JP2009122459A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧ベルトを介して押圧部材を定着ローラに押圧させて定着ニップを確保する定着装置において、潤滑液を塗布する塗布部材と、古くなった潤滑液を清掃する清掃部材を備え、加圧ベルトに掛かる負荷を低減して画像スリップの発生を防止すること。
【解決手段】塗布部材1592、清掃部材1590を保持部材1593の周面に周方向に並ぶように取り付ける。通常のプリント時には、塗布部材1592のみがベルト内周面510に当接している。清掃が必要な時期になると、保持部材1593を周方向(矢印E方向)に回転させる。これにより、清掃部材1590のみがベルト内周面510に当接した状態に切替えられる。ベルト内周面510には、塗布部材1592と清掃部材1590の一方のみが当接した状態になり、両者が常に同時に当接される構成に比べて加圧ベルトに掛かる負荷を低減できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、周回運動可能なベルトの周回路内側に配された押圧部材を、当該ベルトを介してローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
複写機等の画像形成装置に備えられる定着装置には、周回運動可能な加圧ベルトの周回路内側に配された押圧部材を、加圧ベルトを介して定着ローラに押圧することにより定着ニップを確保し、その定着ニップに記録シートを通過させて記録シート上に形成されたトナー像等の未定着画像を定着する、いわゆるベルトニップ方式のものがある。
かかるベルトニップ方式の定着装置では、加圧ベルトと押圧部材間の摩擦抵抗が大きくなった状態で、未定着画像の形成された記録シートが定着ニップを通過すると、駆動側の定着ローラと従動側の加圧ベルトとの周速差によりシート上の未定着画像がスリップする、いわゆる画像スリップを発生することがある。そこで、加圧ベルトと押圧部材間に生じる摩擦抵抗を低減するために、両者の圧接部に潤滑液を供給することが行われている。
特許文献1には、加圧ベルトの周回路内側に、加圧ベルトの内周面(以下、「ベルト内周面」という。)に潤滑液を塗布する塗布部材と、ベルト内周面に塗布された潤滑液のうち、加圧ベルトと押圧部材の圧接部を通過した後の潤滑液を吸収して回収する清掃部材とを配置した構成が開示されている。
この構成によれば、塗布部材からの新たな潤滑液を加圧ベルトと押圧部材の圧接部に供給でき、劣化した潤滑液については清掃部材で回収できるので、劣化した潤滑液がベルト内周面に滞留し続けて加圧ベルトと押圧部材の摺動性が低減し、両者間の摩擦抵抗が上がって行くといったことの防止を図れる。
特開2002−323819号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、加圧ベルトは、押圧部材だけでなく塗布部材と清掃部材によっても常時、定着ローラに押圧されるので、その押圧によって生じる加圧ベルトと塗布部材間、加圧ベルトと清掃部材間の双方の摩擦抵抗が加圧ベルトへの負荷として作用してしまうという問題がある。特に、ベルト内周面に付着している劣化した潤滑液をきれいに清掃しようとすると、清掃部材をより強い力でベルト内周面に押圧する必要が生じ、加圧ベルトへの負荷が増大することになる。
加圧ベルトに掛かる負荷が増大するということは、それだけ加圧ベルトの周回運動が抑制されることになるので、加圧ベルトと押圧部材間の摩擦抵抗が大きくなった場合と同様に画像スリップが発生し易くなってしまう。
これに対し、清掃部材を定着装置から取り除けば、その分、加圧ベルトに掛かる負荷を低減できるが、劣化した古い潤滑液が長期間に亘ってベルト内周面に残ったままになり、結果的に画像スリップの発生に至り易くなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、潤滑液を塗布する塗布部材と古い潤滑液を清掃する清掃部材を有しつつ画像スリップの発生を防止できる定着装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、周回運動可能なベルトの周回路の内側に配された押圧部材を、前記ベルトを介してローラに押圧することにより定着ニップを確保し、未定着画像の形成された記録シートを前記定着ニップに通して、当該記録シートに未定着画像の熱定着を行う定着装置であって、前記周回路の内側で可動な可動部材と、前記可動部材に取り付けられ、前記ベルトと前記押圧部材との間の摺動性を保つためにベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材と、前記可動部材に取り付けられ、ベルト内周面の潤滑液を回収してベルト内周面を清掃する清掃部材と、を備え、前記塗布部材がベルト内周面に当接すると共に前記清掃部材がベルト内周面に対して離間した状態から、前記可動部材が動くと、前記塗布部材がベルト内周面から離間すると共に前記清掃部材がベルト内周面に当接した状態になることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る定着装置を備えている。
本発明に係る定着装置および画像形成装置によれば、可動部材を備えることにより塗布部材と清掃部材のいずれか一方だけをベルト内周面に当接させることができるので、塗布部材と清掃部材双方が常時当接する構成に比べて、ベルトに掛かる負荷を低減できる。そして、塗布部材をベルト内周面に当接させることにより潤滑液をベルト内周面に塗布でき、清掃部材をベルト内周面に当接させることにより劣化した潤滑液を回収できるので、押圧部材とベルト間の摩擦力の低減を図れ、もって摩擦力の増大に起因する画像スリップの防止を図ることができる。さらに、可動部材を動かすことにより清掃部材による清掃を行えるので、定着装置を分解等してベルトを取り外してからベルト内周面を清掃するといった手間が不要になる。
また、本発明に係る定着装置では、前記塗布部材と同じ塗布機能を有する別の塗布部材を備え、前記可動部材は、前記ローラの回転軸方向に沿って延伸された長尺状の部材であり、当該回転軸方向に平行な軸を中心に回転自在に保持されており、前記塗布部材、前記清掃部材および前記別の塗布部材は、この順に前記可動部材の外周面に回転方向に並べられた状態で取り付けられ、前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材と前記別の塗布部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が前記回転方向に第1の所定角度だけ回転すると、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記別の塗布部材が離間する第2状態に切替わり、第2状態において前記可動部材が同方向に第2の所定角度だけ回転すると、前記別の塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材と前記塗布部材が離間する第3状態に切替わることを特徴とする。
このような構成を備えることにより、塗布部材と清掃部材のいずれか一方だけをベルト内周面に当接させることが、可動部材を回転させることによって、容易に行える。さらに、別の塗布部材を可動部材に取り付けることによって、劣化した潤滑液を清掃部材で回収した後に、定着装置を分解することなく、可動部材を回転させるといった簡易な操作で、当該別の塗布部材から新たな潤滑液をベルト内周面に塗布することができる。
また、本発明に係る定着装置では、前記塗布部材と同じ塗布機能を有する別の塗布部材を備え、前記可動部材は、基部と、当該基部からベルト内周面に向かって放射状に伸びる第1、第2、第3の腕部を有し、当該各腕部の延伸方向に進退自在に保持されており、前記塗布部材が第1の腕部の延伸端に、前記清掃部材が第2の腕部の延伸端に、前記別の塗布部材が第3の腕部の延伸端にそれぞれ取り付けられ、前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記別の塗布部材と前記清掃部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が第1の腕部の後退方向に動いた後、第2の腕部の前進方向に動くと、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記別の塗布部材が離間する第2状態に切替わり、第2状態において前記可動部材が第2の腕部の後退方向に動いた後、第3の腕部の前進方向に動くと、前記別の塗布部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記清掃部材が離間する第3状態に切替わることを特徴とする。
このような構成を備えることにより、塗布部材と清掃部材のいずれか一方だけをベルト内周面に当接させることが、可動部材を腕部の延伸方向に進退させることによって、容易に行える。さらに、別の塗布部材を可動部材に取り付けることによって、劣化した潤滑液を清掃部材で回収した後に、定着装置を分解することなく、可動部材を腕部の延伸方向に進退させるといった簡易な操作で、当該別の塗布部材から新たな潤滑液をベルト内周面に塗布することができる。
また、本発明に係る定着装置では、前記可動部材は、ローラ軸方向に垂直な方向に往復移動自在に保持されており、前記塗布部材は、前記可動部材における前記往方向側の端部に取り付けられ、前記清掃部材は、前記可動部材における前記復方向側の端部に取り付けられ、前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が復方向に移動すると、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材が離間する第2状態に切替わり、前記第2状態において前記可動部材が往方向に移動すると、前記第1状態に戻ることを特徴とする。
このような構成を備えることにより、塗布部材と清掃部材のいずれか一方だけをベルト内周面に当接させることが、可動部材をローラ軸方向に垂直な方向に往復移動させることによって、容易に行える。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す概略断面図である。
図1に示すように、プリンタ1は、画像プロセス部3、給送部4、定着部5、制御部6および表示部8を備えており、LAN等のネットワークに接続されて、外部の端末装置(図示せず)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部3は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部3Y、3M、3C、3K、光学部10、中間転写ベルト11、ホッパ20Y、20M、20C、20Kなどを備えている。
作像部3Yは、感光体ドラム31、その周囲に配設された帯電器32、現像器33、一次転写ローラ34、感光体ドラム31を清掃するためのクリーナ35などを備えており、感光体ドラム31上にY色のトナー像を作像する。他の作像部3M〜3Kについても、作像部3Yと同様の構成になっており、同図では、符号を省略している。
ホッパ20Y〜20Kは、Y〜K色の補充用のトナーを収容し、必要に応じて作像部3Y〜3Kの現像器33にトナーを供給する。
光学部10は、レーザダイオードなどの各色用の発光素子とポリゴンミラーなどを備え、作像部3Y〜3Kの感光体ドラム31を露光走査するためのレーザ光Lを出射する。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13とに張架されて矢印A方向に循環駆動される。
給送部4は、記録シートとしての用紙Sを収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙Sを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された用紙Sを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44と、二次転写ローラ45などを備えている。
表示部8は、プリンタ1上部の見やすい位置に配され、プリントジョブの実行指示の内容を表示し、あるいは各種の警告を表示する。
定着部5の近傍には、定着部5を通過する用紙Sの枚数を計測するための枚数検出センサ92と、定着部5の駆動時間を計る駆動時間計測タイマー93(図4)とが配されている。
制御部6は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、光学部10の発光素子を駆動させるための駆動信号を生成する。
光学部10は、制御部6からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y〜3Kの感光体ドラム31を露光走査する。この露光走査によって、作像部3Y〜3K毎に、帯電器32により一様に帯電された感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。各静電潜像は現像器33によりトナーで顕像化され、各感光体ドラム31上にY〜K色のトナー像が形成される。
各色のトナー像は、一次転写ローラ34による静電力の作用を受けて中間転写ベルト11上に順次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト11上に重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト11の回転により二次転写位置46に移動する。
一方、中間転写ベルト11の移動タイミングに合わせて、給送部4からはタイミングローラ対44を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、回転する中間転写ベルト11と二次転写ローラ45との間に挟まれて搬送され、二次転写ローラ45による静電力の作用を受けて中間転写ベルト11上のトナー像が用紙S上に二次転写される。
二次転写位置46を通過した用紙Sは定着部5に搬送され、用紙S上のトナー像が定着部5において加熱、加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
<定着部5の構成>
図2は、定着部5の概略分解斜視図であり、説明の便宜のため、定着ローラを二点鎖線で示すと共に加圧ベルトの一部を切り欠いて示している。また、装置前側と後側では基本的に同様の構成なので、前側についてのみ示し、後側を省略している。
図2に示すように、定着部5は、加圧ベルト51、定着ローラ52、潤滑液供給・清掃部159などを備えるベルトニップ方式の定着装置である。
定着ローラ52は、両端部が装置本体フレーム(不図示)に回転自在に保持されている。定着ローラ52の一端に不図示のギアが取着され、そのギアが駆動モータ152(図1)の回転軸と接続されており、駆動モータ152からの回転駆動力を受けることにより、定着ローラ52は、例えばB方向に回転駆動される。定着ローラ52の内部にはヒータ58が配されている。定着ローラ52他端側の軸には、定着ローラ52の回転速度を検出するための検出手段、例えば公知のロータリーエンコーダ91が接続されている(図4)。
加圧ベルト51は、無端状ベルトであり、両側が蛇行抑制スリーブ153の内側に突設されたボス部(不図示)に周回運動自在に保持されており(装置後側は図示せず)、定着ローラ52に圧接された状態で定着ローラ52の回転駆動力を受けC方向に従動して周回運動する。加圧ベルト51の周回路の内側には、摺動部材54、押圧体55、潤滑液供給・清掃部159、支持部材60などが配されている。
押圧体55は、例えばシリコンゴムなどの弾性材からなるパッド56と、これを保持する保持台57とからなる。保持台57はその背面側が支持部材60に支持されている。
押圧体55は、摩擦抵抗低減用の摺動部材54を介して加圧ベルト51を裏側から押圧し、加圧ベルト51を定着ローラ52に圧接させる。これによって、定着ニップ521が確保される。
押圧体55および支持部材60は、その両端部で蛇行抑制スリーブ153の各々に固定されており、加圧ベルト51の周回運動に影響されず動かない。
摺動部材54は、布状で、例えば、ガラスクロスの基材にPTFEなどの耐熱性樹脂を含浸させ焼成させてなる。これによって、摺動部材54の加圧ベルト51との摺擦面に微細な凹凸が形成され、後述する潤滑液が浸入しやすい。摺動部材54は、図2に示すようにその一辺54aを保持台57と支持部材60との間に挟むことにより保持されている。
潤滑液供給・清掃部159は、支持部材60の保持台57側と反対の側に存在し、塗布部材1592、清掃部材1590、別の塗布部材1591およびこれらを保持する棒状の保持部材1593とからなる。
保持部材1593は、定着ローラ52の軸方向(以下、「ローラ軸方向」という。)に沿って伸びた略円柱状であって、ローラ軸方向両端部分を除く部分に塗布部材1592、別の塗布部材1591、清掃部材1590を周方向に並んだ状態で保持する。
塗布部材1592および別の塗布部材1591は、例えばフェルトからなり、潤滑液としてシリコーンオイルが含浸されていて、ベルト内周面510に当接されるとベルト内周面510に潤滑液を塗布する。清掃部材1590は、例えばフェルトからなり、ベルト内周面510に当接されるとベルト内周面510に塗布された潤滑液を吸収してベルト内周面510を清掃する。これら塗布部材1592、別の塗布部材1591、清掃部材1590は、隣り合う同士の間が仕切り部材1595〜1597(図3)により区切られている。これら仕切り部材により、塗布部材1592および別の塗布部材1591に含浸された潤滑液が他の部材に行き来しないように遮断される。
保持部材1593の両端部1594(装置後側を図示せず)は、蛇行抑制スリーブ153に開けられた孔153aに回転自在に支持され、孔153aから外方へ突出している。端部1594をE方向に回転させることによって、保持部材1593に保持された塗布部材1592、清掃部材1590、別の塗布部材1591を順次、ベルト内周面510に当接させることができる。すなわち、塗布部材1592、別の塗布部材1591、清掃部材1590の3つの部材のうちいずれか1つの部材がベルト内周面510に当接しているときには他の部材が離間するようになっていて、塗布部材1592、別の塗布部材1591と清掃部材1590とを個別にベルト内周面510に当接させることができる。
蛇行抑制スリーブ153には、孔153aをx方向に横切るようにスリット153bが設けられ、保持部材1593の装置前側の端部1594には、3つの切り溝159aが設けられている。第1の切り溝159aをスリット153bの位置に合わせると塗布部材1592がベルト内周面510に当接し、第2の切り溝159aを合わせると清掃部材1590が当接し、第3の切り溝159aを合わせると別の塗布部材1591が当接する位置に順次切替わるように、各切り溝159aの位置が設定されている。
保持部材1593の回転は、いずれかの切り溝159aをスリット153bの位置に合わせた状態で両者にストッパ161を嵌入させることで規制(禁止)されるようになっている。本実施の形態では、当初、塗布部材1592がベルト内周面510に当接する位置に来るように調整される。
塗布部材1592、別の塗布部材1591、清掃部材1590それぞれの素材は、フェルトに限定されず、潤滑液を含浸できる素材、例えば発泡樹脂、スポンジなどの多孔質体や不織布一般を用いるとしても良い。また、潤滑液は、シリコーンオイルに限定されず、定着温度で揮発せずかつ加圧ベルト51に膨潤し難くて加圧ベルト51と摺動部材54との摩擦抵抗を低減できる液体であれば良い。
<当接の切替>
図3は、定着部5をローラ軸方向に垂直な方向に切断したときの概略断面図であって、(a)は塗布部材1592が当接された状態を示し、(b)は清掃部材1590が当接された状態を示している。
図3(a)に示すように、当初、塗布部材1592のみがベルト内周面510に当接されて潤滑液をベルト内周面510に塗布し、別の塗布部材1591、清掃部材1590がベルト内周面510から離間している(第1状態)。
この第1状態において、加圧ベルト51が矢印C方向に周回運動することによって、塗布部材1592からの潤滑液がベルト内周面510を伝って、摺動部材54の、ベルト内周面510との接触している部分に供給され、摺動部材54とベルト内周面510同士の間で発生する摩擦抵抗が低減される。
稼働時間の経過に伴い、ベルト内周面210に塗布された潤滑液は、定着部5のヒータ58による熱の影響を受けて劣化したり、摺動部材54と加圧ベルト51間の摩擦により生じる磨耗粉が混入したりするなどして粘性が上昇して行く。粘性が上昇し、その粘り気が強くなり過ぎると、摺動部材54とベルト内周面510間の摩擦抵抗が増加したようになり、画像スリップが発生し易くなる。
そのため、画像スリップが発生すると見込まれる粘性に達する直前に、制御部6による切替警告処理(後述)において、ユーザに対し加圧ベルト51を清掃すべきであるとの警告が発せられるようになっている。具体的には、ベルト内周面510に当接させる部材を塗布部材1592から清掃部材1590に切替えることを促す旨のメッセージが表示部8に表示される。
上記の警告を受けて、ユーザは、まず、蛇行抑制スリーブ153のスリット153bに嵌ったストッパ161を外し(図2参照)、保持部材1593の端部1594を矢印E方向に120[°]回転させ、スリット153bと切り溝159aにストッパ161を再度嵌めることができる。
これにより、図3(b)に示すように、清掃部材1590がベルト内周面510に当接し、塗布部材1592と別の塗布部材1591がベルト内周面510から離間する状態(第2状態)に切替えられる。
この切替えの完了後に、加圧ベルト51を周回運動させることによりベルト内周面510を清掃することができる。すなわち、加圧ベルト51の周回運動により清掃部材1590とベルト内周面510とが摺擦され、清掃部材1590の潤滑液吸収能力によりベルト内周面510上の潤滑液が吸収されて、ベルト内周面510が清掃される。
加圧ベルト51を周回運動(走行)させる構成としては、例えば定着ローラ52を強制的に回転できるハンドル(不図示)をユーザの操作可能な位置に設け、このハンドルをユーザが手動で回転させることにより、定着ローラ52を介して加圧ベルト51を周回運動(走行)させる構成が考えられる。定着部5に詰まった用紙を取り除く際に、定着ローラ52を回転させるためのハンドルが設けられている場合にはそのハンドルを共用することができる。周回運動の量としては、ベルト数周分、例えば1〜5周分とすることができる。なお、この周回量は、劣化した潤滑液を清掃できる量として予め決められ、例えば定着部5近傍に貼られたラベルに記載され、または後述する切替警告処理において切替えを促すメッセージと共に表示部8に表示されることにより、ユーザが知ることができる。
清掃後、ユーザは、保持部材の端部1594を120[°]さらに矢印E方向に回転させてストッパ161を嵌めることができる。これにより、別の塗布部材1591がベルト内周面510に当接し、塗布部材1592と清掃部材1590がベルト内周面510から離間する状態(第3状態)に再度切替えられる。これ以降は、別の塗布部材1591により新しい潤滑液がベルト内周面510に塗布される。
<制御部6の構成>
図4は、制御部6の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部6は、CPU62、通信インターフェイス(I/F)部63、ROM64、RAM65、閾値記憶部66、用紙枚数記憶部67、駆動時間記憶部68、電流値記憶部69を備える。
I/F部63は、LANカードなどのネットワークに接続するためのインターフェイスである。
RAM65は、CPU62のプログラム実行中のワークエリアとして用いられる。
CPU62は、ROM64から必要なプログラムを読み出して、画像プロセス部3、給送部4、定着部5等の動作を、タイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。CPU62は、駆動モータ152に供給する駆動電流の値をモニターすると共に、ロータリーエンコーダ91からの信号を受信して、受信信号に基づいて定着ローラ52の回転速度を検出する。そして、これらモニター結果、および検出結果に基づいて定着ローラ52の回転速度が所定速度で維持されるように供給電流を変化させるフィードバック制御を行う。また、モニターした電流値のデータを所定間隔毎に電流値記憶部69に上書き保存させる。さらに、切替警告処理を実行する。
用紙枚数記憶部67には、定着部5を通過した用紙Sの累積(積算)用紙枚数を示すデータが記憶されており、駆動時間記憶部68には、駆動モータ152の累積(積算)駆動時間を示すデータが記憶されている。これらデータは、CPU62により更新される。
具体的には、CPU62は、定着部5近辺に配置された枚数検出センサ92からの信号を受信して、1枚の用紙Sが定着部5を通過したことが検出される毎に、その時点で用紙枚数記憶部67に記憶されている累積用紙枚数の値に「1」を加算し、その加算後の値を新たな値として上書き保存する。
また、駆動モータ152が駆動される毎にその回転開始から停止するまでの回転時間を計測して出力する駆動時間計測タイマー93からの計測結果を示す信号を受信すると、その時点で駆動時間記憶部68に記憶されている累積駆動時間に、計測された回転時間を加算して、その加算後の値を上書き保存する。
閾値記憶部66は、切替警告処理において用いられる閾値データを記憶する。閾値としては、例えば潤滑液の粘性が仕様範囲の上限に達したときに駆動モータ152に供給されるであろう電流値を示す値M0を示すデータが記憶されている。切替警告処理では、供給電流値が値M0を超えると、切替警告を行うと判断する。このように電流値を警告出力の判断条件に用いるのは、次の理由による。すなわち、潤滑液の粘性が上昇すると加圧ベルト51の駆動負荷が大きくなり、駆動モータ152へのフィードバック制御による供給電流が増加する、換言すると駆動モータ152への供給電流が増加するとそれだけ潤滑液の粘性が上昇しているといえる。そこで、潤滑液の粘性が仕様範囲の上限に達するときに流れるであろう電流値M0を閾値として予め決めておき、実際の供給電流値が当該閾値に達すると警告を行うことで、ユーザにより、ベルト内周面510への当接が塗布部材1592から清掃部材1590へ切替えられ、粘性の上昇した古い(劣化した)潤滑液をベルト内周面510から吸収できるからである。
また、上記電流値だけでなく、潤滑液の粘性が仕様範囲の上限に達すると想定されるときの累積用紙枚数P0、累積駆動時間T0を示すデータも閾値として記憶されている。電流値と同様に、累積用紙枚数が多くなり、また累積駆動時間が長くなると、それだけ定着部5の総稼動時間が長くなって潤滑液の粘性も上昇するという関係に基づくものである。各閾値は、予め実験等によって求められて閾値記憶部66に記憶される。
図5は、切替警告処理の内容を示す制御フローである。当該処理は、図外のメインルーチンに対するサブルーチンであり、ジョブ実行中に一定間隔をおいてメインルーチンにコールされることにより開始され、処理を終了するとメインルーチンへリターンする。
同図に示すように、電流値記憶部69に記憶されている電流値Mのデータを読み出す(ステップS1)。そして、閾値記憶部66に記憶されている閾値M0のデータを読み出して、読み出した電流値Mが閾値M0以上であるか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、電流値Mが閾値M0以上であることを判断すると(ステップS2で「YES」)、表示部8に警告を指示して(ステップS7)、メインルーチンにリターンする。
表示部8は、当該指示を受けると、塗布部材1592から清掃部材1590へ当接を切替える旨のメッセージを表示させる。ユーザは、当該メッセージを見て、切替え時期が来たことを知ることができる。
一方、電流値Mが閾値M0よりも小さいことを判断すると(ステップS2で「NO」)、用紙枚数記憶部67に記憶されている累積用紙枚数Pのデータを読み出す(ステップS3)。そして、閾値記憶部66に記憶されている閾値P0のデータを読み出して、累積用紙枚数Pの値が閾値P0以上であるか否かを判断する(ステップS4)。
累積用紙枚数Pが閾値P0以上であることを判断すると(ステップS4で「YES」)、警告指示を実行する(ステップS7)。一方、累積用紙枚数Pが閾値P0よりも小さいことを判断すると(ステップS4で「NO」)、ステップS5に移る。
ステップS5では、駆動時間記憶部68に記憶されている累積駆動時間Tのデータを読み出す。そして、ステップS6では、閾値記憶部66に記憶されている閾値T0のデータを読み出して、累積駆動時間Tの値が閾値T0以上であるか否かを判断する。
累積駆動時間Tが閾値T0以上であることを判断すると(ステップS6で「YES」)、警告指示を実行する(ステップS7)。一方、累積駆動時間Tが閾値T0よりも小さいことを判断すると(ステップS7で「NO」)、メインルーチンにリターンする。
このように回転自在に保持された保持部材1593(可動部材)を備えることにより、塗布部材1592と清掃部材1590のいずれかをベルト内周面510に当接させることができるので、塗布部材と清掃部材双方が常時当接する構成に比べて、加圧ベルト51に掛かる負荷を低減できる。塗布部材1592をベルト内周面510に当接させることにより、潤滑液をベルト内周面510に塗布でき、保持部材1593を回転させて清掃部材1590をベルト内周面510に当接させることにより、劣化した潤滑液を回収できるので、摺動部材54と押圧体55からなる押圧部材と、加圧ベルト51との間に生じる摩擦力の低減を図れ、もって摩擦力の増大に起因する画像スリップの防止を図ることができる。
さらに、保持部材1593を回転させるだけで清掃を行えるので、定着部5を分解等して加圧ベルト51を取り外してからベルト内周面510を清掃するといった手間が不要になる。
上記では、警告指示を行うか否かの判断条件として、駆動モータ152の電流値、累積用紙枚数、累積駆動時間の3つを用いたが、ベルト内周面510と摺動部材54両者の摩擦抵抗の大きさを指標するものであれば、これらに限られることはない。例えば、加圧ベルト51あるいは定着ローラ52の走行距離を用いることができる。また、上記では、3つの判断条件を組み合わせるとしたが、各条件のうちの1つ、または複数を組み合わせて用いるとしても良い。
〔第2の実施の形態〕
本実施の形態では、主に潤滑液供給・清掃部の構成および動きが第1の実施の形態と異なる。以下、説明の重複を避けるため、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)は、本実施の形態に係る定着部5の概略分解斜視図であり、同図(b)〜(d)は、本実施の形態に係る定着部の概略断面図であって、(b)は、塗布部材がベルト内周面に当接された第1状態を示し、(c)は、清掃部材がベルト内周面に当接された第2状態を示し、(d)は、別の塗布部材がベルト内周面に当接された第3状態を示す。
図6に示すように、本実施の形態では、潤滑液供給・清掃部259が塗布部材2591、清掃部材2590、別の塗布部材2592、およびこれらを保持する保持部材2593とからなる。
保持部材2593は、ローラ軸方向に沿って延伸された長尺状であって、基部2595と、基部2595からベルト内周面510に向かって放射状に伸びる第1の腕部2593a、第2の腕部2593b、第3の腕部2593cを有している。
第1の腕部2593aの延伸端に塗布部材2591が、第2の腕部1593bの延伸端に清掃部材2590が、第3の腕部2593cの延伸端に別の塗布部材2592がそれぞれ取り付けられている。
保持部材2593の両端(装置後側を図示せず)には凸部2594が設けられ、凸部2594(装置後側を図示せず)は、蛇行抑制スリーブ253に開けられた孔253aに保持され、孔253aから外方へ突出している。孔253aは、腕部2593a〜2593cの延伸方向に沿って放射状に切り欠かれたように開いている。保持部材2593は、その腕部2593a〜2593cの延伸方向に進退自在に移動できるように蛇行抑制スリーブ253に保持される構成になっている。
これにより、図6(b)〜図6(c)に示すように、塗布部材2591がベルト内周面510に当接し、清掃部材2590と別の塗布部材2592がベルト内周面510から離間している第1状態から、保持部材2593を孔253aに沿って、腕部2593aの後退方向(ここでは、腕部2593bの前進方向と同方向:矢印F1方向)に移動させることにより、清掃部材2590がベルト内周面510に当接し、塗布部材2591と別の塗布部材2592がベルト内周面510から離間する第2状態に切替えることができる。
さらに図6(c)〜図6(d)に示すように、第2状態から、保持部材2593を孔253aに沿って、腕部2593bの後退方向(矢印F1の反対方向)に移動させた後、腕部2593cの前進方向(矢印F2方向)に移動させることにより、別の塗布部材2592がベルト内周面510に当接し、塗布部材2591と清掃部材2590がベルト内周面510から離間する第3状態に切替えることができる。
孔253aには、第1〜第3状態毎にその状態を維持する(保持部材2593が不測に移動することを防止する)ために、2つのストッパ261、262が嵌入される。すなわち、ユーザが既述の切替警告処理による警告を受けると、まずストッパ261を外し、凸部2594を操作して保持部材2593を矢印F1方向に移動させた後、孔253aの隙間にストッパ261を差し込む(第1から第2状態への切替え)。これにより保持部材2593の移動が規制される。そして、上記同様の手順で清掃を行う。
清掃後にストッパ261、262を外し、凸部2594を操作して保持部材2593を矢印F2方向に移動させ、新たに空いた隙間にストッパ261、262を差し込む(第2から第3状態への切替え)。これにより保持部材2593の移動が規制されることになる。
このように保持部材2593(可動部材)をスライド自在に保持する構成をとることでも、第1の実施の形態と同様に、古い潤滑液を回収して画像スリップの発生を防止することができる。
〔第3の実施の形態〕
本実施の形態では、別の塗布部材が取り付けられていない点が第1、第2の実施の形態と主に異なっている。
図7は、本実施の形態に係る定着部5の概略断面図である。
同図に示すように、潤滑液供給・清掃部59は、塗布部材591、清掃部材592およびこれらを保持する保持部材593とからなる。
保持部材593は、ローラ軸方向に沿って延伸された長尺状の板体である。
保持部材593の短手方向一方端には、塗布部材591が取り付けられ、その他方端には、清掃部材592が取り付けられている。
第2の実施の形態と同様、保持部材593の長手方向両端には、凸部(不図示)が設けられ、当該凸部が蛇行抑制スリーブ(不図示)に開けられた長孔(不図示)に保持され、長孔から外方へ突出している。保持部材593(可動部材)は、その長孔に沿って、ローラ軸方向に垂直な方向、すなわち矢印D1で示す往方向と矢印D2で示す復方向にスライド自在に移動できるように蛇行抑制スリーブに保持される構成になっている。
これにより、当初、塗布部材591がベルト内周面510に当接し、清掃部材592がベルト内周面510から離間している第1状態から、保持部材593を往方向(矢印D1方向)に移動させることにより、清掃部材592がベルト内周面510に当接し、塗布部材591がベルト内周面510から離間する第2状態に切替えることができる。
清掃後、第2状態から復方向(矢印D2方向)に保持部材593を移動させることにより、塗布部材591がベルト内周面510に当接し、清掃部材592がベルト内周面510から離間する第1状態に戻することができる。なお、本実施の形態においても保持部材593の移動を規制するためのストッパ(不図示)が上記長孔に嵌入される。
このように、保持部材593を往復させる構成をとることにより、塗布部材591、清掃部材592のいずれかをベルト内周面510に当接させることができ、古い潤滑液を回収して画像スリップの発生を防止することができる。
なお、本実施の形態では、別の塗布部材を備えていないため、清掃後、塗布部材591による塗布が再開されることになる。この場合、塗布部材591には古い潤滑液も混じっているため、上記第1、第2の実施の形態のように新たな潤滑液だけが塗布される構成に比べると、清掃以降にベルト内周面510に塗布される潤滑液の粘性がある程度高くなることは否めないが、少なくとも清掃によって、それまでの間にベルト内周面510全面に亘って付着していた古い潤滑液と磨耗粉(摺動部材54と加圧ベルト51間の摩擦により生じるもの)を回収することができる。
従って、塗布部材591にある程度古い潤滑液が混じっていても、清掃後にはベルト内周面510に磨耗粉等が存在しない状態で潤滑液の塗布を行えるので、仮に清掃せずに磨耗粉等が存在する状態で潤滑液を塗布し続けた場合に、塗布された潤滑液に磨耗粉等が混入して粘性が上昇するような状態になったり、磨耗粉等が加圧ベルト51の周回動作により再び加圧ベルト51と摺動部材54間に戻り、両者間の摩擦抵抗がさらに上昇してしまったりといったことを抑制できる。
これにより清掃部材を備えない構成に比べて、ベルト内周面510に磨耗粉等が長期に亘って残存することがなくなって潤滑液の粘性の上昇を低減でき、もって画像スリップの防止を図ることが可能になる。また、塗布部材591と清掃部材592を一つずつ備えるだけなので、上記実施の形態と比べて構成を簡素化できる。
なお、保持部材593を板状としたが、往復移動自在に保持され、塗布部材591と清掃部材592の一方をベルト内周面510に当接できるものであれば、形状が板状に限られないことはいうまでもない。
<変形例>
(1)上記第1の実施の形態では、塗布部材1592、別の塗布部材1591の2つの塗布部材と、1つの清掃部材1590とが棒状の保持部材1593の周方向に並んだ状態で保持されていたが、部材の数はこれに限定されない。塗布部材と清掃部材とがそれぞれ複数個、例えば、3つの塗布部材と2つの清掃部材とが周方向に互い違いに並んでいてもよい。
(2)上記各実施の形態では、ベルト内周面510の清掃中に加圧ベルト51と定着ローラ52の圧接を緩めることについて特に言及していないが、例えば両者の圧低減機構を備える構成において、通常のプリント時における所定の定着圧よりも清掃前に圧を下げるようにすれば、加圧ベルト51を周回させ易くなり、ユーザにとって便宜である。
(3)上記第1の実施の形態では、ベルト内周面510を清掃する際、ユーザが手動でハンドルを操作して加圧ベルト51を周回運動させる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、操作パネル(不図示)に清掃実行ボタンを設けておき、警告を受けたユーザが当該ボタンを押下すると、これを契機に制御部6が定着ローラ52を所定時間回転させることにより清掃を実行する構成をとることが考えられる。ユーザにとってボタン押下の操作だけで済む。上記所定時間は、清掃開始から潤滑液をほぼ完全に回収できるであろう時間として実験などから予め求められ、そのデータが制御部6に格納される。このことは、他の実施の形態について同様である。
(4)上記各実施の形態では、本発明の定着装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、定着ローラと加圧ベルトを圧接して両者間に定着ニップを確保する定着装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等の定着装置に適用できる。また、シートが鉛直上向きに定着ニップを通過する構成に限られず、例えば水平に通過する構成の定着装置に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、定着装置に限られず、ベルト内周面に対する、塗布部材と清掃部材の当接を切替える方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
本発明は、ベルトニップ方式の定着装置に広く適用することができる。
第1の実施の形態に係るプリンタの構成を示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係る定着部の概略分解斜視図である。 第1の実施の形態にかかる定着部の概略断面図である。 第1の実施の形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る切替警告処理の内容を示す制御フローである。 (a)は、第2の実施の形態に係る定着部の概略分解斜視図であり、同図(b)〜(d)は、第2の実施の形態に係る定着部の概略断面図である。 第3の実施の形態に係る定着部の概略断面図である。
符号の説明
1・・・プリンタ
3・・・画像プロセス部
5・・・定着部
6・・・制御部
51・・・加圧ベルト
52・・・定着ローラ
54・・・摺動部材
55・・・押圧体
59、159、259・・・潤滑液供給・清掃部
60・・・支持部材
510・・・ベルト内周面
521・・・定着ニップ
591、1591、1592、2591、2592・・・塗布部材
592、1590、2590・・・清掃部材
593、1593、2593・・・保持部材
2593a、2593b、2593c・・・腕部
2595・・・基部

Claims (5)

  1. 周回運動可能なベルトの周回路の内側に配された押圧部材を、前記ベルトを介してローラに押圧することにより定着ニップを確保し、未定着画像の形成された記録シートを前記定着ニップに通して、当該記録シートに未定着画像の熱定着を行う定着装置であって、
    前記周回路の内側で可動な可動部材と、
    前記可動部材に取り付けられ、前記ベルトと前記押圧部材との間の摺動性を保つためにベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材と、
    前記可動部材に取り付けられ、ベルト内周面の潤滑液を回収してベルト内周面を清掃する清掃部材と、を備え、
    前記塗布部材がベルト内周面に当接すると共に前記清掃部材がベルト内周面に対して離間した状態から、前記可動部材が動くと、前記塗布部材がベルト内周面から離間すると共に前記清掃部材がベルト内周面に当接した状態になることを特徴とする定着装置。
  2. 前記塗布部材と同じ塗布機能を有する別の塗布部材を備え、
    前記可動部材は、
    前記ローラの回転軸方向に沿って延伸された長尺状の部材であり、当該回転軸方向に平行な軸を中心に回転自在に保持されており、
    前記塗布部材、前記清掃部材および前記別の塗布部材は、この順に前記可動部材の外周面に回転方向に並べられた状態で取り付けられ、
    前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材と前記別の塗布部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が前記回転方向に第1の所定角度だけ回転すると、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記別の塗布部材が離間する第2状態に切替わり、第2状態において前記可動部材が同方向に第2の所定角度だけ回転すると、前記別の塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材と前記塗布部材が離間する第3状態に切替わることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記塗布部材と同じ塗布機能を有する別の塗布部材を備え、
    前記可動部材は、
    基部と、当該基部からベルト内周面に向かって放射状に伸びる第1、第2、第3の腕部を有し、当該各腕部の延伸方向に進退自在に保持されており、
    前記塗布部材が第1の腕部の延伸端に、前記清掃部材が第2の腕部の延伸端に、前記別の塗布部材が第3の腕部の延伸端にそれぞれ取り付けられ、
    前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記別の塗布部材と前記清掃部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が第1の腕部の後退方向に動いた後、第2の腕部の前進方向に動くと、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記別の塗布部材が離間する第2状態に切替わり、第2状態において前記可動部材が第2の腕部の後退方向に動いた後、第3の腕部の前進方向に動くと、前記別の塗布部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材と前記清掃部材が離間する第3状態に切替わることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記可動部材は、
    ローラ軸方向に垂直な方向に往復移動自在に保持されており、
    前記塗布部材は、前記可動部材における前記往方向側の端部に取り付けられ、
    前記清掃部材は、前記可動部材における前記復方向側の端部に取り付けられ、
    前記塗布部材がベルト内周面に当接し、前記清掃部材がベルト内周面に対して離間している第1状態から、前記可動部材が復方向に移動すると、前記清掃部材がベルト内周面に当接し、前記塗布部材が離間する第2状態に切替わり、前記第2状態において前記可動部材が往方向に移動すると、前記第1状態に戻ることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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