JP6639157B2 - 画像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材上の画像を加熱する画像加熱装置及び、これを備えた画像形成装置に関する。画像形成装置としては、例えば、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等が挙げられる。
電子写真プロセス方式を採用する画像形成装置は、記録材(記録紙、記録媒体、シート状媒体ともいう)上にトナーの画像を形成して、これを定着装置(画像加熱装置)により加熱・加圧することでシートに画像を定着させている。
特許文献1に記載の定着装置では、定着ベルト(フィルム)と加圧ローラの間にニップ部(定着ニップ部)を形成して、このニップ部の間において記録材を挟持搬送することでシートに画像を定着させている。
上述したニップ部を形成するために加圧ローラは定着ベルトに対して高い面圧で押し当たっているため、ニップ部を通過しようとする用紙は加圧ローラによって定着ベルトに強く押しつけられる。このとき、ニップ部を通過する用紙のエッジ部分の段差によって定着ベルト及び加圧ローラにはせん断力が発生する。せん断力は、ニップ部を通過する用紙の厚みが厚いほど大きい傾向にある。そしてこのせん断力は定着ベルト表面及び加圧ローラ表面を磨耗させる原因となる。
このようにして定着ベルトの摩耗が進行すると、定着ベルトの表面に筋状の傷跡が発生する。この傷跡部分では定着性が低下するため画像不良の発生を招く。したがって、定着ベルトの摩耗が進行した場合には、定着ベルトの寿命であると判断して定着ベルト又は定着ベルトを含む定着ユニットを交換することが望ましい。
特許文献1に記載の定着装置では、印刷した用紙のサイズ・種類・枚数・印刷向きに基づいて寿命の進行をカウントしており、カウント値が所定値に達した場合には定着ベルトの交換時期を報知して、ユーザーに定着ベルトの交換を促している。
特開2012−53332号公報
しかしながら、定着ベルトの摩耗に関するパラメータは上述したものだけではない。本発明者が検討したところ、記録材を搬送する際の定着ベルトの温度分布の状態によって定着ベルトの摩耗の進行の仕方が異なることがわかった。
そのため、定着ベルトの温度分布の状態を考慮せずに定着ベルトの交換時期を報知する特許文献1の定着装置では、定着ベルトがまだ使用できる状態であるにも関わらず定着ベルトの交換を早期に報知してしまう虞があった。
定着ベルトの交換を早期に報知すれば、画像不良の発生を抑制することはできる。しかしながら、近年では、従来と比べて画像形成装置を使用する際のランニングコストを低下することが求められている。そのため、定着装置は定着ベルトの交換時期をより精度よく報知することで定着ベルトの交換頻度が抑制されていることが望ましい。
本発明の目的は、加熱回転体の交換頻度が抑制可能な画像加熱装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、記録材上の画像を加熱するためのニップ部を形成する第1及び第2の回転体であって、前記第1及び第2の回転体のうち少なくとも一方の回転体は弾性層を有し、前記第1の回転体を交換可能に設けられた前記第1及び第2の回転体と、前記第1の回転体の長手方向において装置に導入可能な最大の幅サイズの記録材よりも幅狭な所定幅の記録材が前記ニップ部を通過する第1の領域で前記第1の回転体の温度を検知する第1の温度検知手段と、前記長手方向において前記第1の領域よりも外側の第2の領域で前記第1の回転体の一端側の温度を検知する第2の温度検知手段と、前記所定幅の記録材が前記ニップ部を通過したことを検知する通過検知手段と、前記所定幅の記録材が前記ニップ部を通過したときの前記第1の温度検知手段の検知温度と前記第2の温度検知手段の検知温度とによって重み付けされた第1係数と、前記ニップ部を通過した記録材の坪量によって重み付けされた第2係数と、を通紙距離に乗じて算出された値を積算する積算手段と、前記積算手段により得られた値に基づいて前記第1の回転体を交換する旨を報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加熱回転体の交換頻度が抑制可能な画像加熱装置および画像形成装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の模式図である。 第1の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の模式図である。 第1の実施形態における定着フィルムの模式図である。 第1の実施形態における長手方向の温度検知手段の配置例を説明する図である。 第1の実施形態に係る定着装置の制御系を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る定着装置の寿命検知シーケンスを示すフローチャートである。 第1の実施形態における他の定着装置寿命検知シーケンスを示すフローチャートである。 第1の実施形態における定着装置寿命(LIFE)表示の例を示す説明図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、本実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例としてのカラー電子写真プリンタ(以下、プリンタ)の断面図であり、記録材(シート)の搬送方向に沿った断面図である。
図1に示すプリンタは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備えている。感光ドラム11は、帯電器12によって予め帯電される。その後、感光ドラム11は、レーザスキャナ13によって、潜像を形成されている。潜像は、現像器14によってトナー画像になる。感光ドラム11のトナー画像は、一次転写ブレード17によって、像担持体である例えば中間転写ベルト31に順次転写される。転写後、感光ドラム11に残ったトナーは、クリーナ15によって除去される。この結果、感光ドラム11の表面は、清浄になり、次の画像形成に備える。
一方、記録材Pは、給紙カセット20、又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材Pが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対23は、中間転写ベルト31上のトナー画像と同期を取って、記録材Pを中間転写ベルト31と二次転写ローラ35との間に送り込む。
中間転写ベルト31上のカラーのトナー画像は、転写体である例えば二次転写ローラ35によって記録材Pに転写される。その後、シートPのトナー像は、シートPが定着フィルムの内面側に加熱ユニットを備える定着装置40(図2)によって加熱加圧されることで、シートPに定着される。
(画像加熱装置としての定着装置)
次に、本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置について説明する。図2に示すように、本実施形態では、フィルム加熱方式の定着装置(テンションレスタイプ)を用いた。画像形成部でトナー画像が担持された記録材である記録材Pは、回転可能なエンドレス状のベルトで交換可能に設けられる定着フィルム41と駆動回転体である加圧ローラ44とで形成されるニップ部(定着ニップ部)に挟持搬送されて、トナー像が定着される。
43は記録材上の画像を加熱する加熱体としてのセラミックヒータ(以下、ヒータ)である。このヒータ43は、記録材の搬送方向に交差する長手方向(図2の紙面垂直方向)に細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とする。発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータとなっている。また、記録材である記録材Pの長手方向の幅サイズに応じて、通電領域を切り替える構成となっている。
定着フィルム41は、熱を伝達する加熱部材としての円筒状(エンドレス)の耐熱性のフィルムであり、ヒータ43を含む支持部材にルーズに外嵌させてある。本実施形態における定着フィルム41は、図3に示すように、表面側より表層41a、弾性層41c、基材金属層(基層)41b、内面層41dの4層複合構造を有する。
表層41aとしては、厚さ100μm以下、好ましくは10〜70μmのフッ素樹脂材料が使用できる。フッ素樹脂層としては、例えばPTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。本実施形態では、厚さ10μmのPFAチューブを用いた。
基材金属層41bは、クイックスタート性を向上させるために、厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料として、例えばSUS、ニッケルなどの金属フィルムが使用できる。本実施形態では、厚さ30μm、直径25mmの円筒状ニッケル金属フィルムを用いた。
弾性層41cは、表層41aと基層41bに挟まれている。また、熱容量を小さくしてクイックスタート製を向上させるために、熱伝導性を高める為のフィラーを添加した。本実施形態では、ゴム硬度10度(JIS−A)、熱伝導率1.3W/m・K、厚さ200μmのシリコーンゴムを用いた。
内面層41dは、ポリイミド樹脂のような高耐久性、高耐熱性を持つ樹脂が適している。本実施形態では、芳香族テトラカルボン酸二無水物或いはその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モルを有機極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド前駆体溶液を用いた。この溶液を前記基材金属層41bの内面に塗工、乾燥、加熱し、脱水閉環反応により形成したポリイミド樹脂層を内面層41dとしている。
具体的には、本実施形態ではポリイミド前駆体溶液として、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンからなるポリイミド前駆体のN−メチル−2−ピロリドン溶液を用いた。そして、厚み15μmのポリイミド樹脂を形成し、これを内面層41dとしている。
加圧ローラ44は、加圧部材としての耐熱性弾性ローラであり、芯金と、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴム、あるいはシリコーンゴムの発泡体からなる弾性層から成り、芯金の両端部を回転自由に軸受け支持させて配設してある。この加圧ローラ44の上側に定着フィルム41およびヒータ43を、ヒータ43側に対して加圧ローラ44に並行に配置し、不図示の押付部材で押圧させる。これにより、定着フィルム41を介して、ヒータ43の下面と加圧ローラ44の上面をローラ弾性層の弾性に抗して圧接させて、加熱部としての所定幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成させてある。
加圧ローラ44は、制御回路からの駆動手段Mの回転指令を受け、駆動手段Mおよびギア等の伝達手段Gにより、図2の矢印方向(反時計方向)に所定の回転周速度にて回転駆動される。この加圧ローラ44の回転駆動で、加圧ローラ44と定着フィルム41との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により、円筒状の定着フィルム41に回転力が作用する。そして、定着フィルム41が、ヒータ43の下向き面に密着して摺動しながら、図2の矢印方向(時計方向)に従動回転状態になる。ここで、定着フィルム41の支持部材は、円筒状の定着フィルム41の回転ガイド部材ともなっている。
このように、加圧ローラ44が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム41が従動回転状態になる。そして、ヒータ43に通電がなされて該ヒータ43が迅速に昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、ニップ部Nの定着フィルム41と加圧ローラ44との間に未定着トナー画像Tを担持した記録材Pが導入される。そして、記録材Pのトナー画像担持側面が定着フィルム41の外面(表面)に密着して、記録材Pは定着フィルム41と一緒にニップ部Nで挟持搬送されていく。
この挟持搬送過程において、ヒータ43で加熱された定着フィルム41の熱により記録材Pが加熱され、記録材P上の未定着トナー画像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。そして、ニップ部Nを通過した記録材Pは、定着フィルム41の面から曲率分離して排出搬送されていく。
図2で、45aはヒータ裏の接触式温度計(サーミスタ)であり、ヒータ43の温度を計測している。そして、図4に示すように、ヒータ裏サーミスタ45aは、長手方向に、中央部45a1と、両端部45a2、45a3と3箇所配置されている。中央部45a1は長手方向の中央に、両端部45a2、45a3は、長手方向の中央から±150[mm]の位置に配置してある。
また、45bはフィルム裏の接触式温度計(サーミスタ)であり、ヒータ43によって加熱された定着フィルム41の内面(内周面、裏面)の温度を計測している。そして、図4に示すように、フィルム裏サーミスタ45bは、長手方向に、中央部45b1と、両端部45b2、45b3と3箇所配置されている。中央部45b1は長手方向の中央に、両端部45b2、45b3は、長手方向の中央から±150[mm]の位置に配置してある。そして、これらの温度検出結果は、不図示の温度制御手段に渡される構成となっている。
フィルム裏サーミスタ45bの中央部45b1は、定着フィルム41の長手方向において装置に導入可能な最大の幅サイズの記録材よりも幅狭な所定幅の記録材がニップ部を通過する第1の領域で定着フィルム41の温度を検知する第1の温度検知手段である。
また、フィルム裏サーミスタ45bの両端部45b2、45b3は、定着フィルム41の長手方向において第1の領域よりも外側の第2の領域で定着フィルム41の一端側、他端側の温度を検知する第2の温度検知手段、第3の温度検知手段である。
なお、これらのサーミスタの長手方向の位置は、必要に応じて、変更してもよい。
図2で、46はヒーターホルダであり、高温に発熱したヒータ43を保持する部材である。本実施形態では、定着フィルム41、加圧ローラ44の直径は30[mm]に設定している。そして、定着フィルム41と加圧ローラ44を総圧30[kgf]の加圧力で当接させることによって、ニップ部Nの幅(記録材Pの搬送方向)として約8[mm]を確保している。ここで、本画像形成装置のプロセススピードは、250[mm/s]、A4サイズ普通紙の生産性はモノクロカラ―ともに60ppmである。
本定着装置は、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が170[℃]になるように、ヒータ43の投入電力を調整している。そして、中央部フィルム裏サーミスタ45b1の温調は、画像形成装置を設置している環境、通紙する紙種により変化させている。
画像形成装置を設定している環境が23[℃]、かつ普通紙1(81g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が170[℃]になるように設定している。そして、画像形成装置を設定している環境が23[℃]、かつ普通紙2(105g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が180[℃]になるように設定している。
画像形成装置を設定している環境が15[℃]、かつ普通紙1(81g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が180[℃]になるように設定している。そして、画像形成装置を設定している環境が15[℃]、かつ普通紙2(105g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が190[℃]になるように設定している。
画像形成装置を設定している環境が30[℃]、かつ普通紙1(81g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が160[℃]になるように設定している。そして、画像形成装置を設定している環境が30[℃]、かつ普通紙2(105g紙以下)を通紙するときは、中央部フィルム裏サーミスタ45b1が170[℃]になるように設定している。
なお、本実施形態では、定着フィルムの内面と、ヒータとの摺動抵抗を低減させるため、ヒータ43の摺動面にグリスを塗布している。グリスとしては、東レ・ダウコーニング社製、MOLYKOTE、HP−300をヒータ面に1.0[g]塗布している。
(定着フィルムの表層摩耗の観点からの定着器寿命の予測)
定着フィルム41の表層摩耗は、記録材がニップ部Nを通過したときの長手方向における中央部と端部の温度差により摩耗量が変化する。また、通紙する紙の長さ(通紙距離)、通紙する紙の厚さ(坪量)、及び長手方向における中央部と端部の温度差、により摩耗量が変化する。
長手方向における中央部と端部の温度差により、定着フィルムの表層摩耗量が変化する理由は、以下の通りである。長手方向における端部では、非通紙部昇温により温度が上がり、定着フィルム41及び加圧ローラ44が膨張し、径が大きくなる。その結果、定着フィルム41が、通紙する記録材(用紙)Pに対して相対的に速度が速くなり、定着フィルム41と記録材(用紙)Pとの間で速度差が発生する。そして、この速度差に基づく表層摩耗は、温度差が大きくなれば増大するからである。
なお、逆に長手方向における端部の温度が中央部より低いと、定着フィルム41が通紙する記録材(用紙)Pに対して相対的に速度が遅くなり、定着フィルムと記録材(用紙)Pの間で速度差が発生する。この速度差に基づく表層摩耗は、温度差が大きくなれば増大する。
通紙する紙の坪量により、定着フィルムの表層摩耗量が変化する理由は、前述したように、記録材Pと接触する定着フィルム表面が、加圧ローラと高面圧で接触し、その間を記録材Pが通過するとき、記録材のエッジ部分で発生するせん断力が一定でないからである。このせん断力は定着フィルム表面を磨耗させるが、特に紙厚の厚い記録材(用紙)ではその力が大きいため、同じ枚数の印刷を行ったとしても定着フィルムの摩耗の程度が大きい。
ここで、記録材がニップ部Nを通過したことは、以下のように検知可能である。即ち、通過検知手段として図1に示す記録材の突入を検知する定着前センサ110およびニップ部Nからの記録材の排出を検知する定着後センサ120を用いる。また、図1に示すレジストローラ対23から記録材を搬送して数秒後に記録材がニップ部Nを通過すると予測して通紙をカウントするようにしても良い。
そして、記録材がニップ部Nを通過したときの第1の温度検知手段45b1の検知温度と第2の温度検知手段45b2もしくは45b3の検知温度を取得する第1の取得手段と第2の取得手段を備える取得手段としてCPU100が機能する。この取得手段は、所定幅の記録材がニップ部Nを通過する度に所定幅の記録材がニップ部を通過するときの第1の温度検知手段の検知温度と第2の温度検知手段の検知温度に基づきカウントするカウント手段を備える。
そして、このカウント手段が所定の値をカウントした場合に、取得手段に基づいて定着フィルムを交換する旨を報知する(後に詳述)。
1)定着フィルムの通紙距離、第1及び第2の重み付け係数
このような状況に鑑み、本実施形態では、長手方向における中央部と端部の温度差帯毎に、定着フィルムの通紙距離を取得し、中央部と端部の温度差帯毎に温度係数(第1の重み付け係数)を設定する。更に、記録材(用紙)としての紙の種類(紙の坪量)毎に坪量係数(第2の重み付け係数)を設定する。そして、定着フィルムの通紙距離に、温度係数と、坪量係数を乗じたものの総和が、ある所定値を超えたとき定着器の寿命と判断し、交換を促す通知をする。
本実施形態の長手方向における中央部と一方の端部の温度差帯区分(温度差の範囲毎)における通紙距離および温度差係数(第1の重み付け係数)を表1に示す。また、長手方向における中央部と他方の端部の温度差帯区分における通紙距離および温度差係数(第1の重み付け係数)も表1に示す。また、坪量係数(第2の重み付け係数)を表2に示す。
なお、表2において、坪量係数(第2の重み付け係数)がc1、c2、c3と表わされている一方で、その右側に1.0、2.0、3.0と表わされているのは代表値である。c1、c2、c3という変化する各値の替りに、固定された値(代表値)を用いる場合に利用される。
表1の左側に示すように、定着フィルム裏中央部と、定着フィルム裏ドライブ側(D側)端部との温度差区分は、それぞれ170[℃]以下、170[℃]より高い〜190[℃]未満、190[℃]以上の、3つの温度区分のマトリクスとして表わしている。そして、表1の左側に中央部と一方の端部(ドライブ側の端部)との9温度区分のマトリクスにおいて、取得される定着フィルム通紙距離(L13等)、および温度係数(第1の重み付け係数)(b13等)が表れている。
同様に、表1の右側で、定着フィルム裏中央部と、定着フィルム裏アンチドライブ側(ND側)端部との温度差区分を、それぞれ170[℃]以下、170[℃]より高い〜190[℃]未満、190[℃]以上の、3つの温度区分のマトリクスとして表わしている。そして、表1の右側に中央部と他方の端部(アンチドライブ側の端部)との9温度区分のマトリクスにおいて、取得される定着フィルム通紙距離(L23等)、および温度係数(第1の重み付け係数)(b23等)が表れている。
上述した温度区分は、9つにこだわる必要はなく、温度区分を増やしても、減らしても良い。温度区分を増やすことにより、寿命の精度は向上する。しかし、本画像形成装置の演算領域が増えるため、画像形成装置のメモリを増やすなどの対応が必要となる。
さらに、ドライブ側のサーミスタの温度区分、アンチドライブ側のサーミスタ温度区分はそれぞれ変えてもよい。例えば、ドライブ側サーミスタとアンチドライブ側サーミスタの取り付け位置が左右対称でなかったり、紙の通紙位置が中央でない場合は、係数を変更しても良い。
また、温度は、定着フィルム裏の温度により温度区分を決定したが、ヒータ裏の温度で区分分けをしても良い。
2)定着フィルムの通紙距離の取得(計測)
定着フィルム通紙距離の取得(計測)は、制御部から送られてくる画像形成要求の記録材(用紙)のサイズ(搬送方向)を基に計測する。より具体的には、記録材(用紙)の搬送方向のサイズに搬送枚数を乗じた値を記録材の異なるサイズ(搬送方向)で加算した総和として取得する。
3)温度の計測タイミングおよび温度係数(第1の重み付け係数)
各サーミスタにおける温度の計測タイミングは、通紙する記録材(用紙)の後端位置がニップ部Nの記録材搬送方向における中央に来た時とする。そして、計測された各サーミスタ温度が該当する温度帯に対応させて各通紙距離の値を格納していく。例えば、A4サイズのJOB(ジョブ)を流す場合、A4サイズ紙後端位置がニップ部Nの中央に来た時の中央部温度が170[℃]、D側端部温度が180[℃]の場合、表1におけるL12の個所にA4サイズの紙長さ:210[mm]を格納していく。なお、L11〜L19、L21〜L29の単位は[mm]である。
ここで、各温度係数(第1の重み付け係数)は、或る1つのモードで通紙耐久したとき、定着フィルム表層摩耗が画像に発生する定着フィルム通紙距離を基準(重み付け係数が1)として、定める。本実施形態では、フィルム裏中央サーミスタ、フィルム裏D側サーミスタ、フィルム裏AD側サーミスタが170℃、流す紙は普通紙で、坪量が、105[g/m^2])で通紙耐久したときを基準とする。
定着フィルム表層摩耗が画像に発生しているかを確認する方法は、所定枚数毎に、コート紙(OKTOP128[g/m^2] SRA3サイズ(王子製紙製))にブルーベタを形成する。そして、通紙耐久した紙のコバ端部(例えばA4紙コバ端部)箇所にオフセットが発生したら、NG判定(摩耗発生と判断)している。
各温度帯毎で通紙耐久したとき、定着フィルム表層摩耗が発生する定着フィルム通紙距離が下記の通りであるとする。
中央−端部サーミスタ温度差:0[℃]耐久… La[mm]
中央−端部サーミスタ温度差:±10[℃]耐久 …Lb[mm]
中央−端部サーミスタ温度差:±20[℃]耐久 …Lc[mm]
ここで、温度係数(第1の重み付け係数)は、中央−端部サーミスタの差分が0の時の定着フィルム通紙距離を基準とするため、温度差±10[℃]で耐久した時の係数はLa/Lb(La>Lbであれば係数は1より大きくなる)として取得(算出)される。また、温度差±20[℃]で耐久した時の係数はLa/Lcとして取得(算出)される。
なお、今回、温度差の絶対値で温度係数(第1の重み付け係数)を決めたが、定着器構成によって、温度差のプラス側とマイナス側で温度係数(第1の重み付け係数)を変更してもよい。
本実施形態で、温度毎の耐久に関し、定着フィルム裏の中央部、端部の温度を変えて、GF−C104 A4サイズ(キヤノン社製)を流して耐久を行った。定着フィルムの表層摩耗の発生判断は、上記のとおりである。定着フィルムの表層摩耗が発生する定着フィルム通紙距離は、Laは2.2E+7[mm]、Lbは2.0E+7[mm]、Lcは1.8E+7[mm]であった。
よって、中央−D側サーミスタ係数b11、b15、b19を1.0、係数b12、b14、b16、b18は1.1、係数b13、b17は1.2とした。
中央−AD側の温度係数(第1の重み付け係数)に関しては、中央−D側の温度係数(第1の重み付け係数)と同じ値に設定した。なお、中央−D側、中央−AD側に関し、通紙時の温度差が違うのであれば、温度係数(第1の重み付け係数)をそれぞれ変更しても良い。例えば、D側サーミスタとAD側サーミスタの取り付け位置が左右対称でなかったり、記録材(用紙)の通紙位置が中央でない場合は、温度係数(第1の重み付け係数)を変更しても良い。
4)坪量係数(第2の重み付け係数)
坪量係数(第2の重み付け係数)は、坪量105[g/m^2]の時の定着フィルム通紙距離を基準(重み付け係数が1)とする。記録材(用紙)の坪量を変えて、通紙耐久した時の定着フィルムの表層摩耗が発生する通紙距離は以下の通りであった。そのとき、中央部サーミスタ温度、端部サーミスタ温度は170℃になるように耐久を行った。
坪量105[g/m^2]以下:Ld[mm]:(GF−C104 A4 (キヤノン社製)で耐久)
坪量210[g/m^2]以下:Le[mm]:(GF−C209 A4 (キヤノン社製)で耐久)
坪量300[g/m^2]以下:Lf[mm]:(Color Copy A4 Mondi 300 A4 (Mondi社製)で耐久)
定着フィルムの表層摩耗が発生する定着フィルム通紙距離は、Ldは2.2E+7[mm]、Leは1.1E+7[mm]、Lfは7.2E+6[mm]であった。
坪量係数(第2の重み付け係数)は、坪量105[g/m^2]の時の定着フィルム通紙距離を基準とするため、坪量210[g/m^2]以下で耐久した時の坪量係数はLd/Le(Ld>Leであれば係数は1より大きくなる)として取得(算出)される。同様に、坪量300[g/m^2]以下で耐久した時の坪量係数はLd/Lfとして取得(算出)される。
坪量区分は、3つにこだわる必要はなく、区分を増やしても、減らしてもよい。区分を増やすことにより、寿命の精度は向上する。しかし、本画像形成装置の演算領域が増えるため、画像形成装置のメモリを増やすなどの対応が必要となる。
(定着フィルムの表層摩耗の観点からの定着器の寿命LIFE1)
本実施形態において、定着フィルムの表層摩耗の観点からの定着器の寿命LIFE1は、以下に示す式で定義される。
i:サーミスタ区分(中央部−D側、中央部−AD側の温度区分の2つ)
j:温度区分(本実施形態では170[℃]以下、170[℃]より大きい〜190[℃]未満、190[℃]以上3×3マトリクスの9つ)
k:坪量(紙厚さ)係数:(本実施形態では、坪量52以上〜105[g/m^2]以下、105より大きい〜210[g/m^2]以下、210より大きい〜300[g/m^2]以下の3区分)
B:規格化定数(本実施形態では、2.2E+7[mm])
このように、本実施形態では、ニップ部を通過する記録材の通過距離を第1の情報として取得する。また、本実施形態では、熱源で加熱される第1の定着部材もしくは熱源の長手方向における中央部と端部との温度差と、記録材の坪量もしくは種類に関する記録材情報を第2の情報として取得する。更に、第1の情報に、第2の情報に応じた重み付け係数を乗じた値の総和を第3の情報として取得し、装置寿命を予測する。
上記LIFE1値が、100[%]に到達した場合、第1の回転体である定着フィルムを交換する旨を報知手段により報知することができる。報知手段としてはCPU100が機能し、画像形成装置本体の操作部101へ信号を報知する。操作部101はタッチパネルであり、そのディスプレイは報知部(表示部)として機能する。このようにして、定着装置の寿命予告を行う。
なお、操作部101に報知を行うか否か決定可能な決定手段を設けても良い。
(ブロック回路および制御フロー)
本実施形態のブロック回路を、図5に示す。本実施形態の定着装置40を含む画像形成装置の制御系を示したものである。画像形成装置全体の制御は、制御部100が行っており、これに液晶タッチパネルやボタン等によって構成される操作部101が接続される。操作部101からの使用者の諸条件の入力によって、画像形成装置は動作を開始する。
通紙する記録材(用紙)のサイズ、坪量などの情報は、用紙情報取得手段102から制御部101に情報が送信される。定着装置40の長手方向における中央部と端部の温度差、及び駆動(回転)情報は、中央サーミスタ情報取得手段103、D側サーミスタ情報取得手段104、AD側サーミスタ情報取得手段105、モータ情報取得手段106から制御部100に情報が送信される。そして、制御部100の内部で通紙距離取得手段100aが通紙距離を取得する。また、制御部100が第1及び第2の重み付け係数を取得し、これらを通紙距離に乗ずることで、定着装置の寿命(装置寿命)LIFE1を予測している。
本実施形態の制御フローを、図6に示す。先ず、制御部は、画像形成装置のJOB(ジョブ)を受け付け、通紙する記録材(用紙)の用紙サイズ(搬送方向)、坪量を取得する。その後、定着モータを駆動させ、ヒータに通電し、定着フィルム裏中央、端部サーミスタ温度を計測する。そして、中央、端部サーミスタの温度区分に応じた箇所に通紙距離の値を格納していく。各温度帯毎の通紙距離を積算し、温度係数、坪量係数を乗じて(掛けて)LIFE1値を計算する。LIFE1値が100[%]以上であれば、定着器の寿命予告を表示する。
(本実施形態の効果)
従来あるような、通紙枚数カウンタで定着フィルム表層摩耗の発生を判断した場合、お客様の使用状況により、発生枚数が60K枚や、100Kと変動する。しかし、本実施形態を適用することにより、LIFE1値が100[%]のときに、定着フィルム表層摩耗が画像に発生し、交換目安が立て易くなった。例えば、1カ月毎にLIFE1が10[%]進むお客様がいた場合、現在LIFE1値が80[%]のとき、2カ月後に定着器の交換をすればよいこととなり、サービス出動計画も立て易くなる。
さらに、現在LIFE1値が80[%]のとき、残寿命を20[%]と表示することにより、ユーザは交換の目安を確認することができる。図8に表示例を示す。画像形成装置の操作部に、消耗部品(定着装置の)現在のLIFE値と残LIFE値と、交換予想日(目安日)が出力(表示)される仕様となっている。このような本実施形態により、正確に定着器の寿命検知を行うことができ、適切なタイミングでユーザーに定着装置交換を促す(警告手段による警告をする)ことができる。
本実施形態では、通紙モード及び通紙状態により定着装置の寿命に差が生じる場合、中央部と端部の温度差帯に応じた重み付け、通紙する紙の坪量を考慮した重み付けをした通紙距離を積算する。これにより、通紙モードや通紙状態に拘らず定着装置の寿命を正確に予測して適切な時期に定着装置交換をユーザーに促すことができる。
以上、定着フィルムの表層摩耗の観点からの定着器寿命LIFE1の予測について述べたが、更に定着フィルムの内面摩耗の観点からの定着器寿命LIFE2の予測を行うこともできる。
(定着フィルムの内面摩耗の観点からの定着器寿命の予測)
定着フィルム内面とヒータとの摺動抵抗が高くなると、加圧ローラの回転駆動が定着フィルムにうまく伝達されず、定着フィルムがスリップし、紙が搬送できない不良が発生することがある。定着フィルム内面とヒータとの摺動抵抗が増大する原因として、定着フィルムの回転距離(走行距離)、ヒータ(定着フィルム)の温度が高いことが挙げられる。
定着フィルムの回転距離(走行距離)により、摺動抵抗が上がる原因は2つある。1つ目は、定着フィルム内面とヒータとが摺動しながら回転することにより、定着フィルム内面が削れ、削れ粉が発生し、削れ粉が回転抵抗となるためである。2つ目は、摺動抵抗を減少させるためのグリスが、回転することにより、定着フィルム端部から、漏れ出し、定着フィルム内面とヒータ間に存在するグリス量が低下するためである。
また、ヒータ(定着フィルム)の温度が高いほど、定着フィルム内面の硬度が低下し、削れ粉が発生しやすくなり、定着フィルムの耐久(回転距離)劣化が加速され、定着フィルム内面−ヒータ間の摺動抵抗が増大する。
さらに、ヒータ(定着フィルム)の温度が高いほど、グリスが揮発し、定着フィルム内面−ヒータ間の摺動抵抗が増大する。よって、ヒータ(定着フィルム)の温度により、定着器の寿命が変化する。
そこで、本実施形態では、ヒータ(定着フィルム)の温度帯毎に、定着フィルムの回転距離(走行距離)を計測し、ヒータ(定着フィルム)の温度帯毎に係数(第3の重み付け係数)を設定する。そして、定着フィルムの回転距離と前記係数をかけたものの総和が、ある所定値を超えると定着器の寿命(装置寿命)LIFE2と判断し、交換を促す通知をすることを可能としている。本実施形態では、LIFE1を優先的に用いることから、LIFE2を用いるか否かは使用者が選択可能である。
本実施形態の定着フィルムの温度帯区分、係数(重み付け係数)を、表3に示す。
表3に示すように、定着フィルム裏中央部、定着フィルム裏ドライブ側端部、定着フィルム裏アンチドライブ側端部の温度区分は、170[℃]以下、170[℃]より高いから190[℃]未満、190[℃]以上の、3つの温度区分とした。その温度区分ごとにその温度での定着フィルム回転距離L1〜L9を計測している。L1〜L9の単位は[mm]である。
定着フィルム回転距離の計測は、定着フィルムの回転速度であるプロセススピード[mm/s]と、サンプリング時間(0.1[s])から取得(算出)している。より具体的には、駆動モータに関する1パルスあたりのサンプリング時間と、パルス数と、をプロセススピードに乗じた値として取得(算出)している。そして、各サーミスタの信号値を制御回路に送信し、温度帯毎に用意した回転距離テーブルに取得した回転距離の値を格納している。
温度区分は、3つにこだわる必要はなく、温度区分を増やしても、減らしてもよい。温度区分を増やすことにより、寿命の精度は向上する。しかし、本画像形成装置の演算領域が増えるため、画像形成装置のメモリを増やすなどの対応が必要となる。
また、温度は、定着フィルム裏の温度により温度区分を決定したが、ヒータ裏の温度で区分分けをしても良い。
定着器の寿命LIFE2は、以下に示した式で定義している。
i:温度区分(本実施形態では170[℃]以下、170[℃]より高いから190[℃]未満、190[℃]以上、の3つ)
j:サーミスタ区分(中央部、D側、AD側の3つ)
A:規格化定数(本実施形態では、1.0E+8[mm])
各温度帯毎の係数は、或る1つのモード(ここではフィルム裏サーミスタが170℃)で通紙耐久したとき、定着フィルムのスリップが発生する定着フィルム回転距離を基準(重み付け係数が1)として、行う。
各温度帯毎に通紙耐久したとき、定着フィルムのスリップが発生する定着フィルム回転距離が下記の通りであるとする。
170[℃]耐久… La[mm]
180[℃]耐久 …Lb[mm]
190[℃]耐久 …Lc[mm]
ここで、係数は、170[℃]の時の定着フィルム回転距離を基準とするため、180[℃]で耐久した時の係数はLa/Lb、190[℃]で耐久した時の係数はLa/Lcで算出した。
温度毎の耐久に関しては、定着フィルム裏の温調を上げて、GF−C081 A4サイズ(キヤノン社製)を流して耐久を行った。スリップ発生の判断は、ある所定枚数毎に、CS−520(キヤノン社製)A3の紙を通紙し、定着フィルムのスリップを目視で判断した。スリップが発生する定着フィルム回転距離は、Laは1.0E+8[mm]、Lbは9.1E+7[mm]、Lcは6.7E+7[mm]であった。上記の結果より、温度帯毎の係数を表3のように設定した。
今回、中央部サーミスタと、端部サーミスタの係数は同じ値を設定したが、端部と中央部で係数を変更しても良い。また、端部は非通紙部昇温しやすいので、端部の温度区分を中央部の温度区分より上げても良い。
上記LIFE2値が、100[%]に到達した場合、定着装置寿命予告を促す。定着装置寿命予告としては、画像形成装置本体のディスプレイに定着装置交換メッセージを表示したり、又はコントローラを介して接続しているPC側に定着装置交換メッセージを表示するのが効果的である。
本実施形態のブロック図は、図5と同じである。LIFE2に関し、制御部100の内部で回転距離取得手段100bが回転距離を取得する。また、制御部100が第3の重み付け係数を取得し、これを回転距離に乗ずることで、定着装置の寿命(装置寿命)LIFE2を予測している。
ここで、本実施形態の制御フローを、図7に示す。先ず、定着モータ駆動開始と同時に、定着フィルムの回転距離を計測する。そして、サーミスタの温度区分に応じた個所に回転距離を格納していく。各温度帯毎に回転距離に係数をかけた値(L×a)を算出する。その後各サーミスタ毎に算出した結果の総和(ΣL*a)を取る。そして、サーミスタ毎の総和の最大値を使ってLIFE2値を計算する。LIFE2値が100[%]以上であれば、定着器の寿命予告を表示する。
従来あるような、通紙枚数カウンタで定着フィルムのスリップの発生を判断した場合、お客様の使用状況により、スリップ発生枚数が60K枚や、100Kと変動する。しかし、本実施形態を適用することにより、LIFE2値が100[%]のときに、定着フィルムのスリップが発生し、交換目安が立て易くなった。例えば、1カ月毎にLIFE2が10[%]進むお客様がいた場合、現在LIFE2値が80[%]のとき、2カ月後に定着器の交換をすればよいとなり、サービス出動計画も立て易くなる。
さらに、現在LIFE2値が80[%]のとき、残寿命を20[%]と表示することにより、ユーザは交換の目安を確認することができる。図8に表示例を示す。画像形成装置の操作部に、消耗部品(定着装置の)現在のLIFE値と残LIFE値と、交換予想日(目安日)が出力される仕様となっている。
このようにLIFE2を用いて、正確に定着器の寿命検知を行うことができ、適切なタイミングでユーザーに定着装置交換を促す(警告手段による警告をする)ことができる。ここで、装置寿命LIFE1と、装置寿命LIFE2と、を装置寿命の候補として比較し、先に所定の値に達した方の候補を装置寿命として決定し、それに基づいて、定着装置交換を促しても良い。
なお、LIFE2に関し、回転距離の替りに回転時間を用いることもできる。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、記録材がニップ部を通過したときの第1の定着部材の長手方向における中央部と端部の温度と、記録材の坪量もしくは種類に関する記録材情報、の双方を取得したが、いずれか一方を取得するものであっても良い。即ち、記録材がニップ部を通過したときの第1の定着部材の長手方向における中央部と端部の温度を取得するものであれば良い。
(変形例2)
上述した実施形態では、ニップ部を通過する記録材の通過距離を取得したが、ニップ部を通過する記録材の通過時間を取得するものでも良い。この場合、例えば記録材を挟んで投光手段(光源)と受光手段(センサ)を設け、記録材が存在するときに受光出力が下がることを利用し、タイマーで受光出力が下がる時間の加算値を得る構成とすれば良い。なお、このように取得された通過時間にプロセススピードを乗じた値を通過距離として取り扱うこともできる。
(変形例3)
上述した実施形態では、異なる記録材(用紙)の坪量毎に坪量係数(第2の重み付け係数)を設定したが、同じ坪量で異なる種類の記録材(用紙)が考えられる場合、記録材(用紙)の異なる種類毎に係数(第2の重み付け係数)を設定しても良い。
(変形例4)
上述した実施形態では、定着器におけるニップ部を形成する第1および第2の回転体に対し、無端ベルトが第1の回転体に設けられるものを示したが、本発明はこれに限られない。ローラ対方式でも良く、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
また、定着器における第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体のうち、加圧ローラとして第1の回転体を加圧する場合を示した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、加圧体としてでなく対向体としての第2の回転体が第1の回転体から加圧される場合にも同様に適用できる。
(変形例5)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシート(記録材)に定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限られない。画像の光沢を向上させるべく、シート(記録材)に仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も画像加熱装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である。
100・・制御部、100a・・通紙距離取得手段、102・・用紙情報取得手段、103・・中央サーミスタ情報取得手段、104・・D側サーミスタ情報取得手段、105・・AD側サーミスタ情報取得手段

Claims (3)

  1. 記録材上の画像を加熱するためのニップ部を形成する第1及び第2の回転体であって、前記第1及び第2の回転体のうち少なくとも一方の回転体は弾性層を有し、前記第1の回転体を交換可能に設けられた前記第1及び第2の回転体と、
    前記第1の回転体の長手方向において装置に導入可能な最大の幅サイズの記録材よりも幅狭な所定幅の記録材が前記ニップ部を通過する第1の領域で前記第1の回転体の温度を検知する第1の温度検知手段と、
    前記長手方向において前記第1の領域よりも外側の第2の領域で前記第1の回転体の一端側の温度を検知する第2の温度検知手段と、
    前記所定幅の記録材が前記ニップ部を通過したことを検知する通過検知手段と、
    前記所定幅の記録材が前記ニップ部を通過したときの前記第1の温度検知手段の検知温度と前記第2の温度検知手段の検知温度とによって重み付けされた第1係数と、前記ニップ部を通過した記録材の坪量によって重み付けされた第2係数と、を通紙距離に乗じて算出された値を積算する積算手段と、
    前記積算手段により得られた値に基づいて前記第1の回転体を交換する旨を報知する報知手段と、を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記第1の回転体は、表面にフッ素樹脂の層を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記積算手段は、前記第1の温度検知手段の検知温度により重み付けされた第3係数と前記第1の回転体の回転数を乗じて算出された値と、前記第2の温度検知手段の検知温度により重み付けされた第4係数と前記第1の回転体の回転数を乗じて算出された値と、の大きい方をそれぞれ積算し、積算された値が所定値に達すると、前記報知手段が前記第1の回転体を交換する旨を報知することを特徴とする請求項1または2に記載の画像加熱装置。
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