JP2019056814A - 画像形成装置および定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント履歴や記録材幅に関わらず片寄せを精度良く検知し、定着部材の異常昇温の抑制と生産性の維持を両立できる画像形成装置および定着装置を提供する。【解決手段】ニップ部を形成する第1および第2の定着部材と、ニップ部を加熱する加熱部材と、長手方向で搬送中心の両側に配置され、時間変化に伴う温度を検知する第1および第2の温度検知手段と、記録材の幅方向のずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、今回のジョブにおける第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく第1の片寄せ指数と、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における温度の差の時間変化に基づく第2の片寄せ指数と、に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して記録材の幅方向における片寄せを検知する片寄せ検知手段と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置および定着装置に関する。
一般的な画像形成装置は、画像形成部において、感光体上に形成された静電潜像にトナ
ー等の現像剤を供給して可視画像を形成する。そして、トナーにより形成された可視画像
を、給紙カセットから画像形成部に搬送された用紙に転写する。次に、トナーによる可視
画像を転写された用紙を、定着装置まで搬送し、定着装置における加熱および加圧によって用紙にトナーを定着させる。
定着装置における課題の一つに非通紙部昇温がある。非通紙部昇温とは、最大通紙幅よりも幅の狭い記録材を通紙した時に、記録材が通過しない領域(非通紙部)においては記録材が熱を奪っていかないため熱が蓄積していき、温度が上昇する現象のことである。
非通紙部昇温による定着部材の昇温防止対策として、特許文献1のような手段が開示されている。すなわち、非通紙部に温度検知素子を配置し、温度検知素子の検知温度が所定温度に到達すると生産性(所定時間内にプリント可能な枚数)を低下させる等の非通紙部昇温を抑制する制御を実施している。
しかし、記録材が片寄せされた場合には、非通紙部に配設された温度検知素子の検知温度に対して想定以上に昇温している部分が生じてしまい、定着部材が熱によるダメージを受けて画質劣化などを招く可能性がある。
この問題を解決するために、画像形成装置において特許文献2および特許文献3のような手段が開示されている。特許文献2においては、定着部材に配設された温度検知素子の温度差のみにより片寄せを検知している。また、特許文献3においては記録材が定着ニップ部に突入したタイミングの温度検知素子の温度差を基準として、プリント中の温度検知素子の温度差の時間変化により片寄せを検知している。
特開2003−84619号公報 特開2011−27885号公報 特開2016−139075号公報
しかしながら、特許文献2のように温度検知素子の温度差では温度検知素子の個体ばらつきや定着部材の発熱分布のばらつき等のように、片寄せで生じる温度差以外の要素も含んでいる。そのため、片寄せ状態の検知精度としては低い。
また、特許文献3のように片寄せ状態以外の要素について配慮した制御においては、プリント開始前に温度履歴が残っていなければ片寄せを精度よく検知できる。しかし、前回のジョブ(全開のプリント)において片寄せであった場合は、前回のジョブの片寄せを考慮していないため検知精度が低下してしまう。すなわち、今回のジョブに至る前のジョブで片寄せがあった場合で、今回のジョブでは片寄せ状態に変化がない場合、以下のようなご判断を生ずる。すなわち、今回のジョブでは、第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化がゼロであるため、片寄せはないと誤った判断をしてしまうこととなる。
さらに、片寄せした時の温度検知素子の温度差は記録材の幅によって異なる。これは、非通紙部昇温時の非通紙部の温度分布が記録材の幅によって異なるためである。
ここで、片寄せである場合に片寄せを正しく検知できないと、定着部材が異常昇温となって熱によるダメージを受ける可能性がある。また、片寄せではない場合に片寄せと誤検知してしまうと、生産性の低下を招く。
本発明の目的は、プリント履歴や記録材幅に関わらず片寄せを精度良く検知し、定着部材の異常昇温の抑制と生産性の維持を両立できる画像形成装置および定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、回転可能な第1の定着部材と、前記第1の定着部材に対向し、前記第1の定着部材との間で前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、前記ニップ部を加熱する加熱部材と、前記第1の定着部材の記録材搬送方向に直交する長手方向において搬送中心の両側にそれぞれ1つ以上配置され、時間変化に伴う前記第1および第2の定着部材の少なくとも一方もしくは前記加熱部材の温度をそれぞれ検知する第1および第2の温度検知手段と、記録材の幅方向におけるずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、今回のジョブにおける前記第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく第1の片寄せ指数と、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における前記温度の差の時間変化に基づく第2の片寄せ指数と、に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して記録材の幅方向における片寄せを検知する片寄せ検知手段と、を有することを特徴とする。
また本発明に係る定着装置は、回転可能な第1の定着部材と、前記第1の定着部材に対向し、前記第1の定着部材との間でトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、前記ニップ部を加熱する加熱部材と、前記第1の定着部材の記録材搬送方向に直交する長手方向において搬送中心の両側にそれぞれ1つ以上配置され、時間変化に伴う前記第1および第2の定着部材の少なくとも一方もしくは前記加熱部材の温度をそれぞれ検知する第1および第2の温度検知手段と、記録材の幅方向におけるずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、今回のジョブにおける前記第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく第1の片寄せ指数と、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における前記温度の差の時間変化に基づく第2の片寄せ指数と、に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して記録材の幅方向における片寄せを検知する片寄せ検知手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、プリント履歴や記録材幅に関わらず片寄せを精度良く検知し、定着部材の異常昇温の抑制と生産性の維持を両立できる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の断面説明図 本発明の実施形態に係る画像形成装置に搭載される定着装置の横断面概略図 第1の実施形態に係る定着装置のニップ部近傍の短手方向断面拡大概略図 温度検知素子の配置位置を説明する図 幅216mm記録材プリント時の温度分布を説明する図 幅279mm記録材プリント時の温度分布を説明する図 第2の実施形態におけるヒータの通電発熱体層の形状を説明する図 第2の実施形態における幅216mm記録材プリント時の温度分布を説明する図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置などは、特に記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
まず、画像形成装置の全体構成について、図1の模式断面説明図を参照して画像形成動作とともに説明する。なお、本実施形態の画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを用いた、最も高いプロセス速度135mm/s、スループット(1分間にプリント可能な枚数)が30ppm(A4サイズ横送り)のカラーレーザープリンタである。通紙可能な記録材(記録紙、転写材)の最大幅は297mm(A4サイズ横送りまたはA3サイズ縦送り)、最小幅は76mmである。
画像形成装置本体に対して着脱自在なトナーカートリッジ1a、1b、1c、1dを備えている。これら4個のトナーカートリッジ1a、1b、1c、1dは、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーによる画像を形成する点で相違している。トナーカートリッジ1a、1b、1c、1dは、現像ユニット7a、7b、7c、7dと、像担持体ユニット8a、8b、8c、8dによって構成されている。
このうち前者の現像ユニット7a、7b、7c、7dは、現像ローラ4a、4b、4c、4dを有している。また後者の像担持体ユニット8a、8b、8c、8dは、それぞれ像担持体である感光ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電ローラ3a、3b、3c、3dと、ドラムクリーニングブレード5a、5b、5c、5dと、廃トナー容器とを有している。
トナーカートリッジ1a、1b、1c、1dの下方にはスキャナユニット6が配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム2a、2b、2c、2dに対して行う。
感光ドラム2a、2b、2c、2dは、帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット6によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ユニット7a、7b、7c、7dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
中間転写ベルトユニット30は、中間転写ベルト31が駆動ローラ32、二次転写対向ローラ36、テンションローラ33に張架されており、該テンションローラ33が矢印B方向に張力をかけている。また、各感光ドラム2a、2b、2c、2dに対向して、中間転写ベルト31の内側に一次転写ローラ34a、34b、34c、34dが配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。
トナー像が形成された各感光ドラム2a、2b、2c、2dが矢印方向に回転し、中間転写ベルト31が矢印A方向に回転し、さらに一次転写ローラ34a、34b、34c、34dに正極性のバイアスを印加する。これにより、感光ドラム2a上のトナー像から順次、中間転写ベルト31上に一次転写される。そして、4色のトナー像が重なった状態で、二次転写ニップ部37まで搬送される。
給搬送装置20は、記録材Pを収納する給紙カセット21内から記録材Pを給紙する給紙ローラ22と、給紙された記録材Pを搬送する搬送ローラ24とを有している。そして、給搬送装置20から搬送された記録材Pは、レジストローラ対23によって二次転写ニップ部37に略垂直に搬送される。
二次転写ニップ部37において、二次転写ローラ35に正極性のバイアスを印加することにより、搬送された記録材Pに、中間転写ベルト31上の4色のトナー像を二次転写する。トナー像転写後の記録材Pは、定着装置40に搬送され、定着スリーブ41と加圧ローラ42とによって加熱、加圧されて表面にトナー像が定着される。定着された記録材Pは、排紙ローラ対43によって排紙トレー44に排出される。
一方、トナー像転写後に、感光ドラム2a、2b、2c、2d表面に残ったトナーは、クリーニングブレード5a、5b、5c、5dによって除去される。また、記録材Pへの二次転写後に中間転写ベルト31上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置50のクリーニングブレード51によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路52を通過し、不図示の廃トナー回収容器へと回収される。
(定着装置)
以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置に搭載される定着装置について説明する。ここで、定着装置を構成する定着部材に関し、長手方向とは記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向であり、短手方向とは長手方向に直交する方向(記録材の搬送方向)である。また記録材に関し、幅方向とは記録材の搬送方向および記録材の厚さ方向に直交する方向であり、定着部材の長手方向に対応する。また、定着装置における横断面とは、定着部材の長手方向に直交する断面である。また、定着装置におけるニップ部とは、トナー画像を担持した記録材が加熱されて挟持搬送される定着のための領域である。
図2は、本実施形態に係る定着装置40の横断面模式図、図3は定着装置40のニップ部近傍の短手方向断面拡大模式図である。定着装置40は、回転可能な可撓性部材である第1の定着部材としての定着スリーブ41と、定着スリーブ41に対向する加圧部材である第2の定着部材としての加圧ローラ42と、加熱部材(加熱体)としてのヒータ60とを有する。そして、加圧ローラ42をヒータ60に加圧することによりニップ部Nを形成している。以下、主な定着部材について、詳細に説明する。
(定着スリーブ)
定着スリーブ41は、図3に示すようにエンドレス状(無端状)に形成した基層41aの外周に弾性層41bを形成し、その弾性層41bの外周に離型性層41cを形成したものである。この定着スリーブ41は、外径が24mmの円筒形状をしている。
基層41aは、ポリイミド等の樹脂系材料、もしくはSUS等の金属系材料が用いられる。本実施形態においては、強度との兼ね合いから厚さ30μmでエンドレス状に形成したSUSスリーブを用いた。
弾性層41bは、クイックスタートの観点から極力熱伝導率の高い材質を用いることが望ましい。本実施形態においては、弾性層41bとして、熱伝導率が約1.3W/mKのシリコーンゴムで、厚みが約250μmのものを用いた。
離型性層41cは、定着スリーブ41の表面にトナーが一旦付着し、再度記録材(記録材)Pに移動することで発生するオフセット現象を防止するために設けられている。離型性層41cの材料として、PTFE、PFA等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等が用いられる。本実施形態においては、離型性層41cを厚さ約30μmのPFAチューブとし、そのPFAチューブを弾性層41bであるシリコーンゴムの外周面に被覆したものを用いた。
なお、図2において、61はヒータホルダであり、62はステイである。
(加圧ローラ)
加圧ローラ42は、金属製の丸軸状の芯金42aの外周面に弾性層42bとして厚み約3mmの導電シリコーンゴム層を形成し、そのゴム層の外周面に離型性層42cとして厚み約50μmのPFAチューブを被覆したものである。この加圧ローラ42は、ヒータ60と平行に対向するように芯金42aの長手方向の両端部が不図示の軸受を介して定着装置40のフレームに保持されている。この加圧ローラ42の弾性層42bと離型性層42cとからなるローラ部の外径は25mmで、長手方向の長さ(長手幅)は325mmである。
この加圧ローラ42は、後述する駆動手段M(図2)により矢印の方向に回転駆動される。定着スリーブ41は、加圧ローラ42との摩擦力により、ヒータホルダ61(図2)周りを加圧ローラ42の回転速度と同じ速度で従動回転する。
(ヒータ)
加熱部材であるヒータ60は、記録材搬送方向と直交する長手方向に細長い基板60aを有する。この基板60aは、アルミナや窒化アルミ等のセラミックから成る良熱伝導性の絶縁性基板である。本実施形態では、基板60aは、熱容量と強度との兼ね合いから厚み1mm、幅8mm、長手サイズ375mmの長方形に形成したアルミナを用いた。
基板60aの裏面には、基板60aの長手方向に沿って発熱体としての抵抗発熱体層60bおよび60cが形成されている。抵抗発熱体層60bおよび60cは、AgPd合金や、NiSn合金、RuO2合金等を主成分とするものであり、厚さ約10μm、長さ310mm、幅4mmに成型されている。抵抗発熱体層60bおよび60cは、長手方向の両端部から不図示の電源により通電されることにより発熱する。
絶縁ガラス層60dは、抵抗発熱体層60bおよび60cをオーバーコートし、外部導電性部材との絶縁性を確保する。絶縁ガラス層60dは、更に、抵抗発熱体層60bおよび60cについて酸化等による抵抗値変化を防ぐための耐食機能、さらに機械的な損傷を防止する役割などを備えても良い。この絶縁ガラス層60dの厚さは、30μmである。
摺動層60eは、基板60aにおいて定着スリーブ41の内周面と摺動する表面に設けられた、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂を成分とする厚さ6μmの層である。摺動層60eは、耐熱性、潤滑性、耐摩耗性に優れた機能を有し、定着スリーブ41の内周面との滑らかな摺動性を与える。
(温度検知手段)
図4に、温度検知手段としての温度検知素子の配置について説明する。温度検知素子は温度制御用のサーミスタ63、非通紙部昇温検知用の第1および第2のサーミスタ64aおよび64bを有している。温度制御用のサーミスタ63は、図2に示すように定着スリーブ41の内面に接触し、長手方向においては図4に示すように搬送中心から20mmの位置(最小幅の記録材が通紙された場合でも通紙域となる位置)に配置されている。
また、非通紙部昇温検知用の第1および第2のサーミスタ64aおよび64bは、長手方向において搬送中心の両側にそれぞれ1つ以上配置され、時間変化に伴う温度をそれぞれ検知する。より具体的には、図2に示すようにヒータ60に接触し、長手方向においては図4に示すように搬送中心からそれぞれ152mmの位置に配置されている。すなわち、使用頻度の高いA4横送り(記録材幅297mm)やLRTTER横送り(記録材幅279mm)時に、非通紙部となる位置に配置されている。
(片寄せ検知手段)
次に、片寄せ検知手段100(図4)について説明する。ここで、記録材の片寄せとは、画像形成装置で推奨している搬送中心に対して実際の記録材の幅方向における中心(記録材中心)がずれている場合である。
本実施形態では、記録材の幅方向におけるずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、以下に示す第1および第2の片寄せ指数に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して、片寄せを検知する。
ここで、第1の片寄せ指数は、今回のジョブにおける第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく片寄せ指数である。また、第2の片寄せ指数は、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく片寄せ指数である。
より具体的には、本実施形態では、以下にように定義された片寄せ指数Tkyが、表1に示す記録材の幅サイズに応じた閾値を超えた場合(閾値以上となる場合)に片寄せを検知する。
Tky=|(Ta−Tb)−(Ta0−Tb0)+Tky pre|・・・・・式(1)
Tky pre ={(Ta0−Tb0)−(Ta0_cold−Tb0_cold)}×Tkyj/Tkyj_prej・・・・・・・・・・・・式(2)
Ta:今回のジョブにおけるプリント中のサーミスタ64aの検知温度
Tb:今回のジョブにおけるプリント中のサーミスタ64bの検知温度
Ta0:今回のジョブにおける1枚目の記録材が定着ニップに突入する前のサーミスタ64aの検知温度
Tb0:今回のジョブにおける1枚目の記録材が定着ニップに突入する前のサーミスタ64bの検知温度
Ta0_cold:今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における定着装置が十分に冷却された状態から加熱されて温度制御用サーミスタが所定温度になったとき(ニップ部が十分に冷却された状態から所定の加熱状態になったとき)のサーミスタTa温度
Tb0_cold:今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における定着装置が十分に冷却された状態から加熱されて温度制御用サーミスタが所定温度になったとき(ニップ部が十分に冷却された状態から所定の加熱状態になったとき)のサーミスタTb温度
Tkyj_pre:今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における前のプリントの記録材幅における閾値(表1)
Tkyj:今回のジョブにおける現在のプリントの記録材幅における閾値(表1)
ここで、式(1)の(Ta−Tb)−(Ta0−Tb0)の項は、ニップ部に記録材が突入してからのサーミスタ60aと60bの温度の差の時間変化量を表しており、この項で今回のジョブ(現在のプリント)における片寄せ状態が表わされる。一方、Tkypreで、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における片寄せ状態(前のプリントまでの間における片寄せ状態)が表わされる。
そして、式(2)の(Ta0−Tb0)−(Ta0_cold−Tb0_cold)の項で、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における片寄せ状態(前のプリントまでの間における片寄せ状態)が表わされる。そして、Tky/Tkyj_preで、記録材幅が今回のジョブ(現在のプリント)と、今回のジョブの直前のジョブ(直前のプリント)と異なる場合の補正が行われる。
すなわち、{(Ta0−Tb0)−(Ta0_cold−Tb0_cold)}/Tkyj_preで、今回のジョブの直前のジョブ(直前のプリント)までに片寄せに関する閾値にどれだけ近づいていたかが表わされている。そして、これにTkyjを掛ける(乗算する)ことで、今回のジョブ(現在のプリント)中の記録材幅にける片寄せ状態に変換している。なお、説明の便宜上、今回のジョブの直前のジョブまでは記録材幅が同じで、今回のジョブにおいて記録材幅が異なるものとした。
本実施形態の画像形成装置においては、Ta0_coldおよびTb0_coldの値を記録する手段を有しているが、画像形成装置がTa0_coldおよびTb0_coldの値を記録する手段を有していない場合は以下のようにしても良い。すなわち、式(2)の補正係数Tkyj/Tkyj_prejは同様として、(Ta0−Tb0)−(Ta0_cold−Tb0_cold)を以下のように置き換えても良い。
具体的には、今回のジョブの直前のジョブにおける片寄せ指数Tky0と、今回のジョブの直前のジョブからの経過時間に関する項に置き換えることができる。今回のジョブの直前のジョブからの経過時間が長くなると、自然冷却のため、直前のジョブにおける片寄せ指数Tky0は小さくなると考えられる。
また、別の手法として、片寄せ指数Tkyを以下のように算出することもできる。
Tky=|(Ta−Tb)−(Ta1−Tb1)+Tky pre|・・・・式(1’)
Tky pre={(Ta1−Tb1)−(Ta0−Tb0)}×Tkyj/Tkyj_pre・・・・・・・式(2’)
Ta1:プリント開始前のサーミスタ64aの検知温度(今回のジョブにおいて定着装置を加熱する直前のサーミスタ64aの検知温度)
Tb1:プリント開始前のサーミスタ64bの検知温度(今回のジョブにおいて定着装置を加熱する直前のサーミスタ64bの検知温度)
ここで、本実施形態において片寄せ状態を検知するための温度情報である閾値(Tky閾値)は、以下の表1に示すように記録材の幅方向のサイズに応じて設定されており、定性的には記録材の幅方向のサイズが小さくなる程小さくなっている。また、Tky閾値は、定量的には、非通紙部昇温時の温度分布におけるピーク位置とサーミスタ64aおよび64bの配置関係によって決まる。そして、この閾値は、長手方向において搬送中心が記録材の幅方向の中心と一致するように搬送されるときの記録材が通過しない領域に対応した領域の温度分布のピーク位置とサーミスタ64aおよび64bのうち少なくとも1つの位置が近いほど大きくなる。
幅216mm(LETTERサイズ縦送り)の記録材の片寄せに関して図5で、また幅279mm(LETTERサイズ横送り)の記録材の片寄せに関して図6で説明する。
図5は、幅216mm(LETTERサイズ縦送り)の記録材を正規の位置でプリントした場合と、左側に10mm片寄せした場合(非通紙部昇温が右側で強く発生)と、における定着スリーブ41の温度分布である。正規の位置でプリントした場合は、実線で示すようにほぼ左右対称となっている。そして、非通紙部昇温の温度分布のピークは、サーミスタ64a、64bよりも長手方向内側(中央位置側)にあり、サーミスタ64a、64bの位置では検知温度が低くなっている。
これは非通紙部昇温領域の内側は記録材によって熱が奪われ、非通紙部昇温領域の外側は加圧ローラや定着スリーブの放熱によって熱が奪われるためである。
一方で記録材を左側に10mm片寄せした場合、非通紙部昇温領域が広くなった側(右側)はピーク温度が高くなるが、サーミスタ64b位置においてはピーク位置から遠くなるため検知温度はそれほど高くならない。また、非通紙部昇温領域が狭くなった側(左側)は、ピーク温度が低くなるが、サーミスタ位置64aにおいてはピーク位置に近くなるため検知温度はそれほど低くならない。すなわち、正規位置でプリントした場合の非通紙部昇温のピーク位置がサーミスタ位置よりも内側にある場合は、片寄せした場合の影響がサーミスタでは検知しづらい。
次に、図6は、幅279mm(LETTERサイズ横送り)の記録材を正規の位置でプリントした場合と、左側に10mm片寄せした場合(非通紙部昇温が右側で強く発生)と、における定着スリーブ41の温度分布である。正規の位置でプリントした場合は、実線で示すようにほぼ左右対称となっている。そして、非通紙部昇温の温度分布のピークは、ほぼサーミスタ64aおよび64b位置となっている。
一方で記録材を左側に10mm片寄せした場合、非通紙部昇温領域が広くなった側(右側)はピーク温度が高くなり、ピーク位置がサーミスタ位置とは異なるものの、サーミスタ64b位置でも十分温度が高い。また、非通紙部昇温領域が狭くなった側(左側)はピーク温度が低くなり、サーミスタ位置64aにおいてはピーク位置からずれているため検知温度が低くなる。
すなわち、正規位置でプリントした場合の非通紙部昇温のピーク位置がサーミスタ位置付近の場合は、片寄せしたときの影響がサーミスタで検知し易い。
本実施形態においては、幅の広い記録材をプリントした際の非通紙部昇温のピーク位置に温度検知素子を配置している。そして、表1のように記録材の幅が小さいほど片寄せ状態を検知するTky閾値を小さくしている。
本実施形態においては、非通紙部昇温の温度分布と温度検知素子の配置の関係から、幅の広い記録材になるほど閾値を大きくしているが、本発明はこれに限定されない。非通紙部昇温の温度分布や温度検知素子の位置関係によっては、幅の広い記録材の方が閾値を小さくしていても構わない。
本実施形態においては、片寄せを検知した場合は定着部材の異常な昇温を防ぐために、後回転動作を行い、再度プリントを開始するサイクルダウン動作を行う。しかし、片寄せを検知した後の動作はこれに限定されず、記録材の搬送速度を遅くする、プリント動作を所定時間停止するまたは記録材の給送タイミングを遅くして記録材同士の間を広くする等、定着部材の昇温を抑制する手段であれば良い。また、片寄せ状態をユーザーに報知するようにしても良い。そして、これらの少なくとも一つを行うことが有効である。
(比較実験)
以下に示す比較実験で、片寄せの検知精度および定着器へのダメージの確認を行った。比較例1は、本実施形態と異なり、片寄せ状態を検知する閾値を記録材の幅サイズに拘らず一定(25℃)としたものである。また、比較例2は、片寄せ状態を検知する閾値を記録材の幅サイズに拘らず一定(50℃)としたものである。また、比較例3は、本実施形態と同様に片寄せ状態を検知する閾値を記録材の幅サイズに応じて変えるが、本実施形態と異なりTkyの算出式を以下のようにしたものである。
Tky=|(Ta−Tb)−(Ta0−Tb0)|としたもの(式(1)からTkypreの項を無くしたもの)
そして、確認条件は以下の表2の組み合わせで実施した。
表2における片寄せ量とは、記録材の幅方向における搬送中心と記録材中心のずれ量のことである。片寄せ量3mmまでは画像形成装置が部品ばらつきなどから許容している値であり、定着部材がダメージを受けて画像不良が発生する可能性もないため、片寄せを検知しない。一方、片寄せ量10mmでは、定着部材がダメージを受けて画像不良が発生する可能性があるため、片寄せを検知する。
各条件での確認結果を、表3および表4と共に以下に記す。
1a)片寄せ量10mmで216mm幅の記録材を50枚連続プリントした場合
本実施形態、比較例1、比較例3においては、片寄せ指数Tkyが閾値25℃に到達した時に片寄せ状態を検知し、サイクルダウン動作を行っている。そのため、定着部材の昇温を抑制できている。一方、比較例2においては、片寄せ指数Tkyが閾値50℃に到達していないため、サイクルダウン動作を行わない。そのため、片寄せにより非通紙部昇温領域が広くなった側の定着部材の温度が高くなり、定着部材がダメージを受けて画像不良が発生する可能性がある。
2a)片寄せ量10mmで216mm幅の記録材を5枚連続×10セットプリントした場合
本実施形態、比較例1においては、片寄せ指数Tkyが閾値25℃に到達した時に片寄せ状態を検知し、サイクルダウン動作を行っている。そのため、定着部材の昇温を抑制できている。しかし、比較例2においては、片寄せ指数Tkyが閾値50℃に到達していないためサイクルダウン動作を行わない。そのため、片寄せにより非通紙部昇温領域が広くなった側の定着部材の温度が高くなり、定着部材がダメージを受けて画像不良が発生する可能性がある。
また、比較例3においては、5枚連続の1セット毎に片寄せ指数Tkyがリセットされるため閾値25℃に到達しない。そのため、片寄せにより非通紙部昇温領域が広くなった側の定着部材の温度が高くなり、定着部材がダメージを受ける可能性がある。
3a)片寄せ量10mmで279mm幅の記録材を50枚連続プリントした場合
本実施形態、比較例2、比較例3においては、片寄せ指数Tkyが閾値50℃に到達した時に片寄せ状態を検知し、サイクルダウン動作を行っている。そのため、定着部材の昇温を抑制できている。しかし、比較例1においては、閾値25℃のため、少ないプリント枚数でサイクルダウンに入っており、必要以上に生産性を低下させている。
4a)片寄せ量10mmで279mm幅の記録材を5枚連続×10セットプリントした場合
本実施形態、比較例2においては、片寄せ指数Tkyが閾値50℃に到達した時に片寄せ状態を検知し、サイクルダウン動作を行っている。そのため、定着部材の昇温を抑制できている。しかし、比較例1においては、閾値25℃のため、少ないプリント枚数でサイクルダウンに入っており、必要以上に生産性を低下させている。
また、比較例3においては、5枚連続の1セット毎に片寄せ指数Tkyがリセットされるため閾値25℃に到達しない。そのため、片寄せにより非通紙部昇温領域が広くなった側の定着部材の温度が高くなり、定着部材がダメージを受けて画像不良が発生する可能性がある。
以上、片寄せ量10mmの結果をまとめると、表3のようになる。本実施形態の場合は記録材の幅、プリントモードに拘らず、適切に片寄せを検知しており、昇温による定着部材へのダメージ起因の画像不良リスクや不要な生産性低下を防止できている。
次に、片寄せ量3mmにおける各条件での確認結果を、以下に記す。
1b)片寄せ量3mmで216mm幅の記録材を50枚連続プリントした場合
本実施形態、比較例1、比較例2、比較例3において、片寄せ指数Tkyが閾値25℃または閾値50℃に到達せず、片寄せを検知しなかった。そのため、サイクルダウン動作を行わず、適正にプリント動作を行った。
2b)片寄せ量3mmで216mm幅の記録材を5枚連続×10セットプリントした場合
本実施形態、比較例1、比較例2、比較例3において、片寄せ指数Tkyが閾値25℃または閾値50℃に到達せず、片寄せを検知しなかった。そのため、サイクルダウン動作を行わず、適正にプリント動作を行った。
3b)片寄せ量3mmで279mm幅の記録材を50枚連続プリントした場合
本実施形態、比較例2、比較例3において、片寄せ指数Tkyが閾値25℃または閾値50℃に到達せず、片寄せを検知しなかった。そのため、サイクルダウン動作を行わず、適正にプリント動作を行った。一方、比較例1においては、片寄せ指数Tkyが閾値25℃を越えてしまい、片寄せと誤検知してしまった。そのため、サイクルダウン動作を行うことにより、生産性が低下してしまった。
4b)片寄せ量3mmで279mm幅の記録材を5枚連続×10セットプリントした場合
本実施形態、比較例2、比較例3において、片寄せ指数Tkyが閾値25℃または閾値50℃に到達せず、片寄せを検知しなかった。そのため、サイクルダウン動作を行わず、適正にプリント動作を行った。一方、比較例1においては、片寄せ指数Tkyが閾値25℃を越えてしまい、片寄せと誤検知してしまった。そのため、サイクルダウン動作を行うことにより、生産性が低下してしまった。
以上、片寄せ量3mmの結果をまとめると、表4のようになる。本実施形態の場合は、記録材の幅、プリントモードに拘らず、片寄せ状態を誤検知することなく適正にプリント動作を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、片寄せ指数に今回のジョブに至るまでのジョブ履歴(前ジョブのプリント履歴)を考慮した項TkyPreを含み、片寄せ状態と判断する閾値を記録材幅によって変更する。これにより、片寄せ状態を精度良く検知することが可能となり、定着部材のダメージが起因となる画像不良を防止できる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の画像形成装置および定着装置の構成は、第1の実施形態で示した図1乃至図3と同様であるため説明を省略する。また、温度検知素子の配置も図4と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態では、ヒータ60が発熱分布の異なる複数の発熱体を有する。図7を用いて、ヒータ60の基板60aおよび抵抗発熱体層60bおよび60cの形状を説明する。長手方向において中央部に対する端部の発熱量が小さい第1の発熱抵抗体である抵抗発熱体層60bは、短手方向の幅は長手方向の端部から中央にかけて連続的に細くなっている。一方で長手方向において中央部に対する端部の発熱量が大きい第2の発熱抵抗体である抵抗発熱体層60cは、短手方向の幅は長手方向の端部から中央にかけて連続的に太くなっている。
抵抗発熱体層60bと60cへの通電は独立で制御可能となっており、不図示のコントローラからの指示により抵抗発熱体層60bと60cへの通電量を変更することにより発熱分布を調整可能となっている。
図8は通電比率(発熱抵抗体層60bに対する発熱抵抗体層60cへの通電量)を変更して、幅216mm(LETTERサイズ縦送り)の記録材を正規の位置でプリントした場合の定着スリーブ41の温度分布である。
通電比率100%の温度分布と比較して、通電比率50%では非通紙部昇温のピーク位置が内側に移動しており、且つサーミスタ64aおよび64b位置における温度は低くなっている。第1の実施形態で説明した通り、正規位置における非通紙部昇温のピークがサーミスタ位置から離れていると片寄せ状態を検知しづらい。そのため、片寄せ状態を検知するTky閾値を表5のように、通電比率が小さくなるほど小さくする。
以上説明したように、本実施形態によれば、ヒータが長手方向の発熱分布を変更可能な場合でも、長手方向の発熱分布に応じて片寄せ状態を検知するTky閾値を変更することにより片寄せ状態を精度良く検知することが可能となる。このため、定着部材のダメージが起因となる画像不良を防止できる。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、片寄せ量3mmまでは片寄せ状態を検知しないものとした。しかしながら、本発明はこれに限られず、常時片寄せ量を検知(片寄せ量3mm以内でも常時検知)し、例えば片寄せ量が増加していく傾向が見られれば早目にサイクルダウン動作などを行うようにすることもできる。
(変形例2)
上述した実施形態では、非通紙部昇温検知用の第1および第2のサーミスタ64aおよび64bを、ニップ部において幅方向が小サイズの記録材が通過しない領域に対応したヒータ60における端部の領域に接触する構成としたが、本発明はこれに限られない。すなわち、上記第1および第2のサーミスタ64aおよび64bを、ニップ部において幅方向が小サイズの記録材が通過しない領域に対向する第1および第2の定着部材(定着スリーブ41および加圧ローラ42)の少なくとも一方に接触する構成としても良い。
なお、上述した実施形態では、温度制御用のサーミスタ63は、通紙可能な最少紙幅内で定着スリーブ41の内面に接触するように配置したが、通紙可能な最少紙幅内に対応させてヒータ60に接触させて配置してもよい。
(変形例3)
上述した実施形態では、ニップ部を加熱する加熱部材として、第1の定着部材である定着スリーブ41の内面に接触するヒータ60を用いたが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の定着部材である定着スリーブ41の内面から離間した定着スリーブ41の内部にハロゲンヒータを用いることもできる。また、第1の定着部材が発熱層を備える場合に、発熱層を発熱させるための電磁誘導用の励磁コイルや通電用の通電回路を、ニップ部を加熱する加熱部材として用いることもできる。
(変形例4)
上述した実施形態では、記録材として記録紙を説明したが、本発明における記録材は紙に限定されるものではない。一般に、記録材とは、画像形成装置によってトナー像が形成されるシート状の部材であり、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを給紙などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例5)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する定着装置を例に説明したが、本発明は、これに限らず、画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶ)にも同様に適用可能である
2a、2b、2c、2d・・感光ドラム、31・・中間転写ベルト、34a、34b、34c、34d・・一次転写ローラ、35・・二次転写ローラ、41‥‥定着スリーブ、42‥‥加圧ローラ、60‥‥ヒータ、64a、64b‥‥第1および第2の温度検知素子、100・・片寄せ検知手段

Claims (15)

  1. 記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、
    回転可能な第1の定着部材と、
    前記第1の定着部材に対向し、前記第1の定着部材との間で前記トナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、
    前記ニップ部を加熱する加熱部材と、
    前記第1の定着部材の記録材搬送方向に直交する長手方向において搬送中心の両側にそれぞれ1つ以上配置され、時間変化に伴う前記第1および第2の定着部材の少なくとも一方もしくは前記加熱部材の温度をそれぞれ検知する第1および第2の温度検知手段と、
    記録材の幅方向におけるずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、今回のジョブにおける前記第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく第1の片寄せ指数と、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における前記温度の差の時間変化に基づく第2の片寄せ指数と、に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して記録材の幅方向における片寄せを検知する片寄せ検知手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記片寄せ検知手段は、前記決定される値が記録材の幅方向のサイズに応じて定まる閾値以上となるとき、前記片寄せを検知することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記閾値は、長手方向において搬送中心が記録材の幅方向の中心と一致するように搬送されるときの記録材が通過しない領域に対応した領域の温度分布のピーク位置と前記第1および第2の温度検知手段のうち少なくとも1つの位置が近いほど大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記閾値は、記録材の幅方向のサイズが小さくなる程小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記決定される値が、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる閾値以上となるとき、前記第1および第2の温度検知手段のうち少なくとも1つは、前記ニップ部において記録材が通過しない領域に対応した位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記決定される値は、前記第1の片寄せ指数および前記第2の片寄せ指数の和に基づくことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 今回のジョブと今回のジョブに対する直前のジョブとで記録材の幅方向のサイズが異なるときの前記第2の片寄せ指数は、今回のジョブと今回のジョブに対する直前のジョブとで記録材の幅方向のサイズが同じときの前記第2の片寄せ指数に補正係数を乗算したものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記補正係数は、今回のジョブに対する直前のジョブにおける記録材の幅方向のサイズにおける閾値に対する、今回のジョブにおける記録材の幅方向のサイズにおける閾値の比であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1の片寄せ指数は、今回のジョブにおいて1枚目の記録材が前記ニップ部に突入したときからの前記温度の差の時間変化に基づくことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記第2の片寄せ指数は、前記ニップ部が十分に冷却された状態から所定の加熱状態になったときと、今回のジョブにおける1枚目の記録材が前記ニップ部に突入するときと、の間における前記温度の差の時間変化に基づくことを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  11. 前記第2の片寄せ指数は、今回のジョブに対する直前のジョブにおける片寄せ指数として決定された値と、前記直前のジョブから今回のジョブに至る経過時間と、に基づくことを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  12. 前記第2の片寄せ指数は、今回のジョブにおける1枚目の記録材が前記ニップ部に突入するときと、今回のジョブにおける前記ニップ部が加熱される直前のときと、の間における前記温度の差の時間変化に基づくことを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  13. 前記加熱部材は、前記長手方向において中央部に対する端部の発熱量が小さい第1の発熱抵抗体と、前記長手方向において中央部に対する端部の発熱量が大きい第2の発熱抵抗体と、を備え、
    前記第1の発熱抵抗体に対する前記第2の発熱抵抗体の通電量の比である通電比率を変更することで前記第1の定着部材の前記長手方向における発熱分布が変更可能であり、
    前記通電比率が小さくなるほど前記閾値を小さくすることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記片寄せを検知した場合は、後回転動作を実施する、記録材の搬送速度を遅くする、プリント動作を所定時間停止する、記録材の給送タイミングを遅くして記録材同士の間を広くする、片寄せ状態をユーザーに報知する、の少なくとも一つを行うことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 回転可能な第1の定着部材と、
    前記第1の定着部材に対向し、前記第1の定着部材との間でトナー画像を担持した記録材を挟持搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、
    前記ニップ部を加熱する加熱部材と、
    前記第1の定着部材の記録材搬送方向に直交する長手方向において搬送中心の両側にそれぞれ1つ以上配置され、時間変化に伴う前記第1および第2の定着部材の少なくとも一方もしくは前記加熱部材の温度をそれぞれ検知する第1および第2の温度検知手段と、
    記録材の幅方向におけるずれ度合を表す温度情報である片寄せ指数として、今回のジョブにおける前記第1および第2の温度検知手段でそれぞれ検知される温度の差の時間変化に基づく第1の片寄せ指数と、今回のジョブに至るまでのジョブ履歴における前記温度の差の時間変化に基づく第2の片寄せ指数と、に基づき決定される値を、記録材の幅方向のサイズに応じて定まる温度情報である閾値と比較して記録材の幅方向における片寄せを検知する片寄せ検知手段と、
    を有することを特徴とする定着装置。
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