JP5332927B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置には、熱と圧力を同時に加え、記録材上に転写されたトナーの樹脂成分を溶着させる定着装置が用いられている。
特許文献1には、記録材上の画像を加熱ニップNにて加熱する加熱回転体と、加熱回転体との間で加熱ニップを形成するエンドレスベルトと、加熱ニップにおいてベルト内面と摺動自在に設けられベルトを加熱回転体に向けて圧接する加圧部材と、ベルト内面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、を有する画像加熱装置において、ベルトが加熱回転体に圧接した状態のとき潤滑剤塗布部材はベルトに当接しており、ベルトが加熱回転体に圧接していない状態のとき潤滑剤塗布部材はベルト内面から離間していることを特徴とする画像加熱装置が記載されている。
特開2007−79036号公報
本発明の課題は、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の速度の変動を抑制することである。
請求項1に記載の発明は、記録材にトナー像を定着する定着部材と、前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、前記定着部材を回転させることで前記定着加圧部材を回転させる駆動部と、前記定着部材および前記定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備え、前記潤滑剤調整部材は、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間することを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記潤滑剤供給部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の挿入側に配設することを特徴とする請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記拭き取り部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の排出側に配設することを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、当該定着加圧部材を回転させることで当該定着部材を回転させる駆動部と、当該定着部材および当該定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備える定着手段と、前記潤滑剤調整部材を、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間させる制御を行なう制御部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記制御部は、前記拭き取り部材を前記ベルト部材の内周面に接触させた後に、前記潤滑剤供給部材を当該ベルト部材の内周面に接触させる制御を更に行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有し、前記制御部は、少なくとも前記記録材が通過するときに前記定着部材と前記定着加圧部材とを接触状態にする制御を更に行なうことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の速度の変動を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、より適切な量の潤滑剤をベルト部材の内周面に供給することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の摺動抵抗を、より低減することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、ベルト部材の内周面を、より効率よく清掃できるという効果が生じる。
請求項5の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、定着部材や定着加圧部材に変形が生じるのを抑制することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、形成される画像に乱れが生じにくい画像形成装置を提供できる。
請求項7の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、より適切な量の潤滑剤をベルト部材の内周面に供給することができる。
請求項8の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、潤滑剤をより均一にベルト部材の内面に塗布することができる。
請求項9の発明によれば、本構成を採用しない場合に比べ、定着部材や定着加圧部材に変形が生じるのを抑制することができる。
本実施の形態の定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施の形態の定着装置の第1の実施形態を説明した図である。 (a)〜(b)は、潤滑剤供給部材および拭き取り部材と加圧ベルトの内周面との接触状態および離間状態について説明した図である。 (a)〜(b)は、移動機構を有する定着装置について説明をした図である。 本実施の形態の定着装置の第3の実施形態を説明した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態の定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等との通信を行って画像データを受信する通信部32、通信部32にて受信された画像データに対し予め定めた画像処理を施す画像処理部33を備えている。
画像形成部10は、一定の間隔を置いて並列的に配置されるトナー像形成手段の一例である4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(「画像形成ユニット11」とも総称する)を備えている。各画像形成ユニット11は、静電潜像を形成してトナー像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定めた電位で一様に帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を各色画像データに基づき露光するLED(Light Emitting Diode)プリントヘッド14、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するドラムクリーナ16を備えている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収納されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)する一次転写ロール21を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール22、二次転写された各色トナー像を用紙P上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着装置60を備えている。なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。
本実施の形態の画像形成装置1では、制御部31による動作制御の下で、次のようなプロセスによる画像形成処理が行われる。すなわち、PC3やスキャナ4からの画像データは通信部32にて受信され、画像処理部33により予め定めた画像処理が施された後、各色毎の画像データとなって各画像形成ユニット11に送られる。そして、例えば黒(K)色トナー像を形成する画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら帯電器13により予め定めた電位で一様に帯電され、画像処理部33から送信されたK色画像データに基づきLEDプリントヘッド14が感光体ドラム12を走査露光する。それにより、感光体ドラム12上にはK色画像に関する静電潜像が形成される。感光体ドラム12上に形成されたK色静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上にK色トナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cにおいても、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。中間転写ベルト20上の重畳トナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が配置された領域(二次転写部T)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部Tに搬送されると、そのタイミングに合わせて用紙保持部40から用紙Pが二次転写部Tに供給される。そして、重畳トナー像は、二次転写部Tにて二次転写ロール22が形成する転写電界により、搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、定着装置60まで搬送される。定着装置60に搬送された用紙P上のトナー像は、定着装置60によって熱および圧力(ニップ圧)を受け、用紙P上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部45に搬送される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着装置の構成の説明>
次に、本実施の形態の定着装置60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着装置の第1の実施形態を説明した図である。
図2に示した定着装置60aは、図1で示した定着装置60の第1の例であり、所謂ベルトニップ方式の定着装置である。そして定着装置60aは、用紙Pにトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ロール61と、定着ロール61との間に未定着画像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成する加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されている。
定着ロール61は、金属製の円筒状のコア611と、その表面に形成された下地層612及びトップコート層613からなる弾性体層を有している。本実施の形態では、コア611は、アルミニウムで形成され、外径62mm、内径55mm、長さ350mmである。また下地層612は、HTVシリコーンゴムにより形成され、厚さ2mm、ゴム硬度Hs45 JIS A(JIS K 6301)である。更にトップコート層613は、パーフルオロアルキルビニルエーテルコ樹脂(PFA)により形成され、厚さ40μmである。そして、定着ロール61は、図示しないモータ等の駆動部により260mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。なお、コア611としてはアルミニウムでなくても熱伝導率の高い金属製のものであれば使用することができる。またトップコート層613としては耐熱性の高い弾性体であれば他の材料を使用することができる。なおここでゴム硬度は、株式会社テクロック製のスプリングタイプのA型硬度計により、荷重1000gfを付加して計測した結果である。
また、定着ロール61の内部には定着に必要な熱を発生する加熱部材として定格1000Wのハロゲンヒータ63が配設される。そして定着ロール61の表面に接触するように配置された温度センサ64の計測値に基づき、画像形成装置1(図1参照)の制御部31(図1参照)が定着ロール61の表面温度を175℃に制御している。
加圧ベルトモジュール62は、リードロール621、加圧ロール622、および張架ロール623の3本のロールにより張架された定着加圧部材の一例としての加圧ベルト620と、加圧ベルト620の内周面側において加圧ベルト620を介して定着ロール61に付勢される状態で配置される圧力パッド65とにより主要部が構成されている。そして、加圧ベルトモジュール62は定着ロール61に押圧するように配置される。これにより加圧ベルト620は、定着ロール61が矢印C方向へ回転するのに伴い、矢印D方向に回転する。その進行速度は、定着ロール61の表面速度と同じ260mm/sである。
加圧ベルトモジュール62と定着ロール61との接触部には、加圧ベルト620が定着ロール61の外周面に圧接することによりニップ部Nが形成されている。このニップ部Nにおいて、加圧ベルト620の内側に圧力パッド65が加圧ベルト620を介して定着ロール61側に向けて付勢された状態で配置される。そして圧縮コイルスプリング68aにより発生する力により、加圧ベルト620を定着ロール61に押圧している。また、ニップ部Nの最下流部では、加圧ロール622が、圧縮コイルスプリング68bによって、加圧ベルト620を介して定着ロール61の中心軸に向けて付勢されており、この部分において局所的な高圧を生じさせている。この押圧力は、60kgfである。
つまり、圧力パッド65および加圧ロール622により発生する押圧力により、加圧ベルト620が定着ロール61の外周面に圧接し、定着ロール61との間に未定着トナー像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成している。
そして、トナー像を保持した用紙Pは、このニップ部Nを通過する際に加熱および加圧
され、トナー像が用紙Pに定着される。その際に、ニップ部Nの最下流部の加圧ロール6
22による局所的な高圧によって、用紙P上のトナー像には適度な光沢が付与される。
ここで、加圧ベルト620は、ベルト部材の一例としてのエンドレスベルトである。加圧ベルト620は、ベース層と、定着ロール61側の表面または両面に被覆された離型層と、さらにはベース層と離型層との間に形成される弾性体層とから構成されるのが好ましい。そして、ベース層としては、耐熱強度の高い樹脂で形成され、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等が適している。ベース層の厚さは、例えば50μm〜125μm程度、より好ましくは75μm〜100μmで形成される。
また、離型層としては、フッ素樹脂、例えばPFA等が5μm〜20μmの厚さでコーティングされたものが好ましい。さらに、弾性体層としては、厚さが20μm〜500μm、好ましくは50μm〜300μm、ゴム硬度が8Hs〜70Hs(JIS−A)、好ましくは15Hs〜30Hs(JIS−A)のシリコーンゴム等を使用することができる。
本実施の形態の定着装置60aにおいて、加圧ベルト620は、厚さ75μm、幅340mm、周長214mmのポリイミドフィルムのベース層に、ゴム硬度30Hs(JIS−A)、厚さ100μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、厚さ30μmのフッ素樹脂(PFA)からなる離型層とが外表面側(定着ロール61側)に積層されて構成されている。
また、加圧ベルト620を張架する3個のロールは、ステンレス製のリードロール621と、ステンレスロールの外表面に弾性体層としてゴム硬度30Hs(JIS−A)のシリコーンゴムが1.0mmの厚さで被覆された加圧ロール622と、ステンレス製の張架ロール623とで構成され、5kgfの張力で加圧ベルト620を張架している。それぞれのロールの外径は、23mmφ、18mmφ、および18mmφであり、長さ(紙面の垂直方向)は340mmである。また、リードロール621と張架ロール623は、加圧ベルト620の軸方向の変位をできる限り小さくするため、および、加圧ベルト620に作用する張力を幅方向に亘って均一にするため、外径が端部よりも中央部の方を大きくした所謂クラウン形状で形成している。
さらに、圧力パッド65は、幅の広いニップ部Nを確保するための弾性体部材と、弾性体部材が加圧ベルト620の内周面と接触する面に設けられた低摩擦層とで構成され、金属等からなるベースプレートに保持されている。低摩擦層を表面に有する弾性体部材は、定着ロール61側がほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状に形成され、定着ロール61に対して押圧されて配置され、ニップ部Nの入口側領域を形成している。
ベースプレートは、幅(加圧ベルト620の走行方向)12mm、長さ(紙面の垂直方向)360mm、厚さ5mmのステンレス鋼製の部材である。
弾性体部材は、デュロメータ硬さA23(JIS K 6253)のシリコーンスポンジ(シリコーンゴムの発泡体)からなり、幅がベースプレートよりも徐々に拡大するように構成されている。なお、ここでゴム硬度は、高分子計器株式会社製のアスカーCタイプのスポンジ用ゴム硬度計により、荷重300gfを付加して計測した結果である。この弾性体部材は、圧力パッド65の加圧ロール622側の部分が三角形状になっている。このような形状にすることで、圧力パッド65はより広い領域で加圧ベルト620と接触することができる。そして圧力パッド65と加圧ロール622との間に生じる低圧部領域をより狭くすることができる。
圧力パッド65の弾性体部材としては、上記のシリコーンゴムの他に、フッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。
弾性体部材上に形成された低摩擦層は、加圧ベルト620内周面と圧力パッド65との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のある材質であることが望ましい。具体的には、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。本実施の形態では、低摩擦層としては、ポリテトラフルオロエチレンを含浸させたガラス繊維シートである中興化成工業株式会社製の「FGF−400−4」(商品名)や、エンボス(凹凸)加工が施された熱硬化性ポリイミドフィルムを円筒状に張り合わせることで形成し用いている。
なお、圧力パッド65としては、本実施の形態のようにパッド状に成型されたものの他に、例えば、ロール状に成型されたものを用いることもでき、加圧ベルト620を介して定着ロール61表面に付勢させて回転させてもよい。ただし、本実施の形態のようにパッド状に成型された圧力パッド65の方が、ニップ部N全域に亘って、広く均一にニップ圧を付与することができる。
また圧力パッド65は、接触幅5mmごとの曲率半径を加圧ベルト620の回転方向上流側から24mm、22mm、20mmと徐々に小さくなるように形成している。このときの接触荷重は34kgfであり、最大圧力はニップ部Nの入口側から10mmのところで約1.0kgf/cmとなっている。また、この圧力パッド65の最大圧力領域では、定着ロール61により伝熱される熱によりトナーの粘性がガラス状からゴム状流動を生じる状態へ転移する温度まで加熱されるように、最大圧力領域のニップ部Nの入口側からの距離や用紙Pの搬送速度が設定されている。これにより、圧力パッド65の最大圧力領域では、トナー粒子相互間に付着力が発生し、トナー粒子の移動が起こりにくくなる。
そして、圧力パッド65は、弾性体部材が設けられていることにより、低摩擦層が加圧ベルト620と接触する接触面が定着ロール61の外周面と整合可能になっている。即ち、一定以上の荷重によって圧力パッド65を定着ロール61に向けて押圧すれば、弾性体部材が変形し、低摩擦層の接触面が定着ロール61の外周面に沿った形状に変形するようになっている。したがって、圧力パッド65が圧縮コイルスプリング68aによって加圧ベルト620を介して定着ロール61に押圧されると、加圧ベルト620は定着ロール61に隙間なく圧接される。ここで加圧ベルト620と定着ロール61との接触面の幅は約15mmであり、接触面の軸方向の長さは320mmである。
また、圧力パッド65に対し用紙P搬送方向(矢印E方向)の下流側に配置された加圧ロール622は、前述した通り圧縮コイルスプリング68bによって、加圧ベルト620を介して定着ロール61の中心軸に向けて付勢されている。そのためこの部分において局所的な高圧を生じさせている。その際に、この定着ロール61に対する局所的な高圧を低荷重で効率良く付与するために、加圧ロール622は定着ロール61より小径で、その表面は定着ロール61表面よりも硬質に形成されていることが望ましい。
また、本実施の形態では、加圧ベルト620の内周面側に、加圧ベルト620の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材66と、加圧ベルト620の内周面を清掃する拭き取り部材67とを備える。
本実施の形態では、潤滑剤供給部材66は、圧力パッド65と加圧ベルト620との間の摺動抵抗をより効果的に低減するという観点から、ニップ部Nに隣接する位置であって用紙Pの挿入側に配設される。より具体的には、加圧ベルト620の内周面側であってリードロール621と圧力パッド65の間に配置される。潤滑剤供給部材66は、加圧ベルト620の内周面に接触することで、潤滑剤を加圧ベルト620の内周面に塗布することにより供給する。そしてこの潤滑剤により加圧ベルト620の摺動性が向上し、摩耗しにくくなる。
潤滑剤供給部材66としては、例えば、潤滑剤を含浸させた耐熱繊維で出来た不織布やフェルト状の部材や、潤滑剤を内包した耐熱性スポンジロールの表面に多孔質のふっ素樹脂フィルムを巻きつけたオイルロール状の部材を使用することができる。ここで使用される潤滑剤としては、耐熱性と、適度な粘度をもつものであれば特に限定されるものではない。例えば、フッ素オイル、変性フッ素オイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、アミン変性シリコーンオイルなどが使用できる。ただしアミン変性シリコーンオイルを使用することが、温度に対する粘度変化の小ささからより好ましい。
また本実施の形態では、拭き取り部材67は、ニップ部Nに隣接する位置であって用紙Pの排出側に配設される。より具体的には、加圧ベルト620の内周面側であって加圧ロール622と張架ロール623の間に配置される。そして拭き取り部材67は、潤滑剤供給部材66で供給された過剰な潤滑剤や加圧ベルト620の摩耗により発生した摩耗粉などを加圧ベルト620の内周面に接触することにより拭き取る。これにより加圧ベルト620の内周面の清掃を行なう。即ち、拭き取り部材67は、潤滑剤供給部材66と共に加圧ベルト620の内周面に適切な量の潤滑剤を供給する潤滑剤調整部材として捉えることができる。
拭き取り部材67としては、アミノ変性シリコーンオイル等の潤滑剤を吸収して保持で
きる潤滑剤吸収材によって主要部が構成されている。
潤滑剤吸収材としては、例えばフェルト(不織布)、摩擦係数が低く形成されているPFE不織布からなるゴアテックス(登録商標)メンブレン、さらにはフッ素樹脂を多孔質に形成したもの等を用いることができる。ここで、多孔質に形成されたフッ素樹脂としては、PTFE樹脂等のフッ素樹脂を一軸或いは二軸方向に延伸成型して多孔質化したもの、または焼結成型して多孔質化したものを用いることができる。また、この場合の形態としては、フィルム形状のものを積層して構成したもの、織布形状のもの、フィルムと織布とを貼り合せた形状のもの等から選定することができる。
詳しくは後述するが、図3(a)〜(b)に示すように潤滑剤供給部材66および拭き取り部材67は、制御部31(図1参照)および図示しない駆動機構により、加圧ベルト620の内周面との接触状態および離間状態を可変可能となっている。そして、接触状態(図3(a)の状態)においては、潤滑剤供給部材66は、加圧ベルト620の内周面に潤滑剤を供給する。また拭き取り部材67は、加圧ベルト620の内周面を拭き取ることにより清掃を行なう。そして、離間状態(図3(b)の状態)においては、潤滑剤供給部材66は、加圧ベルト620の内周面に潤滑剤を供給することを停止する。また拭き取り部材67は、加圧ベルト620の内周面を拭き取ることを停止する。
次に、本実施の形態の定着装置60aにおける定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写部T(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された
用紙Pは、定着装置60aのニップ部Nに向けて(矢印E方向)搬送されてくる。ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。本実施の形態の定着装置60aでは、上述したように、圧力パッド65を押圧させながら、定着ロール61と加圧ベルト620とを接触させた構成により、ニップ部Nを広く設定することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
本実施の形態の定着装置60aでは、ニップ部Nにおいて作用する圧力と熱とによりトナー像が理想に近いレベルまで定着されるが、ニップ部Nの最下流部においては、定着ロール61の中心軸に向けて付勢されて配置された加圧ロール622が、局所的な高圧によって溶融したトナー像に効率的に圧力を加えることで、定着性を確保するとともに、トナー像表面を平滑にしてカラー画像に良好な画像光沢を付与している。上述したように、加圧ロール622は、定着ロール61より小径で、その表面は定着ロール61表面よりも硬質に形成されることで、低荷重で効率良くトナー像に局所的な高圧を付加することができる。
このような定着装置の動作中において、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させた場合、次のような問題が生じることがある。
まず、潤滑剤供給部材66が接触する圧力により、潤滑剤供給部材66と加圧ベルト620との間に摩擦抵抗が生じる。そしてこの摩擦抵抗が加圧ベルト620の回転の抵抗となることで回転速度が遅くなるときがある。即ち、加圧ベルト620に速度の変動が生じる。そしてその結果、定着画像に乱れが生じたり、加圧ベルト620表面の磨耗が促進されることがある。
また、潤滑剤供給部材66による潤滑剤の供給が過多になるときがある。この場合、過剰な潤滑剤により、接触する定着ロール61の弾性体層である下地層612やトップコート層613が膨潤したり、潤滑剤が通紙中の用紙Pへ付着することがある。このような場合でもトナーにオイルが含まれており、用紙Pを定着ロール61から剥離するために定着ロール61表面へオイルを供給するタイプの画像形成装置では、この問題は生じにくい。即ち、定着ロール61が潤滑剤の膨潤に対し強い材料や構成となっているので、潤滑剤により弾性体層が膨潤することが起こりにくい。ただし、近年は、オイル等が含まれないトナー、所謂オイルレストナーを用いたタイプの画像形成装置が多く、この場合は上記問題が生じやすくなる。
そこで、本実施の形態では、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を、用紙Pと加圧ベルト620とが接触中は、加圧ベルト620の内周面から離間する構成としている。用紙Pと加圧ベルト620とが接触中の状態では、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67は、加圧ベルト620に接触しないため、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67が加圧ベルト620の回転に対し抵抗とはならない。また用紙Pが加圧ベルト620と接触する直前まで、潤滑剤供給部材66は加圧ベルト620の内周面に接触する構成とすれば、十分な量の潤滑剤を供給することができる。そのため定着動作中でも適切な量の潤滑剤が残存するため、加圧ベルト620の摺動性は低下しにくい。
また、本実施の形態では、加圧ベルト620が回転していない状態、即ち回転停止中では、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させず、離間する構成としている。
加圧ベルト620が回転していない状態で潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620に接触させると、接触する圧力で加圧ベルト620に変形癖がつきやすくなる。特に加圧ベルト620のベース層に耐熱性樹脂基材を用いるとこの変形癖が発生しやすくなる。そして変形癖が生じると、次の定着動作時(特に開始直後)に加圧ベルト620に変形が残るため、用紙Pがニップ部Nを通過する際に用紙Pがバタつきやすくなる。その結果、先端紙折れや紙しわといった不具合が生じやすくなる。また用紙P上のトナー像がニップ部Nの手前で定着ロール61等に触れやすくなり、その結果、定着画像が乱れるスマッジと呼ばれる現象がおきやすくなる。
また、加圧ベルト620が回転していない状態では、潤滑剤供給部材66により加圧ベルト620との接触部分だけ潤滑剤が供給されることで、潤滑剤が一部分だけ供給過剰になる。そのため次の定着動作の際、過剰な潤滑剤が、加圧ベルト620の内周面からはみ出しやすくなる。その結果、定着ロール61の膨潤や用紙Pへの潤滑剤付着が生じやすくなる。そのため加圧ベルト620が回転していない状態では、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させない方がよい。
なお潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67と加圧ベルト620の内周面とを接触、離間させる制御は、制御部31(図1参照)により行なうことができる。
そして加圧ベルト620が回転し、用紙Pと加圧ベルト620と接触していない状態としては、具体的には、用紙Pが通紙する前後の回転中の時間帯や、画像情報を画像形成装置1内の処理回路で処理している間の時間帯や、画像形成装置1(図1参照)内の定着装置60a以外の装置の調整する時間帯などが挙げられる。
また定着装置のタイプによっては、加圧ベルトモジュール62と定着ロール61とを図2に示したような接触状態から離間状態にすることができる移動機構を有する場合がある。
図4(a)〜(b)は、移動機構を有する定着装置について説明をした図である。図4(a)〜(b)に示した定着装置60bは、本実施の形態の定着装置の第2の実施形態である。そして図1で示した定着装置60の第2の例である。定着装置60bの基本的な構成は、図2で示した定着装置60aと同一である。ただし、図示しない移動機構により、加圧ベルトモジュール62と定着ロール61とが接触状態(図2の状態)と離間状態(図4(a)〜(b)の状態)とを可変可能であるように構成されている。この制御は、制御部31(図1参照)により行なうことができる。
このような定着装置60bでは、定着動作を行なわないときは、図4(a)〜(b)のような離間状態にすることで、ニップ部Nを形成させないようにすることができる。そのため定着ロール61の弾性体層に回復できない変形が生じたり、加圧ベルトモジュール62の加圧ベルト620に癖付きが生じるのを抑制することができる。
そして本実施の形態では、この加圧ベルトモジュール62と定着ロール61とが離間状態にあるときに、図4(a)に示すように加圧ベルト620の回転中は、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させる構成としている。そして図4(b)に示すように加圧ベルト620の回転停止中は、潤滑剤供給部材66や拭き取り部材67を、加圧ベルト620の内周面から離間させる。次の定着動作の際には、加圧ベルトモジュール62と定着ロール61とが接触状態となるが、このようにすることにより加圧ベルト620へ安定的に潤滑剤を供給することができる。即ち、次の定着動作の際に加圧ベルト620の内周面に一定量の潤滑剤を保持させることができる。そのため安定的に加圧ベルト620を回転させることができ、加圧ベルト620の内周面などの磨耗や、加圧ベルト620の回転ムラが抑制できる。
なお上述した定着装置60a,60bでは、潤滑剤供給部材66および拭き取り部材67の両方を設けていたが、これに限られるものではなく潤滑剤供給部材66および拭き取り部材67の何れか一方を用いる定着装置においても、本実施の形態は適用可能である。
そして上述した定着装置60a,60bのように潤滑剤供給部材66および拭き取り部材67の両方を設ける場合は、拭き取り部材67を加圧ベルト620の内周面に接触させた後に、潤滑剤供給部材66を加圧ベルト620の内周面に接触させることが好ましい。即ち、まず拭き取り部材67により加圧ベルト620の内周面の清掃を行ない、その後で潤滑剤供給部材66により潤滑剤を供給することで、より均一に潤滑剤を加圧ベルト620の内周面に塗布することができる。なおこの制御も、制御部31(図1参照)により行なうことができる。
上述した定着装置60a,60bにおいては、定着ロール61と加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されていたがこれに限られるものではない。
図5は、本実施の形態の定着装置の第3の実施形態を説明した図である。
図5に示した定着装置60cは、図1で示した定着装置60の第3の例である。そして定着装置60cは、定着ベルトモジュール71と、定着ベルトモジュール71との間に未定着画像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部(定着加圧部)Nを形成する加圧ベルトモジュール62とで主要部が構成されている。
ここで、加圧ベルトモジュール62については、図2で示した定着装置60aの場合とその構成が同一であるため説明を省略する。
定着ベルトモジュール71は、矢印C方向に回転する定着ロール710、内部に加熱部材としてのハロゲンヒータ73が配設された張架ロール715、定着ロール710と張架ロール715に張架され定着ロール710が矢印C方向に回転するのに伴い矢印F方向に回転する定着部材の一例である定着ベルト714により主要部が構成されている。
定着ロール710は、厚さ5mmのアルミニウムで形成されたコア711の表面に、厚さ1.5mmの弾性体層712が被覆されて形成された、外径65mmφ、長さ350mmのソフトロールである。弾性体層712には、ゴム硬度が25Hs〜45Hs(JIS−A)のLSR(Liquid Silicone Rubber)が用いられている。そして、定着ロール710は、260mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。
また、定着ロール710の内部には加熱部材として定格1000Wのハロゲンヒータ73が配設され、定着ロール710の表面に接触するように配置された温度センサ74の計測値に基づき、画像形成装置1の制御部31(図1参照)が定着ロール710の表面温度を175℃に制御している。
なお、弾性体層712の材質としては、シリコーンゴムに限定されず、例えばフッ素ゴムのような従来公知の各種材質を用いることができ、また、シリコーンゴムとフッ素ゴムからなる複数層積層された弾性体層712を用いてもよい。さらに、定着ロール710としては、弾性体層712のない、所謂ハードロールを用いることができ、この場合には、定着ロール710から定着ベルト714への熱供給がさらに効率化され、より温度ドループの小さな高速適性に優れた定着装置60cが得られる。
定着ベルト714は、定着ロール710および張架ロール715により張力5kgfで張架されている。定着ベルト714は周長330mm、幅340mmのベルト部材の一例としてのエンドレスベルトで形成されている。
定着ベルト714は、厚さ75μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ200μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層の上に、離型層として厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)で形成された表面層とからなる多層構造で構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものであり、本実施の形態ではゴム硬度が20Hs(JIS−A)のシリコーンゴムを使用している。なお、定着ベルト714の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等から選択することができる。
張架ロール715は、外径23mmφ、肉厚2mm、長さ350mmのステンレスパイプロールで形成されている。
また、張架ロール715は、定着ベルト714の軸方向の変位をできる限り小さくするため、および、定着ベルト714に作用する張力を幅方向に亘って均一にするため、外径が端部よりも中央部の方を100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成している。
また、定着ベルト714の内周面側には、定着ベルト714の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材66bと、定着ベルト714の内周面を清掃する拭き取り部材67bとを備える。
本実施の形態では、潤滑剤供給部材66bは、定着ロール710と定着ベルト714との間の摺動抵抗をより効果的に低減するという観点から、定着ベルト714の内周面側であって定着ロール710に対し上流側に配置される。潤滑剤供給部材66bは、定着ベルト714の内周面に接触することで、潤滑剤を定着ベルト714の内周面に塗布することにより供給する。
また本実施の形態では、拭き取り部材67bは、定着ベルト714の内周面側であって定着ロール710に対し下流側に配置される。そして拭き取り部材67bは、潤滑剤供給部材66aで供給された過剰な潤滑剤や定着ベルト714の摩耗により発生した摩耗粉などを定着ベルト714の内周面に接触することにより拭き取る。これにより加圧ベルト620の内周面の清掃を行なう。
このような構成の定着装置60cにおいて、加圧ベルトモジュール62と定着ベルトモジュール71との接触部には、定着ベルト714が定着ロール710に巻き付けられた(ラッピングされた)領域内において、加圧ベルト620が定着ベルト714の外周面に圧接するように形成されたニップ部Nを構成する。このニップ部Nには、加圧ベルト620の内側に圧力パッド65が加圧ベルト620を介して定着ロール710側に向けて付勢された状態で配置され、加圧ベルト620を定着ロール710の上記ラッピングされた領域に押圧している。また、ニップ部Nの最下流部では、加圧ロール622が、加圧手段としての圧縮コイルスプリング68bによって、加圧ベルト620および定着ベルト714を介して定着ロール710の中心軸に向けて付勢されており、定着ロール710および定着ベルト714の接触部に局所的な高圧を生じさせている。
そして、トナー像を保持した用紙Pは、このニップ部Nを通過する際に加熱および加圧
され、トナー像が用紙Pに定着される。
また、潤滑剤供給部材66a,66bおよび拭き取り部材67a,67bの動作は、上述した定着装置60aの場合と同様である。即ち、潤滑剤供給部材66a,66bや拭き取り部材67a,67bは、少なくとも用紙Pと定着ベルト714や加圧ベルト620とが接触中は、加圧ベルト620の内周面から離間する。また、潤滑剤供給部材66a,66bや拭き取り部材67a,67bは、定着ベルト714や加圧ベルト620の回転停止中は、定着ベルト714や加圧ベルト620の内周面から離間する。
1…画像形成装置、31…制御部、60,60a,60b,60c…定着装置、61…定着ロール、62…加圧ベルトモジュール、66,66a,66b…潤滑剤供給部材、67,67a,67b…拭き取り部材、71…定着ベルトモジュール、620…加圧ベルト、714…定着ベルト

Claims (9)

  1. 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
    前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、
    前記定着部材を回転させることで前記定着加圧部材を回転させる駆動部と、
    前記定着部材および前記定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備え、
    前記潤滑剤調整部材は、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間することを特徴とする定着装置。
  2. 前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記潤滑剤供給部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の挿入側に配設することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記拭き取り部材は、前記定着加圧部に隣接する位置であって前記記録材の排出側に配設することを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の定着装置。
  6. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する定着加圧部材と、当該定着加圧部材を回転させることで当該定着部材を回転させる駆動部と、当該定着部材および当該定着加圧部材の少なくとも一方はベルト部材からなり、当該ベルト部材の内周面に接触する潤滑剤調整部材と、を備える定着手段と、
    前記潤滑剤調整部材を、少なくとも前記記録材と前記ベルト部材とが接触中および当該ベルト部材の回転停止中は、当該ベルト部材の内周面から離間させる制御を行なう制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記潤滑剤調整部材は、前記ベルト部材の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材および当該ベルト部材の内周面を拭き取る拭き取り部材の少なくとも一方であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記拭き取り部材を前記ベルト部材の内周面に接触させた後に、前記潤滑剤供給部材を当該ベルト部材の内周面に接触させる制御を更に行なうことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記定着部材と前記定着加圧部材とが、接触状態と離間状態とを可変可能な移動機構を更に有し、
    前記制御部は、少なくとも前記記録材が通過するときに前記定着部材と前記定着加圧部材とを接触状態にする制御を更に行なうことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像形成装置。
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