JP2016139075A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録材の斜行や片寄せ等の搬送不良を、定着装置の長手方向両端の温度差からより正確に判別可能とし、記録材のジャム等のトラブル発生を防止する。
【解決手段】記録材Pの先端部が定着ニップ部Nに到達するタイミングでの第1温度検知部材51aと第2温度検知部材51bの検知温度差を第1の検知温度差ΔTbase、記録材Pの後端部が定着ニップ部Nを通り抜けたタイミングでの第1温度検知部材51aと第2温度検知部材51bの検知温度差を第2の検知温度差ΔTprintとした時に、第1の検知温度差と第2の検知温度差の差分|ΔTprint−ΔTbase|を求め記録材Pの搬送状態を判別する。
【選択図】図12

Description

本発明は、記録材に形成担持させた未定着トナー像を固着像として熱定着処理する加熱定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
従来のこの種の画像形成装置においては、未定着トナー像が形成された記録材を加熱定着装置の定着ニップ部に通過させてトナー画像に熱と圧力を付与することによって、トナー画像を記録材上に加熱定着している。
記録材はカセットやトレイから給紙され、画像形成部にてトナー像が形成され、定着装置に搬送されるが、記録材が適切にセットされていない場合には、記録材が斜行することによる印字精度の低下やジャムが起こることがある。また、記録材が基準位置からずれた状態で搬送されることにより、加熱定着装置の非通紙域の過昇温が生じ、その過昇温を抑制するために前記昇温抑制技術が意図せず作動して、生産性を低下させることがある。
このような記録材の斜行や片寄せ等の搬送不良を判断する方法として、従来から、特許文献1に記載のような画像形成装置が提案されている。
特許文献1には、小サイズメディア通紙の際に生じる非通紙部昇温を検知するための温度検知手段を利用し、両端の温度差が所定以上の値となった場合に記録材の片寄り等を検知して装置動作を制御する方法が記載されている。
特開2011−27885号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように、通紙に伴って生じた定着装置の長手方向両端部の温度差から記録材の斜行や片寄せを判断する方法では、正確な判断が困難であった。すなわち、定着装置の長手方向両端部の温度差は、記録材の片寄せや斜行だけでなく、画像形成装置内の昇温の左右差、温度検知手段の感度ばらつき、部材の耐久劣化に伴う検知温度の変動など、様々な要因によって生じる。従って、この判断方法では、少ない通紙枚数で精度の高い記録材の片寄せ判断を行うことは困難であり、片寄せ通紙を判断するためには多くの通紙が必要であった。まして、長手方向で小さな温度差しか生じない単発の斜行を検知するのはきわめて難しい。
本発明の目的は、記録材が定着ニップ部を通過する前後の定着部材の長手方向の温度差の変化を捉えることにより、記録材の斜行や片寄せ等の搬送不良を、より精度よく検知し得る画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、互いに圧接されて回転する定着部材と加圧部材とを有し、前記定着部材と加圧部材が圧接される定着ニップ部にトナー像が形成された記録材を搬送通過させてトナー像を記録材に定着する定着装置を備え、
該定着装置は、前記記録材の搬送方向と直交する方向の記録材両端部それぞれが搬送通過する位置近傍の前記定着部材の温度変化を検知する第1及び第2の温度検知部材を有する画像形成装置において、
前記記録材先端部が前記定着ニップ部に到達するタイミングでの前記第1温度検知部材
と第2温度検知部材の検知温度差を第1の検知温度差、前記記録材後端部が前記定着ニップ部を通り抜けたタイミングでの前記第1温度検知部材と第2温度検知部材の検知温度差を第2の検知温度差とした時に、第1の検知温度差と第2の検知温度差の差分を求め、求めた差分に応じて記録材の搬送状態を判断する判別手段を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、記録材が定着ニップ部を通過する前後の定着部材の長手方向の温度差の変化を捉えることにより、記録材の斜行や片寄せ等の搬送不良を精度よく検知することができ、誤判断によるユーザビリティの低下も防止することができる。
本発明が適用される画像形成装置の一例を模式的に示す断面図。 図1の定着装置をより詳細に示す横断面図。 図2の定着装置のニップ部近傍の部分拡大断面図。 図2の定着装置におけるサーミスタと用紙幅との位置関係を説明する図。 図2の定着装置をC方向から見た模式的構成図。 通常通紙時の端部サーミスタの温度推移を説明する図。 実施の形態1における通常通紙時の端部サーミスタと用紙の位置関係を説明する図。 実施の形態1における用紙斜行時の端部サーミスタの温度推移を説明する図。 実施の形態1における用紙斜行時の端部サーミスタと用紙の位置関係の説明する図。 実施の形態1における電気回路の主要部のブロック図。 実施の形態1における通常連続通紙時の端部サーミスタの検知温度差の説明図。 実施の形態1における搬送状態の判別手順を説明するフローチャート。 実施の形態2に係る定着装置を模式的に示す横断面図。 実施の形態2における搬送状態の判別手順を説明するフローチャート。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を詳細に説明する。
ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の材質、形状、その相対的配置などは、特に記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施の形態1]
<画像形成装置の全体構成>
まず、画像形成装置の全体構成について、図1を参照して画像形成動作とともに説明する。なお、本実施の形態の画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを用いた、プロセススピード240mm/s、スループット40ppm(A4サイズ縦送り)のカラーレーザープリンタである。
本画像形成装置は、本体に対して着脱自在なトナーカートリッジ1a,1b,1c,1dを備えている。これら4個のトナーカートリッジ1a,1b,1c,1dは同一構造であり、それぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナーによる画像を形成する。
トナーカートリッジ1a,1b,1c,1dの下方にはスキャナユニット6が配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム2a,2b,2c,2dに対して行う。
感光ドラム2a,2b,2c,2dは、帯電ローラ3a,3b,3c,3dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット6によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ローラ4a,4b,4c,4dによって反転現像されて負極
性のトナーが付着され、それぞれイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像が形成される。
感光ドラム2a,2b,2c,2d上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写ニップ部37まで搬送される。トナー像の転写は、各感光ドラムが矢印方向に回転し、中間転写ベルト31が矢印A方向に回転し、一次転写ローラ34a,34b,34c,34dに正極性のバイアスを印加することによりなされる。一次転写ローラ34a,34b,34c,34dは感光ドラム2a,2b,2c,2dに対向して配設されている。
上記中間転写ベルトユニット30は、中間転写ベルト31が駆動ローラ32、二次転写対向ローラ36、テンションローラ33に張架されている。
給搬送装置20は、記録材としての用紙Pを保持する記録材保持部材としての給紙カセット21と、この給紙カセット21内から用紙Pを給紙するカセット給紙ローラ22と、給紙された用紙Pを搬送するカセット搬送ローラ24とを有している。給紙カセット21内に用紙Pをセットする際には、手動で用紙Pの幅方向の両端を規制するための両端規制板、及び後端を規制するための後端規制板を動作させ、用紙Pの両端及び後端に各規制板を突き当てて用紙Pを保持する。そして、給搬送装置20から搬送された用紙Pはレジストローラ対23によって二次転写ニップ部37に略垂直に搬送される。
同様に、用紙Pをもう一つの記録材保持部材としての給紙トレイ26から給搬送することが可能である。給搬送装置25は用紙Pを給紙するトレイ給紙ローラ27と、給紙された用紙Pを搬送するトレイ搬送ローラ29を有している。給紙トレイ26に用紙Pをセットする際には、手動で両端規制板を動作させ、用紙Pの両端に突き当てて保持する。給紙トレイ26には傾斜が付いており、用紙Pの先端を不図示の突き当て部材に突き当ててセットする。
給紙カセット21からの搬送経路と給紙トレイ26からの搬送経路は、レジストローラ対23の上流で合流している。給搬送装置25から搬送された用紙Pは、給紙カセット21から給搬送された用紙Pと同様に、レジストローラ対23によって二次転写ニップ部37に搬送される。
二次転写ニップ部37においては、二次転写ローラ35に正極性のバイアスを印加することにより、搬送された用紙Pに中間転写ベルト31上の4色のトナー像を二次転写する。トナー像転写後の用紙Pは定着装置40に搬送され、定着部材としての定着フィルム41と加圧部材としての加圧ローラ42とによって加熱、加圧され、表面にトナー像が定着される。定着装置40は後述する温度検知部材としてのサーミスタを有し、画像形成装置はサーミスタの検知温度に応じて制御されている。定着された用紙Pは排紙ローラ対43によって排紙トレイ44に排出される。
一方、トナー像転写後に、感光ドラム2a,2b,2c,2d表面に残ったトナーは、クリーニングブレード5a,5b,5c,5dによって除去される。また、用紙Pへの二次転写後に中間転写ベルト31上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置70のクリーニングブレード71によって除去され、廃トナー搬送路72を通過し、不図示の廃トナー回収容器へと回収される。
これら一連の動作は、図10に示すように、画像形成装置が有する制御部100によって制御がなされる。
制御部100は、演算手段としてのCPU101、記憶手段としてのROM102、RAM103を有し、所定の方法で情報を処理して画像形成装置の動作を制御する。本実施の形態の特徴に関する点は後述する。
<定着装置の構成>
次に、上記定着装置について、図2乃至図5を参照して説明する。
本実施の形態に示す定着装置40は、図2に示すように、互いに圧接されて回転する定
着部材としての可撓性の定着フィルム41と加圧部材としての加圧ローラ42とを有するフィルム加熱方式の定着装置である。定着フィルム41は筒形状の回転体で、その内周面には加熱体としてのヒータ60が摺接しており、ヒータ60により加熱される。そして、ヒータ60によって定着フィルム41が加圧ローラ42と圧接され、定着ニップ部Nを形成している。この定着ニップ部Nにトナー像が形成された記録材としての用紙Pを搬送通過させてトナー像を用紙Pに定着する。
上記定着フィルム41、加圧ローラ42及びヒータ60は何れも細長い部材であり、長手方向に対して直交方向が用紙Pの搬送方向となる。
定着フィルム41は、図3に示すように、エンドレス状に形成した金属製(本実施の形態ではSUS)の基層41aの外周に弾性層41bを形成し、その弾性層42bの外周にPFA樹脂製の離型性層41cを形成したものである。弾性層41bとしては、たとえば高熱伝導シリコーンゴムをベースとしたものが用いられる。この定着フィルム41は、外径が24mm、長手幅が245mmであり、円筒状をしている。
加圧ローラ42は、図2に示すように、丸軸状の金属製の芯金42a外周面に弾性層42bを形成し、弾性層42bの外周面に離型性層42cを被覆したものである。弾性層42bとしては、たとえば、厚み約3mmの導電シリコーンゴム層が用いられ、離型性層42cとしては、たとえば、厚み約50μmのPFAチューブが用いられる。ローラの外径は、たとえば、25mm、長手幅は230mmである。
加圧ローラ42は、駆動手段Mにより矢印の方向に240mm/secの周速度で回転駆動される。定着フィルム41は加圧ローラ42との摩擦力によりヒータホルダ61の周りを加圧ローラ42の回転速度と同じ速度で従動回転する。
ヒータ60は長手方向に細長い基板60aを有する。この基板60aは、アルミナや窒化アルミ等のセラミックから成る良熱伝導性の絶縁性基板である。
基板60aの裏面(定着フィルム41と反対側)には、基板60aの長手方向に沿って発熱体としての抵抗発熱体層60bが形成されており、両端部から不図示の電源により通電されることにより発熱する。絶縁ガラス層60cは、抵抗発熱体層60bをオーバーコートし、外部導電性部材との絶縁性を確保する他、抵抗発熱体層60bについて酸化等による抵抗値変化を防ぐための耐食機能、さらに機械的な損傷を防止する役割などをもつ。60dは基板60aにおいて定着フィルム41の内周面と摺動する表面に設けられた摺動層であり、定着フィルム41の内周面との滑らかな摺動性を与える。
ヒータ60は、ヒータホルダ61により保持されている。ヒータホルダ61は、耐熱性樹脂により横断面円弧状樋型に形成され、その外周には定着フィルム41がルーズに外嵌されている。加圧ステー62は、剛性を有する金属等の材料により横断面下向U字形状に形成されている。この加圧ステー62は、定着フィルム41の内側においてヒータホルダ61の加圧ローラ42と反対側の面に配置されている。
定着フィルム41の長手方向両端部には、図5に示すように、耐熱性樹脂により形成されたフランジ63が嵌合されている。左右のフランジ63は、ヒータホルダ61及び加圧ステー62の両端部を支持しており、定着装置40に保持された左右一対の加圧バネ64により加圧ローラ42の方向に加圧されている。フランジ63は、左右両端部において、定着フィルム41の回転方向軌道及び長手方向端部を規制するように嵌合されている。そして、フランジ63の外周面を、定着フィルム41の内周面に摺動させることにより、定着フィルム41の回転方向軌道を規制する。また、定着フィルム41が長手方向端部に寄った場合には、フランジ63の凸端面に突き当たることにより、定着フィルム41端部を規制する。
(温度検知部材)
ヒータ60には、図2に示されるように、温度検知部材としての接触型のサーミスタ5
1が設けられている。サーミスタ51は、図4に示されるように、ヒータ60の非摺動面3か所を測定するもので、中央に位置する中央部サーミスタ51cと、長手方向両端部に位置する一対の端部温度検知部材としての端部サーミスタ51a、51bを有している。中央部サーミスタ51cは温度制御用のサーミスタであり、端部サーミスタ51a、51bは、非通紙部昇温検知のためのサーミスタである。L側端部の温度を測定するのが端部サーミスタ51a、R側端部の温度を測定するのが端部サーミスタ51bである。印刷される画像面の搬送方向先端を、図上で、上にした場合の用紙Pの左側が通過するのが前記L側、用紙Pの右側が通過するのがR側である。
長手両端の端部サーミスタ51a、51bは、小サイズメディア通紙時の非通紙部昇温検知を目的としており、本実施の形態における端部サーミスタ51a、51bの配設位置は、本装置の最大通紙幅のやや内側で、最大通紙幅近傍に位置している。すなわち、端部サーミスタ51a、51bは、用紙Pの搬送方向と直交する方向の記録材両端部である用紙Pの両端部それぞれが搬送通過する位置近傍に配置される。
具体的には、画像形成中心からそれぞれ長手方向100mm外側の位置であり、LETTERサイズ紙(紙幅216mm)、A4サイズ紙(紙幅210mm)が通常に通紙された場合には、端部サーミスタ51a、51bは、ほぼ制御温度同等の検知温度を示す。一方、A4サイズ紙よりも小さいB5サイズ紙(紙幅182mm)、A5サイズ紙(紙幅148mm)を連続通紙すると、非通紙部昇温を検知して、所定温度以上には非通紙部の温度が上がらないようにスループットを落とすなどの制御を行う。
<記録材の斜行・片寄せ>
給紙カセット21、または給紙トレイ26から記録材としての用紙Pの給搬送を適切に行ううえで、上述したように、ユーザは不図示の規制板を動作させて所定位置に用紙Pを保持する必要がある。ところが、操作が不十分だったり、操作をし忘れたりすることにより、規制板が用紙Pに突き当たらない場合がある。あるいは、指定以上の量の用紙Pを給紙カセット21や給紙トレイ26にセットしようとして用紙Pの積載量が規制板の高さを越え、用紙Pが規制板に保持されない場合がある。
給紙時に給紙ローラから用紙Pが受ける力は必ずしも完全に搬送方向と一致するわけではなく、規制板の位置がずれていると、用紙Pの端部が保持されていないために、用紙Pは斜行し始めることがある。その他の例としては、用紙Pの過積載により、規制板による用紙P端部の保持がなされない上に、想定外の位置に用紙Pの表面が摺擦し、用紙Pが斜行してしまうことがある。例えば、長手方向の片側のみ、用紙Pの表面が擦れて負荷を受けると、用紙Pに回転方向の力が加わるため、斜行となる。
搬送された用紙Pの斜行量が小さい場合にはレジストローラ対23で矯正されるが、レジストローラ対23による斜行の矯正量には限界がある。給紙時に用紙Pに大きな斜行が生じると、その斜行はレジストローラ対23で十分に矯正されず、用紙Pは通紙方向に対して傾いたまま二次転写部37に搬送され、その後、定着装置40を通過して排紙トレイ44上に排出される。斜行量がさらに大きい場合には、用紙Pは本来用紙が通過する領域をはみ出して搬送されるため、排出されるまでの間に搬送路中においてジャムとなったり、用紙Pの端部にダメージが生じる等の問題を生ずる可能性がある。
あるいは、規制板がずれることで用紙Pの幅方向の中心が搬送基準位置からずれてセットされると、いわゆる片寄せ通紙となることもある。片寄せ通紙の場合には、長手方向において用紙Pが寄った側と反対側において非通紙部昇温が大きくなり、期せずしてスループットが低下することがある。また、長手方向で温度差が生じると、定着フィルム41や加圧ローラ42のゴム層の膨張の長手差等により、定着フィルム41は長手方向に強い寄り力を受けてフランジ63に突き当たり、前記現象が繰り返すと前記SUS層の耐久性の低下を招くことがある。また、長手方向の温度差は定着フィルム41及び加圧ローラ42のゴム層の劣化の長手ムラにもつながり、長手方向の搬送性のバランスが崩れて用紙Pのしわなどの問題が発生する可能性がある。前述の懸念される問題を防止することが本発明
の目的であり、以下、その方法の詳細について説明する。
<斜行・片寄せ判別方法>
次に、本発明の特徴の斜行・片寄せ等の搬送不良の判別方法について説明する。
本実施の形態では、前記したようにヒータ60の長手方向両端に配置した端部サーミスタ51a、51bの検知結果を通じて、間接的に定着フィルム41の長手温度差の変化を検知し、用紙Pの斜行や片寄せを検知する。
図6は、1枚のLETTERサイズの用紙P(最大通紙幅216mm)を、給紙トレイ26に正しくセットして通常通紙した時の、端部サーミスタ51a、51bの検知温度の推移である。この場合の用紙搬送時における定着装置40の定着フィルム41と用紙Pの位置関係を図7に示す。この通紙においては斜行が発生していないため、端部サーミスタ51a、51bの検知温度の差は常にわずかである。図6中のΔTbase、ΔTprintについては後述する。
次に図8に、同じくLETTERサイズの用紙Pを給紙トレイに過積載して長手方向の両端をフリーな状態でセットし、用紙Pが斜行して通紙された場合の端部サーミスタ51a、51bの検知温度を示す。図9に、用紙Pが斜行した場合の定着装置40の定着フィルム41と用紙Pの位置関係を示す。合わせて図9に示すように、斜行量Sの定義は、記録材の先端部としての用紙Pの先端E1に対し、記録材の後端としての用紙Pの後端E2がL側に寄った量とする。図示例では、斜行量Sは14mmとしている。
斜行が無ければ、LETTERサイズの用紙Pの側縁E0と端部サーミスタ51aまたは51b間の距離Xは8mmであるが、斜行量Sが14mmにも及ぶ大きな斜行が生じると、用紙PがL側に寄ってしまう。すると、通紙の途中から用紙Pの後端までの領域Yでは、R側の端部サーミスタ51bの位置において用紙Pが定着フィルム41の熱を奪わなくなる。その結果、R側では定着フィルム41が昇温し、両端の端部サーミスタ51a−51b間で検知温度に差ΔT(ここでは7.8℃)が生じる。
先に例示した特許文献1などでは、この温度差を基に用紙Pの斜行や片寄せの検知を行っていたが、発明者らの検討によれば、それだけでは高い精度の斜行・片寄せ検知ができない。その理由を以下に説明する。
図11に、一例として定着装置が冷えた状態から、斜行なく連続して160枚通紙が行われた場合の端部サーミスタ51a,51bの検知温度の推移を示す。斜行を生じずに通紙が行われても、わずか160枚の通紙中に、端部サーミスタ51a−51b間の検知温度差ΔTが約4℃変化することがわかる。ここでは、単一の連続通紙ジョブにおける短期間の端部サーミスタ51a−51b間検知温度差の変化例を示したが、装置を長期間使用することによって生じる端部サーミスタ51a−51b間の検知温度差の変化もある。
端部サーミスタ51a−51b間の検知温度差は、装置内の昇温の長手方向ムラ、サーミスタの感度ばらつき、画像形成装置の部品や組み立てのばらつきに起因する長手方向における用紙Pの片寄り、部材の耐久劣化に伴う検知温度の変動など様々な要因によって生じる。用紙Pの斜行に伴って生じる数℃の長手温度差によって斜行を正確に検知するためには、通常の通紙中において生じる長手方向の温度差が数℃であっても無視できない。
つまり、正確に斜行を検知するためには、通紙開始時の定着装置の状態を把握する必要があり、そのために用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達するタイミングの長手方向の温度差を測定することとした。
そして、本実施の形態においては、前述した用紙P通紙前後の定着装置40の長手方向の温度差の変化度合を基に用紙Pの斜行・片寄せを判別している。
以下、図12のフローチャートに従って、本実施の形態1における搬送状態の判別方法を詳細に説明する。
印刷開始(S1201)後、用紙P先端が定着ニップ部Nに到達するタイミングで、一
対の端部サーミスタ51a、51bの検知温度から第1の検知温度差ΔTbaseを取得する(S1202)。次に、用紙P後端が定着ニップ部Nを通り抜けるタイミングで、一対の端部サーミスタ51a、51bの検知温度から第2の検知温度差ΔTprintを取得する(S1203)。
用紙P先端が定着ニップ部Nに到達するタイミングとは、用紙P先端が定着ニップ部Nへ到達する前後のタイミングであり、定着ニップ部Nで定着フィルム41の熱が用紙Pに奪われる影響が、温度として端部サーミスタ51a、51bに明確に検知される前のタイミングを指している。
同様に、用紙P後端が定着ニップ部Nを抜けるタイミングとは、用紙P後端が定着ニップ部Nを抜ける前後のタイミングであり、定着フィルム41の熱が用紙Pに奪われた影響が、温度として端部サーミスタ51a、51bの検知温度に最も大きく反映されるタイミングを示している。
本実施の形態では、記録材先端部である用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達するタイミングを、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに進入し始める前後所定時間、たとえば、0.3sec、合計0.6sec間と定める。その間に端部サーミスタ51a、51bが示すそれぞれの平均温度TLin、TRinを用いて、温度左右差である第1の検知温度差ΔTbaseを、
ΔTbase=TLin−TRin (式1)
とする。
同じく、記録材後端部である用紙Pの後端が定着ニップ部Nを抜けるタイミングを、用紙Pの後端が定着ニップ部Nを抜け出る時点から0.3秒後以降1.2sec後までの0.9sec間と定める。そして、その間に端部サーミスタ51a、51bが示すそれぞれの平均温度TLout、TRoutを用いて、温度左右差である第2の検知温度差ΔTprintを、
ΔTprint=TLout−TRout (式2)
と定義する。
本実施の形態の構成においては、例え連続通紙で後続の紙が印刷される場合であっても、用紙Pの後端が定着ニップ部Nを通過した後、定着フィルム41が4回転程度、つまり約1.2secの間は斜行・片寄せに伴う定着フィルム41の昇温の影響が大きく出ることがわかったため、第2の検知温度差ΔTprintの測定タイミングを前記の通りとした。
本実施の形態では、第1の検知温度差ΔTbase、第2の検知温度差ΔTprintは所定期間の平均温度を基に算出しているが、定着装置40の長手温度差を表す指標であれば、例えば期間の最大値等、他の演算値でも良い。
ここでTLは端部サーミスタ51aの検知温度、TRは51bの検知温度を表し、用紙Pが定着ニップ部に到達するタイミングの温度をTLin、TRinとする。また、用紙Pの後端が定着ニップ部を抜けるタイミングの温度はTLout、TRoutである。
そして、前記した手順で求めた第1の検知温度差ΔTbaseと第2の検知温度差ΔTprintの差分|ΔTprint−ΔTbase|を演算し、演算された差分が予め定められた基準値である検知閾値Vと比較して搬送状態を判別する。
具体的には、次の条件式、
|ΔTprint−ΔTbase|≧V(例、5℃)
を満たすかどうかで判別している(S1204)。この例では、検知閾値Vを5(℃)に設定し、上記条件式を満たした場合、すなわち、第1の検知温度差ΔTbaseと第2の検知温度差ΔTprintの差分が、検知閾値V(5℃)以上となると、用紙Pの搬送状態が異常であると判別する。すなわち、その用紙Pは、斜行・片寄せが生じているものと判別する(S1205)。
さらに、斜行・片寄せがあったものとして、記録材保持状態である用紙のカセット21上あるいはトレイ26上へのセット状態が適切でない可能性があることをユーザに通知する(S1206)。ユーザへの通知は、図10に示すように、制御部100から通知信号が出力され、たとえば、コントロールパネル104の表示部に表示される。もっとも、ユーザに報知できればよく、音が鳴るようにしてもよく、何らかの報知がなされればよい。
図8にも示したように、本実施の形態においては、用紙Pに斜行が発生し、斜行量Sが14mmの場合、ΔTbase=0.6、ΔTprint=7.8であったことから、
差分|ΔTprint−ΔTbase|=7.2℃となり、
用紙Pの斜行を検知することができる。
ここで用いた用紙Pは坪量が75g/mの用紙、Xerox社製、商品名「business Multipurpose 4200」である。
なお、上記説明では、斜行量Sが14mmの時に生じる端部サーミスタ51a、51bの検知温度差の変化を例にとって説明したが、本実施の形態の構成においては、9mm以上の斜行が生じたときに検知可能であり、斜行量Sが大きいほど、装置が用紙の斜行を検知する頻度が高くなった。
[用紙サイズと判断基準]
前述したように斜行検知のし易さは、用紙Pの端部位置と端部サーミスタ51a、51bの位置の関係に依存しており、従って用紙のサイズによっても斜行検知のし易さには差がある。本実施例においては、LETTERサイズ紙を流す場合について説明しているが、本実施例の効果は特定サイズの用紙Pを通紙した場合に限られるものではない。
たとえば、用紙サイズによらず、長手方向の温度差の変化が所定の検知閾値以上となった場合に用紙の斜行を判断することが可能である。一例を挙げると、LETTERサイズ紙よりも約6mm幅が狭いA4サイズ紙では、6mm程度の斜行量でも斜行検知が可能であった。
また、用紙サイズ毎に異なる基準値である斜行検知値を設定し、用紙サイズに依らず同程度の斜行量Sの時に斜行検知をしても良い。例えば、LETTERサイズ紙の斜行を検知する斜行検知値が5℃の場合、A4サイズ紙の斜行検知値を7.5℃にし、A4サイズ紙においてもLETTERサイズ紙と同様に、約9mmの斜行が生じた場合に用紙の斜行を検知することができる。
[用紙の坪量と判断基準]
また、同じ斜行量でも、用紙Pの坪量によっても長手温度差の変化は異なり、坪量が大きいほど変化が大きく、小さいほど変化が小さい傾向にある。用紙の坪量や表面性等の要因によって、トナーを定着するために必要な熱量は異なる。用紙の坪量や種類によって画像形成のプロセススピードや、定着の制御温度を調整して、それぞれの用紙に対するトナーの定着性を確保するのが一般的である。同一のプロセススピードで異なる坪量の用紙の定着性を確保する場合には、坪量の大きい用紙ほど制御温度を高くして与える熱量を確保しており、坪量の小さい用紙よりも大きい用紙に対しては単位面積、あるいは単位時間当たりに供給される熱量が大きくなる。
その結果、用紙Pが斜行、あるいは片寄せして通紙されると、昇温する長手片側のサーミスタ位置は用紙が通過していないことから、坪量が大きな用紙を通紙した時ほど昇温が大きくなる。これは一般的な非通紙部昇温で知られているのと同様の現象である。
従って、用紙の斜行に伴って長手方向の温度差が生じやすい坪量の大きな厚紙では、誤検知を防止するために、検知閾値Vを薄い紙よりも大きめにするなど、使用されるメディアの坪量によっても検知閾値Vを調整する等しても良い。
[用紙の表面性と判断基準]
同様に、用紙Pの表面性もトナーの定着性に影響があり、表面性が粗い用紙メディアでは制御温度を高くすることがある。前記坪量の場合と同様に、表面性が粗いメディアでは
検知閾値Vを大きく設定しても良い。坪量や表面性の判断は、ユーザによる設定値であっても、本体が有する不図示のメディア検知センサ等であっても良い。
[用紙種別による制御例]
一例として、本実施の形態における画像形成装置の動作を説明する。
本実施の形態の画像形成装置では、用紙の種類に応じて、通常紙プリント用モード、薄手通常紙プリント用モード、厚手通常紙プリント用モード、ボンド紙プリント用モードを有している。通常紙、薄手通常紙、厚手通常紙それぞれの想定坪量は、通常紙では75〜80g/m、薄手通常紙では60g/m前後、厚手通常紙では100g/m前後である。それぞれのプリントモード用の制御温度は、通常紙プリントモードに対し、薄手通常紙プリント用モードで(−15℃)、厚手通常紙プリント用モードでは(+15℃)である。また、ボンド紙プリント用モードでも、制御温度は通常紙プリント用モードに対し(+15℃)である。
本実施の形態では、坪量に依らず、同一サイズの用紙でほぼ同じ斜行量Sにて斜行を検知するために、それぞれのプリントモード毎に異なる判断基準値としての検知閾値Vを有する構成とした。前述のように、通常紙プリント用モードの斜行検知値は5℃とし、それぞれのモードの検知閾値Vを、薄手通常紙プリント用モードでは4℃、厚手通常紙プリント用モードでは6.5℃とする。さらに、ボンド紙プリント用モードでも6.5℃とすることで、LETTERサイズ用紙であれば9mmの斜行を検知することができる。
[第1の検知温度差ΔTbaseの測定タイミング]
本実施の形態における第1の検知温度差ΔTbaseの測定タイミングは、上記した通り、用紙Pが定着ニップ部Nに到達するタイミング前後で、通紙用の温調制御がなされているタイミングとした。理由は、比較的、端部サーミスタ51a−51b間の温度差が安定しているためである。本実施の形態では、通紙用の温調開始は、定着ニップ部Nに用紙Pの先端が到達する0.3sec(およそ定着フィルム41の1回転にかかる時間)前であり、第1の検知温度差ΔTbaseの測定開始点とした。
第1の検知温度差ΔTbaseの取得終了タイミングは、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達するタイミングとしても良いが、ヒータ60の温度が比較的安定している範囲で測定時間は長い方が望ましい。本実施の形態の構成においては、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達後、定着フィルム41が約1回転した時点をΔTbaseの測定終了点とした。
定着フィルム41から用紙Pへの熱伝達は幅約9mmの定着ニップ部Nで局所的に行われる。用紙Pに定着フィルム41の熱が伝達されたか否かの影響が端部サーミスタ51a,51bの検知温度に現れるのは、用紙Pが定着ニップ部Nに到達してからおおよそ定着フィルム41一周後以降である。そのため、ΔTbaseの測定終了タイミングは前記のとおりとした。
[ΔTprintの測定タイミング]
一方、第2の検知温度差ΔTprintの測定タイミングは、用紙Pの定着ニップ部N通過が端部サーミスタ51a,51bの検知温度に影響しやすいタイミングとしている。
用紙Pの斜行・片寄せの量は一定ではないため、定着フィルム41の昇温が端部サーミスタ51a、51bの検知温度に影響し始めるタイミングも一定ではない。しかしながら、用紙Pが定着ニップ部Nを通過し終えてから定着フィルム41が1回転(凡そ0.3sec)した後には端部サーミスタ51a、51bの検知温度に用紙Pの斜行・片寄せの影響が出始める。また、次に通紙される用紙Pが斜行もしくは片寄せ通紙されていない場合でも、定着フィルム41が1回転する間は前の通紙の昇温の影響が残る。さらに用紙Pの斜行や片寄せに伴う定着フィルム41の昇温が端部サーミスタ51a、51bの検知温度に反映されるまでには各部材の熱伝導性に起因するディレイもある。
これらの特性は、定着装置40の構成やその材質等に応じて変化するが、これらの測定
タイミングは、用紙Pが定着ニップ部を通過する前後の第1、第2の検知温度差の変化を把握することが目的であり、前記目的が達せられる範囲で、構成や材質等に応じて第1、第2の検知温度差ΔTbase、ΔTprintの取得タイミングを決定することができる。
[制御ブロック構成]
図10は画像形成装置の電気回路の要部を示すブロック図であり、上記した図12のフローチャートに基づく一連の動作は、制御部100によって実行されるもので、この制御部100が本願発明の判別手段を構成する。
各端部サーミスタ51a、51bは、画像形成装置の動作を制御する制御部100に接続されている。斜行もしくは片寄せ通紙の検知に関して説明すると、端部サーミスタ51a,51bで検知された温度情報は、制御部100内部のCPU(中央演算処理部)101によって、所定の演算がなされる。
演算結果は記憶手段としてのRAM103に一旦格納することができ、同じく制御部101内部の記憶手段であるROM102にあらかじめ格納された斜行・片寄せを判断する基準値としての検知閾値Vと比較される。斜行もしくは片寄せと判断された場合には、制御部100から装置が有するコントロールパネル104、あるいはコンピュータ105に対して信号を出力し、ユーザに用紙セットが適切でないことを報知することができる。一例の演算手順は、上記した図12のフローチャートの説明の通りであり、フローチャートに基づいて演算処理される。
また、信号を出力するだけでなく、斜行・片寄せ情報を、発生タイミング、画像形成装置の使用状況を表すデータと共に、コンピュータ105や、画像形成装置内部のメモリに保存しておくこともできる。
なお、本実施の形態においては、記録材1枚毎、すなわち用紙Pの1枚通紙毎に、第1
の検知温度差ΔTbaseと第2の検知温度差ΔTprintを求め、演算を行って、斜行や片寄せの搬送状態の判別を行う場合について述べてきたが、第1,第2の検知温度差
の測定タイミングや、斜行・片寄せの判断をする基準判断基準である検知閾値は、装置の構成に応じて定めるものである。
また、判断基準となる検知閾値は、前記の値に限られるものではなく、より判断の失敗を減らすように設定としても良い。
また、本実施の形態1においては、ユーザに対して用紙Pのセット状態が適切でない可能性を通知するが、ユーザに通知せず画像形成装置のメモリに残すだけにしても良い。あるいは、通知だけでなく、用紙Pの画像不良やジャムのリスクがあるため強制的に印刷を停止しても良い。
[用紙サイズと端部サーミスタ51a、51bの位置関係]
また、本実施の形態においては、長手両端の端部サーミスタ51a、51bの配設位置は、装置の最大通紙幅に対し所定量X(たとえば8mm)中央寄りとしたが、配設位置はその限りではない。本実施の形態で述べた斜行・片寄せ検知は、端部サーミスタ51a、51bの配設位置の定着フィルム41の熱量が用紙Pに奪われるか否か、あるいは用紙Pが基準位置からずれたことによる非通紙部昇温の差によって生じる長手検知温度差に基づいて行われる。そのため、斜行・片寄せ検知の観点では、対象とする用紙Pの幅方向端部位置に近い方が、検知感度が高くなる。つまり、用紙Pの斜行・片寄せ時に生じる長手検知温度差が大きくなり、斜行量が小さくても斜行判断が可能になる。
一方、長手両端の端部サーミスタ51a、51bの配設目的は、小サイズ用紙通紙時の非通紙部昇温検知にあり、非通紙部昇温検知を目的とした端部サーミスタ51a、51bの配設位置とのバランスで配設位置を決定すると良い。本実施の形態においては、A4サイズより幅が小さい用紙(メディア)を通紙した際の非通紙部昇温を精度良く検知するため、A4用紙幅よりも中央寄りに両端の端部サーミスタ51a、51bを配設している。
A4サイズ以上の幅広の用紙(メディア)では非通紙部昇温を検知することが困難であるため、ヒータ60の長さを調整してA4やLETTERなど幅広の用紙(メディア)においては端部の定着性を確保しつつ、非通紙部昇温も最小限に抑えられる構成としている。
また、端部サーミスタ51a、51bを、ヒータ60の非摺動面に接触させる構成について説明してきたが、前述したように定着フィルム41の内面側に当接させる、あるいは、表面側から非接触で温度を測定する等の構成でも、本件発明の効果は変わらない。
つまり、セラミックヒータ以外の熱源を用いる定着装置、例えばハロゲンヒータを用いた従来公知の熱ローラ方式や、定着部材の外周面を直接加熱する方式、あるいは誘導加熱方式などの定着装置に対しても適用させることが可能である。構成によって定着フィルム41や加圧ローラ42等の温度が温度検知手段の検知温度に反映されるまでの時間は異なるため、構成毎に測定タイミングを調整すれば良い。サーミスタの長手方向の配置は、用紙Pの搬送基準位置を中心として対称である場合を例に説明してきたが、通紙前後の温度差を比較する本実施の形態の構成であれば、配置位置は対称に限られるものではなく、非対称であっても良い。
本実施の形態ではΔTbaseを、通紙される記録材の1枚毎に取得したが、例えば定着フィルム41の温度を直接検知するようにしてもよい。直接検知する場合にはΔTbaseの温度測定時間が短くなる可能性があり、ΔTbaseの測定がやや不安定になる。そのような場合にはΔTbaseを直近の数枚の平均値としても良い。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態2においては、第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分を連続する複数枚の搬送にわたって演算・保持し、複数枚分の差分を予め定めた手順で処理して得られる差分情報から搬送状態を判別する。すなわち、複数枚の通紙で得られた差分データを取得して記憶し、所定の方法、たとえば統計的な手法で演算して得られた差分情報を基に、搬送状態を判別し、用紙のセット状態が適切でない可能性があることをユーザに通知する。
図13は、本実施の形態2に係る定着装置の模式的横断面図である。
一対の端部温度検知部材である端部サーミスタ151a、151bは、定着フィルム41表面に当接しており、より直接的に通紙に伴う定着フィルム41の温度変化を検知可能な構成となっている。本実施の形態においては、端部サーミスタ151a、151bと定着フィルム41の摺擦による定着フィルム41上の摺擦傷が画質に悪影響を与えないよう、端部サーミスタ151a、151bの配置は装置の最大通紙幅の端部近傍で、長手中央から106mmの位置とした。
つまり、LETTERサイズの用紙を通紙しても、通常の印刷物には両端に5mmずつの余白を持って印刷が行われるよう制御されているため、画質に影響を与えることはほとんどない。また、画像形成プロセス方向においては、図13に示すように、定着ニップ部Nの後端から下流方向に所定角度だけ離れた位置となっている。本実施の形態では約40°の位置としている。これは用紙の搬送の妨げとなることなく、定着ニップ部Nの下流直後の温度を測定可能な位置である。
それ以外の装置構成は、実施の形態1と同様であり、同一の構成部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
本実施の形態2においては、定着フィルム41の表面温度の変化を直接かつ適時測定している。
また、一枚毎の通紙で得られるデータは、実施の形態1と同様に、第1の検知温度差ΔTprintと第2の検知温度差ΔTbaseの差分(ΔTprint−ΔTbase)であるが、複数枚に渡る傾向から搬送状態を判断することで、用紙Pのセット状態をより
正確に判断することができる。この方法によれば、単発の現象の検知はできない一方、斜行や片寄せの誤検知によってユーザに不必要な通知をすることが少なくなるため、ユーザにとってバランスの良い装置を提供することができる。
例えば、給紙カセット21や給紙トレイ26上への用紙Pのセットの状態が適切でない場合、紙毎に搬送状態がばらつくことがある。つまり通紙毎に斜行となるものもあれば、斜行しない通紙となることもある。したがって、本実施の形態2においては、所定の頻度以上に差分|ΔTprint−ΔTbase|が基準値を超えた場合にのみ、ユーザに対して用紙のセット状態が適切でない可能性を通知する方法を採用した。
すなわち、判別手段としての制御部100は、複数枚の記録材一枚毎、すなわち搬送される用紙Pの1枚毎に、差分|ΔTprint−ΔTbase|が、予め設定された基準値である仮検知閾値以上になると、搬送状態が異常と仮検知し、仮検知の回数が前記複数枚の通紙中に予め設定された回数以上の頻度で検知した場合に、搬送状態を異常、すなわち、斜行・片寄せが生じていると判別する。
具体的には、仮検知閾値Vを4℃とし、差分|ΔTprint−ΔTbase|が4℃以上かどうかを判断し、4℃以上の場合には、斜行・片寄せ状態であると仮検知する。そして、直近の10枚以下の通紙中に3回以上の頻度で斜行・片寄せ状態を仮検知した場合に、斜行・片寄せ検知の判断を確定させ、搬送状態の異常、すなわち仮斜行・片寄せ状態が検知されたものと判断し、ユーザに通知を行う。
本実施の形態では、複数枚の通紙における傾向を把握すること、さらに、検知失敗に伴うユーザビリティの低下のリスクは実施の形態1よりも低いことから、基準値としての仮検知仮閾値を実施の形態1の検知閾値よりも小さくしている。
本実施の形態においては、前述したように実施の形態1とは端部サーミスタの配置が異なり、端部サーミスタ151a、151bは、定着ニップ部Nの直下流で、かつ定着フィルム41の表面に当接している。本構成では、実施の形態1と比較して定着フィルム41の温度変化を端部サーミスタ151a、151bが検知するまでの時間が短くなるので、実施の形態1とはΔTbase及びΔTprintの取得タイミングを異ならせている。
本実施の形態2における第1の検知温度差ΔTbaseのデータ取得タイミングは、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達する前の0.3sec間である。また、第2の検知温度差ΔTprintのデータ取得タイミングは、用紙Pの後端が定着ニップ部Nを通過した直後から0.3sec間である。
第1の検知温度差ΔTbaseのデータ取得タイミングは、用紙Pの先端が定着ニップ部Nに到達する直前の、定着フィルム41の表面温度が最も安定する期間である。また、第2の検知温度差ΔTprintのデータ取得タイミングは、用紙Pが定着ニップ部Nを通過して定着フィルム41に及ぼした影響を、外乱を受けずに検知できるタイミングとした。
表1に、給紙トレイ26に用紙を過積載し、10枚連続で通紙を行った実験結果を示す。
2枚目、8枚目、10枚目で判断基準値以上となる大きな斜行・片寄せが起きており、10枚中3回の頻度で仮斜行・片寄せを示しているので、斜行・片寄せ検知条件を満たし、斜行・片寄せ検知の判断を確定し、用紙Pのセットが適切でない可能性をユーザに通知する。
Figure 2016139075
次に、図14のフローチャートに従い、本実施の形態2の制御について、実施の形態1との差異を中心に、その制御フローを説明する。
画像形成装置が通紙を開始すると(S1401)、制御部100は実施の形態1と同様に、各通紙毎に第1の検知温度差ΔTbase、第2の検知温度差ΔTprintを取得し(S1402、S1403)、その差分|ΔTprint−ΔTbase|を算出する。本実施の形態2の特徴として、直近10枚の通紙で得られた差分|ΔTprint−ΔTbase|をRAM103に保持する。そして、10通紙中における差分データについて、|ΔTprint−ΔTbase|≧4に該当する頻度である通紙数をカウントする(S1404)。
このようにして得られた直近10通紙中に斜行・片寄せが生じていると仮検知された開通(頻度)が、ROM102に保持する検知閾値、たとえば3回に達した場合(S1405)に、異常検知を確定させ(S1406)、ユーザに通知をおこなう(S1407)。
この方法によれば、実施の形態1と比較すると即時性は劣るものの、各通紙に対しては検知の感度を低下させることなく、より確度の高い情報をユーザに与えることが可能となる。つまり、検知失敗に伴うユーザビリティの低下を招くことがより少ない装置をユーザに提供することができる。
本実施の形態では、端部サーミスタ151a、151bは、定着フィルム41に接触する構成としたが、接触式のサーミスタを用いると前記したように配置が制限される。温度検知手段として非接触式のサーモパイル等を用いると、コストアップにはなるものの、長手方向の温度検知手段の配設位置に制限が無く、装置毎の設定の自由度が高いメリットがある。
また、複数の通紙で得られた差分データの処理方法は、上記に限らない。本実施の形態では直近10枚以下の通紙中3回以上、閾値を越える場合にユーザ通知をおこなう、としたが、一枚毎の判断よりも確度を高めることが目的であるので、より即時性を求める場合には直近5枚以下の通紙中2回、等としても良い。
その他の例では、前記した差分|ΔTprint−ΔTbase|の値を、通紙数枚に渡って測定、及び記憶しておき、差分|ΔTprint−ΔTbase|の標準偏差を求め、ばらつき具合から用紙Pのセットの状態が適切でないことを通知してもよい。また、その他の判断条件として、所定枚数中の頻度ではなく、連続して差分|ΔTprint−ΔTbase|が予め設定した基準値を越えることなど、としてもよい。
また、複数枚の通紙に渡って測定及び記憶した差分|ΔTprint−ΔTbase|の合計値が、予め設定した基準値を超えるかどうかを判断条件としても良い。
本実施の形態でも、実施の形態1同様、長手両端の端部サーミスタ151a、151bの配設位置は、斜行もしくは片寄せの検知の対象となる通紙幅の端部やや中央寄りとしているが、通紙幅の端部よりも外側(フィルム端部側)であってもよい。斜行もしくは片寄せにより、端部サーミスタ151a、151bの配設位置において定着フィルム41から用紙への熱供給の差、あるいは非通紙部昇温による長手方向の温度差が生じるために、前記した方法により斜行・片寄せ検知が可能である。
[実施の形態3]
本実施の形態3も、実施の形態2と同様に、第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分を連続する複数枚の搬送にわたって演算・保持し、複数枚分の差分から搬送状態を判別する処理方法の一例である。装置の構成は実施の形態2と同様である。
本実施の形態3では、給紙カセットやトレイへの用紙のセットが適切でない場合の特徴である、用紙の搬送状態のばらつきに着目し、長手両端の温度差の変化である差分|ΔTprint−ΔTbase|の平均値と分散を用いて、斜行の検知を行う。
データのばらつきの指標としては、統計量として分散や標準偏差を用いるのが一般的であり、本実施の形態において分散を算出する構成としたのは、制御部100内部の演算処理部(CPU)101が四則演算のみに対応しているためである。ばらつき具合を算出できる指標であれば、斜行の検知基準は、標準偏差や分散に限られるものではない。
データが正規分布に従う場合には、平均値(N)±標準偏差(σ)×3の範囲内に99.7%のデータ、つまりほとんど全ての値が含まれることが知られている。本実施の形態においては、前記したように用紙Pのセットが適切でないことによる斜行にはばらつきがあり、その斜行量は正規分布を示す。従って斜行に伴う長手両端の端部サーミスタ151a及び151bの検知温度差の変化量である差分|ΔTprint−ΔTbase|もばらつきを有し正規分布を示す。
実施の形態1においては、基準値としての検知閾値Vを5℃とし、通紙によって長手両
端の温度差が5℃以上変化する場合に当該用紙が斜行・片寄せしていることを判断する方法を示した。一方で、1枚の通紙では温度差が閾値を越えず、実施の形態1では斜行・片寄せの検知にかからない場合であっても、前記したように用紙のセットが適切でない場合には長手両端の温度差の変化がばらつくことがある。このような場合、実施の形態3で示すように、標準偏差σを導入することにより、斜行・片寄せを検知し、用紙のセット状態を予測できる。
具体的には、以下の式3のように、前述した正規分布に従うデータである差分|ΔTprint−ΔTbase|の範囲を、差分データ|ΔTprint−ΔTbase|の平均値、標準偏差を用いて表す。そして、平均値及び標準偏差で規定されるデータ範囲の最大値が、予め設定された基準値である検知閾値Vを越える場合には、用紙のセット状態が好ましくないと判断しユーザに通知することができる。ここで用紙Pの斜行を検知するための、長手両端の温度差の変化閾値は実施の形態1同様に5℃とした。
すなわち、判別式は、次式によって示される。
|ΔTprint−ΔTbase|の平均値+3×|ΔTprint−ΔTbase|の標準偏差(σ)≧5 (式3)
ただし、前記したように本実施の形態3では標準偏差σの代わりに分散σを扱うため、式3を変形して、
|ΔTprint−ΔTbase|の分散(σ
≧{(5−|ΔTprint−ΔTbase|平均値)/3}^2 (式4)
の時に斜行を検知する。
表2(A)(B)に、斜行が含まれていない場合(A)と斜行を含む場合(B)について、10枚連続印字した場合の差分データ|ΔTprint−ΔTbase|の各測定値を示す。ここで、斜行を含む場合のデータは、実施の形態2に用いたものと同一である。
Figure 2016139075
用紙のセットに問題が無い場合には、差分データ|ΔTprint−ΔTbase|の平均値は0.34、分散は0.54である。前記式4の右辺は2.41であることから、斜行・片寄せの検知条件に当たらない。
一方、用紙のセットに問題があり、連続通紙中に斜行・片寄せが含まれる場合には、|ΔTprint−ΔTbase|の平均値は2.41、分散は2.49である。前記式4の右辺は0.75となり、その結果前記条件式を満たすことから、斜行・片寄せを検知し、ユーザに報知する。
本実施の形態3においては、差分データ|ΔTprint−ΔTbase|の平均値及び分散を用いたが、分散のみを用いて分散の大きさによって斜行検知を行っても良い。また、本実施の形態においてはばらつきが±3σの場合を例に説明したがその限りではなく、目的に応じてばらつき範囲を設定することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態4においては、実施の形態2同様に複数の通紙で得られた情報を分析し、1枚の通紙では斜行や片寄せが判断できない場合であっても、比較的少ない通紙数で斜行・片寄せを正確に検知し、ユーザに通知する方法について示す。
従来、判断基準に対して片寄せされた用紙Pが通紙された場合には、ユーザビリティ(スループット保持)を重視し、比較的大きな温度差が生じるまでスループットダウンせずに通紙を続けるのが一般的であった。しかしながら、長手方向の温度差が生じたままで通紙を続けることで、定着フィルム41が想定以上の高温にさらされ、また温度の左右差により定着フィルム41に寄り力が生じ、端部が繰り返し応力を受けるため、定着寿命の低下を招きかねない。従って、ユーザには比較的早い段階で用紙Pのセットの状態が好ましくないことを通知した方が良いという考え方がある。
規制板による端部の保持が不十分でない場合に起きる片寄せ通紙では、片寄せ量が小さい場合、定着長手方向の温度差は少しずつ広がっていくため、一枚毎の通紙では用紙Pのセットの状態を検知できないことがある。
本実施の形態4においては、差分(ΔTprint−ΔTbase)の変化の傾向から斜行もしくは片寄せを判断する方法について説明する。
実施の形態1乃至3とは異なり、第1の検知温度差と第2の検知温度差の差分(ΔTprint−ΔTbase)が、連続する複数枚の通紙中に増加または減少傾向を示した場
合に、記録材の搬送状態に異常があると判別するものである。
すなわち、片寄せ通紙では、給紙カセット21あるいは給紙トレイ26上において、用紙幅方向のどちらか一方に寄せてセットされていることを想定しており、差分(ΔTprint−ΔTbase)の符号が変わらない状態、つまり長手方向の温度差が単調増加または単調減少することを検知して、用紙の片寄せ通紙を判断する。
本実施の形態4においては、連続的に保持された複数枚の差分の移動平均によって、用紙の片寄状態を判断する。具体的には、用紙Pを3枚通紙する毎に(ΔTprint−ΔTbase)を平均化し、その平均値が5回に渡り連続して符号が変わらない、つまり5回とも全て正、または全て負の場合を片寄せ通紙と判断している。
用紙Pが用紙幅方向に片寄ると、用紙が寄った側では非通紙部昇温が起きにくい一方、反対側の端部において非通紙部昇温が大きくなり、徐々に定着長手方向の温度差が拡大していく。つまり、このように片寄せ通紙が続く間は、通紙毎の差分データ(ΔTprint−ΔTbase)は正、または負の値がほぼ連続することになる。しかしながら、温度検知のばらつき等の要因により、極性の逆転も起き得るため、本実施の形態4では、より温度差の拡大傾向を正しく把握するため、統計量として、データの移動平均値を基に片寄せの判断をおこなう構成とした。
表3に用紙の基準位置から2〜3mm片寄せした状態で連続通紙した場合の結果を示す。
Figure 2016139075
表3(A)に示す発明者による実験では、差分データ(ΔTprint−ΔTbase)の値は正の値を示す傾向があるものの、6枚目のように差が0となる場合、あるいは別のケースでは負の値を示す場合もあった。しかしながら、本実施の形態の表3(B)で示すように移動平均を測定することにより、温度検知のばらつきを抑えた精度の高い測定が可能となる。平均点数や取得したデータの演算は本実施の形態の限りではなく、例えば平均点数はさらに多い方が傾向の把握をしやすい。ただし、平均点数を増やすことで片寄せ検知にかかる時間が長くなることから、本実施の形態では3枚の通紙から得られるΔTprint−ΔTbase値の平均値を用いた。
本実施の形態の方法によれば、片寄せだけでなく、比較的小さな斜行が続いた場合等にも用紙Pのセット状態が好ましくないことを判断できる。また、前記演算とは別に、従来のように定着長手方向の温度差の絶対値の閾値も持っておくことで、早い段階での片寄せ
検知ができなくても、従来並みのタイミングでは片寄せ検知をすることができる。このように、二つの判断基準を持つことで少なくとも従来以上の片寄せ検知機能を有する構成としても良い。
なお、画像形成装置については、図1に示した画像形成装置のような複合機に限られず、ファクス、プリンタ、複写機等、加熱定着部を有する画像形成装置に対して広く適用可能である。
21 給紙カセット(記録材保持部)、26 給紙トレイ(記録材保持部)
40 定着装置、41 定着フィルム(定着部材)、42 加圧ローラ(加圧部材)
60 ヒータ(加熱体)、N 定着ニップ部
51a、51b 端部サーミスタ(第1、第2温度検知部材)
100 制御部(判別手段)
151a、151b 端部サーミスタ
P 用紙(記録材)
ΔPrint 第2の検知温度差、ΔTbase 第1の検知温度差
(ΔTprint−ΔTbase) 差分

Claims (19)

  1. 互いに圧接されて回転する定着部材と加圧部材とを有し、前記定着部材と加圧部材が圧接される定着ニップ部にトナー像が形成された記録材を搬送通過させてトナー像を記録材に定着する定着装置を備え、
    該定着装置は、前記記録材の搬送方向と直交する方向の記録材両端部それぞれが搬送通過する位置近傍の前記定着部材の温度変化を検知する第1及び第2の温度検知部材を有する画像形成装置において、
    前記記録材先端部が前記定着ニップ部に到達するタイミングでの前記第1温度検知部材と第2温度検知部材の検知温度差を第1の検知温度差、前記記録材後端部が前記定着ニップ部を通り抜けたタイミングでの前記第1温度検知部材と第2温度検知部材の検知温度差を第2の検知温度差とした時に、第1の検知温度差と第2の検知温度差の差分を求め、求めた差分に応じて記録材の搬送状態を判断する判別手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記判別手段は、搬送される記録材1枚毎に、搬送状態を判別する請求項1に記載の画
    像形成装置。
  3. 前記判別手段は、前記第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分が、予め設定された基準値に達すると搬送状態が異常と判別する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記判別手段は、前記第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分を連続する複数枚の搬送にわたって演算・保持し、複数枚分の差分を予め定めた手順で処理して得られる差分情報から搬送状態を判別する請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記判別手段は、前記複数枚の各記録材一枚毎に、前記差分が、予め設定された基準値以上になると搬送状態が異常と仮検知し、仮検知の回数が前記複数枚の通紙中に予め設定された回数以上の頻度で検知した場合に、搬送状態を異常と判別することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記判別手段は、保持された連続する複数枚の差分のばらつきを示す情報から判別することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  7. 前記ばらつきを示す情報は、前記差分の平均値及び標準偏差で規定されるデータ範囲であり、データ範囲の最大値が予め定められた基準値を超えた場合に異常があると判別する請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 標準偏差を分散に置き換えた請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記判別手段は、前記第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分が、連続する複数枚の通紙中に増加または減少傾向を示した場合に、記録材の搬送状態に異常があると判別する請求項4に記載の画像形成装置。
  10. 前記第1の検知温度差と前記第2の検知温度差の差分の増加又は減少傾向の判別は、連続的に保持された複数枚の差分の移動平均によって判別することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記基準値は、搬送される記録材の坪量によって異なることを特徴とする請求項3,5又は7に記載の画像形成装置。
  12. 前記基準値は、搬送される記録材のサイズによって異なることを特徴とする請求項3,5又は7に記載の画像形成装置。
  13. 前記基準値は、搬送される記録材の表面性によって異なることを特徴とする請求項3,5又は7に記載の画像形成装置。
  14. 前記記録材は、記録材保持部から送り出された記録材を前記定着ニップ部に搬送する構成で、
    前記判別手段は、前記記録材の搬送状態が異常と判別した場合に、前記記録材保持部による記録材保持状態が適切でない可能性を通知する通知信号を出力することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  15. 前記定着部材は、加熱体により加熱される回転体より成る定着部材によって構成されている請求項1乃至14のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1温度検知部材及び前記第2温度検知部材は、前記定着部材の温度を直接検知することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記第1温度検知部材及び前記第2温度検知部材は、前記定着部材手段を加熱する加熱体の温度を検知することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  18. 前記定着部材は可撓性の定着フィルムであり、定着フィルムの内面に摺接する加熱体によって加圧部材と圧接されることを特徴とする請求項15乃至17のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  19. 前記第1温度検知部材及び前記第2温度検知部材は、小サイズの記録材の非通紙部昇温検知のための温度検知部材である請求項1乃至18のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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