JP6525706B2 - 画像加熱装置、ヒータ、およびベルトの交換方法 - Google Patents

画像加熱装置、ヒータ、およびベルトの交換方法 Download PDF

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Description

本発明はベルトを加熱するヒータ、これらを備える画像加熱装置、及びベルトの交換方法に関する。この画像加熱装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファックス、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる。
画像形成装置では、シート上にトナーの画像を形成して、これを定着装置(画像加熱装置)により加熱、加圧することでシートに画像を定着させている。このようにして用いる定着装置としては、円筒状の定着フィルムの内面にヒータを接触させて、定着フィルム(ベルト)を介してシートにヒータの熱を与える方式の定着装置が提案されている(特許文献1)。上述した方式の定着装置はその構成が低熱容量であり、定着のための温度の立ち上げを素早く行うことができる。
なお、特許文献1に記載の定着装置は、ヒータの定着ベルトと接触する面とは反対側の面に検温素子が設けられている。そして、この定着装置は、検温素子が検知した温度に基づきヒータへの電力供給を制御し、ヒータの温調を行っている。また、特許文献1に記載の定着装置は、定着フィルムの外周面に加圧ローラを接触させることで、定着フィルムと加圧ローラの間にニップ部を形成している。そして、この定着装置では、駆動部からの駆動を受けて加圧ローラが回転すると、加圧ローラと定着フィルム間の摩擦により定着フィルムに回転力が生じる。定着フィルムは、ヒータホルダの外側にルーズに嵌め合わされており、上述した回転力を受けることでヒータの下面と摺動しながらヒータホルダの周りを回転する。
特開2004−47177号公報
ここで、特許文献1には、定着フィルムとヒータ間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介材させることで、両者間の摺動抵抗を低減することが開示されている。特許文献1には、潤滑剤の設け方に関する詳細な記載はないが、定着フィルムとヒータの間の摺動抵抗を低減することを目的とした場合、定着フィルムとヒータの間の全域において潤滑剤を一様に設けるのが自然である。
しかしながら、定着装置において、ベルトとヒータの間の全域に一様に潤滑剤を設けた場合、ヒータ上の温度検知素子が検知する温度情報に基づいて定着装置の温度制御をすることが困難となる。詳細には、ベルトとヒータの間に一様に潤滑剤を設けた場合、ベルトと温度検知素子の間の伝熱が潤滑剤によって阻害されてしまい、ベルトの温度と温度検知素子が検知した温度に差が生じ易くなってしまう。そのため、温度検知素子の検知温度に基づき定着装置の定着温度の制御を行い、目標とする温度から離れた温度状態のベルトを用いてシート上の画像を加熱した場合には画像不良の発生を招く虞がある。
本発明の目的は、画像不良の発生を抑制できる画像加熱装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、同様の効果を得ることができる、ヒータおよびベルトの交換方法を提供することである。
本発明の代表的な構成は、画像加熱装置においてシート上の画像をニップ部にて加熱する無端状のベルトと、ベルトを加熱するヒータであって、ヒータはベルトと協働してベルトの内周面との間に摺動部を形成するヒータと、ヒータと協働してベルトを挟むことでベルトの外周面との間にニップ部を形成する回転体と、ヒータの温度を検知すべくヒータの摺動部側の面とは反対側の面に設けられた検知部材と、ニップ部にシートを搬送するタイミングを検知部材の出力に基づいて制御する制御部と、摺動部に設けられた潤滑剤であって摺動部のうち検知部材と対向する位置関係となる領域には設けられず摺動部のうち検知部材と対向しない位置関係となる領域の少なくとも一部に設けられる潤滑剤と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、画像不良の発生を抑制できる画像加熱装置を提供できる。
また、本発明によれば、画像不良の発生を抑制できるヒータを提供できる。
また、本発明によれば、画像不良の発生を抑制できるベルトの交換方法を提供できる。
実施例1における定着装置の要部の横断面を模式した図である。 実施例1における画像形成装置の構成の縦断面を模式した図である。 図1の(3)−(3)矢視の途中部分を省略して縦断面を模式した図である。 定着装置の要部を分解して斜視した図である。 ヒータの一例の構成を説明する図である。 定着制御のフローチャートである。 定着装置の温度上昇カーブを示したグラフである。 グリス塗布量を変更した時のベルト表面温度の変化を示すグラフである。 ヒータに対する潤滑剤の塗布形態の他の例を説明する図である。 実施例1における実験結果のまとめた図である。 実施例2のベルト内面における潤滑剤の塗布形態を説明する図である。 ベルト内面に対する潤滑剤の塗布形態の他の例を説明する図である。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例であり、本発明を実施例に記載の形態に限定するものではない。したがって、実施例は、本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
[実施例1]
《画像形成装置》
図2は本実施例における画像形成装置の一例であるカラー電子写真プリンタ1の構成を示す縦断面を模式した図である。プリンタ1内には、4つの画像形成部Y・M・C・Bkがタンデム配設されている。各画像形成部はいずれもレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、現像器に収容された現像剤(トナー)の色が異なる点を除いて同様な構成である。
各画像形成部は、それぞれ、図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)2を有する。各ドラム2の周囲には、ドラム2に作用するプロセス手段としての、一次帯電器3、レーザスキャナ4、現像器5、一次転写ブレード6、クリーナ7が配置されている。各画像形成部はそれぞれドラム2にイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(Bk)色のトナー像を形成する。ドラム2にトナー像を形成する電子写真の作像原理・プロセスは公知に属するから説明は省略する。
各画像形成部においてドラム2に形成されたトナー像はそれぞれ中間転写ベルトユニット8に転写される。詳細には、各トナー像は、図2の矢印方向(時計方向)に循環移動している中間転写体としての転写ベルト9に順に重畳されて一次転写される。こうして、転写ベルト9上には未定着のY+M+C+Bk4色フルカラーのトナー像が形成される。ユニット8は、転写ベルト9を懸回張設している駆動ローラ10・テンションローラ11・二次転写対向ローラ12を有する。ローラ12には転写ベルト9を介して二次転写ローラ13が圧接している。
一方、給送カセット14A、14B又はマルチ給送用のトレイ20の給送ローラ15、19が駆動するとシート(記録媒体)Pが1枚ずつ分離されて給送され、搬送路16を通ってレジストローラ対18に搬送される。ローラ対18はベルト9上のトナー像と同期を取って、シートPを転写ベルト9とローラ13との圧接部である二次転写部に送り込む。これにより、二次転写部において、転写ベルト9上の4色フルカラーの合成トナー像が一括してシート上に二次転写される。
二次転写部を出たシートPは転写ベルト9の面から分離されて画像加熱装置としての定着装置40に導入される。シート上の複数色のトナー像は定着装置40によって加熱・加圧されて溶融混色し、シート面に固着像として定着する。二次転写部にてシートを分離した後の転写ベルト9は、ベルトクリーナ22により清掃され、繰り返して作像に使用される。
プリンタ1が片面プリントモードのジョブを実行する場合、定着装置40を出たシートPは、ジョブ毎に予め定められた経路から装置外に排出される。詳細には、シートPは、フラッパ23によりフェイスアップ排出用のトレイ25またはフェイスダウン排出用のトレイ28に向けて搬送され、排出ローラ27又は24によりそれらのトレイ上に排出される。
プリンタ1が両面プリントモードのジョブを実行する場合、定着装置40を出たシートPは。フラッパ23によって搬送を案内され、搬送路26bにより上方に搬送される。シートPの後端が反転ポイントRに達すると、搬送路26はシートPを逆方向に搬送する。こうして、シートPがスイッチバック搬送されて両面搬送路29に入る。そして、シートPは搬送路29から再び搬送路16に入り二次転写部に再搬送される。このとき、シートPは一度目の定着処理から表裏が反転されているため第2面に対する画像転写を受ける。二次転写部を出たシートPは再び定着装置40に導入される。
こうして、定着装置40からは両面プリント済みのシートPが排出される。定着装置40から排出されたシートPは、ジョブ毎に予め定められた経路から装置外に排出される。
《定着装置》
図1は定着装置40の要部の横断面を模式した図である。図3は図1の(3)−(3)矢視の途中部分を省略して縦断面を模式した図である。図4は定着装置40の要部を分解して斜視した図である。
定着装置40はニップ部(定着ニップ部)Nにおけるシートの搬送路面内においてシートの搬送方向Xに直交する方向に平行な方向を長手方向とする横長の装置である。定着装置40は、ニップ部にてシート上の画像を加熱する定着ベルト(定着部材:以下、ベルトと記す)31を備えたベルトユニット30を有する。また、ベルト31と協働してベルト31との間にニップ部Nを形成する加圧ローラ32を有する。ベルトユニット30と加圧ローラ32は装置筐体50(50A・50B)に収容されている。
ベルトユニット30は、ベルト31、セラミックヒータ33、ガイド部材34、加圧ステー35、フランジ36A・36Bなどを備える組立体である。ここで、ベルト幅方向(ベルト長手方向)とはベルト移動方向に交差する方向である。
ベルト31は、可撓性を有する円筒状(無端状エンドレス状)の部材であり、シートPに熱を伝達可能な耐熱性を有する。ベルト31は、ベルトユニット30において、ガイド部材34にルーズに外側から嵌め合わされている。後述するように、ベルト31はシート上の画像をニップ部にて加熱する。ベルト31は、図1中の部分拡大部のように、厚さ100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性のある基材31a上に必要に応じて弾性層31bや離型層31cを設けて構成される。無端状の基層としての基材31aは、例えば、PTFE、PFA、FEP、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の樹脂を主体とした材料に熱伝導フィラーを配合した部材である。離型層31cは、例えば、表面に離型性の材料がコーティングされたフィルムである。離型性の材料としては、例えば、PTFE、PFA、FEP等の材料が挙げられる。
なお、PTFEとはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAとはパーフルオロアルコキシアルカンであり、FEPとはパーフルオロエチレンプロペンコポリマーであり、PEEKとはポリエーテルエーテルケトンであり、PESとはポリエーテルサルホンであり、PPSはポリフェニレンサルファイドである。
なお、基材31aとしては、50μm以下20μm以上のSUS等の薄層金属ベルトを用いてもよい。また、定着処理による画像ムラの少ないカラー画像を得るために基材31aと離型層31cの間に、熱伝導フィラーを添加したシリコーンゴムなどからなる弾性層31bを設けてもよい。
セラミックヒータ(以下、ヒータと記す)33は、通電により発熱する抵抗体を備えており、通電によって全体が素早く昇温する低熱容量の加熱部材である。ヒータ33はベルト31の内周面に当接してベルト31を加熱する。後述するように、ヒータ33はベルト31と協働してベルト31の内周面との間に摺動部を形成する。ここで、ヒータ33の長手方向(加熱部材の長手方向)とはベルト移動方向に交差する方向である。図5はこのヒータ33の構成の1例を示すものである。詳細には、図5(a)は一部を切り欠いたヒータ表面側(ベルトとの摺動面側、摺動部側)の平面図である。図5(b)はヒータ裏面側の平面図である。図5(c)は図5(b)の(c)−(c)矢視の拡大断面の図である。
ヒータ33は、細長い薄板状のセラミック基板33aの表面側(一方の面)に通電により発熱する抵抗体(発熱体)33bが基板上(基板の面上)にその長手に沿って形成されている。抵抗体33bの長手方向の一端部側と他端部側にはそれぞれ電気的に接続された電極部33cが設けられている。基板表面側は電極部33cの部分を除いてガラス層等の保護層33dが形成されている。抵抗体33bはこの保護層33dで覆われて保護されている。ヒータ33は保護層33dの表面がベルト摺動面(摺動部側の面、一方側の面)となる。
一端部側の電極部33cと他端部側の電極部33c間に位置する抵抗体33bの長さ範囲がヒータ33の有効発熱領域長であり、本実施例では330mmである。ベルト31の幅寸法はこのヒータ33の有効発熱領域長とほぼ同じか少し大きい寸法となっている。定着装置40に導入(搬送)可能なシートPの最大幅サイズは、ヒータ33の有効発熱領域長よりも少し小さい寸法である。
ここで、シートPの幅サイズとは、シート面においてシートの搬送方向Xに直交する方向のシート寸法である。本実施例の装置はシートPを中央基準で搬送する。すなわち、シートPはその幅サイズにかかわらず、幅方向の中心位置を基準として搬送される。図5の(a)においてOはその中央基準搬送線(仮想線)である。
基板33aの裏面側(他方の面)にはヒータ33の温度を検出する検知部材(温度検出部材)としてのサーミスタTHが配設されている。詳細には、ヒータ33の裏面(他方側の面)にサーミスタTHの温度検知面が当接している。即ち、サーミスタTHは、ヒータ33のベルト31との摺動面とは反対側の面に設けられている。なお、本実施例のサーミスタTHは、ヒータ33の長手方向において、上述した中央基準の搬送線とほぼ対応する位置に配置されている。
ガイド部材34の下面には長手に沿って設けられた嵌め込み溝34a(図1)が設けられており、ヒータ33は、表面側(ベルト摺動面側:保護層33dを形成した面側)を外側にして嵌め込み溝34aに嵌め込まれている。このようにしてヒータ33はガイド部材34に支持されている。
ガイド部材34は上記のようにヒータ33を保持するヒータホルダとしての機能を有する。また、ガイド部材34は、ヒータ33がベルト31を加圧ローラ32に向けて押圧することを補助する。さらには、ガイド部材34はベルト31の回転を安定させるガイドとしての機能を有する。ガイド部材34には耐熱性・断熱性のある材料が用いられる。その材料とは、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、LCP樹脂等である。なお、LCPとは液晶ポリマーである。
加圧ステー35は、横断面がU字型をした横長の剛性部材であり、材料としては鉄等の金属が用いられる。加圧ステー35は、比較的柔軟な樹脂製のガイド部材34の裏面に押し当たることで、ガイド部材34を支持して且つガイド部材34の形状を矯正している。
ベルト31は、ヒータ33、ガイド部材34、加圧ステー35の組立体に対してルーズに外側から嵌めあわされている。
フランジ36A・36Bはそれぞれ加圧ステー35の一端側と他端側に嵌め合わされて配設される部材である。フランジ36A・36Bはベルト31の端部内面を保持してベルト31の回転をガイドする機能とベルト31の幅方向(長手方向、スラスト方向)への移動を規制する機能を有する。フランジ36A・36Bは、例えば耐熱樹脂で成形された一対の対称の形状の部材である。
フランジ36A・36Bは、図3、図4に示すように、それぞれ、フランジ36aと棚部36bと被押圧部36cとを有する。フランジ36aはベルト31の端面を受け止めてベルト31のスラスト方向への移動を規制する部分であり、ベルト31の外形形状より大きい外形形状をしている。棚部36bはフランジ36aの内面側に円弧状に設けられており、ベルト端部内面を保持してベルト31の円筒形状を保持する。被押圧部36cはフランジ36aの外面側に設けられた部分であり、加圧機構37A・37Bにより押圧力(加圧力)を受ける。
加圧ローラ32は、芯金32aと、芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、弾性層32bと、表層としての離型層32cを有している。弾性層32bとしては、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性に優れた材料を選択することができる。離型層32cはフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択することができる。
加圧ローラ32は、図3に示すように、装置筐体50の一端側板50Aと他端側板50Bの間において、芯金32aの一端側と他端側がそれぞれ軸受51を介して回転可能に支持されて配設されている。ベルトユニット30は一端側板50Aと他端側板50Bとの間において加圧ローラ32に対してヒータ33の側を対向させて加圧ローラ32に実質平行に配列されている。
フランジ36Aは一端側板50Aのガイド穴52に対してスライド移動可能に嵌め着けされている。フランジ36Bは一端側板50Bのガイド穴52に対してスライド移動可能に嵌め着けされている。そして、その一端側と他端側のフランジ36Aと36Bはそれぞれ加圧機構37A・37Bにより加圧ローラ32に向かう方向に所定の押圧力をもって加圧されている。
上記の押圧力により、ベルトユニット30は加圧ローラ32の方向に移動する。そのため、ヒータ33がベルト31を介して加圧ローラ32に対して弾性層32bの弾性に抗して所定の押圧力で押圧され、ベルト31と加圧ローラ32との間にシート搬送方向Xにおいて所定幅のニップ部Nが形成される。つまり、加圧ローラ32はヒータ33と協働してベルト31を挟むことでベルトとの間にニップ部Nを形成するニップ形成部材として機能する。
制御回路45は、定着装置40の動作を制御する機能を有する。制御回路45は、AC制御回路42を制御すべくAC制御回路42に電気的に接続されている。また、制御回路45は、モータMを制御すべくモータMに電気的に接続されている。
AC制御回路42はAC電源41に電気的に接続されており、ヒータ33の一端側と他端側に装着されている通電コネクタ48A・48Bを介してヒータ33に通電することできる。
制御回路45は、ヒータ33の裏面側に当接して設けられたサーミスタTHの検知温度Theatに基づいてヒータ33への通電を、AC制御回路42を用いて制御する制御部である。つまり、制御回路45は、サーミスタTHの出力に基づいてヒータ33の発熱を制御している。ヒータ33への通電は、通電しない状態を0%、通電し続ける状態を100%として、この間の通電比率P%を制御回路45が設定することで行われる。所定の比率で通電制御する方法としては、位相制御や波数制御が用いられる。また、制御回路45は、モータMの回転を制御することで、加圧ローラ32の回転を制御する。詳細には、モータMはギアGに接続されており、ギアGは加圧ローラ32の芯金32aの他端部側に取り付けられている。
次に、定着装置40のプリント時の定着動作を説明する。図6は定着シーケンス(定着処理)の動作のフローを示す図である。制御回路45はプリント開始の信号を受信すると(S1)、立上げ時用の通電比率(P1%)でヒータ33に通電を開始する(S2)。このときモータMは停止状態のままである。制御回路45はサーミスタTHの検知温度Theatがモータ駆動温度Tmoter以上であることを検知すると(S3)、モータMの駆動を開始して所定の速度で駆動させる(S4)。
モータMの駆動により加圧ローラ32は矢印R32方向(図1の反時計方向)に回転駆動される。加圧ローラ32が回転駆動すると、ベルト31が矢印R31方向(図1の時計方向)に従動回転する。このとき、ベルト31の内面はヒータ33やガイド部材34の表面に摺動している。即ち、加圧ローラ32が回転駆動されることで、ニップ部Nにおける加圧ローラ32との摩擦力によりベルト31に回転トルクが作用する。この回転トルクにより、ベルト31は、その内面をヒータ33に密着させて摺動しながら、ガイド部材34と加圧ステー35の外回りを加圧ローラ32の速度にほぼ対応した速度で回転する。すなわち、加圧ローラ32はベルト31を従動回転させる回転体として機能する。
制御回路45は、サーミスタ検知温度Theatが作像スタート温度Timage以上であることを検知すると(S5)、画像形成部の作像動作を開始させる(S6)。続いて、サーミスタ検知温度Theatが定着ヒータの目標温度Ttarget以上であることを検知すると(S7)、制御回路45はヒータ33への通電制御をPID制御に切換えて温度制御を行う(S8)。
画像形成部の作像動作により形成された未定着トナー像はシートPに転写された状態で定着装置40に搬送される。定着装置40に搬送される。
そして、そのシートPは定着装置40の入り口ガイド43に沿って案内されてニップ部Nに導入される。シートPはニップ部Nにおいてトナー像の担持面側がベルト31の外面に密着してベルト31と共に移動する。すなわち、制御回路45は、前記サーミスタ検知温度に基づいてシートを前記ニップ部へ搬送するタイミングの制御を行っている。
このニップ部NでのシートPの挟持搬送過程において、ヒータ33で発生した熱がシートPに付与され、未定着トナー像(画像)TがシートP上に溶融定着される。ニップ部Nを通過したシートPはベルト31から曲率分離され、定着排出ローラ(不図示)で定着装置40から排出される。分離ガイド44はニップ部Nのシート出口部よりもシート搬送方向下流側のベルト31の部分に近接した位置に設置されている。この分離ガイド44の先端位置は、ベルト31の回転時にベルト31と接触しないようにギャップを設けて配置されている。
制御回路45は、一連のプリント動作(プリントジョブ)における最後のシートがニップ部Nを通過した後に(S9)、ヒータ33への通電を停止してモータMを停止させる(S10)。
《潤滑剤》
本実施例では、ベルト31とヒータ33やガイド部材34との間の摩擦力を低減し、ベルト31を円滑に回転させるために、ベルト31の内周面とヒータ33の間に潤滑剤を設けている。ここで、ベルト31の内周面とヒータ33が摺動する領域を摺動部と呼ぶ。摺動部は、ベルト31の外周面側のニップ部Nの領域に対応したベルト31の内周面側の領域である。潤滑剤としては、耐熱性のあるオイルやグリスが望ましく、シリコーンオイル、PFPE(パーフルオロポリエーテル)、フッ素グリスなどが用いられる。本実施例では、潤滑剤として東レ・ダウコーニング(株)のフッ素グリス、MOLYKOTE(登録商標)HP−300を用いた。
ここで、ヒータ33の摺動面の、ヒータ長手方向においてサーミスタTHの温度検知面と対向する位置関係となる領域33Aを、サーミスタ部若しくはサーミスタ配置部と呼ぶ。図5に示すように、領域33Aは、長手方向においてサーミスタTHの検知面よりも広い領域である。そして、ヒータ33の摺動面の、ヒータ長手方向において領域33A以外(領域33Aよりも外側)の領域33Bをサーミスタ非配置部と呼ぶ。
本実施例では、新品状態の定着装置40において、ヒータ33の摺動面に予め潤滑剤を塗布しておくことで、摺動部に潤滑剤を介在させている。詳細には、図5の(d)に示すように、ヒータ33の摺動面には、領域33Aでは少なくともグリス130が実質塗布されることなく、領域33Bではグリス130が所定量塗布されている。
ここで、領域33Aにおける上記の「実質塗布されることなく」という形態には、グリス130が塗布されていない形態(非塗布の形態)と、グリス130が極微量に塗られている形態とが含まれる。
本実施例において、ヒータ長手方向における領域33Aと領域33Bの長さの合計は330mmであり、抵抗体33bの有効発熱領域長に対応している。このうち、領域33A(所定の領域、所定の範囲)はヒータ長手方向の中央の30mmの領域である。領域33Aには、ヒータ幅方向(シート搬送方向)において、5mmの幅となるように、全体で15mgのグリス130が塗布されている。領域33B(残りの領域、残りの範囲、所定の範囲の外側)は、ヒータ長手方向の330mmから領域33Aを除いた領域であり、ヒータ長手方向の長さの合計は300mmである。領域33Bには、ヒータ幅方向(シート搬送方向)において、5mmの幅となるように、全体で750mgのグリス130が塗布されている。ここで、対象の領域に塗布されたグリスの総塗布量と対象の領域の面積から、対象の領域における単位面積あたりのグリスの塗布量を求めることができる。
すなわち、領域33Aにおいて、グリス130が塗布された領域における単位面積あたりのグリス130の塗布量は0.1mg/mmである。したがって、領域33Aの内側では、ヒータ長手方向の1mm幅の範囲に存在するグリス130の総量は0.5mgである。つまり、ヒータ長手方向の単位長さあたりのグリス量は0.5mg/mmである。領域33Aに塗布されたグリス130を第1の潤滑剤と呼ぶ。
領域33Bにおいて、グリス130が塗布された領域における単位面積あたりのグリス130の塗布量は0.5mg/mmである。したがって、領域33Bでは、ヒータ長手方向の1mm幅の範囲に存在するグリス130の総量は2.5mgである。つまり、ヒータ長手方向の単位長さあたりのグリス量(潤滑剤量)は2.5mg/mmである。領域33Bに塗布されたグリス130を第2の潤滑剤と呼ぶ。
すなわち、ヒータ33の摺動面において、領域33Aのグリス塗布領域における単位面積あたりのグリス量は、領域33Bのグリス塗布領域における単位面積あたりのグリス量よりも少ない。
なお、ヒータ31にグリス130が塗布された後で且つ定着装置40に組み付けられる前の状態では、次のような手順によって各領域における単位面積あたりのグリス130の量を確認することができる。まず、対象の領域においてグリス130が塗布されている範囲の面積を計測する。次に、対象の領域からグリス130を削ぎ落としてその総量を計量する。そして、グリス120の総量を対象の領域の面積で除すことで、対象の領域における単位面積あたりのグリスの量を確認することができる。
また、ヒータ31にグリス130が塗布された後で且つ定着装置40に組み付けられた後の状態では、次のような手順によって各領域における単位面積あたりのグリス130の量を確認することができる。まず、ベルト31を任意の位置で停止させた状態で、ヒータ33の外形に沿ってベルト33に切り込みをいれる。次に、ヒータ31をガイド部材34から取り外す。このとき、ヒータ31の外形と同形状に切り出されたベルト片が、グリス130の粘性によってヒータ33が付着している。このようにして、定着装置40から摺動部だけを取り出すことができる。
そして、この摺動部の対象の領域からグリス130を削ぎ落としてその総量を計量する。詳細には、ヒータ31とベルト33からそれぞれグリス130を削ぎ落とす。そして、グリスの総量を対象の領域の面積で除すことで、対象の領域の単位面積あたりのグリスの量を確認することができる。
ここで、本実施例のヒータ33が組み込まれた新品状態の定着装置40においてヒータ30に通電を行い、ベルト31の表面温度とサーミスタ検知温度Theatを測定した。測定結果の温度上昇カーブを図7に示す。このベルト温度は、ベルト31のうち領域33Bと対向するベルト領域の平均的な表面温度である。
ここで、本実施例の領域33Aおよび領域33Bに相当する5mm幅の領域の全域に、均一にグリス130を塗布したヒータ33を比較例として挙げる。このとき、比較例のヒータ33のグリス塗布領域における単位面積あたりのグリス130の塗布量は0.5mg/mmである。つまり、ヒータ長手方向の1mm幅の範囲に総量で2.5mgのグリス130が設けられている(2.5mg/mm)。そして、ヒータ33が組み込まれた定着装置40においてヒータ30に通電を行い、ベルト31の表面温度とサーミスタ検知温度Theatを測定した。測定結果の温度上昇カーブを図7に示す。
図7に示すように、本実施例のヒータ33は、通電開始から14s後に、サーミスタ検知温度Theatが200℃に達した。これに対して、比較例1のヒータ33では、通電開始から10s後にサーミスタ検知温度Theatが200℃に達した。
サーミスタ検知温度Theatが200℃に達するまでの時間が、本実施例よりも比較例1の方が早いのは次のような理由による。即ち、比較例1は領域33Aにおけるヒータ33とベルト31間のグリス量が多いことでヒータ33からベルト31側への熱移動が阻害されている。そのため、ヒータ33のみが素早く昇温してしまっている。
図7に示すように、領域33Aのグリス塗布量が少ない場合(本実施例)では、サーミスタ検知温度Theatが200℃の時、ベルト温度が170℃に達している。これに対して、グリス130を領域33Aおよび領域33Bの全域に均一塗布した場合(比較例1)では、サーミスタ検知温度Theatが200℃の時のベルト温度は150℃までしか上昇していない。これは、比較例1では領域33Aのグリス量が多く、ベルト31に比べてヒータ33が素早く昇温してしまっているためである。したがって、ヒータ33からベルト31に熱が十分に伝わる前にヒータ33のみが高い温度にまで達してしまっている。つまり、サーミスタTHの検知温度とベルト31の表面温度に大きく差が生じてしまっている。
ここで、本実施例のヒータ33の領域33Aにあらかじめ塗布するグリス量を変更して、上述と同じようにサーミスタ検知温度Theatが200℃になった時のベルト表面温度をそれぞれ測定した。グリス量とベルト表面温度の関係を図8のグラフに示す。図8に示すようにグリス量が1.0mg/mm程度まではベルト表面温度に大きな差がない。しかし、それ以降は大きく表面温度が低下している。従って、領域33Aにグリス130を塗布する場合は、あらかじめ塗布するグリス量を1.0mg/mm以下(単位面積あたりでは、0.2mg/mm以下)とすることでベルト表面温度の低下を抑制できることがわかる。
また、領域33Bにおけるグリス130の単位長さ当りの塗布量を本実施例においては上記のように2.5mg/mmとしているが、これには限られない。領域33Bにおけるグリス130の単位長さ当りの塗布量は、1.5mg/mm以上4.5mg/mm以下(単位面積あたりでは、0.3mg/mm以上0.9mg/mm以下)とすることが好ましい。グリス130が1.5mg/mm未満であると、良好な潤滑効果が得られず、ベルト31を回転させるためのトルクが上昇してベルト31がスリップする虞がある。グリス130が4.5mg/mmよりも多いと、余分なグリス130がヒータ長手方向に移動してベルト31の端部から漏れ出す無駄なグリス量が多くなり、装置をグリス汚れさせてしまう。
すなわち、領域33Aのグリス塗布領域における単位面積あたりのグリス130の塗布量は、領域33Bのグリス塗布領域における単位面積あたりのグリス130の塗布量の2/3以下であることが望ましい。
図9は本実施例のヒータ33におけるグリス130の他の塗布形態例(変形例)である。
変形例では、上述した実施例に対して、グリス130を実質塗布しない範囲を変更している。即ち、変形例では、ヒータ33のベルト31と摺動する摺動面のヒータ長手方向において、ヒータ裏面側に設けられているサーミスタTHと対向する所定の領域33C(第1の領域、所定の領域)には少なくともグリス130を実質塗布しない。また、変形例ではこの所定の領域以外の領域33B(第2の領域、外側の領域)にはグリス130を所定量塗布する。領域33Bにおけるグリス130の単位長さ当りの塗布量は、上述した実施例と同様に、1.5mg/mm以上4.5mg/mm以下であることが好ましい。
変形例においては、領域33Cには単位長さ当り0.5mg/mmのグリス130を塗布している。この領域33Cについてその領域長さ(塗布範囲)をLとし、そのLを種々変更し、初期の定着性と定着処理の耐久試験後のスリップの確認を行った。その結果を図10に示す。
定着性の確認は次のような条件で行われる。すなわち、A4サイズの坪量80g/mのシートを使用し、定着装置40が室温まで冷やされた状態から未定着のベタ画像(トナー像)を連続して20枚の定着処理をした場合のトナー剥がれの有無を確認した。
スリップの確認は次のような条件で行われる。すなわち、A4サイズの坪量80g/mのシートを10万枚程度の定着処理をした後に、未定着の全面ベタ画像を定着処理した場合の画像の乱れやジャムの発生を確認した。
その結果、次のとおりである。すなわち、グリス130が少量塗布される領域33Cの塗布範囲Lが10mmまでは定着性に問題がなかった。しかしながら、塗布範囲Lを5mmまで狭くした場合とヒータ長手方向のグリス塗布領域の全域において2.5mg/mm(単位面積あたりで0.5mg/mm2)のグリスを塗布した場合では、トナー剥がれが発生し、定着性がNGとなった。つまり、領域33Cの幅が5mmの場合では、ヒータ33を定着装置40に取り付けた際に、領域33Cの両側端部からグリス130が多量に回り込んでしまい、領域33Cにおいて、ヒータ33とベルト31間での熱伝導性が低下してしまっている。
一方、グリス130が少量塗布される領域33Cの領域長さLが70mmまではベルト31がスリップする問題は発生しなかったが、領域長さLが80mm以上であると画像の乱れが生じる程度にベルト31のスリップが発生した。これは、領域33Cの広さに対してその両端側から回り込んでくるグリス量が少なく、領域33Cにおいてヒータ33とベルト31の摩擦が増大するためである。つまり、少量塗布範囲の領域長さLが広すぎる場合には、領域33Cに求められる領域33Bからのグリス130の回り込み量が不足してしまう。なお、領域33Cおよび領域33Bの全域を均一に0.5mg/mm(単位面積あたりでは、0.1mg/mm)しかグリス130を塗布しない場合には、グリス量不足によってベルト31がスリップすることが確認されている。
つまり、領域33Cのグリス塗布量をあらかじめ少なくし、領域33Cのグリス130が少量塗布される領域長(塗布範囲)Lを10mm≦L≦70mm(ヒータ33の有効発熱領域長に対するLの割合は3%以上21%以下)とすることで次の効果が得られる。即ち、本実施例によれば、ベルト31のトルクが上昇することによるベルト31のスリップの発生を抑制することができる。また、本実施例によれば、ベルト31がスリップしないように摺動部にグリス130を設けた場合であっても、サーミスタTHの検知温度とベルト表面温度の差の発生を抑制できる。したがって、定着不良の発生を抑制することができる。
なお、本実施例のヒータ33を用いる定着装置40において、ベルト交換をする場合、その交換方法は次の通りである。
まず、定着装置40の装置筐体50からベルトユニット30を取り外し、フランジ36A・36Bのいずれか一方を取り外す。これにより、ヒータ33を保持しているガイド部材34と加圧ステー35に外側から嵌め合わされている使用済みのベルト31を取り外すことができる。
次に、使用済みのベルト31を取り出す(画像加熱装置から使用済みのエンドレスベルトを取り出す工程)。ベルト31を取り出した後、ヒータ33に塗布されていたグリス130を拭き取って除去する(ヒータ33のベルト摺動面から潤滑剤を除去する工程)。その後、ヒータ33の摺動面に新しく潤滑剤を塗布する。このとき、領域33A又は領域33Cではグリス130を実質塗布せず、領域33Bにグリス130を塗布する(ヒータ33にグリス130を塗布する工程)。
このとき、領域33Bにおけるグリス130の単位面積あたりの塗布量は、0.3mg/mm以上0.9mg/mm以下とすることが好ましい。つまり、ヒータ長手方向の単位長さあたりにおけるグリス130の塗布量は、1.5mg/mm以上4.5mg/mm以下であることが好ましい。また、領域33Cに少量のグリス130を塗布する場合は、単位面積あたりのグリス量を0.2mg/mm以下とすることが好ましい。つまり、ヒータ長手方向の単位長さあたりにおけるグリス130の塗布量は、1.0mg以下であることが好ましい。さらに、領域33Cの領域長(塗布範囲)Lを10mm≦L≦70mm(ヒータ33の有効発熱領域長に対する割合を3%以上21%以下)とすることが好ましい。
そして、ヒータ33を保持しているガイド部材34と加圧ステー35に外から嵌めるようして新しいベルト31取り付ける(画像加熱装置に交換用のベルト31を取り付ける工程)。
そして、取り外されているフランジ36Aまたは36Bを装着してベルトユニット30を組み立てる。この組み立てたベルトユニット30を装置筐体50に組み付ける。
なお、ベルト31の交換後は、プリンタの試運転を行って、ベルト31にグリス130を馴染ませるとよい。
以上のようにベルト31を交換することで、本実施例の新品状態の定着装置40と同様の効果を得ることができる。
即ち、本実施例によれば、ベルト31のトルクが上昇することによるスリップの発生を抑制することができる。また、本実施例によれば、サーミスタTHの検知温度とベルト表面温度の差の発生を抑制できる。したがって、定着不良の発生を抑制することができる。
[実施例2]
本実施例2の構成は実施例1とほぼ同様であるので、主な相違点のみ説明する。つまり、同様の構成に関しては同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。実施例1では、ヒータ33の摺動面にあらかじめグリス130を塗布している。一方で本実施例2では、ベルト31の内面にあらかじめグリス130を塗布している。本実施例では、定着装置40をこのような構成にすることで、ベルト31を様に交換可能にしている。図11の(a)はベルト31の外観図である。図11の(b)はベルト31を長手方向A−B間で切り開いた展開状態での、ベルト31の内面のグリス塗布領域を説明する図である。
図5の(d)に示すように、本実施例ではヒータ33の領域33Bに対向する位置関係にあるベルト内面の領域31Bに予めグリス130が塗布されており、ヒータ33の領域33Aに対向し得るベルト内面の領域31Aにはグリス130が塗布されていない。本実施例では、ベルト内面領域31Aのベルト長手方向の幅を30mmとし、この幅のベルト内面領域31Aを除くベルト内周面領域31Bの全域にグリス130を塗布している。なお、本実施例では、ベルト31の内径は30mm、長手の幅は330mmであり、ベルト内周面の領域31Bにはベルト幅方向において単位長さあたり2.0mg/mmのグリスが塗布されている。ここで、ベルト31の内面の周方向長さは、φ30であるので約94.2mmである。したがって、領域31Bにおける単位面積当たりのグリス130の塗布量は、21μm/mmである。このようにある部分だけ塗布しない方が、ある部分だけ少量塗布するよりも塗布工程および管理が容易となる。しかしながら、内面領域31Aに極微小にグリスを塗布した場合でも本実施例と同様の効果を得ることができるため、内面領域31A(または後述する領域31C)に微小のグリスを塗布してもよい。このとき内面領域31A(または領域31C)に塗布するグリス量は、実施例1の領域33Aに塗布するグリス量と同様にベルトの幅方向において1.0mg/mm以下(単位面積あたりでは、10μg/mm以下)であることが望ましい。
ベルト内周面全域31Bにおけるグリス130の単位長さ当りの塗布量は、前述した実施例1と同様に、1.5mg/mm以上4.5mg/mm以下(単位面積あたりでは、16μg/mm以上47μg/mm以下)とすることが好ましい。したがって、領域33Aに少量のグリス130を塗布する場合は、領域33Aの単位面積あたりのグリスの塗布量を、領域33Bにおけるグリス130の単位面積あたりの塗布量の2/3以下にすることが望ましい。
定着装置40のベルト交換(画像加熱装置におけるエンドレスベルトの交換方法)は次のように行われる。まず、定着装置40の装置筐体50からベルトユニット30を取り外し、フランジ36A・36Bのいずれか一方を取り外す。これにより、ガイド部材34と加圧ステー35の外側に嵌め合わされている使用済みのベルト31を取り外すことができる。
次に、使用済みのベルト31を取り出す(画像加熱装置から使用済みのエンドレスベルトを取り出す工程)。そして、ベルト31を取り出した後、ヒータ33に塗布されていたグリス130を拭き取って除去する(ヒータ33のベルト摺動面から潤滑剤を除去する工程)。その後、上述(図10)したようにグリス130が部分的に塗布された新しいベルト31を、ヒータ33を保持しているガイド部材34と加圧ステー35に外側から嵌め合わせて取り付ける(画像加熱装置に交換用のエンドレスベルトを取り付ける工程)。
そして、取り外されているフランジ36Aまたは36Bを装着してベルトユニット30を組み立てる。この組み立てたベルトユニット30を装置筐体50に組み付ける。
実施例1と同様に、本実施例2のベルト31を装着している新品状態の定着装置40において、ヒータ33に通電をおこない、ベルト温度とサーミスタ検知温度Theatを測定して温度上昇カーブを確認した。また、比較例2として、ベルト内周面の全域にグリス130が塗布された新品状態のベルト31を定着装置40に装着して、ヒータ33に通電を行い、ベルト温度とサーミスタ検知温度Theatを測定して同温度上昇カーブを確認した。なお比較例2では、ベルト内面の領域31Aおよび31Bの全域において、グリス130を単位長さ当り2.0mg/mm(単位面積あたりでは、21μg/mm)で均一に塗布した。
その結果、領域33Aのグリス塗布量が少ない場合(本実施例2)では、サーミスタ検知温度Theatが200℃の時、ベルト31の表面温度が171℃に達していた。これに対して、グリス130をベルト内面の領域31Aおよび31Bの全域に均一塗布した場合(比較例2)では、サーミスタ検知温度Theatが200℃の時、ベルト31の表面温度が160℃までしか上昇しなかった。これは、比較例2では領域33Aのグリス量が多く、ベルト31に比べてヒータ33が素早く昇温してしまっているためである。したがって、ヒータ33からベルト31に熱が十分に伝わる前にヒータ33のみが高い温度にまで達してしまっている。つまり、サーミスタTHの検知温度とベルト31の表面温度に大きく差が生じてしまっている。
このように、本実施例では、ヒータ33のベルト摺動面において、領域33Aに対応するベルト内面領域31Aが非塗布となるように、ベルト内面にあらかじめグリス130を塗布している。このような構成により、本実施例では、ベルト31のトルクの上昇によるスリップの発生を抑制できる。また、本実施例では、定着装置が新品状態の場合やベルト31が交換直後の場合など、ヒータ33とベルト31の間にグリス130が多い状態においてベルト表面温度の低下を抑制でき、定着不良の発生を防止することができる。
図12は本実施例のベルト31の内面に対するグリス130の他の塗布形態例(変形例)である。変形例では、上述した実施例に対して、グリス130を実質塗布しない範囲を変更している。即ち、変形例では、ベルト幅方向において、サーミスタTHと対向する位置関係となる内面領域31Aを含む所定の内面領域31C(第1の領域)には少なくともグリス130が実質塗布しない。また、変形例では、この所定の領域31C以外の内面領域31B(第2の領域)にはグリス130が所定量塗布する。領域33Bにおけるグリス130の単位長さ当りの塗布量は、上述した実施例と同様に、1.5mg/mm以上4.5mg/mm以下であることが望ましい。
変形例においては、領域33Cには単位長さ当り0.5mg/mmのグリス130を塗布している。この領域33Cについてその領域長さ(塗布範囲)をLとし、そのLを種々変更し、初期の定着性と定着処理の耐久後のスリップの確認を行った。その結果を図10に示す。
そして、本実施例の変形例においても、図9に示す実施例1の変形例の場合と同様に、この領域31Cについてその領域幅をLとし、そのLを種々変更し、初期の定着性と定着処理耐久後のスリップの確認を行った。その結果、本実施例においてもう実施例1と同様の結果が得られた。つまり、内面領域31Cの領域幅Lをベルト31の幅方向において10mm≦L≦70mm(ベルト31の幅方向長さに対する割合を3%以上21%以下)にすると好ましいことがわかった。
以上に説明したように、本実施例によれば、ベルト31のトルクが上昇することによるベルト31のスリップの発生を抑制することができる。また、本実施例によれば、サーミスタTHの検知温度とベルト31の表面温度の差の発生を抑制することができる。そして、定着不良の発生を抑制することができる。
[その他の事項]
加熱部材としてのヒータ33はセラミックヒータに限られない。ベルトの内周面に当接する構成であれば、他の発熱方式のヒータを用いてもよい。例えばヒータ33は、励磁コイルで電磁誘導加熱される磁性部材や、ニクロムヒータであってもよい。
実施例1、2に記載の定着装置40は、シートPを中央基準で搬送する構成であるが、これには限られない。例えば、定着装置40は、シートPを片側端部基準で搬送する構成であってもよい。
画像加熱装置として未定着のトナー像を加熱する定着装置を例に挙げたが、これには限られない。画像加熱装置には、シート上に定着されたトナー像を加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢度増大装置であってもよい。
上述したように、実施例1および実施例2によれば、画像加熱装置において、ベルト31とヒータ33間摩擦によってベルト31のトルクが上昇することによるベルト31のスリップの発生を抑制することができる。また、本実施例によれば、サーミスタTHの検知温度とベルト31の表面温度の差の発生を抑制することができる。そして、定着不良の発生を抑制することができる。
P 用紙(シート、記録媒体)
31 エンドレスベルト(定着ベルト)
32 回転体(加圧ローラ)
33 加熱部材(ヒータ)
N ニップ部
TH 温度検出部材(サーミスタ)
130 潤滑剤(グリス)
33A 潤滑剤が実質塗布されていない領域
33B 潤滑剤が所定量塗布されている領域

Claims (20)

  1. シート上の画像をニップ部にて加熱する無端状のベルトと、
    前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ヒータは前記ベルトと協働して前記ベルトの内周面との間に摺動部を形成するヒータと、
    前記ヒータと協働して前記ベルトを挟むことで前記ベルトの外周面との間に前記ニップ部を形成する回転体と、
    前記ヒータの温度を検知すべく前記ヒータの前記摺動部側の面とは反対側の面に設けられた検知部材と、
    前記ニップ部にシートを搬送するタイミングを前記検知部材の出力に基づいて制御する制御部と、
    前記摺動部に設けられた潤滑剤であって、前記摺動部のうち前記検知部材と対向する位置関係となる領域には設けられず、前記摺動部のうち前記検知部材と対向しない位置関係となる領域の少なくとも一部に設けられる潤滑剤と、を有する画像加熱装置。
  2. 前記潤滑剤は、前記摺動部の長手方向の範囲のうち前記対向する位置関係となる領域を含む所定の範囲の内側には設けられず、前記長手方向の範囲のうち前記所定の範囲よりも外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記制御部は、前記検知部材により検知された温度に応じて前記ヒータへの通電を制御することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  4. シート上の画像をニップ部にて加熱する無端状のベルトと、
    前記ベルトを加熱するヒータであって、前記ヒータは前記ベルトと協働して前記ベルトの内周面との間に摺動部を形成するヒータと、
    前記ヒータと協働して前記ベルトを挟むことで前記ベルトの外周面との間に前記ニップ部を形成する回転体と、
    前記ヒータの温度を検知すべく前記ヒータの前記摺動部側の面とは反対側の面に設けられた検知部材と、
    前記ニップ部にシートを搬送するタイミングを前記検知部材の出力に基づいて制御する制御部と、
    前記検知部材と対向する位置関係となるように前記摺動部に設けられた第1の潤滑剤と、
    前記検知部材と対向しない位置関係となるように前記摺動部に設けられた第2の潤滑剤と、を有し、
    前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は、前記第2の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量よりも少ないことを特徴とする画像加熱装置。
  5. 前記第1の潤滑剤は、前記摺動部の長手方向の範囲のうち前記対向する位置関係となる領域を含む所定の範囲の内側に設けられ、前記第2の潤滑剤は、前記長手方向の範囲のうち前記所定の範囲よりも外側に設けられることを特徴とする請求項4に記載の画像加熱装置。
  6. 前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は、前記第2の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量の2/3以下であることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像加熱装置。
  7. 前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は0.2mg/mm 以下であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記第2の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は0.3mg/mm 以上0.9mg/mm 以下であることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  9. 前記第1の潤滑剤及び前記第2の潤滑剤はフッ素グリスであることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  10. 前記制御部は、前記検知部材により検知された温度に応じて前記ヒータへの通電を制御することを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  11. 画像加熱装置においてベルトに当接してこれを加熱するためのヒータであって、
    一方側の面で前記ベルトに当接する基板と
    前記基板上にその長手方向に沿って設けられた発熱体と
    前記基板の温度を検知すべく前記基板の前記一方側の面とは反対側の面に設けられた検知部材と
    前記基板の前記一方側の面に塗布された潤滑剤であって、前記一方側の面のうち前記検知部材と対向する位置関係となる領域には塗布されず、前記一方側の面のうち前記検知部材と対向しない位置関係となる領域の少なくとも一部に塗布される潤滑剤と、を有するヒータ。
  12. 前記潤滑剤は、前記長手方向の範囲のうち前記対向する位置関係となる領域を含む所定の範囲の内側には塗布されず、前記長手方向の範囲のうち前記所定の範囲よりも外側に塗布されることを特徴とする請求項11に記載のヒータ。
  13. 画像加熱装置においてベルトに当接してこれを加熱するためのヒータであって、
    一方側の面で前記ベルトに当接する基板と、
    前記基板上にその長手方向に沿って設けられた発熱体と、
    基板の温度を検知すべく前記基板の前記一方側の面とは反対側の面に設けられた検知部材と、
    前記検知部材と対向する位置関係となるように前記一方側の面に塗布された第1の潤滑剤と、
    前記検知部材と対向しない位置関係となるように前記一方側の面に塗布された第2の潤滑剤と、を有し、
    前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は、前記第2の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量よりも少ないことを特徴とするヒータ。
  14. 前記第1の潤滑剤は、前記長手方向の範囲のうち前記対向する位置関係となる領域を含む所定の範囲の内側に設けられ、前記第2の潤滑剤は、前記長手方向の範囲のうち前記所定の範囲よりも外側に設けられることを特徴とする請求項13に記載のヒータ。
  15. 前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は、前記第2の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量の2/3以下であることを特徴とする請求項13又は14に記載のヒータ。
  16. 前記第1の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は0.2mg/mm 以下であることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のヒータ。
  17. 前記第の潤滑剤の単位面積あたりの潤滑剤量は0.3mg/mm 以上0.9mg/mm 以下であることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載のヒータ。
  18. 前記第1の潤滑剤及び前記第2の潤滑剤はフッ素グリスであることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載のヒータ。
  19. シート上の画像をニップ部にて加熱する無端状のベルトと、前記ベルトの内周面に一方側の面で当接して前記ベルトの内周面との間に摺動部を形成し、前記ベルトを加熱するヒータと、前記ヒータと協働して前記ベルトを挟むことで前記ベルトの外周面との間に前記ニップ部を形成する回転体と、前記ヒータの温度を検知すべく前記ヒータの他方側の面上に設けられた検知部材と、前記ニップ部にシートを搬送するタイミングを前記検知部材の出力に基づいて制御する制御部と、を有する画像加熱装置におけるベルトの交換方法であって、
    前記画像加熱装置から使用済みのベルトを取り出す工程と、
    前記ヒータの前記一方側の面に潤滑剤を塗布する工程と、
    前記画像加熱装置に交換用のベルトを取り付ける工程と、を有し、
    前記ヒータの前記一方側の面に潤滑剤を塗布する工程において、前記摺動部のうち前記検知部材と対向する位置関係となる領域に潤滑剤は塗布されず、前記摺動部のうち前記検知部材と対向しない位置関係となる領域に潤滑剤が塗布されることを特徴とするベルトの交換方法。
  20. シート上の画像をニップ部にて加熱する無端状のベルトであって内周面に潤滑剤が塗布されたベルトと、前記ベルトの内周面に一方側の面で当接して前記ベルトを加熱するヒータと、前記ヒータと協働して前記ベルトを挟むことで前記ベルトの外周面との間に前記ニップ部を形成する回転体と、前記ヒータの温度を検知すべく前記ヒータの他方側の面上に設けられた検知部材と、前記ニップ部にシートを搬送するタイミングを前記検知部材の出力に基づいて制御する制御部と、を有する画像加熱装置におけるベルトの交換方法であって、
    前記画像加熱装置から使用済みのベルトを取り出す工程と、
    前記画像加熱装置に交換用のベルトを取り付ける工程と、を有し、
    前記交換用のベルトの内周面は、前記画像加熱装置が画像加熱をする際に前記検知部材と対向する位置関係となり得る領域には潤滑剤が塗布されておらず、前記画像加熱装置が画像加熱をする際に前記検知部材と対向しない位置関係となる領域の少なくとも一部には潤滑剤が塗布されていることを特徴とするベルトの交換方法。
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