JP2009098352A - 交換用塗布部材および塗布部材交換方法 - Google Patents

交換用塗布部材および塗布部材交換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加圧ベルトを介して押圧部材を定着ローラに押圧させて定着ニップを確保する定着装置において、加圧ベルトと押圧部材とが互いに摺擦する各摺擦面に潤滑液を塗布する塗布部材の交換間隔を延ばすこと。
【解決手段】加圧ベルト51の周回路の内側に配された塗布部材59によりベルト内周面510に潤滑液が塗布される。ユーザは、切欠部53aから突き出た保持板593の縁部593cを摘んでD方向外向きに引っ張り、塗布部材59を定着部5から取り外す。取り外した後、逆の手順で、塗布部材59に含浸されていた潤滑液よりも粘度の低い潤滑液が含浸された交換用塗布部材を切欠部53aから挿入して定着部5に取り付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベルトの周回路内側に配された押圧部材を、ベルトを介してローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置に用いられる交換用塗布部材および塗布部材交換方法に関する。
複写機等の画像形成装置に備えられる定着装置には、周回運動可能な加圧ベルトを介し、回転しない押圧部材を定着ローラに押圧させて定着ニップを確保し、その定着ニップに記録シートを通過させて記録シート上のトナー像等の未定着画像を定着する、いわゆるベルトニップ方式のものがある。
かかるベルトニップ方式の定着装置では、加圧ベルトと押圧部材とが互いに摺擦する摺擦面で発生する摩擦抵抗によって、加圧ベルトと押圧部材との間で摺動性が悪化し、加圧ベルトの周回運動にブレーキが加わる。かかる場合に未定着画像の形成された記録シートが定着ニップを通過したとき、定着ローラと加圧ベルトとの周速の違いにより、記録シート上の未定着画像がスリップする、いわゆる画像スリップを発生することがある。そこで、加圧ベルトと押圧部材との摩擦抵抗を低減し、加圧ベルトと押圧部材との間の摺動性を保つため、潤滑液を含浸させたフェルトなどの塗布部材を加圧ベルトの内周面に当接させて、ベルト内周面を伝わせて摺擦面である加圧ベルト裏面に潤滑液を塗布する構成が開示されている(特許文献1)。
このような潤滑液を塗布していても、稼働時間の経過に伴い、加圧ベルトの摺擦面から発生する磨耗粉が潤滑液に徐々に混入するなどして、潤滑液の粘度が増大し、摩擦抵抗が上昇したようになって、上記摺動性が悪化し、上記画像スリップを発生する場合がある。そこで従来は、例えば定期的に塗布部材を新たなものに交換することが行われている。
特開2005−300732号公報
しかしながら、塗布部材を新たなものに交換しても、ベルト内周面には粘度の上昇した潤滑液と磨耗粉とが残存しているので、これらが混じり合うことにより交換直後から粘度がある程度上がったような状態になってしまい、次の交換までの間隔を短くせざるを得ないという問題が生じる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、塗布部材の交換間隔をより延ばすことのできる交換用塗布部材および塗布部材交換方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る交換用塗布部材は、周回運動可能なベルトのベルト周回路の内側に配された押圧部材を、当該ベルトを介して回転可能なローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置の当該ベルト周回路の内側に、ベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材として装置出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材と交換される交換用塗布部材であって、ベルト内周面に塗布するための潤滑液として前記初期用の塗布部材よりも粘度の低い潤滑液を保持することを特徴とする。
本発明に係る塗布部材交換方法は、周回運動可能なベルトのベルト周回路の内側に配された押圧部材を、当該ベルトを介して回転可能なローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置の当該ベルト周回路の内側に、ベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材として装置出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材を取り外す第1ステップと、前記初期用の塗布部材よりも粘度の低い潤滑液を塗布する交換用塗布部材を前記初期用の塗布部材が配されていた位置に取り付ける第2ステップと、を含むステップを実行することを特徴とする。
本発明に係る交換用塗布部材および塗布部材交換方法によれば、交換後には、初期用の塗布部材が塗布していた潤滑液よりも低い粘度の潤滑液をベルト内周面に継ぎ足して、ベルト内周面に塗布された潤滑液の粘度を磨耗粉蓄積前の状態に戻すことが可能になり、従来のように交換用も初期用と同じ粘度の潤滑液を塗布する場合に比べて、次の交換までの間隔を延ばすことができる。
また、本発明に係る交換用塗布部材では、前記定着装置の、前記ベルト周回路の内側の位置には、前記初期用の塗布部材をローラ軸方向にスライド自在に案内するガイドが設けられており、前記交換用塗布部材は、前記潤滑液を含浸すると共にベルト内周面に接触して潤滑液を塗布する塗布部と、当該塗布部を保持する保持部と、を備え、前記保持部は、前記ガイドと係合して、前記ベルト周回路の内側において前記ローラ軸方向にスライド自在に案内される係合部を有することを特徴とする。
このような構成を備えることにより、交換用塗布部材をスライドさせてベルト内に押し込めば、定着装置を分解せずに交換用塗布部材を取り付けることができ、定着装置を分解しないと交換用塗布部材を取り付けられない場合と比べて、取り付け作業を容易にすることができる。
また、本発明に係る塗布部材交換方法では、前記定着装置の、前記ベルト周回路の内側の位置には、前記初期用の塗布部材をローラ軸方向にスライド自在に案内するガイドが設けられており、前記第1ステップでは、前記初期用の塗布部材の取り外しを、前記ベルト周回路の内側から前記初期用の塗布部材をローラ軸方向に引き抜くことにより行い、前記第2ステップでは、前記交換用塗布部材の取り付けを、当該交換用塗布部材に設けられた係合部を前記ガイドと係合させて、当該交換用塗布部材を前記ローラ軸方向に前記ベルト周回路の内側に押し込むことにより行うことを特徴とする。
このようなステップを実行することにより、交換用塗布部材をスライドさせてベルト内に押し込むことにより定着装置を分解せずに交換用塗布部材を取り付けることができ、定着装置を分解しないと交換用塗布部材を取り付けられない場合と比べて、取り付け作業を容易にすることができる。
また、前記第1ステップは、前記定着装置に設けられた、塗布部材の交換を促す警告を出力する警告手段からの当該警告の出力を契機に開始されることを特徴とする。
このようなステップを実行することにより、ユーザに塗布部材の交換時期を知らせることができるので、ユーザは適切な交換時期を逃すことなく塗布部材の交換を行うことができる。
また、前記警告手段は、前記ベルトと前記押圧部材間の摩擦抵抗の大きさを指標する指標値を検出し、検出された指標値が閾値を越えていると判断すると、前記警告を出力することを特徴とする。
このようにすれば、当該指標値を用いて警告出力の要否を判断することができる。
また、前記指標値は、前記ローラを回転駆動させるための駆動手段に供給される電流値、前記定着ニップを通過する記録シートの枚数、または前記ローラの駆動時間であることを特徴とする。
このようにすれば、電流値や積算枚数などを用いて警告の出力の要否を判断できるようになる。
図1は、本実施の形態に係るプリンタ1の構成を示す概略断面図である。
図1に示すように、プリンタ1は、画像プロセス部3、給送部4、定着部5、制御部6および表示部8を備えており、LAN等のネットワークに接続されて、外部の端末装置(図示せず)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアン、およびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
画像プロセス部3は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部3Y、3M、3C、3K、光学部10、中間転写ベルト11、ホッパ20Y、20M、20C、20Kなどを備えている。
作像部3Yは、感光体ドラム31、その周囲に配設された帯電器32、現像器33、一次転写ローラ34、感光体ドラム31を清掃するためのクリーナ35などを備えており、感光体ドラム31上にY色のトナー像を作像する。他の作像部3M〜3Kについても、作像部3Yと同様の構成になっており、同図では、符号を省略している。
ホッパ20Y〜20Kは、Y〜K色の補充用のトナーを収容し、必要に応じて作像部3Y〜3Kの現像器33にトナーを供給する。
光学部10は、レーザダイオードなどの各色用の発光素子とポリゴンミラーなどを備え、作像部3Y〜3Kの感光体ドラム31を露光走査するためのレーザ光Lを出射する。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12と従動ローラ13とに張架されて矢印A方向に循環駆動される。
給送部4は、記録シートとしての用紙Sを収容する給紙カセット41と、給紙カセット41内の用紙Sを搬送路43上に1枚ずつ繰り出す繰り出しローラ42と、繰り出された用紙Sを二次転写位置46に送り出すタイミングをとるためのタイミングローラ対44と、二次転写ローラ45などを備えている。
表示部8は、プリンタ1上部の見やすい位置に配され、プリントジョブの実行指示の内容を表示し、あるいは各種の警告を表示する。
定着部5の近傍には、定着部5を通過する用紙Sの枚数を計測するための枚数検出センサ92と定着部5の駆動時間を計る駆動時間計測タイマー93(図5)が配されている。
制御部6は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、光学部10の発光素子を駆動させるための駆動信号を生成する。
光学部10は、制御部6からの駆動信号によりY〜K色の画像形成のためのレーザ光Lを発し、作像部3Y〜3Kの感光体ドラム31を露光走査する。この露光走査によって、作像部3Y〜3K毎に、帯電器32により一様に帯電された感光体ドラム31上に静電潜像が形成される。各静電潜像は現像器33によりトナーで顕像化され、各感光体ドラム31上にY〜K色のトナー像が形成される。
各色のトナー像は、一次転写ローラ34に作用する静電力により中間転写ベルト11上に順次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト11上に重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト11の回転により二次転写位置46に移動する。
一方、中間転写ベルト11の移動タイミングに合わせて、給送部4からはタイミングローラ対44を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは回転する中間転写ベルト11と二次転写ローラ45との間に挟まれて搬送され、二次転写ローラ45に作用する静電力により中間転写ベルト11上のトナー像が一括して用紙S上に二次転写される。
二次転写位置46を通過した用紙Sは定着部5に搬送され、用紙S上のトナー像(未定着画像)が定着部5において加熱、加圧により用紙Sに定着された後、排出ローラ対71を介して排出トレイ72上に排出される。
<定着部5の構成>
図2は、定着部5の概略分解斜視図であり、図3は定着部5の概略断面図である。図2では、説明の便宜のため、定着ローラを二点鎖線で示すと共に加圧ベルトの一部を切り欠いて示している。また、装置前側と後側では基本的に同じ構成になっているので、同図では前側についてのみ示し、装置後側を省略している。
両図に示すように、定着部5は、定着ローラ52、加圧ベルト51、塗布部材59などを備えるベルトニップ方式の定着装置である。
定着ローラ52は、両端部が装置本体フレームに回転自在に保持されている。定着ローラ52の一端には、不図示のギアが取着され、そのギアが駆動モータ152の回転軸と接続されており、駆動モータ152(図1)からの回転駆動力を受けることにより、定着ローラ52は、例えばB方向に回転駆動される。定着ローラ52の内部にはヒータ58が配されている。定着ローラ52他端側の軸には、定着ローラ52の回転速度を検出する検出手段、例えばロータリーエンコーダ91(図5)が接続されている。
加圧ベルト51は、無端状ベルトであり、両側が蛇行抑制スリーブ53の内側に突設されたボス部(不図示)に周回運動自在に保持されており(装置後側は図示せず)、定着ローラ52に圧接された状態で定着ローラ52の回転駆動力を受けC方向に従動して周回運動する。加圧ベルト51の周回路の内側には、摺動部材54、押圧体55、塗布部材59、支持部材60などが配されている。これらは定着ローラ52の軸方向(ローラ軸方向:y方向)に伸びる長尺状であり、加圧ベルト51の幅方向長さと略等しい。
押圧体55は、例えばシリコンゴムなどの弾性材からなるパッド56と、これを保持する保持台57とからなる。保持台57はその背面側が支持部材60に支持されている。
押圧体55は、摩擦抵抗低減用の摺動部材54を介して加圧ベルト51を裏側から押圧し、加圧ベルト51を定着ローラ52に圧接させる。これによって、定着ニップ521が確保される。
支持部材60は、押圧体55側と反対側の主面に、その長手方向に伸びると共に塗布部材59を案内するガイドレール60aを備える。
押圧体55および支持部材60は、その両端部で蛇行抑制スリーブ53の各々に固定されており、加圧ベルト51の周回運動に影響されず動かない。
摺動部材54は、布状で、例えば、ガラスクロスの基材にPTFEなどの耐熱性樹脂を含浸させ焼成させてなる。これによって、摺動部材54の加圧ベルト51との摺擦面に微細な凹凸が形成され、後述する潤滑液が浸入しやすい。摺動部材54は、その一辺54aを保持台57と支持部材60との間に挟むことにより保持されている。
塗布部材59は、支持部材60の保持台57側と反対の側に存在する。塗布部材59は、加圧ベルト51の内周面に当接する摺擦体591と、これを保持する保持板593とからなる。摺擦体591は潤滑液が含浸されていて、加圧ベルト51の内周面(以下、「ベルト内周面」という。)510に当接されると、加圧ベルト51がC方向に周回運動することによってベルト内周面510に摺擦し、潤滑液が、摺擦体591からベルト内周面510を伝い、摺動部材54の摺擦面と加圧ベルト51の摺擦面とに塗布され、当該摺擦面同士の間で発生する摩擦抵抗を抑制する。この塗布部材59は、プリンタ1(定着部5)の出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材に相当する。
保持板593は、その主面で摺擦体591を保持する。保持板593は、その長手縁部593a、593bの双方で支持部材60のガイドレール60aとD方向(ローラ軸方向:本実施の形態では装置前後方向に相当)にスライド自在に係合し、塗布部材59がガイドレール60aにスライド自在に保持される構成となっている。保持板593の装置前側の縁部593cは、装置前側の蛇行抑制スリーブ53に設けられた切欠部53aから外方へ突出している。
ユーザは、装置前側から保持板593の縁部593cを摘んで手前に引っ張ることで塗布部材59(初期用の塗布部材)を取り出し、新たな塗布部材を逆の手順で定着部5に取り付けることができる。以下、新たな塗布部材を交換用塗布部材という。
なお、保持板593は、塑性変形し難い部材、例えば、SUS等のばね材からなり、摺擦体593と耐熱性両面テープで接着される。その縁部593cの主面には、出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材であることを示す「0」の数字が付されている。
摺擦体591は、例えば、フェルトからなっており、潤滑液としてシリコーンオイルが含浸されている。フェルトには、公知のもの、ここでは、アラミド繊維のフェルト材が用いられるがこれに限られず、例えば、不織布や織物で起毛したものなどを用いることができ、耐熱性や耐摩耗性などを有するものが好ましい。摺擦体591の素材はこれに限定されず、潤滑液を含浸できる素材であればよく、例えば発泡樹脂、スポンジなどの多孔質体などを用いるとしても良い。また、潤滑液もシリコーンオイルに限定されず、定着温度で揮発せずかつ加圧ベルト51に膨潤し難くて加圧ベルト51と摺動部材54との摩擦抵抗を低減できる液体であれば良い。
<交換用塗布部材の構成>
図4は、交換用塗布部材159の概略斜視図である。
図4に示す交換用塗布部材159は、初期用の塗布部材59よりも粘度が低い潤滑液が含浸されており、この点が塗布部材59と大きく異なっている。なお、その他の部分は基本的に塗布部材59と同じ構成なので、同符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、装置出荷時(磨耗粉の混入やヒータ58の熱による劣化が生じていない新品時)において、塗布部材59には粘度が300[cs]の潤滑液が含浸されているのに対して、交換用塗布部材159には200[cs]の潤滑液が含浸されている。
このように交換用塗布部材159の潤滑液の粘度を下げているのは、ベルト内周面510に塗布された潤滑液は、経時的にベルト内周面510に蓄積された加圧ベルト51などの磨耗粉や定着の熱の影響による劣化などにより、粘度が初期(上記例では300cs)よりも高くなるが、交換により初期用よりも粘度の低い潤滑液を塗布することで、ベルト内周面510において高粘度と低粘度の潤滑液が混じり合い、狙いの粘度、例えば初期の粘度にまで戻すことが可能になるからである。
潤滑液の粘度を、例えば初期に戻すことができれば、初期から1回目の交換までの期間と略同じ期間については次の交換が不要になり、従来のように交換後でも単に同じ粘度の潤滑液を塗布する場合に比べて交換間隔を大きく延ばすことができる。また、残存している高粘度の潤滑液と蓄積された磨耗粉の清掃作業による手間も生じない。
潤滑液の粘度は、交換用塗布部材159に含浸されているほうが塗布部材59のものよりも低ければよいが、低すぎると、パッド56が膨潤しやすくなったり、ベルト内周面510と摺動部材54との間に滞留し難くなったりして、適量な潤滑液の層を形成できずに潤滑作用が低減してしまうことがあるので、ある程度の粘性が必要であり、このような弊害の起きない適正範囲内に維持することが望ましい。適正範囲としては、例えば300〜500[cs]が定められ、交換用塗布部材159の新品時における潤滑液の粘度は、既述の大小関係を有しながら、例えば交換直後において摺動部材54の摺擦面と加圧ベルト51の摺擦面間に介在する潤滑液の粘度が初期程度まで下がり、その後、次に予定される交換時期までの間で適正範囲内に維持されるように予め決められることが好ましい。
なお、交換用塗布部材159には、保持板593の縁部593cに、交換用であることを示す「1」の数字が付されている。この数字「1」は初期用の塗布部材59の次に新たに取り付けられる塗布部材であることを示している。ユーザは、この数値を見ることで、数値の付されている塗布部材が初期用の塗布部材59を引き抜いた後に取り付けるべき塗布部材であることを認識でき、一度引き抜いた塗布部材59を再度取り付けるという誤作業を防止することができる。なお、初期用と交換用を識別できるマークであれば数値に限られないことはいうまでもなく、例えば「交換用」などの文字を付するとしても良い。
塗布部材の交換時期に到達したことは、制御部6による交換警告処理による警告によりユーザに知らされる。
<制御部6の構成>
図5は制御部6の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部6は、CPU62、通信インターフェイス(I/F)部63、ROM64、RAM65、閾値記憶部66、用紙枚数記憶部67、駆動時間記憶部68、電流値記憶部69を備える。
I/F部63は、LANカードなどのネットワークに接続するためのインターフェイスである。
RAM65は、CPU62のプログラム実行中のワークエリアとして用いられる。
CPU62は、ROM64から必要なプログラムを読み出して、画像プロセス部3、給送部4、定着部5等の動作を、タイミングを取りながら統一的に制御して円滑なプリント動作を実行させる。CPU62は、駆動モータ152に供給する駆動電流の値をモニターすると共に、ロータリーエンコーダ91からの信号を受信して、定着ローラ52の回転速度をモニターする。そして、各モニター結果に基づいて定着ローラ52の回転速度が所定速度で維持されるように供給電流を変化させるフィードバック制御を行う。また、モニターした電流値のデータを所定間隔毎に電流値記憶部69に上書き保存させる。さらに、交換警告処理を実行する。
用紙枚数記憶部67には、定着部5を通過した用紙Sの累積(積算)用紙枚数を示すデータが記憶されており、駆動時間記憶部68には、駆動モータ152の累積(積算)駆動時間を示すデータが記憶されている。これらデータは、CPU62により更新される。
具体的には、CPU62は、枚数検出センサ92からの信号を受信して、1枚の用紙Sが定着部5を通過したことが検出される毎に、その時点で用紙枚数記憶部67に記憶されている累積用紙枚数の値に「1」を加算し、その加算後の値を新たな値として上書き保存する。また、駆動モータ152が駆動される毎にその回転開始から停止するまでの回転時間を計測して出力する駆動時間計測タイマー93からの計測結果を示す信号を受信すると、その時点で駆動時間記憶部68に記憶されている累積駆動時間に、計測された回転時間を加算して、その加算後の値を上書き保存する。
閾値記憶部66は、交換警告処理において用いられる閾値データを記憶する。閾値としては、例えば潤滑液の粘度が仕様範囲(上記適正範囲に相当)の上限に達したときに駆動モータ152に供給されるであろう電流値を示す値M0を示すデータが記憶されている。交換警告処理では、供給電流値が値M0を超えると、交換警告を行うと判断する。このように電流値を警告出力の判断条件に用いるのは、次の理由による。
すなわち、潤滑液の粘度が上昇すると加圧ベルト51の駆動負荷が大きくなり、駆動モータ152へのフィードバック制御による供給電流が増加する、換言すると駆動モータ152への供給電流が増加するとそれだけ潤滑液の粘度が上昇しているといえる。そこで、潤滑液の粘度が仕様範囲の上限に達するときに流れるであろう電流値M0を閾値として予め決めておき、実際の供給電流値が当該閾値に達すると警告を行い、ユーザによる塗布部材の交換が実行されることで、粘度を下げることができるからである。
また、上記電流値だけでなく、潤滑液の粘度が仕様範囲の上限に達すると想定されるときの累積用紙枚数P0、累積駆動時間T0を示すデータも閾値として記憶されている。電流値と同様に、累積用紙枚数が多くなり、また累積駆動時間が長くなると、それだけ定着部5の総稼動時間が長くなって潤滑液の粘度も上昇するという関係に基づくものである。各閾値は、予め実験等によって求められて閾値記憶部66に記憶される。
<交換警告処理の内容>
図6は交換警告処理の内容を示す制御フローである。当該処理は、図外のメインルーチンに対するサブルーチンであり、ジョブ実行中に一定間隔をおいてメインルーチンにコールされることにより開始され、処理を終了するとメインルーチンへリターンする。
同図に示すように、電流値記憶部69に記憶されている電流値Mのデータを読み出す(ステップS1)。そして、閾値記憶部66に記憶されている閾値M0のデータを読み出して、読み出した電流値Mが閾値M0以上であるか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、電流値Mが閾値M0以上であることを判断すると(ステップS2で「YES」)、表示部8に警告を指示して(ステップS7)、メインルーチンにリターンする。
表示部8は、当該指示を受けると、塗布手段を交換する旨のメッセージを表示させる。ユーザは、当該メッセージを見て、塗布手段を交換する必要があることを知ることができる。ユーザにより塗布部材が交換されると、交換用塗布部材159から元の粘度よりも低い粘度の潤滑液が塗布され、ベルト内周面510に残存する潤滑液に加圧ベルト51の磨耗粉が蓄積されても、磨耗粉蓄積前の状態まで戻すことができ、これにより、交換間隔を延ばすことができる。
一方、電流値Mが閾値M0よりも小さいことを判断すると(ステップS2で「NO」)、用紙枚数記憶部67に記憶されている累積用紙枚数Pのデータを読み出す(ステップS3)。そして、閾値記憶部66に記憶されている閾値P0のデータを読み出して、累積用紙枚数Pの値が閾値P0以上であるか否かを判断する(ステップS4)。
累積用紙枚数Pが閾値P0以上であることを判断すると(ステップS4で「YES」)、警告指示を実行する(ステップS7)。一方、累積用紙枚数Pが閾値P0よりも小さいことを判断すると(ステップS4で「NO」)、ステップS5に移る。
ステップS5では、駆動時間記憶部68に記憶されている累積駆動時間Tのデータを読み出す。そして、ステップS6では、閾値記憶部66に記憶されている閾値T0のデータを読み出して、累積駆動時間Tの値が閾値T0以上であるか否かを判断する。
累積駆動時間Tが閾値T0以上であることを判断すると(ステップS6で「YES」)、警告指示を実行する(ステップS7)。一方、累積駆動時間Tが閾値T0よりも小さいことを判断すると(ステップS7で「NO」)、メインルーチンにリターンする。
上記では、警告指示を行うか否かの判断条件として、駆動モータ152の電流値、累積用紙枚数、累積駆動時間の3つを用いたが、ベルト内周面510と摺動部材54両者の摩擦抵抗の大きさを指標するものであれば、これらに限られることはない。例えば、加圧ベルト51あるいは定着ローラ52の走行距離を用いることができる。また、上記では、3つの判断条件を組み合わせるとしたが、各条件のうちの1つ、または複数を組み合わせて用いるとしても良い。
なお、上記では、塗布部材を1回交換する場合について説明したが、複数回交換が必要な構成の場合には、例えば、交換毎に順に粘度の低い潤滑液が含浸された塗布部材に交換することができる。この場合、個々の交換用塗布部材に、保持板593の縁部593cに交換順を示すマーク、例えば「1」、「2」・・などの数字(数字が大きくなるに連れて粘度が下がるような関係になっている)を付すことで、ユーザは、付された数字の順に従って塗布部材を交換することができ、誤って同じ粘度の塗布部材に交換したり、順不同に交換したりするという誤作業を防止することができる。なお、この構成をとる場合、塗布部材の交換毎に、表示部8に併設された入力部からユーザにより交換した旨が入力されると、用紙枚数や駆動時間をリセットする処理が行われる。
<変形例>
(1)上記実施の形態では、ユーザに対する警告を表示により行うとしたが、これに限定されない。例えば、スピーカーを設けておき、音声を用いて警告するとしても良く、また、プリンタ1と共にネットワークに接続された各情報端末の表示部に警告を表示させてもよい。
(2)上記実施の形態では、塗布部材(初期用と交換用双方)を加圧ベルト51の周回路内側においてローラ軸方向にスライド自在に案内する構成をとり、装置前側の蛇行抑制スリーブ53に設けられた切欠部53aからローラ軸方向に抜き差しすることで、定着部5を分解せずとも交換を行えるとしたが、交換方法がこれに限られることはない。初期用のものよりも粘度の低い潤滑液を含浸する部材に交換すれば良く、例えば定着部5を分解することにより交換する方法をとるとしても良い。さらに、交換用塗布部材は、ベルト内周面に塗布するための潤滑液として、初期用のものよりも粘度の低い潤滑液を保持する部材であれば良い。この意味で潤滑液を含浸する部材に限られず、おおよそ一般の構成を適用できる。
(3)上記実施の形態では、本発明に係る交換用塗布部材が取り付けられる定着装置を、タンデム型カラーデジタルプリンタの定着装置とした場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、定着ローラと加圧ベルトとを圧接して両者間に定着ニップを確保する定着装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等の定着装置であっても良い。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、ベルトニップ方式の定着装置に広く適用することができる。
実施の形態に係るプリンタの構成を示す概略断面図である。 実施の形態に係る定着部の構成を示す概略分解斜視図である。 実施の形態に係る定着部の構成を示す概略断面図である。 実施の形態に係る交換用塗布部材の構成を示す概略斜視図である。 実施の形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る交換警告処理の内容を示す制御フローである。
符号の説明
1・・・プリンタ
3・・・画像プロセス部
4・・・給送部
5・・・定着部
6・・・制御部
51・・・加圧ベルト
52・・・定着ローラ
53・・・蛇行抑制スリーブ
54・・・摺動部材
55・・・押圧体
56・・・パッド
59・・・塗布部材
60・・・支持部材
510・・・ベルト内周面
521・・・定着ニップ
591・・・摺擦体
593・・・保持板

Claims (7)

  1. 周回運動可能なベルトのベルト周回路の内側に配された押圧部材を、当該ベルトを介して回転可能なローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置の当該ベルト周回路の内側に、ベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材として装置出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材と交換される交換用塗布部材であって、
    ベルト内周面に塗布するための潤滑液として前記初期用の塗布部材よりも粘度の低い潤滑液を保持することを特徴とする交換用塗布部材。
  2. 前記定着装置の、前記ベルト周回路の内側の位置には、前記初期用の塗布部材をローラ軸方向にスライド自在に案内するガイドが設けられており、
    前記交換用塗布部材は、
    前記潤滑液を含浸すると共にベルト内周面に接触して潤滑液を塗布する塗布部と、
    当該塗布部を保持する保持部と、を備え、
    前記保持部は、前記ガイドと係合して、前記ベルト周回路の内側において前記ローラ軸方向にスライド自在に案内される係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の交換用塗布部材。
  3. 周回運動可能なベルトのベルト周回路の内側に配された押圧部材を、当該ベルトを介して回転可能なローラに押圧することにより定着ニップを確保する定着装置の当該ベルト周回路の内側に、ベルト内周面に潤滑液を塗布する塗布部材として装置出荷時に取り付けられた初期用の塗布部材を取り外す第1ステップと、
    前記初期用の塗布部材よりも粘度の低い潤滑液を塗布する交換用塗布部材を前記初期用の塗布部材が配されていた位置に取り付ける第2ステップと、
    を含むステップを実行することを特徴とする塗布部材交換方法。
  4. 前記定着装置の、前記ベルト周回路の内側の位置には、前記初期用の塗布部材をローラ軸方向にスライド自在に案内するガイドが設けられており、
    前記第1ステップでは、
    前記初期用の塗布部材の取り外しを、前記ベルト周回路の内側から前記初期用の塗布部材をローラ軸方向に引き抜くことにより行い、
    前記第2ステップでは、
    前記交換用塗布部材の取り付けを、当該交換用塗布部材に設けられた係合部を前記ガイドと係合させて、当該交換用塗布部材を前記ローラ軸方向に前記ベルト周回路の内側に押し込むことにより行うことを特徴とする請求項3に記載の塗布部材交換方法。
  5. 前記第1ステップは、
    前記定着装置に設けられた、塗布部材の交換を促す警告を出力する警告手段からの当該警告の出力を契機に開始されることを特徴とする請求項3または4に記載の塗布部材交換方法。
  6. 前記警告手段は、
    前記ベルトと前記押圧部材間の摩擦抵抗の大きさを指標する指標値を検出し、検出された指標値が閾値を越えていると判断すると、前記警告を出力することを特徴とする請求項5に記載の塗布部材交換方法。
  7. 前記指標値は、前記ローラを回転駆動させるための駆動手段に供給される電流値、前記定着ニップを通過する記録シートの枚数、または前記ローラの駆動時間であることを特徴とする請求項6に記載の塗布部材交換方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011090136A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Canon Inc 定着装置
JP2018091897A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

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