出して、用紙7と共に示す斜視図である。
当該変形例の押圧部材において、弾性層21b’および金属シャフト18cの上層として積層される保護層(弾性体層)21d’および摺動層(低摩擦層)21c’も、図11では省略されているが、図11に示される弾性層21b’と同様、先端辺がV字形状をしている。
そのため、当該変形例の押圧部材を、図1に示す定着装置の押圧部材11に代えて使用すると、第1の本発明と第2の本発明の双方の作用・効果を奏し得るものとなる。
すなわち、当該変形例の押圧部材の先端辺の両端部が、定着ロール1の回転方向(図11で言えば、用紙7の搬送方向Aと同義。)上流に延伸しているため、ニップ部に用紙7が進入した際、用紙7の両端部が初めに挟持され、搬送力を受ける。このため、用紙7の中央部が先に挟持されることによる縦しわの発生を防止することができる。
また、ニップ部に用紙7が進入した後は、搬送方向Aと垂直方向の箇所により速度分布が生じることによって、用紙7を左右に拡げる力が作用し、紙しわの発生が防止される。
すなわちこの場合には、2つの効果が重畳され、より好適な紙しわ抑制効果が発揮される。
<第3の実施形態>
最後に、第1の本発明の他の例示的一態様である第3の実施形態の定着装置について説明する。本実施形態の定着装置は、いわゆるベルト−ベルトニップ方式のものである。
図12は、第3の実施形態の定着装置を示す概略構成図である。本実施形態の定着装置は、第1の実施形態の定着装置における定着ロール1を、ベルトタイプの定着ベルトモジュール20に置き換えたものであり、加圧ベルト側の構成は、第1の実施形態の定着装置と略同等である。したがって、図12においては、第1の実施形態と同一の機能の部材には図1と同一の符号を付して、第1の実施形態と相違点にのみ触れ、その詳細な説明は省略することとする。すなわち、以下の説明において触れていない部分については、第1の実施形態と同様の構成である。
エンドレスベルト(加圧ベルト)15は、圧力ロール12および支持ロール13,14の計3本のロールの周囲に、約147N(約10kgf)の張力で巻回されている。また、圧力ロール12および支持ロール13,14その直径は、圧力ロール12が40mmで、支持ロール13,14は共に25mmである。
圧力ロール12の定着ロール(ニップ形成部材)31への押圧荷重は、約980N(約100kgf)であり、エンドレスベルト15が定着ベルト39を介して定着ロール31に巻き付いた状態で圧接されてニップ部を形成しており、当該ニップ部の幅(ニップ幅)は45mmとなっている。
押圧部材11は、第1の実施形態と同様、図2に示されるように先端辺がV字形状をしている形態であるが、両端部の加圧幅(搬送方向長さ)は28mm、中央部の加圧幅が22mmとなっている。押圧部材11の接触荷重は約980N(100kgf)に設定されており、押圧部材11の平均接触圧力は、約118kPa(約1.2kgf/cm2)となっている。
定着ロール31は、内部に円筒状のコア22を有しており、モータ26によって周方向(矢印V”方向)に回転駆動される。このコア22は、外径96mm、長さ350mmでありアルミニウムで形成されている。コア22の表面には、下地層23として硬度35°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムが厚さ2mmで直接被覆されている。なお、コア22としてはアルミニウム以外にも、熱伝導率の高い金属製のものを使用することができる。
コア2の内部には、加熱源として出力1000Wのハロゲンランプ25が配置されており、定着ロール31の表面には温度センサ30が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ30の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ25がフィードバック制御されて、定着ロール31の表面が170℃になるように調節される。
無端状の定着ベルト39は、定着ロール31および外部加熱ロール27,27’の計3本のロールによって張架されており、厚さ75μm、幅300mmのポリイミド基材層の外周面に、厚さ200μmのシリコーンゴム弾性層(硬度20゜(JIS−A))、厚さ30μmのPFA離型層が形成されてなるものである。この定着ベルト39は、前記3本のロールに約147N(約15kgf)の張力で巻回されている。
外部加熱ロール27,27’の内部には、それぞれ加熱源として出力1000Wのハロゲンランプ35,35’が配置されている。また、外部加熱ロール27,27’の表面には、それぞれ温度センサ40,40’が配置され、この表面の温度を計測する。そして、温度センサ40,40’の計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ35,35’がそれぞれフィードバック制御されて、外部加熱ロール27,27’の表面が170℃になるように調節される。
定着ロール31は、モータ26により周速度V=300mm/secで矢印V”方向に回転しており、この回転により定着ベルト39とエンドレスベルト15とが、速度300mm/secで従動回転するようになっている。
定着ベルト39は、一般的なベルトニップ方式の定着装置における定着ロール全体に比較して、非常に小熱容量となる。これまでの定着ロールのみで構成される場合の当該定着ロールの表面層に当たる部分が、別途定着ベルト39を構成して、残りの定着ロール31とは別に独立に加熱されるため、加熱に必要な時間を確保しやすく、また効率的かつ速やかに定着ベルト39のみを所望の温度まで加熱することができ、高い高速安定性を実現することができる。よって、高速定着時の大きな課題であった温度ドループ(連続コピー時に一旦温度が低下しその後回復するという現象)の問題が解決される。
その他、定着温度を途中で切り替えたい(定着温度アップおよびダウンの双方を含む)場合にも、熱容量の小さな定着ベルト39の温度のみを外部加熱ロール27,27’内のハロゲンランプ35,35’で調整すればよいので、所望の温度に切り替えることが容易であり、かつ速やかであると言った利点も有する。
そして、以上のような利点を有する、いわゆる「ベルト−ベルトニップ方式」の定着装置において、第1の本発明に特徴的な押圧部材の構成を適用した本実施形態では、第1の実施形態と同様、ニップ部に用紙7が進入した際、用紙7の両端部が初めに挟持され、搬送力を受ける。このため、用紙7の中央部が先に挟持されることによる縦しわの発生を防止することができる。
以上、本発明の画像定着装置について、3つの実施形態およびその変形例を挙げて説明したが、本発明はこれら構成に限定されるものではない。具体的に述べられている数値や材料、その他の構成部材や条件に関する事項も、あくまでも例示であって、本発明の内容を何ら制限するものではない。
本発明は、本発明における必須の構成要件を具備するものであれば問題なく、当業者は、公知の知見により上記各実施形態および変形例に対して種々の変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、定着ロールの曲面形状に対応した曲面形状のみで構成される押圧部材のみを例に挙げて説明しているが、例えば、定着装置におけるニップ部の出口近傍の加圧ベルトを押圧する第1の押圧部と、前記第1の押圧部よりも前記ニップ部入口近傍の前記加圧ベルトを押圧する第2の押圧部と、に部材が分かれた構成の押圧部材についても、本発明を適用することができる。
このような構成の押圧部材は、第2の押圧部のる定着ロールに対する圧接面は、該定着ロールの曲面形状に倣う形状であり、第1の押圧部は、ニップ部の出口部分でニップ圧を局所的に高めるために前記定着ロールに向けて突出させた形状とした態様のものが提案されている。ニップ部の出口部分でニップ圧を局所的に高めることで、ニップ部に挿通される挿通される記録シートに極微小の歪み(本発明で課題とする、紙しわが生じるような歪みとは程度が全く異なるもの。)を生じさせて、記録シート自身のコシで定着ロールからの剥離が円滑に為されるといった効果が奏される。
当該押圧部材は、特に、フリーベルトニップヒューザーと呼ばれる定着装置(加圧ベルトがロールに張架されず、テンションが掛けられない状態で押圧部材により定着ロールに押圧されてニップ部が形成される方式の定着装置)において、特に好適に用いられる。
図13に、かかる構成の押圧部材の例(押圧部材41)を断面図にて示す。図13に示されるように、押圧部材41は、基材41aの他、第1の押圧部41xと第2の押圧部41yとに大きく分けられる。第2の押圧部41yは、第1の実施形態における押圧部材11と同様、弾性層(弾性体層)41bおよび摺動層(低摩擦層)41cが基材41aに形成されて構成される。そして、ニップ部の出口側に第1の押圧部41xが、対向する定着ロールに向けて曲面上に突出した状態で配されている。
第1の押圧部41xは、好適には、第2の押圧部41yよりも剛性の高い材料で形成され、例えばアルミニウムなどの剛性体部材で形成されるものである。
押圧部材41を第1の本発明の定着装置に適用する場合には、ニップ入口における押圧部材形状が特徴的なので、勿論、第2の押圧部41yのニップ入口の先端辺が、両端部が中央部よりも延伸した形状(V時形状等)となっている。
一方、押圧部材41を第2の本発明の定着装置に適用する場合にも、圧接面の突起は第2の押圧部41yに設けられる。シャフト部材を押圧部材41に埋め込む場合には、弾性層41bと摺動層41cとの間に配してもよいし、弾性層41bを2層以上の積層構造として、その層間に配してもよい。勿論、第2の実施形態と同様に、弾性体層としての保護層を弾性層41bと摺動層41cとの間に新たに設けて、当該保護層と弾性層41bとの間にシャフト部材を配しても構わない。
<評価試験>
以上説明した各実施形態の定着装置を用いて、それぞれ記載された装置条件にしたがい、実際に未定着トナー画像の定着を行い、画像ズレの発生を確認する試験を行った。試験条件は、紙しわが起こりやすいストレス条件とした。具体的には、用紙はA3サイズの王子製紙(株)製OK中質コート紙(坪量72.3g/m2)とし、高温高湿条件(30℃×85%Rh)で調湿したものを用いた。当該用紙を200枚連続で通紙した場合の紙しわの発生枚数を「紙しわ発生頻度」として評価した。
また、さらに感度の高いテストとして、A4サイズの王子製紙(株)製OKトップコートN(坪量104.7g/m2)に、サイアン・マゼンタ・イエローの3色のトナー(それぞれのTMA※=4.0g/m2)を重ねたプロセスブラックを全面に転写した用紙を20枚連続で通紙し、画像欠陥(部分的なトナー像の光沢ムラ)の発生枚数を目視評価した(※TMA=トナー画像の単位面積当たりのトナー質量)。
なお、従来例として、第1の実施形態の定着装置における押圧部材11を、図3に示す押圧部材11’に代えた定着装置についても同様の試験を行った。具体的には、層構成や各層の材料、厚さ等の各種条件は第1の実施形態と同一で、両端部と中央部とで同一の加圧幅(搬送方向長さ)20mmとなり、先端辺が直線状を示す形状の押圧部材とした。
評価試験の結果を下記表1に示す。
Figure 2010160528
上記表1に示されるように、押圧部材を本発明に特徴的な構成とした第1〜第3の実施形態の定着装置によれば、紙しわおよび画像欠陥の発生を大幅に抑制できることがわかる。
1,31,101:定着ロール(ニップ形成部材)、 2,22,102:コア、 3a,23,103a:下地層(弾性層)、 3b,103b:トップコート層、 5,25,35,35’,105:ハロゲンランプ(加熱源)、 6,26,106:モータ、 7,107:用紙(記録媒体)、 8,108:未定着トナー、 10,30,40,40’,110:温度センサ、 11,11’,11”,21,41,111:押圧部材、 11a,21a,41a,111a:基材、 11b,21b,41b,111b:弾性層(弾性体層)、 11c,21c,41c,111c:摺動層(低摩擦層)、 12,112:圧力ロール、 13,14,113,114:支持ロール、 15,115:エンドレスベルト(加圧ベルト)、 17,117:コイルスプリング、 18,18a,18c:金属シャフト(シャフト部材)、 20:定着ベルトモジュール、 21d:保護層(弾性体層)、 24:突起、 27,27’:外部加熱ロール、 39:定着ベルト、 41x:第1の押圧部、 41y:第2の押圧部、 116:圧縮コイルスプリング

Claims (3)

  1. 記録媒体に形成された未定着トナー画像を定着させる定着装置であって、少なくとも、複数のロールで張架され、回転する無端状の定着ベルトと、該定着ベルトと当接して回転する無端状の加圧ベルトと、該加圧ベルトを挟んで前記定着ベルトに向けて面で押圧する圧接面を備えた押圧部材と、前記定着ベルトの周内に配置され、前記加圧ベルトおよび前記定着ベルトを挟んで前記押圧部材に対向し、当該両ベルト間に前記記録媒体が挿通されるニップ部を形成するニップ形成部材と、を有する定着装置において、
    前記押圧部材の圧接面が、前記ニップ形成部材の表面形状に倣った圧接面形状を有し、その中央部よりも両端部が、前記定着ベルトの回転方向上流に延伸した形状であり、
    前記記録媒体が前記ニップ部に進入する際、その先端辺における両端部が、中央部よりも早い段階で前記定着ベルトと前記加圧ベルトとに狭持されるように構成されてなることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ニップ形成部材が、表面に弾性体層が形成され、回転駆動する定着ロールであり、前記定着ベルトを張架する複数のロールの内の1つを担うことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記押圧部材が、前記ニップ部の出口近傍の前記加圧ベルトを押圧する第1の押圧部と、該第1の押圧部よりも前記ニップ部入口近傍の前記加圧ベルトを押圧する第2の押圧部とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
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